説明

加湿機能付き空気清浄装置

【課題】空気清浄機能と加湿機能を小型の羽根車を用いて実現できる構成とし本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することを目的としている。
【解決手段】本体101内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸21に接続された円盤状の主板18の両側に複数の第1ブレード19および複数の第2ブレード20を各々配設した羽根車108と、前記本体101内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレード19により昇圧し本体101外部へ供給する加湿風路110と、前記モータの駆動により前記本体101内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレード20により昇圧し前記本体101外部へ供給する空清風路17を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を浄化しながら加湿することのできる加湿機能付き空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の室内環境への意識の高まりとともに、室内の空気を浄化する空気清浄装置に対する注目度は大きくなり、求められる機能に対する要求も多様化してきている。その中で、加湿機能が付属した空気清浄装置は使用シーズンが重なることや1台で2種の機能を有するので設置場所や収納場所を取らない等の利点から、その需要が高まってきている。
【0003】
従来、この種の加湿機能付き空気清浄装置の一例として、図5、6に示すように本体101と、本体101に開口した吸気口105および排気口106と、吸気口105と排気口106を連通する矢符107に示される空気の風路と、風路内に設けられた空清フィルタ102と、空清フィルタ102より下流側に配設された単一の羽根車108および羽根車108を収容したケーシング109およびファンモータ103からなる送風手段と、空清フィルタ102により清浄化された空気の一部が選択的に取り込まれる加湿風路110と、加湿風路110に配設された加湿手段としての加湿フィルタ104と、加湿された空気を本体外部へ供給する吹出口111を設け、ケーシング109の一部は案内板112によって形成され、案内板112はリンク113を介して閉鎖する位置と開放する位置の間を移動し、加湿風路110を開閉するように構成されているものがある(特許文献1参照)。
【0004】
以下、その動作について説明する。
【0005】
送風手段の駆動によって本体101内に吸引された空気は、空清フィルタ102によって清浄化され、羽根車108により昇圧され、本体101外部へ排出されるが、ケーシング109の一部を形成している案内板112が開放されている場合には、清浄化され羽根車108によって昇圧された空気の一部が分流し、加湿風路110に送風され、そこで加湿手段によって加湿され、吹出口111より吹き出される。
【特許文献1】特開2005−61655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
加湿機能付き空気清浄装置の需要の高まりとともに、取り回しがよく配置しやすい、より小型化された装置が求められるようになってきている。しかし、特開2007−10230号公報に示される加湿機能付き空気清浄装置は、本体に吸気された空気が空気清浄手段を通り、送風手段において羽根車によって昇圧され、本体外部へ排出される風路と本体外部へ排出される風路から分岐して加湿手段を通過して本体外部へ排出される風路とに分流するものであり、加湿を行う場合には、加湿手段の通風抵抗による圧力損失があるため、羽根車によって昇圧された空気のうちの大半は加湿手段を通らずに本体外部へ排出されてしまうので、加湿手段に対して求める加湿能力を発揮できるような風量を送風するためにはさらに昇圧されることが必要となるが、従来の装置では主板に1種類のブレードのみを有する羽根車を用いることと、羽根車によって空気清浄手段および加湿手段を通る空気と空気清浄手段のみを通る空気との両方を混合したまま昇圧するものであることから、加湿手段に対して必要十分な風量を通風させることができるような昇圧量を確保するためには大型の羽根車を使用せざるを得ず、本体を小型化することが困難なものであった。
【0007】
また、空気清浄手段および加湿手段を通る空気と空気清浄手段のみを通過させた空気をそれぞれ個別の送風手段を用いることによって求められる風量を確保するという方法も考えられるが、このためには羽根車をさらにもう1つ備える必要があるため、やはり本体の小型化が困難となるものであった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、従来の方法に比べ、空気清浄機能と加湿機能を小型の羽根車を用いて実現できる構成としたので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための本発明における第1の課題解決手段は、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備えたものである。
【0010】
この手段により、空気清浄機能と加湿機能を小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0011】
また、第2の課題解決手段は、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通さずに前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備えたものである。
【0012】
この手段により、空気清浄機能と加湿機能を小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0013】
