説明

加速度センサ

【課題】エアーダンピングを抑制することで慣性質量体が基板側に変位する場合と慣性質量体が基板と反対側に変位する場合との感度差を抑制することによって高精度の加速度センサを提供する。
【解決手段】加速度センサは、基板1と、検出電極2と、ねじれ梁3と、検出プレート4と、リンク梁5と、一方面6aと他方面6bとが対向する方向に変位可能にリンク梁5に支持された慣性質量体6とを備えている。慣性質量体6は、該方向に慣性質量体6を貫通するように設けられた複数の第1の貫通孔H1を含んでいる。検出プレート4は、該方向に検出プレート4を貫通するように設けられた複数の第2の貫通孔H2を含んでいる。第1の貫通孔H1は、第2の貫通孔H2より大きい開口面積を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサに関し、特に慣性質量体を備えた加速度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板に対して垂直方向の加速度を検出する方法として、加速度にともなう静電容量の変化を検出する方法がある。この方法による加速度センサの一例がたとえば国際公開第2010/055716号(特許文献1)に記載されている。この加速度センサでは、基板にねじれ梁を介して回転可能に検出フレーム(検出プレート)が支持されている。検出フレームにリンク梁を介して基板の厚み方向に変位可能に慣性質量体が支持されている。検出フレームと対向するように基板上に検出電極が形成されている。
【0003】
この加速度センサでは、基板に対して垂直方向に加速度が加えられると、慣性質量体が基板に対して垂直方向に変位する。この慣性質量体の変位がリンク梁を介して検出フレームに伝えられることによって、ねじれ梁を中心として検出フレームが回転する。この回転によって検出フレームと検出電極との距離が変化することで、検出フレームと検出電極との間の静電容量が変化する。この際、静電容量が容量−電圧変換回路によって加速度に比例する電圧に変換されることで加速度が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/055716号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の加速度センサでは、慣性質量体が基板に向かって変位すると、慣性質量体と基板との間にはエアーによる抗力が発生する。このエアーによる抗力は、エアーダンピングによるものであり、スクイズフィルムダンピング効果と呼ばれる。このエアーによる抗力は、慣性質量体が基板側に変位する場合に発生し、慣性質量体が基板と反対側に変位する場合には発生しない。
【0006】
ここで慣性質量体が基板側に変位する場合の加速度センサの出力をプラス側出力とし、慣性質量体が基板と反対側に変位する場合の加速度センサの出力をマイナス側出力とすると、上記のエアーダンピングはプラス側出力にだけ作用する。そのため、このエアーダンピングによって、加速度センサのプラス側出力とマイナス側出力との感度が異なるという問題がある。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、エアーダンピングを抑制することで慣性質量体が基板側に変位する場合と慣性質量体が基板と反対側に変位する場合との感度差を抑制することによって高精度の加速度センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の加速度センサは、基板と、基板上に設けられた検出電極と、基板に支持され、かつねじれ軸線を中心としてねじれるねじれ梁と、検出電極に対してねじれ軸線を中心に回転可能にねじれ梁に支持された検出プレートと、平面視においてねじれ軸線からずれた位置において検出プレートに支持されたリンク梁と、基板に対向する一方面と一方面とは反対側の他方面とを有し、かつ一方面と他方面とが対向する方向に変位可能にリンク梁に支持された慣性質量体とを備えている。慣性質量体は、該方向に慣性質量体を貫通するように設けられた複数の第1の貫通孔を含んでいる。検出プレートは、該方向に検出プレートを貫通するように設けられた複数の第2の貫通孔を含んでいる。第1の貫通孔は、第2の貫通孔より大きい開口面積を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の加速度センサは、慣性質量体の第1の貫通孔は、検出プレートの第2の貫通孔より大きい開口面積を有しているため、慣性質量体が基板側に変位すると、一方面から他方面に第1の貫通孔を通って慣性質量体と基板との間のエアーが抜ける。したがって、慣性質量体と基板との間のエアーの閉じ込めによるダンピング効果を抑制することができる。そのため、スクイズフィルムダンピング効果を抑制することができる。このため、慣性質量体が基板側に変位する場合と慣性質量体が基板と反対側に変位する場合との加速度センサの感度差を抑制することができる。これにより、高精度の加速度センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における加速度センサの概略平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における加速度センサの基板と反対側に垂直方向に加速度が加えられた際の様子を示す概略断面図であって、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図4】本発明の実施の形態1における加速度センサの基板と反対側に垂直方向に加速度が加えられた際の様子を示す概略断面図であって、図1のIV−IV線に沿う断面に対応した図である。
