説明

基板処理装置および基板搬送方法

【課題】搬送レシピ設定を簡略化することができ、最適な搬送ルートで被処理基板を搬送することができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】フープに対するウエハの搬入出を行う搬入出用搬送機構を有する搬入出部と、ウエハに対して所定の処理を行う複数の処理ユニットを有し、これら処理ユニットに対するウエハの搬送を行う主搬送機構を有する処理部と、搬入出部と処理部との間でウエハの受け渡しを行う複数の受け渡しユニットと、搬入出用搬送機構および主搬送機構によるウエハの搬送フローを制御する搬送フロー制御部と、搬入用および搬出用のフープの選択ならびに使用する処理ユニットの選択を行う選択部と、選択部で選択された搬入用および搬出用のフープならびに処理ユニットに応じて、使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、ウエハの搬送ルートを自動的に生成する搬送レシピ作成部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を収納する収納容器から複数の処理ユニットのいずれかに対して基板を搬送し、基板に対して所定の処理を行う基板処理装置およびそのような基板処理装置における基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハやガラス基板に対して、パーティクルやコンタミネーションを除去する洗浄処理や、レジスト塗布・現像処理等が行われている。
【0003】
このような処理を行う基板処理装置は、所定の処理を行う複数の処理ユニットが集積して構成されており、収納容器に収納された複数の被処理基板を搬送装置を用いて順次各処理ユニットに搬送して処理を行い、各処理ユニットで処理された後の被処理基板を収納容器に収納するという動作が行われる。
【0004】
この種の基板処理装置は非常に高速で処理を行うことが要求されるため、基板を収納する収納容器が載置される搬入出部と、所定の処理を行う処理ユニットが複数集積して構成された処理部と、搬入出部と処理部との間に多数積層して設けられた、被処理基板を受け渡すための複数の受け渡しユニットと、被処理基板を搬送する搬送機構を設けたものが用いられ、収納容器から順次取り出された被処理基板を搬送装置によりいずれかの受け渡しユニットに搬送し、この受け渡しユニットから搬送機構により各処理ユニットに搬送し、処理後は被処理基板を処理ユニットからいずれかの受け渡しユニットを経て収納容器に収容することが行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−110609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような複数の処理ユニットと複数の受け渡しユニットを有する処理装置では、収納容器から複数の受け渡しユニットのうちいずれかを介して複数の処理ユニットのうちのいずれかに搬送して処理を行い、また、複数の処理を行う場合には、さらに別の処理ユニットへ搬送して別の処理を行い、処理後の被処理基板をいずれかの受け渡しユニットを介して収納容器に搬送する必要がある。ここで、用いる収納容器、処理ユニット、受け渡しユニットには処理のパターンに応じて種々の組み合わせが存在するため、被処理基板の搬送ルートを規定する搬送レシピは、オペレータが、使用するモジュール、つまり収納容器、受け渡しユニット、処理ユニットを全て指定することにより作成している。
【0007】
ところで、近時、この種の基板処理装置においては、処理のスループットに対する要求が益々厳しくなっており、それに対応すべく処理ユニットや受け渡しユニットの数が増加しているため、搬送レシピ作成の都度、使用するモジュールを全て指定することは煩雑であるとともに、モジュールの指定の内容によって、受け渡しユニットの使い方に制限が発生するため、レシピ作成時に指定が正しいかを検証し、正しくない場合には再作成する必要があり、手間がかかる。また、指定が正しく、搬送が可能であるとしても、それがスループットを考慮した場合に最適な受け渡しユニットを選択しているかどうかを把握することは困難である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、搬送レシピ設定を簡略化することができ、最適な搬送ルートで被処理基板を搬送することができる基板処理装置およびそのような基板処理装置における基板搬送方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る基板処理装置は、被処理基板を収納する収納容器が載置される載置台を有する搬入出部と、被処理基板に対して所定の処理を行う複数の処理ユニットを有する処理部と、前記搬入出部と前記処理部との間で、被処理基板の受け渡しを行う複数の受け渡しユニットと、被処理基板搬入用の収納容器および被処理基板搬出用の収納容器の選択、ならびに使用する基板を処理する処理ユニットの選択を受け付ける選択部と、前記選択部で選択が受け付けられた被処理基板搬入用の収納容器および被処理基板搬出用の収納容器ならびに処理ユニットに応じて、複数の受け渡しユニットから使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成する搬送レシピ作成部とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る基板搬送方法は、被処理基板を収納する収納容器から被処理基板を搬出した後、被処理基板の受け渡しを行う複数の受け渡しユニットのいずれかを介して、被処理基板に対して所定の処理を行う複数の処理ユニットのいずれかに搬送して、被処理基板に所定の処理を行う基板処理装置における基板搬送方法であって、収納容器および使用する処理ユニットを選択し、選択された収納容器および処理ユニットに応じて、使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