説明

固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法およびカメラ

【課題】ダイクロイックフィルタを用いてカラー撮像する固体撮像装置であって、画素を微細化しても高い生産性を達成することができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像装置1は、N型半導体層101上にP型半導体層102、層間絶縁膜104、偏光カットフィルタ108及び集光レンズ109が順次積層されてなる。P型半導体層102の層間絶縁膜104側にはフォトダイオード103が画素毎に形成されている。層間絶縁膜104中には、遮光膜107、ダイクロイックフィルタ106及び支持体105が形成されている。ダイクロイックフィルタ106は画素毎に赤(R)、緑(G)及び青(B)の何れかの波長域の光を選択的に透過させる。支持体105はP型半導体層102の主面に対して傾斜角が45度のテーパ面を有し、当該テーパ面上にダイクロイックフィルタ106を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法およびカメラに関し、特に、カラー撮像に用いる分光技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラや携帯電話機等、固体撮像装置の適用範囲が爆発的に拡大しつつあり、様々な環境下で高い感度を実現することが求められている。
このため、例えば、ダイクロイックフィルタ(dichroic filter)を用いてカラー撮像する固体撮像装置が提案されている(特許文献1)。図6は本従来技術に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
【0003】
図6に示されるように、固体撮像装置6は、シリコン基板601、センサ基板610、光学基板620及びガラス基板630が積層されてなる。シリコン基板601には光電変換部602が設けられている。また、ガラス基板630は透明である。
センサ基板610は導波路611、アルミニウム配線612、613及び層間膜614を備えており、光学基板はダイクロイックフィルタ層621、622、第1の屈折率層624、第2の屈折率層623、マイクロレンズ625及び低屈折率層626を備えている。
【0004】
このようにすれば、ダイクロイックフィルタ層621、622による反射光が第1の屈折率層624及び第2の屈折率層623にて隣接する画素に導かれるので、入射光の利用効率を向上させて感度を高めることができる。
【特許文献1】特開2005−64385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術に係る固体撮像装置6は、個別に製造した光学基板とセンサ基板とを貼り合せることによって製造されるので、画素を微細化し、高画素化する際には、これらの基板を高い組み立て精度で貼り合わせなければならない。このため、画素サイズを数μm以下まで微細化すると、十分な歩留まりを達成することができず生産性が低下する。
【0006】
また、上記従来技術に係る固体撮像装置6が備えるダイクロイックフィルタ層621、622については、二酸化シリコン(SiO)や二酸化チタン(TiO)といった材料が示されているのみであり、製造方法はおろか構成すら開示されていないので、そもそも実現性に乏しい。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、ダイクロイックフィルタを用いてカラー撮像する固体撮像装置であって、画素を微細化しても高い生産性を達成することができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る固体撮像装置は、単位画素が二次元状に複数配列された固体撮像装置であって、単位画素は、それぞれ入射光を光電変換する平板な光電変換領域と、光電変換領域の上方に形成され、誘電体層が積層されてなり、入射光を波長分離する平板なダイクロイックフィルタと、を備え、ダイクロイックフィルタは、その主面が光電変換領域の主面に対して斜交するように配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、光電変換領域を有する半導体基板上に半導体プロセスにてダイクロイックフィルタが形成されるので、高い組み立て精度を達成することができる。よって、画素を微細化して固体撮像装置を高画素化することができる。
この場合において、ダイクロイックフィルタは、λ/4多層膜にて絶縁体層を挟んでなり、λ/4多層膜は、光学膜厚を同じくすると共に屈折率を異にする2種類の誘電体層が交互に積層されてなるとしても良い。また、ダイクロイックフィルタは、絶縁体層の有無に応じて異なる波長域の入射光を透過させるとしても良く、ダイクロイックフィルタは、絶縁体層が無い場合に緑色の波長域の入射光を透過させるとすれば好適である。
【0009】
本発明に係る固体撮像装置は、偏光カットフィルタを備え、ダイクロイックフィルタは偏光カットフィルタを経由した入射光を波長分離することを特徴とする。このようにすれば、ダイクロイックフィルタ106の透過特性を安定させ、色再現性の低下を防止することができる。この場合において、偏光カットフィルタは、フォトニック結晶からなるとしても良い。
