説明

可溶性エポキシド加水分解酵素阻害剤として有益な置換ピリジンアミン化合物

可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)に対して活性のある化合物、それらの組成物及び使用方法及び製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
1.技術分野
本発明は抗-sEH活性を有する化合物及び可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)阻害剤の循環器系疾患に関する疾患への使用に関する。
【0002】
2.発明の背景
エポキシド加水分解酵素は、植物から哺乳類にわたる種に認められる、自然界に広範囲に分布する酵素群である。これらの酵素はすべてエポキシドへの水の付加を触媒し、その結果ジオールを得るという点において機能的に関連する。エポキシド加水分解酵素は、生物(living system)において重要な代謝酵素であり、及びそのジオール生成物は異物代謝の経路における中間生成物としてよく見られる。エポキシド加水分解酵素は従ってエポキシドをその対応する非反応性のジオールに変換することにより解毒するために重要な酵素である。
【0003】
哺乳類において、数種類のエポキシド加水分解酵素が特徴付けられており、それには可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)が含まれ、サイトゾルエポキシド加水分解酵素、コレステロールエポキシド加水分解酵素、LTA4加水分解酵素、ヘポキシリン加水分解酵素、およびミクロソームエポキシド加水分解酵素とも呼ばれている(Fretland and Omiecinski, Chemico-Biological Interactions, 129: 41-59 (2000)). エポキシド加水分解酵素は心臓、腎臓及び肝臓を含む、脊椎動物において検討したすべての組織に認められた(Vogel, et al., Eur J. Biochemistry, 126: 425-431 (1982); Schladt et al., Biochem. Pharmacol., 35: 3309-3316 (1986))。エポキシド加水分解酵素はリンパ球(例えばT-リンパ球)、単核球、赤血球、血小板及び血漿を含む人の血液成分にも検出されている。血中において、検出されたsEHの大部分はリンパ球に存在する(Seidegard et al., Cancer Research, 44: 3654-3660 (1984))。
【0004】
エポキシド加水分解酵素類はそのエポキシド基質に対する特異性が異なる。例えば、sEHはエポキシド脂肪酸のような脂肪族エポキシド選択的で、ミクロソームエポキシド加水分解酵素(mEH)は環状及び芳香族エポキシドに対してより選択的である。sEHの最も知られた生理的基質は、エポキシエイコサトリエン酸又はEET類としても知られるアラキドン酸の4種の位置異性シスエポキシド類5,6-、8,9-、11,12-、及び14,15-エポキシエイコサトリエン酸である。ロイコトキシン又はイソロイコトキシンとして知られるリノール酸のエポキシドもまたsEHの基質として知られる。EET類及びロイコトキシンは共にチトクロームP450モノオキシゲナーゼファミリーの一員によって産生される(Capdevila, et al., J. Lipid Res., 41: 163-181 (2000))。
【0005】
EET類は心血管系及び腎臓系におけるの化学オートクライン及びパラクラインメディエーターとして機能する(Spector, et al, Progress in Lipid Research, 43: 55-90 (2004); Newman, et al., Progress in Lipid Research 44: 1-51 (2005))。EET類は、その血管平滑筋細胞の膜電位の過分極を引き起こし、その結果血管拡張を起こす能力によりさまざまな血管床において内皮由来過分極因子(EDHF)として機能できるようである(Weintraub, et al., Circ. Res., 81: 258-267 (1997))。EDHFはアラキドン酸から血管平滑筋の近くの内皮細胞中に存在する多様なチトクロームP450により合成される (Quilley, et al., Brit. Pharm., 54: 1059 (1997); Quilley and McGiff, TIPS, 21: 121-124 (2000)); Fleming and Busse, Nephrol. Dial. Transplant, 13: 2721-2723 (1998))。
【0006】
血管平滑筋細胞内において、EETsはBKCa2+チャネル(ビッグCa2+活性化カリウムチャネル)の活性化及びL型Ca2+チャネルの阻害を引き起こし、最終的に膜電位の過分極、Ca2+の流入阻害及び弛緩を引き起こす結果となるシグナル経路を誘発する(Li et al., Circ. Res., 85: 349-356 (1999))。内皮依存性血管拡張は人の高血圧症と同様、さまざまな形態の実験的高血圧症において障害を受けることが示されてきた(Lind, et al., Blood Pressure, 9: 4-15 (2000))。障害を受けた内皮依存性血管拡張は血管内皮機能障害として知られる症候群に独特な特徴である(Goligorsky, et. al., Hypertension, 37[part 2]:744-748 (2001))。血管内皮機能障害はI型、II型糖尿病、インスリン抵抗性症候群、高血圧、アテローム性動脈硬化、冠状動脈疾患、狭心症、虚血、虚血発作、レイノー病及び腎疾患を含む多くの病態において重要な役割を果たす。従って、血管内皮機能障害が原因となる患者において、EET類濃度の増進がおそらく有益な治療効果を有するだろう。高血圧症に影響を及ぼすEET類の他の効果には腎機能への効果が含まれる。多様なEET類及びその加水分解生成物であるDHET類の濃度は共に自然発症性高血圧ラット(SHR)の腎臓において(Yu, et al., Circ. Res. 87: 992-998 (2000))及び妊娠高血圧症候群に罹患している女性の腎臓において(Catella, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 87: 5893-5897 (1990))有意に増加する。
【0007】
アンジオテンシンII処置ラットにおいて、選択的sEH阻害剤による治療は腎臓における輸入再動脈の径を減少させ、及び易感染性の腎機能マーカーである尿中へのアルブミン分泌を下げ、EET類濃度の増加による抗高血圧症及び腎血管保護作用が示唆された(Zhao, et al, 15: 1244-1253 (2004))。自然発症性高血圧ラットモデルにおいて、チトクロームP450及びsEHの活性が増加していることが見出された(Yu et al., MolecμLar Pharmacology, 57: 1011-1020 (2000))。既知のsEH阻害剤の投与により血圧が正常値まで減少することが示された。さらに、選択的sEH阻害剤をアンジオテンシンII処置ラットに投与することにより、収縮期圧が低下することが示された(Imig, et al, Hypertension, 39: 690-694 (2002))。最後に、雄性可溶性エポキシド加水分解酵素欠損マウスはその対応する野生型マウスと比較して低い血圧を特徴とする表現型を発現した(Sinal, et al., J. Biol. Chem., 275: 40504-40510 (2000))。
【0008】
EET類、特に11,12-EETもまた、抗炎症作用を有することが示されてきた (Node, et al., Science, 285: 1276-1279 (1999); Campbell, TIPS, 21: 125-127 (2000); Zeldin and Liao, TIPS, 21: 127-128 (2000))。Nodeらは11,12-EETがサイトカイン誘導性内皮細胞接着分子、とりわけVCAM-1の発現を減少させることを示した。彼らはさらにEET類が白血球の血管壁への接着を阻害し、及びその機構にNF-κB及びIκBキナーゼが関与していることを示した。血管の炎症は血管内皮機能障害において役割を果たしている(Kessler, et al., CircμLation, 99: 1878-1884 (1999))。従って、EET類がNF-κB経路を阻害する能力はこの症状を寛解する。さらに、EETの投与及び/又は選択的sEH阻害剤の投与は、気管支肺胞洗浄による総細胞数及び同時に起こる好中球、肺胞マクロファージ及びリンパ球の減少によって評価されるように、タバコ煙誘導性炎症を減弱させることが証明された(Smith, et al, 102: 2186-2191 (2005))。
【0009】
sEHの数種の基質(上記EET類)の生理学的効果に加えて、sEHにより生産される数種のジオールすなわちDHET類も強力な生物学的効果を有するだろう。例えば、sEHのリノール酸から生成したエポキシド(ロイコトキシン及びイソロイコトキシン)の代謝によりロイコトキシン及びイソロイコトキシンジオールが生成する(Greene, et al., Arch. Biochem. Biophys. 376(2): 420-432 (2000))。これらのジオールは培養ラット肺胞上皮細胞に対し毒性を有し、細胞内カルシウム濃度を上昇させ、細胞間接合部の透過性を上昇させ上皮の完全性の減少を促進する(Moghaddam et al., Nature Medicine, 3: 562-566 (1997))。従ってこれらのジオールは、肺のロイコトキシン濃度が上昇していることが示されている成人の呼吸困難症候群のような疾患の原因に寄与しうる(Ishizaki, et al., PμLm. Pharm.& Therap., 12: 145-155 (1999))。
Hammockらは炎症性疾患、特に成人の呼吸困難症候群及び脂質代謝に仲介される他の急性炎症性症状の、エポキシド加水分解酵素の阻害剤を投与することによる治療法を開示した(WO 98/06261; U.S. Patent No. 5,955,496)。
【0010】
多くの種類のsEH阻害剤が同定されてきた。これらの中にはカルコンオキシド誘導体(Miyamoto, et al. Arch. Biochem. Biophys., 254: 203-213 (1987))及び多様なトランス-3-フェニルグリシドール類 (Dietze, et al., Biochem. Pharm. 42: 1163-1175 (1991); Dietze, et al., Comp.Biochem. Physiol. B, 104: 309-314 (1993))がある。
【0011】
より最近には、Hammockらが炎症性疾患の治療の為の、エポキシド加水分解酵素のアフィニティ分離(affinity separation)に使用する及び農学分野に適用する生物学的に安定な特定のsEH阻害剤を開示した(U.S. Patent No. 6,150,415)。Hammockの415特許はまた、開示したファルマコフォア(pharmacophores)が例えばアルキル化剤又はミカエル受容体のような反応性の官能基を触媒部位に運ぶことができ、及びこれらの反応性置換基は酵素の検出のために蛍光または親和性ラベルを酵素の活性部位に運ぶことができると一般的に記載している(4欄、66行から5欄、5行)。sEHの特定の尿素及びカルバメート阻害剤が文献に記載されている(Morisseau et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 96: 8849-8854 (1999); Argiriadi et al., J. Biol. Chem., 275 (20): 15265-15270 (2000); Nakagawa et al. Bioorg. Med. Chem., 8: 2663-2673 (2000); US 2005/0026844 and Kim, et al., J. Med. Chem. 47(8): 2110-2122 (2004) いずれも阻害剤と付加的にテザードオキソファルマコフォアについて記載している。)。
【0012】
WO00/23060はsEH阻害剤を投与することによる、Tリンパ球を介した免疫疾患の治療方法について開示している。数種の1-(4アミノフェニル)ピラゾール類がsEH阻害剤の例として示されている。
【0013】
Hammockの米国特許第6,150,415 は以下の構造を有する化合物を用いたエポキシド加水分解酵素の阻害方法を目的としている。



