説明

地図表示制御装置および地図表示制御装置用のプログラム

【課題】HDDを備えた地図表示装置が標高3千メートル以上の地点において起動されたときの、当該HDDの破損の可能性を低減する。
【解決手段】車両に搭載され、表示用の地図データを記録するHDDと、HDDから地図データがコピーされるHDD以外の外部メモリとを備えた車両用ナビゲーション装置1が、当該地図表示装置の主電源投入時に、車両の位置の高度(以下、起動時高度という)を特定し(210)、特定した起動時高度が基準高度以上であるとき(220)、HDDを起動させないまま、外部メモリから地図データを読み出すと共に読み出した地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ(240)、また、起動時高度が基準高度未満であるとき、HDDから地図データを読み出すと共に読み出した地図データに基づく地図をディスプレイに表示させる(230)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示制御装置および地図表示制御装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載され、地図を画像表示装置に表示させる地図表示制御装置には、表示用の地図データを記憶するための装置として、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)を用いるものがある。HDDは、標高3千メートル以上の地点において使用されると、破損の恐れが高くなるという性質を有している。
【0003】
このようなHDDの性質に着目した技術として、地図データ等を記憶する装置としてHDDおよびHDD以外の記憶装置を有し、自車両が標高3千メートル以下の地域から、標高3千メートルを越える高地に進入したことに基づいて、使用する記憶装置をHDDからそれ以外の記憶装置に切り替え、HDDの作動を停止させる技術が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1の地図表示制御装置(具体的にはナビゲーション装置)は、その作動中に、自車両が標高3千メートル以下の地域から、標高3千メートルを越える高地へ進入すると、HDD中の情報を他のメモリ(例えばフラッシュメモリ)にコピーし、その後HDDの作動を止めるようになっている。
【特許文献1】2004−317385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この特許文献1には、地図表示制御装置の起動直後におけるHDDの作動についての記載がない。HDDを有する従来の地図表示制御装置は、その起動直後にHDDを起動してHDD中のプログラム等のデータを読み出すようになっていることが一般的である。したがって、特許文献1のような技術において、標高3千メートル以上の地点で地図表示装置が起動した場合、HDDが起動してしまうことが考えられ、そのような場合、HDDの破損の恐れが高くなってしまう。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、HDDを備えた地図表示装置が高地において起動されたときの、当該HDDの破損の可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、車両に搭載される地図表示制御装置であって、表示用の地図データを記録するハードディスクドライブである第1の記憶装置と、ハードディスクドライブでなく、当該地図表示装置の主電源がオフとなってもデータを保持し続けることができ、地図データの少なくとも一部を記録する第2の記憶装置と、を備えた地図表示装置が、当該地図表示装置の主電源投入時に、第1の記憶装置を起動させないまま前記車両の位置の高度(以下、起動時高度という)を特定し、特定した起動時高度が基準高度以上であるとき、第1の記憶装置を起動させないまま、第2の記憶装置から地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ、また、起動時高度が基準高度未満であるとき、第1の記憶装置を起動して当該第1の記憶装置から地図データを読み出すと共に読み出した地図データに基づく地図を前記表示装置に表示させることである。
【0008】
このようになっていることで、地図表示装置の主電源投入時(すなわち起動時)において、自車両が基準高度より低い位置にあるときは、ハードディスクから地図データが読み出される一方、自車両が基準高度より高い位置にあるときは、ハードディスクは停止したままとなり、第2の記憶装置から地図データが読み出される。したがって、当該地図表示装置が高地において起動されたときの、当該HDDの破損の可能性を低減しつつ、その地図表示機能の低下を抑えることが可能となる。
【0009】
