説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】薬液の消費量を低減すると共に、スループットの減少を抑制または防止する。
【解決手段】エッチング成分と増粘剤とを含む薬液が、第1スピンチャック8によって第1チャンバ12で保持された基板Wに供給される。その後、薬液が基板Wに保持された状態で当該基板Wが第1チャンバ12から第2チャンバ25に搬送される。このような動作が繰り返し行われ、薬液が保持された複数枚の基板Wが、第2チャンバ25に搬入される。第2チャンバ25に搬入された複数枚の基板Wは、薬液を保持した状態で複数の基板保持部材24に保持される。そして、第2チャンバ25での滞在時間が所定時間に達したものから順に、複数の基板保持部材24に保持された複数枚の基板Wが第2チャンバ25から搬出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に対して処理液を用いた処理が行われる。
たとえば、特許文献1には、ベベルエッチングを行う枚葉式の基板処理装置が記載されている。この基板処理装置は、基板を水平に保持して鉛直軸線まわりに回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板の下面中央部に対向する下面ノズルとを備えている。下面ノズルから吐出された薬液は、回転状態の基板の下面中央部に供給される。そして、基板の下面中央部に供給された薬液は、基板の回転によって基板の下面に沿って外方に広がり、基板の周端面を伝って基板の上面周縁部に回り込む。これにより、基板の上面周縁部の全域に薬液が供給される。
【0003】
同様に、特許文献2には、ベベルエッチングを行う枚葉式の基板処理装置が記載されている。この基板処理装置は、基板を水平に保持して鉛直軸線まわりに回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板の上面周縁部に対向する周縁処理ノズルとを備えている。周縁処理ノズルから吐出された薬液は、回転状態の基板の上面周縁部に供給される。これにより、基板の上面周縁部の全域に薬液が供給される。
【0004】
また、特許文献3には、高粘度の液体を用いて基板を洗浄する洗浄方法が記載されている。この洗浄方法では、高粘度の液体が基板の上面に供給される。その後、基板の回転が開始される。基板の上面に供給された液体は、基板の回転によって基板上を外方に移動する。これにより、高粘度の液体が基板から排出される。基板の上面に付着している異物は、高粘度の液体と共に基板から排出される。これにより、異物が基板から除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−318016号公報
【特許文献2】特開2007−142077号公報
【特許文献3】国際公開番号WO2004/088735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載の基板処理装置では、基板の上面周縁部に供給された薬液は、基板の回転によって外方に排出される。そのため、薬液によって基板を処理している間中、ノズルから薬液を吐出させる必要がある。これにより、基板の上面周縁部と薬液とが接触した状態が維持されると共に、十分な処理能力を有する薬液が基板の上面周縁部に供給され続ける。しかしながら、ノズルから薬液を吐出させ続けると、薬液の消費量が増加してしまう。
【0007】
一方、特許文献3に記載の洗浄方法では、高粘度の液体が基板の上面に供給される。液体の粘度が高いから、この液体を基板上に保持させることができる。したがって、高粘度の液体を基板に供給し続けなくても、基板と液体とが接触した状態を維持することができる。これにより、液体の消費量を低減することができる。しかしながら、この洗浄方法では、基板の上面に付着している異物が基板に強固に付着している場合には、異物を基板から除去できない場合がある。
【0008】
薬液の消費量を低減すると共に、基板から異物を確実に除去するために、たとえば、基板を溶かすことができる高粘度の薬液を基板に供給する方法が考えられる。この方法によれば、薬液の粘度が高いから、基板に薬液を保持させることができる。これにより、薬液の消費量を低減することができる。さらに、基板と薬液とを反応させて、基板の一部を溶かすことにより、基板に付着している異物を基板の一部と共に基板から剥がすことができる(リフトオフ)。これにより、基板から異物を確実に除去することができる。
【0009】
しかしながら、この方法では、基板に接している薬液が新たな薬液に置換されないため、基板と薬液とが十分に反応するのに時間がかかり、十分な処理速度を確保できない場合がある。基板と薬液とが十分に反応するまで基板をその場(薬液が供給された位置)に位置させることが考えられるが、この場合には、薬液が供給された基板が搬出されるまで、後続の基板に高粘度の薬液を供給することができない。したがって、スループット(単位時間当たりの基板の処理枚数)が低下してしまう。
【0010】
そこで、本発明の目的は、薬液の消費量を低減でき、スループットの減少を抑制または防止できる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、第1処理室(12)および第2処理室(25)と、前記第1処理室で基板(W)を保持する第1基板保持手段(8)と、エッチング成分と増粘剤とを含む薬液を、前記第1基板保持手段に保持された基板に供給する薬液供給手段(9)と、前記薬液が前記基板に保持された状態で当該基板を前記第1処理室から前記第2処理室に搬送する基板搬送手段(IR、CR)と、前記薬液が保持された複数枚の基板を前記第2処理室で保持する第2基板保持手段(24)と、を含む、基板処理装置(1、201)である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【0012】
この構成によれば、エッチング成分と増粘剤とを含む薬液が、第1基板保持手段によって第1処理室で保持された基板に供給される。その後、薬液が基板に保持された状態で、当該基板が、基板搬送手段によって第1処理室から第2処理室に搬送される。そして、このような動作が繰り返し行われ、薬液が保持された複数枚の基板が、第2処理室に搬入される。第2処理室に搬入された複数枚の基板は、薬液を保持した状態で第2基板保持手段に保持される。そして、第2処理室での滞在時間が所定時間に達したものから順に、第2基板保持手段に保持された複数枚の基板が第2処理室から搬出される。このようにして、基板の処理が滞りなく行われる。
【0013】
基板に供給される薬液の粘度は、増粘剤の添加によって増加している。すなわち、増粘剤の添加によって薬液の流動性が低下している。したがって、基板に薬液を供給し続けなくても、薬液によって基板が覆われた状態が維持される。これにより、薬液の消費量を低減することができる。さらに、エッチング成分が薬液に含まれているから、パーティクルなどの基板に付着している異物を基板の一部と共に基板から剥離させる(リフトオフ)、もしくはエッチング成分が異物を溶解することにより基板から除去することができる。これにより、基板から異物を確実に除去することができる。
【0014】
