説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【課題】フラッシュメモリと他の半導体素子が混載される場合に、フラッシュメモリの不良率が上がることを抑制できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、フラッシュメモリが形成される第1領域1a、及びトランジスタが形成される第2領域1bを具備する半導体基板1を準備する工程と、第2領域1bに位置する半導体基板1に不純物を導入する工程と、酸素雰囲気下で半導体基板1を熱処理することにより、不純物を熱拡散してトランジスタの低濃度不純物領域26a,26bを形成する工程と、第1領域1aに位置する半導体基板1を熱酸化することによりトンネル絶縁膜11を形成する工程とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリを備えた半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。特に本発明は、フラッシュメモリと他の半導体素子が混載される場合に、フラッシュメモリの不良率が上がることを抑制できる半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の半導体装置の構成を説明する為の断面図である。本図に示す半導体装置はフラッシュメモリを有している。このフラッシュメモリは、トンネル絶縁膜101、フローティングゲート102、絶縁膜103、及びコントロールゲート104をこの順に積層した構造である。トンネル絶縁膜101は熱酸化法により形成されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−124359号公報(図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、フラッシュメモリとトランジスタ等の半導体素子を同一の半導体基板上に形成する場合が増えている。このような混載構造において、フラッシュメモリのトンネル絶縁膜を形成する前に、半導体素子の不純物領域(例えばトランジスタの低濃度不純物領域)を形成することがある。不純物領域を形成するためには、不純物を導入した半導体基板に熱処理を加える必要があるが、この熱処理を一般的な窒素雰囲気下で行うと、半導体基板の表面に窒化物が形成される等の理由により、トンネル絶縁膜の品質が低下し、フラッシュメモリの不良率が上がる可能性が出てくる。
【0004】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、フラッシュメモリと他の半導体素子が混載される場合に、フラッシュメモリの不良率が上がることを抑制できる半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、フラッシュメモリが形成される第1領域、及びトランジスタが形成される第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記トランジスタの低濃度不純物領域を形成する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程とを具備する。
【0006】
この半導体装置の製造方法によれば、前記トランジスタの低濃度不純物領域の不純物を熱拡散する工程を酸素雰囲気下で行っているため、前記第1領域に位置する半導体基板の表面には窒化物等が形成されない。従って、前記トンネル絶縁膜に欠陥等が生じることが抑制され、フラッシュメモリに不良(例えばデータリテンション率の低下)が生じることが抑制される。
【0007】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、フラッシュメモリが形成される第1領域、及びトランジスタが形成される第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を第1の温度で熱処理することにより、前記第1領域に位置する前記半導体基板に保護用の熱酸化膜を形成する工程と、
窒素雰囲気下で前記半導体基板を、前記第1の温度より高温である第2の温度で熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記トランジスタの2つの低濃度不純物領域を形成する工程と、
前記熱酸化膜を除去する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程とを具備する。
【0008】
この半導体装置の製造方法によれば、前記保護用の熱酸化膜が形成されているため、前記低濃度不純物領域の不純物熱拡散工程の後半を窒素雰囲気下で行っても、前記第1領域に位置する半導体基板の表面には窒化物等が形成されない。従って、前記トンネル絶縁膜に欠陥等が生じることが抑制され、フラッシュメモリに不良(例えばデータリテンション率の低下)が生じることが抑制される。前記保護用の熱酸化膜を形成する工程において、前記保護用の熱酸化膜の厚さを3nm以上にするのが好ましい。
【0009】
前記トンネル絶縁膜を形成する工程の後に、前記トンネル絶縁膜上に位置するフローティングゲートを形成する工程と、前記フローティングゲート上に位置する絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に位置するコントロールゲートを形成する工程と、前記第2領域にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極を形成する工程と、前記半導体基板に、ソース及びドレインとなる2つの不純物領域を形成する工程とを具備してもよい。
【0010】
前記トランジスタのゲート絶縁膜を形成する工程の前に、前記2つの低濃度不純物領域それぞれ上に位置するLOCOS酸化膜を形成する工程を具備し、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、前記2つの低濃度不純物領域の相互間に位置する前記半導体基板に前記ゲート絶縁膜を形成し、
