説明

半導体装置

【課題】電流駆動能力がより小さなクロック信号生成回路を適用することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】nチャネル型トランジスタで構成されるスイッチ及び論理回路を有し、スイッチは導通状態又は非導通状態がクロック信号によって選択され、論理回路は、ブートストラップ回路と、入力信号が入力される入力端子と、反転入力端子と、出力端子とを有し、高電源線と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、低電源線と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力信号がローレベル電位の場合には、ブートストラップ回路を用いて出力端子の電位を上昇させることにより出力端子から高電源電位を出力し、トランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで上下に設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の他方はソースと接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トランジスタを用いた半導体装置に関する。または、その駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シフトレジスタ等の半導体装置を、pチャネル型トランジスタ及びnチャネル型トランジスタの両方を用いて構成するよりも、例えばnチャネル型トランジスタのみを用いて構成する等、単極性のトランジスタを用いて構成することによって、作製工程を簡略化することができる。単極性のトランジスタを用いて構成され、CMOS(Complementary MOS)と同様の機能を有する回路は、ユニポーラCMOSとも言われる。単極性のトランジスタを用いて構成されたシフトレジスタは、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
図7は、特許文献1に開示されたシフトレジスタの一部の構成を示す回路図である。シフトレジスタは、図7に記載した段80を複数設け、縦続接続(カスケード接続)した構成とすることができる。段80は、トランジスタ81、トランジスタ82、トランジスタ83、トランジスタ84、容量素子85を有する。段80に含まれるトランジスタ(トランジスタ81乃至トランジスタ84)は、全てnチャネル型トランジスタとすることができる。こうして、シフトレジスタに含まれるトランジスタの全てをnチャネル型トランジスタとすることができる。
【0004】
段80において、トランジスタ81のドレインは端子C1に接続され、クロック信号CLKが入力される。トランジスタ81のソースは、出力端子OUT及びトランジスタ82のドレインに接続される。出力端子OUTから出力される信号が段80の出力信号となる。トランジスタ81のゲートはトランジスタ83のソースに接続される。トランジスタ82のソースは端子VSSに接続され、低電源電位(例えば、接地電位等)が与えられる。トランジスタ82のゲートは端子C2に接続され、クロック反転信号CLKBが入力される。なお、クロック反転信号CLKBは前述のクロック信号CLKの反転信号(論理値が反転した信号)である。トランジスタ83のゲートとドレインは入力端子INに接続される。入力端子INには1段前の段80の出力信号が入力される。トランジスタ83のソースはトランジスタ84のドレインと接続される。トランジスタ84のソースは端子VSSに接続され、低電源電位(例えば、接地電位等)が与えられる。トランジスタ84のゲートは後段(1段後)の段80の出力端子OUTと接続される。容量素子85は、トランジスタ81のゲートとソースの間に設けられる。
【0005】
段80において、出力信号のハイレベル電位はクロック信号CLKのハイレベル電位となり、出力信号のローレベル電位は低電源電位となる。段80を複数有するシフトレジスタは、複数の段80から順に出力される出力信号を用いて複数の負荷を駆動する。例えば、シフトレジスタを表示装置の走査線駆動回路に用いた場合には、当該負荷は走査線及び当該走査線に接続された素子等に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−24350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたシフトレジスタでは、出力信号のハイレベル電位はクロック信号CLKのハイレベル電位となる。つまり、クロック信号CLKのハイレベル電位によって、負荷(シフトレジスタによって駆動される素子やシフトレジスタから信号が入力される配線等に相当)を駆動する構成である。そのため、クロック信号CLKを生成する回路(以下、クロック信号生成回路ともいう。)は大きな電流駆動能力が必要となる。回路の電流駆動能力を大きくするためには、当該回路を構成する素子のサイズ(例えば、トランジスタのチャネル幅やチャネル長)を大きくする、大きなサイズの素子で構成されるバッファを設ける等が必要となり、回路面積が増大する。そこで本発明は、電流駆動能力がより小さなクロック信号生成回路を適用することが可能なシフトレジスタを提供することを課題の一つとする。
【0008】
なお、この課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。これ以外の課題は、明細書、図面、特許請求の範囲などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、特許請求の範囲などの記載から、これ以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体装置の一態様は、スイッチと、導通状態となった当該スイッチを介して入力信号が入力端子に入力される論理回路と、を有する。なお、論理回路とは、入力端子(入力端子が複数ある場合は、複数の入力端子のうちの1つに相当)に入力される信号の論理値を反転して出力端子から出力する回路(例えば、インバータ回路)を示す。スイッチは、その導通状態又は非導通状態がクロック信号(またはその反転信号)によって選択される。一方、論理回路は、配線(以下、高電源線ともいう)から高電源電位が供給され、また、別の配線(以下、低電源線ともいう)から低電源電位が供給され、高電源線と出力端子との電気的接続、及び/または、低電源線と出力端子との電気的接続を選択することによって、入力端子(入力端子が複数ある場合は、複数の入力端子のうちの1つに相当)に入力される信号の論理値を反転して出力端子から出力する。そして、論理回路の出力を半導体装置の出力とする。こうして、半導体装置によって駆動される負荷(例えば、バスラインや、バスラインに接続された素子等)は、高電源線または低電源線と電気的に接続されて駆動される。なお、クロック信号生成回路は、半導体装置に含まれてもよいし、半導体装置の外部回路であってもよい。また、負荷を含めて半導体装置としてもよい。
【0010】
ここで、半導体装置を構成するトランジスタの全ては、同一導電型とすることができる。つまり、スイッチ及び論理回路を構成するトランジスタの全ては、同一導電型とすることができる。この場合に、論理回路はブートストラップ回路を有し、当該ブートストラップ回路を用いて出力信号を補正する構成とする。つまり、半導体装置を構成するトランジスタの全てをnチャネル型トランジスタとし、論理回路は、入力信号がハイレベル電位の場合には、出力端子から低電源電位を出力し、入力信号がローレベル電位の場合には、ブートストラップ回路を用いて出力端子の電位を上昇させることにより出力端子から高電源電位を出力する構成とすることができる。または、半導体装置を構成するトランジスタの全てをpチャネル型トランジスタとし、論理回路は、入力信号がローレベル電位の場合には、出力端子から高電源電位を出力し、入力信号がハイレベル電位の場合には、ブートストラップ回路を用いて出力端子の電位を低下させることにより出力端子から低電源電位を出力する構成とすることができる。
【0011】
更に、論理回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有する構成とすることができる。そして、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との電気的接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との電気的接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。例えば、論理回路を構成するトランジスタがnチャネル型トランジスタの場合には、高電源線と出力端子との間に設けられたトランジスタのゲートを反転入力端子と電気的に接続し、当該反転入力端子に入力される信号によって当該トランジスタのオン状態又はオフ状態を制御し、低電源線と出力端子との間に設けられた別のトランジスタのゲートを入力端子と電気的に接続し、当該入力端子に入力される信号によって当該トランジスタのオン状態又はオフ状態を制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。または例えば、論理回路を構成するトランジスタがpチャネル型トランジスタの場合には、低電源線と出力端子との間に設けられたトランジスタのゲートを反転入力端子と電気的に接続し、当該反転入力端子に入力される信号によって当該トランジスタのオン状態又はオフ状態を制御し、高電源線と出力端子との間に設けられた別のトランジスタのゲートを入力端子と電気的に接続し、当該入力端子に入力される信号によって当該トランジスタのオン状態又はオフ状態を制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。
【0012】
また、半導体装置に含まれるトランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は高電源線と電気的に接続することができる。なお、一対のゲート電極の一方(ゲート)と他方(バックゲート)とを電気的に接続し、当該トランジスタのゲートとしてもよい。
【0013】
なお、半導体装置に含まれる複数のトランジスタそれぞれは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とする。そして、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうちいくつかは、一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち他のトランジスタは、一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。つまり、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち、いくつかと、その他のトランジスタとで、「ゲート」と「バックゲート」との位置関係を逆とすることが可能である。例えば、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうちいくつかを、半導体層の下方にゲートが設けられたボトムゲート型トランジスタとし、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち他のトランジスタを、半導体層の上方にゲートが設けられたトップゲート型トランジスタとすることも可能である。そして、バックゲートは、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは高電源線と電気的に接続することができる。なお、ゲートとバックゲートとを電気的に接続し、当該トランジスタのゲートとしてもよい。
【0014】
例えば、本発明の半導体装置の一態様は、スイッチと、導通状態となった前記スイッチを介して入力信号が入力される論理回路と、を有し、スイッチと、論理回路を構成するトランジスタの全ては、nチャネル型トランジスタであり、スイッチは、導通状態又は非導通状態がクロック信号によって選択され、論理回路は、ブートストラップ回路と、入力信号が入力される入力端子と、入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子と、出力端子と、を有し、高電源線から高電源電位が供給され、低電源線から低電源電位が供給され、高電源線と出力端子との電気的接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、低電源線と出力端子との電気的接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力信号がハイレベル電位の場合には、出力端子から低電源電位を出力し、入力信号がローレベル電位の場合には、ブートストラップ回路を用いて出力端子の電位を上昇させることにより出力端子から高電源電位を出力し、nチャネル型トランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、ソースと電気的に接続される。
【0015】
または例えば、本発明の半導体装置の一態様は、スイッチと、導通状態となった前記スイッチを介して入力信号が入力される論理回路と、を有し、スイッチと、論理回路を構成するトランジスタの全ては、pチャネル型トランジスタであり、スイッチは、導通状態又は非導通状態がクロック信号によって選択され、論理回路は、ブートストラップ回路と、入力信号が入力される入力端子と、入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子と、出力端子と、を有し、高電源線から高電源電位が供給され、低電源線から低電源電位が供給され、低電源線と出力端子との電気的接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線と出力端子との電気的接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力信号がローレベル電位の場合には、出力端子から高電源電位を出力し、入力信号がハイレベル電位の場合には、ブートストラップ回路を用いて出力端子の電位を低下させることにより出力端子から低電源電位を出力し、pチャネル型トランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、ソースと電気的に接続される。
【0016】
上記トランジスタのチャネルが形成される半導体層は、酸化物半導体を用いて形成することができる。なお、シリコンを用いて形成してもよい。例えば、非晶質シリコンを用いて形成してもよいし、多結晶シリコンを用いて形成してもよいし、単結晶シリコンを用いて形成してもよい。
【0017】
本発明の半導体装置の一態様は、表示装置であってもよい。例えば、液晶素子を用いた表示装置や、EL(エレクトロルミネッセンス)素子等の発光素子を用いた表示装置であってもよい。
【0018】
本発明の半導体装置の一態様は、イメージセンサであってもよい。
【0019】
本発明の半導体装置の一態様は、演算回路や記憶装置であってもよい。なお、CPU、プログラマブルLSIも演算回路の範疇に含まれるとする。
【0020】
また、本発明の一態様は、上記半導体装置を用いた電子機器とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の半導体装置の一態様では、スイッチと、導通状態となった当該スイッチを介して入力信号が入力端子に入力される論理回路と、を有し、スイッチは、その導通状態又は非導通状態がクロック信号(またはその反転信号)によって選択される。一方、論理回路は、高電源線と出力端子との電気的接続、及び/または、低電源線と出力端子との電気的接続を選択することによって、入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する。そして、論理回路の出力を半導体装置の出力とする。こうして、半導体装置によって駆動される負荷は、高電源線または低電源線と電気的に接続されて駆動される。このような構成とすることによって半導体装置は、クロック信号のハイレベル電位(またはローレベル電位)を用いて負荷を駆動しないので、クロック信号生成回路は大きな電流駆動能力を必要としない。そのため、クロック信号生成回路の回路面積を小さくすることができる。