前述のように、第1処理室で薬液が供給された基板は、薬液を保持した状態で、第1処理室から第2処理室に搬送され、さらに、薬液を保持した状態で、第2処理室で所定時間保持される。したがって、基板と薬液とが反応する時間が十分に確保されている。さらに、基板と薬液との反応が第1処理室の外でも行われるから、基板と薬液との反応を進行させている間に、第1処理室で後続の基板に薬液を供給することができる。これにより、スループット(単位時間当たりの基板の処理枚数)の減少を抑制または防止できる。
【0015】
請求項2記載の発明は、さらに第3処理室(33)と、前記第3処理室で基板を保持する第3基板保持手段(31)と、前記第3基板保持手段に保持された基板にリンス液を供給するリンス液供給手段(32)と、を含み、前記基板搬送手段は、前記第2処理室から前記第3処理室に基板を搬送するように構成されている、請求項1記載の基板処理装置である。
【0016】
この構成によれば、第2処理室で所定時間保持された基板が、基板搬送手段によって第2処理室から第3処理室に搬送される。すなわち、第2処理室で薬液と十分に反応した基板が、第3処理室に搬入される。そして、第3基板保持手段によって第3処理室で保持された基板にリンス液が供給される。これにより、基板に保持された薬液がリンス液によって洗い流される。このように、薬液の供給、基板と薬液との反応、および薬液の除去が別々の処理室で実施されるから、各処理室内の構成が複雑化することを抑制または防止することができる。
【0017】
前記薬液供給手段は、前記第1基板保持手段に保持された基板の主面全域に前記薬液を供給するように構成されていてもよい。また、前記薬液供給手段は、請求項3記載の発明のように、前記第1基板保持手段に保持された基板の主面に対して前記薬液を部分的に供給するように構成されていてもよい。薄膜が表層に形成されていない基板(たとえば、ベアウエハ)である場合には、基板の主面は、基板自体の面である。また、薄膜が表層に形成されている基板である場合には、基板の主面は、薄膜の外面であってもよいし、薄膜の下地の外面であってもよい。基板の主面に対して薬液を部分的に供給することにより、基板の主面全域に薬液を供給する場合に比べて、薬液の消費量を低減することができる。
【0018】
また、基板の主面に対して薬液が部分的に供給される場合、薬液が供給される範囲は、基板毎に設定される範囲であってもよい。具体的には、請求項4記載の発明のように、前記基板処理装置は、さらに基板の主面に付着している異物の位置を測定する異物測定手段(42)を含み、前記薬液供給手段は、前記主面において異物が含まれる範囲に前記薬液を供給するように構成されていてもよい。この構成によれば、異物が含まれる範囲に薬液が確実に供給されるから、基板に付着している異物を確実に除去することができる。さらに、異物が含まれる範囲にだけ薬液を供給することができるから、薬液の供給が必要でない範囲に薬液が供給されることを抑制または防止することができる。これにより、薬液の供給が必要でない範囲に薬液による影響が及ぶことを抑制または防止することができる。
【0019】
また、基板の主面に付着している異物の位置を前記異物測定手段によって測定する場合、異物の測定は、第1処理室、第2処理室、および第3処理室のいずれかで行われてもよいし、これらの処理室とは異なる場所で行われてもよい。具体的には、請求項5記載の発明のように、前記基板処理装置は、さらに前記異物測定手段によって基板に付着している異物の位置が測定される測定室(43)を含み、前記基板搬送手段は、前記測定室から前記第1処理室に基板を搬送するように構成されていてもよい。この構成によれば、異物測定手段による異物の測定が、第1処理室、第2処理室、および第3処理室とは異なる場所で行われるので、各処理室内の構成が複雑化することを抑制または防止できる。
【0020】
また、基板の主面に対して薬液が部分的に供給される場合、薬液が供給される範囲は、予め定められた範囲であってもよい。具体的には、請求項6記載の発明のように、前記薬液供給手段は、前記主面の予め定められた範囲に前記薬液を供給するように構成されていてもよい。前記主面の予め定められた範囲は、前記主面の周縁部であってもよい。この構成によれば、薬液が供給される範囲が予め定められているから、薬液の供給位置を基板毎に変更しなくてもよい。
【0021】
請求項7記載の発明は、エッチング成分と増粘剤とを含む薬液を基板に供給して、当該薬液を前記基板に保持させる薬液供給工程と、前記薬液供給工程が行われた後に、前記薬液が前記基板に保持された状態で当該基板を搬送する搬送工程と、前記搬送工程が行われた後に、前記薬液が保持された基板と前記薬液との反応を進行させる反応処理工程と、を含む、基板処理方法である。請求項8記載の発明のように、前記エッチング成分はフッ化水素酸と過酸化水素の混合物、または水酸化アンモニウムと過酸化水素の混合物であり、前記増粘剤はメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリビニルアルコールから選択される1種以上であってもよい。この発明によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の第1実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る薬液供給ユニットの概略構成を示す模式図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る薬液ノズルおよびこれに関連する構成の平面図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係る薬液ノズルおよびこれに関連する構成の側面図である。
【図5】この発明の第1実施形態に係る反応ユニットの概略構成を示す模式図である。
【図6】この発明の第1実施形態に係るリンスユニットの概略構成を示す模式図である。
【図7】この発明の第1実施形態に係る基板処理装置によって行われる基板の処理の一例を説明するための図である。
【図8】この発明の第2実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
【図9】この発明の第2実施形態に係る異物測定ユニットの概略構成を示す側面模式図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る基板処理装置によって行われる基板の処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。
基板処理装置1は、薬液やリンス液などの処理液によって半導体ウエハ等の円形の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。基板処理装置1は、インデクサブロック2と、インデクサブロック2に結合された処理ブロック3と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置4とを備えている。
【0024】
インデクサブロック2は、キャリア保持部5と、インデクサロボットIR(基板搬送手段)と、IR移動機構6とを備えている。キャリア保持部5は、複数枚の基板Wを収容できるキャリアCを保持する。複数のキャリアCは、水平なキャリア配列方向Uに配列された状態でキャリア保持部5に保持される。IR移動機構6は、キャリア配列方向UにインデクサロボットIRを移動させる。インデクサロボットIRは、キャリア保持部5に保持されたキャリアCに基板Wを搬入する搬入動作、および基板WをキャリアCから搬出する搬出動作を行う。基板Wは、インデクサロボットIRによって水平な姿勢で搬送される。
