説明

化学硬化性一体型ウォームエッジスペーサ及びシール

絶縁ガラスユニットにおいて有用な「一体型」スペーサ及びシールは、好適には低透過性(例えば、硬化性ポリイソブチレン又は硬化性ブチルゴム)技術を有するシラン官能性、有機ポリマーをベースとする。この化学架橋(硬化)性、可撓性、熱硬化性、スペーサ及びシールは現在の市販の熱可塑性スペーサ材料の不足を克服するための解決法を提供する。絶縁ガラスユニットにおいてエッジシールとして用いる場合、組成物の硬化物は封止、接着、間隔調整、及び乾燥の機能を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
絶縁ガラスユニットにおいて有用な「一体型」スペーサ及びシールは、好適には低透過性(例えば、硬化性ポリイソブチレン又は硬化性ブチルゴム)技術を有するシラン官能性、有機ポリマーをベースとする。この化学架橋(硬化)性、可撓性、熱硬化性スペーサ及びシールは現在の市販の熱可塑性スペーサ材料の不足を克服するための解決法を提供する。熱硬化性材料は硬化し、粘着性を発現させ、絶縁ガラスユニットのガラスパネルを支持する強度をもたらす。スペーサ及びシールはエッジシールの4つの機能、つまり封止、接着、間隔調整、及び乾燥、従って「一体型」解決法を提供する。
【背景技術】
【0002】
絶縁ガラス(IG)ユニットは、当技術分野において知られている。一般的なIGユニットでは、ガラス板は互いに平行に保持され、スペーサにより間隔を置いて固定されている。一次封止材はガラス板間のバリアとして用いられる。一次封止材を用いて水蒸気がガラス板の間の空間(ガラス板間空間)中へ移動することを防止することができる。一次封止材を用いてアルゴンのような不活性ガスがガラス板間空間から移動してくることを防止することもできる。二次封止材はガラス板を互いに及びスペーサに接着するために用いられる。乾燥剤をスペーサに添加し、ガラス板間空間から水分を除去することができる。スペーサは金属(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)、プラスチック、プラスチック被覆金属、発泡体(例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)又はシリコーン)、又は他の適切な材料から形成することができる。
【0003】
IGユニットのより効率的な製造方法が望まれている。一次封止材、二次封止材、スペーサ、及び乾燥剤の機能、すなわち、封止、接着、間隔調整、及び乾燥の1つ以上を行う単一の封止材組成物が望まれている。好適には、これらの機能のすべてを行う単一の封止材組成物、つまり「一体型」の解決法が望まれている。封止材組成物は二軸押出機のような従来の連続配合装置で製造可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
IG用途において「一体型」封止材として有用な組成物について開示する。組成物は(A)湿気硬化性、シラン官能性、低透過性、有機ポリマー、(B)縮合触媒、及び(C)シラノール官能性シリコーン樹脂を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】IGユニットの部分断面図である。
【図2】IGユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
IG用途において「一体型」封止材として有用な組成物について開示する。組成物は一液型又は複数成分組成物であってもよい。組成物は(A)10〜65重量%の湿気硬化性、シラン官能性、低透過性、有機ポリマー;(B)0.05〜3重量%の縮合触媒;(C)1〜25重量%のシラノール官能性シリコーン樹脂;(D)0〜25重量%の乾燥剤;(E)0〜30重量%の成分(D)以外の充填剤;(F)0〜30重量%の非反応性、弾性、有機ポリマー;(G)0〜5重量%の架橋剤;(H)0〜5重量%の成分(G)以外の化学的乾燥剤;(I)0〜5重量%の成分(G)及び(H)以外の接着促進剤;(J)0〜20重量%の25℃で固体であり、所望の塗布温度範囲の一番低い温度でワックスが溶けるように選択される融点を有する微結晶ワックス;(K)0〜3重量%の老化防止添加剤;並びに(L)0〜20重量%の粘着付与剤を含む。疑念を避けるため付言すると、存在する又は選択的に存在する構成成分の累計は100%より大きい又は小さい値となり得るが、本発明によるいずれかの組成物の総重量%は100%に等しいことを理解すべきである。
【0007】
成分(A)湿気硬化性、シラン官能性、低透過性、有機ポリマー
成分(A)は湿気硬化性、シラン官能性、有機ポリマーである。成分(A)は低透過性を有することが好ましい。本出願の目的のため、「低透過性」とは、組成物を絶縁ガラスユニットにおいて単一又は複合エッジシールとして用いる場合、成分(A)が組成物の硬化物(封止材)に特性を与え、組成物が用いられ、EN 1279−2、EN 1279−3、又はASTM E2190−08のような関連する業界性能基準を満たすIGユニットの耐用年数中に封止材が水及び/又は水蒸気への暴露を含む環境条件に耐えることができることを意味する。成分(A)は弾性であってもよい、すなわち、0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有していてもよい。成分(A)が弾性である場合、成分(A)は一般的に熱可塑性ポリマーと称される半結晶性及びアモルファスポリオレフィン(例えば、アルファオレフィン)と区別することができる。組成物を硬化することにより調製される封止材は、成分(A)が弾性である場合、封止材は成分(A)により組成物に与えられたゴム状稠度を有することができるので、弾性であり得る。
【0008】
成分(A)は、シリル化ポリアルファオレフィン、イソモノオレフィン及びビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、ジエン及びビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、オレフィン及びジエンのシリル化コポリマー(例えば、選択的にハロゲン化することができる、ポリイソブチレン及びイソプレンから調製されるシリル化ブチルゴム)、若しくはこれらの組み合わせ(シリル化コポリマー)、イソモノオレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、ジエンのシリル化ホモポリマー(例えば、シリル化ポリブタジエン又はシリル化水素化ポリブタジエン)、若しくはこれらの組み合わせ(シリル化ホモポリマー)、又はシリル化コポリマー及びシリル化ホモポリマーの組み合わせを含むことができる。本出願の目的のため、シリル化コポリマー及びシリル化ホモポリマーをまとめて「シリル化ポリマー」と称する。シリル化ポリマーは選択的に1つ以上のハロゲン基、とくに臭素基を含有することができる。
【0009】
成分(A)は式:
【化1】

のシラン官能基を含むことができる。
Dは二価有機基を表し、各Xは単独で加水分解性基を表し、各Rは単独で一価炭化水素基を表し、下付き文字eは0、1、2、又は3を表し、下付き文字fは0、1、又は2を表し、下付き文字gは0〜18の範囲の値を有する。ただし、e+fの合計は少なくとも1であり、式には少なくとも1個のXが存在する。
【0010】
あるいは、Dはエチレン、プロピレン、ブチレン、及びへキシレンのような二価炭化水素基であってもよい。あるいは、各Xはアルコキシ基;アルケニルオキシ基;アセトアミド、メチルアセトアミド、又はベンズアミドのようなアミド基;アセトキシのようなアシルオキシ基;アミノ基;アミノキシ基;ヒドロキシル基;メルカプト基;オキシモ基;並びにケトキシモ基からなる群から選択することができる。あるいは、各Rは単独で炭素原子1〜20個のアルキル基、炭素原子6〜20個のアリール基、及び炭素原子7〜20個のアラルキル基から選択することができる。あるいは、下付き文字gは0である。
【0011】
適切なモノイソオレフィンの例としては、これらに限定されないが、イソブチレン、イソペンチレン、イソへキシレン、及びイソへプチレンのようなイソアルキレン;あるいはイソブチレンが挙げられる。適切なビニル芳香族モノマーの例としては、これらに限定されないが、アルファメチルスチレン、t−ブチルスチレン、及びパラメチルスチレンのようなアルキルスチレン;あるいはパラメチルスチレンが挙げられる。適切なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、及びt−ブチル;あるいはメチルが挙げられる。適切なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、及びへキセニル;あるいはビニルが挙げられる。成分(A)は20,000〜500,000、あるいは50,000〜200,000、あるいは20,000〜100,000、あるいは25,000〜50,000、あるいは28,000〜35,000の範囲の平均分子量(Mn)を有することができる。上記Mn値はすべてトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン分子量基準に基づいて計算される。
【0012】
成分(A)は、上記式により表されるシラン官能基を0.2モル%〜10モル%、あるいは0.5モル%〜5モル%、あるいは0.5モル%〜2.0モル%、あるいは0.5モル%〜1.5モル%、あるいは0.6モル%〜1.2モル%の範囲の量で含有することができる。
【0013】
適切なシリル化ポリアルファオレフィンの例は当技術分野において知られ、市販されている。例としては、ドイツ、マールのDegussa AG Coatings & Colorantsから商品名VESTOPLAST(登録商標)で市販されている縮合反応硬化性シリル化ポリマーが挙げられる。
【0014】
適切なシリル化コポリマー及びその調製方法の例は当技術分野において知られ、その例としては、欧州特許第0320259B1号(ダウコーニング);ドイツ特許第19,821,356A1号(Metallgesellschaft);並びに米国特許第4,900,772号(カネカ);第4,904,732号(カネカ);第5,120,379号(カネカ);第5,262,502号(カネカ);第5,290,873号(カネカ);第5,580,925号(カネカ);第4,808,664号(ダウコーニング);第6,380,316号(ダウコーニング/ExxonMobil);及び第6,177,519号(ダウコーニング/ExxonMobil)に開示されるシリル化コポリマーがある。米国特許第6,380,316号及び第6,177,519号は本明細書に参照により組み入れる。簡潔に記載すると、米国特許第6,177,519号のシリル化コポリマーの調製方法は、i)少なくとも50モル%の4〜7個の炭素原子を有するイソモノオレフィン及びビニル芳香族モノマーを有するオレフィンコポリマー;ii)少なくとも2つの加水分解性有機基及び少なくとも1つのオレフィン不飽和炭化水素又は炭化水素オキシ基を有するシラン;並びにiii)フリーラジカル発生基を接触させるステップを含む。
【0015】
あるいは、シリル化コポリマーは、既知の方法(例えば、イソシアネート官能性アルコキシシランでの反応、Na存在下におけるアリルクロリドでの反応後のヒドロシリル化)による市販のヒドロキシル化ポリブタジエン(例えばSartomerから商品名Poly BDで市販のもの)の変換を含む方法により調製することができる。
【0016】