また、第3の課題解決手段は、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備え、本体内に吸引された空気を空気清浄手段を通さずに加湿風路に通すための空清バイパス風路を備え、空清バイパス風路内に空清バイパス風路を通過する空気の流量を調整するための空清用流量調整手段を備えたものである。
【0014】
この手段により、空気清浄機能と加湿機能を、小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することができる。また、一時的に加湿能力を上げるため、加湿風路を通過する風量を増加させたい場合に、通風抵抗の高い空気清浄手段を通さないことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0015】
また、第4の課題解決手段は、上記第1乃至第3のいずれかの課題解決手段において、スクロール状のケーシングを備え、前記ケーシングは羽根車を収容して前記羽根車の第1ブレード側および第2ブレード側に各々ベルマウス状の第1吸込口および第2吸込口を開口するとともに前記第1ブレードおよび前記第2ブレードにおいて昇圧された空気を吹き出す排出口を開口し、前記ケーシング内部に加湿風路と空清風路を区分する隔壁を備えたものである。
【0016】
この手段により、加湿風路の通風抵抗と空清風路の通風抵抗とに大きく差がある場合でもそれに対応した昇圧量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0017】
また、第5の課題解決手段は、上記第1乃至第4のいずれかの課題解決手段において、加湿手段の上流と下流とを連通する加湿バイパス風路を備え、前記加湿バイパス風路内に、前記加湿バイパス風路を通過する空気流量を調整する加湿用流量調整手段を備えたものである。
【0018】
この手段により、一時的に空気清浄能力を上昇させたい場合に通風抵抗の高い加湿手段部分を通さないで空気を通風させることができるので、求められる空気清浄能力に応じて通風量を増減させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0019】
また、第6の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、微細水滴を発生させることによる加湿手段を備えたものである。
【0020】
この手段により、微細水滴の放出により、空気の加湿機能に加え、肌浸透性が向上するうるおい効果を付帯させることが可能となる加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0021】
また、第7の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、気化式による加湿手段を備えたものである。
【0022】
この手段により、消費電力を低減しより省エネな加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0023】
また、第8の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、スチーム式による加湿手段を備えたものである。
【0024】
この手段により、より迅速で冷風感の少ない加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0025】
また、第9の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、超音波式による加湿手段を備えたものである。
【0026】
この手段により、より小型でより迅速な加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0027】
また、第10の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、加圧された水を噴霧して加湿するスプレー式による加湿手段を備えたものである。
【0028】
この手段により、より迅速で制御性のよい加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0029】
また、第11の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、圧縮された空気と水を混合して噴霧して加湿する二流体スプレー式による加湿手段を備えたものである。
【0030】
この手段により、より迅速で制御性のよい加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0031】
また、第12の課題解決手段は、上記第1乃至第11のいずれかの課題解決手段において、加湿手段よりも上流に空気を加熱するための加熱手段を備えたものである。
【0032】
この手段により、加湿手段を通る空気の飽和水蒸気量を増加させることにより加湿能力をさらに向上させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0033】
また、第13の課題解決手段は、上記第1乃至第12のいずれかの課題解決手段において、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗の高い風路側のブレードの内径を他方のブレードの内径よりも小さくしたものである。
【0034】
この手段により、羽根車の特性として通風抵抗の高い風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0035】
また、第14の課題解決手段は、上記第1乃至第12のいずれかの課題解決手段において、第1ブレードの内径を第2ブレードの内径よりも小さくしたものである。
【0036】
この手段により、羽根車の特性として加湿風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0037】
また、第15の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレード長さを他方のブレード長さよりも長くしたものである。
【0038】