【0025】
一方、処理ブロック3は、基板Wを処理する複数(たとえば、4つ以上)の処理ユニット7と、センターロボットCR(基板搬送手段)とを備えている。複数の処理ユニット7は、平面視において、センターロボットCRを取り囲むように配置されている。複数の処理ユニット7は、基板Wに薬液を供給する薬液供給ユニット7aと、基板Wと薬液との反応を進行させる反応ユニット7bと、基板Wに供給された薬液を洗い流すリンスユニット7cとを含む。センターロボットCRは、処理ユニット7に基板Wを搬入する搬入動作、および基板Wを処理ユニット7から搬出する搬出動作を行う。さらに、センターロボットCRは、複数の処理ユニット7間で基板Wを搬送する。基板Wは、センターロボットCRによって水平な姿勢で搬送される。センターロボットCRは、インデクサロボットIRから基板Wを受け取ると共に、インデクサロボットIRに基板Wを渡す。
【0026】
図2は、この発明の第1実施形態に係る薬液供給ユニット7aの概略構成を示す模式図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る薬液ノズル9およびこれに関連する構成の平面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る薬液ノズル9およびこれに関連する構成の側面図である。
薬液供給ユニット7aは、基板Wを水平に保持して回転させる第1スピンチャック8(第1基板保持手段)と、第1スピンチャック8に保持された基板Wの上面に薬液を供給する薬液ノズル9(薬液供給手段)と、第1スピンチャック8に保持された基板Wの上面近傍に配置された近接部材10と、基板Wと近接部材10との間に窒素ガスを供給する窒素ガスノズル11と、第1スピンチャック8、薬液ノズル9、近接部材10、および窒素ガスノズル11を収容する第1チャンバ12(第1処理室)とを備えている。
【0027】
第1スピンチャック8は、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに回転可能な円盤状のスピンベース13と、このスピンベース13を鉛直軸線まわりに回転させるスピンモータ14とを含む。第1スピンチャック8は、基板Wを水平方向に挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックであってもよいし、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着することにより当該基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。第1実施形態では、第1スピンチャック8は、挟持式のチャックである。
【0028】
薬液ノズル9は、薬液バルブ15が介装された薬液供給管16に接続されている。薬液ノズル9への薬液の供給は、薬液バルブ15の開閉により制御される。ノズル移動機構17は、処理位置(図2〜図4に示す位置)と待機位置との間で薬液ノズル9を移動させる。処理位置は、薬液ノズル9から吐出された薬液が、第1スピンチャック8に保持された基板Wの上面に供給される位置であり、待機位置は、第1スピンチャック8から離れた位置である。第1実施形態における薬液ノズル9の処理位置は、薬液ノズル9から吐出された薬液が基板Wの上面周縁部に供給される一定の位置である。薬液ノズル9の処理位置は、一定の位置に限らず、薬液ノズル9から吐出された薬液が基板Wの上面に供給される複数の位置を含んでいてもよい。すなわち、薬液ノズル9の処理位置は、薬液ノズル9から吐出された薬液が基板Wの上面のいずれかの位置に供給される一定の範囲であってもよい。
【0029】
薬液ノズル9に供給される薬液は、増粘剤によって粘度が調整された高粘度のエッチング液である。薬液の粘度は、たとえば、数百rpm以下の回転速度で回転している基板Wの上面に室温(20℃〜30℃)で薬液が供給されたときに、基板Wに供給された位置から薬液が殆ど移動せず、薬液がその場に留まるように調整されている。薬液の具体的な粘度範囲は、100mPa・s〜100Pa・sであり、好ましくは1〜70Pa・s、より好ましくは3〜50Pa・sの範囲である。薬液は、エッチング成分と増粘剤とを含む。エッチング成分は、基板W、もしくはパーティクルなどの基板Wに付着している異物を溶かす液体である。なお、ここでいう基板Wとは、薄膜が表層に形成されていない基板(たとえば、ベアウエハ)であってもよいし、薄膜が表層に形成されている基板であってもよい。基板Wを溶かすエッチング成分とは、基板自体(たとえば、ベアウエハ)を溶かす成分であってもよいし、基板Wの表層に形成されている薄膜を溶かす成分であってもよい。増粘剤は、エッチング成分と混合されている。薬液としては、たとえば、エッチング成分としてのフッ化水素酸と過酸化水素の混合物や水酸化アンモニウムと過酸化水素の混合物と、増粘剤としてのメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムまたはポリビニルアルコールとが混合されたものが挙げられる。
【0030】
近接部材10は、少なくとも基板Wの上面周縁部の一部を覆うことができる大きさを有している。近接部材10は、平面視において基板Wより大きくてもよいし、平面視において基板Wより小さくてもよい。第1実施形態では、近接部材10は、平面視において基板Wよりも小さい板状の部材である。近接部材10は、平坦な下面を有している。図示しない移動機構は、処理位置(図2〜図4に示す位置)と待機位置との間で近接部材10を移動させる。処理位置は、近接部材10の下面が基板Wの上面に近接し、基板Wの上面周縁部の一部が近接部材10によって覆われる位置である。待機位置は、第1スピンチャック8から離れた位置である。近接部材10の処理位置は、薬液ノズル9の処理位置の内方(基板Wの回転軸線に近づく方向)に設けられている。近接部材10の処理位置と薬液ノズル9の処理位置とは、近接している。したがって、薬液ノズル9および近接部材10がそれぞれの処理位置に位置している状態では、近接部材10が薬液ノズル9の内方に位置しており、薬液ノズル9および近接部材10が近接している。薬液ノズル9は、近接部材10に保持されており、近接部材10と共に移動するように構成されていてもよい。
【0031】
窒素ガスノズル11は、窒素ガスバルブ18が介装された窒素ガス供給管19に接続されている。窒素ガスノズル11への窒素ガスの供給は、窒素ガスバルブ18の開閉により制御される。窒素ガスノズル11は、近接部材10に保持されている。したがって、窒素ガスノズル11は、近接部材10と共に移動する。窒素ガスノズル11は、近接部材10が処理位置に位置する状態で窒素ガスを吐出したときに、吐出された窒素ガスが、近接部材10の下面と基板Wの上面との間を外方(基板Wの回転軸線から離れる方向)に流れるように構成されている。窒素ガスノズル11は、近接部材10に保持されておらず、近接部材10とは独立して保持されていてもよい。
【0032】
