説明

半導体装置の製造方法および半導体装置

【課題】製造安定性に優れた半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板13上にゲート絶縁膜21を設ける工程、ゲート絶縁膜21のnMOSトランジスタ形成領域を除いた領域にTa等を主成分とする第一の金属膜22を形成する工程、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22を覆うようにポリシリコン膜を形成する工程、ゲート絶縁膜21、ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去し第一のダミーゲート電極を形成し、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22、ポリシリコン膜を選択的に除去し第二のダミーゲート電極を形成する。各ダミーゲート電極を、側壁絶縁膜で埋め込み、各ダミーゲートの上部のポリシリコン膜を除去し、絶縁層に凹部を形成した後、凹部内に第二の金属膜を積層し、CMOSのゲート電極とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一半導体基板上にn型MOSFETと、p型MOSFETとが設けられた半導体装置が使用されている。
このような半導体装置では、閾電圧値をそれぞれのMOSFETにあわせて設定し、各MOSFETに適した値にする必要がある。
そこで、各MOSFETのゲート電極において、各MOSFETのゲート電極に適した仕事関数を有する金属材料を選択する方法が提案されている(特許文献1〜3、非特許文献1参照)。
【0003】
たとえば、特許文献1では、図7(A)に示すように、基板800上に形成された絶縁層801の溝の内面を覆うように、HfSiON膜等のゲート絶縁膜802を形成する。その後、ゲート絶縁膜802上にTa,Hf,Ti等の第一ゲート電極材料層803を形成する。次に、マスク層804を形成し、図7(B)、(C)に示すように、n型MOSトランジスタのゲートが形成される溝内の第一ゲート電極材料層803を除去する。
その後、図7(D)に示すように、マスク層804を除去して、図7(E)に示すように、第二ゲート電極材料層805を形成する。この第二ゲート電極材料層805は、n型MOSトランジスタのゲート電極材料として使用される金属材料であり、Ti,Hf,Ta,W,Ruである。
その後、図8(A)に示すように、第二ゲート電極材料層805を選択的に除去し、溝内にのみ残す。
さらに、図8(B)に示すように、各溝内に電極金属806を充填する。
【0004】
また、非特許文献1には、基板側からHfON膜、TaN膜、AlOx膜、キャップメタル層、ポリシリコンが順に積層されたpMOS側ゲート電極と、基板側からHfON膜、TaN膜、ポリシリコンが順に積層されたnMOS側ゲート電極とを備える半導体装置が開示されている。
この半導体装置は、半導体基板上に、HfON膜、TaN膜、AlOx膜、キャップメタル層をシート状に積層した後、n側ゲート電極部分の、AlOx膜、キャップメタル層をエッチングにより除去する。次に、ポリシリコンを積層し、各ゲート電極形状となるように、これらの積層体をエッチングにより、選択的に除去する。
【0005】
【特許文献1】特開2006−351580号公報
【特許文献2】特開2006−351978号公報
【特許文献3】特開2006−261190号公報
【非特許文献1】2007 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers 第196頁〜197頁 Integration Friendly Dual Metal Gate Technoligy Using Dual Thickness Metal inserted Poly-Si Stacks(DT-MIPS)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された製造方法では、溝内にHfSiON膜等のゲート絶縁膜802を形成している。溝内にゲート絶縁膜802を形成する際には、CVD装置を用いて行うが、ゲート絶縁膜802の厚みが、CVD装置の埋め込み特性に応じて変動してしまう。従って、CVD装置の埋め込み特性に依存して、トランジスタの閾値が変動してしまうという問題がある。
そのため、トランジスタの閾値が所定の値に設定できず、半導体装置の製造安定性に劣るという課題がある。
一方、非特許文献1に記載された製造方法において、ポリシリコンを使用せず、ポリシリコンにかえて、n型MOSFETのゲート電極に適した金属膜、たとえば、Ru膜等の金属膜とした場合には、エッチングすることが困難となる場合がある。
また、p型MOSFETのゲート電極の金属膜厚と、n型MOSFETのゲート電極の金属膜厚とが異なることとなるため、p型MOSFETと、n型MOSFETとでエッチング量が異なり、基板へのダメージ量が異なる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第一のMOSトランジスタと、この第一のMOSトランジスタと逆導電型の第二のMOSトランジスタとが同一半導体基板に形成された半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板の第二のMOSトランジスタ形成領域および第一のMOSトランジスタ形成領域上にゲート絶縁膜を設ける工程と、前記ゲート絶縁膜上であって、前記第一のMOSトランジスタ形成領域を除き、第二のMOSトランジスタ形成領域を含む領域上に、TiあるいはTaを主成分として含む第一の金属膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜、前記第一の金属膜を覆うようにポリシリコン膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜および前記ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去し、第一のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第一のダミーゲート電極を形成するとともに、前記ゲート絶縁膜、前記第一の金属膜および前記ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去して第二のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第二のダミーゲート電極を形成する工程と、前記第一のダミーゲート電極および前記第二のダミーゲート電極を絶縁層により、埋め込んだ後、前記各ダミーゲート電極の前記ポリシリコン膜を前記絶縁層表面に露出させる工程と、前記第一のダミーゲート電極のポリシリコン膜、および前記第二のダミーゲート電極のポリシリコン膜を除去して、前記絶縁層に凹部を形成する工程と、前記凹部内および前記絶縁層上に第二の金属膜を設ける工程と、前記絶縁層上の前記第二の金属膜を研磨により選択的に除去する工程とを備える半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