式中X及びYはそれぞれ独立して窒素、酸素又は硫黄であり、及びXはさらに炭素で有り得、少なくともR1−R4のうち一つが水素であり、R2はXが窒素の場合水素であるが、Xが硫黄又は酸素の場合は存在せず、R4はYが窒素の場合水素であるが、Yが硫黄又は酸素の場合存在せず、R1及びR3はそれぞれ独立してH、C1-20置換又は非置換のアルキル、シクロアルキル、アリール、アシル又はヘテロ環である。Hammock特許に関連するのはエポキシド加水分解酵素阻害剤の高血圧症を治療する方法を請求するKroetzらの米国特許6,531,506であり、また、Hammock特許に記載されたものと同様の化合物を用いて高血圧症を治療する方法についても請求されている。これらの特許はいずれも明細書に記載した特定のsRH阻害剤を使用した循環器系疾患の治療方法を教示又は示唆もしていない。
【0014】
上記の考察で概説されるように、sEH阻害剤はそれ故に、有益な効果を有するsEH基質の変性を防ぐことによって、又は有害作用を有する代謝物質の生成を防ぐことによって血管内皮機能障害などの心血管疾患の治療において有益である。
【0015】
上記およびこの出願全体で引用される参考文献は全体として本明細書に組み込まれるものとする。
【0016】
(発明の簡単な概要)
本発明は以下に記載するように、sEHの阻害剤として活性を有する式Iの化合物を提供することを目的とする。
本発明はさらに、以下に記載するように、式Iの化合物を患者に投与することにより高血圧の治療方法を提供することを目的とする。
以下に記載する化合物の製造方法を提供することがさらなる目的である。
【0017】
(発明の詳細な説明)
一つの一般的な態様において、式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩
が提供される


(式中:
Arはそれぞれ任意でC1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4 ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシル、フェニル、ナフチル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールから選択される1〜3の置換基で置換される、フェニル又はピリジニルであり、
各置換基は任意に独立して、アミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意にアミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基で置換されるフェニル又はピリジニル、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルから選択された1〜3個の置換基で置換される。
【0018】
X及びYは任意に独立して水素、ハロゲン、シアノ、NH-R、OR、R、SO2R又はS(O)2NRRであり、前記Rは独立して水素、アリール又は任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルであり、
及び、前記X及びYはいずれも水素ではない。)。
【0019】
他の実施態様において、直前の実施態様の化合物が提供され、式中:
Arは任意で、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル及びイソキノリニルから選択される1〜3の置換基で置換されるピリジニルであり、
各置換基は任意に独立してアミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニル又はピリジニル、任意で、ヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されるC1-6アルキルから選択された1〜3個の置換基で置換される。
X及びYは任意に独立して水素、ハロゲン、シアノ、NH-R、OR、R、SO2R、であり、前記Rは独立して水素、任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるアリール、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルであり、
前記X及びYはいずれも水素ではない。
【0020】
他の実施態様において、直前の実施態様の化合物が提供され、式中、:
Arはピリジニルであり、任意で、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン及びヒドロキシルから選択される1〜3の置換基で置換され、
式中、各置換基は任意に独立してアミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニル又はピリジニル、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換される。
X及びYは任意に独立して水素、塩素、ブロモ、シアノ、OR、SO2R、であり、前記Rは独立して水素、C1-4アルキル又は任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるアリールであり、
及び前記X及びYはいずれも水素ではない。
【0021】
他の一般的な態様において、式(II)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩を提供する。:



(式(II)中、部分


は以下の表I中のA1-A59から選択され、
以下の表I中のB1-B9から選択される任意の部分


と組み合わせる。)

表I

















【0022】
本発明の他の態様において、一般的な合成方法及び以下の実施例に従って製造することができる表II中の以下の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩が提供される:

表II

【0023】


【0024】

【0025】

【0026】
本発明の他の態様において、以下の一般的なハイスループット合成方法に従って製造することができる表III中の以下の化合物が提供される。
表III

【0027】

【0028】

【0029】

【0030】

【0031】

【0032】

【0033】

【0034】

【0035】

【0036】

【0037】

【0038】

【0039】

【0040】

【0041】
本発明の他の一般的な態様において、式(III)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩を提供する。:

(式(III)中、部分


は以下の表IVのA1〜A49から選択され
以下の表IV中の部分B1

と組み合わせる。);

表IV

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】

【0046】

【0047】

【0048】
本出願中、本明細書で上記開示されたすべての化合物において命名法が構造と矛盾した場合は、化合物は構造によって定義されると理解される。
【0049】
本発明は任意の上記化合物の使用を含み、化合物にはラセミ体及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーを生ずる1以上の不斉炭素原子含む。全ての前記異性体の形態は本発明に明確に含まれる。各不斉炭素原子はR又はS配置でも良く、配置の組み合わせでも良い。
【0050】
式(I、II、III)のいくつかの化合物は1以上の互変異性体の形態で存在することができる。本発明は全てのそのような互換異性体の使用を含む。
【0051】
本明細書中で使用する全ての用語は別に述べない限り、技術分野におけるその通常の意味に理解される。例えば、C1-4アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシのような末端が酸素であるC1-4アルキルの有機基を含む。
【0052】
すべての有機基: アルキル、アルケニル及びアルキニル基又は、アシル及びアルコキシのような他の基に組み込まれる前記基は、他に特定しない限り構造的に可能な分岐又は直鎖であると理解され、部分的または全部がハロゲン化されていて良い。
【0053】
上記及び下記の有機基または化合物に関する「低級」という用語はそれぞれ7以下の、好ましくは4以下の及び有利には1又は2個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖のように定義する。
【0054】
環状基は炭素環、ヘテロサイクル又はヘテロアリールを意味するものと理解され、それぞれ部分的に又は全部がハロゲン化されていても良い。
【0055】
アシル基は、-C(O)-R、前記Rは有機基又は環状基と定義される基である。アシルは、例えば、カルボサイクリック又はヘテロサイクリックアロイル、シクロアルキルカルボニル、(オキサ又はチア)-シクロアルキルカルボニル、低級アルカノイル、(低級 アルコキシ、-ヒドロキシ又はアシルオキシ)-低級アルカノイル、(モノ-又はジ-カルボサイクリック又はヘテロサイクリック)-(低級アルカノイル又は低級アルコキシ-、-ヒドロキシ又はアシルオキシ置換された低級アルカノイル)又はバイアロイルである。
【0056】
炭素環は3〜14個の炭素原子を有する炭化水素環を含む。これらの炭素環は芳香族又は非芳香族環系のいずれかである。非芳香族環系は1置換又は多置換されても良く、単環式、二環式又は二環式であっても良く、及び架橋されていても良い。好ましい炭化水素にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、ベンジル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル、アダマンチル、ノルボルニル、フルオレン及びベンゾシクロヘプテニルが上げられるがこれらに制限されない。シクロブタニル及びシクロブチルのようなシクロアルキルに対する特定の用語は互換的に使用される。
【0057】
「ヘテロサイクル」という語は、安定な非芳香族の4〜8員(しかし好ましくは5又は6員の)単環式又は非芳香族の8〜11員の二環式ヘテロサイクル基を言い、飽和であっても不飽和であっても良い。各ヘテロサイクルは炭素原子と1以上の、好ましくは1〜4個の窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子からなる。ヘテロサイクルは安定な構造を作り出す結果となる環の任意の原子で、結合してよい。別に述べない限り、ヘテロサイクルには例えばピロリジニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホニル、チオモルホニルスルホキシド、チオモルホニルスルホン、ジオキサラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラノン、1,3-ジオキサノン、1,4-ジオキサニル、ピペリジノニル、テトラヒドロピリミドニル、ペンタメチレンスルフィド、ペンタメチレンスルホキシド、ペンタメチレンスルホン、テトラメチレンスルフィド、テトラメチレンスルホキシド及びテトラメチレンスルホンが挙げられるが、これらに制限されない。
【0058】
「ヘテロアリール」という語は、N、O及びSのような1〜4個のヘテロ原子を含む芳香族の5〜8員の単環式又は8〜11員の2環式を意味すると理解される。別に記載しない限り、前記ヘテロアリールには、アジリジニル、チエニル、フラニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラニル、キノキサリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、インダゾリル、トリアゾリル、ピラゾロ[3,4-b]ピリミジニル、プリニル、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、ツベルシジニル(tubercidinyl)、オキサゾ[4,5-b]ピリジニル、

