説明

基板処理装置

【課題】 設備コスト、設置場所の縮小を図ることができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】 基板Wに対して剥離処理と洗浄処理を行なう基板処理装置において、導入された空気を窒素ガスと酸素ガスのガス成分に分離して取り出し可能とするガス分離モジュール9と、この分離モジュール9から分離取り出された窒素ガス、酸素ガスをそれぞれ用いたマイクロナノバブル発生装置5、6を設け、各発生装置で発生した微小気泡を剥離部2、洗浄部3にそれぞれ供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、半導体ウエーハやガラス板などの基板に対し、フォトリソグラフィのプロセスを用いて回路パターンを形成する場合、次のような処理が順次行なわれる。まず処理すべき基板の表面にフォトレジスト膜の被膜であるレジスト膜を形成する。つぎに、露光・現像・エッチング等のプロセス処理を施して所望のパターニングを行なう。そして、基板上のレジスト膜を剥離後、洗浄により、剥離後も基板上に残っているレジスト膜を除去する。
【0003】
ここで、レジスト膜の剥離や除去、洗浄は、基板に対して剥離液あるいは純水などの処理液を供給することで行なわれる。
【0004】
ところで最近では、剥離処理や洗浄処理において、マイクロバブル、マイクロナノバブル、あるいはナノバブル程度の微細気泡を含む処理液を用いることで処理効率を向上させるということが行われている。
【0005】
つまり、微細気泡を含む処理液が基板に供給されると、処理液が基板に衝突したときの圧力によって、処理液に含まれる微細気泡が圧壊される。微細気泡が圧壊されるとき、キャビテーションが発生し、そのキャビテーションによって衝撃波が誘起される。それによって、基板に対して行われる処理作用が大幅に促進されるものである。
【0006】
気泡の発生に用いる気体の種類に関しては、たとえば、レジスト膜の剥離工程においては窒素ガス等の不活性ガス、洗浄工程においては酸素ガスが、それぞれ有効であることが知られている(たとえば、特許文献1)。そこで、各工程に設けた剥離装置や洗浄装置のそれぞれが有する気泡生成装置に対し、窒素ガスあるいは酸素ガスなどといった異なったガスを供給する供給手段が接続されるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−198974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述したような従来構成では、気泡生成装置ごとに異なるガス供給手段を設置しなければならない。
【0009】
本発明の目的は、気泡を生成する少なくとも2つの気泡生成装置に対して主成分を異にするガスを供給するにあたり、気泡生成装置毎にガス供給手段を設ける必要のない基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、基板に対して少なくとも主成分の異なる2種類のガスを用いて処理を行なう基板処理装置において、
導入された原料ガスを主成分が異なる少なくとも2つの種類のガスに分離し取り出し可能とするガス分離モジュールと、
このガス分離モジュールに圧縮空気を供給する空気供給部と、
前記分離モジュールから分離取り出された第1のガスを主成分とする気泡を含む処理液を生成する第1の気泡生成装置と、
前記分離モジュールから分離取り出された第2のガスを主成分とする気泡を含む処理液を生成する第2の気泡生成装置と、
前記第1の気泡生成装置にて生成した気泡を含む処理液を、前記基板に対する第1の処理部に供給する第1の供給手段と、
前記第2の気泡生成装置にて生成した気泡を含む処理液を、前記基板に対する第2の処理部に供給する第2の供給手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、気泡を含む処理液を生成する少なくとも2つの気泡生成装置に対して異なるガスを主成分とするガスをそれぞれ供給するにあたり、個別にガス供給手段を設ける必要のない基板処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における基板処理装置の概略構成図。
【図2】図1における剥離部の側面図。
【図3】図1における洗浄部の側面図。
【図4】図1における乾燥部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態における基板処理装置1の概略構成図である。
【0015】
