合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マーク
【課題】レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積のパターンで正確に測定することができる合わせずれ測定方法を得ること。
【解決手段】複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、上層側のレイヤLuで環状に形成された第1の環状パターンと第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう下層側のレイヤLdで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて合わせずれ量を算出する。
【解決手段】複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、上層側のレイヤLuで環状に形成された第1の環状パターンと第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう下層側のレイヤLdで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて合わせずれ量を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のレイヤ間の重ね合わせを測定する合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトリソグラフィ工程や加工工程では、下層と上層との間の重ね合わせの位置ずれ量を計測するため、光学式のずれ測定方法(光学式のずれ測定装置)によってXY方向の合わせずれ計測を行なっていた。このずれ測定装置では、例えばBar in Bar MarkやBox in Box Markの合わせずれ量を計測しており、この計測結果に基づいてプロセスコントロールや合わせずれ量判定が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような合わせずれ量の測定では、デザインルールの微細化に伴い、実パターンの合わせずれ量の計測精度に限界がきている。このため、合わせずれ量の測定にバラツキ誤差が生じ、実パターンでの合わせずれ量の判定に判定誤差が発生するので、合わせずれ補正量のコントロールが困難になってきている。
【0004】
特に光学式の合わせずれ計測では、リソグラフィプロセス以外の要因(下地膜厚、光学段差、形状バラツキなど)によって光学用の合わせ測定パターンサイズが影響を受けるので、本体パターンの合わせずれの実力を把握して制御することが非常に困難になってきている。さらに、光学式の合わせ測定パターン(合わせマーク)を使用することにより、ウエハ上に広域面積の確保が必要となり、合わせ測定パターンの配置数に限界が生じ、高次成分計測・補正が困難になっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−15419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積のパターンで正確に測定することができる合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の一態様によれば、複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、第1のレイヤで環状に形成された第1の環状パターンと前記第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう第2のレイヤで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて前記合わせずれ量を算出するずれ算出ステップを含むことを特徴とする合わせずれ測定方法が提供される。
【0008】
また、本願発明の一態様によれば、半導体装置製造工程の各レイヤで形成されるとともに、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を検査する際に用いられる合わせずれ検査マークにおいて、第1のレイヤでは環状を有した第1の環状パターンが形成されるとともに、第2のレイヤでは前記第1の環状パターンと同心円上に配置されかつ環状を有した第2の環状パターンが形成されることを特徴とする合わせずれ検査マークが提供される。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積のパターンで正確に測定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明に係る合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る合わせずれ量測定装置の構成を示すブロック図である。合わせずれ量測定装置10は、ウエハ上に形成されたレイヤ間の重ね合わせ精度測定用のマーク(以下、合わせずれマークという)を用いて、レイヤ間の合わせずれ量を測定する装置である。
【0012】
合わせずれマークは、レイヤ毎に形成される例えばリング状のパターンであり、レイヤ間の合わせずれ量は、測定対象レイヤの合わせずれマーク間(第1のレイヤの合わせずれマークと第2のレイヤの合わせずれマークとの間)の位置ずれ量(相対位置)が測定されることによって測定される。
【0013】
合わせずれ量測定装置10は、SEM画像撮像機構11と合わせずれ量算出機構12を有しており、合わせずれ量算出機構12が輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15を備えている。
【0014】
SEM画像撮像機構11は、例えばSEM式測定機であり、電子線を用いて各レイヤの合わせずれマークを検出する。なお、SEM画像撮像機構11は、断面測定機(AFM、SEM、FIB)やGDSを用いて各レイヤの合わせずれマークを検出してもよい。SEM画像撮像機構11は、検出した合わせずれマークのSEM画像を撮像して合わせずれ量算出機構12の輪郭抽出部13に送る。
【0015】
輪郭抽出部13は、SEM画像から輪郭パターン(輪郭データ)を抽出し、合わせずれ量算出部15に送る。設計データ入力部14は、外部装置(例えば、設計データの作成装置)から半導体回路パターンの設計データ(設計デザインデータ)を入力して、合わせずれ量算出部15に送る。
【0016】
合わせずれ量算出部15は、輪郭データと、設計データとに基づいて、各レイヤ間の合わせずれ量を算出する。具体的には、合わせずれ量算出部15は、輪郭データと設計データとを用いて合わせずれ量を複数個所、複数方向で算出し、この算出結果を用いてレイヤ間の合わせずれ量を算出する。
【0017】
ここで、合わせずれ量算出機構12のハードウェア構成について説明する。図2は、合わせずれ量算出機構のハードウェア構成を示す図である。合わせずれ量算出機構12は、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、表示部4、入力部5を有している。合わせずれ量算出機構12では、これらのCPU1、ROM2、RAM3、表示部4、入力部5がバスラインを介して接続されている。
【0018】
CPU1は、コンピュータプログラムであるずれ量算出プログラム(合わせずれ量算出プログラム)7を用いて合わせずれ量の算出を行う。表示部4は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU1からの指示に基づいて、合わせずれ量や、合わせずれ量を算出する際に用いる種々の情報(合わせずれマーク、設計データ、輪郭データ)を表示する。入力部5は、マウスやキーボードを備えて構成され、使用者から外部入力される指示情報(合わせずれ量の算出対象となるレイヤを指定する指示、合わせずれ量の算出に必要なパラメータ等)を入力する。入力部5へ入力された指示情報は、CPU1へ送られる。
【0019】
ずれ量算出プログラム7は、ROM2内に格納されており、バスラインを介してRAM3へロードされる。CPU1はRAM3内にロードされたずれ量算出プログラム7を実行する。具体的には、合わせずれ量算出機構12では、使用者による入力部5からの指示入力に従って、CPU1がROM2内からずれ量算出プログラム7を読み出してRAM3内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU1は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM3内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
【0020】
本実施の形態の合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7は、前述の各部(輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15)を含むモジュール構成となっており、上記各部が主記憶装置上にロードされ、輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15が主記憶装置上に生成される。
【0021】
なお、合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態のずれ量算出プログラム7を、ROM等の記憶媒体に予め組み込んで合わせずれ量算出機構12に提供するように構成してもよい。
【0022】
つぎに、合わせずれマークの配置位置について説明する。図3は、合わせずれマークの配置位置を説明するための図である。図3では、合わせずれマーク(合わせズレ計測パターン)のウエハ内およびショット内の配置イメージを示している。合わせずれマーク(合わせずれ検査マーク)25は、例えばラインアンドスペースパターン、狭スペースパターン、ホールパターン、欠陥率大パターン、二次元パターン、ベタパターンなどである。
【0023】