この手段により、必要風量が大きい風路側により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0039】
また、第16の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、第1ブレード長さを第2ブレード長さよりも長くしたものである。
【0040】
この手段により、加湿風路により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0041】
また、第17の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレードの本数を他方のブレードの本数よりも多くしたものである。
【0042】
この手段により、必要風量が大きい風路側により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0043】
また、第18の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、第1ブレードの本数を第2ブレードの本数よりも多くしたものである。
【0044】
この手段により、加湿風路により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0045】
また、第19の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のブレードの出口角を他方のブレードの出口角よりも小さくしたものである。
【0046】
この手段により、羽根車の特性として通風抵抗が大きい側の静圧−風量特性を高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0047】
また、第20の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、第1ブレードの出口角を第2ブレードの出口角よりも小さくしたものである。
【0048】
この手段により、羽根車の特性として加湿風路側の静圧−風量特性をより高静圧よりにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0049】
また、第21の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のケーシングのスクロール拡大角を他方のスクロール拡大角よりも小さくしたものである。
【0050】
この手段により、通気抵抗の高い風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0051】
また、第22の課題解決手段は、上記第1乃至第12の課題解決手段において、加湿風路側のケーシングのスクロール拡大角を空清風路側のケーシングのスクロール拡大角よりも小さくしたものである。
【0052】
この手段により、加湿風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明の加湿機能付き空気清浄装置は、空気清浄機能と加湿機能を小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0054】
また、一時的に加湿能力を上げるため、加湿風路を通過する風量を増加させたい場合に、通風抵抗の高い空気清浄手段を通さないことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0055】
また、加湿風路の通風抵抗と空清風路の通風抵抗とに大きく差がある場合でもそれに対応した昇圧量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0056】
また、一時的に空気清浄能力を上昇させたい場合に通風抵抗の高い加湿手段部分を通さないで空気を通風させることができるので、求められる空気清浄能力に応じて通風量を増減させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0057】
また、微細水滴の放出により、空気の加湿機能に加え、肌浸透性が向上するうるおい効果を付帯させることが可能となる加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0058】
また、消費電力を低減しより省エネな加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0059】
また、より迅速で冷風感の少ない加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0060】
また、より小型でより迅速な加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0061】
また、より迅速で制御性のよい加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0062】
また、加湿手段を通る空気の飽和水蒸気量を増加させることにより加湿能力をさらに向上させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0063】
また、羽根車の特性として通風抵抗の高い風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0064】
また、羽根車の特性として加湿風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0065】
また、必要風量が大きい風路側により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0066】
また、加湿風路により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0067】
また、通気抵抗の高い風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0068】
また、加湿風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