成分(A)の量は、組成物の重量に対して10〜65重量%、あるいは10〜35重量%、あるいは15〜35重量%の範囲とすることができる。本出願のすべての量、比、及び割合はとくに指定のない限り重量による。成分(A)は1つの湿気硬化性、シラン官能性、低透過性、有機ポリマーであってもよい。あるいは、成分(A)は以下の特性:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列の少なくとも1つが異なる2つ以上の湿気硬化性、シラン官能性、低透過性、有機ポリマーを含むことができる。本出願の目的のため、冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ1つ以上を指すことができる。
【0017】
成分(B)縮合触媒
成分(B)は縮合触媒である。適切な縮合触媒としては、スズ(IV)化合物、スズ(II)化合物、及びチタネートが挙げられる。スズ(IV)化合物の例としては、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)、ジメチルスズジラウレート、ジ−(n−ブチル)スズビス−ケトネート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメトキシドカルボメトキシフェニルスズトリス−ウベレート、イソブチルスズトリセロエート、ジメチルスズジブチレート、ジメチルスズジ−ネオデコノエート(DMDTN)、トリエチルスズタートレート、ジブチルスズジベンゾエート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、ジオクチルスズジアセテート、スズオクチレート、スズオレエート、スズブチレート、スズナフテネート、ジメチルスズジクロリド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。スズ(IV)化合物は当技術分野において知られ、Metatin(登録商標)740及びFascat(登録商標)4202のように市販されている。
【0018】
スズ(II)化合物の例としては、スズ(II)ジアセテート、スズ(II)ジオクタノエート、スズ(II)ジエチルヘキサノエート、スズ(II)ジラウレートのような有機カルボン酸のスズ(II)塩、第一スズオクトエート、第一スズオレエート、第一スズアセテート、第一スズラウレートのようなカルボン酸の第一スズ塩、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
有機官能性チタネートの例としては、1,3−プロパンジオキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート);1,3−プロパンジオキシチタニウムビス(アセチルアセトネート);ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート);2,3−ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセテート)チタニウム;チタニウムナフテネート;テトラプロピルチタネート;テトラブチルチタネート;テトラエチルヘキシルチタネート;テトラフェニルチタネート;テトラオクタデシルチタネート;テトラブトキシチタニウム;テトライソプロポキシチタニウム;エチルトリエタノールアミンチタネート;ビス(アセチルアセトニル)ジイソプロピルチタネートのようなベタジカルボニルチタニウム化合物;又はこれらの組み合わせが挙げられる。シロキシチタネートの例としては、テトラキス(トリメチルシロキシ)チタニウム、ビス(トリメチルシロキシ)ビス(イソプロポキシ)チタニウム、又はこれらの組み合わせがある。
【0020】
成分(B)の量は組成物を硬化するのに十分である。成分(B)の量は、組成物の重量に対して0.03〜3重量%、あるいは0.1〜3重量%、あるいは0.2〜2重量%の範囲とすることができる。成分(B)は1つの縮合触媒であってもよい。あるいは、成分(B)は2つ以上の異なる縮合触媒を含むことができる。
【0021】
成分(C)シラノール官能性シリコーン樹脂
成分(C)はシラノール官能性シリコーン樹脂である。成分(C)は、成分(C)が組成物を硬化するのに十分な量のシラノール基を含有し、例えば本明細書の参照例2の方法により、塗布温度範囲内の温度で塗布時間暴露した際に十分な量のシラノール基が組成物を硬化するのに十分に反応性であるように選択される。しかしながら、成分(C)は処理中に過剰な量のシラノールが放出されることを防止するのに十分な低揮発度を有し、十分に安定している。例えば、成分(C)は、十分なシラノール基が組成物を用いる塗布プロセス中又は後に組成物を硬化するのに使用可能であるように、組成物の配合中にシラノール基を十分に結合する。例えば、組成物をIG用途に用いる場合、塗布温度範囲は組成物をガラス板間に塗布又は配置する温度範囲であってもよい。塗布温度範囲はIGユニット製造業者の特定の製造プロセスを含む各種要因によって決まるだろう。
【0022】
シラノール官能性シリコーン樹脂は当技術分野において知られ、市販されている。シラノール官能性シリコーン樹脂はDT、MDT、DTQ、MQ、MDQ、MDTQ、又はMTQ樹脂のようなM、D、T、及びQ単位の組み合わせ;あるいはT(シルセスキオキサン)樹脂又はDT樹脂を含むことができる。本出願の目的のため、「D単位」とは式RSiO2/2の単位を意味し、「M単位」とは式RSiO1/2の単位を意味し、「Q単位」とは式SiO4/2の単位を意味し、「T単位」とは式RSiO3/2の単位を意味するが、各Rは単独で有機基又はシラノール基である。
【0023】
DT樹脂の例としては、式:
(RSiO2/2(R10SiO3/2
を含む樹脂がある。
【0024】
、R及びR10の各例は同じ又は異なっていてもよい。R、R及びR10は各単位内で異なっていてもよい。各R、R及びR10は単独で炭化水素基又はアルコキシ基のようなヒドロキシル基又は有機基を表す。炭化水素基は飽和又は不飽和とすることができる。炭化水素基は分岐、非分岐、環状、又はこれらの組み合わせとすることができる。炭化水素基は1〜40個の炭素原子、あるいは1〜30個の炭素原子、あるいは1〜20個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有することができる。炭化水素基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、及びt−ブチルのようなアルキル基;あるいはメチル又はエチル;あるいはメチルを含むことができる。炭化水素基はフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及びフェニルエチルのような芳香族基;あるいはフェニルを含むことができる。不飽和炭化水素基はビニル、アリル、ブテニル、及びへキセニルのようなアルケニルを含む。
【0025】
上記式中、hは1〜200、あるいは1〜100、あるいは1〜50、あるいは1〜37、あるいは1〜25の範囲とすることができる。上記式中、iは1〜100、あるいは1〜75、あるいは1〜50、あるいは1〜37、あるいは1〜25の範囲とすることができる。
【0026】
あるいは、DT樹脂は式:(RSiO2/2(RSiO2/2(RSiO3/2(RSiO3/2を有することができ、R、R、h、及びiは上述のとおりである。あるいは、この式中、各Rはアルキル基であってもよく、各Rは芳香族基であってもよい。
【0027】
MQ樹脂の例としては、式:(RSiO1/2(SiO4/2の樹脂があり、R、R及びR10は上述のとおりであり、jは1〜100であり、kは1〜100であり、jのkに対する平均比は0.65〜1.9である。
【0028】
上記式中、シラノール含量、例えばOH基(シラノール)であるR、R及び/又はR10基の量は、OH基の分子量、構造、及び位置を含む各種要因によって決まるが、シラノール含量はシラノール官能性シリコーン樹脂の重量に対して3%〜10%、あるいは5%〜7%の範囲とすることができる。
【0029】
組成物を連続プロセス装置(例えば、二軸押出機)で調製する場合、成分は短時間で塗布温度範囲より20℃〜30℃高い範囲の温度で配合することができる。従って、成分(C)は確実にすべてのシラノール含量を配合中に除去しないように選択されるが、成分(C)のシラノール基は塗布温度範囲に十分な時間暴露すると組成物を硬化する。
【0030】
選択されるシラノール官能性シリコーン樹脂は組成物について選択される他の成分、触媒のタイプ及び量、並びにポリマー成分(A)との相溶性;配合、充填、及び塗布中のプロセス条件を含む各種要因によって決まるだろう。二軸配合機では、滞留時間は数分未満、一般的には1〜5分、あるいは1〜2分であってもよい。容器中及びスクリュー沿いの面積/容積比が高く、成分をせん断することにより熱が生じるため、成分は急速に加熱される。どれくらいのシラノール含量が組成物から除去されるかはシラノール官能性シリコーン樹脂の結合能、温度、暴露時間(期間)及び配合機を通過する材料を揮散させるのに用いる真空レベルによって決まる。最高200℃、あるいは130℃〜200℃の配合温度、及びフル稼働真空揮散でも、約3週間の周囲保存後、その後90℃で約30分間暴露した際に組成物を硬化するのに十分なシラノール含量が残る。
【0031】
組成物中の成分(C)の量は成分(A)及び(B)の選択、いずれかの任意の成分が存在するか、成分(C)中の反応性シラノール基の重合度及び量、並びに成分(A)の反応性加水分解性基含量を含む各種要因によって決まる。本出願の目的のため、「反応性」とは組成物の硬化条件下で反応するには十分に立体的に障害とならないOH又は他の加水分解性基の量を意味する。成分(C)のシラノール含量は成分(A)の加水分解性基含量の少なくとも70モル%、あるいは少なくとも90モル%、あるいは70モル%〜100モル%であってもよい。あるいは、シラノール官能性シリコーン樹脂は成分(A)に結合した加水分解性基1モル当たりシラノール1モル〜3モルの範囲のシラノール含量をもたらすのに十分な量で存在することができる。
【0032】
理論に縛られることを望むことなしに、本発明は液体水、米国特許第6,025,445号により開示されるもののような金属塩水和物、及び水和物充填剤を含有する従来の組成物に対して利点を提供すると考えられる。液体水を組成物に添加することで、組成物を生成する配合プロセス中、組成物の基板への塗布プロセス中、又は両プロセス中に蒸気を形成することができると考えられる。金属塩水和物は、組成物の粘着性に、とくに粘着性が水又は水蒸気を含む環境条件に耐える必要がある場合、マイナスの影響を有し得ると考えられる。水和物充填剤は、組成物を連続配合機上で低圧力及び高温(例えば、130℃以上)で生成する場合、組成物を効率的に硬化するのに十分な量の水を含有することができないことがあり得ると考えられる。シラノール官能性シリコーン樹脂は成分を配合した後の一貫した量のシラノール基の利点を提供し、商業規模の装置において組成物を生成することができる。
【0033】
成分(D)乾燥剤
組成物に選択的に添加することができる成分(D)は乾燥剤である。乾燥剤は各種供給種源からの水を結合する。IG用途において、乾燥剤はIGユニットがその製造後にガラス板間に含有する、及び/又はIGユニットの耐用年数中にガラス板間空間中に分散する水を結合することができる。乾燥剤は水及びアルコールのような硬化反応の副生成物を結合することができる。乾燥剤は水及び副生成物を物理的手段により結合する。例えば、乾燥剤は水及び副生成物を物理的に吸着又は吸収することにより結合することができる。成分(D)は、IGユニットにおいてエッジシールの乾燥機能を行うため、及び硬化反応の副生成物によりもたらされ得るIGユニットの化学噴霧を低減又は削減するため、組成物に添加することができる。