【図5】本発明の実施の形態1における加速度センサの検出プレートと検出電極とにより形成されるコンデンサの電気的接続を説明する回路図である。
【図6】本発明の実施の形態1における加速度センサの基板側に垂直方向に加速度が加えられた際の様子を示す概略断面図であって、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図7】本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法の第1工程を示す概略的な断面図であり、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図8】本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法の第2工程を示す概略的な断面図であり、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図9】本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法の第3工程を示す概略的な断面図であり、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図10】本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法の第4工程を示す概略的な断面図であり、図1のII−II線に沿う断面に対応した図である。
【図11】比較例の加速度センサの概略平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う概略断面図である。
【図13】比較例の加速度センサの入力加速度とセンサ出力との関係を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態1における加速度センサの入力加速度とセンサ出力との関係を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2における加速度センサの概略平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う概略断面図である。
【図17】本発明の実施の形態2における加速度センサの製造方法の第1工程を示す概略的な断面図であり、図15のXVI−XVI線に沿う断面に対応した図である。
【図18】本発明の実施の形態2における加速度センサの製造方法の第2工程を示す概略的な断面図であり、図15のXVI−XVI線に沿う断面に対応した図である。
【図19】本発明の実施の形態2における加速度センサの製造方法の第3工程を示す概略的な断面図であり、図15のXVI−XVI線に沿う断面に対応した図である。
【図20】本発明の実施の形態3における加速度センサの概略平面図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿う概略断面図である。
【図22】本発明の実施の形態3における加速度センサの製造方法の第1工程を示す概略的な断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【図23】本発明の実施の形態3における加速度センサの製造方法の第2工程を示す概略的な断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【図24】本発明の実施の形態3における加速度センサの製造方法の第3工程を示す概略的な断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【図25】本発明の実施の形態3における加速度センサの製造方法の第4工程を示す概略的な断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【図26】本発明の実施の形態3における加速度センサの製造方法の第5工程を示す概略的な断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【図27】本発明の実施の形態3における加速度センサの変形例の断面図であり、図20のXXI−XXI線に沿う断面に対応した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1の加速度センサの構成について説明する。
【0012】
適宜説明の便宜のため、座標軸X軸、Y軸、Z軸が導入されている。たとえば図1においては、X軸は横方向に沿う右方向が正の向きの軸であり、Y軸は縦方向に沿う上方向が正の向きの軸であり、Z軸は紙面に垂直で紙面の上方が正の向きの軸である。Z軸の方向は、本実施の形態の加速度センサが測定対象とする加速度方向に一致する。
【0013】
図1および図2を参照して、本実施の形態の加速度センサは、基板1と、第1および第2の加速度検出部を有している。なお、加速度センサはこの構成に限定されず、加速度検出部は単数であってもよく、また3つ以上の複数であってよい。
【0014】
