説明

制御情報出力装置

【課題】よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を可能にする制御情報を出力する制御情報出力装置を提供する。
【解決手段】目的地だけでなく走行経路についても、蓄積された走行経路情報に基づいて推定する(S210)。また、走行が開始された後、推定した走行経路が誤りであったことがわかると(S225:Yes)、再度、目的地の推定(S205)、及び、走行経路の推定(S210)を行う。したがって、駆動力制御部へ出力する制御情報の精度が高いため、駆動力制御部において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された蓄電池の放電計画や充電計画を立てる際に役立つ制御情報を出力する制御情報出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広く知られているように、ガソリンエンジン自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の自動車は、蓄電手段(鉛蓄電池、リチウムイオン電池、キャパシタ等)を有している。そして、上記自動車は、走行の際、蓄電手段に蓄電された電力を使用するとともに、充電も一般的に行うようになっている。
【0003】
例えば、ガソリンエンジン自動車の場合は、イグニッションやエンジンECU等の動作エネルギーとして蓄電手段の電力が用いられ、その一方でエンジンの回転エネルギーを利用して発電機を回して蓄電手段に電力を蓄えさせている。
【0004】
また、ハイブリッド車両や電気自動車の場合は、蓄電手段に蓄電された電力を用いてモータを回して走行動力を得るとともに、その一方で、減速時や下り坂等で得られる回生エネルギーを電力に変換し、蓄電手段に電力を蓄えさせている。
【0005】
このような、エンジンの回転エネルギーや、減速時等の回生エネルギーは、走行状況の影響を多大に受けるため、蓄電手段に電力を蓄えさせることができるタイミングや蓄電量も、走行状況の影響を多大に受ける。したがって、走行状況に合わせて効率よく蓄電手段に電力を蓄えさせることが大変重要である。そこで、効率よく蓄電手段に電力を蓄えさせる手法として、下記の特許文献1に記載の発明(駆動制御装置)が提案されている。
【0006】
通常、蓄電手段の劣化を防ぐ目的から、充電残量は上限値と下限値の中央付近に保たれるように制御されている。例えば、上限値を充電率60%、下限値を充電率40%とし、充電率50%付近に保たれるように充電残量が管理されている。特許文献1に記載されている駆動制御装置は、この管理幅(上限値と下限値の間の幅)を、条件が揃った場合に一時的に拡大することによって蓄電効率を追求するようになっている。この条件というのは、経路上に大きな回生エネルギーを回収できる下り区間がある場合などである。
【特許文献1】特開2005−160269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このように管理幅を一時的に拡大するためには、経路上に大きな回生エネルギーを回収できる下り区間があるかどうかを予め把握しなければ十分な充電効率が得られない(∵下り区間に到達するまでに十分に放電させておく必要があるため)。そのため特許文献1に記載されている駆動制御装置では、ユーザインターフェースによって入力された情報に基づき現在地から目的地までの経路探索を行うことにより、予測走行経路を把握するようになっている。なお、特許文献1では、運転者によって目的地が設定されることが基本とされているが、運転者によって目的地が設定されなくても、運転者の過去の運転パターンから目的地を予測してもよい旨が言及されている(特許文献1の段落「0045」参照)。しかし、この場合、目的地の予測が妥当であったとしても、一般的に目的地に到達するまでの経路は複数考えられるため、運転者が推奨経路を選択するとは限らない。したがって、実際に運転者が選択する経路の予測精度は十分でないと考えられる。運転者が実際に選択する経路の予測が間違っていた場合には、十分な充電量が得られず、最悪の場合、走行不能に陥るおそれもある。
【0008】
本発明はこのような問題にかんがみなされたものであり、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を可能にする制御情報を出力する制御情報出力装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の制御情報出力装置は、走行経路情報蓄積手段と、目的地推定手段と、経路推定手段と、道路特性情報記憶手段と、制御情報出力手段とを備える。
【0010】
走行経路情報蓄積手段は、少なくとも、出発地、目的地、走行経路を特定できる情報、及び、その走行経路の走行頻度を、走行経路情報として蓄積する手段であり、目的地推定手段は、走行経路情報蓄積手段に蓄積された走行経路情報に基づき、運転開始位置を出発地とした場合に対応する目的地を推定する手段である。また、経路推定手段は、運転開始位置から目的地推定手段によって推定された目的地までの予想される走行経路を、走行経路情報蓄積手段に蓄積された走行経路情報に基づいて推定する手段であり、道路特性情報記憶手段は、道路の特性情報である道路特性情報を、所定の道路単位毎に記憶する手段である。そして、制御情報出力手段は、経路推定手段によって推定された走行経路に対応する道路特性情報を道路特性情報記憶手段から読み出し、制御情報として所定の機器へ出力する手段である。なお、「所定の道路単位」というのは、例えば、交差点間を結ぶ道路(いわゆるリンク)単位や、道路形状の変化を示すための点(いわゆる補完形状点)同士を結ぶ道路単位のような単位を意味する。また、「所定の機器」というのは、他の機器に比べて大きな電力を消費する機器の制御を担当する機器(例えば、エンジンEUC、車両駆動モータを制御するECU等)や、充電機能の制御を担当する機器等を意味する。
