説明

入出力装置の駆動方法

【課題】表示画像のコントラストを向上させる。
【解決手段】複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、第1の光データを用いて画像処理回路により画像データを生成して記憶回路に保持し、CPUにより、記憶回路から画像データを読み出し、画像データを画像信号として入出力部に入力し、入出力部により、画像信号から表示データ信号を生成し、生成した表示データ信号を表示回路に入力し、表示回路が画像データに基づく表示状態である間に、複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を出力する機能を有し、且つ光の入射により情報を入力する機能を有する装置(入出力装置ともいう)の技術開発が進められている。
【0003】
入出力装置としては、行列方向に配置された複数の表示回路及び複数の光検出回路(光センサともいう)を画素部に備え、光センサに入射する光の照度を検出することにより、画素部に重畳する被読み取り物の座標を検出する機能(座標検出機能ともいう)及び被読み取り物の画像データを生成する機能(読み取り機能)を有する入出力装置が挙げられる(例えば特許文献1)。例えば座標検出機能により、上記入出力装置にタッチパネルとしての機能を付加させることができる。また、読み取り機能により、入出力装置にスキャナーとしての機能を付加させることができ、画素部において読み取り機能により生成した画像データに基づく画像を表示させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−109467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の入出力装置では、読み取り機能により読み取った画像のコントラストが低いといった問題があった。
【0006】
例えば、従来の入出力装置では、表示回路における光の透過率を最大にして被読み取り物の読み取り動作を行っていた。この場合、被読み取り物により反射した光がそのまま光検出回路に入射されやすくなるが、例えば黒の画像部分におけるコントラストが低くなる。
【0007】
本発明の一態様では、読み取った画像を画素部に表示させる際に、表示画像のコントラストを向上させることを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、光検出回路により入射する光の照度に応じた第1の光データを生成し、第1の光データを用いて画像データを生成し、表示回路により生成した画像データに基づく画像を画素部に表示させている間に、光検出回路により入射する光の照度に応じた第2の光データを生成するものである。これにより、光検出回路に入射する光の照度を画像に応じた値に制御しながら被読み取り物の読み取り動作を行い、読み取り画像のコントラストの向上を図る。
【0009】
本発明の一態様は、画素部を含む入出力部と、画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、画素部は、表示選択信号が入力され、表示選択信号に従って表示データ信号が入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、画素部に被読み取り物が重畳するとき、複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、第1の光データを用いて画像処理回路により画像データを生成して記憶回路に保持し、CPUにより、記憶回路から画像データを読み出し、画像データを画像信号として入出力部に入力し、入出力部により、画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した複数の表示データ信号を複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、複数の表示回路により、画素部に複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、被読み取り物と重畳する画素部の領域に被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成する入出力装置の駆動方法である。
【0010】
また、本発明の一態様は、画素部を含む入出力部と、画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、画素部は、表示選択信号が入力され、表示選択信号に従って表示データ信号が入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、画素部にボタン画像を表示し、画素部に第1の被読み取り物が重畳するとき、複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、第1の光データを用いて画像処理回路により画像データを生成して記憶回路に保持し、CPUにより、記憶回路から画像データを読み出し、画像データを画像信号として入出力部に入力し、入出力部により、画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した複数の表示データ信号を複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、複数の表示回路により、画素部に複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、被読み取り物と重畳しない画素部の領域に被読み取り物を鏡像反転させた画像を表示し、その後、ボタン画像が表示されている画素部の領域に第2の被読み取り物が重畳するときに、被読み取り物と重畳する画素部の領域に被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成することを特徴とする入出力装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様により、読み取り画像のコントラストを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1における入出力装置を説明するための図。
【図2】実施の形態2における入出力装置の機能例を説明するための図。
【図3】実施の形態3における入出力装置の機能例を説明するための図。
【図4】実施の形態4における光検出回路を説明するための図。
【図5】実施の形態5における表示回路を説明するための図。
【図6】実施の形態6に示すトランジスタの構造例を説明するための断面模式図。
【図7】図6(A)に示すトランジスタの作製方法例を説明するための断面模式図。
【図8】実施の形態7における電子機器の例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を説明するための実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は、以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定されない。
【0014】
なお、各実施の形態の内容を互いに適宜組み合わせることができる。また、各実施の形態の内容を互いに置き換えることができる。
【0015】
また、第1、第2などの序数を用いた用語は、構成要素の混同を避けるために付しており、各構成要素は、序数に限定されない。
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態では、画像を表示することにより情報の出力が可能であり、且つ入射する光により情報の入力が可能な入出力装置(入出力システムともいう)の例について説明する。
【0017】
本実施の形態における入出力装置の例について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態における入出力装置の例を説明するための図である。
【0018】
まず、本実施の形態における入出力装置の構成例について、図1(A)を用いて説明する。図1(A)は、本実施の形態における入出力装置の構成例を示す模式図である。
【0019】
図1(A)に示す入出力装置は、入出力部(I/Oともいう)101と、入出力制御部(I/OCTLともいう)102と、データ処理部(DataPともいう)103と、を含む。
【0020】
入出力部101は、データの入出力を行う。
【0021】
入出力制御部102は、入出力部101における入力動作及び出力動作を制御する。例えば、入力動作は、入射する光の照度に応じたデータの生成であり、出力動作は、画像の表示である。なお、入出力制御部102は、必ずしも設けなくてもよく、外部から入出力部101における動作を制御してもよい。
【0022】
データ処理部103は、入力されるデータ信号に応じた処理を行う。また、データ処理部103は、必要に応じて、入力されるデータ信号のデータに応じて選択されたプログラムを実行する機能を有する。例えば、データ処理部103は、入出力部101から入力されるデータにより、被読み取り物の座標の検出又は画像データの生成などを行う。
【0023】
さらに、入出力部101、入出力制御部102、及びデータ処理部103について以下に説明する。
【0024】
入出力部101は、表示回路制御部101aと、光検出回路制御部101bと、光源部101cと、画素部101dと、を含む。
【0025】
表示回路制御部101aは、表示駆動回路(DISPDRVともいう)111と、表示データ信号出力回路(DDOUTともいう)112と、を含む。
【0026】
光検出回路制御部101bは、光検出駆動回路(PSDRVともいう)113と、読み出し回路116と、を含む。
【0027】
光源部101cは、ライトユニット(LIGHTともいう)114を含む。
【0028】
画素部101dは、複数の表示回路(DISPともいう)115dと、複数の光検出回路(PSともいう)115pと、を含む。画素部101dは、表示回路115dを備える画素を備える。なお、1個以上の表示回路115dにより1つの画素が構成される。また、画素に1個以上の光検出回路115pが含まれてもよい。また、複数の表示回路115dは、画素部101dにおいて、行列方向に配置される。また、複数の光検出回路115pは、画素部101dにおいて、行列方向に配置される。
【0029】
表示駆動回路111は、パルス信号である複数の表示選択信号(信号DSELともいう)を出力する機能を有する。
【0030】
表示駆動回路111は、例えばシフトレジスタを備える。表示駆動回路111は、シフトレジスタからパルス信号を出力させることにより、表示選択信号を出力することができる。
【0031】
表示データ信号出力回路112には、画像を電気信号で表した画像信号が入力される。表示データ信号出力回路112は、入力された画像信号を元に電圧信号である表示データ信号(信号DDともいう)を生成し、生成した表示データ信号を出力する機能を有する。
【0032】
表示データ信号出力回路112は、例えばスイッチングトランジスタを備える。
【0033】
なお、入出力装置において、トランジスタは、2つの端子と、印加される電圧により該2つの端子の間に流れる電流を制御する電流制御端子と、を有する。なお、トランジスタに限らず、素子において、互いの間に流れる電流が制御される端子を電流端子ともいい、2つの電流端子のそれぞれを第1の電流端子及び第2の電流端子ともいう。
【0034】
また、入出力装置において、トランジスタとしては、例えば電界効果トランジスタを用いることができる。電界効果トランジスタの場合、第1の電流端子は、ソース及びドレインの一方であり、第2の電流端子は、ソース及びドレインの他方であり、電流制御端子は、ゲートである。
【0035】
また、一般的に電圧とは、ある二点間における電位の差(電位差ともいう)のことをいう。しかし、電圧及び電位の値は、回路図などにおいていずれもボルト(V)で表されることがあるため、区別が困難である。そこで、本明細書では、特に指定する場合を除き、ある一点の電位と基準となる電位(基準電位ともいう)との電位差を、該一点の電圧として用いる場合がある。
【0036】
表示データ信号出力回路112は、スイッチングトランジスタがオン状態のときに画像信号のデータを表示データ信号として出力することができる。スイッチングトランジスタは、電流制御端子にパルス信号である制御信号を入力することにより制御することができる。なお、表示回路115dの数が複数である場合には、複数のスイッチングトランジスタを選択的にオン状態又はオフ状態にすることにより、画像信号のデータを複数の表示データ信号として出力してもよい。
【0037】
光検出駆動回路113は、パルス信号である光検出リセット信号(信号PRSTともいう)を出力する機能を有する。なお、必要に応じて光検出駆動回路113がパルス信号である電荷蓄積制御信号(信号TXともいう)、又は電荷蓄積制御信号及びパルス信号である出力選択信号(信号OSELともいう)を出力する機能を有する構成にしてもよい。
【0038】
光検出駆動回路113は、例えばシフトレジスタを備える。このとき、光検出駆動回路113は、シフトレジスタからパルス信号を出力させることにより、光リセット信号、光検出リセット信号及び電荷蓄積制御信号、又は光検出リセット信号、電荷蓄積制御信号、及び出力選択信号を出力することができる。
【0039】
ライトユニット114は、光源を備える発光ユニットである。
【0040】
光源としては、例えば冷陰極管又は発光ダイオードを用いることができる。発光ダイオードは、可視光領域(例えば光の波長が360nm乃至830nmである領域)の波長を有する光を発する発光ダイオードである。発光ダイオードとしては、例えば白色発光ダイオードを用いることができる。なお、それぞれの色の発光ダイオードの数は、複数でもよい。また、発光ダイオードとして、例えば赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードを用いてもよい。赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードを用いることにより、例えば1つのフレーム期間中に表示選択信号に従って、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードの一つ又は複数を順次切り替えて発光させることにより、フルカラーの画像を表示する駆動方式(フィールドシーケンシャル駆動方式)を用いることができ、且つフルカラーでの被読み取り物の読み取りを行うことができる。
