説明

基板加工装置

【課題】 基板の上部面と下部面を効率的に洗浄またはエッチングできる基板加工装置を提供する。
【解決手段】 基板加工装置は、基板を支持し、支持された基板を回転させる。薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを回転する基板の下部面に選択的に噴射する。基板の下部面に噴射される薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを回転する基板の上部面に選択的に噴射する。従って、基板の下部面を洗浄またはエッチングするために基板の下部で薬液、洗浄液、及びガスを噴射することで、基板の上部面と下部面に対する工程を同時に進行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンユニットを有する基板加工装置に関し、より詳しくは、基板の上部面と下部面を洗浄またはエッチングするためのスピンユニットを有する基板加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子などのような集積回路素子の製造工程は薬液を利用して基板をエッチングするためのエッチング工程、工程過程で生成された不純物を除去するための洗浄工程、及びエッチング工程及び洗浄工程などに使用された薬液及び洗浄液などを乾燥させるための乾燥工程などを含む。
【0003】
噴射ユニットは前記基板に対するエッチング工程、洗浄工程、乾燥工程などを遂行するための薬液、洗浄液、乾燥ガスなどを基板に噴射する。一般的に前記噴射ユニットは前記基板の上部に配置され、前記基板の上部面に薬液などを噴射する。例えば、前記基板を回転させる場合、前記噴射ユニットから噴射された薬液などが前記回転によって前記基板の上部面全体に均一に分布される。この際、噴射された薬液などは基板の回転によって基板のヘリ方向に移動し、前記ヘリに移動した薬液の一部が基板の下部面に流れ落ちる。従って、基板の下部面にパーティクルが発生するなどの問題点が生じる。
【0004】
これに、洗浄ユニットが基板の下部に配置された基板の下部面に洗浄液及び乾燥ガスを噴射して基板の下部面を洗浄する。前記洗浄ユニットはDIW(deioned water)溶液の洗浄液とN2ガスの乾燥ガスを基板の下部面に噴射する。このように、前記洗浄ユニットは前記基板の下部面に薬液などが流れ落ちることを防ぐ、または流れ落ちた薬液などを除去するために洗浄液と乾燥ガスのみを噴射する役割をする。従って、基板の下部面に対するエッチング工程などの別途の工程が遂行されにくい問題点が発生する。
【0005】
これにより、基板の下部面に対する工程を遂行するために、基板の上下を反転させた後、基板の上部に配置された噴射ユニットなどを利用して前記エッチング工程などを遂行する。従って、基板を反転させるための反転ユニットと同様の別途装置を追加的に確保しなければならなく、前記装置を収容するための空間による空間的な効率性が低下される問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の他の目的は、前記言及した方法が容易に遂行できるスピンユニットを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記スピンユニットを有する基板加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記一目的を達成するための本発明の実施例による基板加工方法によると、基板を支持し、前記支持された基板を回転させる。そして、薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面に選択的に噴射する。また、前記基板の下部面に噴射される薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の上部面に選択的に噴射する。
【0008】
本発明の実施例によると、前記基板の下部面に噴射する段階において、前記基板の下部
面と一定の距離離隔した状態で、前記基板の下部面の中央部と、前記中央部と隣接する基板の下部面に噴射することができる。
【0009】
本発明の実施例によると、前記基板の下部面に噴射する段階において、前記ガスを前記薬液及び洗浄液より前記基板の下部面からより近い位置で噴射することができる。
本発明の実施例によると、前記基板の下部面に噴射する段階において、前記ガスを前記回転する基板の下部面の中央部に噴射し、前記薬液及び洗浄液を前記中央部と隣接する基板の下部面に噴射することができる。
【0010】
本発明の実施例によると、前記基板の下部面に噴射する段階において、前記ガスの噴射と前記薬液及び洗浄液の噴射方向は互いに異なる方向であり得る。
本発明の実施例によると、前記基板の下部面に噴射する段階と前記基板の上部面に噴射する段階は同時に遂行できる。
