説明

半導体装置の製造方法及び基板処理装置

【課題】処理室に供給する液体原料を効率よく気化する半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供する。
【解決手段】処理室16内にウエハ14を搬入する工程と、処理室16内に液体原料スプレーノズル70より金属化合物を含む液体原料を供給しつつ液体原料スプレーノズル70と支持台18にバイアス電圧を印加することで、液体原料を気化させた原料ガスを帯電した状態で噴霧させてウエハ14に供給し、ウエハ14上に原料ガスを吸着させる工程と、処理室16内に酸化剤を供給することで、ウエハ14上に吸着させた原料ガスと酸化剤とを反応させて金属含有層を形成する工程と、を交互に繰り返すことで、ウエハ14上に所定膜厚の金属含有膜を形成する処理を行う工程と、処理室16内から処理済みのウエハ14を搬出する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)キャパシタの絶縁膜材料として、90nm世代ではTaやAl等、65nm世代ではHfOやZrO、Al等、45nm世代以降ではSrTiOやTiO等が、その候補として挙げられる。
【0003】
AlのAl成膜原料は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)や塩化アルミニウム(AlCl)等であり、AlClの蒸気圧(20℃において1.2kPa)は比較的高い。
これに対し、HfOのHf成膜原料は、テトラキスエチルメチルアミノハフニウム(TEMAH:Hf[N(C)(CH)])やテトラキスジメチルアミノハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH)等であり、TEMAHの蒸気圧(57℃において13Pa)はAlClと比較して低い。
また、SrTiOのSr成膜原料は、[1−(2−メトキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンエジオネート]ストロンニウム(Sr(METHD))やSr(tmhd)系錯体等であり、Sr(METHD)の蒸気圧(200℃において4.6Pa)はAlClやTEMAH等と比較して低い。
【0004】
従来、上記のような成膜原料については、気化器を用いて気化させて反応室へ供給する気化方式が採用されている。しかし、気化方式では、十分な気化量が得られなかったり、配管途中で原料が液化して配管がつまったりする等の問題が生じていた。
そこで、フラッシュスプレー方式による成膜原料の供給方法が提案されている。
【0005】
特許文献1には、基板を内部に保持する成膜室内に、室温で固体又は液体の有機金属化合物に低沸点有機化合物を混ぜた混合溶液を、噴射弁により直接噴射する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−182183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記方法では、従来の気化器で取り扱われる成膜原料よりもさらに蒸気圧の低いもの(例えばSr(METHD)等)に対しては、十分な気化量が得られないという問題があった。
【0008】
本発明は、処理室に供給する液体原料を効率よく気化する半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、処理容器内に基板を搬入する工程と、前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させる工程と、前記処理容器内に第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成する処理を行う工程と、前記処理容器内から処理済みの基板を搬出する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理容器と、前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、前記処理容器内に第2の原料を供給する第2原料供給系と、前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加機構と、前記処理容器内に前記スプレーノズルより前記第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させ、前記処理容器内に前記第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成し、これを交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系、及び、前記バイアス電圧印加機構を制御する制御部と、を有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、処理室に供給する液体原料を効率よく気化する半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に用いられる基板処理装置の基板処理時における断面構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いられる基板処理装置の基板搬送時における断面構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に用いられる基板処理装置の処理容器周辺の構成図である。
