説明

冷却システム、および電子機器

【課題】小型化および軽量化を図れかつ、簡素な構造で信頼性の向上を図れる冷却システム、および電子機器を提供する。
【解決手段】冷却システム4は、熱伝導性を有し伸縮可能に構成され内部に冷却流体を流通可能とする各ベローズ4111,4112と、冷却流体を内部に流通可能とし、各ベローズ4111,4112間を連通する流体流通部材44と、各ベローズ4111,4112に接続して各ベローズ4111,4112を伸縮可能とし、各ベローズ4111,4112を伸縮させることで各ベローズ4111,4112および流体流通部材44で形成される冷却流体の流路内で冷却流体を往復させるベローズ駆動装置412と、前記流路中に設けられ、LEDモジュール31Rおよび前記流路を流通する冷却流体を熱伝達可能に接続する受熱部材42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システム、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の電子機器において、CPU(Central Processing Unit)等の半導体素子を循環する液体で冷却する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電子機器は、半導体素子を冷却する冷却システムとして、液体を循環させるポンプと、半導体素子に接続し該半導体素子の熱を内部を流通する液体に伝達させる水冷ジャケットと、金属放熱板に接続し内部を流通する液体の熱を金属放熱板に放熱する放熱パイプと、液体の貯水用のリザーバタンクと、ポンプ、水冷ジャケット、放熱パイプ、およびリザーバタンクを接続するフレキシブルチューブとを備えている。
このような冷却システムの構成では、部品点数が多くなり、小型化および軽量化を図れない、という問題がある。
【0003】
また、以下に示す熱交換器兼用ポンプ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の熱交換器兼用ポンプ装置は、伸長することで内部へ液体を導入し収縮することで内部から液体を吐出するベローズ部と、ベローズ部を伸縮させる往復駆動装置と、ベローズ部が収納されベローズ部が冷却液中に浸漬されるようにその冷却液を貯留する液体貯留槽とを備えている。このような構成により、熱交換器兼用ポンプ装置は、ベローズ部を伸縮させることで液体を圧送するポンプとしての機能と、ベローズを介して該ベローズ内部の液体の熱を冷却液に伝達させる放熱部材としての機能とを有する。そして、この熱交換器兼用ポンプ装置を特許文献1に記載の電子機器に搭載すれば、冷却システムの部品点数を低減させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−78271号公報
【特許文献2】特開平10−306779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の熱交換器兼用ポンプ装置では、冷却液を所定方向に循環させるために、冷却液が流通する流路中に逆止弁を設けている。このような逆止弁等の弁機構を採用した場合には、冷却液の流通による変形量が大きく耐久性を良好にすることが難しい。また、冷却液内にゴミ等の異物が混入し、弁機構に異物が挟まれた場合には、弁機構の性能が低下してしまう。
したがって、弁機構を採用した場合には、構造が複雑化するとともに装置の信頼性が低下してしまう。
【0006】
本発明の目的は、小型化および軽量化を図れかつ、簡素な構造で信頼性の向上を図れる冷却システム、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の冷却システムは、発熱体を冷却する冷却システムであって、熱伝導性を有し伸縮可能に構成され内部に冷却流体を流通可能とする複数のベローズと、冷却流体を内部に流通可能とし、前記複数のベローズ間を連通する流体流通部材と、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに接続して前記ベローズを伸縮可能とし、前記ベローズを伸縮させることで前記複数のベローズおよび前記流体流通部材で形成される冷却流体の流路内で冷却流体を往復させるベローズ駆動装置と、前記流路中に設けられ、前記発熱体および前記流路を流通する冷却流体を熱伝達可能に接続する接続部材とを備えていることを特徴とする。
本発明では、ベローズ駆動装置が複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズを伸縮させることで、複数のベローズおよび流体流通部材で形成される流路内で冷却流体を往復させる。そして、接続部材により発熱体の熱を、前記流路内を往復する冷却流体に放熱し、発熱体を冷却する。このことにより、前記流路内で冷却流体を往復させる構成であるので、前記流路内に耐久性や異物の挟み込み等が問題となる逆止弁等の弁機構を不要とする。このため、冷却システムの構造の簡素化を図れるとともに信頼性を向上できる。
また、複数のベローズが熱伝導性を有する部材で構成されているので、複数のベローズ内部を流通する冷却流体の熱を、ベローズを介して外部に放熱できる。このため、複数のベローズに冷却流体を圧送するポンプとしての機能の他、放熱部材としての機能を持たせることができる。したがって、冷却システムの部品点数を低減し、冷却システムの小型化および軽量化を図れる。
【0008】
本発明の冷却システムでは、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに向けて冷却空気を送風、あるいは、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズ近傍の空気を吸入する冷却ファンを備えていることが好ましい。
本発明によれば、冷却ファンにより、ベローズに向けて冷却空気を送風、あるいは、ベローズ近傍の空気を吸入するので、例えば、複数のベローズの熱を自然冷却により放熱する構成と比較して、ベローズを効果的に冷却して内部を流通する冷却流体を効果的に冷却でき、発熱体を効果的に冷却できる。
【0009】
本発明の冷却システムでは、前記接続部材は、前記流路中に複数設けられていることが好ましい。
本発明によれば、接続部材が前記流路中に複数設けられているので、例えば、冷却システムが搭載される電子機器に複数の発熱体が存在している場合でも、複数の接続部材により各発熱体と前記流路中を流通する冷却流体とを熱伝達可能に接続できる。このため、複数の発熱体が存在している場合であっても、冷却システムを複数設ける必要がなく、単体の冷却システムにて複数の発熱体を一括して冷却することが可能となる。したがって、電子機器に冷却システムを複数設ける必要がないため、該電子機器の小型化および軽量化を図れる。
【0010】
本発明の冷却システムでは、前記流体流通部材は、前記複数のベローズ内部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、流体流通部材が複数のベローズ内部に設けられているので、例えば、流体流通部材が複数のベローズ外部に設けられている構成と比較して、冷却システムのさらなる小型化を図れる。また、流体流通部材と複数のベローズとの接続箇所が複数のベローズ内部に設定されるため、流体流通部材と複数のベローズとの接続箇所の封止構造を簡素化できるとともに、前記流路から外部への冷却流体の漏れを抑制できる。
【0011】
