説明

基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】基板を良好に撥水処理することができる基板液処理装置及び基板液処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明では、基板(2)を撥水処理液で撥水処理する基板液処理装置(1)及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、混合タンク(53)の内部で撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液と撥水処理液とを混合して第1の希釈撥水処理液を生成し、第1の希釈撥水処理液で基板(2)を撥水処理することにした。また、混合タンク(53)から第1の希釈撥水処理液を供給する第1供給流路(54)の中途部に撥水処理液を希釈する第2の希釈液を供給し、第1の希釈撥水処理液を第2の希釈液で希釈して第2の希釈撥水処理液を生成し、第2の希釈撥水処理液で基板(2)を撥水処理することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を撥水処理液で撥水処理する基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体部品やフラットディスプレイなどを製造する場合には、半導体ウエハや液晶基板などの基板に対して基板液処理装置を用いて洗浄処理液やエッチング処理液などの薬液で洗浄処理やエッチング処理を行った後に、純水などのリンス処理液でリンス処理し、その後、リンス処理液が付着した基板を乾燥させる乾燥処理を施している。
【0003】
近年、基板の表面に形成される回路パターンやエッチングマスクパターンなどの微細化に伴ってアスペクト比が増大している。この高アスペクト比の回路パターンやエッチングマスクパターンが表面に形成された基板をリンス処理した後に乾燥処理すると、基板の表面に付着したリンス処理液の表面張力の作用によって回路パターンやエッチングマスクパターンが倒壊してしまうおそれがある。
【0004】
そのため、基板にリンス処理を施す前に基板を撥水処理液で撥水処理し、その後、リンス処理や乾燥処理を行うようにしている。このように、リンス処理の前に基板を撥水処理することで、基板に付着したリンス処理液の接触角度が大きくなって表面張力が低減し、回路パターンやエッチングマスクパターンの倒壊を防止することができる(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−114439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、基板に撥水処理を施すために例えばジメチルアミノトリメチルシラン(TMSDMA)などのシリル化剤を撥水処理液として用いると、撥水処理液が高価であることから、基板の液処理に多大なランニングコストを要するおそれがあった。
【0007】
そのため、撥水処理液(ジメチルアミノトリメチルシラン)をアルコールやシクロヘキサノンなどの希釈液で希釈して使用することも考えられるが、ジメチルアミノトリメチルシランをアルコールやシクロヘキサノンなどで希釈すると、加水分解が生じて、撥水処理能力が低減してしまうおそれがあった。
【0008】
また、撥水処理液(ジメチルアミノトリメチルシラン)と希釈液(アルコールやシクロヘキサノン)とを同時に基板に供給して希釈しながら撥水処理を行うことも考えられるが、希釈液の流量に対して撥水処理液の流量が非常に少なくなるために、小流量の撥水処理液の流量調整が困難となって、撥水処理液と希釈液とを精度良く混合させることができず、基板の表面全体を均一に撥水処理することができないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明では、希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理する基板液処理装置において、撥水処理液を供給するための撥水処理液供給源と、前記撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液を供給するための第1希釈液供給源と、前記撥水処理液供給源から供給される撥水処理液と、前記第1希釈液供給源から供給される第1の希釈液とを混合して、第1の希釈撥水処理液を生成するための混合タンクと、基板を撥水処理するための基板処理室と、前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給流路と、前記混合タンクから前記基板処理室へ前記第1供給流路を通して前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給機構とを有することにした。
【0010】
また、前記撥水処理液を希釈する第2の希釈液を供給するための第2希釈液供給源と、前記第2希釈液供給源から前記第2の希釈液を供給するための第2供給流路と、前記第2希釈液供給源から前記第2供給流路へ前記第2の希釈液を供給するための第2供給機構と、前記第1供給流路に設けられ、前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液とを混合して、第2の希釈撥水処理液を生成するための混合部とを有することにした。
【0011】
また、前記混合部は、前記第1供給流路の端部に設けられ、内部で複数の流体を混合可能なノズルであり、前記第1供給流路と前記第2供給流路がそれぞれ前記ノズルに接続されていることにした。
【0012】
また、前記第2希釈液供給源は、前記撥水処理液を加水分解させる第2の希釈液を供給することにした。
【0013】
また、前記基板のリンス処理を行うリンス処理液を供給するためのリンス処理液供給機構と、前記リンス処理液と前記第1又は第2の希釈撥水処理液との置換を促進させるための置換促進処理液を供給するための置換促進処理液供給機構と、前記第1供給機構と前記リンス処理液供給機構と前記置換促進処理液供給機構とを制御するための制御手段とをさらに有し、前記制御手段は、前記基板に前記第1又は第2の希釈撥水処理液を供給して撥水処理を行う前後に、基板に置換促進処理液を供給して置換促進処理を行うことにした。
