説明

半導体集積回路

【課題】ノイズによる誤動作を防止する半導体集積回路を提供することを目的とする。
【解決手段】電源部に設けられ前記専用回路部13に供給する電源を生成する電源回路11aと、電源回路11aで生成した電源を前記専用回路部13に供給する経路に直列に設けられた第1及び第2のスイッチM13,M14と、異常検出信号を供給されて第1のスイッチM13をオフさせるための保護信号を生成する保護回路14と、電源部に設けられ保護信号からリセットを指示するリセット信号を生成して制御回路部12に供給するリセット回路11cとを有し、制御回路部12のリセットにより第2のスイッチM14をオフさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源部と、制御回路部と、専用回路部を有する半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロセスの微細化にしたがって、半導体集積回路内に形成される回路素子数が飛躍的に多くなっている。また、1つの半導体チップ上に、制御回路部としてのマイクロコントローラの他に、特定の装置に特化した専用回路部を混在させて搭載するSOC(System on a chip)が開発されている(例えば特許文献1)。
【0003】
図5は、従来のSOC構成の半導体集積回路の一例の回路構成図を示す。この回路は例えばガスコンロの半導体集積回路として使用される。図5において、端子1aにはクロックが入力され、保護回路2を構成するT型フリップフロップ2〜2の1段目のフリップフロップ2に供給される。また、端子1bにはマイクロコントローラの暴走検出や出力端子のショート検出等の異常検出信号が入力され、フリップフロップ2〜2のリセット端子Rに供給される。
【0004】
保護回路2は異常検出信号が入力されるとリセットを解除してクロックのカウントを開始し、例えば数sec後にハイレベルの保護信号を生成してn段目のフリップフロップ2のQ端子から出力する。
【0005】
保護回路2の出力端子(フリップフロップ2のQ端子)は抵抗R1を介して接地されると共に、抵抗R2を介して半導体集積回路の外部に導出された外部端子3に接続されている。抵抗R1,R2の接続点はnチャネルMOSトランジスタM1のゲートに接続されると共に、インバータ4の入力端子に接続されている。
【0006】
上記ハイレベルの保護信号はインバータ4で反転されてアンド回路5に供給される。アンド回路5にはオフ時にローレベルとなるオン/オフ信号が供給されており、アンド回路5は反転された保護信号又はオン/オフ信号が供給されるとローレベルの信号を第1電源回路6及び第2電源回路7に供給する。
【0007】
第1電源回路6は、専用回路部用の電源Vreg1を生成して専用回路部に供給すると共に、nチャネルMOSトランジスタM1,M2を介して端子8より電源Vreg1を出力する。端子8の出力電圧は例えばガス制御弁を開閉するためのアクチュエータを開成するために使用される。
【0008】
第2電源回路7は、マイクロコントローラ用の電源Vreg2を生成してマイクロコントローラ9に供給する。マイクロコントローラ9は、図示しない専用回路部の動作や状態を監視して制御を行っており、また、MOSトランジスタM2のオン/オフを制御する。
【0009】
ここで、マイクロコントローラ9はハイレベルの制御信号をMOSトランジスタM2のゲートに供給することによりMOSトランジスタM2がオフする。また、保護回路2がハイレベルの保護信号を出力すると、このハイレベルの保護信号によりMOSトランジスタM1がオフする。上記のMOSトランジスタM1又はM2のオフにより、端子8における電源Vreg1の出力が停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−266402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図5に示す従来回路では、ガスコンロのイグナイタが点火動作を行うと大電圧の点火パルスが発生し、この点火パルスがノイズとして外部端子3やその近傍の配線に混入する場合がある。この場合、外部端子3から混入した点火パルスのノイズはインバータ4からアンド回路5に供給されるため、保護回路2がハイレベルの保護信号を生成していない状態であるにも拘らず、アンド回路5からローレベルのパルス(ノイズ)が第1電源回路6及び第2電源回路7に供給される場合がある。
【0012】
図6に、図5の回路各部の信号波形図を示す。図6(A)に第1電源回路6の出力する電源Vreg1を示し、図6(B)に第2電源回路7の出力する電源Vreg2を示す。また、図6(C)に点火パルス波形を示す。図6(A),(B)に示すように、点火パルスの発生時に電源Vreg1,Vreg2は瞬断する。
【0013】
