説明

半導体装置

【課題】従来の半導体装置は、負荷のインダクタンス成分等による出力トランジスタの電位差変動を制御できないという問題があった。
【解決手段】本発明にかかる半導体装置は、ゲートに印加される制御電圧に応じて負荷への電源供給が制御される出力トランジスタT1と、T1のゲート−ドレイン間に接続され、T1のソース−ドレイン間の電位差に応じて導通状態が制御される電圧制御回路SBと、SBの導通状態に基づいて電圧制御検出信号を出力する電圧制御検出回路SDと、T1のゲートとソースとの間に接続され、電圧制御検出信号に応じてオンオフが制御されるトランジスタT4と、T4に直列に接続され、T1の温度状況に応じてオンオフが制御されるトランジスタT5と、T4及びT5に並列に接続されたトランジスタT3と、を備える。このような回路構成により、T1の電位差変動を制御することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関するものであり、特に過電圧保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車電装用のパワースイッチでは、サージ破壊耐圧向上の要求が大きくなっている。自動車電装用のパワースイッチの出力段には、例えば、ソレノイド等のインダクタンス負荷、あるいはワイヤーハーネスのインダクタンス成分が接続される。このように、パワースイッチの出力段にインダクタンス負荷が接続された場合、パワースイッチをターンオフする際に逆起電力が発生する。この逆起電力に応じた電圧サージの電圧が、パワースイッチの出力段に印加される場合がある。このとき、パワースイッチの出力段のトランジスタの降伏電圧(耐圧)を超えてしまうと、出力トランジスタがブレークダウンしてブレークダウン電流が流れる。このブレークダウン電流によって、出力トランジスタが劣化する問題がある。そのため、パワースイッチにおいては、一般的に過電圧保護回路を用いて出力トランジスタの過電圧保護が行われている。
【0003】
図6に特許文献1にかかる半導体装置(過電圧保護回路)の回路図を示す。図6に示す半導体装置10は、第1の端子K1、第2の端子K2、負荷Z、第1のトランジスタT1、制御入力端子K3、電圧制御回路SB、ゲート放電回路SC、温度センサー回路TSを備える。
【0004】
第1の端子K1が負荷Zの一方の端子に接続されている。負荷Zの他方の端子は第1の電源(高電位側電源)V+に接続されている。第2の端子K2は第2の電源(低電位側電源)GNDに接続されている。また、駆動信号S1が制御入力端子K3を介して半導体装置10に供給される。第1のトランジスタT1はnチャネル型の電力用MOSFETであって、ドレインが第1の端子K1に、ソースが第2の端子K2に、それぞれ接続される。それにより、第1のトランジスタT1は、負荷への電流供給の主電流経路を形成している。第1のトランジスタT1のゲートは、抵抗R1を介して第1のトランジスタT1の駆動電流を制御する制御入力端子K3に接続される。なお、第1のトランジスタT1は、そのゲートとソースの間にゲート−ソース容量Cg(寄生容量)を有する。
【0005】
電圧制御回路SBは、第1のトランジスタT1のドレインとゲートとの間に接続される。また、電圧制御回路SBに第2の制御信号S2が供給される。この電圧制御回路SBは、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇し、第1のトランジスタT1を破壊してしまうリスクがある場合(例えば、負荷のインダクタンス等による逆起電圧の発生)に導通状態を示す。そして、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電荷が供給されることにより、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧Udsが更に上昇することを防ぐ。
【0006】
電圧制御回路SBは、第1のツェナーダイオードZ1と、第2のツェナーダイオードZ2と、ダイオードD1と、第2のトランジスタT2と、を有する。第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2は直列に接続される。第2のトランジスタT2はpチャネル型MOSFETであって、第2のツェナーダイオードZ2と並列に接続される。また、第2のトランジスタT2のゲートには第2の制御信号S2が入力される。2つのツェナーダイオードZ1、Z2は第1のトランジスタT1のドレインとゲートの間に逆方向に接続される。ダイオードD1は2つのツェナーダイオードZ1、Z2と直列に接続される。また、ダイオードD1は第1のトランジスタT1のドレインとゲートの間に順方向に接続される。それにより、第1のトランジスタT1のゲートからドレインに電流が流れ込むことを防ぐ。
【0007】
ゲート放電回路SCは、駆動回路A3と、第3のトランジスタT3と、を有する。第3のトランジスタT3のソースは、第2の端子K2を介して第2の電源GNDに接続される。第3のトランジスタT3のドレインは、第1のトランジスタT1のゲートに接続される。また、第3のトランジスタT3のゲートには、駆動回路A3の出力端子が接続される。つまり、駆動回路A3から出力される第3の制御信号S3により、第3のトランジスタT3のオンオフが制御される。一方、第1のトランジスタT1に熱的に結合した温度センサー回路TSの出力端子が、駆動回路A3の入力端子に接続される。つまり、第1のトランジスタT1の温度状態に基づいて温度センサー回路TSから出力された温度検出信号S4が、駆動回路A3に入力される。
【0008】
次に、図6に示す回路の動作について簡単に説明する。図7は、図6の回路の動作を示すタイミングチャートである。なお、以下に述べるように、図7に示す動作が[f]から[g]に遷移する過程において、第1のトランジスタT1を高速にターンオフ(オンからオフに切替制御)した場合に、問題が発生する可能性がある。