【0022】
また、半導体装置を構成するトランジスタの全てを、同一導電型とすることによって、半導体装置の作製工程を簡略化することができる。こうして、歩留まりを向上し、コストを削減することができる。この場合に、論理回路はブートストラップ回路を用いて出力信号を補正する構成とする。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当)に(概略)等しい振幅電圧の出力信号が得られる。
【0023】
更に、論理回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との電気的接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との電気的接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0024】
また、半導体装置に含まれるトランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は高電源線と電気的に接続することができる。こうしてトランジスタがノーマリオンとなるのを抑制することができる。そのため、半導体装置が誤動作するのを抑制し、また貫通電流も抑制することができる。
【0025】
この様にして、単極性のトランジスタを用いてCMOSと同様の機能を有するユニポーラCMOSを実現することができる。そして、クロック信号生成回路に大きな電流駆動能力を要求することなく、本発明の半導体装置は、負荷(バスライン等)を駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1に記載の半導体装置の構成を示す図。
【図2】論理回路及びスイッチの構成を示す図。
【図3】段を複数有する半導体装置を示す図。
【図4】実施の形態2に記載の半導体装置の構成を示す図。
【図5】増幅回路の構成を示す図。
【図6】実施の形態3に記載の半導体装置の構成を示す図。
【図7】従来の半導体装置の構成を示す図。
【図8】トランジスタの構成例を示す図。
【図9】トランジスタの作製方法の例を示す図。
【図10】電子機器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分については同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
なお、図において、大きさ、厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、本発明の実施形態の一態様は、必ずしもそのスケールに限定されない。または、図は、理想的な例を模式的に示したものである。よって、本発明の実施形態の一態様は、図に示す形状などに限定されない。例えば、製造技術による形状のばらつき、誤差による形状のばらつきなどを含むことが可能である。
【0029】
なお、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層など)であるとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0030】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。
【0031】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0032】
なお、XとYとが接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0033】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電層が、配線及び電極のような複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において電気的に接続とは、このような、一の導電層が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0034】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の具体的な一態様について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0035】
半導体装置は、図1に示す段10を有する構成とすることができる。段10は、入力端子INと、反転入力端子INBと、スイッチSW1と、スイッチSW2と、スイッチSW3と、スイッチSW4と、論理回路INV1と、論理回路INV2と、論理回路INV3と、論理回路INV4と、出力端子OUTと、反転出力端子OUTBと、を有する。
【0036】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4はそれぞれ、入力端子INと、反転入力端子INBと、出力端子OUTと、を有し、入力端子INに入力された信号を反転させて出力端子OUTから出力する。論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4は、インバータ回路ということもできる。論理回路INV1の出力端子OUTは、論理回路INV3の入力端子IN、論理回路INV4の反転入力端子INB、及び出力端子OUTと接続される。論理回路INV2の出力端子OUTは、論理回路INV3の反転入力端子INB、論理回路INV4の入力端子IN、及び反転出力端子OUTBと接続される。スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、及びスイッチSW4それぞれは、端子Aと端子Bとの間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。こうして、スイッチSW1は、入力端子INと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW2は、反転入力端子INBと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW1及びスイッチSW2の端子Xは端子C1に接続され、端子C1にはクロック信号及びその反転信号の一方が入力される。スイッチSW3は、論理回路INV3の出力端子OUTと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW4は、論理回路INV4の出力端子OUTと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW3及びスイッチSW4の端子Xは端子C2に接続され、端子C2にはクロック信号及びその反転信号の他方が入力される。
【0037】
図1に示した段10では、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は非導通状態となり、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が非導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は導通状態となる。そのため、クロック信号に同期して、入力端子INに入力された信号を保持する機能を有する。よって、図1に示した段10は、フリップフロップ回路、ラッチ回路と呼ぶこともできる。
【0038】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4のより具体的な構成の一態様について、図2(A)及び図2(B)を用いて説明する。
【0039】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4はそれぞれ、図2(A)に示す論理回路INVとすることができる。図2(A)に示した論理回路INVは、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子211と、を有する。トランジスタ101のゲートは電源電位V1が与えられる電源線V1と接続され、トランジスタ101のドレインは反転入力端子INBと接続され、トランジスタ101のソースはトランジスタ102のゲートと接続され、トランジスタ102のドレインは電源電位V1が与えられる電源線V1と接続され、トランジスタ102のソースは出力端子OUTと接続され、トランジスタ103のゲートは入力端子INと接続され、トランジスタ103のソースは電源電位V1とは異なる電源電位V2が与えられる電源線V2と接続され、トランジスタ103のドレインは出力端子OUTと接続される。容量素子211の一対の電極のうちの一方はトランジスタ102のゲートと接続され、容量素子211の一対の電極のうちに他方はトランジスタ102のソースと接続される。なお、容量素子211を設ける代わりに、トランジスタ102の寄生容量等を積極的に利用することもできる。
【0040】
トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103は、同一導電型のトランジスタとすることができる。トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103をnチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも高くする。また、電源電位V2は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を高電源電位とし、電源電位V2を低電源電位とする。トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103をpチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも低くする。また、電源電位V1は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を低電源電位とし、電源電位V2を高電源電位とする。
【0041】
トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103それぞれは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。図2(A)では、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103それぞれが、ゲートとバックゲートとを有し、バックゲートがソースと接続されている構成を模式的に示している。なお、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は電源線V2と接続することもできる。つまり、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を低電源線と接続し、当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を高電源線と接続することもできる。こうして各トランジスタ(トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103)がノーマリオンとなるのを抑制することができる。
【0042】
なお、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103のうちいくつかは、一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103のうち他のトランジスタは、一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。例えば、トランジスタ102は一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ103は一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。つまり、トランジスタ102とトランジスタ103とで、「ゲート」と「バックゲート」との位置関係を逆とすることが可能である。例えば、トランジスタ102とトランジスタ103の一方を半導体層の下方にゲートが設けられたボトムゲート型トランジスタとし、トランジスタ102とトランジスタ103の他方を半導体層の上方にゲートが設けられたトップゲート型トランジスタとすることも可能である。そして、バックゲートは、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは高電源線と電気的に接続することができる。
【0043】
図2(A)に示した論理回路INVの動作について説明する。
【0044】
まず、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103がnチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ103はオン状態となり、且つトランジスタ102はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(低電源電位)が出力される。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ103はオフ状態となり、且つトランジスタ102はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。ここで、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力されることによってトランジスタ101のソースの電位が所定の電位(トランジスタ101のゲートの電位である電源電位V1に対してトランジスタ101の閾値電圧分低い電位)となると、トランジスタ101はオフ状態となり、そのソースはフローティング状態となる。そして、その後もトランジスタ102のソースの電位が上昇し続けることにより、容量素子211による容量結合によってトランジスタ102のゲートの電位が上昇する。こうして、出力端子OUTの電位は電源電位V1(またはそれに近い電位)に引き上げられ、出力端子OUTから電源電位V1(高電源電位)が出力される。つまり、図2(A)に示した論理回路INVは、ブートストラップ回路を有するということもできる。
【0045】
次いで、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103がpチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ103はオン状態となり、且つトランジスタ102はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(高電源電位)が出力される。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ103はオフ状態となり、且つトランジスタ102はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。ここで、反転入力端子INBにローレベル電位が入力されることによってトランジスタ101のソースの電位が所定の電位(トランジスタ101のゲートの電位である電源電位V1に対してトランジスタ101の閾値電圧分高い電位)となると、トランジスタ101はオフ状態となり、そのソースはフローティング状態となる。そして、その後もトランジスタ102のソースの電位が低下し続けることにより、容量素子211による容量結合によってトランジスタ102のゲートの電位が低下する。こうして、出力端子OUTの電位は電源電位V1(またはそれに近い電位)に引き下げられ、出力端子OUTから電源電位V1(低電源電位)が出力される。つまり、図2(A)に示した論理回路INVは、ブートストラップ回路を有するということもできる。
【0046】