【0041】
なお、例えば発光ダイオードの点灯を制御する制御回路を設け、パルス信号であり、該制御回路に入力される制御信号に従って、発光ダイオードの点灯を制御することもできる。
【0042】
表示回路115dは、ライトユニット114に重畳する。例えばライトユニット114からの光が被読み取り物により反射し、反射した光が表示回路115dに入射する。また、表示回路115dには、パルス信号である表示選択信号が入力され、且つ入力された表示選択信号に従って表示データ信号が入力される。表示回路115dは、入力された表示データ信号のデータに応じた表示状態になる機能を有する。
【0043】
表示回路115dは、例えば表示選択トランジスタ及び表示素子を備える。
【0044】
表示選択トランジスタは、表示素子に表示データ信号のデータを入力させるか否かを選択する機能を有する。
【0045】
表示素子は、表示選択トランジスタに従って表示データ信号のデータが入力されることにより、表示データ信号のデータに応じた表示状態になる機能を有する。
【0046】
表示素子としては、例えば液晶素子などを用いることができる。
【0047】
また、液晶素子を備える入出力装置の表示方式としては、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In Plane Switching)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モード、又はFFS(Fringe Field Switching)モードなどを用いてもよい。
【0048】
光検出回路115pは、ライトユニット114に重畳する。例えば、画素部101dに被読み取り物がある場合、ライトユニット114から照射された光が被読み取り物により反射し、該反射した光が光検出回路115pに入射する。光検出回路115pには、光検出リセット信号及び電荷蓄積制御信号が入力される。また、赤色用、緑色用、及び青色用の光検出回路115pを設けることもできる。例えば、赤色、緑色、及び青色のカラーフィルタを設け、赤色、緑色、及び青色のカラーフィルタを介してそれぞれの色用の光検出回路115pにより光データを生成し、生成した複数の光データを合成して画像データを生成することにより、フルカラーの画像データを生成することもできる。
【0049】
光検出回路115pは、光検出回路制御部に従って入射する光の照度に応じた電圧データ(光データ又はPDATAともいう)を生成する機能を有する。
【0050】
光検出回路115pは、光検出リセット信号に従ってリセット状態になる機能を有する。
【0051】
また、光検出回路115pは、電荷蓄積制御信号に従って、光データを生成する機能を有する。
【0052】
また、光検出回路115pは、出力選択信号に従って、生成した光データを光データ信号として出力する機能を有する。
【0053】
光検出回路115pは、例えば光電変換素子、増幅トランジスタ、及び出力選択トランジスタを備える。
【0054】
光電変換素子は、光が入射することにより、入射した光の照度に応じて電流(光電流ともいう)が流れる機能を有する。
【0055】
出力選択トランジスタの電流制御端子には、出力選択信号が入力される。出力選択トランジスタは、光データ信号として光データを光検出回路115pから出力するか否かを選択する機能を有する。
【0056】
なお、光検出回路115pは、増幅トランジスタの第1の電流端子又は第2の電流端子を介して光データを光データ信号として出力する。
【0057】
読み出し回路116は、光データを読み出す光検出回路115pを選択し、選択した光検出回路115pから光データを読み出す機能を有する。
【0058】
読み出し回路116は、例えば選択回路を用いて構成される。例えば、選択回路は、スイッチングトランジスタを備え、該スイッチングトランジスタに従って光検出回路115pから光データ信号が入力されることにより光データを読み出すことができる。
【0059】
また、入出力制御部102は、表示回路制御部(DCTLともいう)121と、光検出回路制御部(PDCTLともいう)122と、を含む。
【0060】
表示回路制御部121は、表示回路115dにおける表示動作を制御する。表示回路制御部121は、入出力部101及びデータ処理部103における各回路とデータのやりとりを行う。
【0061】
光検出回路制御部122は、光検出回路115pにおける光データ生成動作及び読み出し動作を制御する。光検出回路制御部122は、入出力部101及びデータ処理部103における各回路とデータのやりとりを行う。
【0062】
また、データ処理部103は、画像処理回路(IMGPともいう)131と、記憶回路(MEMORYともいう)132と、CPU(Central Processing Unit)133と、を含む。
【0063】
画像処理回路131は、入力された光データを用いて画像データを生成する。
【0064】
記憶回路132は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。なお、RAMは、複数でもよい。また、ROMには、所定の動作を行うためのプログラムのデータなどが記憶されている。なお、プログラムの数は、適宜設定することができる。
【0065】
CPU133は、命令信号が入力され、入力された命令信号に応じたプログラムを実行する。
【0066】
次に、本実施の形態における入出力装置の駆動方法例として、図1(A)に示す入出力装置の駆動方法例について、図1(B)を用いて説明する。図1(B)は、図1(A)に示す入出力装置の駆動方法例を説明するためのフローチャートである。
【0067】
図1(A)に示す入出力装置の駆動方法例では、表示選択信号のパルスに従って表示回路115dに表示データ信号が入力され、表示回路115dは、入力された表示データ信号のデータに応じた表示状態になり、画素部101dは、画像を表示する。
【0068】
また、図1(A)に示す入出力装置の駆動方法例では、図1(B)に示すステップS11乃至ステップS14における動作を行う。各動作について以下に説明する。
【0069】
まず、ステップS11として、第1の光データの生成(第1の光データ生成ともいう)を行う。
【0070】
第1の光データの生成における動作としては、複数の光検出回路115pのそれぞれに入射する光の照度に応じた複数の第1の光データを生成する。なお、複数の第1の光データを生成する前に、光検出リセット信号に従って複数の光検出回路115pのそれぞれをリセット状態にする。また、第1の光データを生成する際に、表示回路115dにおける光の透過率を最大にしておいてもよい。
【0071】
さらに、出力選択信号に従って、複数の光検出回路115pにより生成した第1の光データを光データ信号として順次出力する。さらに、読み出し回路116により複数の光検出回路115pから出力された第1の光データを順次読み出して出力することにより、順次光データ信号をデータ処理部103に出力する。
【0072】
データ処理部103に光データ信号が入力されると、光データ信号のデータ(第1の光データ)は、記憶回路132におけるRAMの指定されたメモリアドレスに順次記憶される。また、各第1の光データの座標情報も座標データとしてRAMに記憶してもよい。また、光データ信号がアナログ信号の場合には光データ信号をデジタル信号に変換してもよい。
【0073】
次に、ステップS12として、画像データの生成(画像データ生成ともいう)を行う。
【0074】
画像データ生成の動作としては、画像処理回路131により、第1の光データを用いて画像データを生成し、生成した画像データを適宜記憶回路132に記憶する。
【0075】
次に、ステップS13として、画像の表示(画像表示ともいう)を行う。
【0076】
画像表示の動作としては、CPU133により、記憶回路132から第1の光データに基づいて生成された画像データを読み出し、該画像データを画像信号として入出力部101に入力する。さらに、第1の光データに基づいて生成された画像データを含む画像信号から、表示データ信号出力回路112により表示データ信号を生成する。さらに、生成した表示データ信号を複数の表示回路115dのそれぞれに順次入力していき、画素部101dにおいて第1の光データを用いて生成した画像データに基づく画像を表示する。なお、画像を表示する前に、生成した画像データに対して、画像処理回路131により画像処理を行ってもよい。画像処理としては、例えばノイズ除去処理、又は色補正処理などが挙げられる。
【0077】
次に、ステップS14として、第2の光データの生成(第2の光データ生成ともいう)を行う。
【0078】
第2の光データ生成の動作としては、画素部101dに第1の光データを用いて生成した画像データに基づく画像が表示されている間に、複数の光検出回路115pのそれぞれに入射する光の照度に応じた複数の第2の光データを生成する。なお、複数の第2の光データを生成する前に、光検出リセット信号に従って光検出回路115pをリセット状態にする。第1の光データを用いて生成した画像データに基づく画像により、生成される第2の光データの値は、第1の光データを用いて生成した画像データに基づいて設定される。すなわち、第2の光データの値は、第1の光データの値に応じて調整される。
【0079】
例えば、被読み取り物が画素部101dに重畳するときに、第1の光データを生成し、第1の光データに基づく画像を表示することにより、被読み取り物が重畳する画素部101dに領域に被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示する。さらに、被読み取り物と鏡像の関係になる画像が表示されている間に、第2の光データを生成する。これにより、被読み取り物と鏡像の関係になる画像の階調値の低い部分の光検出回路115pには、光が入射しにくくなり、第2の光データの値が低くなる。
【0080】
さらに、出力選択信号に従って、複数の光検出回路115pにより生成した複数の第2の光データを光データ信号として順次出力する。さらに、読み出し回路116により、複数の光検出回路115pから出力された複数の第2の光データを順次読み出して出力することにより、光データ信号をデータ処理部103に出力する。
【0081】
さらに、その後、データ処理部103に入力された光データ信号のデータを用いて画像処理回路131により、第2の光データに基づく画像データを生成し、第2の光データに基づいて生成された画像データを含む画像信号から表示データ信号を生成し、生成した表示データ信号を表示回路115dに順次入力していき、画素部101dにおいて第2の光データを用いて生成した画像データに基づく画像を表示してもよい。このとき、第2の光データを用いて生成した画像データに基づく画像は、第1の光データを用いて生成した画像データに基づく画像に応じて光データの値が調整されているため、第1の光データを用いて生成した画像データに基づく画像よりコントラストが高い。
【0082】
図1を用いて説明したように、本実施の形態における入出力装置の一例は、第1の光データを生成し、該第1の光データを用いて画像を生成して表示し、該第1の光データに基づく画像が表示されている間に、第2の光データを生成する構成である。上記構成の場合、第2の光データを生成する際に、光検出回路に入射する光の照度は、隣接する表示回路の表示画像に応じた値、すなわち第1の光データに応じた値になる。よって、第1の光データに応じて光検出回路に入射する光の照度を制御しながら第2の光データを生成することができる。よって、例えば第2の光データを用いて画像を生成して表示する際に、該画像のコントラストを向上させることができる。
【0083】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1に示す入出力装置の機能例について説明する。
【0084】
本実施の形態における入出力装置の機能例について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態における入出力装置の機能例を説明するための模式図である。
【0085】
まず、図2(A)に示すように、画素部101dに被読み取り物142aを重畳させる。被読み取り物142aには、一例として文字が記載されている。なお、図2では、一例として被読み取り物142aと画素部101dの間に間隔を有しているが、これに限定されず、被読み取り物142aが画素部101dに接してもよい。また、このとき、画素部101dにおける光検出回路115pにより第1の光データを生成する。
【0086】
さらに、画像処理回路131により、生成した第1の光データから画像データを生成する。さらに、上記画像データを画像信号とし、該画像信号から表示データ信号を生成し、生成した表示データ信号を表示回路115dに順次入力していき、図2(B)に示すように、該画像データに基づいて、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域に被読み取り物画像144aを表示させる。被読み取り物画像144aは、被読み取り物142aと鏡像の関係になる。また、被読み取り物画像144aの大きさは、被読み取り物142aの大きさと同じであることが好ましい。また、画像処理回路131により第1の光データに基づく画像データの画像処理を行うことにより、被読み取り物画像144aの大きさを、被読み取り物142aの大きさと同じにしてもよい。
【0087】
なお、このとき図2(B)に示すように、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域とは別の領域に被読み取り物画像144bを表示させてもよい。このとき、被読み取り物画像144bを、被読み取り物142aを鏡像反転させた画像にしてもよい。被読み取り物画像144bは、プレビュー画像としての機能を有する。なお、被読み取り物画像144bの大きさは、適宜設定される。
【0088】
さらに、被読み取り物142aが画素部101dに重畳し、被読み取り物画像144aを表示している間に、画素部101dにおける光検出回路115pにより第2の光データを生成する。このとき、光検出回路115pに入射する光は、表示回路115dにおける光の透過率に応じた照度になる。
【0089】
例えば、表示回路115dの表示状態が黒に近いほど、該表示回路115dにおいて光が透過しにくく、該表示回路115dに隣接する光検出回路115pに入射する光の照度は低くなる。例えば、被読み取り物画像144aにおける文字の部分は、該表示回路115dにおいて光が透過しにくい。
【0090】
