説明

圧電振動子および発振器

【課題】優れた信頼性および温度特性を有する圧電振動子および発振器を提供すること。
【解決手段】圧電振動子1は、配線基板211と、圧電振動片3と、圧電振動片3を配線基板211に固定する接着剤4とを有している。また、圧電振動片3は、厚み滑り振動をする圧電基板31と、圧電基板31に設けられた一対の励振電極32、33とを有し、一対の励振電極32、33は、それぞれ、導電性ワイヤー51、52によって配線基板211に電気的に接続されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子および発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種電子機器や伝送通信機器に用いる基準周波数信号源として、圧電振動子が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の圧電振動子(圧電デバイス)は、水晶振動素子と、この水晶振動素子を収容するパッケージとを有している。
水晶振動素子は、ATカット水晶板と、ATカット水晶板を励振するための一対の励振電極とを有しており、一対の励振電極のうちの一方の励振電極がATカット水晶板の一方の主面に形成れており、他方の励振電極がATカット水晶板の他方の主面に形成されている。
また、パッケージには、一方の励振電極と電気的に接続された端子と、他方の励振電極と電気的に接続された端子とが形成されている。
【0003】
特許文献1の圧電振動子では、水晶振動子が有する一方の励振電極とパッケージに形成された一方の端子とを導電性接着剤(金属フィラー等の導電性粒子を混合した接着剤)によって電気的に接続するとともに、この導電性接着剤によってパッケージに水晶振動子を固定し、水晶振動子が有する他方の励振電極とパッケージに形成された他方の端子とをボンディングワイヤーで電気的に接続している。
ここで、導電性接着剤の導電性は、接着剤中に含まれる導電性粒子の量や分散状態に大きく影響される。そのため、導電性接着剤中の導電性粒子の量や分散状態によっては、励振電極と端子との導通を十分にとることができずに導通不良が生じ、圧電振動子が駆動しなかったり、いわゆる周波数ジャンプ(温度変化に伴って周波数が大きくシフトする現象)が発生したりする。
なお、このような問題は、導電性接着剤の大きさが小さくなるほど顕著となるため、従来の圧電振動子では、装置の小型化を図るのが困難でもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−332572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れた信頼性および温度特性を有する圧電振動子および発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の圧電振動子は、配線基板と、
圧電振動片と、
前記圧電振動片を前記配線基板に固定する接着剤とを有し、
前記圧電振動片は、厚み滑り振動をする圧電基板と、該圧電基板に設けられた一対の励振電極とを有し、
前記一対の励振電極は、それぞれ、導電性ワイヤーによって前記配線基板に電気的に接続されていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性および温度特性を有する圧電振動子を提供することができる。また、圧電振動子の信頼性および温度特性を維持したまま、容易に小型化を図ることができる。
【0007】
[適用例2]
本発明の圧電振動子では、前記一対の励振電極のうちの一方の励振電極は、前記圧電基板の一方の主面である第1の面に形成された第1の電極部と、前記第1の面に形成され、前記第1の電極部と電気的に接続された第1の端子とを有し、他方の励振電極は、前記圧電基板の前記第1の面と反対側の第2の面に、前記圧電基板を介して前記第1の電極部と対向するように形成された第2の電極部と、前記第1の面に形成され、前記第2の電極部と電気的に接続された第2の端子とを有し、前記第1の端子および前記第2の端子が、それぞれ、前記導電性ワイヤーによって前記配線基板に電気的に接続されていることが好ましい。
これにより、実質的に厚み滑り振動が起こる部分を避けて導電性ワイヤーが接続されているため、圧電振動片をスムーズに駆動することができる。
【0008】
[適用例3]
本発明の圧電振動子では、前記圧電基板の平面視にて直交する2軸を第1軸および第2軸としたとき、前記第1の端子および第2の端子は、前記第1の面の前記第1軸方向の一端部に設けられているとともに前記第2軸方向に離間して設けられており、
前記接着剤は、前記第2の面の前記第1軸方向の前記第1の端子および前記第2の端子側の端部にて前記圧電振動片を前記配線基板に固定していることが好ましい。
これにより、実質的に厚み滑り振動が起こる部分を避けて圧電振動片を固定できるため、圧電振動片をスムーズに駆動することができる。
【0009】
[適用例4]
本発明の圧電振動子では、前記接着剤の前記第2軸方向での長さをlとし、前記第1の電極部および前記第2の電極部の前記第2軸方向での長さをLとしたとき、l<Lの関係を満足することが好ましい。
これにより、環境温度に起因した圧電振動片の周波数シフトを抑制でき、圧電振動子の温度特性が向上する。
【0010】
[適用例5]
