説明

基板検査装置

【課題】 スペース上における基板の平面状態を保持しながら、その基板を容易に搬送することができ、迅速かつ正確な検査を行うことができる基板検査装置を提供すること。
【解決手段】 所定のスペース15をおいて配列された第1のステージおよび第2のステージと、基板13を浮上させる浮上手段20と、基板13を支持する支持部と、この支持部を移動させて前記基板13を搬送する基板搬送機構と、前記スペース15に沿って移動可能に設けられ、基盤13を観察するための観察手段と、この観察手段に対向して配置され、前記スペース内を移動する照明部と、前記スペース15を埋めるスペーサ40と、このスペーサ40を、前記スペース15内において前記スペース15の少なくとも一部を埋める閉鎖位置Lと、前記スペース15から退避して前記スペース15を開放する開放位置との間で移動させるスペーサ移動機構と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)などに用いられる大型ガラス基板やカラーフィルタなどを検査する基板検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LCDやPDPなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)が普及してきており、それらLCDやPDPは、一般にガラス基板が利用されている。このガラス基板は、品質向上のため、製造過程において傷や汚れなどの欠陥部を検査する必要がある。
そこで、それらガラス基板を検査する種々の基板検査装置が周知になっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の基板検査装置には、同一の定盤2上にエア浮上ステージからなる欠陥検査を挟んで上流側と下流側にガラス基板を搬出入する、ころ搬送部が設置されている。検査のために基板が載せられるエア浮上ステージには、ガラス基板を透過照明するスペースが設けられている。そのスペースに沿って対物レンズが移動可能に設けられるとともに、照明光を照射する照明部が、そのスペース内に、対物レンズと対向して移動可能に設けられたものが知られている。さらに、この基板検査装置は、基板の一辺を把持する基板把持部を備えており、基板を把持した状態での基板把持部を、エア浮上ステージに沿って移動させることにより、基板がスペースを跨いで搬送され、その間に、対物レンズと照明部とによって、基板表面の拡大像を得るようになっている。この拡大像を観察することにより、基板表面の傷や欠陥が検出される。
【特許文献1】特開2000−9661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような基板検査装置では、近年のガラス基板が、画面の大型化や機器全体の薄型化の要請に応えるために、より一層大型で薄いものが用いられているため、この基板をエア浮上ステージでエアによって一定の高さに浮上させて搬送するときに、スペースの間で浮上圧が低下し、基板の搬送方向の先端部がスペース上において自重により撓んでしまう。そのため、先端部がスペース内に没してしまい、その結果、先端部が引っ掛かることによって基板のスムーズな搬送が困難になるという問題がある。特に、ガラス基板が、基板の裏面側に反っている場合には、ガラス基板の先端部がスペース内に没しやすくなり、スペースを乗り越えることができず、ガラス基板を安定して搬送することができなくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スペース上における基板の平面状態を保持しながら、その基板に損傷を与えることなく安定して搬送することができ、迅速かつ正確な検査を行うことができる基板検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の基板検査装置は、被検査基板を水平状態に支持して一方向に搬送するステージと、前記ステージの搬送路中に前記搬送方向と直交して設けられる透過照明用のスペースと、前記スペースの上方に設けられ、前記ステージ上を搬送される前記被検査基板を観察するための観察手段と、前記スペースを介して前記観察手段に対向して配置される透過照明部と、前記スペースの前記ステージの搬送路面に対して出没可能に設けられ、前記被検査基板の先端が前記スペースを乗り越える際に前記スペースから出現して前記スペースの開口を塞ぐスペーサと