【0010】
また、ダイクロイックフィルタは、その主面が光電変換領域の主面に対して45度斜交することを特徴とする。このようにすれば、ダイクロイックフィルタにて反射された入射光を他の画素に導くことができるので感度を向上させることができる。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、二次元配列された複数の単位画素がそれぞれ、入射光を光電変換する平板な光電変換領域と、光電変換領域の上方に形成され、誘電体層が積層されてなり、入射光を波長分離する平板なダイクロイックフィルタと、を備え、ダイクロイックフィルタが、その主面が光電変換領域の主面に対して斜交するように配設される固体撮像装置の製造方法であって、光電変換領域上に透光性の支持層を形成するステップと、支持層上にダイクロイックフィルタを形成するステップと、ダイクロイックフィルタ下の支持層をテーパ面として、当該テーパ面にダイクロイックフィルタを沿わせ、ダイクロイックフィルタの主面を光電変換領域の主面に対して斜交させるステップと、を含むことを特徴とする。このようにすれば、ダイクロイックフィルタを用いてカラー撮像する固体撮像装置を実現することができる。
【0011】
本発明に係るカメラは、上述のような固体撮像装置を備えることを特徴とする。このようにすれば、ダイクロイックフィルタを用いつつ高画素で生産性の高いカメラを得ることができる。
以上述べたように、本発明によれば、RGB色機能を有するダイクロイックフィルタを備え、生産安定性が非常に高く、画素を微細化することができる固体撮像装置を実現することできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法及びカメラの実施の形態について、デジタルスチルカメラを例にとり、図面を参照しながら説明する。
[1] 固体撮像装置の構成
先ず、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置の画素部分の構成を示す断面図である。図1に示されるように、固体撮像装置1は、N型半導体層101上にP型半導体層102、層間絶縁膜104、偏光カットフィルタ108及び集光レンズ109が順次積層されてなる。P型半導体層102の層間絶縁膜104側にはN型不純物がイオン注入されてなるフォトダイオード103が画素毎に形成されている。隣り合うフォトダイオード103の間にはP型半導体層が介在しており、これを素子分離領域という。
【0013】
層間絶縁膜104中には、遮光膜107、ダイクロイックフィルタ106及び支持体105が形成されており、遮光膜107は集光レンズ109を透過した光がフォトダイオード103に入射するのを防ぐ。
ダイクロイックフィルタ106は多層膜干渉フィルタとなっており、画素毎に赤(R)、緑(G)及び青(B)の何れかの波長域の光を選択的に透過させる。多層膜干渉フィルタはλ/4多層膜にてスペーサ層を挟んでなり、スペーサ層の光学膜厚に応じた波長域の光を透過させる。
【0014】
また、λは設定波長と呼ばれ、λ/4多層膜部分の反射波長域の中心波長である。例えば、設定波長λを550nmとすれば、λ/4多層膜を構成する誘電体層の光学膜厚は何れも137.5nmとなる。ここで、光学膜厚とは誘電体層の物理膜厚にその屈折率を乗じて得られる指数である。
本実施の形態においては、ダイクロイックフィルタ106は二酸化チタン(TiO)からなる高屈折率層と二酸化シリコン(SiO)からなる低屈折率層との2種類の誘電体層が交互に積層されてなる。二酸化チタンと二酸化シリコンとの屈折率はそれぞれ、2.51、1.45なので、光学膜厚を137.5nmとするには、二酸化チタン層と二酸化シリコン層との物理膜厚をそれぞれ54.7nm、94.8nmとすれば良い。
【0015】
また、スペーサ層は二酸化シリコンからなり、その物理膜厚は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106についてそれぞれ30nm、0nm及び130nmである。
なお、緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106において物理膜厚0nmのスペーサ層を挟む2層の二酸化チタン層は全体として109.4nmの物理膜厚を有する。緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106については、この二酸化チタン層をスペーサ層と称しても良い。
【0016】
また、ダイクロイックフィルタ106の全体の層数、すなわち、λ/4多層膜とスペーサ層を合わせたトータルの層数は、赤(R)及び青(B)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106では8層、緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106では6層である。このようにすれば、ダイクロイックフィルタ106を容易に形成することができる。
【0017】
支持体105は二酸化シリコンからなる三角柱形状の部材であって、P型半導体層102の主面に対して傾斜角が45度のテーパ面を有する。ダイクロイックフィルタ106は当該テーパ面上に形成される。