本発明の加湿機能付き空気清浄装置は、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ供給する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ供給する空清風路を備えたものであり、本体内に、空気清浄と加湿を行う空気を通風させるための加湿風路に加え、空気清浄を行う空気のみを通風させるための空清風路を設けており、かつ、主板の一方の面に複数の第1ブレードを備え、他方の面に複数の第2ブレードを備えた羽根車を内設しているので、第1ブレード、第2ブレードのうち一方のブレードを加湿風路内に、他方を空清風路内に配置することによって、加湿または空気清浄を行うために求められる風量を加湿風路と空清風路とに配分し、加湿風路を通過する空気と空清風路を通過する空気をそれぞれ個別に昇圧することができるため、主板に1種類のみのブレードを有する羽根車を用いて求められる全ての風量を通風できるように昇圧させる場合よりも直径の小さな羽根車を用いて同様の効果を得ることができることと、求める加湿能力や空気清浄能力に対してそれぞれの風路に通風させなければならない風量を送風できるように第1ブレードおよび第2ブレードの形状を最適化することが可能となることから、羽根車を小型化することができることの2つの効果が得られる。
【0070】
したがって、大容量の空気を清浄する機能と必要十分な空気加湿をする機能を、小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0071】
また、本発明における請求項2の発明によれば、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通さずに前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備えたものであり、本体内に、加湿を行う空気を通風させるための加湿風路に加え、空気清浄を行う空気のみを通風させるための空清風路を設けており、かつ、主板の一方の面に複数の第1ブレードを備え、他方の面に複数の第2ブレードを備えた羽根車を内設しているので、第1ブレード、第2ブレードのうち一方のブレードを加湿風路内に、他方を空清風路内に配置することによって、加湿または空気清浄を行うために求められる風量を加湿風路と空清風路とに配分し、加湿風路を通過する空気と空清風路を通過する空気をそれぞれ個別に昇圧することができるため、主板に1種類のみのブレードを有する羽根車を用いて求められる全ての風量を通風できるように昇圧させる場合よりも直径の小さな羽根車を用いて同様の効果を得ることができることと、求める加湿能力や空気清浄能力に対してそれぞれの風路に通風させなければならない風量を送風できるように第1ブレードおよび第2ブレードの形状を最適化することが可能となることから、羽根車を小型化することができることの2つの効果が得られる。
【0072】
したがって、大容量の空気を清浄する機能と必要十分な空気加湿をする機能を、小型の羽根車を用いて実現できるので、本体を小型化することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0073】
また、本発明における請求項3の発明によれば、本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備え、本体内に吸引された空気を空気清浄手段を通さずに加湿風路に通すための空清バイパス風路を備え、空清バイパス風路内に空清バイパス風路を通過する空気の流量を調整するための空清用流量調整手段を備えたものであり、本体内に、空気清浄と加湿を行う空気を通風させるための加湿風路に加え、空気清浄を行う空気のみを通風させるための空清風路を設けており、かつ、主板の一方の面に複数の第1ブレードを備え、他方の面に複数の第2ブレードを備えた羽根車を内設しているので、第1ブレード、第2ブレードのうち一方のブレードを加湿風路内に、他方を空清風路内に配置することによって、加湿または空気清浄を行うために求められる風量を加湿風路と空清風路とに配分し、加湿風路を通過する空気と空清風路を通過する空気をそれぞれ個別に昇圧することができるため、主板に1種類のみのブレードを有する羽根車を用いて求められる全ての風量を通風できるように昇圧させる場合よりも直径の小さな羽根車を用いて同様の効果を得ることができる。
【0074】
また、求める加湿能力や空気清浄能力に対してそれぞれの風路に通風させなければならない風量を送風できるように第1ブレードおよび第2ブレードの形状を最適化することが可能となることから、羽根車を小型化することができる。また、また、一時的に加湿能力を上げるため、加湿風路を通過する風量を増加させたい場合に、空清用流量調整手段によって空清バイパス風路に空気を流通させることにより通風抵抗の高い空気清浄手段を通さないためより多くの空気を本体内に吸気し加湿風路に流すことができる。したがって、空気清浄機能と加湿機能を、小型の羽根車を用いて実現でき、一時的に加湿能力を上げるため、加湿風路を通過する風量を増加させたい場合に、通風抵抗の高い空気清浄手段を通さないことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0075】
また、本発明における請求項4の発明によれば、スクロール状のケーシングを備え、前記ケーシングは羽根車を収容して前記羽根車の第1ブレード側および第2ブレード側に各々ベルマウス状の第1吸込口および第2吸込口を開口するとともに前記第1ブレードおよび前記第2ブレードにおいて昇圧された空気を吹き出す排出口を開口し、前記ケーシング内部に加湿風路と空清風路を区分する隔壁を備えたものであり、加湿風路を通過する空気と空清風路を通過する空気とがケーシング内部において混合することを抑制できることから、第1ブレードおよび第2ブレードにおける昇圧量の差を拡大かつ維持することができるため、加湿風路の通風抵抗と空清風路の通風抵抗とに大きく差がある場合でもそれに対応した昇圧量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0076】
