説明

受信装置

【課題】異なるリファレンスクロックを共有し、リファレンス信号を分周してローカル信号として利用する場合にスプリアスが発生するという問題があった。
【解決手段】ローカル信号を出力する電圧制御発振器101と、ローカル信号と基準クロック信号とを入力し、フラクショナル分周器102によってローカル信号を、複数の分周数を時分割で切り替え、その平均の分周数で分周した信号と、基準クロック信号との位相を位相比較器104において比較し、比較した位相が同期するように電圧制御発振器101を制御する同期部107と、固定された分周数でローカル信号を分周して出力する固定分周器108と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準クロックと同期されたローカル信号を生成するためのPLL(Phase Locked Loop)回路を備え、そのローカル信号を用いてミキサにて受信信号をダウンコンバートし、また、ベースバンドにて信号処理を行う受信装置に関し、特に、そのベースバンドおよびPLL回路に直接または間接的に基準クロックを供給する発振器を搭載した受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS受信機が利用されており、最近ではGPS受信機を備える携帯電話端末などその利用範囲も広がっている。GPS(Global Positioning System)受信機の構成の一例を図4に示す。GPS受信機90において、メインクロック(リファレンスクロック、基準クロック)は温度補償水晶発振器TCXO等より発振し、ベースバンド部2およびRF(Radio Frequency)コンバータ部91に直接、またはRFコンバータ部91内部のバッファを介して供給される。例えばこのときベースバンド部2は信号処理の速度や消費電力、および高調波の問題等を考慮してその基準クロックの周波数を決定する。一方、RFコンバータ部91側はメインクロックに指定された周波数に基づいてPLL回路92を構成する。メインクロックの周波数の一例として16.368MHzがある。PLL回路92は、RFコンバータ部91内で必要とするローカル信号を生成するための電圧制御発振器等の位相同期のための回路である。
GPS受信機のRFコンバータの製品の一例が、非特許文献1から非特許文献3に開示されている。
【0003】
図4に示す受信装置の構成はGPS機能が主体となるシステムには特に問題は生じない。しかし最近のトレンドである携帯電話に搭載されたGPS等においては、上記16.368MHzのようにGPS固有のメインクロックは、携帯電話の各システムのメインクロックとは周波数を異にするために、受信装置内に2つのリファレンスクロック源を搭載することになる。つまり前者の一般的な例として16.368MHzがあり、後者としては26MHz(GSM:Global System for Mobile Communications)や19.2MHz(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)等があり、携帯電話等の他システムに搭載する場合、従来構成ではこれらGPS用および携帯電話システム用の2種類のリファレンスクロック源を搭載することになっていた。図5は、GPS受信機を搭載する携帯電話機の構成(一部分)を示す図である。図5に示すように、GSMシステム80とGPS受信機90それぞれにリファレンスクロック81、95を備えている。
このため、一つのメインクロックの信号を共用する技術の一例が特許文献1から特許文献3に開示されている。
【特許文献1】特開2003−258669号公報
【特許文献2】特表2005−510166号公報
【特許文献3】特表2005−526256号公報
【非特許文献1】GPSレシーバモジュール[GF−0145]、新光電気工業、[平成18年12月27日検索]、(URL:http://www.shinko.co.jp/product/module-product/gf0145.html)
【非特許文献2】RFフロント・エンド・レシーバ・チップ、STマイクロエレクトロニクス、[平成18年12月27日検索]、(URL:http://www.st-japan.co.jp/products/families/gps/gps_receiver.htm)