基板1は、たとえばシリコン基板が適用され得る。第1および第2の加速度検出部はそれぞれ、検出電極2と、ねじれ梁3と、検出プレート4と、リンク梁5と、慣性質量体6、アクチュエーション電極7と、アンカー8とを主に有している。検出電極2、ねじれ梁3、検出プレート4、リンク梁5、慣性質量体6、アクチュエーション電極7の材質としては、多結晶シリコン(ポリシリコン)膜を用いることができる。このポリシリコン膜は、低応力であり、かつ厚さ方向に応力分布がないことが望ましい。
【0015】
第1の加速度検出部は、第1の検出電極21と、第1のねじれ梁31と、第1の検出プレート41と、第1のリンク梁51と、慣性質量体6とを有している。第1の検出電極21は、第1の検出プレート41と対向するように基板1上に絶縁膜11を介して設けられている。なお、絶縁膜11としては、低応力の窒化シリコン膜およびシリコン酸化膜が好適である。第1の検出電極21は基板1に対する第1の検出プレート41の角度を静電容量により検出可能に設けられている。
【0016】
第1のねじれ梁31は、Y軸に沿った第1のねじれ軸線T1を中心としてねじれるように、基板1にアンカー81により支持されている。第1の検出プレート41は、第1の検出電極21に対して第1のねじれ軸線T1を中心に回転可能に第1のねじれ梁31に支持されている。また、第1の検出プレート41は、少なくともその一部が導電性を有している。
【0017】
第1のリンク梁51は、平面視において第1のねじれ軸線T1からずれた軸線上の位置において第1の検出プレート41に支持されている。さらに具体的には、第1のリンク梁51は、第1のねじれ軸線T1と交差する方向に沿って第1の検出プレート41の一方端部側にオフセットe1だけ平行移動された軸L1上の位置において、第1の検出プレート41に支持されている。すなわち、オフセットe1の絶対値は第1のねじれ軸線T1と第1のリンク梁51の中心に位置する軸L1との間の寸法である。オフセットe1の向きは第1のねじれ軸線T1と交差して第1のねじれ軸線T1から軸L1へ向かう方向である。
【0018】
慣性質量体6は、基板1に対向する一方面6aと一方面6aとは反対側の他方面6bとを有している。慣性質量体6は、一方面6aと他方面6bとが対向する方向(基板1の厚み方向)に変位可能に第1のリンク梁51に支持されている。慣性質量体6は、第1のリンク梁51を介して第1の検出プレート41に連結されることにより、基板1上で基板1の厚み方向に変位可能に支持されている。
【0019】
第2の加速度検出部は、第1の加速度検出部と同様の構成を有している。つまり、第2の加速度検出部は、第2の検出電極22と、第2のねじれ梁32と、第2の検出プレート42と、第2のリンク梁52と、慣性質量体6とを有している。第2の検出電極22は、第2の検出プレート42と対向するように基板1上に絶縁膜11を介して設けられている。第2の検出電極22は基板1に対する第2の検出プレート42の角度を静電容量により検出可能に設けられている。
【0020】
第2のねじれ梁32は、Y軸に沿った第2のねじれ軸線T2を中心としてねじれるように、基板1にアンカー82により支持されている。第2の検出プレート42は、第2の検出電極22に対して第2のねじれ軸線T2を中心に回転可能に第2のねじれ梁32に支持されている。また、第2の検出プレート42は、少なくともその一部が導電性を有している。
【0021】
第2のリンク梁52は、平面視において第2のねじれ軸線T2からずれた軸線上の位置において第2の検出プレート42に支持されている。さらに具体的には、第2のリンク梁52は、上記の第1のリンク梁51の移動の方向と逆方向すなわちオフセットe1と逆方向のオフセットe2だけ平行移動された軸L2上の位置において、第2の検出プレート42に支持されている。すなわち、オフセットe2の絶対値は第2のねじれ軸線T2と第2のリンク梁52の中心に位置する軸L2との間の寸法である。オフセットe2の向きはオフセットe1と逆方向である。
【0022】
慣性質量体6は、一方面6aと他方面6bとが対向する方向(基板1の厚み方向)に変位可能に第2のリンク梁52に支持されている。慣性質量体6は、第2のリンク梁52を介して第2の検出プレート42に連結されることにより、基板1上で基板1の厚み方向に変位可能に支持されている。なお、第1および第2の加速度検出部は慣性質量体6をそれぞれ有しているが、慣性質量体6は一体に形成されている。
【0023】
慣性質量体6は、一方面6aと他方面6bとが対向する方向に慣性質量体6を貫通するように設けられた複数の第1の貫通孔H1を含んでいる。また、第1の検出プレート41および第2の検出プレート42は、一方面6aと他方面6bとが対向する方向に第1の検出プレート41および第2の検出プレート42を貫通するように設けられた複数の第2の貫通孔H2を含んでいる。第1の貫通孔H1は、第2の貫通孔H2より大きい開口面積を有している。
【0024】
第1の貫通孔H1の開口形状はたとえば正方形に構成されていてもよい。また第2の貫通孔H2の開口形状もたとえば正方形に構成されていてもよい。第1の貫通孔H1の開口形状の一辺aは、たとえば20μm以上40μm以下であり、特に35μmが好ましい。第2の貫通孔H2の開口形状の一辺aの寸法は、たとえば3μm以上5μm以下であり、特に5μmが好ましい。
【0025】
第2の貫通孔H2の間隔bの寸法は、たとえば15μm以上35μm以下であり、特に20μmが好ましい。第2の貫通孔H2の間隔bの寸法は、隣り合う第2の貫通孔H2の中心同士の間隔の寸法である。また第1の貫通孔H1の格子幅cの寸法は、たとえば5μm以上20μm以下であり、特に10μmが好ましい。
【0026】