この発明によれば、ゲート絶縁膜を半導体基板上に形成した後、ゲート絶縁膜をエッチングにより選択的に除去している。本発明では、従来のように、絶縁層に溝を形成した後、溝内をうめこむようにしてゲート絶縁膜を形成していない。
従って、本発明では、従来のようにCVD装置の埋め込み特性に応じてゲート絶縁膜の厚みが変動してしまうことを防止できる。
【0009】
さらには、本発明では、ゲート絶縁膜およびポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去し、第一のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第一のダミーゲート電極を形成するとともに、ゲート絶縁膜、第一の金属膜およびポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去して第二のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第二のダミーゲート電極を形成している。
第一の金属膜は、TiあるいはTaを主成分として含んで構成されているため、たとえば、エッチングにより容易に除去することができる。従って、第二のダミーゲート電極、さらには、第二のMOSトランジスタ用ゲート電極を安定的に形成することができる。
【0010】
また、本発明では、第一のダミーゲート電極のポリシリコン膜、および第二のダミーゲート電極のポリシリコン膜を除去して、絶縁層に凹部を形成し、さらに、前記絶縁層および、前記凹部を覆うように第二の金属膜を設け、絶縁層上の前記第二の金属膜を研磨により除去している。
そのため、第二の金属膜がエッチングにより除去することが困難であったとしても、本発明では、第二の金属膜を研磨により除去しているため、第二の金属膜を容易に選択的に除去することができる。
このように本発明では、エッチングに適した第一の金属膜はエッチングにより除去し、第二の金属膜は研磨により除去しており、各金属膜の特性に応じた加工方法を選択しているため、第一のMOSトランジスタ用ゲート電極、第二のMOSトランジスタ用ゲート電極を安定的に形成することができる。
以上より、本発明によれば、製造安定性に優れた半導体装置を製造することができる。
【0011】
また、以上のような製造方法により、以下のような半導体装置を得ることができる。
本発明の半導体装置は、第一のMOSトランジスタと、前記第一のMOSトランジスタと逆導電型の第二のMOSトランジスタとが同一半導体基板に形成された半導体装置であって、前記半導体基板上には、絶縁層が設けられ、前記第一のMOSトランジスタは、前記絶縁層内に形成された第一のゲート電極を有し、前記第一のゲート電極は、略平板状のゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の略全面を被覆する被覆部およびこの被覆部の周縁から立設された周壁部を有する金属膜とを有し、前記第二のMOSトランジスタは、前記絶縁層内に形成された第二のゲート電極を有し、第二のゲート電極は、略平板状のゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に配置され、前記ゲート絶縁膜の略全面を覆う略平板状のTiあるいはTaを主成分として含む金属膜と、前記TiあるいはTaを主成分として含む金属膜の略全面を覆う被覆部およびこの被覆部の周縁に立設された周壁部を有する金属膜とを有し、前記第一のゲート電極の前記金属膜の前記周壁部の上端部と、前記第二のゲート電極の前記金属膜の前記周壁部の上端部とは前記絶縁層の表面と略同一平面上にあり、
前記第一のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜と、前記第二のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜とは同じ材料で構成されている半導体装置が提供される。
【0012】
このような半導体装置は、上述した製造方法により製造することができるので、製造安定性に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、製造安定性に優れた半導体装置および半導体装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して本実施形態の半導体装置1の概要について説明する。
半導体装置1は、p型MOSトランジスタ(第二のMOSトランジスタ)11と、n型MOSトランジスタ(第一のMOSトランジスタ)12とが同一半導体基板13に形成されたいわゆるCMOS装置である。
半導体基板13上には、絶縁層14が設けられている。
n型MOSトランジスタ12は、絶縁層14内に形成された第一のゲート電極121を有する。この第一のゲート電極121は、略平板状のゲート絶縁膜122と、ゲート絶縁膜122の略全面を被覆する被覆部123Aおよびこの被覆部123Aの周縁から立設された周壁部123Bを有し、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として含む金属膜123とを備える。
p型MOSトランジスタ11は、絶縁層14内に形成された第二のゲート電極111を有する。
