説明

基板処理装置

【課題】 基板処理装置のスループットを向上させつつ、基板に処理液の濡れ残りが発生するのを防止できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】裏面処理部において、基板Wに処理液を供給して洗浄処理を行った後に乾燥処理を行う。その後、メイン搬送ロボットにより裏面処理部から第2反転ユニットの上方に配置された第1反転ユニット23へ基板Wを搬送する。この第1反転ユニット23では、基板Wを裏面から表面へ反転させている際にフィルターファンユニット52からのダウンフローが開始されるとともに、反転機構の上下に配置された加熱装置50が基板Wへの加熱処理を行う。基板Wの反転動作及び乾燥処理が終了すると、メイン搬送ロボットは第1反転ユニット23から基板Wを搬出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に対して洗浄、エッチング、乾燥等の処理を行う基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置等の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に対して処理液を用いた各種の処理が行われる。このような一連の処理を行うために、従来から特許文献1に示すような枚葉式の基板処理装置がある。この基板処理装置は、複数のキャリアを保持するキャリア保持部と、基板に対して洗浄、乾燥等の処理を行う基板処理部と、キャリア保持部と基板処理部との間で上下に積層された2つの反転ユニットと、各反転ユニットとキャリア保持部との間で基板を搬送するインデクサロボットと、各反転ユニットと基板処理部との間で基板を搬送するメイン搬送ロボットとを備えている。
【0003】
この基板処理装置では、まずインデクサロボットがキャリア保持部に載置されたキャリアに保持された基板を反転ユニットへ搬送する。そして、反転ユニットでは、水平に保持した基板を水平軸線(回転軸線)まわりに180度回転させることにより、基板の表裏を反転させる。次に、メイン搬送ロボットが、反転ユニットで反転させられた基板を基板処理部へ搬送する。
【0004】
基板処理部では、基板に対して洗浄、エッチング等の処理を行い、その後基板を乾燥する。基板処理部での基板の乾燥処理が終了すると、メイン搬送ロボットが、基板処理部から反転ユニットへ基板を搬送する。反転ユニットでは、先ほどとは逆に、水平に保持した基板を水平軸線(回転軸線)まわりに180度回転させることにより、基板の表裏を反転させる。最後に、インデクサロボットが反転ユニットで反転させられた基板を反転ユニットからキャリア保持部のキャリアへ搬送する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−252888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から基板処理装置において、基板処理装置における搬送やプロセス等の処理のスループット(単位時間当たりの基板の処理枚数)を向上させることが望まれている。スループットを増加させる方法としては、基板処理部における乾燥時間を短縮させることが考えらている。
【0007】
しかしながら、従来の基板処理装置では、乾燥時間の短縮により基板に純水等の処理液の濡れ残りが発生するという問題があった。特に、基板の表面にデバイス等の構造が形成されるものでは、このような現象が顕著に発生した。また、基板の表面に金属の材料による回路等が形成されている場合には、腐蝕する恐れもあった。
【0008】
そこで、この発明の目的は、基板処理装置のスループットを向上させつつ、基板に処理
液の濡れ残りが発生することを防止できる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板を保持する第1基板保持部と、基板に処理液を供給して洗浄処理を行うとともに、洗浄処理された基板に乾燥処理を行う基板処理部と、前記第1基板保持部と前記基板処理部との間に配置された第2基板保持部と、前記第2基板保持部の上方位置または下方位置に配置され、基板の表裏を反転させる反転機構と、前記第1基板保持部と前記第2基板保持部との間で基板を搬送する第1搬送機構と、前記第2基板保持部と前記基板処理部と前記反転機構との間で基板を搬送する第2搬送機構と、前記反転機構で反転される基板を乾燥させる加熱機構とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記反転機構で反転される基板にダウンフローを供給するダウンフロー供給機構をさらに備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、前記加熱機構は、前記反転機構の上側に配置された上側加熱機構と、前記反転機構の下側に配置された下側加熱機構とを有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の基板処理装置において、前記反転機構と前記第2搬送機構とを制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段が、前記第2搬送機構により前記基板処理部において洗浄処理及び乾燥処理を行った基板を前記反転機構へ搬送させ、前記反転機構により基板を反転させながら、前記加熱機構により基板を加熱させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至請求項4に記載の発明によれば、基板処理部において基板に処理液を供給して洗浄処理を行った後に乾燥処理し、その後に基板を反転させる反転機構により基板を反転させながら、加熱機構により基板を加熱して基板を乾燥させているので、基板に処理液が濡れ残るのを防止できるという顕著な効果がある。また、第2基板保持部の上方位置または下方位置に配置された反転機構により基板の表裏を反転させる際に、加熱装置により基板を加熱して乾燥しているので、基板処理装置としてのスループットを向上できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】この発明の実施形態に係る基板処理装置を図1における矢印IIが示す方向から見た図である。