【0011】
このような制御情報出力装置によれば、目的地だけでなく走行経路についても、蓄積された走行経路情報に基づいて推定するようになっているため、推定された走行経路の精度が従来より良い。したがって、上記所定の機器へ出力する制御情報の精度も高く、その結果、所定の機器において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することが可能である。
【0012】
ところで、道路特性情報記憶手段は、道路特性情報として、所定の道路単位に対応した距離及び平均勾配の少なくとも何れか一方を記憶しているとよい(請求項2)。
一般的に、距離や平均勾配は、充放電計画を立案する際に非常に有効な情報となり得る。したがって、このような情報を記憶していて制御情報として所定の機器へ出力するようになっていれば、所定の機器において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することが可能になる。
【0013】
ところで、推定された走行経路の精度が従来よりも高まったと言っても、推定した走行経路が100%正しいとは限らない。そこで、経路推定手段は、運転が開始された後、推定した走行経路が誤りであったと判定されると、現在位置を通る走行経路が走行経路情報蓄積手段に走行経路情報として蓄積されているか否かを判定し、蓄積されていると判定した場合はその蓄積されている走行経路情報の何れか一つに対応する走行経路を、予想される走行経路として改めて推定してするようになっているとよい(請求項3)。
【0014】
このようになっていれば、推定された走行経路が誤りであった場合でも自動的に再度の推定がなされ、推定された新しい走行経路に基づいた制御情報が出力される。つまり、上記所定の機器へ出力される制御情報が正しいものに自動的に修正されるため、その結果、所定の機器において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することが可能になる。
【0015】
また、目的地推定手段や経路推定手段が推定処理自体に失敗する場合も考えられる(例えば、現在位置に対応する出発地が、蓄積された走行経路情報に存在しない場合等)。そのような場合、制御情報出力手段は、その旨又は所定の道路特性情報を、制御情報として上述した所定の機器へ出力するようになっているとよい(請求項4)。なお、「所定の道路特性情報」は、固定的な制御情報であってもよいし、過去の走行履歴等から計算される平均的な制御情報であってもよい。
【0016】
このようになっていれば、目的地推定手段や経路推定手段が推定処理自体に失敗した場合でも上述した所定の機器は、走行経路情報が得られないときのために用意されたしかるべき処理を行うことが可能になる(「その旨」が送られてくる場合)、又は、所定の機器において何ら例外処理を行うことなく目的地推定手段や経路推定手段が推定に成功したときと同様の制御を実施することができる(「所定の道路特性情報」が送られてくる場合)。
【0017】
ところで、走行経路における消費電力量や平均車速のような充放電計画を立案する際に有効な情報となり得る情報を取得して記憶するようになっているとよい。つまり、所定の道路単位毎に消費電力量または平均車速の少なくとも何れか一方を道路特性付加情報として取得する道路特性付加情報取得手段と、道路特性付加情報取得手段によって取得された道路特性付加情報を所定の道路単位毎に記憶する道路特性付加情報記憶手段とをさらに備えるように制御情報出力装置を構成する。そして、制御情報出力手段は、経路推定手段によって推定された走行経路に対応する道路特性付加情報を道路特性付加情報記憶手段から読み出し、その読み出した道路特性付加情報も、制御情報として所定の機器へ出力するようになっているとよい(請求項5)。
【0018】
このように、過去の実測された消費電力量または平均車速を道路特性付加情報として取得して記憶し、これらの情報が上述した所定の機器に道路特性情報とともに送信されるようになっていれば、所定の機器において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することができる。
【0019】
また、所定の道路単位毎に運転者の運転特性を運転特性情報として取得する運転特性情報取得手段と、運転特性情報取得手段によって取得された運転特性情報を所定の道路単位毎に記憶する運転特性情報記憶手段とをさらに備えるように制御情報出力装置を構成するとよい。そして、制御情報出力手段は、経路推定手段によって推定された走行経路に対応する運転特性情報を運転特性情報記憶手段から読み出し、その読み出した運転特性情報も、制御情報として所定の機器へ出力するようになっているとよい(請求項6)。この「運転特性情報」というのは、例えば、燃費重視の運転特性,メリハリのある加減速重視の運転特性,速度変化の少ない運転特性等の各運転特性を特定するための情報である。