及びイミダゾ[4,5-b]ピリジニルが挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という語は、酸素、窒素、硫黄及びリンのような炭素以外の原子を意味するものと理解される。
【0060】
本明細書で使用されるように、「窒素」及び「硫黄」には窒素及び硫黄の任意の酸化型の形態及び任意の基礎となる窒素の4級化形態を含む。開鎖又は環状基における全てのヘテロ原子はすべての酸化型形態を含む。
【0061】
すべてのアルキル基又は炭素鎖において、1以上の炭素原子は任意にヘテロ原子:O、S又はNで置換することができ、もしNが置換されない場合、NHと理解され、ヘテロ原子は末端炭素原子又は分岐若しくは直鎖炭素鎖の内部炭素原子で置換されてもよいと理解される。 前記基は本明細書前記記載のようにオキソのような基で置換され、結果としてアルコキシカルボニル、アシル、アミド及びチオキソとなるがこれらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用される「アリール」という語は、本明細書で定義されるような芳香族炭素環又はヘテロアリールであると理解される。各アリール又はヘテロアリールは他に特定しない限りその部分的に又は完全に水素化された誘導体を含み及び/又は部分的に又は完全にハロゲンされる。例えば、キノリニルはデカヒドロキノリニル及びテトラヒドロキノリニルを含み、ナフチルはテトラヒドラナフチルのようなその水素化誘導体を含んでもよい。本明細書に記載した他のアリール及びヘテロアリール化合物の部分的又は完全な水素化誘導体は当業者に明らかだろう。
【0063】
本発明の明細書で使用される「ハロゲン」という用語は臭素、塩素、フッ素又はヨウ素、好ましくはフッ素を意味するものと理解される。「部分的又は完全にハロゲン化された」という定義は; 部分的又は完全にフッ素化された; 「1以上のハロゲン原子で置換された」は例えば1以上の炭素原子のモノ、ジ、トリハロ誘導体である。アルキルの非制限的な例は、-CH2CHF2、-CF3等である。
【0064】
本発明の化合物は、当業者に明らかなように「化学的に安定」と企図されるもののみである。例えば、「ダングリング価(dangling valency)」又は「カルバニオン」を有する化合物は本明細書で開示される発明方法によって企図されるものではない。
【0065】
本発明は医薬的に許容可能な式(I、II、III)の誘導体を含む。「医薬的に許容可能な誘導体」は任意の医薬的に許容可能な塩又はエステルを意味し、又は患者に投与する際に本発明に有用な化合物又はそれらの薬学的に活性な代謝物若しくは薬学的に活性な残渣を提供(直接的に又は間接的に)することができる任意の他の化合物を意味する。薬理学的に活性な代謝物は、酵素的に又は化学的に代謝されることができる任意の化合物を意味すると理解される。これは例えば式(I、II、III)の水素化又は酸化誘導体化合物を含む。
【0066】
医薬的に許容可能な塩には医薬的に許容可能な無機並びに有機酸及び塩基が挙げられる。適切な酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、酪酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-硫酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。他の酸、たとえばシュウ酸は、それ自体医薬的に許容可能ではないが、化合物及びそれらの医薬的に許容可能な酸付加塩を得るための、中間体として有用な塩の調製において採用することができる。適切な塩基由来の塩誘導体にはアルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN-(C1-C4アルキル)4+ 塩が含まれる。
【0067】
さらに、式(I、II、III)の化合物のプロドラッグの使用も本発明の範囲内である。プロドラックは簡単な化学変化の際に本発明の化合物を作り出すように変更されるそれらの化合物を含む。簡単な化学反応には加水分解、酸化及び還元が含まれる。明らかに、プロドラックを患者に投与する際、プロドラックが本明細書上記で開示された化合物に変換され、その結果所望の薬理学の効果を伝達しても良い。
【0068】
本明細書に記載した化合物は市販されているか技術分野でよく知られている方法及び任意の必要な中間体によって製造することができる。
【0069】
この発明をより完全に理解するために以下の実施例を規定する。これらの実施例は本発明の好ましい実施態様を例証する目的であり、いかなる方法においても発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0070】
以下の実施例は例証され、当業者にとって、特定の試薬又は条件を個々の化合物の為に過度の実験なしに変更することができると認識される。以下のスキーム内で使用される出発材料は市販されているか又は市販の材料から当業者によって容易に調製できるかのいずれかである。
【0071】
(一般的合成方法)
本発明は式(I)及び(II)の化合物の製造方法も提供する。
全てのスキームにおいて、別に特定しない限り、以下の式中のAr、X及びYは本明細書の上記発明の式(I)及び(II)中のAr、X及びYの意味を有する。
【0072】
最適な反応条件及び反応時間は使用する特定の反応体に依存する。他に特定しない限り、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件は当業者によって容易に選択されてよい。特定の方法は合成実施例の項に記載する。典型的には反応の進行状況は必要であれば薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターしてもよく、中間体及び生成物はシリカゲル上のクロマトグラフィー及び/又は再結晶により精製されてもよい。
【0073】
本発明の化合物の調製に使用された適切に置換された出発物質及び中間体は市販されているか又は当業者にとって文献で知られた方法を用いて容易に調製することができるかのいずれかであり、以下に合成実施例として記載されている。この点において米国の仮出願第60/678,828号及び第60/678,871号を参照でき、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0074】


式(I)及び(II)の化合物はスキーム1に例証された方法で合成されてもよい。
カルボン酸 (III)の所望のアミン(IV)によるアミドカップリングにより所望の式(I)又は(II)の化合物を得る。技術分野で知られている標準的ペプチドカップリング反応 (例えば M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照のこと)がこれらの合成において採用されてもよい。適切なカップリング条件の例としてはカルボン酸溶液をDMFとEDC, HOBTのような適切な溶液内でジイソプロピルプロピルエチルアミンのような塩基で処理し続いて所望のアミンで処理する。
【0075】
代わりに、カルボン酸と塩化オキサリルのような試薬との反応により対応する酸塩化物が得られる。酸塩化物と所望のアミン(IV)の適切な溶媒中での反応により式(I)又は(II)の化合物を得る。
【0076】
技術分野において知られ、以下の実施例内で例証された方法による、式(I)又は(II)の最初の生成物のさらなる改変は、本発明の付加的な化合物を調製するために使用してもよい。
【0077】
式(I)及び(II)の化合物であって、式中Arはスキーム2に例証した方法により合成されたO-置換ピリジンである。