第二のゲート電極111は、略平板状のゲート絶縁膜112と、このゲート絶縁膜112上に配置され、前記ゲート絶縁膜112の略全面を覆う略平板状のTiあるいはTaを含む金属膜113と、金属膜113の略全面を覆う被覆部114Aおよびこの被覆部114Aの周縁に立設された周壁部114Bを有する周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として含む金属膜114とを備える。
第一のゲート電極121の周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜123の周壁部123Bの上端部と、第二のゲート電極111の周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜114の周壁部114Bの上端部とは絶縁層14の表面と略同一平面上にある。
また、第一のゲート電極121の金属膜123と、第二のゲート電極111の金属膜114とは同じ材料で構成されている。
【0015】
次に、半導体装置1の概要について詳細に説明する。
半導体基板13は、たとえば、シリコン基板である。
この半導体基板13上には、p型MOSトランジスタ11と、n型MOSトランジスタ12とが設けられている。
【0016】
n型MOSトランジスタ12は、半導体基板13の表面層に形成されたソース領域120A,ドレイン領域120B、第一のゲート電極121を有している。
ソース領域120Aおよびドレイン領域120Bは、第一のゲート電極121の直下の領域を挟んで対向配置されている。
ソース領域120A,ドレイン領域120B上部には、各領域の低抵抗化をはかるために、それぞれNiSi層127が形成されている。
【0017】
第一のゲート電極121は、絶縁層14内に設けられており、周囲がサイドウォール15により囲まれている。
ここで、絶縁層14は、図示しないが、たとえば、SiON膜と、SiON膜上に設けられたSiO膜とを有する積層体である。
【0018】
第一のゲート電極121は、ゲート絶縁膜122と、金属膜123と、金属膜126とを有する。
ゲート絶縁膜122は、略平板状であり、半導体基板13表面を覆う平板状のSiO膜122Aと、このSiO膜122A上に設けられた高誘電率膜122Bとを備える。
高誘電率膜122Bは、シリコン酸化膜よりも誘電率が高く、誘電率が10以上のいわゆるHigh−k膜である。高誘電率膜122Bとしては、HfON膜が好ましい。
この高誘電率膜122Bも略平板状であり、半導体基板13表面にそって配置されている。
ここで、略平板状とは、半導体基板表面を覆う部分の周縁部から、サイドウォール15内面に沿って膜が立設されていないことをいう。
【0019】
金属膜123は、n型のMOSFETの閾値を調整するための金属膜であり、たとえば、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として含む。なかでも、Cr,Mn,Mo,Ru、Wや、Tiを除く周期表第2〜4の金属、たとえば、La,Mg等を含むことが好ましい。
周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属、なかでも、Cr,Mn,Mo,Ru,Wや、Tiを除く周期表第2〜4の金属、たとえば、La,Mg等を選択することでバンドエッジにVtをシフトさせるという効果がある。さらには、Laを含むものであることが好ましい。Laを選択することでCVD法により、金属膜123を形成することができ、膜厚制御しやすいという効果がある。
この金属膜123は、ゲート絶縁膜122上に設けられ、ゲート絶縁膜122の略全面を被覆する被覆部123Aと、周壁部123Bとを有する。換言すると、金属膜123は、断面略U字型となっている。
周壁部123Bの上端部(被覆部123Aと反対側の端部)と絶縁層14の表面とは同一水準にあり、つらいちとなっている。
この金属膜123と、サイドウォール15との間、金属膜123とゲート絶縁膜122との間には、金属膜123のサイドウォール15への密着性を向上させるための金属膜(図示略)、たとえば、TaN膜が設けられている。このTaN膜の厚みはたとえば、10nmであり非常に薄い膜となっている。このTaN膜中には、金属膜123を構成する周期表第6〜8族の金属、周期表2〜4族の金属が拡散する。
なお、TaN膜にかえてTiN、WN膜等の金属窒化物を使用してもよい。
このTaN膜も金属膜123と同様、断面略U字型である。
【0020】
さらに、金属膜123上には、金属膜126が設けられる。この金属膜126は、金属膜123の内側の凹部分を埋め込むものである。たとえば、金属膜126は、Wを主成分として含むものであり、断面略矩形形状である。
なお、金属膜126としては、Alや、Cuを主成分とするものであってもよい。Alを用いることで、トランジスタの駆動能力の劣化を抑制することができる。
【0021】
p型MOSトランジスタ11は、半導体基板13に形成されたソース領域110A、ドレイン領域110Bと、第二のゲート電極111とを有している。
ソース領域110Aおよびドレイン領域110Bは、第二のゲート電極111の直下の領域を挟んで対向配置されている。
ソース領域110A,ドレイン領域110B上部には、各領域の低抵抗化をはかるために、それぞれNiSi層117が形成されている。
【0022】
第二のゲート電極111は、絶縁層14内に設けられている。また、第二のゲート電極111の周囲はサイドウォール15により囲まれている。
第二のゲート電極111は、ゲート絶縁膜112と、金属膜113と、金属膜114と、金属膜116とが積層されたものである。
ゲート絶縁膜112は、略平板状であり、厚みが略均一であり平坦に形成される。このゲート絶縁膜112は、半導体基板13表面を覆う略平板状のSiO膜112Aと、このSiO膜112A上に設けられた高誘電率膜112Bとを備える。
高誘電率膜112Bは、誘電率がシリコン酸化膜よりもたかく、誘電率が10以上のいわゆるHigh−k膜であり、たとえば、HfON膜である。
この高誘電率膜112Bも略平板状である。
また、ゲート絶縁膜112は、ゲート絶縁膜122と同じ材料で構成される。
【0023】
金属膜113は、p型のMOSFTのゲート電極の仕事関数を調整するための金属膜であり、TiあるいはTaを主成分として含む膜である。なかでも、金属膜113は、Tiを含む膜であることが好ましい。Tiを選択することで、確実にエッチングできるという効果がある。また、従来から配線にTiが使用されることが多いので、配線工程に使用している装置を使用できるという利点がある。