論理回路INV1、及び論理回路INV2はそれぞれ、図2(A)に示す論理回路INVとし、論理回路INV3、及び論理回路INV4は、図2(B)に示す論理回路INVとすることもできる。図2(B)に示した論理回路INVは、トランジスタ104と、トランジスタ105と、を有する。トランジスタ104のゲートは反転入力端子INBと接続され、トランジスタ104のドレインは電源電位V1が与えられる電源線V1と接続され、トランジスタ104のソースは出力端子OUTと接続され、トランジスタ105のゲートは入力端子INと接続され、トランジスタ105のソースは電源電位V1とは異なる電源電位V2が与えられる電源線V2と接続され、トランジスタ105のドレインは、出力端子OUTと接続される。
【0047】
トランジスタ104及びトランジスタ105は、同一導電型のトランジスタとすることができる。トランジスタ104及びトランジスタ105をnチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも高くする。また、電源電位V2は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を高電源電位とし、電源電位V2を低電源電位とする。トランジスタ104及びトランジスタ105をpチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも低くする。また、電源電位V1は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を低電源電位とし、電源電位V2を高電源電位とする。
【0048】
トランジスタ104及びトランジスタ105それぞれは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。図2(B)では、トランジスタ104及びトランジスタ105それぞれが、ゲートとバックゲートとを有し、バックゲートがソースと接続されている構成を模式的に示している。なお、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は電源線V2と接続することもできる。つまり、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を低電源線と接続し、当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を高電源線と接続することもできる。こうして各トランジスタ(トランジスタ104及びトランジスタ105)がノーマリオンとなるのを抑制することができる。
【0049】
なお、トランジスタ104及びトランジスタ105のうち一方は、一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ104及びトランジスタ105のうち他方は、一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。例えば、トランジスタ104は一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ105は一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。つまり、トランジスタ104とトランジスタ105とで、「ゲート」と「バックゲート」との位置関係を逆とすることが可能である。例えば、トランジスタ104とトランジスタ105の一方を半導体層の下方にゲートが設けられたボトムゲート型トランジスタとし、トランジスタ104とトランジスタ105の他方を半導体層の上方にゲートが設けられたトップゲート型トランジスタとすることも可能である。そして、バックゲートは、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは高電源線と電気的に接続することができる。
【0050】
図2(B)に示した論理回路INVの動作について説明する。
【0051】
まず、トランジスタ104及びトランジスタ105がnチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ104はオフ状態となり、且つトランジスタ105はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(低電源電位)が出力される。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ104はオン状態となり、且つトランジスタ105はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。しかし、出力端子OUTから出力される電位は、反転入力端子INBに入力されるハイレベル電位(例えば、電源電位V1)よりもトランジスタ104の閾値電圧分低い電位よりも高くすることができない。
【0052】
次いで、トランジスタ104及びトランジスタ105がpチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ104はオフ状態となり、且つトランジスタ105はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(高電源電位)が出力される。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ104はオン状態となり、且つトランジスタ105はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。しかし、出力端子OUTから出力される電位は、反転入力端子INBに入力されるローレベル電位(例えば、電源電位V1)よりもトランジスタ104の閾値電圧分高い電位よりも低くすることができない。
【0053】
以上のように、図2(B)に示した論理回路INVも、入力端子INに入力された信号の論理値を反転して出力端子OUTから出力する回路であり、インバータ回路ということもできる。但し、ブートストラップ回路を有さない。そのため、図2(B)に示した論理回路INVは、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に等しい、所定の振幅の出力信号を出力することができない。しかしながら、図2(A)に示したブートストラップ回路を有する構成の論理回路INVよりも回路構成を簡略化することができる。
【0054】
ここで、図1において、論理回路INV3の出力及び論理回路INV4の出力は、スイッチSW3及びスイッチSW4を介して、論理回路INV1及び論理回路INV2に入力され、論理回路INV1の出力信号及び論理回路INV2の出力信号が各段の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからの出力信号となる。そのため、論理回路INV3及び論理回路INV4が、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号を出力することができなくても、論理回路INV3の出力及び論理回路INV4の出力は論理回路INV1及び論理回路INV2によって増幅され、段10の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからは電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号が出力される。こうして、半導体装置の回路構成をより簡略化しつつ、所定の振幅の信号を出力可能な半導体装置が得られる。
【0055】
図1において、スイッチSW1及びスイッチSW2それぞれは、図2(C)に示すようにトランジスタ106を用いて構成したスイッチSWとすることができる。トランジスタ106のゲートは端子Xと接続され、トランジスタ106のソース及びドレインの一方は端子Aと接続され、ソース及びドレインの他方は端子Bと接続される構成とすることができる。トランジスタ106は、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、電源線V2と接続することができる。図2(C)では、トランジスタ106が、ゲートとバックゲートとを有し、バックゲートが電源線V2と接続されている構成を模式的に示している。つまり、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を低電源線と接続し、当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を高電源線と接続することもできる。なお、トランジスタ106において、一対のゲート電極の他方(バックゲート)が、当該トランジスタのソースと接続される構成とすることもできる。こうしてトランジスタ106がノーマリオンとなるのを抑制することができる。
【0056】
図1において、スイッチSW3及びスイッチSW4それぞれは、図2(D)に示すようにトランジスタ107を用いて構成したスイッチSWとすることができる。トランジスタ107のゲートは端子Xと接続され、トランジスタ107のソース及びドレインの一方は端子Aと接続され、ソース及びドレインの他方は端子Bと接続される構成とすることができる。トランジスタ107は、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。図2(D)では、トランジスタ107が、ゲートとバックゲートとを有し、バックゲートが電源線V2と接続されている構成を模式的に示している。つまり、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を低電源線と接続し、当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を高電源線と接続することもできる。なお、トランジスタ107において、一対のゲート電極の他方(バックゲート)が、当該トランジスタのソースと接続される構成とすることもできる。こうしてトランジスタ107がノーマリオンとなるのを抑制することができる。
【0057】
ここで、スイッチは論理回路よりも電流駆動能力が小さくても良いため、スイッチを構成するトランジスタのサイズは、論理回路を構成するトランジスタのサイズよりも小さくすることができる。つまり、トランジスタ106及びトランジスタ107のチャネル幅(以下、W、ゲート幅ともいう)(または、チャネル長(以下、L、ゲート長ともいう)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103、トランジスタ104及びトランジスタ105のいずれか又は全てのチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0058】
論理回路INV3及び論理回路INV4は、出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、論理回路INV1及び論理回路INV2よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、論理回路INV3及び論理回路INV4を構成するトランジスタ(トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103、特にトランジスタ102及びトランジスタ103、または、トランジスタ104及びトランジスタ105)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、論理回路INV1及び論理回路INV2を構成するトランジスタ(トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ103、特にトランジスタ102及びトランジスタ103)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0059】
図2(A)に示した論理回路INVにおいて、トランジスタ101は出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、トランジスタ102及びトランジスタ103よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、トランジスタ101のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ102及びトランジスタ103のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。
【0060】
本発明の半導体装置の一態様は、図1に示した段10を複数有する構成とすることができる。例えば、図3に示す様に、半導体装置100は段10を複数有し、複数の段10は、入力端子INが前段の出力端子OUTと接続され、且つ反転入力端子INBが前段の反転出力端子OUTBと接続されるように縦続接続(カスケード接続)される構成とすることができる。ここで、複数の段10の隣接する段において、端子C1に入力される信号の論理値を異ならせることができる(つまり、複数の段10の隣接する段において、端子C2に入力される信号の論理値を異ならせることができる)。例えば、ある段10において、端子C1にはクロック信号を入力し、端子C2にはクロック反転信号を入力し、当該段10に隣接する段10において、端子C1にはクロック反転信号を入力し端子C2にはクロック信号を入力することができる。図3では、クロック信号をCLKで示し、その反転信号をCLKBで示している。また、縦続接続された複数の段10のうち最初の段の入力端子IN及び反転入力端子INBには、互いに反転した信号が入力される構成とすることができる。図3では、最初の段の入力端子INに信号SPが入力され、反転入力端子INBには信号SPの反転信号SPBが入力されている。
【0061】
図3に示す半導体装置100は、クロック信号に同期して最初の段の入力端子INに入力された信号を各段10に順に保持する機能を有する。よって、半導体装置100はシフトレジスタということもできる。信号SPはスタートパルスということもできる。半導体装置100は、クロック信号CLKに同期してスタートパルスを順にシフトし、出力SR1、SR2、SR3、として出力する機能を有する。半導体装置100は、出力SR1、SR2、SR3、によって負荷を駆動することができる。なお、出力SR1、SR2、SR3、は、各段10の出力端子OUTからの出力信号としたがこれに限定されない。例えば、出力SR1、SR2、SR3、として、各段10の反転出力端子OUTBからの出力信号を用いてもよい。また更に、偶数番目の段10の出力SR2、SR4、SR6、のみを半導体装置100の出力として用い、負荷を駆動してもよい。
【0062】
本実施の形態において示した半導体装置では、スイッチ(スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4)と、導通状態となった当該スイッチを介して入力信号が入力端子に入力される論理回路(論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4)と、を有し、スイッチは、その導通状態又は非導通状態がクロック信号(またはその反転信号)によって選択される。一方、論理回路は、高電源線と出力端子との接続、及び、低電源線と出力端子との接続を選択することによって、入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する。そして、論理回路の出力を半導体装置の出力とする。こうして、半導体装置によって駆動される負荷は、高電源線または低電源線と接続されて駆動される。このような構成とすることによって半導体装置は、クロック信号のハイレベル電位(またはローレベル電位)を用いて負荷を駆動しないので、クロック信号生成回路は大きな電流駆動能力を必要としない。そのため、クロック信号生成回路の回路面積を小さくすることができる。
【0063】
また、半導体装置を構成するトランジスタの全てを、同一導電型とすることによって、半導体装置の作製工程を簡略化することができる。こうして、歩留まりを向上し、コストを削減することができる。この場合に、論理回路(論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4の全て、または論理回路INV3及び論理回路INV4のみ)はブートストラップ回路を用いて出力信号を補正する構成とする。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当)に(概略)等しい振幅電圧の出力信号が得られる。
