出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置
【課題】 信号伝送速度が高速化する場合にも、インピーダンス整合を正確にとることができ、その場合に、回路の大規模化等を有効に防止する。
【解決手段】 この出力装置1は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部2と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部3と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部3を設定する制御手段4とを有し、前記インピーダンス整合部3は複数のトランジスタ部により構成されている。
【解決手段】 この出力装置1は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部2と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部3と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部3を設定する制御手段4とを有し、前記インピーダンス整合部3は複数のトランジスタ部により構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の出力ドライバ等の出力装置からの出力信号を伝送路に伝送する際に、反射による伝送信号の波形歪みをなくすため、出力装置の出力インピーダンスと伝送路のインピーダンス(厳密には、受信側の入力インピーダンス及び伝送路の特性インピーダンス)とを整合させることが行われる。このインピーダンス整合方法として、従来では、抵抗で終端させる方法をとっている。しかし、単純な抵抗では、プロセス上のばらつきがあり、正確にインピーダンス整合をとることは出来ない。伝送速度の高速化に伴い、ますますインピーダンス不整合による波形の歪みや信号減衰が問題になっている。インピーダンス整合をより正確にとるために、例えば特許文献1には、終端抵抗を可変抵抗として、伝送路の電圧をモニターしロウ(L)レベルからハイ(H)レベルへの遷移時間を基準時間と比較し、その比較結果を可変抵抗にフィードバックする方法が示されている。
【特許文献1】特開2003−8421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、信号伝送速度の一層の高速化にともない、伝送信号のモニター用に出力端子に比較器などを接続すると、その容量により出力波形がなまってしまい、伝送速度の向上の妨げになることが考えられる。また時間測定や電圧比較のためにインピーダンス整合回路が大規模になったり消費電流が増大したりする。また、出力装置が単純なスイッチ回路であると、出力インピーダンスRと出力の付加容量Cとの積であるCR時定数によってスイッチングスピードが決まってしまい、それ以上の高速化は出来ないという問題がある。
【0004】
本発明は、信号伝送速度が高速化する場合にも、インピーダンス整合を正確にとることができ、その場合に、回路の大規模化等を有効に防止することが可能な出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、前記制御手段は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定することを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部は、トランジスタを直列に複数段接続した構成となっていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、電流を生成するON状態と電流を生成しないOFF状態とを制御信号によりスイッチ可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、前記スイッチング部からの出力信号に対してEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有していることを特徴としている。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられることを特徴としている。
【0013】
また、請求項9記載の発明は、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられることを特徴としている。
【0014】
また、請求項10記載の発明は、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至請求項8記載の発明によれば、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されているので、簡易な構成で電気信号伝送における出力装置の出力インピーダンスを補正してインピーダンス整合を正確にとることができ、また高速信号伝送に対応することも出来る。
【0016】
特に、請求項1記載の発明によれば、インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されているので、インピーダンス整合部のサイズを小さくすることができ、回路の小型化が可能となる。
【0017】
また、請求項4乃至請求項6記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられており、定電流駆動部が出力端子に電流の供給や引き出しをすることにより(特に、請求項6記載の発明では、定電流駆動部がEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有することにより)、高速化に対応した出力装置を提供することが出来る。
【0018】
また、請求項7記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっているので、コモンモードの雑音に対する耐性が増し、EMI対策に効果がある。さらにその場合、差動信号伝送方式においても、簡易な構成で(回路を大規模化させずに)、出力装置の出力インピーダンスを補正してインピーダンス整合を正確にとることが出来、また、高速化に対応することも出来る。
【0019】
また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられるので、差動信号伝送方式においても回路の小型化が可能となる。
【0020】
また、請求項9記載の発明によれば、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられるので、回路の規模等を増大させずに信号伝送の高速化が可能な半導体レーザ変調駆動装置を提供することが出来る。
【0021】
また、請求項10記載の発明によれば、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられるので、回路の規模等を増大させずに信号伝送の高速化が可能な画像形成装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る出力装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、この出力装置1は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部2と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部3と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部3を設定する制御手段4とを有し、前記インピーダンス整合部3は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴としている。
【0023】
ここで、伝送路のインピーダンスとは、厳密には、送信側から見込んだ伝送路及び受信側の入力インピーダンスを意味し、以下では、これを伝送路のインピーダンスと称す。
【0024】
図2は図1の出力装置の具体的な構成例を示す図である。なお、図2では、スイッチング部2と、インピーダンス整合部3と、制御手段4とが示されており、定電流駆動部5は図示されていない。
【0025】
すなわち、図2において、スイッチング部2は、pchトランジスタ(MOSトランジスタ)T1,T2と、pchトランジスタ(MOSトランジスタ)T1,T2側の抵抗R1,R2と、nchトランジスタ(MOSトランジスタ)T3,T4と、nchトランジスタ(MOSトランジスタ)T3,T4側の抵抗R3,R4と、出力端子Txp,Txmとにより構成されており、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっている。
【0026】
ここで、pchトランジスタT1,T2,nchトランジスタT3,T4は、スイッチトランジスタとして機能し、データ1を入力してpchトランジスタT1,nchトランジスタT4だけをオンすることで、図3に示すような回路となり、図5に示すようなデータ1の正転出力及び反転出力を出力信号として生成,出力することができ、また、データ0を入力してpchトランジスタT2,nchトランジスタT3だけをオンすることで、図4に示すような回路となり、図5に示すようなデータ0の正転出力及び反転出力を出力信号として生成,出力することが可能になっている。
【0027】
本発明では、スイッチング部2は、図3または図4に示すような回路構成となるので、図6に示すような通常のCML(コモンモードロジック)回路のように、pchトランジスタ側、nchトランジスタ側のそれぞれにおいて1つのスイッチトランジスタをオンすることにより1,0の差動データを高速化に向く小振幅の信号として出力することが出来るとともに、さらに、通常のCMLよりも消費電力を小さくすることが出来る。すなわち、図6に示すようなCML回路では、例えば、各抵抗が50Ωであり、500mVの信号電圧を発生させる場合に、20mAの電流を必要とするのに対し、図3または図4に示すような回路では、抵抗R1(R2)が50Ω,抵抗R4(R3)が50Ωであり、受信側の終端抵抗X1が100Ωであって、500mVの信号電圧を発生させる場合に、5mAの電流しか必要とせずに済む(電源電圧1Vの場合)。このように、必要な電流量を少なくできるので、消費電力を小さくでき、また、高速化に向く。
【0028】
さらに、図2のスイッチング部2は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっているので、コモンモードの雑音に対する耐性が増し、EMI対策に効果がある。
【0029】
また、図2において、インピーダンス整合部3は、スイッチング部2が上記のような構成となっていることで、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部(複数のpchトランジスタ(MOSトランジスタ)T9,T10,T11,T12)と、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部(複数のnchトランジスタ(MOSトランジスタ)T5,T6,T7,T8)とにより構成されている。すなわち、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部,nchトランジスタ側のインピーダンス整合部は、それぞれ、複数のトランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)により構成されている。
【0030】
図7は図2におけるnchトランジスタ側のインピーダンス整合部を拡大して示した図である。図7を参照すると、複数のトランジスタT5,T6,T7,T8は並列に接続されており、各トランジスタT5,T6,T7,T8は、それぞれ、制御手段4からの選択信号c0,c1,c2,c3によって選択されてオンになるようになっている。
【0031】
すなわち、インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、制御手段4は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定するようになっている。
【0032】
インピーダンス整合部が図2,図7に示すように構成されている場合、選択信号c0,c1,c2,c3をハイもしくはロウに設定することにより、オンするトランジスタを選択し、選択信号c0,c1,c2,c3を順次にインクリメントすることによってインピーダンス整合部の合成インピーダンスを順次に変化させることができる。それぞれのトランジスタT5,T6,T7,T8のサイズは同一でもよいが、トランジスタT5,T6,T7,T8のサイズをそれぞれ段階的に異ならせ選択信号をインクリメントしていったときに等間隔でインピーダンスが変化するようにした方が、より高精度にインピーダンスを調整することが出来る。
【0033】
なお、図2,図7の例では、並列に接続された複数の各トランジスタ部は、それぞれ、1つのトランジスタにより構成されているが、図8に示すように、インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部を、トランジスタを直列に複数段接続した構成にすることもできる。
【0034】
図8は2段接続にした場合の例であり、直列接続されたトランジスタのゲートには、同一の選択信号を入力する。トランジスタの特性としてゲート電圧Vgs、ドレイン電圧Vds、閾値電圧Vthとした場合、Vds<Vgs−Vthの範囲では線形領域となり、トランジスタは抵抗と同等の特性を示す。そのため、トランジスタを直列に接続してドレイン電圧Vdsをなるべく小さくすることにより、ドレイン電圧Vdsが変化した時においても抵抗としての特性を示すようにすることが出来る。
【0035】
また、上記の説明では、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部について述べたが、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部もnchトランジスタ側のインピーダンス整合部と同様の構成となっている。
【0036】
また、図2において、制御手段4は、スイッチング部2,インピーダンス整合部3が上記のような構成となっていることで、pchトランジスタ側の制御手段と、nchトランジスタ側の制御手段とにより構成されている。
【0037】
ここで、pchトランジスタ側の制御手段は、初期化時などに動作するようになっており、ダミーpchトランジスタ(MOSトランジスタ)T13と、ダミー抵抗R5と、ダミーpchトランジスタT13とダミー抵抗R5とpchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T9,T10,T11,T12)との直列接続に電流を流す電流源I1と、ダミーpchトランジスタT13とダミー抵抗R5とpchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T9,T10,T11,T12)との直列接続に電流を流したときの出力電圧を基準電圧と比較する比較器CMP1と、比較器CMP1からの比較結果に基づいてpchトランジスタ側のインピーダンス整合部の各トランジスタの選択信号(c0,c1,c2,c3)を生成し、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部の設定を行なうコントローラCTL1とにより構成されている。