前記2つの不純物領域を形成する工程において、前記低濃度不純物領域を挟んで前記ゲート絶縁膜とは反対側に位置する前記半導体基板に前記不純物領域を形成してもよい。この場合、前記トランジスタの耐圧は、例えば10V以上である。
【0011】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、フラッシュメモリが形成される第1領域、及び第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記第2領域に位置する不純物領域を形成する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程とを具備する。
【0012】
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、フラッシュメモリが形成される第1領域、及び第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を第1の温度で熱処理することにより、前記第1領域に位置する前記半導体基板に保護用の熱酸化膜を形成する工程と、
窒素雰囲気下で前記半導体基板を、前記第1の温度より高温である第2の温度で熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記第2領域に位置する不純物領域を形成する工程と、
前記熱酸化膜を除去する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程とを具備する。
前記保護用の熱酸化膜を形成する工程において、前記保護用の熱酸化膜の厚さを3nm以上にするのが好ましい。
【0013】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板の第1領域に形成され、前記半導体基板を熱酸化することにより形成されたトンネル絶縁膜を有するフラッシュメモリと、
前記半導体基板の第2領域に形成され、ゲート絶縁膜、ゲート電極、2つの低濃度不純物領域、並びにソース及びドレインとなる2つの不純物領域を具備するトランジスタと、
を具備し、
前記2つの低濃度不純物領域は、酸素雰囲気下で不純物を熱拡散することにより形成されている。
【0014】
本発明に係る他の半導体装置は、半導体基板の第1領域に形成され、前記半導体基板を熱酸化することにより形成されたトンネル絶縁膜を有するフラッシュメモリと、
前記半導体基板の第2領域に形成され、ゲート絶縁膜、ゲート電極、2つの低濃度不純物領域、並びにソース及びドレインとなる2つの第2不純物領域を具備するトランジスタと、
を具備し、
前記2つの低濃度不純物領域は、前記半導体基板に不純物が導入され、かつ前記半導体基板にマスクとなる熱酸化膜が形成された後、窒素雰囲気下で前記不純物を熱拡散することにより形成されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の断面図である。本実施形態によって製造される半導体装置は、フラッシュメモリと高耐圧トランジスタとが同一のシリコン基板1上に形成されるものである。フラッシュメモリはシリコン基板1の第1領域1aに形成され、高耐圧トランジスタはシリコン基板1の第2領域1bに形成される。
【0016】
まず、図1(A)に示すようにシリコン基板1上にフォトレジスト膜50を塗布し、このフォトレジスト膜50を露光及び現像する。これにより、第2領域1b上に位置するフォトレジスト膜50には、2つの開口部50aが形成される。次いで、フォトレジスト膜50をマスクとしてシリコン基板1に不純物を導入する。これにより、第2領域1bに位置するシリコン基板1には、高耐圧トランジスタの低濃度不純物領域26a,26bが形成される。
【0017】
その後、図1(B)に示すようにフォトレジスト膜50を除去する。次いで、シリコン基板1を酸素雰囲気下で熱処理する。このときの熱処理温度は、例えば1150℃である。これにより、低濃度不純物領域26a,26bの不純物は熱拡散する。本工程では酸素雰囲気下で熱処理を行っているため、第1領域1aに位置するシリコン基板1の表面には、窒化物等が形成されない。なお、本工程において、シリコン基板1の表面には熱酸化膜3が形成される。
【0018】
その後、図1(C)に示すように、熱酸化膜3を除去する。次いで、シリコン基板1上に酸化シリコン膜4をCVD法により形成し、さらに酸化シリコン膜4上に窒化シリコン膜5をCVD法により形成する。次いで、窒化シリコン膜5上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして窒化シリコン膜5を選択的にエッチングする。これにより、窒化シリコン膜5には開口パターン5aが形成される。開口パターン5aの一部は低濃度不純物領域26a,26bそれぞれの上方に位置している。なお、本工程において開口パターン5a内に位置する酸化シリコン膜4の一部又は全部が除去される。
【0019】
次いで、窒化シリコン膜5をマスクとしてシリコン基板1を熱酸化する。これにより、シリコン基板1には素子分離膜として機能するLOCOS酸化膜2が形成される。なお、低濃度不純物領域26a,26b上にもLOCOS酸化膜2が形成される。
【0020】
その後、図2(A)に示すように窒化シリコン膜5及び酸化シリコン膜4を除去する。次いで、シリコン基板1及びLOCOS酸化膜2上にフォトレジスト膜51を塗布し、フォトレジスト膜51を露光及び現像する。これにより、第1領域1a上に位置するフォトレジスト膜51が除去される。次いで、フォトレジスト膜51をマスクとしてシリコン基板1に不純物を導入する。これにより、第1領域1aに位置するシリコン基板1には不純物領域10が形成される。