ウエハ21上には、矩形状からなる複数のショット22が配置されるとともに、各ショット22には1〜複数のチップが配置される。図3では、1ショット内に1つのチップ23が配置される場合を示している。各ショット22間には、ダイシングライン24が設けられている。ダイシングライン24は、ウエハ21上に半導体回路装置(集積回路)が形成された後、各ショット22(チップ23)をウエハ21から切り離す際に切断経路となるエリアである。
【0024】
本実施の形態では、合わせずれマーク25を小さく構成するとともに、合わせずれマーク25をウエハ21上の任意の位置に複数配置する。合わせずれマーク25は、例えば、チップ23内(ショット22内)、ダイシングライン24内にそれぞれ複数配置される。合わせずれ量測定装置10は、上層側の合わせずれマークと、下層側の合わせずれマークとの相対的な位置の関係を合わせずれマーク25間の複数方向(全方向)(少なくとも5つの方向)で比較し、この比較結果を用いて合わせずれ量を計測する。
【0025】
なお、図3では、合わせずれマーク25の配置される領域を矩形状で示しており、本実施の形態の合わせずれマーク25の形状は、例えば環状、円状、多角形状または多角形の環状である。
【0026】
つぎに、合わせずれマーク25の合わせずれ量について説明する。図4は、合わせずれマークの合わせずれ量を説明するための図である。図4の(a)は、合わせずれが無い場合のイメージ図であり、(b)は、各レイヤで合わせずれが発生した場合のイメージを示している。
【0027】
ウエハ上に半導体装置を形成していく際には、各レイヤのパターンが順番に積層されていく。このとき、各レイヤのパターンとともにレイヤ毎の合わせずれマーク25が形成される。各レイヤで形成される合わせずれマーク25は、それぞれ異なる半径を有した円状などをなしている。ここでは、上層側の合わせずれマーク25が下層側の合わせずれマーク25よりも半径が小さくなるよう、各合わせずれマーク25を設計しておく。したがって、ウエハへの加工工程が進むに従って、合わせずれマーク25の半径が小さくなっていく。また、1つの領域に形成されるレイヤ毎の合わせずれマーク25は、それぞれの合わせずれマーク25の中心位置が同じとなるよう、形成していく。
【0028】
図4の(a)および(b)では、レイヤL4、レイヤL3、レイヤL2、レイヤL1の順番で合わせずれマーク25を形成した場合を示している。図4の(a)は、各レイヤL1〜L4での合わせずれマーク25に合わせずれが発生していない場合の合わせずれマーク25を示している。(a)に示すように、合わせずれが無い場合は、各レイヤL1〜L4の合わせずれマーク25が同心円状に並び、各合わせずれマーク25の中心がレイヤL4で形成された合わせずれマーク25の中心Cと同じ位置になる。
【0029】
図4の(b)は、各レイヤL1〜L4での合わせずれマーク25に合わせずれが発生している場合の合わせずれマーク25を示している。(b)に示すように、合わせずれが有る場合は、各レイヤL1〜L3の合わせずれマーク25の中心位置が、レイヤL4で形成された合わせずれマーク25の中心Cと異なる位置になる。
【0030】
図4の(c)は、(b)の場合の各レイヤL1〜L4の合わせずれマーク25の中心位置を示している。(c)に示すように、レイヤL3,L2,L1の合わせずれマーク25の各中心位置c3、c2、c1は、それぞれレイヤL4との合わせずれ量に応じた距離だけ、レイヤL4での中心Cから離れた距離に位置することとなる。
【0031】
合わせずれ量測定装置10は、全てのレイヤL1〜L4間の合わせずれ量を測定する。例えば、レイヤL1は、レイヤL2、レイヤL3、レイヤL4のそれぞれとの間での合わせずれ量が測定される。
【0032】
つぎに、合わせずれマーク25が多角形の環状である場合の合わせずれマーク25の構成の一例について説明する。図5は、合わせずれマークが多角形の環状である場合の構成の一例を示す図である。図5では、主要レイヤ(ライン系、ホール系)毎に設計された合わせずれマーク25を示している。
【0033】
同図に示すように、M1(メタル)レイヤLm1、GC(ゲート)レイヤLgc、AA(アクティブ)レイヤLaaでは、それぞれ八角形の環状パターンを合わせずれマーク25としている。また、CS(ホール)レイヤLcsでは、八角形の環状領域に矩形状のパターンを複数配置したパターンを合わせずれマーク25としている。
【0034】
ウエハ21上に半導体回路装置を形成する際には、AAレイヤLaa、GCレイヤLgc、CSレイヤLcs、M1レイヤLm1の順番で、パターン形成が行われる。したがって、ウエハ21上に形成される合わせずれマーク25も、AAレイヤLaa、GCレイヤLgc、CSレイヤLcs、M1レイヤLm1の順番で形成される。
【0035】
なお、必要に応じて、矩形状の合わせずれマーク25を配置してもよい。例えば、M1レイヤLm1とGCレイヤLgcとが直交するよう、矩形状のM1レイヤLm1と矩形状のGCレイヤLgcとを配置するとともに、M1レイヤLm1とGCレイヤLgcの中央部にCSレイヤLcsを配置しておいてもよい。
【0036】
つぎに、合わせずれ量の計測方法について説明する。なお、ここでは、各レイヤで形成される合わせずれマーク25が、円環状である場合について説明する。まず、第1の合わせずれ量の計測方法について説明する。図6は、第1の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。図6では、合わせずれマーク25の画像を取得して、取得した合わせずれマーク25の画像から輪郭データを抽出し、下層レイヤと上層レイヤとの位置関係から合わせずれ量(残差)を計測する手順を示している。なお、ここでのレイヤLu,Ldの一方が特許請求の範囲に記載の第1のレイヤに対応し、他方が特許請求の範囲に記載の第2のレイヤに対応する。したがって、レイヤLu,Ldの合わせずれマーク25の一方が、特許請求の範囲に記載の第1の環状パターンに対応し、他方が特許請求の範囲に記載の第2の環状パターンに対応する。
【0037】
合わせずれ量測定装置10のSEM画像撮像機構11は、測定対象となっているレイヤ(上層側のレイヤLuおよび下層側のレイヤLd)のSEM画像を撮像することによって、合わせずれマーク25の合わせずれ実パターンを取得する(s1)。これらのレイヤLu,LdのSEM画像は、輪郭抽出部13に送られる。
【0038】
輪郭抽出部13は、各レイヤLu,LdのSEM画像から,合わせずれ実パターンの輪郭データを抽出して、輪郭データを合わせずれ量算出部15に送る。合わせずれ量算出部15は、レイヤLuの輪郭データとレイヤLdの輪郭データとの間の距離(残差)を測定する。例えば、レイヤLuの半径がレイヤLdの半径よりも小さい場合、レイヤLuの外周側の外形の輪郭と、レイヤLdの内周側の外形の輪郭との距離が、レイヤLu,Ld間の残差として測定される。具体的には、合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの間の残差を複数個所、複数方向(レイヤLuからレイヤLdへ向かう方向またはレイヤLdからレイヤLuへ向かう方向)で測定する(s2)。そして、合わせずれ量算出部15は、各方向で測定した残差に基づいて、下層側のレイヤLdに対する上層側のレイヤLuの重ね合わせの合わせずれ量を算出する。このとき、合わせずれ量算出部15は、レイヤLdとレイヤLuの間の低次成分および高次成分の合わせずれ量を算出する。
【0039】
つぎに、第2の合わせずれ量の計測方法について説明する。図7は、第2の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。図7では、各レイヤの合わせずれマーク25に対して、それぞれ対応するデザインデータをマッチングさせ、下層と上層とのデザインデータの差から合わせずれ量を計測する手順を示している。
【0040】
合わせずれ量測定装置10のSEM画像撮像機構11は、測定対象となっている上層側のレイヤLuおよび下層側のレイヤLdのSEM画像を撮像することによって、合わせずれマーク25の合わせずれ実パターンを取得する(s11)。これらのレイヤLu,LdのSEM画像は、輪郭抽出部13に送られる。ここでの輪郭抽出部13は、SEM画像から輪郭データを抽出することなく、SEM画像を合わせずれ量算出部15に送る。
【0041】
設計データ入力部14は、外部装置から半導体回路パターンの設計データ(以下、GDSという)を入力して、合わせずれ量算出部15に送る。図7では、GDSを点線で図示している。合わせずれ量算出部15は、合わせずれ実パターンのSEM画像と、GDSとのデザインマッチングを行う(s12)。具体的には、レイヤLuのGDSのパターン位置を、レイヤLuのSEM画像に対応する位置に移動させる。さらに、レイヤLdのGDSのパターン位置を、レイヤLdのSEM画像に対応する位置に移動させる。換言すると、レイヤLuのSEM画像の形状をレイヤLuのGDSのパターン形状で補正するとともに、レイヤLdのSEM画像の形状をレイヤLdのGDSのパターン形状で補正する。これにより、GDS上のパターン位置が、SEM画像上の合わせずれマーク25に対応する位置に移動させられる。
【0042】
合わせずれ量算出部15は、SEM画像上の合わせずれマーク25に対応する位置に移動させられたレイヤLu,LdのGDSに基づいて、レイヤLdに対するレイヤLuの合わせずれ量を計測する(s13)。例えば、レイヤLuの半径がレイヤLdの半径よりも小さい場合、レイヤLuの外周側の外形の輪郭と、レイヤLdの内周側の外形の輪郭との距離が、レイヤLu,Ld間の残差として測定される。ここでの合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの間のパターン位置関係として、複数個所、複数方向でのレイヤLu,Ld間の残差を測定する。合わせずれ量算出部15は、各方向で測定された残差に基づいて、下層側のレイヤLdに対する上層側のレイヤLuの重ね合わせの合わせずれ量を算出する。
【0043】