【図3】図1におけるIII−III線に沿う基板処理装置の概略図である。
【図4】この発明の実施形態に係る第2反転ユニットを図3における矢印IVが示す方向から見た図である。
【図5】この発明の実施形態に係る第1反転ユニットを図3における矢印IVが示す方向から見た図である
【図6】この発明の実施形態に係る基板処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施形態に係る反転ユニットによって基板の表裏を反転させながら、キャリア保持部から基板処理部に複数枚の基板を搬送させるときのインデクサロボット、メイン搬送ロボット、および第2反転ユニットの動作の一例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の実施形態に係る基板処理装置1の平面図である。図2は、この発明の実施形態に係る基板処理装置1を図1における矢印IIが示す方向から見た図であり、図3は、図1におけるIII−III線に沿う基板処理装置1の概略図である。
【0016】
基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。この基板処理装置1は、インデクサブロック2と、インデクサブロック2に結合された処理ブロック3と、基板処理装置1を制御する制御部4とを備えている。インデクサブロック2と処理ブロック3との境界部分には、基板受け渡し部5が設けられている。なお、制御部4は、本発明の制御手段に相当する。
【0017】
インデクサブロック2は、キャリア保持部6と、インデクサロボットIR1と、インデクサロボット移動機構(以下、「IR移動機構7」という。)とを備えている。キャリア保持部6は、複数のキャリアC(収容部材)を保持している。複数のキャリアCは、水平に延びるキャリア配列方向Uに沿って配列された状態でキャリア保持部6に保持されている。インデクサロボットIR1は、キャリア保持部6と処理ブロック3との間に配置されている。IR移動機構7は、キャリア配列方向Uに沿ってインデクサロボットIR1を水平移動させる。インデクサロボットIR1は、IR移動機構7によって、各キャリアCに対向する位置および基板受け渡し部5に対向する位置に配置される。インデクサロボットIR1は、各キャリアCと基板受け渡し部5との間で基板Wの搬送を行う。さらに、インデクサロボットIR1は、キャリアCおよび基板受け渡し部5に基板Wを搬入する搬入動作と、キャリアCおよび基板受け渡し部5から基板Wを搬出する搬出動作とを行う。ここでは、キャリア保持部6は、本発明の第1基板保持部、インデクサロボットIR1は、本発明の第1搬送機構にそれぞれ相当する。
【0018】
図1に示すように、インデクサロボットIR1は、たとえば、2つのアーム8と、2つのハンド9とを備えている。インデクサロボットIR1は、2つのアーム8を互いに独立して水平に伸縮させることができる。各アーム8の先端には、ハンド9が1つ取り付けられている。2つのハンド9は、上下方向D1(図3参照)に間隔を空けて水平に配置されている。図1では、2つのハンド9が上下に重なり合っている。インデクサロボットIR1は、各ハンド9によって基板Wを支持することにより、2枚の基板Wを水平に保持することができる。インデクサロボットIR1に備えられるハンド9の数は、2つに限らず、1つ、または3つ以上であってもよい。ハンド9が3つ以上備えられる場合は、複数のハンド9が上下方向D1に間隔を空けて1つのアーム8に取り付けられていてもよいし、ハンド9ごとに専用のアーム8が設けられていてもよい。
【0019】
また、図示はしないが、インデクサロボットIR1は、インデクサロボットIR1に内蔵された第1旋回機構および第1昇降駆動機構を備えている。第1旋回機構は、2つのハンド9を対応するアーム8とともに鉛直軸線まわりに回転させる。また、第1昇降駆動機構は、2つのハンド9を対応するアーム8とともに上下方向D1に昇降させる。これにより、インデクサロボットIR1は、各キャリアCおよび基板受け渡し部5に各ハンド9を対向させることができる。
【0020】
一方、処理ブロック3は、図1および図2に示すように、基板Wを処理する複数(たとえば8つ)の基板処理部12と、メイン搬送ロボットTR1とを備えている。8つの基板処理部12のうち4つの基板処理部12は、第1処理ユニット13を構成しており、残り4つの基板処理部12は、第2処理ユニット14を構成している。図2に示すように、第1処理ユニット13を構成する4つの基板処理部12は、上下に積層されており、第2処
理ユニット14を構成する4つの基板処理部12は、上下に積層されている。図1に示すように、第1処理ユニット13および第2処理ユニット14は、メイン搬送ロボットTR1を間に挟んでキャリア配列方向Uに対向するように配置されている。さらに、第1処理ユニット13および第2処理ユニット14は、キャリア保持部6に対して、キャリア配列方向Uに直交する水平方向に間隔を空けて配置されている。メイン搬送ロボットTR1は、各基板処理部12と基板受け渡し部5との間で基板Wの搬送を行う。さらに、メイン搬送ロボットTR1は、基板処理部12および基板受け渡し部5に基板Wを搬入する搬入動作と、基板処理部12および基板受け渡し部5から基板Wを搬出する搬出動作とを行う。ここでは、メイン搬送ロボットTR1は、本発明の第2搬送機構に相当する。
