説明

入室管理システム

【課題】当該入室証に記録された入室者情報に基づいて的確に入室予定者を部屋に案内することができる入室管理システムを提供する。
【解決手段】この入室管理システム100は、複数の部屋A〜Dに夫々備えられた扉a〜dの施開錠を入室者情報に基づいて制御する入室管理システム100であって、少なくとも入室予定者ごとの生体情報、氏名、入室予定日、入室予定時間、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報DB4と、入室者5の生体情報を取得する指紋認証スキャナ7と、情報記憶媒体を有する入室証に入室者情報を記録して発行する入室証発行機6と、入室証に記録された入室者情報を読み取る読取機9と、入室者情報DB4、指紋認証スキャナ7、入室証発行機6、及び読取機9を制御する管理サーバ1と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入室管理システムに関し、さらに詳しくは、入室予定者が本人と確認された場合に、入室予定者に係る入室者情報に基づいて部屋の施開錠を制御する入室管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業、研究所、役所等において、建造物内の各部屋への入室希望者に対して入室を許可するために入室カードを発行する入室管理システムでは、カードを発行するためには、所定の様式を備えた申請書類に記入して提出することが求められている。また、提出された申請書類は管理者が承認してはじめて効力が生じるが、承認する管理者が不在で承認まで時間を要したり、他の管理者に事情を説明して代わりに承認してもらう場合でも、そのための時間がかかり管理も煩雑となっていた。
【0003】
入室管理システムに関する従来技術として特許文献1には、入室希望者の指紋を生体認証するシステムにおいて、生体認証できた場合に、顔写真を店舗サーバに送信して登録しておき、従業員がPOS端末を操作することにより登録された顔写真と従業員の顔写真を照合するようにした認証システムについて開示されている。
また、特許文献2には、マンションの入場許可に必要な情報を入力し、この情報に基づいて入場許可の認証を行なうセキュリティ認証システムについて開示されている。
また、特許文献3には、総合受付装置及び部門受付装置などを通信回線で接続し、総合受付装置により受付カードを発行してもらい、この受付カードにより各部門受付装置で入室受付を行なう総合予約管理システムについて開示されている。
また、特許文献4には、利用者が入館時にIDカードの給付を受け、そのIDカードを読み取ることにより入館を行い、退館時にIDカードを返却する入退場者管理装置について開示されている。
【特許文献1】特開2005−293172公報
【特許文献2】特開2005−232754公報
【特許文献3】特開2000−113045公報
【特許文献4】特開平11−336386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、POS端末を操作するたびに顔写真を照合するため、設備に多大の費用を要するばかりでなく、稼動中に従業員が交代するたびに顔写真を照合しなければならず、照合に時間が掛かった場合は、顧客を待たせることになるといった問題がある。
また、特許文献2に開示されている従来技術は、入力された情報に基づいて、入場許可の認証を行なう認証装置を各戸に備えなければならず設備コストが高くなるばかりでなく、その操作も煩雑となるといった問題がある。
また、特許文献3に開示されている従来技術では、受付入力操作を行なうことにより、訪問先及び入場条件が検索され、必要条件を満たした場合に、訪問先及び入場条件が記憶された受付カードが発行される。しかし、来訪者は受付時に受付入力操作を必ず行なわなければならないので、入力ミス等により受付カードが発行されないといった事態が発生する虞がある。
また、特許文献4に開示されている従来技術は、入場時に支給されたIDカードで入場し、退場時にはそのIDカードを返却する発明である。従って、IDカードを持ち歩くことがないので、IDカードを紛失することは防止できるが、入退場のたびにIDカードの発行、返却を繰り返さなければならず、操作が煩雑であるといった問題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、来訪者に関する生体情報、その他のIDを確認するための情報が入室者情報データベースに記憶されている来訪者に関する入室者情報と一致していると確認された場合、一致していると確認された来訪者に関する入室者情報を入室者情報データベースから読み出して入室証に記録して発行することにより、当該入室証に記録された入室者情報に基づき、入室者毎に入室できる時間と部屋を的確に管理することができる、スムーズな処理と高いセキュリティを確保した入室管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、複数の部屋の入口に夫々備えられた扉の施開錠を入室者情報に基づいて制御する入室管理システムであって、入室予定者の生体情報、氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