なお、ここでは合わせずれ量算出部15がレイヤLuとレイヤLdとの間の残差を複数個所、複数方向で測定する場合について説明したが、合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの中心位置のずれ量を測定してもよい。この場合、合わせずれ量算出部15は、GDSに基づいて実パターンの収差量(露光装置による収差量)を算出し、実パターンデータから収差量を除去したパターンデータを算出する。そして、合わせずれ量算出部15は、収差量を除去したパターンデータに基づいて、実パターンの中心位置を予測する。さらに、合わせずれ量算出部15は、予測した実パターンの中心位置を用いて、収差量を除去したパターンデータとGDSとのマッチングを行う。具体的には、レイヤLu,LdのGDSの中心位置を、予測した実パターンの中心位置に対応する位置に移動させる。そして、合わせずれ量算出部15は、GDS上でのレイヤLuとレイヤLdとの間の合わせずれ量を計測する。
【0044】
また、ここでは第2の合わせずれ量の計測方法を行う際に、レイヤLuとレイヤLdの中心位置のずれ量を用いる場合について説明したが、第1の合わせずれ量の計測方法を行う際に、レイヤLuとレイヤLdの中心位置のずれ量を用いてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、合わせずれマーク25の実パターンのSEM画像とGDSとのデザインマッチングを行う場合について説明したが、合わせずれマーク25の実パターンを円環状などの所定の形状に近似してもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、GDSから算出した実パターンの収差量を用いて実パターンの中心位置を予測する場合について説明したが、他の方法によって実パターンの中心位置を予測してもよい。例えば、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測してもよい。また、現像後の形状(リソ形状)をシミュレーションすることによって、実パターンの中心位置を予測してもよい。
【0047】
図8は、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図であり、図9は、リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【0048】
図8に示すように、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する場合には、輪郭抽出部13が実パターン71の輪郭データ72を抽出する(s21)。そして、合わせずれ量算出部15が、GDS73と輪郭データ72を比較して(s22)、残差を算出する。そして、合わせずれ量算出部15は、残差に基づいて実パターンの中心位置c5を予測する(s23)。
【0049】
また、図9に示すように、リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する場合には、合わせずれ量算出部15が、実パターンに露光装置の収差量を与えて、実パターンに対応するリソ形状(収差有りのリソ形状)81を算出する(s31)。また、合わせずれ量算出部15は、収差量の乗っていないGDSに基づいて、リソ形状(収差無しのリソ形状)82を算出する(s32)。さらに、合わせずれ量算出部15は、収差有りのリソ形状81と収差無しのリソ形状82とを比較して、実パターンの中心位置c7を予測する(s33)。
【0050】
合わせずれ量測定装置10によってレイヤ間の合わせずれ量が測定された後、この合わせずれ測定結果と、予め測定しておいた寸法測定結果や形状結果を用いて、種々の処理が行われる。例えば、DFM制御、設計へのフィードバック、OPCシミュレーション、合わせずれ量管理、寸法線幅管理、形状管理、重ね合わせ制御、寸法制御、形状のAPC制御、合わせズレ判定、寸法線幅判定、形状判定などが行われる。
【0051】
半導体デバイスなどの半導体装置を製造する際には、各レイヤの加工処理を行う度に、合わせずれ量測定装置10によってレイヤ間の合わせずれ量が測定される。そして、各レイヤでの合わせずれ量が正常範囲内であるか否かを判断しながら、半導体デバイスが製造される。
【0052】
以上のように、半導体装置の製造工程の際に、円環状の合わせずれマーク25を用いて種々の方向での残差を計測するので、合わせずれ量の測定誤差を低減できる。したがって、設計データに対する実パターンの合わせずれ量を、ロット間、ウエハ間、ショット間、ショット内、チップ内で向上させることができる。これにより、プロセスコントール(APC制御)による精度向上、歩留まり改善、付帯作業時間や測定時間の短縮などが可能となる。
【0053】
このように第1の実施の形態によれば、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積の合わせずれマーク25で正確に測定することが可能になる。また、合わせずれマーク25の実パターンと、合わせずれマーク25の設計データとを用いて、レイヤ間の合わせずれ量を算出するので、正確な合わせずれ量を精度良く算出することが可能となる。また、実パターンの輪郭データを抽出するとともに、抽出した輪郭データを用いてレイヤ間の合わせずれ量を算出するので、容易に合わせずれ量を算出することが可能となる。
(第2の実施の形態)
【0054】
つぎに、図10〜図13を用いてこの発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、フォトリソグラフィ工程や加工工程を行う際に、ショット内やチップ内に発生する欠陥の最適な検査条件を決定する。
【0055】
従来、フォトリソグラフィ工程や加工工程の際に行われる欠陥検査では、シミュレーションや欠陥検査装置を用いて、ウエハ上の欠陥が半導体装置の不良になり得るか否かの判定を行っていた。ところが、この方法では、ショット内の検査位置に関係なく、所定の検査条件を欠陥検査装置に設定して欠陥検査を行っていた。このため、欠陥検査時間に長時間を要していた。一方、欠陥検査時間を短縮した場合には、検査精度が悪化するという問題があった。
【0056】
そこで、本実施の形態では、ショット内の検査位置(後述のメッシュエリア)毎に検査位置に応じた検査条件を設定してショット内の欠陥検査を行う。すなわち、ショット内に複数の検査エリアを設定し、検査エリア毎の予測検査時間に基づいて、各検査エリアでの効率的な検査条件を決定する。さらに、予め欠陥サイズが判明している場合には、欠陥サイズに応じた欠陥検査順序を設定して欠陥検査を行う。
【0057】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る欠陥検査条件設定装置の構成を示すブロック図である。欠陥検査条件設定装置50は、ウエハ上に形成されたパターンの欠陥検査を行う欠陥検査装置30に欠陥検査の際の検査条件を設定する装置である。欠陥検査条件設定装置50は、現像後レジストパターン、エッチング後パターン、成膜後パターンなど何れのパターンに対して欠陥検査条件を設定してもよい。なお、欠陥検査装置30がフォトマスクの欠陥検査を行う場合には、欠陥検査条件設定装置50は、フォトマスクの欠陥検査条件を欠陥検査装置30に設定してもよい。
【0058】
欠陥検査条件設定装置50は、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59を有している。指示入力部51は、欠陥検査を行うパターンの設計データ、欠陥検査装置30に設定できる検査条件(検査エリアの単位サイズ、検査速度など)、検査条件や検査順序を設定する際に用いる検査優先度に関する情報(以下、検査優先度情報という)を入力する。検査優先度情報は、検査条件や検査順序を設定する際の設定の判断材料として用いられる情報であり、欠陥検査の測定対象となる位置(測定点)の個数、検査する欠陥のサイズ、欠陥形状などの情報(判断の基準値)である。本実施の形態では、複数種類の検査条件を用意しておき、検査優先度情報に応じた検査条件を後述のメッシュエリア毎に設定する。なお、検査条件、検査優先度情報は、欠陥検査条件設定装置50の使用者がマウスやキーボードを介して入力してもよいし、外部装置(検査条件や検査優先度情報の記憶装置)などから入力してもよい。
【0059】
測定点抽出部52は、設計データを用いて、欠陥検査対象の測定点をショット内またはチップ内から抽出する。なお、本実施の形態では、欠陥検査をショット毎に行う場合について説明する。メッシュエリア設定部53は、ショット内のエリアを複数のメッシュエリアに分割する。
【0060】
検査条件設定部55は、メッシュエリア内の測定点の個数、欠陥のサイズ、欠陥形状などに基づいて、複数種類の検査条件の中からメッシュエリアに応じた検査条件をメッシュエリア毎に設定する。また、検査条件設定部55は、メッシュエリア内の測定点の個数、欠陥のサイズ、欠陥形状などに基づいて、各メッシュエリア内での欠陥検査順序を設定する。検査条件設定部55は、欠陥として検出される可能性が高い順番で欠陥検査が行われるよう、各メッシュ内での欠陥検査順序を設定する。
【0061】
出力部56は、欠陥検査装置30に接続されており、検査条件設定部55が設定したメッシュエリア毎の検査条件、欠陥検査順序を、欠陥検査装置30に出力する。制御部59は、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56を制御する。
【0062】
ここで、欠陥検査条件設定装置50のハードウェア構成について説明する。図11は、欠陥検査条件設定装置のハードウェア構成を示す図である。なお、図11の各構成要素のうち図2に示す第1の実施の形態の合わせずれ量算出機構12と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0063】
欠陥検査条件設定装置50は、合わせずれ量算出機構12と同様に、CPU1、ROM2、RAM3、表示部4、入力部5を有している。CPU1は、コンピュータプログラムである検査条件設定プログラム47を用いて合わせずれ量の算出を行う。検査条件設定プログラム47は、ROM2内に格納されており、バスラインを介してRAM3へロードされる。CPU1はRAM3内にロードされた検査条件設定プログラム47を実行する。