本発明の圧電振動子では、前記接着剤は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子と前記第2の端子の間に位置していることが好ましい。
これにより、接着剤によって圧電振動片の駆動が阻害されるのを防止することができる。
【0011】
[適用例6]
本発明の圧電振動子では、前記接着剤は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子および前記第2の端子と重なり合う部位を有し、
前記第1の端子と前記配線基板とを接続する前記導電性ワイヤーは、前記第1の端子の前記接着剤と重なり合っている部位にて前記第1の端子と接続されており、
前記第2の端子と前記配線基板とを接続する前記導電性ワイヤーは、前記第2の端子の前記接着剤と重なり合っている部位にて前記第2の端子と接続されていることが好ましい。
これにより、確実に第1の端子および第2の端子に導電性ワイヤーをより接合することができる。
【0012】
[適用例7]
本発明の圧電振動子では、前記配線基板は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子の前記導電性ワイヤーが接続された部位を含むように前記圧電基板側に突出した突出部および前記第2の端子の前記導電性ワイヤーが接続された部位を含むように前記圧電基板側に突出した突出部の少なくとも一方を有していることが好ましい。
これにより、確実に第1の端子および第2の端子に導電性ワイヤーをより接合することができる。
【0013】
[適用例8]
本発明の圧電振動子では、前記突出部と前記圧電基板との離間距離は、20μm以下であることが好ましい。
これにより、第1の端子および第2の端子に導電性ワイヤーを接合する際の、圧電基板の変位に伴う接着剤の変形量を小さくすることができるため、接着剤の破壊や、圧電振動片の接着剤からの離脱等を防止することができる。
【0014】
[適用例9]
本発明の発振器は、基板と、
圧電振動片と、
前記圧電振動片を前記基板に固定する接着剤と、
前記基板に搭載され、前記圧電振動片を駆動する回路素子とを有し、
前記圧電振動片は、厚み滑り振動をする圧電基板と、該圧電基板に設けられた一対の励振電極とを有し、
前記一対の励振電極は、それぞれ、導電性ワイヤーによって直接または間接的に前記回路素子に電気的に接続されていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性および温度特性を有する発振器を提供することができる。また、発振器の信頼性および温度特性を維持したまま、容易に小型化を図ることができる。
【0015】
[適用例10]
本発明の発振器では、前記回路素子は、前記基板の平面視にて、前記圧電振動片と重ならないように設けられていることが好ましい。
これにより、発振器の小型化(薄型化)を図ることができる。
[適用例11]
本発明の発振器では、前記回路素子と前記圧電振動片は、同一空間内に収容されていることが好ましい。
これにより、圧電振動片と回路の環境温度(雰囲気温度)をほぼ等しくすることができるため、発振器の信頼性が向上する。
【0016】
[適用例12]
本発明の発振器では、前記一対の励振電極は、それぞれ、前記導電性ワイヤーによって直接、前記回路素子に接続されていることが好ましい。
これにより、発振器の信頼性が向上する。
[適用例13]
本発明の発振器では、前記一対の励振電極は、それぞれ、前記配線基板に設けられ、前記導電性ワイヤーが接続された配線を介して前記発振回路に接続されていることが好ましい。
これにより、発振器の製造途中で、簡単に、圧電振動片の特性を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の圧電振動子の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す圧電振動子が有する圧電振動片を示す平面図である。
【図3】図1中A−A線断面図である。
【図4】本発明の圧電振動子の第2実施形態を示す平面図である。
【図5】図4中B−B線断面図である。
【図6】本発明の圧電振動子の第3実施形態を示す平面図である。
【図7】図6中C−C線断面図である。
【図8】図7に示す突出部の機能を説明するための図である。
【図9】本発明の圧電振動子の第4実施形態を示す平面図である。
【図10】図9中D−D線断面図である。
【図11】図9に示す圧電振動子の変形例を示す平面図である。
【図12】本発明の発振器の好適な実施形態を示す平面図である。
【図13】図12中のE−E線断面図である。
【図14】本発明の発振器の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の圧電振動子および発振器を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の圧電振動子の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の圧電振動子の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す圧電振動子が有する圧電振動片を示す平面図、図3は、図1中A−A線断面図である。なお、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」と言う。また、以下では、図1に示すように、圧力振動子の平面視にて、互いに直交する3つの軸をx軸(第1軸)、y軸(第2軸)およびz軸(第3軸)とし、x軸とy軸とを含む平面が圧電振動片の主面に平行な面である。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」と言い、y軸に平行な方向を「y軸方向」と言い、z軸に平行な方向を「z軸方向」と言う(他の図についても同様)。