報データベースと、入室者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、情報記憶媒体を備えた入室証に前記入室者情報を記録して発行する入室証発行手段と、前記入室証に記録された入室者情報を読み取る読取手段と、前記入室者情報データベース、前記生体情報取得手段、前記入室証発行手段、及び前記読取手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記生体情報取得手段により取得された生体情報が、前記入室者情報データベースに記憶されている生体情報と一致すると判断した場合、当該一致した生体情報に該当する入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする。
本発明の入室管理システムは、予め入室予定者の指紋等の生体情報、氏名、入室予定日、入室予定時間、及び入室予定部屋に関する情報(入室者情報)が記憶されている入室者情報データベースと、入室予定者が入室時に例えば指紋などの生体情報を読み取らせる生体情報取得手段と、入室を許可されたときにその入室者の入室者情報を記録して入室証として発行する入室証発行手段と、入室予定部屋に入室するときにその扉の近傍に設置され、入室証に記録された入室者情報を読み取る読取手段と、制御手段と、を備えている。そして、制御手段は、生体情報取得手段により取得した生体情報が、入室者情報データベースに記憶されている生体情報と一致すると、この入室予定者は入室者情報と一致していると確認された来訪者であると認証して、この入室予定者に関する入室者情報を入室証に記録して発行する。これにより、当該入室証に記録された入室者情報に基づいて的確に入室の許可と制限をコントロールすることができる。
【0007】
請求項2は、前記入室予定者が提示する本人確認書類に記載された本人確認情報を読み取る本人確認書類読取手段と、前記入室予定者が前記入室者情報を入力する入力手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記入力手段により入力された入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶されている前記生体情報を除く入室者情報と一致し、且つ、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報により該入室予定者が本人であると確認された場合、該入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする。
予め生体情報を登録しない入室予定者や、急に来訪が決まってその余裕がない入室予定者のために、本発明では、生体情報の代わりに予め連絡した入室者情報と、来訪時に本人であることを確認するための本人確認書類(運転免許証、パスポート等)から得られた本人確認情報により入室証を発行することができる。即ち、入室者情報を入力し、且つ、本人確認書類をOCR等で読み込ませて入室予定者が入室者情報と一致していると確認された来訪者であると入室証を発行する。これにより、生体情報を登録しない入室予定者でも入室許可を与えることができる。
【0008】
請求項3は、複数の部屋の入口に夫々備えられた扉の施開錠を入室者情報に基づいて制御する入室管理システムであって、入室予定者の氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報データベースと、前記入室予定者が提示する本人確認書類に記載された本人確認情報を読み取る本人確認書類読取手段と、前記入室予定者が前記入室者情報を入力する入力手段と、情報記憶媒体を備えた入室証に前記入室者情報を記録して発行する入室証発行手段と、前記入室証に記録された入室者情報を読み取る読取手段と、前記入室者情報データベース、前記本人確認書類読取手段、前記入力手段、前記入室証発行手段、及び前記読取手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記入力手段により入力された入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶されている入室者情報と一致し、且つ、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報により該入室予定者が本人と確認された場合、該入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする。
本発明は、入室予定者の生体情報がない場合でも、入室者情報と一致していると確認された来訪者であることが確認できれば、入室証を発行するシステムである。入室予定者の中には、生体情報を提供することを拒否する人もいる。そのような場合、個人情報保護の意味で強制することはできない。しかし、セキュリティを厳重に確保しなければならない場合は、何らかの方法で入室予定者が本人であることを確認する必要がある。そこで本発明では、本人であることを証明する運転免許証やパスポートを持参してもらい、OCRで画像情報を読み取って確認する。それと同時に、入力手段から入室予定者の入室者情報を入力してもらい、予め届け出た入室者情報と照合する。そして、入室者情報が一致し、且つ本人であることが確認されて始めて入室証を発行する。これにより、生体情報を登録しない入室予定者でも入室許可を与えることができる。