慣性質量体6の上面の面積(第1の貫通孔H1が形成されていない場合の面積)に対する第1の貫通孔H1の開口面積の比率は、最大で22%であり、最小で1%であり、特に13%が好ましい。また、検出プレート4の上面の面積(第2の貫通孔H2が形成されていない場合の面積)に対する第2の貫通孔H2の開口面積の比率は、最大で71%であり、最小で16%であり、特に49%が好ましい。なお、第1の貫通孔H1および第2の貫通孔H2の形状は、正方形に限定されず、矩形であってもよく、また円形であってもよい。
【0027】
第1の加速度検出部と第2の加速度検出部は、第1の加速度検出部の第1のねじれ軸線T1方向および第2のねじれ軸線T2方向に並んで配置されている。さらに具体的には、第1の加速度検出部の第1の検出プレート41と第2の加速度検出部の第2の検出プレート42の長辺同士が対向するように配置されている。第1の検出プレート41と第2の検出プレート42とは、第1のねじれ軸線T1方向および第2のねじれ軸線T2方向に並んで配置されている。
【0028】
第1の検出プレート41および第2の検出プレート42は、第1のねじれ梁31と第1のリンク梁51との間の寸法と、第2のねじれ梁32と第2のリンク梁52との間の寸法とが互いに等しくなるように構成されていることが好ましい。つまり、第1のねじれ梁31および第2のねじれ梁32と、第1のリンク梁51および第2のリンク梁52とは、オフセットe1およびオフセットe2の絶対値が等量となるように配置されていることが好ましい。すなわち、オフセットe1およびオフセットe2の寸法が互いに等しくなるように配置されていることが好ましい。
【0029】
第1のねじれ軸線T1および第2のねじれ軸線T2が互いに平行に配置されていることが好ましい。さらに第1のねじれ軸線T1および第2のねじれ軸線T2が互いに一直線上に配置されていることが好ましい。また、第1のねじれ軸線T1および第2のねじれ軸線T2は、平面視における慣性質量体6の重心Gを通るように配置されていることが好ましい。さらに好ましくは、加速度センサの平面レイアウトは、平面視における慣性質量体6の重心Gに対して180度の回転対称な構造を有していることが好ましい。
【0030】
また、アクチュエーション電極7が、慣性質量体6と対向するように絶縁膜11を介して基板1に支持されている。アクチュエーション電極7は、慣性質量体6との間に電気的に静電引力を発生させるように構成されている。アクチュエーション電極7は慣性質量体6を静電気力により変位させることができるように構成されている。
【0031】
続いて、上記の検出電極2の詳細な構成と、この検出電極2により第1の検出プレート41および第2の検出プレート42のそれぞれの基板1に対する角度を検出することができる原理について説明する。
【0032】
検出電極2は第1の検出プレート41と対向する第1の検出電極21を有している。第1の検出電極21は、第1のねじれ軸線T1を挟むように第1一方検出電極21aと第1他方検出電極21bとを有している。第1一方検出電極21aは加速度センサのX軸負側(図1左側)に位置しており、第1他方検出電極21bは加速度センサのX軸正側(図1右側)に位置している。第1一方検出電極21aと第1他方検出電極21bとは、第1のねじれ軸線T1を挟むように設けられている。
【0033】
第1の検出プレート41が第1のねじれ軸線T1周りに回転する場合、第1の検出プレート41の裏面(第1の検出電極21と対向する面)は第1一方検出電極21aおよび第1他方検出電極21bの一方に接近するとともに、他方から遠ざかる。このため、第1の検出プレート41が第1一方検出電極21aと対向することで生じている静電容量と、第1の検出プレート41が第1他方検出電極21bと対向することで形成している静電容量との差分を検出することにより、第1の検出プレート41の基板1に対する角度を検出することができる。
【0034】
また検出電極2は第2の検出プレート42と対向する第2の検出電極22を有している。第2の検出電極22は、第2のねじれ軸線T2を挟むように第2一方検出電極22aと第2他方検出電極22bとを有している。第2一方検出電極22aは加速度センサのX軸正側(図1右側)に位置しており、第2他方検出電極22bは加速度センサのX軸負側(図1左側)に位置している。第2一方検出電極22aと第2他方検出電極22bとは、第2のねじれ軸線T2を挟むように設けられている。
【0035】
第2の検出プレート42が第2のねじれ軸線T2周りに回転する場合、第2の検出プレート42の裏面(第2の検出電極22と対向する面)は第2一方検出電極22aおよび第2他方検出電極22bの一方に接近するとともに、他方から遠ざかる。このため、第2の検出プレート42が第2一方検出電極22aと対向することで生じている静電容量と、第2の検出プレート42が第2他方検出電極22bと対向することで形成している静電容量との差分を検出することにより、第2の検出プレート42の基板1に対する角度を検出することができる。
【0036】
続いて、本実施の形態の加速度センサの加速度の測定原理および動作について説明する。
【0037】
図3および図4を参照して、基板1の厚さ方向(基板1の膜厚方向)に沿って上方向、すなわちZ軸の正方向(図中上方向)の加速度AZが加速度センサに加わると、慣性質量体6は慣性力により初期位置(図中破線で示す位置)からZ軸の負方向(図中下方向)に沈み込むように変位する。慣性質量体6と連結されている第1のリンク梁51および第2のリンク梁52(図1参照)も、慣性質量体6と一体となってZ軸の負方向(図中下方向)に変位する。