本発明の冷却システムでは、前記複数のベローズは、少なくとも2つの第1ベローズおよび第2ベローズで構成され、前記第1ベローズおよび前記第2ベローズは、互いに連接され、前記ベローズ駆動装置は、前記第1ベローズおよび前記第2ベローズの連接位置に取り付けられ移動可能に構成され移動することで前記第1ベローズおよび前記第2ベローズのうちいずれか一方のベローズを伸長させ他方のベローズを収縮させる移動部材を含んで構成されていることが好ましい。
本発明によれば、上述した構成を採用することで、例えば、移動部材を、第1ベローズおよび第2ベローズの弾性力、該移動部材等の質量、および前記流路中を流通する冷却流体の慣性効果等で決まる系の共振周波数で駆動させることで、移動部材の駆動力を低く抑えながら、移動部材の振幅を大きくすることができる。このため、低消費電力化を図りながら、前記流路中を往復する冷却流体の流量を大きくできる。したがって、前記流路内において、接続部材近傍の冷却流体に熱が滞留することがなく、発熱体を効果的に冷却できる。
【0012】
本発明の冷却システムでは、前記複数のベローズは、前記ベローズ駆動装置により伸縮駆動される駆動ベローズと、内部の冷却流体の圧力により伸縮するフリーベローズとを含んで構成されていることが好ましい。
本発明によれば、複数のベローズは、駆動ベローズの他、フリーベローズを含んで構成されているので、例えば、複数のベローズの全てを駆動ベローズとする構成と比較して、単一のアクチュエータで駆動する場合にも、複数のベローズの駆動量による容積の変化率の整合性を考慮する必要がない。すなわち、駆動ベローズとフリーベローズとの形状を同一にする必要がない。このため、複数のベローズの設計の自由度が向上する。また、例えば、フリーベローズの容積を駆動ベローズの容積に対して大きくしておくことで、前記流路中の冷却流体の容量を大きくでき、発熱体と冷却流体との熱交換能力を大きくし、発熱体を効果的に冷却できる。
また、フリーベローズを設けることで、例えば、発熱体から伝達された熱により冷却流体が膨張し前記流路中の冷却流体の圧力が増加した場合であっても、フリーベローズが伸長することで前記流路中の冷却流体の圧力の増加を緩和できる。
【0013】
本発明の冷却システムでは、前記ベローズ駆動装置は、相対位置を変更可能とする固定子および可動子を備え、前記可動子は、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに接続し、前記固定子および前記可動子は、互いに非接触の状態で相対的に移動することが好ましい。
ここで、ベローズ駆動装置としては、固定子および可動子が非接触の状態で相対的に移動する構成であれば、いずれの構成も採用でき、例えば、電磁アクチュエータや、その他の駆動方式(静電等)のアクチュエータ等を採用できる。
本発明によれば、ベローズ駆動装置は、固定子および可動子が互いに非接触の状態で相対的に移動する構成であるので、例えばシリンダ装置や電動モータ等を用いた構成と比較して、ギアやリンク等の摩擦部が無いため静粛性を確保でき、また、大きさを小さくした場合であっても比較的に大きい力を出すことができ、該ベローズ駆動装置に接続されるベローズを円滑に伸縮させることができる。このため、ベローズ駆動装置の小型化および軽量化を図れ、ひいては、冷却システムの小型化および軽量化を図れる。また、駆動応答特性を良好にでき、ベローズ駆動装置に接続されるベローズを高速に伸縮させて前記流路中を往復する冷却流体の流量を大きくし発熱体を効果的に冷却できる。
【0014】
本発明の電子機器は、上述した冷却システムを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、電子機器は、上述した冷却システムを備えているので、上述した冷却システムと同様の作用および効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本発明に係る電子機器としてのプロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装筐体2と、光学装置3と、冷却システム4とで大略構成されている。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、光学装置3および冷却システム4以外の空間には、プロジェクタ1の構成部材に電力を供給する電源ユニットや、プロジェクタ1全体を制御する制御装置等が配置される。
【0016】
外装筺体2は、光学装置3および冷却システム4等を内部に収納配置する筐体である。
なお、図示は省略するが、この外装筺体2には、プロジェクタ1外部の空気を内部に導入するための吸気口や、プロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
【0017】
光学装置3は、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成し、形成したカラー画像を拡大投射する。この光学装置3は、図1に示すように、発熱体としての光源装置31と、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ32と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム33と、投射光学装置としての投射レンズ34等を備える。
光源装置31は、前記制御装置による制御の下、点灯し、液晶ライトバルブ32に向けて光束を射出する。これら光源装置31は、図1に示すように、R色光を射出するR色光用LED(Light Emitting Diode)モジュール31Rと、G色光を射出するG色光用LEDモジュール31Gと、B色光を射出するB色光用LEDモジュール31Bとで構成される。
これらLEDモジュール31R,31G,31Bは、略同様の構成であり、具体的な図示は省略するが、Si基板上に固体発光素子である複数のLED素子が配列形成されている。なお、LEDモジュール31R,31G,31Bを構成するLED素子は、結晶の種類および添加物等が異なるように形成されたものであり、それぞれR色光、G色光、B色光を発する。
なお、光源装置31としては、上述したLEDモジュールに限らず、その他の構成、例えば、レーザダイオードや、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
【0018】
3つの液晶ライトバルブ32は、透過型の液晶パネルであり、前記制御装置からの駆動信号に基づいて、液晶セル(図示略)に封入された液晶分子の配列を変化させ、各LEDモジュール31R,31G,31Bから射出された各色光を、それぞれ透過若しくは遮断することにより画像情報に応じた各光学像をクロスダイクロイックプリズム33に射出する。
クロスダイクロイックプリズム33は、各液晶ライトバルブ32から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム33は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、互いに対向する各液晶ライトバルブ32から射出された各色光を反射し、投射レンズ34に対向する液晶ライトバルブ32から射出された色光を透過する。このようにして、各液晶ライトバルブ32にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