また、地図表示制御装置は、起動時以外の当該地図表示制御装置の作動中の車両の位置の高度(以下、作動高度という)を特定し、特定した作動高度が基準高度未満であるとき、第1の記憶装置から地図データを読み出すと共に読み出した地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ、また、作動高度が基準高度未満かつ基準高度より低い準備高度以上であるとき、第1の記憶装置に記録された地図データの少なくとも一部を、第2の記憶装置に記録し、また、作動高度が基準高度以上であるとき、第1の記憶装置の作動を停止して第2の記憶装置から地図データを読み出すと共に読み出した地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させるようになっていてもよい。
【0010】
このように、起動時以外において、基準高度より高い位置に自車両が進入する前の段階において、あらかじめHDD内のデータを第2の記憶装置に記録することで、基準高度より高い位置に自車両が進入してからHDD内のデータを第2の記憶装置に記録する場合に比べ、HDDの破損の可能性を低減することができる。
【0011】
また、目的地までの経路を特定する機能を地図表示制御装置が有している場合、地図表示制御装置は、第1の記憶装置に記録された地図データのうち、当該経路を含む部分の地図データを、第2の記憶装置に記録するようになっていてもよい。このようにすることで、HDDから読み出され第2の記憶装置へ記録されるデータ量を低減しつつ、地図表示制御装置の地図表示機能の低下を抑えることができるようになる。
【0012】
また、上記の発明は、車両に搭載され、表示用の地図データを記録するハードディスクドライブである第1の記憶装置と、ハードディスクドライブでなく、当該地図表示装置の主電源がオフとなってもデータを保持し続けることができ、当該地図データの少なくとも一部を記録する第2の記憶装置と、を備えた地図表示制御装置に用いられるプログラムであって、当該地図表示装置の主電源投入時に、第1の記憶装置を起動させないまま当該車両の位置の高度(以下、起動時高度という)を特定する起動時高度特定手段、および、当該起動時高度特定手段が特定した当該起動時高度が基準高度以上であるとき、当該第1の記憶装置を起動させないまま、当該第2の記憶装置から当該地図データを読み出すと共に読み出した当該地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ、また、当該起動時高度が基準高度未満であるとき、当該第1の記憶装置を起動して当該第1の記憶装置から当該地図データを読み出すと共に読み出した当該地図データに基づく地図を当該画像表示装置に表示させる起動時制御手段として、コンピュータを機能させるプログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、外部メモリ15、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)16、および制御回路17を有している。
【0014】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0015】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。操作スイッチ群13は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0016】
外部メモリ15は、当該地図表示装置の主電源がオフとなってもデータを保持し続けることができる、HDD以外の読み書き可能な記憶装置である。例えば、外部メモリ15は、EEPROMであってもよいし、フラッシュメモリであってもよいし、バックアップRAMであってもよい。
【0017】
HDD16は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。地図データは、道路の位置情報、種別情報、交差点の位置情報、種別情報、および、交差点と道路との接続関係の情報等を含んでいる。
【0018】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、図示しないCPU、RAM、ROMを備え、ROM、外部メモリ15、HDD16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、外部メモリ15、およびHDD16から情報を読み出し、RAM、外部メモリ15およびHDD16に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0019】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0020】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。特定する現在位置は、緯度、経度、および高度である。
【0021】
誘導経路算出処理は、操作スイッチ群13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を、地図データに基づいて算出する処理である。
【0022】