【0038】
同様に、nchトランジスタ側の制御手段は、初期化時などに動作するようになっており、ダミーnchトランジスタ(MOSトランジスタ)T14と、ダミー抵抗R6と、ダミーnchトランジスタT14とダミー抵抗R6とnchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T5,T6,T7,T8)との直列接続に電流を流す電流源I2と、ダミーnchトランジスタT14とダミー抵抗R6とnchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T5,T6,T7,T8)との直列接続に電流を流したときの出力電圧を基準電圧と比較する比較器CMP2と、比較器CMP2からの比較結果に基づいてnchトランジスタ側のインピーダンス整合部の各トランジスタの選択信号(c0,c1,c2,c3)を生成し、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部の設定を行なうコントローラCTL2とにより構成されている。
【0039】
pchトランジスタ側、nchトランジスタ側について、インピーダンス整合部と制御手段の動作を詳細に説明する。制御手段は、初期化時などに動作し、インピーダンス整合部の設定を行なう(例えば、初期化時にキャリブレーション(較正)動作としてインピーダンス整合部の設定がなされる)。具体的に、制御手段では、ダミー抵抗とダミースイッチトランジスタとインピーダンス整合部との直列接続に基準電流を流すことにより、抵抗端にある電圧(出力電圧)が現れる。比較器CMP1,CMP2は、その電圧(出力電圧)と基準電圧との比較結果を出力する。コントローラCTL1,CTL2は、インピーダンス整合部の選択信号c0,c1,c2,c3をインピーダンス整合部の合成抵抗値(合成インピーダンス)が小から大もしくは大から小になるように順次インクリメントし、比較器CMP1,CMP2の比較結果が一致したときの(例えば、比較結果がプラス(マイナス)からマイナス(プラス)に変化した直後もしくは直前の)選択信号を所定のレジスタやメモリ等に設定する。この時、インピーダンス整合部の合成抵抗(合成インピーダンス)は、基準電流と基準電圧で決まる値となっている。例えば基準電流を5mA、基準電圧を250mVと設定すれば、インピーダンス整合部の合成抵抗は、50Ωとなる。この時の選択信号をc0,c1,c2,c3に適用することにより、スイッチトランジスタがONした時の出力装置の出力インピーダンスを所望の値に設定することが出来る。
【0040】
このように、本発明では、インピーダンス整合部を複数のトランジスタで構成し、その出力電圧を基準電圧と比較し、基準電圧と一致する時の選択信号c0,c1,c2,c3をインピーダンス整合部の選択信号として設定することにより、出力終端部のインピーダンスを素子(トランジスタ,抵抗)のばらつきにかかわらず所望の値に設定することが可能となる。
【0041】
また、図1を参照すると、出力装置1には、該出力装置1の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部5がさらに設けられている。
【0042】
図9は図1の定電流駆動部5の具体的な構成例を示す図であり、図9の例では、定電流駆動部5として電流量可変電流源PP,MP,PN,MNが出力端子に接続されている。ここで、電流量可変電流源PPおよび電流量可変電流源MPは、電源電圧VDDから出力端子に電流を流し込み、また、電流量可変電流源PNおよび電流量可変電流源MNは、出力端子からGNDに電流を引き込むようになっている。また、各電流量可変電流源はON/OFF信号により電流をON/OFFさせることが可能となっている。この電流のスイッチングをデータがハイからロウもしくはロウからハイへの遷移時に合わせることにより、出力端子への電荷の供給や引き出しのスピードを早くすることが出来、データスイッチングの高速化が可能となる。また、出力端子のインダクタ成分による出力電圧の減衰を考慮して、データのスイッチング時に電流源から電流を重畳することにより、あらかじめ出力電圧を大きめにしておく機能(Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、同じデータが続いた時に逆に電流源で電流を差し引くことにより、以降のデータの出力電圧を小さくする機能(de−Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、電流源の電流量を可変にしておくことにより、出力電圧のスイング量を調節することが出来、また、Emphasis量またはde−Emphasis量を調節することが出来る。
【0043】
図10はEmphasis機能,de−Emphasis機能を説明するための図である。図10には、正転出力,反転出力が示されている(すなわち、図10は差動信号Txp,Txm電圧の時間変化を表している)。図10からわかるように、Emphasis機能またはde−Emphasis機能によって、変化直後の電圧振幅を通常振幅よりも大きくなるようにしている。これにより、伝送路などでのエネルギー損失があったとしても受信側に正確な信号を伝送することが可能となる。
【0044】
このように、本発明では、電流源で出力端子に電流を流し込んだり引き出したりすることにより高速化に対応することができる。
【0045】
図11は電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの構成例を示す図である。図11を参照すると、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個(図11の例では、4個)構成され、各カレントミラー回路の出力にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1,s2,s3によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0046】
また、図12は、電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの他の構成例を示す図である。図12の構成例では、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個構成され、その基準ダイオードの出力電圧にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0047】
また、図13は電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの構成例を示す図である。図13を参照すると、nchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個(図13の例では、4個)構成され、各カレントミラー回路の出力にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1,s2,s3によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0048】
また、図14は電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの他の構成例を示す図である。図14の構成例では、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個構成され、その基準ダイオードの出力電圧にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0049】