投射レンズ34は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ34は、クロスダイクロイックプリズム33から射出されたカラー画像を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
【0019】
なお、光源装置31と液晶ライトバルブ32との間に、他の光学素子、例えば、光源装置31から射出された色光の偏光方向を略一方向の直線偏光に揃える偏光変換素子や、光源装置31から射出された色光の面内照度を均一化するロッドインテグレータや複数の小レンズがマトリクス状に配設されたレンズアレイ等の均一照明光学素子等を配設しても構わない。
【0020】
冷却システム4は、具体的には後述するが、冷却液体を循環させ、該冷却液体により各LEDモジュール31R,31G,31Bを冷却する装置である。なお、本実施形態では、LEDモジュール31R,31G,31Bを冷却する構成としているが、これに限らず、液晶ライトバルブ32等のプロジェクタ1内部の他の構成部材を冷却する構成としても構わない。
また、冷却システム4は、図1に示すように、各LEDモジュール31R,31G,31Bに対応して、3つで構成されている。なお、3つの冷却システム4は、同様の構成であるので、以下では、1つの冷却システム4のみを説明する。
【0021】
〔冷却システムの構成〕
図2は、冷却システム4の概略構成を模式的に示す図である。なお、図2では、各LEDモジュール31R,31G,31Bのうち、LEDモジュール31Rを冷却する冷却システム4を示している。他のLEDモジュール31G,31Bをそれぞれ冷却する2つの冷却システム4も同様のものである。
冷却システム4は、図2に示すように、ポンプ41と、接続部材としての受熱部材42と、流体流通部材44と、冷却ファン45とを備える。
【0022】
流体流通部材44は、内部に冷却液体が流通可能に管状部材で構成され、冷却液体が流通可能にポンプ41および受熱部材42を接続する。そして、流通する冷却液体によりLEDモジュール31Rに生じる熱を冷却する。
この流体流通部材44において、ポンプ41と接続する一方の端部には、図2に示すように、内部に向うにしたがって次第に管径が小さくなるノズル部441が形成されている。そして、冷却液体は、ノズル部441を介してポンプ41から流体流通部材44に圧送される際、ノズル部441の出口部分から噴流となって流通する。
この流体流通部材44としては、金属等で構成してもよいし、ゴムチューブ等としても構わない。
なお、本実施形態では、冷却液体として、透明性の不凍液(例えば、エチレングリコール水溶液等)を採用する。冷却液体としては、前記不凍液に限らず、その他の液体を採用してもよい。
【0023】
ポンプ41は、複数のベローズを伸縮させることにより複数のベローズ内に冷却液体を流通させ、該冷却液体を吸入および圧送する。このポンプ41は、図2に示すように、ベローズ411と、ベローズ駆動装置412とを備える。
ベローズ411は、図2に示すように、伸縮自在に構成され、互いに同一形状を有する第1ベローズ4111および第2ベローズ4112の2つで構成される。
各ベローズ4111,4112は、金属等の熱伝導性を有する部材から構成され、図2に示すように、伸縮方向(図2中、左右方向)に沿う中心軸に対して回転対称形状を有する。また、各ベローズ4111,4112は、図2に示すように、内部に冷却液体を流通可能とし、ベローズ駆動装置412の後述する移動部材により互いに連接される。さらに、各ベローズ4111,4112は、図2に示すように、前記移動部材を介して互いに連接される端部と逆の各端部側が流体流通部材44に接続するとともに、プロジェクタ1内部に固定される。すなわち、各ベローズ4111,4112は、図2に示すように、流体流通部材44を介して互いに内部が連通する。そして、プロジェクタ1内部に各ベローズ4111,4112が固定された状態では、各ベローズ4111,4112の中心軸が、ポンプ41の自重が掛かる鉛直方向に直交する水平方向に略平行な状態となる。
【0024】
ベローズ駆動装置412は、各ベローズ4111,4112を連接して各ベローズ4111,4112を伸縮可能とし、各ベローズ4111,4112を伸縮させることで各ベローズ4111,4112および流体流通部材44で形成される冷却液体の流路内で冷却液体を順方向および逆方向に往復させる。このベローズ駆動装置412は、図2に示すように、移動部材4121と、駆動装置本体4122とを備える。
移動部材4121は、各ベローズ4111,4112を接続するとともに、図2中、左右に移動可能に構成され移動することで各ベローズ4111,4112を伸縮させる部材である。この移動部材4121は、各ベローズ4111,4112の中心軸に対して回転対称となる円盤状に形成され、図2に示すように、略中央部分にて各ベローズ4111,4112とそれぞれ接続する。そして、各ベローズ4111,4112は、互いに連接される端部が移動部材4121により封止される。
【0025】
図3は、駆動装置本体4122の概略構成を示す分解斜視図である。
駆動装置本体4122は、電磁アクチュエータで構成され、図2または図3に示すように、所定位置に固定される固定子4124と、固定子4124に対して移動可能に構成される可動子としての磁性体リング4123とを備え、前記制御装置による制御の下、固定子4124に対して磁性体リング4123を移動させ、移動部材4121を移動させるものである。
磁性体リング4123は、図2または図3に示すように、各ベローズ4111,4112の中心軸に対して回転対称となるリング形状を有する磁性材料で構成され、移動部材4121の外周端部に固着されている。
【0026】
固定子4124は、図2または図3に示すように、コイル4125とヨーク4126とを備え、各ベローズ4111,4112の中心軸に対して回転対称となる全体略リング形状を有し、磁性体リング4123の外周を囲うように磁性体リング4123に対して所定の隙間を空けてプロジェクタ1内部に固定される。
コイル4125は、図2または図3に示すように、各ベローズ4111,4112の中心軸に対して回転対称となるリング形状を有する2つの第1コイル4125Aおよび第2コイル4125Bで構成される。各コイル4125A,4125Bは、リング形状の周方向に巻回されたものであり、前記制御装置と電気的にそれぞれ接続され、電流が通流される。
【0027】
ヨーク4126は、図2または図3に示すように、各ベローズ4111,4112の中心軸に対して回転対称となるリング形状を有する磁性材料で構成される3つの第1ヨーク4126A、第2ヨーク4126B、および第3ヨーク4126Cを有し、各コイル4125A,4125Bからの磁界の磁路を形成するものである。
第1ヨーク4126Aは、図2または図3に示すように、ヨーク4126におけるリング形状の軸方向各端部の一方側(図2中、左側)に配設される。この第1ヨーク4126Aは、図2または図3に示すように、リング形状を有しヨーク4126の外周端部を構成する第1基部4126A1と、第1基部4126A1におけるリング形状の軸方向の各端部の一方側(図2中、左側)から前記軸に向けて突出する第1突出部4126A2とを備え、断面略L字形状を有する。
【0028】
第2ヨーク4126Bは、図2または図3に示すように、第1ヨーク4126Aおよび第3ヨーク4126Cの間に配設される。この第2ヨーク4126Bは、図2または図3に示すように、リング形状を有しヨーク4126の外周端部を構成する第2基部4126B1と、第2基部4126A1におけるリング形状の軸方向略中央部分から前記軸に向けて突出する第2突出部4126B2とを備え、断面略T字形状を有する。
