説明

内燃機関

シリンダ(4)毎に少なくとも1個ずつの吸気バルブおよび排気バルブと、燃焼室の境界をなす燃焼室天井面とを有するシリンダヘッド(1)と、多気筒用シリンダブロック(9)とを備え、各シリンダ(4)間の領域にエンジン長手方向に対して垂直に伸縮構造部(8,8a)が形成されている内燃機関(20)。前記シリンダヘッド(1)と前記シリンダブロック(9)との間には複数のシリンダ(4)にわたる燃焼室プレート(21)が配置され、前記伸縮構造部(8)は前記燃焼室プレート(21)に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ毎に少なくとも1個ずつの吸気バルブおよび排気バルブと、燃焼室の境界をなす燃焼室天井面とを有するシリンダヘッドと、多気筒用シリンダブロックとを備え、各シリンダ間の領域にエンジン長手方向に対して垂直に伸縮構造部が形成されている内燃機関に関する。さらに本発明は、マニュアル変速機構と、入力側スプリット変速機構(一般的に変速幅が狭い変速機構を指す)と、出力側レンジ変速機構(一般的に変速幅が広い変速機構を指す)とを有するトランスミッションを備える自動車用変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多気筒4バルブ内燃機関において、吸排気バルブがエンジン長手軸の左右にそれぞれ1列に配列されている配置は一連の利点を有する。たとえば、これにより、吸気バルブにも排気バルブにも、たとえば量産によって安価に製造可能なカムフォロアと油圧式バルブ調整手段とを経てそれぞれのバルブを駆動するそれぞれ1本ずつのカムシャフトを使用することが可能になる。
【0003】
ただし、この種の給排気バルブ配置の場合には、吸気バルブと排気バルブとの間のすべてのバルブ間ブリッジ部がエンジン中心部において長手方向に直列に整列している点を短所として挙げることができる。これらのバルブ間ブリッジ部は内燃機関稼動時に激しく加熱され、いずれにせよ400℃までに達する表面温度が発生するため、加算効果により、材料によって許容される程度を上回り得る過大な応力が生ずるに至る。結果として、圧縮ひずみの形の塑性変形が生じ、材料が冷える際に亀裂が生ずることがある。
【0004】
この問題に関連して、欧州特許第0785352号(特許文献1)から、シリンダヘッドボトムが各シリンダの領域に、各シリンダの燃焼室の上面部を形成する窪みを有している多気筒内燃機関用シリンダヘッドが知られている。これらの窪みを有したボトム領域の間には、遥かに肉厚に形成されて、シリンダヘッドボトムの上側面から下側面にまで達する伸縮構造部(スリット)を有するシリンダヘッドボトム領域が位置している。これらの伸縮構造部は種々相違した断面を有し、シリンダヘッドボトムのブリッジ領域に配置可能である。開示された実施形態の1つにおいて、伸縮構造部はシリンダヘッドボトムの上側面を始点として、シリンダヘッドボトムの下側面を貫いている。
【0005】
上記欧州特許出願第0785352号(特許文献1)には、さらに、同じくシリンダヘッドボトムが各シリンダの領域に形成された凹部と、各シリンダ間の強化されたボトム部とを有し、シリンダヘッドボトムの下側面から出発して凹部のおおよそ半分の高さまでに達する伸縮構造部(スリット)が設けられたこの従来の技術による1つの実施形態(図9および図10)が開示されている。ただし、伸縮構造部上方のボトム領域は、凹部上方のボトム領域と共に一体につながった平らなシリンダヘッドボトム領域を作り出しており、これが大きな材料応力の原因となることが判明した。
【0006】
国際公開特許第99/00612号(特許文献2)から、直結伝動用ギヤ列とオーバドライブ用ギヤ列とを有した作業車向けの16段式トランスミッションが知られている。このトランスミッションはメインギヤ機構と2つの補助ギヤ機構とを有し、一方の補助ギヤ機構はスプリット機構(各段の変速幅が狭い)として形成され、他方の補助ギヤ機構はレンジ変速機構(各段の変速幅が広い)として形成されている。
【0007】
