説明

基板処理装置

【課題】処理する必要のない面に薬液が飛散することを防止でき、処理のスループットを向上させることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板Wを処理する基板処理装置であって、基板Wの周辺部に薬液を供給する薬液供給ノズル61と、基板W上面に近接した位置と基板W上面から離れた位置との間で相対的に移動するトッププレート72を備え、薬液供給ノズル61を移動自在に構成したことを特徴とする。例えば処理中にトッププレート72を基板W上面に近接した位置に移動して、処理する必要のない面を覆うようにすれば、処理する必要のない面に薬液が飛散することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板を洗浄処理などする基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)に銅などの金属膜を積層すると、ウェハの周辺で金属膜が剥離しやすいという問題がある。ウェハの周辺で剥離が起こると、そこから徐々に剥離が進行して、半導体デバイスを形成する領域まで進行する可能性がある。このような現象を防止するために、ウェハ周辺部の金属膜をあらかじめ除去する周辺部除去処理が行われている。図21は、従来の基板処理装置によって周辺部除去処理をする方法の説明図である。保持手段によってウェハWを回転させ、ウェハWの周辺部にノズルなどの供給装置140によって処理液を供給して、金属膜141の隅を斜めに除去する。一方、ウェハWの中央上部から供給装置142によって純水を供給して、処理液が供給されている部分以外に処理液が付着することを防止するとともに、処理液をウェハWの外周に押し流している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の基板処理装置にあっては、処理液をウェハの外周に押し流す遠心力を得るために、相当に高い回転数が必要であった。また、ウェハ全体に純水を供給するので、周辺のみの処理であるにもかかわらず、ウェハ全体の乾燥処理が必要であった。そのため、ウェハ処理のスループットが低下していた。
【0004】
従って本発明の目的は、低速回転でも安定した処理が可能であるとともに、処理のスループットを向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明によれば、基板を処理する基板処理装置であって、基板の周辺部に薬液を供給する薬液供給ノズルと、基板上面に近接した位置と基板上面から離れた位置との間で相対的に移動するトッププレートを備え、前記薬液供給ノズルを移動自在に構成したことを特徴とする、基板処理装置が提供される。例えば処理中にトッププレートを基板上面に近接した位置に移動して、処理する必要のない面を覆うようにすれば、処理する必要のない面に薬液が飛散することを防止することができる。
【0006】
前記トッププレートには、不活性ガスを供給する上面供給路が設けられていても良い。また、前記薬液供給ノズルは、前記薬液供給ノズルから基板に供給された薬液の飛散を防止する遮蔽板に保持されていても良い。また、前記薬液供給ノズルを、基板の中心から離れる方向に傾斜させて指向させても良い。
【0007】
また、前記薬液供給ノズルよりも基板の内側に純水供給ノズルが配置されていても良い。この場合、前記薬液供給ノズルによって供給される薬液は、例えば、前記純水供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる純水の領域内に供給される。また、前記純水供給ノズルは、前記薬液供給ノズルよりも早いタイミングで純水を供給するように制御されても良い。
【0008】
また、前記薬液供給ノズルよりも基板の内側に純水供給ノズルが配置され、前記純水供給ノズルよりも基板の内側に不活性ガス供給ノズルが配置されていても良い。この場合、前記薬液供給ノズルによって供給される薬液は、例えば、前記純水供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる純水の領域内に供給され、前記純水供給ノズルによって供給される純水は、例えば、前記不活性ガス供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる不活性ガスの領域内に供給される。また、前記純水供給ノズルは、前記薬液供給ノズルよりも早いタイミングで純水を供給するように制御され、前記不活性ガス供給ノズルは、前記純水供給ノズルよりも早いタイミングで不活性ガスを供給するように制御されても良い。
【0009】
なお、異なる処理流体を供給する複数の供給手段を基板の周辺部に沿って相対的に移動させて、基板を処理する基板処理装置であって、前記複数の供給手段を、周辺から内側に向かう方向に並べて配置したことを特徴とする、基板処理装置が提供される。この基板処理装置にあっては、内側に配置された供給手段から供給する処理流体によって、外側に配置された供給手段から供給する例えば薬液などの処理流体を、基板の中心から離れる方向に押し流すことができる。また、前記複数の供給手段を、基板の中心と周辺とを結ぶ線上に並べて配置することが好ましい。
【0010】
前記複数の供給手段のうち、最も外側に配置された供給手段は、基板に対して薬液を供給し、最も内側に配置された供給手段は、基板に対して不活性の処理流体を供給することが好ましい。不活性の処理流体とは、例えばN2ガス等である。また、前記複数の供給手段のうち最も内側に配置された供給手段は、基板に対して純水を供給してもよい。この場合、最も内側に配置された供給手段は基板を処理しないので、基板の中心側の面を処理せずに周辺部に供給された処理液などを押し流すことができる。
【0011】
前記複数の供給手段を、基板の中心から離れる方向に傾斜させて指向させることが好ましい。この場合、内側に配置された供給手段から供給した処理流体によって、外側に配置された供給手段から供給した処理流体を基板の中心から離れる方向に効果的に押し流すことができる。
【0012】
前記複数の供給手段において、外側に配置された供給手段によって供給される処理流体は、内側に配置された供給手段によって供給されて基板の表面を流れる処理流体の領域内に供給されることが好ましい。さらに、前記複数の供給手段において、内側に配置された供給手段は、外側に配置された供給手段よりも早いタイミングで処理流体を供給するように制御されることが好ましい。この場合、内側に配置された供給手段が供給する処理流体によって、外側に配置された供給手段から供給される処理流体が、内側に配置された供給手段が供給する処理流体が流れる面より外側に流れ込むことを防止できる。
【0013】
前記複数の供給手段を、基板の中心と周辺とを結ぶ線上に沿って移動自在に構成することが好ましい。この場合、例えば処理面の幅を変化させることができる。そして、前記異なる処理流体による基板の処理を基板の周辺からの距離に応じて段階的に行うことが好ましい。
【0014】
前記複数の供給手段から基板に供給された処理流体を吸引する吸引手段を備えることが好ましい。また、前記複数の供給手段から基板に供給された処理流体の飛散を防止する遮蔽板を備えることが好ましい。この場合、前記複数の供給手段を、前記遮蔽板に保持することが好ましい。
【0015】
さらに、前記基板を囲むアウターチャンバーを設け、前記複数の供給手段を、アウターチャンバーの内外に移動自在にしても良い。この場合、前記複数の供給手段を格納する供給手段格納部を、前記アウターチャンバーの外に設けることが好ましい。
【0016】
さらに、前記トッププレートと基板の間に不活性雰囲気を吐出することが好ましい。また、前記複数の供給手段を受容する凹欠部を前記トッププレートの周辺部に形成しても良い。この場合、例えば処理中に複数の供給手段は凹欠部に受容された状態で供給を行うようにすれば、他の面をすべてトッププレートによって覆うことができる。さらに、前記トッププレートは回転自在に構成されていることが好ましい。