カルボン酸(III)の所望のアミン(IV)によるカップリングにより式(I)又は(II)の化合物を得、式中Arは2-フルオロピリジンである。技術分野で知られた標準的ペプチドカップリング反応(例えばM. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag参照)はこれらの合成において採用されてもよい。代わりに、カルボン酸の塩化オキサリルのような試薬との反応により対応する酸塩化物を得る。酸塩化物の所望のアミン(IV)による適切な溶液中での反応により式(I)又は(II)の化合物を得る。カップリングした2-フルオロピリジン化合物とR1-OHのような適切な酸素含有求核試薬との適切な溶媒中での適切な塩基の存在下における反応により所望の式(I)又は(II)のO-置換生成物を得る。
【0078】
ArがN-置換ピリジノンである式 (I)及び(II)の化合物はスキーム3に例証された方法により合成されても良い。



カルボン酸 (III)と所望のアミン(IV)とのアミドカップリングにより所望の式(I)又は(II)の化合物を得、式中Arは2-ヒドロキシピリジンである。技術分野で知られた標準的なペプチドカップリング反応(例えばM. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag参照)をこれらの合成において採用しても良い。代わりにカルボン酸の塩化オキサリルのような試薬との反応により対応する酸塩化物を得る。酸塩化物と所望のアミン(IV)との適切な溶媒中における反応により式(I)又は(II)の化合物を得る。カップリングした2-ヒドロキシピリジン化合物をR1-Hal(式中HalはCl、Br又はI)のようなアルキル化剤と適切な溶媒中で適切な塩基の存在下反応させ、式 (I)又は(II)の所望のN-置換ピリジノンを得る。
【0079】
適切に置換された出発物質及び本発明の化合物の調製において使用される中間体は、市販されているか又は当業者にとって文献において公知な方法容易に調製され、以下の合成実施例において例証される。
【0080】
実施例1
N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド



6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.224g、1.01mmol)のN,N,ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に2,4ジクロロベンジルアミン(0.15mL、1.01mmol)を加え、続いて1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.279g、2.06mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.420g、2.20mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.72mL、4.40mmol)を加えた。反応物は一晩攪拌した。混合物を水で希釈し、生成物は吸引ろ過で集める生成物はヘキサン/エーテルを用いて固化し、さらに精製し、表題の化合物(0.215g、56%)を得た。LCMS:380.11(M+H+)
【0081】
実施例2



N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド
化合物は、6-フルオロニコチン酸(2.28g、16.0mmol)、2,4ジクロロベンジルアミン(2.15mL、16.0mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0g、37.0mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(7.05g、37.0mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(7.18mL、40.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(100mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(3.9g、80.7%)を得た。LCMS:300.00(M+H+)。
【0082】
実施例3

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(4-フルオロ-フェノキシ)-ニコチンアミド
水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)のN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)懸濁液に4-フルオロフェノール(140.1mg、1.25mmol)portiowise加え、続いてN-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)を加えた。反応容器を密封し、140℃で45分間マイクロ波を照射した。反応液をエーテル/酢酸エチルに注ぎ、水及び塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)ろ過して蒸発させ乾燥させた。得られた固体をシリカゲル上でジクロロメタン/メトキシを溶出剤として使用して精製し、表題の化合物(312.0mg、79.5%)を得た。LC/MS:392.24(M+H+)
【0083】
実施例4

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-メトキシニコチンアミド
化合物は水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、メトキシ(0.078mL、1.75mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)、及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.17g、54.5%)を得た。LCMS:found:312.16(M+H+).
【0084】
実施例5

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-エトキシ-ニコチンアミド
化合物は、エトキシ(0.102mL、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発し、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.19g、60.4%)を得た。LCMS:326.12(M+H+)。
【0085】
実施例6

6-(2-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-ニコチンアミド
化合物は、2-シアノフェノール(0.148g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:399.17(M+H+)。
【0086】
実施例7

6-(3-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-ニコチンアミド
化合物は、3-シアノフェノール(0.148g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:399.11(M+H+)。
【0087】
実施例8

6-(4-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-ニコチンアミド
化合物は、4-シアノフェノール(0.148g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)、及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発し、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:399.21(M+H+)。
【0088】
実施例9

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(2-メタンスルホニル-フェノキシ)-ニコチンアミド
化合物は、2-メタンスルホニルフェノール(0.215g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発し、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:452.82(M+H+).
【0089】
実施例10

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(3-メタンスルホニル-フェノキシ)-ニコチンアミド
化合物は、3-メタンスルホニルフェノール(0.215g、1.75mmol、Bordwell、F.G.;et.al.J.Am.Chem.Soc.1991、113、1736.)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:452.15(M+H+)。
【0090】
実施例11

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(4-メタンスルホニル-フェノキシ)-ニコチンアミド
化合物は、4-メタンスルホニルフェノール(0.215g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発し、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.10g、25.0%)を得た。LCMS:452.17(M+H+)。
【0091】
実施例12

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(ピリジン-2-イルオキシ)-ニコチンアミド
化合物は実施例3の方法を用い、2-ヒドロキシピリジン(0.119g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol),N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して調製及び精製し、表題の化合物(0.09g、25.6%)を得た。LCMS:375.24(M+H+)
【0092】
実施例13


N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(ピリジン-3-イルオキシ)-ニコチンアミド
化合物は、3-ヒドロキシピリジン(0.119g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)、及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.151g、40.2%)を得た。LCMS:375.25(M+H+)。
【0093】
実施例14

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(ピリジン-4-イルオキシ)-ニコチンアミド
化合物は、4-ヒドロキシピリジン(0.119g、1.75mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.235g、62.6%)を得た。LCMS:375.07(M+H+)。
【0094】
実施例15

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、2-モルホリン-4-イルエトキシ(0.182mL、1.50mmol)、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.200g、48.6%)を得た。LCMS:411.29(M+H+)。
【0095】
実施例16


N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド
化合物は、6-ヒドロキシニコチン酸(0.42g、3.0mmol)、2,4ジクロロベンジルアミン(0.40mL、3.0mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.81g、6.0mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(1.14g、6.0mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.46mL、9.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(190mL)から出発して、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.69g、78%)を得た。LCMS:298.14(M+H+)。
【0096】
実施例17

1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド(0.29g、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.15g、1.1mmol)の7.5mLアセトニトリル溶液にヨウ化メチル(0.068mL、1.1mmol)を加え、反応物を60℃まで熱した。3時間後、追加のヨウ化メチル(0.068mL、1.1mmol)を加え、反応物を60℃で1時間加熱した。反応物を室温に戻し、減圧下濃縮し酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸ナトリウム、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固した。得られた固体をエーテル/石油エーテルで固化し、シリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として使用して生成し、表題の化合物(0.113g、33%)を得た。LCMS:312.98(M+H+)
【0097】
実施例18

1-エチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド(0.29g、1.0mmol)、ヨウ化エチル(0.16mL、2.0mmol)及び炭酸カルシウム(0.15g、1.1mmol)の7.5mLアセトニトリル溶液から出発し、実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.11g、32.6%)を得た。LCMS:326.30(M+H+)
【0098】
実施例19

1-シクロプロピルメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド(0.29g、1.0mmol)、シクロプロピルメチルブロミド(0.194mL、2.0mmol)及び炭酸カリウム(0.15g、1.1mmol)の7.5mLアセトニトリル溶液から出発し、実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.248g、35.3%)を得た。LCMS:352.30(M+H+)。
【0099】
実施例20

1-(2-エトキシ-エチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド(0.29g、1.0mmol)、ブロモエトキシエタン(0.194mL、2.0mmol)及び炭酸カリウム(0.15g、1.1mmol)の7.5mLアセトニトリル溶液から出発して、実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.178g、24.1%)を得た。LCMS:370.27(M+H+)。
【0100】
実施例21

1-(4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-6-ヒドロキシ-ニコチンアミド(0.29g、1.0mmol)、ブロモメチル-4-メタンスルホニルベンゼン(0.498g、2.0mmol)及び炭酸カリウム(0.15g、1.1mmol)の7.5mLアセトニトリル溶液から出発し、実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.068g、7.3%)を得た。LCMS:466.17(M+H+)
【0101】
実施例22

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド
化合物は、2-フルオロイソニコチン酸(5.21g、37.5mmol)、2,4ジクロロベンジルアミン5.0mL、37.5mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.1g、75.0mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(14.3g、75.0mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(20.1mL、112.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(190mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(9.8g、87.4%)を得た。LCMS:300.00(M+H+)
【0102】
実施例23

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-メトキシソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、70.0mg1.75mmol)、メトキシ(0.078mL、1.75mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.221g、70.8%)を得た。LCMS:312.94(M+H+)
【0103】
実施例24

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-エトキシ-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、70.0mg1.75mmol)、エトキシ(0.102mL、1.75mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.140g、42.9%)を得た。LCMS:236.12(M+H+)
【0104】
実施例25