以上の電流量可変電流源のスイッチングタイミングをデータがハイからロウもしくはロウからハイへの遷移時に合わせることにより、出力端子への電荷の供給や引き出しのスピードを早くすることが出来、データスイッチングの高速化が可能となる。また出力端子のインダクタ成分による出力電圧の減衰を考慮して、データのスイッチング時に電流源から電流を重畳することにより、あらかじめ出力電圧を大きめにしておく機能(Emphasis機能)を持たせることが出来る。または、同じデータが続いた時に逆に電流源で電流を差し引くことにより、以降のデータの出力電圧を小さくする機能(de−Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、電流源の電流量を可変にしておくことにより、出力電圧のスイング量を調節することが出来、また、Emphasis量またはde−Emphasis量を調節することが可能となる。
【0050】
また、本発明では、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、上述した出力装置1を用いることができる。
【0051】
図15は本発明の出力装置を半導体レーザ駆動変調装置に適用した場合の構成例を示す図である。半導体レーザ駆動部と半導体レーザ変調部とを別々の集積回路で構成した場合、その集積回路間での信号伝送が必要となる。この時、半導体レーザ制御部の出力部に上述した本発明の出力装置を適用することにより、反射の少ない信号を正確に高速に伝送することが可能となる。
【0052】
また、本発明では、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、上述した出力装置1、または、半導体レーザ変調駆動装置を用いることができる。
【0053】
図16は、ラスター走査型画像形成装置のシステム構成例を示す図である。図16において、LD変調信号生成部で生成されたLD変調信号は、半導体レーザ駆動回路に入力され,半導体レーザの光を変調する。変調されたレーザ光は、コリメータレンズ,シリンダーレンズを介してポリゴンミラーに入力され、ポリゴンミラーにより偏向され、fθレンズを介して感光体に入射される。書き込み開始位置は、水平同期センサにより検出され、画像処理及びLD変調信号生成部に入力され、水平同期信号と画像信号に従い、LD変調信号が出力される。なお、図16において、書込み制御信号生成部は、単に画像データを生成するだけでなく、書込み制御信号、例えば主走査方向や副走査方向のカウンタ等の機能も有している為、画像データ生成部ではなく、書込み制御信号生成部としている。
【0054】
図16の画像形成装置において、例えば画像クロック生成部及びパルス生成部からLD駆動部への変調信号の伝送に本発明の出力装置を適用することが出来る。これにより、変調信号を反射を少なく正確に高速に伝送することが可能となる。
【0055】
このように、本発明は、集積回路間もしくはPCBボード間の伝送において信号波形歪みの原因となる伝送路と送信部とのインピーダンス不整合を防ぐためのインピーダンス整合部を持ち、また高速化に対応した出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置を提供することができる。
【0056】
また、一例として、図17に示すように、伝送路において、送信側と受信側は、DCカットコンデンサでDCカットされている構成にすることもできる。ただし、DCカットコンデンサは信号成分は通過するのに十分大きな容量とする。また、図17ではGNDに対して終端しているが、電源電圧に対して終端しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る出力装置の構成例を示す図である。
【図2】図1の出力装置の具体的な構成例を示す図である。
【図3】スイッチング部を説明するための図である。
【図4】スイッチング部を説明するための図である。
【図5】スイッチング部を説明するための図である。
【図6】通常のCML回路を説明するための図である。
【図7】nchトランジスタ側のインピーダンス整合部を拡大して示した図である。
【図8】インピーダンス整合部の他の構成例を示す図である。
【図9】図1の定電流駆動部の具体的な構成例を示す図である。
【図10】Emphasis機能,de−Emphasis機能を説明するための図である。
【図11】電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの構成例を示す図である。
【図12】電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの他の構成例を示す図である。
【図13】電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの構成例を示す図である。
【図14】電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの他の構成例を示す図である。
【図15】本発明の出力装置を半導体レーザ駆動変調装置に適用した場合の構成例を示す図である。
【図16】ラスター走査型画像形成装置のシステム構成例を示す図である。
【図17】伝送路にDCカットコンデンサを設ける一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 出力装置
2 スイッチング部
3 インピーダンス整合部
4 制御手段
5 定電流駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の出力ドライバ等の出力装置からの出力信号を伝送路に伝送する際に、反射による伝送信号の波形歪みをなくすため、出力装置の出力インピーダンスと伝送路のインピーダンス(厳密には、受信側の入力インピーダンス及び伝送路の特性インピーダンス)とを整合させることが行われる。このインピーダンス整合方法として、従来では、抵抗で終端させる方法をとっている。しかし、単純な抵抗では、プロセス上のばらつきがあり、正確にインピーダンス整合をとることは出来ない。伝送速度の高速化に伴い、ますますインピーダンス不整合による波形の歪みや信号減衰が問題になっている。インピーダンス整合をより正確にとるために、例えば特許文献1には、終端抵抗を可変抵抗として、伝送路の電圧をモニターしロウ(L)レベルからハイ(H)レベルへの遷移時間を基準時間と比較し、その比較結果を可変抵抗にフィードバックする方法が示されている。
【特許文献1】特開2003−8421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、信号伝送速度の一層の高速化にともない、伝送信号のモニター用に出力端子に比較器などを接続すると、その容量により出力波形がなまってしまい、伝送速度の向上の妨げになることが考えられる。また時間測定や電圧比較のためにインピーダンス整合回路が大規模になったり消費電流が増大したりする。また、出力装置が単純なスイッチ回路であると、出力インピーダンスRと出力の付加容量Cとの積であるCR時定数によってスイッチングスピードが決まってしまい、それ以上の高速化は出来ないという問題がある。
【0004】