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の基板検査装置は、互いに所定のスペースをおいて配列される第1のステージおよび第2のステージと、これら第1のステージおよび第2のステージの表面から基板を浮上させる浮上手段と、この浮上手段により浮上した基板の端部を支持する支持部と、前記基板を支持した状態の前記支持部を、前記第1のステージから前記第2のステージにわたって移動させることにより、前記基板を、前記第1のステージから前記第2のステージに前記スペースを跨いで搬送する基板搬送機構と、前記スペースに沿って移動可能に設けられ、前記基板搬送機構によって搬送される基盤を観察するための観察手段と、前記スペース内において前記観察手段に対向して配置され、前記観察手段の移動とともに前記スペース内を移動する照明部と、前記スペースの少なくとも一部を埋めるスペーサと、このスペーサを、前記スペース内において前記スペースの少なくとも一部を埋める閉鎖位置と、前記スペースから退避して前記スペースを開放する開放位置との間で移動させるスペーサ移動機構と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ステージの搬送路中に設けられたスペース上を基板の先端が乗り越える際に、スペーサによりスペースを塞ぐことにより、スペース上において基板の先端が下方に撓むことを防止することができる。そのため、スペース上において基板の平面状態を保持することができ、第1のステージから第2のステージに基板を安全に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、本発明の第1実施形態における基板検査装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態としての基板検査装置1を示したものである。
基板検査装置1は、不図示の除振台の上に載せられる矩形状の基台2を備えている。
基台2の上面のうち、その幅方向Wの一端側(上流側)2aには、角柱状に延びる複数の枕木部3が、基台2の奥行方向Dに向けられて、幅方向Wに所定の間隔をおいて配置されている。そして、基台2の上面の他端側(下流側)2bにも、上記と同様に、複数の枕木部3が、基台2の奥行方向Dに向けられて、幅方向Wに所定の間隔をおいて配置されている。
【0010】
一端側2aに配置された複数の枕木部3の上面には、細長い板状の第1ステージ構成部材6が、幅方向Wに向けられて、奥行方向Dに所定の間隔をおいて複数(図示例では10本)配置されている。また、他端側2bに配置された複数の枕木部3の上面には、上記と同様に、細長い板状の複数の第2ステージ構成部材7が、幅方向Wに向けられて、奥行方向Dに所定の間隔をおいて複数(図示例では10本)配置されている。これら第1ステージ構成部材6によって構成される上流側エア浮上ステージと、第2ステージ構成部材7によって構成される下流側エア浮上ステージとの間は、透過照明用のスペース15が設けられている。
【0011】
このような構成のもと、複数の第1ステージ構成部材6の天面(表面)6aおよび複数の第2ステージ構成部材7の天面(表面)7aに、ガラス基板(被検査基板)13が水平状態に支持されて一方向に搬送されるようになっている。すなわち、複数の第1ステージ構成部材6は第1のステージ(上流側エア浮上ステージ)10を構成し、複数の第2ステージ構成部材7は第2のステージ(下流側エア浮上ステージ)11を構成するものであり、これら第1および第2のステージ10,11が、ガラス基板13の搬送路に沿って、所定のスペース15をおいて配列されて構成されている。これら第1および第2のステージ構成部材6,7を所定の間隔をおいて配置することにより、この搬送路中にガラス基板13の搬送方向と直交する方向に、直線上の間隙、すなわち透過照明用のスペース15が設けられる。
【0012】
また、第1ステージ構成部材6の天面6aおよび第2ステージ構成部材7の天面7aには、その長さ方向、すなわち幅方向Wの全長にわたって、エアを噴出するエアノズル孔(浮上手段)20が均等間隔をおいて複数形成されている。これらエアノズル孔20は、第1および第2のステージ構成部材6,7のエアタンクを介してエア送風装置(浮上手段)に接続されている。このエア送風装置から送られてくる圧搾エアは、第1および第2のステージ構成部材6,7に供給され、エアノズル孔20から基台2の高さ方向Hの上方に向けられて噴出されるようになっている。
【0013】