【0009】
まず、第1のトランジスタT1をターンオフする場合(図7の[c])について説明する。第1のトランジスタT1のゲートには、ロウレベルの第1の制御信号S1が入力される。これにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が放電され、第1のトランジスタT1が非導通状態を示す。また、第2のトランジスタT2のゲートにハイレベルの第2の制御信号S2が入力される。これにより、第2のトランジスタT2が非導通状態を示す。この動作の過程において、インダクタンス負荷または配線のインダクタンス(以下、負荷のインダクタンス成分と称す)によって逆起電圧が発生した場合、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇する可能性がある。
【0010】
このとき、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が、ツェナーダイオードZ1、Z2の降伏電圧に基づいて設定された電圧(クランプ電圧)よりも大きくなると、ツェナーダイオードZ1、Z2を介して第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れる。(なお、実際には上記の降伏電圧のほか、ダイオードD1の抵抗成分、配線抵抗成分、第1のトランジスタT1をオンするゲート−ソース間電圧等を考慮してクランプ電圧を設定する必要がある。)また、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れることにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに電荷が充電される。したがって、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧はクランプ電圧にまで制限されることが可能である。
【0011】
次に、第1のトランジスタT1をターンオン(図7の[e])して、温度センサー回路TSが温度異常等(以下、負荷異常と称す)を検出(図7の[f])した場合の動作(図7の[g])について説明する。このとき、ゲート放電回路SCに備えられた第3のトランジスタT3が導通することにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が放電される。それにより、第1のトランジスタT1が非導通状態となる。一方、第2のトランジスタT2は導通状態を示し、第2のツェナーダイオードZ2をショートする。このとき、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が放電され非導通状態を示す過程において、負荷のインダクタンス成分による逆起電圧が発生した場合、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇する可能性がある。
【0012】
ここで、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が、第1のツェナーダイオードZ1の降伏電圧に基づいて設定された電圧(クランプ電圧)よりも大きくなる(図7の[e])と、ツェナーダイオードZ1を介して第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れる。(なお、実際には上記の降伏電圧のほか、ダイオードD1の抵抗成分、配線抵抗成分、第1のトランジスタT1をオンするゲート−ソース間電圧等を考慮してクランプ電圧を設定する必要がある。)また、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れることにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに電荷が充電される。したがって、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧はクランプ電圧にまで制限されることが可能である。
【0013】
しかし、このときゲート放電回路SCの第3のトランジスタT3は導通状態である。したがって、第1の電源V+から第1のツェナーダイオードZ1を介して第3のトランジスタT3に大きな電流が流れる。このとき、第1のトランジスタT1を導通状態にするためには、第1のトランジスタT1を導通状態にできるゲート電圧を、第3のトランジスタT3の電圧降下分として発生させなければならない。
【0014】
このとき、第1のトランジスタT1をクランプする電圧には、第1のツェナーダイオードZ1が有する内部抵抗と流れる電流の積により発生する電圧降下分が加算される。この様子は図5に示される。図5はツェナーダイオード(例えばZ2)の静特性を示している。横軸はツェナーダイオードの逆方向電圧を、縦軸はツェナーダイオード電流をlog(ログ)表示したものである。正常負荷時のターンオフでは、ツェナーダイオードは動作点Q1の動作を示す。一方、負荷異常が検出されてターンオフする場合の電圧制御動作では、ツェナーダイオードを流れる電流がIz1からIz2へ増加するため、ツェナーダイオードは動作点Q2の動作を示す。これにより、ツェナーダイオードの逆方向電圧が、Vz1からVz2へ大きくなる。
【0015】
以上のように、負荷異常時のターンオフ動作においては、第1のトランジスタT1をクランプする電圧には、第1のツェナーダイオードZ1が有する内部抵抗と流れる電流の積により発生する電圧降下分が加算される。そのため、負荷のインダクタンス成分よって第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇して耐圧に達しても、電圧制御回路SBが導通しない可能性がある。それにより、第1のトランジスタT1が破壊されてしまう可能性がある。