【0034】
成分(D)に適した吸着剤の例は無機微粒子であってもよい。吸着剤は10マイクロメーター以下、あるいは5マイクロメーター以下の粒径を有することができる。吸着剤は水及びアルコールを吸着するのに十分な、例えば10Å(オングストローム)以下、あるいは5Å以下、あるいは3Å以下の平均孔径を有することができる。吸着剤の例としては、シャバサイト、モルデナイト、及びアナルサイトのようなゼオライト;アルカリ金属アルミノシリケート、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム、及びこれらの組み合わせのようなモレキュラーシーブが挙げられる。当業者であれば不必要な実験なしに成分(D)に適した乾燥剤を選択することができるだろう。当業者であれば、シリカゲルのような特定の乾燥剤は水を結合するが、モレキュラーシーブのような他の乾燥剤は水、アルコール、又は両方を結合することができることを認識するだろう。
【0035】
市販の乾燥剤の例としては、乾燥モレキュラーシーブ、例えばGrace Davidsonから商標SYLOSIV(登録商標)及び米国ケンタッキー州ルイビルのZeochemから商品名PURMOLで市販される3Å(オングストローム)モレキュラーシーブ、並びに英国ウォリントンのIneos Silicasから市販のDoucil(登録商標)ゼオライト 4Aのような4Åモレキュラーシーブが挙げられる。他の有用なモレキュラーシーブとしては、すべて米国イリノイ州のUOPから市販のMOLSIV(登録商標)ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A、及び5A;米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのAtofinaから市販のSILIPORITE(登録商標)NK 30AP及び65xP;並びに米国メリーランド州のW.R.Graceから市販のモレキュラーシーブが挙げられる。組成物中の成分(D)の量は組成物の重量に対して0〜25%、あるいは15%〜25%の範囲とすることができる。
【0036】
成分(E)充填剤
組成物は選択的に追加の成分(E)をさらに含むことができる。成分(E)は成分(D)以外の充填剤である。成分(E)は一般的には組成物の硬化中及び後に存在する水の量に大きな影響を及ぼさない。成分(E)は補強充填剤、増量充填剤、チキソトロープ充填剤、顔料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。当業者であれば不必要な実験なしに適切な追加の充填剤を選択することができるだろう。適切な追加の充填剤の例としては、沈降炭酸カルシウム、粉砕炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、タルク、二酸化チタン、プラスチック粉末、ガラス又はプラスチック(例えばSaran(商標))ミクロスフェア、マイカ又は剥離マイカのような高アスペクト比充填剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。充填剤は選択的に脂肪酸(例えば、ステアリン酸)のような処理剤で処理することができる。
【0037】
適切な充填剤は当技術分野において知られ、市販されている。沈降炭酸カルシウムはSolvayから商標WINNOFIL(登録商標)SPMで市販されている。粉砕炭酸カルシウムは米国フロリダ州マイアミのQCI Britannicから商標Imerys Gammasperseで市販されている。カーボンブラックは1011のようにWilliamsから市販されている。シリカはCabot Corporationから市販されている。
【0038】
組成物中の成分(E)の量は選択される充填剤のタイプ、粒径、及び表面処理を含む各種要因によって決まる。しかしながら、成分(E)の量は組成物の重量に対して0〜30重量%、あるいは5〜30重量%の範囲とすることができる。成分(E)は1つの充填剤であってもよい。あるいは、成分(E)は以下の特性:組成、粒径、及び表面処理の少なくとも1つが異なる2つ以上の充填剤を含むことができる。
【0039】
成分(F)非反応性結合剤
成分(F)は非反応性、弾性、有機ポリマー、すなわち成分(A)と反応しない弾性有機ポリマーである。成分(F)は成分(A)と相溶性である、すなわち成分(F)は成分(A)との2相系を形成しない。成分(F)は、例えば組成物をIG用途に用いる場合、十分に低いガス透過性及び透湿性を有することができる。成分(F)は30,000〜75,000の範囲のMnを有することができる。あるいは、成分(F)は高分子量、非反応性、弾性、有機ポリマーの低分子量、非反応性、弾性、有機ポリマーとの混合物であってもよい。この場合、高分子量ポリマーは100,000〜600,000の範囲のMnを有することができ、低分子量ポリマーは900〜10,000、あるいは900〜3,000の範囲のMnを有することができる。Mnの範囲の一番低い値は、成分(F)が成分(A)及び組成物の他の成分との相溶性を有するように選択し、組成物が用いられるIGユニットにおける化学噴霧を最小化することができる。上記Mn値はすべてトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン分子量基準に基づいて計算される。
【0040】
成分(F)はポリイソブチレンを含むことができる。ポリイソブチレンは当技術分野において知られ、市販されている。成分(F)として用いるのに適した例としては、ドイツのBASF Corporationより商標OPPANOL(登録商標)で販売されるポリイソブチレンが挙げられる。こうしたポリイソブチレンは以下の表にまとめる(詳細は本出願の優先出願(US61/162378)の出願時の最新関連データシートより取った)。
【表1】

他のポリイソブチレンとしては、日本、150−6019、東京都渋谷区恵比寿4丁目20−3恵比寿ガーデンプレイスタワーの日油株式会社化成事業部の高分子量水素化ポリイソブチレンPARLEAM(登録商標)SV(POLYSYNLANE SV)(動粘度(98.9℃)4700)のような異なるParleamグレードが挙げられる。他のポリイソブチレンは、米国テキサス州ベイタウンのExxonMobil Chemical Co.から市販され、MML−80、MML−100、MML−120、及びMML−140のような商標VISTANEX(登録商標)で販売されるポリイソブチレンを含む。VISTANEX(登録商標)ポリイソブチレンは鎖末端オレフィン結合のみを含有する長鎖直鎖状高分子からなるパラフィン系炭化水素ポリマーである。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000〜90,000の範囲の粘度平均分子量を有する。低分子量ポリイソブチレンとしては、LM−MS(8,700〜10,000の範囲の粘度平均分子量、これもExxonMobil Chemical Co.製)、VISTANEX LM−MH(10,000〜11,700の範囲の粘度平均分子量)のようなVISTANEX(登録商標)LM、さらにAmocoのSoltex PB−24(Mn 950)、並びにIndopol(登録商標)H−100(Mn 910)及びIndopol(登録商標)H−1200(Mn 2100)が挙げられる。他のポリイソブチレンは英国ロンドンのBP Chemicalsより商標NAPVIS(登録商標)及びHYVIS(登録商標)で販売されている。これらのポリイソブチレンとしては、NAPVIS(登録商標)200、D10、及びDE3;並びにHYVIS(登録商標)200が挙げられる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは900〜1300の範囲のMnを有することができる。
【0041】
あるいは、成分(F)はブチルゴムを含むことができる。あるいは、成分(F)はスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含むことができる。SEBS及びSEPSブロックコポリマーは当技術分野において知られ、米国テキサス州ヒューストンのKraton Polymers U.S.LLCからKraton(登録商標)Gポリマーとして、及び米国ニューヨーク州ニューヨークのKuraray America,Inc.からSeptonポリマーとして市販されている。あるいは、成分(F)はポリオレフィンプラストマーを含むことができる。ポリオレフィンプラストマーは当技術分野において知られ、米国ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Company,Elastomers & Specialty Products DivisionからAFFINITY(登録商標)GA 1900及びAFFINITY(登録商標)GA 1950として市販されている。
【0042】
成分(F)の量は組成物の重量に対して0〜50重量%、あるいは10〜40重量%、あるいは5〜35重量%の範囲である。成分(F)は1つの非反応性、弾性、有機ポリマーであってもよい。あるいは、成分(F)は以下の特性:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列の少なくとも1つが異なる2つ以上の反応性、弾性、有機ポリマーを含むことができる。
【0043】
(G)架橋剤
成分(G)は架橋剤である。成分(G)はシラン、シランのオリゴマー反応生成物、又はこれらの組み合わせであってもよい。アルコキシシラン架橋剤は一般式RSiR(4−a)を有することができ、各Rは単独でアルキル基、アルケニル基、又はアリール基のような一価有機基であり、各Rは加水分解性基であり、aは1、2、又は3である。オリゴマー架橋剤は一般式RSi(OSi(Rを有することができ、R及びRは上述のとおりである。
【0044】
上記式中、Rに適した一価有機基としては、一価置換及び非置換炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。Rの一価非置換炭化水素基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロアルキル;ビニル、アリル、及びプロぺニルのようなアルケニル;フェニル、トリル、キシル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられるが、これらに限定されない。Rの一価置換炭化水素基の例としては、これらに限定されないが、一価ハロゲン化炭化水素基、例えばクロロメチル及びクロロプロピル基のような塩素化アリル基;フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロへキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルのようなフッ素化アリル基;2,2−ジクロロシクリオプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルのような塩素化シクロアルキル基;並びに2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロへキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルのようなフッ素化シクロアルキル基が挙げられる。Rの一価置換炭化水素基の例としては、グリシドキシルアルキルのような酸素原子で置換した炭化水素基、及びアミノアルキルのような窒素原子で置換した炭化水素基、並びにシアノエチル及びシアノプロピルのようなシアノ官能基が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、各Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基であってもよい。