【0038】
第1のリンク梁51の変位により、第1の検出プレート41は、軸L1の部分でZ軸の負方向(図中下方向)への力を受ける。この軸L1は、第1ねじれ軸線Tlからオフセットe1だけ平行移動された位置にあるため、第1の検出プレート41にはトルクが作用する。この結果、第1の検出プレート41が回転変位する。
【0039】
また、第2のリンク梁52の変位により、第2の検出プレート42は、軸L2の部分でZ軸の負方向(図中下方向)への力を受ける。この軸L2は、第2のねじれ軸線T2からオフセットe2だけ平行移動された位置にあるため、第2の検出プレート42にはトルクが作用する。この結果、第2の検出プレート42が回転変位する。
【0040】
オフセットe1とオフセットe2とは逆向きであるため、第1の検出プレート41と第2の検出プレート42とは逆向きに回転する。すなわち、第1の検出プレート41の上面が加速度センサの一方端部側(図3の左側)を向き、第2の検出プレート42の上面が加速度センサの他方端部側(図4の右側)を向くように、第1の検出プレート41および第2の検出プレート42は回転変位する。
【0041】
この回転変位にともない、第1の検出プレート41と第1一方検出電極21aとにより構成されるコンデンサC1aの静電容量C1Aが増大し、第1の検出プレート41と第1他方検出電極21bとにより構成されるコンデンサC1bの静電容量C1Bが減少する。また第2の検出プレート42と第2一方検出電極22aとにより構成されるコンデンサC2aの静電容量C2Aが増大し、第2の検出プレート42と第2他方検出電極22bとにより構成されるコンデンサC2bの静電容量C2Bが減少する。
【0042】
図5を参照して、コンデンサC1aとコンデンサC2aとが並列接続され、コンデンサC1bとコンデンサC2bとが並列接続されている。そして、これら2つの並列接続された部分がさらに直列に接続されている。このように形成された回路のコンデンサC1a、C2a側の端部には一定電位Vdが印加され、コンデンサC1b、C2b側の端部は接地されている。また、上記直列接続部には端子が設けられており、この端子の出力電位Voutを測定することができる。この出力電位Voutは、式(1)により下記の値となる。
【0043】
【数1】

【0044】
電位Vdは一定値であることから、出力電位Voutを測定することにより、Z軸方向の加速度AZを検知することができる。加速度が0、すなわち、変位がない場合はC1A=C2A=C1B=C2Bであるので、出力電位VoutはVout=Vd/2で表わされる。
【0045】
図6を参照して、基板1の膜厚方向に沿って下方向、すなわちZ軸の負方向(図中下方向)の加速度AZが加速度センサに加わると、慣性質量体6は慣性力により初期位置(図中破線で示す位置)からZ軸の正方向(図中上方向)に浮き上がるように変位する。慣性質量体6と連結されている第1のリンク梁51および第2のリンク梁52(図1参照)も、慣性質量体6と一体となってZ軸の正方向(図中上方向)に変位する。
【0046】
第1のリンク梁51の変位により、第1の検出プレート41は、軸L1の部分でZ軸の正方向(図中上方向)への力を受ける。この結果、上記の基板1の膜厚方向に沿って上方向に加速度AZが加わった場合と逆方向に第1の検出プレート41が回転変位する。なお、図示しない第2の検出プレート42も同様に上記の基板1の膜厚方向に沿って上方向に加速度AZが加わった場合と逆方向に回転変位する。
【0047】
また、本実施の形態の加速度センサでは、アクチュエーション電極7と慣性質量体6との間に電圧を印加することにより、慣性質量体6を基板1の方に引っ張る静電気力を発生することができる。すなわち慣性質量体6を基板1の膜厚方向に静電駆動することができる。この静電駆動により、加速度センサに基板1の膜厚方向の加速度AZが加わった場合の慣性質量体6の変位と同様の変位を発生させることができる。よって、実際に加速度センサに加速度AZを加えずにセンサが故障しているかどうか自己診断する機能を、加速度センサに持たせることができる。
【0048】
続いて、本実施の形態の加速度センサの製造方法について説明する。
以下では、慣性質量体6、第1のねじれ梁31、第1の検出プレート41、第1のリンク梁51およびアンカー81の形成について説明するが、第2のねじれ梁32、第2の検出プレート42、第2のリンク梁52およびアンカー82についても同様に形成される。
【0049】
図7を参照して、シリコンからなる基板1上に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、絶縁膜11が堆積される。絶縁膜11としては、低応力の窒化シリコン膜およびシリコン酸化膜などが適している。この絶縁膜11の上に、LPCVD法により、たとえばポリシリコンからなる導電性の膜が堆積される。続いて、この導電性の膜がパターニングされて、第1の検出電極21およびアクチュエーション電極7が形成される。
【0050】
図8を参照して、その後、基板1上全体にPSG(Phosphosilicate Glass)などポリシリコンと選択的に除去可能な薄膜による犠牲層膜101が堆積される。続いて、アンカー81(図1)が形成される部分の犠牲層膜101が選択的にエッチングされる。
【0051】
図9を参照して、基板1上全体に、ポリシリコン膜102が堆積される。続いて、その表面にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理が施され、ポリシリコン膜102の表面が平坦化される。