【0011】
前記他の目的を達成するための本発明の実施例によるスピンユニットは、回転部、支持部、及び噴射部を含む。前記回転部は基板を一方向に回転させる。前記支持部は前記回転部の上部面のヘリに配置され、前記回転する基板を下部で支持する。前記噴射部は前記基板の下部に配置され、前記支持部に安着された基板の下部面から離隔して前記回転部の上部面に配置され、薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面に選択的に噴射する。
【0012】
本発明の実施例によると、前記噴射部は第1噴射部と第2噴射部を含む。前記第1噴射部は前記回転部の上部面の中央部に配置され、前記基板の下部面から離隔して配置され、前記ガスを前記基板の下部面に噴射する。前記第2噴射部は前記回転部の上部面上に少なくとも2つが配置され、前記第1噴射部が前記基板の下部面から離隔した距離と異なる距離ほど離隔して配置され、前記薬液及び洗浄液を前記基板の下部面に各々噴射する。
【0013】
本発明の実施例によると、前記第2噴射部が前記第1噴射部より前記基板の下部面からより離隔して配置される。この際、前記第1噴射部の噴射位置と前記第2噴射部の噴射位置各々は前記基板の下部面から離隔した距離が1:2〜4程度になり得る。
【0014】
本発明の実施例によると、前記第1噴射部と前記第2噴射部は前記基板の下部面から離隔した距離が各々調節できるように形成されることができる。
本発明の実施例によると、前記第1噴射部は前記回転部の上部面の中央部に配置され、前記第2噴射部は前記第1噴射部を取り囲みながら配置されることができる。
【0015】
本発明の実施例によると、前記第1噴射部と前記第2噴射部は前記基板の下部面と垂直方向に前記薬液、洗浄液、及びガスを前記基板の下部面に噴射することができる。これとは別に、前記ガスを噴射する前記第1噴射部と、前記薬液と洗浄液を噴射する前記第2噴射部は互いに異なる角度で前記薬液、洗浄液、及びガスを前記基板の下部面に各々噴射することができる。
【0016】
本発明の実施例によると、前記噴射部は前記第1噴射部と第2噴射部の下段部を取り囲みながら形成され、前記第1噴射部及び前記第2噴射部から噴射された前記薬液及び洗浄液が前記第1噴射部と前記第2噴射部の下段部に残滓することを防ぐための円板形状のキャップをさらに含むことができる。例えば、前記キャップのヘリは前記回転部の上部面に向かって下方向に傾くように形成されることができる。
【0017】
前記さらに他の目的を達成するための本発明の実施例による基板加工装置は、スピンユニット及び上部噴射部を含む。スピンユニットは基板を支持する支持部、前記支持された
基板を回転させる回転部、及び下部噴射部を含む。前記下部噴射部は前記基板の下部に配置され、前記支持部に安着された基板の下部面から離隔して形成され、薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面に選択的に噴射する。前記上部噴射部は前記基板の上部に配置され、前記下部噴射部が噴射する薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の上部面に選択的に噴射する。
【0018】
本発明の実施例によると、前記下部噴射部は前記第1噴射部及び前記第2噴射部を含む。前記第1噴射部は前記回転部の上部面の中央部に配置され、前記基板の下部面から離隔して配置され、前記ガスを前記基板の下部面に噴射する。前記第2噴射部は前記回転部の上部面上に前記第1噴射部を取り囲みながら、少なくとも2つが配置され、前記第1噴射部より前記基板の下部面からより離隔して配置され、前記薬液及び洗浄液を前記基板の下部面に各々噴射する。
【0019】
本発明の実施例によると、前記下部噴射部と前記上部噴射部は前記薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面及び上部面に同時に噴射することができる。
【発明の効果】
【0020】
前述の本発明によると、基板の下部面を洗浄またはエッチングするために基板の下部において、薬液、洗浄液、及びガスを噴射することで、基板の下部面に対してもエッチング工程などを遂行することができる。特に、基板の上部面と下部面に対する洗浄またはエッチング工程を同時に遂行することで全体的な工程の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例による基板加工方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の実施例によるスピンユニットを説明するための概略的な構成図である。
【図3】図2の噴射部の一例を具体的に説明するための断面図である。
【図4】図2の噴射部を上部からみた平面図である。