偏光カットフィルタ108については後述する。
[2] ダイクロイックフィルタ106の製造方法
次に、ダイクロイックフィルタ106の製造方法について説明する。図2はダイクロイックフィルタ106を製造する諸工程を示す図である。図2において、ダイクロイックフィルタ106の製造工程は(a)から(f)へと進む。また、N型半導体層101、P型半導体層102、フォトダイオード103、遮光膜107、及び集光レンズ109は図示を省略した。
【0018】
先ず、P型半導体層102上に二酸化シリコン膜201を形成する(図2(a))。
次に、二酸化シリコン膜201上にレジスト剤を塗布し、露光前ベーク(プリベーク)の後、ステッパなどの露光装置によって露光を行い、レジスト現像、および最終ベーク(ポストベーク)することによって、三角柱形状のレジストパターン202を形成する(図2(b))。
【0019】
次に、4フッ化メタン(CF4)系のエッチングガスを用い、二酸化シリコン膜201に物理的なエッチングを行って、支持体105を形成する(図2(c))。
次に、P型半導体層102上の支持体105以外の領域にステッパなどの露光装置によって露光を行い、レジストパターン203を形成する(図2(d))。
そして、スパッタ装置を用いて、支持体105のテーパ面上にダイクロイックフィルタ106を形成する(図2(e))。
【0020】
最後に、有機洗浄などでレジスト除去を行うと、ダイクロイックフィルタ106が得られる(図2(f))。
[4] 画素の配列
次に、本実施の形態に係る画素の配列について説明する。
図3は、本実施の形態に係る固体撮像装置1の画素の配列を示す平面図である。図3に示されるように、緑(G)、マゼンタ(Mg)、赤(R)、シアン(Cy)の波長域の光をそれぞれ受光する4画素を1単位として、画素が2次元配列される。
【0021】
また、緑(G)と赤(R)の画素上には集光レンズ109が形成される一方、マゼンタ(Mg)とシアン(Cy)の画素上には集光レンズは形成されない。この集光レンズ109により集光された入射光のうち、緑(G)と赤(R)との波長域の光はダイクロイックフィルタ106を透過して、フォトダイオード103に入射する。
一方、それぞれ緑(G)と赤(R)との補色であるマゼンタ(Mg)とシアン(Cy)との波長域の光はダイクロイックフィルタ106にて反射され隣接する画素のダイクロイックフィルタ106に入射する。
【0022】
[5] ダイクロイックフィルタ106の透過特性
次に、ダイクロイックフィルタ106の透過特性について説明する。
図4は、ダイクロイックフィルタ106の透過特性を示すグラフであって、(a)は青(B)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性を、(b)は赤(R)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性を、また、(c)は緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性をそれぞれ表わす。
【0023】
図4に示されるように、ダイクロイックフィルタ106を用いれば、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各波長域の光を分光することができる一方、p波(実線)とs波(破線)との間で透過特性が相違する。
ここで、p波とは、ダイクロイックフィルタ106に入射する光の電気ベクトルの振動方向が、ダイクロイックフィルタ106の主面内に含まれる直線偏光をいう。また、s波とは、ダイクロイックフィルタ106に入射する光の電気ベクトルの振動方向が、ダイクロイックフィルタ106の主面の法線と光の進行方向である波面の法線とを含む面に垂直な直線偏光をいう。
【0024】
赤(R)、緑(G)及び青(B)の波長域の光を分光するダイクロイックフィルタ106の何れについても、s波とp波との間でピーク波長は概ね一致するが、透過帯域幅についてはs波のほうがp波よりも狭い。
自然光にはs波とp波との両方の成分がランダムな比率で含まれるので、自然光にてカラー撮像する場合には透過特性が一定せず、色再現性が低下するおそれがある。
【0025】
この問題を解決するためには、s波若しくはp波の何れかをダイクロイックフィルタ106に入射する前に除去すれば良い。このため、本実施の形態においては、フォトニック結晶構造を有する偏光カットフィルタ108が層間絶縁膜104と集光レンズ109との間に設けられている。なお、フォトニック結晶構造とは屈折率の異なる材料が光の波長程度の周期で多次元的に重なり合った構造である。
【0026】
本実施の形態において、偏光カットフィルタ108は二酸化チタン層と二酸化シリコン層とが交互に積層されており、何れの層も断面鋸歯形状となっている。偏光カットフィルタ108はダイクロイックフィルタ106の主面についてp波を透過させる一方、s波を反射する。
これによって、ダイクロイックフィルタ106の透過特性を安定させ、色再現性の低下を防止することができる。
【0027】