第3ヨーク4126Cは、図2または図3に示すように、ヨーク4126におけるリング形状の軸方向各端部の他方側(図2中、右側)に配設される。この第3ヨーク4126Cは、図2または図3に示すように、リング形状を有しヨーク4126の外周端部を構成する第3基部4126C1と、第3基部4126C1におけるリング形状の軸方向の各端部の他方側(図2中、右側)から前記軸に向けて突出する第3突出部4126C2とを備え、断面略L字形状を有する。
【0029】
そして、第1ヨーク4126A、第2ヨーク4126B、および第3ヨーク4126Cを各基部4126A1,4126B1,4126C1を組み合わせることで、図2に示すように、各突出部4126A2,4126B2,4126C2間に溝部4126D,4126Eが形成され、断面略E字形状を有することとなる。
溝部4126D,4126Eには、図2または図3に示すように、各コイル4125A,4125Bがそれぞれ配設される。
【0030】
受熱部材42は、流体流通部材44による冷却液体の流路中に配設され、金属等の熱伝導性を有する部材から構成されLEDモジュール31Rと熱伝達可能に接続し、LEDモジュール31Rに生じた熱を内部を流通する冷却液体に放熱する。より具体的に、受熱部材42は、図2に示すように、流体流通部材44の一方の端部に設けられたノズル部441の出口部分に対向する位置に配設される。そして、冷却液体は、ノズル部441を介してポンプ41から流体流通部材44に圧送される際、ノズル部441の出口部分から噴流となって受熱部材42の裏面に噴きつけられる。
【0031】
冷却ファン45は、図2に示すように、ポンプ41の近傍位置に配設され、ポンプ41を構成する各ベローズ4111,4112に向けて冷却空気を送風する。そして、各ベローズ4111,4112内を流通する冷却液体の熱を冷却する。
【0032】
〔冷却システムの動作〕
次に、上述した冷却システム4の動作を説明する。
図4は、冷却システム4の動作を説明するための図である。具体的に、図4(A)〜図4(D)は、ポンプ41の動作状態を時系列的に示した図である。また、図4(A),(C)は、各ベローズ4111,4112が伸縮していない安定状態を示している。図4(B),(D)は、移動部材4121が移動終端位置まで移動した状態を示している。
例えば、図4(A)に示す状態において、前記制御装置が第1コイル4125Aに通電すると、第1コイル4125Aを囲む第1ヨーク4126Aおよび第2ヨーク4126Bにて第1コイル4125Aからの磁界の磁路が形成される。そして、磁性体リング4123は、図4(B)に示すように、第1ヨーク4126Aおよび第2ヨーク4126Bの各突出部4126A2,4126B2間の磁路を閉路する位置に移動する。すなわち、移動部材4121は、図4(B)に示すように、磁性体リング4123とともに移動する。
【0033】
そして、移動部材4121の左方向への移動に伴う第1ベローズ4111の収縮により第1ベローズ4111内部の冷却液体が流体流通部材44のノズル部441を介して噴流となって受熱部材42裏面に噴きつけられる。また、冷却液体は、移動部材4121の左方向への移動に伴う第2ベローズ4112の伸長により、流体流通部材44内部を、図4中、矢印A方向の順方向に流れ、第2ベローズ4112内部に蓄積される。
【0034】
また、図4(B)に示す状態において、前記制御装置が第1コイル4125Aへの通電状態を停止し、第2コイル4125Bに通電すると、第2コイル4125Bを囲む第2ヨーク4126Bおよび第3ヨーク4126Cにて第2コイル4125Bからの磁界の磁路が形成される。そして、磁性体リング4123は、図4(C)に示すように、右方向に移動し、最終的に、図4(D)に示すように、第2ヨーク4126Bおよび第3ヨーク4126Cの各突出部4126B2,4126C2間の磁路を閉路する位置に移動する。すなわち、移動部材4121は、図4(C),図4(D)に示すように、磁性体リング4123とともに移動する。
【0035】
そして、移動部材4121の右方向への移動に伴う第2ベローズ4112の収縮により第2ベローズ4112内部の冷却液体が流体流通部材44内に吐出される。また、冷却液体は、移動部材4121の右方向への移動に伴う第1ベローズ4111の伸長により、流体流通部材44内部を、図4中、矢印A方向とは逆方向である矢印B方向に流れ、ノズル部441を介して第1ベローズ4111内部に蓄積される。
【0036】
以上のように、前記制御装置は、第1コイル4125Aおよび第2コイル4125Bへの通電状態を切り替えることで、図4(A)〜図4(D)の状態を繰り返し実施させ、固定子4124に対して磁性体リング4123を所定の周波数で正弦波振動させる。すなわち、移動部材4121は、前記制御装置による駆動装置本体4122の駆動制御により、図4(A)〜図4(D)の状態を繰り返し実施し、所定の周波数で正弦波振動する。そして、冷却液体は、各ベローズ4111,4112および流体流通部材44で形成される流路を、順方向および逆方向に往復する。
本実施形態では、前記制御装置は、固定子4124に対して磁性体リング4123を、各ベローズ4111,4112の弾性力、移動部材4121等の質量、および前記流路を流通する冷却液体の慣性効果等で決まる系の共振周波数で正弦波振動するように設定されている。
【0037】
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、ベローズ駆動装置412が各ベローズ4111,4112を伸縮させることで、各ベローズ4111,4112および流体流通部材44で形成される流路内で冷却液体を矢印A方向の順方向、および矢印B方向の逆方向に往復させる。そして、各LEDモジュール31R,31G,31Bに生じた熱を受熱部材42を介して前記流路内を往復する冷却液体に放熱し、各LEDモジュール31R,31G,31Bを冷却する。このことにより、前記流路内で冷却液体を往復させる構成であるので、前記流路内に耐久性やゴミ等の異物の挟み込み等が問題となる逆止弁等の弁機構を不要とする。このため、冷却システム4の構造の簡素化を図れるとともに信頼性を向上できる。すなわち、冷却システム4が搭載されるプロジェクタ1の信頼性を向上できる。
【0038】
また、各ベローズ4111,4112が金属等の熱伝導性を有する部材で構成されているので、各ベローズ4111,4112内部を流通する冷却液体の熱を、各ベローズ4111,4112を介して外部に放熱できる。このため、各ベローズ4111,4112を含むポンプ41に、冷却液体を圧送する機能、および放熱部材としての機能の双方を持たせることができる。したがって、放熱部材としての単体の機能を有する部材を省略でき、冷却システム4の部品点数を低減し、冷却システム4の小型化および軽量化を図れる。すなわち、冷却システム4が搭載されるプロジェクタ1の小型化および軽量化を図れる。
【0039】
ここで、冷却システム4は、各ベローズ4111,4112に向けて冷却空気を送風する冷却ファン45を備えているので、例えば、各ベローズ4111,4112の熱を自然冷却により放熱する構成と比較して、各ベローズ4111,4112を効果的に冷却して内部を流通する冷却液体を効果的に冷却でき、各LEDモジュール31R,31G,31Bを効果的に冷却できる。
【0040】