第1チャンバ12は、第1開口20が形成された第1隔壁21と、この第1開口20を覆う第1ゲートシャッタ22とを含む。第1ゲートシャッタ22は、第1隔壁21の外に配置されている。第1ゲートシャッタ22には、第1ゲート開閉機構23が結合されている。第1ゲート開閉機構23は、第1ゲートシャッタ22が第1開口20を密閉する閉鎖位置と、第1開口20が開放される開放位置との間で、第1ゲートシャッタ22を移動させる。第1チャンバ12に基板Wが搬入されるときや、第1チャンバ12から基板Wが搬出されるときには、第1ゲートシャッタ22が予め開放位置に配置される。そして、第1開口20が開放された状態で、第1チャンバ12への基板Wの搬入および第1チャンバ12からの基板Wの搬出が行われる。その後、第1ゲートシャッタ22が閉鎖位置に配置され、第1開口20が第1ゲートシャッタ22によって密閉される。
【0033】
図5は、この発明の第1実施形態に係る反応ユニット7bの概略構成を示す模式図である。
反応ユニット7bは、基板Wを水平に保持する複数の基板保持部材24(第2基板保持手段)と、基板保持部材24を収容する第2チャンバ25(第2処理室)と、第2チャンバ25内を加熱するヒータ26とを備えている。
【0034】
複数の基板保持部材24は、複数枚の基板Wを水平に保持するように構成されている。複数の基板保持部材24は、複数枚の基板Wが水平な姿勢で上下に並ぶように複数枚の基板Wを保持してもよいし、複数枚の基板Wが水平な姿勢で水平に並ぶように複数枚の基板Wを保持してもよい。さらに、複数の基板保持部材24は、基板Wを下から支持することにより当該基板Wを保持してもよいし、基板Wを水平に挟持することにより当該基板Wを保持してもよい。すなわち、基板Wが水平に保持されるのであれば、複数の基板保持部材24は、複数枚の基板Wをどのように保持してもよい。ヒータ26の熱は、複数の基板保持部材24に保持された基板Wに伝達される。これにより、第2チャンバ25で基板Wが加熱される。
【0035】
第2チャンバ25は、第2開口27が形成された第2隔壁28と、この第2開口27を覆う第2ゲートシャッタ29とを含む。第2ゲートシャッタ29は、第2隔壁28の外に配置されている。第2ゲートシャッタ29には、第2ゲート開閉機構30が結合されている。第2ゲート開閉機構30は、第2ゲートシャッタ29が第2開口27を密閉する閉鎖位置と、第2開口27が開放される開放位置との間で、第2ゲートシャッタ29を移動させる。第2チャンバ25に基板Wが搬入されるときや、第2チャンバ25から基板Wが搬出されるときには、第2ゲートシャッタ29が予め開放位置に配置される。そして、第2開口27が開放された状態で、第2チャンバ25への基板Wの搬入および第2チャンバ25からの基板Wの搬出が行われる。その後、第2ゲートシャッタ29が閉鎖位置に配置され、第2開口27が第2ゲートシャッタ29によって密閉される。
【0036】
図6は、この発明の第1実施形態に係るリンスユニット7cの概略構成を示す模式図である。
リンスユニット7cは、基板Wを水平に保持して回転させる第3スピンチャック31(第3基板保持手段)と、第3スピンチャック31に保持された基板Wの上面にリンス液を供給するリンス液ノズル32(リンス液供給手段)と、第3スピンチャック31およびリンス液ノズル32を収容する第3チャンバ33(第3処理室)とを備えている。
【0037】
第3スピンチャック31は、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに回転可能な円盤状のスピンベース13と、このスピンベース13を鉛直軸線まわりに回転させるスピンモータ14とを含む。第3スピンチャック31は、挟持式のチャックであってもよいし、バキューム式のチャックであってもよい。第1実施形態では、第3スピンチャック31は、挟持式のチャックである。
【0038】
リンス液ノズル32は、リンス液バルブ34が介装されたリンス液供給管35に接続されている。リンス液ノズル32へのリンス液の供給は、リンス液バルブ34の開閉により制御される。図示しない移動機構は、処理位置(図6に示す位置)と待機位置との間でリンス液ノズル32を移動させる。処理位置は、リンス液ノズル32から吐出されたリンス液が、第3スピンチャック31に保持された基板Wの上面中央部に供給される位置であり、待機位置は、第3スピンチャック31から離れた位置である。リンス液ノズル32に供給されるリンス液としては、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
【0039】
第3チャンバ33は、第3開口36が形成された第3隔壁37と、この第3開口36を覆う第3ゲートシャッタ38とを含む。第3ゲートシャッタ38は、第3隔壁37の外に配置されている。第3ゲートシャッタ38には、第3ゲート開閉機構39が結合されている。第3ゲート開閉機構39は、第3ゲートシャッタ38が第3開口36を密閉する閉鎖位置と、第3開口36が開放される開放位置との間で、第3ゲートシャッタ38を移動させる。第3チャンバ33に基板Wが搬入されるときや、第3チャンバ33から基板Wが搬出されるときには、第3ゲートシャッタ38が予め開放位置に配置される。そして、第3開口36が開放された状態で、第3チャンバ33への基板Wの搬入および第3チャンバ33からの基板Wの搬出が行われる。その後、第3ゲートシャッタ38が閉鎖位置に配置され、第3開口36が第3ゲートシャッタ38によって密閉される。
【0040】
図7は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例を説明するための図である。以下では、図1および図7を参照する。
制御装置4は、キャリアCに収容された未処理の基板WをインデクサロボットIRによって搬出させる。そして、制御装置4は、キャリアCから搬出された基板WをインデクサロボットIRからセンターロボットCRに移動させる。その後、制御装置4は、センターロボットCRに渡された基板WをセンターロボットCRによって薬液供給ユニット7aに搬入させる。これにより、図7(a)に示すように、第1スピンチャック8上に基板Wが載置される。基板Wが第1スピンチャック8上に載置されるとき、制御装置4は、薬液ノズル9および近接部材10をそれぞれの待機位置に位置させている。
【0041】
次に、図7(a)に示すように、基板Wの上面周縁部に薬液を供給する薬液供給処理が行われる。具体的には、制御装置4は、スピンモータ14を制御することにより、第1スピンチャック8による基板Wの回転を開始させる。そして、制御装置4は、薬液ノズル9および近接部材10をそれぞれの処理位置に移動させる。これにより、薬液ノズル9、近接部材10、および窒素ガスノズル11が、基板Wの上面周縁部の上方に移動し、近接部材10の下面が基板Wの上面周縁部に近接する。その後、制御装置4は、窒素ガスバルブ18および薬液バルブ15を順次開いて、第1スピンチャック8によって基板Wを回転させながら、窒素ガスノズル11および薬液ノズル9からそれぞれ窒素ガスおよび薬液を吐出させる。
【0042】