[6] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、ダイクロイックフィルタ106を形成するに先立って支持体105を形成する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
【0028】
図5は、ダイクロイックフィルタ106の本変形例に係る製造方法による諸工程を示す図である。
先ず、P型半導体層102上に二酸化シリコン膜501を形成する(図5(a))。
次に、二酸化シリコン膜501上にダイクロイックフィルタ106と同じ構成の多層膜502を形成する(図5(b))。
【0029】
そして、通常のリソグラフィ工程によってレジストパターン503を形成し(図5(c))、ドライエッチングなどで物理的に多層膜502および二酸化シリコン膜501を除去する(図5(d))。
この場合において、多層膜502とP型半導体層102とに挟まれた部分の二酸化シリコン膜501が斜めにエッチングされるようにガスの流量や圧力を調整して、異方性エッチングを行なうと、支持体105のテーパ面が得られる(図5(e))。
【0030】
その後、レジストパターン503を除去し(図5(f))、レジストパターン504を形成して(図5(g))、多層膜502および二酸化シリコン膜501をエッチングによって除去すると、最終的にダイクロイックフィルタ106及び支持体105が得られる(図5(h))。
このようにすれば、ダイクロイックフィルタ106が水平の状態で膜形成されるので、上記実施の形態に係る製造方法を用いるときよりも膜厚の均一性や安定性が高くなる。したがって、ダイクロイックフィルタ106の色分解能を飛躍的に向上させることができる。
【0031】
(2) 上記実施の形態においては、高屈折率層の材料として二酸化チタンを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。すなわち、高屈折率層の材料として、二酸化チタンに代えて、窒化シリコン(Si3N4)や三酸化二タンタル(Ta2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)等、他の材料を用いても良い。また、低屈折率層の材料についても二酸化シリコン以外の材料を用いても良い。多層膜干渉フィルタに用いる材料の如何に関わらず本発明の効果を得ることができる。
【0032】
(3) 上記実施の形態においては、ダイクロイックフィルタ106の全体の層数、すなわち、λ/4多層膜とスペーサ層を合わせたトータルの層数が、赤(R)及び青(B)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106では8層であり、緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106では6層である場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて4層や12層、16層、或いはそれ以上等の層数としても良い。
【0033】
また、スペーサ層にはλ/4多層膜の高屈折率層と同じ材料を用いても良いし、低屈折率層と同じ材料を用いても良い。また、λ/4多層膜を構成する何れの層の材料とも異なる材料を用いても良い。
(4) 上記実施の形態においては、支持体105の材料として二酸化シリコンを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて二酸化シリコン以外の材料を用いても良い。材料の如何に関わらず、可視光について吸収がない透明な材料ならば、本発明の効果を得ることができる。
【0034】
(5) 上記実施の形態においては、図3に示されるように画素を配列する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて他の配列を用いても良い。画素の配列の如何に関わらず本発明の効果を得ることができる。
(6) 上記実施の形態においては、固体撮像装置1に偏光カットフィルタを設ける場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて偏光カットフィルタを設けないとしても良い。偏光カットフィルタを設けなければ、透過特性が安定せず、色再現性が低下するが、本発明の効果を得られることには変わりない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法およびカメラは、生産安定性が非常に高く、画素を微細化することができるダイクロイックフィルタ技術として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る固体撮像装置の画素部分を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るダイクロイックフィルタ106を製造する諸工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る固体撮像装置1の画素の配列を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るダイクロイックフィルタ106の透過特性を示すグラフであって、(a)は青(B)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性を、(b)は赤(R)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性を、また、(c)は緑(G)の波長域の光を透過させるダイクロイックフィルタ106の透過特性をそれぞれ表わす。