【0052】
図10を参照して、ポリシリコン膜102の犠牲層膜101の上面よりも上方の部分に対して、選択的なエッチングが行なわれる。これにより、第1のねじれ梁31(図1)と、第1の検出プレート41と、第1のリンク梁51(図1)と、慣性質量体6と、アンカー81とが一括形成される。この際、第1の貫通孔H1および第2の貫通孔H2も形成される。第1の貫通孔H1および第2の貫通孔H2は、エッチングホールとしての役割も有している。その後、エッチングのための薬液が慣性質量体6および第1の検出プレート41の下方に浸透される。これにより犠牲層膜101がエッチングにより除去され、図2に示される本実施の形態の加速度センサが得られる。
【0053】
次に、本実施の形態の加速度センサの作用効果について比較例と比較して説明する。
図11および図12を参照して、比較例の加速度センサでは、エッチングホールとして、慣性質量体6に第1の貫通孔H1が形成されており、検出プレート4に第2の貫通孔H2が形成されている。比較例の加速度センサでは、第1の貫通孔H1の開口面積と第2の貫通孔H2の開口面積とは同じ大きさに形成されている。
【0054】
比較例の加速度センサに、基板1の膜厚方向に沿って上方向の加速度AZが加わると、慣性質量体6は慣性力により初期位置からZ軸の負方向(図中下方向)に沈み込むように変位する。この際、比較例の加速度センサでは、第1の貫通孔H1から慣性質量体6と基板1との間のエアーが十分に抜けないため、エアーの閉じ込めによりエアーダンピングが発生する。
【0055】
このため、図13を参照して、慣性質量体6が基板1側に変位する場合の加速度センサの出力をプラス側出力とし、慣性質量体6が基板1と反対側に変位する場合の加速度センサの出力をマイナス側出力とした場合に、上記のエアーダンピングによって、プラス側出力のセンサ出力が入力加速度に比べて大きく異なる。つまり、プラス側出力のセンサ出力が入力加速度に比べて小さくなる。そのため、加速度センサのプラス側出力とマイナス側出力との感度が異なる。なお、図13では、縦軸は加速度を示し、横軸は時間を示している。縦軸は上方がプラス(+)側出力を示し下方がマイナス(−)側出力を示している。
【0056】
比較例の加速度センサでは、特に加速度10G(重力加速度)以下の低加速度を測定対象とする場合、50G以上の高加速度を測定対象とする場合と比較して慣性質量体6に加わる慣性力が低くなる。そのため、加速度を測定するために、リンク梁5の剛性が弱く設定され、リンク梁5とねじれ梁3との距離が大きく設定される。これにより、必然的に慣性質量体6のZ軸方向の変位量は高加速度を測定対象とする場合の変位量と比較して大きくなる。このため、加速度10G(重力加速度)以下を測定対象とする場合、慣性質量体6と基板1との間のエアーによる抗力が強くなる。
【0057】
それに対して、図3を参照して、本実施の形態の加速度センサも比較例の加速度センサと同様に、基板1の膜厚方向に沿って上方向の加速度AZが加わると、慣性質量体6は慣性力により初期位置からZ軸の負方向(図中下方向)に沈み込むように変位する。しかし、本実施の形態の加速度センサでは、慣性質量体6の第1の貫通孔H1は、検出プレート4の第2の貫通孔H2より大きい開口面積を有しているため、慣性質量体6が基板1側に変位すると、一方面6aから他方面6bに第1の貫通孔H1を通って慣性質量体6と基板1との間のエアーが抜ける。したがって、慣性質量体6と基板1との間のエアーの閉じ込めによるダンピング効果を抑制することができる。そのため、スクイズフィルムダンピング効果を抑制することができる。
【0058】
このため、図14を参照して、エアーダンピングによって、加速度センサのプラス側出力が入力加速度に比べて大きく異なることが抑制される。そのため、加速度センサのプラス側出力とマイナス側出力との感度が異なることを抑制できる。このため、慣性質量体6が基板1側に変位する場合と慣性質量体6が基板1と反対側に変位する場合との加速度センサの感度差を抑制することができる。これにより、高精度の加速度センサを提供することができる。さらに、加速度10G(重力加速度)以下を測定対象とする場合においても、高精度に加速度を測定することができる。
【0059】
また、本実施の形態の加速度センサによれば、慣性質量体6との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極7を備えている。そのため、アクチュエーション電極7で慣性質量体6を基板1の膜厚方向に静電駆動することによって実際に加速度センサに加速度AZを加えずにセンサが故障しているかどうか自己診断することができる。
【0060】
また、本実施の形態の加速度センサによれば、第1の検出プレート41および第2の検出プレート42は、ねじれ軸線T方向に並んで配置され、かつそれぞれのねじれ梁31,32とリンク梁51,52との間の寸法が互いに等しくなるように構成されている。このため、第1の検出プレート41および第2の検出プレート42のそれぞれの回転変位量が等しくなる。よって、図5に示すコンデンサC1a、C1b、C2aおよびC2bの静電容量変化がより精度よく行なわれる。このため、加速度センサの誤差をさらに抑制することができる。
【0061】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の加速度センサは、実施の形態1の加速度センサと比較して、第1の貫通孔の形状が主に異なっている。