窒素ガスノズル11から吐出された窒素ガスは、近接部材10の下面と基板Wの上面との間を外方に流れる。また、処理位置に位置する薬液ノズル9は、基板Wの上面周縁部の一部に向けて薬液を吐出する。制御装置4は、薬液ノズル9から薬液を吐出させながら、基板Wを回転させる。したがって、薬液ノズル9から吐出された薬液が、全周に亘って基板Wの上面周縁部に供給される。これにより、基板Wの上面周縁部の全域に薬液が供給される。薬液が高い粘性を有しているので、薬液ノズル9から基板Wに供給された薬液は、供給された位置から殆ど移動せず、その場に留まる。したがって、基板Wの上面周縁部の全域に薬液が保持された状態が維持される。基板Wの上面周縁部は、薬液との接触によりエッチングされていく。
【0043】
また、薬液ノズル9から薬液が吐出されている間、制御装置4は、窒素ガスノズル11から窒素ガスを吐出させている。したがって、薬液が高い揮発性を有しており、薬液ノズル9と基板Wとの間で薬液のガスが発生したとしても、このガスは、外方に流れる窒素ガスによって内方への移動が抑制または防止される。特に、薬液ノズル9の近傍では、基板Wに保持されている薬液に加えて、基板Wに保持されている薬液と薬液ノズル9との間でも、薬液と空気とが接触している。そのため、薬液ノズル9の近傍では、薬液と空気とが接する面積が、他の領域よりも大きく、他の領域よりも薬液のガスが発生しやすい。したがって、近接部材10を薬液ノズル9の近傍に配置し、近接部材10と基板Wとの間に窒素ガスを供給することにより、基板Wの上面における周縁部よりも内方の領域が、薬液のガスに晒されることを効率的に抑制または防止することができる。
【0044】
窒素ガスバルブ18および薬液バルブ15が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、窒素ガスバルブ18および薬液バルブ15を閉じて、薬液および窒素ガスの吐出を停止させる。さらに、制御装置4は、スピンモータ14を制御することにより、第1スピンチャック8による基板Wの回転を停止させる。その後、制御装置4は、第1スピンチャック8に保持された基板WをセンターロボットCRによって薬液供給ユニット7aから搬出させる。そして、制御装置4は、薬液供給ユニット7aから搬出された基板WをセンターロボットCRによって反応ユニット7bに搬入させる。薬液が供給された基板Wは、水平な姿勢で薬液供給ユニット7aから反応ユニット7bに搬送される。これにより、基板W上に薬液が保持された状態で、当該基板Wが薬液供給ユニット7aから反応ユニット7bに搬送される。
【0045】
次に、図7(b)に示すように、基板W上に薬液を保持させた状態で基板Wと薬液との反応を進行させる反応処理が行われる。具体的には、制御装置4は、薬液供給ユニット7aから搬出された基板WをセンターロボットCRによっていずれかの基板保持部材24に水平に保持させる。これにより、図7(b)に示すように、薬液が基板Wの上面周縁部で保持された状態で当該基板Wが基板保持部材24に水平に保持される。基板保持部材24に保持された基板Wは、反応ユニット7bで所定時間保持される。この所定時間の間に、基板Wと薬液との反応が進行し、基板Wの上面周縁部がエッチングされていく。したがって、基板Wの上面周縁部に異物が付着している場合には、基板Wの一部と共に異物が基板Wから剥がれる(リフトオフ)、もしくは薬液が異物を溶解することにより基板Wから除去される。制御装置4は、反応ユニット7bで基板Wを保持させている間、ヒータ26によって、基板W上に保持された薬液と基板Wとを加熱させてもよい。薬液の活性が、温度上昇に伴って高まる場合には、薬液および基板Wを加熱することにより、薬液による基板Wの処理時間を短縮することができる。異物の種類、付着の程度により種々変更されるが通常の処理時間は3分〜12時間で、好ましくは10分〜2時間であり、処理温度は15〜100℃で、好ましくは20〜60℃である。
【0046】
基板処理装置1による基板Wの処理が開始された初期の段階では、反応ユニット7bへの基板Wの搬入だけが行われる。そして、反応ユニット7bに搬入された基板Wの枚数が2以上の一定数に達すると、制御装置4は、反応ユニット7bでの滞在時間が所定時間に達した基板Wから順に複数枚の基板Wを搬出させる。すなわち、反応ユニット7bに搬入された基板Wの枚数が一定数に達すると、制御装置4は、一枚の基板WをセンターロボットCRによって反応ユニット7bに搬入させる搬入動作と、反応ユニット7bで所定時間保持された一枚の基板WをセンターロボットCRによって反応ユニット7bから搬出させる搬出動作とを交互に繰り返し実行させる。そして、制御装置4は、反応ユニット7bから搬出された基板WをセンターロボットCRによってリンスユニット7cに搬入させる。これにより、図7(c)に示すように、第3スピンチャック31上に基板Wが載置される。基板Wが第3スピンチャック31上に載置されるとき、制御装置4は、リンス液ノズル32を待機位置に位置させている。
【0047】
次に、図7(c)に示すように、リンス液(たとえば、純水)を基板Wに供給して、基板Wの上面周縁部に保持されている薬液を洗い流すリンス処理が行われる。具体的には、制御装置4は、スピンモータ14を制御することにより、第3スピンチャック31による基板Wの回転を開始させる。そして、制御装置4は、リンス液バルブ34を開いて、第3スピンチャック31によって基板Wを回転させながら、リンス液ノズル32から基板Wの上面中央部に向けてリンス液を吐出させる。リンス液ノズル32から吐出されたリンス液は、基板Wの上面中央部に供給され、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に沿って外方に広がる。これにより、基板Wの上面全域にリンス液が供給され、基板Wの上面周縁部に保持されている薬液が洗い流される。さらに、基板Wと薬液との反応によって基板Wの一部と共に基板Wの上面周縁部から剥がれた異物、もしくは薬液によって溶解した異物が、リンス液によって洗い流される。これにより、基板Wから異物が除去され、基板Wが洗浄される。そして、リンス液バルブ34が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置4は、リンス液バルブ34を閉じてリンス液ノズル32からのリンス液の吐出を停止させる。
【0048】
次に、図7(d)に示すように、基板Wを乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる。具体的には、制御装置4は、スピンモータ14を制御することにより、基板Wを高回転速度(たとえば数千rpm)で回転させる。これにより、基板Wに付着しているリンス液に大きな遠心力が作用し、当該リンス液が基板Wの周囲に振り切られる。このようにして、基板Wからリンス液が除去され、基板Wが乾燥する。乾燥処理が所定時間にわたって行われた後は、制御装置4は、スピンモータ14を制御することにより、第3スピンチャック31による基板Wの回転を停止させる。その後、制御装置4は、第3スピンチャック31に保持された基板WをセンターロボットCRによってリンスユニット7cから搬出させる。
【0049】
リンスユニット7cから基板Wが搬出された後は、制御装置4は、リンスユニット7cから搬出された基板WをセンターロボットCRからインデクサロボットIRに移動させる。その後、制御装置4は、インデクサロボットIRに渡された基板WをインデクサロボットIRによってキャリアCに搬入させる。これにより、基板処理装置1での一連の処理が終了する。制御装置4は、このような動作を繰り返し実行させ、複数枚の基板Wを一枚ずつ処理させる。