【0017】
また、基板の周辺から内側に向かう方向に並べて配置された複数の供給手段を基板の周辺部に沿って相対的に移動させ、前記複数の供給手段から、基板の周辺部にそれぞれ異なる処理流体を供給して基板を処理するにあたり、内側に配置された供給手段から供給した処理流体によって、外側に配置された供給手段から供給した処理流体を基板の中心から離れる方向に押し流すことを特徴とする、基板処理方法が提供される。
【0018】
前記複数の供給手段のうち、最も外側に配置された供給手段は、基板に対して薬液を供給し、最も内側に配置された供給手段は、基板に対して不活性の処理流体を供給することが好ましい。また、前記複数の供給手段のうち、最も内側に配置された供給手段は、基板に対して純水を供給してもよい。
【0019】
前記複数の供給手段において、内側に配置された供給手段は外側に配置された供給手段よりも早いタイミングで処理流体を供給するように制御されることが好ましい。
【0020】
また、前記複数の供給手段を並べた方向に沿って、前記複数の供給手段を移動させることことが好ましい。この場合、処理面の幅を変化させることができる。さらに、前記複数の供給手段を移動させるに際し、前記異なる処理流体による基板の処理を、基板の周辺からの距離に応じて段階的に行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の基板処理装置によれば、例えば処理中にトッププレートを基板上面に近接した位置に移動して、処理する必要のない面を覆うようにすれば、処理する必要のない面に薬液が飛散することを防止することができる。
なお、内側に配置された供給手段から供給する処理流体によって、外側に配置された供給手段から供給する例えば薬液などの処理流体を、基板の中心から離れる方向に押し流すことができる。基板の中心側の面を処理せずに周辺部の処理をすることができる。処理面の幅を変化させることができる。処理する必要のない面に処理流体が飛散することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、基板の一例としてウェハの周辺部と裏面を洗浄処理するように構成された基板処理装置としての基板処理ユニットに基づいて説明する。ここでいう洗浄処理とは、基板に積層された膜の除去洗浄を含む。図1は、本実施の形態にかかる基板処理ユニット12、13を組み込んだ洗浄処理システム1の平面図である。図2は、その側面図である。この洗浄処理システム1は、ウェハWに洗浄処理及び洗浄処理後の熱的処理を施す洗浄処理部2と、洗浄処理部2に対してウェハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。
【0023】
搬入出部3は、複数枚、例えば25枚のウェハWが所定の間隔で略水平に収容可能な容器(キャリアC)を載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と、載置台6に載置されたキャリアCと洗浄処理部2との間でウェハの受け渡しを行うウェハ搬送装置7が備えられたウェハ搬送部5と、から構成されている。
【0024】
ウェハWはキャリアCの一側面を通して搬入出され、キャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられている。また、キャリアCには、ウェハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており、ウェハWを収容する25個のスロットが形成されている。ウェハWは表面(半導体デバイスを形成する面)が上面(ウェハWを水平に保持した場合に上側となっている面)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。
【0025】
イン・アウトポート4の載置台6上には、例えば、3個のキャリアCを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。キャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウェハ搬送部5との境界壁8側に向けて載置される。境界壁8においてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており、窓部9のウェハ搬送部5側には、窓部9をシャッター等により開閉する窓部開閉機構10が設けられている。
【0026】
この窓部開閉機構10は、キャリアCに設けられた蓋体もまた開閉可能であり、窓部9の開閉と同時にキャリアCの蓋体も開閉する。窓部開閉機構10は、キャリアCが載置台の所定位置に載置されていないときは動作しないように、インターロックを設けることが好ましい。窓部9を開口してキャリアCのウェハ搬入出口とウェハ搬送部5とを連通させると、ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7のキャリアCへのアクセスが可能となり、ウェハWの搬送を行うことが可能な状態となる。窓部9の上部には図示しないウェハ検出装置が設けられており、キャリアC内に収容されたウェハWの枚数と状態をスロット毎に検出することができるようになっている。このようなウェハ検出装置は、窓部開閉機構10に装着させることも可能である。
【0027】
ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7は、Y方向とZ方向に移動可能であり、かつ、X―Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置7は、ウェハWを把持する取出収納アーム11を有し、この取出収納アーム11はX方向にスライド自在となっている。こうして、ウェハ搬送装置7は、載置台6に載置された全てのキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし、また、洗浄処理部2に配設された上下2台のウェハ受け渡しユニット16、17にアクセスして、イン・アウトポート4側から洗浄処理部2側へ、逆に洗浄処理部2側からイン・アウトポート4側へウェハWを搬送することができるようになっている。
【0028】
洗浄処理部2は、主ウェハ搬送装置18と、2台のウェハ受け渡しユニット16、17と、本実施の形態にかかる2台の基板処理ユニット12、13と、基板洗浄ユニット14、15と、ウェハWを加熱して乾燥させる3台の加熱ユニット19、20、21と、加熱されたウェハWを冷却する冷却ユニット22とを備えている。主ウェハ搬送装置18は、ウェハ受け渡しユニット16、17、基板処理ユニット12、13、基板洗浄ユニット14、15、加熱ユニット19、20、21、冷却ユニット22の全てのユニットにアクセス可能に配設されている。ウェハ受け渡しユニット16、17は、ウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置する。
【0029】
また、洗浄処理部2は、洗浄処理システム1全体を稼働させるための電源である電装ユニット23と、洗浄処理システム1内に配設された各種装置及び洗浄処理システム1全体の動作制御を行う機械制御ユニット24と、基板処理ユニット12、13及び基板洗浄ユニット14、15に送液する所定の洗浄液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット25とが配設されている。電装ユニット23は図示しない主電源と接続される。洗浄処理部2の天井部には、各ユニット及び主ウェハ搬送装置18に、清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。
【0030】
電装ユニット23と薬液貯蔵ユニット25と機械制御ユニット24を洗浄処理部2の外側に設置することによって、又は外部に引き出すことによって、この面(Y方向)からウェハ受け渡しユニット16、17、主ウェハ搬送装置18、加熱ユニット19、20、21、冷却ユニット22のメンテナンスを容易に行うことが可能である。