さらには、金属膜113は、TiN膜であることが特に好ましい。また、Alが添加されたTiN膜であることがさらに、好ましい。Alが添加されたTiN膜を使用することで、Vt閾値がバンドエッジにくることになり、実効ゲート絶縁膜厚(Eot)に対するVt変動が少なくなり、p型MOSトランジスタ11の閾値を最適な値に設定することができる。
この金属膜113は、ゲート絶縁膜112を略完全に覆うように設けられており、この金属膜113も略平板状に形成されている。
【0024】
金属膜114は、金属膜113表面略全面を覆う被覆部114Aと、この被覆部114Aの周縁部に立設された周壁部114Bとを有する。換言すると、金属膜114は、断面略U字型となっている。
周壁部114Bの上端部(被覆部114Aと反対側の端部)と、絶縁層14表面とは同一水準にあり、つらいちとなっている。
この金属膜114は、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として含む。たとえば、Cr,Mn,Mo,Ru、Wや,Tiを除く周期表第2〜4の金属、たとえば、La,Mg等を含むことが好ましい。なかでも、Laを含むものである好ましい。
この金属膜114と、金属膜123とは同じ材料で構成される。
この金属膜114と、サイドウォール15との間、金属膜114と金属膜113との間には、金属膜114のサイドウォール15への密着性を向上させるための金属膜(図示略、TaN膜)が設けられている。TaN膜の厚みはたとえば、10nmである。このTaN膜中には、金属膜114中の周期表第6〜8族の金属、周期表第2〜4族の金属が拡散する。
さらに、金属膜114上には、金属膜116が設けられる。この金属膜116は、金属膜114の内側の凹部分を埋め込むものである。たとえば、金属膜116は、Wを含むものであり、断面略矩形形状である。金属膜116は、金属膜126と同じ材料で構成される。
【0025】
次に、図2〜図5を参照して、半導体装置1の製造方法について説明する。
はじめに、半導体装置1の製造方法の概要について説明する。
本実施形態の半導体装置1の製造方法は、半導体基板13のp型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域上にゲート絶縁膜21を設ける工程と、ゲート絶縁膜21上であって、n型MOSトランジスタ形成領域を除き、p型MOSトランジスタ形成領域を含む領域上に、TiあるいはTaを主成分として含む第一の金属膜22を形成する工程と、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22を覆うようにポリシリコン膜23を形成する工程と、ゲート絶縁膜21および前記ポリシリコン膜23をエッチングにより選択的に除去し、n型MOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第一のダミーゲート電極31を形成するとともに、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22およびポリシリコン膜23を選択的に除去してp型MOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第二のダミーゲート電極32を形成する工程と、第一のダミーゲート電極31および第二のダミーゲート電極32を埋め込むとともに、前記各ダミーゲート電極31,32の上部が露出する絶縁層14を設ける工程と、第一のダミーゲート電極31のポリシリコン膜23、および第二のダミーゲート電極32のポリシリコン膜23を除去して、絶縁層14に凹部14A、14Bを形成する工程と、凹部14A、14B内および前記絶縁層14上に周期表第6〜8族の金属、あるいは周期表第2〜4族の金属を主成分として含む第二の金属膜24を設ける工程と、絶縁層14上の第二の金属膜24を研磨により選択的に除去する工程とを含む。
【0026】
次に、半導体装置1の製造方法について、詳細に説明する。
まず、図2(A)に示すように、半導体基板13の表面を酸化して、SiO膜21Aを形成する。SiO膜21Aは、第一のゲート電極121のゲート絶縁膜122のSiO膜122Aおよび第二のゲート電極111のゲート絶縁膜112のSiO膜112Aとなるものである。
このSiO膜21A上に、SiO膜21Aの全面を被覆するHfO膜21Bを形成する。SiO膜21AおよびHfO膜21Bは、p型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域上にまたがって形成され、これらの各領域を被覆している。
【0027】
その後、HfO膜21B上に、第一の金属膜22を形成する。
この第一の金属膜22は、HfO膜21Bのうち、p型MOSトランジスタ形成領域部分を被覆し、n型MOSトランジスタ形成領域は被覆しない。
ここで、第一の金属膜22は、p型MOSトランジスタ11のゲート電極111の金属膜113になるものである。第一の金属膜22は、TiまたはTaを主成分として含む。第一の金属膜22は、TiN膜であることが好ましい。さらに好ましくは、TiN膜にAlを添加したものであることが好ましい。Alを添加する場合には、TiAlのターゲット板を使用し、スパッタリングにより、Al添加TiN膜を形成することができる。
【0028】
次に、半導体基板13上のSiO膜21A、HfO膜21B、第一の金属膜22からなる積層体を窒化する。たとえば、アンモニアプラズマ処理等により窒化する。
これにより、HfO膜21BがHfON膜21C(図2(B)参照)となるとともに、第一の金属膜22が窒化されて硬くなる。
HfON膜21Cは、第一のゲート電極121のゲート絶縁膜122の高誘電率膜122Bおよび第二のゲート電極111のゲート絶縁膜112の高誘電率膜112Bとなるものである。
【0029】
次に、図2(B)に示すように、第一の金属膜22およびHfON膜21C上にこれらの全面を被覆する第三の金属膜25を形成する。
第三の金属膜25は、半導体基板13上のp型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域上にまたがって、これらの領域を被覆するように形成される。
この第三の金属膜25は、TiあるいはTaを主成分として含む膜であり、第一の金属膜22と同じ金属を主成分として含むことが好ましい。