本発明は、信号伝送速度が高速化する場合にも、インピーダンス整合を正確にとることができ、その場合に、回路の大規模化等を有効に防止することが可能な出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、前記制御手段は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定することを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部は、トランジスタを直列に複数段接続した構成となっていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、電流を生成するON状態と電流を生成しないOFF状態とを制御信号によりスイッチ可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、前記スイッチング部からの出力信号に対してEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有していることを特徴としている。
【0011】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられることを特徴としている。
【0013】
また、請求項9記載の発明は、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられることを特徴としている。
【0014】
また、請求項10記載の発明は、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至請求項8記載の発明によれば、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されているので、簡易な構成で電気信号伝送における出力装置の出力インピーダンスを補正してインピーダンス整合を正確にとることができ、また高速信号伝送に対応することも出来る。
【0016】
特に、請求項1記載の発明によれば、インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されているので、インピーダンス整合部のサイズを小さくすることができ、回路の小型化が可能となる。
【0017】
また、請求項4乃至請求項6記載の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられており、定電流駆動部が出力端子に電流の供給や引き出しをすることにより(特に、請求項6記載の発明では、定電流駆動部がEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有することにより)、高速化に対応した出力装置を提供することが出来る。
【0018】
また、請求項7記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっているので、コモンモードの雑音に対する耐性が増し、EMI対策に効果がある。さらにその場合、差動信号伝送方式においても、簡易な構成で(回路を大規模化させずに)、出力装置の出力インピーダンスを補正してインピーダンス整合を正確にとることが出来、また、高速化に対応することも出来る。
【0019】
また、請求項8記載の発明では、請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられるので、差動信号伝送方式においても回路の小型化が可能となる。
【0020】
また、請求項9記載の発明によれば、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられるので、回路の規模等を増大させずに信号伝送の高速化が可能な半導体レーザ変調駆動装置を提供することが出来る。
【0021】
また、請求項10記載の発明によれば、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられるので、回路の規模等を増大させずに信号伝送の高速化が可能な画像形成装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る出力装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、この出力装置1は、スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部2と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部3と、出力装置1の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部3を設定する制御手段4とを有し、前記インピーダンス整合部3は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴としている。
【0023】
ここで、伝送路のインピーダンスとは、厳密には、送信側から見込んだ伝送路及び受信側の入力インピーダンスを意味し、以下では、これを伝送路のインピーダンスと称す。
【0024】
図2は図1の出力装置の具体的な構成例を示す図である。なお、図2では、スイッチング部2と、インピーダンス整合部3と、制御手段4とが示されており、定電流駆動部5は図示されていない。
【0025】
すなわち、図2において、スイッチング部2は、pchトランジスタ(MOSトランジスタ)T1,T2と、pchトランジスタ(MOSトランジスタ)T1,T2側の抵抗R1,R2と、nchトランジスタ(MOSトランジスタ)T3,T4と、nchトランジスタ(MOSトランジスタ)T3,T4側の抵抗R3,R4と、出力端子Txp,Txmとにより構成されており、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっている。
【0026】
ここで、pchトランジスタT1,T2,nchトランジスタT3,T4は、スイッチトランジスタとして機能し、データ1を入力してpchトランジスタT1,nchトランジスタT4だけをオンすることで、図3に示すような回路となり、図5に示すようなデータ1の正転出力及び反転出力を出力信号として生成,出力することができ、また、データ0を入力してpchトランジスタT2,nchトランジスタT3だけをオンすることで、図4に示すような回路となり、図5に示すようなデータ0の正転出力及び反転出力を出力信号として生成,出力することが可能になっている。
【0027】
本発明では、スイッチング部2は、図3または図4に示すような回路構成となるので、図6に示すような通常のCML(コモンモードロジック)回路のように、pchトランジスタ側、nchトランジスタ側のそれぞれにおいて1つのスイッチトランジスタをオンすることにより1,0の差動データを高速化に向く小振幅の信号として出力することが出来るとともに、さらに、通常のCMLよりも消費電力を小さくすることが出来る。すなわち、図6に示すようなCML回路では、例えば、各抵抗が50Ωであり、500mVの信号電圧を発生させる場合に、20mAの電流を必要とするのに対し、図3または図4に示すような回路では、抵抗R1(R2)が50Ω,抵抗R4(R3)が50Ωであり、受信側の終端抵抗X1が100Ωであって、500mVの信号電圧を発生させる場合に、5mAの電流しか必要とせずに済む(電源電圧1Vの場合)。このように、必要な電流量を少なくできるので、消費電力を小さくでき、また、高速化に向く。
【0028】
さらに、図2のスイッチング部2は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっているので、コモンモードの雑音に対する耐性が増し、EMI対策に効果がある。
【0029】
また、図2において、インピーダンス整合部3は、スイッチング部2が上記のような構成となっていることで、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部(複数のpchトランジスタ(MOSトランジスタ)T9,T10,T11,T12)と、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部(複数のnchトランジスタ(MOSトランジスタ)T5,T6,T7,T8)とにより構成されている。すなわち、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部,nchトランジスタ側のインピーダンス整合部は、それぞれ、複数のトランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)により構成されている。
