化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法
【課題】建築用化粧板の意匠面を安定して塗装できる化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法を提供する。
【解決手段】意匠面a1上の塗膜厚を調整する送風部4における第一送風装置41にあっては、吹出スリット41aの向きが規定され、エアーの吹出方向が所定の角度に限定されている。具体的には、塗装装置1を平面視した場合に、吹出スリット41aの吹出スリット方向は、第一基準軸L1に対して、時計回りに27°だけ偏向されている。また、塗装装置1を側面視した場合に、吹出スリット41aからのエアーの吹出方向は、第二基準軸L2に対して、20°だけ傾けて設定されている。
【解決手段】意匠面a1上の塗膜厚を調整する送風部4における第一送風装置41にあっては、吹出スリット41aの向きが規定され、エアーの吹出方向が所定の角度に限定されている。具体的には、塗装装置1を平面視した場合に、吹出スリット41aの吹出スリット方向は、第一基準軸L1に対して、時計回りに27°だけ偏向されている。また、塗装装置1を側面視した場合に、吹出スリット41aからのエアーの吹出方向は、第二基準軸L2に対して、20°だけ傾けて設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築用の化粧板を塗装する化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば住宅内の床や壁、あるいは住宅の屋根や外壁等に多数並べて使用される建築用化粧板(以下、適宜、化粧板という。)は、よく知られている(例えば特許文献1参照)。該化粧板としては、ALC、木質セメント板等が例示される。このような化粧板aは、図8に示すように、一方の側面に凸状接合部b(いわゆるサネ)が形成され、他方の側面に凹状接合部c(溝)が形成されている。そして、前記凹状接合部cに他の化粧板の凸状接合部b’を突き合わせて隣同士接合して施工される。
【0003】
ところで、前記化粧板aの意匠面a1は、着色目的或いは保護層を形成する目的で表面塗装されている。塗装方法としては、ロールコート式、エアレススプレー式、及びエアスプレー式が広く知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−262463号公報
【特許文献2】特開2003−236455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記した従来の塗装装置、又は塗装方法にあっては、塗装面にムラが生じて、均一な塗膜厚が形成されないという問題があった。特に、図10に示すように、意匠面a1にエンボス加工されている化粧板aにおいてはかかる問題が顕著にあらわれ、意匠面a1における凹部周縁部は他の部位に比して塗膜が厚く形成されやすく、塗料溜りgが発生しやすかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、化粧板の意匠面にムラなく塗料を塗装できる化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で所定の搬送方向へ向けて搬送する化粧板搬送手段と、前記化粧板搬送手段で搬送される前記化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着させるカーテンフローコート式の意匠面塗着手段と、前記化粧板搬送手段で搬送され、かつ前記意匠面塗着手段によって塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成する意匠面用塗膜厚制御手段とを備えたことを特徴とする化粧板用塗装装置である。
【0008】
本発明に係る化粧板用塗装装置は、化粧板の意匠面上に流れ落ちた塗料を吹き飛ばして意匠面上の塗料の量を所望量とすることができる構成であり、意匠面上に所望塗膜厚の塗膜をムラなく形成することができる。
【0009】
また、前記意匠面用塗膜厚制御手段は、前記化粧板の上方に配置された送風装置を具備し、かつ該送風装置には、エアーが下向きに吹き出る吹出スリットが形成され、しかも該吹出スリットの長手方向である吹出スリット方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する水平な第一基準軸に対して、平面視で10〜40°の角度範囲内に設定され、並びに、吹出スリットから下向きに吹き出るエアーの吹出方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する鉛直な第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ10〜40°の角度範囲内で傾けられて該搬送方向の基端側へエアーが吹き出るように設定されてなることが望ましい。
【0010】
吹出スリットの配向を上記条件とすると、送風装置による送風によって意匠面上の余剰の塗料が前記搬送方向に対して斜めの角度の方向へ流動していくこととなり、仮に意匠面がエンボス加工されていても塗料溜りが発生せず、該意匠面に塗膜を均一に形成してムラのない塗装とすることができる。
【0011】
また、内部空間を有する装置筐体を備え、該装置筐体内に前記送風装置が配設され、該装置筐体内であって該送風装置の下方を前記化粧板が搬送されるものであり、さらに該装置筐体にあって前記化粧板の搬送方向の基端側を該装置筐体の前方とし、該搬送方向側を該装置筐体の後方とした構成であって、前記送風装置の後方に配置され、該装置筐体内と該装置筐体外とを連通させる排気専用空気連通路と、排気専用の排気専用ファンとを具備し、該排気専用ファンが駆動することにより、該排気専用空気連通路を介して該装置筐体内の空気を該装置筐体外へ排気する排気手段を備えた構成が望ましい。
【0012】
また、上記構成にあっては、該送風装置による送風エアーは前方に向かって流動し、これに対して排気用の空気は後方に向かって流動するため、流動方向が異なることとなって前記空気連通路に前記送風エアーが流入しにくい。したがって、該送風エアーによって吹き飛ばされる塗料も該空気連通路に侵入しにくくなり、当該排気手段は空気中に含まれる塗料に汚染されにくい。また、排気用に単独のファンを採用することにより、常時安定して前記排気専用空気連通路から排気を行うことができる。
【0013】
なお、前記吹出スリット方向が、前記第一基準軸に対して、平面視で20〜30°の角度範囲内で設定されているとさらに好ましい。また、前記エアーの吹出方向が、前記第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ15〜35°の角度範囲内で傾けられた構成であるとさらに好ましい。
【0014】
さらに、前記意匠面塗着手段は、下部にスリットが開口した塗料タンクと、該塗料タンクに塗料を供給する塗料供給手段とを備えると共に、前記塗料タンクには、当該塗料タンクに内在する塗料が該塗料タンク外へ流出するオーバーフロー口が前記スリットより高位置に配設されており、前記塗料供給手段により前記塗料タンク内に塗料が供給され、かつ前記スリットから塗料が流出しつつ、前記オーバーフロー口から塗料タンク外へ塗料が流出している構成が望ましい。
【0015】
かかる構成とすることにより、該塗料タンク内の塗料の液面高さが一定となり、一定の流圧で該スリットから塗料が定量で流出する。このため、単位時間当たりの流出量(流速)が一定となって、長時間の連続塗装を安定して行なえる。
【0016】
また、本発明は、意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で搬送すると共に、該化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着し、該意匠面に塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成することを特徴とする化粧板塗装方法である。
【0017】
このように化粧板の意匠面上に流れ落ちた塗料を吹き飛ばして意匠面上の塗料の量を所望量とすると、意匠面上に所望塗膜厚の塗膜をムラなく形成することができる。
【0018】
また、前記エアーの風速を変更して、前記化粧板の前記意匠面上に塗着された塗料の吹き飛ばす量を増減させて、該意匠面に形成する塗料の塗膜厚を調整する構成としてもよい。
【0019】
かかる構成とすると、吹き飛ばされる塗料の量が増減する為、意匠面上の塗料の量を調整して塗膜の膜厚を制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、化粧板の意匠面をムラなく塗装することができる優れた効果がある。また、従来に比して塗装スピードが減退しない効果があり、例えば、搬送中の化粧板の速度を10〜80m/分とすることができる。また、塗装効率がよく、エコ塗装装置またはエコ塗装方法とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の化粧板用塗装装置1(以下、塗装装置1という)は、建築用の化粧板a(図9,10参照)を塗装対象としている。そして、該塗装装置1は、該化粧板aの意匠面a1、凸状接合部bの表面,凹状接合部cの内面c1、及び下面dの一部を塗装する。以下、本発明の実施例を添付図面に従って詳説する。