また、本発明における請求項5の発明によれば、加湿手段の上流と下流とを連通する加湿バイパス風路を備え、前記加湿バイパス風路内に、前記加湿バイパス風路を通過する空気流量を調整する加湿用流量調整手段を備えたものであり一時的に空気清浄能力を上昇させたい場合に通風抵抗の高い加湿手段部分を通さないで空気を通風させることができるので、求められる空気清浄能力に応じて通風量を増減させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0077】
また、本発明における請求項6の発明によれば、微細水滴を発生させることによる加湿手段を備えたものであり、微細水滴の放出により、水滴の気化を促進し加湿する効果と、肌浸透性が向上するうるおい効果を付帯させることが可能となる加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0078】
また、本発明における請求項7の発明によれば、気化式による加湿手段を備えたものであり、消費電力を低減しより省エネな加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0079】
また、本発明における請求項8の発明によれば、スチーム式による加湿手段を備えたものであり、より迅速で冷風感の少ない加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0080】
また、本発明における請求項9の発明によれば、超音波式による加湿手段を備えたものであり、より小型でより迅速な加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0081】
また、本発明における請求項10の発明によれば、加圧された水を噴霧して加湿するスプレー式による加湿手段を備えたものであり、より迅速で制御性のよい加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0082】
また、本発明における請求項11の発明によれば、圧縮された空気と水を混合して噴霧して加湿する二流体スプレー式による加湿手段を備えたものであり、より迅速で制御性のよい加湿を行うことが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0083】
また、本発明における請求項12の発明によれば、加湿手段よりも上流に空気を加熱するための加熱手段を備えたものであり、加湿手段を通る空気の飽和水蒸気量を増加させることにより加湿能力をさらに向上させることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0084】
また、本発明における請求項13の発明によれば、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗の高い風路側のブレードの内径を他方のブレードの内径よりも小さくしたものであり、羽根車の特性として通風抵抗の高い風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0085】
また、本発明における請求項14の発明によれば、第1ブレードの内径を第2ブレードの内径よりも小さくしたものであり、羽根車の特性として加湿風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0086】
また、本発明における請求項15の発明によれば、加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレード長さを他方のブレード長さよりも長くしたものであり、必要風量が大きい風路側により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0087】
また、本発明における請求項16の発明によれば、第1ブレード長さを第2ブレード長さよりも長くしたものであり、加湿風路により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0088】
また、本発明における請求項17の発明によれば、加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレードの本数を他方のブレードの本数よりも多くしたものであり、必要風量が大きい風路側により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0089】
また、本発明における請求項18の発明によれば、第1ブレードの本数を第2ブレードの本数よりも多くしたものであり、加湿風路により多くの風を通風させることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0090】
また、本発明における請求項19の発明によれば、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のブレードの出口角を他方のブレードの出口角よりも小さくしたものであり、羽根車の特性として通風抵抗の高い風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0091】
また、本発明における請求項20の発明によれば、第1ブレードの出口角を第2ブレードの出口角よりも小さくしたものであり、羽根車の特性として加湿風路側の静圧−風量特性をより高静圧寄りにすることができ、また、羽根車を大型化することなくそれぞれの風路に必要な風量を確保することが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0092】
また、本発明における請求項21の発明によれば、加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のケーシングのスクロール拡大角を他方のスクロール拡大角よりも小さくしたものであり、通気抵抗の高い風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0093】
