再スパッタされる銅シード層
【課題】段差被覆性に優れた銅シード層の製造方法を提供する。
【解決手段】同じスパッタチャンバ内で実行される堆積された銅のスパッタエッチング162が、銅のスパッタ堆積160の後に続いて実行される。これにより、特に銅の電気めっきの前に、狭いビア内に銅シード層を形成するのに有用な銅堆積プロセスとなる。該堆積は、高い銅イオン化割合及び銅イオンを該ビア内に引き付ける強力なウェーハバイアスを促進する条件下で実行される。該エッチングは、好ましくは、該チャンバの周りのRFコイルによって誘導励起されたアルゴンイオンによって、又は、高いターゲット電力及び極めて強いマグネトロンで形成することができる銅イオンによって、あるいは、RFコイルの使用によって行うことができる。堆積/エッチングの2つ以上のサイクルを実行することができる。最後の瞬時堆積168は、高い銅イオン化及び低いウェーハバイアスで実行することができる。
【解決手段】同じスパッタチャンバ内で実行される堆積された銅のスパッタエッチング162が、銅のスパッタ堆積160の後に続いて実行される。これにより、特に銅の電気めっきの前に、狭いビア内に銅シード層を形成するのに有用な銅堆積プロセスとなる。該堆積は、高い銅イオン化割合及び銅イオンを該ビア内に引き付ける強力なウェーハバイアスを促進する条件下で実行される。該エッチングは、好ましくは、該チャンバの周りのRFコイルによって誘導励起されたアルゴンイオンによって、又は、高いターゲット電力及び極めて強いマグネトロンで形成することができる銅イオンによって、あるいは、RFコイルの使用によって行うことができる。堆積/エッチングの2つ以上のサイクルを実行することができる。最後の瞬時堆積168は、高い銅イオン化及び低いウェーハバイアスで実行することができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体集積回路におけるスパッタ堆積に関する。具体的には、本発明は、線形層を形成する際のスパッタ堆積とスパッタエッチングの組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンスパッタリングは、アルミニウム及び銅等のメタライゼーションからなる水平方向に拡がる層の堆積に用いられている。最近になって、マグネトロンスパッタリングは、ビアとも呼ばれる層間コンタクト等の高アスペクト比ホール内に線形層を堆積するというより挑戦的なタスクに適応してきている。図1の断面図に図示されている銅メタライゼーションのためのビア10は、下部誘電体層14の表面の導電性部材12の上に形成される。上部誘電体層16は、下部誘電体層14及びその導電性部材12の上に堆積され、ビアホール18が上部誘電体層18を貫通して導電性部材12までエッチングされている。進化した集積回路の連続的創出に伴って、ビアホール18の幅は65nmまで縮小し、一方、誘電体層14、16の厚さは、約500〜1000nmで実質的に一定に保たれている。その結果として、ビアホール18のアスペクト比は、かなり増加してきている。メタライゼーション、特に線形層をこの高アスペクト比のホール内に充填することは、大きな課題を呈している。
【0003】
両誘電体層14、16のための従来の誘電体は、二酸化シリコン(シリカ)であったが、最近では、低誘電率(low−k)誘電体が開発されており、そのうちのいくつかは、かなりの水素含有量を有するシリコンオキシカーバイドからなる。さらに、該誘電体は、非常に低い値の誘電率を得るために多孔質に作ることができる。銅が誘電体中に移動するのを防ぐために、薄いバリア層20がビア側壁22上に、及び通常、上部誘電体層16の上面のフィールド領域24にも堆積される。バリア層20は、好ましくは、下にある導電性部材12に対する接触抵抗を低下させるために、ビア底部26には形成されない。従来の銅メタライゼーションのためのバリア材料はタンタル、すなわち、単一のTa層又はTa/TaNバリア層のいずれかである。ルテニウム及びタングステンは、バリアに用いられる他の高融点金属である。ルテニウム及びタンタルの合金は、バリア材料としてかなり有望である。タンタル、ルテニウム又はルテニウムタンタルターゲットのマグネトロンスパッタリングによって、バリア層20を狭いビアホール18内に選択的に被覆する技術が開発されている。窒化物層が反応性スパッタリングによって同様に堆積され、この場合、スパッタチャンバには窒素が追加的に入れられる。
【0004】
典型的には、ビアホール18を銅で充填するのに電解めっき(electrochemical plating;ECP)が用いられるが、無電解めっきも可能である。銅をECPすることは、通常、めっき電極として作用し、及び該ECP銅の核となり、かつ該ECP銅をウェッティングする銅シード層を必要とする。そのため、銅シード層30が、ビア側壁22、フィールド領域24及びビア底部26上にいくらかの絶縁保護層内に堆積される。ここでもまた、銅を堆積するためにマグネトロンスパッタリング技術が開発されており、これらの厳しい要求に応えている。これらの技術は、銅イオンをビアホール18内の深部に引き付けて、実質的な底部分32及び容認できる厚さの側壁部34を堆積するための、スパッタされる銅原子の高い比率のイオン化と、ウェーハの電気的バイアスとに依存する。該側壁のカバレッジは、該ウェーハによって加速されるエネルギ銅イオンにより、及び底部分32からの銅を側壁部34へ再スパッタ、すなわち、スパッタエッチングすることによってある程度成し遂げられる。この銅スパッタリングは、フィールド領域24の上面に比較的厚いフィールド部36を作り出すこともできる。かなりのオーバハング38が、ビアホール18の上部におけるフィールド部36の角部で成長し、狭いスロート40を作り出す。本発明者等は、オーバハング38は大部分が、フィールド領域20内のバリア層20の上に成長することに注目した。すなわち、スロート40の最も狭い部分は、銅フィールド部36の底部の上にある。
【0005】
メタライゼーションを完了するために、例えば、電気めっきにより銅がビアホール18内にめっきされる。該ECP銅は、ビアホール18を過剰に充填し、フィールド領域24の上に堆積する。ビアホール18の外部のバリア層20を覆う銅を除去するために、化学的機械的研磨(CMP)が用いられ、それによってビアホール18内にのみ銅を残す。
【0006】
メタライゼーション構造は、多くの場合、図1のビア構造よりも複雑である。ビアは典型的には、可能性がある最も狭い幅を備えた概して正方形又は円形を有するように形成される。一方、トレンチを横切る比較的狭い寸法及び該トレンチに沿ったかなり長い寸法を有する深いトレンチを形成することができる。図2の断面図に図示されているようなデュアルダマシン配線構造というさらに複雑な構造は、誘電体層16の下方部のビア42と、ビア42を接続し、かつより上のメタライゼーション層に対する接触を与える上方部における幅広で水平方向に拡がるトレンチ44とを含む。該バリア及びシードの堆積と、該ECP埋込みは、ビア42及びトレンチ44の両方に対する単一のシーケンスで実行される。図1における導電性部材12は、下部誘電体層14におけるデュアルダマシンメタライゼーションのトレンチとすることができる。しかし、このデュアルダマシン構造内にスパッタ堆積された銅シード層46は、トレンチ44及びビア42の床部の角部にかなりのオーバハング48を形成する。オーバハング48は、該オーバハングがビアホール42の上部に作る狭窄スロートのため、該オーバハングがその上を覆って突出するビア側壁を被覆する際に困難を引き起こす。
【0007】
図1のより単純なビア構造に戻ると、デュアルダマシン構造とほぼ同じ解説が当てはまるが、オーバハング38は、銅シードを堆積するスパッタプロセスのパフォーマンスを制限する傾向がある。銅シード層30が比較的厚い場合、オーバハング38は成長し、かつスロート40は縮まり、それによってビアホール18内へスパッタリングするための有効なアスペクト比を増加させ、その結果、十分なビア側壁カバレッジを実現するのが難しくなる。また、狭いスロート40は、めっきプロセスにおける電解液のフローを妨げる。銅シード層30の厚さが低減されている場合には、該オーバハングの問題は低減される。しかし、側壁部34の最も狭い部分の厚さが不十分になる可能性があり、側壁部34が、不連続になり、ギャップを形成して下にあるバリア材料を露出させる可能性があり、このことは、不完全にECP銅の核となる。このような銅シード層30におけるギャップは、ビア側壁22に隣接する電気めっきされた銅内にボイドを引き起こす可能性がある。
【0008】
銅のイオン化割合及びウェーハのバイアスを共に増加させると、銅イオンが成長中のオーバハングを伸ばすと考えられている。しかし、本発明者等は、エネルギ銅イオンが該オーバハングの成長を制限すると考える。その代わり、該エネルギ銅イオンは、該銅イオンを該オーバハングから、該オーバハングの下にある側壁の部分へ再スパッタする傾向がある。その結果として、有効な再スパッタリングが該オーバハングを該ビアホール内へ押し下げる。該オーバハングの程度は多少低減することができるが、該オーバハングがフィールドバリアのレベル以下に押し込まれた場合には、オーバハングエッチングは、該ビアホールの角部における該バリア面を露出させて、該バリア面を貫通してエッチングし、それによって該バリアを局所的に破壊する可能性がある。
【0009】
該オーバハングのサイズを低減し、かつ高アスペクト比のビアを充填する能力を改善する別の解決法が必要である。
【0010】
誘電体材料が、カリフォルニア州、サンタ・クララのApplied Materials,Inc.から入手可能なBlack Diamond II等の水素及び炭素含有低誘電率材料である場合には、別の関連問題が発生する。このような材料は、シリカに利用できる高異方性エッチングを利用可能にしない。この問題は、該誘電体材料が、誘電定数をさらに下げる多孔質に形成されている場合に悪化する。図3の断面図における誇張によって図示されているように、エッチングマスクを介した、多孔質炭素含有低誘電率材料からなる誘電体層50内へのパターン化エッチングは、完全な異方性ではない代わりに、若干等方性である傾向があり、エッチングマスクのエッジの下にある尖った角部56がある明確な凹状側壁54を有するビアホール52を作り出す。銅シード層を凹状側壁54にスパッタコーティングすることは、オーバハングの場合と同様の困難に悩まされる。その結果として、凹状側壁54の保護される部分のほとんどが、従来のスパッタ堆積によって堆積される銅シード層で完全に被覆されない可能性がある。
【0011】
さらに、誘電体エッチングプロセス中にエッチングされる垂直方向構造が、これまで図示ものよりも複雑になる可能性がある。図4の断面図に示すように、多くの場合、例えば、窒化チタン(TiN)からなるハードマスク層60が、パターニングされていない上部誘電体層16を覆って堆積される。該ハードマスク層は、上を覆っているフォトレジストマスクによるパターンにエッチングされた後、ビアホール18を形成するために、上部誘電体層16のより広範囲に及ぶエッチングのためのハードマスクとして用いられる。また、多くの場合、例えば、窒化シリコン(SiN)層からなるエッチストップ層62が、下部誘電体層14及びその導電性部材12を覆って堆積される。その組成は、導電性部材12の金属が、誘電体エッチングのエネルギイオンによってエッチングされないように、及びミスアラインメントされたマスクが下部誘電体層14を著しくエッチングしないように、誘電体層16をオーバーエッチングできるように該誘電体エッチングによって容易にエッチングされないように選定される。しかし、他の方法による異方性誘電体エッチングは、ハードマスク層60に隣接して該誘電体材料中に凹部64を、及びエッチストップ層62との境界に別の凹部66を形成する可能性がある。従来の銅シードスパッタ堆積は、これらの凹んだ凹部64、66の内部まで及ぶことは難しい。
【0012】
銅シード層のスパッタ堆積は、凹状側壁54又は凹部64、64の側面を完全に被覆することができない可能性があり、先にオーバハングに対して論じたのと同じ問題を生じる。