【0020】
このようになっていれば、所定の機器において、運転者の運転特性に基づいて充放電計画を立案できるため、よりエネルギー利用効率の高い充放電の制御を実施することができる。
【0021】
ところで、一般的なナビゲーション装置が利用する道路データは、ノードデータ、リンクデータ、各ノード間に定義された補完形状点データ等から構成されていることが一般的である。したがって、道路特性情報記憶手段が記憶する道路特性情報も上記データに対応した単位で構成されていると一部データの共有が可能になる場合も考えられ都合がよい。しかしながら、平均勾配については特に充電に直結する情報であるため、より厳密であるとよい。例えば、道路特性情報記憶手段は、道路勾配の変化が所定以上ある場所に対応づけられた補完勾配点同士を結んだ線分の勾配を、平均勾配として記憶しているとよい(請求項7)。なお、ここで言う「所定以上ある場所」というのは、勾配がプラスからマイナスに変化する場所や、勾配の変化が例えば1°以上ある場所であり、充電制御の転換点に成りうるような場所である。
【0022】
このようにして定められた勾配を平均勾配として記憶していれば、所定の機器において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0024】
[構成の説明]
図1は、本発明の制御情報出力装置の機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
ナビゲーション装置20は、ガソリンエンジンとモータとを動力にするハイブリッド車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、走行経路情報に関する情報を記憶する走行経路情報記憶部30と、道路特性付加情報に関する情報を記憶する道路特性付加情報記憶部31と、運転特性情報に関する情報を記憶する運転特性情報記憶部32と、車内LANに接続された各種ECU等と通信を行う車内LAN通信部33と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28,走行経路情報記憶部30,道路特性付加情報記憶部31,運転特性情報記憶部32,車内LAN通信部33からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27,走行経路情報記憶部30,道路特性付加情報記憶部31,運転特性情報記憶部32,車内LAN通信部33を制御する制御部29とを備えている。
【0026】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21cからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0027】
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。尚、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0028】
リモコン23aは、複数のボタンから構成されており、何れかのボタンが押下されるとそのボタンの種類に応じた信号が赤外線等の近距離無線通信を介してリモコンセンサ23bに届くように構成されている。
【0029】
リモコンセンサ23bは、リモコン23aから送られる信号を受信し、受信した信号を制御部29へ出力するようになっている。
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
【0030】
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、勾配データ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、勾配データは、リンクを3分割したときの各分割片に対応する道路の平均勾配を並べたものを一組として構成されている(例:1°,0°,−1°)。
【0031】
表示部26は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなり、表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0032】
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0033】
走行経路情報記憶部30は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体から構成され、走行経路情報に関する情報を記憶する。具体的には、目的地推定用テーブルと経路推定用テーブルを保持している。これらのテーブルの具体例については後述する。
【0034】
道路特性付加情報記憶部31は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体から構成され、道路特性付加情報に関する情報を記憶する。具体的には、道路特性付加情報テーブルを保持している。このテーブルの具体例については後述する。
【0035】
運転特性情報記憶部32は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体から構成され、運転特性情報に関する情報を記憶する。具体的には、運転特性情報テーブルを保持している。このテーブルの具体例については後述する。