【0045】
各Rは単独でアルコキシ基;アルケニルオキシ基;アセトアミド、メチルアセトアミド、又はベンズアミドのようなアミド基;アセトキシのようなアシルオキシ基;アミノ基;アミノキシ基;ヒドロキシル基;メルカプト基;オキシモ基;及びケトキシモ基から選択することができる。あるいは、各Rはアルコキシ基であってもよい。Rに適したアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
成分(G)はアルコキシシラン、例えばジアルキルジアルコキシシランのようなジアルコキシシラン又はアルキルトリアルコキシシラン若しくはアルケニルトリアルコキシシランのようなトリアルコキシシラン、これらの部分若しくは完全加水分解生成物、又はこれらの別の組み合わせを含むことができる。適切なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルコキシシラン架橋剤の例については米国特許第4,962,076号、第5,051,455号、及び第5,053,442号に開示されている。
【0047】
あるいは、成分(G)はクロロメチルメチルジメトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチル−n−プロピルジメトキシシラン、(2,2−ジクロロシクロプロピル)−メチルジメトキシシラン、(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−メチルジエトキシシラン、(2,2−ジクロロシクロプロピル)−メチルジエトキシシラン、フルオロメチル−メチルジエトキシシラン、フルオロメチル−メチルジメトキシシラン、又はこれらの組み合わせから選択されるジアルコキシシランを含むことができる。
【0048】
あるいは、成分(G)はメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、2−エチル−へキシルトリメトキシシラン、2,3−ジメチルシクロへキシルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリクロロフェニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、2,2−ジフルオロシクロプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、シクロへキシルトリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、テトラクロロフェニルトリエトキシシラン、フルオロメチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、n−プロピル−トリス(3−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、又はこれらの組み合わせから選択されるトリアルコキシシランを含むことができる。
【0049】
あるいは、成分(G)はテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、又はこれらの組み合わせから選択されるテトラアルコキシシランを含むことができる。
【0050】
成分(G)の量は選択される特定の架橋剤によって決まる。しかしながら、成分(G)の量は組成物の重量に対して0〜5重量%、あるいは0.1〜5重量%の範囲とすることができる。成分(G)は1つの架橋剤であってもよい。あるいは、成分(G)は2つ以上の異なる架橋剤を含むことができる。
【0051】
成分(G)はアセトキシシランのようなアシルオキシシランを含むことができる。アセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、オルガノトリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。アセトキシシランはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、及び第三級ブチルのようなアルキル基;ビニル、アリル、又はヘキセニルのようなアルケニル基;フェニル、トリル、又はキシリルのようなアリール基;ベンジル又は2−フェニルエチルのようなアラルキル基;並びに3,3,3−トリフルオロプロピルのようなフッ素化アルキル基を含有することができる。あるいは、成分(G)はオルガノトリアセトキシシラン、例えばメチルトリアセトキシシラン及びエチルトリアセトキシシランを含有する混合物を含むことができる。
【0052】
あるいは、成分(G)はケトキシモシランを含むことができる。成分(G)に適したケトキシモシランの例としては、テトラ(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチル−トリス−(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニル−トリス−(メチルエチルケトキシモ)シラン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
あるいは、成分(G)は式RSi−D−SiRのジシランを含むことができ、R及びDは上述のとおりである。こうしたジシランの例としては、例えば米国特許第6,130,306号に記載されているように、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,4−ビス{トリメトキシシリル(エチル)}ベンゼン、及びビス{3−(トリエトキシシリル)プロピル}テトラスルフィドが挙げられる。
【0054】
成分(H)化学的乾燥剤
あるいは、成分(G)に加えて組成物に添加する架橋剤の量は化学的乾燥剤として機能することができる。理論に縛られることを望むことなしに、化学的乾燥剤は、組成物の部分が混合された後組成物に水が存在しないようにするため、及び成分(D)から発生する水を結合することを補助するため、複数成分組成物の乾燥部分に添加することができると考えられる。例えば、乾燥剤として適したアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
成分(H)の量は選択される特定の乾燥剤によって決まる。しかしながら、成分(H)の量は0〜5重量%、あるいは0.1〜0.5重量%の範囲とすることができる。成分(H)は1つの化学的乾燥剤であってもよい。あるいは、成分(H)は2つ以上の異なる化学的乾燥剤を含むことができる。
【0056】
成分(I)接着促進剤
成分(I)は接着促進剤である。成分(I)は成分(G)以下の有機官能性シランであってもよい。有機官能性シランは一般式RSiR(4−b)を有することができ、各Rは単独で一価有機基であり、各Rはアルコキシ基であり、bは0、1、2、又は3であり、あるいはbは0又は1であってもよい。
【0057】
あるいは、接着促進剤は式RSi(OR4−(c+d)を有する有機官能性シランを含むことができ、各Rは単独で少なくとも3個の炭素原子を有する置換又は非置換一価炭化水素基であり、各Rはアミノ、エポキシ、メルカプト又はアクリレート基のような接着促進基を有する少なくとも1つのSiC結合基を含有し、cは0〜2の値を有し、dは1又は2のいずれかであり、c+dの合計は3以下である。接着促進剤は上記シランの部分縮合物とすることもできる。
【0058】
成分(I)の例としては、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、(メタクリルオキプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランのようなトリアルコキシシラン;及びテトラエトキシシランのようなテトラアルコキシシラン;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
あるいは、成分(I)はビニルメチルジメトキシシラン;ビニルメチルジエトキシシラン;ビニルエチルジメトキシシラン;ビニルエチルジエトキシシラン;又はこれらの組み合わせのようなジアルコキシシランを含むことができる。
【0060】
あるいは、成分(I)はグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、又はこれらの組み合わせから選択されるトリアルコキシシランを含むことができる。
【0061】
あるいは、成分(I)はテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、又はこれらの組み合わせから選択されるテトラアルコキシシランを含むことができる。
【0062】
あるいは、成分(I)は、上述のような、及び例えば米国特許第4,602,078号及び第5,405,889号に開示されているような、エポキシ官能性シラン及びアミノ官能性シランの反応生成物を含むことができる。あるいは、成分(I)は、米国特許第5,936,110号により例示されるような、エポキシ官能性シラン及びアミン化合物から得られるシラトラン誘導体を含むことができる。
【0063】
あるいは、成分(I)は式RSi−D−SiRのジシランを含むことができ、R及びDは上述のとおりである。こうしたジシランの例としては、例えば米国特許第6,130,306号に記載されているような、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,4−ビス{トリメトキシシリル(エチル)}ベンゼン、及びビス{3−(トリエトキシシリル)プロピル}テトラスルフィドが挙げられる。
【0064】
成分(I)の量は選択される特定の接着促進剤によって決まる。当業者であれば成分(G)及び(I)の特定の例は架橋及び接着促進特性の両方を有することができることを認識するだろう。当業者であれば、組成物に添加する成分(I)の量が成分(G)の量に追加され、成分(I)を添加する場合選択される接着促進剤が架橋剤と同じ又は異なっていてもよいと認識するだろう。しかしながら、成分(I)の量は組成物の重量に対して0〜5重量%、あるいは0〜2重量%、あるいは0.5〜1.5重量%の範囲とすることができる。成分(I)は1つの接着促進剤であってもよい。あるいは成分(I)は2つ以上の異なる接着促進剤を含むことができる。
【0065】
有機官能性アルコキシシラン架橋剤及び接着促進剤は当技術分野において知られ、市販されている。例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、及び(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランは米国ミシガン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーションから入手可能である。アミノプロピルトリエトキシシラン及びガンマイソシアノプロピルトリエトキシシランは米国コネチカット州ウィルトン、ダンベリーロード187のMomentive Performance Materialsから商品名SILQUEST(登録商標)(それぞれA−1100及びA−1310)で市販されている。