さらに、生成した第2の光データから画像データを生成し、図2(C)に示すように、該画像データに基づいて、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域に被読み取り物画像144dを表示させる。被読み取り物画像144dは、被読み取り物142aと鏡像の関係になる。なお、被読み取り物画像144dのコントラストは、被読み取り物画像144bのコントラストより高い。
【0091】
また、このとき被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域に被読み取り物画像144cを表示させてもよい。このとき、被読み取り物画像144cは、被読み取り物142aと鏡像の関係になり、被読み取り物画像144cの大きさは、被読み取り物142aの大きさと同じであることが好ましい。また、被読み取り物画像144dのコントラストは、被読み取り物画像144bのコントラストより高い。
【0092】
また、被読み取り物画像144cを表示させた後に、光データを生成し、該光データに応じた画像データに基づく画像を表示させる動作を複数回行ってもよい。
【0093】
このとき、データを生成し、該光データに基づく画像を表示させる動作の回数を、生成した画像データの階調値に応じて設定することができる。
【0094】
例えば、生成した光データに基づく画像データのそれぞれにおける座標データ及び階調データを記憶回路132に記憶しておく。さらに、CPU133により該画像データを順次読み出す。このとき、一番暗い階調を表す画像データの階調が0である場合には、該画像データを記憶回路132に書き込む。また、一番暗い階調を表す画像データの階調が0でない場合、再度光データの生成及び画像データに基づく画像の表示動作を繰り返し行い、一番暗い階調を表す画像データの階調が0又は初期値より基準値以上変化したら該画像データを記憶回路132に書き込む。なお、例えば比較回路などにより複数の画像データを順次比較することにより、一番暗い階調を表す画像データを選択することができる。
【0095】
図2を用いて説明したように、実施の形態1に示す入出力装置は、被読み取り物が重畳しているときに第1の光データを生成し、第1の光データに基づいて被読み取り物が重畳する画素部の領域に、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示させ、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示させている間に第2の光データを生成する構成である。上記構成にすることにより、第2の光データを生成する際に、光検出回路に入射する光の照度を表示画像に応じた値にすることができるため、被読み取り物の画像のコントラストを向上させることができる。
【0096】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1に示す入出力装置の機能例について説明する。本実施の形態における入出力装置の機能例において、実施の形態2に示す入出力装置の機能例の説明と同じ部分については、実施の形態2に示す入出力装置の機能例の説明を適宜援用する。
【0097】
本実施の形態における入出力装置の機能例について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における入出力装置の機能例を説明するための模式図である。
【0098】
まず、図3(A)に示すように、ボタン画像143が表示された画素部101dに被読み取り物142aを重畳させる。被読み取り物142aには、一例として文字が記載されている。なお、図3では、一例として被読み取り物142aと画素部101dの間に間隔を有しているが、これに限定されず、被読み取り物142aが画素部101dに接してもよい。また、このとき、画素部101dにおける光検出回路115pにより第1の光データを生成する。
【0099】
さらに、画像処理回路131により、生成した第1の光データから画像データを生成する。さらに、上記画像データを画像信号とし、該画像信号から表示データ信号を生成し、生成した表示データ信号を表示回路115dに順次入力していき、図3(B)に示すように、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域とは別の領域に被読み取り物画像144bを表示させる。このとき、被読み取り物画像144bは、被読み取り物142aを鏡像反転させた画像である。被読み取り物画像144bは、プレビュー画像としての機能を有する。なお、被読み取り物画像144bの大きさは、適宜設定される。
【0100】
次に、図3(C)に示すように、必要に応じてボタン画像143に被読み取り物142bを重畳させる。すると、画像処理回路131により、生成した第1の光データから画像データを生成し、図3(C)に示すように、該画像データに基づいて、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域に被読み取り物画像144aを表示させる。なお、被読み取り物142bとしては、例えば指やペンなどが挙げられる。
【0101】
さらに、被読み取り物142aが画素部101dに重畳し、被読み取り物画像144aを表示している間に、画素部101dにおける光検出回路115pにより第2の光データを生成する。このとき、光検出回路115pに入射する光は、表示回路115dにおける光の透過率に応じた照度になる。
【0102】
例えば、表示回路115dの表示状態が黒に近いほど、該表示回路115dにおいて光が透過しにくく、該表示回路115dに隣接する光検出回路115pに入射する光の照度は低くなる。例えば、被読み取り物画像144aにおける文字の部分は、該表示回路115dにおいて光が透過しにくい。
【0103】
さらに、生成した第2の光データから画像データを生成し、図3(D)に示すように、該画像データに基づいて、被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域とは別の領域に被読み取り物画像144dを表示させる。被読み取り物画像144dは、被読み取り物142aと鏡像の関係になる。なお、被読み取り物画像144dのコントラストは、被読み取り物画像144bのコントラストより高い。
【0104】
また、このとき被読み取り物142aに重畳する画素部101dの領域に被読み取り物画像144cを表示させてもよい。このとき、被読み取り物画像144cは、被読み取り物142aと鏡像の関係になり、被読み取り物画像144cの大きさは、被読み取り物142aの大きさと同じであることが好ましい。また、被読み取り物画像144dのコントラストは、被読み取り物画像144bのコントラストより高い。
【0105】
また、被読み取り物画像144cを表示させた後に、光データを生成し、該光データに応じた画像データに基づく画像を表示させる動作を複数回行ってもよい。
【0106】
このとき、光データを生成し、該光データに基づく画像を表示させる動作の回数を、生成した画像データの階調値に応じて設定することができる。
【0107】
例えば、生成した光データに基づく画像データのそれぞれにおける座標データ及び階調データを記憶回路132に記憶しておく。さらに、CPU133により上記画像データを順次読み出す。このとき、一番暗い階調を表す画像データの階調が0である場合には、該画像データを記憶回路132に書き込む。また、一番暗い階調を表す画像データの階調が0でない場合、再度光データの生成及び画像データに基づく画像の表示動作を繰り返し行い、一番暗い階調を表す画像データの階調が0又は初期値より基準値以上変化したら該画像データを記憶回路132に書き込む。なお、例えば比較回路などにより複数の画像データを順次比較することにより、一番暗い階調を表す画像データを選択することができる。
【0108】
図3を用いて説明したように、実施の形態1に示す入出力装置は、被読み取り物が重畳しているときに第1の光データを生成し、第1の光データに基づいて被読み取り物が重畳する画素部の領域に、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示させ、被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示させている間に第2の光データを生成する構成である。上記構成にすることにより、第2の光データを生成する際に、光検出回路に入射する光の照度を表示画像に応じた値にすることができるため、被読み取り物の画像のコントラストを向上させることができる。
【0109】
また、実施の形態1に示す入出力装置は、表示させた被読み取り物画像を確認しながら、再度光データを生成するか否かを選択することができる構成である。上記構成にすることにより、視認者により、最適な被読み取り物の画像のコントラストを設定することができる。
【0110】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態の入出力装置における光検出回路の例について説明する。
【0111】
本実施の形態における光検出回路の例について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態における光検出回路の例を説明するための図である。
【0112】
まず、本実施の形態の光検出回路の構成例について、図4(A)乃至図4(C)を用いて説明する。図4(A)乃至図4(C)は、本実施の形態における光検出回路の構成例を示す図である。
【0113】
図4(A)に示す光検出回路は、光電変換素子(PCEともいう)151aと、トランジスタ152aと、トランジスタ153cと、を備える。
【0114】
なお、図4(A)に示す光検出回路において、トランジスタ152a及びトランジスタ153aは、電界効果トランジスタである。
【0115】
光電変換素子151aは、第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、光電変換素子151aの第1の電流端子には、信号PRSTが入力される。
【0116】
トランジスタ152aのゲートは、光電変換素子151aの第2の電流端子に電気的に接続される。
【0117】
トランジスタ153aのソース及びドレインの一方は、トランジスタ152aのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、トランジスタ153aのゲートには、信号OSELが入力される。
【0118】
なお、トランジスタ152aのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153aのソース及びドレインの他方のうちの一方には、電圧Vaが入力される。
【0119】
さらに、図4(A)に示す光検出回路は、トランジスタ152aのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153aのソース及びドレインの他方のうちの他方から光データを光データ信号として出力する。
【0120】
図4(B)に示す光検出回路は、光電変換素子151bと、トランジスタ152bと、トランジスタ153bと、トランジスタ154と、トランジスタ155と、を備える。
【0121】
なお、図4(B)に示す光検出回路において、トランジスタ152b、トランジスタ153b、トランジスタ154、及びトランジスタ155は、電界効果トランジスタである。
【0122】
光電変換素子151bは、第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、光電変換素子151bの第1の電流端子には、電圧Vbが入力される。
【0123】
トランジスタ154のソース及びドレインの一方は、光電変換素子151bの第2の電流端子に電気的に接続され、トランジスタ154のゲートには、電荷蓄積制御信号が入力される。電荷蓄積制御信号は、パルス信号である。
【0124】
トランジスタ152bのゲートは、トランジスタ154のソース及びドレインの他方に電気的に接続される。
【0125】
トランジスタ155のソース及びドレインの一方には、電圧Vaが入力され、トランジスタ155のソース及びドレインの他方は、トランジスタ154のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、トランジスタ155のゲートには、信号PRSTが入力される。
【0126】
トランジスタ153bのソース及びドレインの一方は、トランジスタ152bのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、トランジスタ153bのゲートには、信号OSELが入力される。
【0127】
なお、トランジスタ152bのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153bのソース及びドレインの他方のうちの一方には、電圧Vaが入力される。
【0128】
また、図4(B)に示す光検出回路は、トランジスタ152bのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153bのソース及びドレインの他方のうちの他方から光データを光データ信号として出力する。
【0129】
なお、図4(B)に示す光検出回路を複数具備する場合、全ての光検出回路に同じ電荷蓄積制御信号を入力することもできる。全ての光検出回路に同じ電荷蓄積制御信号を入力して光データを生成する駆動方式をグローバルシャッター方式ともいう。
【0130】
図4(C)に示す光検出回路は、光電変換素子151cと、トランジスタ152cと、容量素子156と、を備える。
【0131】
光電変換素子151cは、第1の電流端子及び第2の電流端子を有し、光電変換素子151cの第1の電流端子には、信号PRSTが入力される。
【0132】
容量素子156は、第1の容量電極及び第2の容量電極を有し、容量素子156の第1の容量電極には、信号OSELが入力され、容量素子156の第2の容量電極は、光電変換素子151cの第2の電流端子に電気的に接続される。
【0133】
トランジスタ152cのソース及びドレインの一方には、電圧Vaが入力され、トランジスタ152cのゲートは、光電変換素子151cの第2の電流端子に電気的に接続される。
【0134】
なお、図4(C)に示す光検出回路は、トランジスタ152cのソース及びドレインの他方から光データを光データ信号として出力する。
【0135】
さらに、図4(A)乃至図4(C)に示す光検出回路の各構成要素について説明する。
【0136】