【発明の概要】
【0013】
銅シード層は、マルチステッププロセスによって、半導体集積回路内のビアホール又は他のホール内に形成される。まず、プラズマスパッタリングプロセスにおいて、高い割合の銅イオンを生成する条件下で銅が堆積され、ウェーハが、該銅イオンを加速させて、該イオンの一部を該ホール内の深部に引き込むようにバイアスがかけられる。該銅は、少なくとも該ホールの底部に、及びフィールド領域内に堆積し、また、オーバハングが、該ホール上に形成される。次に、アルゴン又は銅プラズマが形成され、該ウェーハは、該アルゴン又は銅イオンを加速して、少なくとも該イオンの一部を該ホールの深部に引き込むようにバイアスがかけられる。該エネルギアルゴンイオンは、該ビアの底部における銅をビア側壁へ再スパッタし、また、該フィールド領域をスパッタエッチングして、該オーバハングのサイズを低減する。該オーバハングは、該ホールの上部の下でエッチングすべきではない。
【0014】
最終的な銅スパッタ堆積は、銅を該ホールの残りの部分内に電気めっきする前に実行することができる。
【0015】
該スパッタ堆積及びエッチングプロセスは、銅の電気めっきの前に、より多くのホールを充填するために繰り返すことができる。該スパッタプロセス及びエッチングプロセスが十分に繰り返される場合、該ホールは、該ホールを充填するために、最後の堆積ステップによって銅で充填することができ、その結果、該スパッタ堆積に続いて、化学的機械的研磨をすぐに行える。
【0016】
該スパッタ堆積プロセス及びエッチングプロセスは、単一のプラズマスパッタチャンバ内で実行することができる。例えば、該チャンバは、アルゴンプラズマを励起し、スパッタされる銅原子のイオン化割合を増加させるRFコイルを備えることができる。スパッタ堆積は、低圧アルゴン、高出力ターゲット及び低出力コイルにおいて有利である。スパッタエッチングは、高圧アルゴン、低出力ターゲット及び高出力コイルにおいて有利である。基板は、少なくとも最初の銅堆積ステップ及びアルゴンスパッタエッチングステップの場合に強くバイアスをかけるべきである。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0017】
ビア及びデュアルダマシン配線等の高アスペクト比ホール内に銅を充填することは、好ましくは、単一の銅スパッタチャンバ内で実行される銅スパッタ堆積と、アルゴン又は銅スパッタエッチングの組合せによって容易になる。エネルギスパッタエッチングは、オーバハングのサイズを低減し、また、再スパッタリングとも呼ばれるプロセスにおいて、側壁の凹状部分に銅を再分配する傾向がある。
【0018】
本発明のいくつかの態様は、そのように限定されてはいないが、スパッタ堆積及びスパッタエッチングは好ましくは、エッチング段階の銅ターゲットの何らかのスパッタリングが制限された状態で、アルゴンスパッタエッチングのためにアルゴンプラズマを励起することができるRFコイルによってチャンバ内で実行される。Dingらは、現在、米国特許出願公開第2006/0030151号として公開されている、2004年8月9日にファイルされた米国特許出願第10/915,139号明細書において、誘導結合スパッタチャンバ内でのタンタルバリアのスパッタ堆積/エッチングシーケンスについて記述している。同様のスパッタチャンバ70が、図5の断面図に図示されている。真空チャンバ72は、中心軸74の周りに概して対称的に形成されている。該チャンバは、全て接地されており、かつ互いに真空シールされているメインチャンバ76と、下部アダプタ78と、上部アダプタ80とを含む。ウェーハ移送用の複雑なポート、真空ポンピング及びガス供給のほとんどはメインチャンバ76内に組み込まれており、一方、よりシンプルなアダプタ78、80は、用途、及びターゲットとウェーハの所望の間隔により、選定された高さ及びシールド支持体によって、より容易に設計及び製造することができる。ボウル状下部シールド90及び中間シールド92は、それぞれ下部アダプタ78及び上部アダプタ80上に支持されており、かつそれらに電気的に接地されている。上部シールド94は、アイソレータ96上に支持されており、電気的にフローティングされている。シールド90、92、94は、チャンバ72の壁部を堆積から保護する。2つの接地された下部シールド90、92は、スパッタリング用の陽極として機能し、接地されていない上部シールド94は、電荷を蓄積し、電子をプラズマ中へはじく。RFコイル100は、ターゲットとペデスタルとの間の空間の下半分又は3分の1の箇所で、ウェーハの周囲のすぐ外側に配置されている。下部シールド90内に保持された多数の絶縁支持体102は、RFコイル100を支持し、高周波電力を供給し、該RFコイルに対して接地されている。コイル100は好ましくは、銅から成り、かつ電力及び接地のための、接近して離間された電気リードの間に小さなギャップを有する単巻きで、ほぼ管状のコイルである。
【0019】
銅ターゲット106は、電気的にバイアスがかけられたターゲット106と、接地された真空チャンバ及び接地されたシールド90、92とを電気的に絶縁するアイソレータ108を介して上部アダプタ80上に支持されている。ターゲット106の少なくとも表面は、少なくとも90原子パーセントの銅と、可能性のある意図的な合金及び10原子パーセント未満の意図的でない不純物とからなる。ペデスタル110は、スパッタ処理されるウェーハ112を、ターゲット106の反対側に支持する。ペデスタル110は、ウェーハ112の近くにプラズマを生成するために、ターゲット106とペデスタル110との間のチャンバの下半分又はちょうど3分の1の箇所に設置されている。カップ状の下部シールド90の上昇する縁とかみ合うシャドーリング114は、ウェーハ112及びペデスタル110の周囲をスパッタ処理から保護するために、該周囲に覆いかぶさっている。側壁磁石システム116は、プラズマのチャンバ壁部への拡散に対する磁気バリアを作るために、RFコイル100と同じ高さで部分的に低い位置において、下部アダプタ78の外側に設置されている。磁石システム116は、垂直方向に偏極した磁石又は中心軸の周りに配列されたDCコイルからなる環状アレイとすることができる。
【0020】
上記チャンバの機能的断面図が図6に図示されている。アルゴンガスソース120は、アルゴンをマスフローコントローラ122を介してチャンバ70内へスパッタ作用ガス又はスパッタリングエッチングガスとして供給する。DC電源124は、アルゴンをプラズマ中で励起させるために、負の電圧をターゲット106に印加する。正のアルゴンイオンは、負にバイアスされたターゲット106に引き付けられて、該ターゲットから銅をスパッタする。しかし、銅の自立スパッタリングにおいては、一旦、プラズマが点火されると、アルゴンの供給が遮断される可能性があり、該ターゲットのスパッタリングは、より多くの銅をスパッタするために、スパッタされた銅イオンがターゲット106へ引き戻される状態で継続する。
【0021】
ターゲット106の裏に位置決めされたマグネトロン126は、他方の極性からなる内側極130を包囲する一方の垂直方向磁極からなる外側極128を含む。マグネトロン126は、好ましくは、外側極128の総磁気強度が、該外側極が包囲する内側極130の磁気強度よりもかなり大きいという意味で、強力で小さく、かつ不平衡である。該マグネトロンは、ターゲット106の前方に磁界を突出させて電子を捕捉し、それによって、プラズマの密度ならびにスパッタリング速度を増加させる。銅ターゲットは、自立スパッタリングが可能であり、その結果、高密度プラズマが、スパッタされた銅原子をイオン化し、該銅イオンが一部、ターゲット106へ引き戻されて、該ターゲットから銅イオンをさらにスパッタするため、一旦、プラズマが励起されると、アルゴンの圧力を実質的にゼロまで低下させることができる。均一なターゲットスパッタリングを作り出すために、中心軸74から離れて配設されたマグネトロン126は、ターゲット106をより均一にスパッタするように、中心軸74に沿って伸びる回転軸134を回転させるモータ132によって回転される。回転軸134に固定されたアーム136は、マグネトロン126を、その回転運動の際に支持する。
【0022】
コイルRF電源136は、アルゴンプラズマを生成するために、又は、ターゲット106から外れた領域における、スパッタされた銅のイオン化割合を増加させるために、高周波電力をRFコイル100へ供給する。一般的に、ターゲット106には、スパッタ堆積のためのDC電力が供給され、RFコイル100には、ウェーハ112のスパッタエッチングのための高周波電力が供給される。銅イオンエッチングの場合、銅原子を作り出すために、ある程度のDC電力がターゲット106に印加されることが必要である。しかし、RF電源がターゲットスパッタリングに電力を供給してもよい。
【0023】
バイアスRF電源138は、容量結合回路140を介してペデスタル110に電気的バイアスをかける。プラズマがある場合、容量結合性RFバイアスは、ペデスタル110に、負のDC自己バイアスを作成させて、プラズマからのイオンを加速させてウェーハ112に引き付ける。このように引き付けられるイオンは、ターゲット106からスパッタされたイオン化銅原子又はRFコイル100によって主に生成されたアルゴンイオンとすることができる。
【0024】
このようなスパッタチャンバは銅スパッタ堆積及びスパッタエッチングステップのシーケンスに用いることができる。
【0025】
高いバイアスをかけた銅イオンのビアホール18内へのスパッタ堆積は、図7の断面図に概略的に図示されているように、ビアホール18の上部角部における多少のオーバハング142と、ビア側壁22上では非常に薄い堆積である、ビア18の底部上の銅からなる若干の薄い銅の底部分144とを伴う、上部誘電体層14の上部に、銅からなる厚い銅フィールド部140を作り出す。一方、高いバイアスをかけた図7の構造のアルゴンスパッタエッチングは、図8の断面図に概略的に図示されているように、フィールド部140の厚さを実質的に低減し、また、オーバハング142を単にビアホール18内に押し込むことなく、該オーバハングの程度を低減する。また、アルゴンスパッタエッチングは、エネルギアルゴンイオンが、銅底部分144から銅をスパッタし、該スパッタエッチングされた銅を、ビア側壁22上の側壁部146へ有効に移動させるため、銅の底部分144の厚さを多少低減する。図7のスパッタ堆積中、上記RFコイルは、電力を供給しないままとすることができ、一方、上記ターゲットには、高割合の銅イオンを作り出すために、電力が供給される。図8のアルゴンスパッタエッチング中には、該ターゲットは、電力を供給しないままとすることができ、一方、該RFコイルには、アルゴンイオンを作り出すために、電力が供給される。どちらの場合においても、銅イオン又はアルゴンを高エネルギに加速して、ビアホール18を深く貫通する異方性磁束に引き付けるために、ウェーハにバイアスをかけるべきである。
【0026】
堆積及びエッチングからなる2ステッププロセスを実験的に確認するために、走査電子顕微鏡写真(SEM)をとった。図9の断面図に図示されているように、38kWのターゲット電力及び1000Wのウェーハバイアスで銅を65nmのトレンチ150内へスパッタして、トレンチ150をほぼ閉じるオーバハング154を有する銅膜152を作り出した。次いで、バイアスがかけられたウェーハのアルゴンスパッタエッチング用に構成されたプリクリーンチャンバへ該ウェーハを移送した。スパッタエッチングの後、図10の断面図に図示されているように、銅膜152のフィールド部は、オーバハング154が上からエッチングされて、その結果、有効に後退する程度の厚さに実質的に低減された。底部分は、厚さが若干低減され、一方、側壁部は成長した。
【0027】