【図5】図2の噴射部の他の例を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施例による基板加工装置を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施例について詳細に説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことと理解されるべきである。各図面を説明しつつ、類似する参照符号を類似する構成要素に対して使用した。添付図面において、構造物のサイズは本発明の明確性に基づくために実際より拡大して図示した。
【0023】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明することに使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を超えない範囲で、第1構成要素は第2構成要素に命名されることができ、類似に第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0024】
本出願において使用した用語は、ただ、特定の実施例を説明するために使用されたもの
であって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は文脈上、明白に別のことと意味しない限り、複数の表現も含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定することであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、若しくは数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0025】
別に定義されない限り、技術的、或いは科学的な用語を含み、ここにおいて使用される全ての用語は本発明に属する技術分野で通常の知識を有する者により、一般的に理解されることと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されているものと同じ用語は関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有することと解釈されるべきであり、本出願において、明白に定義されない限り、理想的或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0026】
図1は本発明の実施例による基板加工方法を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、本発明の実施例による基板加工方法によると、外部から受け取った基板を支持し(S100)、前記支持された基板を一方向に回転させる(S200)。そして、薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面に選択的に噴射する(S300)。また、前記基板の下部面に噴射される前記薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の上部面に選択的に噴射する(S400)。
【0027】
具体的に、外部から受け取った基板に対して一連の工程を遂行するために基板を安定的に支持する。例えば、基板の上部面及び下部面に対して工程を同時に遂行するために、基板のヘリを下部で支持する。これとは別に、基板のヘリを把持する方式で前記基板を支持することができる。また、基板の下部面を真空吸着する方式で前記基板を吸着支持することができる(S100)。
【0028】
前記支持された基板を一方向に回転させる。これは基板の上部面または下部面全体に対して工程を効率的に遂行するためである。例えば、回転する基板の上部で基板の一領域に薬液または洗浄液などを噴射する場合、前記回転によって基板の上部面全体に均一に分散することができる。これは回転する遠心力のためである。また、基板の回転方向、回転速度などは工程の種類、薬液の種類、及び量などによって多様に変更されることができる(S200)。
【0029】
前記回転する基板の下部面に薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の下部面に噴射する。工程の種類によって基板の下部面に薬液、洗浄液、またはガスを選択的に噴射する。前記薬液はSC-1溶液、DSP(diarrhetic
shellfish poisoning)溶液、DHF溶液などを含み、前記洗浄液はDIW(denioned water)などを含み、前記ガスは前記薬液及び洗浄液を乾燥させるためのN2ガスなどを含む。従って、各工程段階に対応して前記薬液、洗浄液、またはガスを回転する基板の下部面に選択的に噴射する。
【0030】