基板処理装置1は、基板W(図2〜図4参照)の上面に付着しているレジスト膜を剥離する剥離部2と、剥離部2でレジスト膜が剥離された基板Wを洗浄する洗浄部3と、洗浄部3で洗浄された基板Wを乾燥させる乾燥部4とを備える。
【0016】
剥離部2にはマイクロナノバブル生成装置5が、洗浄部3にはマイクロナノバブル生成装置6がそれぞれ接続される。マイクロナノバブル生成装置5、6は気泡生成装置を構成する。マイクロナノバブル生成装置5は窒素ガス供給管7を介して、またマイクロナノバブル生成装置6は酸素ガス供給管8を介して、それぞれ同一のガス分離モジュール9に接続される。
【0017】
図2は、剥離部2の側面図である。
【0018】
剥離部2は、チャンバ10、剥離部搬入口11、搬送機構12A、洗浄部搬入口15、剥離液供給ノズル16をそれぞれ備える。
【0019】
搬送機構12Aは、図2に示すようにチャンバ10内の下方に設けられ、基板Wの搬送方向(図2の矢印A方向)とは直交する方向(紙面に直交する方向)に延びる複数の搬送軸13を有する。各搬送軸13は同じ高さ位置に設定され、軸方向に沿って複数の搬送ローラ14が所定間隔で設けられる。各搬送軸13は、図示しないモータなどの駆動機構によって連動して回転駆動されるようになっている。不図示の搬送ロボットなどにより、チャンバ10の長手方向の一側面に形成された剥離部搬入口11より基板Wが搬入されると、その基板Wは、回転する搬送ローラ14によって矢印Aで示す方向に搬送される。そして、チャンバ10の他側面に形成される洗浄部搬入口15を通って洗浄部3へと搬送されるようになっている。
【0020】
チャンバ10内には、搬送機構12Aによる基板Wの搬送経路上方に剥離液供給ノズル16が設置される。剥離液供給ノズル16からは、搬送機構12Aによって搬送される基板Wの表面に向かって剥離液が噴射供給されるようになっていて、これにより基板Wに対してレジスト膜の剥離が行われる。
【0021】
図3は、洗浄部3の側面図である。
【0022】
洗浄部3は、チャンバ17、洗浄部搬入口15(剥離部2と兼用)、乾燥部搬入口18、洗浄液供給ノズル19、そして剥離部2の搬送機構12Aと同様の搬送機構12Bを備える。
【0023】
搬送機構12Bは、チャンバ17の長手方向の一側面に形成された洗浄部搬入口15から搬入された基板Wを矢印Aで示す方向に搬送し、他側面に形成された乾燥部搬入口18から乾燥部4へ搬出させる。
【0024】
チャンバ17内には、搬送機構12Bによる基板Wの搬送経路上方に洗浄液供給ノズル19が設置される。洗浄液供給ノズル19からは、搬送機構12Bによって搬送される基板Wの表面に向かって洗浄液が噴射供給されるようになっていて、これにより基板Wの表面に残留しているレジスト膜残渣等の除去(洗浄)が行なわれる。
【0025】
図4は、乾燥部4の側面図である。
【0026】
乾燥部4は、チャンバ20、乾燥部搬入口18(洗浄部3と兼用)、搬出口21、ガスナイフ22、そして搬送機構12Aや12Bと同様の搬送機構12Cを備える。
【0027】
搬送機構12Cは、チャンバ20の長手方向の一側面に形成された乾燥部搬入口18から搬入された基板Wを矢印Aで示す方向に搬送し、他端面に形成された搬出口21まで搬送する。
【0028】
チャンバ20内には、搬送機構12Cによる基板Wの搬送経路上方にガスナイフ22が設置される。このガスナイフ22のノズル口は、基板搬送方向(矢印A)に対して上流側に向けられる。また、ガスナイフ22のノズル長は基板Wの幅方向長さに相当し、このガスナイフ22のノズル口からは、搬送機構12Cによって搬送されている基板Wの表面に向かって吹き付けるガス(後述する窒素ガス)が噴出される。このガスの噴射によって基板W上の液体は飛ばされて乾燥がなされる。
【0029】
図1に戻り、基板処理装置1の全体構成についてさらに説明する。
【0030】
剥離部2とマイクロナノバブル生成装置5との間には、剥離液を貯留する剥離液貯留タンク23が備えられ、ポンプ24、25の駆動により、剥離液貯留タンク23内の剥離液をこの剥離液貯留タンク23とマイクロナノバブル生成装置5との間にて循環させることができるようになっている。もっとも、1台のポンプ24(25)によって循環させるようにしても良い。また剥離液貯留タンク23内の剥離液は、ポンプ26の駆動によって剥離部2の剥離液供給ノズル16(図2参照)に供給されるようになっている。
【0031】
一方、洗浄部3に接続されるマイクロナノバブル生成装置6には、純水を供給する手段である純水タンク27が接続されており、ポンプ28の駆動によってマイクロナノバブル生成装置6に純水が供給される。