【図4】酸化ハフニウム膜の形成フローを示す図である。
【図5】原料、酸化剤及びパージガスの供給タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)基板処理装置の構成
本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる基板処理装置のウエハ処理時における断面構成図であり、図2は、本実施形態にかかる基板処理装置のウエハ搬送時における断面構成図である。
【0014】
<処理室>
図1及び図2に示すとおり、本実施形態にかかる基板処理装置は、処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器12は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料により構成されている。処理容器12内には、基板としてのウエハ14を処理する処理室16が構成されている。
【0015】
処理室16内には、ウエハ14を支持する支持台18が設けられている。ウエハ14が直接触れる支持台18の上面には、例えば、石英(SiO)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化アルミニウム(AlN)等から構成された支持板としてのサセプタ20が設けられている。また、支持台18には、ウエハ14を加熱する加熱手段としてのヒータ22が内蔵されている。なお、支持台18の下端部は、処理容器12の底部を貫通している。
【0016】
処理室16の外部には、昇降機構24が設けられている。この昇降機構24を作動させることにより、サセプタ20上に支持されるウエハ14を昇降させることが可能となっている。支持台18は、ウエハ14の処理時には図1で示される位置(ウエハ処理位置)まで上昇し、ウエハ14の搬送時には図2で示される位置(ウエハ搬送位置)まで下降する。なお、支持台18の下端部の周囲は、ベローズ26により覆われており、処理室16内は気密に保持されている。
【0017】
また、処理室16の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン28が鉛直方向に設けられている。支持台18には、リフトピン28を貫通させるための貫通孔30が、リフトピン28に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台18をウエハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン28の上端部が支持台18の上面から突出して、リフトピン28がウエハ14を下方から支持するように構成されている。
【0018】
支持台18をウエハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン28は支持台18の上面から埋没して、支持台18上面に設けられたサセプタ20がウエハ14を下方から支持するように構成される。なお、リフトピン28は、ウエハ14と直接触れるため、例えば、石英やアルミナ等の材質で形成することが望ましい。
【0019】
<ウエハ搬送口>
処理室16の内壁側面には、処理室16の内外にウエハ14を搬送するためのウエハ搬送口32が設けられている。ウエハ搬送口32にはゲートバルブ34が設けられており、このゲートバルブ34を開けることにより、処理室16内と搬送室(予備室)36内とが連通するように構成されている。搬送室36は密閉容器39内に形成されており、搬送室36内にはウエハ14を搬送する搬送ロボット38が設けられている。
【0020】
搬送ロボット38には、ウエハ14を搬送する際にウエハ14を支持する搬送アーム38aが備えられている。支持台18をウエハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ34を開くことにより、搬送ロボット38により処理室16内と搬送室36内との間でウエハ14を搬送することが可能なように構成されている。処理室16内に搬送されたウエハ14は、上述したようにリフトピン28上に一時的に載置される。
【0021】
<排気系>
処理室16の内壁側面であって、ウエハ搬送口32の反対側には、処理室16内の雰囲気を排気する排気口40が設けられている。排気口40には排気管42が接続されており、排気管42には、処理室16内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器44、原料回収トラップ46、及び真空ポンプ48が順に直列に接続されている。主に、排気口40、排気管42、圧力調整器44、原料回収トラップ46、真空ポンプ48により排気系(排気ライン)が構成される。
【0022】
<成膜材料導入系>