本発明の実施例において、前記基板の下部面に噴射する場合、前記基板の下部面と一定距離離隔された状態で前記薬液、洗浄液、及びガスを前記基板の下部面に噴射する。この際、前記ガスを噴射する噴射位置と前記薬液などを噴射する噴射位置が互いに異なることがある。これは前記ガスと前記薬液及び洗浄液を同じ位置で噴射する場合、ガスを噴射する噴射部と薬液及び洗浄液を噴射する噴射部が互いに干渉し合う可能性があるためである。例えば、ガスを噴射する噴射部の圧力が前記薬液などを噴射する噴射部の圧力より相対的により低いため、同じ位置で前記薬液、洗浄液、及びガスを噴射する場合、薬液などが
ガスを噴射する噴射部側に誘導される。即ち、ガスを噴射する噴射部に薬液が付いてくる現象が発生する可能性がある。
【0031】
従って、前記ガスを前記薬液及び洗浄液より前記基板の下部面からより近い位置で噴射できる。前記ガスの噴射位置と前記薬液及び洗浄液の噴射位置各々は前記基板の下部面から離隔した位置が3:5〜4:5程度になり得る。万一、前記ガスの噴射位置と前記薬液及び洗浄液の噴射位置各々が前記基板の下部面から離隔した距離が2:5以下である場合、ガスの噴射位置が基板の下部面と近い場合には、噴射されたガスが噴射部に吸入されることができ、薬液などの噴射位置が基板の下部面と遠い場合には、噴射圧力を相対的に高めなければならない問題点が発生する。例えば、前記ガスを噴射する位置は前記基板の下部面から6〜8mm程度になり得る。また、前記薬液及び洗浄液を噴射する位置は前記基板の下部面から10mm程度になり得る。
【0032】
このように、基板の下部面から前記距離ほど離隔して薬液、洗浄液、及びガスを噴射する場合、前記基板の下部面全体に前記薬液、洗浄液、及びガスを均一に噴射させることができる。
【0033】
また、前記基板の下部面に噴射する場合、前記薬液、洗浄液、及びガスを前記基板の下部面の中央部と、前記中央部と隣接する基板の下部面に噴射する。例えば、前記ガスを前記基板の下部面の中央部に向かって垂直に噴射することができる。これとは別に、前記薬液及び洗浄液を基板の中央部を隣接する領域に噴射することができる。前記ガスの重さが軽く、前記ガスが噴射され、基板から容易に弾けるガスの特性上、前記ガスを前記基板の下部面の中央部に噴射する。従って、前記基板の下部面の中央部に前記薬液、洗浄液、及びガスを噴射する場合、基板の回転によって基板の下部面全体に均一に広がることができる。
【0034】
さらに、前記基板の下部面に噴射する場合、前記ガスの噴射と前記薬液及び洗浄液の噴射は互いに異なる方向に遂行されることができる。具体的に、前記薬液及び洗浄液は前記ガスの噴射方向を基準に基板の下部面のヘリ方向に向かって一定角度傾いた方向に噴射できる。これは、前記薬液及び洗浄液を前記基板の下部面と垂直する方向に上方噴射する場合、前記基板の下部面から弾ける薬液及び洗浄液によって前記薬液及び洗浄液を噴射する噴射部の入り口が塞がるためである。従って、前記薬液及び洗浄液を傾いた状態で噴射することで、前記薬液及び洗浄液の噴射経路が塞がることを防ぐことができる。
【0035】
また、前記基板の下部面に噴射される前記薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを前記回転する基板の上部面に選択的に噴射する。例えば、前記基板の下部面と上部面に同一の薬液、洗浄液、及びガスを噴射することができる。本発明の実施例において、前記基板の下部面に噴射する段階と、前記基板の上部面に噴射する段階は同時に遂行することができる。これに、前記基板の上、下部面に薬液を同時に噴射する場合、前記基板の上部面から薬液が下部面に流れ落ちることを防ぐことができる。従って、基板の下部面にパーティクルなどが発生することを防ぐことができる(S400)。
【0036】
このように、基板の下部面から一定の距離離隔した状態で薬液、洗浄液、及びガスを選択的に噴射することで、基板の下部面全体に前記薬液、洗浄液、及びガスを均一に提供することができる。また、 薬液及び洗浄液を基板のヘリ方向に傾けて噴射することで、薬
液及び洗浄液の噴射経路が塞がることを防ぐことができる。さらに、基板の上部面と下部面に薬液及び洗浄液などを同時に噴射することで、基板の下部面に前記薬液及び洗浄液などが流れ落ちることを防ぐことができる。
【0037】
図2は本発明の実施例によるスピンユニットを説明するための概略的な構成図である。
図2を参照すると、本発明の実施例によるスピンユニット100は回転部200、支持部300、及び噴射部400を含む。
【0038】
回転部200は基板110を回転させる。これに、回転部200はスピンチャック210と回転軸220を含む。
スピンチャック210は平坦な上部面212を有する。また、スピンチャック210は基板110の大きさに対応するように形成され、基板110の大きさより大きく形成されることができる。回転軸220はスピンチャック210の下部面の中央部に配置される。これに、回転軸220は下方向に延長されて回転モーター(図示せず)と接続されることができる。従って、前記回転モーターが回転軸220を駆動させ、これに、回転軸220の駆動により前記スピンチャック210が一方向に回転する。このように、回転部200が基板110を一方向に回転させる。