【0021】
図1に示すように、メイン搬送ロボットTR1は、2つのアーム15と、2つのハンド16とを備えている。メイン搬送ロボットTR1は、2つのアーム15を互いに独立して水平に伸縮させることができる。各アーム15の先端には、ハンド16が1つ取り付けられている。2つのハンド16は、上下方向D1に間隔を空けて水平に配置されている(図2および図3参照。なお、図1では、2つのハンド16が上下に重なり合っている。)。メイン搬送ロボットTR1は、各ハンド16によって基板Wを支持することにより、2枚の基板Wを水平に保持することができる。メイン搬送ロボットTR1に備えられるハンド16の数は、2つに限らず、1つ、または3つ以上であってもよい。ハンド16が3つ以上備えられる場合は、複数のハンド16が上下方向D1に間隔を空けて1つのアーム15に取り付けられていてもよいし、ハンド16ごとに専用のアーム15が設けられていてもよい。
【0022】
また、図示はしないが、メイン搬送ロボットTR1は、メイン搬送ロボットTR1に内蔵された第2旋回機構および第2昇降駆動機構を備えている。第2旋回機構は、2つのハンド16を対応するアーム15とともに鉛直軸線まわりに回転させる。また、第2昇降駆動機構は、2つのハンド16を対応するアーム15とともに上下方向D1に昇降させる。これにより、メイン搬送ロボットTR1は、各基板処理部12および基板受け渡し部5に各ハンド16を対向させることができる。
【0023】
また、各基板処理部12では、基板Wが1枚ずつ処理される。各基板処理部12では、洗浄、エッチング、剥離処理などの各種の処理が行われる。この実施形態では、たとえば、基板Wに処理液を供給しながらブラシを擦りつけて基板Wを洗浄するスクラブ洗浄が各基板処理部12で行われる。第1処理ユニット13は、たとえば、基板Wの表面をスクラブ洗浄するための表面処理ユニットであり、第2処理ユニット14は、たとえば、基板Wの裏面をスクラブ洗浄するための裏面処理ユニットである。すなわち、第1処理ユニット13を構成する各基板処理部12は、基板Wの表面をスクラブ洗浄する表面処理部12aであり、第2処理ユニット14を構成する各基板処理部12は、基板Wの裏面をスクラブ洗浄する裏面処理部12bである。
【0024】
図2に示すように、表面処理部12aは、基板Wを水平に保持して回転させる第1スピンチャック19と、基板Wの上面(表面)に処理液を供給するノズル20と、基板Wの上面に押し付けられるブラシ21とを備えている。また、裏面処理部12bは、基板Wを水平に保持して回転させる第2スピンチャック22と、基板Wの上面(裏面)に処理液を供給するノズル20と、基板Wの上面に押し付けられるブラシ21とを備えている。第1スピンチャック19は、たとえば、基板Wの下面(裏面)を吸着することによって基板Wを水平に保持し、基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに基板Wを回転させるバキューム式のスピンチャックである。また、第2スピンチャック22は、たとえば、基板Wを周囲から挟持することによって基板Wを保持し、基板Wの中心を通る鉛直軸線まわりに基板Wを回転させる挟持式のスピンチャックである。
【0025】
また、図1に示すように、基板受け渡し部5は、平面視において、キャリア保持部6とメイン搬送ロボットTR1との間に配置されている。図3に示すように、基板受け渡し部5は、第1反転ユニット23と、上下に積層された複数の送り側載置部24と、上下に積層された複数の戻り側載置部25と、第2反転ユニット26とを備えている。第1反転ユニット23、複数の送り側載置部24、複数の戻り側載置部25、および第2反転ユニット26は、上からこの順番で上下に積層されている。
【0026】
第1反転ユニット23は、メイン搬送ロボットTR1側からアクセスでき、インデクサロボットIR1側からアクセスできないように構成されている。また、各送り側載置部24、各戻り側載置部25、および第2反転ユニット26は、インデクサロボットIR1側およびメイン搬送ロボットTR1側のいずれの方向からでもアクセスできるように構成されている。第1反転ユニット23および第2反転ユニット26は、水平に保持した基板Wを水平軸線まわりに180度回転させることにより、基板Wの表裏を反転させる。また、各送り側載置部24および各戻り側載置部25は、インデクサロボットIR1およびメイン搬送ロボットTR1によって基板Wを載置させて保持する。ここでは、第2反転ユニット26は、本発明の第2基板保持部、第1反転ユニット23は、反転機構にそれぞれ相当する。
【0027】
たとえば、複数枚の基板Wの裏面だけを一枚ずつ処理する場合には、制御部4が、インデクサロボットIR1およびメイン搬送ロボットTR1等を制御して、たとえば以下の一連の動作を繰り返し実行させる。すなわち、各キャリアCには、デバイス形成面である基板Wの表面を上に向けて複数枚の基板Wが保持されている。キャリアCに収容された未処理の基板Wは、インデクサロボットIR1によってキャリアCから搬出され、表面が上に向けられた状態で第2反転ユニット26に搬入される。第2反転ユニット26に搬入された未処理の基板Wは、第2反転ユニット26によって表裏が反転された後、メイン搬送ロボットTR1によって搬出される。そして、第2反転ユニット26から搬出された未処理の基板Wは、メイン搬送ロボットTR1によって、裏面が上に向けられた状態でいずれかの基板処理部12(裏面処理部12b)に搬入される。これにより、基板Wの裏面が処理される。
【0028】