【0036】
車内LAN通信部33は、車内LANに接続された、アクセルセンサ41、ブレーキセンサ42、ステアリングセンサ43、消費電力量センサ44、燃料消費量センサ45及び駆動力制御部51をはじめとすると各種のセンサやECUと接続されており、これらとの通信機能を担う。
【0037】
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する現在地表示処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0038】
次に、車内LANに接続された、アクセルセンサ41、ブレーキセンサ42、ステアリングセンサ43、消費電力量センサ44、燃料消費量センサ45及び駆動力制御部51について説明する。
【0039】
アクセルセンサ41は、アクセルペダルの踏み込み量を検知するセンサである。
ブレーキセンサ42は、ブレーキペダルの踏み込み量を検知するセンサである。
ステアリングセンサ43は、ステアリングの回転量を検知するセンサである。
【0040】
消費電力量センサ44は、車両駆動用のモータ、エンジン、及び、走行に関連する電装品の消費電力量を測定するセンサである。
燃料消費量センサ45は、エンジンによって消費される燃料の消費量を測定するセンサである。
【0041】
駆動力制御部51は、エンジン及び車両駆動モータを制御するECUである。
[動作の説明]
次に、制御部29が実行する処理のうち、本発明に関連する処理について説明する。なお、一般的なナビゲーション装置の制御部が実行する広く知られた処理(経路案内処理等)については、説明を省略する。
【0042】
(1)情報収集処理
まず、制御部29が実行する情報収集処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、情報収集処理は、ナビゲーション装置20への電力供給が開始された際に実行が開始される。
【0043】
制御部29は、情報収集処理の実行を開始すると、まず走行が開始されたか否かを判定する(S105)。ここで言う「開始」というのは、車速が0km/hの状態で所定時間以上(例えば10分以上)経過した後に車両が動き始めたときを意味する。つまり、自宅や訪問先等において、所定時間以上停止された後、車両が動き始めたときに走行が開始されたと判定され、交差点等において一時的に停止した後に動き始めたときは当てはまらない。以下、このときの走行開始地点を「出発地」と言う。
【0044】
この判定の結果、走行が開始されたと判定した場合は(S105:Yes)、S110へ処理を移行し、走行は開始されていないと判定された場合は(S105:No)、走行が開始されるまで本ステップにとどまる。
【0045】
走行が開始されたと判定した場合に進むS110では、走行経路情報の記憶を開始する。これは、走行開始座標、走行開始日時、走行経路、走行終了座標及び走行終了日時を制御部29のRAMへ記憶することである。
【0046】
続いて、道路特性付加情報の記憶を開始する(S115)。これは、道路データのリンク毎に消費電力量及び平均車速を測定し、制御部29のRAMに記憶することである。
続いて、運転特性情報の記憶を開始する(S120)。これは、道路データのリンク毎に運転者の運転特性を判断し、制御部29のRAMに記憶することである。なお、運転特性というのは、燃費重視の運転特性,メリハリのある加減速重視の運転特性,速度変化の少ない運転特性,走行音を低減させた運転特性等である。なお、この判断は周知の手法を用いる。
【0047】
続いて、走行が終了したか否かを判定する(S125)。これは、車速が0km/hの状態で所定時間以上(例えば10分以上)経過した場合、車両のイグニッションキーをオフにした場合、自宅等の地点登録場所に到達した場合等に、走行が終了したと判定することである。つまり、交差点での信号待ちのような、目的地でない場所に停止したとき等を排除している。
【0048】
この判定の結果、走行は終了したと判定した場合には(S125:Yes)、S130へ処理を移行し、走行は終了していないと判定した場合は(S125:No)、本ステップ(S125)にとどまる。
【0049】
走行は終了したと判定した場合に進むS130では、制御部29のRAMへ記憶させていた上記各情報を対応する記憶部へ反映させる。そして上記各情報を対応する記憶部へ反映させると、本処理(情報収集処理)を終了する。
【0050】
ここで、上記各情報の具体例と、対応する記憶部への反映の様子を図3及び図4を用いて説明する。
図3(a)は、出発地(座標(X1,Y1))から目的地(座標(X2,Y2))までのリンクの様子を示す説明図である。今回、運転者は太線で示すリンクを通って出発地(座標(X1,Y1))から目的地(座標(X2,Y2))まで到達したとする。つまり、リンク1→リンク6→リンク17→リンク12→リンク15を通ったとする。その場合、図3(b)〜図3(d)に示すようなデータが制御部29のRAMに記憶される。
【0051】
図3(b)は、走行経路情報であり、走行開始座標「(X1,Y1)」、走行開始日時「7月1日(金)7:05」、走行経路「1→6→17→12→15」、走行終了座標「(X2,Y2)」、及び、走行終了日時「7月1日(金)8:00」から構成される。なお、走行経路の各データはリンク番号に対応している。
【0052】