【0039】
支持部300は基板110を支持する。支持部300は回転部200の上部面212のヘリに配置される。例えば、支持部300は基板100のヘリを支持するように回転部200の上部面212のヘリに複数個配置されることができる。支持部300はピンの形状を有する支持ピンになり得る。この際、前記支持ピンは基板110の直径より相対的に小さい直径を有する円周に沿って複数個配置されることができる。従って、基板110が支持部300によって支持される場合、基板110は回転部200の上部にスピンチャック210の上部面212から一定の距離離隔して支持される。
【0040】
噴射部400は基板110の下部に配置される。噴射部400は回転部200の上部面212に基板110の下部面に向かって配置される。例えば、噴射部400は回転部200の上部面212の中心部位に配置されることができる。即ち、噴射部400は支持部300によってスピンチャック210の上部面212から離隔するように支持された基板110の下部に配置される。
【0041】
本発明の実施例において、噴射部400はガスを噴射するための第1噴射部410と薬液及び洗浄液を噴射するための第2噴射部420、及び第1噴射部410と第2噴射部420の下段部を取り囲みながら配置されたキャップ430を含む。例えば、第1噴射部410と第2噴射部420は基板110の下部面から一定の距離離隔して配置される。従って、第1噴射部410と第2噴射部420が基板110の下部面に薬液、洗浄液、及びガスを噴射する場合、基板110の下部面全体に均一に分布することができる。
【0042】
噴射部400に対しては図3〜図5を通じて詳細に説明する。
図3は図2の噴射部の一例を具体的に説明するための断面図であり、図4は図2の噴射部を上部からみた平面図である。
【0043】
図2〜図4を参照すると、噴射部400は基板110の下部面に薬液、洗浄液、及びガスを噴射する。これに、噴射部400はガスを噴射する第1噴射部410と薬液及び洗浄液を噴射する第2噴射部420を含む。
【0044】
第1噴射部410は回転部200の上部面212に配置される。例えば、第1噴射部410は上部面212の中央部に配置される。また、第2噴射部420は回転部200の上部面212の中央部と隣接して配置される。例えば、第2噴射部420は、第1噴射部410を取り囲みながら配置されることができる。このように、第1噴射部410を回転部200の上部面212の中央部に位置させることは、重さが軽いガスが基板110から弾けて基板110全体において均一に噴射しないことを防ぐためである。
【0045】
本発明の実施例において、図4に図示したように、第1噴射部410が回転部200の上部面212の中央部に配置され、第2噴射部420が第1噴射部410を中心とする円周に沿って複数個配置される。例えば、第2噴射部420は各工程段階に対応して、複数個配置されることができる。即ち、第2噴射部420はSC-1溶液、DSP溶液とDI
Wを各々噴射する複数個の噴射ノズルからなる。この際、第2噴射部420を工程段階よりさらに多く配置して、一部のノズルに不良が発生することに備えることもできる。
【0046】
第1噴射部410は基板110の下部面から第1距離(d1)ほど離隔して配置される。第2噴射部420は基板110の下部面から第2距離(d2)ほど離隔して配置される。例えば、第2距離(d2)は第1距離(d1)と互いに異なる。万一、第1距離(d1)と第2距離(d2)が互いに同一である場合、即ち、第1噴射部410と第2噴射部420が同一の位置に配置される場合には、互いに干渉し合うことが発生する。例えば、第1噴射部410の圧力が第2噴射部420の圧力より相対的により低いため、同一位置で前記薬液、洗浄液、及びガスを噴射する場合、薬液などが第1噴射部410方向に誘導されることができる。即ち、第1噴射部410に薬液が付いてくる現象が発生する可能性がある。従って、第1噴射部410と第2噴射部420は基板110の下部面から互いに異なる距離ほど離隔される。
【0047】
本発明の実施例において、第2噴射部420は第1噴射部410より基板110の下部面からより離隔して配置されることができる。例えば、第1噴射部410と第2噴射部420は各々基板110の下部面から離隔した距離が3:5〜4:5ほどなり得る。万一、第1距離(d1)と第2距離(d2)が2:5以下である場合、第1噴射部410が基板110の下部面と近い場合には、噴射されたガスが第1噴射部410に再吸入される可能性があり、第2噴射部420が基板110の下部面から遠い場合には、噴射圧力を相対的に高めなければならない問題点が発生し得る。本発明の実施例において、第1距離(d1)は6〜8mm程度になり得る。また、第2距離(d2)は10mm程度になり得る。