【0022】
図1に示すように、前記塗装装置1は、カーテンフローコート式の意匠面塗着部2(意匠面塗着手段)、化粧板搬送部3(化粧板搬送手段)、送風部4(意匠面用塗膜厚制御手段)、凹状接合部塗着手段としての凹状接合部塗着部5、及び図7に示す排気部7(排気手段)を備えている。なお、便宜上、該塗装装置1にあっては、前記意匠面塗着部2側を前方とし、前記排気部7側を後方として説明する。すなわち、塗装対象の化粧板aは、塗装過程において塗装装置1の前方から後方へ向かって搬送されることとなる。
【0023】
前記化粧板搬送部3について説明する。
前記化粧板搬送部3は、いわゆるコンベアであり、多数列設された円盤形状の搬送ローラー31で構成されている。そして、該搬送ローラー31上に化粧板aが載せられ、該搬送ローラー31が回転駆動すると、意匠面a1を上にした水平姿勢で化粧板aが塗装装置1の後方に向かって搬送される。具体的には、該化粧板搬送部3は、後述の意匠面塗着部2の前後に配置されており、該化粧板搬送部3により搬送される化粧板aは、前記塗料タンク21からカーテン状に流下する塗料Xを横切るように該塗料タンク21の下方を通過し、前記意匠面塗着部2の後方に配された後述の送風部4に移送される。なお、このような化粧板aの搬送経路において、化粧板aの意匠面a1に塗料Xが流下する位置を塗着位置P(図2参照)としている。ところで、前記化粧板搬送部3は周知の構成が好適に採用される。
【0024】
前記意匠面塗着部2について説明する。
前記意匠面塗着部2は、化粧板aの意匠面a1に塗料Xを塗着するためにあり、図1,2に示すように、上方開口した幅広容器形状の塗料タンク21を備えている。また、該塗料タンク21の下端には、該塗料タンク21の幅方向に沿ってスリット22が形成されており、該塗料タンク21に内在する塗料Xは該スリット22から流下してカーテン状に流れ落ちる。ところで、前記スリット22には、該スリット22を開閉するシャッター(図示省略)が取り付けられており、該シャッターを電気的に制御して該塗料タンク21を塗料貯留可能状態又は塗料流下可能状態とすることが可能となっている。なお、塗料Xが塗着した状態とは、液状の塗料Xが付着した直後の状態であって、硬化前の状態である。
【0025】
前記凹状接合部塗着部5について説明する。
図1,3に示すように、前記凹状接合部塗着部5は、塗料Xを貯留する凹状接合部用塗料タンク55を備えている。この凹状接合部用塗料タンク55は、上方開口した縦長の容器であり、下端に塗料流下孔55aが形成されている。また、該塗料流下孔55aには塗料案内管56を介して凹状接合部用ノズル57が接続されて、該塗料流下孔55aと凹状接合部用ノズル57とが連通状態とされている。なお、前記塗料案内管56は、可撓性材料で構成して前記凹状接合部用ノズル57の向きを自在に変更できる。ただし、前記塗料案内管56は、非可撓性材料で構成して安定して前記凹状接合部用ノズル57を固定するようにしてもよい。ところで、前記塗料案内管56には、電気的に制御される電磁弁58が取り付けられており、該電磁弁58の制御により、前記塗料流下孔55aを適宜開放状態または閉鎖状態とすることができる。
【0026】
前記送風部4について説明する。
前記送風部4は、図1,5に示すように、前記意匠面塗着部2の後方に配置されている。さらに詳述すると、該送風部4は、内部空間を具備するブース70(装置筐体)内に配置された第一送風装置41と、ブース70外にあり、該第一送風装置の後方に配されている第二送風装置42とで構成されている。なお、送風部4は、本発明の要部であるため、詳細は後述する。
【0027】
また、図1等に示すように、前記意匠面塗着部2と送風部4との間には、エアー遮断部33が配置されている。該エアー遮断部33は、塗着直後の化粧板aの通過を可能としつつ、該化粧板a通過時においても第一送風装置41の送風エアーが前記塗着位置Pに進入することを防止するものである。具体的には、可撓性の樹脂材料からなる横長の樹脂板34a,34bが、上下二段に配置されて構成されている。そして、上段の樹脂板34aの上端と、下段の樹脂板34bの下端とがそれぞれ固定されている。かかる構成にあって、通常時は、上下に配された樹脂板34a,34bが前記意匠面塗着部2と前記送風部4との間を遮断している。これに対し、化粧板a通過時は、図1,2に示すように、該化粧板aの先端が、下側にある樹脂板34bの上端に前側から当接し、さらに該樹脂板34bを押して弾性変形させて後方へ屈曲させながら通り抜ける。かかる構成により、化粧板aの通過を可能としつつ、前記第一送風装置41の送風エアーが前記塗着位置Pに進入することを阻止している。なお、意匠面a1に塗着された塗膜の塗膜面を保護すべく、エアー遮断部33を通過する際に上側にある樹脂板34aの下端が塗膜面に接触しないように樹脂板34aの寸法が設定されている。また、図1に示す構成は、エアー遮断部33を一列のみ設けたものであるが、該構成に代えて、化粧板aの搬送方向に沿って複数列設してもよい。
【0028】
上記構成における塗装手順を簡単に説明する。
まず、塗料タンク21、及び塗料タンク55に、あらかじめ塗料Xを供給して蓄えておく。そして、未塗装の化粧板aを、塗装装置1における最前位置から搬送ローラー31上に乗せて、意匠面a1を上に向けた状態で塗着位置Pに向かって搬送開始する。そして、予め設けたセンサー(図示省略)により塗着位置Pの直近で化粧板aが検知されると、スリット22および塗料流下孔55aを電気制御により自動開放する。そうすると、塗料タンク21からは、意匠面a1を塗装対象としてカーテン状に塗料Xが流下し、化粧板aの意匠面a1には塗膜Yが形成される。また、凸状接合部bの表面も塗着される。これと共に、前記凹状接合部用ノズル57からは、該化粧板aの凹状接合部cの内面c1に向けてほぼ水平(やや上向き)に塗料Xが流出し、側方へ開口した該凹状接合部c内に塗料Xが流入する。そしてさらに、前記塗着位置Pで塗工された化粧板aを、前記エアー遮断部33を通過させて(図2参照)、送風部4へ搬送する。そしてその後、前記ブース70から化粧板aを取り出して乾燥工程に移行する。
【0029】
次に、塗料タンク21の詳細について説明する。
図2に示すように、該塗料タンク21のやや上部位置には、オーバーフロー口24Aが開口していると共に、該オーバーフロー口24Aに、塗料タンク21の外部に配された下向きの塗料排出管24Bが接続されている。かかる構成にあって、塗料供給手段80や後述の残余塗料案内管77a等から塗料Xが該塗料タンク21に供給され、該塗料Xの液面が上昇し、該オーバーフロー口24Aの位置まで到達すると、該オーバーフロー口24Aから余剰の塗料Xが当該塗料タンク21外へ排出される。かかる構成にあって、前記スリット22を開放した状態で塗料Xを塗料タンク21に供給しつつ該オーバーフロー口24Aから塗料を常時排出するように供給量を調整すると、該塗料タンク21内の塗料の液面高さを該オーバーフロー口24Aの高さ位置で一定に保ちながら塗料Xをスリット22から連続して自然流下させることが可能となる。すなわち、常に一定圧で塗料Xをスリット22から流下させることが可能となる。かかる方式であると、意匠面a1にエンボス加工が施されていても、十分な量の塗料が安定して塗工されるため、ムラが生じない。なお、本実施例において、塗料Xの粘度は5〜30、望ましくは13〜20秒(NK II測定器:イワタカップ)に設定している。このような粘度の塗料Xを用いると、意匠面a1に多数の凸部があっても、塗料Xが該凸部で流れてしまって薄膜の部位を形成してしまう、ということがない。
【0030】
また、本実施例にあっては、前記オーバーフロー口24Aの上下位置に上限用液面検知センサー54Aと下限用液面検知センサー54Bとが配設されている。そして、供給過多となって塗料Xの液面がオーバーフロー口24Aより高位置となる、あるいは供給不足となってオーバーフロー口24Aより低位置となることを検知可能とし、いずれかのセンサー54A,54Bが液面を検知した場合は、定量的な塗装が不能となるため、不良発生を回避すべく直ちに塗装作業を中止するようにしている。
【0031】
また、前記塗料排出管24Bによって排出された塗料Xは、後述の残余塗料案内管77aに流入し、該塗料タンク21に案内されて再利用される。
【0032】
また、図3に示すように、塗料タンク21と同様に、前記凹状接合部用塗料タンク55のやや上部位置には、オーバーフロー口59Aが開口していると共に、該オーバーフロー口59Aに、凹状接合部用塗料タンク55の外部に配された下向きの塗料排出管59Bが接続されている。かかる構成にあって、塗料供給手段80や後述の残余塗料案内管77a等から前記凹状接合部用塗料タンク55内に塗料Xが供給され、該塗料Xの液面が上昇し、該オーバーフロー口59Aの位置まで到達すると、該オーバーフロー口59Aから余剰の塗料Xが当該凹状接合部用塗料タンク55外へ排出される。かかる構成にあって、前記塗料流下孔55aを開放した状態で塗料Xを凹状接合部用塗料タンク55に供給しつつ該オーバーフロー口59Aから塗料を常時排出するように供給量を調整すると、該凹状接合部用塗料タンク55内の塗料の液面高さを該オーバーフロー口59Aの高さ位置で一定に保ちながら塗料Xを塗料流下孔55aから連続して自然流下させることが可能となる。すなわち、常に一定圧で塗料Xを凹状接合部用ノズル57から流出させることが可能となる。そして、一定の流速で凹状接合部用ノズル57から塗料Xを流出可能であると、凹状接合部用ノズル57から塗料を安定して流出しながら長時間(例えば10〜20時間)の連続塗工が可能となる。