【非特許文献3】μPB1009K、NEC化合物デバイス株式会社、[平成18年12月27日検索]、(URL:http://www.ncsd.necel.com/microwave/japanese/pdf/PU10425JJ01V1DS.pdf)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1から特許文献3に開示された技術では、リファレンスクロックを共有することができるものの、ローカル信号を分周してリファレンスクロック(例えば、GPSのベースバンド基準クロック)として利用する場合にスプリアスが発生するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る受信装置は、ローカル信号を出力する電圧制御発振器と、前記ローカル信号と基準クロック信号とを入力し、前記ローカル信号を、複数の分周数を時分割で切り替え、その平均の分周数で分周した信号(例えば、図1のフラクショナル分周器102が0ローカル信号を分周した信号)と、前記基準クロック信号との位相を比較し、比較した位相が同期するように前記電圧制御発振器を制御する同期部と、固定された分周数で前記ローカル信号を分周して出力する固定分周器と、を備える。このように、例えば、フラクショナル分周器と固定分周器を用いることにより、周波数構成の汎用性を高め、他システムの基準クロック信号を共用可能とすることができる。さらに、例えばフラクショナル分周器を基準クロック信号とローカル信号の位相同期を図るために用い、固定分周器をスプリアスのない信号を供給するために用いることにより、他のシステムの基準クロック信号を共用してスプリアスのないリファレンスクロックをベースバンドへ供給することが可能になる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、一つのリファレンスクロックに基づいて、スプリアスのないローカル信号を発生させることが可能になる。これにより、携帯電話等のモバイル製品の受信装置におけるコスト・スペースを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係るGPS受信機の構成例を示す図である。図1に示すGPS受信機(受信装置)4は、原発振器1、ベースバンド部2、及びRFコンバータ部3を備える。RFコンバータ部3は、ミキサ31、ローノイズアンプ(LNA:Low Noise Amplifier)32、バッファ33、及びPLL回路100を備える。PLL回路100は、電圧制御発振器(以下、「VCO」と記す)101、同期部107、固定分周器108を備える。
【0009】
原発振器1は、基準クロック信号(リファレンスクロック信号)を出力する。本実施形態では、GSMシステムを採用する携帯電話機に対応する26MHzの周波数の基準クロック信号を出力する場合を示している。ここでは、原発振器1は、MCLK(GSM)と記すこともある。
【0010】
ベースバンド部2は、受信機4が受信した受信信号がダウンコンバート、デジタル変換された信号が入力され、処理する。
RFコンバータ部3は、無線通信にあたって用いる搬送波と実際に送受信したい情報との合成・分離を行う。
ミキサ31は、ローカル信号と受信信号とを入力し、入力した信号を掛け合わせて中間周波信号(Intermediate Frequency信号)を出力する。
【0011】
PLL回路100は、ローカル信号と基準クロック信号とを同期させ、ローカル信号と、ローカル信号を指定の分周数で分周した信号を出力する。以下に、PLL回路100の各構成について説明する。
【0012】
VCO101は、ローカル信号を出力する。ここでは、ローカル信号はミキサ31に対応する周波数になっている。VCO101は、同期部107の制御によって、原発振器1から出力される基準クロック信号と位相が同期するように制御される。具体的には、後述するループフィルタ106から出力されるフィルタ電圧の電圧値に応じて発振周波数を制御してローカル信号を出力する。出力されたローカル信号は、ミキサ31とベースバンド部2へ供給される。ベースバンド部2へは、分周されたローカル信号がベースバンド処理のメインクロック(BMCLK)として供給される。なお、図4では、VCO101からミキサ31へ出力する信号を示す矢印の一部を点線で示しているが、分周器等のデバイスが挿入される可能性があることを示しているに過ぎない。
【0013】
同期部107は、図1ではフラクショナルNPLLの一例を示しており、フラクショナル分周器102、ΣΔ変調器103、位相比較器104、チャージポンプ(CP)105、及びループフィルタ106を備える。同期部107は、これらの各構成要素により、全体として次の機能を実現する。まず、原発振器1から基準クロック信号を、VCO101からローカル信号を入力する。次に、ローカル信号をフラクショナル分周器102で分周し、基準クロック信号と分周したローカル信号との位相を比較し、比較した位相が同期するようにVCO101を制御する。以下に各構成要素の機能を説明する。
【0014】