また、基台2の天面には、エアで浮上したガラス基板13の一辺を支持してを搬送するための基板搬送機構23が設けられている。基板搬送機構23は、第1のステージ10と第2のステージ11に隣接させて、それら第1および第2のステージ10,11にわたって幅方向Wに向けられて延びる角柱状の台座24を備えている。台座24の上面には、その長さ方向の全長にわたって、ガイドレール25が配設されており、そのガイドレール25の上には、ガラス基板13を支持する支持部26が設けられている。支持部26は、台座24の天面の長さ方向に沿って延びる矩形の基盤部26aを備えており、この基盤部26aには、奥行方向Dの端部を起点として高さ方向Hの上方に向けて延びる立ち上がり壁部26bが設けられている。立ち上がり壁部26bの天面には、複数の基板吸着パッド部材27が所定の間隔をおいて設けられている。これら基板吸着パッド部材27は、チューブを介して、不図示のエア吸引装置に接続されており、エア吸引装置を駆動することにより、チューブを介して、基板吸着パッド部材27から空気が吸引されるようになっている。
この支持部26は、例えばリニアモータによって、ガイドレール25の上を往復移動するようになっている。
【0014】
このような構成のもと、エア吸引装置を駆動して基板吸着パッド部材27から空気を吸引すると、第1のステージ10上のガラス基板13の縁部が基板吸着パッド部材27に吸着され、これにより、ガラス基板13が片持ち支持されるようになっている。そして、この支持された状態で、リニアモータを駆動することにより、支持部26が移動し、ガラス基板13が、第1のステージ10から第2のステージ11に、スペース15を跨いで搬送されるようになっている。
【0015】
また、スペース15の近傍には、門型状の顕微鏡フレーム30が設けられている。顕微鏡フレーム30は、第1のステージ10と第2のステージ11との境界部近傍であって、奥行方向Dの両端に設けられた設置部30aと、これらそれぞれの設置部30aから高さ方向Hの上方に向けて延ばされた側柱部30bと、これら側柱部30bの上端同士を結ぶ奥行方向Dに延ばされた水平アーム部30cとを備えている。なお、前記両端に設けられた2つの設置部30aのうち、一方の設置部30aは台座24に近接して設けられ、他方の設置部30aは反対側の端部に設けられているが、その他方の設置部30aは、奥行方向Dの長さ寸法が長く設定されており、そのため、奥行方向Dの外方に所定の寸法だけ突出して設けられている。
【0016】
また、水平アーム部30cには、例えばリニアモータなどによって、水平アーム部30cの全長にわたって往復移動可能に支持された顕微鏡(観察手段)33が設けられている。顕微鏡33は、水平アーム部30cに往復移動可能に取り付けられた顕微鏡支持部36を備えており、この顕微鏡支持部36には、倍率の異なる複数種類の対物レンズ35を交換可能にするレボルバ34を装着した顕微鏡本体が取り付けられている。この対物レンズ35は、スペース15の上方に配されており、顕微鏡支持部36を移動させると、スペース15に沿って移動するようになっている。
また、対物レンズ35に対向する第1および第2のステージ10,11の裏側には、高さ方向Hの上方に向けて照明光を照射する透過照明部37が設けられている。透過照明部37は、スペース15内において対物レンズ35とともに移動可能に構成されている。そして透過照明部37は、対物レンズ35が設けられている方向と反対方向の水平アーム部30cの端部に移動すると、その対物レンズ35とともに移動することにより、スペース15から外れて奥行方向Dに退避する退避位置Kに配されるようになっている。
【0017】
さらに、本実施形態における基板検査装置1は、図2に示すように、第1および第2のステージ10,11の搬送路面に対して出没可能なローラ(スペーサ)40がスペース15内に設けられている。ローラ40は、第1ステージ構成部材6および第2ステージ構成部材7の設置数に合わせて複数設けられている。これらのローラ40は、第1ステージ構成部材6側から搬送されるガラス基板13の端部がスペース15を乗り越える際に、それぞれの第1ステージ構成部材6と第2ステージ構成部材7との間に出現してスペース15の開口を埋めるようになっている。また、ローラ40は、例えば、ガラスより軟らかい、耐磨耗性を有するピーク樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)などの樹脂から成る。さらに、これらローラ40の両端は、略L字状のL字支持部材41の先端部に不図示のピンを介して取り付けられており、これにより、ローラ40が奥行方向Dに沿った軸線を中心として回転可能に支持されている。