【0064】
本実施の形態の欠陥検査条件設定装置50で実行される検査条件設定プログラム47は、前述の各部(指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59)を含むモジュール構成となっており、上記各部が主記憶装置上にロードされ、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59が主記憶装置上に生成される。
【0065】
つぎに、欠陥検査条件の設定処理手順について説明する。図12は、欠陥検査条件の設定処理手順を示すフローチャートである。欠陥検査条件設定装置50の指示入力部51には、予め欠陥検査を行うパターンの設計データを入力しておく。
【0066】
測定点抽出部52は、設計データを用いて、欠陥検査対象の測定点をショット内から抽出する(ステップS10)。この後、指示入力部51には、欠陥検査装置30に設定できる検査条件や検査優先度情報が入力される。
【0067】
検査条件としては、例えば広い検査エリアでの欠陥検査に適した検査条件として、50μm×50μmの検査エリアであって、この検査エリアを60secの検査速度で欠陥検査する検査条件を第1の検査条件として入力しておく。また、狭い検査エリアでの欠陥検査に適した検査条件として、4.2μm×4.2μmの検査エリアであって、この検査エリアを2.5secの検査速度で欠陥検査する検査条件を第2の検査条件として入力しておく。これにより、検査条件設定部55は、第1の検査条件と第2の検査条件を、欠陥検査装置30に設定できる検査条件として登録する(ステップS20)。
【0068】
また、検査優先度情報には、例えば測定点数が所定数(例えば25個)以上である場合には、第1の検査条件を用いるとともに、測定点数が所定数(例えば25個)未満である場合には、第2の検査条件を用いることなどを規定しておく。
【0069】
つぎに、メッシュエリア設定部53は、ショット内を複数に分割してショット内に複数のメッシュエリアを設定する(ステップS30)。図13は、メッシュエリアの設定処理を説明するための図である。ステップS10の処理で説明したように、ショット内の検査エリア61から測定点Pが抽出された後(s41)、ショット内がメッシュ分解されてメッシュエリア62が設定される(s42)。メッシュエリア62を設定する際には、メッシュエリア設定部53は、検査条件として設定できる検査エリアサイズに応じたサイズのメッシュエリア62をショット内に設定してもよい。例えば、メッシュエリア設定部53は、大きなサイズの検査エリアサイズを設定できる場合には、大きなサイズのメッシュエリア62を設定し、小さなサイズの検査エリアサイズを設定できる場合には、小さなサイズのメッシュエリア62を設定してもよい。
【0070】
つぎに、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の測定点数を抽出する。このとき、メッシュエリア62毎の欠陥サイズや欠陥形状が検出済みである場合には、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の欠陥サイズや欠陥形状を抽出しておく(ステップS40)。
【0071】
そして、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の測定点数、欠陥サイズ、欠陥形状に基づいて、登録済みの検査条件の中からメッシュエリア62に応じた検査条件をメッシュエリア62毎に設定する。本実施の形態では、第1の検査条件と第2の検査条件を登録しているので、各メッシュエリア62には第1の検査条件または第2の検査条件が設定される。例えば、検査優先度情報として、測定点数が25個以上である場合に第1の検査条件を用いることが規定されている場合には、25個以上の測定点Pが抽出されたメッシュエリア62に第1の検査条件が設定される。一方、測定点数が25個未満である場合に第2の検査条件を用いることが規定されている場合には、25個未満の測定点Pが抽出されたメッシュエリア62に第2の検査条件が設定される。
【0072】
なお、検査優先度情報として、欠陥サイズや欠陥形状に応じた検査条件を規定しておいてもよい。加工不良の発生しやすい欠陥を多く含む場合は第1の検査条件を設定するよう規定しておき、加工不良の発生しやすい欠陥を少ししか含まない場合は第2の検査条件を設定するよう規定しておく。例えば、所定サイズの欠陥を所定数以上含む場合には、第1の検査条件を設定するよう規定しておいてもよい。また、所定形状の欠陥を所定数以上含む場合には、第1の検査条件を設定するよう規定しておいてもよい。
【0073】
つぎに、検査条件設定部55は、各メッシュエリア62内の測定点数、欠陥サイズ、欠陥形状などに基づいて、各メッシュエリア62内での欠陥検査順序を設定する。検査条件設定部55は、欠陥として検出される可能性が高い測定点Pの順番で欠陥検査が行われるよう、欠陥検査順序を設定する。例えば、検査条件設定部55は、欠陥サイズの大きい順番で各測定点Pを欠陥検査するよう検査順序を設定してもよい。また、検査条件設定部55は、各測定点Pでの欠陥形状を形状の種類別に分別するとともに、欠陥として検出されやすい欠陥計上の順番に欠陥検査順序を設定してもよい(ステップS50)。
【0074】
検査条件設定部55が設定したメッシュエリア62毎の検査条件と、各メッシュエリア62内での欠陥検査順序は、出力部56を介して欠陥検査装置30に送られる。これにより、欠陥検査装置30は、欠陥条件設定検査装置50からの指示に従った欠陥検査を行う。
【0075】
半導体デバイスなどの半導体装置を製造する際には、各レイヤの加工処理を行う度に、欠陥条件設定検査装置50によってメッシュエリア62毎の検査条件と各メッシュエリア62内での欠陥検査順序が設定される。そして、各レイヤで欠陥検査が行なわれながら半導体デバイスが製造される。
【0076】
なお、本実施の形態では、ショット内の測定点を抽出した後であって検査エリア61をメッシュ化する前に、第1および第2の検査条件を登録する場合について説明したが、第1および第2の検査条件はショット内の測定点を抽出する前に登録しておいてもよい。また、第1および第2の検査条件は検査エリア61をメッシュ化した後に登録してもよい。
【0077】
このように第2の実施の形態によれば、検査条件と欠陥検査順序が検査優先度情報およびメッシュエリア62内の測定点数などに基づいて、メッシュエリア62毎に設定されるので、欠陥検査を精度良く短時間で行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施の形態に係る合わせずれ量測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】合わせずれ量算出機構のハードウェア構成を示す図である。
【図3】合わせずれマークの配置位置を説明するための図である。
【図4】合わせずれマークの合わせずれ量を説明するための図である。
【図5】合わせずれマークが多角形の環状である場合の構成の一例を示す図である。
【図6】第1の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。
【図7】第2の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。
【図8】実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【図9】リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態に係る欠陥検査条件設定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】欠陥検査条件設定装置のハードウェア構成を示す図である。
【図12】欠陥検査条件の設定処理手順を示すフローチャートである。
【図13】メッシュエリアの設定処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0079】
7 ずれ量算出プログラム、10 合わせずれ量測定装置、13 輪郭抽出部、14 設計データ入力部、15 合わせずれ量算出部、25 合わせずれマーク、47 検査条件設定プログラム、50 欠陥検査条件設定装置、52 測定点抽出部、53 メッシュエリア設定部、55 検査条件設定部、Lu,Ld レイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のレイヤ間の重ね合わせを測定する合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトリソグラフィ工程や加工工程では、下層と上層との間の重ね合わせの位置ずれ量を計測するため、光学式のずれ測定方法(光学式のずれ測定装置)によってXY方向の合わせずれ計測を行なっていた。このずれ測定装置では、例えばBar in Bar MarkやBox in Box Markの合わせずれ量を計測しており、この計測結果に基づいてプロセスコントロールや合わせずれ量判定が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような合わせずれ量の測定では、デザインルールの微細化に伴い、実パターンの合わせずれ量の計測精度に限界がきている。このため、合わせずれ量の測定にバラツキ誤差が生じ、実パターンでの合わせずれ量の判定に判定誤差が発生するので、合わせずれ補正量のコントロールが困難になってきている。
【0004】