【0016】
また、図6に示す従来技術の半導体装置を、第1の端子K1に第1の電源V+が接続され、第2の端子K2に負荷Zを介して第2の電源GNDが接続されるハイサイド構成(回路構成は不図示)で用いた場合にも、同様の問題が発生する。ハイサイド構成時のタイミングチャートを図8に示す。なお、ハイサイド構成時に第1のトランジスタT1を導通する場合、そのゲートには第1の電源V+よりも昇圧した電圧が印可されるのが一般的である(通常、チャージポンプなどの昇圧回路によりこの電圧を生成する)。
【0017】
負荷異常時のターンオフ動作において、ゲート放電回路SCの第3のトランジスタT3が低インピーダンスである場合を考える。図8の[e]、[f]、[g]は、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が高速に放電(図8の[e]の破線)され、第1のトランジスタT1が非導通状態を示すまでの過程を示す。このとき、負荷のインダクタンス成分により、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇して耐圧に達しても、電圧制御回路SBが導通しない可能性がある。それにより、第1のトランジスタT1が破壊されてしまうという問題が発生する。
【0018】
また、負荷異常時のターンオフ動作において、ゲート放電回路SCの第3のトランジスタT3が高インピーダンスの場合を考える。ここで、第1のトランジスタT1のゲート電圧が昇圧回路等によって昇圧されている。したがって、第1のトランジスタT1のゲート電圧を第1の電源V+近傍に下げるまで過電流状態が続く。すなわち、第1のトランジスタT1をターンオフするまでに時間がかかる。そのため、第1のトランジスタT1は、遅延時間分の熱ストレスを受けるという問題が発生する。
【特許文献1】米国特許第6700428号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述のように、従来の半導体装置は、負荷のインダクタンス成分等による出力トランジスタの電位差変動を制御できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明にかかる半導体装置は、ゲートに印加される制御電圧に応じて負荷への電源供給が制御される出力トランジスタ(本発明の実施の形態1における第1のトランジスタT1)と、前記出力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続され、前記出力トランジスタのソース−ドレイン間の電位差に応じて導通状態が制御される電圧制御回路(本発明の実施の形態1における電圧制御回路SB)と、前記電圧制御回路の導通状態に基づいて電圧制御検出信号を出力する電圧制御検出回路(本発明の実施の形態1における電圧制御検出回路SD)と、前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続され、前記電圧制御検出信号に応じてオンオフが制御される第1の放電スイッチ(本発明の実施の形態1における第4のトランジスタT4)と、前記出力トランジスタのゲートとソースとの間において前記第1の放電スイッチに直列に接続され、前記出力トランジスタの温度状況に応じてオンオフが制御される第2の放電スイッチ(本発明の実施の形態1における第5のトランジスタT5)と、前記第1及び前記第2の放電スイッチに並列に接続された第3の放電スイッチ(本発明の実施の形態1における第3のトランジスタT3)と、を備える。
【0021】
上述のような回路構成により、負荷のインダクタンス成分等による出力トランジスタの電位差変動を制御することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、負荷のインダクタンス成分等による出力トランジスタの電位差変動を制御することが可能な半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0024】
発明の実施の形態1
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の回路図を示す。図1に示すように半導体装置100は、第1の端子K1と、第2の端子K2と、負荷Zと、第1のトランジスタ(特許請求の範囲における出力トランジスタ)T1と、制御入力端子K3と、電圧制御回路SBと、ゲート放電回路SCと、温度センサー回路TSと、電圧制御検出回路SDと、を備える。
【0025】
第1の端子K1が負荷Zの一方の端子に接続されている。負荷Zの他方の端子は第一の電源(高電位側電源)V+に接続されている。第2の端子K2は第2の電源(低電位側電源)GNDに接続されている。また、駆動信号S1が制御入力端子K3を介して半導体装置100に供給される。第1のトランジスタT1は、例えばnチャネル型の電力用MOSFETである。第1のトランジスタT1のドレインが第1の端子K1に接続される。第1のトランジスタT1のソースが第2の端子K2に接続される。それにより、第1のトランジスタT1は、負荷への電流供給の主電流経路を形成している。トランジスタT1のゲートは、抵抗R1を介して第1のトランジスタT1の駆動電流を制御する制御入力端子K3に接続される。なお、第1のトランジスタT1は、そのゲートとソースとの間にゲート−ソース容量Cg(寄生容量)を有する。
【0026】