成し、前記作成した搬送レシピに基づいて被処理基板の搬送を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬入用の収納容器および搬出用の収納容器の選択、ならびに使用する処理ユニットの選択を行い、選択された搬入用の収納容器および搬出用の収納容器ならびに処理ユニットに応じて、使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成するので、搬送レシピ設定を簡略化することができ、最適なスループットが得られる搬送ルートでウエハWを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構造を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構造を示す縦断側面図である。
【図3】図1の基板処理装置における処理ブロックの内部を示す図である。
【図4】処理ブロックを搬入出ブロックの反対側から見た図である。
【図5】処理ブロックの積層タワーおよび受け渡し用搬送機構を搬入出ブロック側から見た図である。
【図6】図1の基板処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】操作部における搬送レシピ編集画面のメイン画面を示す図である。
【図8】図7の搬送レシピ編集画面から表示されたモジュール選択画面を示す図である。
【図9】搬送レシピ生成部で生成された搬送レシピの例を示す図である。
【図10】搬送アームアクセステーブルを示す図である。
【図11】搬送レシピ生成部で生成された搬送レシピが表示された表示画面を示す図である。
【図12】図11の搬送レシピ表示画面の受け渡しユニットが展開された画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。本実施形態では、本発明に係る基板処理装置を、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)の表面および裏面のスクラブ洗浄を行う装置に適用した例について説明する。なお、ウエハの表面はデバイス形成面であり、裏面はその反対側の面である。
【0014】
図1は本実施形態に係る基板処理装置の概略構造を示す平面図であり、図2はその縦断側面図、図3は図1の基板処理装置における処理ブロックの内部を示す図、図4は処理ブロックを搬入出ブロックの反対側から見た図、図5は処理ブロックの積層タワーおよび受け渡し用搬送機構を搬入出ブロック側から見た図である。これらに示すように、基板処理装置100は、被処理基板であるウエハWが密閉状態で所定枚数(例えば25枚)収納される収納容器(カセット)であるフープ(FOUP;Front
Opening Unified Pod)Fを載置し、ウエハWの搬入出するための搬入出ブロック1と、ウエハWに対してスクラブ洗浄処理を行うための処理ブロック2と、基板処理装置100の各構成部を制御するための制御部5とを有している。
【0015】
搬入出ブロック1は、フープFを複数個載置可能な載置台11と、この載置台11から見て前方の壁面に設けられる開閉部12と、開閉部12を介してフープFに対するウエハWの搬入出および処理ブロック2の後述する所定の受け渡しユニットに対するウエハWの搬入出を行う搬入出用搬送機構10とを有している。
【0016】
処理ブロック2は、ウエハWに対してスクラブ洗浄を行う洗浄処理部3と、洗浄処理前または洗浄処理後のウエハWの受け渡し、およびウエハWの反転を行う受け渡し/反転部4とを有している。
【0017】
洗浄処理部3は、下段部3aおよび上段部3bの上下2段の処理部を有しており、下段部3aはウエハWに対してスクラブ洗浄を行う4つのスクラブ洗浄ユニット(SCR)31〜34と、ウエハWを搬送する主ウエハ搬送機構30とを有しており、主ウエハ搬送機構30を挟んで一方側(手前側)に下から順にスクラブ洗浄ユニット(SCR)31、32が積層された状態で設けられており、反対側(奥側)に下から順にスクラブ洗浄ユニット(SCR)33、34が積層された状態で設けられている。また、上段部3bはウエハWに対してスクラブ洗浄を行う4つのスクラブ洗浄ユニット(SCR)41〜44と、ウエハWを搬送する主ウエハ搬送機構40とを有しており、主ウエハ搬送機構40を挟んで一方側(手前側)に下から順にスクラブ洗浄ユニット(SCR)41、42が積層された状態で設けられており、反対側(奥側)に下から順にスクラブ洗浄ユニット(SCR)43、44が積層された状態で設けられている。
【0018】
受け渡し/反転部4は、複数の受け渡しユニット(TRS)とウエハWを反転する反転ユニット(RVS)とが積層された積層タワー21と、積層タワー21の特定の受け渡しユニット間でウエハWの搬送を行う受け渡し用搬送機構20とを有している。
【0019】
積層タワー21は、洗浄処理部3の下段部3aに対応する下部21aと上段部3bに対応する上部21bを有している。下部21aは、下から順に反転ユニット(RVS)35、6つの受け渡しユニット(TRS)211,212,213,214,215,216、反転ユニット(RVS)36が積層されている。また上部21bは、下から順に反転ユニット(RVS)45、4つの受け渡しユニット(TRS)221,222,223,224、反転ユニット(RVS)46が積層されている。
【0020】
下部21aの6つの受け渡しユニット(TRS)211〜216のうち、3つの受け渡しユニット(TRS)211,213,215は、洗浄処理部3の下段部3aでの処理に対応したものであり、受け渡しユニット(TRS)212,214は、例えば、上部21bの受け渡しユニット(TRS)221,222へウエハWを受け渡すために用いられる。また、受け渡しユニット(TRS)216は、受け渡しユニット(TRS)223,224からウエハWを受け取るために用いられる。受け渡しユニット(TRS)221,222,223,224は、洗浄処理部3の上段部3bでの処理に対応したものである。そして、例えば、受け渡しユニット(TRS)211,212,213,214,221,222がウエハWの搬入専用に用いられ、受け渡しユニット(TRS)215,216,223,224がウエハWの搬出専用に用いられる。