たとえば、第三の金属膜25は、TiN膜であることが好ましい。第三の金属膜25はたとえば、スパッタリングにより形成することができる。
その後、図示しないが、第三の金属膜25上に第三の金属膜25の略全面を被覆するポリシリコン膜を設ける。ポリシリコン膜は、p型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域にまたがって形成され、これらの各領域を被覆している。
【0030】
次に、図2(C)に示すように、第一のダミーゲート電極31および第二のダミーゲート電極32を形成する。
具体的には、ゲート絶縁膜21、第三の金属膜25、ポリシリコン膜をウェットエッチングにより選択的に除去し、n型MOSトランジスタ用のゲート電極121が形成される位置に第一のダミーゲート電極31を形成する。
この第一のダミーゲート電極31は、ゲート絶縁膜21(21A,21C)、第三の金属膜25、ポリシリコン膜23が積層されたものである。
また、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22、第三の金属膜25、ポリシリコン膜23をウェットエッチングにより選択的に除去してp型MOSトランジスタ用のゲート電極111が形成される位置に第二のダミーゲート電極32を形成する。
第二のダミーゲート電極32は、ゲート絶縁膜21(21A,21C)、第一の金属膜22(金属膜113)、第三の金属膜25、ポリシリコン膜23が積層されたものである。
【0031】
その後、半導体基板13の表面層に不純物イオンを注入し、ソース領域およびドレイン領域を形成する。その後、各ダミーゲート電極31,32に隣接するサイドウォール15を形成し、サイドウォール15をマスクとして、不純物イオンを注入する。これにより、図3(A)に示すように、ソース領域110A,120Aおよびドレイン領域110B,120Bが完成する。
【0032】
次に、図3(B)に示すように、NiSi層117,127を形成する。
さらに、各ダミーゲート電極31,32およびサイドウォール15を被覆し、これらを完全に埋め込む絶縁層14を形成する。
その後、絶縁層14を研磨して、絶縁層14表面から各ダミーゲート電極31,32の上部を露出させる。
次に、図4(A)に示すように、第一のダミーゲート電極31のポリシリコン膜23、および第二のダミーゲート電極32のポリシリコン膜23を除去して、絶縁層14に凹部14A,14Bを形成する。
ここでは、ポリシリコン膜23は、ウェットエッチングにより除去される。エッチャントとしては、たとえば、ポリシリコンエッチング液、具体的には、沸硝酸ヨウ素含有ヒョウ酢酸等を使用することができる。このとき、第三の金属膜25は、エッチングストッパ膜として使用される。
なお、ポリシリコン膜23をドライエッチングによりエッチングしてもよい。
【0033】
次に、図4(B)に示すように、第三の金属膜25をウェットエッチングにより除去する。
このとき、エッチャントとしては、H等を使用することができる。
第三の金属膜25を除去することで、第一のダミーゲート電極31側には、ゲート絶縁膜122が露出した状態で残ることとなる。一方、第二のダミーゲート電極32側では、ゲート絶縁膜112と、このゲート絶縁膜112上に設けられた金属膜113とが残り、金属膜113が露出した状態となる。
【0034】
次に、凹部14A,14Bの底部および側壁を覆うように、原子堆積法によりTaN膜を形成する。このTaN膜は、第一のダミーゲート電極31側では、ゲート絶縁膜122および凹部14Aの側壁を覆う。また、TaN膜は、第二のダミーゲート電極32側では、金属膜113および凹部14Bの側壁を覆う。
その後、図5に示すように、TaN膜および絶縁層14上に金属膜114,123となる第二の金属膜24を設ける。
この第二の金属膜24は、金属膜114,123となるものであり、周期表第6〜8族の金属、あるいは周期表第2〜4族の金属を主成分として含む。
そして、研磨により、絶縁層14上の第二の金属膜24を除去する。具体的には、CMPにより絶縁層14上の第二の金属膜24を選択的に除去する。これにより、金属膜114,123が形成されることとなる。
次に、金属膜114,123上に、金属膜116、金属膜126を設ける。具体的には、金属膜116、金属膜126を構成する金属膜を、金属膜114,123内側の空隙部を埋め込むように形成するとともに、絶縁層14表面を覆うように設ける。
その後、絶縁層14上の前記金属膜を選択的に除去する。
これにより、金属膜116、金属膜126が完成する。
以上により、半導体装置1が得られることとなる。このような半導体装置1は、製造安定性に優れたものとなる。
【0035】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、ゲート絶縁膜21を半導体基板13上に形成した後、このゲート絶縁膜21をエッチングにより選択的に除去している。本実施形態では、従来のように、絶縁層に溝を形成した後、溝内をうめこむようにしてゲート絶縁膜を形成していない。
従って、従来のようにCVD装置の埋め込み特性に応じてゲート絶縁膜の厚みが変動してしまうことを防止できる。
これにより、特許文献1に記載された従来の製造方法に比べ、各トランジスタの閾値を所望の値に確実に設定することができる。
【0036】
また、本実施形態では、ゲート絶縁膜21、第三の金属膜25、ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去し、n型MOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第一のダミーゲート電極31を形成するとともに、ゲート絶縁膜21、第一の金属膜22、第三の金属膜25、ポリシリコン膜をエッチングにより、選択的に除去してp型MOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第二のダミーゲート電極32を形成している。