処理室16の上面(天井壁)には、液体原料を噴射(噴霧)することで液体原料を減圧沸騰により気化させた「原料ガス」を処理室16内に供給する液体原料スプレーノズル70と、液体の酸化剤を噴射することで液体酸化剤を減圧沸騰により気化させた「酸化剤ガス」を処理室16内に供給する液体酸化剤スプレーノズル72と、気体の酸化剤を処理室16内に供給する気体酸化剤導入口74と、パージガスを処理室16内に供給するパージガス導入口76が設けられている。以下、これら(液体原料スプレーノズル70、液体酸化剤スプレーノズル72、気体酸化剤導入口74、及び、パージガス導入口76)をまとめて、成膜材料導入系と称することがある。
なお、図1及び図2においては、簡略化のため、スプレーノズル(液体原料スプレーノズル70及び液体酸化剤スプレーノズル72)、導入口(気体酸化剤導入口74及びパージガス導入口76)を、それぞれ1つずつ図示している。
また、これら成膜材料導入系に接続される液体及びガス供給系の構成については後述する。
【0023】
<シャワーヘッド>
成膜材料導入系と、ウエハ処理位置におけるウエハ14との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド52が設けられている。シャワーヘッド52は、成膜材料導入系から導入されるガスを分散させるための分散板52aと、分散板52aを通過したガスをさらに均一に分散させて支持台18上のウエハ14の表面に供給するためのシャワー板52bと、を備えている。分散板52a及びシャワー板52bには、複数の通気孔が設けられている。
【0024】
分散板52aは、シャワーヘッド52の上面及びシャワー板52bと対向するように配置されており、シャワー板52bは、支持台18上のウエハ14と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド52の上面と分散板52aとの間、及び分散板52aとシャワー板52bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、成膜材料導入系から供給されるガスを分散させるための分散室(第1バッファ空間)52c、及び分散板52aを通過したガスを拡散させるための第2バッファ空間52dとしてそれぞれ機能する。
【0025】
<排気ダクト>
処理室16の内壁側面には、段差部54が設けられている。そして、この段差部54は、コンダクタンスプレート56をウエハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート56は、内周部にウエハ14を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。
【0026】
コンダクタンスプレート56の外周部には、所定間隔を開けて周方向に配列された複数の排出口58が設けられている。排出口58は、コンダクタンスプレート56の外周部がコンダクタンスプレート56の内周部を支えることができるよう、不連続に形成される。
【0027】
一方、支持台18の外周部には、ロワープレート60が係止している。ロワープレート60は、リング状の凹部60aと、凹部60aの内側上部に一体的に設けられたフランジ部60bとを備えている。凹部60aは、支持台18の外周部と、処理室16の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられる。
【0028】
凹部60aの底部のうち排気口40付近の一部には、凹部60a内から排気口40側ヘガスを排出(流通)させるためのプレート排気口60cが設けられている。フランジ部60bは、支持台18の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部60bが支持台18の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート60が、支持台18の昇降に伴い、支持台18と共に昇降されるようになっている。
【0029】
支持台18がウエハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート60もウエハ処理位置まで上昇する。その結果、ウエハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート56が、ロワープレート60の凹部60aの上面部分を塞ぎ、凹部60aの内部をガス流路領域とする排気ダクト62が形成されることとなる。
【0030】
このとき、排気ダクト62(コンダクタンスプレート56、ロワープレート60)及び支持台18によって、処理室16内が、排気ダクト62よりも上方の処理室上部と、排気ダクト62よりも下方の処理室下部とに、仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート56及びロワープレート60は、排気ダクト62の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
【0031】
ここで、ウエハ処理時における処理室16内のガスの流れについて説明する。まず、成膜材料導入系からシャワーヘッド52の上部へと供給されたガスは、分散室(第1バッファ空間)52cを経て分散板52aの多数の孔から第2バッファ空間52dへと入り、さらにシャワー板52bの多数の孔を通過して処理室16内に供給され、ウエハ14上に均一に供給される。
【0032】