フラクショナル分周器102は、ローカル信号を基準クロック信号と位相を比較できるような周波数設定で分周する。ここでは一例として、フラクショナル分周器(ΣΔ型フラクショナルN)を用いる例を示しているが、同様の機能、すなわち、分周数を時分割で切り替え、平均的には分数で信号を分周する機能を備える分周器であれば、これ以外のものであってもよい。固定分周器が常にある固定された分周数で信号を分周するのに対し、フラクショナル分周器は、複数の分周数を時分割で切り替えて(動的に切り替えて)、結果として分数で信号を分周することになる点が異なる。
【0015】
ΣΔ変調器103は、フラクショナル分周器102において、切り替える分周数をより多くに分散させる。なお、PLL回路100は、ΣΔ変調器103を搭載しない構成であってもよい。
【0016】
位相比較器104は、原発振器1から出力された基準クロック信号とフラクショナル分周器102で分周されたローカル信号との位相を比較し、比較した位相差に基づきパルス幅が設定されるアップ信号及びダウン信号を出力する。
【0017】
チャージポンプ105は、位相比較器104から出力されたアップ信号及びダウン信号に基づいてチャージポンプ出力電圧を出力する。
ループフィルタ106は、チャージポンプ出力電圧のノイズを除去したフィルタ電圧を出力する。
【0018】
固定分周器108は、VCO101から出力されるローカル信号を出力先に応じた、フラクショナルNではない分周数(図1ではn)で分周して出力する。本実施形態では、固定分周器108は、ローカル信号がベースバンド部2で実施するベースバンド処理に対応する周波数に分周されるように動作し、分周したローカル信号をベースバンド部2へ出力する。このように、固定分周器108は、分周数を変更することにより、出力する信号の周波数を任意に設定することができる。本明細書では、固定分周器は、常に分周数が固定されている分周器をさす。なお、固定分周器には、外部からの切り替え指示(操作)により、複数の分周数を切り替えて分周できる機能を有するものも存在する。しかしながら、これらは動的に分周数を切り替えるものではないため、本明細書では固定分周器として取り扱う。
【0019】
以上説明したように、上記のように構成された受信装置(GPS受信機4)では、基準クロック信号はベースバンド部2には供給されず、RFコンバータ部3に供給される。ベースバンド部2にはRFコンバータ部3から分周されたローカル信号がベースバンド処理の基準クロック信号として入力される。これにより、ミキサ31及びベースバンド部2は、ミキサ31及びベースバンド部2それぞれに対応していない周波数の基準クロック信号に基づいて同期を取ったローカル信号を利用することができる。
【0020】
図2に、本実施形態のGPS受信機を搭載する受信装置の構成例(一部分)を示す。図2に示す受信装置5では、例えば携帯電話機にGPS受信機4を搭載した例を示し、原発振器1から供給される基準クロック信号が、GSMシステム80及びGPS受信機4へ供給されている。なお、図2に示す原発振器1は、図5に示すMCLK(GSM)81と同じものであり、26MHzの周波数となっている。また、図2の構成に限られず、受信装置は、GPS受信機4そのものとすることもできる。
【0021】
ここで、同期部107において、フラクショナル分周器102を利用する利点について説明する。フラクショナルNPLL回路などのフラクショナル分周器の特徴は、あらゆる分周数も作り出せる代わりにフラクショナル制御に由来するスプリアスが発生するという点である。一方、固定分周器はその逆で、1/2,1/3,1/4・・・等のような分母が整数となる分周など(分母は整数とは限らず、例えば、分母が1.5のように、1/1.5分周も可能である)単純な分周数に限られるかわりに、スプリアスの心配はない。本発明では、フラクショナル分周器102は基準クロック信号とローカル信号の位相同期を図るために用いる。また、固定分周器はベースバンド部2へクロック信号を供給するために、分周するものとして用いる。その結果、基準クロック信号とローカル信号の同期については周波数構成上の汎用性が高まる。また、ベースバンド部2へ供給されるクロック信号は、VCO101の発振が固定分周されるだけであるため、スプリアスのない信号となる。
【0022】
なお通常、ローカル信号と基準クロック信号とを位相同期させる際、フラクショナル由来のスプリアスや周波数誤差による位相ノイズ悪化等の影響、あるいはベースバンド部2へのメインクロックの供給がVCOの固定分周であることによる周波数構成上の難しさは、問題とならない程度である。
【0023】