また、実験のより系統的なセットでSEMSをとった。銅膜156を形成するための、狭いトレンチ内への100nm又は140nmの銅のスパッタ堆積は、図11の断面図に図示されているように、激しいオーバハング158を作り出した。オーバハング158は、下にある層、例えば、バリア層の位置によって決まる角部材の真上に位置している。上記フィールド領域内で測定した25nm、50nm及び70nmの深さまでの後のアルゴンスパッタエッチングは、図12、図13及び図14の断面図にそれぞれ図示されている構造を作り出す。他の実施形態においては、これらのエッチング深さは、30%、60%及び80%のエッチバック比に相当する。アルゴンエッチングの程度の増加は、該フィールド銅の厚さを低減し、オーバハング158の突出を減少させ、オーバハング158を概して少なくする。本発明者等は、一旦、上記スロートの最も狭い部分が、下にある部材と同じ高さになると、さらなるアルゴンエッチングはオーバハング158を改善しないことを観察した。
【0028】
スパッタエッチングステップは、ウェーハに向かって加速され、該ウェーハからのスパッタリング材料であるアルゴン等のエネルギ重イオンに依存する。単独で荷電されたイオンのエネルギEIONは、
EION=eVFLOAT+eVPLASMA
に従ってバイアスされるウェーハによるウェーハフローティング電圧VFLOATING及びプラズマ電位VPLASMAの両方に依存する。フローティング電圧VFLOATは、典型的には20ボルト未満であるため、プラズマ電位VPLASMAは、ペデスタル電極に印加される高周波電力を増加させることによって、より大きなエネルギEIONを得るために、増加される必要がある。該イオンエネルギは、例えば、容量結合プラズマにおけるプラズマ電位を増加させることにより、有効に増加させることができる。上記ターゲットからスパッタされたプラズマアルゴンイオン及び銅イオンは共に堆積された銅を有効にスパッタし、また、これらのイオンは、それぞれの利点を有する。より高いイオン化密度は、典型的にはアルゴンプラズマで利用できるが、アルゴンイオンは、上記ビアの底部において、材料物質を除去し、アルゴンイオンエッチングは、ギャップ充填を悪化させるように思われる。一方、エネルギ銅イオンは、該ギャップの上部において、銅オーバハングを同時に伸ばし、該ギャップの底部に銅を再分配することができる。RFコイル100は、銅イオンエネルギを銅イオン束から分離できるようにする。また、RFコイル100は、0.4ミリトール未満のアルゴンによる、非常に低圧の銅スパッタエッチングを可能にする。
【0029】
イオンを作り出すスパッタエッチングのエネルギは、ギャップ充填のパフォーマンスに影響を及ぼす。より高いエネルギのイオンは、該オーバハングをより有効に排除し、該スロートを開いて、該ビアの内部に良好なシード層を作り出し、及びECP埋込みを容易にし、ギャップ充填を促進する。70%のエッチバックにおける320eVのイオンエネルギは、70eVのイオンエネルギよりも著しく良好なギャップ充填を作り出す。
【0030】
また、恐らく、高温における銅のリフローのため、エッチング中の上記ペデスタルならびにウェーハの温度が、該オーバハングを低減する際に重要な役割を果たすことが分かっている。1kWのRFコイル電力及び1kWのウェーハバイアス電力で、28℃から150℃までウェーハ温度を増加させると、該オーバハングは著しく低減される。しかし、250℃までさらに温度を増加させると、著しい銅オーバハング及び著しい底部カバレッジを作り出す。一般論として、50℃又は70℃以上の堆積温度は、該オーバハングのサイズを低減して、上記ビアホール内へのスパッタリングを促進する。さらに高い150℃以上の堆積温度は、既に堆積された銅の該ビアホール内への及び該ビアホール内でのリフローを促進し、側壁カバレッジを改善する。しかし、250℃以上の堆積温度は、銅からなる薄層を局所的なアイランド内へ凝集させるため、いくつかの用途においては、連続的な薄いシード層を確保するために避けるべきである。
【0031】
スパッタ堆積及びスパッタエッチングの両方に対して同じチャンバを使用する能力は、様々な銅ギャップ充填プロセスを可能にする。図15のフロー図に図示されているように、堆積ステップ160及びエッチングステップ162の単一又は繰り返しシーケンスは、該ビアホールを広げ、ECPステップ164において、銅が該ビアホール内に電気めっきされて該ビアホールを充填し、CMPステップ166において、該ビアホールの外側の余分な銅が化学的機械的研磨によって除去される。堆積ステップ160は、図16に示すように、厚いフィールド部及び薄い側壁部を有する銅膜170を作り出す。銅を300mmウェーハ160上に堆積するレシピの実施例は、20〜56kWのDC電力を、300mmウェーハのためのターゲットに印加し、150〜1000Wの高周波電力を、点火後に低チャンバ圧力で上記ペデスタルに印加することを含む。
【0032】
図17に示すように、エッチングステップ162は、フィールド厚さを低減し、特に、底部において、底部分の一部をビア側壁へスパッタする。エッチングステップ162を実現するいくつかの関連方法は、13.56MHz又は他の周波数におけるウェーハの有効なバイアスを伴うマグネトロンスパッタリングを必要とする。しかし、様々なエッチング方法は、重要な詳細が異なり、厳しい要件においては若干異なる結果を作り出す。
【0033】
一つの方法においては、比較的低いレベルのDC電力がターゲットに印加され、該RFコイルには強力な電力が供給され、その結果、ウェーハエッチングの大部分がアルゴンイオンによって実施される。アルゴンスパッタリングは、銅の底部分32を除去するのに効果的であるが、該ホールの銅充填において困難を作り出すと思われる。
【0034】
第2の方法においては、高割合の銅イオン化が実現され、高バイアス電力が、少量のアルゴンと共に該ウェーハに印加される。その結果として、ウェーハエッチングは、銅イオンによって実施される。自立スパッタリングを可能にする銅のスパッタリングの場合、アルゴン圧力は低減することができ、又は、主チャンバへのアルゴン圧力の直接供給は、停止することができる。銅スパッタエッチングは、底部付近での再スパッタリングから恩恵を受け、銅ホール充填を促進する。
【0035】
銅イオンエッチングは、高い銅イオン化割合をもたらすマグネトロンを要し、一般的に、良好なエッチング均一性を実現するための追加の測定を必要とする。このような測定は、該ウェーハに隣接する側壁磁石又は電磁石を含む。銅イオンスパッタリングは、2つの異なる種類のチャンバ内で遂行することができる。十分なプラズマ密度の容量結合プラズマは、多くの銅イオンを作り出すRFコイルを使用することなく、該ターゲットに印加される高いDC電力によって作り出すことができる。スパッタリングプロセス条件は、少なくとも、自己スパッタリングに必要な条件に近くすることができる。しかし、容量結合スパッタエッチングには、該RFコイルによって生じる追加的なプロセス制御が欠けている。一方、誘導結合プラズマは、該ウェーハ近くでプラズマを支持して、銅のイオン化を増加させるRF誘導コイルに依存する。プラズマの誘導結合生成は、高ターゲット電力及び強力なマグネトロンという要件を軽減するため、エッチング均一性を改善する補助手段は、あまり重要ではない。
【0036】
特に、アルゴンイオンエッチングの場合の高プラズマ密度の生成は、RF誘導コイルによるウェーハのデュアル周波数(HF/VHF)バイアス、例えば、13.56MHz及び60MHzによって、該ターゲット及びペデスタルに介在するRF誘導コイルによって、又は、該ターゲットの追加的なVHFバイアス、例えば、該ペデスタル近くの補助電極を用いた60MHzによって促進される。
【0037】
誘導結合アルゴンエッチングの実施例は、0〜1KWのDC電力を該ターゲットに印加することと、2MHzにおいて、450W〜3kWの高周波電力を該誘導コイルに印加することと、13.56MHzにおいて、400〜1250Wの高周波電力を該ペデスタルに印加することとを含む。該マグネトロンは、アルゴンエッチングにおいては、比較的重要ではない。アルゴンチャンバ圧力は、0.4〜5ミリトールに維持され、−17A〜17Aの逆回転DC電流が、本願明細書に援用する米国特許出願公開第2005/0263390号明細書において、Gung等により記載されている四重電磁石の底部内側及び外側の電磁石に印加される。
【0038】
容量結合アルゴンイオンエッチングのためのレシピの実施例は、1〜10kWのDC電力を、強力なマグネトロンによってスキャンされるターゲットに印加することと、13.56MHzにおいて、800〜1250WのRFバイアス電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を0.4〜1.5ミリトールに維持することとを含む。
【0039】
容量結合銅イオンエッチングのためのレシピの実施例は、15〜30kWのDC電力を、強力なマグネトロンによってスキャンされるターゲットに印加することと、13.56MHzにおいて、1.5〜2.5kWのRFバイアス電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を0.4〜1.5ミリトールに維持することとを含む。高バイアス電力は、最終的なエッチング速度を作り出す。
【0040】
デュアル周波数ペデスタルのためのレシピの実施例は、60MHzにおいて、500〜200WのVHF電力を、及び13.56MHzにおいて、400〜1200WのHF電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を2〜30ミリトールに維持することを含む。
【0041】
該チャンバの下方部に配設された補助環状電極のためのレシピの実施例は、0.5〜4ミリトールのアルゴン圧力で、60MHzにおいて、1kWのVHF電力を該補助電極に、及び13.56MHzにおいて、1kWのHF電力を該ペデスタルに印加することを含む。
【0042】
スパッタエッチングチャンバのためのレシピの実施例は、ペデスタル電極への1〜2kWのVHF電力と、60MHzにおける、該ターゲットへの1〜2kWのVHF電力と、1〜4ミリトールの放出圧力での、13.56MHzにおける、ウェーハペデスタルへの0〜1.2kWのHFとを含む。
【0043】
図17の構造は、ECP充填に対して十分である可能性がある。しかし、図15の任意の一瞬の銅堆積ステップ168は、銅の連続性を確保するために、フィールド領域内のいくらかの銅ボイド内に、特に、ビアホールの上部における面に、銅からなる薄層を被覆するために、ECP銅充填ステップ164の前に実行することができる。一瞬の堆積ステップ168は、再スパッタリングが最小限になるように、最小限のバイアスで、又はバイアスなしで、同じスパッタチャンバ内で実行することができる。一つのアプローチにおいては、15〜40kWのDC電力を該ターゲットに印加することにより、高イオン化割合及び低再スパッタリング比を作り出すことが好適である。低ウェーハバイアスは、より等方性の銅イオンスパッタ束を作り出し、再スパッタリングを低減する。
【0044】
上述したプロセスは、ビアが、5:1以上のアスペクト比を有する、35〜50nmのクリティカルディメンジョンを有する検査ウェーハにおける多数のビアを充填するのに用いた。ECP充填構造を区分化して、SEMを撮像した。比較実験において、50nmのシード層を堆積した後、中間エッチングを伴うことなく、ビアホールをECP銅で充填した。かなりの割合のビアが、ボイドが該ビアの底部の3分の1又は半分まで貫通して伸びた状態で形成された。銅シード層が、本発明のアルゴンスパッタエッチングで40%のエッチバックを受けた場合、隙のあるビアの数は低減されたが、なくなりはしない。エッチバックを70%及び80%まで拡張した場合には、実質的に全てのビアが完全に充填された。
【0045】
本発明のプロセスの別の実施形態においては、堆積ステップ160及びエッチングステップ162は、図18及び図19の断面図に図示されているそれぞれの構造を作り出すために、繰り返すことができる。その効果は、銅シード層の底部及び側壁部の厚さが増加すると共に、フィールド部の厚さ及びオーバハングの程度を維持することである。この時点で、ビアホール18は、ECP銅による充填の備えができている。堆積及びエッチングの2つ又は3つのシーケンスは、ECPギャップ充填を大幅に促進する。
