説明

半導体装置の製造方法

【課題】製造工程中にシリサイド膜にダメージが生じるのが抑制され、良好な性能を有するシリサイド膜を備えた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、基板11上に合金膜13を形成する工程(a)と、基板11を熱処理することでシリサイド膜14を形成する工程(b)と、基板11に第1の溶液15を供給して、合金膜13のうち未反応で基板11上に残存する部分に含まれるNiを溶解させる工程(c)と、基板11に、第2の溶液18を供給して、シリサイド膜14上に保護膜19を形成する工程(d)と、基板11に塩酸を含む第3の溶液16を供給して、基板11上に残留する金属17を溶解させる工程(e)とを備えている。工程(c)では、シリサイド膜に含まれるNiと第2の溶液18とが反応することで、錯体からなる保護膜19が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリサイド膜を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)微細プロセスでは、デバイスの更なる高性能化及び低消費電力化が求められている。従来のCMOSプロセスでは、シリサイド抵抗の低抵抗化のため、シリサイド材料として例えばNiやCoを用いたNiSiやCoSiが用いられてきた。しかしながら、微細プロセスでは接合リーク電流の低減のため、Ni及びCoとSiとのシリサイド反応を抑制する必要がある。そのため、シリサイド材料として、Ni又はCoに対して例えばPt又はPdをそれぞれ混入した合金が用いられる。なかでも、シリサイド材料としてNiとPtの合金(NiPt)を用いた場合に、耐熱性の向上および接合リーク電流の抑制などの効果が期待されている。
【0003】
シリサイド化の工程では、Si基板上に合金を成膜後、熱酸化処理を施すことで合金とSiが反応してシリサイドが形成されるが、未反応の合金は除去する必要がある。ここで、例えばシリサイド材料としてNiとPtの合金(NiPt)を用いた場合、シリサイド形成後に未反応のNiPtを除去するために硫酸と過酸化水素の混合液のような酸化力を持つ酸を用いると、Niは溶解する一方で、難溶解性物質であるPtは溶解せずに基板上に残留する。このため、例えば硝酸と塩酸の混酸溶液のような、強力なエッチャント成分である塩素を含有する強酸によってPtを溶解する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、シリサイド材料としてNiとPtの合金(NiPt)を用い、強酸により未反応のPtを溶解する従来のシリサイド化の工程について、図7を参照しながら説明する。図7(a)、(b)は、従来の半導体装置のシリサイド化工程を示す断面図である。
【0005】
まず、図7(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板71のうち、シリサイド膜を形成する、シリサイド領域を除く領域(非シリサイド領域)上に、絶縁膜72を形成する。次に、半導体基板71の全面上に、シリサイド膜の材料としてNiPt合金膜73を成膜する。その後、半導体基板71に熱処理を施すことで、シリサイド領域にNiSiと、NiPtSiとからなる混晶のシリサイド膜74を形成する。
【0006】
次に、図7(b)に示すように、半導体基板71を、硝酸と塩酸の混酸溶液75に晒して、未反応で残存するNiPt合金膜73を溶解させる。
【特許文献1】特開2007−123527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術では、硝酸と塩酸の混酸溶液によって未反応のNiPtを溶解すると、混酸溶液中の塩素に起因して、NiPtSiからなるシリサイド膜74の表面が腐食してしまう。そのため、シリサイド膜74では、表面に微小な凹凸(ラフネス)形状が発生したり、シリサイド抵抗のばらつきが生じる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、製造工程中にシリサイド膜にダメージが生じるのが抑制され、良好な性能を有するシリサイド膜を備えた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法は、シリコンからなる基板上に、ニッケルと、前記ニッケルよりイオン化傾向の小さい金属とを含む合金膜を形成する工程(a)と、前記基板を熱処理することで前記シリコンと前記合金膜を反応させて、シリサイド膜を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後、前記基板に酸化性を有する第1の溶液を供給して、前記合金膜のうち未反応で前記基板上に残存する部分に含まれる前記ニッケルを溶解させる工程(c)と、前記工程(c)の後、前記基板に、前記ニッケルと錯体を形成する化合物を含む第2の溶液を供給して、前記シリサイド膜に含まれる前記ニッケルと前記化合物を反応させて錯体を生成することで、前記シリサイド膜上に前記錯体からなる保護膜を形成する工程(d)と、前記基板に塩酸を含む第3の溶液を供給することにより、前記シリサイド膜が前記保護膜に覆われた状態で、前記基板上に残留する前記金属を溶解させる工程(e)とを備えている。