図3(c)は、道路特性付加情報であり、走行経路「1→6→17→12→15」、消費電力量「162KJ→144KJ→185KJ→238KJ→197KJ」、及び、平均車速「25km/h→45km/h→17km/h→12km/h→15km/h」から構成される。なお、消費電力量,平均車速を構成する各データは、走行経路を構成するリンクに対応している。また、本実施形態では消費電力量は、消費電力量センサ44から得られるデータを用いているが、秒単位にサンプリングした電力消費量[W]を足し合わせることによって便宜的に消費電力量[J]としてもよいし、平均消費電力が得られるのであれば、平均消費電力[W]×リンク旅行時間[s]=消費電力量[J]という計算式で消費電力量を求めてもよい。
【0053】
図3(d)は、運転特性情報であり、走行経路「1→6→17→12→15」、及び、運転特性「燃費重視→燃費重視→燃費重視→燃費重視→加減速重視」とから構成される。なお、運転特性を構成する各データは、走行経路を構成するリンクに対応している。
【0054】
図4(a)は、走行開始座標が(X1,Y1)の目的地推定用テーブルである。つまり、走行開始座標毎に目的地推定用テーブルが存在する。図4(a)の目的地推定用テーブルは、縦軸が走行開始時間帯(7:00〜7:30,7:30〜8:00,・・・)、横軸が走行終了座標((X2,Y2),(X3、Y3),(X4,Y4))となったマットリックス状になっており、対応するセルには、その走行開始時間帯にその走行終了座標に行った回数が曜日毎に記録されている。例えば、走行開始時間帯が7:00〜7:30の間に、(X1,Y1)から(X2,Y2)へは、月曜日に5回、火曜日に4回、水曜日に4回、木曜日に4回、金曜日に4回、土曜日に2回、日曜日に0回、行っていることが記録されている。
【0055】
したがって、このテーブルを確認することによって、特定時間帯において、特定の場所を出発地とした場合の最も訪問した回数の多い目的地の座標を曜日毎に知ることができる。なお、このテーブルは、走行経路情報から生成される。
【0056】
図4(b)は、走行開始座標が(X1,Y1),走行終了座標(X2,Y2)の経路推定用テーブルである。つまり、走行開始座標と走行終了座標の組み合わせ毎に経路推定用テーブルが存在する。図4(b)の経路推定用テーブルは、縦軸が走行開始時間帯(7:00〜7:30,7:30〜8:00,・・・)、横軸が走行経路(1→6→17→12→15,1→7→18→12→15,3→10→14→16)となったマットリックス状になっており、対応するセルには、その走行開始時間帯にその走行経路を走行した回数が曜日毎に記録されている。例えば、走行開始時間帯が7:00〜7:30の間に、1→6→17→12→15という走行経路を走行した回数は、月曜日に4回、火曜日に3回、水曜日に3回、木曜日に2回、金曜日に1回、土曜日に0回、日曜日に0回であるということが記録されている。
【0057】
したがって、このテーブルを確認することによって、特定時間帯における、走行経路毎の走行回数を曜日毎に知ることができる。なお、このテーブルは、走行経路情報から生成される。
【0058】
図4(c)は、走行開始座標が(X1,Y1),走行終了座標(X2,Y2)の道路特性付加情報テーブルである。つまり、走行開始座標と走行終了座標の組み合わせ毎に道路特性付加情報テーブルが存在する。図4(c)の道路特性付加情報テーブルは、走行経路と、データサンプル数と、走行経路のリンクに対応させた平均消費電力量の推移と、走行経路のリンクに対応させた平均車速の推移とからなるレコードから構成される。なお、データサンプル数というのは、平均を求める際に用いた母集団の数を意味する。
【0059】
したがって、このテーブルを確認することによって、走行経路毎の平均消費電力量と平均車速とを知ることができる。なお、このテーブルは、道路特性付加情報から生成される。
【0060】
図4(d)は、走行経路(1→6→17→12→15)についての運転特性情報テーブルである。つまり、走行経路毎に運転特性情報テーブルが存在する。図4(d)の運転特性情報テーブルは、走行経路(1→6→17→12→15)を構成するリンク毎に、それぞれの運転特性で運転された回数が記録されている。
【0061】
したがって、このテーブルを確認することによって、リンク毎にどの運転特性で何回運転されたかを知ることができる。なお、このテーブルは運転特性情報から生成される。
(2)制御情報出力処理
次に、制御部29が実行する制御情報出力処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、制御情報出力処理は、ナビゲーション装置20への電力供給が開始された際に実行が開始される。
【0062】
制御部29は、制御情報出力処理の実行を開始すると、まず目的地を推定する(S205)。これは、位置検出器21の信号から得られる現在位置を走行開始座標とし、該当する目的地推定用テーブルをまず特定する。そして、特定した目的地推定用テーブルの該当する走行開始時間帯において、今日の曜日に対応した数値が最も多い走行終了座標を、目的地として推定する。例えば、現在位置の座標を(X1,Y1)、7時15分、金曜日とすると、図4(a)の目的地推定用テーブルでは、(X2,Y2),(X3,Y3),(X4,Y4)のうち、(X3,Y3)が「金:4」で最多であるため、運転者が向かおうとしている目的地の座標を(X2,Y2)と推定する。なお、最多である座標が複数あった場合には、例えば、ランダムに一つ選択するようになっていればよい。