【0064】
更に、論理回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0065】
また、半導体装置に含まれるトランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は低電源線と接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は高電源線と接続することができる。こうして各トランジスタがノーマリオンとなるのを抑制することができる。そのため、半導体装置が誤動作するのを抑制し、また貫通電流も抑制することができる。
【0066】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0067】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の具体的な一態様について、図4及び図5を用いて説明する。
【0068】
半導体装置は、図4に示す段10を有する構成とすることができる。段10は、入力端子INと、反転入力端子INBと、スイッチSW1と、スイッチSW2と、スイッチSW3と、スイッチSW4と、論理回路INV1と、論理回路INV2と、論理回路INV3と、論理回路INV4と、増幅回路BUF1と、増幅回路BUF2と、出力端子OUTと、反転出力端子OUTBと、を有する。
【0069】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4はそれぞれ、入力端子INと、反転入力端子INBと、出力端子OUTと、を有し、入力端子INに入力された信号を反転させて出力端子OUTから出力する。論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4は、インバータ回路ということもできる。増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2はそれぞれ、入力端子INと、反転入力端子INBと、出力端子OUTと、を有し、入力端子INに入力された信号をインピーダンス変換(インピーダンスを低く)して出力端子OUTから出力する。論理回路INV1の出力端子OUTは、増幅回路BUF1の入力端子IN、及び増幅回路BUF2の反転入力端子INBと接続される。論理回路INV2の出力端子OUTは、増幅回路BUF1の反転入力端子INB、及び増幅回路BUF2の入力端子INと接続される。増幅回路BUF1の出力端子OUTは、論理回路INV3の入力端子IN、論理回路INV4の反転入力端子INB、及び出力端子OUTと接続される。増幅回路BUF2の出力端子OUTは、論理回路INV3の反転入力端子INB、論理回路INV4の入力端子IN、及び反転出力端子OUTBと接続される。スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、及びスイッチSW4それぞれは、端子Aと端子Bとの間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。こうして、スイッチSW1は、入力端子INと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW2は、反転入力端子INBと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW1及びスイッチSW2の端子Xは端子C1に接続され、端子C1にはクロック信号及びその反転信号の一方が入力される。スイッチSW3は、論理回路INV3の出力端子OUTと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW4は、論理回路INV4の出力端子OUTと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW3及びスイッチSW4の端子Xは端子C2に接続され、端子C2にはクロック信号及びその反転信号の他方が入力される。
【0070】
図4に示した段10では、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は非導通状態となり、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が非導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は導通状態となる。そのため、クロック信号に同期して、入力端子INに入力された信号を保持する機能を有する。よって、図4に示した段10は、フリップフロップ回路、ラッチ回路と呼ぶこともできる。
【0071】
増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2のより具体的な構成の一態様について、図5を用いて説明する。
【0072】
増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2はそれぞれ、図5に示す増幅回路BUFとすることができる。図5に示した増幅回路BUFは、トランジスタ108と、トランジスタ109と、トランジスタ110と、容量素子212と、を有する。トランジスタ108のゲートは電源電位V1が与えられる電源線V1と接続され、トランジスタ108のドレインは入力端子INと接続され、トランジスタ108のソースはトランジスタ109のゲートと接続され、トランジスタ109のドレインは電源電位V1が与えられる電源線V1と接続され、トランジスタ109のソースは出力端子OUTと接続され、トランジスタ110のゲートは反転入力端子INBと接続され、トランジスタ110のソースは電源電位V1とは異なる電源電位V2が与えられる電源線V2と接続され、トランジスタ110のドレインは出力端子OUTと接続される。容量素子212の一対の電極のうちの一方はトランジスタ109のゲートと接続され、容量素子212の一対の電極のうちに他方はトランジスタ109のソースと接続される。なお、容量素子212を設ける代わりに、トランジスタ109の寄生容量等を積極的に利用することもできる。
【0073】
トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110は、同一導電型のトランジスタとすることができる。トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110をnチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも高くする。また、電源電位V2は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を高電源電位とし、電源電位V2を低電源電位とする。トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110をpチャネル型トランジスタとした場合、電源電位V1は電源電位V2よりも低くする。また、電源電位V1は、例えば接地電位とする。つまり、電源電位V1を低電源電位とし、電源電位V2を高電源電位とする。
【0074】
トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110それぞれは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。ここで、一対のゲート電極の一方を当該トランジスタのゲートとする。一対のゲート電極の他方をバックゲートとも呼ぶ。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。図5では、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110それぞれが、ゲートとバックゲートとを有し、バックゲートがソースと接続されている構成を模式的に示している。なお、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は電源線V2と接続することもできる。つまり、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を低電源線と接続し、当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)を高電源線と接続することもできる。こうして各トランジスタ(トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110)がノーマリオンとなるのを抑制することができる。
【0075】
なお、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110のうちいくつかは、一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110のうち他のトランジスタは、一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。例えば、トランジスタ109は一対のゲート電極の一方をゲートとし、一対のゲート電極の他方をバックゲートとし、トランジスタ110は一対のゲート電極の一方をバックゲートとし、一対のゲート電極の他方をゲートとしてもよい。つまり、トランジスタ109とトランジスタ110とで、「ゲート」と「バックゲート」との位置関係を逆とすることが可能である。例えば、トランジスタ109とトランジスタ110の一方を半導体層の下方にゲートが設けられたボトムゲート型トランジスタとし、トランジスタ109とトランジスタ110の他方を半導体層の上方にゲートが設けられたトップゲート型トランジスタとすることも可能である。そして、バックゲートは、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは高電源線と電気的に接続することができる。
【0076】
図5に示した増幅回路BUFの動作について説明する。
【0077】
まず、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110がnチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ110はオン状態となり、且つトランジスタ109はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(低電源電位)が出力される。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ110はオフ状態となり、且つトランジスタ109はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。ここで、入力端子INにハイレベル電位が入力されることによってトランジスタ108のソースの電位が所定の電位(トランジスタ108のゲートの電位である電源電位V1に対してトランジスタ108の閾値電圧分低い電位)となると、トランジスタ108はオフ状態となり、そのソースはフローティング状態となる。そして、その後もトランジスタ109のソースの電位が上昇し続けることにより、容量素子212による容量結合によってトランジスタ109のゲートの電位が上昇する。こうして、出力端子OUTの電位は電源電位V1(またはそれに近い電位)に引き上げられ、出力端子OUTから電源電位V1(高電源電位)が出力される。つまり、図5に示した増幅回路BUFは、ブートストラップ回路を有するということもできる。
【0078】
次いで、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110がpチャネル型トランジスタである場合の動作について説明する。入力端子INにハイレベル電位が入力され、反転入力端子INBにローレベル電位が入力された際、トランジスタ110はオン状態となり、且つトランジスタ109はオフ状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V2と接続されて、出力端子OUTから電源電位V2(高電源電位)が出力される。入力端子INにローレベル電位が入力され、反転入力端子INBにハイレベル電位が入力された際、トランジスタ110はオフ状態となり、且つトランジスタ109はオン状態となる。こうして、出力端子OUTは電源線V1と接続される。ここで、入力端子INにローレベル電位が入力されることによってトランジスタ108のソースの電位が所定の電位(トランジスタ108のゲートの電位である電源電位V1に対してトランジスタ108の閾値電圧分高い電位)となると、トランジスタ108はオフ状態となり、そのソースはフローティング状態となる。そして、その後もトランジスタ109のソースの電位が低下し続けることにより、容量素子212による容量結合によってトランジスタ109のゲートの電位が低下する。こうして、出力端子OUTの電位は電源電位V1(またはそれに近い電位)に引き下げられ、出力端子OUTから電源電位V1(低電源電位)が出力される。つまり、図5に示した増幅回路BUFは、ブートストラップ回路を有するということもできる。
【0079】
以上のとおりの動作を行うため、増幅回路BUFは、バッファ回路やレベルシフタ回路ということもできる。
【0080】
なお、図4において、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4それぞれは、実施の形態1において図2(B)で示した論理回路INVと同様の構成とすることができる。実施の形態1において説明した様に、図2(B)に示した論理回路INVは、図2(A)に示した論理回路INVと比較して回路構成を簡略化することができるが、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に等しい、所定の振幅の出力信号を出力することができない。
【0081】
しかし、図4において、論理回路INV3の出力及び論理回路INV4の出力は、スイッチSW3及びスイッチSW4を介して、論理回路INV1及び論理回路INV2に入力される。また、論理回路INV1及び論理回路INV2の出力は、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2によって増幅され、各段10の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからの出力信号となる。そのため、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4が、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号を出力することができなくても、段10の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからは電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号が出力される。こうして、所定の振幅の信号を出力可能な半導体装置が得られる。
【0082】
なお、図4における論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4のいずれか又は全ては、実施の形態1において図2(A)で示した論理回路INVと同様の構成とすることも可能である。
【0083】
また、スイッチSW1及びスイッチSW2それぞれは、実施の形態1において図2(C)で示した構成と同様の構成とすることができるため、説明は省略する。スイッチSW3及びスイッチSW4それぞれは、実施の形態1において図2(D)で示した構成と同様の構成とすることができるため、説明は省略する。
【0084】