【0010】
この方法によれば、工程(c)で第1の溶液を添加してニッケルのみを溶解した後、工程(d)で第2の溶液とシリサイド膜に含まれるニッケルと反応して錯体が生成して、シリサイド膜上に錯体からなる保護膜が形成される。これにより、工程(e)では、シリサイド膜が保護膜に覆われた状態で塩素を含む第3の溶液が供給されるので、シリサイド膜に含まれるニッケルの溶解を抑制しながら、残留する金属を溶解することができる。その結果、ニッケル合金からなるシリサイド膜の表面が第3の溶液により腐食したり、該シリサイド膜の表面に凹凸が発生するなどの不具合が抑制されつつ、未反応の金属を除去することができる。そのため、本発明の半導体装置の製造方法を用いれば、ニッケル合金からなるシリサイド膜が製造工程中にダメージを受け難く、微細化されても接合リーク電流が抑制され、良好な耐熱性を有する高性能なシリサイド膜を形成することができる。従って、本発明の半導体装置の製造方法では、ニッケル合金からなるシリサイド膜を備えた信頼性の高い半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、製造工程中にシリサイド膜がダメージを受けるのが抑制されるため、良好な性能を示すシリサイド膜を備えた信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(d)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0013】
まず、図1(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板11のうち、シリサイド膜を形成するシリサイド領域を除く領域(非シリサイド領域)上に、例えば不純物が導入されていない、シリコン酸化膜からなる絶縁膜12を膜厚が20nm〜70nmで成膜する。その後、半導体基板11の全面上に、例えばNiPt合金からなる合金膜13を膜厚が7〜14nmで成膜する。次いで、半導体基板11に対して、例えば200℃〜400℃で熱酸化処理を施すことで、シリサイド領域に例えば膜厚が8.5nm〜15.5nmで、NiPtSiからなるシリサイド膜14を形成する。なお、合金膜13に用いたNiPt合金のうちPtの含有量は、例えば2〜8wt%である。
【0014】
次に、図1(b)に示すように、例えば硫酸と過酸化水素水の混合溶液からなり、酸化性を有する第1の溶液15を、液温が100℃〜150℃で半導体基板11へ供給する。これにより、合金膜13のうち、図1(a)の工程でSiと反応せずに残存する部分に含まれるNiが溶解する。この時、合金膜13のうち未反応で残存する部分に含まれるPtは溶解せずに、半導体基板11の非シリサイド領域上に残留物17として残留する。なお、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)の混合溶液は、例えば、濃度比がHSO:H=1:1〜5:1の範囲である。
【0015】
次に、図1(c)に示すように、第2の溶液18として希釈アンモニア水を液温が25℃〜50℃で半導体基板11へ供給する。これにより、希釈アンモニア水のアミノ基と、シリサイド膜14表面に含まれるNiとが反応することで、[Ni(NH]2+からなる錯体が選択的に生成する。その結果、シリサイド膜14上には、[Ni(NH](OH)からなる保護膜19が形成される。この時、非シリサイド領域では、Ptの残留物17が残留したままである。なお、第2の溶液18として用いた希釈アンモニア水は、例えばpHが7以上且つ9以下である。
【0016】
次に、図1(d)に示すように、第3の溶液16として、例えば硝酸と塩酸との混合溶液を液温が30℃〜60℃で半導体基板11へ供給する。これにより、非シリサイド領域上に残留するPtの残留物17が溶解される。この時、シリサイド膜14の表面は、保護膜19により覆われているため、塩酸を含む第3の溶液16によるシリサイド膜14内のNiの溶解は抑制される。なお、硝酸と塩酸の混合溶液は、例えば、濃度比がHNO:HCl=1:1〜1:3の範囲である。
【0017】
続いて、図示は省略するが、錯体からなる保護膜19を除去する。保護膜19を除去するための方法としては、例えば温度が70℃以上、且つ、90℃以下の温水を用いて洗浄処理を3分以上行う、又は、150℃以上、且つ、250℃以下の範囲の温度で半導体基板11を熱酸化処理する方法が挙げられる。なお、本工程は必ずしも行う必要はなく、例えば以降の工程で半導体基板11上に層間絶縁膜を形成する場合、通常300℃以上の温度で成膜が行われるため、この層間絶縁膜の形成工程で錯体からなる保護膜19を除去することが可能である。従って、本実施形態の製造方法では、保護膜19を除去するための特別な処理工程を別途設けなくても保護膜19は除去されるため、残存する保護膜19の影響によりデバイス特性が劣化するのを防止することができる。
