説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体パッケージの修理或いは交換を容易にするとともに、はんだバンプのはんだ量の調節に要求される精度を低くし半導体装置の実装信頼性を高める。
【解決手段】半導体パッケージ10の電極11と回路基板20の基板電極21とを相互に電気的に接続するはんだバンプ30を有する。半導体パッケージ10と回路基板20の間に配置されている絶縁シート40を有する。絶縁シート40には、複数の電極11と夫々対応する配置の複数の貫通穴41が、半導体パッケージ10側から回路基板20側へ貫通して形成されている。複数のはんだバンプ30夫々は、対応する一の電極11と、対応する一の基板電極21と、を対応する一の貫通穴41を介して接続しているとともに、当該一の貫通穴41の内周から離間している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
BGA(Ball Grid Array)等の半導体パッケージをプリント基板等の回路基板に搭載する際には、プリント基板の各電極(パッド)と回路基板の各電極(パッド)とを電気的及び機械的に接続する。この接続は、リフロー装置の炉内で加熱することによって、半導体パッケージの電極上に予めはんだにより形成されたバンプを溶融させた後で、冷却固化させることにより行う。この後で、半導体パッケージと回路基板との間にアンダーフィル樹脂を注入し、このアンダーフィル樹脂を硬化させることにより、回路基板への半導体パッケージの実装が完了する。
【0003】
このような実装後に、半導体パッケージを修理或いは交換するために、該半導体パッケージを回路基板から取り外す必要が発生した場合、はんだバンプを再溶融させて半導体パッケージを回路基板から引き剥がず必要がある。しかし、アンダーフィル樹脂は密着性が強く取り外しが困難である。
【0004】
特許文献1には、アンダーフィル樹脂の代わりに絶縁シートを介してBGAとプリント基板とを接合する技術が記載されている。BGAの片面には複数のパッドがマトリクス状の配置で形成され、これらパッド上にははんだバンプが設けられている。また、プリント基板の片面には複数のパッドがBGAのパッドと対応する配置で形成され、絶縁シートには、円柱状又は樽状の複数の貫通穴が、BGAのパッドと対応する配置で形成されている。
特許文献1の技術において、BGAをプリント基板に接続させるためには、まず、フラックスをプリント基板の各パッドに塗布した後で、絶縁シートの貫通穴がBGAのはんだバンプ及びプリント基板の各パッドと同位置に重なるように、BGAとプリント基板とにより絶縁シートを挟み込む。次に、リフロー装置でBGAとプリント基板とを加熱する。この加熱により、各はんだバンプが溶融し、各々が貫通穴の形状のとおりに収まるとともに、プリント基板のパッドに濡れ広がり、BGAの各パッドとプリント基板の各パッドとがはんだを介して電気的及び機械的に接続される。なお、各はんだは、隣りに位置するはんだとは絶縁シートにより相互に絶縁されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−223463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構造では、はんだが絶縁シートの貫通穴の内周の全面に密着する構造になっているため、絶縁シートとはんだとの接着が強固である。このため、絶縁シートをBGAから取り外すこと、並びに、絶縁シートの貫通穴からはんだを取り外すことが困難である。BGAの修理或いは交換の際には、絶縁シートをBGAから取り外すことと、又は、絶縁シートの貫通穴からはんだを取り外すことが必要であるため、特許文献1の構造では、BGAの修理或いは交換が困難である。
また、特許文献1のようにはんだを貫通穴の形状のとおりに該貫通穴内に収めるためには、はんだバンプのはんだ量を高精度に調節する必要がある。このため、はんだ量が不足する場合にははんだバンプが回路基板の電極に達せずに、BGAの電極と回路基板の電極との電気的接続が不良となる可能性がある。また、はんだ量が多すぎる場合には、貫通穴からはみ出したはんだによって、例えば回路基板の隣り合う電極同士が短絡する可能性がある。よって、半導体装置の実装信頼性が十分でない。
【0007】
このように、BGA等の半導体パッケージの修理或いは交換を容易にするとともに、はんだバンプのはんだ量の調節に要求される精度を低くし半導体装置の実装信頼性を高めることは困難だった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一方の面に複数の電極を有する半導体パッケージと、
前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の基板電極を一方の面に有する回路基板と、