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、2,2,2トリフルオロエトキシ(0.091mL、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.085g、22.4%)を得た。LCMS:380.18(M+H+)
【0105】
実施例26

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、2-モルホリン-4-イルエトキシ(0.182mL、1.50mmol)、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.212g、51.5%)を得た。LCMS:411.31(M+H+)
【0106】
実施例27

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(4-フルオロ-フェノキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg、1.25mmol)、4-フルオロフェノール(0.140g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.17g、54.5%)を得た。LCMS:392.13(M+H+)
【0107】
実施例28

2-(4-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、4-シアノフェノール(0.148g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.034g、8.5%)を得た。LCMS:399.19(M+H+)
【0108】
実施例29

2-(3-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、3-シアノフェノール(0.148g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.100g、25.0%)を得た。LCMS:399.19(M+H+)
【0109】
実施例30

2-(2-シアノ-フェノキシ)-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、2-シアノフェノール(0.148g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.091g、22.8%)を得た。LCMS:399.19(M+H+)
【0110】
実施例31

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(4-メタンスルホニル-フェノキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、4-メチルスルホニルフェノール(0.215g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.040g、8.8%)を得た。LCMS:452.18(M+H+)
【0111】
実施例32

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(3-メタンスルホニル-フェノキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、3-メチルスルホニルフェノール(0.215g、1.25mmol、Bordwell, F.G.;et.al.J.Am.Chem.Soc.1991, 113, 1736)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.133g、29.4%)を得た。LCMS:452.18(M+H+)
【0112】
実施例33

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(2-メタンスルホニル-フェノキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、2-メチルスルホニルフェノール(0.215g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.085g、18.8%)を得た。LCMS:452.18(M+H+)
【0113】
実施例34

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(ピリジン-4-イルオキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、4-ヒドロキシピリジンe(0.120g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)、及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.232g、61.8%)を得た。LCMS:375.22(M+H+)
【0114】
実施例35

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(ピリジン-3-イルオキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、3-ヒドロキシピリジンe(0.120g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.064g、17.1%)を得た。LCMS:375.26(M+H+)
【0115】
実施例36

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-(ピリジン-2-イルオキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、2-ヒドロキシピリジン(0.120g、1.25mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.115g、30.6%)を得た。LCMS:375.24(M+H+)
【0116】
実施例37

N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド
2-ベンジルオキシ-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-イソニコチンアミド(150mg、0.387mmol)にトリフルオロ酢酸(2.0mL、114mmol)を加え、反応液を室温で16時間攪拌した。過剰のトリフルオロ酢酸を減圧下蒸発させえられた油状物をジエチルエーテルで処理し固体を沈殿させた。固体を集めジエチルエーテルで洗浄し乾燥させて表題の化合物(0.061g、38.3%)をTFA塩として得た。LCMS:298.14(M+H+)
【0117】
実施例38

1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物はN-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド(0.20g、0.67mmol)、ヨウ化メチル(0.063mL、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.179g、1.38mmol)の6.3mLアセトニトリル溶液から出発して実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.039g、12.5%)を得た。LCMS:312.26(M+H+)
【0118】
実施例39

1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド(0.20g、0.67mmol)、ヨウ化エチル(0.079mL、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.179g、1.38mmol)の6.3mLアセトニトリル溶液から出発して実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.029g、8.9%)を得た。LCMS:326.28(M+H+)
【0119】
実施例40

1-シクロプロピルメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド(0.20g、0.67mmol)、ブロモメチルシクロプロパン(0.112mL、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.179g、1.38mmol)の6.3mLアセトニトリル溶液から出発して実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.0391g、8.4%)を得た。LCMS:326.28(M+H+)
【0120】
実施例41

1-(2-エトキシ-エチル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド(0.20g、0.67mmol)、ブロモエトキシエタン(0.112mL、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.179g、1.38mmol)の6.3mLアセトニトリル溶液から出発して実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.031g、8.4%)を得た。LCMS:370.28(M+H+)
【0121】
実施例42

1-(4-メタンスルホニル-ベンジル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸2,4-ジクロロ-ベンジルアミド
化合物は、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-イソニコチンアミド(0.20g、0.67mmol)、ブロモメチル-4-メタンスルホニルベンゼン(0.249g、1.0mmol)及び炭酸カリウム(0.179g、1.38mmol)の6.3mLアセトニトリル溶液から出発して実施例17の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.044g、9.5%)を得た。LCMS:466.16(M+H+)
【0122】
実施例43

N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
工程A: 2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンズアミド
2-クロロ-4-メタンスルホニル-安息香酸(21.0g、89.1mmol)をアセトニトリル(200mL)に懸濁し、ジ-tert-ブチルジカルボネート(27.0g、124mmol)を一度に加えた。得られた混合物を15分間攪拌し重炭酸アンモニウム(79.10mmol)続いてピリジン(11.2mL124mmol)を反応液に加えた。反応液を16時間室温で攪拌し、続いて減圧下溶媒を蒸発させた。残渣を溶液が透明になるまで10%NaOH及び水で固化し、続いて固体を石油エーテル中で水及び5%エーテルで洗浄した。固体を集めて減圧下乾燥させ、所望の化合物(17.6g、84%)を得た。LCMS:234.03(M+H+)
工程B:2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン塩酸塩
ボランのTHF(1M、120mL、120mmol)溶液に工程Aの化合物を5分間かけて加えた。得られた懸濁液を熱して還流し16時間反応させた。反応液をアイスバスで冷却し過剰のボランを6NHClをゆっくり加えることでつぶした。HClの添加は気体の発生が終わった後に停止し得られた白色固体析出物を吸引ろ過で集めた。白色固体を6NHCl及びテトラヒドロフラン/ジエチルエーテル(1:1)で洗浄し真空下乾燥し所望の生成物(8.20g、88%)を得た。LCMS:222.23(M+H+)
工程C:N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.175g、0.79mmol)、2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン塩酸塩(0.173g、0.79mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.220g、1.62mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.303g、1.62mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.5mL、3.8mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(4.0mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.260g、77.7%)を得た。LCMS:343.23(M+H+).
【0123】
実施例44

N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド
化合物は、6-フルオロニコチン酸(1.1g、7.80mmol)、2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン塩酸塩(2.0g、7.80mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.11g、15.6mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(2.97g、15.6mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(5.5mL、31.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(40mL)から出発して、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(2.32g、86.8%)を得た。LCMS:343.23(M+H+)。
【0124】
実施例45

N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(4-フルオロ-フェノキシ)-ニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、24.0mg0.600mmol)、4-フルオロフェノール(0.067g、0.60mmol)、N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-フルオロ-ニコチンアミド(0.171g、0.500mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.056g、25.8%)を得た。LCMS:435.21(M+H+)
【0125】
実施例46

6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-N-(2-トリフルオロメトキシベンジル)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.300g、1.35mmol)、2-トリフルオロメトキシベンジルアミン(0.267g、1.35mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.378g、2.80mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.534g、2.80mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.29mL、7.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(7.0mL)から出発し、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.350g、65.4%)を得た。LCMS:395.23(M+H+)。
【0126】
実施例47

N-(2-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.300g、1.35mmol)、2-メチルスルホニルベンジルアミン塩酸塩(0.310g、1.40mmol、WO2001038323)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.378g、2.80mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.533g、2.80mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.21mL、7.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(7.0mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.326g、61.9%)を得た。LCMS:389.24(M+H+)。
【0127】
実施例48