【0021】
上記搬入出用搬送機構10は、2枚の搬送アーム10a,10bを有しており、これら搬送アーム10a,10bは一体的に、進退移動、昇降移動、鉛直軸回りの回転、およびフープFの配列方向への移動が可能となっている。そして、この搬入出用搬送機構10により、フープFと下部21aの受け渡しユニット(TRS)211〜216との間でウエハWの授受が可能となっている。このとき、2つの搬送アーム10a,10bによりウエハW2枚を同時に搬送可能となっている。
【0022】
上記主搬送機構30は、搬送アーム30aを有しており、搬送アーム30aは、進退移動、昇降移動、鉛直軸回りの回転が可能となっている。主搬送機構30は、この搬送アーム30aにより、受け渡しユニット(TRS)211,212,213,214,215,216、スクラブ洗浄ユニット(SCR)31〜34、反転ユニット(RVS)35,36にアクセス可能となっており、これらの間でウエハWを授受することが可能となっている。
【0023】
上記主搬送機構40は、搬送アーム40aを有しており、この搬送アーム40aは、進退移動、昇降移動、鉛直軸回りの回転が可能となっている。主搬送装置40は、この搬送アーム40aにより、受け渡しユニット(TRS)221,222,223,224、スクラブ洗浄ユニット(SCR)41〜44、反転ユニット(RVS)45,46にアクセス可能となっており、これらの間でウエハWが授受される。
【0024】
上記受け渡し用搬送機構20は、搬送アーム20aを有しており、この搬送アーム20aは進退移動、昇降移動が可能となっている。受け渡し用搬送機構20は、この搬送アーム20aにより、下部21aの受け渡しユニット(TRS)211,212,213,214,215,216と、上部21bの受け渡しユニット(TRS)221,222,223,224との間でウエハWの授受が可能となっている。図5では、受け渡し用搬送機構20を、下部21aの受け渡しユニット(TRS)213,214と上部21bの受け渡しユニット(TRS)221,222,223,224との間でのウエハWの授受を行うために用いる例を示している。
【0025】
上記スクラブ洗浄ユニット(SCR)31〜34,41〜44は、カップ内にウエハWを水平に保持し、ウエハWを回転させた状態で、洗浄液を供給しながらウエハWの上面をブラシ洗浄するものである。
【0026】
上記反転ユニット(RVS)35,36,45,46は、ウエハWを保持し、垂直方向に180°回転させてウエハWの表裏を反転させる反転機構を有している。反転機構によりウエハWを反転させることによって、スクラブ洗浄ユニット(SCR)31〜34,41〜44において、ウエハWの表面および裏面の任意の面のスクラブ洗浄が可能となっている。
【0027】
上記制御部5は、図6に示すように、洗浄処理装置1におけるウエハの搬送および各ユニットでの処理を制御するものであり、上位の制御部である主制御部50と、各搬送機構および各ユニットを制御する下位の制御部である副制御部60とを有している。主制御部50は、マイクロプロセッサ(MPU)を備えた演算部51と、操作部52と、処理に必要な情報を記憶する記憶部53とを有している。
【0028】
操作部52と記憶部53とは演算部51に接続されている。操作部52は、例えばタッチパネル方式のディスプレイからなっており、処理に必要な所定の操作を行うようになっている。記憶部53は、一時的に情報の読み出しおよび書き込みを行う機能と、基板処理装置100で実行される各種処理を行うために必要な制御プログラムや、基板処理装置100の各構成部に所定の処理を実行させるためのレシピを記憶する機能を有している。レシピ等の制御プログラムは記憶部53の中の記憶媒体に記憶されている。
【0029】
制御部5は、このように基板処理装置100の全体を制御するものであるが、本実施形態では、受け渡しユニット(TRS)を自動的に選択し、搬送レシピを自動的に作成することに特徴があり、以下その点を中心として詳細に説明する。
【0030】
主制御部50の演算部51は、ウエハの搬送フローを一括して制御する搬送フロー制御部55と、ユニットでの処理を一括して制御するユニット制御部56と、使用する受け渡しユニット(TRS)を自動的に選択し、ウエハWの搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成する搬送レシピ作成部57とを有している。
【0031】
また、操作部52は、ウエハ搬入に用いるフープF、処理に用いるスクラブ洗浄ユニット(SCR)および反転ユニット(RVS)、ウエハ搬出に用いるフープFを選択する選択部58を有している。操作部52は複数の操作画面に切替可能であり、後述するように、その搬送レシピ編集画面上での操作により表示されたモジュール選択画面が選択部58として機能する。
【0032】
副制御部60は、搬入出用搬送機構10を制御する搬入出用搬送機構制御部61と、受け渡し用搬送機構20を制御する受け渡し用搬送機構制御部62と、主搬送機構30、40を制御する主搬送機構制御部63と、スクラブ洗浄ユニット31〜34、41〜44を個別的に制御するスクラブ洗浄ユニット制御部64と、反転ユニット35,36,45,46を個別的に制御する反転ユニット制御部65とを有している。そして、搬送フロー制御部55が、搬入出用搬送機構制御部61、受け渡し用搬送機構制御部62、および主搬送機構制御部63を制御し、ユニット制御部56が、スクラブ洗浄ユニット制御部64、および反転ユニット制御部65を制御するようになっている。
【0033】