【0030】
図7は図2におけるnchトランジスタ側のインピーダンス整合部を拡大して示した図である。図7を参照すると、複数のトランジスタT5,T6,T7,T8は並列に接続されており、各トランジスタT5,T6,T7,T8は、それぞれ、制御手段4からの選択信号c0,c1,c2,c3によって選択されてオンになるようになっている。
【0031】
すなわち、インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、制御手段4は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定するようになっている。
【0032】
インピーダンス整合部が図2,図7に示すように構成されている場合、選択信号c0,c1,c2,c3をハイもしくはロウに設定することにより、オンするトランジスタを選択し、選択信号c0,c1,c2,c3を順次にインクリメントすることによってインピーダンス整合部の合成インピーダンスを順次に変化させることができる。それぞれのトランジスタT5,T6,T7,T8のサイズは同一でもよいが、トランジスタT5,T6,T7,T8のサイズをそれぞれ段階的に異ならせ選択信号をインクリメントしていったときに等間隔でインピーダンスが変化するようにした方が、より高精度にインピーダンスを調整することが出来る。
【0033】
なお、図2,図7の例では、並列に接続された複数の各トランジスタ部は、それぞれ、1つのトランジスタにより構成されているが、図8に示すように、インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部を、トランジスタを直列に複数段接続した構成にすることもできる。
【0034】
図8は2段接続にした場合の例であり、直列接続されたトランジスタのゲートには、同一の選択信号を入力する。トランジスタの特性としてゲート電圧Vgs、ドレイン電圧Vds、閾値電圧Vthとした場合、Vds<Vgs−Vthの範囲では線形領域となり、トランジスタは抵抗と同等の特性を示す。そのため、トランジスタを直列に接続してドレイン電圧Vdsをなるべく小さくすることにより、ドレイン電圧Vdsが変化した時においても抵抗としての特性を示すようにすることが出来る。
【0035】
また、上記の説明では、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部について述べたが、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部もnchトランジスタ側のインピーダンス整合部と同様の構成となっている。
【0036】
また、図2において、制御手段4は、スイッチング部2,インピーダンス整合部3が上記のような構成となっていることで、pchトランジスタ側の制御手段と、nchトランジスタ側の制御手段とにより構成されている。
【0037】
ここで、pchトランジスタ側の制御手段は、初期化時などに動作するようになっており、ダミーpchトランジスタ(MOSトランジスタ)T13と、ダミー抵抗R5と、ダミーpchトランジスタT13とダミー抵抗R5とpchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T9,T10,T11,T12)との直列接続に電流を流す電流源I1と、ダミーpchトランジスタT13とダミー抵抗R5とpchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T9,T10,T11,T12)との直列接続に電流を流したときの出力電圧を基準電圧と比較する比較器CMP1と、比較器CMP1からの比較結果に基づいてpchトランジスタ側のインピーダンス整合部の各トランジスタの選択信号(c0,c1,c2,c3)を生成し、pchトランジスタ側のインピーダンス整合部の設定を行なうコントローラCTL1とにより構成されている。
【0038】
同様に、nchトランジスタ側の制御手段は、初期化時などに動作するようになっており、ダミーnchトランジスタ(MOSトランジスタ)T14と、ダミー抵抗R6と、ダミーnchトランジスタT14とダミー抵抗R6とnchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T5,T6,T7,T8)との直列接続に電流を流す電流源I2と、ダミーnchトランジスタT14とダミー抵抗R6とnchトランジスタ側のインピーダンス整合部(T5,T6,T7,T8)との直列接続に電流を流したときの出力電圧を基準電圧と比較する比較器CMP2と、比較器CMP2からの比較結果に基づいてnchトランジスタ側のインピーダンス整合部の各トランジスタの選択信号(c0,c1,c2,c3)を生成し、nchトランジスタ側のインピーダンス整合部の設定を行なうコントローラCTL2とにより構成されている。
【0039】
pchトランジスタ側、nchトランジスタ側について、インピーダンス整合部と制御手段の動作を詳細に説明する。制御手段は、初期化時などに動作し、インピーダンス整合部の設定を行なう(例えば、初期化時にキャリブレーション(較正)動作としてインピーダンス整合部の設定がなされる)。具体的に、制御手段では、ダミー抵抗とダミースイッチトランジスタとインピーダンス整合部との直列接続に基準電流を流すことにより、抵抗端にある電圧(出力電圧)が現れる。比較器CMP1,CMP2は、その電圧(出力電圧)と基準電圧との比較結果を出力する。コントローラCTL1,CTL2は、インピーダンス整合部の選択信号c0,c1,c2,c3をインピーダンス整合部の合成抵抗値(合成インピーダンス)が小から大もしくは大から小になるように順次インクリメントし、比較器CMP1,CMP2の比較結果が一致したときの(例えば、比較結果がプラス(マイナス)からマイナス(プラス)に変化した直後もしくは直前の)選択信号を所定のレジスタやメモリ等に設定する。この時、インピーダンス整合部の合成抵抗(合成インピーダンス)は、基準電流と基準電圧で決まる値となっている。例えば基準電流を5mA、基準電圧を250mVと設定すれば、インピーダンス整合部の合成抵抗は、50Ωとなる。この時の選択信号をc0,c1,c2,c3に適用することにより、スイッチトランジスタがONした時の出力装置の出力インピーダンスを所望の値に設定することが出来る。
【0040】
このように、本発明では、インピーダンス整合部を複数のトランジスタで構成し、その出力電圧を基準電圧と比較し、基準電圧と一致する時の選択信号c0,c1,c2,c3をインピーダンス整合部の選択信号として設定することにより、出力終端部のインピーダンスを素子(トランジスタ,抵抗)のばらつきにかかわらず所望の値に設定することが可能となる。
【0041】
また、図1を参照すると、出力装置1には、該出力装置1の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部5がさらに設けられている。
【0042】