【0018】
これら複数のL字支持部材41の基端部には、図3に示すように、複数の第1ステージ構成部材6にわたって奥行方向Dに向けて延びる一本の回転棒43が挿通されており、これにより、L字支持部材41が支持されている。さらに、回転棒43は、軸受42によって回転可能に支持されており、軸受42は、複数の第1ステージ構成部材6の裏面6bにそれぞれ取り付けられている。また、回転棒43の長さ方向の中央には、回転棒43を正逆両方向に回転させる両軸モータなどの回転駆動部44が設けられている。
【0019】
このような構成のもと、回転駆動部44を駆動して回転棒43を回転させることにより、ローラ40を、スペース15内に配されてスペース15を埋める図2に示す閉鎖位置Lと、図4に示すようにスペース15から退避してスペース15を開放する開放位置Mとの間で往復移動させるようになっている。
【0020】
次に、このように構成された本実施形態における基板検査装置1の作用について説明する。
なお、初期状態においては、支持部26は第1のステージ10側に配され、また、透過照明部37は退避位置Kに、顕微鏡33は水平アーム部30cの退避位置K側の端部に配され、さらに、ローラ40は閉鎖位置Lに配されているものとする。
まず、不図示の搬送装置によって、ガラス基板13を第1のステージ10の天面6aに載置する。この状態で、エア送風装置を駆動すると、エアノズル孔20にエアが送られて、これらエアノズル孔20から上方に向けてエアが噴出する。このエアによってガラス基板13が上方に押圧されて、これによりガラス基板13が天面6aから一定の高さに浮上して、天面6aと非接触の状態になる。この状態から、エア吸引装置を駆動すると、基板吸着パッド部材27から空気が吸引されて、ガラス基板13の縁部が基板吸着パッド部材27に吸着される。これにより、ガラス基板13が片持ち支持される。なお、このときエアノズル孔20からエアが噴出されていることから、ステージ面とガラス基板13との間のエア層により、ガラス基板13が水平に浮上し、天面6aに接触するのが防止される。
【0021】
このように、ガラス基板13が支持部26に支持された状態で、リニアモータを駆動すると、支持部26が、第1のステージ10から第2のステージ11にわたって、ガイドレール25上を移動する。そのため、ガラス基板13が、第1のステージ10から第2のステージ11に、スペース15を跨いで搬送される。
ここで、搬送途中において、ガラス基板13の移動方向の先端部13aが第1のステージ10からスペース15上に差し掛かったとき、従来であれば、ガラス基板13の先端部13aが撓んでしまい、スペース15内に没してしまうおそれがあったが、本実施形態においては、以下のようにしてガラス基板13の端部の撓みが防止される。
【0022】
すなわち、ガラス基板13の先端部13aがスペース15を乗り越える際に、スペース15内からローラ40が出現してスペース15の開口を塞ぐと、ガラス基板13の先端部13aが各ローラ40の外周面に接触し、ガラス基板13の撓みが防止される。そして、支持部26の移動に従動し、先端部13aがローラ40の外周面に接触しながら、すなわちローラ40が回転しながら、ガラス基板13が第2のステージ11へと送られていく。第2のステージ11に送られたガラス基板13は、エアノズル孔20から噴出されるエアによって、上方に押圧されて一定の高さに浮上される。このガラス基板13の先端部13aがスペース15を乗り越えて第2のステージ11に到達すると、回転駆動部44が駆動される。この回転駆動部44により、回転棒43に取り付けられたL字支持部材41が回転し、ローラ40がスペース15の開口から没して開放位置Mに退避される。その結果、スペース15が開放される。なお、このときは、上述のように、先端部13aが第2のステージ11のエアによって上方に押圧されて浮上するため、スペース15が開放されてもスペース15の間においてガラス基板13が撓むことなく、水平な状態に浮上保持される。
【0023】