【0066】
当業者であれば、成分(G)、(H)、及び(I)を選択する際、(硬化物の物理的特性に影響を及ぼす)架橋剤、(硬化物の粘着性に影響を及ぼす)接着促進剤、及び(保存安定性に影響を及ぼす)化学的乾燥剤の間で重複があり得ることを認識するだろう。当業者であれば、組成物の使用目的及び組成物を一液型又は複数成分組成物として調製するかを含む各種要因に基づき成分(G)、(H)、及び/又は(I)を区別及び選択することができると認識するだろう。
【0067】
成分(J)微結晶ワックス
成分(J)は25℃で固体(ワックス)である微結晶ワックスである。融点はワックスが所望の塗布温度範囲の一番低い融点を有するように選択することができる。例えば、組成物をIGユニットに用いる場合、ワックスは80℃〜100℃の範囲の融点を有することができる。理論に縛られることを望むことなしに、成分(J)は、例えば、組成物を基板に塗布した後、組成物を何度か冷却した際急速な生強度の向上(すなわち、温度低下とともに、組成物から調製されるシールの負荷容量の増加に対応する粘度の大幅な増加)を可能にしながら流動性を向上させるプロセス助剤として機能すると考えられる。理論に縛られることを望むことなしに、ワックスの混和は充填剤の混和、配合及び脱気(組成物の精製中)、並びに混合(二液型組成物の両部分の塗布中の静的又は動的混合)を促進することもできると考えられる。ワックスは、溶けるとプロセス助剤として機能し、配合中の封止材への充填剤の混和、配合プロセスそのもの、及び脱気ステップを大幅に容易にすると考えられる。100℃より低い溶融温度を有するワックスは塗布前の二液型封止材組成物の2つの部分の混合を、単純な静的ミキサーにおいても促進することができる。ワックスは良好なレオロジーでの80℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲の温度での封止材である組成物の塗布を促進することもできる。
【0068】
成分(J)として用いるのに適したワックスは非極性炭化水素であってもよい。ワックスは分岐構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを有することができる。例えば、石油微結晶ワックスは米国ニューヨーク州ウエストバビロンのStrahl & Pitsch,Inc.から入手可能であり、SP 96(62℃〜69℃の範囲の融点)、SP 18(73℃〜80℃の範囲の融点)、SP 19(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 26(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 60(79℃〜85℃の範囲の融点)、SP 617(88℃〜93℃の範囲の融点)、SP 89(90℃〜95℃の範囲の融点)、及びSP 624(90℃〜95℃の範囲の融点)を含む。他の石油微結晶ワックスとしては、米国ペンシルバニア州ペトロリアのCrompton Corporationより商標Multiwax(登録商標)で販売されるワックスが挙げられる。これらのワックスとしては、飽和分岐及び環状非極性炭化水素を含み、79℃〜87℃の範囲の融点を有する180−W;飽和分岐及び環状非極性炭化水素を含み、76℃〜83℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−445;及び飽和分岐及び環状非極性炭化水素を含み、73℃〜80℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−835が挙げられる。
【0069】
成分(J)の量は、選択される特定のワックス、並びに成分(C)、存在する場合成分(D)及び成分(E)の選択を含む各種要因によって決まる。しかしながら、成分(J)の量は組成物の重量に対して0〜20重量%、あるいは1〜15重量%、あるいは1〜5重量%の範囲とすることができる。成分(J)は1つのワックスであってもよい。あるいは、成分(J)は2つ以上の異なるワックスを含むことができる。
【0070】
成分(K)老化防止添加剤
成分(K)は老化防止添加剤である。成分(K)は抗酸化剤、UV吸収剤、UV安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。UV吸収剤の例としては、分岐及び線状2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。UV安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/セバケート;及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これらのTINUVIN(登録商標)添加剤は米国ニューヨーク州タリタウンのCiba Specialty Chemicalsから市販されている。適切な抗酸化剤は当技術分野において知られ、市販されている。適切な抗酸化剤としては、フェノール性抗酸化剤及びフェノール性抗酸化剤と安定剤との組み合わせが挙げられる。フェノール性抗酸化剤としては、完全立体ヒンダードフェノール及び部分ヒンダードフェノールが挙げられる。安定剤としては、三価有機リン化合物、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、及びこれらの組み合わせのような有機リン誘導体;スルフィド、ジアルキルジチオカルバメート、ジチオジプロピオネート、及びこれらの組み合わせを含む有機硫黄化合物のようなチオ相乗剤;並びにテトラメチルピペリジン誘導体のような立体ヒンダードアミンが挙げられる。適切なフェノール性抗酸化剤としては、ビタミンE及び米国のCiba Specialty ChemicalsのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010はペンタエリトリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。オリゴマー(高分子量)安定剤を用いてIGユニットの化学噴霧及び物質移動の可能性を最小化することができる。オリゴマー抗酸化安定剤(とくに、ヒンダードアミン光安定剤(HALS))の例としては、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールで共重合したブタン二酸のジメチルエステルであるCiba Tinuvin 622がある。
【0071】
成分(K)の量は選択される特定の老化防止添加剤によって決まる。しかしながら、成分(K)の量は組成物の重量に対して0〜5重量%、あるいは0.5〜3重量%の範囲とすることができる。成分(K)は1つの老化防止添加剤であってもよい。あるいは、成分(K)は2つ以上の異なる老化防止添加剤を含むことができる。
【0072】
成分(L)粘着付与剤
適切な粘着付与剤は当技術分野において知られている。例えば、粘着付与剤は6〜20個の炭素原子を有する水素化ポリオレフィンのような脂肪族炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂、ロジンエステル、水素化ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせを含むことができる。粘着付与剤は市販されている。脂肪族炭化水素樹脂の例としては、Exxon ChemicalのESCOREZ 1102、1304、1310、1315、及び5600並びに100℃のリング及びボール軟化点を有するEastotac H−100、115℃のリング及びボール軟化点を有するEastotac H−115E、及び130℃のリング及びボール軟化点を有するEastotac H−130LのようなEastmanのEastotac樹脂がある。水素化テルペン樹脂の例としては、荒川化学のアルコンP100及びGoodyearのWingtack 95がある。水素化ロジングリセロールエステルの例としては、HerculesのStaybelite Ester 10及びForalがある。市販のポリテルペンの例としては、HerculesのPiccolyte A125が挙げられる。脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族樹脂の例としては、Exxon ChemicalのECR 149B又はECR 179Aが挙げられる。
【0073】
さらに、成分(L)の重量に対して最大20重量部、あるいは最大10重量部の、成分(A)及び(F)と相溶性である固体粘着付与剤(すなわち、25℃より高いリング及びボール軟化点を有する粘着付与剤)を組成物に添加することができる。適切な粘着付与剤としては、(1)天然又は変性ロジン、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン;(2)天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリトリトールエステル、例えば、ペールウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリトリトールエステル;(3)天然テルペンのコポリマー及びターポリマー、例えば、スチレン/テルペン及びアルファメチルスチレン/テルペン;(4)60℃〜150℃の範囲のASTM法E28、58Tにより測定されるような軟化点を有するポリテルペン樹脂;一般的にピネンとして知られる二環式モノテルペンのようなテルペン炭化水素の、Friedel−Crafts触媒存在下、中程度に低い温度での重合から得られる後者のポリテルペン樹脂;また水素化ポリテルペン樹脂(5)フェノール変性テルペン樹脂及びその水素化誘導体、例えば、二環式テルペン及びフェノールの酸性媒体における縮合から得られる樹脂生成物;(6)環及び60℃〜135℃の範囲のボール軟化点を有する脂肪族石油炭化水素樹脂;主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から得られる後者の樹脂;また水素化脂肪族石油炭化水素樹脂;(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体;並びに(8)脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びその水素化誘導体のような、いずれかの相溶性樹脂又はこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
成分(L)の量は選択される特定の粘着付与剤及び成分(I)の選択を含む各種要因によって決まる。しかしながら、成分(L)の量は組成物の重量に対して0〜20重量%の範囲とすることができる。成分(L)は1つの粘着付与剤であってもよい。あるいは、成分(L)は2つ以上の異なる粘着付与剤を含むことができる。
【0075】
組成物の調製
プロセスはバッチ配合プロセス又は連続配合プロセスのどちらかであってもよい。連続配合プロセスは揮散条件のより良い制御を可能にすることができ、組成物の熱への暴露期間を最小化することができる。好適には、商業規模の量の組成物を生成するには連続配合プロセスが用いられる。
【0076】