図1に示すように、圧電振動子1は、パッケージ2と、パッケージ2内に収容された圧電振動片3と、圧電振動片3をパッケージに固定する1つの接着剤4とを有している。以下、これら各構成要素について順次説明する。
【0019】
[水晶振動片]
図2(a)は、圧電振動片3を一方側(後述するリッド22側)から見た平面図であり、図(b)は、圧電振動片3を他方側(後述する配線基板211側)から見た平面図である。図2(a)、(b)に示すように、圧電振動片3は、平面視形状が長方形(矩形)の板状をなす圧電基板31と、圧電基板31に形成された一対の励振電極32、33とを有している。
【0020】
圧電基板31は、主として厚み滑り振動をする水晶素板である。本実施形態では、圧電基板31としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出すことを言う。このような構成の圧電基板31では、圧電基板31の長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致する。
【0021】
励振電極32は、圧電基板31の上面(第1の面)311に形成された電極部(第1の電極部)321と、同じく圧電基板31の上面311に形成されたボンディングパッド(第1の端子)322と、電極部321およびボンディングパッド322を電気的に接続する配線323とを有している。
電極部321は、圧電基板31の上面311のx軸方向の右端部を除くようにして形成されている。また、電極部321の平面視形状は、長方形(矩形)であり、その長手方向がx軸に一致している。ボンディングパッド322は、圧電基板31の上面311のx軸方向右側端部かつy軸方向上側端部、すなわち上面311の右上に位置する角部に形成されている。
【0022】
一方、励振電極33は、圧電基板31の下面(第2の面)312に形成された電極部(第2の電極部)331と、圧電基板31の上面311に形成されたボンディングパッド(第2の端子)332と、電極部331およびボンディングパッド332を電気的に接続する配線333とを有している。
電極部331は、圧電基板31の下面312のx軸方向の右端部を除くようにして形成されており、その平面視形状が長方形(矩形)である。また、電極部331は、圧電基板31を介して電極部321と対向するように形成されており、電極部321とほぼ同じ平面視形状をなしている。すなわち、圧電基板31の平面視(x軸およびy軸を含む平面視)にて、電極部321、331の輪郭が一致している。ボンディングパッド332は、圧電基板31の上面311のx軸方向右側端部かつy軸方向下側端部、すなわち左下に位置する角部に形成されており、ボンディングパッド322とy軸方向に離間して並設されている。
【0023】
このような励振電極32、33は、例えば、圧電基板31上に蒸着やスパッタリングによってニッケル(Ni)またはクロム(Cr)の下地層を成膜した後、下地層の上に蒸着やスパッタリングによって金(Au)の電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィおよび各種エッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングすることにより形成することができる。このように、下地層を形成すすることにより、圧電基板31と前記電極層との接着性が向上し、信頼性の高い圧電振動片3が得られる。なお、励振電極32、33の構成としては、これに限定されず、例えば、下地層を省略してもよいし、その構成材料を導電性を有する他の材料(例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブテン(Mo)等の各種金属材料)としてもよい。
【0024】
[パッケージ]
図3に示すように、パッケージ2は、ベース21と、ベース21の凹部開口を塞ぐリッド22とを有している。
ベース21は、板状の配線基板211と枠状の枠部材212との積層体で構成されており、これによりベース21の略中央に上側(リッド22側)に開放する凹部が形成されている。
【0025】
配線基板211は、例えば絶縁性のセラミック基板に電極や配線がパターニングされた基板である。このような配線基板211は、圧電振動片3を固定するとともに、圧電振動片3を例えば図示しないICチップ(少なくとも圧電振動片3を駆動させる回路(発振回路)を備える半導体回路素子)に電気的に接続する機能を有している。
図3に示すように、配線基板211は、少なくともパッケージ2内に臨む面に形成された1対の接続端子211a、211bを有している。また、配線基板211は、接続端子211a、211bをパッケージ2外へ引き出すための図示しない引き出し電極を有している。接続端子211a、211bは、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成することができる。
【0026】