【0063】
続いて、予想される走行経路を推定する(S210)。これは、現在位置からS205で推定した目的地までに対応した経路推定用テーブルをまず特定する。そして、特定した経路推定用テーブルの該当する時間帯において、今日の曜日に対応した数値が最も多い走行経路を選ぶことによって予想される走行経路とする。例えば、現在の時間が7:15、今日の曜日が月曜日であったとすると、図4(b)の経路推定用テーブルでは、「1→6→17→12→15」という走行経路が「月:4」で最多であるため、運転者が選択しようとしている走行経路を「1→6→17→12→15」と推定する。なお、最多である経路が複数あった場合には、例えば、ランダムに一つ選択するようになっていればよい。
【0064】
続いて、S205における目的地の推定及びS210における走行経路の推定について、ともに成功したか否かについて判定する(S215)。推定に成功したと判定した場合は(S215:Yes)、S220へ処理を移行し、推定に失敗したと判定した場合は(S215:No)、S235へ処理を移行する。なお、推定に失敗するというのは、上述したテーブルが存在しない場合や、テーブルは存在しても該当するデータが存在しない場合である。
【0065】
推定に成功したと判定した場合に進むS220では、推定した走行経路に対応する制御情報を駆動力制御部51へ出力する。この制御情報の具体例については後述する。
続いて、S210で推定した走行経路から離脱したか否かを判定する(S225)。これは、位置検出器21から得られる信号と地図データ入力器25から得られる地図データとS210で推定した走行経路とから判定する。
【0066】
この結果、推定した走行経路から離脱したと判定した場合は(S225:Yes)、S205へ処理を戻し、推定した走行経路から離脱していないと判定した場合は(S225:No)、S230へ処理を移行する。
【0067】
推定した走行経路から離脱していないと判定した場合に進むS230では、目的地に到着したか否かを判定する。これは、位置検出器21から得られる信号と地図データ入力器25から得られる地図データとS210で推定した走行経路とから判定する。
【0068】
この結果、目的地に到着したと判定した場合は(S230:Yes)、本処理(制御情報出力処理)を終了し、目的地に到着していないと判定した場合は(S230:No)、S225へ処理を戻す。
【0069】
S215の判定において推定できたなかったと判定した場合に進むS235では、既定の制御情報を出力開始する。この制御情報については後述する。既定の制御情報の出力を終えると、本処理(制御情報出力処理)を終了する。
【0070】
次に、S220で出力する制御情報について図6の説明図を用いて説明する。この制御情報の各組は、リンク番号と、平均勾配と、平均消費電力量と、平均車速と、運転特性と、距離とから構成され、走行経路を構成するリンクの数だけこの組が存在する。リンク番号は、走行経路を構成するリンクのリンク番号に対応する。平均勾配は、リンクを3分割したときの各分割片に対応する道路の平均勾配を並べたものを一組にしものであり、地図データ記憶媒体から取得する。平均消費電力量は、道路特性付加情報テーブルより取得する。運転特性は、運転特性情報テーブルより取得する。距離は、地図データ記憶媒体から取得する。
【0071】
制御部29は、このような制御情報の各組を生成し、駆動力制御部51へ一度に出力する。駆動力制御部51は、受け取った制御情報に基づいて駆動力の制御を行い、効率的な充放電を行う。
【0072】
次に、S235で出力する既定の制御情報について説明する。この制御情報は、目的地又はその目的地までの経路を推定できなかった場合に駆動力制御部51へ出力する制御情報であるため、標準的な数値から構成された制御情報である。制御情報を構成する要素は、基本的に図6の説明図を用いて説明した制御情報と同じであるが、リンク番号については不定を意味する番号が設定されており、平均勾配、平均消費電力量、平均車速、距離についてはリンクの平均的な数値が設定されており、運転特性については運転特性情報テーブルに記憶されている中で最もカウント数の多い運転特性が設定されている。
【0073】
[実施形態の効果]
以上、実施形態のナビゲーション装置20の構成及び動作について説明したが、ナビゲーション装置20によれば、以下の効果を奏する。
【0074】
ナビゲーション装置20は、目的地だけでなく走行経路についても、蓄積された走行経路情報に基づいて推定するようになっているため(図5のS210)、推定された走行経路の精度が従来より良い。したがって、駆動力制御部51へ出力する制御情報の精度が高いため、駆動力制御部51において、より効率的な充放電計画を立てることができ、結果としてエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することができる。
【0075】
また、走行が開始された後、推定した走行経路が誤りであったことがわかると(S225:Yes)、再度、目的地の推定(S205)、及び、走行経路の推定(S210)を行うようになっている。
【0076】
このため、推定した走行経路が誤りであった場合でも自動的に再度の推定がなされ、推定された新しい走行経路に基づいた制御情報が出力される。つまり、駆動力制御部51へ出力される制御情報が正しいものに自動的に修正されるため、駆動力制御部51において、より正確な充放電計画を立てることができ、結果としてエネルギー利用効率の向上につながる。