組成物は一液型組成物又は二液型組成物のような複数成分組成物として処方設計することができる。一液型組成物は成分をせん断下で混合するステップを含むプロセスにより調製することができる。成分は真空若しくは乾燥不活性ガス、又は両方の下で混合することができる。成分は周囲温度若しくは高温、又はこれらの組み合わせの下で混合することができる。
【0077】
一液型組成物は成分(C)を添加する前に成分(A)及び(F)、並びに存在する場合成分(J)を加熱することにより調製することができる。3つの成分を高温で組み合わせた後、成分(B)並びに、もしあれば(D)、(E)、(G)、(H)、(I)、(K)、及び(L)のような追加の成分を添加することができる。
【0078】
あるいは、組成物は後述する二液型組成物のような複数成分組成物として調製することができる。当業者であれば、成分(B)縮合触媒及び成分(C)シラノール官能性シリコーン樹脂を別々の部分に保存することにより、どのように複数成分組成物を調製するかを認識するだろう。二液型組成物の例は湿潤(すなわち、シラノール含有)部分及び乾燥(すなわち、シラノール官能性シリコーン樹脂を含有しない)部分を含む。湿潤部分は(F)非反応性、弾性、有機ポリマー、及び(C)シラノール官能性シリコーン樹脂、並びに以下の任意の成分:(J)ワックス、(L)粘着付与剤、(E)補強充填剤、増量充填剤、又は両方のような充填剤の1つ以上をせん断下で混合することにより調製することができる。あるいは、湿潤部分は成分(F)、(J)、(L)及び選択的に(C)を予め混合し、総量の30〜50%の(A)を添加し、成分(E)及び成分(A)の残部を添加し、最後に成分(G)、(I)、及び(K)を添加することにより調製することができる。この実施形態では、乾燥部分は成分(B)、(D)、選択的に(E)、(F)、及び(H)、並びに選択的に(J)を含むことができる。
【0079】
乾燥部分はせん断下で(A)湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー、(F)非反応性、弾性、有機ポリマー、(B)縮合触媒;並びに以下の任意の成分:(J)ワックス、(L)粘着付与剤、(G)架橋剤、(H)化学的乾燥剤、(K)安定剤、及び(I)接着促進剤の1つ以上を含む成分を混合することにより調製することができる。
【0080】
あるいは、湿潤部分はせん断下で(A)湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー、(F)非反応性、弾性、有機ポリマー、及び(C)シラノール官能性シリコーン樹脂を含む成分を混合することにより調製することができる。湿潤部分が成分(A)を含む場合、湿潤部分の他の成分が意図せずに縮合触媒の機能を果たし得ることがないように注意しなければならない。この場合、シラノール官能性シリコーン樹脂(C)の性質を考慮すべきである。乾燥部分はせん断下で(A)湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー及び(B)縮合触媒、選択的に(G)架橋剤、選択的に(H)化学的乾燥剤、及び選択的に(I)接着促進剤を含む成分を混合することにより調製することができる。湿潤部分及び乾燥部分はそれぞれ選択的に(F)非反応性、弾性、有機ポリマー、(J)25℃で固体である微結晶ワックス、(K)老化防止添加剤、及び(L)粘着付与剤から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含むことができる。
【0081】
せん断及び加熱のプロセス条件は、組成物を調製する連続配合作業中に成分が十分に混合されるように選択される。この作業中に十分に均質な混合を達成するため、とくにポリマー及び粉末成分、例えば乾燥剤及び充填剤に関して、当業者であれば、ポリマー成分が粉末成分の効率的な混和を可能にするのに十分な液体となるように、塗布温度に近い配合温度を選択することができる。しかしながら、この作業に必要な機械的せん断のため、実際の配合温度は塗布温度よりかなり高くなることが多い。例えば、組成物を二軸押出機で製造する場合、温度は塗布温度より30〜140℃高くなり得(例えば、組成物をIGユニットに80℃〜100℃で塗布する場合、温度は130〜200℃の範囲であり得)、温度は塗布温度より100〜110℃高くなることもあり得る。組成物はこの温度に長期間暴露されないが、成分(C)のシラノール官能基はこの配合ステップに耐える必要がある。理論に縛られることを望むことなしに、成分(C)は、十分な量のシラノールが配合ステップに耐えるため、シラノールが十分にしっかりと結合され、同時にシラノールが塗布温度で組成物の硬化を開始するのに十分に反応性であるシリコーン樹脂であると考えられる。
【0082】
使用方法
成分(A)は縮合反応によって組成物を硬化させる。成分(A)及び(F)は低透過性ポリマーと見なされ、これらのポリマーは組成物の硬化物の透湿性及びガス透過性を最小化する。従って、成分(C)は塗布温度範囲内で反応するシラノールの供給源である。成分(C)は組成物を硬化するために含まれる。二液型組成物では、成分(C)の添加は、組成物を加熱する場合、湿潤部分及び乾燥部分の混合時に硬化を引き起こす適切な手段である。組成物は塗布装置において塗布温度に限られた期間のみ暴露されるため、成分(C)は塗布中に組成物を部分硬化するように選択することができ、例えば、部分硬化は30%〜50%、あるいは30%〜40%の程度までであってもよい。例えば、組成物を室温又は40℃未満〜60℃で混合する場合、組成物はIGユニットの工業生産プロセスには遅すぎる速度で硬化し得る。(C)は組成物の硬化が組成物を含有するIGユニットを製造後及び組成物のさらなる硬化前に移動させるのに十分な初期生強度を得るように選択することが望ましい。成分(C)は硬化が周囲条件下で1週間〜1か月後、理論上60%〜90%、あるいは65%〜80%となるように選択することができる。
【0083】
本発明の組成物はIG用途に用いることができる。図1(単一シール)及び2(複合シール)はIGユニットの一部を示す断面図である。各IGユニットは第1ガラス板101、第1ガラス板101から距離を置いた第2ガラス板102を含む。図1では、上述の組成物の硬化物103は第1ガラス板101と第2ガラス板102との間のガラス板間空間に配置される。硬化物103は一体型エッジシール、すなわち水蒸気バリア、ガスバリア、ガラス板間の封止材、スペーサ、接着剤、及び乾燥マトリクスの機能を果たすことができる。図2は上述の組成物の硬化物103の一次封止材としての使用を示す。ポリスルフィド、ポリウレタン、又はシリコーンのような二次封止材104は一次封止材並びにガラス板101及び102に付着している。複合シール(図2)の場合、硬化物103は一体型エッジシール、すなわち水蒸気バリア、ガスバリア、ガラス板間の封止材、スペーサ、接着剤、及び乾燥マトリクスの機能を果たすことができる。そのとき二次封止材104は硬化物103の封止及び結合(接着)機能をさらに支持する。あるいは、本明細書に記載する組成物は従来のスペーサを有するIGユニットにおいて一次封止材又は二次封止材として用いることができる。
【0084】
二液型組成物の塗布プロセスは2つの部分を溶かすステップ及びそれらを適切な手段により加熱した静的又は動的ミキサーに、そこから加熱したホースを通って塗布ノズルに供給するステップを含む。封止材をノズルからガラス上に塗布してエッジシールを形成し、IGユニットを製造するプロセスは、二液型組成物を用いる場合装置を2つの部分(二重供給)を扱うように変更することができる以外は、従来のTPS(登録商標)IGユニットを製造するのに現在用いられているのと同様又は類似の装置を用いるという利点を提供し、上述の組成物は単一シールの製造も可能にする。TPS(登録商標)ユニットを製造するのに用いられる1つのプロセスは、組成物を第1ガラス板の周囲にシールフィラメントとして塗布するステップ、第2ガラス板を第1ガラス板と近接した平行位置に移動させるステップ、選択的にガラス板間容積にガス(例えばアルゴン)を充填するステップ、及び第2ガラス板を第1ガラス板上に形成したフィラメントシールに押し付けることによりIGユニットを閉じるステップを含む(例えば、欧州特許第0,805,254B1号、国際公開第95/11,363号公報、国際公開第96/09,456号公報参照)。あるいは、ガラス板は平行な間隔を置いた位置に保持し、組成物をガラス板間に押し出すことができ(国際公開第90/02,696号公報参照)、又は組成物をまず、組成物がガラスより付着しにくい支持体上に押し出した後、組成物を支持体から一方のガラス板上に移動させ、両ガラス板を重ね合わせ、押し付け合うことができる(国際公開第95/11,364号公報参照)。
【0085】
IGユニットはi)第1ガラス板101及び第2ガラス板102をガラス板間空間により間隔を置いた平行位置に配置するステップ、ii)上述の組成物をガラス板間空間中に第1ガラス板101及び第2ガラス板102の周囲に沿って塗布するステップ、並びにiii)組成物を硬化するステップを含むプロセスにより調製することができる。
【0086】
あるいは、IGユニットはi)上述の組成物をフィラメントシールとして第1ガラス板101の周囲に塗布するステップ、ii)第2ガラス板102を第1ガラス板101及び第2ガラス板102がガラス板間空間により間隔を置くように第1ガラス板101に対して平行位置に移動させるステップ、選択的にiii)ガラス板間空間にアルゴンのようなガス又は乾燥した空気を充填するステップ、iv)第2ガラス板102を第1ガラス板101上に形成したフィラメントシールに押し付けるステップ、並びにv)組成物を硬化するステップを含むプロセスにより調製することができる。
【0087】
あるいは、IGユニットはi)上述の組成物をフィラメントシールとして組成物がガラスより付着しにくい支持体上に塗布するステップ、ii)フィラメントシールを支持体から第1ガラス板101上に移動させるステップ、iii)第1ガラス板101及び第2ガラス板102を平行位置で押し付け合うステップ、並びにiv)組成物を硬化するステップを含むプロセスにより調製することができる。
【0088】
いずれかのIGユニットの製造プロセスでは、上述の一液型組成物又は二液型組成物を用いることができる。二液型組成物を用いる場合、2つの部分はプロセスステップi)又はプロセスステップii)の直前に混合することができる。これらのIGユニットの製造プロセスは、組成物の硬化を大気水分の非存在下で行うことができるという利点を提供することができる。本出願の目的のため、「大気水分の非存在」とは周囲大気中に存在するいずれかの量の水分が本明細書に記載する組成物を1週間〜1か月、あるいは3〜4週間の期間内に硬化するのに不十分であることを意味する。硬化は組成物を塗布温度範囲まで加熱し、これにより成分(C)のシラノールを反応させることにより行うことができる。硬化は組成物のガラス板への塗布中又は後に行うことができる。IGユニットの製造プロセスでは、組成物の塗布は80℃〜140℃の範囲の温度で行うことができる。
【実施例】
【0089】
