説明

基板受け渡し装置、露光装置、デバイス製造方法、及び基板受け渡し方法

【課題】基板の搬送に用いる基板トレイ上に基板を平面度良く載置する。
【解決手段】複数の第1支持ピン62上に載置された基板Pは、複数の第2支持ピン63によりその下面が押圧されることにより、その撓みが抑制される。そして、撓みの抑制された基板Pが、基板トレイ90上に載置されるので、基板を基板トレイ90上に基板を平面度良く載置できる。基板Pは,基板Pの端部を下方から支持する基板搬送ロボットにより複数の第1支持ピン62上に載置されるために、複数の第1支持ピン62は、基板Pの端部を支持することができず、基板Pは、複数の第1支持ピン62に載置された状態で、その端部が自重により垂れ下がっているが、複数の第2支持ピン63によりその垂れ下がりが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板受け渡し装置、露光装置、デバイス製造方法、及び基板受け渡し方法に係り、更に詳しくは、基板を該基板の搬送に用いられる搬送用基板支持部材上に受け渡す基板受け渡し装置及び方法、該基板受け渡し装置を含む露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
【0003】
この種の露光装置において、基板又はウエハ(以下、「基板」と総称する)が上面に載置される基板支持部材を用いて、その基板を基板ステージ装置に搬送することによりスループットの向上を図った基板搬送方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、露光装置では、マスク又はレチクルに形成されたパターンを高精度で基板に転写するためには、基板を平面度良く基板ステージ装置上に載置する必要がある。そして、特許文献1などに記載された基板搬送方法を用いる場合、基板を基板支持部材から直接基板ステージ装置が有する基板ホルダに受け渡すため、基板支持部材上に基板を平面度良く載置することが要求されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,559,928号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、基板を水平面に平行な平面に沿って支持する支持部材を含む支持装置と;前記支持装置により支持された前記基板を下方から押圧する押圧部材を含み、前記押圧部材を用いて該基板の自重に起因する撓みを抑制する押圧装置と;前記押圧装置により撓みが抑制された状態の前記基板を、該基板の搬送に用いられる搬送用基板支持部材上に載せる載置装置と;を備える基板受け渡し装置である。
【0007】
これによれば、支持装置により水平面に平行な平面に沿って支持された基板は、その自重に起因する撓みが押圧装置によって抑制される。また、載置装置が押圧装置により撓みが抑制された状態の基板を搬送用基板支持部材上に載せる。従って、基板を搬送用基板支持部材上に平面度良く載置することができる。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、本発明の基板受け渡し装置と;前記基板が載置された前記搬送用基板支持部材を、所定の露光位置で前記基板を保持する基板保持装置上に搬送する搬送装置と;前記基板保持装置に保持された前記基板に対するエネルギビームの照射により該基板に所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置である。
【0009】
本発明は、第3の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記物体を露光することと;前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法である。
【0010】
本発明は、第4の観点からすると、所定の支持部材を用いて基板を水平面に平行な平面に沿って支持させることと;前記支持部材に支持された前記基板を、押圧部材を用いて下方から押圧して該基板の自重に起因する撓みを抑制することと;前記撓みが抑制された前記基板を、該基板の搬送に用いられる搬送用基板支持部材上に載置することと;を含む基板受け渡し方法である。
【0011】
これによれば、支持部材により水平面に平行な平面に沿って支持された基板は、その自重に起因する撓みが押圧部材によって抑制される。また、押圧部材により撓みが抑制された状態の基板を搬送用基板支持部材上に載せるので、その基板を搬送用基板支持部材上に平面度良く載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の液晶露光装置が有する基板ステージ、及び基板受け渡し装置を示す図である。
【図3】図3(A)は、基板ステージが有する基板ホルダの平面図、図3(B)は、基板の搬送に用いられる基板トレイの平面図、図3(C)は、基板ホルダと基板トレイとが組み合わさった状態を示す図である。
【図4】図4(A)〜図4(C)は、基板受け渡し装置の動作を説明するための図(その1〜3)である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、基板受け渡し装置の動作を説明するための図(その4及び5)である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、基板ホルダへの基板受け渡し動作を説明するための図(その1〜3)である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、第2の実施形態に係る基板受け渡し装置を示す図である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は第2の実施形態に係る基板受け渡し装置の構成及び動作を説明するための図(その1〜3)である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、第2の実施形態に係る基板受け渡し装置の構成及び動作を説明するための図(その4及び5)である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、第3の実施形態に係る基板受け渡し装置の構成及び動作を説明するための図(その1〜3)である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、第3の実施形態に係る基板受け渡し装置の構成及び動作を説明するための図(その4及び5)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図6(C)を用いて説明する。
【0014】
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の概略構成が示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置の表示パネルなどに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0015】