経路案内処理は、地図データを読み出し、算出された誘導経路および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置12に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させる処理である。
【0023】
なお、制御回路17は、ある処理を実行するため、その処理を実行するために必要なプログラムを読み出す際、まず外部メモリ15中に記録された動作モード情報を参照する。そして、この動作モード情報の示す現在の動作モードが通常動作モードであるか高地動作モードであるかを判定し、通常動作モードである場合には当該プログラムをHDD16から読み出し、高地動作モードである場合には当該プログラムを外部メモリ15から読み出す。
【0024】
また、誘導経路算出処理および経路案内処理等において、制御回路17は、地図データを読み出すとき、まず外部メモリ15中に記録された動作モード情報に基づいて、現在の動作モードが通常動作モードであるか高地動作モードであるかを判定し、通常動作モードである場合には当該地図データをHDD16から読み出し、高地動作モードである場合には当該地図データを外部メモリ15から読み出す。
【0025】
また、制御回路17は、その作動中、このような動作モードを切り替えるため、および、必要に応じてHDD16中のプログラムおよび地図データを外部メモリ15にコピーするため、プログラム100を繰り返し実行する。なお、このプログラム100は、制御回路17のROM、外部メモリ15、HDD16のいずれに記録されていてもよい。
【0026】
このプログラム100の実行において、制御回路17は、まずステップ105にて現在位置特定処理を実行することで現在の3次元位置を特定し、続いてステップ110で、特定した3次元位置のうち、高度の情報を外部メモリ15に記録する。
【0027】
続いてステップ120で、現在位置が高地、低地、または遷移地のいずれに該当するかを判定する。具体的には、基準高度および基準高度より低い準備高度という2つの閾値と、ステップ105で特定した現在の高度とを比較し、現在の高度が基準高度より高い場合、現在位置が高地であると判定し、現在の高度が基準高度未満かつ準備高度以上である場合、現在位置が遷移地であると判定し、現在の高度が準備高度未満である場合、現在位置が低地であると判定する。
【0028】
ここで、基準高度は、HDD16の破損の恐れに鑑み、それ以上の高度でHDD16を作動させないようにするための閾値であり、その値は、一定値(例えば標高3000メートル)であってもよいし、各種条件によって変動する値であってもよい。
【0029】
また、準備高度は、基準高度よりもやや低い高度であり、その値は、一定値(例えば標高2900メートルから標高2999メートルまでの範囲内の特定の高度)であってもよいし、各種条件によって変動する値であってもよい。
【0030】
現在位置が低地に該当する場合、続いてステップ130で、通常動作モードであることを示す動作モード情報を、外部メモリ15に記録し、その後プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0031】
現在位置が遷移地に該当する場合、続いてステップ140で、HDD16中の地図データおよびプログラムデータを、外部メモリ15にコピーする。ただし、地図データについては、HDD16中の地図データの一部(以下、コピー部という)のみを外部メモリ15にコピーすることで、データのコピー量および外部メモリ15の容量を節約する。
【0032】
このコピー部としては、現在位置を含む基準高度以上の高さの一続きの高地領域の地図データであってもよい。また、制御回路17が経路案内を行っている場合は、上述の高地領域の地図データに加え、当該高地領域に隣接し、基準高度未満かつ準備高度以上の高さである遷移領域のうち、誘導経路およびその誘導経路から近傍所定距離(例えば2キロメートル)内の範囲の地図データを、コピー部としてもよい。このように、誘導経路を含み誘導経路に沿った領域の地図データ、すなわち、高地から低地まで自車両を案内することができるだけの地図データを、コピー部とすることで、経路案内における現在位置周辺の地図の表示の機能の低下を抑えることができるようになる。
【0033】
また、プログラムデータについては、そのすべてを外部メモリ15にコピーしてもよいし、必要なプログラム(例えば経路案内用のプログラム、プログラム100がHDD16のみに記録されている場合はプログラム100自体)のみを外部メモリ15にコピーしてもよい。なお、ステップ140では既に外部メモリ15中にこのデータがコピー済みである場合は、再度地図データおよびプログラムのコピーを実行しない。
【0034】
続いてステップ150で、通常動作モードであることを示す動作モード情報を、外部メモリ15に記録し、その後プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0035】
現在位置が高地に該当する場合、続いてステップ155で、HDD16への電力供給を停止する、HDD16へ作動停止コマンドを出力する等の方法により、HDD16の作動を停止させる。
【0036】