【0021】
その後、図2(B)に示すようにフォトレジスト膜51を除去する。次いで、シリコン基板1を熱酸化する。これにより、シリコン基板1にはフラッシュメモリのトンネル絶縁膜11が形成される。上記したように、低濃度不純物領域26a,26bの不純物熱拡散工程は、酸素雰囲気下で行われているため、第1領域1aに位置するシリコン基板1の表面には、窒化物等が形成されていない。従って、トンネル絶縁膜11に欠陥等が生じることを抑制できる。
【0022】
次いで、トンネル絶縁膜11上に、ポリシリコン膜からなるフローティングゲート12をCVD法により形成する。その後、フローティングゲート12に不純物を導入する。次いで、フローティングゲート12を熱酸化する。これにより、フローティングゲート12上には絶縁膜13が形成される。次いで、絶縁膜13上に、ポリシリコン膜からなるコントロールゲート14をCVD法により形成する。次いで、このコントロールゲート14上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてコントロールゲート14、絶縁膜13、フローティングゲート12、及びトンネル絶縁膜11を選択的にエッチングする。このようにして、第1領域1aに位置するフラッシュメモリが形成される。上記したように、トンネル絶縁膜11に欠陥等が生じることが抑制されているため、フラッシュメモリに不良(例えばデータリテンション率の低下)が生じることを抑制できる。
その後、レジストパターンを除去する。
【0023】
次いで、図2(C)に示すように、シリコン基板1を熱酸化する。これにより、第2領域1bのうち低濃度不純物領域26a,26bの相互間に位置するシリコン基板1には、高耐圧トランジスタのゲート絶縁膜23が形成される。次いで、ゲート絶縁膜23を含む全面上にポリシリコン膜をCVD法により形成する。次いで、ポリシリコン膜上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてポリシリコン膜を選択的にエッチングする。これにより、ゲート絶縁膜23上及びその周囲に位置するLOCOS酸化膜2上には、ゲート電極24が形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0024】
次いで、LOCOS酸化膜2及びゲート電極24をマスクとしてシリコン基板1に不純物を導入する。これにより、第2領域1bに位置するシリコン基板1には、高耐圧トランジスタのソース及びドレインとなる不純物領域27a,27bが形成される。不純物領域27a,27bは、低濃度不純物領域26a,26bを挟んでゲート絶縁膜23とは反対側に位置している。
このようにして、第2領域1bには高耐圧トランジスタが形成される。
【0025】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、高耐圧トランジスタの低濃度不純物領域26a,26bの不純物を熱拡散する工程を酸素雰囲気下で行っているため、第1領域1aに位置するシリコン基板1の表面には窒化物等が形成されない。従って、トンネル絶縁膜11に欠陥等が生じることが抑制され、フラッシュメモリに不良(例えばデータリテンション率の低下)が生じることが抑制される。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。本実施形態は、低濃度不純物領域26a,26bの不純物熱拡散工程の前半を酸素雰囲気下で行い、後半を窒素雰囲気下で行う点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、低濃度不純物領域26a,26bの不純物熱拡散工程を除いて説明を省略する。
【0027】
図3は、低濃度不純物領域26a,26bの不純物熱拡散工程を説明する為のタイミングチャートである。本実施形態では、まず800℃でシリコン基板1を加熱しておき、その後、徐々に昇温する。この間の雰囲気は酸素雰囲気である。そして、シリコン基板1の表面に、保護膜として十分な厚さ(例えば3nm以上)の熱酸化膜3(図1(B)に図示)が形成されたら、雰囲気を窒素雰囲気に変更する。酸素雰囲気から窒素雰囲気に切り替える。切り替えるタイミングは、例えばシリコン基板1の加熱温度が950℃を超えるタイミングである。その後、シリコン基板1の温度を1150℃まで昇温して、低濃度不純物領域26a,26bの不純物を熱拡散させる。
【0028】
本実施形態によれば、保護膜としての熱酸化膜3が形成されているため、低濃度不純物領域26a,26bの不純物熱拡散工程の後半を窒素雰囲気下で行っても、第1領域1aに位置するシリコン基板1の表面には、窒化物等が形成されない。従って、本実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えばフラッシュメモリの構造は、シリコン基板1を熱酸化することによりトンネル絶縁膜が形成されるものであれば、上記した実施例に限定されない。また、第2領域1bに形成される半導体素子も高耐圧トランジスタに限定されず、トンネル絶縁膜を形成する前に熱処理(例えば不純物拡散のための熱処理)を行うものであれば、本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】各図は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する為の断面図。
【図2】各図は、図1の次の工程を説明する為の断面図。
【図3】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における不純物の熱拡散工程を説明する為のタイミングチャート。
【図4】従来の半導体装置の構成を説明する為の断面図。
【符号の説明】
【0031】