また、本発明における請求項22の発明によれば、加湿風路側のケーシングのスクロール拡大角を空清風路側のケーシングのスクロール拡大角よりも小さくしたものであり、加湿風路側の羽根車のケーシングをより高静圧寄りにすることができ、また、各々の風路の所要風量を確保しながらもケーシングの小型化を図ることが可能な加湿機能付き空気清浄装置を提供することができる。
【0094】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について説明する。なお、従来例と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。
【0095】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる加湿機能付き空気清浄装置の断面概略図である。略直方体形状の本体101の側面には吸気口105が開口し、吸気口105には比較的大きな塵が本体101内に侵入するのを抑制するプレフィルタ1が備えられている。
【0096】
吸気口105の上部には、空気清浄手段として集塵、脱臭機能等を有する空清フィルタ102が配設され、空清フィルタ102の下部には、空清フィルタ102を支持し、吸気口105を二分している空清仕切り板2が形設されている。
【0097】
この空清仕切り板2のさらに下部には空清用流量調整手段としてダンパー機構を有する空清バイパスダンパー3が配設されており、吸気口105の仕切り板1より下部側部分を開閉するように回転駆動可能となっており、開状態では本体101外部と本体101内部が通風できるようになっている。
【0098】
本体101の下部かつ空気の流れに対し空清フィルタ102の下流側には、加湿手段として微細水滴発生手段4が配設されており、微細水滴発生手段4の上流には空気を加熱するための加熱手段としてのニクロムヒータ5が配設されている。
【0099】
また、本体101の下部には、加湿用の水を貯留しておくためのトレイ6が備えられており、微細水滴発生手段4はここから給水を行うことができる。微細水滴発生手段4の上流側と下流側は加湿仕切り板7によって区分されており、加湿仕切り板7の一部には微細水滴発生手段4の上流側と下流側を連通するように加湿バイパス風路8が設けられ、加湿バイパス風路8を開閉できるように加湿用流量調整手段としてダンパー機構を有する加湿バイパスダンパー9が配設されている。
【0100】
なお、ここで、微細水滴発生手段4は、図2に示すように、円盤状で円盤面を水平にして配設された回転盤10と、円錐状で中空の筒であり円錐形状の底面側が回転盤10の下面と接続して回転盤10に開口しており、その円錐形状の頂点側がトレイ6の水面下に浸るように配設された吸水管11と、回転盤10および吸水管11の中心部を軸支し一体に回転させる加湿用モータ12によって構成され、水を微細化するものである。
【0101】
なお、本実施の形態1では加湿手段として微細水滴発生手段4を用いたが、いわゆる家庭用・産業用加湿器に用いられている加湿方式を利用したものであればよく、他に例えば、気化フィルタを用いた気化式、気化式と気化フィルタの前段に加熱手段を同時に備えるハイブリッド式、超音波振動素子を利用した超音波式、加圧した水を噴出すスプレー式、加圧空気と水を混合して噴出す二流体スプレー式などでも同様の作用効果が得られる。
【0102】
なお、本実施の形態1では加熱手段としてニクロムヒータ5を用いたが、空気を加熱できるものであればよく、ハロゲンヒータ、セラミックヒータ、半導体ヒータなどでも同様の作用効果が得られる。
【0103】
本体101の天面には第1排気口13、第2排気口14が開口しており、本体内部に配設されたスクロール状のケーシング109はこの第1排気口13、第2排気口14と連通している。また、ケーシング109は本体101内部において、本体101の前後両方向にそれぞれ第1吸込口15、第2吸込口16が開口しており、本体101内には、吸気口105からプレフィルタ1、空清フィルタ102、微細水滴発生手段4、第1吸込口15、第1排気口13と至る加湿風路110と、吸気口105からプレフィルタ1、空清フィルタ102、第2吸込口16、第2排気口14に至る空清風路17が形成されている。
【0104】
ここで、図3はケーシング109の内部構造を詳細に表す断面概略図である。図2に示すように、ケーシング109の内部には、円盤状の主板18と、主板18の両側に複数の第1ブレード19と複数の第2ブレード20が各々環状に周設された羽根車108が内包されており、羽根車108は駆動軸21を介してモータとしてのファンモータ103と連結しており、ファンモータ103の駆動によって回転するように軸支されている。また、羽根車108は、第1ブレード19は加湿風路110内に、第2ブレード20は空清風路17内に配置されるような向きに配置されている。
【0105】
また、ケーシング109の内部には、ケーシング109を加湿風路110と空清風路17に区分し、できるだけこの2風路内の空気が流通せず、それぞれの風路内の空気を別々に昇圧できるように、かつ主板18の外周端に相対するように隔壁22が形成されている。
【0106】
次に、羽根車108に着目すると図4に示すように羽根車108の主板18の加湿風路110側に周設されている複数の第1ブレード19のブレード内径23をd1、空清風路側に周設されている複数の第2ブレード20のブレード内径24をd2とすると、d1とd2の関係はd1<d2となっており、加湿手段を通るため通気抵抗の高い加湿風路110に対してより多くの空気を通風できるように羽根車108の加湿風路110側の静圧−風量特性が高静圧寄りとなっている。ここで、通気抵抗を低減させるために第1ブレード19のブレード内径23と第1吸込口15の開口径を略同一にしている。
【0107】