【0014】
また、本発明では、希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理するとともに、基板に置換促進処理液を供給して置換促進処理を行う基板液処理装置において、基板を撥水処理及び置換促進処理するための基板処理室と、基板に希釈した撥水処理液又は置換促進処理液を供給するための供給部と、撥水処理液を供給するための撥水処理液供給源と、前記撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液を供給するための第1希釈液供給源と、前記撥水処理液供給源から供給される撥水処理液と、前記第1希釈液供給源から供給される第1の希釈液とを混合して、第1の希釈撥水処理液を生成するための混合タンクと、前記混合タンクから前記供給部に前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給流路と、前記混合タンクから前記供給部へ前記第1供給流路を通して前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給機構と、前記第1の希釈撥水処理液を希釈するとともに、置換促進処理液としての作用も有する第2の希釈液を供給するための第2希釈液供給源と、前記第2希釈液供給源から前記第2の希釈液を供給するための第2供給流路と、前記第2希釈液供給源から前記第2供給流路へ前記第2の希釈液を供給するための第2供給機構と、前記第1供給流路に設けられ、前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液とを混合して、第2の希釈撥水処理液を生成するための混合部と、前記第1供給機構と前記第2供給機構を制御するための制御手段とを有し、前記制御手段は、前記混合タンクから供給される第1の希釈撥水処理液を前記第2供給流路から供給される第2の希釈液で希釈して第2の希釈撥水処理液を生成し基板に供給する撥水処理と、前記第2供給流路から供給される第2の希釈液だけを基板に供給する置換促進処理とを選択的に行うように制御することにした。
【0015】
また、前記混合部は、前記第1供給流路の端部に設けられ、内部で複数の流体を混合可能なノズルであり、前記第1供給流路と前記第2供給流路がそれぞれ前記ノズルに接続されていることにした。
【0016】
また、本発明では、希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理する基板液処理方法において、混合タンクの内部で撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液と撥水処理液とを混合して第1の希釈撥水処理液を生成し、その後、前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を基板に供給して撥水処理を行うことにした。
【0017】
また、前記混合タンクから供給する前記第1の希釈撥水処理液と前記撥水処理液を希釈する第2の希釈液とを混合して第2の希釈撥水処理液を生成し、前記第2の希釈撥水処理液で基板を撥水処理することにした。
【0018】
また、前記第1供給流路の端部に設けた内部で複数の流体を混合可能なノズルで前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液を混合して第2の希釈撥水処理液を生成することにした。
【0019】
また、前記第2の希釈液として、前記撥水処理液を加水分解させる作用を有する希釈液を用いることにした。
【0020】
また、前記第2の希釈液として、リンス液と前記第2の希釈撥水処理液との置換を促進させる作用を有する希釈液を用いて、撥水処理とリンス処理との間の置換処理を省略することにした。
【0021】
また、前記第1の希釈液として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エーテル類、エステル類のいずれかを用い、前記第2の希釈液として、アルコール、シクロヘキサノンのいずれかを用いることにした。
【0022】
また、本発明では、基板液処理装置を用いて希釈した撥水処理液で基板を撥水処理させる基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、混合タンクの内部で撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液と撥水処理液とを混合して第1の希釈撥水処理液を生成し、その後、前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を基板に供給して撥水処理を行うことにした。
【発明の効果】
【0023】
そして、本発明では、混合タンクの内部で撥水処理液を加水分解させることなく第1の希釈液で希釈して第1の希釈撥水処理液を生成し、第1の希釈撥水処理液で基板を撥水処理することにしているために、撥水処理液を加水分解させることなく希釈液と精度良く混合させることができ、基板の撥水処理を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】基板液処理装置を示す平面図。
【図2】基板処理室を示す模式図。
【図3】撥水処理液吐出ノズルを示す断面図。
【図4】基板液処理方法を示す工程図。
【図5】基板処理室の動作説明図。
【図6】同動作説明図。
【図7】他の基板処理室を示す模式図。
【図8】他の基板液処理方法を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る基板液処理装置及びこの基板液処理装置で用いる基板液処理方法の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、基板液処理装置1は、前端部に基板2(ここでは、半導体ウエハ。)を複数枚(たとえば、25枚。)まとめてキャリア3で搬入及び搬出するための基板搬入出部4を形成するとともに、基板搬入出部4の後部にキャリア3に収容された基板2を搬送するための基板搬送部5を形成し、基板搬送部5の後部に基板2の洗浄や乾燥などの各種の処理を施すための基板処理部6を形成している。