前記複数の電極夫々に対応する複数のはんだバンプと、
前記半導体パッケージと前記回路基板との間に配置され、前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の貫通穴が前記半導体パッケージ側から前記回路基板側へ貫通して形成されている絶縁シートと、
を有し、
前記複数のはんだバンプ夫々は、対応する一の前記電極と、対応する一の前記基板電極と、を対応する一の前記貫通穴を介して接続しているとともに、当該一の前記貫通穴の内周から離間していることを特徴とする半導体装置を提供する。
【0009】
この半導体装置によれば、複数のはんだバンプは、夫々対応する貫通穴の内周から離間しているので、半導体パッケージの修理或いは交換の際に、絶縁シートを半導体パッケージから容易に取り外すことできるとともに、絶縁シートの貫通穴からはんだを容易に取り外すことができる。よって、半導体パッケージの修理或いは交換が容易となる。
また、はんだ量の調節精度が低くても良いので、はんだ量の不足が生じにくく、その結果、半導体パッケージの電極と回路基板の基板電極との電気的接続が不良となる可能性を低減することができる。また、はんだ量の調節精度が低くても良いので、はんだ量が過多となることも起こりにくく、その結果、隣り合う基板電極或いは隣り合う電極同士が短絡する可能性も低減することができる。よって、半導体装置の実装信頼性を向上することができる。
このように、半導体パッケージの修理或いは交換を容易にするとともに、はんだバンプのはんだ量の調節に要求される精度を低くし半導体装置の実装信頼性を高めることができる。
【0010】
また、本発明は、半導体パッケージの一方の面に設けられた複数の電極と、前記複数の電極夫々に対応して配置され回路基板の一方の面に設けられた複数の基板電極と、のうちの何れかに夫々はんだバンプを形成する工程と、
前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の貫通穴が、前記半導体パッケージ側から前記回路基板側へ貫通して形成されている絶縁シートを、前記半導体パッケージと前記回路基板とにより挟み込むとともに、前記形成された複数のはんだバンプ夫々を対応する一の貫通穴内に入り込ませる工程と、
前記複数のはんだバンプを加熱溶融させて、前記複数のはんだバンプ夫々が対応する前記貫通穴の内周から離間するように、前記複数の電極夫々と、前記複数の電極夫々に対応する前記基板電極とを、前記複数のはんだバンプのうち対応する一のはんだバンプを介して接続させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、半導体パッケージの修理或いは交換を容易にするとともに、はんだバンプのはんだ量の調節に要求される精度を低くし半導体装置の実装信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】実施形態に係る半導体装置が有する絶縁シートの構成を示す図である。
【図3】絶縁シートの貫通穴の形状に応じた利点を説明するための図である。
【図4】実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための一連の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0014】
図1は実施形態に係る半導体装置100の構成を示す模式的な断面図である。図2は半導体装置100が有する絶縁シート40の構成を示す図であり、このうち(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った矢視断面図である。
【0015】
本実施形態に係る半導体装置100は、一方の面に複数の電極を有する半導体パッケージ10と、複数の電極11夫々に対応して配置された複数の基板電極21を一方の面に有する回路基板20と、複数の電極11夫々に対応する複数のはんだバンプ30と、を有している。更に、半導体パッケージ10と回路基板20との間に配置され、複数の電極11夫々に対応して配置された複数の貫通穴41が半導体パッケージ10側から回路基板20側へ貫通して形成されている絶縁シート40を有している。複数のはんだバンプ30夫々は、対応する一の電極11と、対応する一の基板電極21と、を対応する一の貫通穴41を介して接続しているとともに、当該一の貫通穴41の内周から離間している。
以下、詳細に説明する。
【0016】
半導体パッケージ10は、例えば、BGA(Ball Grid Array)型パッケージ、或いは、フリップチップ型パッケージ等である。この半導体パッケージ10の一方の面には、複数の電極11が、例えばマトリクス状の配置で設けられている。これら電極11は、例えば、電極パッドであり、それぞれ下層配線に接続されている。