また、図4に示すように、渦巻き状に形成されたケーシング109は、空清風路17側のスクロール25と、空清風路17側のスクロール25よりも拡大角の小さい加湿風路110側のスクロール26とで構成されている。したがって、通気抵抗の高い加湿風路110により対して多くの空気を通風できるようになっている。それに伴い、ケーシング109に開口した第1排気口13、第2排気口14の隔壁22により仕切られた空清風路17側の第2排気口14の幅28は、加湿風路110側の第1排気口13の幅27よりも広くなるように構成される。したがって、加湿風路110側のスクロール26の排気口高さ29をH1、空清風路17側のスクロール25の排気口高さ30をH2とすると、H1<H2の関係となっている。また、第1ブレード19および第2ブレード20のブレード外径31は同一の値Fであり、第1ブレード19の出口角32をβ1、第2ブレード20の出口角33をβ2とするとβ1<β2の関係となっており、通気抵抗の高い加湿風路110により多くの空気を通風できるようになっている。そして主板18に周設されている第1ブレード19の本数をn1、第2ブレード20の本数をn2とすると、n1>n2の関係となっており、加湿風路110により多くの空気を通風できるようになっている。
【0108】
上記した構成におけるその動作について説明する。ファンモータ103および加湿用モータ12を駆動させる(以下これを加湿空清モードと呼ぶ)と、本体101外部より吸気口105、プレフィルタ1、空清フィルタ102を通って清浄化され、本体101内部に空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は本体101内部にて分流し、その大部分は加湿手段としての微細水滴発生手段4、ケーシング109の第1吸込口15、第1ブレード19によって昇圧して第1排気口13を通じて本体101外部へ至る加湿風路110を通り、本体101外部へと排出される。また、加湿風路110を通らない場合は空清フィルタ102を通った後、ケーシング109の第2吸込口16、第2ブレード20によって昇圧して第2排気口14を通じて本体101の外部へと至る空清風路17を通って、本体101外部へと排出される。
【0109】
ここで、微細水滴発生手段4の動作について説明する。トレイ6内に貯留された水のうち、吸水管11の中空内部にある水は、加湿用モータ12の駆動によって吸水管11が回転し、水の粘性と回転による遠心力によって吸水管11内壁を沿うようにして回転盤10上面へとくみ上げられる。回転盤10上面へとくみ上げられた水は、回転盤10の回転による遠心力によって回転盤の半径方向へと移動し、回転盤10の端面に達する。回転盤10の端面において水の表面張力と遠心力とのつりあいがくずれ、遠心力が大きくなった瞬間に水滴径0.1〜1マイクロメートルの微細な水滴として回転盤10の端面から空中へと飛散する。この微細な水滴と加湿風路110を通過する空気とが混合して気液接触することにより空気の加湿が行われることになる。なお、この加湿用モータ12の回転数を変化させることによって加湿能力を自在に制御することが可能である。
【0110】
また、加湿をおこなわず空気清浄のみを行いたい場合はファンモータ103を駆動し、加湿用モータ12を停止し、加湿バイパスダンパー9を開状態にすることによって実現される(以下、これを空清モードとよぶ)。このとき、本体101外部から吸気口105、プレフィルタ1、空清フィルタ102を通り清浄化された空気は、加湿バイパス風路8を通ってケーシング109の第1吸込口15を通り、第1ブレード19によって昇圧されて本体101外部へ排出される風路と、そのままケーシング109の第2吸込口16を通り、第2ブレード20によって昇圧されて本体101外部へ排出される風路に分流されることになる。これによって、通風抵抗の高い加湿手段としての微細水滴発生手段4の部分を通らないで本体101内を通風させることができるので、より大風量の空気を清浄化することができる。
【0111】
また、乾燥がひどいときなど、急速に加湿を行いたい場合には、ファンモータ103および加湿用モータ12を駆動し、空清バイパスダンパー3を開状態にすることによって急速な加湿が行える(以下、これをターボ加湿モードとよぶ)。この場合、吸気口105、プレフィルタ1、空清フィルタ102を通過して本体101内に吸い込まれる空気に加え、吸気口105とプレフィルタ1のみを通過した空気を合わせて吸い込むことができる。吸い込まれた空気は加湿モードと同様の風路を通ることになるが、加湿モードの場合よりも、通気抵抗の高い空清フィルタ102を通らない風路が新たに存在するためより多くの空気を本体101内に吸い込むことが可能となっており、加湿手段としての微細水滴発生手段4を通る空気の量も必然的に多くなり、したがって加湿能力を一時的に向上させることが可能となっている。
【0112】
以上、上記した実施の形態における構成、動作等は本発明の実施の形態の一例にすぎず、これに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の加湿機能付き空気清浄装置は、持ち運びが可能で取り回しのよい家庭用加湿機能付き空気清浄機だけでなく、家庭用・業務用設備における空気調和装置に組み込まれるような加湿機能付き空気清浄装置等にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施1の形態における概略断面図
【図2】同微細水滴発生手段の詳細図
【図3】同ケーシング内部の詳細断面図
【図4】同ケーシングの詳細側面図
【図5】従来例における概略前方断面図
【図6】従来例における概略側方断面図
【符号の説明】
【0115】
1 プレフィルタ
2 空清仕切り板
3 空清バイパスダンパー
4 微細水滴発生手段
5 ニクロムヒータ
6 トレイ
7 加湿仕切り板
8 加湿バイパス風路
9 加湿バイパスダンパー
10 回転盤
11 吸水管
12 加湿用モータ
13 第1排気口
14 第2排気口
15 第1吸込口
16 第2吸込口
17 空清風路
18 主板
19 第1ブレード
20 第2ブレード
21 駆動軸
22 隔壁
101 本体
102 空清フィルタ
103 ファンモータ
104 加湿フィルタ
105 吸気口
106 排気口
107 矢符
108 羽根車
109 ケーシング
110 加湿風路
111 吹出口
112 案内板
113 リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備えたことを特徴とする、加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項2】