ここで、スイッチは論理回路や増幅回路よりも電流駆動能力が小さくても良いため、スイッチを構成するトランジスタのサイズは、論理回路や増幅回路を構成するトランジスタのサイズよりも小さくすることができる。つまり、トランジスタ106及びトランジスタ107のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ104、トランジスタ105、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110のいずれか又は全てのチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0085】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4は、出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4を構成するトランジスタ(トランジスタ104及びトランジスタ105)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2を構成するトランジスタ(トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110、特にトランジスタ109及びトランジスタ110)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0086】
図4に示した構成の段10は、図1に示した構成の段10における論理回路INV1及び論理回路INV2の代わりに、論理回路INV1と増幅回路BUF1と論理回路INV2と増幅回路BUF2とを設けた構成に相当する。つまり、図4に示した構成の段10は、図1に示した構成の段10における論理回路INV1及び論理回路INV2を、論理値反転機能を有する回路と、増幅機能を有する回路と、に分離した構成に相当するということもできる。ここで、論理値反転機能を有する回路と、増幅機能を有する回路とを分離することによって、上記のとおり、論理値反転機能を有する回路(図4における、論理回路INV1及び論理回路INV2)を構成するトランジスタのサイズを、増幅機能を有する回路(図4における、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2)を構成するトランジスタのサイズよりも小さくすることができる。そのため、論理値反転機能を有する回路(図4における、論理回路INV1及び論理回路INV2)に信号を入力する回路(図4における、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4等)の電流駆動能力は小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0087】
図5に示した増幅回路BUFにおいて、トランジスタ108は出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、トランジスタ109及びトランジスタ110よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、トランジスタ108のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ109及びトランジスタ110のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。
【0088】
本発明の半導体装置の一態様は、図4に示した段10を複数有する構成とすることができる。例えば、図3に示す様に、半導体装置100は段10を複数有し、複数の段10は、入力端子INが前段の出力端子OUTと接続され、且つ反転入力端子INBが前段の反転出力端子OUTBと接続されるように縦続接続(カスケード接続)される構成とすることができる。ここで、複数の段10の隣接する段において、端子C1に入力される信号の論理値を異ならせることができる(つまり、複数の段10の隣接する段において、端子C2に入力される信号の論理値を異ならせることができる)。例えば、ある段10において、端子C1にはクロック信号を入力し、端子C2にはクロック反転信号を入力し、当該段10に隣接する段10において、端子C1にはクロック反転信号を入力し端子C2にはクロック信号を入力することができる。図3では、クロック信号をCLKで示し、その反転信号をCLKBで示している。また、縦続接続された複数の段10のうち最初の段の入力端子IN及び反転入力端子INBには、互いに反転した信号が入力される構成とすることができる。図3では、最初の段の入力端子INに信号SPが入力され、反転入力端子INBには信号SPの反転信号SPBが入力されている。
【0089】
図3に示す半導体装置100は、クロック信号に同期して最初の段の入力端子INに入力された信号を各段10に順に保持する機能を有する。よって、半導体装置100はシフトレジスタということもできる。信号SPはスタートパルスということもできる。半導体装置100は、クロック信号CLKに同期してスタートパルスを順にシフトし、出力SR1、SR2、SR3、として出力する機能を有する。半導体装置100は、出力SR1、SR2、SR3、によって負荷を駆動することができる。なお、出力SR1、SR2、SR3、は、各段10の出力端子OUTからの出力信号としたがこれに限定されない。例えば、出力SR1、SR2、SR3、として、各段10の反転出力端子OUTBからの出力信号を用いてもよい。また更に、偶数番目の段10の出力SR2、SR4、SR6、のみを半導体装置100の出力として用い、負荷を駆動してもよい。
【0090】
本実施の形態において示した半導体装置では、スイッチ(スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4)と、導通状態となった当該スイッチを介して入力信号が入力端子に入力される論理回路(論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4)と、増幅回路(増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2)を有し、スイッチは、その導通状態又は非導通状態がクロック信号(またはその反転信号)によって選択される。一方、増幅回路は、高電源線と出力端子との接続、及び、低電源線と出力端子との接続を選択することによって、入力信号と同じ論理値の信号を出力端子OUTから出力する。そして、増幅回路の出力を半導体装置の出力とする。こうして、半導体装置によって駆動される負荷は、高電源線または低電源線と接続されて駆動される。このような構成とすることによって半導体装置は、クロック信号のハイレベル電位(またはローレベル電位)を用いて負荷を駆動しないので、クロック信号生成回路は大きな電流駆動能力を必要としない。そのため、クロック信号生成回路の回路面積を小さくすることができる。
【0091】
また、半導体装置を構成するトランジスタの全てを、同一導電型とすることによって、半導体装置の作製工程を簡略化することができる。こうして、歩留まりを向上し、コストを削減することができる。この場合に、増幅回路(増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2)はブートストラップ回路を用いて出力信号を補正する構成とする。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される増幅回路であっても、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当)に(概略)等しい振幅電圧の出力信号が得られる。
【0092】
更に、論理回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0093】
増幅回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号と同じ論理値の信号を出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される増幅回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0094】
また、半導体装置に含まれるトランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は低電源線と接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は高電源線と接続することができる。こうして各トランジスタがノーマリオンとなるのを抑制することができる。そのため、半導体装置が誤動作するのを抑制し、また貫通電流も抑制することができる。
【0095】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0096】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の具体的な一態様について、図6を用いて説明する。
【0097】
半導体装置は、図6に示す段10を有する構成とすることができる。段10は、入力端子INと、反転入力端子INBと、スイッチSW1と、スイッチSW2と、スイッチSW3と、スイッチSW4と、論理回路INV1と、論理回路INV2と、論理回路INV3と、論理回路INV4と、増幅回路BUF1と、増幅回路BUF2と、増幅回路BUF3と、増幅回路BUF4と、出力端子OUTと、反転出力端子OUTBと、を有する。
【0098】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4はそれぞれ、入力端子INと、反転入力端子INBと、出力端子OUTと、を有し、入力端子INに入力された信号を反転させて出力端子OUTから出力する。論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4は、インバータ回路ということもできる。増幅回路BUF1、増幅回路BUF2、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4はそれぞれ、入力端子INと、反転入力端子INBと、出力端子OUTと、を有し、入力端子INに入力された信号をインピーダンス変換(インピーダンスを低く)して出力端子OUTから出力する。論理回路INV1の出力端子OUTは、増幅回路BUF1の入力端子IN、及び増幅回路BUF2の反転入力端子INBと接続される。論理回路INV2の出力端子OUTは、増幅回路BUF1の反転入力端子INB、及び増幅回路BUF2の入力端子INと接続される。増幅回路BUF1の出力端子OUTは、論理回路INV3の入力端子IN、論理回路INV4の反転入力端子INB、及び出力端子OUTと接続される。増幅回路BUF2の出力端子OUTは、論理回路INV3の反転入力端子INB、論理回路INV4の入力端子IN、及び反転出力端子OUTBと接続される。論理回路INV3の出力端子OUTは、増幅回路BUF3の入力端子IN、及び増幅回路BUF4の反転入力端子INBと接続される。論理回路INV4の出力端子OUTは、増幅回路BUF3の反転入力端子INB、及び増幅回路BUF4の入力端子INと接続される。スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、及びスイッチSW4それぞれは、端子Aと端子Bとの間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。こうして、スイッチSW1は、入力端子INと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW2は、反転入力端子INBと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW1及びスイッチSW2の端子Xは端子C1に接続され、端子C1にはクロック信号及びその反転信号の一方が入力される。スイッチSW3は、増幅回路BUF3の出力端子OUTと、論理回路INV1の入力端子IN及び論理回路INV2の反転入力端子INBと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW4は、増幅回路BUF4の出力端子OUTと、論理回路INV1の反転入力端子INB及び論理回路INV2の入力端子INと、の間の導通状態又は非導通状態を端子Xに入力される信号によって選択する機能を有する。スイッチSW3及びスイッチSW4の端子Xは端子C2に接続され、端子C2にはクロック信号及びその反転信号の他方が入力される。
【0099】
図6に示した段10では、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は非導通状態となり、クロック信号(またはその反転信号)によってスイッチSW1及びスイッチSW2が非導通状態の場合、クロック信号の反転信号(またはクロック信号)によってスイッチSW3及びスイッチSW4は導通状態となる。そのため、クロック信号に同期して、入力端子INに入力された信号を保持する機能を有する。よって、図6に示した段10は、フリップフロップ回路、ラッチ回路と呼ぶこともできる。
【0100】
増幅回路BUF1、増幅回路BUF2、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4のより具体的な構成の一態様は、実施の形態2において図5で示した増幅回路BUFと同様の構成とすることができるため、説明は省略する。
【0101】
なお、図6において、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4それぞれは、実施の形態1において図2(B)で示した論理回路INVと同様の構成とすることができる。実施の形態1において説明した様に、図2(B)に示した論理回路INVは、図2(A)に示した論理回路INVと比較して回路構成を簡略化することができるが、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に等しい、所定の振幅の出力信号を出力することができない。
【0102】
しかし、図6において、論理回路INV1及び論理回路INV2の出力は、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2によって増幅され、各段の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからの出力信号となる。また、論理回路INV3の出力及び論理回路INV4の出力は、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4によって増幅される。そのため、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4が、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号を出力することができなくても、段10の出力端子OUT及び反転出力端子OUTBからは電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の出力信号が出力される。こうして、所定の振幅の信号を出力可能な半導体装置が得られる。
【0103】
特に、図6に示した構成では、スイッチSW3及びスイッチSW4を介して論理回路INV1及び論理回路INV2に入力される信号も、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4によって、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当、つまり|V1−V2|に相当)に(概略)等しい振幅の信号となる。そのため、論理回路INV1及び論理回路INV2を構成するトランジスタの閾値電圧が経時劣化等で多少変動しても、これら論理回路の誤動作を抑制することができる。
【0104】
なお、図6における論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3及び論理回路INV4のいずれか又は全ては、実施の形態1において図2(A)で示した論理回路INVと同様の構成とすることも可能である。
【0105】