【0009】
請求項4は、前記入室証発行手段により入室証が発行された入室予定者に対して、入室予定部屋を案内する案内書を発行する案内書発行手段を更に備えたことを特徴とする。
入室証が発行された入室予定者に対して、どの部屋に行けばよいかを案内するために、そこまでの簡単な地図を印刷した案内書を発行する。これにより、入室予定者を案内する手間が省けて、作業効率を高めることができる。
【0010】
請求項5は、前記制御手段が、前記読取手段により読み取られた入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶された入室者情報と一致するか否かを判定する判定手段と、該判定手段により入室者情報が一致すると判定された場合に、当該読取手段が設置された部屋を開錠する開錠制御手段と、を備えていることを特徴とする。
制御手段は、全ての情報を一元化して制御しており、入室者情報を受信して、その情報が入室者情報データベースに記憶された入室者情報と一致するか否かを検証する。一致していれば、入室予定者が本人であると認証できるので、当該読取手段が設置された部屋の鍵を開錠する。また、情報更新手段は、入室者情報データベースの入室者情報について、情報の登録・更新を適宜行う。
【0011】
請求項6は、前記入室証発行手段により発行した入室証に有効期限を設定し、該有効期限内であれば前記生体情報又は本人確認書類の何れかにより本人と確認された場合に、前記入室証を有効とすることを特徴とする。
入室予定者の中には、一定の期間、入退室を繰り返す入室予定者もいる。そのような入室予定者に対しては、その都度、本人確認して入室証を発行していたのでは煩わしい。そこで本発明では、入室証に有効期限を設定し、この有効期限内であれば生体情報又は本人確認書類の何れかにより本人と確認された場合に、入室証を有効とする。これにより、1つの入室証を有効期限内に亘って継続して使用することができる。
【0012】
請求項7は、前記入室者情報データベースに入室予定者と面会する担当者を対応付けて記憶しておき、前記生体情報又は本人確認書類の何れかにより前記入室予定者が本人と確認された場合に、前記担当者の端末に該入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡することを特徴とする。
入室予定者が来訪したことを連絡する方法として、部屋に入室して、そこに設置された内線電話により担当者に連絡する方法もあるが、入室予定者が電話をかけるのを忘れた場合、無駄な時間が過ぎてしまうといった問題がある。そこで本発明では、来訪者が入室者情報の入室予定者と一致していると確認された場合に、担当者の端末に入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡する。これにより、入室予定者が到着したことを確実に担当者に連絡することができる。
【0013】
請求項8は、前記入室証は、磁気カード又は情報記憶媒体を備えたICカードにより構成されていることを特徴とする。
入室者情報を記憶するためには、所定の記憶容量を有するメモリが必要である。その意味では、磁気カードは安価で最適であるが、情報量が多くなり、情報の読み書きを高速で行なうには、情報記憶媒体を有するICカードが適している。これにより、メモリ容量又は情報の転送速度に応じてメディアを選択することができる。
【0014】
請求項9は、適所に撮像手段を備え、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報と前記撮像手段により撮影された映像を照合して本人を確認することを特徴とする。
本人確認書類読取手段には一般的に本人の顔写真が貼付されている。そこで本発明では、本人確認書類読取手段により読み取られた本人の顔写真と撮像手段により撮影された顔写真の映像を照合して本人を確認する。これにより、本人確認書類読取手段に貼付されている顔写真と来訪者の顔写真を照合することができる。
【0015】
請求項10は、入室証を回収する回収手段を備え、不要になった入室証や期限が切れた入室証を回収する際に、該入室証のデータを読み取って、前記入室者情報データベースから削除することを特徴とする。
不要になった入室証は可能な限り回収して、偽造や不正使用を未然に防止することがセキュリティ上好ましい。そこで本発明では、不要になった入室証を回収機により回収する際にデータを読み取ることにより、偽造や不正使用を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、生体情報取得手段により取得した生体情報が、入室者情報データベースに記憶されている生体情報と一致すると、この入室予定者は本人であると認証して、一致していると(本人であると)確認された来訪者に関する入室者情報を入室証に記録して発行するので、当該入室証に記録された入室者情報に基づいて的確に入室の許可と制限をコントロールすることができる。