光電変換素子151a乃至光電変換素子151cとしては、例えばフォトダイオード又はフォトトランジスタなどを用いることができる。フォトダイオードの場合、フォトダイオードのアノード及びカソードの一方が光電変換素子の第1の電流端子に相当し、フォトダイオードのアノード及びカソードの他方が光電変換素子の第2の電流端子に相当し、フォトトランジスタの場合、フォトトランジスタのソース及びドレインの一方が光電変換素子の第1の電流端子に相当し、フォトトランジスタのソース及びドレインの他方が光電変換素子の第2の電流端子に相当する。
【0137】
トランジスタ152a乃至トランジスタ152cは、増幅トランジスタとしての機能を有する。
【0138】
トランジスタ154は、電荷蓄積制御トランジスタとしての機能を有する。電荷蓄積制御トランジスタは、増幅トランジスタのゲートの電圧を、光電変換素子に流れる光電流に応じた値に設定するか否かを制御する機能を有する。なお、本実施の形態の光検出回路では、トランジスタ154を必ずしも設けなくてもよいが、トランジスタ154を設けることにより、トランジスタ152bのゲートが浮遊状態のときに、一定期間トランジスタ152bのゲートの電圧の値を維持することができる。
【0139】
トランジスタ155は、光検出リセットトランジスタとしての機能を有する。光検出リセットトランジスタは、増幅トランジスタのゲートの電圧を、基準値に設定するか否かを選択する機能を有する。
【0140】
トランジスタ153a及びトランジスタ153bは、出力選択トランジスタとしての機能を有する。
【0141】
なお、トランジスタ152a、トランジスタ152b、トランジスタ153a、トランジスタ153b、トランジスタ154、及びトランジスタ155としては、例えばチャネルが形成され、元素周期表における第14族の半導体(シリコンなど)を含有する半導体層又は酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることができる。例えば、上記酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることにより、トランジスタ152a、トランジスタ152b、トランジスタ153a、トランジスタ153b、トランジスタ154、及びトランジスタ155のリーク電流によるゲートの電圧の変動を抑制することができる。
【0142】
次に、図4(A)乃至図4(C)に示す光検出回路の駆動方法例について説明する。
【0143】
まず、図4(A)に示す光検出回路の駆動方法例について、図4(D)を用いて説明する。図4(D)は、図4(A)に示す光検出回路の駆動方法の一例を説明するためのタイミングチャートであり、信号PRST、信号OSEL、及びトランジスタ153aのそれぞれの状態を示す。なお、ここでは、一例として光電変換素子151aがフォトダイオードである場合について説明する。
【0144】
図4(A)に示す光検出回路の駆動方法の一例では、まず期間T31において、信号PRSTのパルス(plsともいう)が入力される。また、期間T31から期間T32にかけて信号PCTLのパルスが入力される。なお、期間T31において、信号PRSTのパルスの入力開始のタイミングは、信号PCTLのパルスの入力開始のタイミングより早くてもよい。
【0145】
このとき、光電変換素子151aは、順方向に電流が流れる状態になり、トランジスタ153aがオフ状態(OFFともいう)になる。
【0146】
このとき、トランジスタ152aのゲートの電圧は、一定の値にリセットされる。
【0147】
次に、信号PRSTのパルスが入力された後の期間T32において、光電変換素子151aは、順方向とは逆方向に電圧が印加された状態になり、トランジスタ153aはオフ状態のままである。
【0148】
このとき、光電変換素子151aに入射した光の照度に応じて、光電変換素子151aの第1の電流端子及び第2の電流端子の間に光電流が流れる。さらに光電流に応じてトランジスタ152aのゲートの電圧の値が変化する。このとき、トランジスタ152aのソース及びドレインの間のチャネル抵抗の値が変化する。
【0149】
次に、期間T33において、信号OSELのパルスが入力される。
【0150】
このとき、光電変換素子151aは、順方向とは逆方向に電圧が印加された状態のままであり、トランジスタ153aがオン状態(ONともいう)になり、トランジスタ152aのソース及びドレイン、並びにトランジスタ153aのソース及びドレインを介して電流が流れる。トランジスタ152aのソース及びドレイン、並びにトランジスタ153aのソース及びドレインを介して流れる電流は、トランジスタ152aのゲート電圧の値に依存する。よって、光データは、光電変換素子151aに入射する光の照度に応じた値となる。さらに、図4(A)に示す光検出回路は、トランジスタ152aのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153aのソース及びドレインの他方のいずれか他方から光データ信号として出力する。以上が図4(A)に示す光検出回路の駆動方法例である。
【0151】
次に、図4(B)に示す光検出回路の駆動方法例について、図4(E)を用いて説明する。図4(E)は、図4(B)に示す光検出回路の駆動方法例を説明するためのタイミングチャートである。
【0152】
図4(B)に示す光検出回路の駆動方法例では、まず期間T41において、信号PRSTのパルスが入力され、また、期間T41から期間T42にかけて信号PCTLのパルスが入力される。なお、期間T41において、信号PRSTのパルスの入力開始のタイミングは、信号PCTLのパルスの入力開始のタイミングより早くてもよい。
【0153】
このとき、期間T41において、光電変換素子151bが順方向に電流が流れる状態になり、トランジスタ154がオン状態になることにより、トランジスタ152bのゲートの電圧は、電圧Vaと同等の値にリセットされる。
【0154】
さらに、信号PRSTのパルスが入力された後の期間T42において、光電変換素子151bが順方向とは逆方向に電圧が印加された状態になり、トランジスタ154がオン状態のままであり、トランジスタ155がオフ状態になる。
【0155】
このとき、光電変換素子151bに入射した光の照度に応じて、光電変換素子151bの第1の電流端子及び第2の電流端子の間に光電流が流れる。さらに、光電流に応じてトランジスタ152bのゲートの電圧の値が変化する。このとき、トランジスタ152bのソース及びドレインの間のチャネル抵抗の値が変化する。
【0156】
さらに、信号PCTLのパルスが入力された後の期間T43において、トランジスタ154がオフ状態になる。
【0157】
このとき、トランジスタ152bのゲートの電圧は、期間T42における光電変換素子151bの光電流に応じた値に保持される。なお、期間T43を必ずしも設けなくてもよいが、期間T43を設けることにより、光検出回路において、データ信号を出力するタイミングを適宜設定することができ、例えば複数の光検出回路において、それぞれデータ信号を出力するタイミングを適宜設定することができる。
【0158】
さらに、期間T44において、信号OSELのパルスが入力される。
【0159】
このとき、光電変換素子151bが順方向とは逆方向に電圧が印加された状態のままであり、トランジスタ153bがオン状態になる。
【0160】
さらに、このとき、トランジスタ152bのソース及びドレイン、並びにトランジスタ153bのソース及びドレインを介して電流が流れ、図4(B)に示す光検出回路は、トランジスタ152bのソース及びドレインの他方、並びにトランジスタ153bのソース及びドレインの他方のうちの他方から光データをデータ信号として出力する。以上が図4(B)に示す光検出回路の駆動方法例である。
【0161】
次に、図4(C)に示す光検出回路の駆動方法例について、図4(F)を用いて説明する。図4(F)は、図4(C)に示す光検出回路の駆動方法例を説明するためのタイミングチャートである。
【0162】
図4(C)に示す光検出回路の駆動方法例では、まず、期間T51において、信号PRSTのパルスが入力される。
【0163】
このとき、光電変換素子151cが順方向に電流が流れる状態になり、トランジスタ152cのゲートの電圧は、一定の値にリセットされる。
【0164】
次に、信号PRSTのパルスが入力された後の期間T52において、光電変換素子151cが順方向とは逆方向に電圧が印加された状態になる。
【0165】
このとき、光電変換素子151cに入射した光の照度に応じて、光電変換素子151cの第1の電流端子及び第2の電流端子の間に光電流が流れる。さらに、光電流に応じてトランジスタ152cのゲートの電圧が変化する。
【0166】
次に、期間T53において、信号OSELのパルスが入力される。
【0167】
このとき、光電変換素子151cは、順方向とは逆方向に電圧が印加された状態のままであり、トランジスタ152cのソース及びドレインの間に電流が流れ、図4(C)に示す光検出回路は、トランジスタ152cのソース及びドレインの他方から光データをデータ信号として出力する。以上が図4(C)に示す光検出回路の駆動方法例である。
【0168】
図4(A)乃至図4(F)を用いて説明したように、本実施の形態の光検出回路の一例は、光電変換素子及び増幅トランジスタを備え、光データを生成し、出力選択信号に従って光データをデータ信号として出力する構成である。上記構成にすることにより、光検出回路により光データを生成して出力することができる。
【0169】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態の入出力装置における表示回路の例について説明する。
【0170】
本実施の形態における表示回路の例について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態における表示回路の例を説明するための図である。
【0171】
まず、本実施の形態の表示回路の構成例について、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。図5(A)及び図5(B)は、本実施の形態における表示回路の構成例を示す図である。
【0172】
図5(A)に示す表示回路は、トランジスタ161aと、液晶素子162aと、容量素子163aと、を備える。
【0173】
なお、図5(A)に示す表示回路において、トランジスタ161aは、電界効果トランジスタである。
【0174】
また、入出力装置において、液晶素子は、第1の表示電極、第2の表示電極、及び液晶層により構成される。液晶層は、第1の表示電極及び第2の表示電極の間に印加される電圧に応じて光の透過率が変化する。
【0175】
また、入出力装置において、容量素子は、第1の容量電極、第2の容量電極、並びに第1の容量電極及び第2の容量電極に重畳する誘電体層を含む。容量素子は、第1の容量電極及び第2の容量電極の間に印加される電圧に応じて電荷が蓄積される。
【0176】
トランジスタ161aのソース及びドレインの一方には、信号DDが入力され、トランジスタ161aのゲートには、信号DSELが入力される。
【0177】
液晶素子162aの第1の表示電極は、トランジスタ161aのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、液晶素子162aの第2の表示電極には、電圧Vcが入力される。電圧Vcの値は、適宜設定することができる。
【0178】
容量素子163aの第1の容量電極は、トランジスタ161aのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、容量素子163aの第2の容量電極には、電圧Vcが入力される。
【0179】
図5(B)に示す表示回路は、トランジスタ161bと、液晶素子162bと、容量素子163bと、容量素子164と、トランジスタ165と、トランジスタ166と、を備える。
【0180】
なお、図5(B)に示す表示回路において、トランジスタ161b、トランジスタ165、及びトランジスタ166は、電界効果トランジスタである。
【0181】
トランジスタ165のソース及びドレインの一方には、信号DDが入力され、トランジスタ165のゲートには、パルス信号である書き込み選択信号(信号WSELともいう)が入力される。
【0182】
容量素子164の第1の容量電極は、トランジスタ165のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、容量素子164の第2の容量電極には、電圧Vcが入力される。
【0183】
トランジスタ161bのソース及びドレインの一方は、トランジスタ165のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、トランジスタ161bのゲートには、信号DSELが入力される。
【0184】
液晶素子162bの第1の表示電極は、トランジスタ161bのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、液晶素子162bの第2の表示電極には、電圧Vcが入力される。
【0185】
容量素子163bの第1の容量電極は、トランジスタ161bのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、容量素子163bの第2の容量電極には、電圧Vcが入力される。電圧Vcの値は、表示回路の仕様に応じて適宜設定される。
【0186】
トランジスタ166のソース及びドレインの一方には、基準となる電圧が入力され、トランジスタ166のソース及びドレインの他方は、トランジスタ161bのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、トランジスタ166のゲートには、パルス信号である表示リセット信号(信号DRSTともいう)が入力される。
【0187】
さらに、図5(A)及び図5(B)に示す表示回路の各構成要素について説明する。
【0188】
トランジスタ161a及びトランジスタ161bは、表示選択トランジスタとしての機能を有する。
【0189】
液晶素子162a及び液晶素子162bにおける液晶層としては、第1の表示電極及び第2の表示電極に印加される電圧が0Vのときに光を透過する液晶層を用いることができ、例えば電気制御複屈折型液晶(ECB型液晶ともいう)、二色性色素を添加した液晶(GH液晶ともいう)、高分子分散型液晶、又はディスコチック液晶を含む液晶層などを用いることができる。また、液晶層としては、ブルー相を示す液晶層を用いてもよい。ブルー相を示す液晶層は、例えばブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物により構成される。ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。よって、ブルー相を示す液晶を用いることにより、動作速度を向上させることができる。