【0048】
このように、第1噴射部410と第2噴射部420が基板110の下部面から異なる距離ほど離隔して配置され、ガスまたは薬液及び洗浄液を噴射することができる。従って、噴射部400は薬液、洗浄液、及びガスを基板110の下部面全体に均一に提供することができる。また、第1噴射部410と第2噴射部420が基板110の下部面から互いに相違に離隔して配置されるため、ガスまたは薬液及び洗浄液の特性を利用して効率的に噴射することができる。
【0049】
この際、第1噴射部410と第2噴射部420は基板110の下部面からその離隔した距離が各々調節できるように形成されることができる。例えば、噴射部400の高さを調節するための駆動装置(図示せず)が基板110の下部面と第1噴射部410と第2噴射部420の離隔距離を調節することができる。これとは別に、ピン形状の支持部300の高さを調節することで、基板110の下部面と第1噴射部410と第2噴射部420の離隔距離を調節することができる。これは、工程の種類、基板110の大きさ、噴射される薬液、洗浄液、及びガスの量と圧力などに対応して前記離隔距離を調節して薬液、洗浄液、及びガスを効率的に噴射するためである。
【0050】
一方、第1噴射部410と第2噴射部420は互いに同一方向にガスと薬液及び洗浄液を噴射することができる。例えば、第1噴射部410と第2噴射部420は基板110の下部面と垂直する方向に基板110の下部面に噴射する。即ち、第1噴射部410と第2噴射部420は垂直する方向に基板の下部面に向かって上方噴射する。
【0051】
本発明の実施例において、第1噴射部410と第2噴射部420は互いに異なる角度でガスと薬液及び洗浄液を噴射する。例えば、第1噴射部410は薬液及び洗浄液を充分に
乾燥させて除去するために、基板110の下部面と垂直方向にガスを噴射する。第2噴射部420は前記ガスの噴射方向と異なる方向に薬液及び洗浄液を噴射する。
【0052】
一方、第2噴射部420は薬液及び洗浄液の噴射経路を提供するための噴射ノズルとして、円筒形状を有することができる。例えば、前記円筒形状の第2噴射部420は側壁を具備する。本発明の実施例において、基板110の下部面の中央部に隣接する側壁が基板110の下部面のヘリに隣接する側壁よりさらに高く形成されることができる。即ち、第1噴射部410に隣接する側壁が離隔された側壁よりさらに高く形成される。従って、第2噴射部420の吐出口の断面は傾いた形状を有する。
【0053】
図3に図示されたように、前記傾いた形状によって第1角度(θ1)が形成されることができる。第1角度(θ1)が「0」である場合、第2噴射部420は垂直方向に薬液などを噴射することで、第1噴射部410と異なる方向に噴射することができない。また、第1角度(θ1)が「60」より大きい場合、薬液の噴射位置が基板110の下部面のヘリに限定される。従って、基板110の下部面の中央部と、中央部と隣接する部分には薬液が噴射できない可能性がある。従って、第1角度(θ1)は「0」より大きく「60」より小さい角度になり得る。
【0054】
このように、第2噴射部420の吐出口の断面が傾いているため、第2噴射部420は基板110の下部面と垂直する方向と異なる角度で薬液及び洗浄液を噴射することができる。これによって、第2噴射部420は薬液及び洗浄液を第1噴射部410の噴射方向と異なる角度に噴射することで、第2噴射部420の吐出口が塞がることを防ぐことができる。
【0055】
噴射部400は第1噴射部410と第2噴射部420の下段部を取り囲むように配置されたキャップ430をされに含むことができる。
キャップ430は第1噴射部410及び第2噴射部420と、回転部200の上部面212が会う領域に形成される。また、キャップ430は円板形状を有する。第1噴射部410と第2噴射部420が回転部200のスピンチャック210を貫通して形成される場合、キャップ430はスピンチャック210と第1噴射部410と第2噴射部420の間に発生する空間を通じて薬液、洗浄液などが染み込むことを防ぐ。
【0056】
キャップ430は回転部200のヘリ方向に傾くように形成されることができる。例えば、キャップ430のヘリは回転部200の上部面212に向かって下方向に傾くように形成される。キャップ430は第1噴射部410と第2噴射部420を取り囲んだ部分から回転部200のヘリ方向に向かって下方向に傾くように形成されることができる。
【0057】