【0031】
図3は、ウェハ受け渡しユニット16、17と、ウェハ受け渡しユニット16、17のX方向に隣接する主ウェハ搬送装置18及び加熱ユニット19、20、21、冷却ユニット22の概略配置を示す断面図である。ウェハ受け渡しユニット16、17は上下2段に積み重ねられて配置されており、例えば、下段のウェハ受け渡しユニット17は、イン・アウトポート4側から洗浄処理部2側へ搬送するウェハWを載置するために用い、上段のウェハ受け渡しユニット16は、洗浄処理部2側からイン・アウトポート4側へ搬送するウェハWを載置するために用いることができる。
【0032】
ファンフィルターユニット(FFU)26からのダウンフローの一部は、ウェハ受け渡しユニット16、17と、その上部の空間を通ってウェハ搬送部5に向けて流出する構造となっている。これにより、ウェハ搬送部5から洗浄処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され、洗浄処理部2の清浄度が保持されるようになっている。
【0033】
主ウェハ搬送装置7は、Z方向に配置された、垂直壁27、28及びこれらの間の側面開口部29を有する筒状保持体30と、その内側に筒状保持体30に沿ってZ方向に昇降自在に設けられたウェハ搬送体31とを有している。筒状保持体30はモータ32の回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウェハ搬送体31も一体的に回転されるようになっている。
【0034】
ウェハ搬送体31は、搬送基台33と、搬送基台33に沿って前後に移動可能な3本の搬送アーム34、35、36とを備えており、搬送アーム34、35、36は、筒状保持体30の側面開口部29を通過可能な大きさを有している。これら搬送アーム34、35、36は、搬送基台33内に内蔵されたモータ及びベルト機構によってそれぞれ独立して進退移動することが可能となっている。ウェハ搬送体31は、モータ37によってベルト38を駆動させることにより昇降するようになっている。なお、符号39は駆動プーリ、40は従動プーリである。
【0035】
ウェハWの強制冷却を行う冷却ユニット22の上には、加熱ユニット19、20、21が3台積み重ねられて配設されている。なお、ウェハ受け渡しユニット16、17の上部の空間に冷却ユニット22、加熱ユニット19、20、21を設けることも可能である。この場合には、図1に示される冷却ユニット22、加熱ユニット19、20、21の位置をその他のユーティリティ空間として利用することができる。
【0036】
基板処理ユニット12、13は、上下2段に配設されている。また、基板処理ユニット12、13は、ウェハW裏面の洗浄と、ウェハW表面の周辺部の除去処理と洗浄(Back−Bevel洗浄処理)をすることができ、同様の構成を有する。そこで、本実施の形態にかかる基板処理ユニット12を例として、その構造について以下に詳細に説明することとする。
【0037】
図4は、基板処理ユニット12の平面図である。基板処理ユニット12のユニットチャンバー42内には、ウェハWを収納する密閉構造のアウターチャンバー43と、エッジアーム格納部44を備えている。ユニットチャンバー42には開口45が形成され、開口45を図示しない開閉機構によって開閉するユニットチャンバー用メカシャッター46が設けられており、搬送アームによって基板処理ユニット12に対して開口45からウェハWが搬入出される際には、このユニットチャンバー用メカシャッター46が開くようになっている。ユニットチャンバー用メカシャッター46はユニットチャンバー42の内部から開口45を開閉するようになっており、ユニットチャンバー42内が陽圧になったような場合でも、ユニットチャンバー42内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。
【0038】
アウターチャンバー43には開口47が形成され、開口47を図示しないシリンダ駆動機構によって開閉するアウターチャンバー用メカシャッター48が設けられており、例えば搬送アーム34によってアウターチャンバー43に対して開口47からウェハWが搬入出される際には、このアウターチャンバー用メカシャッター48が開くようになっている。アウターチャンバー用メカシャッター48は、ユニットチャンバー用メカシャッター46と共通の開閉機構によって開閉するようにしても良い。アウターチャンバー用メカシャッター48はアウターチャンバー43の内部から開口47を開閉するようになっており、アウターチャンバー43内が陽圧になったような場合でも、アウターチャンバー43内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。
【0039】
また、エッジアーム格納部44には開口49が形成され、開口49を図示しない駆動機構によって開閉するエッジアーム格納部用シャッター50が設けられている。エッジアーム格納部44をアウターチャンバー43と雰囲気隔離するときは、このエッジアーム格納部用シャッター50を閉じる。エッジアーム格納部用シャッター50はアウターチャンバー43の内部から開口49を開閉するようになっており、ユニットチャンバー42内が陽圧になったような場合でも、ユニットチャンバー42内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。
【0040】
エッジアーム格納部44内には、薬液、純水、及び不活性ガスとしてのN2を吐出可能なエッジアーム60が格納されている。エッジアーム60は、アウターチャンバー43内に収納されており、後述のスピンチャック71で保持されたウェハWの周辺部に移動可能である。エッジアーム60は、処理時以外はエッジアーム格納部44にて待避する。エッジアーム60が開口49からアウターチャンバー43内に移動するときは、エッジアーム格納部用シャッター50が開くようになっている。
【0041】
エッジアーム60は、図5に示すように、ウェハW(金属膜141)に対して薬液を供給する薬液供給ノズル61、不活性の液体としての純水を供給する純水供給ノズル62、不活性のガスとしてのN2ガスを供給するN2ガス供給ノズル63を備えている。薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63は、ウェハWの中心と周辺部とを結ぶ線上に並べて配置されている。即ち、図示の例では、円形状をなすウェハWの半径方向に並べて配置されている。ウェハW表面には、銅などの金属膜141が積層されており、薬液供給ノズル61は、金属膜141を除去する薬液を供給する。薬液供給ノズル61に隣接して、薬液供給ノズル61よりも内側に配置された純水供給ノズル62は、周辺部のリンス処理を施す純水を供給する。純水供給ノズル62に隣接して、純水供給ノズル62よりも内側に配置されたN2ガス供給ノズル63は、周辺部の乾燥処理を施すN2ガスを供給する。
【0042】
薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63は、遮蔽板64に保持されており、薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63からウェハWに供給された薬液、純水及びN2ガスの飛散を遮蔽板64によって防止するようになっている。薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63は、ウェハWの中心から離れる方向に傾斜して指向している。即ち、薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63の先端はウェハWの外周方向に向かっている。また、薬液供給ノズル61よりもウェハWの外周側に、吸引ノズル65が備えられ、薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63からウェハWに供給された薬液、純水、N2ガス及び処理中に発生する雰囲気を吸引するようになっている。