特に光学式の合わせずれ計測では、リソグラフィプロセス以外の要因(下地膜厚、光学段差、形状バラツキなど)によって光学用の合わせ測定パターンサイズが影響を受けるので、本体パターンの合わせずれの実力を把握して制御することが非常に困難になってきている。さらに、光学式の合わせ測定パターン(合わせマーク)を使用することにより、ウエハ上に広域面積の確保が必要となり、合わせ測定パターンの配置数に限界が生じ、高次成分計測・補正が困難になっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−15419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積のパターンで正確に測定することができる合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の一態様によれば、複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、第1のレイヤで環状に形成された第1の環状パターンと前記第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう第2のレイヤで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて前記合わせずれ量を算出するずれ算出ステップを含むことを特徴とする合わせずれ測定方法が提供される。
【0008】
また、本願発明の一態様によれば、半導体装置製造工程の各レイヤで形成されるとともに、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を検査する際に用いられる合わせずれ検査マークにおいて、第1のレイヤでは環状を有した第1の環状パターンが形成されるとともに、第2のレイヤでは前記第1の環状パターンと同心円上に配置されかつ環状を有した第2の環状パターンが形成されることを特徴とする合わせずれ検査マークが提供される。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積のパターンで正確に測定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明に係る合わせずれ測定方法および合わせずれ検査マークの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る合わせずれ量測定装置の構成を示すブロック図である。合わせずれ量測定装置10は、ウエハ上に形成されたレイヤ間の重ね合わせ精度測定用のマーク(以下、合わせずれマークという)を用いて、レイヤ間の合わせずれ量を測定する装置である。
【0012】
合わせずれマークは、レイヤ毎に形成される例えばリング状のパターンであり、レイヤ間の合わせずれ量は、測定対象レイヤの合わせずれマーク間(第1のレイヤの合わせずれマークと第2のレイヤの合わせずれマークとの間)の位置ずれ量(相対位置)が測定されることによって測定される。
【0013】
合わせずれ量測定装置10は、SEM画像撮像機構11と合わせずれ量算出機構12を有しており、合わせずれ量算出機構12が輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15を備えている。
【0014】
SEM画像撮像機構11は、例えばSEM式測定機であり、電子線を用いて各レイヤの合わせずれマークを検出する。なお、SEM画像撮像機構11は、断面測定機(AFM、SEM、FIB)やGDSを用いて各レイヤの合わせずれマークを検出してもよい。SEM画像撮像機構11は、検出した合わせずれマークのSEM画像を撮像して合わせずれ量算出機構12の輪郭抽出部13に送る。
【0015】
輪郭抽出部13は、SEM画像から輪郭パターン(輪郭データ)を抽出し、合わせずれ量算出部15に送る。設計データ入力部14は、外部装置(例えば、設計データの作成装置)から半導体回路パターンの設計データ(設計デザインデータ)を入力して、合わせずれ量算出部15に送る。
【0016】
合わせずれ量算出部15は、輪郭データと、設計データとに基づいて、各レイヤ間の合わせずれ量を算出する。具体的には、合わせずれ量算出部15は、輪郭データと設計データとを用いて合わせずれ量を複数個所、複数方向で算出し、この算出結果を用いてレイヤ間の合わせずれ量を算出する。
【0017】
ここで、合わせずれ量算出機構12のハードウェア構成について説明する。図2は、合わせずれ量算出機構のハードウェア構成を示す図である。合わせずれ量算出機構12は、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、表示部4、入力部5を有している。合わせずれ量算出機構12では、これらのCPU1、ROM2、RAM3、表示部4、入力部5がバスラインを介して接続されている。
【0018】
CPU1は、コンピュータプログラムであるずれ量算出プログラム(合わせずれ量算出プログラム)7を用いて合わせずれ量の算出を行う。表示部4は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU1からの指示に基づいて、合わせずれ量や、合わせずれ量を算出する際に用いる種々の情報(合わせずれマーク、設計データ、輪郭データ)を表示する。入力部5は、マウスやキーボードを備えて構成され、使用者から外部入力される指示情報(合わせずれ量の算出対象となるレイヤを指定する指示、合わせずれ量の算出に必要なパラメータ等)を入力する。入力部5へ入力された指示情報は、CPU1へ送られる。
【0019】
ずれ量算出プログラム7は、ROM2内に格納されており、バスラインを介してRAM3へロードされる。CPU1はRAM3内にロードされたずれ量算出プログラム7を実行する。具体的には、合わせずれ量算出機構12では、使用者による入力部5からの指示入力に従って、CPU1がROM2内からずれ量算出プログラム7を読み出してRAM3内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU1は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM3内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
【0020】
本実施の形態の合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7は、前述の各部(輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15)を含むモジュール構成となっており、上記各部が主記憶装置上にロードされ、輪郭抽出部13、設計データ入力部14、合わせずれ量算出部15が主記憶装置上に生成される。
【0021】
なお、合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の合わせずれ量算出機構12で実行されるずれ量算出プログラム7をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態のずれ量算出プログラム7を、ROM等の記憶媒体に予め組み込んで合わせずれ量算出機構12に提供するように構成してもよい。
【0022】
つぎに、合わせずれマークの配置位置について説明する。図3は、合わせずれマークの配置位置を説明するための図である。図3では、合わせずれマーク(合わせズレ計測パターン)のウエハ内およびショット内の配置イメージを示している。合わせずれマーク(合わせずれ検査マーク)25は、例えばラインアンドスペースパターン、狭スペースパターン、ホールパターン、欠陥率大パターン、二次元パターン、ベタパターンなどである。
【0023】
ウエハ21上には、矩形状からなる複数のショット22が配置されるとともに、各ショット22には1〜複数のチップが配置される。図3では、1ショット内に1つのチップ23が配置される場合を示している。各ショット22間には、ダイシングライン24が設けられている。ダイシングライン24は、ウエハ21上に半導体回路装置(集積回路)が形成された後、各ショット22(チップ23)をウエハ21から切り離す際に切断経路となるエリアである。
【0024】
本実施の形態では、合わせずれマーク25を小さく構成するとともに、合わせずれマーク25をウエハ21上の任意の位置に複数配置する。合わせずれマーク25は、例えば、チップ23内(ショット22内)、ダイシングライン24内にそれぞれ複数配置される。合わせずれ量測定装置10は、上層側の合わせずれマークと、下層側の合わせずれマークとの相対的な位置の関係を合わせずれマーク25間の複数方向(全方向)(少なくとも5つの方向)で比較し、この比較結果を用いて合わせずれ量を計測する。
【0025】
なお、図3では、合わせずれマーク25の配置される領域を矩形状で示しており、本実施の形態の合わせずれマーク25の形状は、例えば環状、円状、多角形状または多角形の環状である。
【0026】
つぎに、合わせずれマーク25の合わせずれ量について説明する。図4は、合わせずれマークの合わせずれ量を説明するための図である。図4の(a)は、合わせずれが無い場合のイメージ図であり、(b)は、各レイヤで合わせずれが発生した場合のイメージを示している。
【0027】
ウエハ上に半導体装置を形成していく際には、各レイヤのパターンが順番に積層されていく。このとき、各レイヤのパターンとともにレイヤ毎の合わせずれマーク25が形成される。各レイヤで形成される合わせずれマーク25は、それぞれ異なる半径を有した円状などをなしている。ここでは、上層側の合わせずれマーク25が下層側の合わせずれマーク25よりも半径が小さくなるよう、各合わせずれマーク25を設計しておく。したがって、ウエハへの加工工程が進むに従って、合わせずれマーク25の半径が小さくなっていく。また、1つの領域に形成されるレイヤ毎の合わせずれマーク25は、それぞれの合わせずれマーク25の中心位置が同じとなるよう、形成していく。
【0028】
図4の(a)および(b)では、レイヤL4、レイヤL3、レイヤL2、レイヤL1の順番で合わせずれマーク25を形成した場合を示している。図4の(a)は、各レイヤL1〜L4での合わせずれマーク25に合わせずれが発生していない場合の合わせずれマーク25を示している。(a)に示すように、合わせずれが無い場合は、各レイヤL1〜L4の合わせずれマーク25が同心円状に並び、各合わせずれマーク25の中心がレイヤL4で形成された合わせずれマーク25の中心Cと同じ位置になる。
【0029】
図4の(b)は、各レイヤL1〜L4での合わせずれマーク25に合わせずれが発生している場合の合わせずれマーク25を示している。(b)に示すように、合わせずれが有る場合は、各レイヤL1〜L3の合わせずれマーク25の中心位置が、レイヤL4で形成された合わせずれマーク25の中心Cと異なる位置になる。