この状態で、顕微鏡33と透過照明部37とを同期させて移動させる。このとき、ローラ40が開放位置Mに配されていることから、透過照明部37はスペース15内を移動する。透過照明部37は、スペース15内において、照明光を上方に向けて照射し、その照明光はガラス基板13を透過して、対物レンズ35を介して顕微鏡33に取り込まれる。これによって、ガラス基板13の拡大像が得られる。このようにして、ガラス基板13を所望のタイミングで搬送させながら、ガラス基板13の拡大像を観察することにより、ガラス基板13表面の検査が行われ、傷や汚れなどの欠陥部が検出される。そして、検査が終わると、不図示の搬出装置によって、ガラス基板13が第2のステージ11から搬出される。
【0024】
そして、支持部26を第1のステージ10側に戻し、透過照明部37を移動させて退避位置Kに配してから、再度、回転駆動部44を駆動して回転棒43を正方向に回転させる。すると、ローラ40が閉鎖位置Lに配されて、初期状態に戻る。そして、新たなガラス基板13が搬送されて、上記一連の検査が繰り返される。
【0025】
以上より、本実施形態における基板検査装置1によれば、ローラ40を閉鎖位置Lと開放位置Mとの間で移動させることにより、スペース15内において透過照明部37による移動を可能にしつつ、ローラ40によってスペース15を埋めることができる。そのため、ガラス基板13がスペース15上を乗り越える際にスペース15上の空間をローラ40で塞ぐことにより、ガラス基板13の先端部13aがローラ40に接し、下方に撓むことなく第1のステージ10から第2のステージ11にガラス基板13を安全に搬送することができる。
また、スペーサをローラ40としたので、ガラス基板13の搬送途中において、ガラス基板13の裏面が擦れて傷付けられるのを防止することができる。
さらに、ローラ40がピーク樹脂からなっているので、搬送途中にガラス基板13の裏面が傷つけられるのが防止されるとともに、ローラ40の耐久性を向上させることができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、L字支持部材41をL字形状としたが、これに限ることはなく、例えば鉤状などのように、回転棒43からスペース15内に延ばされて、回転棒43の回転を邪魔しないような形状であれば、適宜変更可能である。
【0027】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5から図8は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図5から図8において、図1から図4に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、以下の点において異なるものとなっている。
【0028】
すなわち、本実施形態においては、図5および図6に示すように、L字支持部材(スペーサ支持部材)41が、奥行方向Dに向けられて延びる一枚の取付板50に所定の間隔をおいて取り付けられ、この取付板50が奥行方向Dに向けられて延びる中間部材47に連結されている。さらに、この中間部材47は、奥行方向Dに向けられて角柱状に延びるベース部材48に連結されている。
ベース部材48は、連結板51を介して、第2のステージ11の裏面7bに設けられた枕木部3に取り付けられている。ベース部材48の長さ方向の両端には、ベース被係合部49が設けられている。
【0029】
また、中間部材47は、横断面がL字形状に形成されており、奥行方向Dに向けられて裏面7bに沿って延びる基盤板部47aと、奥行方向Dに向けられて高さ方向Hに沿って延びる直交板部47bとが一体的に連結されて構成されたものである。基盤板部47aの裏面の長さ方向の両端には、基盤係合部53が設けられており、これら基盤係合部53がベース被係合部49にそれぞれ係合することにより、中間部材47は、第1のステージ10と第2のステージ11との配列方向、すなわち幅方向Wに往復移動可能に支持されている。そして、基盤板部47aは、ベース部材48に取り付けられた水平エアシリンダ58に連結されており、この水平エアシリンダ58によって幅方向Wに往復移動するようになっている。また、直交板部47bの外面のうち、第1のステージ10側に配された面の長さ方向の両端には、直交被係合部54が設けられている。
【0030】
さらに、取付板50の長さ方向の両端には、取付係合部56が設けられており、これら取付係合部56が、直交被係合部54にそれぞれ係合することにより、取付板50は、天面7aの延在する方向に直交する方向、すなわち高さ方向Hに往復移動可能に支持されている。そして、取付板50は、直交板部47bに取り付けられた垂直エアシリンダ59に連結されており、この垂直エアシリンダ59によって、高さ方向Hに往復移動するようになっている。
【0031】