本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通さずに前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備えたことを特徴とする、加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項3】
本体内に空気清浄手段と加湿手段を備えた加湿機能付き空気清浄装置であって、モータの駆動軸に接続された円盤状の主板の両側に複数の第1ブレードおよび複数の第2ブレードを各々配設した羽根車と、前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通したのち前記加湿手段を通して前記第1ブレードにより昇圧し本体外部へ排出する加湿風路と、前記モータの駆動により前記本体内に吸引した空気を前記空気清浄手段を通して前記第2ブレードにより昇圧し前記本体外部へ排出する空清風路を備え、本体内に吸引された空気を空気清浄手段を通さずに加湿風路に通すための空清バイパス風路を備え、空清バイパス風路内に空清バイパス風路を通過する空気の流量を調整するための空清用流量調整手段を備えたことを特徴とする、加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項4】
スクロール状のケーシングを備え、前記ケーシングは羽根車を収容して前記羽根車の第1ブレード側および第2ブレード側に各々ベルマウス状の第1吸込口および第2吸込口を開口するとともに前記第1ブレードおよび前記第2ブレードにおいて昇圧された空気を吹き出す排出口を開口し、前記ケーシング内部に加湿風路と空清風路を区分する隔壁を備えたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項5】
加湿手段の上流と下流とを連通する加湿バイパス風路を備え、前記加湿バイパス風路内に、前記加湿バイパス風路を通過する空気流量を調整する加湿用流量調整手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項6】
微細水滴を発生させることによる加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項7】
気化式による加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項8】
スチーム式による加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項9】
超音波式による加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項10】
加圧された水を噴霧して加湿するスプレー式による加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項11】
圧縮された空気と水を混合して噴霧して加湿する二流体スプレー式による加湿手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項12】
加湿手段よりも上流に空気を加熱するための加熱手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項13】
加湿風路および空清風路のうち通気抵抗の高い風路側のブレードの内径を他方のブレードの内径よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項14】
第1ブレードの内径を第2ブレードの内径よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項15】
加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレード長さを他方のブレード長さよりも長くしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項16】
第1ブレード長さを第2ブレード長さよりも長くしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項17】
加湿風路および空清風路のうち必要風量が大きい風路側のブレードの本数を他方のブレードの本数よりも多くしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項18】
第1ブレードの本数を第2ブレードの本数よりも多くしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項19】
加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のブレードの出口角を他方のブレードの出口角よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項20】
第1ブレードの出口角を第2ブレードの出口角よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項21】
加湿風路および空清風路のうち通気抵抗が大きい風路側のケーシングのスクロール拡大角を他方のスクロール拡大角よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。
【請求項22】
加湿風路側のケーシングのスクロール拡大角を空清風路側のケーシングのスクロール拡大角よりも小さくしたことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の加湿機能付き空気清浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−41835(P2009−41835A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206574(P2007−206574)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】