第一の金属膜22および第三の金属膜25は、TiあるいはTaを主成分として含んで構成されているため、エッチングにより容易に除去することができる。従って、第一のダミーゲート電極および第二のダミーゲート電極、さらには、n型MOSトランジスタ用ゲート電極およびp型MOSトランジスタ用ゲート電極を安定的に形成することができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、第一のダミーゲート電極31のポリシリコン膜23、および第二のダミーゲート電極32のポリシリコン膜23を除去して、絶縁層14に凹部14A,14Bを形成している。その後、絶縁層14表面および、凹部14A,14Bを覆うように周期表第6〜8族の金属、あるいは周期表第2〜4族の金属を主成分として含む第二の金属膜24を設け、絶縁層14上の前記第二の金属膜24を研磨により除去している。
このような第二の金属膜24は、エッチングにより除去することは難しいことがあるが、本実施形態では、第二の金属膜24を研磨により除去しているため、第二の金属膜24を容易に選択的に除去することができる。
特に、第二の金属膜24が合金化している場合には、金属単体よりも金属強度が向上し、エッチングしにくくなる傾向があるが、本実施形態では、第二の金属膜24を研磨により除去しているため、たとえ、第二の金属膜24が合金化したとしても、加工しにくくなるという問題を解消することができる。
【0038】
また、本実施形態では、ポリシリコン膜を形成する前記工程の前段で、p型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域にTiあるいはTaを含む第三の金属膜25を形成している。そして、この第三の金属膜25をエッチングストッパ膜として、前記ポリシリコン膜23をエッチングにより除去している。
これにより、ポリシリコン膜23を除去する際に、第三の金属膜25より下層にあるゲート絶縁膜122,112等を損傷してしまうことを抑制することができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、第一の金属膜22と第三の金属膜25とを同じ金属を主成分として含むものとしている。これにより、第一のダミーゲート電極31、第二のダミーゲート電極32をエッチングにより形成する際のエッチングレートの違いを抑制することができる。
【0040】
また、エッチングストッパ膜である第三の金属膜25としてTiN膜を使用することで、ゲート絶縁膜112,122の高誘電率膜112B,122Bとの選択比を大きくとることができる。
これに加え、高誘電率膜112B,122Bとして、窒化された高誘電率膜(なかでもHfON膜)を使用すれば、第三の金属膜と高誘電率膜との選択比をより大きくとることができる。
これにより、エッチングストッパ膜である第三の金属膜25を除去する際に、高誘電率膜112B,122Bのエッチングを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、半導体基板13上にゲート絶縁膜21および第一の金属膜22を積層した後、窒化処理を行っている。
これにより、ゲート絶縁膜21のHfO膜21BをHfON膜21Cとすることができると同時に、第一の金属膜22を比較的硬い膜とすることができる。
その後、第一の金属膜22上に形成される第三の金属膜25は、窒化処理工程を経ないため第一の金属膜22に比べてやわらかい膜となる。
従って、第二のダミーゲート電極32から第三の金属膜25をエッチングにより、除去する際に、第三の金属膜25のみをエッチングにより除去し、第一の金属膜22を残存させることができる。
【0042】
さらに、本実施形態では、第二の金属膜24を形成する前段で、凹部14A,14BにTaN膜を設けている。このTaN膜は、凹部14A,14Bの底部および側壁を覆う。このようなTaN膜上に第二の金属膜24を設けることで、第二の金属膜24の凹部14A,14Bへの密着性を高めることができる。
【0043】
(第二実施形態)
図6を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態の半導体装置4は、n型MOSトランジスタ(第二のMOSトランジスタ)41と、p型MOSトランジスタ(第一のMOSトランジスタ)42とが同一半導体基板13に形成されたいわゆるCMOS装置である。
【0044】
p型MOSトランジスタ42は、絶縁層14内に形成された第一のゲート電極421を有する。この第一のゲート電極421は、略平板状のゲート絶縁膜122と、ゲート絶縁膜122の略全面を被覆する被覆部423Aおよびこの被覆部423Aの周縁から立設された周壁部423Bを有し、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜423と、金属膜126とを備える。
ここで、金属膜423は、たとえば、Ruを主成分とする金属膜である。また、この金属膜423は、Alが添加されていてもよい。金属膜423中のAlは、ゲート絶縁膜122中に拡散する。これにより、Vtを所望の値に制御することができるp型MOSトランジスタ42とすることができる。
【0045】
n型MOSトランジスタ41は、絶縁層14内に形成された第二のゲート電極411を有する。
第二のゲート電極411は、略平板状のゲート絶縁膜112と、このゲート絶縁膜112上に配置され、前記ゲート絶縁膜112の略全面を覆う略平板状のTiあるいはTaを含む金属膜413と、金属膜413の略全面を覆う被覆部414Aおよびこの被覆部414Aの周縁に立設された周壁部414Bを有する周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜414と、金属膜116とを備える。
金属膜414は、金属膜423と同じ材料で構成されている。
また、金属膜413は、TiN膜が好ましく、TiN膜にLaを添加したものであることが特に好ましい。
【0046】
第一のゲート電極421の周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜423の前記周壁部423Bの上端部と、前記第二のゲート電極411の周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を含む金属膜414の周壁部414Bの上端部とは前記絶縁層14の表面と略同一平面上にある。
【0047】
このような半導体装置4は、前記実施形態と同様の方法で製造することができる。