N-(4-クロロ-2-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
工程A:4-クロロ-2-メチルスルファニル-ベンズアミド
2,4-ジクロロベンズアミド(5.00g、26.2mmol)のジメチルホルムアミド(131mL)溶液をナトリウムチオメトキシド(3.20g、45.9mmol)で処理し60℃で熱した。2時間後、反応液を室温まで冷却し水を加えた。溶媒を減圧下取り除き白色固体を得、さらに精製することなく使用した。
工程B:4-クロロ-2-メチルスルファニル-ベンジルアミン
ボランTHF(40mL、40mmol)を工程Aからの化合物(2.66g、13.2mmol)に加え16時間攪拌した。反応はメトキシをゆっくり加えることで止めた。減圧下反応液から溶媒を取り除きえられた固体をシリカゲルで酢酸エチル/メトキシを溶出剤として精製し所望の生成物(1.20g、48%)を得た。
工程C:4-クロロ-2-メタンスルファニル-ベンジルアミンパラトルエンスルホン酸塩
工程Bからの化合物(1.49g、7.94mmol)のジクロロメタン(80mL)懸濁液をジ-tert-ブチルジカルボネート(1.73g、7.94mmol)及びトリエチルアミン(1.10mL、7.94mmol)で処理し、b-イルC/MSでモニターして完全に消費されるまで反応させた。溶媒を減圧下取り除き残渣をジクロロメタン(80mL)及びスキューバ(scuba)(1.51g、8.73mmol)で処理し、b-イルC/MSでモニターして完全に消費されるまで反応させた。溶媒を減圧下取り除き残渣をジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(10mL)にとった。1時間後パラトルエンスルホン酸(7.94mmol)を加え、反応液を30分間攪拌した。溶媒は減圧下蒸発させ白色固体(2.01g、64%)を得、さらに精製しないで使用した。
工程D:(4-クロロ-2-メタンスルホニル-ベンジル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
酸化アルミニウム(9.68g、89.0mmol)を水(2mL)に加え5分間攪拌した。工程C(4.61g、11.7mmol)からの化合物をクロロホルム(185mL)に溶解し続いてオキソン(19.3g、30.0mmol)を加えた。反応液を熱し16時間還流させ、室温に冷却しろ過し、濃縮して無色の固体としての所望の生成物(2.01g、53.8%)を得、さらに精製せずに次の工程に使用した。
工程E:4-クロロ-2-メタンスルホニル-ベンジルアミン
工程Dからの化合物(2.01g、6.3mmol)をジクロロメタン(10mL)及びトリフルオロ酢酸(20mL)に溶解した。反応液を1時間攪拌しつついて溶媒を減圧下取り除いた。ジクロロメタンを加え、3回蒸発させ固体をジクロロメタン(10mL)に溶解し、パラトルエンスルホン酸(1.20g6.30mmol)を加えた。反応液を1時間攪拌し、続いてろ過し乾燥させ、所望の生成物(2.00g、80.1%)を得た。
【0128】
ステップF:N-(4-クロロ-2-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.300g、1.35mmol)、4-クロロ-2-メタンスルホニル-ベンジルアミン(0.548.6g、1.40mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.378g、2.80mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.533g、2.80mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.21mL、7.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(7.0mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.344g、60.0%)を得た。LCMS:423.88(M+H+)。
【0129】
実施例49

N-(4-メタンスルホニル-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.300g、1.35mmol)、4-メタンスルホニル-ベンジルアミン(0.300g、1.35mmol、FμLler, T.;et. al. J. Chem. Soc.1 945, 633.)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.378g、2.80mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.533g、2.80mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.21mL、7.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(7.0mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し表題の化合物(0.278g、52.8%)を得た。LCMS:389.25(M+H+)。
【0130】
実施例50

N-(2-クロロ-4-シアノ-ベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.148g、0.67mmol)、4アミノメチル-3-クロロベンゾニトリル(0.112g、0.67mmol、Gilbert、A.M.;et.al.J.MedChem.2000、43、1203-1214に従って合成した)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.182g、1.35mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.257g、1.35mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.41mL、2.30mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(3.5mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.220g、88.5%)を得た。LCMS:370.03(M+H+)。
【0131】
実施例51

N-(4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-イルメチル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
工程A4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-カルボニトリル
4-メチルスルホニルボロン酸(6.0g、30.0mmol)、4ブロモベンゾニトリル(4.91g、27.0mmol)、Pd2(dba)3(0.180g、0.198mmol)及び[(t-bu)3PH]BF4(0.120g、0.198mmol)をフラスコに量り入れフラスコをセプタムで密封し窒素で5分間パージした。フッ化カリウム(5.22g、90.0mmol)に続いてTHF(17mL)を加え反応液を密封し、窒素でパージし、45℃で16時間過熱した。反応液をシリカゲルのプラグを通し、シリカゲルを大量のTHFで洗浄した。溶媒を減圧下蒸発させ、残った固体を酢酸エチル/エーテルで固化し、所望の生成物(3.00g、38.9%)を得た。LCMS:258.31(M+H+)
ステップB(4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-カルボニトリル(0.500g、1.94mmol)、ジ-t-ブチル-ジカルバメート(1.40g、6.41mmol)及びPd/C(0.500g、10mol%wet)をパール装置(Parrapparatus)に添加し25mLのエトキシに懸濁した。反応容器は水素ガスで3度パージし、続いて圧力をまで増加させ溶液を一晩振とうした。16時間後、溶液をセライトのパッドに通し、セライトはエトキシで洗浄した。洗浄液をあわせて、減圧下蒸発させ、得られた固体をシリカゲルでヘキサン/酢酸エチルを溶出剤として精製し、所望の生産物(0.390g、55.5%)を得た。LCMS:362.45(M+H+)
ステップC C-(4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-イル)メチルアミン
(4'-メタンスルホニル-ビフェニル4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.390、1.07mmol)を5mLのジオキサンに溶解し、HCl(4.0Mジオキサン溶液、25mL)を反応液に添加し、反応液を2時間攪拌した。固体沈殿を集め、エーテルで洗浄し、所望の生成物(0.300g、93.4%)を得た。LCMS:362.45(M+H+)。
ステップD
化合物は、6-(2,2,2トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(0.148g、0.67mmol)、C-(4'-メタンスルホニルビフェニル4-イル)メチルアミン塩酸塩(0.200g、0.67mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.182g、1.35mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.257g、1.35mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.41mL、2.30mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(3.5mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.232g、74.5%)を得た。LCMS:465.08(M+H+)。
【0132】
実施例52

2-ベンジルオキシ-N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、ベンジルアルコール(0.108mL、1.05mmol)、N-(2,4-ジクロロ-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(300mg、1.00mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発して、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.150g、38.6%)を得た。LCMS:388.92(M+H+)。
【0133】
実施例53

N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド
化合物は、2-フルオロイソニコチン酸(1.1g、7.80mmol)、2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン塩酸塩(2.0g、7.80mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.11g、15.6mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(2.97g、15.6mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(5.5mL、31.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(40mL)から出発し、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(2.00g、74.8%)を得た。LCMS:343.23(M+H+)。
【0134】
実施例54

N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-2-(4-フルオロ-フェノキシ)-イソニコチンアミド
化合物は、水酸化ナトリウム(60%鉱油溶液、50.0mg1.25mmol)、4-フルオロフェノール(0.067g、0.112mmol)、N-(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジル)-2-フルオロ-イソニコチンアミド(0.171g、0.500mmol)及びN,Nジメチルアセトアミド(3.0mL)から出発し、実施例3の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(0.058g、26.7%)を得た。LCMS:435.20(M+H+)。
【0135】
実施例55

N-(3-メチル-ブチル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、2-フルオロイソニコチン酸(1.1g、7.80mmol)、2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン塩酸塩(2.0g、7.80mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.11g、15.6mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(2.97g、15.6mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(5.5mL、31.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(40mL)から出発し、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、表題の化合物(2.00g、74.8%)を得た。LCMS:343.23(M+H+)
【0136】
実施例56

1-(2-エトキシ-エチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2-クロロ-4-シアノ-ベンジルアミド
化合物は、1-(2-エトキシエチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(0.200g、0.947mmol)、C-(4'-4アミノメチル-3-クロロベンゾニトリル(0.157g、0.946mmol、実施例50から)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.256g、1.89mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.361g、1.89mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.595mL、3.31mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(4.2mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.153g、44.9%)を得た。LCMS:360.09(M+H+)。
【0137】
実施例57

1-(2-エトキシ-エチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミド
化合物は、1-(2-エトキシエチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(0.200g、0.947mmol)、C-(4'-4アミノメチル-3-クロロベンゾニトリル(0.252g、0.946mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.256g、1.89mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.361g、1.89mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.595mL、3.31mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(4.2mL)から出発して実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにシリカゲルでジクロロメタン/メトキシを溶出剤として用いて精製し、表題の化合物(0.143g、44.9%)を得た。LCMS:413.05(M+H+)。
【0138】
実施例58