ただし、16段のシフト変速段はいかなる場合にも必要なわけではない。特に軽作業車向けならびにバスまたはクレーン車向けなどの簡易な使用例においては、たとえば10変速段でまったく十分である。ただし、10段変速は通例、16段変速とは異なった構造を有している。現在の10段変速は例外なくレンジ変速機構が後置されたマニュアルシフト式の5段変速からなっている。この場合、5段変速は3個のシフトフォークで操作され、オーバドライブ時には標準シフトパターンを表すために4速および5速にシフト方向の反転が必要である。オプショナルに双方のタイプのトランスミッション、つまり10段変速又は16段変速が所望ないし適切と考えられる場合には、相当程度の構造的、製造技術的ならびにロジスティックスにかかわる費用が必要とされ、これはコストに不適な影響をもたらす。
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願第0785352号
【特許文献2】国際公開第99/00612号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記のような従来技術から出発して多気筒4バルブ内燃機関のシリンダヘッドを改良し、製造の簡単化が保証されるようにすると共に、エンジン長手方向の問題ある領域における熱負荷に起因する高い材料応力が回避されるようにすることである。本発明のもう1つの目的は、できるだけ容易な方法でオプショナルに16段変速または10段変速に変更できる変速装置ファミリーを実現し、その際できるだけ多くの同一部品の兼用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は本発明では、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間には複数のシリンダにわたる燃焼室プレートが配置され、伸縮構造部が燃焼室プレートに形成されていることによって解決される。
【0011】
シリンダヘッドとクランクケースとの間に前記燃焼室プレートを設けることにより、シリンダヘッドの燃焼室側ボトムの厚みを減少させて、この領域における冷却を改善することができるという利点が得られる。これはシリンダヘッドの熱応力を減少させる。前記燃焼室プレートに設けられた伸縮構造部によって熱応力を緩和することができる。
【0012】
好ましくは、前記伸縮構造部のそれぞれの端部には応力逃がし孔が設けられている。これらの応力逃がし孔によって、前記伸縮構造部の両端における亀裂の発生と進展を回避することができる。
【0013】
問題あるシリンダヘッド領域における熱負荷に起因する高い材料応力を回避するために、好ましくは前記燃焼室プレートに形成された前記伸縮構造部に整列してシリンダヘッドにもさらなる伸縮構造部が形成されると、特に好適である。この場合、シリンダヘッドに設けられた伸縮構造部は前記燃焼室プレートに対向するシリンダヘッドボトムの下側面からシリンダヘッドボトムの上側面まで延びている。この場合、シリンダヘッドボトムに設けられた前記伸縮構造部はシリンダヘッドボトムの上側面に形成された、エンジン長手方向に対して垂直方向に延設された補強リブによってブリッジされるようにすることができる。
【0014】
前記さらなる伸縮構造部は実質的にシリンダヘッドボトムの厚さに等しい深さを有するため、シリンダヘッドボトムが実質的に平坦であればこの領域における熱膨張を効果的に吸収することができる。さらに、前記伸縮構造部をブリッジする補強リブを配置することにより、この領域においてシリンダヘッドボトムに所要の変形強さを付与することができる。
【0015】
本発明の好適な実施形態の1つとして、前記さらなる伸縮構造部は前記補強リブ内にまで延設されたものがある。この形態では、より高い可動性が得られ、したがって、大きな熱負荷に際しても材料応力の回避が可能である。
【0016】
本発明の特に好適な実施形態において、前記さらなる伸縮構造部は少なくともシリンダ軸によって定義される面の領域で前記補強リブをシリンダヘッドボトムの上側面まで貫くように延びている。この場合、前記補強リブはシリンダ軸によって定義される面の領域において二重リブとして形成されていてよい。
【0017】
この特別な形態では、伸縮構造部はシリンダヘッド内のウオータジャケットとシリンダブロック内のウオータジャケットとの間の連通手段としても利用することが可能であり、その際、前記伸縮構造部を好ましくは円弧状のフライス加工によりシリンダヘッドボトムに形成するのが特に好適である。一部シリンダヘッドボトムの上側面を始点とし、したがって、シリンダヘッドと共に手間と費用をかけて一体に成形されなければならない従来公知の伸縮構造部に比較して、本発明による伸縮構造部は下側面を始点としてフライス加工によって形成することができる。
【0018】