【0033】
なお、凹状接合部用ノズル57から流出する塗料Xの流速は、前記凹状接合部用塗料タンク55に蓄える塗料Xの液面高さを適宜変更することにより調整可能である。また、塗料Xの粘度によって前記液面高さを適宜変更してもよい。例えば、塗料Xの粘度が高粘度の場合に前記液面高さを大きくすることが提案される。望ましくは、上記粘度の塗料Xを使用する場合、凹状接合部用塗料タンク55内における塗料Xの液面高さを流出口57aの高さ位置から400mm以上、さらに望ましくは450mm以上とするのがよい。また、該凹状接合部用ノズル57は、図1,3,8に示すように、幅広で薄型形状を呈し、先端にある横長矩形であるスリット形の流出口57aが略水平に向けられている。該流出口57aは、例えば、横幅の内寸が40mmに設定され、縦長の内寸が3mmに設定されている。また、該凹状接合部用ノズル57は、前記化粧板搬送部3により搬送される化粧板aの凹状接合部cに対面する位置に配置されており、具体的には、前記塗着位置Pに隣接して配置され、該塗着位置Pを通過する化粧板aの側方開口した凹状接合部cの内面c1と、該凹状接合部用ノズル57の流出口57aとが対面するように位置決めされている。具体的に前記流出口57aからの塗料流出方向は、水平又は水平からやや上向き(仰角0〜15°)又はやや下向き(仰角0〜−15°)となる範囲で設定される。最も望ましいのは、塗料流出方向をやや上向き(仰角0〜15°)とする構成である。前記流出口57aの寸法は、化粧板aの厚みにより適宜変更するのが好適であり、前記横幅の内寸を10〜60mm、望ましくは20〜40mmの範囲とし、また前記縦長の内寸を3〜5mmの範囲とすることが好ましい。かかる範囲に設定することにより、規格で寸法が定められている化粧板aの凹状接合部cの寸法に対して幅広とすることができ、好適に凹状接合部cに対向させて配置することができる。また、上記のセンサー54A,54Bを、前記凹状接合部用塗料タンク55に適用してもよい。
【0034】
なお、前記塗料排出管59Bによって排出された塗料Xは、後述の残余塗料案内管77aに流入し、再利用される。
【0035】
次に、送風部4について詳述する。
送風部4の前記第一送風装置41は、装置本体の下端に設けられた横長の吹出スリット41aを備えると共に、第一送風ファン44と接続され、該第一送風ファン44により送風された外気が該吹出スリット41aから送風エアーとして吹き出される。また、前記第二送風装置42は、同構成の、横長の吹出スリット42aを備えると共に、第二送風ファン45と接続され、該第二送風ファン45により送風された外気が該吹出スリット42aから送風エアーとして吹き出される。そして、該第二送風ファン45の送風エアーは、ブース70の開口部70Aから該ブース70内に進入する。
【0036】
かかる構成にあって、第一送風装置41が前記意匠面塗着部2で塗料Xが塗着された化粧板aに送風エアーを吹き付け、余剰の塗料Xを一部吹き飛ばし、前記意匠面a1上の塗膜Yの膜厚を調整する。すなわち、該第一送風装置41は、意匠面a1の塗膜厚を制御する手段としての役割を果しており、高圧の空気を噴射して余分な塗料を吹き飛ばし、所定量の塗料を残留させて所望の塗膜厚を得るものである。なお、本実施例において、送風エアーの風速は20〜30m/秒が望ましいが、インバーターで変更制御可能であり、該風速の制御により化粧板aの塗膜Yを10g/m2単位で制御することができる。
また、第二送風装置42は、第一送風装置41により吹き飛ばされた塗料Xがブース70の開口部70Aから外部へ飛び出して塗装後の化粧板aを汚してしまうことを防止すべく、該開口部70Aに向けて送風している。
【0037】
さらに、前記第一送風装置41にあっては、図6a,bに示すように、吹出スリット41aの向きが規定され、エアーの吹出方向が所定の角度範囲内で設定されている。具体的には、図6aに示すように、塗装装置1を平面視した場合に、吹出スリット41aの長手方向の吹出スリット方向は、化粧板aの搬送方向に直交する基準軸L1に対して、27°(図中:α)だけ傾けて設定されている。該角度αは、10〜40°が好ましく、さらには20〜30°であることが望ましい。
また、図6bに示すように、塗装装置1を側面視した場合に、吹出スリット41aからのエアーの吹出方向は、鉛直方向の基準軸L2に対して20°(図中:β)だけ傾けて設定されている。この傾きにより、吹出スリット41aからのエアーは、ブース70の前方(すなわち、搬送方向の基端側)に向けて吹き出されることとなる。該角度βは、10〜40°が好ましく、さらには15〜35°であることが望ましい。かかる構成とすることにより、化粧板aの意匠面a1上に流れ落ちた余剰の塗料が前記搬送方向に対して斜めの角度の方向へ流動することとなり、該意匠面a1(エンボス加工されている場合も含む)に塗膜を均一に形成してムラのない塗装とすることができる。前記角度α,βが上記範囲外で設定されると、塗膜が均一化せず、さらにエンボスされた意匠面a1では凹部(窪み)内に塗料が溜るなどして、該凹部(窪み)周りに塗料溜りが発生してしまう。
前記第一送風装置41により、本発明に係る意匠面用塗膜厚制御手段の送風装置が構成される。
【0038】
ところで、前記意匠面塗着部2と送風部4とにおいて、化粧板aから流れ落ちたり吹き飛ばされたりした塗料Xの残余は、前記ブース70内で回収され、該ブース70に設けられた残余塗料案内管77aによって、再度前記塗料タンク21に案内され、塗料タンク21において再利用される。なお、塗料タンク21への送液は、ダイヤフラムポンプ等のポンプ(図示省略)が採用され得る。
【0039】
また、前記凹状接合部用ノズル57の隣接位置には、凹状接合部用塗膜厚制御手段としての凹状接合部用塗膜厚制御部47が配置されている。この凹状接合部用塗膜厚制御部47は、エアーノズル47Aと、該エアーノズル47Aに接続された独立の送風ファン47Bとを備え、塗料Xが塗着された凹状接合部cに向けて送風エアーを送る機能を有している。具体的には、図3に示すように、該エアーノズル47Aの先端が前記化粧板搬送部3により搬送される化粧板aの凹状接合部cに対面する位置に配置されている。
【0040】
かかる構成にあって、凹状接合部用ノズル57からの塗料Xが塗着した凹状接合部cに向けてエアーノズル47Aからエアーを送風すると、該凹状接合部c内の余剰の塗料Xが一部吹き飛ばされ、該凹状接合部cの内面c1上の塗膜Yの膜厚を所望量に調整することができる。すなわち、該凹状接合部用塗膜厚制御部47は、凹状接合部cの内面c1の塗膜厚を制御する手段としての役割を果しており、高圧の空気を噴射して余分な塗料Xを吹き飛ばし、所定量の塗料を残留させて所望の塗膜厚を得るものである。
【0041】
また、図3に示すように、前記意匠面塗着部2及び前記送風部4にある搬送ローラー31の外側位置には、それぞれ塗料垂れ阻止板35,35が配置されている。さらに詳述すると、各塗料垂れ阻止板35,35は、長尺状の薄板で構成され、前記搬送ローラー31の直ぐ外側位置で、化粧板aの搬送方向に沿って固定されている。また、該塗料垂れ阻止板35の高さ位置は、該塗料垂れ阻止板35の上端と各搬送ローラー31の上端とがほぼ面一となるように設定されている。かかる構成にあって、搬送される化粧板aは、前記意匠面塗着部2及び前記送風部4において、前記凹状接合部c寄りの下面dを該塗料垂れ阻止板35の上端縁35aに接触させながら搬送される。そして、後述するように、余剰の塗料Xが化粧板aの側面から下面dに回り込んで該下面dをつたって該化粧板aの下面中央に設定された非塗装部に塗料Xが付着することを防止する。なお、例えば水性塗料に対する塗料垂れ阻止板35としては、プラスチック材料からなるものが好適である。
【0042】
また、図3に示すように、該塗料垂れ阻止板35と搬送ローラー31との間には、エアーノズル46,46(送風手段)が配置されている。このエアーノズル46は、搬送される化粧板aの中央寄り位置(該塗料垂れ阻止板35の背後)から該塗料垂れ阻止板35の前記上端縁35aに向かって外向きにエアーを放出するものであり、風圧により前記非塗装部へ塗料Xが付着することを補助的に防止するものである。なお、エアーノズル46からのエアーを塗料垂れ阻止板35の外側へ通風すべく、塗料垂れ阻止板35の上端縁35aに通風用の切欠部を設けて該切欠部を介して通風してもよい。
【0043】
次に、前記排気部7について説明する。
前記排気部7は、図7に示すように、塗装装置1のブース70の最後尾に配置されている。さらに詳述すると、該ブース70後方の側面には排気専用空気連通路としての排気案内管71の一端が接続され、該排気案内管71内の中腹にフィルタ72が配設され、該排気案内管71の他端に排気専用ファン73が配設されている。
かかる構成にあって、前記排気専用ファン73が駆動すると、前記ブース70内の空気(ゴミ等を含む)が排気案内管71内に導入され、該空気がフィルタ72を通過してゴミ等が除去された後、清浄な状態で外界に連続して排気される。また、排気案内管71に導入されてしまった塗料Xは、該排気案内管71に接続された残余塗料案内管77bに流入し、該残余塗料案内管77bにより前記塗料タンク21へ案内され、該塗料タンク21において再利用される。なお、該排気部7は、前記送風部4に用いられるファン44,45とは異なるファンであって、常時駆動している排気専用の排気専用ファン73単独で構成されたものであるため、排気機能が停止することがなく、仮に塗料が揮発性の有機溶剤を含む場合でも溶剤が濃縮されず、支障なく適正に排気を行なって塗装装置1を運行できる。このため、該塗装装置1は、クリーン環境に対応したものである。