【図5】本発明の変形例(1)に係るダイクロイックフィルタ106を製造する諸工程を示す図である。
【図6】従来技術に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1、6…………………………………固体撮像装置
101…………………………………N型半導体層
102…………………………………P型半導体層
103…………………………………フォトダイオード
104…………………………………層間絶縁膜
105…………………………………支持体
106…………………………………ダイクロイックフィルタ
107…………………………………遮光膜
108…………………………………偏光カットフィルタ
109…………………………………集光レンズ
201…………………………………二酸化シリコン膜
202、203、503、504…レジストパターン
501…………………………………二酸化シリコン膜
502…………………………………多層膜
601…………………………………シリコン基板
602…………………………………光電変換部
610…………………………………センサ基板
611…………………………………導波路
612、613………………………アルミニウム配線
614…………………………………層間膜
620…………………………………センサ基板
621、622………………………ダイクロイックフィルタ層
624…………………………………第1の屈折率層
623…………………………………第2の屈折率層
625…………………………………マイクロレンズ
626…………………………………低屈折率層
630…………………………………ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位画素が二次元状に複数配列された固体撮像装置であって、
単位画素は、それぞれ
入射光を光電変換する平板な光電変換領域と、
光電変換領域の上方に形成され、誘電体層が積層されてなり、入射光を波長分離する平板なダイクロイックフィルタと、を備え、
ダイクロイックフィルタは、その主面が光電変換領域の主面に対して斜交するように配設される
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
ダイクロイックフィルタは、λ/4多層膜にて絶縁体層を挟んでなり、
λ/4多層膜は、光学膜厚を同じくすると共に屈折率を異にする2種類の誘電体層が交互に積層されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
ダイクロイックフィルタは、絶縁体層の有無に応じて異なる波長域の入射光を透過させる
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
ダイクロイックフィルタは、絶縁体層が無い場合に緑色の波長域の入射光を透過させる
ことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
偏光カットフィルタを備え、
ダイクロイックフィルタは偏光カットフィルタを経由した入射光を波長分離する
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
偏光カットフィルタは、フォトニック結晶からなる
ことを特徴とする請求項5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
ダイクロイックフィルタは、その主面が光電変換領域の主面に対して45度斜交する
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
二次元配列された複数の単位画素がそれぞれ、入射光を光電変換する平板な光電変換領域と、光電変換領域の上方に形成され、誘電体層が積層されてなり、入射光を波長分離する平板なダイクロイックフィルタと、を備え、ダイクロイックフィルタが、その主面が光電変換領域の主面に対して斜交するように配設される固体撮像装置の製造方法であって、
光電変換領域上に透光性の支持層を形成するステップと、
支持層上にダイクロイックフィルタを形成するステップと、
ダイクロイックフィルタ下の支持層をテーパ面として、当該テーパ面にダイクロイックフィルタを沿わせ、ダイクロイックフィルタの主面を光電変換領域の主面に対して斜交させるステップと、を含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか1項に記載の固体撮像装置を備える
ことを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−60323(P2008−60323A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235515(P2006−235515)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】