【0030】
図4の(c)は、(b)の場合の各レイヤL1〜L4の合わせずれマーク25の中心位置を示している。(c)に示すように、レイヤL3,L2,L1の合わせずれマーク25の各中心位置c3、c2、c1は、それぞれレイヤL4との合わせずれ量に応じた距離だけ、レイヤL4での中心Cから離れた距離に位置することとなる。
【0031】
合わせずれ量測定装置10は、全てのレイヤL1〜L4間の合わせずれ量を測定する。例えば、レイヤL1は、レイヤL2、レイヤL3、レイヤL4のそれぞれとの間での合わせずれ量が測定される。
【0032】
つぎに、合わせずれマーク25が多角形の環状である場合の合わせずれマーク25の構成の一例について説明する。図5は、合わせずれマークが多角形の環状である場合の構成の一例を示す図である。図5では、主要レイヤ(ライン系、ホール系)毎に設計された合わせずれマーク25を示している。
【0033】
同図に示すように、M1(メタル)レイヤLm1、GC(ゲート)レイヤLgc、AA(アクティブ)レイヤLaaでは、それぞれ八角形の環状パターンを合わせずれマーク25としている。また、CS(ホール)レイヤLcsでは、八角形の環状領域に矩形状のパターンを複数配置したパターンを合わせずれマーク25としている。
【0034】
ウエハ21上に半導体回路装置を形成する際には、AAレイヤLaa、GCレイヤLgc、CSレイヤLcs、M1レイヤLm1の順番で、パターン形成が行われる。したがって、ウエハ21上に形成される合わせずれマーク25も、AAレイヤLaa、GCレイヤLgc、CSレイヤLcs、M1レイヤLm1の順番で形成される。
【0035】
なお、必要に応じて、矩形状の合わせずれマーク25を配置してもよい。例えば、M1レイヤLm1とGCレイヤLgcとが直交するよう、矩形状のM1レイヤLm1と矩形状のGCレイヤLgcとを配置するとともに、M1レイヤLm1とGCレイヤLgcの中央部にCSレイヤLcsを配置しておいてもよい。
【0036】
つぎに、合わせずれ量の計測方法について説明する。なお、ここでは、各レイヤで形成される合わせずれマーク25が、円環状である場合について説明する。まず、第1の合わせずれ量の計測方法について説明する。図6は、第1の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。図6では、合わせずれマーク25の画像を取得して、取得した合わせずれマーク25の画像から輪郭データを抽出し、下層レイヤと上層レイヤとの位置関係から合わせずれ量(残差)を計測する手順を示している。なお、ここでのレイヤLu,Ldの一方が特許請求の範囲に記載の第1のレイヤに対応し、他方が特許請求の範囲に記載の第2のレイヤに対応する。したがって、レイヤLu,Ldの合わせずれマーク25の一方が、特許請求の範囲に記載の第1の環状パターンに対応し、他方が特許請求の範囲に記載の第2の環状パターンに対応する。
【0037】
合わせずれ量測定装置10のSEM画像撮像機構11は、測定対象となっているレイヤ(上層側のレイヤLuおよび下層側のレイヤLd)のSEM画像を撮像することによって、合わせずれマーク25の合わせずれ実パターンを取得する(s1)。これらのレイヤLu,LdのSEM画像は、輪郭抽出部13に送られる。
【0038】
輪郭抽出部13は、各レイヤLu,LdのSEM画像から,合わせずれ実パターンの輪郭データを抽出して、輪郭データを合わせずれ量算出部15に送る。合わせずれ量算出部15は、レイヤLuの輪郭データとレイヤLdの輪郭データとの間の距離(残差)を測定する。例えば、レイヤLuの半径がレイヤLdの半径よりも小さい場合、レイヤLuの外周側の外形の輪郭と、レイヤLdの内周側の外形の輪郭との距離が、レイヤLu,Ld間の残差として測定される。具体的には、合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの間の残差を複数個所、複数方向(レイヤLuからレイヤLdへ向かう方向またはレイヤLdからレイヤLuへ向かう方向)で測定する(s2)。そして、合わせずれ量算出部15は、各方向で測定した残差に基づいて、下層側のレイヤLdに対する上層側のレイヤLuの重ね合わせの合わせずれ量を算出する。このとき、合わせずれ量算出部15は、レイヤLdとレイヤLuの間の低次成分および高次成分の合わせずれ量を算出する。
【0039】
つぎに、第2の合わせずれ量の計測方法について説明する。図7は、第2の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。図7では、各レイヤの合わせずれマーク25に対して、それぞれ対応するデザインデータをマッチングさせ、下層と上層とのデザインデータの差から合わせずれ量を計測する手順を示している。
【0040】
合わせずれ量測定装置10のSEM画像撮像機構11は、測定対象となっている上層側のレイヤLuおよび下層側のレイヤLdのSEM画像を撮像することによって、合わせずれマーク25の合わせずれ実パターンを取得する(s11)。これらのレイヤLu,LdのSEM画像は、輪郭抽出部13に送られる。ここでの輪郭抽出部13は、SEM画像から輪郭データを抽出することなく、SEM画像を合わせずれ量算出部15に送る。
【0041】
設計データ入力部14は、外部装置から半導体回路パターンの設計データ(以下、GDSという)を入力して、合わせずれ量算出部15に送る。図7では、GDSを点線で図示している。合わせずれ量算出部15は、合わせずれ実パターンのSEM画像と、GDSとのデザインマッチングを行う(s12)。具体的には、レイヤLuのGDSのパターン位置を、レイヤLuのSEM画像に対応する位置に移動させる。さらに、レイヤLdのGDSのパターン位置を、レイヤLdのSEM画像に対応する位置に移動させる。換言すると、レイヤLuのSEM画像の形状をレイヤLuのGDSのパターン形状で補正するとともに、レイヤLdのSEM画像の形状をレイヤLdのGDSのパターン形状で補正する。これにより、GDS上のパターン位置が、SEM画像上の合わせずれマーク25に対応する位置に移動させられる。
【0042】
合わせずれ量算出部15は、SEM画像上の合わせずれマーク25に対応する位置に移動させられたレイヤLu,LdのGDSに基づいて、レイヤLdに対するレイヤLuの合わせずれ量を計測する(s13)。例えば、レイヤLuの半径がレイヤLdの半径よりも小さい場合、レイヤLuの外周側の外形の輪郭と、レイヤLdの内周側の外形の輪郭との距離が、レイヤLu,Ld間の残差として測定される。ここでの合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの間のパターン位置関係として、複数個所、複数方向でのレイヤLu,Ld間の残差を測定する。合わせずれ量算出部15は、各方向で測定された残差に基づいて、下層側のレイヤLdに対する上層側のレイヤLuの重ね合わせの合わせずれ量を算出する。
【0043】
なお、ここでは合わせずれ量算出部15がレイヤLuとレイヤLdとの間の残差を複数個所、複数方向で測定する場合について説明したが、合わせずれ量算出部15は、レイヤLuとレイヤLdとの中心位置のずれ量を測定してもよい。この場合、合わせずれ量算出部15は、GDSに基づいて実パターンの収差量(露光装置による収差量)を算出し、実パターンデータから収差量を除去したパターンデータを算出する。そして、合わせずれ量算出部15は、収差量を除去したパターンデータに基づいて、実パターンの中心位置を予測する。さらに、合わせずれ量算出部15は、予測した実パターンの中心位置を用いて、収差量を除去したパターンデータとGDSとのマッチングを行う。具体的には、レイヤLu,LdのGDSの中心位置を、予測した実パターンの中心位置に対応する位置に移動させる。そして、合わせずれ量算出部15は、GDS上でのレイヤLuとレイヤLdとの間の合わせずれ量を計測する。
【0044】
また、ここでは第2の合わせずれ量の計測方法を行う際に、レイヤLuとレイヤLdの中心位置のずれ量を用いる場合について説明したが、第1の合わせずれ量の計測方法を行う際に、レイヤLuとレイヤLdの中心位置のずれ量を用いてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、合わせずれマーク25の実パターンのSEM画像とGDSとのデザインマッチングを行う場合について説明したが、合わせずれマーク25の実パターンを円環状などの所定の形状に近似してもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、GDSから算出した実パターンの収差量を用いて実パターンの中心位置を予測する場合について説明したが、他の方法によって実パターンの中心位置を予測してもよい。例えば、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測してもよい。また、現像後の形状(リソ形状)をシミュレーションすることによって、実パターンの中心位置を予測してもよい。
【0047】
図8は、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図であり、図9は、リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【0048】
図8に示すように、実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する場合には、輪郭抽出部13が実パターン71の輪郭データ72を抽出する(s21)。そして、合わせずれ量算出部15が、GDS73と輪郭データ72を比較して(s22)、残差を算出する。そして、合わせずれ量算出部15は、残差に基づいて実パターンの中心位置c5を予測する(s23)。
【0049】