また、入室者情報を入力し、且つ、本人確認書類をOCR等で読み込ませて入室予定者が本人であることを確認すると入室証を発行するので、生体情報を登録しない入室予定者でも入室許可を与えることができる。
また、入室予定部屋までの簡単な地図を印刷した案内書を発行するので、入室予定者を案内する手間が省けて、作業効率を高めることができる。
また、入室予定者が入室者情報と一致していると確認された来訪者であると認証できると入室者情報に記憶されている部屋の鍵を開錠するので、入室できる部屋及び時間を制限し、高いセキュリティを確保することができる。
【0017】
また、入室証に有効期限を設定し、この有効期限内であれば生体情報又は本人確認書類の何れかにより入室者情報と一致していると確認された来訪者の場合に入室証を有効とするので、1つの入室証を有効期限内に亘って継続して使用することができる。
また、入室予定者が入室者情報と一致していると確認された来訪者の場合に、担当者の端末に入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡するので、入室予定者が到着したことを確実に担当者に連絡することができる。
また、入室証は、磁気カード又は情報記憶媒体を有するICカードにより構成されているので、メモリ容量又は情報の転送速度に応じてメディアを選択することができる。
また、本人確認書類読取手段により読み取られた本人の顔写真と撮像手段により撮影された顔写真の映像を照合して本人を確認するので、本人確認書類読取手段に貼付されている顔写真と来訪者の顔写真を照合することができる。
また、不要になった入室証を回収機により回収する際にデータを読み取ることにより、偽造や不正使用を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。なお、以下の説明では、「来訪者」を「入室者」と表記する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態に係る入室管理システム100の構成を示す図である。この入室管理システム100は、複数の部屋A〜Dに夫々備えられた入口を開閉するための扉a〜dの施錠、開錠を入室者情報に基づいて制御する手段であって、少なくとも入室予定者ごとの生体情報、氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報DB(入室者情報データベース)4と、入室者5の生体情報を取得する指紋認証スキャナ(生体情報取得手段)7と、情報記憶媒体を有する入室証に入室者情報を記録して発行する入室証発行機(入室証発行手段)6と、入室証に記録された入室者情報を読み取る読取機(読取手段)9と、入室者情報DB4、指紋認証スキャナ7、入室証発行機6、及び読取機9を制御する管理サーバ1と、を備えて構成されている。尚、読取機9は部屋A〜Dの各扉a〜dの近傍に夫々設置されている。また、本実施形態では、部屋A〜Dを外部と隔離して扉8を設けてその近傍に読取機9を設置してある。また、本実施形態では生体情報として指紋に限定しているが、手のひらの血管模様、音声、網膜パターンなどの他の生体情報であっても構わない。
【0020】
この入室管理システム100では、管理サーバ1は、指紋認証スキャナ7により取得された指紋情報(生体情報)が、入室者情報DB4に記憶されている指紋情報と一致したと判断した場合、一致した入室者5の入室者情報を入室者情報DB4から読み出して入室証に記録して発行するように入室証発行機6を制御する。
即ち、本実施形態の入室管理システム100は、予め入室予定者の指紋等の生体情報、氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報(入室者情報)が記憶されている入室者情報DB4と、入室者5が入室時に指紋を読み取らせる指紋認証スキャナ7と、入室を許可されたときにその入室者5の入室者情報を記録して入室証として発行する入室証発行機6と、入室予定部屋に入室するときにその扉の近傍に設置され、入室証に記録された入室者情報を読み取る読取機9と、管理サーバ1と、を備えている。そして、管理サーバ1は、指紋認証スキャナ7により取得した指紋情報が、入室者情報DB4に記憶されている指紋情報と一致すると、この入室者5は入室者情報と一致していると確認された入室予定者本人であると認証して、この入室者5に関する入室者情報を入室証に記録して発行する。これにより、当該入室証に記録された入室者情報に基づいて的確に入室の許可と制限をコントロールすることができる。
【0021】
また、管理サーバ1には、入室者情報DB4に入室予定者と面会する担当者を対応付けて記憶しておき、生体情報又は本人確認書類の何れかにより入室者5が入室者情報と一致していると確認された入室予定者である場合に、担当者端末3に入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡する。即ち、入室予定者が来訪したことを連絡する方法として、部屋に入室して、そこに設置された内線電話により担当者に連絡する方法もあるが、入室予定者が電話をかけるのを忘れた場合、無駄な時間が過ぎてしまうといった問題がある。そこで本実施形態では、入室者が入室予定者本人である場合に、担当者端末3に入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡する。これにより、入室予定者が到着したことを確実に担当者に連絡することができる。