上記主制御部50において、搬送レシピ作成部57は、操作部52の選択部58により、ウエハ搬入に用いるフープF、処理に用いるスクラブ洗浄ユニット(SCR)および反転ユニット(RVS)、ウエハ搬出に用いるフープFが選択されると、それに応じて使用する受け渡しユニット(TRS)を自動的に選択し、搬送機構による搬送ルートを自動生成し、搬送レシピを作成するものである。搬送レシピ作成部57で作成された搬送レシピは、記憶部53に記憶される。そして、搬送フロー制御部55は、搬送レシピ作成部57で作成された搬送レシピを記憶部53から呼び出し、その搬送レシピに基づいて、搬入出用搬送機構制御部61、受け渡し用搬送機構制御部62、および主搬送機構制御部63に制御指令を送り、搬入出用搬送機構10、受け渡し用搬送機構20、主搬送機構30および40の搬送動作を制御する。
【0034】
以下、搬送レシピ作成部57における搬送レシピの作成について、図7〜12に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明において、フープF、受け渡しユニット(TRS)、スクラブ洗浄ユニット(SCR)、反転ユニット(RVS)の一つひとつをモジュールと呼ぶ。また、4つのフープFのモジュール番号は1−1〜1−4であるが、画面上、1−*と表示する。さらに、画面においては、受け渡しユニットを「TRS」、スクラブ洗浄ユニットを「SCR」、反転ユニットを「RVS」、搬入出用搬送機構10を「CRA」、主搬送機構30,40を「PRA」、受け渡し用搬送機構20を「MPRA」と表示している。また、搬入出用搬送機構10、主搬送機構30,40、受け渡し用搬送機構20のモジュール番号は、1−0、3−0、4−0、2−0、受け渡しユニット(TRS)211〜216,221〜224のモジュール番号は、2−11〜2−16,2−21〜2−24、スクラブ洗浄ユニット(SCR)31〜34,41〜44のモジュール番号は、3−1〜3−4,4−1〜4−4、反転ユニット(RVS)35,36,45,46のモジュール番号は、3−5,3−6,4−5,4−6と表示している。さらに、搬入側のフープ(カセット)Fを「Start−CS」または「開始ステージ」または「FUST]、搬出側のフープ(カセット)Fを「End−CS」または「終了ステージ」または「FUST」と表示している。
【0035】
操作部52における搬送レシピ編集画面のメイン画面は図7に示すようになっており、この画面のレシピ作成ボタン60をタッチすることにより、図8に示すモジュール選択画面が表示され、これが選択部58として機能する。そして、このモジュール選択画面において、使用するStart−CSおよびEnd−CSの番号を入力するとともに、使用するモジュール番号のプロセスモジュール(SCRおよびRVS)をタッチして選択する。受け渡しユニット(TRS)および搬送機構(CRA、MPRA、PRA)は自動的に選択されるため選択することができない。
【0036】
搬送レシピ作成部57では、選択部58において選択されたフープF、および選択部58において選択されたプロセスモジュールに応じて、予めパラメータとして持っている装置構成設定に基づいて、使用するTRSを外部からの指定なしに自動的に選択し、搬送機構10,20,30,40による搬送ルートを自動生成する。このとき処理時間をシミュレートすることによって、スループットが最適となるTRSの自動選択および搬送ルートの自動生成を行うことができる。
【0037】
パラメータとしては、複数の受け渡しユニットの各々につけられた使用優先順位を挙げることができ、使用優先順位の早いものから自動的に選択されるようにするようにすることができる。次の使用順位の受け渡しユニットが使用中の場合には、使用可能なものの中で最も使用優先順位の早いものが自動選択されるようにすることができる。
【0038】
本実施形態では、処理前のウエハWの搬入用の受け渡しユニット(TRS)と処理後のウエハWの搬出用の受け渡しユニット(TRS)を決定し、割り当てられた番号の若い順より使用優先順位が早く(高く)なるように決定する。
【0039】
具体的には、例えば、受け渡しユニット(TRS)211,212,213,214を搬入用とし受け渡しユニット(TRS)215,216を搬出用とした場合に、以下のようにして受け渡しユニットの自動的選択、および搬送レシピの作成が行われる。なお、以下の説明において、CRAは搬入出用搬送機構10、TRSは受け渡しユニットである。また、下段部3aおよび上段部3bの表記は、そこでの主搬送機構30,40による搬送およびスクラブ洗浄ユニット等の処理ユニットでの処理を含んでいる。
【0040】
1枚目:TRS211→下段部3a→TRS215→CRA→容器
2枚目:TRS212→TRS221→上段部3b→TRS223→TRS216→CRA→容器
3枚目:TRS213→下段部3a→TRS215→CRA→容器
4枚目:TRS214→TRS222→上段部3b→TRS224→TRS216→CRA→容器
5枚目:TRS211→下段部3a→TRS215→CRA→容器
6枚目:TRS212→TRS221→上段部3b→TRS223→TRS216→CRA→容器
7枚目:TRS213→下段部3a→TRS215→CRA→容器
8枚目:TRS214→TRS222→上段部3b→TRS224→TRS216→CRA→容器
【0041】
搬入出用搬送機構10のウエハWの搬送が2枚同時でもよく、その場合は、最初に、受け渡しユニット(TRS)211,212に同時にウエハWを搬入する。この際に、受け渡しユニット(TRS)211から洗浄処理部3の下段部3aにウエハWが搬送され、受け渡しユニット(TRS)212から受け渡しユニット(TRS)221を介して上段部3bにウエハWが搬送される。処理後は、洗浄処理部3の下段部3aから受け渡しユニット(TRS)215にウエハWが搬送され、上段部3bから受け渡しユニット(TRS)223を介して受け渡しユニット(TRS)216にウエハWが搬送される。そして、搬入出搬送機構10により受け渡しユニット15、216からウエハWが2枚同時に搬出される。
【0042】