また、スイッチSW1及びスイッチSW2それぞれは、実施の形態1において図2(C)で示した構成と同様の構成とすることができるため、説明は省略する。スイッチSW3及びスイッチSW4それぞれは、実施の形態1において図2(D)で示した構成と同様の構成とすることができるため、説明は省略する。
【0106】
ここで、スイッチは論理回路や増幅回路よりも電流駆動能力が小さくても良いため、スイッチを構成するトランジスタのサイズは、論理回路や増幅回路を構成するトランジスタのサイズよりも小さくすることができる。つまり、トランジスタ106及びトランジスタ107のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ104、トランジスタ105、トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110のいずれか又は全てのチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0107】
論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4は、出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、及び論理回路INV4を構成するトランジスタ(トランジスタ104及びトランジスタ105)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2を構成するトランジスタ(トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110、特にトランジスタ109及びトランジスタ110)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0108】
図5に示した増幅回路BUFにおいて、トランジスタ108は出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、トランジスタ109及びトランジスタ110よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、トランジスタ108のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、トランジスタ109及びトランジスタ110のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。
【0109】
増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4は、出力端子OUTに接続される負荷を直接駆動しないため、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2よりも電流駆動能力が小さくても良い。そのため、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4を構成するトランジスタ(トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110、特にトランジスタ109及びトランジスタ110)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))は、増幅回路BUF1及び増幅回路BUF2を構成するトランジスタ(トランジスタ108、トランジスタ109及びトランジスタ110、特にトランジスタ109及びトランジスタ110)のチャネル幅(W)(または、チャネル長(L)に対するチャネル幅の比(W/L))よりも小さくすることができる。こうして、半導体装置の高精細化、小型化を図ることができる。
【0110】
本発明の半導体装置の一態様は、図6に示した段10を複数有する構成とすることができる。例えば、図3に示す様に、半導体装置100は段10を複数有し、複数の段10は、入力端子INが前段の出力端子OUTと接続され、且つ反転入力端子INBが前段の反転出力端子OUTBと接続されるように縦続接続(カスケード接続)される構成とすることができる。ここで、複数の段10の隣接する段において、端子C1に入力される信号の論理値を異ならせることができる(つまり、複数の段10の隣接する段において、端子C2に入力される信号の論理値を異ならせることができる)。例えば、ある段10において、端子C1にはクロック信号を入力し、端子C2にはクロック反転信号を入力し、当該段10に隣接する段10において、端子C1にはクロック反転信号を入力し端子C2にはクロック信号を入力することができる。図3では、クロック信号をCLKで示し、その反転信号をCLKBで示している。また、縦続接続された複数の段10のうち最初の段の入力端子IN及び反転入力端子INBには、互いに反転した信号が入力される構成とすることができる。図3では、最初の段の入力端子INに信号SPが入力され、反転入力端子INBには信号SPの反転信号SPBが入力されている。
【0111】
図3に示す半導体装置100は、クロック信号に同期して最初の段の入力端子INに入力された信号を各段10に順に保持する機能を有する。よって、半導体装置100はシフトレジスタということもできる。信号SPはスタートパルスということもできる。半導体装置100は、クロック信号CLKに同期してスタートパルスを順にシフトし、出力SR1、SR2、SR3、として出力する機能を有する。半導体装置100は、出力SR1、SR2、SR3、によって負荷を駆動することができる。なお、出力SR1、SR2、SR3、は、各段10の出力端子OUTからの出力信号としたがこれに限定されない。例えば、出力SR1、SR2、SR3、として、各段10の反転出力端子OUTBからの出力信号を用いてもよい。また更に、偶数番目の段10の出力SR2、SR4、SR6、のみを半導体装置100の出力として用い、負荷を駆動してもよい。
【0112】
本実施の形態において示した半導体装置では、スイッチ(スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4)と、導通状態となった当該スイッチを介して入力信号が入力端子に入力される論理回路(論理回路INV1、論理回路INV2、論理回路INV3、論理回路INV4)と、増幅回路(増幅回路BUF1、増幅回路BUF2、増幅回路BUF3及び増幅回路BUF4)を有し、スイッチは、その導通状態又は非導通状態がクロック信号(またはその反転信号)によって選択される。一方、増幅回路は、高電源線と出力端子との接続、及び、低電源線と出力端子との接続を選択することによって、入力信号と同じ論理値の信号を出力端子OUTから出力する。そして、増幅回路の出力を半導体装置の出力とする。こうして、半導体装置によって駆動される負荷は、高電源線または低電源線と接続されて駆動される。このような構成とすることによって半導体装置は、クロック信号のハイレベル電位(またはローレベル電位)を用いて負荷を駆動しないので、クロック信号生成回路は大きな電流駆動能力を必要としない。そのため、クロック信号生成回路の回路面積を小さくすることができる。
【0113】
また、半導体装置を構成するトランジスタの全てを、同一導電型とすることによって、半導体装置の作製工程を簡略化することができる。こうして、歩留まりを向上し、コストを削減することができる。この場合に、増幅回路(増幅回路BUF1、増幅回路BUF2、増幅回路BUF3、及び増幅回路BUF4)はブートストラップ回路を用いて出力信号を補正する構成とする。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される増幅回路であっても、電源電圧(高電源電位と低電源電位の差分に相当)に(概略)等しい振幅電圧の出力信号が得られる。
【0114】
更に、論理回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号の論理値を反転して出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される論理回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0115】
増幅回路は、複数の入力端子(入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子)を有し、高電源線及び低電源線の一方と出力端子との接続を反転入力端子に入力される信号によって制御し、高電源線及び低電源線の他方と出力端子との接続を入力端子に入力される信号によって制御することによって、入力端子に入力された入力信号と同じ論理値の信号を出力端子から出力する構成とすることができる。こうして、単極性のトランジスタを用いて構成される増幅回路であっても、高電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタ、及び、低電源線と出力端子の間に設けられたトランジスタのうちの一方がオン状態のときに、他方をオフ状態とすることができる。そのため、高電源線と低電源線との間に設けられた回路における貫通電流を抑制することができる。
【0116】
また、半導体装置に含まれるトランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、一対のゲート電極の一方は半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、一対のゲート電極の他方は、半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳する構成とすることができる。一対のゲート電極の他方(バックゲート)は、当該トランジスタのソースと接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は低電源線と接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、一対のゲート電極の他方(バックゲート)は高電源線と接続することができる。こうして各トランジスタがノーマリオンとなるのを抑制することができる。そのため、半導体装置が誤動作するのを抑制し、また貫通電流も抑制することができる。
【0117】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0118】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態において示した半導体装置を構成するトランジスタ(例えば、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103、トランジスタ104、トランジスタ105、トランジスタ106、トランジスタ107、トランジスタ108、トランジスタ109、トランジスタ110)の構成の一態様について、図8及び図9を用いて説明する。
【0119】
図8(A)には、トランジスタの上面図を示し、図8(B)には、図8(A)におけるA1−A2の断面図の例を示す。図8に示すトランジスタは、チャネルが形成された半導体層として酸化物半導体を有する層(以下、酸化物半導体層という)を用いるものである。酸化物半導体層を用いることのメリットは、簡単なプロセス、低温のプロセスで、高い移動度と低いオフ電流が実現できることといえる。
【0120】
図8(B)に示すように、トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上の、ゲート電極402、ゲート絶縁層404、酸化物半導体層412、ドレイン電極414a、及びソース電極414bを含む。また、酸化物半導体層412に接するゲート絶縁層416が設けられ、ゲート絶縁層416上にはさらにゲート電極418が設けられている。なお、ゲート電極402及びゲート電極418の一方は、先の実施の形態におけるゲートに相当し、ゲート電極402及びゲート電極418の他方は、先の実施の形態におけるバックゲートに相当する。また、ソース電極414bは、先の実施の形態におけるソースに相当し、ドレイン電極414aは、先の実施の形態におけるドレインに相当する。
【0121】
なお、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうちいくつかは、ゲート電極402及びゲート電極418の一方をゲートとし、ゲート電極402及びゲート電極418の他方をバックゲートとし、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち他のトランジスタは、ゲート電極402及びゲート電極418の一方をバックゲートとし、ゲート電極402及びゲート電極418の他方をゲートとしてもよい。つまり、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち、いくつかと、その他のトランジスタとで、「ゲート」と「バックゲート」との位置関係を逆とすることが可能である。例えば、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうちいくつかを、酸化物半導体層412の下方に設けられたゲート電極402をゲートとするボトムゲート型トランジスタとし、半導体装置に含まれる複数のトランジスタのうち他のトランジスタを、酸化物半導体層412の上方に設けられたゲート電極418をゲートとするトップゲート型トランジスタとすることも可能である。そして、バックゲート(トランジスタによって、ゲート電極402またはゲート電極418となる)は、当該トランジスタのソースと電気的に接続することができる。または、当該トランジスタがnチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは低電源線と電気的に接続することができる。当該トランジスタがpチャネル型トランジスタの場合に、バックゲートは高電源線と電気的に接続することができる。
【0122】
本実施の形態では、半導体層として酸化物半導体層412を用いる。酸化物半導体層412を用いたトランジスタ410は、オフ電流を極めて小さくすることが可能である。よって、これをシフトレジスタ等に用いることで、回路中の各ノードの電位保持が容易になり、誤動作の確率を極めて低く抑えることができる。
【0123】
トランジスタ410において、ゲート電極402及びゲート電極418の他方(バックゲート)はソース電極414bと接続することができる。なお、トランジスタ410がnチャネル型トランジスタの場合、ソース電極414bは低電源線と接続されていてもよい。こうして、トランジスタ410がノーマリオンとなるのを抑制することができる。また、ゲート電極402とゲート電極418を接続して、トランジスタ410のゲートとしてもよい。
【0124】
図8に示すトランジスタ410は、ドレイン電極414a及びソース電極414bと、ゲート電極402とが一部重なる構造であるが、ドレイン電極414a及びソース電極414bと、ゲート電極402とが重ならない構造であってもよい。
【0125】
酸化物半導体層412の結晶性は特に限定されない。例えば、酸化物半導体層412は非単結晶とすることができ、アモルファスでも、多結晶でもよい。また、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でもよい。
【0126】
アモルファス状態の酸化物半導体層は、比較的容易に平坦な表面を得ることができるため、これを用いてトランジスタを作製することにより界面散乱を低減でき、比較的容易に、比較的高い移動度を得ることができる。
【0127】
また、結晶性を有する酸化物半導体層では、よりバルク内欠陥を低減することができる。そして、結晶性を有する酸化物半導体層412の表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体層よりも高い移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
【0128】
なお、Raは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の式にて定義される。
【0129】
【数1】

【0130】