【0190】
容量素子163aは、トランジスタ161aに従い、容量素子163bは、トランジスタ161bに従って第1の容量電極及び第2の容量電極の間に信号DDに応じた値の電圧が印加される保持容量としての機能を有する。容量素子163a及び容量素子163bを必ずしも設けなくてもよいが、容量素子163a及び容量素子163bを設けることにより、表示選択トランジスタのリーク電流に起因する液晶素子に印加された電圧の変動を抑制することができる。
【0191】
容量素子164は、トランジスタ165に従って第1の容量電極及び第2の容量電極の間に信号DDに応じた値の電圧が印加される保持容量としての機能を有する。
【0192】
トランジスタ165は、容量素子164に信号DDを入力させるか否かを選択する書き込み選択トランジスタとしての機能を有する。
【0193】
トランジスタ166は、液晶素子162bに印加される電圧をリセットさせるか否かを選択する表示リセット選択トランジスタとしての機能を有する。
【0194】
なお、トランジスタ161a、トランジスタ161b、トランジスタ165、及びトランジスタ166としては、例えばチャネルが形成され、元素周期表における第14族の半導体(シリコンなど)を含有する半導体層又は酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることができる。
【0195】
次に、図5(A)及び図5(B)に示す表示回路の駆動方法例について説明する。
【0196】
まず、図5(A)に示す表示回路の駆動方法例について、図5(C)を用いて説明する。図5(C)は、図5(A)に示す表示回路の駆動方法例を説明するためのタイミングチャートであり、信号DD及び信号DSELのそれぞれの状態を示す。
【0197】
図5(A)に示す表示回路の駆動方法例では、信号DSELのパルスが入力されると、トランジスタ161aがオン状態になる。
【0198】
トランジスタ161aがオン状態になると、表示回路に信号DDが入力され、液晶素子162aの第1の表示電極及び容量素子163aの第1の容量電極の電圧が信号DDの電圧と同等の値になる。
【0199】
このとき、液晶素子162aは、書き込み状態(状態wtともいう)になり、信号DDに応じた光の透過率になる。これにより、表示回路は、信号DDのデータ(データD1乃至データDQ(Qは2以上の自然数)のそれぞれ)に応じた表示状態になる。
【0200】
その後、トランジスタ161aがオフ状態になり、液晶素子162aは、保持状態(状態hldともいう)になり、第1の表示電極及び第2の表示電極の間に印加される電圧を、次に信号DSELのパルスが入力されるまで、初期値からの変動量が基準値より大きくならないように保持する。また、液晶素子162aが保持状態のとき、上記実施の形態の入出力装置におけるライトユニットは、点灯状態になる。
【0201】
次に、図5(B)に示す表示回路の駆動方法例について、図5(D)を用いて説明する。図5(D)は、図5(B)に示す表示回路の駆動方法例を説明するためのタイミングチャートである。
【0202】
図5(B)に示す表示回路の駆動方法例では、信号DRSTのパルスが入力されると、トランジスタ166がオン状態になり、液晶素子162bの第1の表示電極及び容量素子163bの第1の容量電極の電圧が基準となる電圧にリセットされる。
【0203】
また、信号WSELのパルスが入力されると、トランジスタ165がオン状態になり、信号DDが表示回路に入力され、容量素子164の第1の容量電極が信号DDの電圧と同等の値になる。
【0204】
その後、信号DSELのパルスが入力されると、トランジスタ161bがオン状態になり、液晶素子162bの第1の表示電極及び容量素子163bの第1の容量電極の電圧が容量素子164の第1の容量電極の電圧と同等の値になる。
【0205】
このとき、液晶素子162bは、書き込み状態になり、信号DDに応じた光の透過率になる。これにより、表示回路は、信号DDのデータ(データD1乃至データDQのそれぞれ)に応じた表示状態になる。
【0206】
その後、トランジスタ161bがオフ状態になり、液晶素子162bは、保持状態になり、第1の表示電極及び第2の表示電極の間に印加される電圧を、次に信号DSELのパルスが入力されるまで、初期値からの変動量が基準値より大きくならないように保持する。また、液晶素子162bが保持状態のとき、上記実施の形態の入出力装置におけるライトユニットは、点灯状態になる。
【0207】
図5(A)及び図5(B)を用いて説明したように、本実施の形態の表示回路の一例は、表示選択トランジスタ及び液晶素子を備える構成である。上記構成にすることにより、表示回路を表示データ信号に応じた表示状態にすることができる。
【0208】
また、図5(B)を用いて説明したように、本実施の形態の表示回路の一例は、表示選択トランジスタ及び液晶素子に加え、書き込み選択トランジスタ及び容量素子を備える構成である。上記構成にすることにより、液晶素子をある表示データ信号のデータに応じた表示状態に設定している間に、容量素子に次の表示データ信号のデータを書き込むことができる。よって、表示回路の動作速度を向上させることができる。
【0209】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態を用いて説明した入出力装置におけるトランジスタに適用可能なトランジスタについて説明する。
【0210】
上記実施の形態を用いて説明した入出力装置において、トランジスタとしては、例えばチャネルが形成され、元素周期表における第14族の半導体(シリコンなど)を含有する半導体層又は酸化物半導体層を含むトランジスタを用いることができる。なお、チャネルが形成される層をチャネル形成層ともいう。
【0211】
なお、上記半導体層は、単結晶半導体層、多結晶半導体層、微結晶半導体層、又は非晶質半導体層でもよい。
【0212】
さらに、上記実施の形態を用いて説明した入出力装置において、トランジスタとして適用可能な酸化物半導体層を含むトランジスタとしては、例えば高純度化することにより、真性(I型ともいう)、又は実質的に真性にさせた酸化物半導体層を有するトランジスタを用いることができる。
【0213】
上記酸化物半導体層を含むトランジスタの構造例について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態におけるトランジスタの構造例を示す断面模式図である。
【0214】
図6(A)に示すトランジスタは、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0215】
図6(A)に示すトランジスタは、導電層401aと、絶縁層402aと、酸化物半導体層403aと、導電層405aと、導電層406aと、を含む。
【0216】
導電層401aは、基板400aの上に設けられる。
【0217】
絶縁層402aは、導電層401aの上に設けられる。
【0218】
酸化物半導体層403aは、絶縁層402aを介して導電層401aに重畳する。
【0219】
導電層405a及び導電層406aのそれぞれは、酸化物半導体層403aの一部の上に設けられる。
【0220】
さらに、図6(A)において、トランジスタの酸化物半導体層403aの上面の一部(上面に導電層405a及び導電層406aが設けられていない部分)は、絶縁層407aに接する。
【0221】
また、絶縁層407aは、導電層405a、導電層406a、及び酸化物半導体層403aを介して絶縁層402aに接する。
【0222】
図6(B)に示すトランジスタは、図6(A)に示す構造に加え、導電層408aを含む。
【0223】
導電層408aは、絶縁層407aを介して酸化物半導体層403aに重畳する。
【0224】
図6(C)に示すトランジスタは、ボトムゲート構造のトランジスタの一つである。
【0225】
図6(C)に示すトランジスタは、導電層401bと、絶縁層402bと、酸化物半導体層403bと、導電層405bと、導電層406bと、を含む。
【0226】
導電層401bは、基板400bの上に設けられる。
【0227】
絶縁層402bは、導電層401bの上に設けられる。
【0228】
導電層405b及び導電層406bは、絶縁層402bの一部の上に設けられる。
【0229】
酸化物半導体層403bは、絶縁層402bを介して導電層401bに重畳する。
【0230】
さらに、図6(C)において、トランジスタにおける酸化物半導体層403bの上面及び側面は、絶縁層407bに接する。
【0231】
また、絶縁層407bは、導電層405b、導電層406b、及び酸化物半導体層403bを介して絶縁層402bに接する。
【0232】
なお、図6(A)及び図6(C)において、絶縁層の上に保護絶縁層を設けてもよい。
【0233】
図6(D)に示すトランジスタは、図6(C)に示す構造に加え、導電層408bを含む。
【0234】
導電層408bは、絶縁層407bを介して酸化物半導体層403bに重畳する。
【0235】
図6(E)に示すトランジスタは、トップゲート構造のトランジスタの一つである。
【0236】
図6(E)に示すトランジスタは、導電層401cと、絶縁層402cと、酸化物半導体層403cと、導電層405c及び導電層406cと、を含む。
【0237】
酸化物半導体層403cは、絶縁層447を介して基板400cの上に設けられる。
【0238】
導電層405c及び導電層406cは、それぞれ酸化物半導体層403cの上に設けられる。
【0239】
絶縁層402cは、酸化物半導体層403c、導電層405c、及び導電層406cの上に設けられる。
【0240】
導電層401cは、絶縁層402cを介して酸化物半導体層403cに重畳する。
【0241】
さらに、図6(A)乃至図6(E)に示す各構成要素について説明する。
【0242】
基板400a乃至基板400cとしては、例えば透光性を有する基板を用いることができ、透光性を有する基板としては、例えばガラス基板又はプラスチック基板を用いることができる。
【0243】
導電層401a乃至導電層401cのそれぞれは、トランジスタのゲートとしての機能を有する。なお、トランジスタのゲートとしての機能を有する層をゲート電極又はゲート配線ともいう。
【0244】
導電層401a乃至導電層401cとしては、例えばモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、若しくはスカンジウムなどの金属材料、又はこれらを主成分とする合金材料の層を用いることができる。また、導電層401a乃至導電層401cの形成に適用可能な材料の層の積層により、導電層401a乃至導電層401cを構成することもできる。
【0245】
絶縁層402a乃至絶縁層402cのそれぞれは、トランジスタのゲート絶縁層としての機能を有する。
【0246】
絶縁層402a乃至絶縁層402cとしては、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を用いることができる。また、絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層の積層により絶縁層402a乃至絶縁層402cを構成することもできる。
【0247】
また、絶縁層402a乃至絶縁層402cとしては、例えば元素周期表における第13族元素及び酸素元素を含む材料の絶縁層を用いることもできる。酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cが第13族元素を含む場合に、酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cに接する絶縁層として第13族元素を含む絶縁層を用いることにより、該絶縁層と酸化物半導体層との界面の状態を良好にすることができる。
【0248】
第13族元素を含む材料としては、例えば酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムガリウム、酸化ガリウムアルミニウムなどが挙げられる。なお、酸化アルミニウムガリウムとは、ガリウムの含有量(原子%)よりアルミニウムの含有量(原子%)が多い物質のことをいい、酸化ガリウムアルミニウムとは、ガリウムの含有量(原子%)がアルミニウムの含有量(原子%)以上の物質のことをいう。
【0249】
例えば、絶縁層402a乃至絶縁層402cとして、酸化ガリウムを含む絶縁層を用いることにより、絶縁層402a乃至絶縁層402cと、酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cとの界面における水素又は水素イオンの蓄積を低減することができる。
【0250】
また、例えば、絶縁層402a乃至絶縁層402cとして、酸化アルミニウムを含む絶縁層を用いることにより、絶縁層402a乃至絶縁層402cと、酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cとの界面における水素又は水素イオンの蓄積を低減することができる。また、酸化アルミニウムを含む絶縁層は、水が通りにくいため、酸化アルミニウムを含む絶縁層を用いることにより、該絶縁層を介して酸化物半導体層への水の侵入を抑制することができる。
【0251】
また、絶縁層402a乃至絶縁層402cとして、例えば、Al(x=3+α、αは0より大きく1より小さい値)、Ga(x=3+α、αは0より大きく1より小さい値)、又はGaAl2−x3+α(xは0より大きく2より小さい値、αは0より大きく1より小さい値)で表記される材料を用いることもできる。また、絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層の積層により絶縁層402a乃至絶縁層402cを構成することもできる。例えば、複数のGaで表記される酸化ガリウムを含む層の積層により絶縁層402a乃至絶縁層402cを構成してもよい。また、Gaで表記される酸化ガリウムを含む絶縁層及びAlで表記される酸化アルミニウムを含む絶縁層の積層により絶縁層402a乃至絶縁層402cを構成してもよい。
【0252】
絶縁層447は、基板400cからの不純物元素の拡散を防止する下地層としての機能を有する。なお、絶縁層447を図6(A)乃至図6(D)に示す構造のトランジスタに設けてもよい。