電圧制御回路SBの一方の端子は、第1のトランジスタT1のゲートに接続される。電圧制御回路SBの他方の端子は、電圧制御検出回路SDに備えられた第8のトランジスタ(特許請求の範囲における第1のトランジスタ)T8を介して第1のトランジスタT1のドレインに接続される。電圧制御検出回路SDおよび電圧制御回路SBは、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇し、第1のトランジスタT1を破壊してしまうリスクがある場合(例えば、インダクタンス負荷等による逆起電圧の発生)に導通状態を示す。そして、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電荷が供給されることにより、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧Udsがさらに上昇することを防ぐ。
【0027】
電圧制御回路SBは、第1のツェナーダイオードZ1と、第2のツェナーダイオードZ2と、ダイオードD1と、を有する。第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2は直列に接続される。2つのツェナーダイオードZ1、Z2は第1のトランジスタT1のドレインとゲートの間に逆方向に接続される。ダイオードD1はツェナーダイオードZ1、Z2と直列に接続される。また、ダイオードD1は第1のトランジスタT1のドレインとゲートの間に順方向に接続される。それにより、第1のトランジスタT1のゲートからドレインに電流が流れ込むことを防ぐ。
【0028】
電圧制御検出回路SDは、第8のトランジスタT8と、抵抗素子R2と、抵抗素子R3と、第6のトランジスタT6と、第7のトランジスタT7と、を有する。第8のトランジスタT8は、例えばpチャネル型MOSFETである。第8のトランジスタT8のソースは、第1のトランジスタT1のドレインに接続される。第8のトランジスタT8のゲートとドレインは、共通の接続点n1に接続される。つまり、第8のトランジスタT8はダイオード接続されている。接続点n1は、さらに電圧制御回路SBの他方の端子と、第6のトランジスタT6のゲートと、に接続される。なお、電圧制御回路SBが非導通状態の場合には、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい値を示す。また、電圧制御回路SBが導通状態の場合には、第8のトランジスタT8による電圧降下が生じるため、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位よりも低い値を示す。
【0029】
電圧制御検出回路SDの接続点n1の電位は、第1のインバータ回路と第2のインバータ回路によって、端子K1と端子K2の間の電圧レベルに基づいた信号に変換される。そして、その信号は、ゲート放電回路SCに備えられた第4のトランジスタT4のゲートに供給される。ここで、第1のインバータ回路は、端子K1と端子K2との間に直列に接続された第6のトランジスタT6(例えば、pチャネル型MOSFET)と抵抗素子R2から構成される。第6のトランジスタT6のソースは、端子K1に接続される。第6のトランジスタT6のドレインは、接続点n2を介して抵抗素子R2の一方の端子と、第7のトランジスタT7のゲートと、に接続される。抵抗素子R2の他方の端子は、端子K2に接続される。第2のインバータ回路は、端子K1と端子K2との間に直列に接続された第7のトランジスタT7(例えば、nチャネル型MOSFET)と抵抗素子R3から構成される。第7のトランジスタT7のソースは、端子K2に接続される。第7のトランジスタT7のドレインは、接続点n3を介して抵抗素子R3の一方の端子と、第4のトランジスタT4のゲートと、に接続される。抵抗素子R3の他方の端子は、端子K1に接続される。
【0030】
ゲート放電回路SCは、第3のトランジスタ(特許請求の範囲における第3の放電スイッチ)T3と、第4のトランジスタ(特許請求の範囲における第1の放電スイッチ)T4と、第5のトランジスタ(特許請求の範囲における第2の放電スイッチ)T5と、を有する。ここで、第3のトランジスタT3は、例えばnチャネル型MOSFETである。第4のトランジスタT4は、例えばnチャネル型MOSFETである。第5のトランジスタT5は、例えばnチャネル型MOSFETである。なお、本実施の形態の例では、第3のトランジスタT3は、高インピーダンスの特性を有する。一方、第4のトランジスタT4と、第5のトランジスタT5は、第3のトランジスタT3と比較して低インピーダンスの特性を有する。
【0031】
第3のトランジスタT3のドレインは、抵抗素子R1を介して第1のトランジスタT1のゲートに接続される。第3のトランジスタT3のソースは、端子K2に接続される。また、第3のトランジスタT3のゲートには、駆動回路A3から出力される第3の制御信号S3が入力され、第3のトランジスタT3のオンオフが制御される。第4のトランジスタT4のドレインは、第1のトランジスタT1のゲートに接続される。第4のトランジスタT4のソースは、第5のトランジスタT5のドレインに接続される。第5のトランジスタT5のソースは、端子K2に接続される。また、第5のトランジスタT5のゲートには、駆動回路A3から出力される第5の制御信号S5が入力され、第5のトランジスタT5のオンオフが制御される。
【0032】
一方、第1のトランジスタT1に熱的に結合した温度センサー回路TSの出力端子が、駆動回路A3の入力端子に接続される。つまり、第1のトランジスタT1の温度状態に基づいて温度センサー回路TSから出力された温度検出信号S4が、駆動回路A3に入力される。例えば、温度センサー回路TSが第1のトランジスタT1の温度異常等(以下、負荷異常と称す)を検知した場合、温度検出信号S4に基づいて駆動回路A3からハイレベルの制御信号S5が出力される。一方、負荷異常を検出しない場合は、駆動回路A3からロウレベルの制御信号5が出力される。また、第1のトランジスタT1をターンオフ(オンからオフに切替制御)する場合には、駆動回路A3から常にハイレベルの制御信号S3が出力される。第1のトランジスタT1をターンオン(オフからオンに切替制御)する場合には、ロウレベルの制御信号S3が出力される。