同様に、回路基板20の一方の面には、複数の基板電極21が、例えばマトリクス状の配置で設けられている。基板電極21は、例えば、ランドであり、それぞれ下層配線に接続されている。
電極11と基板電極21とは、1対1で対応しており、各電極11と、それぞれ対応する基板電極21とは、互いに対向している。
各電極11は、それぞれ対応するはんだバンプ30を介して、対応する基板電極21と電気的に接続されている。
【0017】
絶縁シート40は、半導体パッケージ10と回路基板20との間に介在している。絶縁シート40は、例えば、透明又は半透明の熱硬化性エポキシ樹脂などの絶縁性高分子材料により構成された、シート状又はフィルム状のものである。絶縁シート40の外形寸法は半導体パッケージ10の外形寸法とほぼ同等である。絶縁シート40の厚さははんだバンプ30の高さと同等か、或いは、はんだバンプ30の高さよりも若干薄い。
【0018】
絶縁シート40には、複数の貫通穴41が、例えばマトリクス状の配置で設けられ、これら貫通穴41は、電極11と1対1で対応している。従って、貫通穴41は、基板電極21とも1対1で対応している。
各貫通穴41内には、対応するはんだバンプ30が配置されている。
【0019】
ここで、図1に示すように、各はんだバンプ30の外径(外寸)は、貫通穴41の内径(内寸)よりも小さく設定され、各はんだバンプ30は、対応する貫通穴41の内周から離間している(該内周に接触していない)。換言すれば、各はんだバンプ30と、対応する貫通穴41の内周との間にクリアランスが存在する。具体的には、例えば、はんだバンプ30の外径aと貫通穴41の内径bとの比a/bが0.9以下であることが好ましい。この比a/bは、必要に応じて、0.7以下とすることも好ましい。
このように、はんだバンプ30が貫通穴41の内周から離間していることにより、半導体パッケージ10と回路基板20との取り外しが容易となり、半導体パッケージ10の修理或いは交換等が容易になる。
【0020】
本実施形態の場合、貫通穴41は、例えば、図2に示すように四角筒状とすることができ、この場合、貫通穴41の平面形状は四角形(具体的には、例えば、正方形)である。
なお、貫通穴41は、円筒状等、その他の形状にしても良い。
【0021】
貫通穴41を四角筒状にする場合と円筒状にする場合とでは、それぞれの利点がある。
図3は絶縁シート40の貫通穴41の形状に応じた利点を説明するための図である。このうち図3(a)は、貫通穴41が四角筒状である場合において、貫通穴41とはんだバンプ30との位置関係を示す平断面図である。同様に、図3(b)は、貫通穴41が円筒状である場合において、貫通穴41とはんだバンプ30との位置関係を示す平断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、貫通穴41が四角筒状である場合と円筒状である場合とで、隣り合う貫通穴41の間隔cが互いに等しければ、はんだバンプ30と貫通穴41の内周との最大距離dは、貫通穴41が四角筒状である場合の方が大きくなる。このため、貫通穴41が四角筒状である場合の方が、はんだバンプ30と貫通穴41の内周とのクリアランスを確保しやすくなる。更に、貫通穴41が四角筒状である場合の方が、絶縁シート40と半導体パッケージ10との接着面積を小さくできるので、絶縁シート40から半導体パッケージ10を取り外し易くなる。また、貫通穴41が四角筒状である場合の方が、絶縁シート40の材料が少なくて済むことから、絶縁シート40が低コストとなる。
一方、絶縁シート40における貫通穴41以外の部分の面積は、貫通穴41が四角筒状である場合と円筒状である場合とで、隣り合う貫通穴41同士の間隔cが互いに等しければ、貫通穴41が円筒状である場合の方が大きくなる。このため、貫通穴41が円筒状である場合の方が、絶縁シート40の強度を大きく確保できる。
【0022】
また、図1に示すように、各電極11は、例えば、対応する貫通穴41内に入り込んでいる。このため、各電極11の外周は、平面視において、対応する貫通穴41の内側に位置している。しかも、各電極11は、例えば、対応する貫通穴41の内周から離間している。
電極11の寸法は、例えば、はんだバンプ30の外径と略等しくすることができる。
【0023】
同様に、各基板電極21は、例えば、対応する貫通穴41内に入り込んでいる。このため、各基板電極21の外周は、平面視において、対応する貫通穴41の内側に位置している。しかも、各基板電極21は、例えば、対応する貫通穴41の内周から離間している。
基板電極21の寸法は、例えば、はんだバンプ30の外径と略等しくすることができる。
【0024】
なお、半導体パッケージ10において、電極11に接続される配線(図示略)は、例えば、下層配線であり、半導体パッケージ10の表面上において、隣り合う貫通穴41の境界部を跨ぐことがないようになっている。同様に、回路基板20において、基板電極21に接続される配線(図示略)は、例えば、下層配線であり、半導体パッケージ10の表面上において、隣り合う貫通穴41の境界部を跨ぐことがないようになっている。