また、本塗装装置1は、送風部4で二基の送風装置41,42を使用しており、当該塗装装置1の前方に向けて送風している為、塗料を含む空気が前方に流動し易く、最後尾に位置する排気部7にあっては回収される塗料が極めて少ない。このため、フィルタ72の交換サイクルが延びてコストが低減される。
ところで、本塗装装置1は、板幅1mの化粧板aを塗装対象とした場合、ファンを回すモーターの消費電力が11kwである送風装置を2台使用して運転可能である。これに対し、真空塗装式の従来装置は、前記消費電力が22kwの送風装置を4台使用する必要がある。また、循環式の従来装置は、消費電力が22kwの送風装置を2台使用する必要がある。
【0044】
再度、意匠面a1、及び凹状接合部cの内面c1における塗膜厚の制御について説明する。
該意匠面a1に送風エアーが吹き付けられると、意匠面a1上の塗膜Yが所定量だけ吹き飛ばされ、該塗膜Yの塗膜厚が所望量に調整される。また、凹状接合部cにおいても前記エアーノズル47Aから吹出されたエアーにより凹状接合部c内の余剰の塗料が吹き飛ばされ、塗料の量が制御され、所望量の塗膜厚の塗料が塗着される。なお、送風部4の送風装置41からのエアーの風量をあらかじめ変更して調整しておくことにより、意匠面a1上の塗料Xの吹き飛ばし量を調整できるため、意匠面a1における塗膜Yの塗膜厚を制御することができる。また、エアーノズル47Aからのエアーの風量をあらかじめ変更して調整しておくことにより、凹状接合部c内の塗料Xの吹き飛ばし量を調整できるため、凹状接合部cにおける塗膜Yの塗膜厚を制御することができる。
【0045】
上記した塗装方法によれば、該凹状接合部c内に塗料を塗着させる際に、該凹状接合部c内で塗料Xの乱流が発生せず、また塗料Xの飛散が抑制されるため、効率的に該凹状接合部c内の奥まで塗料Xが浸入し、確実に所望厚さの塗膜Yが形成されることとなる。また、前記凹状接合部用塗料タンク55内の塗料Xを前記塗料流下孔55aから自然に流下させることにより、前記凹状接合部用ノズル57から流出する塗料Xの流れは安定し、確実な塗工が可能となる。具体的には、図4に示すように、凹状接合部cの内面c1において、内底面c2および内側面c3に、10mm厚程の塗膜厚で塗膜Yを均一に形成することができる。また、塗料Xの飛散量が著しく低減される為、従来に比して塗着効率が向上し、塗着効率90%以上が実現できる。従来は、図9に示すように、凹状接合部cの内面c1において、内底面c2および内側面c3に、塗膜Yを均一に形成することができなかった。
【0046】
また、上記塗装装置1は、搬送中の化粧板aに対して意匠面a1及び凹状接合部cとを同時に塗着処理を行なう為、塗装スピードを10〜80m/分とすることができる。
【0047】
なお、第一送風装置41の送風効果で化粧板a上を流動する塗料Xの一部は、該化粧板aの側面をつたって下面dに回り込むこととなるが、図3に示すように、前記塗料垂れ阻止板35が配設されているため、図4に示すように、該塗料垂れ阻止板35によって塗料Xが水切りされて回り込みが阻止され、化粧板aの下面dの非塗装部を汚してしまうことがない。さらに、該塗料垂れ阻止板35の背後にエアーノズル46を配置したため、該非塗装部へ塗料が付着することを確実に防止できる。
【0048】
本発明は、これまでに述べた実施例に限定されず、適宜設計変更できる。例えば、本発明は、実施例の凹状接合部cの形状に限定されない。また、上記した塗料Xは、種々のものが選択可能であり、水性及び油性が使用できる。また、本発明は、シーラーやコートの塗工も可能である。
また、前記凹状接合部塗着部5の構成を、化粧板aの凸状接合部bの塗装に採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】塗装装置1の概略を示す斜視図である。
【図2】塗着位置Pを示す側面図である。
【図3】凹状接合部塗着部5を示す側面図である。
【図4】塗装装置1で塗装された凹状接合部cを示す断面図である。
【図5】送風部4を示す側面図である。
【図6】a)は吹出スリット方向を示す平面図であり、b)は吹出方向を示す側面図である。
【図7】排気部7を示す側面図である。
【図8】a)は凹状接合部用ノズル57の正面図であり、b)は凹状接合部用ノズル57の縦断側面図である。
【図9】化粧板aの断面図である。
【図10】従来の塗装方法で塗装された凹状接合部cを示す断面図である。
【図11】従来の塗装方法で塗装された意匠面a1を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 化粧板用塗装装置
2 意匠面塗着部(意匠面塗着手段)
3 化粧板搬送部(化粧板搬送手段)
4 送風部(意匠面用塗膜厚制御手段)
7 排気部(排気手段)
21 塗料タンク
22 スリット
24A オーバーフロー口
41 第一送風装置(送風装置)
41a 吹出スリット
70 ブース(装置筐体)
71 排気案内管(排気専用空気連通路)
73 排気専用ファン
80 塗料供給手段
a 化粧板
a1 意匠面
L1 第一基準軸
L2 第二基準軸
X 塗料
Y 塗膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築用の化粧板を塗装する化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば住宅内の床や壁、あるいは住宅の屋根や外壁等に多数並べて使用される建築用化粧板(以下、適宜、化粧板という。)は、よく知られている(例えば特許文献1参照)。該化粧板としては、ALC、木質セメント板等が例示される。このような化粧板aは、図8に示すように、一方の側面に凸状接合部b(いわゆるサネ)が形成され、他方の側面に凹状接合部c(溝)が形成されている。そして、前記凹状接合部cに他の化粧板の凸状接合部b’を突き合わせて隣同士接合して施工される。
【0003】
ところで、前記化粧板aの意匠面a1は、着色目的或いは保護層を形成する目的で表面塗装されている。塗装方法としては、ロールコート式、エアレススプレー式、及びエアスプレー式が広く知られている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−262463号公報
【特許文献2】特開2003−236455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記した従来の塗装装置、又は塗装方法にあっては、塗装面にムラが生じて、均一な塗膜厚が形成されないという問題があった。特に、図10に示すように、意匠面a1にエンボス加工されている化粧板aにおいてはかかる問題が顕著にあらわれ、意匠面a1における凹部周縁部は他の部位に比して塗膜が厚く形成されやすく、塗料溜りgが発生しやすかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、化粧板の意匠面にムラなく塗料を塗装できる化粧板用塗装装置、及び化粧板塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で所定の搬送方向へ向けて搬送する化粧板搬送手段と、前記化粧板搬送手段で搬送される前記化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着させるカーテンフローコート式の意匠面塗着手段と、前記化粧板搬送手段で搬送され、かつ前記意匠面塗着手段によって塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成する意匠面用塗膜厚制御手段とを備えたことを特徴とする化粧板用塗装装置である。
【0008】
本発明に係る化粧板用塗装装置は、化粧板の意匠面上に流れ落ちた塗料を吹き飛ばして意匠面上の塗料の量を所望量とすることができる構成であり、意匠面上に所望塗膜厚の塗膜をムラなく形成することができる。
【0009】
また、前記意匠面用塗膜厚制御手段は、前記化粧板の上方に配置された送風装置を具備し、かつ該送風装置には、エアーが下向きに吹き出る吹出スリットが形成され、しかも該吹出スリットの長手方向である吹出スリット方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する水平な第一基準軸に対して、平面視で10〜40°の角度範囲内に設定され、並びに、吹出スリットから下向きに吹き出るエアーの吹出方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する鉛直な第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ10〜40°の角度範囲内で傾けられて該搬送方向の基端側へエアーが吹き出るように設定されてなることが望ましい。
【0010】
吹出スリットの配向を上記条件とすると、送風装置による送風によって意匠面上の余剰の塗料が前記搬送方向に対して斜めの角度の方向へ流動していくこととなり、仮に意匠面がエンボス加工されていても塗料溜りが発生せず、該意匠面に塗膜を均一に形成してムラのない塗装とすることができる。