【0050】
以上のように第1実施形態では、エッチング成分と増粘剤とを含む薬液が、第1スピンチャック8によって薬液供給ユニット7a(第1チャンバ12)で保持された基板Wに供給される。その後、薬液が基板Wに保持された状態で、当該基板Wが、センターロボットCRによって薬液供給ユニット7aから反応ユニット7b(第2チャンバ25)に搬送される。そして、このような動作が繰り返し行われ、薬液が保持された複数枚の基板Wが、反応ユニット7bに搬入される。反応ユニット7bに搬入された複数枚の基板Wは、薬液を保持した状態で複数の基板保持部材24に保持される。そして、反応ユニット7bでの滞在時間が所定時間に達したものから順に、複数の基板保持部材24に保持された複数枚の基板Wが反応ユニット7bから搬出される。このようにして、基板Wの処理が滞りなく行われる。
【0051】
基板Wに供給される薬液の粘度は、増粘剤の添加によって増加している。すなわち、増粘剤の添加によって薬液の流動性が低下している。したがって、基板Wに薬液を供給し続けなくても、薬液によって基板Wが覆われた状態が維持される。これにより、薬液の消費量を低減することができる。また、薬液の消費量を低減することにより、薬液の廃液量も低減することができる。さらに、エッチング成分が薬液に含まれているから、パーティクルなどの基板Wに付着している異物を基板Wの一部と共に基板Wから剥離させたり、薬液によって異物を溶解することができる。これにより、基板Wから異物を確実に除去することができる。さらに、薬液の粘度が増加しているから、薬液を基板Wに保持させた状態で当該基板Wを搬送することができる。
【0052】
前述のように、薬液供給ユニット7aで薬液が供給された基板Wは、薬液を保持した状態で、薬液供給ユニット7aから反応ユニット7bに搬送され、さらに、薬液を保持した状態で、反応ユニット7bで所定時間保持される。したがって、基板Wと薬液とが反応する時間が十分に確保されている。さらに、基板Wと薬液との反応が薬液供給ユニット7aの外でも行われるから、基板Wと薬液との反応を進行させている間に、薬液供給ユニット7aで後続の基板Wに薬液を供給することができる。これにより、スループット(単位時間当たりの基板Wの処理枚数)の減少を抑制または防止できる。
【0053】
また第1実施形態では、反応ユニット7bで所定時間保持された基板Wが、センターロボットCRによって反応ユニット7bからリンスユニット7cに搬送される。すなわち、反応ユニット7bで薬液と十分に反応した基板Wが、リンスユニット7cに搬入される。そして、第3スピンチャック31によってリンスユニット7cで保持された基板Wに、リンス液が供給される。これにより、基板Wに保持された薬液がリンス液によって洗い流される。このように、薬液の供給、基板Wと薬液との反応、および薬液の除去が別々のチャンバで実施されるから、各チャンバ12、25、33内の構成が複雑化することを抑制または防止することができる。
【0054】
また第1実施形態では、基板Wの上面に対して薬液が部分的に供給される。具体的には、基板Wの上面周縁部に薬液が供給される。したがって、基板Wの上面全域に薬液が供給される場合に比べて、薬液の消費量を低減することができる。さらに、薬液が供給される範囲が予め定められているから、薬液の供給位置を基板W毎に変更しなくてもよい。また、予め定められた範囲以外には薬液が供給されないから、薬液の供給が必要でない範囲に薬液によるダメージが加わることを抑制または防止することができる。さらに、薬液が高い粘性を有しているから、薬液が基板Wに供給されたときに生じる薬液の跳ね返りが抑制される。これにより、所望の範囲以外への薬液の供給が確実に抑制または防止できる。
【0055】
次に、この発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、基板Wに付着している異物の位置を測定する異物測定ユニット40が、基板処理装置201に設けられていることである。さらに、第1実施形態では、予め定められた範囲(基板Wの上面周縁部)に薬液が供給されるのに対し、第2実施形態では、基板W毎に設定された範囲(異物が含まれる範囲)に薬液が供給される。以下の図8〜図10において、前述の図1〜図7に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0056】
図8は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置201のレイアウトを示す図解的な平面図である。図9は、この発明の第2実施形態に係る異物測定ユニット40の概略構成を示す側面模式図である。
第2実施形態に係る基板処理装置201は、第1実施形態に係る基板処理装置1に備えられた構成に加えて、基板Wに付着している異物の位置を測定する異物測定ユニット40を備えている。図8に示すように、第2実施形態では、異物測定ユニット40は、インデクサロボットIRがアクセス可能な位置に配置されている。インデクサロボットIRは、異物測定ユニット40に基板Wを搬入する搬入動作、および基板Wを異物測定ユニット40から搬出する搬出動作を行う。さらに、インデクサロボットIRは、キャリア保持部5に保持されたキャリアCと異物測定ユニット40との間で基板Wを搬送すると共に、異物測定ユニット40とセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。
【0057】
図9に示すように、異物測定ユニット40は、基板Wを水平に保持して回転させる第4スピンチャック41と、異物の有無および異物の位置を測定する異物測定装置42(異物測定手段)と、第4スピンチャック41を収容する第4チャンバ43(測定室)とを備えている。
第4スピンチャック41は、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに回転可能な円盤状のスピンベース13と、このスピンベース13を鉛直軸線まわりに回転させるスピンモータ14とを含む。第4スピンチャック41は、挟持式のチャックであってもよいし、バキューム式のチャックであってもよい。第2実施形態では、第4スピンチャック41は、挟持式のチャックである。
【0058】
異物測定装置42は、基板Wの上面に異物が有るか否かを測定すると共に、基板Wに対する異物の位置を測定する。異物測定装置42としては、たとえば、パーティクルカウンタ、全反射蛍光X線分析装置(TRXRF)、エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy Dispersive X−ray spectrometer)、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)、および画像認識異物検査装置の少なくとも一つを含む装置が挙げられる。第2実施形態では、異物測定装置42は、レーザー光によって異物の有無および異物の位置を検出する装置である。
【0059】