【0018】
本実施形態の半導体装置の製造方法の特徴は、図1(b)に示す工程で、合金膜13に含まれるNiを選択的に溶解させる第1の溶液15を供給した後、図1(c)に示す工程で、シリサイド膜14内のNiと反応して錯体を形成可能な第2の溶液18を供給することにある。この方法によれば、第1の溶液15により合金膜13のうち未反応で残存する部分に含まれるNiのみを除去した後、第2の溶液18とシリサイド膜14内のNiとが反応して錯体が生成され、シリサイド膜14上に錯体からなる保護膜19が形成される。これにより、図1(d)に示す工程では、シリサイド膜14が保護膜19で覆われた状態で塩素を含む第3の溶液16が供給されるので、シリサイド膜14に含まれるNiの溶解を抑制しながら、未反応で残存するPtを溶解することができる。その結果、ニッケル合金からなるシリサイド膜14の表面が第3の溶液16により腐食したり、該シリサイド膜14の表面に凹凸が発生するなどの不具合が抑制されつつ、未反応の合金膜13を除去することができる。そのため、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いれば、ニッケル合金からなるシリサイド膜が製造工程中にダメージを受け難く、微細化されても接合リーク電流が抑制され、良好な耐熱性を有する高性能なシリサイド膜を形成することができる。従って、本実施形態の半導体装置の製造方法では、ニッケル合金からなるシリサイド膜を備えた信頼性の高い半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
【0019】
ここで、[Ni(NH](OH)からなる保護膜19が形成されると、図1(d)に示す工程で保護膜19内のNiの溶解が抑制される理由について以下に説明する。
【0020】
ニッケルとアンモニア(NH)水が反応すると、NHの非共有電子対がNiに配位して共有結合が形成されることで、錯体[Ni(NH]2+が生成される。一方、Niと塩酸とが反応する場合、ニッケルイオン(Ni2+)と塩化物イオン(Cl)が静電引力によりイオン結合してNiClが生成される。一般に、イオン結合より共有結合の方が結合力が強く安定である。そのため、強固な共有結合をしている錯体[Ni(NH]2+に対して塩酸が供給されても、ニッケルとClとの反応は進行しにくい。従って、図1(d)に示す工程で塩酸を含む第3の溶液16が供給されても、錯体からなる保護膜19に含まれるニッケルの溶出は抑制され、シリサイド膜14は保護膜19に十分に覆われる状態となるので、シリサイド膜14内のニッケルが溶出してシリサイド膜14の表面に凹凸が生じるなどの不具合を防ぐことができる。
【0021】
なお、本実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の溶液15としては、硫酸と過酸化水素の混合溶液を用いたが、これに限定されるものではなく、酸化性を有する溶液であればよい。特に、硫酸、硝酸、酢酸、又は燐酸のうちいずれか1つと、過酸化水素との混合溶液であれば、未反応で残留する合金膜13に含まれる金属(ニッケル)を効率良く溶解できるため好ましい。
【0022】
また、第2の溶液18としては、ニッケルと錯体を形成する化合物を有する溶液を用いる。ここで、第2の溶液18として、アミノ基を有する溶液を用いた場合、Niと反応して容易に錯体を形成するため好ましい。この場合、第2の溶液18のpHは7以上且つ9以下の範囲であれば好ましい。なお、アミノ基を有する溶液としては、アンモニア水に限定されるものではなく、例えばメチルアミン(CHNH)水、エチルアミン(CHCHNH)水、ヘキサメチレンジアミン(HN−(CH−NH)水、テトラメチルエチレンジアミン((CHNCHCHN(CH)水などの溶液を用いても、本実施形態の製造方法と同様の効果が得られる。
【0023】
また、第3の溶液16としては、塩酸と硝酸の混酸溶液に限定されるものではなく、Ptを溶解できる溶液であればよい。塩酸と硝酸の混酸溶液の代わりに、例えば、塩酸と過酸化水素の混合溶液、又は、単に塩酸を用いても、本実施形態の製造方法と同様の効果が得られる。なお、塩酸のみを用いる場合、例えば濃塩酸に水を添加したものを用いてもよい。
【0024】
以下に、本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明する。図2は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の膜厚の評価結果を示す図である。また、図3は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の抵抗値の評価結果である。