【0253】
絶縁層447としては、例えば絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層を用いることができる。また、絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層の積層により絶縁層447を構成してもよい。
【0254】
酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cのそれぞれは、トランジスタのチャネルが形成される層としての機能を有する。なお、トランジスタのチャネルが形成される層としての機能を有する層をチャネル形成層ともいう。酸化物半導体層403a乃至酸化物半導体層403cに適用可能な酸化物半導体としては、例えばIn系酸化物、Sn系酸化物、又はZn系酸化物などを用いることができる。上記金属酸化物としては、例えば四元系金属酸化物、三元系金属酸化物、又は二元系金属酸化物などを用いることができる。なお、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとしてガリウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてスズを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてハフニウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとしてアルミニウムを含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、上記スタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムの一つ又は複数を含んでいてもよい。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、酸化シリコンを含んでいてもよい。例えば、四元系金属酸化物としては、例えばIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、又はIn−Hf−Al−Zn系酸化物などを用いることができる。三元系金属酸化物としては、例えばIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOともいう)、In−Sn−Zn系酸化物(ITZOともいう)、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、又はIn−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、又はIn−Lu−Zn系酸化物などを用いることができる。二元系金属酸化物としては、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Sn系酸化物、又はIn−Ga系酸化物などを用いることができる。また、上記酸化物半導体として適用可能な金属酸化物は、酸化シリコンを含んでいてもよい。
【0255】
In−Zn系酸化物を用いる場合、例えば、In:Zn=50:1乃至In:Zn=1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1乃至In:ZnO=1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1乃至In:Zn=1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1乃至In:ZnO=1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=15:1乃至In:Zn=1.5:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=15:2乃至In:ZnO=3:4)の組成比である酸化物ターゲットを用いてIn−Zn系酸化物の半導体層を形成することができる。例えば、In−Zn系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=P:U:Rのとき、R>1.5P+Uとする。Inの量を多くすることにより、トランジスタの移動度を向上させることができる。
【0256】
また、酸化物半導体としては、InMO(ZnO)(mは0より大きい数)で表記される材料を用いることもできる。InMO(ZnO)のMは、Ga、Al、Mn、及びCoから選ばれた一つ又は複数の金属元素を示す。
【0257】
導電層405a乃至導電層405c及び導電層406a乃至導電層406cのそれぞれは、トランジスタのソース又はドレインとしての機能を有する。なお、トランジスタのソースとしての機能を有する層をソース電極又はソース配線ともいい、トランジスタのドレインとしての機能を有する層をドレイン電極又はドレイン配線ともいう。
【0258】
導電層405a乃至導電層405c及び導電層406a乃至導電層406cとしては、例えばアルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、若しくはタングステンなどの金属材料、又はこれらの金属材料を主成分とする合金材料の層を用いることができる。また、導電層405a乃至導電層405c、及び導電層406a乃至導電層406cに適用可能な材料の層の積層により、導電層405a乃至導電層405c、及び導電層406a乃至導電層406cを構成することもできる。
【0259】
また、導電層405a乃至導電層405c及び導電層406a乃至導電層406cとしては、導電性の金属酸化物を含む層を用いることもできる。導電性の金属酸化物としては、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム酸化スズ合金、又は酸化インジウム酸化亜鉛合金を用いることができる。なお、導電層405a乃至導電層405c及び導電層406a乃至導電層406cに適用可能な導電性の金属酸化物は、酸化シリコンを含んでいてもよい。
【0260】
絶縁層407a及び絶縁層407bとしては、絶縁層402a乃至絶縁層402cと同様に、例えば元素周期表における第13族元素及び酸素元素を含む材料の絶縁層を用いることができる。また、絶縁層407a及び絶縁層407bとしては、例えば、Al、Ga、又はGaAl2−x3+αで表記される材料を用いることもできる。
【0261】
例えば、絶縁層402a乃至絶縁層402c並びに絶縁層407a及び絶縁層407bを、Gaで表記される酸化ガリウムを含む絶縁層により構成してもよい。また、絶縁層402a乃至絶縁層402c、並びに絶縁層407a及び絶縁層407bの一方を、Gaで表記される酸化ガリウムを含む絶縁層により構成し、絶縁層402a乃至絶縁層402c、並びに絶縁層407a及び絶縁層407bの他方を、Alで表記される酸化アルミニウムを含む絶縁層により構成してもよい。
【0262】
導電層408a及び導電層408bのそれぞれは、トランジスタのゲートとしての機能を有する。なお、トランジスタが導電層408a及び導電層408bを有する構造である場合、導電層401a及び導電層408aの一方、又は導電層401b及び導電層408bの一方を、バックゲート、バックゲート電極、又はバックゲート配線ともいう。ゲートとしての機能を有する層を、チャネル形成層を介して複数設けることにより、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
【0263】
導電層408a及び導電層408bとしては、例えばアルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、若しくはタングステンなどの金属材料、又はこれらの金属材料を主成分とする合金材料の層を用いることができる。また、導電層408a及び導電層408bに適用可能な材料の層の積層により導電層408a及び導電層408bのそれぞれを構成することもできる。
【0264】
また、導電層408a及び導電層408bとしては、導電性の金属酸化物を含む層を用いることもできる。導電性の金属酸化物としては、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム酸化スズ合金、又は酸化インジウム酸化亜鉛合金を用いることができる。なお、導電層408a及び導電層408bに適用可能な導電性の金属酸化物は、酸化シリコンを含んでいてもよい。
【0265】
なお、本実施の形態のトランジスタを、チャネル形成層としての機能を有する酸化物半導体層の一部の上に絶縁層を含み、該絶縁層を介して酸化物半導体層に重畳するように、ソース又はドレインとしての機能を有する導電層を含む構造としてもよい。上記構造である場合、絶縁層は、トランジスタのチャネル形成層を保護する層(チャネル保護層ともいう)としての機能を有する。チャネル保護層としての機能を有する絶縁層としては、例えば絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層を用いることができる。また、絶縁層402a乃至絶縁層402cに適用可能な材料の層の積層によりチャネル保護層としての機能を有する絶縁層を構成してもよい。
【0266】
なお、図6(A)乃至図6(E)に示すように、本実施の形態のトランジスタを、必ずしも酸化物半導体層の全てがゲート電極としての機能を有する導電層に重畳する構造にしなくてもよいが、酸化物半導体層の全てがゲート電極としての機能を有する導電層に重畳する構造にすることにより、酸化物半導体層への光の入射を抑制することができる。
【0267】
さらに、本実施の形態のトランジスタの作製方法例として、図6(A)に示すトランジスタの作製方法例について、図7(A)乃至図7(E)を用いて説明する。図7(A)乃至図7(E)は、図6(A)に示すトランジスタの作製方法例を説明するための断面模式図である。
【0268】
まず、図7(A)に示すように、基板400aを準備し、基板400aの上に第1の導電膜を形成し、第1の導電膜の一部をエッチングすることにより導電層401aを形成する。
【0269】
例えば、スパッタリング法を用いて導電層401aに適用可能な材料の膜を形成することにより第1の導電膜を形成することができる。また、導電層401aに適用可能な材料の膜を積層させ、第1の導電膜を形成することもできる。
【0270】
なお、スパッタリングガスとして、例えば水素、水、水酸基、又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることにより、形成される膜の上記不純物濃度を低減することができる。
【0271】
なお、スパッタリング法を用いて膜を形成する前に、スパッタリング装置の予備加熱室にて予備加熱処理を行ってもよい。上記予備加熱処理を行うことにより、水素、水分などの不純物を脱離することができる。
【0272】
また、スパッタリング法を用いて膜を形成する前に、例えばアルゴン、窒素、ヘリウム、又は酸素雰囲気下で、ターゲット側に電圧を印加せずに、基板側にRF電源を用いて電圧を印加し、プラズマを形成して被形成面を改質する処理(逆スパッタともいう)を行ってもよい。逆スパッタを行うことにより、被形成面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
【0273】
また、スパッタリング法を用いて膜を形成する場合、吸着型の真空ポンプなどを用いて、膜を形成する成膜室内の残留水分を除去することができる。吸着型の真空ポンプとしては、例えばクライオポンプ、イオンポンプ、又はチタンサブリメーションポンプなどを用いることができる。また、コールドトラップを設けたターボ分子ポンプを用いて成膜室内の残留水分を除去することもできる。
【0274】
また、上記導電層401aの形成方法のように、本実施の形態のトランジスタの作製方法例において、膜の一部をエッチングして層を形成する場合、例えば、フォトリソグラフィ工程により膜の一部の上にレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて膜をエッチングすることにより、層を形成することができる。なお、この場合、層の形成後にレジストマスクを除去する。
【0275】
また、インクジェット法を用いてレジストマスクを形成してもよい。インクジェット法を用いることにより、フォトマスクが不要になるため、製造コストを低減することができる。また、透過率の異なる複数の領域を有する露光マスク(多階調マスクともいう)を用いてレジストマスクを形成してもよい。多階調マスクを用いることにより、異なる厚さの領域を有するレジストマスクを形成することができ、トランジスタの作製に使用するレジストマスクの数を低減することができる。
【0276】
次に、図7(B)に示すように、導電層401aの上に第1の絶縁膜を形成することにより絶縁層402aを形成する。
【0277】
例えば、スパッタリング法やプラズマCVD法などを用いて絶縁層402aに適用可能な材料の膜を形成することにより第1の絶縁膜を形成することができる。また、絶縁層402aに適用可能な材料の膜を積層させることにより第1の絶縁膜を形成することもできる。また、高密度プラズマCVD法(例えばμ波(例えば、周波数2.45GHzのμ波)を用いた高密度プラズマCVD法)を用いて絶縁層402aに適用可能な材料の膜を形成することにより、絶縁層402aを緻密にすることができ、絶縁層402aの絶縁耐圧を向上させることができる。
【0278】
次に、図7(C)に示すように、絶縁層402aの上に酸化物半導体膜を形成し、その後酸化物半導体膜の一部をエッチングすることにより酸化物半導体層403aを形成する。
【0279】
例えば、スパッタリング法を用いて酸化物半導体層403aに適用可能な酸化物半導体材料の膜を形成することにより酸化物半導体膜を形成することができる。なお、希ガス雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下で酸化物半導体膜を形成してもよい。
【0280】
また、スパッタリングターゲットとして、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]の組成比である酸化物ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成することができる。また、例えば、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比]の組成比である酸化物ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成してもよい。