また、ベローズ駆動装置412を構成する駆動装置本体4122は、固定子4124および磁性体リング4123を備え、固定子4124および磁性体リング4123が互いに非接触の状態で相対的に移動する電磁アクチュエータで構成されているので、例えばシリンダ装置や電動モータ等を用いた構成と比較して、ギアやリンク等の摩擦部が無いため静粛性を確保でき、また、ベローズ駆動装置412自体の大きさを小さくした場合であっても比較的に大きい力を出すことができる。すなわち、ベローズ駆動装置412自体の大きさを小さくした場合であっても、移動部材4121を円滑に移動させ、各ベローズ4111,4112を円滑に収縮させることができる。このため、ベローズ駆動装置412の小型化および軽量化を図れ、ひいては、冷却システム4の小型化および軽量化を図れる。すなわち、冷却システム4が搭載されるプロジェクタ1の小型化および軽量化を図れる。
さらに、駆動装置本体4122を電磁アクチュエータで構成することで、例えば、シリンダ装置や電動モータ等を用いた構成と比較して、駆動応答特性を良好にでき、移動部材4121を高速に移動させて前記流路中を往復する冷却液体の流量を大きくできる。このため、前記流路内において、受熱部材42近傍の冷却液体に熱が滞留することがなく、受熱部材42を効果的に冷却して各LEDモジュール31R,31G,31Bを効果的に冷却できる。
【0041】
ここで、移動部材4121は、各ベローズ4111,4112の連接位置に取り付けられ、移動することで各ベローズ4111,4112のうち一方のベローズを伸長させ他方のベローズを収縮させる。また、移動部材4121は、各ベローズ4111,4112の弾性力、移動部材4121等の質量、および前記流路を流通する冷却液体の慣性効果等で決まる系の共振周波数で正弦波振動するように設定されている。このことにより、移動部材4121の駆動力を低く抑えながら、移動部材4121の振幅を大きくすることができる。このため、ポンプ41の低消費電力化を図りながら、前記流路中を往復する冷却液体の流量を大きくし各LEDモジュール31R,31G,31Bを効果的に冷却できる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図5は、第2実施形態におけるプロジェクタ1Aの概略構成を模式的に示す図である。
前記第1実施形態では、プロジェクタ1は、冷却対象となる各LEDモジュール31R,31G,31Bに対応して、3つの冷却システム4を有している。
これに対して第2実施形態では、プロジェクタ1Aは、図5に示すように、冷却対象となる各LEDモジュール31R,31G,31Bに対応した接続部材としての3つの受熱部材52を設けた単体の冷却システム5を有している。冷却システム5以外のプロジェクタ1Aの構成については、前記第1実施形態と同様のものである。
【0043】
冷却システム5は、図5に示すように、前記第1実施形態で説明した冷却システム4に対して、流体流通部材54の形状と、受熱部材52の数、および配設位置とが異なるのみである。その他の構成については、前記第1実施形態で説明した冷却システム4と同様である。
流体流通部材54は、前記第1実施形態で説明した流体流通部材44と同様の材料にて形成されたものであり、冷却液体が流通可能にポンプ41および3つの受熱部材52を接続する。そして、流通する冷却液体により各LEDモジュール31R,31G,31Bに生じる熱を冷却する。この流体流通部材54は、図5に示すように、光学装置3を囲むように、すなわち、各LEDモジュール31R,31G,31Bを囲むように配設されている。また、本実施形態では、流体流通部材54は、前記第1実施形態で説明したノズル部441が省略されている。
【0044】
3つの受熱部材52は、前記第1実施形態で説明した受熱部材42と同様のものであり、図5に示すように、流体流通部材54による冷却液体の流路中で各LEDモジュール31R,31G,31Bと熱伝達可能にそれぞれ接続し、各LEDモジュール31R,31G,31Bに生じた熱を内部を流通する冷却液体に放熱する。
【0045】
なお、冷却システム5の動作については、前記第1実施形態で説明した冷却システム4の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
冷却システム5は、3つの受熱部材52を備えているので、前記第1実施形態で説明したように、各LEDモジュール31R,31G,31Bに対応して3つの冷却システム4を設ける必要がなく、単体の冷却システム5にて各LEDモジュール31R,31G,31Bを一括して冷却できる。したがって、プロジェクタ1Aに冷却システム5を複数設ける必要がないため、プロジェクタ1Aの小型化および軽量化を図れる。
【0047】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図6は、第3実施形態における冷却システム6の概略構成を模式的に示す図である。なお、図6では、各LEDモジュール31R,31G,31Bのうち、LEDモジュール31Rを冷却する冷却システム6を示している。他のLEDモジュール31G,31Bをそれぞれ冷却する2つの冷却システム6も同様のものである。
本実施形態は、図6に示すように、前記第1実施形態に対して、冷却システム6の構造が異なるのみである。冷却システム6以外のプロジェクタ1の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
【0048】
冷却システム6は、図6に示すように、前記第1実施形態で説明した冷却ファン45の他、ポンプ61と、接続部材としての受熱部材62と、流体流通部材64とを備える。
ポンプ61は、図6に示すように、ベローズ611と、ベローズ駆動装置612とを備える。
ベローズ611は、図6に示すように、伸縮自在に構成され、互いに同一形状を有する第1ベローズ6111および第2ベローズ6112の2つで構成される。
各ベローズ6111,6112は、前記第1実施形態で説明した各ベローズ4111,4112と同様のものであり、ベローズ駆動装置612の後述する移動部材により互いに連接される。また、第1ベローズ6111は、前記移動部材と接続する端部と逆の端部側が受熱部材62に接続するとともに、プロジェクタ1内部に固定される。第2ベローズ6112は、前記移動部材と接続する端部と逆の端部側が封止された状態でプロジェクタ1内部に固定される。そして、プロジェクタ1内部に各ベローズ6111,6112が固定された状態では、各ベローズ6111,6112の中心軸が、ポンプ61の自重が掛かる鉛直方向に直交する水平方向に略平行な状態となる。
【0049】
ベローズ駆動装置612は、図6に示すように、前記第1実施形態で説明した駆動装置本体4122の他、移動部材6121を備える。
移動部材6121は、前記第1実施形態で説明した移動部材4121と略同様のものであり、該移動部材4121に対して、略中央部分に各ベローズ6111,6112間を連通する開口部6121Aが形成されている点が異なるのみである。
【0050】
受熱部材62は、金属等の熱伝導性を有する部材から構成され、図6に示すように、第1ベローズ6111における移動部材6121と接続する端部と逆の端部側を封止するように、該端部側に配設される。より具体的に、受熱部材62は、一方の端部側に開口部621を有する容器状に形成され、容器状の底部分にてLEDモジュール31Rと熱伝達可能に接続し、LEDモジュール31Rに生じた熱を内部の冷却液体に放熱する。
【0051】
流体流通部材64は、前記第1実施形態で説明した流体流通部材44と同様の材料にて形成されたものであり、図6に示すように、ベローズ611内部に配設され、冷却液体が流通可能に各ベローズ6111,6112間を連通する。そして、冷却液体は、流体流通部材64を介して、各ベローズ6111,6112間を流通する。