また、基板処理部12(裏面処理部12b)で処理された処理済みの基板Wは、メイン搬送ロボットTR1によって基板処理部12から搬出され、第1反転ユニット23に搬入される。第1反転ユニット23に搬入された処理済みの基板Wは、第1反転ユニット23によって表裏が反転された後、メイン搬送ロボットTR1によって搬出される。そして、第1反転ユニット23から搬出された処理済みの基板Wは、メイン搬送ロボットTR1によって、表面が上に向けられた状態でいずれかの戻り側載置部25に搬入される。戻り側載置部25に搬入された処理済みの基板Wは、インデクサロボットIR1によって戻り側載置部25から搬出され、表面が上に向けられた状態でいずれかのキャリアCに搬入される。このような一連の動作が繰り返し行われ、複数枚の基板Wの裏面だけが処理される。
【0029】
図4は、この発明の実施形態に係る第2反転ユニット26を図3における矢印IVが示す方向から見た図である。第2反転ユニット26は、基板Wを保持する複数の基板保持部27と、複数の基板保持部27を回転させる回転機構28とを備えている。複数の基板保持部27は、予め定める配列方向に配列されている。回転機構28は、複数の基板保持部27を配列方向に交差する軸線まわりに180度回転させる。回転機構28が複数の基板保持部27を回転させると、複数の基板保持部27は、回転前との逆の順番で配列方向に配列される。
【0030】
この実施形態では、たとえば、3個の基板保持部27(第1基板保持部27a、第2基板保持部27b、および第3基板保持部27c)が第2反転ユニット26に備えられてい
る。第1基板保持部27a、第2基板保持部27b、および第3基板保持部27cは、たとえば、上からこの順番で上下方向D1に配列されている。すなわち、この実施形態では、上下方向D1が、配列方向である。回転機構28は、たとえば、3個の基板保持部27の中間に位置する基板保持部27(第2基板保持部27b)を通る水平な回転軸線L1まわりに3個の基板保持部27を180度回転させる。回転軸線L1は、たとえば、キャリア配列方向Uに平行な軸線である。したがって、回転機構28は、キャリア配列方向Uに直交する平面に沿って3個の基板保持部27を180度回転させる。
【0031】
各基板保持部27は、たとえば、上下に対向する可動板29および固定板30と、可動板29を上下方向D1に平行移動させるアクチュエータ31とを含む。各可動板29は、たとえば、矩形状の板であり、各固定板30は、たとえば、可動板29と大きさが概ね等しい矩形状の板である。3つの基板保持部27の可動板29および固定板30は、平面視において重なり合うように水平な姿勢で上下方向D1に配列されている。さらに、3つの基板保持部27の可動板29および固定板30は、可動板29および固定板30が交互に並ぶように上下方向D1に配列されている。
【0032】
第2反転ユニット26は、鉛直面に沿って配置された支持板32と、上下方向D1に延びる複数(たとえば3つ)のガイド34とを備えている。各固定板30および可動板29は、支持板32に対して回転機構28とは反対側に配置されている。3つの固定板30は、上下に等間隔を空けて支持板32に水平に固定されている。また、各可動板29は、ガイド34を介して支持板32に水平に取り付けられている。各可動板29は、ガイド34に沿って上下方向D1に平行移動可能である。回転機構28は、各固定板30および可動板29とは反対側において支持板32に取り付けられている。
【0033】
各アクチュエータ31は、開位置と閉位置との間で対応する可動板29を上下方向D1に平行移動させる。開位置は、インデクサロボットIR1の各ハンド9およびメイン搬送ロボットTR1の各ハンド16が対を成す可動板29および固定板30の間に進入できる位置である。また、閉位置は、可動板29が開位置に位置しているときよりも対を成す可動板29および固定板30の間隔が狭い位置である。アクチュエータ31は、たとえば、エアシリンダを含む。また、回転機構28は、支持板32を回転軸線L1まわりに180度回転させる。これにより、3つの基板保持部27が一括して回転される。回転機構28は、たとえば、モータを含む。
【0034】
また、各可動板29の固定板30に対向する面(図4では、各可動板29の下面)には、当該面から突出する複数本の第1支持ピン35が設けられている。また、各固定板30の可動板29に対向する面(図4では、各固定板30の上面)には、当該面から突出する複数本の第2支持ピン36が設けられている。複数本の第1支持ピン35は、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。同様に、複数本の第2支持ピン36は、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。
【0035】
固定板30が対となる可動板29の下側に位置するように各可動板29および固定板30が配置されている状態(図4に示す状態)では、各固定板30は、複数本の第2支持ピン36の先端を基板Wの下面周縁部に点接触させて、基板Wを支持することができる。また、可動板29が対となる固定板30の下側に位置するように各可動板29および固定板30が配置されている状態では、各可動板29は、複数本の第1支持ピン35の先端を基板Wの下面周縁部に点接触させて、基板Wを支持することができる。各基板保持部27は、基板検知センサ37を備えており、各基板保持部27での基板Wの有無は、基板検知センサ37によって検知される。各基板検知センサ37の検出値は、制御部4に入力される。
【0036】