【0011】
また、内部空間を有する装置筐体を備え、該装置筐体内に前記送風装置が配設され、該装置筐体内であって該送風装置の下方を前記化粧板が搬送されるものであり、さらに該装置筐体にあって前記化粧板の搬送方向の基端側を該装置筐体の前方とし、該搬送方向側を該装置筐体の後方とした構成であって、前記送風装置の後方に配置され、該装置筐体内と該装置筐体外とを連通させる排気専用空気連通路と、排気専用の排気専用ファンとを具備し、該排気専用ファンが駆動することにより、該排気専用空気連通路を介して該装置筐体内の空気を該装置筐体外へ排気する排気手段を備えた構成が望ましい。
【0012】
また、上記構成にあっては、該送風装置による送風エアーは前方に向かって流動し、これに対して排気用の空気は後方に向かって流動するため、流動方向が異なることとなって前記空気連通路に前記送風エアーが流入しにくい。したがって、該送風エアーによって吹き飛ばされる塗料も該空気連通路に侵入しにくくなり、当該排気手段は空気中に含まれる塗料に汚染されにくい。また、排気用に単独のファンを採用することにより、常時安定して前記排気専用空気連通路から排気を行うことができる。
【0013】
なお、前記吹出スリット方向が、前記第一基準軸に対して、平面視で20〜30°の角度範囲内で設定されているとさらに好ましい。また、前記エアーの吹出方向が、前記第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ15〜35°の角度範囲内で傾けられた構成であるとさらに好ましい。
【0014】
さらに、前記意匠面塗着手段は、下部にスリットが開口した塗料タンクと、該塗料タンクに塗料を供給する塗料供給手段とを備えると共に、前記塗料タンクには、当該塗料タンクに内在する塗料が該塗料タンク外へ流出するオーバーフロー口が前記スリットより高位置に配設されており、前記塗料供給手段により前記塗料タンク内に塗料が供給され、かつ前記スリットから塗料が流出しつつ、前記オーバーフロー口から塗料タンク外へ塗料が流出している構成が望ましい。
【0015】
かかる構成とすることにより、該塗料タンク内の塗料の液面高さが一定となり、一定の流圧で該スリットから塗料が定量で流出する。このため、単位時間当たりの流出量(流速)が一定となって、長時間の連続塗装を安定して行なえる。
【0016】
また、本発明は、意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で搬送すると共に、該化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着し、該意匠面に塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成することを特徴とする化粧板塗装方法である。
【0017】
このように化粧板の意匠面上に流れ落ちた塗料を吹き飛ばして意匠面上の塗料の量を所望量とすると、意匠面上に所望塗膜厚の塗膜をムラなく形成することができる。
【0018】
また、前記エアーの風速を変更して、前記化粧板の前記意匠面上に塗着された塗料の吹き飛ばす量を増減させて、該意匠面に形成する塗料の塗膜厚を調整する構成としてもよい。
【0019】
かかる構成とすると、吹き飛ばされる塗料の量が増減する為、意匠面上の塗料の量を調整して塗膜の膜厚を制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、化粧板の意匠面をムラなく塗装することができる優れた効果がある。また、従来に比して塗装スピードが減退しない効果があり、例えば、搬送中の化粧板の速度を10〜80m/分とすることができる。また、塗装効率がよく、エコ塗装装置またはエコ塗装方法とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の化粧板用塗装装置1(以下、塗装装置1という)は、建築用の化粧板a(図9,10参照)を塗装対象としている。そして、該塗装装置1は、該化粧板aの意匠面a1、凸状接合部bの表面,凹状接合部cの内面c1、及び下面dの一部を塗装する。以下、本発明の実施例を添付図面に従って詳説する。
【0022】
図1に示すように、前記塗装装置1は、カーテンフローコート式の意匠面塗着部2(意匠面塗着手段)、化粧板搬送部3(化粧板搬送手段)、送風部4(意匠面用塗膜厚制御手段)、凹状接合部塗着手段としての凹状接合部塗着部5、及び図7に示す排気部7(排気手段)を備えている。なお、便宜上、該塗装装置1にあっては、前記意匠面塗着部2側を前方とし、前記排気部7側を後方として説明する。すなわち、塗装対象の化粧板aは、塗装過程において塗装装置1の前方から後方へ向かって搬送されることとなる。
【0023】
前記化粧板搬送部3について説明する。
前記化粧板搬送部3は、いわゆるコンベアであり、多数列設された円盤形状の搬送ローラー31で構成されている。そして、該搬送ローラー31上に化粧板aが載せられ、該搬送ローラー31が回転駆動すると、意匠面a1を上にした水平姿勢で化粧板aが塗装装置1の後方に向かって搬送される。具体的には、該化粧板搬送部3は、後述の意匠面塗着部2の前後に配置されており、該化粧板搬送部3により搬送される化粧板aは、前記塗料タンク21からカーテン状に流下する塗料Xを横切るように該塗料タンク21の下方を通過し、前記意匠面塗着部2の後方に配された後述の送風部4に移送される。なお、このような化粧板aの搬送経路において、化粧板aの意匠面a1に塗料Xが流下する位置を塗着位置P(図2参照)としている。ところで、前記化粧板搬送部3は周知の構成が好適に採用される。
【0024】
前記意匠面塗着部2について説明する。
前記意匠面塗着部2は、化粧板aの意匠面a1に塗料Xを塗着するためにあり、図1,2に示すように、上方開口した幅広容器形状の塗料タンク21を備えている。また、該塗料タンク21の下端には、該塗料タンク21の幅方向に沿ってスリット22が形成されており、該塗料タンク21に内在する塗料Xは該スリット22から流下してカーテン状に流れ落ちる。ところで、前記スリット22には、該スリット22を開閉するシャッター(図示省略)が取り付けられており、該シャッターを電気的に制御して該塗料タンク21を塗料貯留可能状態又は塗料流下可能状態とすることが可能となっている。なお、塗料Xが塗着した状態とは、液状の塗料Xが付着した直後の状態であって、硬化前の状態である。
【0025】
前記凹状接合部塗着部5について説明する。
図1,3に示すように、前記凹状接合部塗着部5は、塗料Xを貯留する凹状接合部用塗料タンク55を備えている。この凹状接合部用塗料タンク55は、上方開口した縦長の容器であり、下端に塗料流下孔55aが形成されている。また、該塗料流下孔55aには塗料案内管56を介して凹状接合部用ノズル57が接続されて、該塗料流下孔55aと凹状接合部用ノズル57とが連通状態とされている。なお、前記塗料案内管56は、可撓性材料で構成して前記凹状接合部用ノズル57の向きを自在に変更できる。ただし、前記塗料案内管56は、非可撓性材料で構成して安定して前記凹状接合部用ノズル57を固定するようにしてもよい。ところで、前記塗料案内管56には、電気的に制御される電磁弁58が取り付けられており、該電磁弁58の制御により、前記塗料流下孔55aを適宜開放状態または閉鎖状態とすることができる。
【0026】
前記送風部4について説明する。
前記送風部4は、図1,5に示すように、前記意匠面塗着部2の後方に配置されている。さらに詳述すると、該送風部4は、内部空間を具備するブース70(装置筐体)内に配置された第一送風装置41と、ブース70外にあり、該第一送風装置の後方に配されている第二送風装置42とで構成されている。なお、送風部4は、本発明の要部であるため、詳細は後述する。
【0027】
また、図1等に示すように、前記意匠面塗着部2と送風部4との間には、エアー遮断部33が配置されている。該エアー遮断部33は、塗着直後の化粧板aの通過を可能としつつ、該化粧板a通過時においても第一送風装置41の送風エアーが前記塗着位置Pに進入することを防止するものである。具体的には、可撓性の樹脂材料からなる横長の樹脂板34a,34bが、上下二段に配置されて構成されている。そして、上段の樹脂板34aの上端と、下段の樹脂板34bの下端とがそれぞれ固定されている。かかる構成にあって、通常時は、上下に配された樹脂板34a,34bが前記意匠面塗着部2と前記送風部4との間を遮断している。これに対し、化粧板a通過時は、図1,2に示すように、該化粧板aの先端が、下側にある樹脂板34bの上端に前側から当接し、さらに該樹脂板34bを押して弾性変形させて後方へ屈曲させながら通り抜ける。かかる構成により、化粧板aの通過を可能としつつ、前記第一送風装置41の送風エアーが前記塗着位置Pに進入することを阻止している。なお、意匠面a1に塗着された塗膜の塗膜面を保護すべく、エアー遮断部33を通過する際に上側にある樹脂板34aの下端が塗膜面に接触しないように樹脂板34aの寸法が設定されている。また、図1に示す構成は、エアー遮断部33を一列のみ設けたものであるが、該構成に代えて、化粧板aの搬送方向に沿って複数列設してもよい。
【0028】
上記構成における塗装手順を簡単に説明する。