次に、受け渡しユニット(TRS)213、214に同時にウエハWを搬入する。この際には、受け渡しユニット(TRS)213から洗浄処理部3の下段部3aにウエハWが搬送され、受け渡しユニット(TRS)214から受け渡しユニット(TRS)222を介して上段部3bにウエハWが搬送される。処理後は、洗浄処理部3の下段部3aから受け渡しユニット(TRS)215にウエハWが搬送され、上段部3bから受け渡しユニット(TRS)224を介して受け渡しユニット(TRS)216にウエハWが搬送される。そして、搬入出搬送機構10により受け渡しユニット15、216からウエハWが2枚同時に搬出される。
【0043】
搬送レシピ作成部57において実際に作成した搬送レシピの例について図9を参照して説明する。ここでは、スループットを向上させるために搬入出用搬送機構10の2つの搬送アーム10a,10bにより一度に2枚のウエハを搬送する例を示す。搬送レシピはモジュール毎に番号がつけられており、その番号毎にステップ番号が通し番号で付されている。
【0044】
図9において、番号1は図8のモジュール選択画面から選択された開始ステージ(フープ番号)であり、番号2は搬入用の受け渡しユニット(TRS)であり、番号3〜6は図8のモジュール選択画面から選択されたプロセスモジュール(反転ユニット(RVS)およびスクラブ洗浄ユニット(SCR))であり、番号7は搬出用の受け渡しユニット(TRS)であり、番号8は図8のモジュール選択画面から選択された終了ステージ(フープ番号)である。これらのうち、番号1、8の搬入ステージおよび搬出ステージの選択、ならびに番号3〜6のプロセスモジュールの選択は、上述したように、オペレータの選択に基づいて行われ、番号2の搬入用の受け渡しユニット(TRS)および番号7の搬出用の受け渡しユニット(TRS)の選択、および搬送機構による全体的な搬送ルートの生成については、選択された搬入ステージおよび搬出ステージならびにプロセスモジュールに応じて自動的に行われる。
【0045】
なお、プロセスモジュールの選択はこの例に限るものではなく、例えば洗浄処理部3の下段部3aのプロセスモジュールのみを選択する場合、下段部3aおよび上段部3bの一部のプロセスモジュールのみを選択する場合、例えば、表面洗浄処理のみを行うため、反転ユニット(RVS)を選択しない場合や、スクラブ洗浄ユニット(SCR)の一部を選択する場合等、種々のケースが考えられ、本実施形態ではこのような種々のケースに応じて、受け渡しユニット(TRS)および搬送機構による搬送ルートを自動的に作成する。
【0046】
搬送レシピ作成部57における受け渡しユニット(TRS)の選択に際しては、予め記憶部53に記憶された図10に示す搬送アームアクセステーブルのアクセス制限フラグをキーとして、受け渡しユニット(TRS)を搬入用(搬入出ブロック1→処理ブロック2)と搬出用(処理ブロック2→搬入出ブロック1)に分類する。すなわち、搬送アームアクセステーブルのアクセス制限フラグは、空欄は未設定であり、アクセス制限が未設定の受け渡しユニット(TRS)を搬入用とし、アクセス制限が設定されている受け渡しユニット(TRS)を搬出用とする。したがって、図9の例では、受け渡しユニット(TRS)が全て有効な場合には、搬入用の受け渡しユニット(TRS)のモジュール番号は、2−11〜2−14、2−21、2−22であり、搬出用の受け渡しユニット(TRS)のモジュール番号は、2−15、2−16、2−23、2−24である。
【0047】
また、図10の搬送アームアクセステーブルは装置の設定パラメータの一つとして機能するものであり、選択部58によるプロセスモジュールの選択から、用いられる搬送機構(搬送アーム)を逆に求め、その搬送アームがアクセス可能な受け渡しユニット(TRS)を求めるとともに、最適なスループットとなる搬送ルートを求める。
【0048】
搬入用の受け渡しユニット(TRS)のレシピデータ(番号2)については、プロセスモジュール選択時に同時に作成される。図9の例では番号3の反転ユニット(RVS)の選択の際に同時に作成される。同一番号複数ステップ(番号2、ステップ2〜7)の受け渡しユニット(TRS)はモジュール番号でソートする(昇順)。また、ここでは、いくつかの受け渡しユニット(TRS)は、異なる搬送アーム、具体的にはMPRAがアクセスするが、このような場合でも同一番号に登録することが可能となっている。また、上段部3bのプロセスモジュールが未選択の場合には、MPRA経由の受け渡しユニット(TRS)である2−21と2−22は選択対象外とされる。
【0049】
下段部3aおよび上段部3bのプロセスモジュールが選択された場合には、スループットを高める観点から、下段部3aの搬入用の受け渡しユニット(TRS)として用いられる2−11,2−13と、上段部3bの搬入用の受け渡しユニット(TRS)として用いられる2−21,2−22とに対して、交互にウエハWを搬送するように制御される。
【0050】
なお、ウエハの洗浄処理は複数のフープFについて連続的に行われるが、例えば、一つのフープの最後のウエハの洗浄処理が下段部3aで行われ、次のフープの最初のウエハが下段部3aに搬入された場合には、対応に時間がかかってスループットが低下するおそれがある。そのため、一つのフープの最後のウエハと次のフープの最初のウエハとが異なる処理部に搬入されるように搬送レシピが作成されることが好ましい。
【0051】
搬出用の受け渡しユニット(TRS)の搬送レシピについては、終了ステージ選択時に同時に作成される。図9の例では番号8の終了ステージ選択時に同時に番号7の搬送レシピが作成される。同一番号複数ステップの受け渡しユニット(TRS)はモジュール番号でソートする(昇順)。また、上段部3bのプロセスモジュールが未選択の場合には、MPRA経由の受け渡しユニット(TRS)である2−23と2−24は選択対象外とされる。
【0052】
番号3〜6のプロセスモジュールのレシピデータについては、オペレータがステップ毎にモジュールを選択する。
【0053】
このようにして作成された図9の搬送レシピの内容について具体的に説明する。
【0054】