例えば、キャップ430はスカート(skirt)形状を有することができる。これに、図3に図示したように、キャップ430のヘリと回転部200の上部面212が会う領域に所定の角が形成される。前記角は基板110の下部面から弾けた薬液を回転部200のヘリ方向に誘導することができるほどの大きさを有する。このように、噴射部400の下段部に形成されたキャップ430が傾いた形状を有するため、基板110の下部面から弾けた薬液及び洗浄液がキャップ430の傾斜面に沿ってヘリに誘導される。従って、第1噴射部410及び第2噴射部420から噴射された薬液及び洗浄液が第1噴射部410と第2噴射部420の下段部に残滓することを防ぐことができる。
【0058】
このように、第1噴射部410と第2噴射部420が基板110の下部面から一定の距離離隔した状態で薬液、洗浄液、及びガスを選択的に噴射するため、基板110の下部面全体に前記薬液、洗浄液、及びガスを均一に分散させることができる。また、第2噴射部420が薬液及び洗浄液を基板110のヘリ方向に傾けて噴射することで、第2噴射部4
20の吐出口が塞がることを防ぐことができる。
【0059】
図5は図2の噴射部の他の例を説明するための断面図である。
図5を参照すると、噴射部500はガスを噴射するための第1噴射部510と薬液及び洗浄液を噴射するための第2噴射部520を含む。
【0060】
第1噴射部510は基板110の下部面と垂直方向にガスを基板110の下部面に噴射する。第1噴射部510は図2〜図4を参照して説明した第1噴射部410と実施的に同一であるため、重複する説明は省略する。
【0061】
また、第2噴射部520は、第1噴射部510の噴射方向と異なる方向に薬液及び洗浄液を噴射する。例えば、第2噴射部520は基板110の下部面と垂直した方向に比べて一定角度傾いて薬液及び洗浄液を噴射する。
【0062】
これに、第1噴射部510は基板110の下部面を基準にして垂直に配置され、第2噴射部520は基板110の下部面のヘリ方向に傾いて配置されることができる。
従って、第2噴射部520は垂直に配置されず、その端部が傾いているため、第2噴射部520は基板110の下部面と垂直する方向と異なる角度で薬液及び洗浄液を噴射することができる。これによって、噴射される薬液及び洗浄液が基板110の下部面から弾ける場合、第2噴射部520の吐出口が前記薬液及び洗浄液によって塞がることを防ぐことができる。
【0063】
図6は、本発明の実施例による基板加工装置を説明するための構成図である。本発明の他の実施例において、スピンユニットは図2〜図4を参照して説明したスピンユニットと同一の構成を有することで、その重複される説明は省略し、同一名称及び同一図面符号を使用することにする。
【0064】
図6を参照すると、本発明の他の実施例による基板加工装置600は基板110に対する加工が行われる空間を提供するチャンバー700、チャンバー700内に配置されたスピンユニット100及び基板110の上部に配置された上部噴射部800を含む。
【0065】
チャンバー700は基板110に対する一連の工程を進行するための空間を提供する。例えば、チャンバー700はキャッチカップ形状を有する。これとは別に、チャンバー700は多様な形状を有する。チャンバー700は基板110に対するエッチング工程、洗浄工程、乾燥工程などが遂行される際、基板110に供給される薬液、洗浄液などの流体が飛散されることを防ぐことができる。従って、チャンバー700は外部の他の装置または周囲が汚染されることを防ぐ。
【0066】
また、チャンバー700は工程に使用された薬液、洗浄液などを外部に搬出させるための廃棄口710をさらに含むことができる。例えば、廃棄口710はチャンバー700の底面または側壁を貫通して形成されることができる。
【0067】
スピンユニット100の基板110を支持しつつ回転させる。また、スピンユニット100の下部噴射部400は基板110の下部面から一定の距離離隔して形成されて薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つの回転する基板110の下部面に選択的に噴射する。
【0068】
上部噴射部800は基板110の上部に配置される。一方、上部噴射部800が基板110上で一方向に移動するように駆動する駆動部810、駆動部810の上部に配置される支持台820、及び支持台820と上部噴射部800を接続させるためのアーム(ar
m)830を含む。従って、上部噴射部800は駆動部810、支持台820、及びアーム830によって基板110上に移動できる。
【0069】
上部噴射部800は前記薬液、洗浄液、及びガスを供給する供給部840をさらに含むことができる。また、供給部840は提供する薬液、洗浄液、及びガスの量を調節するための調節バルブ842を具備する。
【0070】
上部噴射部800は基板110の上部面に下部噴射部400が噴射する薬液、洗浄液、及びガスと同一の薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを回転する基板110の上部面に噴射する。
【0071】