液晶露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、上記マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディBD、基板Pを保持する基板ホルダ50を含む基板ステージ装置PST、基板受け渡し装置60、基板ローダ70(基板受け渡し装置60、及び基板ローダ70は、図1では不図示。図2参照)、及びこれらの制御系等を含んでいる。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0016】
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
【0017】
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディBDの一部である鏡筒定盤31の上面に固定された一対のマスクステージガイド35上に、例えば不図示のエアベアリングを介して非接触状態で浮上支持されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、一対のマスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスクステージMSTが有する不図示の反射面に測長ビームを照射するレーザ干渉計38を含むマスク干渉計システムにより計測される。
【0018】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、鏡筒定盤31に支持されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様の構成を有している。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュールなどを含む光学系(鏡筒)を複数有し、その複数の光学系は、Y軸方向に沿って、いわゆる千鳥状に配列されている(マルチレンズ投影光学系とも称される)。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照明領域が形成されるとともに、投影光学系PLの下方に配置された基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照射領域が形成される。液晶露光装置10では、基板P上に形成される複数の照射領域が合成されることにより、千鳥状に配置された複数の光学系から成る投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。
【0019】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターンが転写される。すなわち、照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
【0020】
ボディBDは、基板ステージ架台33と、基板ステージ架台33上に配置された一対の支持部材32を介して水平に支持された鏡筒定盤31と、を有している。基板ステージ架台33は、Y軸方向を長手方向とする部材から成り、その長手方向の両端部が、床面F上に設置された防振機構34に支持されており、床面Fに対して振動的に分離されている。これにより、ボディBD、及びボディBDに支持された投影光学系PLなどが、床面Fに対して振動的に分離される。
【0021】
基板ステージ装置PSTは、基板ステージ架台33上に固定された定盤12と、Y軸方向に所定間隔で配置された一対のベースフレーム14と、一対のベースフレーム14上に搭載された基板ステージ20と、を備えている。
【0022】
定盤12は、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)矩形の板状部材から成り、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。
【0023】
一対のベースフレーム14は、一方が定盤12の+Y側、他方が定盤12の−Y側に配置されている。一対のベースフレーム14それぞれは、X軸方向に延びる部材から成り、基板ステージ架台33を跨いだ状態で床面Fに固定されている。また、図1では不図示であるが、一対のベースフレーム14は、後述する基板ステージ20の一部であるX粗動ステージ23XをX軸方向に直進案内するためのXリニアガイド部材、及びX粗動ステージ23Xを駆動するためのXリニアモータを構成するX固定子(例えばコイルユニット)などを有している。
【0024】
基板ステージ20は、一対のベースフレーム14上に搭載されたX粗動ステージ23X、X粗動ステージ23X上に搭載され、X粗動ステージ23Xと共にXY二軸ステージを構成するY粗動ステージ23Y、Y粗動ステージ23Yの+Z側(上方)に配置された微動ステージ21、定盤12上で微動ステージ21を支持する重量キャンセル装置40、微動ステージ21上で基板Pを保持する基板ホルダ50などを含む。
【0025】
X粗動ステージ23Xは、平面視矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部にY軸方向を長手方向とする長孔状の開口部を有している。X粗動ステージ23Xの下面には、YZ断面逆U字状に形成された一対のステージガイド15が、一対のベースフレーム14に対応して固定されている。ステージガイド15は、図1では不図示であるが、ベースフレーム14の有するXリニアガイド部材(不図示)に対してスライド可能に係合するスライド部材、及び上述したX固定子と共にXリニアモータを構成するX可動子(例えば、磁石ユニット)などを有している。X粗動ステージ23Xは、Xリニアモータを含むX粗動ステージ駆動系により、一対のベースフレーム14上でX軸方向に所定ストロークで駆動される。また、X粗動ステージ23Xの上面には、Yリニアガイド部材28が固定されている。Yリニアガイド部材28は、X軸方向に離間して複数設けられている。また、各図面では不図示であるが、X粗動ステージ23Xの上面には、Y粗動ステージ23Yを駆動するためのYリニアモータを構成するY固定子(例えばコイルユニット)が固定されている。
【0026】
Y粗動ステージ23Yは、X粗動ステージ23XよりもY軸方向の寸法が短い平面視で矩形の外形形状を有する枠状の部材から成り、その中央部に開口部を有している。Y粗動ステージ23Yの下面には、XZ断面逆U字状に形成され、上述したYリニアガイド部材28にスライド可能に係合する複数のスライド部材29が固定されている。また、各図面では不図示であるが、Y粗動ステージ23Yの下面には、上述したY固定子と共にYリニアモータを構成するY可動子(例えば、磁石ユニット)が固定されている。Y粗動ステージ23Yは、Yリニアモータを含むY粗動ステージ駆動系により、X粗動ステージ23X上でY軸方向に所定ストロークで駆動される。X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yそれぞれの位置情報は、例えば不図示のリニアエンコーダシステムにより計測される。なお、X粗動ステージ23X,Y粗動ステージ23YをそれぞれX軸方向、Y軸方向に駆動する駆動方式は、例えば送りねじによる駆動方式、あるいはベルト駆動方式などの他の方式であっても良い。また、X粗動ステージ23X、及びY粗動ステージ23Yそれぞれの位置情報は、例えば光干渉計システムなどの他の計測方法により求めても良い。
【0027】