図1および図3に示すように、接続端子211aは、例えば金属材料で構成され、導電性を有する導電性ワイヤー51によってボンディングパッド322と電気的に接続されている。これと同様に、接続端子211bも導電性ワイヤー52によってボンディングパッド332と電気的に接続されている。ワイヤー51による接続端子211aとボンディングパッド322との接続およびワイヤー52による接続端子211bとボンディングパッド332との接続は、それぞれ、ワイヤーボンディング法により簡単に行うことができる。
【0027】
このように、接続端子211a、211bとボンディングパッド322、332とを導電性ワイヤーで51、52を用いて接続することにより、これらの接続状態をより確実に維持することができる。具体的には、圧電振動子1では、接続端子211aとボンディングパッド322(接続端子211bとボンディングパッド332の接続についても同様)の導通をとる手段として従来のような導電性接着剤を用いないため、従来のような問題、すなわち接続端子211aとボンディングパッド322の導通不良で、圧電振動子1が駆動しなかったり、温度変化に伴う圧電振動片3の周波数ジャンプが発生したりするのを確実に防止できる。そのため、信頼性および温度特性に優れた圧電振動子1が得られる。また、このような圧電振動子1によれば、優れた信頼性および温度特性を維持しつつ、装置の小型化を容易に図ることもできる。
【0028】
また、導電性ワイヤーで51、52をボンディングパッド322、332に接続することにより、圧電振動片3の実質的に厚み滑り振動が起こる部分(電極部321、331で挟まれた部分)を避けて導電性ワイヤー51、52を接続することができるため、圧電振動片3をスムーズに駆動することができる。
枠部材212は、圧電振動片3の周囲を覆うように設けられている。この枠部材212は、例えば、枠状のセラミックシート(セラミックグリーンシート)を複数枚積層して焼成することにより形成することができる。
【0029】
リッド22は、例えば金属製である。このようなリッド22は、枠部材212上に形成され、例えば鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Ko)合金で構成されたシーリング23を介してベース21にシーム溶接されている。これにより、パッケージ2内の圧電振動片3が気密に封止される。なお、パッケージ2内は、真空であってもよいし、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが充填されていてもよい。
【0030】
[接着剤]
接着剤4は、パッケージ2に圧電振動片3を固定する機能を有している。この接着剤4は、圧電振動片3を、下面312側にて配線基板211と接触しないように配線基板211に固定している。
図1および図3に示すように、接着剤4は、圧電基板31の下面312のx軸方向右側端部でかつy軸方向中央部に接合しており、圧電振動片3を配線基板211に対して片持ち支持している。このような位置にて圧電振動片3を固定することにより、圧電振動片3の実質的に厚み滑り振動が起こる部分を避けて圧電振動片3を固定することができるため、圧電振動片3をスムーズに駆動することができる。
【0031】
また、接着剤4は、圧電基板31の平面視にて、ボンディングパッド322、332の間に位置している。すなわち、接着剤4が電極部321、331が形成された領域に位置していないため、接着剤4によって圧電振動片3の駆動が阻害されるのを防止することができる。
接着剤4の大きさとしては、特に限定されないが、y軸方向の長さ(最大長さ)lが電極部321、331のy軸方向の長さLよりも短いのが好ましい。すなわちl<Lなる関係を満足するのが好ましい。
【0032】
圧電振動片3は、圧電基板31にy軸方向(結晶軸で言えば、前記Z’軸方向)の応力が加わると、周波数がシフトし、所望の周波数特性が得られなくなる。このような応力が加わる原因の1つとして、圧電基板31の熱膨張が挙げられる。圧電基板31と、この圧電基板31に接合された接着剤4の線膨張係数は互いに異なるため、これらが同一温度下に置かれれば、いずれか一方が他方の膨張を阻害し、これにより、圧電基板31に前述したような応力が加わる(熱歪みが生じる)。
【0033】
そこで、l<Lなる関係を満足することにより、接着剤4のy軸方向の長さを比較的短くすることができ、圧電基板31の熱膨張によって、圧電基板31にy軸方向の応力が加わるのを抑制することができる。その結果、環境温度に起因した圧電振動片3の周波数シフトを抑制でき、圧電振動子1の温度特性が向上する。
接着剤4のy軸方向長さlの最小値としては、圧電振動片3を配線基板211に対して支持することができる強度を有していれば特に限定されない。
【0034】
また、接着剤4は、y軸方向において、電極部321、331の両端の間に全域が位置するように設けられている。これにより、より安定した状態で、圧電振動片3を配線基板211に固定することができる。
このような接着剤4としては、実質的に電気を流さない非導電性の接着剤を用いることが好ましい。これにより、不本意に、接着剤4を介して圧電振動子1が有する各種配線や端子同士が電気的に接続されるのを防止することができる。そのため、接着剤4の配設位置や配線パターンの自由度が向上する。
【0035】