また、図9に示すように、リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する場合には、合わせずれ量算出部15が、実パターンに露光装置の収差量を与えて、実パターンに対応するリソ形状(収差有りのリソ形状)81を算出する(s31)。また、合わせずれ量算出部15は、収差量の乗っていないGDSに基づいて、リソ形状(収差無しのリソ形状)82を算出する(s32)。さらに、合わせずれ量算出部15は、収差有りのリソ形状81と収差無しのリソ形状82とを比較して、実パターンの中心位置c7を予測する(s33)。
【0050】
合わせずれ量測定装置10によってレイヤ間の合わせずれ量が測定された後、この合わせずれ測定結果と、予め測定しておいた寸法測定結果や形状結果を用いて、種々の処理が行われる。例えば、DFM制御、設計へのフィードバック、OPCシミュレーション、合わせずれ量管理、寸法線幅管理、形状管理、重ね合わせ制御、寸法制御、形状のAPC制御、合わせズレ判定、寸法線幅判定、形状判定などが行われる。
【0051】
半導体デバイスなどの半導体装置を製造する際には、各レイヤの加工処理を行う度に、合わせずれ量測定装置10によってレイヤ間の合わせずれ量が測定される。そして、各レイヤでの合わせずれ量が正常範囲内であるか否かを判断しながら、半導体デバイスが製造される。
【0052】
以上のように、半導体装置の製造工程の際に、円環状の合わせずれマーク25を用いて種々の方向での残差を計測するので、合わせずれ量の測定誤差を低減できる。したがって、設計データに対する実パターンの合わせずれ量を、ロット間、ウエハ間、ショット間、ショット内、チップ内で向上させることができる。これにより、プロセスコントール(APC制御)による精度向上、歩留まり改善、付帯作業時間や測定時間の短縮などが可能となる。
【0053】
このように第1の実施の形態によれば、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を小さな面積の合わせずれマーク25で正確に測定することが可能になる。また、合わせずれマーク25の実パターンと、合わせずれマーク25の設計データとを用いて、レイヤ間の合わせずれ量を算出するので、正確な合わせずれ量を精度良く算出することが可能となる。また、実パターンの輪郭データを抽出するとともに、抽出した輪郭データを用いてレイヤ間の合わせずれ量を算出するので、容易に合わせずれ量を算出することが可能となる。
(第2の実施の形態)
【0054】
つぎに、図10〜図13を用いてこの発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、フォトリソグラフィ工程や加工工程を行う際に、ショット内やチップ内に発生する欠陥の最適な検査条件を決定する。
【0055】
従来、フォトリソグラフィ工程や加工工程の際に行われる欠陥検査では、シミュレーションや欠陥検査装置を用いて、ウエハ上の欠陥が半導体装置の不良になり得るか否かの判定を行っていた。ところが、この方法では、ショット内の検査位置に関係なく、所定の検査条件を欠陥検査装置に設定して欠陥検査を行っていた。このため、欠陥検査時間に長時間を要していた。一方、欠陥検査時間を短縮した場合には、検査精度が悪化するという問題があった。
【0056】
そこで、本実施の形態では、ショット内の検査位置(後述のメッシュエリア)毎に検査位置に応じた検査条件を設定してショット内の欠陥検査を行う。すなわち、ショット内に複数の検査エリアを設定し、検査エリア毎の予測検査時間に基づいて、各検査エリアでの効率的な検査条件を決定する。さらに、予め欠陥サイズが判明している場合には、欠陥サイズに応じた欠陥検査順序を設定して欠陥検査を行う。
【0057】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る欠陥検査条件設定装置の構成を示すブロック図である。欠陥検査条件設定装置50は、ウエハ上に形成されたパターンの欠陥検査を行う欠陥検査装置30に欠陥検査の際の検査条件を設定する装置である。欠陥検査条件設定装置50は、現像後レジストパターン、エッチング後パターン、成膜後パターンなど何れのパターンに対して欠陥検査条件を設定してもよい。なお、欠陥検査装置30がフォトマスクの欠陥検査を行う場合には、欠陥検査条件設定装置50は、フォトマスクの欠陥検査条件を欠陥検査装置30に設定してもよい。
【0058】
欠陥検査条件設定装置50は、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59を有している。指示入力部51は、欠陥検査を行うパターンの設計データ、欠陥検査装置30に設定できる検査条件(検査エリアの単位サイズ、検査速度など)、検査条件や検査順序を設定する際に用いる検査優先度に関する情報(以下、検査優先度情報という)を入力する。検査優先度情報は、検査条件や検査順序を設定する際の設定の判断材料として用いられる情報であり、欠陥検査の測定対象となる位置(測定点)の個数、検査する欠陥のサイズ、欠陥形状などの情報(判断の基準値)である。本実施の形態では、複数種類の検査条件を用意しておき、検査優先度情報に応じた検査条件を後述のメッシュエリア毎に設定する。なお、検査条件、検査優先度情報は、欠陥検査条件設定装置50の使用者がマウスやキーボードを介して入力してもよいし、外部装置(検査条件や検査優先度情報の記憶装置)などから入力してもよい。
【0059】
測定点抽出部52は、設計データを用いて、欠陥検査対象の測定点をショット内またはチップ内から抽出する。なお、本実施の形態では、欠陥検査をショット毎に行う場合について説明する。メッシュエリア設定部53は、ショット内のエリアを複数のメッシュエリアに分割する。
【0060】
検査条件設定部55は、メッシュエリア内の測定点の個数、欠陥のサイズ、欠陥形状などに基づいて、複数種類の検査条件の中からメッシュエリアに応じた検査条件をメッシュエリア毎に設定する。また、検査条件設定部55は、メッシュエリア内の測定点の個数、欠陥のサイズ、欠陥形状などに基づいて、各メッシュエリア内での欠陥検査順序を設定する。検査条件設定部55は、欠陥として検出される可能性が高い順番で欠陥検査が行われるよう、各メッシュ内での欠陥検査順序を設定する。
【0061】
出力部56は、欠陥検査装置30に接続されており、検査条件設定部55が設定したメッシュエリア毎の検査条件、欠陥検査順序を、欠陥検査装置30に出力する。制御部59は、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56を制御する。
【0062】
ここで、欠陥検査条件設定装置50のハードウェア構成について説明する。図11は、欠陥検査条件設定装置のハードウェア構成を示す図である。なお、図11の各構成要素のうち図2に示す第1の実施の形態の合わせずれ量算出機構12と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0063】
欠陥検査条件設定装置50は、合わせずれ量算出機構12と同様に、CPU1、ROM2、RAM3、表示部4、入力部5を有している。CPU1は、コンピュータプログラムである検査条件設定プログラム47を用いて合わせずれ量の算出を行う。検査条件設定プログラム47は、ROM2内に格納されており、バスラインを介してRAM3へロードされる。CPU1はRAM3内にロードされた検査条件設定プログラム47を実行する。
【0064】
本実施の形態の欠陥検査条件設定装置50で実行される検査条件設定プログラム47は、前述の各部(指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59)を含むモジュール構成となっており、上記各部が主記憶装置上にロードされ、指示入力部51、測定点抽出部52、メッシュエリア設定部53、検査条件設定部55、出力部56、制御部59が主記憶装置上に生成される。
【0065】
つぎに、欠陥検査条件の設定処理手順について説明する。図12は、欠陥検査条件の設定処理手順を示すフローチャートである。欠陥検査条件設定装置50の指示入力部51には、予め欠陥検査を行うパターンの設計データを入力しておく。
【0066】
測定点抽出部52は、設計データを用いて、欠陥検査対象の測定点をショット内から抽出する(ステップS10)。この後、指示入力部51には、欠陥検査装置30に設定できる検査条件や検査優先度情報が入力される。
【0067】
検査条件としては、例えば広い検査エリアでの欠陥検査に適した検査条件として、50μm×50μmの検査エリアであって、この検査エリアを60secの検査速度で欠陥検査する検査条件を第1の検査条件として入力しておく。また、狭い検査エリアでの欠陥検査に適した検査条件として、4.2μm×4.2μmの検査エリアであって、この検査エリアを2.5secの検査速度で欠陥検査する検査条件を第2の検査条件として入力しておく。これにより、検査条件設定部55は、第1の検査条件と第2の検査条件を、欠陥検査装置30に設定できる検査条件として登録する(ステップS20)。
【0068】
また、検査優先度情報には、例えば測定点数が所定数(例えば25個)以上である場合には、第1の検査条件を用いるとともに、測定点数が所定数(例えば25個)未満である場合には、第2の検査条件を用いることなどを規定しておく。
【0069】
つぎに、メッシュエリア設定部53は、ショット内を複数に分割してショット内に複数のメッシュエリアを設定する(ステップS30)。図13は、メッシュエリアの設定処理を説明するための図である。ステップS10の処理で説明したように、ショット内の検査エリア61から測定点Pが抽出された後(s41)、ショット内がメッシュ分解されてメッシュエリア62が設定される(s42)。メッシュエリア62を設定する際には、メッシュエリア設定部53は、検査条件として設定できる検査エリアサイズに応じたサイズのメッシュエリア62をショット内に設定してもよい。例えば、メッシュエリア設定部53は、大きなサイズの検査エリアサイズを設定できる場合には、大きなサイズのメッシュエリア62を設定し、小さなサイズの検査エリアサイズを設定できる場合には、小さなサイズのメッシュエリア62を設定してもよい。
【0070】