【0025】
図2に示すAは、シリサイド膜を形成する工程(シリサイド膜形成)と、硝酸と塩酸の混酸溶液を用いて未反応の合金膜を除去する工程(混酸溶液処理)とを行う従来の方法において、各工程後のシリサイド膜の膜厚をそれぞれ測定した結果である。 図2に示すBは、本実施形態の半導体装置の製造方法に係る、図1(a)に示すシリサイド膜を形成する工程(シリサイド膜形成)、図1(b)に示す硫酸と過酸化水素の混合溶液を供給する工程(混合溶液処理)、及び図1(c)に示す硝酸と塩酸の混酸溶液を供給する工程(混酸溶液処理)において、各工程後にシリサイド膜の膜厚をそれぞれ測定した結果である。
【0026】
図2に示すように、従来の方法Aでは、硝酸と塩酸の混酸溶液で処理すると、シリサイド膜の膜厚は、シリサイド膜形成後の膜厚に比べて約2.5nm減少している。この膜厚の減少は、シリサイド膜に含まれるNiが塩酸と反応して、Ni2+となって溶解したためだと考えられる。一方、本実施形態の半導体装置の製造方法Bでは、混酸溶液処理を行った後も、シリサイド膜の膜厚はシリサイド膜形成後の膜厚と比べてほとんど変化していない。これは、従来の方法とは異なり、シリサイド膜の表面のNiが塩酸と反応してNi2+となる、ニッケルの溶出現象が抑制されたためと考えられる。
【0027】
また、図3は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜のシート抵抗値のばらつきを評価した結果である。図3に示すAは、図2に示すAと同様にして、従来の方法を用いて形成したシリサイド膜を複数個準備し、該複数個のサンプルのシート抵抗値をそれぞれ測定した結果である。図3に示すBは、本実施形態の製造方法を用いて形成されたシリサイド膜のサンプルを複数個準備し、該複数個のサンプルのシート抵抗値をそれぞれ測定した結果である。図3より、従来の方法Aで作製したシリサイド膜のシート抵抗値はバラツキが大きいが、本実施形態の製造方法Bで作製したシリサイド膜のシート抵抗値はバラツキがほとんど見られない。具体的には、従来の方法Aに対して、本実施形態の製造方法Bでは、シリサイド膜のシート抵抗値のバラツキの均一性が86%改善している。ここで、バラツキの均一性X(%)の詳細な算出方法を以下に説明する。
【0028】
バラツキの均一性X(%)は、複数個のサンプルのシート抵抗値の測定結果のうち、最大値、最小値、及び平均値を用いて式1により算出される。
X(%)=1/2×(最大値−最小値)/平均値 ×100 ・・・(式1)
この式1により、従来の方法Aにおけるシート抵抗値のバラツキの均一性X(%)と、本実施形態の製造方法Bにおけるシート抵抗値のバラツキの均一性X(%)をそれぞれ求めると、X(%)=1/2×(270000−20000)/84000×100=148.8(%)、X(%)=1/2×(30000−2000)/24000×100=20.8(%)となる。従って、従来の方法Aに対する本実施形態の製造方法Bのバラツキの均一性の改善率(%)は、[(X−X)/X]×100=[(148.8−20.8)/148.8]×100=86(%)となる。
【0029】
なお、本実施形態の製造方法Bでは、従来の製造方法Aに比べて、低抵抗なシリサイド膜が得られる。以上の結果より、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いると、比較的低抵抗で、良好な性能を示すシリサイド膜を安定に形成でき、信頼性の高い半導体装置を歩留まり良く向上させることができる。
【0030】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図4(a)〜(d)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0031】
まず、図4(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板41のうち、シリサイド膜を形成しない非シリサイド領域上に、例えば不純物が導入されていない、シリコン酸化膜からなる絶縁膜42を膜厚が20〜70nmで成膜する。その後、半導体基板41の全面上に、例えばNiPt合金からなる合金膜43を膜厚が7〜14nmで成膜する。次いで、半導体基板41に対して、例えば200℃〜400℃の熱酸化処理を施すことで、シリサイド領域に例えば膜厚が8.5nm〜15.5nmで、NiPtSiからなるシリサイド膜44を形成する。なお、合金膜43に用いたNiPt合金のうちPtの含有量は、例えば2〜8wt%である。
【0032】
次に、図4(b)に示すように、例えば硫酸と過酸化水素水の混合溶液からなり、酸化性を有する第1の溶液45を、液温が100℃〜150℃で半導体基板41へ供給する。これにより、合金膜13のうち、図4(a)の工程でSiと反応せずに残存する部分に含まれるNiが溶解する。この時、合金膜43のうち未反応で残存する部分に含まれるPtは溶解せずに、半導体基板41の非シリサイド領域上に残留物47として残留する。なお、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)の混合溶液は、例えば、濃度比がHSO:H=1:1〜5:1の範囲である。