【0032】
ここで用いられるマイクロナノバブル生成装置5、6は、旋回流を用いた公知のマイクロナノバブル生成装置である。いずれの生成装置も、液体と気体が供給されると、これらは旋回流となって装置内を異なる旋回速度で流れ、その旋回速度の差によって気体が液体によって剪断されてマイクロナノバブルが発生する構成のものである。
【0033】
ガス分離モジュール9は、ガス透過膜を利用してガスを分離するもので、原料ガスが供給されると、そのガス分子が高分子膜を通過する際に、ガス種によって透過性が異なるという選択的透過性を利用するものである。本実施形態で用いているのは、例えば特開平9−94446号公報などに記載されている多数本の中空糸状ガス分離膜を束ねたものである。そして本実施形態においては、コンプレッサ29により原料ガスに相当する圧縮空気を配管29aを介してガス分離モジュール9の空気供給口30に導入(供給)すると、窒素取出口31からは窒素ガス(主成分が窒素ガスである窒素富化ガス)として、また酸素取出口34からは酸素ガス(主成分が酸素ガスである酸素富化ガス)としてそれぞれ分離して取り出されるものである。ここでコンプレッサは、圧縮空気供給部として機能する。
【0034】
窒素取出口31からの窒素ガスは、配管33を介してマイクロナノバブル生成装置5に接続される。酸素取出口34からの酸素ガスは、配管35を介してマイクロナノバブル生成装置6に接続される。なお、配管33と配管35には、途中に流量調整弁32、37と流量計36、38がそれぞれ介在されている。
【0035】
配管33における、窒素取出口31と流量調整弁32との間には、乾燥部4のガスナイフ22に接続される配管39の一端が接続される。この配管39にも、その途中に流量調整弁40と流量計41が介在されている。
【0036】
また、マイクロナノバブル生成装置6で生成された洗浄液は、ポンプ42の駆動によって洗浄部3の洗浄液供給ノズル19(図3参照)に供給されるようになっている。
【0037】
つぎに、本実施形態の基板処理装置1によって基板Wを処理するときの作動について説明する。なお、以下の制御において、剥離部2、洗浄部3、乾燥部4、マイククロナノバブル生成装置5、6、ポンプ24〜26、28、42、流量調整弁32、37、40を含む作動は不図示の制御装置により一括制御、管理される。
【0038】
まず、配管29aを介して、ガス分離モジュール9の空気供給口30に、原料ガスとなる圧縮空気(大気)を供給する。このとき、配管29a途中にフィルタを備えておくと、ガス分離モジュール9内に基板Wの処理に悪影響を及ぼすゴミ等の侵入を防止できる。ガス分離モジュール9は、取り込んだ空気を窒素ガスと酸素ガスに分離する。分離された窒素ガスは、窒素取出口31より取り出され、一方では配管33を介してマイクロナノバブル生成装置5へ、他方では配管39を介して乾燥部4にそれぞれ供給し得る状態とされる。また、酸素取出口34から取り出される酸素ガスは、配管35を介してマイクロナノバブル生成装置6に供給し得る状態とされる。なお、配管33と39を流れる窒素ガスの流量、配管35を流れる酸素ガスの流量は、それぞれ流量計36、41、38によって測定され、これらの測定値に基づいて各流量が予め設定した許容範囲内に入るように、流量調整弁32、40、37を調整する。
【0039】
マイクロナノバブル生成装置5には、前述の通り、剥離液貯留タンク23内の剥離液がポンプ24、25の駆動によって循環供給されるとともに、ガス分離モジュール9で分離された窒素ガスが配管33を経由して供給されると、これらは旋回流となってマイクロナノバブル生成装置5の内部を異なる旋回速度で流れ、その旋回速度の差によって窒素ガスが剥離液によって剪断されてマイクロナノバブルが発生し、そのマイクロナノバブルが剥離液に混入する。
【0040】
マイクロナノバブル生成装置5で生成されたバブル含有剥離液はポンプ24の駆動により剥離液貯留タンク23に戻り、ポンプ26の駆動によって剥離部2に供給され、剥離液供給ノズル16に供給される。
【0041】
処理される基板Wは、不図示の搬送ロボットなどにより、剥離部搬入口11を介してチャンバ10内に搬入され、搬送機構12Aによって水平状態で搬送される。そしてこの基板W表面に対し、剥離液供給ノズル16よりバブル含有剥離液が噴射、供給される。バブル含有剥離液が供給された基板Wは、洗浄部搬入口15を介して洗浄部3へと搬送される。
【0042】