つぎに、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の測定点数を抽出する。このとき、メッシュエリア62毎の欠陥サイズや欠陥形状が検出済みである場合には、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の欠陥サイズや欠陥形状を抽出しておく(ステップS40)。
【0071】
そして、検査条件設定部55は、メッシュエリア62毎の測定点数、欠陥サイズ、欠陥形状に基づいて、登録済みの検査条件の中からメッシュエリア62に応じた検査条件をメッシュエリア62毎に設定する。本実施の形態では、第1の検査条件と第2の検査条件を登録しているので、各メッシュエリア62には第1の検査条件または第2の検査条件が設定される。例えば、検査優先度情報として、測定点数が25個以上である場合に第1の検査条件を用いることが規定されている場合には、25個以上の測定点Pが抽出されたメッシュエリア62に第1の検査条件が設定される。一方、測定点数が25個未満である場合に第2の検査条件を用いることが規定されている場合には、25個未満の測定点Pが抽出されたメッシュエリア62に第2の検査条件が設定される。
【0072】
なお、検査優先度情報として、欠陥サイズや欠陥形状に応じた検査条件を規定しておいてもよい。加工不良の発生しやすい欠陥を多く含む場合は第1の検査条件を設定するよう規定しておき、加工不良の発生しやすい欠陥を少ししか含まない場合は第2の検査条件を設定するよう規定しておく。例えば、所定サイズの欠陥を所定数以上含む場合には、第1の検査条件を設定するよう規定しておいてもよい。また、所定形状の欠陥を所定数以上含む場合には、第1の検査条件を設定するよう規定しておいてもよい。
【0073】
つぎに、検査条件設定部55は、各メッシュエリア62内の測定点数、欠陥サイズ、欠陥形状などに基づいて、各メッシュエリア62内での欠陥検査順序を設定する。検査条件設定部55は、欠陥として検出される可能性が高い測定点Pの順番で欠陥検査が行われるよう、欠陥検査順序を設定する。例えば、検査条件設定部55は、欠陥サイズの大きい順番で各測定点Pを欠陥検査するよう検査順序を設定してもよい。また、検査条件設定部55は、各測定点Pでの欠陥形状を形状の種類別に分別するとともに、欠陥として検出されやすい欠陥計上の順番に欠陥検査順序を設定してもよい(ステップS50)。
【0074】
検査条件設定部55が設定したメッシュエリア62毎の検査条件と、各メッシュエリア62内での欠陥検査順序は、出力部56を介して欠陥検査装置30に送られる。これにより、欠陥検査装置30は、欠陥条件設定検査装置50からの指示に従った欠陥検査を行う。
【0075】
半導体デバイスなどの半導体装置を製造する際には、各レイヤの加工処理を行う度に、欠陥条件設定検査装置50によってメッシュエリア62毎の検査条件と各メッシュエリア62内での欠陥検査順序が設定される。そして、各レイヤで欠陥検査が行なわれながら半導体デバイスが製造される。
【0076】
なお、本実施の形態では、ショット内の測定点を抽出した後であって検査エリア61をメッシュ化する前に、第1および第2の検査条件を登録する場合について説明したが、第1および第2の検査条件はショット内の測定点を抽出する前に登録しておいてもよい。また、第1および第2の検査条件は検査エリア61をメッシュ化した後に登録してもよい。
【0077】
このように第2の実施の形態によれば、検査条件と欠陥検査順序が検査優先度情報およびメッシュエリア62内の測定点数などに基づいて、メッシュエリア62毎に設定されるので、欠陥検査を精度良く短時間で行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施の形態に係る合わせずれ量測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】合わせずれ量算出機構のハードウェア構成を示す図である。
【図3】合わせずれマークの配置位置を説明するための図である。
【図4】合わせずれマークの合わせずれ量を説明するための図である。
【図5】合わせずれマークが多角形の環状である場合の構成の一例を示す図である。
【図6】第1の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。
【図7】第2の合わせずれ量の計測方法を説明するための図である。
【図8】実パターンデータとGDSを用いて実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【図9】リソ形状をシミュレーションすることによって実パターンの中心位置を予測する手順を説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態に係る欠陥検査条件設定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】欠陥検査条件設定装置のハードウェア構成を示す図である。
【図12】欠陥検査条件の設定処理手順を示すフローチャートである。
【図13】メッシュエリアの設定処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0079】
7 ずれ量算出プログラム、10 合わせずれ量測定装置、13 輪郭抽出部、14 設計データ入力部、15 合わせずれ量算出部、25 合わせずれマーク、47 検査条件設定プログラム、50 欠陥検査条件設定装置、52 測定点抽出部、53 メッシュエリア設定部、55 検査条件設定部、Lu,Ld レイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、
第1のレイヤで環状に形成された第1の環状パターンと前記第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう第2のレイヤで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて前記合わせずれ量を算出するずれ算出ステップを含むことを特徴とする合わせずれ測定方法。
【請求項2】
前記ずれ算出ステップは、
前記第1および第2の環状パターンとして形成された実パターンの位置と前記第1および第2の環状パターンの設計データとを用いて、前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの合わせずれ量を算出することを特徴とする請求項1に記載の合わせずれ測定方法。
【請求項3】
前記ずれ算出ステップは、
前記実パターンから前記実パターンの輪郭データを抽出するとともに、抽出した輪郭データを用いて前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの合わせずれ量を算出することを特徴とする請求項2に記載の合わせずれ測定方法。
【請求項4】
前記ずれ算出ステップは、
前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの距離を、前記第1の環状パターンから第2の環状パターンへ向かう少なくとも5つの方向で測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の合わせずれ測定方法。
【請求項5】
半導体装置製造工程の各レイヤで形成されるとともに、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を検査する際に用いられる合わせずれ検査マークにおいて、
第1のレイヤでは環状を有した第1の環状パターンが形成されるとともに、第2のレイヤでは前記第1の環状パターンと同心円上に配置されかつ環状を有した第2の環状パターンが形成されることを特徴とする合わせずれ検査マーク。
【請求項1】
複数レイヤのパターンを積層して作製される半導体装置に対してレイヤ間の重ね合わせのずれ量を合わせずれ量として測定する合わせずれ測定方法において、
第1のレイヤで環状に形成された第1の環状パターンと前記第1の環状パターンと同心円上に配置されるよう第2のレイヤで環状に形成された第2の環状パターンとの距離を測定するとともに、この測定結果を用いて前記合わせずれ量を算出するずれ算出ステップを含むことを特徴とする合わせずれ測定方法。
【請求項2】
前記ずれ算出ステップは、
前記第1および第2の環状パターンとして形成された実パターンの位置と前記第1および第2の環状パターンの設計データとを用いて、前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの合わせずれ量を算出することを特徴とする請求項1に記載の合わせずれ測定方法。
【請求項3】
前記ずれ算出ステップは、
前記実パターンから前記実パターンの輪郭データを抽出するとともに、抽出した輪郭データを用いて前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの合わせずれ量を算出することを特徴とする請求項2に記載の合わせずれ測定方法。
【請求項4】
前記ずれ算出ステップは、
前記第1の環状パターンと前記第2の環状パターンとの距離を、前記第1の環状パターンから第2の環状パターンへ向かう少なくとも5つの方向で測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の合わせずれ測定方法。
【請求項5】
半導体装置製造工程の各レイヤで形成されるとともに、レイヤ間の重ね合わせのずれ量を検査する際に用いられる合わせずれ検査マークにおいて、
第1のレイヤでは環状を有した第1の環状パターンが形成されるとともに、第2のレイヤでは前記第1の環状パターンと同心円上に配置されかつ環状を有した第2の環状パターンが形成されることを特徴とする合わせずれ検査マーク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−50148(P2010−50148A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210830(P2008−210830)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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