レシピデータの番号1では搬入出用搬送機構10(CRA1−0)の2つの搬送アーム10a,10bにより、選択されたフープ(1−1〜1−4)からウエハWを2枚ずつ取り出す動作を繰り返す。
【0055】
番号2では、搬送アーム10a,10bに載せられたウエハWを受け渡しユニット(TRS)の2−11,2−12に載置し、受け渡し用搬送機構20(MPRA2−0)により2−12に載せられたウエハWを2−21に搬送し、次いで、搬送アーム10a,10bに載せられたウエハWを受け渡しユニット(TRS)の2−13,2−14に載置し、受け渡し用搬送機構20(MPRA2−0)により2−14に載せられたウエハWを2−22に搬送するといった動作を繰り返し行う。すなわち、2−12,2−14は中継の受け渡しユニットとして用い、下段部3aに対応する2−11,2−13と上段部3bに対応する2−21,2−22に交互に搬送する。
【0056】
番号3では、下段部3aにおける主搬送機構30(PRA3−0)の搬送アーム30aにより2−11,2−13に載せられたウエハWを反転ユニット(RVS)の3−5に順次搬送し、上段部3bにおける主搬送機構40(PRA4−0)搬送アーム40aにより2−21,2−22に載せられたウエハWを反転ユニット(RVS)の4−5に順次搬送する。
【0057】
番号4では、PRA3−0の搬送アーム30aにより3−5で反転されたウエハWをスクラブ洗浄ユニット(SCR)の3−1,3−2に順次搬送し、PRA4−0の搬送アーム40aにより4−5で反転されたウエハWをスクラブ洗浄ユニット(SCR)の4−1,4−2に順次搬送する。
【0058】
番号5では、PRA3−0の搬送アーム30aにより3−1,3−2のウエハWを反転ユニット(RVS)の3−6に順次搬送し、PRA4−0の搬送アーム40aにより4−1,4−2のウエハWを反転ユニット(RVS)の4−6に順次搬送する。
【0059】
番号6では、PRA3−0の搬送アーム30aにより3−6で反転されたウエハWをスクラブ洗浄ユニット(SCR)の3−3,3−4に順次搬送し、PRA4−0の搬送アーム40aにより4−6で反転されたウエハWをスクラブ洗浄ユニット(SCR)の4−3,4−4に順次搬送する。
【0060】
番号7では、PRA3−0の搬送アーム30aにより3−3,3−4のウエハWを受け渡しユニット(TRS)の2−15に順次搬送し、PRA4−0の搬送アーム40aにより受け渡しユニット(TRS)の2−23,2−24に順次搬送し、2−23,2−24のウエハWをMPRA2−0の搬送アーム20aにより、2−16に搬送する動作を繰り返す。
【0061】
番号8では、CRA1−0の搬送アーム10a,10bにより、2−15,2−16から選択されたフープ(1−1〜1−4)へウエハWを2枚ずつ収納させる動作を繰り返す。
【0062】
なお、この搬送レシピは、最初にスクラブ洗浄ユニット(SCR)の3−1,3−2および4−1,4−2でウエハWの裏面洗浄を行い、次いでスクラブ洗浄ユニット(SCR)の3−3,3−4および4−3,4−4でウエハWの表面洗浄を行う例である。
【0063】
このようにして作成された搬送レシピは図11に示すように編集画面として表示され、搬入ステージ、搬出ステージ、RVS、SCRは必要に応じて編集可能となっている。これらに変更がある場合には、受け渡しユニット(TRS)の選択およびレシピデータの作成を再度行う。図11に示すように、受け渡しユニット(TRS)は自動的に選択され編集の必要がないため、搬入用と搬出用とでグループ化し、2ステップで表示し、未展開状態となっており、モジュール番号は2−*で表している。展開した状態を確認したい場合には、図11の画面で展開ボタン61にタッチすることにより、図12に示すような受け渡しユニット(TRS)が展開した画面が現れる。
【0064】
このようにして作成した搬送レシピは、搬送レシピ編集画面から登録して保存することが可能であり、登録済みの搬送レシピを呼び出して用いることができ、呼び出した搬送レシピを編集画面で編集することも可能である。
【0065】
なお、搬送レシピ作成部57により作成した搬送レシピに基づいて搬送フローの制御を行う際には、搬送フロー制御部55から搬入出用搬送機構制御部61、受け渡し用搬送機構制御部62、および主搬送機構制御部63に制御指令を送り搬送機構10,20,30,40を制御する。
【0066】
次に、以上に例示した搬送レシピに基づいてウエハWに対して洗浄処理を行う際の動作について図1〜5を参照して簡単に説明する。
【0067】
まず、ウエハ取り出し用として指定されたフープFから搬入出用搬送機構10の2つの搬送アーム10a,10bにより2枚のウエハWが取り出され、下段部3aに対応する受け渡しユニット(TRS)211,212に受け渡される。受け渡しユニット(TRS)211に受け渡されたウエハWは、下段部3aにおける処理に供され、受け渡しユニット(TRS)212に受け渡されたウエハWは受け渡し用搬送機構20の搬送アームにより、上段部3bに対応する受け渡しユニット(TRS)221に搬送されて、上段部3bにおける処理に供される。
【0068】
次の2枚のウエハWは、搬入出用搬送機構10の2つの搬送アーム10a,10bが空いた時点で、同じ取り出し用のフープFから搬送アーム10a,10bにより取り出され、受け渡しユニット(TRS)213,214に受け渡される。受け渡しユニット(TRS)213に受け渡されたウエハWは、下段部3aにおける処理に供され、受け渡しユニット(TRS)214に受け渡されたウエハWは受け渡し用搬送機構20の搬送アームにより、上段部3bに対応する受け渡しユニット(TRS)222に搬送されて、上段部3bにおける処理に供される。
【0069】