【0046】
また別の実施形態においては、堆積ステップ160及びエッチングステップ162は、何度も、例えば、ビアホール18をほとんど充填するために、図20のフロー図に示すように、トータルで3又は4つのシーケンスで繰り返すことができる。この場合、最後の銅堆積ステップ174は、残りのビアホール18の底部が下にある層の部材の上に移動するまで、図21の断面図に図示されているように、ビアホール18を完全に充填する。その結果として、銅の電気めっきは必要なく、また、図21の構造を、すぐにCMP平坦化にさらすことができる。最後の銅堆積ステップは、銅中に残る狭いビアホールに影響しないため、強力なウェーハバイアスは必要なく、これは、最後の銅瞬時ステップに近づけることができる。
【0047】
本発明は、後のスパッタ堆積ステップ間のウェーハバイアスの量を低減するように適応させることが可能である。
【0048】
本発明は、別々のスパッタ堆積チャンバ及びスパッタエッチングチャンバ内で実施することが可能である。
【0049】
本発明は、後のスパッタ堆積ステップの間のウェーハバイアスの量を低減するように適応させることが可能である。
【0050】
本発明は、別々のスパッタ堆積チャンバ及びスパッタエッチングチャンバ内で実施することが可能である。
【0051】
本発明は、市販の機器上で用いることができる、銅シード層を、高いアスペクト比のビアホール内にスパッタリングするいくつかの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】銅シード層中に作られたかなりのオーバハングを有する従来のビアの断面図である。
【図2】銅シード層中にオーバハングを有する従来のデュアルダマシン配線構造の断面図である。
【図3】部分的な等方性誘電体エッチングによって作り出されたビアの断面図である。
【図4】ハードマスク及びエッチストップ層を含むビアの断面図である。
【図5】本発明の方法を実施するのに有用なスパッタチャンバの断面図である。
【図6】図5のスパッタチャンバの機能的及び概略的断面図である。
【図7】スパッタ堆積直後のビアの理想的な断面図である。
【図8】アルゴンスパッタエッチング後の図7のビアの理想的な断面図である。
【図9】図7に対応する検査構造の走査電子顕微鏡写真(SEM)の説明図である。
【図10】図8に対応する検査構造の走査電子顕微鏡写真(SEM)の説明図である。
【図11】スパッタ堆積後の検査構造におけるビアのSEMの説明図である。
【図12】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図13】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図14】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図15】電気めっきを含む、ビアホールを銅で充填する2つの実施形態のフロー図である。
【図16】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図17】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図18】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図19】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図20】電気めっきを含まずにビアホールを銅で充填するフロー図である。
【図21】銅の充填の完了後の図19のビアホールの概略断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10…ビア、12…導電性部材、14…下部誘電体層、16…上部誘電体層、18…ビアホール、20…バリア層、22…ビア側壁、24…フィールド領域、26…ビア底部、30…銅シード層、32…底部分、34…側壁部、36…フィールド部、38…オーバハング、40…スロート、42…ビア、44…トレンチ、46…銅シード層、48…オーバハング、50…誘電体層、52…ビアホール、54…凹状側壁、56…角部、60…ハードマスク層、62…エッチストップ層、64…凹部、66…凹部、70…スパッタチャンバ、72…真空チャンバ、74…中心軸、76…メインチャンバ、78…下部アダプタ、80…上部アダプタ、90…下部シールド、92…中間シールド、94…上部シールド、96…アイソレータ、100…RFコイル、102…支持体、106…ターゲット、108…アイソレータ、110…ペデスタル、112…ウェーハ、114…シャドーリング、116…側壁磁石システム、120…アルゴンガスソース、122…マスフローコントローラ、124…DC電源、126…マグネトロン、128…外側極、130…内側極、132…モータ、134…回転軸、136…アーム、137…コイルRF電源、138…バイアスRF電源、139…容量結合回路、140…フィールド部、142…オーバハング、144…底部分、146…側壁部、150…トレンチ、152…銅膜、154…オーバハング、156…銅膜、158…オーバハング、160…堆積ステップ、162…エッチングステップ、164…ECPステップ、166…CMPステップ、168…銅膜、170…瞬時堆積ステップ、174…最後の堆積ステップ。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体集積回路におけるスパッタ堆積に関する。具体的には、本発明は、線形層を形成する際のスパッタ堆積とスパッタエッチングの組合せに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンスパッタリングは、アルミニウム及び銅等のメタライゼーションからなる水平方向に拡がる層の堆積に用いられている。最近になって、マグネトロンスパッタリングは、ビアとも呼ばれる層間コンタクト等の高アスペクト比ホール内に線形層を堆積するというより挑戦的なタスクに適応してきている。図1の断面図に図示されている銅メタライゼーションのためのビア10は、下部誘電体層14の表面の導電性部材12の上に形成される。上部誘電体層16は、下部誘電体層14及びその導電性部材12の上に堆積され、ビアホール18が上部誘電体層18を貫通して導電性部材12までエッチングされている。進化した集積回路の連続的創出に伴って、ビアホール18の幅は65nmまで縮小し、一方、誘電体層14、16の厚さは、約500〜1000nmで実質的に一定に保たれている。その結果として、ビアホール18のアスペクト比は、かなり増加してきている。メタライゼーション、特に線形層をこの高アスペクト比のホール内に充填することは、大きな課題を呈している。
【0003】
両誘電体層14、16のための従来の誘電体は、二酸化シリコン(シリカ)であったが、最近では、低誘電率(low−k)誘電体が開発されており、そのうちのいくつかは、かなりの水素含有量を有するシリコンオキシカーバイドからなる。さらに、該誘電体は、非常に低い値の誘電率を得るために多孔質に作ることができる。銅が誘電体中に移動するのを防ぐために、薄いバリア層20がビア側壁22上に、及び通常、上部誘電体層16の上面のフィールド領域24にも堆積される。バリア層20は、好ましくは、下にある導電性部材12に対する接触抵抗を低下させるために、ビア底部26には形成されない。従来の銅メタライゼーションのためのバリア材料はタンタル、すなわち、単一のTa層又はTa/TaNバリア層のいずれかである。ルテニウム及びタングステンは、バリアに用いられる他の高融点金属である。ルテニウム及びタンタルの合金は、バリア材料としてかなり有望である。タンタル、ルテニウム又はルテニウムタンタルターゲットのマグネトロンスパッタリングによって、バリア層20を狭いビアホール18内に選択的に被覆する技術が開発されている。窒化物層が反応性スパッタリングによって同様に堆積され、この場合、スパッタチャンバには窒素が追加的に入れられる。
【0004】
典型的には、ビアホール18を銅で充填するのに電解めっき(electrochemical plating;ECP)が用いられるが、無電解めっきも可能である。銅をECPすることは、通常、めっき電極として作用し、及び該ECP銅の核となり、かつ該ECP銅をウェッティングする銅シード層を必要とする。そのため、銅シード層30が、ビア側壁22、フィールド領域24及びビア底部26上にいくらかの絶縁保護層内に堆積される。ここでもまた、銅を堆積するためにマグネトロンスパッタリング技術が開発されており、これらの厳しい要求に応えている。これらの技術は、銅イオンをビアホール18内の深部に引き付けて、実質的な底部分32及び容認できる厚さの側壁部34を堆積するための、スパッタされる銅原子の高い比率のイオン化と、ウェーハの電気的バイアスとに依存する。該側壁のカバレッジは、該ウェーハによって加速されるエネルギ銅イオンにより、及び底部分32からの銅を側壁部34へ再スパッタ、すなわち、スパッタエッチングすることによってある程度成し遂げられる。この銅スパッタリングは、フィールド領域24の上面に比較的厚いフィールド部36を作り出すこともできる。かなりのオーバハング38が、ビアホール18の上部におけるフィールド部36の角部で成長し、狭いスロート40を作り出す。本発明者等は、オーバハング38は大部分が、フィールド領域20内のバリア層20の上に成長することに注目した。すなわち、スロート40の最も狭い部分は、銅フィールド部36の底部の上にある。
【0005】
メタライゼーションを完了するために、例えば、電気めっきにより銅がビアホール18内にめっきされる。該ECP銅は、ビアホール18を過剰に充填し、フィールド領域24の上に堆積する。ビアホール18の外部のバリア層20を覆う銅を除去するために、化学的機械的研磨(CMP)が用いられ、それによってビアホール18内にのみ銅を残す。
【0006】
メタライゼーション構造は、多くの場合、図1のビア構造よりも複雑である。ビアは典型的には、可能性がある最も狭い幅を備えた概して正方形又は円形を有するように形成される。一方、トレンチを横切る比較的狭い寸法及び該トレンチに沿ったかなり長い寸法を有する深いトレンチを形成することができる。図2の断面図に図示されているようなデュアルダマシン配線構造というさらに複雑な構造は、誘電体層16の下方部のビア42と、ビア42を接続し、かつより上のメタライゼーション層に対する接触を与える上方部における幅広で水平方向に拡がるトレンチ44とを含む。該バリア及びシードの堆積と、該ECP埋込みは、ビア42及びトレンチ44の両方に対する単一のシーケンスで実行される。図1における導電性部材12は、下部誘電体層14におけるデュアルダマシンメタライゼーションのトレンチとすることができる。しかし、このデュアルダマシン構造内にスパッタ堆積された銅シード層46は、トレンチ44及びビア42の床部の角部にかなりのオーバハング48を形成する。オーバハング48は、該オーバハングがビアホール42の上部に作る狭窄スロートのため、該オーバハングがその上を覆って突出するビア側壁を被覆する際に困難を引き起こす。
【0007】
図1のより単純なビア構造に戻ると、デュアルダマシン構造とほぼ同じ解説が当てはまるが、オーバハング38は、銅シードを堆積するスパッタプロセスのパフォーマンスを制限する傾向がある。銅シード層30が比較的厚い場合、オーバハング38は成長し、かつスロート40は縮まり、それによってビアホール18内へスパッタリングするための有効なアスペクト比を増加させ、その結果、十分なビア側壁カバレッジを実現するのが難しくなる。また、狭いスロート40は、めっきプロセスにおける電解液のフローを妨げる。銅シード層30の厚さが低減されている場合には、該オーバハングの問題は低減される。しかし、側壁部34の最も狭い部分の厚さが不十分になる可能性があり、側壁部34が、不連続になり、ギャップを形成して下にあるバリア材料を露出させる可能性があり、このことは、不完全にECP銅の核となる。このような銅シード層30におけるギャップは、ビア側壁22に隣接する電気めっきされた銅内にボイドを引き起こす可能性がある。