続いて、フラクショナル分周器を用いたときに生じる周波数誤差・スプリアスを、具体的な数値を挙げて詳細に説明する。図1はフラクショナルNPLLを搭載した同期部107のブロック図の一例であるため、ここでは図1を用いて説明する。図1に示す同期部107は、フラクショナル分周器102の一例としてフラクショナル分周器、より具体的には「N+F/M」分周器と、フラクショナル分周器102により発生するスプリアスの影響を低減するためのΣΔ変調器103を備えている。ここで、仮にこの「N+F/M」を10.1と置くと、この分周数に対し「N」は整数、「F/M」は分数(少数点)部分を表すので「N=10,F/M=0.1」である。ここで、分母Mは任意に設定でき、例えば、分母Mを20bit(M=220=1048576)とすると、F/M=0.1からF=104857.6が算出される。つまり固定分周である「N」分周器(1/10分周器)と分数分周である「F/M」分周器(104857.6/220分周器)で構成されることになる。後者は104857.6回のFの入力あたり1度の出力を行うことによりその役割を果たす。
【0024】
まず、このような構成における周波数誤差について説明する。このF入力のカウントは整数でなければならない。従って、104857.6回カウントは104858回カウントへと近似され、その結果「N+F/M」分周器は「10+104858/220=10.100000381」となる。例えば101MHzを分周したとき理想の周波数は10MHzであるのに対して、実際は9.999999624MHzとなり、0.38Hz程度の誤差が生じる。ただしこのフラクショナル分周器の前段に分周器が配置され、より高周波のローカル信号を同期部107で位相同期させている場合は、この誤差0.38Hzが前段分周数分だけ増幅されてローカル信号に影響することになる。
【0025】
周波数誤差を説明するために、図3に、VCO101とフラクショナル分周器102との間に分周器109を配置した、コンバータの構成の一部を示すブロック図を示す。分周器109は、分周数mでfvcoを分周する。fvcoは、VCO101の出力(ローカル信号)であり、fioは、フラクショナル分周器102の出力であり、frefは、基準クロック信号を示す。図3においてfvcoはm分周されているため、この位相同期ループによるフラクショナル分周器由来のfvcoに対する周波数誤差は、「0.38×m」Hzとなる。しかし仮にm=100と置いても38Hz程度であり、Mを大きく取ることで周波数誤差の実害は防ぐことができる。
【0026】
次に、スプリアスについて説明する。フラクショナル分周器102が行うフラクショナル制御に起因するスプリアスは、同じく図3を参照すると「fref×(F/M)」Hz、「fref×{1−(F/M)}」Hzと表すことができる。これらが電圧制御発振器の側帯波として現われ位相ノイズに影響するが、通常はこの2つのスプリアスのうちループバンドに近い、より低周波のスプリアスの存在が問題とされる。つまりfrefを26MHzと置いたとき、26×104858/220≒2.6MHzの強いスプリアス成分が発生する。同様に(N+F/M)=10.3であった場合26×314573/220≒7.8MHzであり、当然frefを変えた場合でもさまざまな値をとり得る。そのため、このようなスプリアスに対し対策を施すことなくフラクショナルNPLLが用いられることは考えにくい。
【0027】
例えば図1ではこのスプリアスを低減するためにΣΔ変調方式(ΣΔ変調器103により実施)が用いられている。ΣΔ変調方式は「F/M=104858/220」をより多くの分周数の平均として「104858/220」を実現するやり方であり、スプリアスを上記の計算の通りの周波数から分散させるための方法として一般に知られている。ただし、これはあくまで見かけ上の「スプリアス低減の方法」であり、スプリアスが複数の周波数にパワーが分散されて発生しているだけである。このようにフラクショナルNPLLを用いたとき、現在考えうるどの低減策を用いても大なり小なり常にスプリアスに悩まされることになり、全体ブロック設計の段階でそれが他に与える影響を予測することは難しい。
【0028】
以上をまとめると、本発明の構成を採ることでフラクショナルNPLLから受ける影響としては、次のように考えられる。
(1)フラクショナルNPLLによる周波数誤差の影響
vcoに対する誤差は、ローカル信号としては問題にならない程度である。そのため、フラクショナルNPLLをローカル信号(fvco)と基準クロック信号(fref)の同期のために用いることで、特に実害はなく、周波数構成に対する便利さを得られる。
(2)フラクショナルNPLLによるスプリアスの影響
ΣΔ変調方式を用いた結果、VCO特性(位相ノイズ)には影響がなかった(実験済み)。しかしながら、フラクショナル分周器102の出力をベースバンド部2へのクロックに用いた場合は、その動作に悪影響が考えられる。これについては、ベースバンド部2へはVCOの固定分周器108の出力を用いれば問題が解消される。