【0025】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図4はこの製造方法を説明するための一連の工程図である。
【0026】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体パッケージ10の一方の面に設けられた複数の電極11と、複数の電極11夫々に対応して配置され回路基板20の一方の面に設けられた複数の基板電極21と、のうちの何れかに夫々はんだバンプ30を形成する工程を有する。更に、複数の電極11夫々に対応して配置された複数の貫通穴41が、半導体パッケージ10側から回路基板20側へ貫通して形成されている絶縁シート40を、半導体パッケージ10と回路基板20とにより挟み込むとともに、複数のはんだバンプ30夫々を対応する一の貫通穴41内に入り込ませる工程を有する。更に、複数のはんだバンプ30を加熱溶融させて、複数のはんだバンプ30夫々が対応する貫通穴41の内周から離間するように、複数の電極11夫々と、複数の電極11夫々に対応する基板電極21とを、複数のはんだバンプ30のうち対応する一のはんだバンプ30を介して接続させる工程を有する。
以下、詳細に説明する。
【0027】
図4(a)に示すように、はんだバンプ30は、例えば、各電極11上に予め設けておく。
次に、フラックス(図示略)を、例えば、各基板電極21に塗布する。
次に、半導体パッケージ10において電極11が設けられている面と、回路基板20において基板電極21が設けられている面とを絶縁シート40を挟んで対向させる。そして、各電極11が、それぞれ対応する貫通穴41を挟んで基板電極21と対向するように、半導体パッケージ10、絶縁シート40及び回路基板20を位置合わせする。
【0028】
次に、図4(b)に示すように、半導体パッケージ10と回路基板20とにより絶縁シート40を挟み込む。この際、各はんだバンプ30及び各電極11をそれぞれ対応する貫通穴41内に入り込ませる一方で、各基板電極21をそれぞれ対応する貫通穴41内に入り込ませる。
ここで、例えば、絶縁シート40の表裏の面には、予め、接着剤(図示略)を塗布しておくか、或いは、粘着シート(図示略)を貼り付けておくことにより、絶縁シート40を半導体パッケージ10及び回路基板20に対して接着しても良い。
【0029】
なお、図4(a)〜図4(b)の工程では、絶縁シート40を回路基板20において基板電極21が設けられている面上に位置合わせして装着した後で、半導体パッケージ10を回路基板20及び絶縁シート40に対して位置合わせしても良い。或いは、絶縁シート40を半導体パッケージ10において電極11及びはんだバンプ30が設けられている面上に位置合わせして装着した後で、半導体パッケージ10及び絶縁シート40を回路基板20に対して位置合わせしても良い。これらにより、位置合わせを容易に行うことができる。
【0030】
次に、図4(c)に示すように、加熱を行うことによりはんだバンプ30を溶融させ、各電極11を、それぞれはんだバンプ30を介して対応する基板電極21と接続させる。なお、加熱は、IR(Infrared Radiation:赤外線)或いはヒータ加熱された熱風を用いたリフロー装置などを用いて行う。なお、この際に、絶縁シート40の表裏の面を僅かに溶融させ、絶縁シート40を半導体パッケージ10及び回路基板20にそれぞれ接着させても良い。
これにより、半導体パッケージ10と回路基板20との実装が完了し、半導体装置100が製造される。
【0031】
ここで、溶融したはんだバンプ30は、半導体パッケージ10及び回路基板20には接着しているが、絶縁シート40には接着していない。このため、半導体パッケージ10を修理又は交換する際には、半導体装置100の全体を加熱する必要がない。例えば、半導体パッケージ10又は回路基板20の何れか一方だけを加熱し、はんだバンプ30と絶縁シート40とを溶融させるだけで、或いは、はんだバンプ30と接着剤(図示略)或いは粘着シート(図示略)とを溶融させるだけで、半導体パッケージ10と回路基板20とを容易に分離することができる。よって、半導体パッケージ10の修理或いは交換が容易となる。
【0032】
更に、はんだバンプ30のはんだ量の調節精度が低くても良いので、はんだ量の不足が生じにくく、その結果、電極11と基板電極21との電気的接続が不良となる可能性を低減することができる。また、はんだバンプ30のはんだ量の調節精度が低くても良いので、はんだバンプ30のはんだ量が過多となることも起こりにくく、その結果、隣り合う基板電極21同士が短絡する可能性、並びに、隣り合う電極11同士が短絡する可能性も低減することができる。よって、半導体装置100の実装信頼性が向上する。