本発明の実施例において、上部噴射部800は下部噴射部400と同時に薬液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを噴射する。例えば、洗浄工程の場合、上部噴射部800は基板110の上部面に洗浄液を噴射し、同時に下部噴射部400は基板110の下部面に洗浄液を噴射する。このように上部噴射部800と下部噴射部400は同一工程を遂行することができる。
【0072】
この際、上部噴射部800から噴射された洗浄液などが基板110の回転によって基板110のヘリに提供される際、前記洗浄液が基板110の下部面に流れ落ちる可能性がある。しかし、下部噴射部400から噴射された洗浄液が基板110の回転によって基板110の下部面のヘリに同時に提供されるため、上部噴射部800から噴射された洗浄液が基板110の下部面に流れ落ちることができない。これによって、上部噴射部800と下部噴射部400の同時噴射によって、噴射された薬液、洗浄液などが基板110の下部面に流れ落ちてパーティクルが生成されることが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によると、基板の下部面に薬液を噴射して基板の下部面に対するエッチング工程などを遂行することができる。また、基板の下部面から一定距離離隔した状態で薬液などを選択的に噴射することで、基板の下部面全体に前記薬液などを均一に分散させることができる。
【0074】
また、薬液及び洗浄液を基板の下部面のヘリ方向に傾けて噴射することで、薬液及び洗浄液の噴射経路が塞がることを防ぐことができる。
さらに、基板の上部面と下部面に薬液及び洗浄液などを同時に噴射することで、基板の下部面に前記薬液及び洗浄液などが流れ落ちることを防ぐことができる。
【0075】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0076】
100 スピンユニット
110 基板
200 回転部
210 スピンチャック
212 上部面
300 支持部
400,500 噴射部
410,510 第1噴射部
420,520 第2噴射部
430,530 キャップ
600 基板加工装置
700 チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥ガス、エッチング液、及び洗浄液を含む工程物質により基板を加工する装置であって、
回転部と、同回転部の上面の周縁部に配置され、かつ基板を支持し、回転部の回転に伴って基盤を回転させる支持部と、前記基板の下面に対峙するように回転部の上面に配置され、回転する基板の下面に工程物質をに供給する下部噴射部を有するスピンユニットと、
前記基板の上方に配置され、前記工程物質を回転する基板の上面に供給する上部噴射部とを備え、
前記下部噴射部は、回転部の上面の中央部に設けられ、基板に乾燥ガスを噴射する第1噴射部と、回転部の上面の中央部に隣接して設けられ、基板にエッチング液及び洗浄液を噴射する少なくとも2つの第2噴射部とからなることを特徴とする基板加工装置。
【請求項2】
第1噴射部は基板の下面に対して第1の距離をおいては配置され、第2噴射部は基板の下面に対して第1の距離よりも大きな第2の距離をおいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板加工装置。
【請求項3】
前記乾燥ガスを噴射する第1噴射部と、前記エッチング液と洗浄とを噴射する第2噴射部は互いに異なる角度に噴射することを特徴とする請求項1に記載の基板加工装置。
【請求項4】
前記下部噴射部は第1噴射部と第2噴射部との下段部を取り囲みながら形成されたキャップを備え、前記キャップはその周縁部が下方に傾くように形成されて、噴射されたエッチング液、洗浄液、及びガスが第1噴射部と第2噴射部の下段部に残滓することを防止することを特徴とする請求項1に記載の基板加工装置。
【請求項5】
前記下部噴射部と上部噴射部とは、エッチング液、洗浄液、及びガスのうち、少なくとも1つを回転する基板の下面及び上面に同時に噴射することを特徴とする請求項4記載の基板加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−33961(P2012−33961A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236625(P2011−236625)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2008−241478(P2008−241478)の分割
【原出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#278,Mosi−ri,Jiksan−eup,Seobuk−gu,Cheonan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】