受け渡しユニット(TRS)211,213に搬送されたウエハWは、主搬送機構30の搬送アーム30aにより反転ユニット(RVS)35に順次搬送され、そこでウエハWの裏面が上面になるようにウエハWが反転される。次いで、反転されたウエハWは、主搬送機構30の搬送アーム30aによりスクラブ洗浄ユニット(SCR)31,32に順次搬送され、そこで、ウエハWを回転させながら上面となったウエハWの裏面に洗浄液を供給し、ブラシによるスクラブ洗浄を行う。裏面洗浄後のウエハWは、主搬送機構30の搬送アーム30aにより反転ユニット(RVS)36に順次搬送され、そこでウエハWの表面が上面になるようにウエハが反転される。次いで、反転されたウエハWは、主搬送機構30の搬送アーム30aによりスクラブ洗浄ユニット(SCR)33,34に順次搬送され、そこで、ウエハWを回転させながら上面となったウエハWの表面に洗浄液を供給し、ブラシによるスクラブ洗浄を行う。表面洗浄後のウエハWは、主搬送機構30の搬送アーム30aにより受け渡しユニット(TRS)215に順次搬送される。
【0070】
一方、受け渡しユニット(TRS)221,222に搬送されたウエハWは、上段部3bにおける主搬送機構40の搬送アーム40aにより反転ユニット(RVS)45に順次搬送され、そこでウエハWの裏面が上面になるようにウエハWが反転される。次いで、反転されたウエハWは、主搬送機構40の搬送アーム40aによりスクラブ洗浄ユニット(SCR)41,42に順次搬送され、そこで、ウエハWを回転させながら上面となったウエハWの裏面に洗浄液を供給し、ブラシによるスクラブ洗浄を行う。裏面洗浄後のウエハWは、主搬送機構40の搬送アーム40aにより反転ユニット(RVS)46に順次搬送され、そこでウエハWの表面が上面になるようにウエハが反転される。次いで、反転されたウエハWは、主搬送機構40の搬送アーム40aによりスクラブ洗浄ユニット(SCR)43,44に順次搬送され、そこで、ウエハWを回転させながら上面となったウエハWの表面に洗浄液を供給し、ブラシによるスクラブ洗浄を行う。表面洗浄後のウエハWは、主搬送機構40の搬送アーム40aにより受け渡しユニット(TRS)223,224に順次搬送される。受け渡しユニット(TRS)223,224のウエハWは、受け渡し用搬送機構20の搬送アーム20aにより受け渡しユニット(TRS)216に順次搬送される。
【0071】
受け渡しユニット(TRS)215,216に存在するウエハWは、搬入出用搬送機構10の2つの搬送アーム10a,10bにより受け渡しユニット(TRS)により一度に受け取られ、ウエハ収納用として指定されたフープFに収納される。
【0072】
これらの動作を繰り返すことにより、下段部3aでの洗浄処理と上段部3bでの洗浄処理を交互に行い、一つのフープFの全てのウエハWについての洗浄処理を行う。
【0073】
なお、以上は、図9に例示した搬送レシピに基づいた処理動作であり、搬送レシピが変更された場合には、それに応じて処理動作は変更される。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、ウエハWを搬入・搬出するためのフープFおよび処理ユニット(プロセスモジュール)であるスクラブ洗浄ユニット(SCR)および反転ユニット(RVS)を選択(指定)し、それに応じて、使用する受け渡しユニット(TRS)を自動的に選択し、かつ搬送機構による搬送ルートを自動生成して搬送レシピを作成するので、搬送レシピ設定を簡略化することができ、最適なスループットが得られる搬送ルートでウエハWを搬送することができる。
【0075】
従来は、種々の処理のパターンに対応するために、ウエハWを搬入・搬出するためのフープF、および処理ユニット(プロセスモジュール)であるスクラブ洗浄ユニット(SCR)および反転ユニット(RVS)を選択(指定)可能とし、それに応じて受け渡しユニット(TRS)および搬送ルートも選択および設定するようにしていたため、搬送レシピの設定に手数がかかり、またプロセスモジュールの指定の内容によって、受け渡しユニット(TRS)の使い方に制限が発生するため、作成時に指定が正しいかを検証し、正しくない場合には再作成する必要があり、手間がかかる。また、指定が正しくてもスループットが最適になっているとは限らなかった。
【0076】
これに対し、本実施形態では、受け渡しユニット(TRS)の選択および搬送ルートの設定を上述のように自動的に行うことができるので、搬送レシピを作成する際の手数が減り、検証も不要となるため、搬送レシピの設定を著しく簡略化することができ、さらに選択されたフープF、選択されたプロセスモジュールに応じて、予めパラメータとして持っている装置構成設定に基づいてプロセス処理時間をシミュレートすることにより、スループットが最適になる搬送ルートを設定することが可能となる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々変形可能である。
例えば、上記実施形態では、ウエハの表裏面洗浄を行う装置を例にとって示したが、本発明はこれに限らず、複数の処理ユニットと複数の受け渡しユニットとを有し、搬入出部の収納容器に収納されている被処理基板を複数のいずれかの受け渡しユニットを介して複数の処理ユニットのいずれかに搬送し、処理後の被処理基板をいずれかの受け渡しユニットを介して収納容器に収納する装置であれば、処理の内容は問わない。装置構成も上記実施形態に限らず、本発明を実施可能な種々の装置を採用可能である。
【0078】
さらに、上記実施形態では被処理基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、液晶表示装置(LCD)用のガラス基板に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板等、他の基板に適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0079】
1;搬入出ブロック
2;処理ブロック
3;洗浄処理部
4;受け渡し/反転部
5;制御部
10;搬入出用搬送機構
20;受け渡し用搬送機構
21;積層タワー
30,40;主搬送機構
31〜34、41〜44;スクラブ洗浄ユニット
35,36,45,46;反転ユニット
50;主制御部
51;演算部
52;操作部
53;記憶部
55;搬送フロー制御部
56;ユニット制御部
57;搬送レシピ作成部