オプショナルとして16変速段または10変速段を有するトランスミッションファミリーは、変速装置が前進10段の10段変速として形成されて、ダブルHシフトパターンを有し、前進8変速段と後進変速段とはマニュアル変速機構とレンジ変速機構とによってシフト可能であり、第4変速段と第5変速段間ないし第9変速段と第10変速段間のみと、好ましくは2つの後進変速段間もスプリット変速機構によって変速シフトできるように構成することで、実現される。
【0019】
好ましくは、第6、第7、第8および第9ないし第10変速段は低ギヤ比から高ギヤ比への前記レンジ変速機構のシフトによって作り出される。また、第4変速段または第5変速段は直結伝動として形成されていてよい。
【0020】
製造コストをできるだけ低く抑えるために、特に好ましい実施形態において、前記トランスミッションユニットは前進16段式のトランスミッションユニットと実質的に同一の構造に形成される。
【0021】
前記スプリット変速機構または前記レンジ変速機構あるいはその両方は空気圧式シフトが可能であれば特に有利である。
【0022】
第4/5および第9/10変速段のみが前記スプリットギヤ機構によってシフト操作可能であって、その他の変速段のシフトを防止するため変速電子制御によって構成された安全手段が設けられている。このトランスミッション電子機構は、前記スプリットギヤ機構が第4変速段ないし第9変速段および後進変速段においてのみシフト可能であることを保証しなければならない。この場合、それぞれの変速段は副軸と従動軸との回転数比に関するセンサによって認識される。
【0023】
本発明による提案は、16段変速(2×4×2、入力側スプリット変速機構と従動側レンジ変速機構とを装備)から10段変速(5×2)に切り換えることが非常に簡単となる可能性を示している。
【0024】
この場合、16段変速の電気−空気変速操作式スプリット変速機構が第5変速段(同じく電気−空気式)のシフト操作に使用される。
【0025】
シフトパターンはダブルHシフトとして原理的に16段変速と同じままであり、その際、第5変速段は、シフトレバーのスプリットスイッチと同様に、プレセレクトされて、クラッチ操作時に自動的にギヤ入れされる。第5変速段から第4変速段へのシフトダウンも同様にして行われる。トランスミッション電子機構により、このオーバドライブは第4変速段でのみシフト可能であり、第4変速段より低い変速段が機械的にギヤ入れされると直ちにまた再びギヤ外しされる。第9および10変速段についても同様である。
【0026】
上記実施態様は、登坂変速段(第5変速段=直結伝動変速段)としてまたはオーバドライブ変速段(第4変速段=直結伝動変速段)として可能であり、その際、これら双方の態様は最も単純な場合、スプリット変速機構のギヤ対に関してのみ相違しているにすぎない。後進変速段も同じく空気圧式スプリット変速機構によって2つのギヤ比へのシフト操作が可能である。
【0027】
前記トランスミッションの内部機構はギヤ配置およびシフト操作の点でまったく同じである。ただし、適正なギヤ変速段区分を実現するには、若干のギヤ対を変更することが必要である。好ましい実施形態の1つでは、後進変速段、第1変速段および第2変速段の歯車は16段変速と同じままにしておき、その他のすべてのギヤ対(第3変速段、ならびに前記スプリット変速機構の双方のギヤ対)については都合のよいシフトジャンプのために歯数およびギヤ比の適合化を行うとよい。
【0028】
従来の10段変速に比較して以下の利点が得られる。
− 同一部品で最大16段変速を有する変速装置ファミリーが実現される。
− 原理的なギヤ配置の変更は不要である。
− 機械式シフト(シフトロッド、シフトフォーク、ゲートセレクト、等)の変更は不要である。
− 同じシフトパターンの登坂変速段およびオーバドライブ変速段に機械的なシフト方向の反転は不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1および2に示された4バルブ内燃機関20のシリンダヘッド1は、エンジン長手方向にそれぞれ1列に配置された吸気バルブ孔2ならびに排気バルブ孔3を有している。吸気バルブ孔2および排気バルブ孔3は内燃機関のシリンダ軸4’によって定義される面Eの両側に位置しており、それぞれの種類のバルブ用に、たとえばカムフォロアと油圧式バルブ調整手段とを介してそれぞれのバルブを駆動するそれぞれ1本ずつのカムシャフトが用いられる。
【0030】