ウエハ14上に供給されたガスは、ウエハ14の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウエハ14に接触した後の余剰なガスは、支持台18の外周に設けられた排気ダクト62上(すなわちコンダクタンスプレート56上)を、ウエハ14の径方向外側に向かって放射状に流れ、排気ダクト62上に設けられた排出口58から、排気ダクト62内のガス流路領域内(凹部60a内)へと排出される。
【0033】
その後、ガスは排気ダクト62内を流れ、プレート排気口60cを経由して排気口40へと排気される。以上の通り、処理室16の下部への、すなわち支持台18の裏面や処理室16の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
【0034】
続いて、処理容器12周辺の構成、及び、成膜材料導入系に接続される液体・ガス供給系の構成について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明の実施形態にかかる基板処理装置の処理容器12周辺の構成図である。
【0035】
<電源>
液体原料スプレーノズル70には、この液体原料スプレーノズル70にバイアス電圧をかけるスプレー電源80が接続されている。このため、液体原料スプレーノズル70から噴射される原料ガスは、帯電した状態で処理室16内に供給される。帯電した原料ガス(原料の分子)は、相互に反発するため、例えばそれぞれの分子が結合してクラスター化等することなく、処理室16内に拡散する。
【0036】
同様に、液体酸化剤スプレーノズル72には、この液体酸化剤スプレーノズル72にバイアス電圧をかけるスプレー電源82が接続されている。このため、液体酸化剤スプレーノズル72から噴射される酸化剤ガスは、帯電した状態で処理室16内に供給される。帯電した酸化剤ガス(酸化剤の分子)は、相互に反発するため、例えばそれぞれの分子が結合してクラスター化等することなく、処理室16内に拡散する。
【0037】
一方、ウエハ14を支持する支持台18には、この支持台18にバイアス電圧をかける支持台電源84が接続されている。スプレー電源80、82が液体原料スプレーノズル70、液体酸化剤スプレーノズル72にかけるバイアス電圧に対し逆のバイアス電圧を、この支持台電源84がウエハ14側である支持台18に掛けることで、液体原料スプレーノズル70、液体酸化剤スプレーノズル72それぞれから噴射された原料ガス及び酸化剤ガスが、加速してウエハ14に衝突する。
【0038】
すなわち、噴射された原料ガス及び酸化剤ガスが、噴射側とウエハ14側間のバイアス電圧に従って、加速される構成となっている。このため、噴射された気体分子(原料ガス及び酸化剤ガス)が、帯電しイオン化されて処理室16内に拡散すると同時に、ウエハ14側に引き込まれる。これにより、本構成を有さない場合と比較して、液体原料及び液体酸化剤の気化が行われ易く、また、ウエハ14上への原料ガス及び酸化剤ガスの吸着量を増大させることができる。
【0039】
<液体原料供給系>
処理室16の外部には、原料としての、例えばTEMAH(Hf原料)を含む液体原料を供給する液体原料供給源100が設けられている。液体原料供給源100は、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されている。
【0040】
液体原料供給源100には、圧送ガス供給管102が接続されている。圧送ガス供給管102の上流側端部には、圧送ガス供給源(非図示)が接続されている。また、圧送ガス供給管102の下流側端部は、液体原料供給源100内の上部に存在する空間に連通しており、この空間内に圧送ガスを供給するようになっている。
なお、圧送ガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えば窒素(N)等の不活性ガスが好適に用いられる。
【0041】
液体原料供給源100には、液体原料供給管104が接続されている。液体原料供給管104の上流側端部は、液体原料供給源100内に収容した液体原料内に浸されている。
【0042】
液体原料供給管104の下流側端部は、液体原料スプレーノズル70に接続されている。液体原料供給管104には、液体原料の供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量コントローラ(LMFC)106と、液体原料の供給を制御する開閉バルブV1と、が設けられている。
【0043】
上記構成において、開閉バルブV1を開くとともに、圧送ガス供給管102から圧送ガスを供給することにより、液体原料供給源100から液体原料スプレーノズル70へと液体原料を圧送(供給)することが可能となる。
【0044】
主に、液体原料供給源100、圧送ガス供給管102、液体原料供給管104、LMFC106、バルブV1により液体原料供給系(液体原料供給ライン)が構成される。
【0045】
<液体酸化剤供給系>
同様に、処理室16の外部には、酸化剤としての例えばHO(水)を含む液体酸化剤を供給する液体酸化剤供給源110が設けられている。液体酸化剤供給源110は、内部に液体酸化剤を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)としてそれぞれ構成されている。
【0046】