【0033】
次に、図4(c)に示すように、第2の溶液46として、例えば塩酸と硝酸の混酸溶液の希釈液に、NaCN(シアン化ナトリウム)を例えば濃度が1ppm〜100ppmの範囲となるように混合した混合溶液を半導体基板41へ供給する。この時、塩酸と硝酸の混酸溶液は、例えば液温が30〜60℃で、濃度比がHNO:HCl=1:1〜1:3の範囲である。本工程では、塩酸と硝酸の混酸溶液にNaCNを添加した混合溶液を第2の溶液46として用いることで、シアノ基(CN)とシリサイド膜44に含まれるNiとが反応することにより、[Ni(CN)2−からなる錯体が選択的に生成する。その結果、シリサイド膜44上には、H[Ni(CN)]及びNa[Ni(CN)]からなる保護膜48が形成される。この時、第2の溶液46には塩酸と硝酸の混酸溶液が含まれているため、保護膜48が形成されるとともに、非シリサイド領域に残留するPtの残留物47も溶解される。なお、本工程で保護膜48の形成と残留物47の溶解が同時に起こる理由については、後で説明する。
【0034】
続いて、図示は省略するが、錯体からなる保護膜48を除去する。保護膜48を除去するための方法としては、例えば温度が70℃以上、且つ、90℃以下の温水を用いて洗浄処理を3分以上行う、又は、150℃以上、且つ、250℃以下の範囲の温度で半導体基板41を熱酸化処理する方法が挙げられる。なお、本工程は必ずしも行う必要はなく、例えば以降の工程で半導体基板41上に層間絶縁膜を形成する場合、通常300℃以上の温度で成膜が行われるため、この層間絶縁膜の形成工程で保護膜48を除去することが可能である。従って、本実施形態の半導体装置の製造方法では、保護膜48を除去するための特別な処理工程を別途設けなくて保護膜48は除去されるため、残存する保護膜48の影響によりデバイス特性が劣化するのを防止することができる。
【0035】
本実施形態の半導体装置の製造方法の特徴は、図4(b)に示す工程で、合金膜43に含まれるNiを選択的に溶解させる第1の溶液45を供給した後、図4(c)に示す工程で、シリサイド膜44内のNiと反応して錯体を形成可能な第2の溶液46を供給することにある。この方法によれば、第1の実施形態の製造方法と同様にして、第1の溶液45により合金膜43のうち未反応で残存する部分に含まれるNiのみを除去した後、第2の溶液46とシリサイド膜44内のNiとが反応して錯体が生成され、シリサイド膜44上に錯体からなる保護膜48が形成される。さらに、本実施形態の製造方法では、第2の溶液46に塩酸と硝酸の混酸溶液が含まれている。これにより、図4(c)に示す工程では、シリサイド膜44上に保護膜48を形成しつつ、塩酸と硝酸の混酸溶液により未反応で残存するPtを溶解することができる。その結果、ニッケル合金からなるシリサイド膜44の表面が混酸溶液により腐食したり、該シリサイド膜44の表面に凹凸が発生するなどの不具合が抑制されつつ、未反応の合金膜43を効率良く除去することができる。そのため、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いれば、ニッケル合金からなるシリサイド膜が製造工程中にダメージを受け難く、微細化されても接合リークが抑制され、良好な耐熱性を有する高性能なシリサイド膜を形成することができる。従って、本実施形態の半導体装置の製造方法では、ニッケル合金からなるシリサイド膜を備えた信頼性の高い半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の製造方法では、第1の実施形態の製造方法とは異なり、第2の溶液46として、混酸溶液にシアノ基を含む塩を混入した溶液を用いることで、錯体からなる保護膜48を形成するとともに、残留物47のPtを溶解することができる。これにより、シリサイド膜44上に錯体を形成する工程を別途設けることなく、第1の実施形態の製造方法と同様な効果が得られるため、半導体プロセスのスループットが向上し、効率的に信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0037】
以下、図4(c)に示す工程で、保護膜48の形成と残留物47の溶解が同時に起こる理由について、PtとNiが溶解するメカニズムの観点から説明する。
【0038】
最初に、硝酸と塩酸の混酸溶液によるPtの溶解では、式2の反応により、塩化ニトロシル(NOCl)が生成する。
HNO+3HCl → NOCl+Cl+2HO ・・・(式2)
【0039】