【0077】
また、目的地や走行経路の推定に失敗した場合には、既定の制御情報を出力するようになっている(S235)。したがって、目的地や走行経路の推定に失敗した場合にも、駆動力制御部51において何ら例外処理を行うことなく、目的地や走行経路の推定に成功したときと同様の制御を実施することができる。
【0078】
また、消費電力量、平均車速、運転者の運転特性のような充放電計画を立案する際に有効な情報となり得る情報を記憶するようになっており、それらを制御情報として出力するようになっているため、駆動力制御部51において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することができる。
【0079】
[他の実施形態]
(1)目的地推定用テーブルや経路推定用テーブルを月単位で分けて構成するとよい。月単位で分けて構成し、月の要素を指定して目的地等の推定を行えば、より目的地や走行経路の推定の精度が高まる。
【0080】
(2)上記実施形態では、制御情報の一組を構成する平均勾配は、リンクを3分割したときの各分割片に対応する道路の平均勾配を並べたものであったが(図6参照)、より細分化された平均勾配を用いるようになっているとよい。以下に、具体例を示す。
【0081】
図7(a)は、水平面上の距離と高度との関係が明らかになるように、ノード(白点)と補完形状点(黒点)とを表した説明図である。同図に示すように、各点同士を結ぶことによって表される線分の角度を勾配とし、これらを並べたものを、制御情報の一組を構成する平均勾配として用いるようにしてもよい。
【0082】
しかし、一般的な補完形状点は、平面方向の形状変化を表すための点であるため、勾配変化に対応していない。したがって、実際の勾配変化が図7(b)に示す曲線であったとすると、勾配が上がって下がるように変化している場合、勾配が0に近いものとなってしまい、本発明に利用する平均勾配としては都合が悪い場合も考えられる。
【0083】
そこで、図7(c)に示すように、勾配の変化の大きい場所を補完勾配点とし、その補完勾配点を結んだ線分の勾配を、平均勾配として用いるようにするとよい。なお、ここで言う「勾配の変化の大きい場所」というのは、勾配がプラスからマイナスに変化する場所や、勾配の変化が例えば1°以上発生する場所であり、充電制御の転換点に成りうるような場所である。
【0084】
このようにして定められた勾配を平均勾配として記憶していれば、駆動力制御部51において、よりエネルギー利用効率の良い充放電の制御を実施することができる。
なお、図7(c)では、補完形状点間に補完勾配点を設定したが、補完形状点の代わりにノードを利用してノード間に補完勾配点を設定してもよい。また、補完勾配点の数があまりに多い場合は、補完勾配点間の勾配を比較し、変化の大きい場所から順に所定数だけ選択して(間引いて)補完勾配点を設定するようにしてもよい。
【0085】
(3)S235で出力する既定の制御情報は、標準的な数値から構成された制御情報であってもよいが、このような制御情報の代わりに、目的地の推定又は経路の推定に失敗した事実を示すデータを、既定の制御情報としてS235で出力するようになっていてもよい。このようになっていれば、走行経路情報が得られないときのために駆動力制御部51側で用意されたしかるべき処理を駆動力制御部51は行うことが可能になる。
【0086】
(4)上記実施形態では、リンク毎に平均消費電力量を駆動力制御部51に出力するようになっていたが、平均消費電力量の代わりに平均消費電力と平均走行時間とを駆動力制御部51に出力するようになっていてもよい。なお、その場合には、道路特性付加情報としてリンク単位に平均消費電力と走行時間とを制御部29のRAMに記憶するようになっているとよいし、道路特性付加情報テーブルには、平均消費電力及び走行時間の平均をリンク単位に記憶するようになっているとよい。このようになっていても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0087】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0088】
走行経路情報記憶部30が走行経路情報蓄積手段に相当し、地図データ入力器25にセットされた地図データ記憶媒体が道路特性情報記憶手段に相当し、道路特性付加情報記憶部31が道路特性付加情報記憶手段に相当し、運転特性情報記憶部32が運転特性情報記憶手段に相当する。
【0089】
また、車内LAN通信部33が、道路特性付加情報取得手段及び運転特性情報取得手段に相当し、制御部29が制御情報出力手段に相当する。
また、制御部29が実行する制御情報出力処理におけるS205が目的地推定手段としての機能に相当し、制御部29が実行する制御情報出力処理におけるS210が経路推定手段としての機能に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】情報収集処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】走行経路情報,道路特性付加情報,運転特性情報を説明するための説明図である。
【図4】目的地推定用テーブル,経路推定用テーブル,道路特性付加情報テーブル,運転特性情報テーブルを説明するためのテーブルレイアウト図である。