液体酸化剤供給源110には、圧送ガス供給管112が接続されている。圧送ガス供給管112の上流側端部には、圧送ガス供給源(非図示)が接続されている。また、圧送ガス供給管112の下流側端部は、液体酸化剤供給源110内の上部に存在する空間に連通しており、この空間内に圧送ガスを供給するようになっている。
なお、圧送ガスとしては、液体酸化剤とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばNガス等の不活性ガスが好適に用いられる。
【0047】
液体酸化剤供給源110には、液体酸化剤供給管114が接続されている。液体酸化剤供給管114の上流側端部は、液体酸化剤供給源110内に収容した液体酸化剤内に浸されている。
【0048】
液体酸化剤供給管114の下流側端部は、液体酸化剤スプレーノズル72に接続されている。液体酸化剤供給管114には、液体酸化剤の供給流量を制御する流量制御手段としての液体流量コントローラ(LMFC)116と、液体酸化剤の供給を制御する開閉バルブV2と、が設けられている。
【0049】
上記構成において、開閉バルブV2を開くとともに、圧送ガス供給管112から圧送ガスを供給することにより、液体酸化剤供給源110から液体酸化剤スプレーノズル72へと液体酸化剤を圧送(供給)することが可能となる。
【0050】
主に、液体酸化剤供給源110、圧送ガス供給管112、液体酸化剤供給管114、LMFC116、バルブV2により液体酸化剤給系(液体酸化剤供給ライン)が構成される。
<気体酸化剤供給系>
処理室16の外部には、酸素(O)ガスを供給する気体酸化剤供給源120が設けられている。気体酸化剤供給源120には、第1気体酸化剤供給管122の上流側端部が接続されている。また、第1気体酸化剤供給管122の下流側端部には、プラズマにより酸素ガスから反応ガス(反応物)すなわち酸化剤としてのオゾンガスを生成させるオゾナイザ124が接続されている。第1気体酸化剤供給管122には、酸素ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)126が設けられている。
【0051】
オゾナイザ124のアウトレットとしてのオゾンガス供給口128には、気体酸化剤供給管としてのオゾンガス供給管130の上流側端部が接続されている。また、オゾンガス供給管130の下流側端部は、気体酸化剤導入口74に接続されている。すなわち、オゾンガス供給管130は、気体酸化剤としてのオゾンガスを処理室16内に供給するように構成されている。オゾンガス供給管130には、処理室16内へのオゾンガスの供給を制御する開閉バルブV3が設けられている。
【0052】
第1気体酸化剤供給管122のMFC126よりも上流側には、第2気体酸化剤供給管132の上流側端部が接続されている。第2気体酸化剤供給管132の下流側端部は、オゾンガス供給管130の開閉バルブV3よりも上流側に接続されている。第2気体酸化剤供給管132には、酸素ガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)136が設けられている。
【0053】
上記構成において、オゾナイザ124に酸素ガスを供給してオゾンガスを発生させるとともに、開閉バルブV3を開くことにより、処理室16内へオゾンガスを供給することが可能となる。なお、処理室16内へのオゾンガスの供給中に、第2気体酸化剤供給管132から酸素ガスを供給するようにすれば、処理室16内へ供給するオゾンガスを酸素ガスにより希釈して、オゾンガス濃度を調整することが可能となる。
【0054】
主に、気体酸化剤供給源120、第1気体酸化剤供給管122、オゾナイザ124、MFC126、オゾンガス供給管130、開閉バルブV3、第2気体酸化剤供給管132、MFC136により気体酸化剤供給系(気体酸化剤供給ライン)が構成される。
【0055】
<パージガス供給系>
また、処理室16の外部には、パージガスとしてのNガスを供給するためのパージガス供給源140が設けられている。パージガス供給源140には、パージガス供給管142の上流側端部が接続されている。パージガス供給管142には、パージガスの供給流量を制御する流量制御手段としての流量コントローラ(MFC)146が設けられている。パージガス供給管142の下流側端部は、パージガス導入口76に接続されている。すなわち、パージガス供給管142は、パージガスとしてのNガスを処理室16内に供給するように構成されている。パージガス供給管142には、処理室16内へのNガスの供給を制御する開閉バルブV4が設けられている。
【0056】
主に、パージガス供給源140、パージガス供給管142、MFC146、開閉バルブV4によりパージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。
【0057】
<コントローラ>
本実施形態にかかる基板処理装置は、基板処理装置の各部の動作を制御するコントローラ150を有する。コントローラ150は、ヒータ22、昇降機構24、ゲートバルブ34、搬送ロボット38、圧力調整器(APC)44、真空ポンプ48、LMFC106、116、オゾナイザ124、MFC126、136、146、開閉バルブV1〜V4等の動作を制御する。
【0058】
(2)基板処理工程
次に、本発明の実施形態にかかる半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、上述の基板処理装置を用いてウエハ14上に薄膜を形成する基板処理工程について、図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。