【0033】
次に、動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置100の動作を示すタイミングチャートである。負荷状態が正常な場合において第1のトランジスタT1をターンオンする動作(図2の[b])、ターンオフする動作(図2の[c])、およびターンオン時に温度センサー回路TSが負荷異常を検出した場合に第1のトランジスタT1をターンオフする動作(図2の[e]、[f]、[g])に分けて説明する。
【0034】
まず、負荷状態が正常な場合に第1のトランジスタT1をターンオンする動作(図2の[b])について説明する。第1のトランジスタT1のゲートには、ハイレベルの第1の制御信号S1が入力される。これにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに電荷が蓄積され、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。また、駆動回路A3からロウレベルの第3の制御信号S3が出力されることにより、第3のトランジスタT3は非導通状態を示す。ここで、電圧制御検出回路SDの第8のトランジスタT8は非導通状態であるため、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい値を示す。また、電圧制御回路SBは第1のトランジスタT1のドレインとゲートから電気的に切り離された状態(非導通状態)である。
【0035】
また、接続点n1の電位がトランジスタT1のドレイン電位と等しいため、第1のインバータ回路、及び第2のインバータ回路を介して出力される信号の電位は、第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい。第1のトランジスタT1のターンオン時に、負荷異常が発生していなければ、温度検出信号S4に基づいて駆動回路A3からロウレベルの制御信号S5が出力される。したがって、第5のトランジスタT5は非導通状態を示す。つまり、第3のトランジスタT3および第5のトランジスタT5はともに、第1のトランジスタT1のゲートとソースの間から電気的に切り離された状態(非導通状態)である。
【0036】
次に、負荷状態が正常な場合に第1のトランジスタT1をターンオフする動作(図2の[c])について説明する。第1のトランジスタT1のゲートには、ロウレベルの第1の制御信号S1が入力される。また、駆動回路A3からハイレベルの第3の制御信号S3が出力されることにより、第3のトランジスタT3は導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が放電される。したがって、第1のトランジスタT1が非導通状態を示す。
【0037】
この動作の過程において、インダクタンス負荷又は配線のインダクタンス(以下、負荷のインダクタンス成分と称す)によって逆起電圧が発生し、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が上昇した場合について考える。なお、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が、電圧制御回路SBの降伏電圧と第8のトランジスタT8のゲート−ドレイン間電圧に基づいて設定された電圧(クランプ電圧)より低い場合を電位状態aと称す。一方、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が、電圧制御回路SBの降伏電圧と第8のトランジスタT8のゲート−ドレイン間電圧に基づいて設定された電圧(クランプ電圧)よりも高い場合を電位状態bと称す。(実際には上記の電圧のほか、ダイオードD1の抵抗成分、配線抵抗成分、第1のトランジスタT1をオンするゲート−ソース間電圧等を考慮してクランプ電圧を設定する必要がある。)
【0038】
電位状態aの場合、第8のトランジスタT8は非導通状態を示す。したがって、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい値を示す。一方、電位状態bの場合、第8のトランジスタT8は導通状態を示す。したがって、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位よりも低い値を示す。
【0039】
なお、負荷状態が正常な場合のターンオフ時には、駆動回路A3からロウレベルの制御信号S5が出力される。したがって、第5のトランジスタT5は非導通状態を示す。そのため、電圧制御検出回路SDの接続点n3の電位に関わらず、第4のトランジスタT4は、第1のトランジスタT1のゲート−ソース間から電気的に切り離された状態(非導通状態)である。つまり、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷は、低インピーダンス特性を有する第4のトランジスタT4によっては放電されない。
【0040】
