説明

加飾方法

【課題】通信機能を有する機器に使用しても、電波障害を起こすことのないレインボーカラー加飾方法を提供する。
【解決手段】成形基材にウレタンアクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を塗布し、硬化させアンダーコート層を形成し、インジウム又は/及びスズを結晶構造が繋がらないように真空蒸着して無通電薄膜層を形成し、UV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布し、硬化させハードコート層を形成することを含み、レインボーカラーの加飾をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂で形成した成形基材の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、無通電薄膜層を形成すると共にレインボーカラーの加飾をするもので、通信機能を備えた携帯電話、モバイル機器等の電波に悪影響を与えること無く、且つ、耐摩耗性に劣っているインジウム、スズの薄膜、又は、酸化化合物層を耐摩耗性が求められるの操作ボタン等に実施する加飾方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に金属を蒸着技術等で積層した多色多層膜はレインボーカラーに加飾でき美しいものであるが、携帯電話やモバイル機器等の通信機能を有する機器に用いると電波障害を起こすことと、非常に薄く耐摩耗性に劣っているため用途が限定され、加飾性、デザイン性の要求される携帯電話のケースやデジタル家電等の電波障害を起こさない部分や耐摩耗性を要求されない部分にのみに用いられていた。
【0003】
また、従来のレインボーカラーの加飾法としては、塗料に硝子や金属の微粒子を混ぜ込んで乱反射を利しているものであるが、塗料と微粒子の比重の違いから塗装中に沈降して作業性が悪いものであった。
【0004】
その為に、例えば、レインボーカラーの加飾方法で実質的に微粒子を含まないものとして先に開示されたものとして、虹彩色を発現する微粒子を実質的に含まないアンダーコート層形成用被覆材組成物を基材に塗布、硬化し、その硬化層上にさらに薄膜金属層を形成することによって表面凹凸金属層を設ける虹彩色を発現する積層物の製造方法;被覆用組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する化合物、光重合開始剤を含むもの(特許文献1参照)や、プラスチックフイルムの片面に、離型層、保護層、低屈折率薄膜層の両面側に高屈折率薄膜層が形成されている虹彩層、接着層が順次形成されている虹彩色転写フイルムにおいて、少なくとも片面側の高屈折率薄膜層は金属薄膜層を介して低屈折率薄膜層上に形成されているもの(特許文献2参照)や、加飾成形体10は、樹脂成形体11の表面に多層積層フィルム12が設けられ、可視光領域における特定波長の光を選択的に反射することにより、虹彩色を呈する。多層積層フィルム12は、第1の樹脂フィルムからなる第1の層12aと、前記第1の樹脂フィルムとは異なる屈折率を有する第2の樹脂フィルムからなる第2の層12bとを合計11層以上交互に積層してなる(特許文献3参照)が開示されている。
【特許文献1】特開2007−54827号公報
【特許文献2】特開2003−326895号公報
【特許文献3】特開2006−216493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然し乍ら、特許文献1〜2では、金属薄膜層を積層しているため携帯電話のような電波を送受信するアンテナを装備する機器では電波に悪影響を及ぼすもので、また、特許文献3では、異なる屈折率を有する樹脂フィルムを11層以上交互に積層するもので製作が複雑で手間暇係るものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加飾方法は、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、アンダーコート層の上面にインジウム(In)又はスズ(Sn)を結晶構造が繋がらないように、または、インジウム(In)とスズ(Sn)とを夫々結晶構造が繋がらないように、または、アンダーコート層の上面に一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、クロム(Cr)の中の少なくとも一種を真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加飾方法は、アンダーコート層の上面に真空蒸着して無通電薄膜層を形成しているため、通信機能を備えた携帯電話、モバイル機器等の電波特性を良好に保つため、電波の送受信を行う部位の表面にもレインボーカラーの加飾を実施でき、更に、アンダーコート層と無通電薄膜層とハードコート層とを形成するのみの簡単な工程で、鮮やかなレインボーカラーを呈するもので、光沢感や高級感等を醸し出すことを可能とするものであり、画期的で実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は樹脂で形成した成形基材の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、無通電薄膜層を形成すると共にレインボーカラーの加飾をするもので、通信機能を備えた携帯電話、モバイル機器等の電波に悪影響を与えること無く、且つ、耐摩耗性に劣っているインジウム、スズの薄膜、又は、酸化化合物層を耐摩耗性が求められるの操作ボタン等に実施する加飾方法に関するものであり、請求項1に記載の加飾方法は、成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面にインジウム(In)又はスズ(Sn)を結晶構造が繋がらないように真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項2に記載の加飾方法は、成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面にインジウム(In)とスズ(Sn)とを夫々結晶構造が繋がらないように真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とするものである。
【0010】
更には、請求項3に記載の加飾方法は、成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面に一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、クロム(Cr)の中の少なくとも一種を真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とするものである。
【実施例】
【0011】
即ち、本発明の加飾方法の実施例の成形基材とは、主として電波の送受信を行うモバイル機器や携帯電話の外装のケースや各種操作ボタンである合成樹脂の形成基材に好適に実施できるものである。
【0012】
そして、アンダーコート層を形成する工程で形成するアンダーコート層は、被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布させて、塗布させた被覆材組成物に活性エネルギー線を照射することにより硬化させるものである。
【0013】
次に、アンダーコート層形成用被覆材組成物は、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールと、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含むものである。
【0014】
つまり、(ポリ)アルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールとアルキレングリコール」との総称であり、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられ、これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いることができ、それらの中でも、得られる組成物の低粘度化の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールが好ましいものである。
【0015】
更に、前記(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させてポリエステルジオールを得るものである。
【0016】
そして、ジイソシアネート化合物は、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられ、これらの中で、合成時の反応性が高いことや、工業的に安価であり、入手が容易なことからトリレンジイソシアネートが好ましいものである。
【0017】
次いで、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルは、分子内に、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個のヒドロキシル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げ、これらは、一種単独で、又は二種以上を併用して用いるものである。