なお、第一の金属膜として、TiN膜にLaを添加したものを使用することが好ましい。Laが添加されたTiN膜を使用することで、Vt閾値がバンドエッジにくることになり、実効ゲート絶縁膜厚(Eot)に対するVt変動が少なくなり、n型MOSトランジスタの閾値を最適な値に設定することができる。
また、第一の金属膜は、HfO膜のうち、n型MOSトランジスタ形成領域部分のみを被覆し、p型MOSトランジスタ形成領域は被覆しない。
また、第二の金属膜としては、たとえば、周期表第6〜8族の金属、なかでも、Ruを主成分として含むものを使用すればよい。
他の点においては、前記実施形態と同様である。
【0048】
このような本実施形態によれば、前記実施形態と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
n型MOSトランジスタ41のゲート絶縁膜112を覆う金属膜413として、TiNを主成分とするものを使用している。従来から配線にTiが使用されることが多いので、金属膜413をTiNを主成分とすることで、配線工程に使用している装置を使用でき、製造コストの低減を図ることができる。
また、金属膜413を、TiN膜にLaを添加したものとすることで、Vt閾値がバンドエッジにくることになり、実効ゲート絶縁膜厚(Eot)に対するVt変動が少なくなり、n型MOSトランジスタ41の閾値を最適な値に設定することができる。
【0049】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、第一実施形態では、n型MOSトランジスタ形成領域を除いた領域に形成された第一の金属膜22上に、p型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域の双方を覆う第三の金属膜25を形成したが、これに限られるものではない。
ゲート絶縁膜上にp型MOSトランジスタ形成領域およびn型MOSトランジスタ形成領域の双方を覆うTiあるいはTaを主成分として含む金属膜を形成した後、前記n型MOSトランジスタ形成領域を除いた領域にTiあるいはTaを主成分として含む金属膜を形成してもよい。
この場合、ポリシリコン膜を除去する際には、双方の金属膜がそれぞれエッチングストッパ膜として機能することとなる。
【0050】
さらには、前記各実施形態では、第一の金属膜22と、第三の金属膜25とを同じ金属を主成分とする金属膜で構成したが、これに限らず、第一の金属膜と第三の金属膜とは、異なる金属を主成分として含有するものであってもよい。
【0051】
また、前記各実施形態では、凹部内にTaN膜を設けたがTaN膜はなくてもよい。このようにすることで、半導体装置の製造工程を簡便化させることができる。
【0052】
さらには、前記各実施形態では、第一の金属膜をTiN膜としたが、これに限らず、たとえば、TiC膜としてもよい。TiN膜よりも、TiC膜の方が、酸化しにくいため、トランジスタの閾値を所望の値により確実に設定することができる。
【0053】
また、前記各実施形態では、第二の金属膜を、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として含むものとしたが、第二の金属膜はこれに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。
【図2】半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。
【図7】従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1,4 半導体装置
11 p型MOSトランジスタ
12 n型MOSトランジスタ
13 半導体基板
14 絶縁層
14A,14B 凹部
15 サイドウォール
21 ゲート絶縁膜
21A SiO
21B HfO
21C HfON膜
22 第一の金属膜
23 ポリシリコン膜
24 第二の金属膜
25 第三の金属膜
31 第一のダミーゲート電極
32 第二のダミーゲート電極
41 n型MOSトランジスタ
42 p型MOSトランジスタ
110A ソース領域
110B ドレイン領域
111 ゲート電極
112 ゲート絶縁膜
112A SiO
112B 高誘電率膜
113 金属膜
114 金属膜
114A 被覆部
114B 周壁部
116 金属膜
117 NiSi層
120A ソース領域
120B ドレイン領域
121 ゲート電極
122 ゲート絶縁膜
122A SiO
122B 高誘電率膜
123 金属膜
123A 被覆部
123B 周壁部
126 金属膜
127 NiSi層
411 第二のゲート電極
413 金属膜
414B 周壁部
414A 被覆部
414 金属膜
421 第一のゲート電極
423B 周壁部
423A 被覆部
423 金属膜
800 基板
801 絶縁層
802 ゲート絶縁膜
803 第一ゲート電極材料層
804 マスク層
805 第二ゲート電極材料層
806 電極金属

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のMOSトランジスタと、この第一のMOSトランジスタと逆導電型の第二のMOSトランジスタとが同一半導体基板に形成された半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板の第二のMOSトランジスタ形成領域および第一のMOSトランジスタ形成領域上にゲート絶縁膜を設ける工程と、
前記ゲート絶縁膜上であって、前記第一のMOSトランジスタ形成領域を除き、前記第二のMOSトランジスタ形成領域を含む領域上に、TiあるいはTaを主成分として含む第一の金属膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜、前記第一の金属膜を覆うようにポリシリコン膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜および前記ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去し、第一のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第一のダミーゲート電極を形成するとともに、前記ゲート絶縁膜、前記第一の金属膜および前記ポリシリコン膜をエッチングにより選択的に除去して第二のMOSトランジスタ用ゲート電極が形成される位置に第二のダミーゲート電極を形成する工程と、