まず、塗料タンク21、及び塗料タンク55に、あらかじめ塗料Xを供給して蓄えておく。そして、未塗装の化粧板aを、塗装装置1における最前位置から搬送ローラー31上に乗せて、意匠面a1を上に向けた状態で塗着位置Pに向かって搬送開始する。そして、予め設けたセンサー(図示省略)により塗着位置Pの直近で化粧板aが検知されると、スリット22および塗料流下孔55aを電気制御により自動開放する。そうすると、塗料タンク21からは、意匠面a1を塗装対象としてカーテン状に塗料Xが流下し、化粧板aの意匠面a1には塗膜Yが形成される。また、凸状接合部bの表面も塗着される。これと共に、前記凹状接合部用ノズル57からは、該化粧板aの凹状接合部cの内面c1に向けてほぼ水平(やや上向き)に塗料Xが流出し、側方へ開口した該凹状接合部c内に塗料Xが流入する。そしてさらに、前記塗着位置Pで塗工された化粧板aを、前記エアー遮断部33を通過させて(図2参照)、送風部4へ搬送する。そしてその後、前記ブース70から化粧板aを取り出して乾燥工程に移行する。
【0029】
次に、塗料タンク21の詳細について説明する。
図2に示すように、該塗料タンク21のやや上部位置には、オーバーフロー口24Aが開口していると共に、該オーバーフロー口24Aに、塗料タンク21の外部に配された下向きの塗料排出管24Bが接続されている。かかる構成にあって、塗料供給手段80や後述の残余塗料案内管77a等から塗料Xが該塗料タンク21に供給され、該塗料Xの液面が上昇し、該オーバーフロー口24Aの位置まで到達すると、該オーバーフロー口24Aから余剰の塗料Xが当該塗料タンク21外へ排出される。かかる構成にあって、前記スリット22を開放した状態で塗料Xを塗料タンク21に供給しつつ該オーバーフロー口24Aから塗料を常時排出するように供給量を調整すると、該塗料タンク21内の塗料の液面高さを該オーバーフロー口24Aの高さ位置で一定に保ちながら塗料Xをスリット22から連続して自然流下させることが可能となる。すなわち、常に一定圧で塗料Xをスリット22から流下させることが可能となる。かかる方式であると、意匠面a1にエンボス加工が施されていても、十分な量の塗料が安定して塗工されるため、ムラが生じない。なお、本実施例において、塗料Xの粘度は5〜30、望ましくは13〜20秒(NK II測定器:イワタカップ)に設定している。このような粘度の塗料Xを用いると、意匠面a1に多数の凸部があっても、塗料Xが該凸部で流れてしまって薄膜の部位を形成してしまう、ということがない。
【0030】
また、本実施例にあっては、前記オーバーフロー口24Aの上下位置に上限用液面検知センサー54Aと下限用液面検知センサー54Bとが配設されている。そして、供給過多となって塗料Xの液面がオーバーフロー口24Aより高位置となる、あるいは供給不足となってオーバーフロー口24Aより低位置となることを検知可能とし、いずれかのセンサー54A,54Bが液面を検知した場合は、定量的な塗装が不能となるため、不良発生を回避すべく直ちに塗装作業を中止するようにしている。
【0031】
また、前記塗料排出管24Bによって排出された塗料Xは、後述の残余塗料案内管77aに流入し、該塗料タンク21に案内されて再利用される。
【0032】
また、図3に示すように、塗料タンク21と同様に、前記凹状接合部用塗料タンク55のやや上部位置には、オーバーフロー口59Aが開口していると共に、該オーバーフロー口59Aに、凹状接合部用塗料タンク55の外部に配された下向きの塗料排出管59Bが接続されている。かかる構成にあって、塗料供給手段80や後述の残余塗料案内管77a等から前記凹状接合部用塗料タンク55内に塗料Xが供給され、該塗料Xの液面が上昇し、該オーバーフロー口59Aの位置まで到達すると、該オーバーフロー口59Aから余剰の塗料Xが当該凹状接合部用塗料タンク55外へ排出される。かかる構成にあって、前記塗料流下孔55aを開放した状態で塗料Xを凹状接合部用塗料タンク55に供給しつつ該オーバーフロー口59Aから塗料を常時排出するように供給量を調整すると、該凹状接合部用塗料タンク55内の塗料の液面高さを該オーバーフロー口59Aの高さ位置で一定に保ちながら塗料Xを塗料流下孔55aから連続して自然流下させることが可能となる。すなわち、常に一定圧で塗料Xを凹状接合部用ノズル57から流出させることが可能となる。そして、一定の流速で凹状接合部用ノズル57から塗料Xを流出可能であると、凹状接合部用ノズル57から塗料を安定して流出しながら長時間(例えば10〜20時間)の連続塗工が可能となる。
【0033】
なお、凹状接合部用ノズル57から流出する塗料Xの流速は、前記凹状接合部用塗料タンク55に蓄える塗料Xの液面高さを適宜変更することにより調整可能である。また、塗料Xの粘度によって前記液面高さを適宜変更してもよい。例えば、塗料Xの粘度が高粘度の場合に前記液面高さを大きくすることが提案される。望ましくは、上記粘度の塗料Xを使用する場合、凹状接合部用塗料タンク55内における塗料Xの液面高さを流出口57aの高さ位置から400mm以上、さらに望ましくは450mm以上とするのがよい。また、該凹状接合部用ノズル57は、図1,3,8に示すように、幅広で薄型形状を呈し、先端にある横長矩形であるスリット形の流出口57aが略水平に向けられている。該流出口57aは、例えば、横幅の内寸が40mmに設定され、縦長の内寸が3mmに設定されている。また、該凹状接合部用ノズル57は、前記化粧板搬送部3により搬送される化粧板aの凹状接合部cに対面する位置に配置されており、具体的には、前記塗着位置Pに隣接して配置され、該塗着位置Pを通過する化粧板aの側方開口した凹状接合部cの内面c1と、該凹状接合部用ノズル57の流出口57aとが対面するように位置決めされている。具体的に前記流出口57aからの塗料流出方向は、水平又は水平からやや上向き(仰角0〜15°)又はやや下向き(仰角0〜−15°)となる範囲で設定される。最も望ましいのは、塗料流出方向をやや上向き(仰角0〜15°)とする構成である。前記流出口57aの寸法は、化粧板aの厚みにより適宜変更するのが好適であり、前記横幅の内寸を10〜60mm、望ましくは20〜40mmの範囲とし、また前記縦長の内寸を3〜5mmの範囲とすることが好ましい。かかる範囲に設定することにより、規格で寸法が定められている化粧板aの凹状接合部cの寸法に対して幅広とすることができ、好適に凹状接合部cに対向させて配置することができる。また、上記のセンサー54A,54Bを、前記凹状接合部用塗料タンク55に適用してもよい。
【0034】
なお、前記塗料排出管59Bによって排出された塗料Xは、後述の残余塗料案内管77aに流入し、再利用される。
【0035】
次に、送風部4について詳述する。
送風部4の前記第一送風装置41は、装置本体の下端に設けられた横長の吹出スリット41aを備えると共に、第一送風ファン44と接続され、該第一送風ファン44により送風された外気が該吹出スリット41aから送風エアーとして吹き出される。また、前記第二送風装置42は、同構成の、横長の吹出スリット42aを備えると共に、第二送風ファン45と接続され、該第二送風ファン45により送風された外気が該吹出スリット42aから送風エアーとして吹き出される。そして、該第二送風ファン45の送風エアーは、ブース70の開口部70Aから該ブース70内に進入する。
【0036】
かかる構成にあって、第一送風装置41が前記意匠面塗着部2で塗料Xが塗着された化粧板aに送風エアーを吹き付け、余剰の塗料Xを一部吹き飛ばし、前記意匠面a1上の塗膜Yの膜厚を調整する。すなわち、該第一送風装置41は、意匠面a1の塗膜厚を制御する手段としての役割を果しており、高圧の空気を噴射して余分な塗料を吹き飛ばし、所定量の塗料を残留させて所望の塗膜厚を得るものである。なお、本実施例において、送風エアーの風速は20〜30m/秒が望ましいが、インバーターで変更制御可能であり、該風速の制御により化粧板aの塗膜Yを10g/m2単位で制御することができる。
また、第二送風装置42は、第一送風装置41により吹き飛ばされた塗料Xがブース70の開口部70Aから外部へ飛び出して塗装後の化粧板aを汚してしまうことを防止すべく、該開口部70Aに向けて送風している。
【0037】
さらに、前記第一送風装置41にあっては、図6a,bに示すように、吹出スリット41aの向きが規定され、エアーの吹出方向が所定の角度範囲内で設定されている。具体的には、図6aに示すように、塗装装置1を平面視した場合に、吹出スリット41aの長手方向の吹出スリット方向は、化粧板aの搬送方向に直交する基準軸L1に対して、27°(図中:α)だけ傾けて設定されている。該角度αは、10〜40°が好ましく、さらには20〜30°であることが望ましい。
また、図6bに示すように、塗装装置1を側面視した場合に、吹出スリット41aからのエアーの吹出方向は、鉛直方向の基準軸L2に対して20°(図中:β)だけ傾けて設定されている。この傾きにより、吹出スリット41aからのエアーは、ブース70の前方(すなわち、搬送方向の基端側)に向けて吹き出されることとなる。該角度βは、10〜40°が好ましく、さらには15〜35°であることが望ましい。かかる構成とすることにより、化粧板aの意匠面a1上に流れ落ちた余剰の塗料が前記搬送方向に対して斜めの角度の方向へ流動することとなり、該意匠面a1(エンボス加工されている場合も含む)に塗膜を均一に形成してムラのない塗装とすることができる。前記角度α,βが上記範囲外で設定されると、塗膜が均一化せず、さらにエンボスされた意匠面a1では凹部(窪み)内に塗料が溜るなどして、該凹部(窪み)周りに塗料溜りが発生してしまう。