以下、酸化剤にオゾン(O)を用いて、ウエハ14上に酸化ハフニウム(HfO)膜を形成する場合を例に説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ150によって制御される。
【0059】
<基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)>
まず、昇降機構24を作動させ、支持台18を、図2に示すウエハ搬送位置まで下降させる。そして、ゲートバルブ34を開き、処理室16と搬送室36とを連通させる。そして、搬送ロボット38により搬送室36内から処理室16内へ、処理対象のウエハ14を搬送アーム38aで支持した状態で搬入する(S1)。処理室16内に搬入したウエハ14は、支持台18の上面から突出しているリフトピン28上に一時的に載置される。搬送ロボット38の搬送アーム38aが処理室16内から搬送室36内へ戻ると、ゲートバルブ34が閉じられる。
【0060】
続いて、昇降機構24を作動させ、支持台18を、図1に示すウエハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン28は支持台18の上面から埋没し、ウエハ14は、支持台18上面のサセプタ20上に載置される(S2)。
【0061】
<圧力調整工程(S3)、昇温工程(S4)>
続いて、圧力調整器(APC)44により、処理室16内の圧力が所定の処理圧力となるように制御する(S3)。また、ヒータ22に供給する電力を調整し、ウエハ14の温度を昇温させ、このウエハ14の表面温度が所定の処理温度となるように制御する(S4)。
【0062】
なお、基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)、圧力調整工程(S3)、昇温工程(S4)及び後述する基板搬出工程(S10)においては、真空ポンプ48を作動させつつ、開閉バルブV3を閉じ、開閉バルブV4を開き、処理室16内にNガスを常に流しておく。これにより、ウエハ14上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。なお、真空ポンプ48は、少なくとも基板搬入工程(S1)から後述の基板搬出工程(S10)までの間は、常に作動させた状態とする。
【0063】
<原料ガス供給工程(S5)>
続いて、開閉バルブV1を開いて、液体原料を液体原料スプレーノズル70に供給し、原料ガスの処理室16内への導入を開始する。ここで、液体原料は、有機金属化合物原料と低沸点有機化合物の混合溶液である。
本実施形態において、有機金属化合物原料(Hf原料)としては、例えば、TEMAH(テトラキスエチルメチルアミノハフニウム、Hf[N(C)(CH)])、テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ハフニウム(Hf(MMP)4、Hf[OC(CH32CH2OCH34)、テトラキスターシャリーブトラキシハフニウム(Hf[OC(CH)、TDMAH(テトラキスジメチルアミノハフニウム、Hf[N(CH)、TDEAH(テトラキスジエチルアミノハフニウム、Hf[N(C)、ハフニウム四塩化物(HfCl)等を使用することができる。
【0064】
低沸点有機化合物としては、例えばn−ペンタン(CH(CHCH)、シクロペンタン(C10)、ヘキサン(CH(CHCH)、エタノール(COH)等を使用することができる。
なお、低沸点有機化合物は、少なくとも有機金属化合物原料よりも沸点が低いものである。
【0065】
原料ガスを処理室16内へ導入する際、液体原料スプレーノズル70には、スプレー電源80によりバイアス電圧がかけられている。また、支持台18には、液体原料スプレーノズル70にかけられたバイアス電圧とは逆のバイアス電圧が支持台電源84によりかけられている。このため、液体原料スプレーノズル70から噴射される原料ガスは帯電しイオン化されて処理室16内に拡散するとともに、加速されてウエハ14に衝突する。この際、原料ガスは、シャワーヘッド52により分散されて処理室16内のウエハ14上に均一に供給される。
余剰な原料ガスは、排気ダクト62内を流れ、排気口40へと排気される。
【0066】
開閉バルブV1を開き、原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブV1を閉じ、処理室16内への原料ガスの供給を停止する。
【0067】
<パージ工程(S6)>
開閉バルブV1を閉じ、処理室16内への原料ガスの供給を停止した後、開閉バルブV4を開き、処理室16内へのNガスの供給を行う。Nガスは、シャワーヘッド52を介して処理室16内に供給され、排気ダクト62内を流れ、排気口40へと排気される。このようにして、処理室16内をNガスによりパージし、処理室16内に残留している原料ガスを除去する。
【0068】
<酸化剤供給工程(S7)>