異物測定装置42は、レーザー光を発する照射ヘッド44と、照射ヘッド44を移動させるヘッド移動機構45とを含む。照射ヘッド44は、第4チャンバ43内に配置されている。ヘッド移動機構45は、照射ヘッド44からのレーザー光が基板Wの上面の中心と基板Wの上面の外周端との間で移動するように照射ヘッド44を移動させる。制御装置4は、スピンモータ14および異物測定装置42を制御することにより、第4スピンチャック41によって基板Wを回転させながら、照射ヘッド44からのレーザー光が基板Wの上面の中心と基板Wの上面の外周端との間で移動するように照射ヘッド44を移動させる。これにより、基板Wの上面全域がレーザー光によって走査(スキャン)され、照射ヘッド44からのレーザー光が、基板Wの上面全域に照射される。
【0060】
異物測定装置42は、レーザー光を基板Wの上面に照射することにより、基板W上での異物の有無を検出する。また、異物測定装置42は、ヘッド移動機構45による照射ヘッド44の移動量と基板Wの回転角度とから検出された異物の位置を測定する。具体的には、異物測定装置42は、ヘッド移動機構45による照射ヘッド44の移動量に基づいて、基板Wの上面の中心から異物までの距離を測定する。また、異物測定装置42は、基板Wの周縁部に設けられたノッチやオリフラを基準とする基板Wの回転角度(角度情報)を制御装置4から取得する。異物測定装置42は、基板Wの上面の中心から異物までの距離と基板Wの回転角度とから異物の位置を測定する。そして、異物測定装置42は、異物の位置を位置情報として制御装置4に出力する。
【0061】
制御装置4は、薬液供給ユニット7aにおいて基板Wに薬液を供給させるときに、異物測定装置42から取得した位置情報に基づいてノズル移動機構17(図2参照)を制御し、異物が含まれる範囲に薬液を供給させる。すなわち、制御装置4は、第1実施形態のように予め定められた範囲(基板Wの上面周縁部)に薬液を供給させるのではなく、基板W毎に設定された範囲(異物が含まれる範囲)に薬液を供給させる。したがって、第2実施形態における薬液ノズル9(図2参照)の処理位置は、一定の位置ではなく、薬液ノズル9から吐出された薬液が基板Wの上面のいずれかの位置に供給される一定の範囲である。
【0062】
第4チャンバ43は、第4開口46が形成された第4隔壁47と、この第4開口46を覆う第4ゲートシャッタ48とを含む。第4ゲートシャッタ48は、第4隔壁47の外に配置されている。第4ゲートシャッタ48には、第4ゲート開閉機構49が結合されている。第4ゲート開閉機構49は、第4ゲートシャッタ48が第4開口46を密閉する閉鎖位置と、第4開口46が開放される開放位置との間で、第4ゲートシャッタ48を移動させる。第4チャンバ43に基板Wが搬入されるときや、第4チャンバ43から基板Wが搬出されるときには、第4ゲートシャッタ48が予め開放位置に配置される。そして、第4開口46が開放された状態で、第4チャンバ43への基板Wの搬入および第4チャンバ43からの基板Wの搬出が行われる。その後、第4ゲートシャッタ48が閉鎖位置に配置され、第4開口46が第4ゲートシャッタ48によって密閉される。
【0063】
図10は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置201によって行われる基板Wの処理の一例を説明するための図である。以下では、図8および図10を参照する。
制御装置4は、キャリアCに収容された未処理の基板WをインデクサロボットIRによって搬出させる。そして、制御装置4は、キャリアCから搬出された基板WをインデクサロボットIRによって異物測定ユニット40に搬入させる。これにより、第4スピンチャック41上に基板Wが載置される。基板Wが第4スピンチャック41上に載置されるとき、制御装置4は、照射ヘッド44を第4スピンチャック41の上方から退避させている。
【0064】
図10(a)に示すように、異物測定ユニット40では、前述のように、制御装置4が、第4スピンチャック41によって基板Wを回転させながら、異物測定装置42によって基板Wにレーザー光を照射させる(異物測定処理)。これにより、基板W上の異物の位置が測定され、異物の位置情報が、異物測定装置42から制御装置4に出力される。そして、異物の位置が測定された後、制御装置4が、インデクサロボットIRによって異物測定ユニット40から基板Wを搬出させる。そして、異物測定ユニット40から搬出された基板Wは、インデクサロボットIRからセンターロボットCRに渡される。センターロボットCRは、インデクサロボットIRから受け取った基板Wを薬液供給ユニット7aに搬入する。
【0065】
図10(b)に示すように、薬液供給ユニット7aでは、薬液ノズル9から吐出された薬液が、基板Wの上面の一部(異物が含まれる範囲)に供給される(薬液供給処理)。薬液が高い粘性を有しているので、薬液ノズル9から基板Wに供給された薬液は、供給された位置から殆ど移動せず、その場に留まる。したがって、基板Wの上面の一部に薬液が保持された状態が維持される。基板Wの上面の一部(異物が含まれる範囲)は、薬液との接触によりエッチングされていく。そして、薬液が基板Wに供給された後は、薬液供給ユニット7a内に配置された基板Wが、センターロボットCRによって薬液供給ユニット7aから搬出される。さらに、薬液供給ユニット7aから搬出された基板Wは、センターロボットCRによって、反応ユニット7bに搬入される。
【0066】
図10(c)に示すように、反応ユニット7bでは、第1実施形態と同様に、複数枚の基板Wが搬入された後、一枚の基板Wを反応ユニット7bに搬入する搬入動作と、反応ユニット7bから一枚の基板Wを搬出する搬出動作とが、交互に繰り返し実行される。基板保持部材24によって保持された基板Wが、反応ユニット7bで所定時間保持されることにより、基板Wと薬液との反応が進行し、基板Wの上面の一部(異物が含まれる範囲)がエッチングされていく(反応処理)。これにより、基板Wの上面の一部と共に異物が基板Wから剥がれる、もしくは薬液が異物を溶解する。反応ユニット7bで所定時間保持された基板Wは、センターロボットCRによって反応ユニット7bから搬出される。その後、反応ユニット7bから搬出された基板Wは、センターロボットCRによって、リンスユニット7c内に搬入される。
【0067】
図10(d)に示すように、リンスユニット7cでは、第1実施形態と同様に、リンス液ノズル32から第3スピンチャック31に保持された基板Wの上面中央部に向けてリンス液が吐出される。これにより、基板Wの上面全域にリンス液が供給され、基板Wの上面に保持されている薬液が洗い流される(リンス処理)。さらに、基板Wと薬液との反応によって、基板Wの一部と共に基板Wの上面から剥がれた異物、もしくは薬液によって溶解した異物が、リンス液によって洗い流される。これにより、基板Wから異物が除去され、基板Wが洗浄される。そして、図10(d)に示すように、基板Wの高速回転によって基板Wに付着しているリンス液が基板Wから除去され、基板Wが乾燥する(乾燥処理)。
【0068】
リンスユニット7cにおいて乾燥処理が行われた後は、センターロボットCRによってリンスユニット7cから基板Wが搬出される。そして、リンスユニット7cから搬出された基板Wは、センターロボットCRからインデクサロボットIRに渡される。インデクサロボットIRは、センターロボットCRから受け取った処理済みの基板Wをキャリア保持部5に保持されたキャリアCに搬入する。これにより、基板処理装置201での一連の処理が終了する。制御装置4は、このような動作を繰り返し実行させ、複数枚の基板Wを一枚ずつ処理させる。
【0069】