以下の実験例は、本発明を当業者に示すために含める。しかしながら、当業者であれば、本開示を踏まえ、特許請求の範囲に記載する本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示する特定の実施形態に多くの変更を行うことができ、さらに同様又は類似の結果が得られることを理解すべきである。すべての量、比、及び割合はとくに指示のない限り重量による。以下の実験例では表2に記載する成分を用いた。すべてのパラメーター値は本出願の優先出願(US61/162378)の出願時の最新関連データシートから取った。すべてのMn値は関係する製品についてのデータシートから取り、又はトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、とくに指示のない限りポリスチレン分子量標準に基づいて計算した。すべての粘度測定はとくに指示のない限り25℃で行う。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0090】
参照実験例1−特性評価方法
膨潤ゲル
溶剤、未硬化状態の組成物を溶解するのに一般的に用いられるトルエンへの耐性を用い、硬化の完了を決定した。試料を5日間硬化させた後、トルエンを有する1オンス(28.349g)のバイアル中に既知の重量を入れた。数日ごとにトルエンを未使用のトルエンと取り替えた。1週間後、溶剤の大部分を別の容器に移して試料を取り出した後、予め計量した皿に入れ、乾燥させた。安定なレベルまで乾燥した後残った量を測定し、元の試料の重量と比較し、ポリマーの硬化ネットワーク、充填剤及び他の硬化性材料の重量を割り出した。
【0091】
圧縮試験
圧縮性は以下の方法により評価した。まず、組成物の試料をホットメルトカートリッジによって高温でガラスパネル上に分注した。得られたビードの高さを測定した。以下で特定する追加のおもりの有無にかかわらず、第2ガラスパネルをビード上に貼り付けた。ビード高さは試料を15分間冷却させた後に再度測定した。圧縮%は、(元のビード高さ−圧縮ビード高さ)/元のビード高さ×100として計算した。
【0092】
参照実験例2
組成物の塗布後3〜4週間以内に予め指定された硬化度を得るため、組成物は所定の塗布温度で利用可能な十分な量のシラノールを含有する必要がある。塗布温度でのシラノールの利用可能な量は好適には脱水剤そのもの又は混合組成物ではなく二液型組成物の湿潤部分に基づいて決定される。脱水剤そのものの水の利用可能な量の測定は、組成物のポリマー成分中の水の溶解度のような各種要因のため、組成物中の水のいずれかの利用可能な量を無視する。混合組成物中の水の利用可能な量の測定は、水のシラン、ケイ素反応性ポリマー及び他の水捕捉成分との、水のアルコール類のような反応副生成物への変換をもたらし得る反応を考慮しない。
【0093】
比較実験例1〜3及び実験例4〜7 二軸押出機
試料を二軸押出機上で表3の成分を混合することにより調製した。成分は以下の順で添加した。まず、成分(F6)、(F5)、(J2)、及び(C1)を予め混合した。次に成分(A3)の50%、成分(E3)、成分(E4)、成分(K1)及び成分(K2)の混合物、最後に成分(A3)の残りの50%を添加した。押出機の作動温度は130℃だった。システムの圧力は押出機を通して変動し、真空〜500psigの範囲だった。試料を調製するのに用いた押出機はCoperion Model ZSK−25同方向回転、完全かみあい型二軸押出機だった。スクリュー径は25mmであり、全長は48:1L/D(長さ対直径の比)だった。この押出機の最大スクリュー速度は22.5kwの電力で1200rpmだった。
【表3】

【0094】
表3の各ベース試料365gを調製し、それぞれ55gを硬化剤とHaakeバッチミキサーにおいて110℃及び20rpmで混合した。硬化剤は0.5gの成分(I4)(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン及び0.24gの成分(B3)ジメチルスズジネオデカノエート(DMDTN)を含有した。
【0095】
硬化度は参照実験例の方法に従って膨潤ゲル試験を用いて評価した。初期硬化(ベースを硬化剤と混合した同日に測定)及び28日後の2回目の読みを記録した。結果を表4に示す。
【表4】

【0096】
これらの実験例及び比較例は本明細書に記載する組成物を商業的連続プロセスにおいて調整することができることを示す。シラノール官能性樹脂は、組成物を連続配合装置において調製した後、組成物を硬化するのに十分なシラノール官能基を保持することができる。
【0097】
実験例8〜11 樹脂の比較
試料は表5の成分をHaakeミキサーにおいて110℃及び20rpmで混合することにより調製した。硬化度は参照実験例1の方法に従って膨潤ゲル試験を用いて評価した。初期硬化(混合の24時間以内に測定)及び28日後の2回目の読みを記録した。結果は表5に示す。
【表5】

【0098】
これらの実験例は、異なるシラノール官能性シリコーン樹脂を用い、本明細書に記載する組成物を硬化することができることを示す。
【0099】
実験例12〜13
向上したせん断感度及びスランプ特性
2つの試料を表6の成分を用いた以外は実験例8〜11のように調製した。試料の圧縮を参照実験例1の方法に従って試験した。結果は表6に示す。
【表6】

【0100】
実験例13は低重量で比較例12より小さい圧縮を有したが、実験例13は高重量で比較実験例12より大きい圧縮を有した。従って、実験例13及び比較実験例12は上述の組成物がシラノール官能性シリコーン樹脂を含有しない同様の組成物と比較して向上したスランプ及びせん断感度を有することができることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)10〜65重量%の湿気硬化性、シラン官能性、有機ポリマー、
(B)0.05〜3重量%の縮合触媒、
(C)1〜25重量%のシラノール官能性シリコーン樹脂、
(D)0〜25重量%の物理的乾燥剤、
(E)0〜30重量%の成分(D)以外の充填剤、
(F)0〜50重量%の非反応性、弾性、有機ポリマー、
(G)0〜5重量%の架橋剤、
(H)0〜5重量%の成分(G)以外の化学的乾燥剤、
(I)0〜5重量%の成分(G)及び(H)以外の接着促進剤、
(J)0〜20重量%の25℃で固体である微結晶ワックス、
(K)0〜5重量%の老化防止添加剤、並びに、
(L)0〜20重量%の粘着付与剤、
を含み、総重量%が100%である、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、(I)湿潤部分及び(II)乾燥部分を含む複数成分組成物として調製され、
(I)該湿潤部分は、
・(C)前記シラノール官能性シリコーン樹脂、
・選択的に(F)前記非反応性、弾性、有機ポリマー、
・選択的に(J)前記ワックス、
・選択的に(L)前記粘着付与剤、及び
・選択的に(E)前記充填剤;
・選択的に(K)前記老化防止添加剤
を含み、
(II)該乾燥部分は、
・前記湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー、
・前記縮合触媒、
・選択的に(F)前記非反応性、弾性、有機ポリマー、
・選択的に(D)前記物理的乾燥剤、
・選択的に(J)前記ワックス、
・選択的に(L)前記粘着付与剤、
・選択的に(G)前記架橋剤、
・選択的に(H)前記化学的乾燥剤、
・選択的に(K)前記老化防止添加剤、及び
・選択的に(I)接着促進剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、(I)湿潤部分及び(II)乾燥部分を含む複数成分組成物として調製され、
(I)該湿潤部分は、
・前記湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー、
・前記シラノール官能性シリコーン樹脂、
・選択的に(E)前記充填剤、
・選択的に(F)前記非反応性、弾性、有機ポリマー、
・選択的に(J)前記ワックス、
・選択的に(L)前記粘着付与剤、及び
・選択的に(K)前記老化防止添加剤
を含み、
(II)該乾燥部分は、
・(B)前記縮合触媒、
・(D)前記物理的乾燥剤、
・選択的に(F)前記非反応性、弾性、有機ポリマー、
・選択的に(J)前記ワックス、
・選択的に(L)前記粘着付与剤、
・選択的に(G)前記架橋剤、
・選択的に(H)前記化学的乾燥剤、
・選択的に(K)前記老化防止添加剤、及び
・選択的に(I)接着促進剤
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
(A)前記湿気硬化性、シラン官能性、有機ポリマーが、低い透過性を有する、前請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
せん断下において、前記成分を混合するステップを含む、請求項1に記載の組成物の生成プロセス。
【請求項6】
前記成分が真空若しくは乾燥不活性ガス、又は両方の下で混合される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
1.せん断下において、(A)、(B)、及び・選択的に(D)を含む成分を混合し、前記乾燥部分を形成するステップと、
2.せん断下において、(F)及び(C)を含む成分を混合し、前記湿潤部分を形成するステップと
を含む、請求項2に記載の組成物の生成プロセス。
【請求項8】
1.せん断下において、(A)、(F)、及び(B)を含む成分を混合し、前記乾燥部分を形成するステップと、
2.せん断下において、(F)及び(C)を含む成分を混合し、前記湿潤部分を形成するステップと
を含む、請求項2に記載の組成物の生成プロセス。
【請求項9】
1.せん断下で(A)及び(B)を含む成分を混合し、前記乾燥部分を形成するステップと、
2.せん断下において、(J)及び(C)を含む成分を混合し、前記湿潤部分を形成するステップと
を含む、請求項2に記載の組成物の生成プロセス。
【請求項10】
1.せん断下において、(B)及び(D)を含む成分を混合し、前記乾燥部分を形成するステップと、
2.せん断下において、(A)及び(C)を含む成分を混合し、前記湿潤部分を形成するステップと
を含む、請求項3に記載の組成物の生成プロセス。
【請求項11】
3.前記湿潤部分及び前記乾燥部分を混合するステップと、
4.ステップ3)の生成物を基板に塗布するステップと
をさらに含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物の硬化物の、絶縁ガラスの製造における封止材、接着剤、スペーサ、乾燥マトリクス、一体型エッジシール、又はこれらの組み合わせとしての使用。
【請求項13】
絶縁ガラスの製造における水蒸気バリア、ガスバリア、ガラス板間の封止材、ガラス板間のスペーサ、及び乾燥マトリクスとしての、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物の硬化物の使用。
【請求項14】
第1ガラス板と、
該第1ガラス板から距離を置いた第2ガラス板と、
該第1ガラス板と該第2ガラス板との間に配置された請求項1又は請求項2の組成物の硬化物であって、該第1ガラス板と該第2ガラス板との間にスペーサ、シール、水分バリア、ガスバリア、及び乾燥マトリクスを形成する、硬化物と
を備える、絶縁ガラスユニット。
【請求項15】
i)前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板をガラス板間空間により間隔を置いた平行位置に配置するステップと
ii)前記組成物をガラス板間空間中に前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の周囲に沿って塗布するステップと、
iii)前記組成物を硬化するステップと
を含む、請求項14に記載の絶縁ガラスユニットの製造プロセス。
【請求項16】