前記第一のダミーゲート電極および前記第二のダミーゲート電極を絶縁層により、埋め込んだ後、前記各ダミーゲート電極の前記ポリシリコン膜を前記絶縁層表面に露出させる工程と、
前記第一のダミーゲート電極のポリシリコン膜、および前記第二のダミーゲート電極のポリシリコン膜を除去して、前記絶縁層に凹部を形成する工程と、
前記凹部内および前記絶縁層上に第二の金属膜を設ける工程と、
前記絶縁層上の前記第二の金属膜を研磨により選択的に除去する工程とを備える半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第二の金属膜は、周期表第6〜8族の金属、あるいは周期表第2〜4族の金属を主成分として含む半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
ポリシリコン膜を形成する前記工程の前段で、
前記第一の金属膜を覆うように、第二のMOSトランジスタ形成領域および第一のMOSトランジスタ形成領域にTiあるいはTaを主成分として含む第三の金属膜を形成する工程を含み、
前記絶縁層に凹部を形成する前記工程では、
前記第三の金属膜をエッチングストッパ膜として、前記ポリシリコン膜をエッチングにより除去した後、前記第三の金属膜を除去して、前記凹部を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、Hfを含む高誘電率ゲート絶縁膜を含み、
前記第一の金属膜を形成した後、前記第一の金属膜および前記ゲート絶縁膜を窒化し、
その後、第三の金属膜を形成する前記工程を実施する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第一の金属膜および前記第三の金属膜は、Tiを主成分として含む半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第一のMOSトランジスタは、n型MOSトランジスタであり、前記第二のMOSトランジスタはp型MOSトランジスタであり、
第一の金属膜を形成する前記工程では、Alを添加した前記第一の金属膜を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第一のMOSトランジスタは、p型MOSトランジスタであり、前記第二のMOSトランジスタは、n型MOSトランジスタであり、
第一の金属膜を形成する前記工程では、Laを添加した前記第一の金属膜を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
第二の金属膜を設ける前記工程では、
前記凹部の底部および側壁を覆うように、前記凹部内における前記第二の金属膜を断面略U字型とし、
前記第二の金属膜を研磨により除去する工程の後段で、前記第二の金属膜の内側に、金属膜を充填する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
第一のMOSトランジスタと、前記第一のMOSトランジスタと逆導電型の第二のMOSトランジスタとが同一半導体基板に形成された半導体装置であって、
前記半導体基板上には、絶縁層が設けられ、
前記第一のMOSトランジスタは、前記絶縁層内に形成された第一のゲート電極を有し、
前記第一のゲート電極は、略平板状のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の略全面を被覆する被覆部およびこの被覆部の周縁から立設された周壁部を有する金属膜とを有し、
前記第二のMOSトランジスタは、前記絶縁層内に形成された第二のゲート電極を有し、
第二のゲート電極は、略平板状のゲート絶縁膜と、
このゲート絶縁膜上に配置され、前記ゲート絶縁膜の略全面を覆う略平板状のTiあるいはTaを主成分として含む金属膜と、
前記TiあるいはTaを主成分として含む金属膜の略全面を覆う被覆部およびこの被覆部の周縁に立設された周壁部を有する金属膜とを有し、
前記第一のゲート電極の前記金属膜の前記周壁部の上端部と、前記第二のゲート電極の前記金属膜の前記周壁部の上端部とは前記絶縁層の表面と略同一平面上にあり、
前記第一のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜と、前記第二のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜とは同じ材料で構成されている半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置において、
前記第一のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜、および前記第二のゲート電極の前記被覆部および前記周壁部を有する金属膜は、周期表第6〜8族の金属あるいは、周期表第2〜4族の金属を主成分として半導体装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の半導体装置において、
TiあるいはTaを主成分として含む前記金属膜は、TiN膜であり、
前記各ゲート絶縁膜は、HfON膜を含む半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記第一のMOSトランジスタは、n型MOSトランジスタであり、前記第二のMOSトランジスタはp型MOSトランジスタであり、
前記TiN膜は、Alを添加したものである半導体装置。
【請求項13】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記第一のMOSトランジスタは、p型MOSトランジスタであり、前記第二のMOSトランジスタは、n型MOSトランジスタであり、
前記TiN膜は、Laを添加したものであり、
前記第一のゲート電極の被覆部および周壁部を有する前記金属膜は、Alを添加したものである半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−10266(P2010−10266A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165678(P2008−165678)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】