【0029】
このように、位相同期においてフラクショナル分周器102を用い、ベースバンド部2へ対応する分周に固定分周器108を用いることにより、スプリアスを抑制して、位相の同期と行うとともにベースバンド部2が必要とする周波数のローカル信号を供給することが可能になる。
【0030】
以上のように、本発明に係る好適な実施形態によれば、ローカル信号とメインクロックとの同期のためにフラクショナルNPLL回路(PLL回路100)を、ベースバンド部2への基準クロックの供給のために固定分周器108を、それぞれ用いることによって、周波数構成の汎用性を高め、他システムの基準クロックを共用可能とすることができる。
【0031】
なお、図1、図2では、ΣΔ変調器103を備える例を示しているが、これに限られるわけではない。スプリアスの問題は生じるものの、位相同期に必要な精度を維持する範囲であればΣΔ変調器103を備えていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係るGPS受信機の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態のGPS受信機を搭載する受信装置の構成例(一部分)を示す図である。
【図3】コンバータの構成の一部を示すブロック図である。
【図4】従来のGPS受信機の構成例を示す図である。
【図5】従来のGPS受信機を搭載する携帯電話機の構成例(一部分)を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 原発振器
2 ベースバンド部
3 RFコンバータ部
4 GPS受信機
5 受信装置
31 ミキサ
32 ローノイズアンプ
33 バッファ
100 PLL回路
101 電圧制御発振器(VCO)
102 フラクショナル分周器
103 ΣΔ変調器
104 位相比較器
105 チャージポンプ(CP)
106 ループフィルタ
107 同期部
108 固定分周器
109 分周器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカル信号を出力する電圧制御発振器と、
前記ローカル信号と基準クロック信号とを入力し、前記ローカル信号を、複数の分周数を時分割で切り替え、その平均の分周数で分周した信号と、前記基準クロック信号との位相を比較し、比較した位相が同期するように前記電圧制御発振器を制御する同期部と、
固定された分周数で前記ローカル信号を分周して出力する固定分周器と、
を備える受信装置。
【請求項2】
前記同期部は、
前記電圧制御発振器から前記ローカル信号を入力し、前記基準クロック信号と位相が比較できるように設定した分周数で前記ローカル信号を分周して出力するフラクショナル分周器と、
前記基準クロック信号と前記分周されたローカル信号との位相を比較し、比較した位相差に基づきパルス幅が設定されるアップ信号及びダウン信号を出力する位相比較回路と、
前記アップ信号及び前記ダウン信号に基づいてチャージポンプ出力電圧を出力するチャージポンプと、
前記チャージポンプ出力電圧のノイズを除去したフィルタ電圧を出力するループフィルタと、を備え、
前記電圧制御発振器は、前記フィルタ電圧の電圧値に応じて発振周波数を制御して前記ローカル信号を出力することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記フラクショナル分周器は、ΣΔ変調方式を採用することを特徴とする請求項2記載の受信装置。
【請求項4】
前記電圧制御発振器は、前記ローカル信号をミキサへ出力し、
前記固定分周器は、ベースバンドの基準クロック周波数に対応するように分周することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の受信装置。
【請求項5】
前記同期部、前記電圧制御発振器および前記ミキサは、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される信号のダウンコンバートのために対応し、
前記基準クロックは、携帯電話固有の基準クロック周波数に対応する値であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−187556(P2008−187556A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20359(P2007−20359)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】