非導電性の接着剤としては、シリコーン系、ポリイミド系、エポキシ系等の各種接着剤を用いることができるが、これらの中でもシリコーン系の接着剤が好ましい。シリコーン系の接着剤は、比較的柔軟な接着剤である。そのため、シリコーン系の接着剤4を用いることにより、接着剤4が容易に伸縮し、熱膨張によって圧電基板31に生じる応力を緩和することができる。その結果、環境温度に起因した圧電振動片3の周波数シフトを抑制できる。
【0036】
<第2実施形態>
次に、本発明の圧電振動子の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の圧電振動子の第2実施形態を示す平面図、図5、図4中B−B線断面図である。
以下、第2実施形態の圧電振動子について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる圧電振動子1Aは、接着剤4の配置が異なる以外は、前述した第1実施形態の圧電振動子1と同様である。なお、図4および図5にて、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0037】
図4および図5に示すように、本実施形態の圧電振動子1Aでは、圧電基板31の平面視(x軸とy軸を含む平面視)にて、接着剤4は、ボンディングパッド322と重なり合う領域41と、ボンディングパッド332と重なり合う領域42とを有している。そして、導電性ワイヤー51は、ボンディングパッド322の領域41と重なり合う部位(領域41の直上)に接合されている。これと同様に、導電性ワイヤー52は、ボンディングパッド332の領域42と重なり合う部位(領域42の直上)に接合されている。
【0038】
導電性ワイヤー51、52をこのような位置でボンディングパッド322、332に接合することにより、導電性ワイヤー51、52をより確実にボンディングパッド322、332に接合することができる。
具体的には、導電性ワイヤー51、52を接続する方法であるワイヤーボンディング技術は、キャピラリ(図示せず)を超音波振動させながらキャピラリに挿通された導電性ワイヤーを目的部位に押し付けることにより、導電性ワイヤーを目的部位に接合する。そのため、目的部位が何らかの部材によって支持(固定)されていないと、導電性ワイヤーを目的部位に押し付ける力が弱くなり、超音波振動を効率的に伝達することができず、導電性ワイヤーと目的部位の接合強度が低下する。
【0039】
そこで、本実施形態のように、ボンディングパッド322の領域41と重なり合う部位にて導電性ワイヤー51を接続することにより、ボンディングパッド322と導電性ワイヤー51とを高い接合強度で接合することができる。ボンディングパッド332と導電性ワイヤー52との接合についても同様である。
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0040】
<第3実施形態>
次に、本発明の圧電振動子の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の圧電振動子の第3実施形態を示す平面図、図7は、図6中C−C線断面図、図8は、図7に示す突出部の機能を説明するための図である。
以下、第3実施形態の圧電振動子について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる圧電振動子1Bは、配線基板211が2つの突出部211c、211dを有する以外は、前述した第1実施形態の圧電振動子1と同様である。なお、図6、図7および図8にて、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0041】
図6および図7に示すように、本実施形態の圧電振動子1Bでは、配線基板211が、その上面(パッケージ2の内側に臨む面)から突出する2つの突出部211c、211dを有している。
突出部211cは、頂面が圧電基板31の下面312と平行な突起である。このような突出部211cは、圧電基板31の平面視(x軸とy軸を含む平面視)にて、ボンディングパッド322の少なくとも一部と重なり合うように設けられている。また、突出部211cは、自然状態では、圧電振動片3と接触していない。そして、ボンディングパッド322の突出部211cと重なり合っている部位に導電性ワイヤー51が接合されている。
【0042】
同様に、突出部211dは、頂面が圧電基板31の下面312と平行な突起である。このような突出部211dは、圧電基板31の平面視にて、ボンディングパッド332の少なくとも一部と重なり合うように設けられている。また、突出部211dは、自然状態では、圧電振動片3と接触していない。そして、ボンディングパッド332の突出部211dと重なり合っている部位に導電性ワイヤー52が接合されている。
【0043】
このような構成とすることにより、導電性ワイヤー51、52をより確実にボンディングパッド322、332に接合することができるとともに、駆動時における圧電振動片3とパッケージ2の接触を防止することができる。具体的には、自然状態では、図8(a)に示すように、接着剤4に支持された圧電基板31は、突出部211c、211dと離間しているが、前記の第2実施形態で述べたワイヤーボンディング技術を用いて、導電性ワイヤー51をボンディングパッド322に接合する際には、キャピラリによって押さえ付けられることによって、図8(b)に示すように、接着剤4の変形を伴いながら圧電基板31が突出部211cと接触するよう変位する。