より具体的に、流体流通部材64は、図6に示すように、一方の端部が移動部材6121の開口部6121A内部に固定され、他方の端部が受熱部材42に向けて延出する略棒状に形成されている。すなわち、流体流通部材64は、移動部材6121とともに移動するように構成されている。
【0052】
次に、上述した冷却システム6の動作を説明する。
図7は、冷却システム6の動作を説明するための図である。具体的に、図7(A)〜図7(D)は、冷却システム6の動作状態を時系列的に示した図である。また、図7(A)および図7(C)は、各ベローズ6111,6112が伸縮していない安定状態を示している。図7(B)および図7(D)は、移動部材6121が移動終端位置まで移動した状態を示している。
なお、本実施形態における冷却システム6の動作は、前記第1実施形態で説明した冷却システム4と略同様である。すなわち、本実施形態においても、前記制御装置は、第1コイル4125Aおよび第2コイル4125Bへの通電状態を切り替えることで、図7(A)〜図7(D)の状態を繰り返し実施させ、固定子4124に対して磁性体リング4123を所定の周波数で正弦波振動させる。このため、以下では、冷却システム6の動作を簡略化して説明する。
【0053】
前記制御装置による駆動装置本体4122の駆動制御により、図7(A)の状態から図7(B)に示す状態に移行され、移動部材6121の左方向への移動に伴う第1ベローズ6111の収縮により、第1ベローズ6111内部、および受熱部材62内部の冷却液体が流体流通部材64内に流入する。また、冷却液体は、移動部材6121の左方向への移動に伴う第2ベローズ6112の伸長により、流体流通部材64内部を、図7中、矢印B方向に流れ、第2ベローズ6112内部に蓄積される。
【0054】
また、前記制御装置による駆動装置本体4122の駆動制御により、図7(B)に示す状態から図7(C),(D)に示す状態に移行され、移動部材6121の右方向への移動に伴う第2ベローズ6112の収縮により、第2ベローズ6112内部の冷却液体が流体流通部材64内に流入する。そして、冷却液体は、流体流通部材64内部を、図7中、矢印B方向とは逆方向である矢印A方向の順方向に流れ、流体流通部材64を介して噴流となって受熱部材62の底部分に噴きつけられる。また、冷却液体は、移動部材6121の右方向への移動に伴う第1ベローズ6111の伸長により、第1ベローズ6111内部に蓄積される。
すなわち、本実施形態でも前記第1実施形態と同様に、冷却液体は、各ベローズ6111,6112および流体流通部材64で形成される流路を、順方向および逆方向に往復する。
【0055】
上述した第3実施形態においては、前記第1実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
流体流通部材64がベローズ611内部に配設されているので、前記第1実施形態のように流体流通部材44がベローズ411外部に配設されている構成と比較して、冷却システム6のさらなる小型化を図れる。すなわち、プロジェクタ1のさらなる小型化を図れる。また、流体流通部材64とベローズ611との接続箇所がベローズ611内部に設定されるため、流体流通部材64とベローズ611との接続箇所の封止構造を簡素化できるとともに、前記流路から外部への冷却液体の漏れを抑制できる。
【0056】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第3実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、第4実施形態における冷却システム7の概略構成を模式的に示す図である。なお、図8では、図6と同様に、各LEDモジュール31R,31G,31Bのうち、LEDモジュール31Rを冷却する冷却システム7を示している。他のLEDモジュール31G,31Bをそれぞれ冷却する2つの冷却システム7も同様のものである。
前記第3実施形態では、冷却システム6において、第2ベローズ6112は、移動部材6121と接続する端部と逆の端部側が封止された状態でプロジェクタ1内部に固定されている。
これに対して第4実施形態では、図8に示すように、第2ベローズ6112は、移動部材6121と接続する端部と逆の端部側が封止された状態でありかつ、プロジェクタ1内部に固定されていない。そして、第2ベローズ6112は、移動部材6121とともに移動するように構成されている。
【0057】
このように構成することで、第1ベローズ6111は、ベローズ駆動装置612により伸縮駆動する。一方、第2ベローズ6112は、前記流路内の冷却液体の圧力により伸縮する。すなわち、本実施形態では、第1ベローズ6111が本発明に係る駆動ベローズに相当し、第2ベローズ6112が本発明に係るフリーベローズに相当する。
なお、冷却システム7の動作については、前記第3実施形態で説明した冷却システム6の動作と略同様であるため、説明を省略する。
【0058】
上述した第4実施形態においては、前記第3実施形態と略同様の効果の他、以下の効果がある。
ベローズ611は、第2ベローズ6112が前記流路内の冷却液体の圧力により伸縮するフリーベローズとして機能するので、前記第3実施形態のように各ベローズ6111,6112がベローズ駆動装置612により伸縮駆動する駆動ベローズとされた構成と比較して、単一のアクチュエータで駆動する場合にも、第1ベローズ6111と第2ベローズ6112との駆動量による容積の変化率の整合性を考慮する必要がない。すなわち、第1ベローズ6111と第2ベローズ6112との形状を同一にする必要がない。このため、各ベローズ6111,6112の設計の自由度が向上する。また、例えば、第2ベローズ6112の容積を第1ベローズ6111の容積に対して大きくしておけば、前記流路中の冷却液体の容量を大きくでき、各LEDモジュール31R,31G,31Bと冷却液体との熱交換能力を大きくし、各LEDモジュール31R,31G,31Bを効果的に冷却できる。
また、第2ベローズ6112をフリーベローズとすることで、例えば、各LEDモジュール31R,31G,31Bから伝達された熱により冷却液体が膨張し、前記流路中の冷却液体の圧力が増加した場合であっても、第2ベローズ6112が伸長することで前記流路中の冷却液体の圧力の増加を緩和できる。
【0059】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9は、第5実施形態における冷却システム8の概略構成を模式的に示す図である。なお、図9では、各LEDモジュール31R,31G,31Bのうち、LEDモジュール31Rを冷却する冷却システム8を示している。他のLEDモジュール31G,31Bをそれぞれ冷却する2つの冷却システム7も同様のものである。
本実施形態は、図9に示すように、前記第1実施形態に対して、冷却システム8の構造が異なるのみである。冷却システム8以外のプロジェクタ1の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
【0060】
冷却システム8は、図9に示すように、前記第1実施形態で説明した冷却ファン45の他、ポンプ81と、接続部材としての受熱部材82と、流体流通部材84とを備える。
ポンプ81は、図9に示すように、ベローズ811と、ベローズ駆動装置812とを備える。
ベローズ811は、図9に示すように、伸縮自在に構成される第1ベローズ8111および第2ベローズ8112の2つで構成される。