微動ステージ21は、平面視略正方形の高さの低い直方体状の部材から成る。微動ステージ21の−Y側の側面には、ミラーベース24Yを介してY軸に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)22Yが固定されている。また、微動ステージ21の−X側の側面には、図2に示されるように、ミラーベース24Xを介してX軸に直交する反射面を有するX移動鏡(バーミラー)22Xが固定されている。微動ステージ21のXY平面内の位置情報は、Y移動鏡22Y及びX移動鏡22Xそれぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計を含む基板干渉計システム39(図1参照)によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、基板干渉計システム39は、Y移動鏡22Y、X移動鏡22Xそれぞれに対応したXレーザ干渉計、Yレーザ干渉計を有しているが、図1では、代表的にYレーザ干渉計のみが図示されている。また、図面の錯綜を避けるため、図2ではミラーベース24Y,及びY移動鏡22Yの図示が省略されている。
【0028】
微動ステージ21は、例えばY粗動ステージ23Yに固定された固定子(例えば、コイルユニット)と、微動ステージ21に固定された可動子(例えば、磁石ユニット)と、を含む複数のローレンツ電磁力駆動方式のボイスコイルモータ(Xボイスコイルモータ18x(図2参照)、Yボイスコイルモータ18y(図1参照)、及びZボイスコイルモータ18z(図1及び図2参照))を有する微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ23Y上で6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、θzの各方向)に微少駆動される。なお、図面の錯綜を避けるため、図1ではXボイスコイルモータ18xの図示が省略されている。微動ステージ21は、複数のボイスコイルモータが発生するローレンツ電磁力により、投影光学系PLに対して、Y粗動ステージ23YとともにXY2軸方向に長ストロークで移動(粗動)可能、且つYステージ23Y上で6自由度方向に微少移動(微動)可能となっている。なお、Xボイスコイルモータ18xは、Y軸方向に沿って、Yボイスコイルモータ18yは、X軸方向に沿って、それぞれ複数設けられている(図1及び図2では、Xボイスコイルモータ18x、Yボイスコイルモータ18yは、それぞれ紙面奥行き方向に重なっている)。また、Zボイスコイルモータ18zは、同一直線上にない3箇所以上(例えば、微動ステージ21の四隅に対応する位置)に設けられている。
【0029】
重量キャンセル装置40は、微動ステージ21の中央部を定盤12上で下方から支持する柱状の部材から成り、心柱とも称される。重量キャンセル装置40は、例えば内圧を可変制御可能な不図示の空気バネなどを備えており、その空気バネが発生する鉛直方向上向きの力により、微動ステージ21を含む系(具体的には、微動ステージ21,ミラーベース24X、24Y、X移動鏡22X,Y移動鏡22Y、後述するレベリング装置44(図2参照)、基板ホルダ50など)の重量(重力方向下向きの力)を相殺(キャンセル)し、複数のZボイスコイルモータ18zを用いて微動ステージ21をZ軸方向(あるいはθx、θy方向)に駆動する際に、そのZボイルコイルモータ18zの負荷を低減する。
【0030】
重量キャンセル装置40は、図2に示されるように、レベリング装置44と称される装置を介して、微動ステージ21を下方から支持している。レベリング装置44は、不図示の静圧気体軸受、例えばエアベアリング(あるいは鋼球などの転動体)を介して微動ステージ21をθx方向及びθy方向にチルト自在(揺動自在)な状態で支持している。レベリング装置44は、重量キャンセル装置40に、不図示の静圧気体軸受、例えばエアベアリング(シーリングパッド)を介して下方から非接触支持されている。また、重量キャンセル装置40自体も、複数の静圧気体軸受、例えばエアベアリング(ベースパッド)を介して定盤12上に浮上支持されている。
【0031】
微動ステージ21の重量キャンセル装置40に対するZ軸方向、θx、θy方向それぞれの位置情報(Z軸方向の移動量、及び水平面に対するチルト量)は、微動ステージ21の下面に固定された複数のレーザ変位センサ47(Zセンサ)により、重量キャンセル装置40にアーム部材を介して固定されたターゲット48を用いて求められる。
【0032】
重量キャンセル装置40は、その鉛直方向に関する重心位置(重心高さ位置)を含む水平面に平行な面内で、Y粗動ステージ23Yに対して板ばねを含む複数の連結装置46(フレクシャ装置とも称される)を介して接続されている。連結装置46は、重量キャンセル装置40の+X,−X,+Y,−Y側それぞれで重量キャンセル装置40とY粗動ステージ23Yとを接続しており、重量キャンセル装置40は、Y粗動ステージ23YがY軸方向、及び/又はX軸方向に移動する際、そのY粗動ステージ23Yに牽引されてY粗動ステージ23Yと一体的にXY平面に沿って移動する。上記レベリング装置44、連結装置46(フレクシャ装置)などを含み、重量キャンセル装置40の構成は、例えば国際公開第2008/129762号などに開示されている。
【0033】
基板ホルダ50は、図2及び図3(A)から分かるように、Z軸方向の寸法(厚み)がX軸及びY軸方向の寸法よりも小さい直方体状の部材から成り、微動ステージ21の上面に固定されている。基板ホルダ50は、その上面(+Z側の面)に基板Pを真空吸着(又は静電吸着)により吸着保持する不図示の吸着装置を有している。
【0034】
ここで、液晶露光装置10において、基板ステージ20への基板Pの搬入(ロード)、及び基板ステージ20からの基板Pの搬出(アンロード)は、基板Pを図3(B)に示される基板トレイ90と称される部材上に載置した状態で行われる。
【0035】
基板トレイ90は、基板PよりもX軸及びY軸方向寸法が長い平面視矩形の枠状部材から成る外枠部91、及びX軸方向に延びる複数(Y軸方向に所定間隔で、例えば5本)のX支持部92xと、Y軸方向に延びる複数(X軸方向に所定間隔で、例えば5本)のY支持部92yとを含む支持部92を有している。複数のX支持部92xは、外枠部91のY軸方向に延びる一対の対辺部間に、複数のY支持部92yは、外枠部91のX軸方向に延びる一対の対辺部間に、それぞれ架設されている。基板Pは、複数のX支持部92x、及び、複数のY支持部92y上に載置される。なお、X支持部92x、及びY支持部92yを構成する部材の形状は、特に限定されず、例えば長手方向に直交する断面は、矩形、円形、菱形などにすることができる。また、支持部92を構成するX支持部92x、Y支持部92yは、別部材としても良いし、一体的な部材としても良い。このような基板トレイに関しては、例えば米国特許第6,559,928号明細書などに開示されている。なお、基板トレイは、トレイ載置面部に開口部を有していれば良く、その形状は、特に限定されない。従って、X支持部92x、Y支持部92yの本数は、5本未満、あるいは6本以上でも良い。また、外枠部91を有さず支持部92のみにより構成されていても良いし、外枠部91と、X支持部92x及びY支持部92yの一方とにより構成されていても良い(X支持部92x及びY支持部92yの一方が無くても良い)。また、外枠部91及び支持部92により規定される開口部の形状も矩形に限定されない。
【0036】