図9は図1の定電流駆動部5の具体的な構成例を示す図であり、図9の例では、定電流駆動部5として電流量可変電流源PP,MP,PN,MNが出力端子に接続されている。ここで、電流量可変電流源PPおよび電流量可変電流源MPは、電源電圧VDDから出力端子に電流を流し込み、また、電流量可変電流源PNおよび電流量可変電流源MNは、出力端子からGNDに電流を引き込むようになっている。また、各電流量可変電流源はON/OFF信号により電流をON/OFFさせることが可能となっている。この電流のスイッチングをデータがハイからロウもしくはロウからハイへの遷移時に合わせることにより、出力端子への電荷の供給や引き出しのスピードを早くすることが出来、データスイッチングの高速化が可能となる。また、出力端子のインダクタ成分による出力電圧の減衰を考慮して、データのスイッチング時に電流源から電流を重畳することにより、あらかじめ出力電圧を大きめにしておく機能(Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、同じデータが続いた時に逆に電流源で電流を差し引くことにより、以降のデータの出力電圧を小さくする機能(de−Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、電流源の電流量を可変にしておくことにより、出力電圧のスイング量を調節することが出来、また、Emphasis量またはde−Emphasis量を調節することが出来る。
【0043】
図10はEmphasis機能,de−Emphasis機能を説明するための図である。図10には、正転出力,反転出力が示されている(すなわち、図10は差動信号Txp,Txm電圧の時間変化を表している)。図10からわかるように、Emphasis機能またはde−Emphasis機能によって、変化直後の電圧振幅を通常振幅よりも大きくなるようにしている。これにより、伝送路などでのエネルギー損失があったとしても受信側に正確な信号を伝送することが可能となる。
【0044】
このように、本発明では、電流源で出力端子に電流を流し込んだり引き出したりすることにより高速化に対応することができる。
【0045】
図11は電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの構成例を示す図である。図11を参照すると、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個(図11の例では、4個)構成され、各カレントミラー回路の出力にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1,s2,s3によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0046】
また、図12は、電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの他の構成例を示す図である。図12の構成例では、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個構成され、その基準ダイオードの出力電圧にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0047】
また、図13は電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの構成例を示す図である。図13を参照すると、nchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個(図13の例では、4個)構成され、各カレントミラー回路の出力にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1,s2,s3によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0048】
また、図14は電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの他の構成例を示す図である。図14の構成例では、pchトランジスタによってカレントミラー回路が複数個構成され、その基準ダイオードの出力電圧にスイッチ用トランジスタが接続されている。このような構成では、スイッチ用トランジスタをON/OFFすることにより、電流源をON/OFFすることができ、また、選択信号s0,s1によってONするスイッチ用トランジスタを代えたり、あるいは、複数のスイッチ用トランジスタをONすることにより、電流値を可変にすることができる。
【0049】
以上の電流量可変電流源のスイッチングタイミングをデータがハイからロウもしくはロウからハイへの遷移時に合わせることにより、出力端子への電荷の供給や引き出しのスピードを早くすることが出来、データスイッチングの高速化が可能となる。また出力端子のインダクタ成分による出力電圧の減衰を考慮して、データのスイッチング時に電流源から電流を重畳することにより、あらかじめ出力電圧を大きめにしておく機能(Emphasis機能)を持たせることが出来る。または、同じデータが続いた時に逆に電流源で電流を差し引くことにより、以降のデータの出力電圧を小さくする機能(de−Emphasis機能)を持たせることが出来る。また、電流源の電流量を可変にしておくことにより、出力電圧のスイング量を調節することが出来、また、Emphasis量またはde−Emphasis量を調節することが可能となる。
【0050】
また、本発明では、半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、上述した出力装置1を用いることができる。
【0051】
図15は本発明の出力装置を半導体レーザ駆動変調装置に適用した場合の構成例を示す図である。半導体レーザ駆動部と半導体レーザ変調部とを別々の集積回路で構成した場合、その集積回路間での信号伝送が必要となる。この時、半導体レーザ制御部の出力部に上述した本発明の出力装置を適用することにより、反射の少ない信号を正確に高速に伝送することが可能となる。
【0052】
また、本発明では、チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、上述した出力装置1、または、半導体レーザ変調駆動装置を用いることができる。
【0053】
図16は、ラスター走査型画像形成装置のシステム構成例を示す図である。図16において、LD変調信号生成部で生成されたLD変調信号は、半導体レーザ駆動回路に入力され,半導体レーザの光を変調する。変調されたレーザ光は、コリメータレンズ,シリンダーレンズを介してポリゴンミラーに入力され、ポリゴンミラーにより偏向され、fθレンズを介して感光体に入射される。書き込み開始位置は、水平同期センサにより検出され、画像処理及びLD変調信号生成部に入力され、水平同期信号と画像信号に従い、LD変調信号が出力される。なお、図16において、書込み制御信号生成部は、単に画像データを生成するだけでなく、書込み制御信号、例えば主走査方向や副走査方向のカウンタ等の機能も有している為、画像データ生成部ではなく、書込み制御信号生成部としている。
【0054】
図16の画像形成装置において、例えば画像クロック生成部及びパルス生成部からLD駆動部への変調信号の伝送に本発明の出力装置を適用することが出来る。これにより、変調信号を反射を少なく正確に高速に伝送することが可能となる。
【0055】
このように、本発明は、集積回路間もしくはPCBボード間の伝送において信号波形歪みの原因となる伝送路と送信部とのインピーダンス不整合を防ぐためのインピーダンス整合部を持ち、また高速化に対応した出力装置および半導体レーザ変調駆動装置および画像形成装置を提供することができる。
【0056】
また、一例として、図17に示すように、伝送路において、送信側と受信側は、DCカットコンデンサでDCカットされている構成にすることもできる。ただし、DCカットコンデンサは信号成分は通過するのに十分大きな容量とする。また、図17ではGNDに対して終端しているが、電源電圧に対して終端しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る出力装置の構成例を示す図である。