【0008】
銅のイオン化割合及びウェーハのバイアスを共に増加させると、銅イオンが成長中のオーバハングを伸ばすと考えられている。しかし、本発明者等は、エネルギ銅イオンが該オーバハングの成長を制限すると考える。その代わり、該エネルギ銅イオンは、該銅イオンを該オーバハングから、該オーバハングの下にある側壁の部分へ再スパッタする傾向がある。その結果として、有効な再スパッタリングが該オーバハングを該ビアホール内へ押し下げる。該オーバハングの程度は多少低減することができるが、該オーバハングがフィールドバリアのレベル以下に押し込まれた場合には、オーバハングエッチングは、該ビアホールの角部における該バリア面を露出させて、該バリア面を貫通してエッチングし、それによって該バリアを局所的に破壊する可能性がある。
【0009】
該オーバハングのサイズを低減し、かつ高アスペクト比のビアを充填する能力を改善する別の解決法が必要である。
【0010】
誘電体材料が、カリフォルニア州、サンタ・クララのApplied Materials,Inc.から入手可能なBlack Diamond II等の水素及び炭素含有低誘電率材料である場合には、別の関連問題が発生する。このような材料は、シリカに利用できる高異方性エッチングを利用可能にしない。この問題は、該誘電体材料が、誘電定数をさらに下げる多孔質に形成されている場合に悪化する。図3の断面図における誇張によって図示されているように、エッチングマスクを介した、多孔質炭素含有低誘電率材料からなる誘電体層50内へのパターン化エッチングは、完全な異方性ではない代わりに、若干等方性である傾向があり、エッチングマスクのエッジの下にある尖った角部56がある明確な凹状側壁54を有するビアホール52を作り出す。銅シード層を凹状側壁54にスパッタコーティングすることは、オーバハングの場合と同様の困難に悩まされる。その結果として、凹状側壁54の保護される部分のほとんどが、従来のスパッタ堆積によって堆積される銅シード層で完全に被覆されない可能性がある。
【0011】
さらに、誘電体エッチングプロセス中にエッチングされる垂直方向構造が、これまで図示ものよりも複雑になる可能性がある。図4の断面図に示すように、多くの場合、例えば、窒化チタン(TiN)からなるハードマスク層60が、パターニングされていない上部誘電体層16を覆って堆積される。該ハードマスク層は、上を覆っているフォトレジストマスクによるパターンにエッチングされた後、ビアホール18を形成するために、上部誘電体層16のより広範囲に及ぶエッチングのためのハードマスクとして用いられる。また、多くの場合、例えば、窒化シリコン(SiN)層からなるエッチストップ層62が、下部誘電体層14及びその導電性部材12を覆って堆積される。その組成は、導電性部材12の金属が、誘電体エッチングのエネルギイオンによってエッチングされないように、及びミスアラインメントされたマスクが下部誘電体層14を著しくエッチングしないように、誘電体層16をオーバーエッチングできるように該誘電体エッチングによって容易にエッチングされないように選定される。しかし、他の方法による異方性誘電体エッチングは、ハードマスク層60に隣接して該誘電体材料中に凹部64を、及びエッチストップ層62との境界に別の凹部66を形成する可能性がある。従来の銅シードスパッタ堆積は、これらの凹んだ凹部64、66の内部まで及ぶことは難しい。
【0012】
銅シード層のスパッタ堆積は、凹状側壁54又は凹部64、64の側面を完全に被覆することができない可能性があり、先にオーバハングに対して論じたのと同じ問題を生じる。
【発明の概要】
【0013】
銅シード層は、マルチステッププロセスによって、半導体集積回路内のビアホール又は他のホール内に形成される。まず、プラズマスパッタリングプロセスにおいて、高い割合の銅イオンを生成する条件下で銅が堆積され、ウェーハが、該銅イオンを加速させて、該イオンの一部を該ホール内の深部に引き込むようにバイアスがかけられる。該銅は、少なくとも該ホールの底部に、及びフィールド領域内に堆積し、また、オーバハングが、該ホール上に形成される。次に、アルゴン又は銅プラズマが形成され、該ウェーハは、該アルゴン又は銅イオンを加速して、少なくとも該イオンの一部を該ホールの深部に引き込むようにバイアスがかけられる。該エネルギアルゴンイオンは、該ビアの底部における銅をビア側壁へ再スパッタし、また、該フィールド領域をスパッタエッチングして、該オーバハングのサイズを低減する。該オーバハングは、該ホールの上部の下でエッチングすべきではない。
【0014】
最終的な銅スパッタ堆積は、銅を該ホールの残りの部分内に電気めっきする前に実行することができる。
【0015】
該スパッタ堆積及びエッチングプロセスは、銅の電気めっきの前に、より多くのホールを充填するために繰り返すことができる。該スパッタプロセス及びエッチングプロセスが十分に繰り返される場合、該ホールは、該ホールを充填するために、最後の堆積ステップによって銅で充填することができ、その結果、該スパッタ堆積に続いて、化学的機械的研磨をすぐに行える。
【0016】
該スパッタ堆積プロセス及びエッチングプロセスは、単一のプラズマスパッタチャンバ内で実行することができる。例えば、該チャンバは、アルゴンプラズマを励起し、スパッタされる銅原子のイオン化割合を増加させるRFコイルを備えることができる。スパッタ堆積は、低圧アルゴン、高出力ターゲット及び低出力コイルにおいて有利である。スパッタエッチングは、高圧アルゴン、低出力ターゲット及び高出力コイルにおいて有利である。基板は、少なくとも最初の銅堆積ステップ及びアルゴンスパッタエッチングステップの場合に強くバイアスをかけるべきである。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0017】
ビア及びデュアルダマシン配線等の高アスペクト比ホール内に銅を充填することは、好ましくは、単一の銅スパッタチャンバ内で実行される銅スパッタ堆積と、アルゴン又は銅スパッタエッチングの組合せによって容易になる。エネルギスパッタエッチングは、オーバハングのサイズを低減し、また、再スパッタリングとも呼ばれるプロセスにおいて、側壁の凹状部分に銅を再分配する傾向がある。
【0018】
本発明のいくつかの態様は、そのように限定されてはいないが、スパッタ堆積及びスパッタエッチングは好ましくは、エッチング段階の銅ターゲットの何らかのスパッタリングが制限された状態で、アルゴンスパッタエッチングのためにアルゴンプラズマを励起することができるRFコイルによってチャンバ内で実行される。Dingらは、現在、米国特許出願公開第2006/0030151号として公開されている、2004年8月9日にファイルされた米国特許出願第10/915,139号明細書において、誘導結合スパッタチャンバ内でのタンタルバリアのスパッタ堆積/エッチングシーケンスについて記述している。同様のスパッタチャンバ70が、図5の断面図に図示されている。真空チャンバ72は、中心軸74の周りに概して対称的に形成されている。該チャンバは、全て接地されており、かつ互いに真空シールされているメインチャンバ76と、下部アダプタ78と、上部アダプタ80とを含む。ウェーハ移送用の複雑なポート、真空ポンピング及びガス供給のほとんどはメインチャンバ76内に組み込まれており、一方、よりシンプルなアダプタ78、80は、用途、及びターゲットとウェーハの所望の間隔により、選定された高さ及びシールド支持体によって、より容易に設計及び製造することができる。ボウル状下部シールド90及び中間シールド92は、それぞれ下部アダプタ78及び上部アダプタ80上に支持されており、かつそれらに電気的に接地されている。上部シールド94は、アイソレータ96上に支持されており、電気的にフローティングされている。シールド90、92、94は、チャンバ72の壁部を堆積から保護する。2つの接地された下部シールド90、92は、スパッタリング用の陽極として機能し、接地されていない上部シールド94は、電荷を蓄積し、電子をプラズマ中へはじく。RFコイル100は、ターゲットとペデスタルとの間の空間の下半分又は3分の1の箇所で、ウェーハの周囲のすぐ外側に配置されている。下部シールド90内に保持された多数の絶縁支持体102は、RFコイル100を支持し、高周波電力を供給し、該RFコイルに対して接地されている。コイル100は好ましくは、銅から成り、かつ電力及び接地のための、接近して離間された電気リードの間に小さなギャップを有する単巻きで、ほぼ管状のコイルである。
【0019】
銅ターゲット106は、電気的にバイアスがかけられたターゲット106と、接地された真空チャンバ及び接地されたシールド90、92とを電気的に絶縁するアイソレータ108を介して上部アダプタ80上に支持されている。ターゲット106の少なくとも表面は、少なくとも90原子パーセントの銅と、可能性のある意図的な合金及び10原子パーセント未満の意図的でない不純物とからなる。ペデスタル110は、スパッタ処理されるウェーハ112を、ターゲット106の反対側に支持する。ペデスタル110は、ウェーハ112の近くにプラズマを生成するために、ターゲット106とペデスタル110との間のチャンバの下半分又はちょうど3分の1の箇所に設置されている。カップ状の下部シールド90の上昇する縁とかみ合うシャドーリング114は、ウェーハ112及びペデスタル110の周囲をスパッタ処理から保護するために、該周囲に覆いかぶさっている。側壁磁石システム116は、プラズマのチャンバ壁部への拡散に対する磁気バリアを作るために、RFコイル100と同じ高さで部分的に低い位置において、下部アダプタ78の外側に設置されている。磁石システム116は、垂直方向に偏極した磁石又は中心軸の周りに配列されたDCコイルからなる環状アレイとすることができる。
【0020】
上記チャンバの機能的断面図が図6に図示されている。アルゴンガスソース120は、アルゴンをマスフローコントローラ122を介してチャンバ70内へスパッタ作用ガス又はスパッタリングエッチングガスとして供給する。DC電源124は、アルゴンをプラズマ中で励起させるために、負の電圧をターゲット106に印加する。正のアルゴンイオンは、負にバイアスされたターゲット106に引き付けられて、該ターゲットから銅をスパッタする。しかし、銅の自立スパッタリングにおいては、一旦、プラズマが点火されると、アルゴンの供給が遮断される可能性があり、該ターゲットのスパッタリングは、より多くの銅をスパッタするために、スパッタされた銅イオンがターゲット106へ引き戻される状態で継続する。
【0021】
ターゲット106の裏に位置決めされたマグネトロン126は、他方の極性からなる内側極130を包囲する一方の垂直方向磁極からなる外側極128を含む。マグネトロン126は、好ましくは、外側極128の総磁気強度が、該外側極が包囲する内側極130の磁気強度よりもかなり大きいという意味で、強力で小さく、かつ不平衡である。該マグネトロンは、ターゲット106の前方に磁界を突出させて電子を捕捉し、それによって、プラズマの密度ならびにスパッタリング速度を増加させる。銅ターゲットは、自立スパッタリングが可能であり、その結果、高密度プラズマが、スパッタされた銅原子をイオン化し、該銅イオンが一部、ターゲット106へ引き戻されて、該ターゲットから銅イオンをさらにスパッタするため、一旦、プラズマが励起されると、アルゴンの圧力を実質的にゼロまで低下させることができる。均一なターゲットスパッタリングを作り出すために、中心軸74から離れて配設されたマグネトロン126は、ターゲット106をより均一にスパッタするように、中心軸74に沿って伸びる回転軸134を回転させるモータ132によって回転される。回転軸134に固定されたアーム136は、マグネトロン126を、その回転運動の際に支持する。
【0022】