次に、生成したNOClがPtと反応することで塩化白金酸イオン([PtCl]2−)が形成され、Ptは溶解する。これにより、図4(c)に示す工程では、Ptからなる残留物47が除去される。ここで、本実施形態の製造方法のように、第2の溶液46として混酸溶液にシアノ基を含む塩(NaCN)が添加された混合溶液を用いた場合、CN基はシアン化イオン(CN)として陰イオンとなり混合溶液中に存在している。この負電荷を有するシアン化イオンは、負電荷を有する塩化白金酸イオン([PtCl]2−)とは電荷的に反発し合うため、錯体は形成されない。
【0040】
一方、シリサイド膜44に含まれるNiは、塩酸のClと反応してNi2+となり溶解する。この正電荷を有するNi2+は、負電荷を有するCNと電気的に引き合って、[Ni(CN)2−からなる錯体を形成する。その結果、シリサイド膜44上にH[Ni(CN)]及びNa[Ni(CN)]からなる保護膜48が形成される。ここで、保護膜48が形成されても、保護膜48に含まれるNiはClの影響を受けにくい。これは、第1の実施形態で説明したように、Niと塩酸との反応生成物であるNiClがイオン結合をするのに対して、[Ni(CN)2−が共有結合をするからである。一般的に、イオン結合より共有結合の方が結合力が強く安定である。そのため、強固な共有結合をしている錯体[Ni(CN)2−に対して塩酸が供給されても、ニッケルとClとの反応は進行しにくく、H[Ni(CN)]及びNa[Ni(CN)]からなる保護膜48に含まれるニッケルの溶解は抑制される。
【0041】
以上説明したように、図4(c)に示す工程では、第2の溶液46が供給されることで、塩化白金酸イオン([PtCl]2−)となってPtが溶解するとともに、シリサイド膜44上にH[Ni(CN)]及びNa[Ni(CN)]からなる保護膜48が形成される。
【0042】
ここで、本実施形態の半導体装置の製造方法では、ニッケルに配位する配位子として、シアノ基(CN)を用いている。シアノ基は負電荷を有し、溶解させたい金属(Pt)に対して同電荷である一方、保護したい金属(Ni)に対しては異電荷である。このような配位子を用いることで、錯体形成の選択性が高められるとともに、Ptの除去とNiの保護を同じ工程で行うことができる。
【0043】
また、シリサイド膜44上に形成された保護膜48を構成する錯体としては、シリサイド膜44の表面を十分に保護するために、シリサイド膜44に対する吸着性が高いことが好ましい。ここで、シアノ基は電気陰性度の高いNを有するため、C−N間で強い極性を持つ。このCN基を配位子とする錯体[Ni(CN)2−は、Niに対してシアノ基が平面状に結合するため、錯体[Ni(CN)2−は、平面構造となる。つまり、錯体[Ni(CN)2−は、極性を持ち、且つ、平面構造を有する錯体である。その結果、シリサイド膜上に錯体[Ni(CN)2−が形成されると、錯体[Ni(CN)2−の極性によりシリサイド膜44上に静電誘導が生じ、錯体[Ni(CN)2−はシリサイド膜上に電気的に吸着しやすくなる。これにより、シリサイド膜44の表面は錯体からなる保護膜48に十分に保護されるため、シリサイド膜44に含まれるニッケルがCl又はCNと過度に反応するのを防止することができる。
【0044】
なお、本実施形態の製造方法では、第2の溶液46として、塩酸と硝酸の混酸溶液にNaCNを添加した混合溶液を用いたが、これに限定されるものではなく、少なくともニッケルと錯体を形成する化合物及び塩酸が含まれる溶液であればよい。これにより、シリサイド膜44上に錯体からなる保護膜48を形成しつつ、非シリサイド領域に残留する残留物47を除去できる。特に、ニッケルと錯体を形成する化合物として、シアノ基を含む塩であれば、上述したように、ニッケルと選択的に錯体を形成するため好ましい。具体的な材料としては、シアン化ナトリウム(NaCN)以外にも、シアン化セシウム(CeCN)、シアン化カリウム(KCN)、フェロシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、フェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])などを用いても本実施形態の製造方法と同様の効果が得られる。一方、残留する残留物47(Pt)を除去するための溶液としては、塩酸と硝酸の混酸溶液に限定されるものではなく、例えば、塩酸と過酸化水素の混合溶液、又は、単に塩酸を用いても、本実施形態の製造方法と同様の効果が得られる。なお、塩酸のみを用いる場合、例えば濃塩酸に水を添加したものを用いてもよい。
【0045】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の溶液45として、硫酸と過酸化水素の混合溶液を用いたが、これに限定されるものではなく、酸化性を有する溶液であればよい。特に、硫酸、硝酸、酢酸、又は燐酸のうちいずれか1つと、過酸化水素との混合溶液であれば、未反応で残留する合金膜43に含まれるニッケルを効率良く溶解できるため好ましい。
【0046】