このような構成のもと、水平エアシリンダ58にエアを供給すると、図7に示すように、中間部材47が第1のステージ10側に移動し、垂直エアシリンダ59にエアを供給すると、取付板50が上方に移動する。これにより、ローラ40が、スペース15の開口に出現し、スペース15の開口を塞ぐ閉鎖位置Lに配される。
一方、垂直エアシリンダ59からエア吸引すると、図8に示すように、取付板50を介して、ローラ40が下方に移動し、この状態から、水平エアシリンダ58からエアを吸引すると、中間部材47が反対方向に移動し、ローラ40が、スペース15の開口から没して透過照明の邪魔にならない開放位置Mに退避される。
【0032】
以上より、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、閉鎖位置Lと開放位置Mとの間でローラ40を確実に移動させることができる。
【0033】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図9および図10は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
この実施形態と上記第2の実施形態とは基本的構成は同一であり、以下の点において異なるものとなっている。
【0034】
すなわち、本実施形態においては、中間部材47を、図7の紙面に対して時計回りに90度回転させたものであり、中間部材47の向きを変更したものである。ただし、向きの変更に伴って、後述するように種々の変更がなされている。また、枕木部3は、上記第2実施形態におけるベース部材48としても機能するものであり、両者が兼用されたものである。
枕木部3の長さ方向の両端には、高さ方向Hに向けられたベース被係合部49が設けられている。
また、基盤板部47aは、高さ方向Hに向けて立てられており、その長さ方向の両端には、基盤係合部53が設けられている。これら基盤係合部53が、ベース被係合部49に係合することにより、中間部材47は、高さ方向Hに往復移動可能に支持されている。
【0035】
さらに、直交板部47bの上面うち、長さ方向の両端には、幅方向Wに向けられた直交被係合部54が設けられている。
また、取付板50は、裏面7bに沿って寝かされて配置され、その長さ方向の両端には、取付係合部56が設けられている。これら取付係合部56が、直交被係合部54に係合することにより、取付板50は、幅方向Wに往復移動可能に支持されている。この取付板50の天面に、L字支持部材41の基端部の裏面が取り付けられている。
【0036】
このような構成のもと、スペース15を閉鎖するには、不図示のエアシリンダを作動させることにより、図9に示すように、取付板50を介してL字支持部材41を第1のステージ10側に移動させ、中間部材47を上方に移動させる。これにより、ローラ40が、スペース15の開口に出現し、スペース15の開口を塞ぐ閉鎖位置Lに配される。
一方、スペース15を開放するには、図10に示すように、まず、中間部材47を下方に移動させて、それから取付板50を介してL字支持部材41を反対方向に移動させる。これにより、ローラ40が、スペース15の開口から没して透過照明の邪魔にならない開放位置Mに退避される。
【0037】
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができるだけでなく、部品点数を減少させることにより、コストを減少させることができる。
【0038】
なお、上記第2および第3の実施形態において、L字支持部材41、中間部材47およびベース部材48の形状や向きは適宜変更可能である。
また、上記第1から第3の実施形態において、第1ステージ構成部材6および第2ステージ構成部材7の設置数に応じて、ローラ40を複数設けるとしたが、これに限ることはなく、その設置数や長さ寸法は適宜変更可能である。例えば、ローラ40を間引きしてもよい。また、第1および第2のステージ10,11の奥行方向Dの両端にわたって延びるローラ40を一本設けるようにしてもよい。
さらに、これらローラ40のように回転するものでなく、固定されたものであってもよい。但し、ローラ40のように回転させた方が、ガラス基板13の損傷防止の観点から好ましいのは上述の通りである。
【0039】
また、エアを噴出させることによって、ガラス基板13を浮上させるとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば静電気等を利用して浮上させるようにしてもよい。