各ベローズ8111,8112は、金属等の熱伝導性を有する部材から構成され、図9に示すように、伸縮方向(図9中、上下方向)に沿う中心軸に対して回転対称形状を有する。また、各ベローズ8111,8112は、図9に示すように、内部に冷却液体を流通可能とし、流体流通部材84により互いに連接される。さらに、第1ベローズ8111は、流体流通部材84と接続する端部と逆の端部側が封止された状態でベローズ駆動装置812に接続する。第2ベローズ8112は、流体流通部材84と接続する端部と逆の端部側が封止された状態でありかつ、プロジェクタ1内部に固定されていない。
そして、第1ベローズ8111は、ベローズ駆動装置812により伸縮駆動する。一方、第2ベローズ8112は、前記流路内の冷却液体の圧力により伸縮する。すなわち、本実施形態では、第1ベローズ8111が本発明に係る駆動ベローズに相当し、第2ベローズ8112が本発明に係るフリーベローズに相当する。
【0061】
ベローズ駆動装置812は、図9に示すように、移動部材8121と、圧電素子8122とを備える。
移動部材8121は、第1ベローズ8111における流体流通部材84と接続する端部と逆の端部側に接続され、図9中、上下に移動可能に構成され移動することで第1ベローズ8111を伸縮させる部材である。
圧電素子8122は、前記制御装置と電気的に接続され、前記制御装置による制御の下、所定の電圧が印加されることで圧電効果により、図9中、上下方向に変位する。そして、圧電素子8122は、変位方向の一方の端部がプロジェクタ1内部に固定され、他方の端部が移動部材8121に接続し、変位することで移動部材8121を図9中、上下方向に移動させる。
なお、圧電素子8122は、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを採用できる。
【0062】
流体流通部材64は、前記第1実施形態で説明した流体流通部材44と同様の材料にて形成されたものであり、冷却液体が流通可能に各ベローズ8111,8112を接続する。そして、流通する冷却液体によりLEDモジュール31Rに生じる熱を冷却する。この流体流通部材64は、プロジェクタ1内部に固定された状態で配設される。そして、各ベローズ8111,8112は、流体流通部材64と接続することで、図9に示すように、各中心軸がそれぞれ上下方向に向き、左右方向に並列した状態となる。
【0063】
受熱部材82は、前記第1実施形態で説明した受熱部材42と同様のものであり、図9に示すように、流体流通部材84による冷却液体の流路中でLEDモジュール31Rと熱伝達可能に接続し、LEDモジュール31Rに生じた熱を内部を流通する冷却液体に放熱する。より具体的に、受熱部材82は、図9に示すように、第1ベローズ8111における流体流通部材84と接続する端部と対向する位置に配設されている。
【0064】
次に、上述した冷却システム8の動作を説明する。
図10は、冷却システム8の動作を説明するための図である。具体的に、図10(A)および図10(B)は、移動部材8121が移動終端位置まで移動した状態を示している。
例えば、前記制御装置により圧電素子8122が駆動され、圧電素子8122が伸長した場合には、図10(A)に示すように、移動部材8121が下方向に移動する。そして、移動部材8121の下方向の移動に伴う第1ベローズ8111の収縮により、第1ベローズ8111内部の冷却液体が受熱部材82の裏面に吐出され、流体流通部材84内に流入する。また、冷却液体は、流体流通部材84内部を、図10中、矢印A方向の順方向に流れ、第2ベローズ8112内部に蓄積される。第2ベローズ8112は、冷却液体の流入に伴い、伸長する。
【0065】
また、前記制御装置により圧電素子8122が駆動され、圧電素子8122が収縮した場合には、図10(B)に示すように、移動部材8121が上方向に移動する。そして、移動部材8121の上方向の移動に伴う第1ベローズ8111の伸長により、第2ベローズ8112内部の冷却液体が流体流通部材84内に流入し、流体流通部材84内部を、図10中、矢印A方向と逆方向である矢印B方向に流れ、第1ベローズ8111内部に蓄積される。第2ベローズ8112は、冷却液体の流出に伴い、収縮する。
【0066】
以上のように、前記制御装置は、圧電素子8122を所定の駆動周波数で変位させて、図10(A)および図10(B)の状態を繰り返し実施させ、移動部材8121を所定の周波数で振動させる。そして、冷却液体は、各ベローズ8111,8112および流体流通部材84で形成される流路を、順方向および逆方向に往復する。
【0067】
上述した第5実施形態においては、ベローズ駆動装置812として圧電素子8122を用いた構成であっても、前記第1実施形態と略同様の効果を享受できる。また、第1ベローズ8111がベローズ駆動装置812により伸縮駆動する駆動ベローズとして機能し、第2ベローズ8112が前記流路内の冷却液体の圧力により伸縮するフリーベローズとして機能するので、前記第4実施形態と同様の効果を享受できる。さらに、ベローズ駆動装置812として圧電素子8122を用いているので、前記第1実施形態のように電磁アクチュエータを用いた構成と比較して、構造の簡素化を図れ、冷却システム8のさらなる小型化および軽量化の実現を可能とする。
【0068】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記第1実施形態ないし前記第4実施形態では、ベローズ駆動装置412,612に電磁アクチュエータを採用している。また、前記第5実施形態では、ベローズ駆動装置812に圧電素子8122を用いた所謂、圧電アクチュエータを採用している。しかしながら、本発明では、ベローズ駆動装置に電磁アクチュエータや、圧電アクチュエータを用いる構成に限らず、ベローズ駆動装置にその他の駆動方式(静電、油圧、空気圧、あるいは熱等)のアクチュエータ等を採用してもよい。
例えば、前記第1実施形態ないし前記第4実施形態において、ベローズ駆動装置に静電アクチュエータを採用する場合には、固定子および可動子にそれぞれ電極を形成し、制御装置から各電極に所定の電圧を印加することで、静電力により、固定子および可動子を非接触の状態で相対的に移動させる。
【0069】
前記第1実施形態ないし前記第4実施形態において、固定子4124と可動子4123とを前記各実施形態で説明した各配設位置と逆の各配設位置に配設した構成を採用してもよい。
前記第1実施形態ないし前記第4実施形態では、電磁アクチュエータである駆動装置本体4122の構成として、コイル4125、ヨーク4126、および磁性体リング4123を採用したが、電磁力により固定子および可動子を相対的に移動可能とする構成であれば、例えば、コイルおよび永久磁石のみで構成した電磁アクチュエータ等を採用しても構わない。
前記第1実施形態ないし前記第4実施形態では、ベローズ駆動装置412,612を各ベローズ411,611外部に配設していたが、これに限らず、各ベローズ411,611内部に配設する構成を採用しても構わない。このような構成では、冷却システム4,5,6,7のさらなる小型化を図れる。
【0070】
前記第1実施形態ないし前記第4実施形態では、移動部材4121,6121と磁性体リング4123とが別々の部材で構成されていたが、これに限らず、移動部材を磁性材料で構成し、移動部材4121,6121と磁性体リング4123とを一体的に構成してもよい。
【0071】
前記第2実施形態では、冷却システム5は、3つの受熱部材52を備えていたが、受熱部材の数は、3つに限らず、2つでも、4つ以上であってもよく、冷却対象である発熱体の数に応じて設ければよい。