このように、第2電源回路7の出力する電源Vreg2は点火パルスのノイズで瞬断、すなわち、マイクロコントローラの電源が瞬断するために、マイクロコントローラ9がフリーズ等の誤動作を起こす。このマイクロコントローラ9の誤動作により、MOSトランジスタM2が誤ってオフしてしまう等の誤動作が発生するという問題があった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、ノイズによる誤動作を防止する半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施態様による半導体集積回路は、電源部(11)と、制御回路部(12)と、専用回路部(13)を有する半導体集積回路であって、
前記電源部に設けられ前記専用回路部(13)に供給する電源を生成する電源回路(11a)と、
前記電源回路(11a)で生成した電源を前記専用回路部(13)に供給する経路に直列に設けられた第1及び第2のスイッチ(M13,M14)と、
異常検出信号を供給されて前記第1のスイッチ(M13)をオフさせるための保護信号を生成する保護回路(14)と、
前記電源部に設けられ前記保護信号からリセットを指示するリセット信号を生成して前記制御回路部(12)に供給するリセット回路(11c)と、
を有し、
前記制御回路部(12)のリセットにより前記第2のスイッチ(M14)をオフさせる。
【0016】
好ましくは、前記保護信号を外部に出力する外部端子(25)と、
前記保護回路と前記外部端子との間に設けられたバッファ回路(M11,M12)を有する。
【0017】
好ましくは、前記リセット回路(11c)は、前記保護信号の立ち上がり又は立ち下がりのノイズを除去するフィルタ回路(M13,C2,R24,M14,C3,R25)を有する。
【0018】
好ましくは、前記電源部(11)と前記制御回路部(12)と前記専用回路部(13)は1つの半導体チップ上に搭載される。
【0019】
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ノイズによる誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の半導体集積回路の一実施形態のブロック構成図である。
【図2】本発明の半導体集積回路の一実施形態の回路構成図である。
【図3】リセット回路の一実施形態の回路図である。
【図4】図2の回路各部の信号波形図である。
【図5】従来のSOC構成の半導体集積回路の一例の回路構成図である。
【図6】図5の回路各部の信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0023】
<半導体集積回路のブロック構成>
図1は、本発明の半導体集積回路の一実施形態のブロック構成図を示す。図1において、半導体集積回路10は、1つの半導体チップ上に、電源部11と、制御回路部としてのマイクロコントローラ12と、アナログの専用回路部13を搭載したSOC構成である。
【0024】
電源部11は、第1電源回路11aと第2電源回路11bとリセット回路11cを有し、端子11dに図示しない電源スイッチが接続される。第1電源回路11aは電源スイッチがオンし端子11dが例えばハイレベルとなると、専用回路部13用の電源Vreg1(例えば3.5V又は5V等)を生成して専用回路部13に供給する。
【0025】
第2電源回路11bは電源スイッチがオンし端子11dが例えばハイレベルとなると、マイクロコントローラ12用の電源Vreg2(例えば2V)を生成してマイクロコントローラ12に供給する。リセット回路11cは第2電源回路11bから供給される専用回路部13用の電源Vreg2を用いて、電源Vreg2が立ち上がって所定時間後に、ローレベル(リセット)からハイレベル(リセット解除)に立ち上がるリセット信号を生成して、マイクロコントローラ12及び専用回路部13に供給する。
【0026】
マイクロコントローラ12は電源Vreg2を供給されると動作を開始して専用回路部13に制御信号を供給する。また、マイクロコントローラ12は専用回路部13の動作や状態を監視して制御を行う。
【0027】
専用回路部13はリセット信号が例えばハイレベルとなってリセット解除を指示すると、マイクロコントローラ12からの制御に応じて動作を行って装置の駆動等を行う。また、専用回路部13内には保護回路14が設けられている。保護回路14はマイクロコントローラの暴走検出や出力端子のショート検出等の異常検出信号が入力されるとクロックのカウントを開始し、例えば数sec後にハイレベルの保護信号を生成して電源部11のリセット回路11cに供給する。
【0028】
<半導体集積回路の回路構成>
図2は、本発明の半導体集積回路の一実施形態の回路構成図を示す。この回路は例えばガスコンロの半導体集積回路として使用される。図2において、端子20にはクロックが入力され、保護回路14を構成するT型フリップフロップ22〜22の1段目のフリップフロップ22に供給される。また、端子21にはマイクロコントローラの暴走検出や出力端子のショート検出等の異常検出信号が入力され、フリップフロップ22〜22のリセット端子Rに供給される。
【0029】