【図2】図1の出力装置の具体的な構成例を示す図である。
【図3】スイッチング部を説明するための図である。
【図4】スイッチング部を説明するための図である。
【図5】スイッチング部を説明するための図である。
【図6】通常のCML回路を説明するための図である。
【図7】nchトランジスタ側のインピーダンス整合部を拡大して示した図である。
【図8】インピーダンス整合部の他の構成例を示す図である。
【図9】図1の定電流駆動部の具体的な構成例を示す図である。
【図10】Emphasis機能,de−Emphasis機能を説明するための図である。
【図11】電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの構成例を示す図である。
【図12】電流量可変電流源PP,電流量可変電流源MPの他の構成例を示す図である。
【図13】電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの構成例を示す図である。
【図14】電流量可変電流源PN,電流量可変電流源MNの他の構成例を示す図である。
【図15】本発明の出力装置を半導体レーザ駆動変調装置に適用した場合の構成例を示す図である。
【図16】ラスター走査型画像形成装置のシステム構成例を示す図である。
【図17】伝送路にDCカットコンデンサを設ける一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 出力装置
2 スイッチング部
3 インピーダンス整合部
4 制御手段
5 定電流駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴とする出力装置。
【請求項2】
請求項1記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、前記制御手段は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定することを特徴とする出力装置。
【請求項3】
請求項2記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部は、トランジスタを直列に複数段接続した構成となっていることを特徴とする出力装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられていることを特徴とする出力装置。
【請求項5】
請求項4記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、電流を生成するON状態と電流を生成しないOFF状態とを制御信号によりスイッチ可能に構成されていることを特徴とする出力装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、前記スイッチング部からの出力信号に対してEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有していることを特徴とする出力装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっていることを特徴とする出力装置。
【請求項8】
請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられることを特徴とする出力装置。
【請求項9】
半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられることを特徴とする半導体レーザ変調駆動装置。
【請求項10】
チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
スイッチングによって出力信号を生成して伝送路(出力ノード)に出力するスイッチング部を有する出力装置において、該出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うように調整するために設けられているインピーダンス整合部と、前記出力装置の出力インピーダンスを伝送路のインピーダンスに合うようにインピーダンス整合部を設定する制御手段とを有し、前記インピーダンス整合部は複数のトランジスタ部により構成されていることを特徴とする出力装置。
【請求項2】
請求項1記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部は、複数のトランジスタ部が並列に接続されたものとなっており、前記制御手段は、各トランジスタ部を抵抗として用いて、オンさせるトランジスタ部を選択することにより、複数のトランジスタ部の合成インピーダンスを所望のインピーダンスに設定することを特徴とする出力装置。
【請求項3】
請求項2記載の出力装置において、前記インピーダンス整合部の並列に接続された複数の各トランジスタ部は、トランジスタを直列に複数段接続した構成となっていることを特徴とする出力装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出力装置において、前記出力装置の出力端子に電流を流し込むおよび/または引き出す定電流駆動部がさらに設けられていることを特徴とする出力装置。
【請求項5】
請求項4記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、電流を生成するON状態と電流を生成しないOFF状態とを制御信号によりスイッチ可能に構成されていることを特徴とする出力装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載の出力装置において、前記定電流駆動部は、前記スイッチング部からの出力信号に対してEmphasis機能またはde−Emphasis機能を有していることを特徴とする出力装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の出力装置において、前記スイッチング部は、正転出力と反転出力の2つの出力信号を生成し出力する差動信号伝送方式のものとなっていることを特徴とする出力装置。
【請求項8】
請求項7記載の出力装置において、正転出力側と反転出力側で共通のインピーダンス整合部が用いられることを特徴とする出力装置。
【請求項9】
半導体レーザ駆動手段と半導体レーザ変調手段からなる半導体レーザ変調駆動装置において、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段とが別々のチップで構成される場合、前記半導体レーザ駆動手段と前記半導体レーザ変調手段との間の信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置が用いられることを特徴とする半導体レーザ変調駆動装置。
【請求項10】
チップ間またはボード間の電気信号伝送を有する画像形成装置において、前記画像形成装置内のチップ間またはボード間の電気信号伝送に、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の出力装置、または、請求項9記載の半導体レーザ変調駆動装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−158490(P2007−158490A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347601(P2005−347601)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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