前記第5実施形態では、冷却システム8は、1つのみの受熱部材82を備えていたが、上記同様に、複数(2つ以上)で構成しても構わない。
前記各実施形態では、ベローズ411,611,811は、2つのベローズで構成されていたが、ベローズの数は2つに限らず、3つ以上であっても構わない。
【0072】
前記各実施形態において、冷却ファン45を省略した構成を採用してもよい。すなわち、各ベローズ411,611,811の熱を自然冷却により放熱する構成としても構わない。この場合には、各ベローズ411,611,811をプロジェクタ1,1A内部における通風状態の良いところに設置することが好ましい。
【0073】
前記各実施形態では、透過型の液晶パネル(液晶ライトバルブ32)を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネルを採用してもよく、あるいは、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)を採用してもよい。
前記各実施形態では、液晶ライトバルブ32を3枚設けた構成としていたが、これに限らず、1枚のみの液晶ライトバルブ32を設ける構成としてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側の投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、本発明に係る電子機器としてプロジェクタを採用したが、これに限らず、その他の電子機器、例えばCPU(Central Processing Unit)等を備えたパーソナルコンピュータに本発明に係る冷却システムを採用してもよい。
【0074】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の冷却システムは、小型化および軽量化を図れかつ、簡素な構造で信頼性の向上を図れるため、プロジェクタ等の電子機器に搭載される冷却システムとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1実施形態における電子機器としてのプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。
【図2】前記実施形態における冷却システムの概略構成を模式的に示す図。
【図3】前記実施形態における駆動装置本体の概略構成を示す分解斜視図。
【図4】前記実施形態における冷却システムの動作を説明するための図。
【図5】第2実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。
【図6】第3実施形態における冷却システムの概略構成を模式的に示す図。
【図7】前記実施形態における冷却システムの動作を説明するための図。
【図8】第4実施形態における冷却システムの概略構成を模式的に示す図。
【図9】第5実施形態における冷却システムの概略構成を模式的に示す図。
【図10】前記実施形態における冷却システムの動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0077】
1,1A・・・プロジェクタ、4,5,6,7,8・・・冷却システム、44,54,64,84・・・流体流通部材、45・・・冷却ファン、411,611,811・・・ベローズ、412,612,812・・・ベローズ駆動装置、4111,6111・・・第1ベローズ、4112,6112・・・第2ベローズ、4121,6121・・・移動部材、4123・・・磁性体リング(可動子)、4124・・・固定子、6111,8111・・・第1ベローズ(駆動ベローズ)、6112,8112・・・第2ベローズ(フリーベローズ)、42,52,62,82・・・受熱部材(接続部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を冷却する冷却システムであって、
熱伝導性を有し伸縮可能に構成され内部に冷却流体を流通可能とする複数のベローズと、
冷却流体を内部に流通可能とし、前記複数のベローズ間を連通する流体流通部材と、
前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに接続して前記ベローズを伸縮可能とし、前記ベローズを伸縮させることで前記複数のベローズおよび前記流体流通部材で形成される冷却流体の流路内で冷却流体を往復させるベローズ駆動装置と、
前記流路中に設けられ、前記発熱体および前記流路を流通する冷却流体を熱伝達可能に接続する接続部材とを備えていることを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却システムにおいて、
前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに向けて冷却空気を送風、あるいは、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズ近傍の空気を吸入する冷却ファンを備えていることを特徴とする冷却システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の冷却システムにおいて、
前記接続部材は、前記流路中に複数設けられていることを特徴とする冷却システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記流体流通部材は、前記複数のベローズ内部に設けられていることを特徴とする冷却システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記複数のベローズは、少なくとも2つの第1ベローズおよび第2ベローズで構成され、
前記第1ベローズおよび前記第2ベローズは、互いに連接され、
前記ベローズ駆動装置は、前記第1ベローズおよび前記第2ベローズの連接位置に取り付けられ移動可能に構成され移動することで前記第1ベローズおよび前記第2ベローズのうちいずれか一方のベローズを伸長させ他方のベローズを収縮させる移動部材を含んで構成されていることを特徴とする冷却システム。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記複数のベローズは、前記ベローズ駆動装置により伸縮駆動される駆動ベローズと、内部の冷却流体の圧力により伸縮するフリーベローズとを含んで構成されていることを特徴とする冷却システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記ベローズ駆動装置は、相対位置を変更可能とする固定子および可動子を備え、
前記可動子は、前記複数のベローズのうち少なくともいずれかのベローズに接続し、
前記固定子および前記可動子は、互いに非接触の状態で相対的に移動することを特徴とする冷却システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の冷却システムを備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−120788(P2007−120788A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309851(P2005−309851)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】