気体酸化剤供給源120からオゾナイザ124へ酸素ガスを供給して、オゾナイザ124にてオゾンガスを生成する。処理室16内のパージが完了したら、開閉バルブV4を閉じ、開閉バルブV3を開いて、気体酸化剤導入口74から処理室16内へ酸化剤としてのオゾンガスの供給を開始する。オゾンガスは、シャワーヘッド52により分散されて処理室16内のウエハ14上に均一に供給される。余剰なオゾンガスや反応副生成物は、排気ダクト62内を流れ、排気口40へと排気される。
【0069】
開閉バルブV3を開き、オゾンガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、開閉バルブV3を閉じ、処理室16内へのオゾンガスの供給を停止する。
【0070】
<パージ工程(S8)>
開閉バルブV3を閉じ、処理室16内へのオゾンガスの供給を停止した後、開閉バルブ4を開き、処理室16内へのNガスの供給を行う。Nガスは、シャワーヘッド52を介して処理室16内に供給され、排気ダクト62内を流れ、排気口40へと排気される。このようにして、処理室16内をNガスによりパージし、処理室16内に残留しているオゾンガスや反応副生成物を除去する。
【0071】
<繰り返し工程(S9)>
そして、工程S5〜S8までを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すことにより、ウエハ14上に所望膜厚のHfO膜が形成される(薄膜形成工程)。
図5は、工程S5〜S8における原料、酸化剤及びパージガスの供給タイミングを示す図である。このように、原料ガス(TEMAH)と酸化剤ガス(O)とは、同時に処理室16内に供給されることはなく、工程S5と工程S7との間はパージガス(N)によって処理室16内をパージする工程が挟まれるようになっている。
【0072】
<基板搬出工程(S10)>
その後、上述した基板搬入工程(S1)、基板載置工程(S2)に示した手順とは逆の手順により、所望膜厚のHfO膜が形成された後のウエハ14を処理室16内から搬送室36内へ搬出して、本実施形態にかかる基板処理工程を完了する。
【0073】
なお、薄膜形成工程をCVD法により行う場合には、処理温度を原料ガスが自己分解する程度の温度帯となるように制御する。この場合、原料ガス供給工程(S5)においては、原料ガスが自己分解し、ウエハ14上に1〜数十原子層程度の薄膜が形成される。酸化剤供給工程においては、オゾンガスによりウエハ14上に形成された1〜数十原子層程度の薄膜からC、H等の不純物が除去される。
【0074】
また、薄膜形成工程をALD法により行う場合には、処理温度を原料ガスが自己分解しない程度の温度帯となるように制御する。この場合、原料ガス供給工程においては、原料ガスはウエハ14上に吸着する。酸化剤供給工程においては、ウエハ14上に吸着した原料ガスとオゾンガスとが反応することによりウエハ14上に1原子層未満の薄膜が形成される。このとき、オゾンガスにより薄膜中に混入しようとするC、H等の不純物を脱離させることができる。
【0075】
本実施の形態の処理炉にて、CVD法により、基板を処理する際の処理条件としては、例えばHfO膜を形成する場合、処理温度:390〜450℃、処理圧力:50〜400Pa、有機金属化合物原料(TEMAH)供給流量:0.01〜0.2g/min、酸化剤(オゾンガス)供給流量:100〜3000sccmが例示される。
【0076】
本実施の形態の処理炉にて、ALD法により、基板を処理する際の処理条件としては、例えばHfO膜を形成する場合、処理温度:200〜350℃、処理圧力:50〜400Pa、有機金属化合物原料(TEMAH)供給流量:0.01〜0.2g/min、酸化剤(オゾンガス)供給流量:100〜3000sccmが例示される。
【0077】
上記実施形態においては、酸化剤として気体のオゾンガスを用いる場合について説明したが、これに限らず、酸化剤として液体のHOを用いるようにしてもよい。この場合、酸化剤としてのHOは、気体酸化剤導入口74に代えて、液体酸化剤スプレーノズル72から処理室16内へ供給される。
【0078】
また、ウエハ14上に酸化ジルコニウム(ZrO)膜を形成する場合、有機金属化合物原料(Zr原料)としては、例えば、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(Zr[N(CH)、テトラキスジエチルアミノジルコニウム(Zr[N(C)、テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(Zr[N(C)(CH)])等を使用することができる。
【0079】
ウエハ14上にチタン酸ストロンチウム(SrTiO)膜を形成する場合、有機金属化合物原料(Sr原料)としては、例えば、ビス[1−(2−メトキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンエジオネート]ストロンニウム(Sr(METHD))、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウム(Sr[C(CH)等を使用することができる。
【0080】
上記実施形態においては、シャワーヘッド52が設けられている構成の基板処理装置について説明したが、これに限らず、基板処理装置はシャワーヘッド52を設けない構成としてもよい。また、支持台18を回転させる回転機構を設けるようにしてもよい。
【0081】
[本発明の好ましい態様]
以下に、本発明の好ましい他の態様について付記する。
【0082】