【0043】
ウェハWに対して薬液供給ノズル61が薬液を供給する時は、薬液の供給を開始する前に、N2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始する。この場合、図6に示すように、N2ガス供給ノズル63はN2ガスを領域68の位置に供給する。領域68に供給されたN2ガスはウェハWの表面(金属膜141の表面)に沿って外周方向に向かって扇状に流れ、領域68’ の形状に流れる。一方、薬液供給ノズル61は薬液を領域66の位置に供給し、領域66に供給された薬液はウェハWの表面に沿って外周方向に向かい、扇状の領域66’に流れることとなる。これら領域66、領域66’はいずれも領域68’の範囲内にあり、前述のように薬液供給ノズル61による薬液の供給が開始される前に、N2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始することにより、確実に薬液が領域66に供給され、領域68’ の形状に流れるN2ガスによってウェハWの外周方向に押し流されることとなる。このように、薬液供給ノズル61から供給された薬液がウェハWの中心側に流れる心配がない。また、ウェハWに対して純水供給ノズル62によって純水を供給する時は、純水の供給を開始する前に、N2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始する。この場合、図6に示すように、N2ガス供給ノズル63はN2ガスを領域68の位置に供給する。領域68に供給されたN2ガスはウェハWの表面に沿って外周方向に向かって扇状に流れ、領域68’の形状に流れる。一方、純水供給ノズル62は純水を領域67の位置に供給し、領域67に供給された純水はウェハWの表面に沿って外周方向に向かい、扇状の領域67’に流れることとなる。これら領域67、領域67’はいずれも領域68’の範囲内にあり、前述のように純水供給ノズル62による純水の供給が開始される前に、N2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始することにより、確実に純水が領域67に供給され、領域68’ の形状に流れるN2ガスによってウェハWの外周方向に押し流されることとなる。このように、純水供給ノズル62から供給された純水がウェハWの中心側に流れる心配がない。なお、領域68’の形状に流れるN2ガスによって薬液と純水を確実に押し流すために、N2ガスが供給される領域68は、領域66と領域67より広い面積を有することが好ましい。即ち、図6に示すように、ウェハWの円周方向における領域68’の幅が、領域66’と領域67’よりも確実に広くなるように供給することができる。
【0044】
図7に示すように、アウターチャンバー43内には、ウェハWを収納するインナーカップ70と、このインナーカップ70内で、例えばウェハW表面を上面にして、ウェハWを回転自在に保持する保持手段としてのスピンチャック71と、スピンチャック71により保持されたウェハW上面(ウェハW表面)に対して相対的に昇降移動するトッププレート72を備えている。
【0045】
スピンチャック71は、ウェハWを保持するチャック本体73と、このチャック本体73の底部に接続された回転筒体74とを備える。チャック本体73内には、スピンチャック71により保持されたウェハW下面(ウェハW裏面)に対して相対的に昇降移動するアンダープレート75が配置されている。
【0046】
チャック本体73の上部には、ウェハWの裏面の周縁部を支持するための図示しない支持ピンと、ウェハWを周縁部から保持するための保持部材63がそれぞれ複数箇所に装着されている。図示の例では、チャック本体73の周囲において、中心角が120°となるように、3箇所に保持部材80が配置されており、それら3つの保持部材80により、ウェハWを周りから保持できるようになっている。また、図示はしないが、ウェハWの周縁部を同様に中心角が120°となる位置で下面側から支持できるように、3つの支持ピンがチャック本体73に設けられている。回転筒体74の外周面には、ベルト77が巻回されており、ベルト77をモータ78によって周動させることにより、スピンチャック71全体が回転するようになっている。各保持部材80は、スピンチャック71が回転したときの遠心力を利用して、図4に示すように、ウェハWの周縁部を外側から保持するように構成されている。スピンチャック71が静止しているときは、ウェハWの裏面を支持ピンで支持し、スピンチャック71が回転しているときは、ウェハWの周縁部を保持部材80によって保持する。
【0047】
ウェハWを保持する3つの保持部材76は、それぞれ図8に示す構成となっている。保持部材76は把持アーム80、押えアーム81、ばね82によって構成されている。把持アーム80及び押えアーム81はいずれも軸83を中心に回転可能であり、かつ、把持アーム80と押えアーム81の間にばね82が介在している。軸83はチャック本体73に固定されている。押えアーム81の下部には重錘84が設けられている。スピンチャック71が回転すると、図9に示すように、重錘84に遠心力が働いて外側へ移動し、把持アーム80の上部が内側に移動するので、ウェハWを周りから保持することができる。このとき、ばね82は発生したエネルギーを吸収するので、ウェハWを周縁から押える力(保持力)が過度に大きくなるのを防ぐことができる。スピンチャック71の回転が高速になると、図10に示すように、重錘84がチャック本体73内のストッパ85に当接し、ばね82が発生したエネルギーを吸収するので、保持力が過度に大きくなるのを防ぐことができる。
【0048】
アンダープレート75は、チャック本体73内及び回転筒体74内を貫挿するアンダープレートシャフト90上に接続されている。アンダープレートシャフト90は、水平板91の上面に固着されており、この水平板91は、アンダープレートシャフト90と一体的に、エアシリンダー等からなる昇降機構92により鉛直方向に昇降させられる。従って、アンダープレート75は、図7に示すようにチャック本体73内の下方に下降して、スピンチャック71により保持されたウェハW下面から離れて待機している状態(退避位置)と、図18に示すようにチャック本体73内の上方に上昇して、スピンチャック71により保持されたウェハW下面に対して洗浄処理を施している状態(処理位置)とに上下に移動自在である。なお、アンダープレート75を所定高さに固定する一方で、回転筒体74に図示しない昇降機構を接続させて、スピンチャック71全体を鉛直方向に昇降させることにより、アンダープレート75を処理位置と退避位置に上下に移動自在にしても良い。
【0049】
トッププレート72は、トッププレート回転軸95の下端に接続されており、水平板96に設置された回転軸モータ97によって回転する。トッププレート回転軸95は、水平板96の下面に回転自在に保持され、この水平板96は、アウターチャンバー上部に固着されたエアシリンダー等からなる回転軸昇降機構98により鉛直方向に昇降する。従って、トッププレート72は、回転軸昇降機構98の稼動により、図7に示すようにスピンチャック71により保持されたウェハW上面から離れて待機している状態(退避位置)と、図17に示すようにスピンチャック71により保持されたウェハW上面に近接した状態(処理位置)とに上下に移動自在である。また、図4に示すように、トッププレート72の直径はウェハWの直径より小さいので、エッジアーム60がウェハWの周辺部を処理できるようになっている。
【0050】
インナーカップ70は、図7に示す位置に下降して、スピンチャック71をインナーカップ70の上端よりも上方に突出させてウェハWを授受させる状態と、図17に示す位置に上昇して、スピンチャック71及びウェハWを包囲し、ウェハW両面に供給した洗浄薬液や処理流体等が周囲に飛び散ることを防止する状態とに上下に移動自在である。