i)前記組成物をフィラメントシールとして前記第1ガラス板の周囲に塗布するステップと、
ii)前記第2ガラス板を前記第1ガラス板及び該第2ガラス板がガラス板間空間により間隔を置くように前記第1ガラス板に対して平行位置に移動させるステップと、
選択的に、
iii)該ガラス板間空間にガスを充填するステップと、
iv)前記第2ガラス板を前記第1ガラス板上に形成したフィラメントシールに押し付けるステップと、
v)前記組成物を硬化するステップと
を含む、請求項14に記載の絶縁ガラスユニットの製造プロセス。
【請求項17】
i)前記組成物をフィラメントシールとして前記組成物がガラスより付着しにくい支持体上に塗布するステップと、
ii)該フィラメントシールを支持体から前記第1ガラス板上に移動させるステップと、
iii)前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板を平行位置で押し付け合うステップと、
iv)前記組成物を硬化するステップと
を含む、請求項14に記載の絶縁ガラスユニットの製造プロセス。
【請求項18】
請求項2に記載の組成物が用いられ、前記湿潤部分及び前記乾燥部分が、プロセスステップi)又はプロセスステップii)の直前に混合される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記組成物の硬化が大気水分の非存在下で行われる、請求項15〜18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記組成物の硬化が、前記組成物を基板に塗布する間、前記組成物を基板に塗布した後、又はこれらの組み合わせにおいて前記組成物を80℃〜110℃の範囲の温度で加熱することにより行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物の硬化プロセス。
【請求項21】
前記組成物の硬化が、前記組成物を基板に塗布する間に前記組成物を80℃〜110℃の範囲の温度で加熱し、その後前記組成物を20〜80℃の温度で3〜4週間冷却することにより行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物の硬化プロセス。
【請求項22】
成分(A)が、イソモノオレフィン及びビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、イソモノオレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項23】
成分(A)が、イソブチレン及びアルキルスチレンのシリル化コポリマー、イソブチレンのシリル化ホモポリマー、イソプレン及びイソブチレンのシリル化コポリマー、アルキルスチレンのシリル化ホモポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項24】
成分(B)が、スズ(IV)化合物である、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項25】
成分(D)が存在し、該成分(D)が、ゼオライト、モレキュラーシーブ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項26】
成分(E)が存在し、沈降炭酸カルシウムを含む、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項27】
成分(E)が存在し、成分(E)が補強充填剤、増量充填剤、チキソトロープ充填剤、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項28】
成分(F)が存在し、成分(F)がポリイソブチレンである、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項29】
成分(G)が存在し、成分(G)がアルコキシシラン、アルコキシシランのオリゴマー反応生成物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項30】
成分(I)が存在し、成分(I)がテトラエチルオルソシリケート、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、及び(ガンマイソシアノプロピル)トリエトキシシラン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項31】
成分(J)が存在し、成分(J)が非極性炭化水素である、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項32】
成分(K)が存在し、成分(K)が抗酸化剤、UV吸収剤、UV安定剤、熱安定剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項33】
成分(L)が存在し、成分(L)が脂肪族炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂、ロジンエステル、水素化ロジングリセロールエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項34】
I)塗布温度範囲内で反応性であるシラノール基を有する(C)1〜25重量%のシラノール官能性シリコーン樹脂を、
・10〜65重量%の湿気硬化性、シラン官能性、弾性、有機ポリマー、
・0.05〜3重量%の縮合触媒、
・0〜25重量%の物理的乾燥剤、
・0〜30重量%の充填剤、
・0〜30重量%の非反応性、弾性、有機ポリマー、
・0〜5重量%の架橋剤、
・0〜5重量%の成分(G)以外の化学的乾燥剤、
・0〜5重量%の成分(G)及び(H)以外の接着促進剤、
・0〜20重量%の25℃で固体である微結晶ワックス、
・0〜3重量%の老化防止添加剤、並びに
・0〜20重量%の粘着付与剤
を含み、総重量%が100%である組成物に添加するステップと、
II)前記シラノールを反応させ、これによりステップI)の生成物を硬化するステップと
を含む方法。
【請求項35】
前記成分をせん断下において混合するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記成分が真空若しくは乾燥不活性ガス、又は両方の下で混合される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ステップII)が大気水分の非存在下で行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
ステップII)が、前記組成物を基板に塗布する間、前記組成物を基板に塗布した後、又はこれらの組み合わせにおいて前記組成物を80℃〜120℃の範囲の温度で加熱することにより行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
ステップII)が、前記組成物が2つの基板間に配置された後に前記組成物を80℃〜110℃の範囲の温度で加熱することにより行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
成分(A)がイソモノオレフィン及びビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、イソモノオレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
成分(A)がイソブチレン及びアルキルスチレンのシリル化コポリマー、イソブチレンのシリル化ホモポリマー、アルキルスチレンのシリル化ホモポリマー、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
成分(B)がスズ(IV)化合物である、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
成分(C)がメチルシルセスキオキサン樹脂、フェニルシルセスキオキサン樹脂、メチルフェニルDT樹脂、MQ樹脂、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
成分(D)がゼオライト、モレキュラーシーブ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
成分(E)が存在し、成分(E)が沈降炭酸カルシウムを含む、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
成分(E)が存在し、成分(E)が補強充填剤、増量充填剤、チキソトロープ充填剤、顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
成分(F)が存在し、成分(F)がポリイソブチレンである、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
成分(G)が存在し、成分(G)がアルコキシシラン、アルコキシシランのオリゴマー反応生成物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
成分(I)が存在し、成分(I)がテトラエチルオルソシリケート、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、及び(ガンマイソシアノプロピル)トリエトキシシラン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
成分(J)が存在し、成分(J)が非極性炭化水素である、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
成分(K)が存在し、成分(K)が抗酸化剤、UV吸収剤、UV安定剤、熱安定剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
成分(L)が存在し、成分(L)が脂肪族炭化水素樹脂、水素化テルペン樹脂、ロジンエステル、水素化ロジングリセロールエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
請求項34〜52のいずれか1項に記載のステップII)の生成物の、絶縁ガラスの製造における封止材、接着剤、スペーサ、乾燥マトリクス、一体型エッジシール、又はこれらの組み合わせとしての使用。
【請求項54】
請求項34〜52のいずれか1項に記載のステップII)の生成物の、絶縁ガラスの製造における水蒸気バリア、ガスバリア、ガラス板間の封止材、ガラス板間のスペーサ、及び乾燥マトリクスとしての使用。
【請求項55】
請求項1〜4又は22〜33のいずれかに記載の組成物の、スペーサを有するIGユニットにおける二次封止材としての使用。
【請求項56】
請求項1〜4又は22〜33のいずれかに記載の組成物の、スペーサを有するIGユニットにおける一次封止材としての使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−521485(P2012−521485A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502142(P2012−502142)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/028133
【国際公開番号】WO2010/111174
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】