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標((x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
【0131】
酸化物半導体層412として、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜を用いることができる。
【0132】
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
【0133】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0134】
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
【0135】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線方向に平行なベクトルとなる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
【0136】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動を低減することが可能である。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0137】
なお、酸化物半導体膜を構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。
【0138】
CAAC−OS膜を得る方法としては、3つ挙げられる。1つ目は、成膜温度を200℃以上500℃以下として酸化物半導体層の成膜を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。2つ目は、膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。3つ目は、一層目の膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、2層目の成膜を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。
【0139】
酸化物半導体層412の膜厚は、1nm以上30nm以下(好ましくは5nm以上10nm以下)とし、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。また、酸化物半導体層412は、スパッタリングターゲット表面に対し、概略垂直に複数の基板表面がセットされた状態で成膜を行うスパッタ装置を用いて成膜してもよい。
【0140】
本実施の形態の半導体層に用いる酸化物半導体層412は、n型不純物である水素を酸化物半導体から除去し、主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することが好ましい。
【0141】
なお、高純度化された酸化物半導体層中ではキャリアが極めて少なく、キャリア密度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好ましくは1×1011/cm未満となる。また、このようにキャリアが少ないことで、オフ状態における電流(オフ電流)は十分に小さくなる。
【0142】
具体的には、上述の酸化物半導体層を具備するトランジスタでは、室温(25℃)におけるオフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流密度を、トランジスタのチャネル長Lが10μm、トランジスタのソース−ドレイン間の電圧が3Vの条件において、100zA/μm(1×10−19A/μm)以下、さらには10zA/μm(1×10−20A/μm)以下にすることが可能である。
【0143】
また、高純度化された酸化物半導体層を具備するトランジスタ410は、オン電流の温度依存性がほとんど見られず、オフ電流も非常に小さいままである。
【0144】
次に、図8に示すトランジスタ410の作製工程について、図9を用いて説明する。
【0145】
まず、絶縁表面を有する基板400上に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程によりゲート電極402を形成する。なお、当該フォトリソグラフィ工程に用いるレジストマスクは、インクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0146】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板400として用いてもよい。
【0147】
また、基板400として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体層412を含むトランジスタ410を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体層412を含むトランジスタ410を作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体層412を含むトランジスタ410との間に剥離層を設けるとよい。
【0148】
ゲート電極402の材料として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を適用することができる。また、ゲート電極402として、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイドなどのシリサイド膜を用いてもよい。ゲート電極402は、単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。
【0149】
また、ゲート電極402の材料として、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。また、上記導電性材料と、上記金属材料の積層構造とすることもできる。
【0150】
なお、後に成膜されるゲート絶縁層404と接するゲート電極402の一層として、窒素を含む金属酸化物膜、具体的には、窒素を含むIn−Ga−Zn−O膜や、窒素を含むIn−Sn−O膜や、窒素を含むIn−Ga−O膜や、窒素を含むIn−Zn−O膜や、窒素を含むSn−O膜や、窒素を含むIn−O膜や、金属窒化膜(InN、SnNなど)を用いることができる。これらの膜は5eV(電子ボルト)、好ましくは5.5eV(電子ボルト)以上の仕事関数を有し、ゲート電極として用いた場合、nチャネル型トランジスタの閾値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現できる。
【0151】
次に、ゲート電極402上にゲート絶縁層404を形成する。
【0152】
ゲート絶縁層404の膜厚は、1nm以上20nm以下とし、スパッタリング法、MBE法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いることができる。また、ゲート絶縁層404は、スパッタリングターゲット表面に対し、概略垂直に複数の基板表面がセットされた状態で成膜を行うスパッタ装置を用いて成膜してもよい。
【0153】
ゲート絶縁層404の材料として、酸化シリコン膜、酸化ガリウム膜、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜、または窒化酸化シリコン膜を適用することができる。ゲート絶縁層404は、後に成膜される酸化物半導体層406と接する部分において酸素を含むことが好ましい。特に、ゲート絶縁層404は、膜中(バルク中)に少なくとも化学量論比を超える量の酸素が存在することが好ましく、例えば、ゲート絶縁層404として、酸化シリコン膜を用いる場合には、SiO2+α(ただし、α>0)とする。本実施の形態では、ゲート絶縁層404として、SiO2+α(ただし、α>0)である酸化シリコン膜を用いる。この酸化シリコン膜をゲート絶縁層404として用いることで、後に成膜される酸化物半導体層406に酸素を供給することができる。さらに、ゲート絶縁層404は、作製するトランジスタのサイズやゲート絶縁層404の段差被覆性を考慮して形成することが好ましい。
【0154】
また、ゲート絶縁層404の材料として酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi、(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiO(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。さらに、ゲート絶縁層404は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
【0155】
次に、ゲート絶縁層404上に酸化物半導体層406を成膜する(図9(A)参照)。
【0156】
ここで、酸化物半導体層406の形成工程において、酸化物半導体層に水素、又は水がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体層406の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁層404が形成された基板を予備加熱し、基板400及びゲート絶縁層404に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。
【0157】
ゲート絶縁層404において酸化物半導体層406が接して形成される領域に、平坦化処理を行ってもよい。平坦化処理としては、特に限定されないが、ドライエッチング処理、プラズマ処理、又は研磨処理(例えば、化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法)を用いることができる。
【0158】
プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、ゲート絶縁層404の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
【0159】
平坦化処理として、ドライエッチング処理、プラズマ処理、又は研磨処理は複数回行ってもよく、それらを組み合わせて行ってもよい。また、組み合わせて行う場合、工程順も特に限定されず、ゲート絶縁層404表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
【0160】
なお、酸化物半導体層406は、成膜時に酸素が多く含まれるような条件(例えば、酸素100%の雰囲気下でスパッタリング法により成膜を行うなど)で成膜して、酸素を多く含む(好ましくは酸化物半導体が結晶状態における化学量論的組成に対し、酸素の含有量が過剰な領域が含まれている)膜とすることが好ましい。
【0161】
酸化物半導体層406に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0162】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種あるいは複数種を有してもよい。
【0163】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
【0164】
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
【0165】
なお、本実施の形態において、酸化物半導体層406をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、組成として、In:Ga:Zn=3:1:2[原子百分率]の酸化物ターゲットを用い、In−Ga−Zn系酸化物膜(IGZO膜)を成膜する。
【0166】
また、ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。相対密度の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体層406は緻密な膜とすることができる。
【0167】
酸化物半導体層406を、成膜する際に用いるスパッタリングガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0168】
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持する。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板400上に酸化物半導体層406を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体層406に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0169】
また、ゲート絶縁層404と酸化物半導体層406とを大気に解放せずに連続的に成膜することが好ましい。ゲート絶縁層404と酸化物半導体層406とを大気に曝露せずに連続して成膜すると、ゲート絶縁層404表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる。
【0170】
次に、酸化物半導体層406に含まれる過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)するための加熱処理を行う。酸化物半導体層406に加熱処理を行うことにより、過剰な水素が除去された酸化物半導体層408を形成することができる(図9(B)参照)。加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。加熱処理は減圧下又は窒素雰囲気下などで行うことができる。例えば、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層406に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
【0171】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性ガスが用いられる。
【0172】
例えば、加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を入れ、数分間加熱した後、基板を不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
【0173】
なお、加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0174】
また、加熱処理で酸化物半導体層406を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の一酸化二窒素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入してもよい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガスまたは一酸化二窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又は一酸化二窒素ガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することができる。
【0175】
また、脱水化又は脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
【0176】
脱水化又は脱水素化のための加熱処理を、酸化物半導体層412として島状に加工される前、膜状の酸化物半導体層406がゲート絶縁層404を覆った状態で行うと、ゲート絶縁層404に含まれる酸素が加熱処理によって外方拡散されるのを防止することができるため好ましい。
【0177】
また、脱水化又は脱水素化処理によって、酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素が同時に脱離して減少してしまうおそれがある。酸化物半導体層408において、酸素が脱離した箇所では酸素欠損が存在し、該酸素欠損に起因してトランジスタの電気的特性変動を招くドナー準位が生じてしまう。