前記第一送風装置41により、本発明に係る意匠面用塗膜厚制御手段の送風装置が構成される。
【0038】
ところで、前記意匠面塗着部2と送風部4とにおいて、化粧板aから流れ落ちたり吹き飛ばされたりした塗料Xの残余は、前記ブース70内で回収され、該ブース70に設けられた残余塗料案内管77aによって、再度前記塗料タンク21に案内され、塗料タンク21において再利用される。なお、塗料タンク21への送液は、ダイヤフラムポンプ等のポンプ(図示省略)が採用され得る。
【0039】
また、前記凹状接合部用ノズル57の隣接位置には、凹状接合部用塗膜厚制御手段としての凹状接合部用塗膜厚制御部47が配置されている。この凹状接合部用塗膜厚制御部47は、エアーノズル47Aと、該エアーノズル47Aに接続された独立の送風ファン47Bとを備え、塗料Xが塗着された凹状接合部cに向けて送風エアーを送る機能を有している。具体的には、図3に示すように、該エアーノズル47Aの先端が前記化粧板搬送部3により搬送される化粧板aの凹状接合部cに対面する位置に配置されている。
【0040】
かかる構成にあって、凹状接合部用ノズル57からの塗料Xが塗着した凹状接合部cに向けてエアーノズル47Aからエアーを送風すると、該凹状接合部c内の余剰の塗料Xが一部吹き飛ばされ、該凹状接合部cの内面c1上の塗膜Yの膜厚を所望量に調整することができる。すなわち、該凹状接合部用塗膜厚制御部47は、凹状接合部cの内面c1の塗膜厚を制御する手段としての役割を果しており、高圧の空気を噴射して余分な塗料Xを吹き飛ばし、所定量の塗料を残留させて所望の塗膜厚を得るものである。
【0041】
また、図3に示すように、前記意匠面塗着部2及び前記送風部4にある搬送ローラー31の外側位置には、それぞれ塗料垂れ阻止板35,35が配置されている。さらに詳述すると、各塗料垂れ阻止板35,35は、長尺状の薄板で構成され、前記搬送ローラー31の直ぐ外側位置で、化粧板aの搬送方向に沿って固定されている。また、該塗料垂れ阻止板35の高さ位置は、該塗料垂れ阻止板35の上端と各搬送ローラー31の上端とがほぼ面一となるように設定されている。かかる構成にあって、搬送される化粧板aは、前記意匠面塗着部2及び前記送風部4において、前記凹状接合部c寄りの下面dを該塗料垂れ阻止板35の上端縁35aに接触させながら搬送される。そして、後述するように、余剰の塗料Xが化粧板aの側面から下面dに回り込んで該下面dをつたって該化粧板aの下面中央に設定された非塗装部に塗料Xが付着することを防止する。なお、例えば水性塗料に対する塗料垂れ阻止板35としては、プラスチック材料からなるものが好適である。
【0042】
また、図3に示すように、該塗料垂れ阻止板35と搬送ローラー31との間には、エアーノズル46,46(送風手段)が配置されている。このエアーノズル46は、搬送される化粧板aの中央寄り位置(該塗料垂れ阻止板35の背後)から該塗料垂れ阻止板35の前記上端縁35aに向かって外向きにエアーを放出するものであり、風圧により前記非塗装部へ塗料Xが付着することを補助的に防止するものである。なお、エアーノズル46からのエアーを塗料垂れ阻止板35の外側へ通風すべく、塗料垂れ阻止板35の上端縁35aに通風用の切欠部を設けて該切欠部を介して通風してもよい。
【0043】
次に、前記排気部7について説明する。
前記排気部7は、図7に示すように、塗装装置1のブース70の最後尾に配置されている。さらに詳述すると、該ブース70後方の側面には排気専用空気連通路としての排気案内管71の一端が接続され、該排気案内管71内の中腹にフィルタ72が配設され、該排気案内管71の他端に排気専用ファン73が配設されている。
かかる構成にあって、前記排気専用ファン73が駆動すると、前記ブース70内の空気(ゴミ等を含む)が排気案内管71内に導入され、該空気がフィルタ72を通過してゴミ等が除去された後、清浄な状態で外界に連続して排気される。また、排気案内管71に導入されてしまった塗料Xは、該排気案内管71に接続された残余塗料案内管77bに流入し、該残余塗料案内管77bにより前記塗料タンク21へ案内され、該塗料タンク21において再利用される。なお、該排気部7は、前記送風部4に用いられるファン44,45とは異なるファンであって、常時駆動している排気専用の排気専用ファン73単独で構成されたものであるため、排気機能が停止することがなく、仮に塗料が揮発性の有機溶剤を含む場合でも溶剤が濃縮されず、支障なく適正に排気を行なって塗装装置1を運行できる。このため、該塗装装置1は、クリーン環境に対応したものである。
また、本塗装装置1は、送風部4で二基の送風装置41,42を使用しており、当該塗装装置1の前方に向けて送風している為、塗料を含む空気が前方に流動し易く、最後尾に位置する排気部7にあっては回収される塗料が極めて少ない。このため、フィルタ72の交換サイクルが延びてコストが低減される。
ところで、本塗装装置1は、板幅1mの化粧板aを塗装対象とした場合、ファンを回すモーターの消費電力が11kwである送風装置を2台使用して運転可能である。これに対し、真空塗装式の従来装置は、前記消費電力が22kwの送風装置を4台使用する必要がある。また、循環式の従来装置は、消費電力が22kwの送風装置を2台使用する必要がある。
【0044】
再度、意匠面a1、及び凹状接合部cの内面c1における塗膜厚の制御について説明する。
該意匠面a1に送風エアーが吹き付けられると、意匠面a1上の塗膜Yが所定量だけ吹き飛ばされ、該塗膜Yの塗膜厚が所望量に調整される。また、凹状接合部cにおいても前記エアーノズル47Aから吹出されたエアーにより凹状接合部c内の余剰の塗料が吹き飛ばされ、塗料の量が制御され、所望量の塗膜厚の塗料が塗着される。なお、送風部4の送風装置41からのエアーの風量をあらかじめ変更して調整しておくことにより、意匠面a1上の塗料Xの吹き飛ばし量を調整できるため、意匠面a1における塗膜Yの塗膜厚を制御することができる。また、エアーノズル47Aからのエアーの風量をあらかじめ変更して調整しておくことにより、凹状接合部c内の塗料Xの吹き飛ばし量を調整できるため、凹状接合部cにおける塗膜Yの塗膜厚を制御することができる。
【0045】
上記した塗装方法によれば、該凹状接合部c内に塗料を塗着させる際に、該凹状接合部c内で塗料Xの乱流が発生せず、また塗料Xの飛散が抑制されるため、効率的に該凹状接合部c内の奥まで塗料Xが浸入し、確実に所望厚さの塗膜Yが形成されることとなる。また、前記凹状接合部用塗料タンク55内の塗料Xを前記塗料流下孔55aから自然に流下させることにより、前記凹状接合部用ノズル57から流出する塗料Xの流れは安定し、確実な塗工が可能となる。具体的には、図4に示すように、凹状接合部cの内面c1において、内底面c2および内側面c3に、10mm厚程の塗膜厚で塗膜Yを均一に形成することができる。また、塗料Xの飛散量が著しく低減される為、従来に比して塗着効率が向上し、塗着効率90%以上が実現できる。従来は、図9に示すように、凹状接合部cの内面c1において、内底面c2および内側面c3に、塗膜Yを均一に形成することができなかった。
【0046】
また、上記塗装装置1は、搬送中の化粧板aに対して意匠面a1及び凹状接合部cとを同時に塗着処理を行なう為、塗装スピードを10〜80m/分とすることができる。
【0047】
なお、第一送風装置41の送風効果で化粧板a上を流動する塗料Xの一部は、該化粧板aの側面をつたって下面dに回り込むこととなるが、図3に示すように、前記塗料垂れ阻止板35が配設されているため、図4に示すように、該塗料垂れ阻止板35によって塗料Xが水切りされて回り込みが阻止され、化粧板aの下面dの非塗装部を汚してしまうことがない。さらに、該塗料垂れ阻止板35の背後にエアーノズル46を配置したため、該非塗装部へ塗料が付着することを確実に防止できる。
【0048】
本発明は、これまでに述べた実施例に限定されず、適宜設計変更できる。例えば、本発明は、実施例の凹状接合部cの形状に限定されない。また、上記した塗料Xは、種々のものが選択可能であり、水性及び油性が使用できる。また、本発明は、シーラーやコートの塗工も可能である。
また、前記凹状接合部塗着部5の構成を、化粧板aの凸状接合部bの塗装に採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】塗装装置1の概略を示す斜視図である。
【図2】塗着位置Pを示す側面図である。
【図3】凹状接合部塗着部5を示す側面図である。
【図4】塗装装置1で塗装された凹状接合部cを示す断面図である。
【図5】送風部4を示す側面図である。
【図6】a)は吹出スリット方向を示す平面図であり、b)は吹出方向を示す側面図である。
【図7】排気部7を示す側面図である。
【図8】a)は凹状接合部用ノズル57の正面図であり、b)は凹状接合部用ノズル57の縦断側面図である。
【図9】化粧板aの断面図である。
【図10】従来の塗装方法で塗装された凹状接合部cを示す断面図である。
【図11】従来の塗装方法で塗装された意匠面a1を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 化粧板用塗装装置
2 意匠面塗着部(意匠面塗着手段)
3 化粧板搬送部(化粧板搬送手段)
4 送風部(意匠面用塗膜厚制御手段)
7 排気部(排気手段)
21 塗料タンク