コイルRF電源136は、アルゴンプラズマを生成するために、又は、ターゲット106から外れた領域における、スパッタされた銅のイオン化割合を増加させるために、高周波電力をRFコイル100へ供給する。一般的に、ターゲット106には、スパッタ堆積のためのDC電力が供給され、RFコイル100には、ウェーハ112のスパッタエッチングのための高周波電力が供給される。銅イオンエッチングの場合、銅原子を作り出すために、ある程度のDC電力がターゲット106に印加されることが必要である。しかし、RF電源がターゲットスパッタリングに電力を供給してもよい。
【0023】
バイアスRF電源138は、容量結合回路140を介してペデスタル110に電気的バイアスをかける。プラズマがある場合、容量結合性RFバイアスは、ペデスタル110に、負のDC自己バイアスを作成させて、プラズマからのイオンを加速させてウェーハ112に引き付ける。このように引き付けられるイオンは、ターゲット106からスパッタされたイオン化銅原子又はRFコイル100によって主に生成されたアルゴンイオンとすることができる。
【0024】
このようなスパッタチャンバは銅スパッタ堆積及びスパッタエッチングステップのシーケンスに用いることができる。
【0025】
高いバイアスをかけた銅イオンのビアホール18内へのスパッタ堆積は、図7の断面図に概略的に図示されているように、ビアホール18の上部角部における多少のオーバハング142と、ビア側壁22上では非常に薄い堆積である、ビア18の底部上の銅からなる若干の薄い銅の底部分144とを伴う、上部誘電体層14の上部に、銅からなる厚い銅フィールド部140を作り出す。一方、高いバイアスをかけた図7の構造のアルゴンスパッタエッチングは、図8の断面図に概略的に図示されているように、フィールド部140の厚さを実質的に低減し、また、オーバハング142を単にビアホール18内に押し込むことなく、該オーバハングの程度を低減する。また、アルゴンスパッタエッチングは、エネルギアルゴンイオンが、銅底部分144から銅をスパッタし、該スパッタエッチングされた銅を、ビア側壁22上の側壁部146へ有効に移動させるため、銅の底部分144の厚さを多少低減する。図7のスパッタ堆積中、上記RFコイルは、電力を供給しないままとすることができ、一方、上記ターゲットには、高割合の銅イオンを作り出すために、電力が供給される。図8のアルゴンスパッタエッチング中には、該ターゲットは、電力を供給しないままとすることができ、一方、該RFコイルには、アルゴンイオンを作り出すために、電力が供給される。どちらの場合においても、銅イオン又はアルゴンを高エネルギに加速して、ビアホール18を深く貫通する異方性磁束に引き付けるために、ウェーハにバイアスをかけるべきである。
【0026】
堆積及びエッチングからなる2ステッププロセスを実験的に確認するために、走査電子顕微鏡写真(SEM)をとった。図9の断面図に図示されているように、38kWのターゲット電力及び1000Wのウェーハバイアスで銅を65nmのトレンチ150内へスパッタして、トレンチ150をほぼ閉じるオーバハング154を有する銅膜152を作り出した。次いで、バイアスがかけられたウェーハのアルゴンスパッタエッチング用に構成されたプリクリーンチャンバへ該ウェーハを移送した。スパッタエッチングの後、図10の断面図に図示されているように、銅膜152のフィールド部は、オーバハング154が上からエッチングされて、その結果、有効に後退する程度の厚さに実質的に低減された。底部分は、厚さが若干低減され、一方、側壁部は成長した。
【0027】
また、実験のより系統的なセットでSEMSをとった。銅膜156を形成するための、狭いトレンチ内への100nm又は140nmの銅のスパッタ堆積は、図11の断面図に図示されているように、激しいオーバハング158を作り出した。オーバハング158は、下にある層、例えば、バリア層の位置によって決まる角部材の真上に位置している。上記フィールド領域内で測定した25nm、50nm及び70nmの深さまでの後のアルゴンスパッタエッチングは、図12、図13及び図14の断面図にそれぞれ図示されている構造を作り出す。他の実施形態においては、これらのエッチング深さは、30%、60%及び80%のエッチバック比に相当する。アルゴンエッチングの程度の増加は、該フィールド銅の厚さを低減し、オーバハング158の突出を減少させ、オーバハング158を概して少なくする。本発明者等は、一旦、上記スロートの最も狭い部分が、下にある部材と同じ高さになると、さらなるアルゴンエッチングはオーバハング158を改善しないことを観察した。
【0028】
スパッタエッチングステップは、ウェーハに向かって加速され、該ウェーハからのスパッタリング材料であるアルゴン等のエネルギ重イオンに依存する。単独で荷電されたイオンのエネルギEIONは、
EION=eVFLOAT+eVPLASMA
に従ってバイアスされるウェーハによるウェーハフローティング電圧VFLOATING及びプラズマ電位VPLASMAの両方に依存する。フローティング電圧VFLOATは、典型的には20ボルト未満であるため、プラズマ電位VPLASMAは、ペデスタル電極に印加される高周波電力を増加させることによって、より大きなエネルギEIONを得るために、増加される必要がある。該イオンエネルギは、例えば、容量結合プラズマにおけるプラズマ電位を増加させることにより、有効に増加させることができる。上記ターゲットからスパッタされたプラズマアルゴンイオン及び銅イオンは共に堆積された銅を有効にスパッタし、また、これらのイオンは、それぞれの利点を有する。より高いイオン化密度は、典型的にはアルゴンプラズマで利用できるが、アルゴンイオンは、上記ビアの底部において、材料物質を除去し、アルゴンイオンエッチングは、ギャップ充填を悪化させるように思われる。一方、エネルギ銅イオンは、該ギャップの上部において、銅オーバハングを同時に伸ばし、該ギャップの底部に銅を再分配することができる。RFコイル100は、銅イオンエネルギを銅イオン束から分離できるようにする。また、RFコイル100は、0.4ミリトール未満のアルゴンによる、非常に低圧の銅スパッタエッチングを可能にする。
【0029】
イオンを作り出すスパッタエッチングのエネルギは、ギャップ充填のパフォーマンスに影響を及ぼす。より高いエネルギのイオンは、該オーバハングをより有効に排除し、該スロートを開いて、該ビアの内部に良好なシード層を作り出し、及びECP埋込みを容易にし、ギャップ充填を促進する。70%のエッチバックにおける320eVのイオンエネルギは、70eVのイオンエネルギよりも著しく良好なギャップ充填を作り出す。
【0030】
また、恐らく、高温における銅のリフローのため、エッチング中の上記ペデスタルならびにウェーハの温度が、該オーバハングを低減する際に重要な役割を果たすことが分かっている。1kWのRFコイル電力及び1kWのウェーハバイアス電力で、28℃から150℃までウェーハ温度を増加させると、該オーバハングは著しく低減される。しかし、250℃までさらに温度を増加させると、著しい銅オーバハング及び著しい底部カバレッジを作り出す。一般論として、50℃又は70℃以上の堆積温度は、該オーバハングのサイズを低減して、上記ビアホール内へのスパッタリングを促進する。さらに高い150℃以上の堆積温度は、既に堆積された銅の該ビアホール内への及び該ビアホール内でのリフローを促進し、側壁カバレッジを改善する。しかし、250℃以上の堆積温度は、銅からなる薄層を局所的なアイランド内へ凝集させるため、いくつかの用途においては、連続的な薄いシード層を確保するために避けるべきである。
【0031】
スパッタ堆積及びスパッタエッチングの両方に対して同じチャンバを使用する能力は、様々な銅ギャップ充填プロセスを可能にする。図15のフロー図に図示されているように、堆積ステップ160及びエッチングステップ162の単一又は繰り返しシーケンスは、該ビアホールを広げ、ECPステップ164において、銅が該ビアホール内に電気めっきされて該ビアホールを充填し、CMPステップ166において、該ビアホールの外側の余分な銅が化学的機械的研磨によって除去される。堆積ステップ160は、図16に示すように、厚いフィールド部及び薄い側壁部を有する銅膜170を作り出す。銅を300mmウェーハ160上に堆積するレシピの実施例は、20〜56kWのDC電力を、300mmウェーハのためのターゲットに印加し、150〜1000Wの高周波電力を、点火後に低チャンバ圧力で上記ペデスタルに印加することを含む。
【0032】
図17に示すように、エッチングステップ162は、フィールド厚さを低減し、特に、底部において、底部分の一部をビア側壁へスパッタする。エッチングステップ162を実現するいくつかの関連方法は、13.56MHz又は他の周波数におけるウェーハの有効なバイアスを伴うマグネトロンスパッタリングを必要とする。しかし、様々なエッチング方法は、重要な詳細が異なり、厳しい要件においては若干異なる結果を作り出す。
【0033】
一つの方法においては、比較的低いレベルのDC電力がターゲットに印加され、該RFコイルには強力な電力が供給され、その結果、ウェーハエッチングの大部分がアルゴンイオンによって実施される。アルゴンスパッタリングは、銅の底部分32を除去するのに効果的であるが、該ホールの銅充填において困難を作り出すと思われる。
【0034】
第2の方法においては、高割合の銅イオン化が実現され、高バイアス電力が、少量のアルゴンと共に該ウェーハに印加される。その結果として、ウェーハエッチングは、銅イオンによって実施される。自立スパッタリングを可能にする銅のスパッタリングの場合、アルゴン圧力は低減することができ、又は、主チャンバへのアルゴン圧力の直接供給は、停止することができる。銅スパッタエッチングは、底部付近での再スパッタリングから恩恵を受け、銅ホール充填を促進する。
【0035】
銅イオンエッチングは、高い銅イオン化割合をもたらすマグネトロンを要し、一般的に、良好なエッチング均一性を実現するための追加の測定を必要とする。このような測定は、該ウェーハに隣接する側壁磁石又は電磁石を含む。銅イオンスパッタリングは、2つの異なる種類のチャンバ内で遂行することができる。十分なプラズマ密度の容量結合プラズマは、多くの銅イオンを作り出すRFコイルを使用することなく、該ターゲットに印加される高いDC電力によって作り出すことができる。スパッタリングプロセス条件は、少なくとも、自己スパッタリングに必要な条件に近くすることができる。しかし、容量結合スパッタエッチングには、該RFコイルによって生じる追加的なプロセス制御が欠けている。一方、誘導結合プラズマは、該ウェーハ近くでプラズマを支持して、銅のイオン化を増加させるRF誘導コイルに依存する。プラズマの誘導結合生成は、高ターゲット電力及び強力なマグネトロンという要件を軽減するため、エッチング均一性を改善する補助手段は、あまり重要ではない。
【0036】
特に、アルゴンイオンエッチングの場合の高プラズマ密度の生成は、RF誘導コイルによるウェーハのデュアル周波数(HF/VHF)バイアス、例えば、13.56MHz及び60MHzによって、該ターゲット及びペデスタルに介在するRF誘導コイルによって、又は、該ターゲットの追加的なVHFバイアス、例えば、該ペデスタル近くの補助電極を用いた60MHzによって促進される。
【0037】
誘導結合アルゴンエッチングの実施例は、0〜1KWのDC電力を該ターゲットに印加することと、2MHzにおいて、450W〜3kWの高周波電力を該誘導コイルに印加することと、13.56MHzにおいて、400〜1250Wの高周波電力を該ペデスタルに印加することとを含む。該マグネトロンは、アルゴンエッチングにおいては、比較的重要ではない。アルゴンチャンバ圧力は、0.4〜5ミリトールに維持され、−17A〜17Aの逆回転DC電流が、本願明細書に援用する米国特許出願公開第2005/0263390号明細書において、Gung等により記載されている四重電磁石の底部内側及び外側の電磁石に印加される。
【0038】