基板ホルダ50の上面部には、図3(A)に示されるように、基板トレイ90のX支持部92x、Y支持部92y(それぞれ図3(B)参照)を収容するための溝部52が形成されている。溝部52は、X支持部92x、Y支持部92yに対応して、X軸方向に延びる、例えば5本のX溝部52xと、Y軸方向に延びる、例えば5本のY溝部52yとを含み、図3(C)に示されるように、X支持部92x、Y支持部92yそれぞれが、対応するX溝部52x、Y溝部52y内に収容される。なお、図3(A)では図示が省略されているが、溝部52内には、図6(C)に示されるように、複数の支持部材53(例えば、鋼球)が収容されており、基板トレイ90は、複数の支持部材53上に載置される。基板トレイ90が複数の支持部材53上に載置された状態で、基板トレイ90の上面は、基板ホルダ50の上面よりも−Z側に位置しており、基板Pの下面から離間する。これにより基板Pの下面が基板ホルダ50の上面に吸着保持される。このような基板ホルダ、及び基板ホルダと基板トレイとを用いた基板支持方法に関しては、例えば米国特許第6,559,928号明細書などに開示されている。
【0037】
図2に戻り、基板受け渡し装置60は、液晶露光装置10の外部に設けられた不図示のコータディベロッパ装置から基板搬送ロボットにより液晶露光装置10の内部に搬入された基板Pを、後述する基板ローダ70に受け渡す装置である。基板受け渡し装置60は、架台61、複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63と複数のトレイ支持ピン64とを含む受け渡しユニット65を有している。
【0038】
架台61は、複数の脚部61aを介して床面F上に固定された平面視矩形の板状部材から成るベース61bを有している。
【0039】
複数の第1支持ピン62それぞれは、Z軸方向に延びる棒状の部材から成り、その一端部(−Z側の端部)が架台61のベース61bに固定されている。複数の第1支持ピン62それぞれの長さは、実質的に同じである。複数の第1支持ピン62それぞれの他端部(+Z側の端部)には、基板Pの下面を保護するためのパッド部材62aが取り付けられている。基板搬送ロボットにより搬送された基板Pは、まず複数の第1支持ピン62のパッド部材62a上に載置される(図4(A)参照)。なお、図2にはX軸方向に所定間隔で配列された、例えば5本の第1支持ピン62のみが示されているが、他の複数(例えば、4本)の第1支持ピン62が、ベース61b上において紙面奥行き方向(Y軸方向)に重なって所定間隔で配列されている(図4(A)など参照)。従って、第1支持ピン62は、ベース61b上に、例えば計25本設けられている。複数の第1支持ピン62は、X軸方向、及びY軸方向に関して、概ね等しい間隔で配置されている。
【0040】
複数の第1支持ピン62上には、基板搬送ロボットにより液晶露光装置10外部から搬送される基板Pが載置される(図4(A)参照)。ここで、基板搬送ロボットのうち、基板Pを支持する支持部材11(ハンドとも称される)は、平面視で櫛形に形成され、基板PのY軸方向の両端部を含むY軸方向に離間した複数の箇所を下方から支持する。基板搬送ロボットの支持部材11は、基板Pを複数の第1支持ピン62の上方に搬送した後、下方に移動することにより、その基板Pを複数の第1支持ピン62に受け渡す。従って、複数の第1支持ピン62は、基板PのY軸方向に関する両端部に対応する位置には設けられておらず、基板Pは、そのY軸方向に関する両端部が第1支持ピン62に支持されない(図4(A)参照)。
【0041】
受け渡しユニット65は、複数の第1支持ピン62により支持された基板Pを、基板トレイ90(図3(B)参照)上に載せ替えるための装置であり、不図示のアクチュエータによりZ軸方向に駆動(上下動)される昇降部材66を有している。昇降部材66は、平面視矩形の板状の部材から成り、ベース61bの下方に配置されている。
【0042】
複数の第2支持ピン63それぞれは、Z軸方向に延びる棒状の部材から成り、その一端部(−Z側の端部)が昇降部材66の上面に固定されている。複数の第2支持ピン63それぞれの長さは、実質的に同じである。複数の第2支持ピン63それぞれは、その長手方向の中間部分が、架台61のベース61bに形成された貫通孔(図4(A)参照)内に挿通され、他端部(+Z側の端部)がベース61bの上方に突き出している。複数の第2支持ピン63それぞれの他端部には、基板Pの下面を保護するためのパッド部材63aが取り付けられている。複数の第2支持ピン63は、昇降部材66が+Z方向に駆動されることにより、基板Pの下面を押圧する(図4(C)参照。複数の第2支持ピン63の動作については、後に詳しく説明する)。なお、図2にはX軸方向に所定間隔で配列された、例えば6本の第2支持ピン63のみが示されているが、他の複数(例えば、5本)の第2支持ピン63が、昇降部材66上において紙面奥行き方向(Y軸方向)に重なって所定間隔で配置されている(図4(A)など参照)。従って、第2支持ピン63は、昇降部材66上に、例えば計36本設けられている。複数の第2支持ピン63は、X軸方向、及びY軸方向に関して、概ね等しい間隔で配置されており、その距離は、前述の第1支持ピン62とほぼ同じである。
【0043】
また、X軸方向に所定間隔で配列された複数の第2支持ピン63のうち、最も+X側の第2支持ピン63と最も−X側の第2支持ピン63との間隔は、基板PのX軸方向に関する寸法とほぼ同じとなっている。従って、基板Pが複数の第2支持ピン63に支持された状態では、最も+X側、−X側の第2支持ピン63それぞれは、基板PのX軸方向に関する端部を支持する。また、Y軸方向に所定間隔で配列された複数の第2支持ピン63のうち、最も+Y側の第2支持ピン63、及び最も−Y側の第2支持ピン63は、その間隔が基板PのY軸方向に関する寸法とほぼ同じとなっており、基板PのY軸方向に関する端部を支持する(図4(B)など参照)。
【0044】
複数のトレイ支持ピン64それぞれは、Z軸方向に延びる棒状の部材から成り、その一端部(−Z側の端部)が昇降部材66の上面に固定されている。複数のトレイ支持ピン64それぞれの長さは、実質的に同じであり、且つ第2支持ピン63より短く設定されている。複数のトレイ支持ピン64それぞれは、その長手方向の中間部分が、架台61のベース61bに形成された貫通孔(図4(A)参照)内に挿通され、他端部(+Z側の端部)がベース61bの上方に突き出している。ここで、図2にはX軸方向に所定間隔で配列された、例えば4本のトレイ支持ピン64のみが示されているが、他の複数(例えば、3本)のトレイ支持ピン64が、昇降部材66上において紙面奥行き方向(Y軸方向)に重なって所定間隔で配置されている(図4(A)など参照)。
【0045】
複数のトレイ支持ピン64は、基板トレイ90の外枠部91,又は支持部92(それぞれ図3(B)参照)を下方から、ベース61bの上方で支持する(図4(A)参照)。複数のトレイ支持ピン64の他端部には、基板トレイ90の下面を保護するためのパッド部材64aが取り付けられている。上述した複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63それぞれの長手方向の中間部分は、基板トレイ90が複数のトレイ支持ピン64に下方から支持された状態(図4(A)参照)で、基板トレイ90の外枠部91,X支持部92x、及びY支持部92y(それぞれ図3(B)参照)により規定される開口内に挿通されている。
【0046】