保護回路14は異常検出信号が入力されるとリセットを解除してクロックのカウントを開始し、例えば数sec後にハイレベルの保護信号を生成してn段目のフリップフロップ22のQ端子から出力する。保護回路14の出力端子(フリップフロップ22のQ端子)はnチャネルMOSトランジスタM11のゲートに接続されると共に、リセット回路11cの入力端子に接続されている。
【0030】
MOSトランジスタM11のソースは接地され、ドレインは抵抗R11を介して電源端子24に接続されている。電源端子24には第1電源回路11aから電源Vreg1が供給されている。また、MOSトランジスタM11のドレインはpチャネルMOSトランジスタM12のゲートに接続されている。
【0031】
MOSトランジスタM12のソースは電源端子24に接続され、ドレインは抵抗R12を介して接地されている。また、MOSトランジスタM12のドレインは抵抗R13を介して半導体集積回路の外部に導出された外部端子25に接続されると共に、pチャネルMOSトランジスタM13のゲートに接続されている。
【0032】
保護回路14の出力端子と外部端子25との間には、MOSトランジスタM11,M12で構成されるバッファが介在している。このため、外部端子25にイグナイタが点火動作で発生した点火パルスがノイズとして混入した場合でも、上記点火パルスのノイズが保護回路14の出力端子(リセット回路11cの入力端子)まで伝搬することをあらかた防止できる。
【0033】
第1電源回路11aは専用回路部用の電源Vreg1を生成しており、第1電源回路11aの出力端子はpチャネルMOSトランジスタM13のソースに接続されている。MOSトランジスタM13のドレインはpチャネルMOSトランジスタM14のソースに接続され、MOSトランジスタM14のドレインは端子30に接続されている。MOSトランジスタM14のゲートにはマイクロコントローラ12から制御信号が供給されている。
【0034】
第1のスイッチであるMOSトランジスタM13と第2のスイッチであるMOSトランジスタM14は第1電源回路11aと出力端子30との間に直列に接続されており、第1電源回路11aの出力する電源Vreg1はMOSトランジスタM13,M14のオン時に端子30から電圧VSVとして出力される。端子30の出力電圧VSVは例えばガス制御弁を開閉するためのアクチュエータを開成するために使用される。
【0035】
第2電源回路11bはマイクロコントローラ用の電源Vreg2を生成しており、第2電源回路11bの出力する電源Vreg2はリセット回路11c及びマイクロコントローラ12に供給される。
【0036】
リセット回路11cには上記電源Vreg2が供給される他に、保護信号と基準電圧Vrefが供給されている。リセット回路11cは第2電源回路11bから供給される電源Vreg2を用いてリセット信号を生成すると共に、保護信号からリセット信号を生成する。このリセット信号はマイクロコントローラ12に供給されると共に、端子31から専用回路部13に供給される。
【0037】
マイクロコントローラ12は専用回路部13の動作や状態を監視して制御を行っており、また、MOSトランジスタ14のオン/オフを制御する。
【0038】
ここで、マイクロコントローラ12はリセット信号を供給されると、ハイレベルの制御信号をMOSトランジスタM14のゲートに供給することによりMOSトランジスタM14がオフする。また、保護回路14がハイレベルの保護信号を出力すると、このハイレベルの保護信号によりMOSトランジスタM13がオフする。上記のMOSトランジスタM13及び/又はM14のオフにより、端子30における電源Vreg1の出力が停止する。
【0039】
<リセット回路の構成>
図3は、リセット回路11cの一実施形態の回路図を示す。図3において、端子41に電源部11の内部電源V1(例えば2V)が供給され、端子42に電源Vss(例えば0V)が供給され、端子43に基準電圧Vref(例えば0.9V)が供給されている。
【0040】
端子41,42間にはカレントミラー構成のpチャネルMOSトランジスタM21とnチャネルMOSトランジスタM22が接続されて定電流源として動作する。端子43,42間にはノイズ除去用のコンデンサC1と抵抗R21が接続されている。
【0041】
nチャネルMOSトランジスタM23,M24は差動回路を構成しており、MOSトランジスタM23,M24のソースは電流源のカレントミラー構成のpチャネルMOSトランジスタM25,M26を介して電源V1に接続されている。また、MOSトランジスタM23,M24のドレインは電流源のnチャネルMOSトランジスタM27を介して電源Vssに接続されている。
【0042】
MOSトランジスタM23のゲートには端子43から基準電圧Vrefが供給される。電源Vreg2を供給される端子44は直列接続された抵抗R22,R23,R29を介して端子42に接続され、抵抗R29と並列に抵抗R30が接続され、抵抗R30はnチャネルMOSトランジスタM39を介して電源Vssに接続されている。MOSトランジスタM24のゲートには端子44からマイクロコントローラ12用の電源Vreg2を抵抗R22,R23,R29(又はR29とR30の並列合成抵抗)で分圧した分圧電圧が供給される。