続いてステップ160で、高地動作モードであることを示す動作モード情報を、外部メモリ15に記録し、その後プログラム100の1回分の実行を終了する。
【0037】
以上のようなプログラム100を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、その作動の継続中に、繰り返し現在の高度の特定および記録を実行し(ステップ110参照)、自車両が低地から遷移地に入った時点で(ステップ120参照)、HDD16中のデータの一部を前もって外部メモリ15にコピーする(ステップ140参照)。
【0038】
その後、自車両が遷移地から高地に入ると(ステップ120参照)、HDD16の作動が停止し(ステップ155参照)、さらに、作動モードが通常動作モードから高地動作モードに変化する(ステップ160参照)。これにより、制御回路17は、プログラムの読み出しおよび地図データの読み出しの対象とする記憶装置を、HDD16から外部メモリ15に切り替える。
【0039】
このように、起動時以外において、基準高度より高い位置に自車両が進入する前の段階において、あらかじめHDD16内のデータを外部メモリ15に記録することで、高地に自車両が進入してからHDD16内のデータを外部メモリ15に記録する場合に比べ、HDD16の破損の可能性を低減することができる。
【0040】
また、制御回路17は、自車両のACCがオフからオンとなり、車両用ナビゲーション装置1の主電源が投入され、車両用ナビゲーション装置1が起動した後、ハードディスクドライブを起動しないうちに、プログラム200の実行を開始する。なお、このプログラム200は、制御回路17のROMまたは外部メモリ15にあらかじめ(すなわち車両用ナビゲーション装置1の製造時から)記録されている。
【0041】
制御回路17は、このプログラム200の実行において、まずステップ210で、外部メモリ15から、高度情報を読み出す。既述の通り、車両用ナビゲーション装置1は、その作動中に繰り返し高度情報を外部メモリ15に記録する(図2のステップ110参照)ので、ACCがオフからオンになった直後に外部メモリ15に記録されている位置は、車両のACCがオンからオフになったときの、自車両の高度を示している。これは、ACCオフ時に車両が移動することはほとんどないことに鑑みれば、現在の車両の高度と同等である。
【0042】
続いてステップ220では、ステップ210で読み出した高度情報に基づいて、現在位置が高地であるか否かを判定し、高地でなければ、以降は通常動作に入り(ステップ230参照)、高地であれば、以降は高地動作に入る(ステップ240参照)。
【0043】
通常動作においては、外部メモリ15に、通常動作モードであることを示す動作モード情報を記録し、さらに、必要な地図データおよびプログラムデータを、HDD16から読み出す。高地動作においては、HDD16の作動を停止状態にしたまま、外部メモリ15に、高地動作モードであることを示す動作モード情報を記録し、さらに、必要な地図データおよびプログラムデータを、HDD16ではなく外部メモリ15から読み出す。
【0044】
このようになっていることで、車両用ナビゲーション装置1の主電源投入時(すなわち起動時)において、自車両が基準高度より低い位置にあるときは、HDD16から地図データおよびプログラムデータが読み出される一方、自車両が基準高度より高い位置にあるときは、HDD16は停止したままとなり、外部メモリ15から地図データおよびプログラムデータが読み出される。したがって、当該地図表示装置が高地において起動されたときの、当該HDDの破損の可能性を低減しつつ、その地図表示機能の低下を抑えることが可能となる。
【0045】
なお、上記の実施形態において、車両用ナビゲーション装置1が地図表示制御装置の一例に相当し、ハードディスクドライブ16が第1の記憶装置の一例に相当し、外部メモリ15が第2の記憶装置の一例に相当する。また、制御回路17が、プログラム200のステップ210を実行することで、起動時高度特定手段の一例として機能し、ステップ220、230、および240を実行することで、起動時制御手段として機能する。また、制御回路17が、プログラム100のステップ105を実行することで、作動高度特定手段の一例として機能し、ステップ120〜160を実行することで、非起動時制御手段の一例として機能する。また、制御回路17が、誘導経路算出処理を実行することで、経路特定手段の一例として機能する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0046】
例えば、外部メモリ15は、高度3000メートル以上およびその付近の地図データを製造当初から記憶していてもよい。
【0047】
また、制御回路17は、動作モードが高地動作モードに入った後は、その高地動作モードを、自車両の高度が準備高度以下となるまで、続けるようになっていてもよい。このようになっていることで、自車両が高地と遷移地との境界を短期間で繰り返し横切るような場合においても、HDD16の起動および停止を繰り返す必要がなくなる。
【0048】