【0018】
更に、ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリエステルジオールにジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られたもので、45〜95質量%を含むものである。
【0019】
更には、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する化合物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物であり、1〜50質量%を含むものである。
【0020】
そして、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の6官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリル酸エステル等の5官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエトキシ変性テトラ(メタ)アクリル酸エステル等の4官能(メタ)アクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸メチルペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチルペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(付加モル数をn、mとした場合、n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリルアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステルジ(メタ)アクリレート類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の有機ジイソシアネート化合物と、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート類;アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、スピログリコール化合物等の1種又は2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、及び1個のヒドロキシル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させた前記(A)成分以外のウレタンジ(メタ)アクリレート類、スチレン、α−メチルスチレン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニル化合物類;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールジアリルカーボネート等のアリル類等が挙げられるもので、これらを、1種又は2種以上を併用して用いるものである。
【0021】
次に、光重合開始剤を0.1〜15質量%を含むものであり、光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができるもので、これらは、1種又は2種以上の混合系で使用されるものである。
【0022】
つまり、ウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%、光重合開始剤を0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を得るものである。
【0023】
更に、被覆材組成物を塗布する工程では、前記被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で成形基板の表面に塗布するものである。
【0024】
更には、アンダーコート層を形成する工程では、前記塗布した被覆材組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成するものである。
【0025】
次に、無通電薄膜層を形成する工程では、アンダーコート層の上面にインジウム(In)又はスズ(Sn)を結晶構造が繋がらないように、エレクトリックビーム型又は熱抵抗動作型等の真空蒸着機により真空蒸着した無通電薄膜層を形成するもので、つまり、50〜100オングストロームでインジウム(In)又はスズ(Sn)を真空蒸着することにより結晶構造が繋がってない無通電薄膜層を形成するある。
【0026】
次いで、ハードコート層を形成する工程では、前記無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、前記塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成することにより、レインボーカラーの加飾をするものである。
【0027】
更に、本発明の加飾方法の次実施例の無通電薄膜層を形成する工程では、アンダーコート層の上面にインジウム(In)とスズ(Sn)とを夫々結晶構造が繋がらないように、エレクトリックビーム型又は熱抵抗動作型等の真空蒸着機により真空蒸着した無通電薄膜層を形成するもので、つまり、50〜100オングストロームでインジウム(In)とスズ(Sn)とを真空蒸着することにより結晶構造が繋がってない無通電薄膜層を形成するある。
【0028】
更には、本発明の加飾方法の他実施例の無通電薄膜層を形成する工程では、アンダーコート層の上面に無通電部材である一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、クロム(Cr)の中の少なくとも一種、つまり、一種又は二種、又は二種以上をエレクトリックビーム型又は熱抵抗動作型等の真空蒸着機により真空蒸着して無通電薄膜層を形成するものである。
【0029】
そして、次実施例、及び、他実施例のアンダーコート層とハードコート層とは前述の実施例と同様なので省略するものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の加飾方法は、アンダーコート層の上面に真空蒸着して無通電薄膜層を形成しているため、通信機能を備えた携帯電話、モバイル機器等の電波特性を良好に保つため、電波の送受信を行う部位の表面にもレインボーカラーの加飾を実施でき、更に、アンダーコート層と無通電薄膜層とハードコート層とを形成するのみの簡単な工程で、鮮やかなレインボーカラーを呈するもので、光沢感や高級感等を醸し出すことを可能とする加飾方法を提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面にインジウム(In)又はスズ(Sn)を結晶構造が繋がらないように真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とする加飾方法。
【請求項2】
成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面にインジウム(In)とスズ(Sn)とを夫々結晶構造が繋がらないように真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とする加飾方法。
【請求項3】
成形基材の表面に、(ポリ)アルキレングリコールとアジピン酸とを反応させて得られるポリエステルジオールに、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート45〜95質量%と、分子内に1個以上のラジカル重合性2重結合を有する前記ウレタン(メタ)アクリレート以外の化合物1〜50質量%と、光重合開始剤0.1〜15質量%を含む被覆材組成物を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布した被覆材組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させアンダーコート層を形成する工程と、該アンダーコート層の上面に一酸化珪素(SiO)、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、クロム(Cr)の中の少なくとも一種を真空蒸着して無通電薄膜層を形成する工程と、該無通電薄膜層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート又はインモールド転写で塗布する工程と、該塗布したUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂に活性エネルギー線を照射して硬化させハードコート層を形成する工程と、を含み、レインボーカラーの加飾をすることを特徴とする加飾方法。

【公開番号】特開2011−189322(P2011−189322A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59684(P2010−59684)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(591257513)株式会社フクダコーポレーション (17)
【Fターム(参考)】