【0043】
MOSトランジスタM27のゲートには端子43から基準電圧Vrefが供給される。差動回路は電源Vreg2の分圧電圧を基準電圧Vrefと比較してMOSトランジスタM23のドレインから出力する。
【0044】
MOSトランジスタM23のドレインはpチャネルMOSトランジスタM28のゲートに接続されており、MOSトランジスタM28はソースを電源V1に接続されドレインをnチャネルMOSトランジスタM29のドレインに接続されている。MOSトランジスタM29はゲートを基準電圧Vrefの端子43に接続されソースを電源Vssに接続されている。
【0045】
MOSトランジスタM28のドレインはnチャネルMOSトランジスタM39のゲートに接続されている。MOSトランジスタM39はソースを電源Vssに接続され、そのドレインは抵抗R30を介して抵抗R23,R29の接続点に接続されている。
【0046】
電源Vreg2が立ち上がる前にはMOSトランジスタM28,M39がオンしており、電源Vreg2を抵抗R22,R23,R29とR30の並列合成抵抗で分圧した電圧がMOSトランジスタM24のゲートに供給される。その後、電源Vreg2が立ち上がるとMOSトランジスタM28,M39がオフし、電源Vreg2を抵抗R22,R23,R29で分圧した電圧がMOSトランジスタM24のゲートに供給される。このように、差動回路の出力をMOSトランジスタM28を介してMOSトランジスタM39にフィードバックし、MOSトランジスタM39及び抵抗R29,R30により、差動回路出力がローレベルからハイレベルに遷移するときの閾値が、ハイレベルからローレベルに遷移するときの閾値より高くなるようにして、ヒステリシス特性を与えている。
【0047】
また、MOSトランジスタM28のドレインはnチャネルMOSトランジスタM30のゲートに接続され、MOSトランジスタM30はドレインをpチャネルMOSトランジスタM33のドレインに接続されソースを電源Vssに接続されている。
【0048】
また、MOSトランジスタM30のドレインはnチャネルMOSトランジスタM31のゲート及びnチャネルMOSトランジスタM40のドレインに接続されると共に、ノイズ除去用のコンデンサC2と抵抗R24を介して電源Vssに接続されている。MOSトランジスタM40はソースを接地されゲートに端子45から保護信号を供給されており、MOSトランジスタM40は保護信号を反転してMOSトランジスタM31のゲートに供給する。
【0049】
MOSトランジスタM31はドレインをpチャネルMOSトランジスタM34のドレインに接続されソースを電源Vssに接続されている。また、MOSトランジスタM31のドレインはnチャネルMOSトランジスタM32のゲートに接続されると共にノイズ除去用のコンデンサC3と抵抗R25を介して電源Vssに接続され、MOSトランジスタM32はドレインをpチャネルMOSトランジスタM35のドレインに接続されソースを電源Vssに接続されている。また、MOSトランジスタM32のドレインには出力端子46及びバッファアンプ47の入力端子が接続されている。
【0050】
なお、MOSトランジスタM33,M34,M35それぞれはゲートをMOSトランジスタM3と共通接続されソースを電源V1に接続されてカレントミラー回路を構成している。差動回路の出力(MOSトランジスタM23のドレイン出力)はMOSトランジスタM28,M30,M31,M32を通し、端子46からリセット信号としてマイクロコントローラ12に向けて出力される。
【0051】
MOSトランジスタM33のドレイン電流とコンデンサC2,抵抗R24の時定数で構成されるフィルタ回路により、端子45から供給される保護信号が立ち下がる際のノイズ、つまり、端子46から出力されるリセット信号が立ち上がる際のノイズを除去している。また、MOSトランジスタM34のドレイン電流とコンデンサC3,抵抗R25の時定数で構成されるフィルタ回路により、端子45から供給される保護信号が立ち上がる際のノイズ、つまり、端子46から出力されるリセット信号が立ち下がる際のノイズを除去している。
【0052】
上記フィルタ回路によって、半導体集積回路10の内部配線にノイズが混入した場合であっても混入したノイズを除去することができ、リセット信号のノイズによる誤動作を防止することができる。
【0053】
バッファ47の出力端子はnチャネルMOSトランジスタM36のゲートに接続されると共に抵抗R26を介して電源Vssに接続されている。MOSトランジスタM36のドレインはpチャネルMOSトランジスタM37のゲートに接続されると共に抵抗R27を介して電源Vcc(例えば3.5V又は5V、電源Vreg1に相当)を供給する端子48に接続されている。MOSトランジスタM36のソースは電源Vssに接続されている。
【0054】