1-(2-エトキシ-エチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンジルアミド
工程A 4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンズアルデヒド
4-ブロモ-2トリフルオロメトキシヨードベンゼン(17.0g、46.0mmol)を400mLのTHFに溶解し、-78℃まで冷却した。ブチルリチウム(1.5Mヘキサン溶液、29.3mL、47.0mmol)を冷却した溶液に30分間かけて滴下した。反応液をさらに-78℃で30分間攪拌し0℃まで温めさらに3時間攪拌した。反応液を室温まで温め2時間攪拌し水をゆっくり加えて反応をとめた。溶媒を減圧下除去し油状物を酢酸エチルに取り、1NHCl、水及び塩水で洗浄した。酢酸エチルを乾燥させ(硫酸マグネシウム)、ろ過し蒸発乾固させ赤色固体(9.80g、78.6%)を得て、さらに精製すること無しに使用した。
【0139】
工程B 4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンジルアミン塩酸塩
4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(8.20g、30.0mmol)を150mLのメトキシ(7Nアンモニア)に溶解し、一晩攪拌した。16時間後、反応液を水素化ほう素ナトリウム(2.48g、65.0mmol)で処理し、室温で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させ残渣をゆっくりと5%HClに取り、ジエチルエーテルで洗浄した。水層を水酸化ナトリウムで塩基性化し、生成物をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタンを硫酸マグネシウムで乾燥させろ過し、蒸発乾固させ油状物を得、ジエチルエーテルに取り、HCl(4Nエーテル溶液)で処理したと固体が沈殿した。固体を集めエーテル及びヘキサンで洗浄し所望の生成物(7.20g、77.1%)を得た。LCMS:271.19(M+H+)
工程C
化合物は1-(2-エトキシエチル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(0.689g、3.26mmol)、4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンジルアミン塩酸塩(1.00g、3.26mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.882g、6.52mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(1.24g、6.52mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(2.05mL、11.0mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(10.0mL)から出発し、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにジクロロメタン/メトキシを溶出液として用いてシリカゲルで精製し、表題の化合物(1.20g、79.4%)を得た。LCMS:464.13(M+H+)
【0140】
実施例59

N-(4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンジル)-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチンアミド
化合物は、1-(2-6-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシ)-ニコチン酸(0.360g、1.63mmol)、4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシベンジルアミン塩酸塩(0.500g、1.63mmol、実施例59)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.441g、3.26mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(0.622g、3.26mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(1.02mL、5.70mmol)N,N,ジメチルホルムアミド(10.0mL)から出発し、実施例1の方法を用いて調製及び精製し、さらにジクロロメタン/メトキシを溶出液として用いてシリカゲルで精製し、表題の化合物(0.655g、84.9%)を得た。LCMS:474.06(M+H+)
【0141】

ベンズアミドsEH阻害剤のハイスループット合成:

酸(0.125mmol)を各反応チューブに量り入れ、500μLのCH2Cl2で溶解又は懸濁した。塩化オキサリル(0.163mmol、82μLの2MCH2Cl2溶液、1.3当量)を加え、次に10μLのDMFを加える。反応溶液を室温で1時間振とうし、溶媒を減圧下取り除く。各残渣に新たなCH2Cl2(500μL)を加え、続いてベンジルアミン(0.125mmol)及びジイソプロピルプロピルエチルアミン(0.188mmol、24mg、33μL、1.5eq)の500μL CH2Cl2溶液を加える。1つのベンジルアミン(2-クロロ-4-メタンスルホニル-ベンジルアミン)に対し、出発物質のアミンは塩酸塩として供給され、付加的に0.188mmolのジイソプロピルプロピルエチルアミンが使用される。得られた反応液は室温で一晩振とうした。
【0142】
最大15時間まで振とうした後、最終化合物は、反応混合物を200mgのBond Elut NH2及び200mgのBond Elut CBA(Varian、Part#7553502C)を含むSPEカートリッジを通すことにより精製した。化合物をCH2Cl2(5x500μL)で準備したバイアルに溶出した。溶媒を真空下取り除き、LCMS(ELSD及びUV)及び1HNMRにより>80%の生産物が確認された化合物は生物学的試験にまわす。
【0143】
いくつかの試料は1HNMRによりジイソプロピルプロピルエチルアミン塩酸塩を含むことが確認された。これらの試料に500μLのCH2Cl2を加え、材料を再び200mgのBondElutNH2及び200mgのBondElutCBA(Varian、Part#7553502C)を含む新たなSPEカートリッジを通し、上記のように溶出した。溶媒を減圧下取り除き、LCMS(ELSD及びUV)及び1HNMRにより>80%の生産物が確認された化合物は生物学的試験にまわす。
【0144】
第1世代のライブラリ化合物のLC/MS