【0051】
インナーカップ70を図7に示した位置に下降させてスピンチャック71を対してウェハWを授受させる場合、アンダープレート75を退避位置に位置させ、トッププレート72を退避位置に位置させておく。そうすれば、アンダープレート75とスピンチャック71により保持されるウェハWの位置との間には、十分な隙間が形成される。また、トッププレート72とウェハWの上面との位置との間にも、十分な隙間が形成される。このようにして、スピンチャック71に対するウェハWの授受が円滑に行われるようになっている。
【0052】
図11に示すように、アンダープレート75には、例えば洗浄薬液や純水などの処理液や乾燥ガスを供給する下面供給路100が、アンダープレートシャフト90内を貫通して設けられている。図12に示すように、アンダープレート75の中心及び周辺部4箇所には、洗浄薬液/純水/N2を吐出する下面吐出口101〜105が設けられている。周辺部の下面吐出口101〜104は、ウェハW周辺に向かって傾斜し、中央の下面吐出口105は、ウェハWの中心に上向きに指向している。
【0053】
図13に示すように、トッププレート72には、例えばN2ガスを供給する上面供給路106が、トッププレート回転軸95内を貫通して設けられている。アウターチャンバー43上部には、トッププレート72上面とアウターチャンバー内部との間にN2ガスを吐出するN2ガス供給手段107が備えられている。
【0054】
図14に示すように、インナーカップ70の底部には、インナーカップ70内の液滴を排液するインナーカップ排出管110が接続されている。インナーカップ排出管110は、アウターチャンバー43の底部に設けられた貫通口111内を上下動自在である。インナーカップ排出管110の下端は、インナーカップミストトラップ112内に挿入されている。このインナーカップミストトラップ112により、インナーカップ70から排液された液滴中から気泡などを除去するようになっている。除去された気泡は、インナーカップミストトラップ112に接続されたインナーカップミストトラップ排気管113により外部に排気される。気泡を除去された液滴は、インナーカップミストトラップ112に接続されたインナーカップ排液回収ライン114により回収される。
【0055】
アウターチャンバー43の底部には、アウターチャンバー43内の液滴を排液するアウターチャンバー排出管115が接続されている。アウターチャンバー排出管115には、アウターチャンバーミストトラップ116が設けられ、このアウターチャンバーミストトラップ116により排液された液滴中から気泡などを除去するようになっている。除去された気泡は、アウターチャンバーミストトラップ116に接続されたアウターチャンバーミストトラップ排気管117により外部に排気される。気泡を除去された液滴は、アウターチャンバーミストトラップ116に接続されたアウターチャンバー排液回収ライン118により回収される。
【0056】
インナーカップ70が下降すると、図15に示すように、スピンチャック71及びこれに保持されたウェハWがインナーカップ70の上端よりも上方に突出した状態となる。この場合は、アウターチャンバー43内の液滴は、インナーカップ70の外側を下降し、アウターチャンバー排出管115によって排液されるようになる。一方、図14に示すように、インナーカップ70が上昇すると、インナーカップ70がスピンチャック71及びウェハWを包囲して、ウェハW両面に供給した洗浄液等が周囲に飛び散ることを防止する状態となる。この場合は、インナーカップ70上部がアウターチャンバー43の内壁に近接し、インナーカップ70内の液滴はインナーカップ排出管110によって排液されるようになる。
【0057】
なお、洗浄処理システム1に備えられた基板処理ユニット13も、基板処理ユニット12と同様の構成を有し、ウェハW裏面の洗浄と、ウェハW表面の周辺部除去処理と周辺部の洗浄(Back−Bevel洗浄処理)をすることができる。
【0058】
また、洗浄処理システム1に備えられた基板洗浄ユニット14、15は、各種の洗浄液によりウェハW両面を洗浄し、乾燥処理をすることができるように構成されている。
【0059】
さて、この洗浄処理システム1において、先ず図示しない搬送ロボットにより未だ洗浄されていないウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがイン・アウトポート4に載置される。そして、このイン・アウトポート4に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって一枚ずつウェハWが取り出され、取出収納アーム3から主ウェハ搬送装置7にウェハWが受け渡される。そして、搬送アーム34によってウェハWは基板処理ユニット12又は13に適宜搬入され、ウェハW裏面の洗浄と、ウェハW表面の周辺部除去処理と周辺部の洗浄が行われる。又、基板洗浄ユニット14又は15に適宜搬入され、ウェハWに付着しているパーティクルなどの汚染物質が洗浄、除去される。こうして所定の洗浄処理が終了したウェハWは、再び主ウェハ搬送装置7によって基板処理ユニット12、13又は基板洗浄ユニット14、15から適宜搬出され、取出収納アーム11に受け渡されて、再びキャリアCに収納される。
【0060】
ここで、基板処理ユニット12、13について代表して基板処理ユニット12での処理について説明する。図7に示すように、先ず基板処理ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッター46が開き、また、アウターチャンバー43のアウターチャンバー用メカシャッター47が開く。そして、ウェハWを保持した例えば搬送アーム34を装置内に進入させる。インナーカップ70は下降してチャック本体73を上方に相対的に突出させる。アンダープレート75は予め下降してチャック本体73内の退避位置に位置している。トッププレート72は予め上昇して退避位置に位置している。また、エッジアーム格納部用シャッター50は閉じている。
【0061】
主ウェハ搬送装置18は、搬送アーム34を降ろして保持部材76にウェハWを渡し、スピンチャック71は、図示しない支持ピンによって、半導体デバイスが形成されるウェハW表面を上面にしてウェハWを支持する。この場合、アンダープレート75を退避位置に位置させ、スピンチャック71により保持されるウェハWの位置(高さ)から十分に離すので、搬送アーム34は、余裕をもってウェハWをスピンチャック71に渡すことができる。ウェハWをスピンチャック71に受け渡した後、搬送アーム34はアウターチャンバー43及びユニットチャンバー用メカシャッター46の内部から退出し、退出後、基板処理ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッター46とアウターチャンバー43のアウターチャンバー用メカシャッター47が閉じられる。
【0062】
インナーカップ70が上昇し、チャック本体73とウェハWを囲んだ状態となる。アンダープレート75は、チャック本体73内の処理位置に上昇する。図17に示すように、処理位置に移動したアンダープレート75とスピンチャック71により保持されたウェハW下面(ウェハW裏面)の間には、例えば0.5〜3mm程度の隙間L1が形成される。
【0063】
次いで、ウェハW裏面の洗浄処理が行われる。アンダープレート75上では、下面供給路100から洗浄薬液を例えば静かに染み出させて隙間L1に洗浄薬液を供給する。狭い隙間L1において、洗浄薬液をウェハW下面の全体に押し広げ、ウェハW下面全体に均一に接触する洗浄薬液の液膜を形成する。隙間L1全体に洗浄薬液の液膜を形成すると、洗浄薬液の供給を停止してウェハW下面を洗浄処理する。隙間L1に洗浄薬液を液盛りして液膜を形成すると表面張力により洗浄薬液の液膜の形状崩れを防ぐことができる。例えば洗浄薬液の液膜の形状が崩れてしまうと、ウェハW下面において洗浄薬液の液膜に非接触の部分が発生したり、又は液膜中に気泡が混合してしまい洗浄不良を起こしてしまうが、このようにアンダープレート75とウェハW下面の間の狭い隙間L1で洗浄薬液を液盛りすることにより、洗浄薬液の液膜の形状を保って洗浄不良を防止することができる。