シリンダヘッド1とシリンダブロック9との間には、シリンダ4同士の間の領域にエンジン長手方向に対して垂直方向に形成されたそれぞれ1つずつの伸縮構造部(スリット)8を有する実質的にフラットな燃焼室プレート21が配置されている。伸縮構造部8により、熱負荷に起因する材料応力を解消することができる。伸縮構造部8の両端における多軸応力分布状態を回避するため、応力逃がし孔22が燃焼室プレート21に設けられている。
【0031】
さらに、実質的にフラットに形成されているシリンダヘッドボトム7も各シリンダ4同士の間の領域にエンジン長手方向に対して垂直方向に形成されたそれぞれ1つの伸縮構造部(スリット)を有しており、この伸縮構造部はシリンダヘッドボトム7のシリンダブロック9側の下側面10から、シリンダヘッドボトム7の上側面11の方向に延びている。上側面11において、伸縮構造部8aはエンジン長手方向に対して垂直方向に延設された補強リブ12によってブリッジされる。シリンダヘッドボトム7に設けられた伸縮構造部8aは燃焼室プレート21に設けられた伸縮構造部8と整列して形成されている。
【0032】
図2に示した断面図には、同図に記入された伸縮構造部8,8aにより、本発明の3つの好適な実施形態が表されている。図中左の実施形態は、深さT1が実質的にシリンダヘッドボトム7の厚さDに等しい(図3、参照)、シリンダヘッドボトム7に設けられた伸縮構造部8aを示している。
【0033】
図2の右側に示された伸縮構造部8,8aは、補強リブ12内にまで達しているために深さT2がシリンダヘッドボトム7の厚さDよりも大きい、シリンダヘッドボトム7に設けられた伸縮構造部8aを示している。
【0034】
最後に、図2の中央の伸縮構造部は、シリンダヘッドボトム7の伸縮構造部8aが補強リブ12を少なくともシリンダ軸4’によって定義される面Eの領域でシリンダヘッドボトム7の上側面まで貫いている実施形態を示している。図5に表されているように、この場合、伸縮構造部8aはシリンダヘッドボトム7の厚さDよりもやや大きな深さT3を有している。この実施形態において、補強リブ12はシリンダ軸4’によって定義される面Eの領域において二重リブ12’として形成されていてよい。図5に示した実施形態によって、シリンダヘッド1内のウオータジャケット13とシリンダブロック9内のウオータジャケット14との間の連通を簡易な方法で実現することができる。特に、伸縮構造部8,8aを燃焼室プレート21とシリンダヘッドボトム7への円弧状のフライス加工により形成する場合には、製造技術的に容易な方法で、シリンダブロック9の蒸気孔15を通じた流れの連通が実現される。
【0035】
変速装置は、マニュアル変速機構112、入力側スプリット変速機構114、出力側レンジ変速機構116ならびに後進変速段R用のリバースグループ118を備えたトランスミッション110を有している。符号120によって入力軸が、符号122によって出力軸が、符号124によって副軸がそれぞれ表されている。変速段1,2,3,4,5および後進変速段Rのシフト操作は矢印Pで示唆されている。
【0036】
変速段1,2,3,4はマニュアル変速機構112によってシフト操作される。第4変速段と第5変速段4,5間はスプリット変速機構114を介して変速シフトされる。これらの5つの変速段1,2,3,4,5にはさらにレンジ変速機構(副変速機構)116によって低ギヤ比(低速)Lまたは高ギヤ比(高速)Hを対応づけることができる。これによって総計10段の前進変速段が得られる。
【0037】
後進変速機構118の切り替えによって後進変速段Rにシフト操作される。この後進変速段Rにもスプリット変速機構114によって2つのシフト変速段R1,R2を作り出させることができる。
【0038】
図6に示された実施形態において、第4変速段4は直結伝動変速段として形成されている。これにより、オーバドライブの実現が可能である。
【0039】
図7は登坂変速段付トランスミッションとしての実施形態を示しており、この場合、直結伝動変速段は第5変速段5によって形成されている。最も単純な場合、これら2つの実施形態はスプリット変速機構114のギヤ対の点で相違しているにすぎない。
【0040】