【0022】
図2は本発明の第2の実施形態に係る入室管理システム110の構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付し説明を省略する。この入室管理システム110が図1の入室管理システム100と異なる点は、入室者5の提示する本人確認書類に記載された本人確認情報を読み取るOCR(本人確認書類読取手段)16と、入室者5が入室者情報を入力するタッチパネル(入力手段)15と、を更に備えた点である。そして管理サーバ1は、タッチパネル15により入力された入室者情報が入室者情報DB4に記憶されている指紋情報を除く入室者情報と一致し、且つ、OCR16により読み取られた本人確認情報により入室者5が入室予定者本人と確認された場合、この入室者5の入室者情報を入室者情報DB4から読み出して入室証に記録して発行するように入室証発行機6を制御する。尚、入室者情報DB4には、入室予定者の氏名、入室予定日、入室予定時間、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶するようにして、指紋認証スキャナ7を除いてタッチパネル15により入力された入室者情報が入室者情報DB4に記憶されている入室者情報と一致し、且つ、OCR16により読み取られた本人確認情報により入室予定者が本人と確認された場合、この入室予定者の入室者情報を入室者情報DB4から読み出して入室証に記録して発行するようにしても良い。
【0023】
また、適所にカメラを備え、OCR16により読み取られた本人確認情報とカメラ(撮影手段)に撮影された映像を照合して本人を確認することにより、セキュリティをさらに向上させることができる。尚、撮影のタイミングは、例えば、本人確認書類をOCR16にセットした時や、読み取りを開始したときに行なわれる。これらの指示は全て管理サーバ1から行なわれる。また、OCR16により読み取った本人確認書類の画像と、撮影手段により撮影された画像の照合は、管理サーバ内の判定手段11により判定される。尚、入室証発行機6は、OCR、タッチパネル、入室証発行機、指紋認証スキャナの機能が集約された入室証発行機(自動契約機のようなイメージ)としても良い。
即ち、予め指紋情報を登録しない入室予定者や、急に来訪が決まってその余裕がない入室予定者のために、本実施形態では、指紋情報の代わりに予め連絡した入室者情報と、来訪時に本人であることを確認するための本人確認書類(運転免許証、パスポート等)から得られた本人確認情報により入室証を発行することができる。即ち、入室者情報をタッチパネル15により入力し、且つ、本人確認書類をOCR16で読み込ませて入室者5が入室予定者本人であることが確認されると入室証を発行する。これにより、指紋情報を登録しない入室予定者でも入室許可を与えることができる。
【0024】
また、入室予定者の指紋情報がない場合でも、本人であることが確認できれば、入室証を発行するシステムでも良い。即ち、入室予定者の中には、指紋情報を提供することを拒否する人もいる。そのような場合、個人情報保護の意味で強制することはできない。しかし、セキュリティを厳重に確保しなければならない場合は、何らかの方法で入室予定者が本人であることを確認する必要がある。そこで本発明では、本人であることを証明する運転免許証やパスポートを持参してもらい、OCRで画像情報を読み取って本人であることを確認する。それと同時に、タッチパネル15から入室予定者の入室者情報を入力してもらい、予め届け出た入室者情報と照合する。そして、入室者情報が一致し、且つ本人であることが確認されて始めて入室証を発行する。これにより、指紋情報を登録しない入室予定者でも、セキュリティを確保し、入室許可を与えることができる。
尚、図1及び図2に示す管理サーバ1は、制御部10と、読取機9により読み取られた入室者情報を受信する情報受信手段11と、情報受信手段11により受信された入室者情報が入室者情報DB4に記憶された入室者情報と一致するか否かを判定する判定手段12と、判定手段12により入室者情報が一致すると判定された場合に、読取機9が設置された部屋を開錠する開錠制御手段13と、情報更新手段14と、を備えて構成されている。
即ち、管理サーバ1は、全ての情報を一元化して制御しており、入室者情報を受信して、その情報が入室者情報DB4に記憶された入室者情報と一致するか否かを判定手段12により検証する。一致していれば、入室者5が入室予定者本人であると認証できるので、当該読取手段が設置された部屋の鍵を開錠する。これにより、管理サーバ1は、入室者情報DB4の情報を情報更新手段14により適宜更新する。
【0025】
また、図示を省略するが、図1、図2の各入室管理システムに、入室証を回収する回収機(回収手段)を備え、不要になった入室証や期限が切れた入室証を回収する際に、そのデータを読み取って、入室者情報DB4から削除するようにしてもよい。例えば、回収機に読取部を備え、回収口に入室証を挿入したときに、その入室証に記録されているデータを読み取り、管理サーバに送信し、管理サーバはそのデータに基づいて入室者情報DB4から削除する。