以下に、本実施形態の半導体装置の製造方法の効果を説明する。図5は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の膜厚の評価結果を示す図である。また、図6は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の抵抗値の評価結果である。
【0047】
図5に示すAは、シリサイド膜を形成する工程(シリサイド膜形成)と、硝酸と塩酸の混酸溶液を用いて未反応の合金膜を除去する工程(混酸溶液処理)とを行う従来の方法において、各工程後のシリサイド膜の膜厚をそれぞれ測定した結果である。図5に示すBは、本実施形態の半導体装置の製造方法に係る、図4(a)に示すシリサイド膜を形成する工程(シリサイド膜形成)と、図4(b)に示す硫酸と過酸化水素の混合溶液を供給する工程(混合溶液処理)、及び図4(c)に示す硝酸と塩酸の混酸溶液にNaCNを混合した混酸溶液を供給する工程(混酸溶液処理)において、各工程後にシリサイド膜の膜厚をそれぞれ測定した結果である。
【0048】
図5に示すように、従来の方法Aでは、塩酸と硝酸の混酸溶液で処理すると、シリサイド膜の膜厚は、シリサイド膜形成後の膜厚に比べて約2.7nm減少している。この膜厚の減少は、シリサイド膜に含まれるNiが塩酸と反応して、Ni2+となって溶解したためだと考えられる。一方、本実施形態の製造方法Bでは、混酸溶液処理を行った後も、シリサイド膜の膜厚はシリサイド膜形成後の膜厚と比べてほとんど変化していない。これは、従来の方法とは異なり、シリサイド膜の表面のNiが塩酸と反応してNi2+となる、ニッケルの溶出現象が抑制されたためと考えられる。
【0049】
また、図6は、本実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜のシート抵抗値のばらつきを評価した結果である。図6に示すAは、図5に示すAと同様にして、従来の方法を用いて形成したシリサイド膜を複数個準備し、該複数個のサンプルのシート抵抗値をそれぞれ測定した結果である。図6に示すBは、本実施形態の製造方法を用いて形成されたシリサイド膜のサンプルを複数個準備し、該複数個のサンプルのシート抵抗値をそれぞれ測定した結果である。図6より、従来の方法Aで作製したサンプルのシート抵抗値はバラツキが大きいが、本実施形態の製造方法Bで作製したシリサイド膜のシート抵抗値はバラツキがほとんど見られない。具体的には、従来の方法Aに対して、本実施形態の製造方法Bでは、シリサイド膜のシート抵抗のバラツキの均一性が83%改善している。
【0050】
ここで、バラツキの均一性X(%)の詳細な算出方法を以下に説明する。バラツキの均一性X(%)は、上述したように、シート抵抗値の測定値の最大値、最小値、及び平均値を用いて式1(第1の実施形態を参照)により算出される。式1を用いて、従来の方法Aにおけるシート抵抗値のバラツキの均一性X(%)と、本実施形態の製造方法Bにおけるシート抵抗値のバラツキの均一性X(%)をそれぞれ求めると、X(%)=1/2×(230000−20000)/85000×100=123.5(%)、X(%)=1/2×(29000−2000)/22000×100=20.5(%)となる。従って、従来の方法Aに対する本実施形態の製造方法Bのバラツキの均一性の改善率(%)は、[(X−X)/X]×100=[(123.5−20.5)/123.5]×100=83(%)となる。
【0051】
なお、本実施形態の製造方法Bでは、従来の方法Aに比べて低抵抗なシリサイド膜が得られる。以上の結果より、本実施形態の半導体装置の製造方法を用いると、比較的低抵抗で良好な性能を示すシリサイド膜を安定に形成でき、信頼性の高い半導体装置を歩留まり良く製造することができる。
【0052】
なお、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態では、合金膜としてニッケルに白金(Pt)が含有されたニッケル合金を用いたが、これに限定されるものではなく、ニッケルに、例えばパラジウム(Pd)などのニッケルよりもイオン化傾向の小さい金属が含有された合金膜を用いても、本発明と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の半導体装置の製造方法は、合金膜からなるシリサイド膜を備えた半導体装置の高性能化に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の膜厚を示す図である。
【図3】は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜のシート抵抗を示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜の膜厚の評価結果を示すグラフである。
【図6】は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法に係るシリサイド膜のシート抵抗を示す結果である。