【0064】
この場合、スピンチャック71は、洗浄薬液の液膜の形状が崩れない程度の比較的低速の回転速度(例えば10〜30rpm程度)でウェハWを回転させる。ウェハWの回転により洗浄薬液の液膜内に液流が発生し、この液流により、洗浄薬液の液膜内の淀みを防止するとともに洗浄効率が向上する。また、ウェハWの回転を間欠的に行っても良い。例えば所定時間若しくは所定回転数、ウェハWを回転させた後、スピンチャック71の回転稼動を所定時間停止させてウェハWを静止させ、その後に再びウェハWを回転させる。このようにウェハWの回転と回転停止を繰り返すと、洗浄薬液をウェハW下面全体に容易に拡散させることができる。もちろん、ウェハWを全く回転させずに静止した状態に保って洗浄処理を施すことも可能である。また、液膜を形成した後では新しい洗浄薬液を供給する必要が無くなる。洗浄薬液の液膜の形状が崩れない限り、ウェハW下面全体を、既にアンダープレート75とウェハW下面の間に供給された洗浄薬液により洗浄できるからである。一方、洗浄薬液の液膜の形状が崩れそうになった場合等には、新液を供給して洗浄薬液の液膜の形状を適宜修復する。このように洗浄薬液の消費量を節約する。なお、ウェハWの回転により洗浄薬液の液膜の液滴をアンダープレート75の周縁から滴り落とす一方で、下面供給路100により洗浄薬液を継続的に供給することにより、洗浄薬液の液膜内を常に真新しい洗浄薬液に置換して好適な洗浄薬液処理を実施することも可能である。この場合も、新液をなるべく静かに供給して洗浄薬液の省液化を図ると良い。
【0065】
一方、隙間L1に洗浄薬液を液盛りして液膜を形成する際に、洗浄薬液をウェハWの裏面の周囲からウェハWの表面(金属膜141の表面)側へ回り込ませて、後述する周辺部除去が行われるウェハW表面の周辺部にまで洗浄薬液を供給する。そして、ウェハW裏面の洗浄処理と同時に、ウェハW表面の周辺部洗浄処理が行われる。
【0066】
その後、スピンチャック71が例えば2000rpmにて5秒間回転する。即ち、ウェハWに液盛りされた洗浄薬液が振り落とされて、インナーカップ排出管110へ排液される。スピンチャック71が高速回転すると、チャック本体73に設けられた3つの保持部材76は、それぞれ図10に示す状態となる。即ち、押えアーム81の下部がチャック本体73の内部に当接する。従って、高速回転時においては、ウェハWが受ける把持力はばね82によって発生するので、ウェハWに過剰な保持力を与えないようになっている。
【0067】
次に、アンダープレート75とウェハW下面の間に、下面供給路100から例えば10秒間、N2ガスを供給し、ウェハW下部の洗浄薬液雰囲気を排出する。N2ガスの供給によって、ウェハWの裏面から洗浄薬液の液滴を取り除くことができる。
【0068】
次いで、トッププレート72がウェハW上面に対して近接した位置まで移動する。エッジアーム格納部用シャッター50が開き、エッジアーム60がスピンチャック71で保持されたウェハWの周辺部上方に移動する。エッジアーム60が所定の位置まで移動すると、エッジアーム60に設けられたN2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始し、次いで薬液供給ノズル61が薬液の供給を開始する。そして、ウェハWの表面に積層された金属膜141の隅を薬液によって除去する周辺部除去処理を行う。
【0069】
周辺部除去処理中は、スピンチャック71は例えば300rpm程度の回転数で回転する。この場合、先に説明したように、3つの保持部材76はそれぞれ図9に示す状態となるので、ウェハWに対する適度な保持力が発生して、スピンチャック71はウェハWを回転させることができる。
【0070】
薬液供給ノズル61の先端はウェハWの外周に向かっているので、薬液はウェハWの外側へスムーズに流れ出る。また、薬液供給ノズル61が供給する薬液は、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、ウェハWの外周方向へ押し流される。N2ガス供給ノズル63の先端はウェハWの外周方向に向かっているので、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、薬液をウェハWの外側に効果的に押し流すことができる。ウェハWの表面(金属膜141の表面)において、薬液が供給される領域66と流れる領域66’はいずれも領域68’の範囲内にあり、また、薬液供給ノズル61による薬液の供給が開始される前にN2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始するので、薬液供給ノズル61から供給された薬液がウェハWの中心側に流れる心配がない。一方、押し流された薬液、N2ガス及び処理中に発生する薬液雰囲気は、ウェハWの周縁において吸引ノズル65によって吸引、排出される。さらに、薬液供給ノズル61とN2ガス供給ノズル63が保持されている遮蔽板64が、薬液がウェハWの内側の面に飛散することを防止する。また、N2ガスによって押し流される薬液は、回収して適宜の処理を施すことにより容易に再利用が可能である。
【0071】
周辺部除去処理中は、トッププレート72は図17に示す位置(処理位置)に下降して、上面供給路106からN2ガスを供給する。上面供給路106が供給するN2ガスは、薬液供給ノズル61が供給する薬液及び周辺部除去処理中に発生する薬液雰囲気が、ウェハWの中心側の面に流れ込むことを防止する。こうして、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、N2ガスが供給される面と流れる面より外側に薬液が流れることを防止して、さらに上面供給路106が供給するN2ガスによって、薬液がウェハWの中心側の面に流れ込むことを防止するので、薬液がウェハWの内側の面に流れ込むことを効果的に防止できる。また、上面供給路106からN2ガスを供給すると、ウェハW表面のウォーターマーク発生を防止する効果がある。
【0072】
また、周辺部除去処理中は、アウターチャンバー43上部に備えられたN2ガス供給手段107より、トッププレート72の上部にN2ガスを供給し、ダウンフローを形成する。トッププレート72上面とアウターチャンバー43の間の空間はN2ガスによって満たされるので、薬液の液膜から蒸発してトッププレート72の周囲から上昇する薬液雰囲気が、トッププレート72の上部の空間に回り込まない。従って、周辺部除去処理後、アウターチャンバー43内の上部に薬液が残留することを防ぐことができる。
【0073】
周辺部除去処理が終了すると、薬液供給ノズル61は薬液の供給を停止する。N2ガス供給ノズル63はN2ガスの供給を続け、次いで純水供給ノズル62が純水の供給を開始する。そして、ウェハWの周辺部に純水を供給して、周辺部リンス処理を行う。純水供給ノズル62の先端はウェハWの外周に向かっているので、純水はウェハWの外側へスムーズに流れ出る。また、純水供給ノズル62が供給する純水は、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、ウェハWの外周方向へ押し流される。N2ガス供給ノズル63の先端はウェハWの外周方向に向かっているので、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、純水をウェハWの外側に効果的に押し流すことができる。ウェハWの表面(金属膜141の表面)において、純水が供給される領域66と流れる領域66’はいずれも領域68’の範囲内にあり、また、純水供給ノズル62による純水の供給が開始される前にN2ガス供給ノズル63がN2ガスの供給を開始するので、純水供給ノズル62から供給された純水がウェハWの中心側に流れる心配がない。さらに、押し流された純水、N2ガス及び処理中に発生する水蒸気雰囲気は、ウェハWの周縁において吸引ノズル65によって吸引、排出される。また、純水供給ノズル62とN2ガス供給ノズル63が保持されている遮蔽板64が、純水がウェハWの内側の面に飛散することを防止する。一方、下面供給路100からアンダープレート75とウェハW下面の間に純水を供給して、裏面リンス処理を行う。こうして、ウェハWの周辺部と裏面をリンス処理し、ウェハWから薬液を洗い流す。