容量結合アルゴンイオンエッチングのためのレシピの実施例は、1〜10kWのDC電力を、強力なマグネトロンによってスキャンされるターゲットに印加することと、13.56MHzにおいて、800〜1250WのRFバイアス電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を0.4〜1.5ミリトールに維持することとを含む。
【0039】
容量結合銅イオンエッチングのためのレシピの実施例は、15〜30kWのDC電力を、強力なマグネトロンによってスキャンされるターゲットに印加することと、13.56MHzにおいて、1.5〜2.5kWのRFバイアス電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を0.4〜1.5ミリトールに維持することとを含む。高バイアス電力は、最終的なエッチング速度を作り出す。
【0040】
デュアル周波数ペデスタルのためのレシピの実施例は、60MHzにおいて、500〜200WのVHF電力を、及び13.56MHzにおいて、400〜1200WのHF電力を該ペデスタルに印加すると共に、アルゴンチャンバ圧力を2〜30ミリトールに維持することを含む。
【0041】
該チャンバの下方部に配設された補助環状電極のためのレシピの実施例は、0.5〜4ミリトールのアルゴン圧力で、60MHzにおいて、1kWのVHF電力を該補助電極に、及び13.56MHzにおいて、1kWのHF電力を該ペデスタルに印加することを含む。
【0042】
スパッタエッチングチャンバのためのレシピの実施例は、ペデスタル電極への1〜2kWのVHF電力と、60MHzにおける、該ターゲットへの1〜2kWのVHF電力と、1〜4ミリトールの放出圧力での、13.56MHzにおける、ウェーハペデスタルへの0〜1.2kWのHFとを含む。
【0043】
図17の構造は、ECP充填に対して十分である可能性がある。しかし、図15の任意の一瞬の銅堆積ステップ168は、銅の連続性を確保するために、フィールド領域内のいくらかの銅ボイド内に、特に、ビアホールの上部における面に、銅からなる薄層を被覆するために、ECP銅充填ステップ164の前に実行することができる。一瞬の堆積ステップ168は、再スパッタリングが最小限になるように、最小限のバイアスで、又はバイアスなしで、同じスパッタチャンバ内で実行することができる。一つのアプローチにおいては、15〜40kWのDC電力を該ターゲットに印加することにより、高イオン化割合及び低再スパッタリング比を作り出すことが好適である。低ウェーハバイアスは、より等方性の銅イオンスパッタ束を作り出し、再スパッタリングを低減する。
【0044】
上述したプロセスは、ビアが、5:1以上のアスペクト比を有する、35〜50nmのクリティカルディメンジョンを有する検査ウェーハにおける多数のビアを充填するのに用いた。ECP充填構造を区分化して、SEMを撮像した。比較実験において、50nmのシード層を堆積した後、中間エッチングを伴うことなく、ビアホールをECP銅で充填した。かなりの割合のビアが、ボイドが該ビアの底部の3分の1又は半分まで貫通して伸びた状態で形成された。銅シード層が、本発明のアルゴンスパッタエッチングで40%のエッチバックを受けた場合、隙のあるビアの数は低減されたが、なくなりはしない。エッチバックを70%及び80%まで拡張した場合には、実質的に全てのビアが完全に充填された。
【0045】
本発明のプロセスの別の実施形態においては、堆積ステップ160及びエッチングステップ162は、図18及び図19の断面図に図示されているそれぞれの構造を作り出すために、繰り返すことができる。その効果は、銅シード層の底部及び側壁部の厚さが増加すると共に、フィールド部の厚さ及びオーバハングの程度を維持することである。この時点で、ビアホール18は、ECP銅による充填の備えができている。堆積及びエッチングの2つ又は3つのシーケンスは、ECPギャップ充填を大幅に促進する。
【0046】
また別の実施形態においては、堆積ステップ160及びエッチングステップ162は、何度も、例えば、ビアホール18をほとんど充填するために、図20のフロー図に示すように、トータルで3又は4つのシーケンスで繰り返すことができる。この場合、最後の銅堆積ステップ174は、残りのビアホール18の底部が下にある層の部材の上に移動するまで、図21の断面図に図示されているように、ビアホール18を完全に充填する。その結果として、銅の電気めっきは必要なく、また、図21の構造を、すぐにCMP平坦化にさらすことができる。最後の銅堆積ステップは、銅中に残る狭いビアホールに影響しないため、強力なウェーハバイアスは必要なく、これは、最後の銅瞬時ステップに近づけることができる。
【0047】
本発明は、後のスパッタ堆積ステップ間のウェーハバイアスの量を低減するように適応させることが可能である。
【0048】
本発明は、別々のスパッタ堆積チャンバ及びスパッタエッチングチャンバ内で実施することが可能である。
【0049】
本発明は、後のスパッタ堆積ステップの間のウェーハバイアスの量を低減するように適応させることが可能である。
【0050】
本発明は、別々のスパッタ堆積チャンバ及びスパッタエッチングチャンバ内で実施することが可能である。
【0051】
本発明は、市販の機器上で用いることができる、銅シード層を、高いアスペクト比のビアホール内にスパッタリングするいくつかの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】銅シード層中に作られたかなりのオーバハングを有する従来のビアの断面図である。
【図2】銅シード層中にオーバハングを有する従来のデュアルダマシン配線構造の断面図である。
【図3】部分的な等方性誘電体エッチングによって作り出されたビアの断面図である。
【図4】ハードマスク及びエッチストップ層を含むビアの断面図である。
【図5】本発明の方法を実施するのに有用なスパッタチャンバの断面図である。
【図6】図5のスパッタチャンバの機能的及び概略的断面図である。
【図7】スパッタ堆積直後のビアの理想的な断面図である。
【図8】アルゴンスパッタエッチング後の図7のビアの理想的な断面図である。
【図9】図7に対応する検査構造の走査電子顕微鏡写真(SEM)の説明図である。
【図10】図8に対応する検査構造の走査電子顕微鏡写真(SEM)の説明図である。
【図11】スパッタ堆積後の検査構造におけるビアのSEMの説明図である。
【図12】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図13】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図14】図11のビアのSEMSの徐々に進むアルゴンスパッタエッチングの説明図である。
【図15】電気めっきを含む、ビアホールを銅で充填する2つの実施形態のフロー図である。
【図16】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図17】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図18】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図19】図15の方法の間に進展するビアホールの概略断面図である。
【図20】電気めっきを含まずにビアホールを銅で充填するフロー図である。
【図21】銅の充填の完了後の図19のビアホールの概略断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10…ビア、12…導電性部材、14…下部誘電体層、16…上部誘電体層、18…ビアホール、20…バリア層、22…ビア側壁、24…フィールド領域、26…ビア底部、30…銅シード層、32…底部分、34…側壁部、36…フィールド部、38…オーバハング、40…スロート、42…ビア、44…トレンチ、46…銅シード層、48…オーバハング、50…誘電体層、52…ビアホール、54…凹状側壁、56…角部、60…ハードマスク層、62…エッチストップ層、64…凹部、66…凹部、70…スパッタチャンバ、72…真空チャンバ、74…中心軸、76…メインチャンバ、78…下部アダプタ、80…上部アダプタ、90…下部シールド、92…中間シールド、94…上部シールド、96…アイソレータ、100…RFコイル、102…支持体、106…ターゲット、108…アイソレータ、110…ペデスタル、112…ウェーハ、114…シャドーリング、116…側壁磁石システム、120…アルゴンガスソース、122…マスフローコントローラ、124…DC電源、126…マグネトロン、128…外側極、130…内側極、132…モータ、134…回転軸、136…アーム、137…コイルRF電源、138…バイアスRF電源、139…容量結合回路、140…フィールド部、142…オーバハング、144…底部分、146…側壁部、150…トレンチ、152…銅膜、154…オーバハング、156…銅膜、158…オーバハング、160…堆積ステップ、162…エッチングステップ、164…ECPステップ、166…CMPステップ、168…銅膜、170…瞬時堆積ステップ、174…最後の堆積ステップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅ターゲットと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有するマグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、更に、第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
前記チャンバ内の第2のプラズマを励起し、及び第2のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅をイオンでスパッタエッチングするために、異なるプロセス条件下で実行される、後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項2】
前記チャンバが、前記チャンバの周りに巻かれたRFコイルを含み、前記エッチングステップが、前記第1のターゲットレベルよりも小さいDC電力を前記銅ターゲットに印加することと、前記チャンバ内にアルゴンを入れることと、前記基板を、前記第2のプラズマ中のアルゴンイオンでスパッタエッチングすることとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記1.5ミリトール未満のアルゴンが、前記エッチングステップ中に前記チャンバ内に入れられ、前記エッチングステップが、第2のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加することと、前記基板を前記第2のプラズマ中の銅イオンでスパッタエッチングすることとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記チャンバが、前記チャンバの周りで巻かれたRFコイルを含み、前記エッチングステップが、高周波電力を前記コイルに印加することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ホールの残りの部分を、めっきプロセスにおいて、銅で充填する後のステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ターゲットからの銅を前記基板上にスパッタする後の第2の堆積ステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記後の第2の堆積ステップが、前記第1のバイアスレベルよりも小さい第3のバイアスレベルの高周波電力を前記ペデスタル電極に印加することを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第2の堆積ステップが、前記ペデスタル電極を電気的にフローティングさせること、又は、前記ペデスタル電極を、前記第1のバイアスレベルよりも小さい第1のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスすることを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の堆積ステップ及びエッチングステップが、前記第2の堆積ステップの前に、複数回繰り返される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