ここで、電位状態aでは、電圧制御回路SBは第1のトランジスタT1のドレインとゲートから電気的に切り離された状態(非導通状態)である。このとき、第3のトランジスタT3が抵抗R1を介して、ゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷を放電する。さらに、第1のトランジスタT1のターンオフの過程で電位状態bを示した場合、電圧制御検出回路SDに備えられた第8のトランジスタT8が導通状態を示す。そして、電圧制御回路SBが第1のドレインとゲートの間も電気的に接続された状態(導通状態)を示す。なお、電位状態bでは、第1のトランジスタT1にその耐圧を超えるドレイン−ソース間の電圧が印加されないように制御される。つまり、第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧が、設定されたクランプ電圧よりも大きくなると、電圧制御回路SB、電圧制御検出回路SDを介して、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れる。また、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れることにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに電荷が充電される。したがって、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のドレイン−ソース間の電圧はクランプ電圧にまで制限されることが可能である。
【0041】
ここで、ゲート放電回路SCの第3のトランジスタT3は導通状態である。したがって、第1の電源V+から電圧制御回路SB、電圧制御検出回路SDを介して、第3のトランジスタT3に電流が流れる。このとき、第1のトランジスタT1を導通状態にするためには、第1のトランジスタT1を導通状態にできるゲート電圧を、第3のトランジスタT3の電圧降下分として発生させなければならない。
【0042】
このとき、第1のトランジスタT1をクランプする電圧には、電圧制御回路SBの第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2の降伏電圧の和に加えて、第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2の内部抵抗に発生する電圧降下分が加算される。しかし、図1に示す本発明の実施の形態1にかかる半導体回路100の場合、第3のトランジスタT3のインピーダンスが大きいため、第3のトランジスタT3に流れる電流は小さくてよい。したがって、第1のツェナーダイオードZ1および第2のツェナーダイオードZ2の内部抵抗による電圧降下は実質的に発生しない。つまり、図5のツェナーダイオード(例えばZ2)の静特性に示すように、動作点Q1の近傍の動作を示す。このように、負荷状態が正常な場合のターンオフ動作では、電圧制御回路SBによって第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧の上昇を抑制することが可能である。
【0043】
次に、ターンオン時に温度センターTSが負荷異常を検出した場合に第1のトランジスタT1をターンオフする動作(図2の[e]、[f]、[g])について説明する。まず、第1のトランジスタT1のゲートには、ハイレベルの第1の制御信号S1が入力されている。また、駆動回路A3からロウレベルの第3の制御信号S3が出力されることにより、第3のトランジスタT3は非導通状態を示している。ここで、温度センサー回路TSが第1のトランジスタT1の負荷異常を検出した場合、駆動回路A3から出力される制御信号S3はロウレベルからハイレベルに遷移する。これにより、第3のトランジスタT3は導通する。それにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷が放電される。したがって、第1のトランジスタT1が非導通状態を示す。
【0044】
この動作の過程において、電位状態aの場合、第8のトランジスタT8は非導通状態を示す。したがって、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい値を示す。一方、電位状態bの場合、第8のトランジスタT8が導通状態を示す。したがって、接続点n1の電位は第1のトランジスタT1のドレイン電位よりも低い値を示す。
【0045】
また、第1のトランジスタT1の負荷異常が検出された場合、駆動回路A3からハイレベルの制御信号S5が出力される。したがって、第5のトランジスタT5は導通状態を示す。ここで、電位状態aでは、電圧制御検出回路SDの接続点n3はハイレベルとなるため、第4のトランジスタT4は導通状態を示す。なお、接続点n3の電位は、接続点n1の電位が第1及び第2のインバータ回路によって信号変換された値を示す。つまり、この例では、接続点n1の電位が第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい場合は、接続点n3の電位は、第1のトランジスタT1のドレイン電位と等しい値(ハイレベル)を示す。一方、接続点n1の電位が第1のトランジスタT1のドレイン電位より低い場合は、接続点n3の電位は、第1のトランジスタT1のソース電位と等しい値(ロウレベル)を示す。
【0046】
それにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷は、第3のトランジスタT3を介して放電するだけでなく、トランジスタT3、T4を介して放電することが可能である。なお、前述のようにトランジスタT3、T4は低インピーダンスの特性を有するため、高速に電荷を放電することが可能である。なお、このとき電位状態aであるため、電圧制御回路SBは第1のトランジスタT1のドレインとゲートから電気的に切り離された状態(非導通状態)である。
【0047】
次に、この負荷異常時のターンオフの過程で電位状態bを示した場合、電圧制御検出回路SDに備えられた第8のトランジスタT8が導通状態を示す。そして、電圧制御回路SBが第1のドレインとゲートの間も電気的に接続された状態(導通状態)を示す。なお、電位状態bでは、第1のトランジスタT1にその耐圧を超えるドレイン−ソース間の電圧が印加されないように制御される。このとき、接続点n1の電位は、第1のトランジスタT1のドレイン電位より低いため、接続点n3はロウレベルを示す。これにより、第4のトランジスタT4は非導通状態を示す。したがって、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷は、高インピーダンス特性を有する第3のトランジスタT3を介してのみ放電される。