基板ローダ70は、基板トレイ90を基板ホルダ50と基板受け渡し装置60との間で搬送する装置であり、基板トレイ90の+Y側及び−Y側の端部それぞれを保持する一対の保持部材71(図2において、一方の保持部材71は、他方の紙面奥側に隠れている)、及び一対の保持部材71それぞれをX軸方向に案内するガイド装置72とを有している。一対の保持部材71は、図5(A)などに示されるように、YZ断面L字状の部材から成り、X軸方向から見て左右対称に配置されている。一対の保持部材71は、ガイド装置72に対して上下動可能に吊り下げ状態で支持されている。一対の保持部材71それぞれは、図5(A)に示されるように、トレイ載置面部に、例えばX軸に平行な軸線周りに回転可能なコロ73(あるいはX軸方向に配列された複数の鋼球)を有し、基板トレイ90は、そのコロ73上に載置される。ガイド装置72は、一対の保持部材71それぞれをX軸方向に駆動するための駆動装置(アクチュエータ)などを有している。
【0047】
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロードが行われるとともに、基板ローダ70によって、基板ステージ20上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその説明は省略するものとする。
【0048】
ここで、基板ステージ20へ基板Pをロード(搬入)する際の基板受け渡し装置60、及び基板ローダ70の動作を説明する。以下に説明する基板受け渡し装置60,及び基板ローダ70を用いた基板ステージ20への基板Pの搬入は、不図示の主制御装置の管理の下で行われる。新たな露光対象の基板Pは、基板ステージ20,及び基板受け渡し装置60などを収容するチャンバ99に形成された開口部99a(それぞれ図2参照)を介して、外部から基板搬送ロボットの支持部材11により液晶露光装置10内に搬送される。基板Pを下方から支持する基板搬送ロボットの支持部材11は、その基板Pを図4(A)に示されるように複数の第1支持ピン62上に載置した後、下方に移動すると共に+X方向に移動して液晶露光装置10内から退避する。なお、基板受け渡し装置60の動作を説明するための図4(A)〜図6(B)では、理解を容易にするため、基板Pの撓みが実際よりも誇張して図示されている。また、基板トレイ90は、基板Pの下方において、複数のトレイ支持ピン64により支持されている。
【0049】
主制御装置は、基板Pが複数の第1支持ピン62上に載置されると、図4(B)に示されるように、昇降部材66を上昇(図4(B)の矢印参照)させる。これにより、複数の第2支持ピン63と複数のトレイ支持ピン64とが一体的に+Z方向に移動し、まず第2支持ピン63の先端部に取り付けられたパッド部材63aが基板Pの下面に当接する。ここで、複数の第2支持ピン63それぞれは、隣接する第1支持ピン62の中間に配置されており、パッド部材63aは、複数の第1支持ピン62上に載置された基板Pのうち、最も自重に起因する撓みが大きな部位に当接する。
【0050】
そして、図4(C)に示されるように、昇降部材66がさらに上昇(図4(C)の矢印参照)することにより、基板Pの下面(−Z側に撓んだ部分)に基板トレイ90の上面(基板支持面)が接触し、主制御装置は、この状態で昇降部材66の上昇を停止させる。また、昇降部材66が上昇することにより、複数の第2支持ピン63が図4(B)に示される状態からさらに+Z方向に移動し、基板Pが複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63により支持される。ここで、図4(C)に示される状態で、基板Pの自重に起因する撓みが図4(A)及び図4(B)に示される状態のときよりも抑制されるように、複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63それぞれの長手方向寸法が設定されている。
【0051】
基板Pの下面に基板トレイ90の上面が接触すると、主制御装置は、図5(A)に示されるように、基板ローダ70を制御して、一対の保持部材71に基板トレイ90を保持させるとともに、その一対の保持部材71を+Z方向に移動させる(図5(A)の矢印参照)。これにより、基板トレイ90は、自重によりその中央部が−Z側に撓む。ただし、図5(A)に示される状態では、基板Pの大部分は、複数の第1支持ピン62及び複数の第2支持ピン63に支持されている。なお、図5(A)〜図6(B)では、理解を容易にするため、基板トレイ90の撓みが実際よりも誇張して図示されている。また、図面の簡略化のため、図5(A)〜図6(C)では、基板ローダ70のガイド装置72(図2参照)の図示が省略されている。
【0052】
次いで、主制御装置は、図5(B)に示されるように、基板トレイ90を保持する一対の保持部材71を+Z方向に移動させるとともに、昇降部材66を下降させる(図5(B)の矢印参照)。これにより、基板Pが複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63それぞれと離間して基板トレイ90の支持部92(図3(B)参照)上に載置される。すなわち、不図示の主制御装置は、基板トレイ90を上昇させること、及び昇降部材66を下降させることにより、基板Pを複数の第1支持ピン62、及び複数の第2支持ピン63上から基板トレイ90上に載せ替える。なお、昇降部材66を下降させずに、一対の保持部材71を+Z方向に移動させるのみでも良い(基板トレイ90が基板Pをすくい取るように動作する)。
【0053】
次いで、不図示の主制御装置は、基板ローダ70を制御して基板Pが載置された基板トレイ90を−X方向に移動させ、所定の基板交換位置で待機している基板ステージ20(図2参照)の上方に位置させる。図6(A)には、基板ステージ20の基板ホルダ50と、その基板ホルダ50の上方に搬送された基板トレイ90とが図示されている。なお、図6(A)〜図6(C)では、図面の簡略化のため、基板ステージ20の基板ホルダ50以外の部材の図示が省略されている。図6(A)に示される状態では、基板トレイ90の支持部92(図3(B)参照)と、基板ホルダ50の溝部52(図3(A)参照)とが、Z軸方向に重なる位置に基板トレイ90が位置決めされる。
【0054】
不図示の主制御装置は、図6(B)に示されるように、基板ローダ70を制御して一対の保持部材71それぞれを降下(−Z方向に移動)させる(図6(B)の矢印参照)。これにより、基板トレイ90の支持部92(X支持部92x、及びY支持部92y。それぞれ図6(B)では不図示。図3(B)参照)が基板ホルダ50の溝部52内に挿入され、基板Pの下面中央部が基板ホルダ50の上面(基板載置面)に当接する。
【0055】
この後、主制御装置は、図6(C)に示されるように、さらに一対の保持部材71それぞれを降下させる(図6(C)の矢印参照)。これにより、基板トレイ90の支持部92(図3(B)参照)が基板ホルダ50の支持部材53上に載置される。このとき、基板トレイ90が下方に移動する動作に連動して基板Pと基板トレイ90とが離間し、基板Pが基板ホルダ50に受け渡される。
【0056】