22 スリット
24A オーバーフロー口
41 第一送風装置(送風装置)
41a 吹出スリット
70 ブース(装置筐体)
71 排気案内管(排気専用空気連通路)
73 排気専用ファン
80 塗料供給手段
a 化粧板
a1 意匠面
L1 第一基準軸
L2 第二基準軸
X 塗料
Y 塗膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で所定の搬送方向へ向けて搬送する化粧板搬送手段と、
前記化粧板搬送手段で搬送される前記化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着させるカーテンフローコート式の意匠面塗着手段と、
前記化粧板搬送手段で搬送され、かつ前記意匠面塗着手段によって塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成する意匠面用塗膜厚制御手段と
を備えたことを特徴とする化粧板用塗装装置。
【請求項2】
前記意匠面用塗膜厚制御手段は、前記化粧板の上方に配置された送風装置を具備し、かつ該送風装置には、エアーが下向きに吹き出る吹出スリットが形成され、しかも該吹出スリットの長手方向である吹出スリット方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する水平な第一基準軸に対して、平面視で10〜40°の角度範囲内に設定され、並びに、吹出スリットから下向きに吹き出るエアーの吹出方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する鉛直な第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ10〜40°の角度範囲内で傾けられて該搬送方向の基端側へエアーが吹き出るように設定されてなることを特徴とする請求項1記載の化粧板用塗装装置。
【請求項3】
内部空間を有する装置筐体を備え、該装置筐体内に前記送風装置が配設され、該装置筐体内であって該送風装置の下方を前記化粧板が搬送されるものであり、さらに該装置筐体にあって前記化粧板の搬送方向の基端側を該装置筐体の前方とし、該搬送方向側を該装置筐体の後方とした構成であって、
前記送風装置の後方に配置され、該装置筐体内と該装置筐体外とを連通させる排気専用空気連通路と、排気専用の排気専用ファンとを具備し、
該排気専用ファンが駆動することにより、該排気専用空気連通路を介して該装置筐体内の空気を該装置筐体外へ排気する排気手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の化粧板用塗装装置。
【請求項4】
前記吹出スリット方向が、前記第一基準軸に対して、平面視で20〜30°の角度範囲内で設定された請求項2又は請求項3記載の化粧板用塗装装置。
【請求項5】
前記エアーの吹出方向が、前記第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ15〜35°の角度範囲内で傾けられた請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の化粧板用塗装装置。
【請求項6】
前記意匠面塗着手段は、下部にスリットが開口した塗料タンクと、該塗料タンクに塗料を供給する塗料供給手段とを備えると共に、前記塗料タンクには、当該塗料タンクに内在する塗料が該塗料タンク外へ流出するオーバーフロー口が前記スリットより高位置に配設されており、
前記塗料供給手段により前記塗料タンク内に塗料が供給され、かつ前記スリットから塗料が流出しつつ、前記オーバーフロー口から塗料タンク外へ塗料が流出している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧板用塗装装置。
【請求項7】
意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で搬送すると共に、該化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着し、該意匠面に塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成することを特徴とする化粧板塗装方法。
【請求項8】
前記エアーの風速を変更して、前記化粧板の前記意匠面上に塗着された塗料の吹き飛ばす量を増減させて、該意匠面に形成する塗料の塗膜厚を調整することを特徴とする請求項7記載の化粧板塗装方法。
【請求項1】
意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で所定の搬送方向へ向けて搬送する化粧板搬送手段と、
前記化粧板搬送手段で搬送される前記化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着させるカーテンフローコート式の意匠面塗着手段と、
前記化粧板搬送手段で搬送され、かつ前記意匠面塗着手段によって塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成する意匠面用塗膜厚制御手段と
を備えたことを特徴とする化粧板用塗装装置。
【請求項2】
前記意匠面用塗膜厚制御手段は、前記化粧板の上方に配置された送風装置を具備し、かつ該送風装置には、エアーが下向きに吹き出る吹出スリットが形成され、しかも該吹出スリットの長手方向である吹出スリット方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する水平な第一基準軸に対して、平面視で10〜40°の角度範囲内に設定され、並びに、吹出スリットから下向きに吹き出るエアーの吹出方向が、前記化粧板の搬送方向と直交する鉛直な第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ10〜40°の角度範囲内で傾けられて該搬送方向の基端側へエアーが吹き出るように設定されてなることを特徴とする請求項1記載の化粧板用塗装装置。
【請求項3】
内部空間を有する装置筐体を備え、該装置筐体内に前記送風装置が配設され、該装置筐体内であって該送風装置の下方を前記化粧板が搬送されるものであり、さらに該装置筐体にあって前記化粧板の搬送方向の基端側を該装置筐体の前方とし、該搬送方向側を該装置筐体の後方とした構成であって、
前記送風装置の後方に配置され、該装置筐体内と該装置筐体外とを連通させる排気専用空気連通路と、排気専用の排気専用ファンとを具備し、
該排気専用ファンが駆動することにより、該排気専用空気連通路を介して該装置筐体内の空気を該装置筐体外へ排気する排気手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の化粧板用塗装装置。
【請求項4】
前記吹出スリット方向が、前記第一基準軸に対して、平面視で20〜30°の角度範囲内で設定された請求項2又は請求項3記載の化粧板用塗装装置。
【請求項5】
前記エアーの吹出方向が、前記第二基準軸に対して、側面視で前記搬送方向の基端側へ15〜35°の角度範囲内で傾けられた請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の化粧板用塗装装置。
【請求項6】
前記意匠面塗着手段は、下部にスリットが開口した塗料タンクと、該塗料タンクに塗料を供給する塗料供給手段とを備えると共に、前記塗料タンクには、当該塗料タンクに内在する塗料が該塗料タンク外へ流出するオーバーフロー口が前記スリットより高位置に配設されており、
前記塗料供給手段により前記塗料タンク内に塗料が供給され、かつ前記スリットから塗料が流出しつつ、前記オーバーフロー口から塗料タンク外へ塗料が流出している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧板用塗装装置。
【請求項7】
意匠面のある建築用の化粧板を、前記意匠面を上に向けた姿勢で搬送すると共に、該化粧板の意匠面へ塗料をカーテン状に自然流下させて該意匠面に塗料を塗着し、該意匠面に塗料が塗着された化粧板に、上方からエアーを吹き付けて該化粧板上の塗料の一部を吹き飛ばして該意匠面上に所要量の塗料を残留させて、該意匠面に所定厚の塗膜を形成することを特徴とする化粧板塗装方法。
【請求項8】
前記エアーの風速を変更して、前記化粧板の前記意匠面上に塗着された塗料の吹き飛ばす量を増減させて、該意匠面に形成する塗料の塗膜厚を調整することを特徴とする請求項7記載の化粧板塗装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−254928(P2009−254928A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104072(P2008−104072)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(595105940)萬代機械株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(595105940)萬代機械株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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