各可動板29が開位置(図4に示す位置)に位置している状態では、各搬送ロボット(インデクサロボットIR1およびメイン搬送ロボットTR1のそれぞれ)は、上下に隣接する2個の基板保持部27に基板Wを1枚ずつ同時に搬入したり、上下に隣接する2個の基板保持部27から2枚の基板Wを同時に搬出したりすることができる。また、各可動板29が開位置に位置している状態では、各搬送ロボットは、3個の基板保持部27のいずれか1個の基板保持部27に1枚の基板Wを搬入したり、1個の基板保持部27から1枚の基板Wを搬出したりすることができる。
【0037】
各搬送ロボットが搬送する基板Wは、可動板29が開位置に位置している状態で対を成す可動板29および固定板30の間に搬入され、可動板29または固定板30に支持される。制御部4は、アクチュエータ31を制御することにより、可動板29または固定板30によって基板Wが支持されている状態で可動板29を閉位置に移動させて、対を成す可動板29および固定板30の間隔を減少させる。これにより、各第1支持ピン35および第2支持ピン36の先端が基板Wに点接触し、対を成す可動板29および固定板30によって基板Wが挟持される。
【0038】
図5は、この発明の実施形態に係る第1反転ユニット23を図3における矢印IVが示す方向から見た図である。
【0039】
第1反転ユニット23は、基板Wを保持する複数の基板保持部40と、複数の基板保持部40を回転させる回転機構41とを有する反転機構を備えている。複数の基板保持部40は、予め定める配列方向に配列されている。回転機構41は、複数の基板保持部40を配列方向に交差する軸線まわりに180度回転させる。回転機構41が複数の基板保持部40を回転させると、複数の基板保持部40は、回転前との逆の順番で配列方向に配列される。
【0040】
この実施形態では、たとえば、2個の基板保持部40(第1基板保持部40a、および第2基板保持部40b)が第1反転ユニット23に備えられている。第1基板保持部40a、および第2基板保持部40bは、たとえば、上からこの順番で上下方向D1に配列されている。すなわち、この実施形態では、上下方向D1が、配列方向である。回転機構41は、たとえば、2個の基板保持部40の中間に位置する位置を通る水平な回転軸線L2まわりに2個の基板保持部40を180度回転させる。回転軸線L2は、たとえば、キャリア配列方向Uに平行な軸線である。したがって、回転機構41は、キャリア配列方向Uに直交する平面に沿って2個の基板保持部40を180度回転させる。
【0041】
各基板保持部40は、たとえば、上下に対向する可動板42および固定板43と、可動板42を上下方向D1に平行移動させるアクチュエータ44とを含む。各可動板42は、たとえば、矩形状の板であり、各固定板43は、たとえば、可動板42と大きさが概ね等しい矩形状の板である。2つの基板保持部40の可動板42および固定板43は、平面視において重なり合うように水平な姿勢で上下方向D1に配列されている。さらに、2つの基板保持部40の可動板42および固定板43は、可動板42および固定板43が交互に並ぶように上下方向D1に配列されている。
【0042】
第1反転ユニット23は、鉛直面に沿って配置された支持板45と、上下方向D1に延びる複数(たとえば2つ)のガイド46とを備えている。各固定板43および可動板42は、支持板35に対して回転機構41とは反対側に配置されている。2つの固定板43は、上下に等間隔を空けて支持板45に水平に固定されている。また、各可動板42は、ガイド46を介して支持板45に水平に取り付けられている。各可動板42は、ガイド46に沿って上下方向D1に平行移動可能である。回転機構41は、各固定板43および可動板42とは反対側において支持板45に取り付けられている。
【0043】
各アクチュエータ44は、開位置と閉位置との間で対応する可動板42を上下方向D1に平行移動させる。開位置は、メイン搬送ロボットTR1の各ハンド16が対を成す可動板42および固定板43の間に進入できる位置である。また、閉位置は、可動板42が開位置に位置しているときよりも対を成す可動板42および固定板43の間隔が狭い位置である。アクチュエータ44は、たとえば、エアシリンダを含む。また、回転機構41は、支持板32を回転軸線L2まわりに180度回転させる。これにより、2つの基板保持部40が一括して回転される。回転機構41は、たとえば、モータを含む。
【0044】
また、各可動板42の固定板43に対向する面(図5では、各可動板42の下面)には、当該面から突出する複数本の第1支持ピン47が設けられている。また、各固定板43の可動板42に対向する面(図5では、各固定板43の上面)には、当該面から突出する複数本の第2支持ピン48が設けられている。複数本の第1支持ピン47は、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。同様に、複数本の第2支持ピン48は、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。
【0045】
固定板43が対の可動板42の下側に位置するように各対の可動板42および固定板43が配置されている状態(図5に示す状態)では、各固定板42は、複数本の第2支持ピン48の先端を基板Wの下面周縁部に点接触させて、基板Wを支持することができる。また、可動板42が対の固定板43の下側に位置するように各対の可動板42および固定板43が配置されている状態では、各可動板42は、複数本の第1支持ピン47の先端を基板Wの下面周縁部に点接触させて、基板Wを支持することができる。各基板保持部40は、基板検知センサ49を備えており、各基板保持部40での基板Wの有無は、基板検知センサ49によって検知される。各基板検知センサ49の検出値は、制御部4に入力される。
【0046】