MOSトランジスタM37のソースは電源Vccに接続され、MOSトランジスタM37のドレインは端子49に接続されると共に抵抗R28を介して電源Vssに接続されている。端子49は専用回路部13に接続されており、端子49から電圧シフトされたリセット信号が専用回路部13に向けて出力される。
【0055】
一方、MOSトランジスタM31のドレインはnチャネルMOSトランジスタM38のゲートに接続されており、MOSトランジスタM38はドレインを端子50に接続されソースを電源Vssに接続されている。端子50はマイクロコントローラ12に接続されている。
【0056】
<信号波形>
ここで、図2において、保護回路14の出力端子と外部端子25との間には、MOSトランジスタM11,M12で構成されるバッファ回路が介在しているため、外部端子25にイグナイタが点火動作で発生した点火パルスがノイズとして混入した場合でも、上記点火パルスのノイズは保護回路14の出力端子まで伝搬することを防止できる。また、保護回路14の出力端子は第1電源回路11a及び第2電源回路11bに接続されていない。このため、点火パルスのノイズにより第1電源回路11a,11bが出力する電源Vreg1,Vreg2が瞬断することはない。
【0057】
図4に、図2の回路各部の信号波形図を示す。図4(A)に端子11dの信号を示し、図4(B)に第1電源回路11aの出力する電源Vreg1を示し、図4(C)に第2電源回路11bの出力する電源Vreg2を示す。また、図4(D)にリセット信号波形を示し、図4(E)に点火パルス波形を示す。図4(B),(C)に示すように点火パルスの発生時に電源Vreg1,Vreg2は瞬断することがない。
【0058】
また、MOSトランジスタM33のドレイン電流とコンデンサC2,抵抗R24の時定数で構成されるフィルタ回路により、端子46から出力されるリセット信号が立ち上がる際のノイズを除去し、MOSトランジスタM34のドレイン電流とコンデンサC3,抵抗R25の時定数で構成されるフィルタ回路により、端子46から出力されるリセット信号が立ち下がる際のノイズを除去している。このため、外部端子25からのノイズの混入に限らず、半導体集積回路10の内部配線にノイズが混入したとしても、図4(D)に示すようにリセット信号からノイズを除去することができ、リセット信号のノイズによる誤動作を防止することができる。
【0059】
なお、本実施形態の半導体集積回路10を例えばガスコンロの半導体集積回路に使用したシステムに適用した場合は、端子30から出力する電圧VSVにより、ガス制御弁を開閉するためのアクチュエータを開成するよう駆動する。電圧VSVが例えば0Vになるとアクチュエータの駆動がされなくなり、バネの復帰力等によってガス制御弁が閉じられてフェールセーフが働くように構成される。
【符号の説明】
【0060】
10 半導体集積回路
11 電源部
11a 第1電源回路
11b 第2電源回路
11c リセット回路
12 マイクロコントローラ
13 専用回路部
14 保護回路
47 バッファ
C1〜C3 コンデンサ
M11〜M39 MOSトランジスタ
R11〜R28 抵抗


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と、制御回路部と、専用回路部を有する半導体集積回路であって、
前記電源部に設けられ前記専用回路部に供給する電源を生成する電源回路と、
前記電源回路で生成した電源を前記専用回路部に供給する経路に直列に設けられた第1及び第2のスイッチと、
異常検出信号を供給されて前記第1のスイッチをオフさせるための保護信号を生成する保護回路と、
前記電源部に設けられ前記保護信号からリセットを指示するリセット信号を生成して前記制御回路部に供給するリセット回路と、
を有し、
前記制御回路のリセットにより前記第2のスイッチをオフさせることを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
請求項1記載の半導体集積回路において、
前記リセット回路は、前記保護信号の立ち上がり又は立ち下がりのノイズを除去するフィルタ回路を
有することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
請求項2記載の半導体集積回路において、
前記保護信号を外部に出力する外部端子と、
前記保護回路と前記外部端子との間に設けられたバッファ回路を
有することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項4】
請求項3記載の半導体集積回路において、
前記電源部と前記制御回路部と前記専用回路部は、1つの半導体チップ上に搭載される、
ことを特徴とする半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−9917(P2011−9917A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149621(P2009−149621)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】