以上説明したように、第1の実施形態の液晶露光装置10によると、基板Pは、複数の第1及び第2支持ピン62,63上から、基板トレイ90上に受け渡される。複数の第1及び第2支持ピン62,63は、基板Pの端部を含み、基板Pの下面の全面をほぼ均等に支持することから、基板Pをその自重に起因する撓みが小さい状態で基板トレイ90上に載せ替えることができる。ここで、仮に複数の第1支持ピン62上から直接、基板Pを基板トレイ90上に載せ替えることとすると、複数の第1支持ピン62に支持される基板Pには、局所的(具体的には、基板搬送ロボットの支持部材11に支持される部位であるY軸方向に関する両端部)に自重に起因する比較的大きな撓みが発生する。このため、基板Pを複数の第1支持ピン62から基板トレイ90、さらに基板トレイ90から基板ホルダ50に載せ替える際、この比較的大きな撓みが残ったままの基板Pが基板ホルダ50上に載置され、吸着不良などが発生する可能性がある。なお、基板トレイ90と基板Pとの摩擦を小さくし、基板Pが基板トレイ90上に載置されることにより、自然に撓みが解消されるように構成することも可能であるが、この場合、基板トレイ90を加減速する際に、基板トレイ90上での基板Pの位置がずれる可能性がある。これに対し、本実施形態の基板受け渡し装置60では、複数の第1及び第2支持ピン62,63により予め基板Pの自重に起因する撓みを抑制し、その撓みが抑制された状態の基板Pを基板トレイ90に受け渡すので、基板Pを基板ホルダ50上に平面度良く載置することができる(図6(C)参照)。
【0057】
また、本実施形態の基板受け渡し装置60では、基板Pを複数の第1及び第2支持ピン62,63上から基板トレイ90上に載せ替える際、基板トレイ90は、基板ローダ70の一対の保持部材71によりY軸方向の両端部が+Z方向に持ち上げられることにより、その中央部が自重に起因して−Z側に撓む(−Z側に凸となるように膨らむ)。従って、図5(A)及び図5(B)に示されるように、基板Pは、−Z側に撓んだ状態の基板トレイ90上に載置される。ここで、仮に基板トレイ90上に基板Pを載置した後に、基板トレイ90を保持する一対の保持部材71を+Z方向に移動させることとすると、基板トレイ90の中央部が自重に起因して撓むことにより基板Pも−Z側に凸となるように撓むが、この際、基板Pと基板トレイ90との接触面間の摩擦力により基板Pが基板トレイ90に対して実質的に相対移動しない(滑らない)ため、基板Pの中央部に+Z方向に膨らむように変形する(しわが発生する)可能性がある。これに対し、本実施形態の基板受け渡し装置60では、予め自重により撓んだ基板トレイ90上に基板Pを載置するので(図5(A)及び図5(B)参照)、基板トレイ90に載置された後の基板Pに、基板トレイ90の撓みに起因する変形(しわ)が発生しない。従って、基板Pを基板ホルダ50上に平面度良く載置することができる(図6(C)参照)。
【0058】
また、複数の第2支持ピン63、及び複数のトレイ支持ピン64を、共通の駆動装置(昇降部材66を含む)を用いて上下動させるので、効率的である。また、複数の第2支持ピン63が、複数のトレイ支持ピン64とともに昇降部材66に固定されているので、複数の第2支持ピン63と複数のトレイ支持ピン64との相対位置が変わらず、基板Pごとの支持位置のばらつきが発生せず、装置の信頼度が向上する。
【0059】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について図7(A)〜図9(B)を用いて説明する。第2の実施形態に係る液晶露光装置は、上記第1の実施形態と比べ、基板受け渡し装置160の構成が異なるのみなので、以下、基板受け渡し装置160の構成及び動作についてのみ説明する。なお、第2の実施形態、及び後述する第3の実施形態では、説明の簡略化及び図示の便宜上から上記第1の実施形態と同様の構成、及び作用を有するものについては、上記第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
基板受け渡し装置160の受け渡しユニット165は、上記第1の実施形態と同様に、昇降部材66に複数のトレイ支持ピン64の一端が固定されている。なお、図7(A)では、昇降部材66上にトレイ支持ピン64が、例えば4本設けられているが、その本数は特に限定されない。また、図7(A)を含む各図面では不図示であるが、昇降部材66上には、他の複数のトレイ支持ピン64が紙面奥行き方向(X軸方向)に重なって設けられている。なお、第1支持ピン62の構成、作用は、上記第1の実施形態と同じである。
【0061】
複数の第2支持ピン163それぞれは、上記第1の実施形態よりも長手方向の寸法が短く設定され、且つスライド部材169を介してトレイ支持ピン64に対してZ軸方向にスライド(上下動)可能に取り付けられている。第2支持ピン163は、例えばX軸方向に所定間隔(上記第1の実施形態と同じ間隔)で6本設けられている。最も+Y側、及び−Y側のトレイ支持ピン64それぞれには、スライド部材169を介して1本の第2支持ピン163が取り付けられ、他の2本のトレイ支持ピン64それぞれには、2本の第2支持ピン163がそれぞれスライド部材169を介して取り付けられている。なお、複数のスライド部材169には、長手方向寸法が異なるものが含まれるが、それぞれ同じ機能を有することから本明細書では便宜上同じ符号を用いて説明する。なお、Y軸方向に配列される複数の第2支持ピン163の本数は、6本に限定されない。また、図7(A)で第2支持ピン163は、Y軸方向に隣接するトレイ支持ピン64に取り付けられているが、これに限らずX軸方向に隣接する不図示のトレイ支持ピン64に取り付けられても良い。また、ひとつのスライド部材169に対して複数の第2支持ピン163が取り付けてられていても良い。
【0062】
スライド部材169は、XY平面に平行な部材から成り、一端側に第2支持ピン163の−Z側の端部が固定され、他端がトレイ支持ピン64にスライド可能に取り付けられている。スライド部材の他端側には、トレイ支持ピン64が挿通される不図示の開口部(貫通孔)が形成されている。また、トレイ支持ピン64が挿通される不図示の開口部を規定する開口規定部には、その開口規定部が平面視でC字状となるように不図示のスリット状の切り欠きが形成されている。切り欠きの幅は、ねじ168により調整することができるようになっており、ねじ168が緩められた状態(切り欠きの幅が広くされた状態)でスライド部材169がトレイ支持ピン64に対して上下動可能となり、第2支持ピン163のZ位置の調整が可能となる。また、ねじ168がねじ込まれると、開口規定部の内壁面とトレイ支持ピン64の外周面との間の摩擦力により、スライド部材169のトレイ支持ピン64に対する上下動が制限される。また、架台161のベース161bには、スライド部材169の通過を許容する長孔状の開口部が形成されており、スライド部材169をベース161bの上方に位置させることができる。
【0063】
また、トレイ支持ピン64には、スライド部材169の移動上限位置を規定するストッパ167が、複数のスライド部材169それぞれに対応して取り付けられている。ストッパ167の取り付け位置は、複数の第2支持ピン163それぞれが対応するストッパ167により+Z方向への移動が制限された状態で、その複数の第2支持ピン163の+Z側の端部(パッド部材63aの上端面)の位置が一致するように調整されている。
【0064】