【0062】
図15および図16を参照して、慣性質量体6の他方面6bにおいて、第1の貫通孔H1は、第2の貫通孔H2より大きい開口面積を有している。第1の貫通孔H1は、慣性質量体6の他方面6b側から一方面6a側に向かって開口面積が大きくなるように設けられたテーパ形状を有している。第1の貫通孔H1の一方面6a側の開口面積は、第1の貫通孔H1の他方面6b側の開口面積より大きくなるように形成されている。
【0063】
次に本実施の形態の加速度センサの製造方法について説明する。
図9を参照して、基板1上に堆積されたポリシリコン膜102の表面がCMP処理により平坦化される工程までは、本実施の形態の加速度センサは実施の形態1と同様に製造される。
【0064】
図17を参照して、ポリシリコン膜102の犠牲層膜101の上面よりも上方の部分に対して、選択的なエッチングが行なわれる。これにより、第1のねじれ梁31(図1)と、第1の検出プレート41と、第1のリンク梁51(図1)と、慣性質量体6と、アンカー81とが一括形成される。この際、第2の貫通孔H2も形成される。
【0065】
図18を参照して、ポリシリコン膜102のエッチングされた部分を充填し、さらにポリシリコン膜102を覆うようにレジスト103が形成される。その後、第1の貫通孔H1を形成する部分のレジスト103がパターニングされる。
【0066】
図19を参照して、第1の貫通孔H1がテーパ形状にエッチングされる。テーパ形状はエッチング条件調整により容易に形成される。その後、犠牲層膜101およびレジスト103がエッチングにより選択的に除去され、図16に示される本実施の形態の加速度センサが得られる。なお、上記のポリシリコン膜102の垂直エッチングとテーパエッチングの順序は入れ替えてもよい。
【0067】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成および製造方法は上述した実施の形態1の構成と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0068】
本実施の形態の加速度センサによれば、第1の貫通孔H1は、他方面6b側から一方面6a側に向かって開口面積が大きくなるように設けられたテーパ形状を有しているため、慣性質量体6が基板1側に変位すると、一方面6aから他方面6bにテーパ形状に沿って慣性質量体6と基板1との間のエアーが効果的に抜ける。そのため、スクイズフィルムダンピング効果を抑制することができる。
【0069】
さらに第1の貫通孔H1がテーパ形状を有しているため、実施の形態1より小さい第1の貫通孔H1の体積で実施の形態1と同量のエアーの抜けを実現することができる。そのため、実施の形態1と比較して第1の貫通孔H1の体積を小さくすることができる。このため、慣性質量体6の質量を大きくすることができる。加速度センサの感度は慣性質量体6の質量に比例するため、慣性質量体6の質量を大きくすることにより加速度センサの感度を高くすることができる。
【0070】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の加速度センサは、実施の形態1の加速度センサと比較して、基板の形状が主に異なっている。
【0071】
図20および図21を参照して、基板1の慣性質量体6と対向する部分に溝9が形成されている。溝9は、基板1の慣性質量体6の外周部と対向する箇所において、第1のリンク梁51および第2のリンク梁52付近以外に形成されている。また、溝9は、基板1の慣性質量体6の外周部と対向する箇所の外側にも形成されている。さらに、溝9は、基板1の中央部において、平面視における第1の検出プレート41と第2の検出プレート42との間の領域に対向する箇所にも形成されている。
【0072】
次に本実施の形態の加速度センサの製造方法について説明する。
図7を参照して、基板1上に絶縁膜11を介して第1の検出電極21およびアクチュエーション電極7が形成される工程までは、本実施の形態の加速度センサは実施の形態1と同様に製造される。
【0073】
図22を参照して、基板1上全体にPSGなどの犠牲層膜101が堆積される。アンカー81(図1)が形成される部分および溝9(図21)が形成される部分の犠牲層膜101が選択的にエッチングされる。犠牲層膜101を覆うように窒化膜などの絶縁膜104が形成される。
【0074】
図23を参照して、基板1上の溝9が形成される部分にPSGなどの犠牲層膜105が堆積される。慣性質量体6の下面にあたる犠牲層膜105上に絶縁膜106が形成される。犠牲層膜105の表面には絶縁膜106が存在しない開口部107が形成される。
【0075】
図24を参照して、堆積されたポリシリコン膜102の表面にCMP処理が施され、ポリシリコン膜102の表面が平坦化される。さらに、ポリシリコン膜102に選択的なエッチングが行なわれる。これにより、第1のねじれ梁31(図1)と、第1の検出プレート41と、第1のリンク梁51(図1)と、慣性質量体6と、アンカー81とが一括形成される。この際、第1の貫通孔H1および第2の貫通孔H2も形成される。
【0076】
図25を参照して、ポリシリコン膜102の露出部分を覆うように絶縁膜108が形成される。
【0077】
図26を参照して、開口部107を通して絶縁膜11と犠牲層膜105とがエッチングにより部分的に除去される。XeF2(ニフッ化キセノン)などシリコンを選択的に除去する材料により基板1上に溝9が形成される。その後、犠牲層膜101、絶縁膜104,106,108が選択的に除去され、図21に示される本実施の形態の加速度センサが得られる。