【0074】
リンス処理中においても、トッププレート72は処理位置に下降して、上面供給路106からN2ガスを供給する。上面供給路106が供給するN2ガスは、純水供給ノズル62が供給する純水及び周辺部リンス処理中に発生する水蒸気雰囲気が、ウェハWの中心側の面に流れ込むことを防止する。こうして、N2ガス供給ノズル63が供給するN2ガスによって、N2ガスが供給される面と流れる面より外側に純水が流れることを防止して、さらに上面供給路106が供給するN2ガスによって、純水がウェハWの中心側の面に流れ込むことを防止するので、純水がウェハWの内側の面に流れ込むことを効果的に防止できる。また、また、上面供給路106からN2ガスを供給すると、ウェハW表面のウォーターマーク発生を防止する効果がある。
【0075】
リンス処理が終了すると、純水供給ノズル62と下面供給路100による純水の供給を停止する。N2ガス供給ノズル63はウェハWの周辺部にN2ガスの供給を続け、周辺部乾燥処理を行う。N2ガス供給ノズル63の先端はウェハWの外周に向かっているので、N2ガスはウェハWの外側に流れやすくなっている。また、吸引ノズル65によって、N2ガスを吸引して排出する。一方、下面供給路100からアンダープレート75とウェハW下面の間にN2ガスを供給して、裏面乾燥処理を行う。こうして、ウェハWの周辺部と裏面を乾燥処理する。周辺部乾燥処理と裏面乾燥処理が終了すると、N2ガス供給ノズル63と下面供給路100によるN2ガスの供給を停止し、トッププレート72がウェハW上面から離れた位置に上昇する。次いで、ウェハWを乾燥処理するときよりも高速(例えば1500rpm程度)に回転させてウェハWをスピン乾燥させる。
【0076】
乾燥処理後、エッジアーム60はエッジアーム格納部44内に移動し、エッジアーム格納部用シャッター50が閉じる。次いで、基板処理ユニット12内からウェハWを搬出する。基板処理ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッター46が開き、アウターチャンバー43のアウターチャンバー用メカシャッター47が開く。そして、ウェハ搬送装置18が搬送アーム34を装置内に進入させてウェハW下面を保持させる。次いで、搬送アーム34がスピンチャック71の支持ピンからウェハWを離して受け取り、装置内から退出する。この場合、アンダープレート75は退避位置に位置しているので、搬入するときと同様にアンダープレート75とスピンチャック71により保持されるウェハWの位置との間には、十分な隙間が形成されることになり、搬送アーム34は、余裕をもってスピンチャック71からウェハWを受け取ることができる。
【0077】
かかる基板処理装置12によれば、周辺部除去処理中、薬液をウェハWの外側に効果的に押し流すことができる。さらに、薬液、純水、薬液雰囲気、水蒸気雰囲気がウェハWの中心側の面に流れ込むことを防止する。周辺部リンス処理中、純水をウェハWの外側に効果的に押し流すことができる。さらに、純水が供給された面を乾燥させることができる。スピンチャック71が高速回転しても、ウェハWに過剰な保持力を与えない。
【0078】
以上、本発明の好適な実施の形態の一例を示したが、本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば図18に示すように、ユニットチャンバー42上部にFFU122を設け、下部に排気機構123を設けても良い。この場合、アウターチャンバー43内の処理液雰囲気が漏出しても、FFU122によって形成されたダウンフローと排気機構によってユニットチャンバー42から排出される。従って処理後のウェハWを搬出させるとき、処理液雰囲気によってウェハWが汚染される心配が少なく、処理液雰囲気をユニットチャンバー42外に漏出させる心配が少ない。
【0079】
また、例えば図19に示すように、トッププレート72に凹欠部125を形成しても良い。この場合、処理中にエッジアーム60が凹欠部に受容された状態で周辺部除去処理、周辺部リンス処理及び周辺部乾燥処理を行うようにすれば、薬液又は純水供給中の面以外の面をすべてトッププレート72によって覆うことができる。従って、薬液又は純水が飛散しても、薬液又は純水供給中の面以外の面に、飛散した液滴が付着することを防止できる。
【0080】
周辺部除去処理中は、N2ガス供給ノズル63からN2ガスを供給せず、純水供給ノズル62から不活性の処理流体として純水を供給しても良い。この場合、例えば図6に示す領域67に供給された純水は、ウェハWの表面(金属膜141の表面)に沿って外周方向に向かって扇状に流れ、領域67’ の形状に流れる。ウェハWの表面(金属膜141の表面)において、薬液が供給される領域66と流れる領域66’はいずれも領域67’の範囲内にあり、また、薬液供給ノズル61による薬液の供給が開始される前に純水供給ノズル62が純水の供給を開始するので、薬液供給ノズル61から供給された薬液がウェハWの中心側に流れる心配がない。さらに、処理位置に下降したトッププレート72の上面供給路106が供給するN2ガスによって、薬液と純水がウェハWの内側の面に流れ込むことを効果的に防止できる。なお、領域67’ の形状に流れる純水によって薬液を確実に押し流すために、純水が供給される領域67は、領域66より広い面積を有することが好ましい。即ち、図6に示すように、ウェハWの円周方向における領域67’の幅が、領域66’よりも確実に広くなるように供給する。また、周辺部リンス処理中において、N2ガス供給ノズル63からN2ガスを供給せず、純水供給ノズル62から処理流体として純水を供給しても良い。この場合も、処理位置に下降したトッププレート72の上面供給路106が供給するN2ガスによって、純水がウェハWの内側の面に流れ込むことを防止できる。また、周辺部除去処理中に、トッププレート72の上面供給路106からN2ガスを供給せず、N2ガス供給ノズル63からN2ガスを、又は純水供給ノズル62から純水を供給しても良い。この場合、N2ガス供給ノズル63から供給されるN2ガス、又は純水供給ノズル62から供給される純水によって、薬液の流れを制御しながら押し流すことで、薬液がウェハWの内側の面に流れ込むことを防止できる。また、周辺部リンス処理中に、トッププレート72の上面供給路106からN2ガスを供給せず、N2ガス供給ノズル63からN2ガスを供給して、純水供給ノズル62から純水を供給しても良い。この場合も、N2ガス供給ノズル63から供給されるN2ガスによって、純水の流れを制御しながら押し流すことで、純水がウェハWの内側の面に流れむことを防止できる。
【0081】
エッジアーム60は、N2ガス供給ノズル63を備えず、薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62を備えても良い。この場合でも、周辺部除去処理中に薬液供給ノズル61から供給された薬液がウェハWの中心側に流れむことを防止できる。周辺部リンス処理中にトッププレート72の上面供給路106が供給するN2ガスによって、純水がウェハWの内側の面に流れ込むことを防止できる。また、エッジアーム60は、純水供給ノズル62を備えず、薬液供給ノズル61、N2ガス供給ノズル63を備えても良い。
【0082】