【0044】
圧電基板31は、突出部211cに接触すると、それ以上の変位が規制されるため、突出部211cが圧電基板31のボンディングパッド322が形成された部位を支持する枕木のような役割を果たし、前述した第2実施形態と同様の理由により、導電性ワイヤー51をボンディングパッド322により強固に接合することができる。突出部211dについても、突出部211cと同様の効果を発揮する。
【0045】
突出部211c、211dと圧電基板31の下面312との離間距離としては、特に限定されないが、20μm以下であるのが好ましい。これにより、導電性ワイヤー51、52をボンディングパッド322、332に接合する際の、圧電基板31の変位に伴う接着剤4の変形量を小さくすることができるため、接着剤4の破壊や、圧電振動片3の接着剤4からの離脱等を防止することができる。
以上のような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0046】
<第4実施形態>
次に、本発明の圧電振動子の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の圧電振動子の第4実施形態を示す平面図、図10は、図9中D−D線断面図、図11は、図9に示す圧電振動子の変形例を示す平面図である。
以下、第4実施形態の圧電振動子について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0047】
本発明の第4実施形態にかかる圧電振動子1Cは、接着剤4の位置および配線基板211が突出部211eを有する以外は、前述した第1実施形態の圧電振動子1と同様である。なお、図9、図10および図11にて、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図9および図10に示すように、本実施形態の圧電振動子1Cでは、圧電基板31の平面視にて、接着剤4がボンディングパッド322の少なくとも一部と重なるように、圧電基板31の1つの角部(図9中の右上に位置する角部)に設けられている。そして、導電性ワイヤー51が、ボンディングパッド322の接着剤4と重なり合う部位に接合されている。このような構成とすることにより、前述した第2実施形態と同様の理由から、ワイヤーボンディング技術によって、導電性ワイヤー51をボンディングパッド322に対して強固に接合することができる。その結果、圧電振動子1の信頼性が向上する。
【0048】
また、図9および図10に示すように、本実施形態の圧電振動子1Cでは、配線基板211が、その上面(パッケージ2の内側に臨む面)から突出する突出部211eを有している。突出部211eは、頂面が圧電基板31の下面312と平行な突起である。このような突出部211eは、圧電基板31の平面視(x軸とy軸を含む平面視)にて、ボンディングパッド332の少なくとも一部と重なり合うように設けられている。また、突出部211eは、自然状態では、圧電振動片3と接触していない。
【0049】
そして、ボンディングパッド332の突出部211eと重なり合っている部位に導電性ワイヤー52が接合されている。このような構成とすることにより、前述した第3実施形態と同様の理由から、ワイヤーボンディング技術によって、導電性ワイヤー52をボンディングパッド332に対して強固に接合することができる。
なお、本実施形態では、接着剤4が圧電基板31の1つの角部付近に位置している形態について説明したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、y軸方向の中央部に位置するような形態であってもよい。また、本実施形態では、接着剤4がボンディングパッド322に対応するように設けられ、突出部211eがボンディングパッド332に対応するように設けられた形態について説明したが、この逆であってもよい。
以上のような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0050】
次いで、本発明の発振器について説明する。
図12は、本発明の発振器の好適な実施形態を示す平面図、図13は、図12中のE−E線断面図である。
図12および図13に示すように、発振器6は、パッケージ7と、パッケージ7に収容された圧電振動片3およびICチップ8と、圧電振動片3をパッケージ7に固定する接着剤4とを有している。以下、発振器6の各構成について説明するが、圧電振動片3および接着剤4については、第1実施形態で述べた構成と同様であるため、その説明を省略する。なお、圧電振動片3および接着剤4の構成として、前述した第2実施形態〜第4実施形態のいずれかの構成を用いることもできる。
【0051】
パッケージ7は、箱状のベース71と、ベース71の開口を塞ぐように設けられたリッド72とを有している。ベース71は、圧電振動片3およびICチップ8が固定された配線基板(基板)711と、枠状の枠部材712とが積層して構成されている。
配線基板711は、例えば絶縁性のセラミック基板に電極、端子等が形成されて構成される。このような配線基板711には、その上面(パッケージ7内に臨む面)の中央部に開放する凹部711aが形成されている。そして、凹部711aの底面に、接着剤4を介して圧電振動片3が、接着剤9を介してICチップ8がそれぞれ固定されている。
【0052】