58;選択部
100;基板処理装置
211〜216,221〜224;受け渡しユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を収納する収納容器が載置される載置台を有する搬入出部と、
被処理基板に対して所定の処理を行う複数の処理ユニットを有する処理部と、
前記搬入出部と前記処理部との間で、被処理基板の受け渡しを行う複数の受け渡しユニットと、
被処理基板搬入用の収納容器および被処理基板搬出用の収納容器の選択、ならびに使用する基板を処理する処理ユニットの選択を受け付ける選択部と、
前記選択部で選択が受け付けられた被処理基板搬入用の収納容器および被処理基板搬出用の収納容器ならびに処理ユニットに応じて、複数の受け渡しユニットから使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成する搬送レシピ作成部と
を具備することを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記搬送レシピ作成部は、前記選択部において選択された被処理基板搬入用の収納容器または被処理基板搬出用の収納容器および処理ユニットに応じて、予めパラメータとして持っている装置構成設定に基づいて、前記複数の受け渡しユニットから使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記パラメータは、前記複数の受け渡しユニットの各々につけられた使用優先順位であり、使用優先順位の早いものから選択されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記パラメータは、前記複数の受け渡しユニットの各々につけられた使用優先順位であり、使用可能な状態で使用優先順位の早いものから選択されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記搬送レシピ作成部は、処理時間をシミュレートすることによって、スループットが最適となる受け渡しユニットの自動選択および搬送ルートの自動生成を行う機能を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記搬送レシピ作成部は、前記複数の受け渡しユニットを被処理基板の搬入用と搬出用に振り分ける機能を有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、複数の処理ユニットと前記複数の受け渡しユニットとの間で被処理基板を受け渡す主搬送機構を有し、
さらに、前記処理部は第1の組および第2の組を有し、前記複数の受け渡しユニットは、前記第1の組に対応するものと、前記第2の組に対応するものに分かれていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記選択部が前記第1の組および前記第2の組のいずれか一方を選択した場合に、前記搬送レシピ作成部は、選択しなかった方に対応する受け渡しユニットを選択しないことを特徴とする、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記搬入出部は、さらに、前記収納容器と前記複数の受け渡しユニットの間で被処理基板の受け渡しを行う搬入出用搬送機構を有し、
前記複数の受け渡しユニットのうち前記搬入出用搬送機構がアクセス可能なものとアクセスできないものとの間で被処理基板を搬送する受け渡し用搬送機構をさらに具備し、
前記搬送レシピ作成部は、前記受け渡し用搬送機構が、前記複数の受け渡しユニットのうち前記搬入出用搬送機構がアクセス可能なものとアクセスできないものとの間で被処理基板を搬送するようにレシピを作成することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
被処理基板を収納する収納容器から被処理基板を搬出した後、被処理基板の受け渡しを行う複数の受け渡しユニットのいずれかを介して、被処理基板に対して所定の処理を行う複数の処理ユニットのいずれかに搬送して、被処理基板に所定の処理を行う基板処理装置における基板搬送方法であって、
収納容器および使用する処理ユニットを選択し、
選択された収納容器および処理ユニットに応じて、使用する受け渡しユニットを自動的に選択し、被処理基板の搬送ルートを自動的に生成して搬送レシピを作成し、
前記作成した搬送レシピに基づいて被処理基板の搬送を制御することを特徴とする、基板搬送方法。
【請求項11】
前記搬送レシピは、前記複数の受け渡しユニットの各々に使用優先順位をつけて、使用優先順位の早いものから選択して作成されることを特徴とする、請求項10に記載の基板搬送方法。
【請求項12】
前記搬送レシピは、前記複数の受け渡しユニットの各々に使用優先順位をつけて、使用可能な状態で使用優先順位の早いものから選択して作成されることを特徴とする、請求項10に記載の基板搬送方法。
【請求項13】
前記搬送レシピは、処理時間をシミュレートすることによって、スループットが最適となる受け渡しユニットの自動選択および搬送ルートの自動生成を行って作成されることを特徴とする、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の基板搬送方法。
【請求項14】
前記搬送レシピは、前記複数の受け渡しユニットを被処理基板の搬入用と搬出用に振り分けて作成されることを特徴とする、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の基板搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−97023(P2011−97023A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186263(P2010−186263)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】