1…シリコン基板、1a…第1領域、1b…第2領域、2…LOCOS酸化膜、3…熱酸化膜、4…酸化シリコン膜、5…窒化シリコン膜、5a…開口パターン、10…不純物領域、11,101…トンネル絶縁膜、12,102…フローティングゲート、13,103…絶縁膜、14,104…コントロールゲート、23…ゲート絶縁膜、24…ゲート電極、26a,26b…低濃度不純物領域、27a,27b…不純物領域、50,51…フォトレジスト膜、50a…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュメモリが形成される第1領域、及びトランジスタが形成される第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記トランジスタの低濃度不純物領域を形成する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
フラッシュメモリが形成される第1領域、及びトランジスタが形成される第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を第1の温度で熱処理することにより、前記第1領域に位置する前記半導体基板に保護用の熱酸化膜を形成する工程と、
窒素雰囲気下で前記半導体基板を、前記第1の温度より高温である第2の温度で熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記トランジスタの2つの低濃度不純物領域を形成する工程と、
前記熱酸化膜を除去する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記トンネル絶縁膜を形成する工程の後に、
前記トンネル絶縁膜上に位置するフローティングゲートを形成する工程と、
前記フローティングゲート上に位置する絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に位置するコントロールゲートを形成する工程と、
前記第2領域にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート電極を形成する工程と、
前記半導体基板に、ソース及びドレインとなる2つの不純物領域を形成する工程と、
を具備する請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記トランジスタのゲート絶縁膜を形成する工程の前に、前記2つの低濃度不純物領域それぞれ上に位置するLOCOS酸化膜を形成する工程を具備し、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、前記2つの低濃度不純物領域の相互間に位置する前記半導体基板に前記ゲート絶縁膜を形成し、
前記2つの不純物領域を形成する工程において、前記低濃度不純物領域を挟んで前記ゲート絶縁膜とは反対側に位置する前記半導体基板に前記不純物領域を形成する請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記トランジスタの耐圧は10V以上である請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
フラッシュメモリが形成される第1領域、及び第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記第2領域に位置する不純物領域を形成する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
フラッシュメモリが形成される第1領域、及び第2領域を具備する半導体基板を準備する工程と、
前記第2領域に位置する半導体基板に不純物を導入する工程と、
酸素雰囲気下で前記半導体基板を第1の温度で熱処理することにより、前記第1領域に位置する前記半導体基板に保護用の熱酸化膜を形成する工程と、
窒素雰囲気下で前記半導体基板を、前記第1の温度より高温である第2の温度で熱処理することにより、前記不純物を熱拡散して前記第2領域に位置する不純物領域を形成する工程と、
前記熱酸化膜を除去する工程と、
前記第1領域に位置する前記半導体基板を熱酸化することによりトンネル絶縁膜を形成する工程と、
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記保護用の熱酸化膜を形成する工程において、前記保護用の熱酸化膜の厚さを3nm以上にする請求項2又は7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板の第1領域に形成され、前記半導体基板を熱酸化することにより形成されたトンネル絶縁膜を有するフラッシュメモリと、
前記半導体基板の第2領域に形成され、ゲート絶縁膜、ゲート電極、2つの低濃度不純物領域、並びにソース及びドレインとなる2つの第2不純物領域を具備するトランジスタと、
を具備し、
前記2つの低濃度不純物領域は、酸素雰囲気下で不純物を熱拡散することにより形成されている半導体装置。
【請求項10】
半導体基板の第1領域に形成され、前記半導体基板を熱酸化することにより形成されたトンネル絶縁膜を有するフラッシュメモリと、
前記半導体基板の第2領域に形成され、ゲート絶縁膜、ゲート電極、2つの低濃度不純物領域、並びにソース及びドレインとなる2つの第2不純物領域を具備するトランジスタと、
を具備し、
前記2つの低濃度不純物領域は、前記半導体基板に不純物が導入され、かつ前記半導体基板にマスクとなる熱酸化膜が形成された後、窒素雰囲気下で前記不純物を熱拡散することにより形成されている半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−165766(P2007−165766A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363214(P2005−363214)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】