【0078】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成および製造方法は上述した実施の形態1の構成と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0079】
また、上記では、基板1上に溝9が形成される場合について説明したが、基板1に貫通孔が形成されていてもよい。
【0080】
図27を参照して、本実施の形態の加速度センサの変形例では、基板1の慣性質量体6と対向する部分に貫通孔10が形成されている。この貫通孔10は、図26で示される工程において、XeF2(ニフッ化キセノン)などシリコンを選択的に除去する材料により形成される。変形例のこれ以外の構成および製造方法は上述した本実施の形態の構成と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0081】
本実施の形態の加速度センサによれば、基板1は、慣性質量体6と対向する部分に溝9および貫通孔10の少なくともいずれかを有しているため、慣性質量体6との間の空間を大きくすることができるので慣性質量体6と基板1との間のエアーの閉じ込めを抑制できる。そのため、スクイズフィルムダンピング効果をさらに抑制することができる。これにより、さらに高精度の加速度センサを提供することができる。
【0082】
上記の各実施の形態は適宜組み合わせられ得る。
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 基板、2 検出電極、3 ねじれ梁、4 検出プレート、5 リンク梁、6 慣性質量体、6a 一方面、6b 他方面、7 アクチュエーション電極、8 アンカー、9 溝、10 貫通孔、11 絶縁膜、21 第1の検出電極、21a 第1一方検出電極、21b 第1他方検出電極、22 第2の検出電極、22a 第2一方検出電極、22b 第2他方検出電極、31 第1のねじれ梁、32 第2のねじれ梁、41 第1の検出プレート、42 第2の検出プレート、51 第1のリンク梁、52 第2のリンク梁、81,82 アンカー、101 犠牲層膜、102 ポリシリコン膜、103 レジスト、104 絶縁膜、105 犠牲層膜、106 絶縁膜、107 開口部、108 絶縁膜、H1 第1の貫通孔、H2 第2の貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた検出電極と、
前記基板に支持され、かつねじれ軸線を中心としてねじれるねじれ梁と、
前記検出電極に対して前記ねじれ軸線を中心に回転可能に前記ねじれ梁に支持された検出プレートと、
平面視において前記ねじれ軸線からずれた位置において前記検出プレートに支持されたリンク梁と、
前記基板に対向する一方面と前記一方面とは反対側の他方面とを有し、かつ前記一方面と前記他方面とが対向する方向に変位可能に前記リンク梁に支持された慣性質量体とを備え、
前記慣性質量体は、前記方向に前記慣性質量体を貫通するように設けられた複数の第1の貫通孔を含み、
前記検出プレートは、前記方向に前記検出プレートを貫通するように設けられた複数の第2の貫通孔を含み、
前記第1の貫通孔は、前記第2の貫通孔より大きい開口面積を有している、加速度センサ。
【請求項2】
前記第1の貫通孔は、前記他方面側から前記一方面側に向かって開口面積が大きくなるように設けられたテーパ形状を有している、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記基板は、前記慣性質量体と対向する部分に溝および貫通孔の少なくともいずれかを有している、請求項1または2のいずれかに記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記慣性質量体と対向するように前記基板に支持され、前記慣性質量体との間に電気的に静電引力を発生させるアクチュエーション電極をさらに備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記検出プレートは、第1の検出プレートおよび第2の検出プレートを含み、
前記第1および第2の検出プレートは、前記ねじれ軸線方向に並んで配置され、かつそれぞれの前記ねじれ梁と前記リンク梁との間の寸法が互いに等しくなるように構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の加速度センサ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図1】
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【図11】
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【図15】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−229939(P2012−229939A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97074(P2011−97074)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】