【0048】
このとき、電圧制御回路SB、電圧制御検出回路SDを介して、第1のトランジスタT1のドレインからゲートに電流が流れることにより、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに電荷が充電される。したがって、第1のトランジスタT1が導通状態を示す。それにより、第1のトランジスタT1のドレイン−ソース間の電圧はクランプ電圧にまで制限されることが可能である。
【0049】
ここで、ゲート放電回路SCの第3のトランジスタT3は導通状態である。したがって、第1の電源V+から電圧制御回路SB、電圧制御検出回路SDを介して、第3のトランジスタT3に電流が流れる。このとき、第1のトランジスタT1を導通状態にするためには、第1のトランジスタT1を導通状態にできるゲート電圧を、第3のトランジスタT3の電圧降下分として発生させなければならない。
【0050】
このとき、第1のトランジスタT1をクランプする電圧には、電圧制御回路SBの第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2の降伏電圧の和に加えて、第1のツェナーダイオードZ1と第2のツェナーダイオードZ2の内部抵抗に発生する電圧降下分が加算される。しかし、図1に示す本発明の実施の形態1にかかる半導体回路100の場合、第3のトランジスタT3のインピーダンスが大きいため、第3のトランジスタT3に流れる電流は小さくてよい。したがって、第1のツェナーダイオードZ1および第2のツェナーダイオードZ2の内部抵抗による電圧降下は実質的に発生しない。つまり、図5のツェナーダイオード(例えばZ2)の静特性に示すように、ツェナーダイオードは動作点Q1の近傍の動作を示す。
【0051】
このように、負荷異常を検出した場合のターンオフ動作では、第1のトランジスタT1を高速にターンオフすることができる。それとともに、負荷のインダクタンス成分による第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧の上昇を精度よく抑制することができる。
【0052】
発明の実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。図3に示す半導体装置100aは、図1の本発明の実施の形態1に示す半導体装置100と比較して、負荷Zの接続位置が異なる。第1の端子K1には第1の電源V+が接続され、第2の端子K2には負荷Zを介して第2の電源GNDに接続される。つまり、半導体装置100aはハイサイドスイッチの構成(以下、ハイサイド構成と称す)を採用している。また、半導体装置100aは昇圧回路A4をさらに備え、昇圧回路A4によって昇圧された電圧によって第1のトランジスタT1のオンオフが制御される。その他の回路構成については、実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略する。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置100aの動作を示すタイミングチャートである。負荷状態が正常な場合において第1のトランジスタT1をターンオンする動作を図4の[b]に示す。また、ターンオフする動作を図4の[c]に示す。また、ターンオン時に負荷異常を検出した場合に第1のトランジスタT1をターンオフする動作を図4の[e]、[f]、[g]に示す。
【0054】
ここで、図3に示すようなハイサイド構成の回路の場合、ターンオフ時に負荷のインダクタンス成分により第1のトランジスタT1のソースに発生する逆起電圧は、第2の電源GNDよりも低い電圧を示す。このとき、第1のトランジスタT1のドレイン−ソース間の電圧が、電圧制御回路SBと電圧制御検出回路SDによって設定されたクランプ電圧を越えると、第1のトランジスタT1のドレイン−ソース間の電圧はクランプ電圧にまで制限される。
【0055】
負荷状態が正常な場合に第1のトランジスタT1をターンオフするとき、動作初期の段階では、第1のトランジスタT1のゲート電圧は昇圧回路A4によって第1の電源電圧V+よりも高い電位に昇圧された状態である(図4の[c])。そのため、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷を放電し、そのゲート電圧を第1の電源V+近傍にまで降圧するため時間がかかる。つまり、その遅延時間においては、第1のトランジスタT1をオフすることができない。しかし、この動作遅延は負荷状態が正常な場合に発生する現象である。したがって、第1のトランジスタT1が受ける熱ストレスは極めて小さい。
【0056】
次に、ターンオン時に負荷異常を検出した場合に第1のトランジスタT1をターンオフするとき、動作初期の段階では、トランジスタT4、T5が導通状態である。したがって、第1のトランジスタT1のゲート−ソース容量Cgに蓄積された電荷は高速に放電される。そのため、第1のトランジスタT1のゲート電圧が第1の電源V+よりも高い電位に昇圧されていても、そのゲート電圧を第1の電源電圧V+近傍にまで降圧するための時間は極めて短い。つまり、負荷状態が正常な場合のターンオフ動作で発生したような遅延時間は生じない。一般に、負荷異常時は第1のトランジスタT1が受ける熱ストレスは極めて大きいが、ターンオフ時の遅延時間が短いため、第1のトランジスタT1が受ける熱ストレスを小さくすることができる。それにより、第1のトランジスタT1の熱破壊を防ぐことが可能である。その他の動作については、実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0057】