エッジアーム60を、ウェハWの半径方向に移動自在に構成しても良い。即ち、図6に示すようなそれぞれの処理流体の流れる領域の関係を維持しながら、エッジアーム60を移動させても良い。この場合、例えば周辺部の処理面の幅を変化させることができる。また、薬液によるウェハWの処理を、ウェハWの外周からの距離に応じて段階的に行うことができる。従って、例えば図20に示すように、金属膜141がウェハWの外周側ほど薄くなるように除去することができる。このとき、N2ガス又は純水によってウェハWの内側に薬液が流れ込むことを防止するので、エッジアーム60を内側から外周に向かって移動させることが可能である。このように金属膜141の隅を段状にすると、さらにウェハWから金属膜141が剥離しにくくなる。また、例えば図20に示す膜141a、141b、141cのように、デバイス構造上の膜が多層に積層されている場合は、ウェハWの外周からの除去幅が下層の積層膜ほど狭くなるように除去して、金属膜141がウェハWの外周側ほど薄くなるようにすることが望ましい。
【0083】
本発明は洗浄液が供給される基板処理装置に限定されず、その他の種々の処理液などを用いて、周辺部除去及び洗浄以外の他の処理を基板に対して施すものであっても良い。また、基板は半導体ウェハに限らず、その他のLCD基板用ガラスやCD基板、プリント基板、セラミック基板などであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】洗浄処理システムの平面図である。
【図2】洗浄処理システムの側面図である。
【図3】洗浄処理システムのウェハ受け渡しユニット、主ウェハ搬送装置、加熱ユニット、冷却ユニットの概略配置を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる基板処理ユニットの平面図である。
【図5】エッジアームの説明図である。
【図6】薬液供給ノズル61、純水供給ノズル62、N2ガス供給ノズル63から供給される各処理流体が供給されるウェハW上の面と、供給された処理流体の流れる面の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる処理システムの断面図である。
【図8】静止時における保持部材の状態の説明図である。
【図9】中速回転時における保持部材の状態の説明図である。
【図10】高速回転時における保持部材の状態の説明図である。
【図11】アンダープレート及びアンダープレートシャフトの縦断面図である。
【図12】アンダープレートの平面図である。
【図13】アウターチャンバーの上部を拡大して示した縦断面図である。
【図14】インナーカップ内の液滴をミストトラップに排出する工程の説明図である。
【図15】アウターチャンバー内の液滴をミストトラップに排出する工程の説明図である。
【図16】ウェハW裏面をパドル洗浄する工程の説明図である。
【図17】ウェハW周辺部を周辺部除去処理する工程の説明図である。
【図18】トッププレートの変形例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態にかかる基板処理ユニットにおいて、FFUと排気機構を設けた場合の説明図である。
【図20】別の実施の形態における、ウェハW周辺部を周辺部除去処理する工程の説明図である。
【図21】従来の基板処理装置において、ウェハW周辺部を周辺部除去処理する工程の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
C キャリア
W ウェハ
1 洗浄処理システム
2 洗浄処理部
3 搬入出部
4 イン・アウトポート
5 ウェハ搬送部
7 ウェハ搬送装置
12、13 基板処理ユニット
14、15 基板洗浄ユニット
18 主ウェハ搬送装置
34、35、36 搬送アーム
42 ユニットチャンバー
43 アウターチャンバー
44 エッジアーム格納部
49 開口
50 エッジアーム格納部用シャッター
60 エッジアーム
61 薬液供給ノズル
62 純水供給ノズル
63 N2ガス供給ノズル
64 遮蔽板
65 吸引ノズル
70 インナーカップ
71 スピンチャック
72 トッププレート
73 チャック本体
74 回転筒体
75 アンダープレート
76 保持部材
80 把持アーム
81 押えアーム
82 ばね
83 軸
84 重錘
100 下面供給路
106 上面供給路
107 N2ガス供給手段
125 凹欠部
140 供給装置
141 金属膜
142 供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
基板の周辺部に薬液を供給する薬液供給ノズルと、
基板上面に近接した位置と基板上面から離れた位置との間で相対的に移動するトッププレートを備え、
前記薬液供給ノズルを移動自在に構成したことを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記トッププレートには、不活性ガスを供給する上面供給路が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記薬液供給ノズルは、前記薬液供給ノズルから基板に供給された薬液の飛散を防止する遮蔽板に保持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記薬液供給ノズルを、基板の中心から離れる方向に傾斜させて指向させたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記薬液供給ノズルよりも基板の内側に純水供給ノズルが配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記薬液供給ノズルによって供給される薬液は、前記純水供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる純水の領域内に供給されることを特徴とする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記純水供給ノズルは、前記薬液供給ノズルよりも早いタイミングで純水を供給するように制御されることを特徴とする、請求項5または6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記薬液供給ノズルよりも基板の内側に純水供給ノズルが配置され、前記純水供給ノズルよりも基板の内側に不活性ガス供給ノズルが配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記薬液供給ノズルによって供給される薬液は、前記純水供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる純水の領域内に供給され、前記純水供給ノズルによって供給される純水は、前記不活性ガス供給ノズルによって供給されて基板の表面を流れる不活性ガスの領域内に供給されることを特徴とする、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記純水供給ノズルは、前記薬液供給ノズルよりも早いタイミングで純水を供給するように制御され、前記不活性ガス供給ノズルは、前記純水供給ノズルよりも早いタイミングで不活性ガスを供給するように制御されることを特徴とする、請求項8または9に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−103956(P2007−103956A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300391(P2006−300391)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【分割の表示】特願2001−234836(P2001−234836)の分割
【原出願日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】