また、入室証発行機6により発行した入室証に有効期限を設定し、有効期限内であれば指紋情報又は本人確認書類の何れかにより本人と確認された場合に、入室証を有効とする。即ち、入室予定者の中には、一定の期間、入退室を繰り返す入室予定者もいる。そのような入室予定者に対しては、その都度、本人確認して入室証を発行していたのでは煩わしい。そこで本発明では、入室証に有効期限を設定し、この有効期限内であれば指紋情報又は本人確認書類の何れかにより入室予定者本人と確認された場合に、入室証を有効とする。これにより、1つの入室証を有効期限内に亘って継続して使用することができる。
【0026】
図3は予め入室者情報を設定する時の動作を説明するフローチャートである。まず、入室予定者の情報(入室者情報)として、例えば、名前、会社名、電話番号、入室予定日、入室時間等が入力される(S1)。それらの情報を入力することにより、関係部署に連絡をとり入室許可が承認された場合(S2でYES)、入室予定者に入室許可を通知する(S3)。次に、本人確認のために入室予定者の指紋情報を提供してもらう依頼を通知する(S4)。了解してもらうと、入室予定者の指紋を読み取り(S5)、入室者情報DB4にその指紋情報を記憶する(S6)。一方、ステップS2で入室許可が承認されない場合は(S2でNO)、入室不可の旨を通知する(S7)。
【0027】
図4は第1の実施形態に係る入室証を発行するときのフローチャートである。図3のフローチャートにより予め入室者情報を設定した入室予定者は、当日、訪問先に出向き入口に備えられた指紋認証スキャナ7に指をかざして指紋を読み取らせる(S11)。その指紋情報は管理サーバ1に伝えられ、入室者情報DB4に記憶されている指紋情報と照合する(S12)。指紋情報が一致すると(S12でYES)、一義的に入室者情報に設定されている入室予定者であると認証できるので、その入室者情報を読み出して入室者を特定する(S13)。入室者情報には名前、会社名、電話番号、入室予定日時等が記憶されており、その情報から入室予定があるか否かをチェックする(S14)。入室予定があると判定されると(S14でYES)、入室者情報DB4から入室者情報を読出し(S15)、その情報を入室証に書き込み(S16)、入室証を発行する(S17)。そして、入室者情報DB4を更新する(S18)。一方、ステップS12で指紋情報が一致しない場合(S12でNO)、又は、ステップS14で入室予定がない場合は(S14でNO)、入室者情報を設定した入室者でないと見做してエラーを通知する(S19)。また、ステップS15で入室者情報DB4より入室者情報を読出した時に、併せて案内情報を作成して(S20)、案内書を発行する(S21)ようにしても良い。
【0028】
即ち、入室証発行機6により入室証が発行された入室予定者に対して、入室予定部屋を案内する案内書を発行する案内書発行手段を更に備える。入室証が発行された入室予定者に対して、どの部屋に行けばよいかを案内するために、そこまでの簡単な地図を印刷した案内書を発行する。これにより、入室予定者を案内する手間が省けて、作業効率を高めることができる。
尚、入室許可を受けた入室予定者に入室時に使用するID、またはID及びパスワードを事前に通知することにより、入室予定者が来訪時、そのID(またはID及びパスワード)をタッチパネル15により入力することで、入室者情報(氏名や会社名等)を入力すること無く、入室証の発行手続きが出来るようになる。これにより、入室予定者の負荷軽減と、入力ミスの回避による円滑な入室証発行が可能となる。
【0029】
図5は本発明の第2の実施形態に係る入室証を発行するときのフローチャートである。このフローチャートは、図3のフローチャートにより予め入室者情報を設定する際に、予め指紋情報を登録しない入室予定者や、急に来訪が決まってその余裕がない入室予定者のために、当日、本人を確認して入室証を発行する場合を想定している。尚、この場合でも、予め電話等でアポイントをとり、必要な情報は訪問先に連絡しておくものとする。
入室予定者は、当日訪問先に出向き入口に備えられたOCR16に本人確認書類(運転免許証、パスポート等)を読み込ませる(S31)。次に、タッチパネル15により入室者情報(氏名、会社名、入室予定日、入室予定時間等)を入力する(S32)。それらの情報は、管理サーバ1に伝えられ、入室者情報が一致し、且つ、本人であることが確認されると(S33でYES)、その入室者情報を読み出して入室者を特定する(S34)。入室者情報には名前、会社名、電話番号、入室予定日、入室予定日時等が記憶されており、その情報から入室予定があるか否かをチェックする(S35)。入室予定があると判定されると(S35でYES)、入室者情報DB4から入室者情報を読出し(S36)、その情報を入室証に書き込み(S37)、入室証を発行する(S38)。そして、入室者情報DB4を更新する(S39)。一方、ステップS33で入室者情報が一致せず、或いは本人であることが確認できない場合(S33でNO)、又は、ステップS35で入室予定がない場合は(S35でNO)、入室者情報を設定した入室者でないと見做してエラーを通知する(S40)。また、ステップS36で入室者情報DB4より入室者情報を読出した時に、併せて案内情報を作成して(S41)、案内書を発行する(S42)ようにしても良い。