一方、マイクロナノバブル生成装置6には、前述の通り、ポンプ28の駆動によって純水タンク27から純水が供給される。マイクロナノバブル生成装置6対して純水が供給され、ガス分離モジュール9で分離された酸素ガスが配管35を経由して供給されると、これらは旋回流となって内部を異なる旋回速度で流れ、その旋回速度の差によって酸素ガスが純水によって剪断されてマイクロナノバブルが発生し、そのマイクロナノバブルが純水に混入する。マイクロナノバブル生成装置6で生成されたバブル含有洗浄液は、ポンプ42の駆動により洗浄部3に供給され、洗浄液供給ノズル19に供給される。洗浄部3のチャンバ17内には、前工程にバブル含有剥離液が供給され基板Wが洗浄部搬入口15より搬入され、搬送機構12Bによって水平状態で搬送される。つまり、剥離部2でレジスト膜剥離を終え、表面にレジスト膜残渣を残留させた状態の基板Wが搬送される。そしてこの基板W表面に対し、洗浄液供給ノズル19よりバブル含有洗浄液が噴射、供給され、基板の洗浄が行なわれる。バブル含有洗浄液が供給された基板Wは、乾燥部搬入口18を介して乾燥部4へと搬送される。
【0043】
ガス分離モジュール9の窒素取出口31から取り出される窒素ガスは、配管39を経由して乾燥部4のガスナイフ22にも供給される。乾燥部2のチャンバ20内には、前工程にバブル含有洗浄液が供給され基板Wが乾燥部搬入口18より搬入され、搬送機構12Cによって水平状態で搬送される。つまり、洗浄部3にて洗浄液が供給給され表面にその洗浄液を滞留させた基板Wが搬送される。そしてこの基板W表面に対し、ガスナイフ22より窒素ガスが噴射、供給され、基板の乾燥が行なわれる。乾燥処理が終了した基板Wは、搬出口21より搬出される。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、ガス分離モジュール9をマイクロナノバブル生成装置5、6、乾燥部4にそれぞれ接続し、ガス分離モジュール9にて分離された窒素ガス、酸素ガスをそれぞれ供給することにより、複数のガス供給源(ガス供給手段)を用意することなく、一つのガス供給源なるガス分離モジュール9から複数の工程に必要なガスを供給することができる。これにより、設備コスト、設置場所の縮小を図ることができる。
【0045】
また、一般に剥離液供給ノズル16から噴射供給される剥離液は大気に接触するため、大気中に含まれる二酸化炭素や酸素などの気体を溶解して劣化を招く虞がある。しかしながら、上記した実施形態によると、剥離液供給ノズル16から基板Wに向かって噴射される剥離液には窒素ガスのマイクロナノバブルが含有する。そのため、剥離液供給ノズル16から基板Wに向かって噴射される剥離液(バブル含有剥離液)には、大気中の二酸化炭素や酸素などの気体元素が溶解し難くなる。つまり、剥離部2で剥離液を剥離液供給ノズル16から基板Wに向けて噴射すると、剥離液と大気との接触面積が増大して大気中の二酸化炭素や酸素などの気体元素が剥離液に対して溶解しやすい状態となるが、剥離液には窒素ガス成分よりなるマイクロナノバブルが含まれていることで、大気中の二酸化炭素や酸素が溶解し難くなるため、剥離液を基板Wに向けて噴射しても劣化し難い。
【0046】
さらに、剥離液は、剥離液貯留タンク23からマイクロナノバブル生成装置5へ循環供給される。剥離液に窒素ガス成分のマイクバブルを含有させることで、マイクロナノバブルを含有する剥離液が剥離液貯留タンク23に戻ると、この剥離液貯留タンク23内に貯留された処理液に対し、マイクロナノバブルのバブリング作用によって、剥離液の劣化に影響を与えるガス(例えば大気中の二酸化炭素や酸素等)を剥離液より除去することができる。これにより、剥離液貯留タンク23に貯留される剥離液の劣化を防止できる。
(他の実施の形態)
この発明は上記の実施形態に限定されず、種々変形可能である。
【0047】
たとえば、上記実施形態による基板Wの処理では、剥離部2や洗浄部3において、基板Wの上面に対向するように設置した供給ノズル16、19から処理液を噴射する例を挙げて説明したが、これに限らず、基板を処理液に浸漬して処理を行なうようにしても良い。
【0048】
また、上記の実施形態においては、ガス分離モジュールは、膜分離法を用いたものを例に挙げたが、これに限らず、深冷分離法、PSA法などを用いるものであっても良い。ガス分離モジュールによって分離使用するガスの成分(主成分)も、窒素ガス、酸素ガスに限られず、用いる分離法により、また処理に応じて必要なガスを選定すれば良い。
【0049】