特に本実施形態の発振器6では、圧電振動片3とICチップ8とが厚さ方向(Z軸方向)に互いに重なり合うことなく配置されているため、発振器6の小型化(薄型化)を図ることができる。
また、配線基板711は、その上面であって凹部711aの周囲に4つのIC接続端子101〜104を有している。これら4つのIC接続端子101〜104は、例えば、配線基板711を貫通するように形成された導電スルーホール等の層内配線(図示せず)によって、パッケージ7の外部に引き出されている。
【0053】
枠部材712は、圧電振動片3およびICチップ8の周囲を囲むように設けられている。この枠部材712は、例えば枠状のセラミックシート(セラミックグリーンシート)を複数枚積層した状態で焼成することにより形成することができる。
リッド72は、例えば金属製である。このようなリッド72は、枠部材712上に形成され、例えば鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Ko)合金で構成されたシーリング73を介してベース71にシーム溶接されている。これにより、パッケージ7内の圧電振動片3およびICチップ8が気密に封止される。なお、パッケージ7内は、真空であってもよいし、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスが充填されていてもよい。
【0054】
本実施形態のICチップ8は、圧電振動片3を駆動(発振)させる回路と、発振器6の外部出力信号を生成する回路とを有している。また、ICチップ8は、外部に露出するように形成された6つの電極パッド81、82、83、84、85および86を有している。これらのうち電極パッド81、82が圧電振動片3を駆動させる回路から引き出されており、電極パッド83、84、85および86が外部出力信号を生成する回路から引き出されている。
電極パッド83、84、85、86は、導電性ワイヤー53、54、55、56を介してIC接続端子101、102、103、104に電気的に接続されている。
【0055】
電極パッド81は、導電性ワイヤー51を介して、直接、圧電振動片3のボンディングパッド322に電気的に接続されている。これと同様に、電極パッド82は、導電性ワイヤー52を介して、直接、ボンディングパッド332に電気的に接続されている。このように、ボンディングパッド322、332と電極パッド81、82とが直接、導電性ワイヤー51、52を介して接続されることにより、ボンディングパッド322、332および電極パッド81、82間の配線長さをより短くすることができ、配線抵抗を小さくすることができるため、圧電振動片3の駆動の省電力化を図ることもできる。
【0056】
上記実施形態で説明した発振器は、以下の変形例として実施することも可能である。
図14は、本発明の発振器の他の実施形態を示す平面図である。
図14に示す発振器6Aは、ボンディングパッド322、332と電極パッド81、82との接続方法異なる以外は、前述した発振器6と同様である。なお、図14にて、前述した発振器6と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0057】
図14に示す発振器6Aでは、配線基板711が、その上面に形成された接続用配線105、106を有している。そして、接続用配線105は、導電性ワイヤー51を介してボンディングパッド322に接続されており、導電性ワイヤー57を介して電極パッド81に接続されている。同様に、接続用配線106は、導電性ワイヤー52を介してボンディングパッド332に接続されており、導電性ワイヤー58を介して電極パッド82に接続されている。
【0058】
このような構成とすることにより、発振器6Aの製造段階の途中にて、圧電振動片3の振動特性を検査するのが容易となる。すなわち、発振器6Aの製造方法として、まず、ベース71を用意し、次いで、容易したベース71に接着剤4を介して圧電振動片3を固定し、次いで導電性ワイヤー51、52によってボンディングパッド322、332と接続用配線105、106とを接続する。この段階にて、テスターを接続用配線105、106に接続することにより、簡単に圧電振動片3の周波数特性を検査することができる。そして、当該検査によって周波数特性が規定値内のものに関しては、ICチップ8の搭載およびリッド72による封止を行えばよいし、規定値外のものに関しては、破棄等すればよい。
【0059】
以上、本発明の圧電振動子および発振器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、前述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、圧電振動片が平板状(上面および下面がともに略平坦面)の圧電基板を有する形態について説明したが、圧電振動片としては、これに限定されず、例えばメサ型や逆メサ型であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、1A、1B、1C‥‥圧電振動子 2‥‥パッケージ 21‥‥ベース 211‥‥配線基板 211a、211b‥‥接続端子 211c、211d、211e‥‥突出部 212‥‥枠部材 22‥‥リッド 23‥‥シーリング 3‥‥圧電振動片 31‥‥圧電基板 311‥‥上面(第1の面) 312‥‥下面(第2の面) 32‥‥励振電極(第1の励振電極) 321‥‥電極部(第1の電極部) 322‥‥ボンディングパッド(第1の端子) 323‥‥配線 33‥‥励振電極(第2の励振電極) 331‥‥電極部(第2の電極部) 332‥‥ボンディングパッド(第2の端子) 333‥‥配線 4‥‥接着剤 41、42‥‥領域 51〜58‥‥導電性ワイヤー 6、6A‥‥発振器 7‥‥パッケージ 71‥‥ベース 711‥‥配線基板(基板) 711a‥‥凹部 712‥‥枠部材 72‥‥リッド 73‥‥シーリング 8‥‥ICチップ 81〜86‥‥電極パッド 9‥‥接着剤 101〜104‥‥IC接続端子 105、106‥‥接続用配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