本変速装置では、図8から明らかなように、ダブルHシフトパターン130が使用される。低ギヤ比Lないし高ギヤ比Hを有するレンジ変速機構116を介して、低変速段1,2,3,4,5と高変速段6,7,8,9,10との間の切替えを行うことができる。第4〜5変速段4,5の切替え、ないし第9〜10変速段9,10の切替えはスプリット変速機構114を介して行われる。図示した10段変速と、同じトランスミッションファミリーの16段変速との間の相違は、10段変速において変速段1,2,3ないし6,7,8におけるスプリット変速機構の切替えがロックされている点にある。ただし、この10段変速は16段変速と原理的に同じギヤ配置を有している。単に、第3および第4変速段の歯数とギヤ比が相違しているだけである。第1および第2変速段は等しく形成することができる。10段変速と16段変速は同じ機械式シフト(シフトロッド、シフトフォーク、ゲートセレクト、等)によって形成することができる。マニュアル5段式シフトグループと後置されたレンジ変速機構とを有する従来の10段変速に比較して、同じシフトパターンの登坂変速段およびオーバドライブ変速段に機械的なシフト方向の反転は不要であるという利点が得られる。
【0041】
シフトパターンはダブルHシフトとして原理的に16段変速と同じであり、その際、第5変速段5はスイッチでプレセレクトされて、クラッチ操作時に自動的にギヤ入れされる。第5変速段から第4変速段4へのシフトダウンも同様にして行われる。トランスミッション電子機構により、このオーバドライブは第4変速段4でのみシフト可能であり、第4変速段より低い変速段が機械的にギヤ入れされると直ちに再びギヤ外しされる。ドライバーに分かり易くするため、シフトされた変速段を表示するディスプレーを設けるのが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による内燃機関のシリンダヘッドの底部平面図
【図2】図1のII−II線に沿った前記内燃機関の断面図
【図3】図2のIII−III線に沿った前記内燃機関の断面図
【図4】図2のIV−IV線に沿った前記内燃機関の断面図
【図5】図2のV−V線に沿った前記内燃機関の断面図
【図6】本発明による変速装置の第1の実施形態の概略図
【図7】本発明による変速装置の第2の実施形態を示す概略図
【図8】変速装置のシフトパターンを示す説明図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(4)毎に少なくとも1個ずつの吸気バルブおよび排気バルブと、燃焼室の境界をなす燃焼室天井面とを有するシリンダヘッド(1)と、多気筒用シリンダブロック(9)とを備え、各シリンダ(4)間の領域にエンジン長手方向に対して垂直に伸縮構造部(8,8a)が形成されている内燃機関(20)であって、
前記シリンダヘッド(1)と前記シリンダブロック(9)との間には複数のシリンダ(4)にわたる燃焼室プレート(21)が配置され、前記伸縮構造部(8)は前記燃焼室プレート(21)に形成されていることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記伸縮構造部(8)の両端にそれぞれ応力逃がし孔(22)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
好ましくは前記燃焼室プレート(21)に形成された前記伸縮構造部(8)に整列して前記シリンダヘッド(1)にもさらなる伸縮構造部(8a)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
【請求項4】
シリンダヘッドボトム(7)に形成された前記さらなる伸縮構造部(8a)は前記燃焼室プレート(21)に対向する前記シリンダヘッドボトム(7)の下側面(10)から前記シリンダヘッドボトムの上側面(11)まで延びていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記シリンダヘッドボトム(7)に設けられた前記さらなる伸縮構造部(8a)は、前記シリンダヘッドボトム(7)の上側面(11)に形成された、エンジン長手方向に対して垂直方向に延設された補強リブ(12)によってブリッジされていることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記シリンダヘッド(1)に設けられた前記さらなる伸縮構造部(8a)は実質的に前記シリンダヘッドボトム(7)の厚さ(D)に等しい深さ(T1)を有することを特徴とする請求項に記載の3から5のいずれか一項に内燃機関。
【請求項7】