【図5】制御情報出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】制御情報の一例を説明するための説明図である。
【図7】平均勾配の設定方法の別例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0091】
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部、30…走行経路情報記憶部、31…道路特性付加情報記憶部、32…運転特性情報記憶部、33…車内LAN通信部、41…アクセルセンサ、42…ブレーキセンサ、43…ステアリングセンサ、44…消費電力量センサ、45…燃料消費量センサ、51…駆動力制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、出発地、目的地、走行経路を特定できる情報、及び、その走行経路の走行頻度を、走行経路情報として蓄積する走行経路情報蓄積手段と、
前記走行経路情報蓄積手段に蓄積された前記走行経路情報に基づき、運転開始位置を出発地とした場合に対応する目的地を推定する目的地推定手段と、
運転開始位置から前記目的地推定手段によって推定された目的地までの予想される走行経路を、前記走行経路情報蓄積手段に蓄積された前記走行経路情報に基づいて推定する経路推定手段と、
所定の道路単位毎に、道路の特性情報である道路特性情報を記憶する道路特性情報記憶手段と、
前記経路推定手段によって推定された前記走行経路に対応する前記道路特性情報を前記道路特性情報記憶手段から読み出し、制御情報として所定の機器へ出力する制御情報出力手段と、
を備えることを特徴とする制御情報出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御情報出力手段において、
前記道路特性情報記憶手段は、前記道路特性情報として、前記所定の道路単位に対応した距離及び平均勾配の少なくとも何れか一方を記憶していること、
を特徴とする制御情報出力装置
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御情報出力装置において、
前記経路推定手段は、運転が開始された後、推定した走行経路が誤りであったと判定されると、現在位置を通る走行経路が前記走行経路情報蓄積手段に走行経路情報として蓄積されているか否かを判定し、蓄積されていると判定した場合はその蓄積されている走行経路情報の何れか一つに対応する走行経路を、予想される走行経路として改めて推定し、
前記制御情報出力手段は、前記経路推定手段によって改めて推定された前記走行経路に対応する前記道路特性情報を前記道路特性情報記憶手段から読み出し、制御情報として所定の機器へ出力すること、
を特徴とする制御情報出力装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の制御情報出力装置において、
前記制御情報出力手段は、前記目的地推定手段又は前記経路推定手段の少なくとも何れか一方が推定を行えなかった場合、その旨又は所定の道路特性情報を、前記制御情報として前記所定の機器へ出力すること、
を特徴とする制御情報出力装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の制御情報出力装置において、
所定の道路単位毎に消費電力量または平均車速の少なくとも何れか一方を道路特性付加情報として取得する道路特性付加情報取得手段と、
前記道路特性付加情報取得手段によって取得された前記道路特性付加情報を前記所定の道路単位毎に記憶する道路特性付加情報記憶手段と、
をさらに備え、
前記制御情報出力手段は、前記経路推定手段によって推定された前記走行経路に対応する前記道路特性付加情報を前記道路特性付加情報記憶手段から読み出し、その読み出した前記道路特性付加情報も、前記制御情報として前記所定の機器へ出力すること、
を特徴とする制御情報出力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の制御情報出力装置において、
所定の道路単位毎に運転者の運転特性を運転特性情報として取得する運転特性情報取得手段と、
前記運転特性情報取得手段によって取得された前記運転特性情報を前記所定の道路単位毎に記憶する運転特性情報記憶手段と、
をさらに備え、
前記制御情報出力手段は、前記経路推定手段によって推定された前記走行経路に対応する運転特性情報を前記運転特性情報記憶手段から読み出し、その読み出した前記運転特性情報も、前記制御情報として前記所定の機器へ出力すること、
を特徴とする制御情報出力装置。
【請求項7】
請求項2、又は、請求項2を引用する請求項3〜6の何れかに記載の制御情報出力装置において、
前記道路特性情報記憶手段は、道路勾配の変化が所定量以上ある場所に対応づけられた補完勾配点同士を結んだ線分の勾配を、前記平均勾配として記憶していること、
を特徴とする制御情報出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−70326(P2008−70326A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251348(P2006−251348)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】