【0281】
また、スパッタリング法を用いて酸化物半導体膜を形成する際に、基板400aを減圧状態にし、基板400aを100℃以上600℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下に加熱してもよい。基板400aを加熱することにより、酸化物半導体膜の上記不純物濃度を低減することができ、また、スパッタリング法による酸化物半導体膜の損傷を軽減することができる。
【0282】
次に、図7(D)に示すように、絶縁層402a及び酸化物半導体層403aの上に第2の導電膜を形成し、第2の導電膜の一部をエッチングすることにより導電層405a及び導電層406aを形成する。
【0283】
例えば、スパッタリング法などを用いて導電層405a及び導電層406aに適用可能な材料の膜を形成することにより第2の導電膜を形成することができる。また、導電層405a及び導電層406aに適用可能な材料の膜を積層させることにより第2の導電膜を形成することもできる。
【0284】
次に、図7(E)に示すように、酸化物半導体層403aに接するように絶縁層407aを形成する。
【0285】
例えば、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下で、スパッタリング法を用いて絶縁層407aに適用可能な膜を形成することにより、絶縁層407aを形成することができる。スパッタリング法を用いて絶縁層407aを形成することにより、トランジスタのバックチャネルとしての機能を有する酸化物半導体層403aの部分の抵抗の低下を抑制することができる。また、絶縁層407aを形成する際の基板温度は、室温以上300℃以下であることが好ましい。
【0286】
また、絶縁層407aを形成する前にNO、N、又はArなどのガスを用いたプラズマ処理を行い、露出している酸化物半導体層403aの表面に付着した吸着水などを除去してもよい。プラズマ処理を行った場合、その後、大気に触れることなく、絶縁層407aを形成することが好ましい。
【0287】
さらに、図6(A)に示すトランジスタの作製方法の一例では、例えば400℃以上750℃以下、又は400℃以上基板の歪み点未満の温度で加熱処理を行う。例えば、酸化物半導体膜を形成した後、酸化物半導体膜の一部をエッチングした後、第2の導電膜を形成した後、第2の導電膜の一部をエッチングした後、又は絶縁層407aを形成した後に上記加熱処理を行う。
【0288】
なお、上記加熱処理を行う加熱処理装置としては、電気炉、又は抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導又は熱輻射により被処理物を加熱する装置を用いることができ、例えばGRTA(Gas Rapid Thermal Annealing)装置又はLRTA(Lamp Rapid Thermal Annealing)装置などのRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いることができる。LRTA装置は、例えばハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、又は高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。また、GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスとしては、例えば希ガス、又は加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体(例えば窒素)を用いることができる。
【0289】
また、上記加熱処理を行った後、その加熱温度を維持しながら又はその加熱温度から降温する過程で該加熱処理を行った炉と同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度のNOガス、又は超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下の雰囲気)を導入してもよい。このとき、酸素ガス又はNOガスは、水、水素などを含まないことが好ましい。また、加熱処理装置に導入する酸素ガス又はNOガスの純度を、6N以上、好ましくは7N以上、すなわち、酸素ガス又はNOガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下とすることが好ましい。酸素ガス又はNOガスの作用により、酸化物半導体層403aに酸素が供給され、酸化物半導体層403a中の酸素欠乏に起因する欠陥を低減することができる。
【0290】
さらに、上記加熱処理とは別に、絶縁層407aを形成した後に、不活性ガス雰囲気下、又は酸素ガス雰囲気下で加熱処理(好ましくは200℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行ってもよい。
【0291】
また、絶縁層402a形成後、酸化物半導体膜形成後、ソース電極又はドレイン電極となる導電層形成後、絶縁層形成後、又は加熱処理後に酸素プラズマによる酸素ドーピング処理を行ってもよい。例えば2.45GHzの高密度プラズマにより酸素ドーピング処理を行ってもよい。また、イオン注入法又はイオンドーピングを用いて酸素ドーピング処理を行ってもよい。酸素ドーピング処理を行うことにより、作製されるトランジスタの電気特性のばらつきを低減することができる。例えば、酸素ドーピング処理を行い、絶縁層402a及び絶縁層407aの一方又は両方を、化学量論的組成比より酸素が多い状態にする。これにより、絶縁層中の過剰な酸素が酸化物半導体層403aに供給されやすくなる。よって、酸化物半導体層403a中、又は絶縁層402a及び絶縁層407aの一方又は両方と、酸化物半導体層403aとの界面における酸素欠陥を低減することができるため、酸化物半導体層403aのキャリア濃度をより低減することができる。
【0292】
例えば、絶縁層402a及び絶縁層407aの一方又は両方として、酸化ガリウムを含む絶縁層を形成する場合、該絶縁層に酸素を供給し、酸化ガリウムの組成をGaにすることができる。
【0293】
また、絶縁層402a及び絶縁層407aの一方又は両方として、酸化アルミニウムを含む絶縁層を形成する場合、該絶縁層に酸素を供給し、酸化アルミニウムの組成をAlにすることができる。
【0294】
また、絶縁層402a及び絶縁層407aの一方又は両方として、酸化ガリウムアルミニウム又は酸化アルミニウムガリウムを含む絶縁層を形成する場合、該絶縁層に酸素を供給し、酸化ガリウムアルミニウム又は酸化アルミニウムガリウムの組成をGaAl2−x3+αとすることができる。
【0295】
以上の工程により、酸化物半導体層403aから、水素、水、水酸基、又は水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を排除し、且つ酸化物半導体層403aに酸素を供給することにより、酸化物半導体層を高純度化させることができる。
【0296】
なお、図6(A)に示すトランジスタの作製方法例を示したが、これに限定されず、例えば図6(B)乃至図6(E)に示す各構成要素において、名称が図6(A)に示す各構成要素と同じであり且つ機能の少なくとも一部が図6(A)に示す各構成要素と同じであれば、図6(A)に示すトランジスタの作製方法例の説明を適宜援用することができる。
【0297】
図6及び図7を用いて説明したように、本実施の形態におけるトランジスタの一例は、ゲートとしての機能を有する導電層と、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層を介してゲートとしての機能を有する導電層に重畳し、チャネルが形成される酸化物半導体層と、酸化物半導体層に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方としての機能を有する導電層と、酸化物半導体層に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方としての機能を有する導電層と、を含む構造である。
【0298】
また、本実施の形態におけるトランジスタの一例は、酸化物半導体層、ソース及びドレインの一方としての機能を有する導電層、並びにソース及びドレインの他方としての機能を有する導電層を介して酸化物半導体層に接する絶縁層がゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層に接する構造である。上記構造にすることにより、酸化物半導体層、ソース及びドレインの一方としての機能を有する導電層、並びにソース及びドレインの他方としての機能を有する導電層が酸化物半導体層に接する絶縁層及びゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層に囲まれるため、酸化物半導体層、ソース及びドレインの一方としての機能を有する導電層、並びにソース及びドレインの他方としての機能を有する導電層への不純物の侵入を抑制することができる。
【0299】
また、チャネルが形成される酸化物半導体層に含まれるアルカリ金属の濃度は低いことが好ましい。例えばチャネルが形成される酸化物半導体層にナトリウムが含まれる場合、チャネルが形成される酸化物半導体層に含まれるナトリウムの濃度は、5×1016/cm以下、さらには、1×1016/cm以下、さらには1×1015/cm以下であることが好ましい。また、例えばチャネルが形成される酸化物半導体層にリチウムが含まれる場合、チャネルが形成される酸化物半導体層に含まれるリチウムの濃度は、5×1015/cm以下、さらには、1×1015/cm以下であることが好ましい。また、例えばチャネルが形成される酸化物半導体層にカリウムが含まれる場合、チャネルが形成される酸化物半導体層に含まれるカリウムの濃度は、5×1015/cm以下、さらには、1×1015/cm以下であることが好ましい。例えば、ナトリウムは、酸化物半導体層に接する絶縁層が酸化物である場合、酸化物絶縁層内に入り、トランジスタの特性の劣化(例えば閾値電圧のシフト、移動度の低下など)が起こる。さらに、複数のトランジスタ間における特性のばらつきの原因にもなる。よって、チャネルが形成される酸化物半導体層に含まれるアルカリ金属の濃度の少なくすることにより、アルカリ金属に起因するトランジスタの特性の劣化を抑制することができる。
【0300】
以上のように、チャネルが形成される酸化物半導体層は、高純度化させることによりI型又は実質的にI型となった酸化物半導体層である。酸化物半導体層を高純度化させることにより、酸化物半導体層のキャリア濃度を1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好ましくは1×1011/cm未満にすることができ、温度変化による特性変化を抑制することができる。また、上記構造にすることにより、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を10aA(1×10−17A)以下にすること、さらにはチャネル幅1μmあたりのオフ電流を1aA(1×10−18A)以下、さらにはチャネル幅1μmあたりのオフ電流を10zA(1×10−20A)以下、さらにはチャネル幅1μmあたりのオフ電流を1zA(1×10−21A)以下、さらにはチャネル幅1μmあたりのオフ電流を100yA(1×10−22A)以下にすることができる。トランジスタのオフ電流は、低ければ低いほどよいが、本実施の形態のトランジスタのオフ電流の下限値は、約10−30A/μmであると見積もられる。
【0301】
本実施の形態の酸化物半導体層を含むトランジスタを、例えば上記実施の形態の入出力装置の表示回路、表示駆動回路、表示データ信号出力回路、光検出回路、及び光検出駆動回路の一つ又は複数におけるトランジスタに用いることにより、入出力装置の信頼性を向上させることができる。
【0302】
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態における入出力装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0303】
本実施の形態の電子機器の構成例について、図8(A)乃至図8(D)を用いて説明する。図8(A)乃至図8(D)は、本実施の形態の電子機器の構成例を説明するための模式図である。
【0304】
図8(A)に示す電子機器は、携帯型情報端末の例である。図8(A)に示す情報端末は、筐体1001aと、筐体1001aに設けられた表示部1002aと、を具備する。
【0305】
なお、筐体1001aの側面1003aに外部機器に接続させるための接続端子、及び図8(A)に示す携帯型情報端末を操作するためのボタンの一つ又は複数を設けてもよい。
【0306】
図8(A)に示す携帯型情報端末は、筐体1001aの中に、上記実施の形態の入出力装置におけるCPUと、記憶回路と、画像処理回路と、外部機器とCPU、記憶回路、及び画像処理回路との信号の送受信を行うインターフェースと、外部機器との信号の送受信を行うアンテナと、を備える。なお、筐体1001aの中に、特定の機能を有する集積回路を一つ又は複数設けてもよい。
【0307】
図8(A)に示す携帯型情報端末は、例えば電話機、電子書籍、パーソナルコンピュータ、及び遊技機の一つ又は複数としての機能を有する。
【0308】
図8(B)に示す電子機器は、折り畳み式の携帯型情報端末の例である。図8(B)に示す携帯型情報端末は、筐体1001bと、筐体1001bに設けられた表示部1002bと、筐体1004と、筐体1004に設けられた表示部1005と、筐体1001b及び筐体1004を接続する軸部1006と、を具備する。
【0309】
また、図8(B)に示す携帯型情報端末では、軸部1006により筐体1001b又は筐体1004を動かすことにより、筐体1001bを筐体1004に重畳させることができる。
【0310】
なお、筐体1001bの側面1003b又は筐体1004の側面1007に外部機器に接続させるための接続端子、及び図8(B)に示す携帯型情報端末を操作するためのボタンの一つ又は複数を設けてもよい。
【0311】
また、表示部1002b及び表示部1005に、互いに異なる画像又は一続きの画像を表示させてもよい。なお、表示部1005を必ずしも設けなくてもよく、表示部1005の代わりに、入力装置であるキーボードを設けてもよい。
【0312】