さらに、ガラス基板13を片持ち支持するとしたが、これに限ることはなく、支持部26を第1および第2のステージ10,11の両サイドに設け、ガラス基板13を両持ち支持するようにしてもよい。
また、顕微鏡33によって、拡大像を得るとしたが、これに限ることはなく、スペース15に沿って、CCDカメラ等を走査させて、画像データを処理することにより、検査するようにしてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る基板検査装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すスペース周辺の要部を拡大して上方から見た様子を示す斜視図である。
【図3】図2のスペース周辺の要部を下方から見た様子を示す斜視図である。
【図4】ローラが開放位置に配されたときの様子を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明に係る基板検査装置の第2の実施形態の要部を示す図であって、上方から見た様子を示す斜視図である。
【図6】図5の基盤検査装置を下方から見た様子を示す斜視図である。
【図7】図5のローラが高さ方向に移動する様子を示す説明図である。
【図8】図5のローラが幅方向に移動する様子を示す説明図である。
【図9】本発明に係る基板検査装置の第3の実施形態の要部を示す図であって、ローラが幅方向に移動する様子を示す説明図である。
【図10】同実施形態において、ローラが高さ方向に移動する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 基板検査装置
6a 天面(表面)
6b 裏面
7a 天面(表面)
7b 裏面
10 第1のステージ
11 第2のステージ
13 ガラス基板(基板)
15 スペース
20 エアノズル孔(浮上手段)
23 基板搬送機構
26 支持部
33 顕微鏡(観察手段)
37 透過照明部
40 ローラ(スペーサ)
41 L字支持部材(スペーサ支持部材)
42 軸受
43 回転棒
47 中間部材
48 ベース部材
50 取付板
51 連結板
L 閉鎖位置
M 開放位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査基板を水平状態に支持して一方向に搬送するステージと、
前記ステージの搬送路中に前記搬送方向と直交して設けられる透過照明用のスペースと、
前記スペースの上方に設けられ、前記ステージ上を搬送される前記被検査基板を観察するための観察手段と、
前記スペースを介して前記観察手段に対向して配置される透過照明部と、
前記スペースの前記ステージの搬送路面に対して出没可能に設けられ、前記被検査基板の先端が前記スペースを乗り越える際に前記スペースから出現して前記スペースの開口を塞ぐスペーサと、を備えていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
互いに所定のスペースをおいて配列される第1のステージおよび第2のステージと、
これら第1のステージおよび第2のステージの表面から基板を浮上させる浮上手段と、
この浮上手段により浮上した基板の端部を支持する支持部と、
前記基板を支持した状態の前記支持部を、前記第1のステージから前記第2のステージにわたって移動させることにより、前記基板を、前記第1のステージから前記第2のステージに前記スペースを跨いで搬送する基板搬送機構と、
前記スペースに沿って移動可能に設けられ、前記基板搬送機構によって搬送される基盤を観察するための観察手段と、
前記スペース内において前記観察手段に対向して配置され、前記観察手段の移動とともに前記スペース内を移動する照明部と、
前記スペースの少なくとも一部を埋めるスペーサと、
このスペーサを、前記スペース内において前記スペースの少なくとも一部を埋める閉鎖位置と、前記スペースから退避して前記スペースを開放する開放位置との間で移動させるスペーサ移動機構と、を備えていることを特徴とする基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−258727(P2006−258727A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79605(P2005−79605)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】