以下、基板受け渡し装置160の動作について簡単に説明する。なお、基板受け渡し装置160の動作は、上記第1の実施形態に係る基板受け渡し装置60(図4(A)〜図6(C)参照)と概ね同じである。ここで、基板受け渡し装置160を用いて基板Pの受け渡しを行う際、複数の第2支持ピン163それぞれは、対応するストッパ167に当接され、+Z方向への移動が制限される。そして、ストッパ167に当接した状態で、複数の第2支持ピン163それぞれのパッド部材63aと、複数のトレイ支持ピン64のパッド部材64aとのZ軸方向に関する相対的な位置が、上記第1の実施形態と同じとなるようにストッパ167の取り付け位置が設定されている。
【0065】
図8(A)に示されるように、複数の第1支持ピン62上に載置された基板Pは、図8(B)及び図8(C)に示されるように、昇降部材66が+Z側に移動することにより、複数の第1及び第2支持ピン62,163により、自重に起因する撓みが抑制される。そして、図9(A)に示されるように、トレイ支持ピン64上に載置された基板トレイ90が一対の保持部材71により+Z方向に持ち上げられるとともに、図9(B)に示されるように、昇降部材66が−Z方向に移動することにより、基板Pが複数の第1及び第2支持ピン62,163上から基板トレイ90上に乗り移る。
【0066】
ここで、第2の実施形態に係る基板受け渡し装置160では、スライド部材169(すなわち第2支持ピン163)を図7(A)に示される位置(第2支持ピン163の通常使用位置と称する)から−Z方向に移動させ、図7(B)に示されるように、全ての第2支持ピン163のパッド部材63aをトレイ支持ピン64のパッド部材64aよりも−Z側に位置させることができる。従って、昇降部材66を上昇させて、基板トレイ90を第1支持ピン62のパッド部材62aよりも+Z側に位置させることにより、基板トレイ90のメンテナンス(清掃、交換など)を容易に行うことができる。
【0067】
また、基板受け渡し装置160は、複数の第2支持ピン163それぞれに対応したストッパ167を有しており、そのストッパ167に当接させることにより第2支持ピン163を通常使用位置に容易に位置(復帰)させることができる。
【0068】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について図10(A)〜図11(B)を用いて説明する。第3の実施形態に係る基板受け渡し装置260は、トレイ支持ピン64に対するストッパ部材167のZ軸方向に関する取付位置が異なる点を除き、上記第2の実施形態に係る基板受け渡し装置160と同じである。なお、Y軸方向に配列された、例えば6本の第2支持ピン163のそれぞれは、上記第2実施形態に係る第2支持ピン163(図7(A)参照)と実質的に同じ部材であるが、説明の便宜上、図10(A)に示されるように、−Y側から+Y側に向かって順番に第2支持ピン163〜163とする。
【0069】
基板受け渡し装置260では、第2支持ピン163、163(最も−Y側、及び+Y側の第2支持ピン163)それぞれの上端部のZ軸方向に関する位置(Z位置)が最も高く(+Z側に位置し)、中央の2本の第2支持ピン163、163それぞれの上端部のZ位置が最も低くなるように対応するストッパ部材167それぞれの取付位置が設定されている。他の2本の第2支持ピン163、163それぞれの上端部のZ位置は、第2支持ピン163と第2支持ピン163とのほぼ中間となっている。従って、複数の第2支持ピン163〜163により支持された基板Pは、図10(C)に示されるように中央部が−Z側に撓んだ状態となる。
【0070】
そして、複数の第2支持ピン163〜163により支持された基板Pの下面が、一対の保持部材71によりそのY軸方向の両端部が支持された基板トレイ90の上面(基板載置面)とほぼ平行となるように、複数のストッパ部材167のトレイ支持ピン64に対する取付位置が設定されている。従って、図11(A)に示されるように、一対の保持部材71を用いて基板トレイ90を複数のトレイ支持ピン64を上方に持ち上げたとき、基板Pの下面の全面が基板トレイ90の基板載置面にほぼ同時に当接する。なお、基板受け渡し装置260の動作は、上記第2の実施形態に係る基板受け渡し装置160(図7(A)など参照)と同じであるため、その説明を省略する。
【0071】
第3の実施形態に係る基板受け渡し装置260では、複数の第2支持ピン163〜163から基板トレイ90上に基板Pを載せ替える際、基板Pの下面の全面が基板トレイ90の基板載置面にほぼ同時に当接するので、基板トレイ90上での基板Pの変形が抑制される。ここで、中央部が下方に撓んだ基板トレイ90上に水平面に平行な状態の基板Pを載置しようとすると、基板Pは、先ず両端部が基板トレイ90に当接し、その後に中央部が基板トレイ90に当接するので、基板Pの両端部と基板トレイ90との間の摩擦により(基板Pが基板トレイ90上で滑らないので)基板Pの中央部に、例えばしわなどが発生する可能性がある。これに対し、本第3の実施形態に係る基板受け渡し装置260では、基板Pを予め基板トレイ90に対応するように変形させているので、基板トレイ90に基板Pを載置する際、基板トレイ90の撓みに起因する基板Pの変形を抑制できる。
【0072】
なお、上記第1〜第3の各実施形態に係る基板受け渡し装置の構成は、一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、第1支持ピン62、第2支持ピン63、163、及びトレイ支持ピン64の本数は、上記第1〜第3の実施形態で例示した本数よりも少なくても多くても良い。また、上記第1〜第3の各実施形態では、基板トレイ90は、トレイ支持ピン64により所定量持ち上げられた後、基板ローダ70の一対の保持部材71を用いてさらに持ち上げられるが、例えば一対の保持部材71の上下方向のストロークを大きくし、トレイ支持ピン64も用いず一対の保持部材71のみにより基板トレイ90を持ち上げても良い。
【0073】
また、上記第1の実施形態において、複数の第2支持ピン63を上下動させるための駆動装置と、複数のトレイ支持ピン64を上下動させるための駆動装置とを、個別に設け、それぞれ独立して制御することができるようにしても良い。
【0074】
また、上記第2の実施形態では、第2支持ピン163がスライド部材169を介してトレイ支持ピン64にスライド可能に取り付けられたが、複数の第2支持ピン163の+Z側の端部を複数のトレイ支持ピン64の+Z側の端部よりも−Z側に位置させることができればこれに限られず、例えば複数の第2支持ピン163それぞれを伸縮可能に構成し、昇降部材66に固定しても良い。
【0075】
また、上記第3の実施形態では、複数の第2支持ピン163〜163がスライド部材169を介してトレイ支持ピン64にスライド可能に取り付けられたが、これに限らず、長さの異なる複数の第2支持ピンを直接昇降部材66に固定しても良い。
【0076】
また、上記実施形態では、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光を用いても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを用いても良い。
【0077】
また、上記実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、上記実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は、拡大系及び縮小系のいずれを用いても良い。
【0078】