また、ステップ210で制御回路17が読み出すのは、外部メモリ15中の動作モード情報であってもよい。この動作モード情報からも、現在自車両が高地にいるか、それ以外の位置にいるかを特定することができる。あるいは、制御回路17は、ステップ210で、位置検出器11を用いて3次元現在位置を特定するようになっていてもよい。
【0049】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0050】
また、地図表示制御装置は、車両用ナビゲーション装置1に限らず、地図を表示することができる装置であれば、どのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】制御回路17が作動中に繰り返し実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】車両のACCオン時に制御回路17が実行するプログラム200のフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…画像表示装置、
13…操作スイッチ群、14…スピーカ、15…外部メモリ、
16…ハードディスクドライブ、17…制御回路、100、200…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される地図表示制御装置であって、
表示用の地図データを記録するハードディスクドライブである第1の記憶装置と、
ハードディスクドライブでなく、当該地図表示装置の主電源がオフとなってもデータを保持し続けることができ、前記地図データの少なくとも一部を記録する第2の記憶装置と、
当該地図表示装置の主電源投入時に、前記第1の記憶装置を起動させないまま前記車両の位置の高度(以下、起動時高度という)を特定する起動時高度特定手段と、
前記起動時高度特定手段が特定した前記起動時高度が基準高度以上であるとき、前記第1の記憶装置を起動させないまま、前記第2の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ、また、前記起動時高度が基準高度未満であるとき、前記第1の記憶装置を起動して当該第1の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を前記画像表示装置に表示させる起動時制御手段と、を備えた地図表示制御装置。
【請求項2】
前記起動時以外の当該地図表示制御装置の作動中の前記車両の位置の高度(以下、作動高度という)を特定する作動高度特定手段と、
前記作動高度特定手段が特定した前記作動高度が、前記基準高度未満であるとき、前記第1の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を前記画像表示装置に表示させ、また、前記作動高度が前記基準高度未満かつ前記基準高度より低い準備高度以上であるとき、前記第1の記憶装置に記録された前記地図データの少なくとも一部を、前記第2の記憶装置に記録し、また、前記作動高度が前記基準高度以上であるとき、前記第1の記憶装置の作動を停止して前記第2の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を前記画像表示装置に表示させる非起動時制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地図表示制御装置。
【請求項3】
目的地までの経路を特定する経路特定手段を備え、
前記非起動時制御手段は、前記第1の記憶装置に記録された前記地図データのうち、前記経路を含む部分の地図データを、前記第2の記憶装置に記録することを特徴とする請求項2に記載の地図表示制御装置。
【請求項4】
車両に搭載され、表示用の地図データを記録するハードディスクドライブである第1の記憶装置と、ハードディスクドライブでなく、当該地図表示装置の主電源がオフとなってもデータを保持し続けることができ、前記地図データの少なくとも一部を記録する第2の記憶装置と、を備えた地図表示制御装置に用いられるプログラムであって、
当該地図表示装置の主電源投入時に、前記第1の記憶装置を起動させないまま前記車両の位置の高度(以下、起動時高度という)を特定する起動時高度特定手段、および
前記起動時高度特定手段が特定した前記起動時高度が基準高度以上であるとき、前記第1の記憶装置を起動させないまま、前記第2の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を画像表示装置に表示させ、また、前記起動時高度が基準高度未満であるとき、前記第1の記憶装置を起動して当該第1の記憶装置から前記地図データを読み出すと共に読み出した前記地図データに基づく地図を前記画像表示装置に表示させる起動時制御手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−64596(P2008−64596A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242701(P2006−242701)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】