【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】

【0150】

【0151】

【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】

【0161】

【0162】

【0163】

【0164】

【0165】

【0166】

【0167】

【0168】

【0169】

【0170】

【0171】

【0172】

【0173】

【0174】

【0175】

【0176】

【0177】

【0178】

【0179】

【0180】

【0181】

【0182】

【0183】


【0184】
(使用方法)
本発明により、本明細書に記載された化合物及びその薬剤的に許容可能な誘導体の使用方法を提供する。本発明で使用される化合物は有益な作用を有するsEH基質の変性を防ぎ又は有害作用を有する代謝物の生成を防ぐ。sEHの阻害は例えば血管内皮機能障害のような多様な心血管疾患又は症状を予防し及び治療する為に魅力的な方法である。したがって、本発明の方法はそのような症状の治療に有用である。これらは1型及び2型糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血圧、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、狭心症、虚血、脳梗塞、レイノー病、および腎臓病を含むが、これらに限定されない疾患を包含する。
【0185】
治療的使用のために、化合物は任意の従来の剤形で任意の従来の投与方法で投与しても良い。投与経路は静脈内、筋内、皮下、滑液胞内への注入、舌下、経皮、経口、局所又は吸入を含むがそれらに限定されない。好ましい投与形態は経口または静脈内投与である。
【0186】
本明細書に記載された化合物は単独で又は阻害剤の安定性を向上させる、特定の実施態様においてこれらを含む医薬組成物の投与を容易にする、溶解性及び拡散性を増加させる、阻害活性を増強する、薬物補助療法を提供する等のような補助剤と組み合わせて他の活性成分を含んだ状態で投与しても良い。好ましくは、そのような併用療法には従来の治療薬を低容量で利用し、そうすることによりそれらの治療薬を単独で使用した場合に予想しうる毒性及び有害な副作用を避ける。本発明の化合物は従来の治療薬又は他の補助剤と物理的に組み合わせて単一の医薬組成物にしても良い。いくつかの実施態様において、化合物のそのような組み合わせを含む医薬組成物は、少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約20%の化合物(w/w)又はその組み合わせを含む。本発明の化合物の最適割合(w/w)は変化してもよく、当業者の理解の範囲内である。あるいは、化合物は別々に投与してもよい(連続的に、又は平行して)。別々に服用することは、投与計画における自由度をより大きくする。
【0187】
上述の通り、上述の化合物の投与剤形は、当業者に知られる薬剤的に許容される担体及び補助剤を含む。これらの担体及び補助薬としては、例えばイオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白質、緩衝物質、水、塩又は電解質及びセルロース・ベース物質が挙げられる。好ましい投与剤形としては、錠剤、カプセル、キャプレット(caplet)、液体、液剤、懸濁液、乳液、舐剤(lozenges)、シロップ、再構成可能な(reconstitutable)散剤、顆粒剤、坐剤及び経皮貼布が挙げられる。このような投与剤形を調製する方法は知られている(例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger (1990)参照)。投薬量レベル及び要求は、当該技術分野でよく認識されており、特定の患者に適した利用可能な方法及び技術から当業者が選択してもよい。いくつかの実施態様において、投薬量レベルは、70kgの患者について約1-1000mg/投与の範囲で変化する。1日当たり1回の投与で十分であるかもしれないが、1日当たり最大5回投与しても良い。経口の用量について、最大2000mg/日まで、必要であっても良い。当業者が正しく認識するように、特定の要因に応じてより少ない又は多い投与量が必要とされても良い。例えば、最適な投与量及び投薬計画は、患者の一般の健康プロフィール、患者の病気の重症度及び経過又はその性質、及び主治医の判断のような因子に依存する。
【0188】
「患者」という用語はヒト及びヒト以外の哺乳類の両方を含む
【0189】
「有効量」という用語は文中で投与又は使用された量が所望する効果又は結果得を達成するのに十分である本発明の化合物の量を意味する。文脈により有効量の用語は医薬的有効量又は診断的有効量を含み又は同義であっても良い。
【0190】
「医薬的有効量」又は「治療有効量」という用語は投与が必要な患者に投与した際に化合物が効果を有する病状、症状又は疾患の治療に十分な本発明の化合物の量を意味する。そのような量は研究者又は臨床医によって探求される、患者又はin vitro若しくはin vivoの組織若しくは系において生物学的又は医学的反応を惹起するのに十分である。医薬的有効量を構成する本発明の化合物の量は化合物及びその生理活性、使用される診断方法、装置、アッセイ、投与に使用される組成、投与時間、投与経路、化合物の排泄速度、投与の持続時間、治療される病状又は疾患の型、及びその重症度、本発明の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物又は他の化合物及び患者の年齢、体重、一般的健康、性別及び食事のような因子に依存して変化する。そのような医薬的有効量は当業者によって彼ら自身の知識、先行技術及び本明細書の開示を考慮してルーチン的に決定することができる。
【0191】
「診断有効量」という用語は本発明の化合物が診断的方法、装置、アッセイに使用される場合に、所望する診断効果を発揮する又は診断方法、装置、又はアッセイに必要な所望する生理活性を発揮するのに十分な量を意味する。そのような量は診断方法、装置、アッセイにおいて生物学的又は医学的反応を惹起するのに十分であり、前記反応は研究者又は臨床医によって求められる患者又はin vitro又はin vivoの組織又は系において生物学的又は医学的反応を含む。診断有効量を構成する本発明の化合物の量は化合物及びその生理活性、使用される診断方法、装置、アッセイ、投与に使用される組成、投与時間、投与経路、化合物の排泄速度、投与の持続時間本発明の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物又は他の化合物及びもし患者が診断的投与の対象である場合は患者の年齢、体重、一般的健康、性別及び食事のような因子に依存して変化する。そのような診断有効量は当業者によって彼ら自身の知識、先行技術及び本明細書の開示を考慮してルーチン的に決定することができる。
【0192】
「治療(treating)」又は「治療(treatment)」という用語は患者における病気の症状の治療を意味し、以下を含む。
(i)患者に病状が起こるのを防ぐこと、とりわけ、そのような患者が遺伝的に又は他に病状が起こりやすい傾向にある場合であって、まだ病状を有すると診断されていない場合;
(ii)患者の病状の抑制又は軽減、すなわち病状の進行を抑止又は遅らせること;又は
(iii)患者における病状の軽減、すなわち、病状の復帰又は治癒をおこすこと
【0193】
(In vitroにおけるhsEH阻害アッセイ)
この高速大量スクリーニング(high throughput screen)はヒト可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)とテトラメチルローダミン(TAMRA)-標識プローブの間の相互作用を阻害する化合物を同定する。UHTSは試薬、バッファー及び試験化合物を96-ウェル又は384-ウェル黒色マイクロタイタープレート(Costar社)のいずれに分配するのにもZymark Allegroモジュラーロボットシステム(modμLar robotic system)を使用した。アッセイバッファーの組成は:20mM TES、200mM NaCl、0.05%w/vCHAPS、1mMTCEP、pH=7.0である。試験化合物はニート(neat)DMSOに5mg/mLの濃度で溶解し、0.5mg/mLまでニートDMSOで希釈する。0.5mg/mLの溶液をさらに30μg/mLまで、DMSOを含んだアッセイバッファーで希釈し、DMSOの最終濃度が30%になるように調製する。384-ウェルフォーマットでは、10.35nMヒトsEH及び2.59nMプローブをアッセイバッファーで調製し最終的なsEH濃度が10nM及び最終的なプローブ濃度が2.5nMとなるように各ウェルに60μLずつ加えた。その後、最終的なアッセイ濃度が1μg/mL試験化合物及び1%DMSOとなるように2.1μLの希釈した試験化合物を各ウェルに加えた。各ウェルの最終体積は62.1 μLだった。陽性コントロールは試験化合物を含まない反応混合物であり、陰性コントロール(ブランク)は3μMのBI00611349XXを含む反応混合物であった。96ウェルフォーマットではすべての反応化合物の最終濃度は同じままであり、最終的なウェル内の体積が150mLとなるように135μLのsEH/プローブ混合物を15μLの試験化合物が入っているウェルに加えた。反応溶液を室温で30分間インキュベートした後、プレートの蛍光偏光をLJLAnalystで励起光波長を530nm発光波長を580nmにセットしRh561二色性ミラーを用いて測定した。
【0194】
(In vitroにおけるrsEH阻害アッセイ)
この高速大量スクリーニング(high throughput screen)はラット可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)とテトラメチルローダミン(TAMRA)-標識プローブの間の相互作用を阻害する化合物を同定する。アッセイは試薬、バッファー及び試験化合物を96-ウェル黒色マイクロタイタープレート (Costar 3792)に分配するのに、MμLtimek、MμLtidrop及び手動マルチチャンネルピペッターを採用する。アッセイバッファーの組成は:20mM TES、200mM NaCl、0.05%w/vCHAPS、1mMTCEP、pH=7.0である。試験化合物はニート(neat)DMSOに10mMの濃度で溶解し、1.5mMまでニートDMSOで希釈する。1.5mMの溶液をポリプロピレンプレート内でニートDMSOの3倍希釈により段階的に希釈する。化合物が10倍に希釈されDMSOの濃度が10%となるようにアッセイバッファーを加える。11.1nMラットsEH及び2.78nMプローブの混合物はアッセイバッファーで調製する。15μLの希釈試験化合物を最終最大アッセイ濃度が3μM試験化合物及び1%DMSOになるように各ウェルに添加する。135μLのsEH/プローブ混合物をsEHの最終濃度が10nM、プローブの最終濃度が2.5nMとなるように各ウェルに添加する。書くウェルの最終体積は150 μLである。陽性コントロールは試験化合物を含まない反応混合物であり、陰性コントロール(ブランク)は3μMのBI00611349XXを含む反応混合物であった。反応溶液を室温で30分間インキュベートした後、プレートの蛍光偏光をLJLAnalystで励起光波長を530nm発光波長を580nmにセットしRh561二色性ミラーを用いて測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩

(式中、
Arはフェニル又はピリジニルであり、それぞれ任意に、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシル、フェニル、ナフチル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールから選択される1〜3の置換基で置換され、
各置換基は任意に独立してアミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意にアミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるフェニル又はピリジニル、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキル;から選択される1〜3個の置換基で置換され、
X及びYは任意に独立して水素、ハロゲン、シアノ、NH-R、OR、R、SO2R又はS(O)2NRRであり、前記Rは独立して水素、アリール又は任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルであり、
及び、前記X及びYはいずれも水素ではない。)。
【請求項2】
請求項1記載の化合物
(式中:
Arは、任意に、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、C1-4アルキルアミドカルボニル、C1-4ジアルキルアミドカルボニル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン、ヒドロキシル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル及びイソキノリニル;から選択される1〜3の置換基で置換されるピリジニルであり、
各置換基は任意に独立してアミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意にアミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるフェニル又はピリジニル、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されるC1-6アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換され、
X及びYは任意に独立して水素、ハロゲン、シアノ、NH-R、OR、R、SO2Rであり、
式中Rは独立して水素、任意にアミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるアリール、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6アルキルである)。
【請求項3】
請求項2記載の化合物。
(式中:
Ar は任意にC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C3-6シクロアルキルアミノ、ジ(C3-6シクロ)アルキルアミノ、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、ハロゲン及びヒドロキシルから選択される1〜3の置換基で置換されるピリジニルであり、
各置換基は任意に独立してアミノ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアミド、ハロゲン、ヒドロキシル、スルホニル、スルホンアミド、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルヘテロシクリル、任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるフェニル又はピリジニル、任意にヒドロキシル、アミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキルチオ又は1〜3個のフッ素原子で置換されたC1-6 アルキル;から選択される1〜3個の置換基で置換され、
X及びYは任意に独立して水素、塩素、臭素、シアノ、OR、SO2Rであり、
式中Rは独立して水素、C1-4アルキル又は任意に、アミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル及びC1-4アルキルスルホニルから選択された1〜3個の置換基で置換されるアリールである。)。
【請求項4】
式(II)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩。

(式(II)中、部分

は以下の表IのA1〜A59から選択され、
以下の表IのB1〜B9から選択される任意の部分

と組み合わされる。)
表1















【請求項5】
式(III)の化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩。

(式(III)中、部分

は下記の表IV中のA1〜A49から選択され、
以下の表IV中の部分B1

と組み合わされる。)
表4













【請求項6】
以下から選択される化合物又はそれらの医薬的に許容可能な塩。







【請求項7】
以下から選択される化合物。



























【請求項8】
I型、II型糖尿病、インスリン抵抗性症候群、高血圧、アテローム性動脈硬化、冠状動脈疾患、狭心症、虚血、虚血発作、レイノー病及び腎疾患から選択される疾患又は症状を治療する方法であって、医薬的有効量の請求項1〜7いずれか1項記載の化合物を患者に投与することを含む前記方法。
【請求項9】
医薬的有効量の請求項1〜7いずれか1項記載の化合物及び1以上の医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2009−528992(P2009−528992A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555479(P2008−555479)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/062168
【国際公開番号】WO2007/098352
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】