中間銅電気めっきプロセスを伴うことなく、前記基板を後に化学的機械的研磨するステップをさらに備える、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の堆積ステップ、第2の堆積ステップ及び前記エッチングステップが、前記ホールを銅で充填する、請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
前記堆積ステップ中の前記ペデスタルの温度を、50〜250℃の範囲に維持するステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記範囲が150〜250℃である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
銅ターゲットと、マグネトロンスパッタチャンバを包囲するRFコイルと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有する前記マグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加し、かつ第1のコイルレベル未満の高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、及び第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
第2のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加し、前記第1のコイルレベルよりも大きい第2のコイルレベルの高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内の第2のプラズマを励起することと、前記ペデスタルを第2のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅を銅イオンでスパッタエッチングすることとを含む後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項15】
前記エッチングステップが、1.5ミリトール未満の前記チャンバ内のアルゴン圧力で実行される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ペデスタルが、前記堆積ステップ中に、50〜250℃の範囲の温度に維持される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
銅ターゲットと、マグネトロンスパッタチャンバを包囲するRFコイルと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有する前記マグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、及び第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
アルゴンを前記スパッタチャンバ内に入れることと、高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内のアルゴンプラズマを励起することと、前記ペデスタルを第2のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅をアルゴンイオンでスパッタエッチングすることとを含む後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項18】
前記ペデスタルが、前記堆積ステップ中に、50〜250℃の範囲の温度に維持される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項1】
銅ターゲットと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有するマグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、更に、第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
前記チャンバ内の第2のプラズマを励起し、及び第2のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅をイオンでスパッタエッチングするために、異なるプロセス条件下で実行される、後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項2】
前記チャンバが、前記チャンバの周りに巻かれたRFコイルを含み、前記エッチングステップが、前記第1のターゲットレベルよりも小さいDC電力を前記銅ターゲットに印加することと、前記チャンバ内にアルゴンを入れることと、前記基板を、前記第2のプラズマ中のアルゴンイオンでスパッタエッチングすることとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記1.5ミリトール未満のアルゴンが、前記エッチングステップ中に前記チャンバ内に入れられ、前記エッチングステップが、第2のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加することと、前記基板を前記第2のプラズマ中の銅イオンでスパッタエッチングすることとを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記チャンバが、前記チャンバの周りで巻かれたRFコイルを含み、前記エッチングステップが、高周波電力を前記コイルに印加することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ホールの残りの部分を、めっきプロセスにおいて、銅で充填する後のステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ターゲットからの銅を前記基板上にスパッタする後の第2の堆積ステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記後の第2の堆積ステップが、前記第1のバイアスレベルよりも小さい第3のバイアスレベルの高周波電力を前記ペデスタル電極に印加することを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第2の堆積ステップが、前記ペデスタル電極を電気的にフローティングさせること、又は、前記ペデスタル電極を、前記第1のバイアスレベルよりも小さい第1のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスすることを含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の堆積ステップ及びエッチングステップが、前記第2の堆積ステップの前に、複数回繰り返される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
中間銅電気めっきプロセスを伴うことなく、前記基板を後に化学的機械的研磨するステップをさらに備える、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の堆積ステップ、第2の堆積ステップ及び前記エッチングステップが、前記ホールを銅で充填する、請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
前記堆積ステップ中の前記ペデスタルの温度を、50〜250℃の範囲に維持するステップをさらに備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記範囲が150〜250℃である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
銅ターゲットと、マグネトロンスパッタチャンバを包囲するRFコイルと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有する前記マグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加し、かつ第1のコイルレベル未満の高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、及び第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
第2のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加し、前記第1のコイルレベルよりも大きい第2のコイルレベルの高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内の第2のプラズマを励起することと、前記ペデスタルを第2のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅を銅イオンでスパッタエッチングすることとを含む後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項15】
前記エッチングステップが、1.5ミリトール未満の前記チャンバ内のアルゴン圧力で実行される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ペデスタルが、前記堆積ステップ中に、50〜250℃の範囲の温度に維持される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
銅ターゲットと、マグネトロンスパッタチャンバを包囲するRFコイルと、スパッタ処理される基板を支持するペデスタル電極とを有する前記マグネトロンスパッタチャンバ内で実行される、誘電体層内のホール内に形成される銅メタライゼーションのための銅堆積プロセスであって、
第1のターゲットレベルのDC電力を前記銅ターゲットに印加して、前記チャンバ内の第1のプラズマを励起し、前記ターゲットからの銅をスパッタし、及び第1のバイアスレベルの高周波電力で前記ペデスタル電極を電気的にバイアスし、銅を前記基板上に堆積することを含む第1の堆積ステップと、
アルゴンを前記スパッタチャンバ内に入れることと、高周波電力を前記RFコイルに印加して、前記チャンバ内のアルゴンプラズマを励起することと、前記ペデスタルを第2のバイアスレベルの高周波電力で電気的にバイアスして、前記基板上に堆積された銅をアルゴンイオンでスパッタエッチングすることとを含む後のエッチングステップと、
を備えるプロセス。
【請求項18】
前記ペデスタルが、前記堆積ステップ中に、50〜250℃の範囲の温度に維持される、請求項17に記載のプロセス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−205459(P2008−205459A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−29329(P2008−29329)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29329(P2008−29329)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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