【0033】
以上のような実施形態によれば、各はんだバンプ30は、対応する貫通穴41の内周から離間しているので、半導体パッケージ10の修理或いは交換を容易にすることができるとともに、はんだバンプ30のはんだ量の調節に要求される精度を低くし半導体装置100の実装信頼性を高めることができる。
【0034】
また、各電極11が、対応する貫通穴41内に入り込み、且つ、対応する貫通穴41の内周から離間しているので、電極11の全面にはんだバンプ30を接合させても、はんだバンプ30と貫通穴41の内周とのクリアランスを確保することができる。
同様に、各基板電極21が、対応する貫通穴41内に入り込み、且つ、対応する貫通穴41の内周から離間しているので、基板電極21の全面にはんだバンプ30を接合させても、はんだバンプ30と貫通穴41の内周とのクリアランスを確保することができる。
【0035】
また、はんだバンプ30の外径aと貫通穴41の内径bとの比a/bが0.9以下であるので、はんだバンプ30のはんだ量の調節精度が低くても、はんだバンプ30と貫通穴41の内周とのクリアランスを確保することができる。
【0036】
また、貫通穴41は四角筒状であるので、例えば貫通穴41が円筒状の場合と比べて、はんだバンプ30と貫通穴41の内周との最大距離dを大きく確保することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 半導体パッケージ
11 電極
20 回路基板
21 基板電極
30 バンプ
40 絶縁シート
41 貫通穴
100 半導体装置
a はんだバンプの外径
b 貫通穴の内径
c 間隔
d 最大距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に複数の電極を有する半導体パッケージと、
前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の基板電極を一方の面に有する回路基板と、
前記複数の電極夫々に対応する複数のはんだバンプと、
前記半導体パッケージと前記回路基板との間に配置され、前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の貫通穴が前記半導体パッケージ側から前記回路基板側へ貫通して形成されている絶縁シートと、
を有し、
前記複数のはんだバンプ夫々は、対応する一の前記電極と、対応する一の前記基板電極と、を対応する一の前記貫通穴を介して接続しているとともに、当該一の前記貫通穴の内周から離間していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記電極夫々の外周が、平面視において、対応する前記貫通穴の内側に位置し、且つ、対応する前記貫通穴の内周から離間していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板電極夫々の外周が、平面視において、対応する前記貫通穴の内側に位置し、且つ、対応する前記貫通穴の内周から離間していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記はんだバンプの外径aと前記貫通穴の内径bとの比a/bが0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記貫通穴は四角筒状であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体パッケージの一方の面に設けられた複数の電極と、前記複数の電極夫々に対応して配置され回路基板の一方の面に設けられた複数の基板電極と、のうちの何れかに夫々はんだバンプを形成する工程と、
前記複数の電極夫々に対応して配置された複数の貫通穴が、前記半導体パッケージ側から前記回路基板側へ貫通して形成されている絶縁シートを、前記半導体パッケージと前記回路基板とにより挟み込むとともに、前記形成された複数のはんだバンプ夫々を対応する一の貫通穴内に入り込ませる工程と、
前記複数のはんだバンプを加熱溶融させて、前記複数のはんだバンプ夫々が対応する前記貫通穴の内周から離間するように、前記複数の電極夫々と、前記複数の電極夫々に対応する前記基板電極とを、前記複数のはんだバンプのうち対応する一のはんだバンプを介して接続させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−124368(P2011−124368A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280379(P2009−280379)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】