圧電振動片と、
前記圧電振動片を前記配線基板に固定する接着剤とを有し、
前記圧電振動片は、厚み滑り振動をする圧電基板と、該圧電基板に設けられた一対の励振電極とを有し、
前記一対の励振電極は、それぞれ、導電性ワイヤーによって前記配線基板に電気的に接続されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】
前記一対の励振電極のうちの一方の励振電極は、前記圧電基板の一方の主面である第1の面に形成された第1の電極部と、前記第1の面に形成され、前記第1の電極部と電気的に接続された第1の端子とを有し、他方の励振電極は、前記圧電基板の前記第1の面と反対側の第2の面に、前記圧電基板を介して前記第1の電極部と対向するように形成された第2の電極部と、前記第1の面に形成され、前記第2の電極部と電気的に接続された第2の端子とを有し、前記第1の端子および前記第2の端子が、それぞれ、前記導電性ワイヤーによって前記配線基板に電気的に接続されている請求項1に記載の圧電振動子。
【請求項3】
前記圧電基板の平面視にて直交する2軸を第1軸および第2軸としたとき、前記第1の端子および第2の端子は、前記第1の面の前記第1軸方向の一端部に設けられているとともに前記第2軸方向に離間して設けられており、
前記接着剤は、前記第2の面の前記第1軸方向の前記第1の端子および前記第2の端子側の端部にて前記圧電振動片を前記配線基板に固定している請求項2に記載の圧電振動子。
【請求項4】
前記接着剤の前記第2軸方向での長さをlとし、前記第1の電極部および前記第2の電極部の前記第2軸方向での長さをLとしたとき、l<Lの関係を満足する請求項3に記載の圧電振動子。
【請求項5】
前記接着剤は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子と前記第2の端子の間に位置している請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電振動子。
【請求項6】
前記接着剤は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子および前記第2の端子と重なり合う部位を有し、
前記第1の端子と前記配線基板とを接続する前記導電性ワイヤーは、前記第1の端子の前記接着剤と重なり合っている部位にて前記第1の端子と接続されており、
前記第2の端子と前記配線基板とを接続する前記導電性ワイヤーは、前記第2の端子の前記接着剤と重なり合っている部位にて前記第2の端子と接続されている請求項2ないし5のいずれかに記載の圧電振動子。
【請求項7】
前記配線基板は、前記圧電基板の平面視にて、前記第1の端子の前記導電性ワイヤーが接続された部位を含むように前記圧電基板側に突出した突出部および前記第2の端子の前記導電性ワイヤーが接続された部位を含むように前記圧電基板側に突出した突出部の少なくとも一方を有している請求項2ないし6のいずれかに記載の圧電振動子。
【請求項8】
前記突出部と前記圧電基板との離間距離は、20μm以下である請求項7に記載の圧電振動子。
【請求項9】
基板と、
圧電振動片と、
前記圧電振動片を前記基板に固定する接着剤と、
前記基板に搭載され、前記圧電振動片を駆動する回路素子とを有し、
前記圧電振動片は、厚み滑り振動をする圧電基板と、該圧電基板に設けられた一対の励振電極とを有し、
前記一対の励振電極は、それぞれ、導電性ワイヤーによって直接または間接的に前記回路素子に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項10】
前記回路素子は、前記基板の平面視にて、前記圧電振動片と重ならないように設けられている請求項9に記載の発振器。
【請求項11】
前記回路素子と前記圧電振動片は、同一空間内に収容されている請求項9または10に記載の発振器。
【請求項12】
前記一対の励振電極は、それぞれ、前記導電性ワイヤーによって直接、前記回路素子に接続されている請求項9ないし11のいずれかに記載の発振器。
【請求項13】
前記一対の励振電極は、それぞれ、前記配線基板に設けられ、前記導電性ワイヤーが接続された配線を介して前記発振回路に接続されている請求項9ないし12のいずれかに記載の発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−250058(P2011−250058A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120182(P2010−120182)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】