【0030】
図6は入室者情報を変更する場合のフローチャートである。まず、変更すべき入室者情報を入力する(S45)。その変更内容で承認された場合(S46でYES)、変更を許可した旨を入室予定者に通知して(S47)、入室者情報DB4を更新する(S48)。一方、ステップS46で変更内容が承認されない場合(S46でNO)変更内容不許可の旨を入室予定者に通知する(S49)。
【0031】
図7は入室証が発行された入室者が部屋に入室するときのフローチャートである。まず、入室者は発行された入室証を扉8の近傍に設置されている読取機9にかざして扉8を開き、案内書に記載されている部屋まで行き、その部屋の読取機9に入室証をかざして入室者情報を読み取らせる(S51)。管理サーバ1は情報受信手段11により入室証の入室者情報を受信する(S52)。その情報から入室しようとする部屋と入室者を特定する(S53)。そして、この入室者が入室可能な部屋であるか否かをチェックする(S54)。入室可能な部屋であれば(S54でYES)、今の時間が入室可能な時間であるか否かをチェックする(S55)。入室可能な時間であれば(S55でYES)、開錠制御手段13は開錠情報を部屋にある開錠装置に送信して扉を開錠する(S56)。そして、入室者情報DB4を更新する(S57)。一方、ステップS54で入室可能な部屋ではなく(S54でNO)、又は入室可能な時間ではない場合(S55でNO)はエラーを通知する(S58)。
【0032】
図8は本発明の入室者情報DB4の記憶内容の一例を示す図である。入室者情報DB4には、入室予定者の氏名20、入室予定者が所属する会社名21、部署22、電話番号23、入室日24、入室時間25、入室予定部屋26、訪問先当社担当部署27、訪問先当社担当者28、生体認証登録の有無29、本人確認登録の有無30、入室証回収の有無31等が記憶されている。例えば、入室予定者「特許太郎」の場合は、会社名21は「○○(株)」、部署22は「○×部」、電話番号が「○○○○−○○○○」、入室日が「2007/4/1」、入室時間が「9:00〜12:00」、入室予定部屋が「101,105」、訪問先当社担当部署27が「□○部」、訪問先当社担当者28が「意匠太郎」、生体認証登録の有無29が「○」、本人確認登録の有無30が「−」、入室証回収の有無31が「○」と記憶される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る入室管理システム100の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る入室管理システム110の構成を示す図である。
【図3】予め入室者情報を設定する時の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る入室証を発行するときのフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る入室証を発行するときのフローチャートである。
【図6】入室者情報を変更する場合のフローチャートである。
【図7】入室証が発行された入室者が部屋に入室するときのフローチャートである。
【図8】本発明の入室者情報DB4の記憶内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 管理サーバ、2 管理端末、3 担当者端末、4 入室者情報DB、5 入室者、6 入室証発行機、7 指紋認証スキャナ、8 扉、9 読取機、10 制御部、11 情報受信手段、12 判定手段、13 開錠制御手段、14 情報更新手段、15 タッチパネル、16 OCR、100 入室管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部屋の入口に夫々備えられた扉の施開錠を入室者情報に基づいて制御する入室管理システムであって、
入室予定者の生体情報、氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報データベースと、
入室者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
情報記憶媒体を備えた入室証に前記入室者情報を記録して発行する入室証発行手段と、
前記入室証に記録された入室者情報を読み取る読取手段と、
前記入室者情報データベース、前記生体情報取得手段、前記入室証発行手段、及び前記読取手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記生体情報取得手段により取得された生体情報が、前記入室者情報データベースに記憶されている生体情報と一致すると判断した場合、当該一致した生体情報に該当する入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする入室管理システム。
【請求項2】