【0178】
よって、脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体層408に、酸素を供給することが好ましい。酸化物半導体層408へ酸素を供給することにより、膜中の酸素欠損を補填することができる。
【0179】
例えば、酸素の供給源となる酸素を多く(過剰に)含む酸化物絶縁層をゲート絶縁層404として用い、酸化物半導体層408と接して設けることによって、該酸化物絶縁層から酸化物半導体層408へ酸素を供給することができる。上記構成において、脱水化又は脱水素化処理として加熱処理を行った酸化物半導体層408及び酸化物絶縁層を少なくとも一部が接した状態で加熱処理を行うことによって酸化物半導体層408への酸素の供給を行ってもよい。
【0180】
酸素の供給源となる酸素を多く(過剰に)含むゲート絶縁層404と酸化物半導体層408と接して設けることによって、該ゲート絶縁層404から酸化物半導体層408へ酸素を供給することができ、酸化物半導体層408中の酸素欠損を補填することができる。
【0181】
次に、酸化物半導体層408をフォトリソグラフィ工程により、島状の酸化物半導体層412を形成する(図9(C)参照)。なお、当該フォトリソグラフィ工程に用いるレジストマスクは、インクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0182】
なお、酸化物半導体層408のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体層408のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0183】
次に、酸化物半導体層412に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入して膜中に酸素を供給してもよい。
【0184】
酸化物半導体層412に、酸素を導入して膜中に酸素を供給することによって、酸化物半導体層412を高純度化することができる。高純度化された酸化物半導体層412を有するトランジスタは、電気特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
【0185】
酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理などを用いることができる。
【0186】
酸素の導入工程は、酸化物半導体層412に酸素導入する場合、酸化物半導体層412に直接導入してもよいし、後に成膜されるゲート絶縁層416を通過して酸化物半導体層412へ導入してもよい。酸素をゲート絶縁層416を通過して導入する場合は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いればよいが、酸素を露出された酸化物半導体層412へ直接導入する場合は、プラズマ処理なども用いることができる。
【0187】
酸化物半導体層への酸素の導入は、脱水化又は脱水素化処理を行った後であればよく、特に限定されない。また、上記脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体層に、酸素の導入を複数回行ってもよい。
【0188】
次いで、酸化物半導体層412上に、ドレイン電極414a及びソース電極414b(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により、ドレイン電極414a及びソース電極414bを形成する(図9(D)参照)。
【0189】
該導電膜は後の加熱処理に耐えられる材料を用いる。ドレイン電極414a及びソース電極414bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ドレイン電極414a及びソース電極414bに用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In−SnO、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛(In−ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0190】
次に、酸化物半導体層412、ドレイン電極414a、及びソース電極414bを覆うように、ゲート絶縁層416を成膜する。なお、ゲート絶縁層416の材料及び成膜方法として、ゲート絶縁層404と同様の材料及び成膜方法を適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0191】
次に、ゲート絶縁層416上にゲート電極418となる導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により、ゲート電極418を形成する(図9(E)参照)。なお、ゲート電極418の材料及び成膜方法として、ゲート電極402と同様の材料及び成膜方法を適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0192】
以上の工程でトランジスタ410が形成される(図9(E)参照)。
【0193】
なお、ゲート絶縁層416、及びゲート電極418上には、さらに保護絶縁層を形成してもよい。保護絶縁層は、水素や水などの、外部からの侵入を防止する。保護絶縁層としては、例えば、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。成膜方法は特に限定されないが、RFスパッタ法は量産性がよいため、保護絶縁層の成膜方法として適している。
【0194】
さらに、保護絶縁層上には、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するための平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料を用いることができる。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0195】
なお、保護絶縁層又は平坦化絶縁膜の成膜後には、さらに、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下の条件で、熱処理を行ってもよい。
【0196】
このように、本実施の形態を用いて作製した、高純度化された酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、このトランジスタを用いることにより、ノードの電位保持が容易になる。よって、これをシフトレジスタ等に用いることで、誤動作の確率を極めて低く抑えることができる。
【0197】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0198】
本発明の一態様に係る半導体装置は、様々な電子機器に用いることができる。電子機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ(例えば、ノート型やデスクトップ型)、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機が挙げられる。
【0199】
電子機器の一例について図10(A)、図10(B)、及び図10(C)を用いて説明する。
【0200】
図10(A)及び図10(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図10(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
【0201】
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9037にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
【0202】
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
【0203】
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
【0204】
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
【0205】
また、図10(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
【0206】
図10(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する。なお、図10(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示している。
【0207】
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
【0208】
また、この他にも図10(A)及び図10(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
【0209】
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力を表示部9631(表示部9631a 及び/又は 表示部9631b)や、表示部9631中のタッチパネルや映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633を、筐体9630の少なくとも一面(例えば、表示部9631a及び表示部9631bが設けられた面を表面とすると、その裏面全体またはその一部)に設けることによって、効率的なバッテリー9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0210】
また、図10(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図10(C)にブロック図を示し説明する。図10(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図10(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
【0211】
外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池9633で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
【0212】
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
【0213】
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0214】
10 段
80 段
81 トランジスタ
82 トランジスタ
83 トランジスタ
84 トランジスタ
85 容量素子
100 半導体装置
101 トランジスタ
102 トランジスタ
103 トランジスタ
104 トランジスタ
105 トランジスタ
106 トランジスタ
107 トランジスタ
108 トランジスタ
109 トランジスタ
110 トランジスタ
211 容量素子
212 容量素子
400 基板
402 ゲート電極
404 ゲート絶縁層
406 酸化物半導体層
408 酸化物半導体層
410 トランジスタ
412 酸化物半導体層
414a ドレイン電極
414b ソース電極
416 ゲート絶縁層
418 ゲート電極
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9033 留め具
9034 表示モード切り替えスイッチ
9035 電源スイッチ
9036 省電力モード切り替えスイッチ
9037 操作キー
9038 操作スイッチ
9639 キーボード表示切り替えボタン
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと、導通状態となった前記スイッチを介して入力信号が入力される論理回路と、を有し、
前記スイッチと、前記論理回路を構成するトランジスタの全ては、nチャネル型トランジスタであり、
前記スイッチは、導通状態又は非導通状態がクロック信号によって選択され、
前記論理回路は、ブートストラップ回路と、前記入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子と、出力端子と、を有し、高電源線から高電源電位が供給され、低電源線から前記高電源電位よりも低い低電源電位が供給され、前記高電源線と前記出力端子との電気的接続を前記反転入力端子に入力される信号によって制御し、前記低電源線と前記出力端子との電気的接続を前記入力端子に入力される信号によって制御することによって、前記入力信号がハイレベル電位の場合には、前記出力端子から前記低電源電位を出力し、前記入力信号がローレベル電位の場合には、前記ブートストラップ回路を用いて前記出力端子の電位を上昇させることにより前記出力端子から前記高電源電位を出力し、
前記nチャネル型トランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、前記半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、前記一対のゲート電極の一方は前記半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、前記一対のゲート電極の他方は、前記半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳し、前記一対のゲート電極の他方は、ソースと電気的に接続される半導体装置。
【請求項2】
スイッチと、導通状態となった前記スイッチを介して入力信号が入力される論理回路と、を有し、
前記スイッチと、前記論理回路を構成するトランジスタの全ては、pチャネル型トランジスタであり、
前記スイッチは、導通状態又は非導通状態がクロック信号によって選択され、
前記論理回路は、ブートストラップ回路と、前記入力信号が入力される入力端子と、前記入力信号の論理値が反転した信号が入力される反転入力端子と、出力端子と、を有し、高電源線から高電源電位が供給され、低電源線から前記高電源電位よりも低い低電源電位が供給され、前記低電源線と前記出力端子との電気的接続を前記反転入力端子に入力される信号によって制御し、前記高電源線と前記出力端子との電気的接続を前記入力端子に入力される信号によって制御することによって、前記入力信号がローレベル電位の場合には、前記出力端子から前記高電源電位を出力し、前記入力信号がハイレベル電位の場合には、前記ブートストラップ回路を用いて前記出力端子の電位を低下させることにより前記出力端子から前記低電源電位を出力し、
前記pチャネル型トランジスタは、チャネルが形成される半導体層と、前記半導体層を挟んで設けられた一対のゲート電極とを有し、前記一対のゲート電極の一方は前記半導体層と第1のゲート絶縁層を介して重畳し、前記一対のゲート電極の他方は、前記半導体層と第2のゲート絶縁層を介して重畳し、前記一対のゲート電極の他方は、ソースと電気的に接続される半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記半導体層は、酸化物半導体を用いて形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記半導体層は、酸化物半導体を用いて形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の半導体装置を用いた電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−62014(P2013−62014A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−165298(P2012−165298)
【出願日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】