各可動板が開位置(図5に示す位置)に位置している状態では、メイン搬送ロボットTR1は、上下に隣接する2個の基板保持部40に基板Wを1枚ずつ同時に搬入したり、上下に隣接する2個の基板保持部40から2枚の基板Wを同時に搬出したりすることができる。また、各可動板42が開位置に位置している状態では、メイン搬送ロボットTR1は、2個の基板保持部40のいずれか1個の基板保持部40に1枚の基板Wを搬入したり、1個の基板保持部40から1枚の基板Wを搬出したりすることができる。
【0047】
メイン搬送ロボットTR1が搬送する基板Wは、可動板42が開位置に位置している状態で対を成す可動板42および固定板43の間に搬入され、可動板42または固定板43に支持される。制御部4は、アクチュエータ44を制御することにより、可動板42または固定板43によって基板Wが支持されている状態で可動板42を閉位置に移動させて、一対の可動板42および固定板43の間隔を減少させる。これにより、各第1支持ピン47および第2支持ピン48の先端が基板Wに点接触し、対を成す可動板42および固定板43によって基板Wが挟持される。
【0048】
また、制御部4は、回転機構41を制御することにより、基板Wが挟持された状態で支持板45を回転軸線L2まわりに180度回転させて基板Wの表裏を反転させる。そして、制御部4は、アクチュエータ44を制御することにより、可動板42を開位置に移動させて、対を成す可動板42および固定板43の間隔を増加させる。これにより、対を成す可動板42および固定板43による基板Wの挟持が解除される。その後、可動板42または固定板43に支持された基板Wがメイン搬送ロボットTR1によって第1反転ユニット23から搬出される。
【0049】
第1反転ユニット23の反転機構の上下には、加熱装置50が配置されている。この加熱装置50は、キャリア配列方向Uに沿って複数のLEDの赤外線ランプ51を備えている。この複数のLEDの赤外線ランプ51の加熱により、基板Wが乾燥させられる。なお、この複数のLEDの赤外線ランプ51は、約150℃に設定されている。ここでは、上側に配置されている加熱装置50が、本発明の上側加熱機構、下側に配置されている加熱装置50が、本発明の下側加熱機構にそれぞれ相当する。
【0050】
上側の加熱装置50の上側には、フィルターファンユニット(FFU)52が配置されている。図5に示すように、フィルターファンユニット52からのダウンフローは、第1反転ユニット23内に導かれ、下側の加熱装置50側へ流れる構造になっている。このような構造にすることで、加熱装置50による基板Wの加熱に加えて、ダウンフローの流れにより基板Wの乾燥をさらに促進するとともに、第1反転ユニット23における基板Wへのパーティクルの付着を抑制できる。
【0051】
次に、この基板処理装置の処理動作について説明する。図6は、この基板処理装置の処理動作を示すフローチャートであり、図7はこの発明の実施形態に係る第2反転ユニット26によって基板Wの表裏を反転させながら、キャリア保持部6から基板処理部12に複数枚の基板Wを搬送させるときのインデクサロボットIR1、メイン搬送ロボットTR1、および第2反転ユニット26の動作の一例を説明するための概略図である。
【0052】
制御部4は、インデクサロボットIR1によって、n(nは、2以上の整数)枚の基板WをキャリアCから第2反転ユニット26に同時に搬送させ、このn枚の基板Wを第2反転ユニット26に搬入させる。そして、制御部4は、第2反転ユニット26によって各基板Wの表裏を反転させた後、第2反転ユニット26に保持されたn枚の基板Wをm(mは、nよりも小さい正の整数で、かつnの約数)枚ずつメイン搬送ロボットTR1によって第2反転ユニット26から搬出させる。
【0053】
この実施形態では、制御部4は、たとえば、インデクサロボットIR1によって、2枚の基板WをキャリアCから第2反転ユニット26に同時に搬送させ、この2枚の基板Wを第2反転ユニット26に搬入させる。そして、制御部4は、第2反転ユニット26によって各基板Wの表裏を反転させた後、第2反転ユニット26に保持された2枚の基板Wを1枚ずつメイン搬送ロボットTR1によって第2反転ユニット26から搬出させる。すなわち、第1実施形態では、nが2であり、mが1である。また、第2反転ユニット26に備えられた基板保持部27の個数は、n+mであり、この実施形態では、3である。
【0054】
以下では、第2反転ユニット26により基板Wの表裏を反転させながら、キャリア保持部6から基板処理部12に複数枚の基板Wを搬送させるときのインデクサロボットIR1、メイン搬送ロボットTR1、および第2反転ユニット26の一連の動作の一例を具体的に説明する。
【0055】
制御部4は、インデクサロボットIR1によって、表面が上面の2枚の基板WをキャリアCから搬出させ、図7(a)に示すように、この2枚の基板WをキャリアCから第2反転ユニット26に同時に搬送させる(ステップS1)。そして、図7(a)に示すように、制御部4は、インデクサロボットIR1によって、この2枚の基板Wを、上下方向D1の一方端から2番目までの2個の基板保持部27(図7(a)では、第1基板保持部27aおよび第2基板保持部27b)に同時に搬入させる。
【0056】
その後、図7(b)に示すように、制御部4は、回転機構28によって、3個の基板保持部27を回転軸線L1まわりに180度回転させて、基板Wの表裏を反転させる(ステップS2)。これにより、図7(c)に示すように、3個の基板保持部27は、回転前とは逆の順番で上下方向D1に配列される。すなわち、上から第1基板保持部27a、第2基板保持部27b、第3基板保持部27cの順番で上下方向D1に配列されていた3個の基板保持部27が、上から第3基板保持部27c、第2基板保持部27b、第1基板保持部27aの順番で上下方向D1に配列される。