また、上記の実施形態において、剥離部2は、剥離液貯留タンク23とマイクロナノバブル生成装置5間を循環させた剥離液を用いているが、これに限らず、マイクロナノバブル生成装置5で生成した窒素ガスバブルを含有する処理液を剥離部2へ直接供給するものであっても良い。
【0050】
また、上記の実施形態においては、剥離液貯留タンク23にヒータ等の加熱手段を備えるようにしても良い。加熱手段によって剥離液が温められることにより、剥離処理の作業効率が上がるといった効果が得られる。
【0051】
また、上記の実施形態においては、乾燥部4でガスナイフ22から窒素ガスを噴射しているが、これに限らず、乾燥工程において好ましい清浄な空気、あるいは窒素ガス以外の不活性ガスであっても良い。
【0052】
また、上記の実施形態において乾燥部4に用いられる窒素ガスは、ガス分離モジュールで分離されたものを用いているが、これに限らず、チャンバ20の例えば上面外側からガスナイフ22に大気を取り込む等の手段を用いても良い。
【0053】
また、上記の実施形態において、微細気泡はマイクロナノバブルとしたが、これに限らず、マイクロバブル、ナノバブル等、基板処理に合わせた有効なサイズであれば良い。
【0054】
また、上記実施の形態において、マイクロナノバブル生成装置5、6は旋回式のものとしたが、これに限らず、ベンチュリ管を用いたもの、多孔質フィルタを用いたものであっても良い。
【0055】
また、上記実施形態では、剥離と洗浄という異なる処理のために各気泡生成装置に供給するガス主成分を別としたが、必要に応じ、例えば同じ処理を2回行なうにおいて、1回目の処理と2回目の処理との間でガス主成分を異にするように構成しても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 基板処理装置
2 剥離部
3 洗浄部
4 乾燥部
5 マイクロナノバブル生成装置
6 マイクロナノバブル生成装置
7 窒素ガス供給管
8 酸素ガス供給管
9 ガス分離モジュール
10 チャンバ
11 剥離部搬入口
12A〜C 搬送機構
13 搬送軸
14 搬送ローラ
15 洗浄部搬入口
16 剥離液供給ノズル
17 チャンバ
18 乾燥部搬入口
19 洗浄液供給ノズル
20 チャンバ
21 搬出口
22 ガスナイフ
23 剥離液貯留タンク
24 ポンプ
25 ポンプ
26 ポンプ
27 純水タンク
28 ポンプ
29 コンプレッサ
29a配管
30 空気供給口
31 窒素取出口
32 流量調整弁
33 配管
34 酸素取出口
35 配管
36 流量計
37 流量調整弁
38 流量計
39 配管
40 流量調整弁
41 流量計
42 ポンプ
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して少なくとも主成分の異なる2種類のガスを用いて処理を行なう基板処理装置において、
導入された原料ガスを主成分が異なる少なくとも2つの種類のガスに分離し取り出し可能とするガス分離モジュールと、
このガス分離モジュールに圧縮空気を供給する圧縮空気供給部と、
前記分離モジュールから分離取り出された第1のガスを主成分とする気泡を含む処理液を生成する第1の気泡生成装置と、
前記分離モジュールから分離取り出された第2のガスを主成分とする気泡を含む処理液を生成する第2の気泡生成装置と、
前記第1の気泡生成装置にて生成した気泡を含む処理液を、前記基板に対する第1の処理部に供給する第1の供給手段と、
前記第2の気泡生成装置にて生成した気泡を含む処理液を、前記基板に対する第2の処理部に供給する第2の供給手段と
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理部は剥離部、前記第2の処理部は洗浄部であり、
前記第1のガスは窒素ガス、前記第2のガスは酸素ガスであり、
前記第1の気泡生成装置にて生成された前記第1のガスを主成分とする気泡を含む剥離液が前記基板に供給され、
前記第2の気泡生成装置にて生成され前記第2のガスを主成分とする気泡を含む洗浄液が前記基板に供給されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記気泡は、マイクロナノバブルを含む気泡であることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−243950(P2012−243950A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112579(P2011−112579)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】