本発明の一態様によれば、処理容器内に基板を搬入する工程と、前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させる工程と、前記処理容器内に第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成する処理を行う工程と、前記処理容器内から処理済みの基板を搬出する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0083】
好ましくは、前記所定膜厚の金属含有膜を形成する処理を行う工程では、前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させる工程と、前記処理容器内を不活性ガスによりパージする工程と、前記処理容器内に第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成する工程と、前記処理容器内を不活性ガスによりパージする工程と、を1サイクルとしてこのサイクルを複数回繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成する。
【0084】
また好ましくは、前記第1の原料が、有機金属化合物、もしくは、有機金属化合物と少なくともそれより沸点の低い有機化合物の混合溶液である。
【0085】
また好ましくは、前記第2の原料が酸化剤であり、前記金属含有層が金属酸化層であり、前記金属含有膜が金属酸化膜である。
【0086】
また好ましくは、前記第2の原料が水蒸気(HO)又はオゾン(O)であり、前記金属含有層が金属酸化層であり、前記金属含有膜が金属酸化膜である。
【0087】
本発明の他の態様によれば、基板を収容する処理容器と、前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、前記処理容器内に第2の原料を供給する第2原料供給系と、前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加機構と、前記処理容器内に前記スプレーノズルより前記第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させ、前記処理容器内に前記第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成し、これを交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系、及び、前記バイアス電圧印加機構を制御する制御部と、を有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【符号の説明】
【0088】
12 処理容器
14 ウエハ
16 処理室
18 支持台
20 サセプタ
22 ヒータ
24 昇降機構
32 ウエハ搬送口
34 ゲートバルブ
36 搬送室
40 排気口
42 排気管
44 圧力調整器
48 真空ポンプ
70 液体原料スプレーノズル
72 液体酸化剤スプレーノズル
74 気体酸化剤導入口
76 パージガス導入口
80、82 スプレー電源
84 支持台電源
100 液体原料供給源
110 液体酸化剤供給源
120 気体酸化剤供給源
140 パージガス供給源
150 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器内に基板を搬入する工程と、
前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させる工程と、前記処理容器内に第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成する処理を行う工程と、
前記処理容器内から処理済みの基板を搬出する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内にスプレーノズルより金属化合物を含む第1の原料を供給する第1原料供給系と、
前記処理容器内に第2の原料を供給する第2原料供給系と、
前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加機構と、
前記処理容器内に前記スプレーノズルより前記第1の原料を供給しつつ前記スプレーノズルと前記基板間にバイアス電圧を印加することで、前記第1の原料を帯電した状態で噴霧させて前記基板に供給し、前記基板上に前記第1の原料を吸着させ、前記処理容器内に前記第2の原料を供給することで、前記基板上に吸着させた前記第1の原料と前記第2の原料とを反応させて金属含有層を形成し、これを交互に繰り返すことで、前記基板上に所定膜厚の金属含有膜を形成するように、前記第1原料供給系、前記第2原料供給系、及び、前記バイアス電圧印加機構を制御する制御部と、
を有することを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−187757(P2011−187757A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52505(P2010−52505)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】