【0057】
制御部4は、3個の基板保持部27を180度回転させた後、メイン搬送ロボットTR1によって、2個の基板保持部27にそれぞれ搬入された2枚の基板Wを搬出させ、この2枚の基板Wを基板処理部12に搬入させる。具体的には、図7(c)に示すように、制御部4は、メイン搬送ロボットTR1によって、第2基板保持部27bに保持された裏面が上面の基板W(1枚目の基板W)を搬出させ、この基板Wを裏面処理部12bに搬入させる(ステップS3)。その後、図7(d)に示すように、制御部4は、メイン搬送ロボットTR1によって、第1基板保持部27aに保持された裏面が上面の基板W(2枚目の基板W)を搬出させ、この基板Wを裏面処理部12bに搬入させる(ステップS4)。このようにして、制御部4は、上下方向D1の一方端に位置する基板Wから順に1枚ずつ基板Wを搬出させる。
【0058】
図7(d)に示すように、第2基板保持部27bに保持された基板W(1枚目の基板W)がメイン搬送ロボットTR1によって搬出された後は、上から2番目までの2個の基板保持部27(図7(d)では、第3基板保持部27cおよび第2基板保持部27b)が空になっている。図7(d)に示すように、制御部4は、メイン搬送ロボットTR1によって1枚の基板W(2枚目の基板W)を搬出させた後、インデクサロボットIR1によって、上下方向D1の一方端から2番目までの2個の基板保持部27(図7(d)では、第3基板保持部27cおよび第2基板保持部27b)に2枚の基板Wを同時に搬入させる(ステップS5)。
【0059】
また、制御部4は、再びインデクサロボットIR1によって2枚の基板Wを同時に搬入させ、メイン搬送ロボットTR1によって第1基板保持部27aに保持された基板W(2枚目の基板W)を搬出させた後に、回転機構28によって、3個の基板保持部27を回転軸線L1まわりに180度回転させて、基板Wの表裏を反転させる。そして、制御部4は、再びメイン搬送ロボットTR1によって第2基板保持部27bから基板Wを搬出させる。制御部4は、このような一連の動作を繰り返し実施させて、複数枚の基板WをキャリアCから基板処理部12に搬送させる。
【0060】
メイン搬送ロボットTR1が1枚目の基板Wを搬出した後に行われるインデクサロボットIR1による2枚の基板Wの搬入は、メイン搬送ロボットTR1が2枚目の基板Wを搬出する前に行われてもよいし、搬出した後に行われてもよい。また、インデクサロボットIR1による2枚の基板Wの搬入と、メイン搬送ロボットTR1による2枚目の基板Wの搬出とが並行して行われてもよい。
【0061】
上述したステップS3で、基板処理部12へ搬送される基板Wの裏面処理のみを実施する場合は、メイン搬送ロボットTR1は、裏面処理部12bへ1枚目の基板を搬送する。裏面処理部12bでは、ノズル20が第2スピンチャック22に保持された基板Wの裏面に処理液を供給しつつ、ブラシ21が基板Wの裏面に押し付けられて、基板Wの裏面が洗浄される。ここでの洗浄処理としては、薬液を使用した後に純水でリンス処理を行っている。その後、ノズル20からの処理液の供給が停止され、基板Wを保持した第2スピンチャック22が回転して、基板Wの乾燥処理が行われる(ステップS6)。
【0062】
ステップS6においての基板Wの乾燥処理が終了すると、メイン搬送ロボットTR1が、裏面処理部12bから第1反転ユニット23へ裏面が上面の1枚目の基板Wを搬送する(ステップS7)。
【0063】
上述したステップS4で、基板処理部12へ搬送される基板Wの裏面処理のみを実施する場合は、メイン搬送ロボットTR1は、裏面処理部12bへ2枚目の基板を搬送する。裏面処理部12bでは、ノズル20が第2スピンチャック22に保持された基板Wの裏面に処理液を供給しつつ、ブラシ21が基板Wの裏面に押し付けられて、基板Wの裏面が洗浄される。ここでの洗浄処理としては、薬液を使用した後に純水でリンス処理を行っている。その後、ノズル20からの処理液の供給が停止され、基板Wを保持した第2スピンチャック22が回転して、基板Wの乾燥処理が行われる(ステップS8)。
【0064】
基板Wの乾燥処理が終了すると、メイン搬送ロボットTR1が、裏面処理部12bから第1反転ユニット23へ裏面が上面の2枚目の基板Wを搬送する(ステップS9)。
【0065】
メイン搬送ロボットTR1により、この第1反転ユニット23へ2枚目の基板Wを搬送させると、制御部4は、フィルターファンユニット52からのダウンフローを開始するとともに(ステップS10)、第1反転ユニット23の反転機構の上下に配置された加熱装置50の加熱を開始する(ステップS11)。
【0066】
その後、制御部4は、回転機構41によって、2個の基板保持部40を回転軸線L2まわりに180度回転させて、基板Wの表裏を反転させる(ステップS12)。これにより、2枚の基板Wともに、基板Wの表面が上側に向く。このとき、上下に配置された加熱装置50による加熱処理により、基板Wの表面の処理液の濡れ残りを防止できる。特に、上下方向から加熱しているので、基板Wの表裏面を確実に乾燥できる。併せて、フィルターファンユニット52からのダウンフローの流れにより、基板Wの乾燥をさらに促進するとともに、第1反転ユニット23における基板Wへのパーティクルの付着を抑制できる。
【0067】
制御部4は、2個の基板保持部40を180度回転させて基板を反転させる動作が終わった後に、加熱装置50の上下に配置された加熱装置50による2枚の基板Wへの加熱処理を停止させるとともに(ステップS13)、フィルターファンユニット52からのダウンフローも停止させる(ステップS14)。その後、メイン搬送ロボットTR1によって、第1反転ユニット23から2枚の基板Wを搬出させ、この2枚の基板Wを戻り側載置部25へ搬送させる(ステップS15)。最後に、制御部4は、インデクサロボットIR1によって、2枚の基板Wを戻り側載置部25からキャリアCに同時に搬送させて(ステップS16)、基板Wに対する一連の処理動作が終了する。