図8(B)に示す携帯型情報端末は、筐体1001b又は筐体1004の中に、上記実施の形態の入出力装置におけるCPUと、記憶回路と、画像処理回路と、外部機器とCPU、記憶回路、及び画像処理回路との信号の送受信を行うインターフェースと、を備える。また、筐体1001b又は筐体1004の中に、特定の機能を有する集積回路を1つ又は複数設けてもよい。また、図8(B)に示す携帯型情報端末に、外部との信号の送受信を行うアンテナを設けてもよい。
【0313】
図8(B)に示す携帯型情報端末は、例えば電話機、電子書籍、パーソナルコンピュータ、及び遊技機の一つ又は複数としての機能を有する。
【0314】
図8(C)に示す電子機器は、設置型情報端末の例である。図8(C)に示す設置型情報端末は、筐体1001cと、筐体1001cに設けられた表示部1002cと、を具備する。
【0315】
なお、表示部1002cを、筐体1001cにおける甲板部1008に設けることもできる。
【0316】
また、図8(C)に示す設置型情報端末は、筐体1001cの中に、上記実施の形態の入出力装置におけるCPUと、記憶回路と、画像処理回路と、外部機器とCPU、記憶回路、及び画像処理回路との信号の送受信を行うインターフェースと、を備える。なお、筐体1001cの中に、特定の機能を有する集積回路を一つ又は複数設けてもよい。また、図8(C)に示す設置型情報端末に、外部との信号の送受信を行うアンテナを設けてもよい。
【0317】
さらに、図8(C)に示す設置型情報端末における筐体1001cの側面1003cに券などを出力する券出力部、硬貨投入部、及び紙幣挿入部の一つ又は複数を設けてもよい。
【0318】
図8(C)に示す設置型情報端末は、例えば現金自動預け払い機、券などの注文をするための情報通信端末(マルチメディアステーションともいう)、又は遊技機としての機能を有する。
【0319】
図8(D)は、設置型情報端末の例である。図8(D)に示す設置型情報端末は、筐体1001dと、筐体1001dに設けられた表示部1002dと、を具備する。なお、筐体1001dを支持する支持台を設けてもよい。
【0320】
なお、筐体1001dの側面1003dに外部機器に接続させるための接続端子、及び図8(D)に示す設置型情報端末を操作するためのボタンの一つ又は複数を設けてもよい。
【0321】
また、図8(D)に示す設置型情報端末は、筐体1001dの中に、上記実施の形態の入出力装置におけるCPUと、記憶回路と、画像処理回路と、外部機器とCPU、記憶回路、及び画像処理回路との信号の送受信を行うインターフェースと、を備えてもよい。また、筐体1001dの中に、特定の機能を有する集積回路を一つ又は複数設けてもよい。また、図8(D)に示す設置型情報端末に、外部との信号の送受信を行うアンテナを設けてもよい。
【0322】
図8(D)に示す設置型情報端末は、例えばデジタルフォトフレーム、入出力モニタ、又はテレビジョン装置としての機能を有する。
【0323】
上記実施の形態の入出力装置における入出力部及び入出力制御部は、例えば電子機器の表示部として用いられ、例えば図8(A)乃至図8(D)に示す表示部1002a乃至表示部1002dとして用いられる。また、図8(B)に示す表示部1005として上記実施の形態の入出力装置における入出力部を用いてもよい。
【0324】
図8を用いて説明したように、本実施の形態の電子機器の一例は、上記実施の形態における入出力装置が用いられた表示部を具備する構成である。上記構成にすることにより、例えば指又はペンを用いて電子機器の操作又は電子機器への情報の入力を行うことができる。
【0325】
また、本実施の形態の電子機器の一例では、筐体に、入射する照度に応じて電源電圧を生成する光電変換部、及び入出力装置を操作する操作部のいずれか一つ又は複数を設けてもよい。例えば光電変換部を設けることにより、外部電源が不要となるため、外部電源が無い場所であっても、上記電子機器を長時間使用することができる。
【符号の説明】
【0326】
101 入出力部
101a 表示回路制御部
101b 光検出回路制御部
101c 光源部
101d 画素部
102 入出力制御部
103 データ処理部
111 表示駆動回路
112 表示データ信号出力回路
113 光検出駆動回路
114 ライトユニット
115d 表示回路
115p 光検出回路
116 回路
121 表示回路制御部
122 光検出回路制御部
131 画像処理回路
132 記憶回路
133 CPU
142a 被読み取り物
142b 被読み取り物
143 ボタン画像
144a 被読み取り物画像
144b 被読み取り物画像
144c 被読み取り物画像
144d 被読み取り物画像
151a 光電変換素子
151b 光電変換素子
151c 光電変換素子
152a トランジスタ
152b トランジスタ
152c トランジスタ
153a トランジスタ
153b トランジスタ
153c トランジスタ
154 トランジスタ
155 トランジスタ
156 容量素子
161a トランジスタ
161b トランジスタ
162a 液晶素子
162b 液晶素子
163a 容量素子
163b 容量素子
164 容量素子
165 トランジスタ
166 トランジスタ
400a 基板
400b 基板
400c 基板
401a 導電層
401b 導電層
401c 導電層
402a 絶縁層
402b 絶縁層
402c 絶縁層
403a 酸化物半導体層
403b 酸化物半導体層
403c 酸化物半導体層
405a 導電層
405b 導電層
405c 導電層
406a 導電層
406b 導電層
406c 導電層
407a 絶縁層
407b 絶縁層
408a 導電層
408b 導電層
447 絶縁層
1001a 筐体
1001b 筐体
1001c 筐体
1001d 筐体
1002a 表示部
1002b 表示部
1002c 表示部
1002d 表示部
1003a 側面
1003b 側面
1003c 側面
1003d 側面
1004 筐体
1005 表示部
1006 軸部
1007 側面
1008 甲板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素部を含む入出力部と、
画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、
前記画素部は、
表示選択信号が入力され、前記表示選択信号に従って表示データ信号が入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、
それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、
前記画素部に被読み取り物が重畳するとき、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、前記第1の光データを用いて前記画像処理回路により画像データを生成して前記記憶回路に保持し、前記CPUにより、前記記憶回路から前記画像データを読み出し、前記画像データを画像信号として前記入出力部に入力し、前記入出力部により、前記画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した前記複数の表示データ信号を前記複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、前記複数の表示回路により、前記画素部に前記複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、前記被読み取り物と重畳する前記画素部の領域に前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成することを特徴とする入出力装置の駆動方法。
【請求項2】
表示回路制御部、光検出回路制御部、及び画素部を含む入出力部と、
画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、
前記表示回路制御部は、
表示選択信号を出力する表示駆動回路と、
画像信号が入力され、入力された画像信号から複数の表示データ信号を出力する表示データ信号出力回路と、を含み、
前記光検出回路駆動部は、
前記光検出駆動回路を含み、
前記画素部は、
前記表示選択信号が入力され、前記表示選択信号に従って前記複数の表示データ信号のいずれか一つが入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、
前記光検出駆動回路に従って、それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、
前記画素部に被読み取り物が重畳するとき、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、前記第1の光データを用いて前記画像処理回路により画像データを生成して前記記憶回路に保持し、前記CPUにより、前記記憶回路から前記画像データを読み出し、前記画像データを画像信号として前記表示データ信号出力回路に入力し、前記表示データ信号出力回路により、前記画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した前記複数の表示データ信号を前記複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、前記複数の表示回路により、前記画素部に前記複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、前記被読み取り物と重畳する前記画素部の領域に前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成することを特徴とする入出力装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記複数の表示回路により、前記画素部に前記複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、前記被読み取り物と重畳しない前記画素部の領域に前記被読み取り物を鏡像反転させた画像を表示することを特徴とする入出力装置の駆動方法。
【請求項4】
画素部を含む入出力部と、
画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、
前記画素部は、
表示選択信号が入力され、前記表示選択信号に従って表示データ信号が入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、
それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、
前記画素部にボタン画像を表示し、
前記画素部に第1の被読み取り物が重畳するとき、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、前記第1の光データを用いて前記画像処理回路により画像データを生成して前記記憶回路に保持し、前記CPUにより、前記記憶回路から前記画像データを読み出し、前記画像データを画像信号として前記入出力部に入力し、前記入出力部により、前記画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した前記複数の表示データ信号を前記複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、前記複数の表示回路により、前記画素部に前記複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、前記被読み取り物と重畳しない前記画素部の領域に前記被読み取り物を鏡像反転させた画像を表示し、
その後、前記ボタン画像が表示されている前記画素部の領域に第2の被読み取り物が重畳するときに、前記被読み取り物と重畳する前記画素部の領域に前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成することを特徴とする入出力装置の駆動方法。
【請求項5】
表示回路制御部、光検出回路制御部、及び画素部を含む入出力部と、
画像処理回路、複数のプログラムが記憶された記憶回路、及びCPUを備えるデータ処理部と、を含み、
前記表示回路制御部は、
表示選択信号を出力する表示駆動回路と、
画像信号が入力され、入力された画像信号から複数の表示データ信号を出力する表示データ信号出力回路と、を含み、
前記光検出回路駆動部は、
前記光検出駆動回路を含み、
前記画素部は、
前記表示選択信号が入力され、前記表示選択信号に従って前記複数の表示データ信号のいずれか一つが入力され、入力される表示データ信号のデータに応じた表示状態になる複数の表示回路と、
前記光検出駆動回路に従って、それぞれ入射する光の照度に応じたデータである光データを生成する複数の光検出回路と、を備える入出力装置の駆動方法であって、
前記画素部にボタン画像を表示し、
前記画素部に第1の被読み取り物が重畳するとき、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第1の光データを生成し、前記第1の光データを用いて前記画像処理回路により画像データを生成して前記記憶回路に保持し、前記CPUにより、前記記憶回路から前記画像データを読み出し、前記画像データを画像信号として前記入出力部に入力し、前記入出力部により、前記画像信号から複数の表示データ信号を生成し、生成した前記複数の表示データ信号を前記複数の表示回路のそれぞれに順次入力し、前記複数の表示回路により、前記画素部に前記複数の表示データ信号のデータに応じた画像を表示することにより、前記被読み取り物と重畳しない前記画素部の領域に前記被読み取り物を鏡像反転させた画像を表示し、
その後、前記ボタン画像が表示されている画素部の領域に第2の被読み取り物が重畳するときに、前記被読み取り物と重畳する前記画素部の領域に前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を表示し、前記被読み取り物と鏡像の関係になる画像を含む画像を表示している間に、前記複数の光検出回路のそれぞれにより第2の光データを生成することを特徴とする入出力装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−83728(P2012−83728A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196136(P2011−196136)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】