また、上記各実施形態では、スキャニング・ステッパに本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に本発明を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置にも本発明は適用することができる。また、本発明は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができる。
【0079】
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
【0080】
なお、本発明に係る基板受け渡し装置は、露光装置に限らず、例えば基板検査装置、インクジェット式の機能性液体付与装置を備えた素子製造装置などにも適用することができる。
【0081】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、マスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記各実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明の基板受け渡し装置及び基板受け渡し方法は、基板を搬送用基板支持部材に載置するのに適している。また、本発明の露光装置は、基板に所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
【符号の説明】
【0083】
10…液晶露光装置、20…基板ステージ、40…重量キャンセル装置、50…基板ホルダ、60…基板受け渡し装置、62…第1支持ピン、63…第2支持ピン、64…トレイ支持ピン、70…基板ローダ、90…基板トレイ、P…基板、PST…基板ステージ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平面に平行な平面に沿って支持する支持部材を含む支持装置と;
前記支持装置により支持された前記基板を下方から押圧する押圧部材を含み、前記押圧部材を用いて該基板の自重に起因する撓みを抑制する押圧装置と;
前記押圧装置により撓みが抑制された状態の前記基板を、該基板の搬送に用いられる搬送用基板支持部材上に載せる載置装置と;を備える基板受け渡し装置。
【請求項2】
前記支持装置は、前記基板の互いに異なる複数部位それぞれを下方から支持する複数の前記支持部材を含み、
前記押圧装置は、前記基板の端部を含み、前記複数の支持部材に支持された部位とは異なる複数部位それぞれを押圧する複数の前記押圧部材を含む請求項1に記載の基板受け渡し装置。
【請求項3】
前記載置装置は、前記搬送用基板支持部材を下方から支持する載置用支持部材を有し、
前記載置用支持部材と前記押圧部材とが共通のベース部材上に設けられ、互いの上端部の相対位置が不変である請求項1又は2に記載の基板受け渡し装置。
【請求項4】
前記複数の押圧部材それぞれは、その上端部の鉛直方向に関する位置が調整可能に設けられる請求項2に記載の基板受け渡し装置。
【請求項5】
前記載置装置は、前記搬送用基板支持部材を下方から支持する載置用支持部材を有し、
前記押圧部材は、前記載置用支持部材に対して鉛直方向にスライド可能に取り付けられる請求項4に記載の基板受け渡し装置。
【請求項6】
前記載置用支持部材は、前記複数の押圧部材それぞれの上端部の鉛直方向に関する位置が同じとなるように前記押圧部材の停止位置を規定する規定部材を含む請求項5に記載の基板受け渡し装置。
【請求項7】
前記載置用支持部材は、前記複数の押圧部材により前記基板が前記搬送用基板支持部材の基板支持面の形状に対応する形状に変形されるように前記押圧部材の停止位置を規定する規定部材を含む請求項5に記載の基板受け渡し装置。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記搬送用基板支持部材が前記第1支持装置の支持部材よりも上方に位置する状態で、該搬送用基板支持部材よりも下方に移動可能である請求項4〜6のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項9】
前記押圧装置は、前記基板を前記搬送用基板支持部材の基板支持面の形状に対応するように変形させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項10】
前記支持部材、及び前記押圧部材は、鉛直方向に延びるピン状の部材から成り、前記搬送用基板支持部材に形成された開口部内に挿通される請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項11】
前記載置装置は、前記搬送用基板支持部材と前記基板とが少なくとも一部離間した状態で、該搬送用支持部材を上方に移動させることにより、前記基板を前記搬送用基板支持部材上に載せる請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置と;
前記基板が載置された前記搬送用基板支持部材を、所定の露光位置で前記基板を保持する基板保持装置上に搬送する搬送装置と;
前記基板保持装置に保持された前記基板に対するエネルギビームの照射により該基板に所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置。
【請求項13】
前記基板は、フラットパネルディスプレイ装置に用いられる請求項12に記載の露光装置。
【請求項14】
前記基板は、少なくとも一辺の長さが500mm以上である請求項12又は13に記載の露光装置。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか一項に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと;
前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
【請求項16】
所定の支持部材を用いて基板を水平面に平行な平面に沿って支持させることと;
前記支持部材に支持された前記基板を、押圧部材を用いて下方から押圧して該基板の自重に起因する撓みを抑制することと;
前記撓みが抑制された前記基板を、該基板の搬送に用いられる搬送用基板支持部材上に載置することと;を含む基板受け渡し方法。
【請求項17】
前記基板の撓みを抑制する際に、該基板の端部を含み、前記支持部材に支持された部位とは異なる複数部位それぞれを押圧する請求項16に記載の基板受け渡し方法。
【請求項18】
前記基板を前記搬送用基板支持部材上に載置する際に、前記搬送用基板支持部材と前記基板とが少なくとも一部離間した状態で、該搬送用支持部材を上方に移動させる請求項16又は17に記載の基板受け渡し方法。
【請求項19】
前記複数の押圧部材により前記基板が前記搬送用基板支持部材の基板支持面の形状に対応する形状に変形されるように前記押圧部材の位置を調整すること;をさらに含む請求項16〜18のいずれか一項に記載の基板受け渡し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−100917(P2011−100917A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255947(P2009−255947)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】