【0068】
この発明の実施形態の説明は以上であるが、この発明は、上述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。この実施形態では、基板Wの裏面処理において、本発明の第2基板保持部として第2反転ユニット26を用いたが、第2反転ユニット26を用いなくてもよい。たとえば、複数の送り側載置部24を本発明の第2基板保持部として用いてもよい。この場合、具体的には、キャリアC、インデクサロボットIR1(搬送)、送り側載置部24、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、第1反転ユニット23(表面から裏面への反転)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、裏面処理部12b(洗浄・乾燥処理)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、第1反転ユニット23(裏面から表面への反転かつ基板Wの乾燥)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、戻り側載置部25、インデクサロボットIR1(搬送)、キャリアCの順序で搬送されることになる。
【0069】
また、上述した実施形態では、基板Wの裏面処理のみについての洗浄・乾燥処理だったが、表裏面処理の場合でもよい。この場合、具体的には、キャリアC、インデクサロボットIR1(搬送)、送り側載置部24、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、表面処理部12a、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、第1反転ユニット23(表面から裏面への反転)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、裏面処理部12b(洗浄・乾燥処理)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、第1反転ユニット23(裏面から表面への反転)、メイン搬送ロボットTR1(搬送)、戻り側載置部25、インデクサロボットIR1(搬送かつ基板Wの乾燥)、キャリアCの順序で搬送されることになる。
【0070】
また、上述した実施形態では、本発明の第2基板保持部に相当する第2反転ユニット26の上方位置に、本発明の反転機構に相当する第1反転ユニット23を配置したが、第2反転ユニット26の下方位置に、第1反転ユニット23を配置してもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、加熱装置50として、赤外線ランプ51を用いたが、赤外線ランプ51に限らず、ヒータ等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 基板処理装置
4 制御部
6 キャリア保持部
7 IR移動機構
12 基板処理部
12b 裏面処理部
23 第1反転ユニット
26 第2反転ユニット
28 回転機構
41 回転機構
50 加熱装置
51 赤外線ランプ
52 フィルターファンユニット(FFU)
C キャリア
D1 上下方向
IR1 インデクサロボット
TR1 メイン搬送ロボット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する第1基板保持部と、
基板に処理液を供給して洗浄処理を行うとともに、洗浄処理された基板に乾燥処理を行う基板処理部と、
前記第1基板保持部と前記基板処理部との間に配置された第2基板保持部と、
前記第2基板保持部の上方位置または下方位置に配置され、基板の表裏を反転させる反転機構と、
前記第1基板保持部と前記第2基板保持部との間で基板を搬送する第1搬送機構と、
前記第2基板保持部と前記基板処理部と前記反転機構との間で基板を搬送する第2搬送機構と、
前記反転機構で反転される基板を乾燥させる加熱機構とを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記反転機構で反転される基板にダウンフローを供給するダウンフロー供給機構をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
前記加熱機構は、前記反転機構の上側に配置された上側加熱機構と、前記反転機構の下側に配置された下側加熱機構とを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の基板処理装置において、
前記反転機構と前記第2搬送機構とを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2搬送機構により前記基板処理部において洗浄処理及び乾燥処理を行った基板を前記反転機構へ搬送させ、前記反転機構により基板を反転させながら、前記加熱機構により基板を加熱させることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175039(P2012−175039A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38224(P2011−38224)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】