このように、負荷状態が正常な場合のターンオフ動作では、電圧制御回路SBによって第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧の上昇を抑制し、第1のトランジスタT1をゆっくりとターンオフすることができる。また、負荷異常を検出した場合のターンオフ動作では、第1のトランジスタT1を高速にターンオフすることができる。それとともに、負荷のインダクタンス成分による第1のトランジスタT1のソース−ドレイン間の電圧の上昇を精度よく抑制することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、第8のトランジスタT8にpチャネル型MOSFETを使用しているが、上記実施の形態の形式に限られるものではなく、抵抗成分を有するダイオード等の素子に適宜変更することが可能である。また、本発明の実施の形態では、第3のトランジスタT3が抵抗素子R1を介して第1のトランジスタT1のゲートに接続されているが、これに限られない。例えば、第3のトランジスタT3が、抵抗素子R1を介さず直接第1のトランジスタT1のゲートに接続される回路構成でもよい。この場合、第3のトランジスタT3のインピーダンスをさらに大きくすることにより、実施の形態1及び実施の形態2で説明した動作と、同様の動作を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】ツェナーダイオードの静特性を示す図である。
【図6】従来技術の半導体装置の回路図である。
【図7】従来技術の半導体装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来技術の半導体装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0060】
100 半導体装置
100a 半導体装置
A3 駆動回路
A4 昇圧回路
D1 ダイオード
GND 第2の電源
K1 第1の端子
K2 第2の端子
K3 制御入力端子
R2 抵抗素子
R3 抵抗素子
SB 電圧制御回路
SD 電圧制御検出回路
SC ゲート放電回路
T1 第1のトランジスタ
T2 第2のトランジスタ
T3 第3のトランジスタ
T4 第4のトランジスタ
T5 第5のトランジスタ
T6 第6のトランジスタ
T7 第7のトランジスタ
TS 温度センサー回路
V+ 第1の電源
Z 負荷
Z1 第1のツェナーダイオード
Z2 第2のツェナーダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートに印加される制御電圧に応じて負荷への電源供給が制御される出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続され、前記出力トランジスタのソース−ドレイン間の電位差に応じて導通状態が制御される電圧制御回路と、
前記電圧制御回路の導通状態に基づいて電圧制御検出信号を出力する電圧制御検出回路と、
前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続され、前記電圧制御検出信号に応じてオンオフが制御される第1の放電スイッチと、
前記出力トランジスタのゲートとソースとの間において前記第1の放電スイッチに直列に接続され、前記出力トランジスタの温度状況に応じてオンオフが制御される第2の放電スイッチと、
前記第1及び前記第2の放電スイッチに並列に接続された第3の放電スイッチと、を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記電圧制御回路は、
直列接続されたツェナーダイオードとダイオードとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電圧制御検出回路は、
前記電圧制御回路と前記出力トランジスタのドレインとの間に接続された第1のトランジスタを備え、
当該第1のトランジスタと前記電圧制御回路との接続ノードの電圧に応じて前記電圧制御検出信号を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のトランジスタは、
ソースが前記出力トランジスタのドレインに接続され、ゲート及びドレインが前記電圧制御回路に接続されたPチャネル型MOSトランジスタであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記電圧制御検出回路は、
入力端子に前記接続ノードの電圧が印加され、出力端子から前記電圧制御検出信号を出力するインバータ回路をさらに備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1〜3の放電スイッチはいずれもNチャネル型MOSトランジスタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の放電スイッチと前記第2の放電スイッチとの抵抗成分の和は、前記第3の放電スイッチの抵抗成分よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記負荷は、高電位側電源と前記出力トランジスタとの間に接続されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記負荷は、低電位側電源と前記出力トランジスタとの間に接続されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−130822(P2010−130822A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304161(P2008−304161)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】