前記入室予定者が提示する本人確認書類に記載された本人確認情報を読み取る本人確認書類読取手段と、
前記入室予定者が前記入室者情報を入力する入力手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記入力手段により入力された入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶されている前記生体情報を除く入室者情報と一致し、且つ、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報により該入室予定者が本人であると確認された場合、該入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の入室管理システム。
【請求項3】
複数の部屋の入口に夫々備えられた扉の施開錠を入室者情報に基づいて制御する入室管理システムであって、
入室予定者の氏名、入室予定日時、及び入室予定部屋に関する情報が含まれる入室者情報を記憶する入室者情報データベースと、
前記入室予定者が提示する本人確認書類に記載された本人確認情報を読み取る本人確認書類読取手段と、
前記入室予定者が前記入室者情報を入力する入力手段と、
情報記憶媒体を備えた入室証に前記入室者情報を記録して発行する入室証発行手段と、
前記入室証に記録された入室者情報を読み取る読取手段と、
前記入室者情報データベース、前記本人確認書類読取手段、前記入力手段、前記入室証発行手段、及び前記読取手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記入力手段により入力された入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶されている入室者情報と一致し、且つ、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報により該入室予定者が本人であると確認された場合、該入室予定者の入室者情報を前記入室者情報データベースから読み出して前記入室証に記録して発行するように前記入室証発行手段を制御することを特徴とする入室管理システム。
【請求項4】
前記入室証発行手段により入室証が発行された入室予定者に対して、入室予定部屋を案内する案内書を発行する案内書発行手段を更に備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の入室管理システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記読取手段により読み取られた入室者情報が前記入室者情報データベースに記憶された入室者情報と一致するか否かを判定する判定手段と、該判定手段により入室者情報が一致すると判定された場合に、当該読取手段が設置された部屋を開錠する開錠制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の入室管理システム。
【請求項6】
前記入室証発行手段により発行した入室証に有効期限を設定し、該有効期限内であれば、前記生体情報又は本人確認書類の何れかにより本人と確認された場合に、前記入室証を有効とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の入室管理システム。
【請求項7】
前記入室者情報データベースに入室予定者と面会する担当者を対応付けて記憶しておき、前記生体情報又は本人確認書類の何れかにより前記入室予定者が本人と確認された場合に、前記担当者の端末に該入室予定者が来訪した旨を自動的に連絡することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の入室管理システム。
【請求項8】
前記入室証は、磁気カード又は情報記憶媒体を備えたICカードにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の入室管理システム。
【請求項9】
適所に撮像手段を備え、前記本人確認書類読取手段により読み取られた本人確認情報と前記撮像手段により撮影された映像を照合して本人を確認することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の入室管理システム。
【請求項10】
入室証を回収する回収手段を備え、不要になった入室証や期限が切れた入室証を回収する際に、該入室証のデータを読み取って、前記入室者情報データベースから削除することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の入室管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−46813(P2009−46813A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211120(P2007−211120)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(595078415)プロミス株式会社 (99)
【Fターム(参考)】