前記さらなる伸縮構造部(8a)は前記補強リブ(12)内にまで達していることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項8】
前記さらなる伸縮構造部(8a)は少なくともシリンダ軸(4’)によって定義される面(E)の領域で前記補強リブを前記シリンダヘッドボトム(7)の上側面(11)まで貫いていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項9】
前記補強リブ(12)はシリンダ軸(4’)によって定義される面(E)の領域において二重リブ(12’)として形成されていることを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項10】
前記伸縮構造部(8,8a)は前記シリンダヘッド(1)内のウオータジャケット(13)と前記シリンダブロック(9)内のウオータジャケット(14)との間を連通することを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項11】
前記伸縮構造部(8,8a)は好ましくは円弧状のフライス加工によって形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項12】
マニュアル変速機構(112)と、入力側スプリット変速機構(114)と、出力側レンジ変速機構(116)とを有するトランスミッション(110)を備える自動車用変速装置であって、
前進10段の10段変速として形成されて、ダブルHシフトパターンを有し、前進8変速段(1,2,3,4;6,7,8,9)と後進変速段(R,R1,R2)とは前記マニュアル変速機構(112)と前記レンジ変速機構(116)を経てシフト可能であり、第4変速段(4)と第5変速段(5)間ないし第9変速段(9)と第10変速段(10)間のみと、好ましくは2後進変速段(R1,R2)間もスプリット変速機構(114)によって変速シフトされることができることを特徴とする変速装置。
【請求項13】
前記第6、第7、第8、第9および第10変速段(6,7,8,9,10)は低ギヤ比から高ギヤ比(L,H)への前記レンジ変速機構(116)のシフトによって作り出されることを特徴とする請求項12に記載の変速装置。
【請求項14】
前記第4変速段(4)は直結伝動として作り出されることを特徴とする請求項12または13に記載の変速装置。
【請求項15】
前記第5変速段(5)は直結伝動として作り出されることを特徴とする請求項12または13に記載の変速装置。
【請求項16】
前記トランスミッション(110)は重要な機械要素の配置の点で前進16段式のトランスミッションと構造的に同一に形成されていることを特徴とする請求項12から15のいずれか一項に記載の変速装置。
【請求項17】
前記スプリット変速機構(114)または前記レンジ変速機構(116)あるいはその両方の変速機構は空気圧式変速操作が可能であることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の変速装置。
【請求項18】
第4/5および第9/10前進変速段(4,5;9,10)ならびに好ましくは2つの後進変速段(R1,R2)以外の変速段が前記スプリット変速機構(114)によってシフトされることを防止するための安全手段が設けられていることを特徴とする請求項12から17のいずれか一項に記載の変速装置。
【請求項19】
前記安全手段は変速電子制御によって構成されていることを特徴とする請求項8に記載の変速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−513879(P2009−513879A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538224(P2008−538224)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000447
【国際公開番号】WO2007/051217
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(597083976)アー・ファウ・エル・リスト・ゲー・エム・ベー・ハー (26)
【氏名又は名称原語表記】AVL LIST GMBH
【住所又は居所原語表記】HANS−LIST−PLATZ 1,A−8020 GRAZ,AUSTRIA
【Fターム(参考)】