【図7】(a)、(b)は、従来の半導体装置のシリサイド工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0055】
11 半導体基板
12 絶縁膜
13 合金膜
14 シリサイド膜
15 第1の溶液
16 第3の溶液
17 残留物
18 第2の溶液
19 保護膜
41 半導体基板
42 絶縁膜
43 合金膜
44 シリサイド膜
45 第1の溶液
46 第2の溶液
47 残留物
48 保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンからなる基板上に、ニッケルと、前記ニッケルよりイオン化傾向の小さい金属とを含む合金膜を形成する工程(a)と、
前記基板を熱処理することで前記シリコンと前記合金膜を反応させて、シリサイド膜を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後、前記基板に酸化性を有する第1の溶液を供給して、前記合金膜のうち未反応で前記基板上に残存する部分に含まれる前記ニッケルを溶解させる工程(c)と、
前記工程(c)の後、前記基板に、前記ニッケルと錯体を形成する化合物を含む第2の溶液を供給して、前記シリサイド膜に含まれる前記ニッケルと前記化合物を反応させて錯体を生成することで、前記シリサイド膜上に前記錯体からなる保護膜を形成する工程(d)と、
前記基板に塩酸を含む第3の溶液を供給することにより、前記シリサイド膜が前記保護膜に覆われた状態で、前記基板上に残留する前記金属を溶解させる工程(e)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記金属は、白金又はパラジウムであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(e)は、前記工程(d)の後に行い、
前記第2の溶液に含まれる前記化合物は、アミノ基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2の溶液は、pHが7以上、且つ、9以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2の溶液は、アンモニア水、メチルアミン水、エチルアミン水、ヘキサメチレンジアミン水、及びテトラメチルエチレンジアミン水から選ばれた1つであることを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の溶液に含まれる前記化合物は、シアノ基を有する塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記化合物は、シアン化ナトリウム、シアン化セシウム、シアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、及びフェリシアン化カリウムから選ばれた1つであることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(d)と前記工程(e)は同時に行い、前記第2の溶液と前記第3の溶液との混合溶液を用いて、前記シリサイド膜上に前記シアノ基及び前記ニッケルを含む錯体からなる前記保護膜を形成するとともに、前記基板上に残留する前記金属を溶解させることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記混合溶液は、前記シアノ基を有する塩及び前記塩酸を含む溶液であり、
前記シアノ基を有する塩の濃度は、1ppm以上100ppm以下であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(e)の後、前記保護膜を除去する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(f)では、前記基板に対して70度以上、且つ、90度以下の温水を用いて洗浄処理する、又は、150度以上、且つ、250度以下で熱酸化処理することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1の溶液は、硫酸、硝酸、酢酸、又は燐酸のうちいずれか1つと、過酸化水素との混合溶液であることを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第3の溶液は、塩酸と硝酸の混合溶液、塩酸と過酸化水素の混合溶液、又は濃塩酸と水の混合溶液であることを特徴とする請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−176818(P2009−176818A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11527(P2008−11527)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】