以上のように第2実施形態では、基板Wに付着している異物の位置が、異物測定装置42によって測定され、異物が含まれる範囲に薬液が供給される。したがって、異物が含まれる範囲に薬液が確実に供給され、基板Wに付着している異物が確実に除去される。さらに、異物が含まれる範囲にだけ薬液が供給されるから、薬液の供給が必要でない範囲に薬液によるダメージが加わることを抑制または防止することができる。
【0070】
また第2実施形態では、異物測定装置42による異物の測定が、第4チャンバ43で行われる。すなわち、異物測定装置42による異物の測定が、第1チャンバ12、第2チャンバ25、および第3チャンバ33とは異なる場所で行われる。したがって、各チャンバ12、25、33、43内の構成が複雑化することを抑制または防止できる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1および第2実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0071】
たとえば、前述の第1および第2実施形態では、薬液供給ユニット7aが、1つの薬液ノズル9を備えている場合について説明したが、薬液供給ユニット7aは、複数の薬液ノズル9を備えていてもよい。
また、前述の第1および第2実施形態では、薬液供給ユニット7aが、近接部材10を備えている場合について説明したが、薬液供給ユニット7aは、近接部材10を備えていなくてもよい。
【0072】
また、前述の第1および第2実施形態では、基板Wの上面に対して薬液が部分的に供給される場合について説明したが、基板Wの上面全域に薬液が供給されてもよい。さらに、基板Wの上面だけに限らず、基板Wの周端面および/または基板Wの下面に薬液が供給されてもよい。
また、前述の第1および第2実施形態では、基板Wに薬液を供給することによって、パーティクルなどの基板Wに付着している異物を基板Wから除去しているが、異物除去以外の処理であってもよく、基板Wの表面に形成されている薄膜を薬液により除去するエッチング処理であってもよい。
【0073】
また、前述の第2実施形態では、異物測定ユニット40が、インデクサロボットIRがアクセス可能な位置に配置されている場合について説明したが、異物測定ユニット40は、センターロボットCRがアクセス可能な位置に配置されていてもよい。具体的には、複数の処理ユニット7のうちの少なくとも1つの処理ユニット7が、異物測定ユニット40
であってもよい。
【0074】
また、前述の第2実施形態では、異物測定装置42が、異物測定ユニット40(第4チャンバ43)で異物の位置を測定する場合について説明したが、異物測定装置42は、薬液供給ユニット7a(第1チャンバ12)で異物の位置を測定するように構成されていてもよい。すなわち、異物測定ユニット40が設けられておらず、薬液供給ユニット7aが、異物測定装置42をさらに備えていてもよい。この場合、キャリアCから異物測定ユニット40、および異物測定ユニット40から薬液供給ユニット7aに基板Wを搬送しなくてもよいので、基板Wの搬送時間を短縮することができる。これにより、スループットを増加させることができる。
【0075】
また、前述の第1および第2実施形態では、基板処理装置1、201が、半導体ウエハなどの円形の基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1、201は、液晶表示装置用ガラス基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 基板処理装置
8 第1スピンチャック(第1基板保持手段)
9 薬液ノズル(薬液供給手段)
12 第1チャンバ(第1処理室)
24 基板保持部材(第2基板保持手段)
25 第2チャンバ(第2処理室)
31 第3スピンチャック(第3基板保持手段)
32 リンス液ノズル(リンス液供給手段)
33 第3チャンバ(第3処理室)
42 異物測定装置(異物測定手段)
43 第4チャンバ(測定室)
201 基板処理装置
CR センターロボット(基板搬送手段)
IR インデクサロボット(基板搬送手段)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理室および第2処理室と、
前記第1処理室で基板を保持する第1基板保持手段と、
エッチング成分と増粘剤とを含む薬液を、前記第1基板保持手段に保持された基板に供給する薬液供給手段と、
前記薬液が前記基板に保持された状態で当該基板を前記第1処理室から前記第2処理室に搬送する基板搬送手段と、
前記薬液が保持された複数枚の基板を前記第2処理室で保持する第2基板保持手段と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
さらに第3処理室と、
前記第3処理室で基板を保持する第3基板保持手段と、
前記第3基板保持手段に保持された基板にリンス液を供給するリンス液供給手段と、を含み、
前記基板搬送手段は、前記第2処理室から前記第3処理室に基板を搬送するように構成されている、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記薬液供給手段は、前記第1基板保持手段に保持された基板の主面に対して前記薬液を部分的に供給するように構成されている、請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
さらに基板の主面に付着している異物の位置を測定する異物測定手段を含み、
前記薬液供給手段は、前記主面において異物が含まれる範囲に前記薬液を供給するように構成されている、請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
さらに前記異物測定手段によって基板に付着している異物の位置が測定される測定室を含み、
前記基板搬送手段は、前記測定室から前記第1処理室に基板を搬送するように構成されている、請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記薬液供給手段は、前記主面の予め定められた範囲に前記薬液を供給するように構成されている、請求項3記載の基板処理装置。
【請求項7】
エッチング成分と増粘剤とを含む薬液を基板に供給して、当該薬液を前記基板に保持させる薬液供給工程と、
前記薬液供給工程が行われた後に、前記薬液が前記基板に保持された状態で当該基板を搬送する搬送工程と、
前記搬送工程が行われた後に、前記薬液が保持された基板と前記薬液との反応を進行させる反応処理工程と、を含む、基板処理方法。
【請求項8】
前記エッチング成分はフッ化水素酸と過酸化水素の混合物、または水酸化アンモニウムと過酸化水素の混合物であり、前記増粘剤はメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリビニルアルコールから選択される1種以上である請求項7記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−186304(P2012−186304A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48113(P2011−48113)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】