【0027】
基板搬入出部4は、4個のキャリア3を基板搬送部5の前壁7に密着させた状態で左右に間隔をあけて載置できるように構成している。
【0028】
基板搬送部5は、内部に基板搬送装置8と基板受渡台9とを収容しており、基板搬送装置8を用いて基板搬入出部4に載置されたいずれか1個のキャリア3と基板受渡台9との間で基板2を搬送するように構成している。
【0029】
基板処理部6は、中央部に基板搬送装置10を収容するとともに、基板搬送装置10の左右両側に基板処理室11〜22を前後に並べて収容している。
【0030】
そして、基板処理部6は、基板搬送装置10を用いて基板搬送部5の基板受渡台9と各基板処理室11〜22との間で基板2を1枚ずつ搬送するとともに、各基板処理室11〜22を用いて基板2を1枚ずつ処理するようにしている。
【0031】
各基板処理室11〜22は、同様の構成となっており、代表して基板処理室11の構成について説明する。基板処理室11は、図2に示すように、基板2を水平に保持しながら回転させるための基板保持手段23と、基板保持手段23で保持した基板2の上面に向けて処理液(洗浄処理液やリンス処理液や置換促進処理液)を吐出するための処理液吐出手段24と、基板保持手段23で保持した基板2の上面に向けて撥水処理液を吐出する撥水処理液吐出手段25とを有しており、これらの基板保持手段23と処理液吐出手段24と撥水処理液吐出手段25を制御手段26で制御するように構成している。なお、制御手段26は、基板搬送装置8,10など基板液処理装置1の全体を制御するようにしている。
【0032】
基板保持手段23は、回転軸27の上端部に円板状のテーブル28を水平に取付けるとともに、テーブル28の周縁部に基板2の周縁部と接触して基板2を水平に保持する複数個の基板保持体29を円周方向に間隔をあけて取付けている。回転軸27には、回転駆動機構30を接続しており、回転駆動機構30によって回転軸27及びテーブル28を回転させ、テーブル28に基板保持体29で保持した基板2を回転させるようにしている。この回転駆動機構30は、制御手段26に接続しており、制御手段26で回転制御するようにしている。
【0033】
また、基板保持手段23は、テーブル28の周囲に上方を開口させたカップ31を昇降自在に設け、テーブル28に載置した基板2をカップ31で囲んで処理液や置換促進処理液の飛散を防止するとともに、処理液や置換促進処理液を回収するようにしている。カップ31には、昇降機構32を接続しており、昇降機構32によってカップ31を基板2に対して相対的に上下に昇降させるようにしている。この昇降機構32は、制御手段26に接続しており、制御手段26で昇降制御するようにしている。なお、昇降機構32は、基板2とカップ31とを相対的に昇降させるものであればよく、カップ31を昇降させるものに限られず、テーブル28を昇降させるものでもよい。
【0034】
処理液吐出手段24は、テーブル28よりも上方に処理液吐出ノズル33を移動可能に配置している。処理液吐出ノズル33には、移動機構34を接続しており、移動機構34によって処理液吐出ノズル33を基板2の外方の退避位置と基板2の中央直上方の開始位置との間で移動させるようにしている。この移動機構34は、制御手段26に接続しており、制御手段26で移動制御するようにしている。
【0035】
また、処理液吐出手段24は、処理液吐出ノズル33の先端部に洗浄処理液やリンス処理液を基板2に向けて吐出するための洗浄・リンス用吐出口35と置換促進処理液を基板2に向けて吐出するための置換用吐出口36とを形成するとともに、処理液吐出ノズル33の内部に洗浄・リンス用吐出口35に連通する洗浄・リンス用流路37と置換用吐出口36に連通する置換用流路38とを形成している。
【0036】
洗浄・リンス用流路37には、洗浄処理液(薬液)を供給するための洗浄処理液供給源39とリンス処理液(純水)を供給するためのリンス処理液供給源40とを流路切換器41を介して接続している。洗浄処理液供給源39と流路切換器41との間には、流量調整器42を介設しており、流量調整器42によって処理液吐出ノズル33から基板2に供給する洗浄処理液の流量を調整するようにしている。この流量調整器42は、制御手段26に接続しており、制御手段26で流量制御するようにしている。また、リンス処理液供給源40と流路切換器41との間には、流量調整器43を介設しており、流量調整器43によって処理液吐出ノズル33から基板2に供給するリンス処理液の流量を調整するようにしている。この流量調整器43は、制御手段26に接続しており、制御手段26で流量制御するようにしている。このように、処理液吐出手段24は、基板2に向けて洗浄処理液を供給するための洗浄処理液供給機構や基板2に向けてリンス処理液を供給するためのリンス処理液供給機構として機能するようになっている。
【0037】
一方、置換用流路38には、置換促進処理液(イソプロピルアルコール(IPA))を供給するための置換促進処理液供給源44を流量調整器45を介して接続しており、流量調整器45によって処理液吐出ノズル33から基板2に供給する置換促進処理液の流量を調整するようにしている。この流量調整器45は、制御手段26に接続しており、制御手段26で流量制御するようにしている。このように、処理液吐出手段24は、基板2に向けて置換促進処理液を供給するための置換促進処理液供給機構として機能するようになっている。
【0038】
撥水処理液吐出手段25は、テーブル28よりも上方にアーム46を移動可能に配置し、アーム46の先端部に撥水処理液吐出ノズル47を取付けている。アーム46には、移動機構48を接続しており、移動機構48によって撥水処理液吐出ノズル47を基板2の外方の退避位置と基板2の中央直上方の開始位置との間で移動させるようにしている。この移動機構48は、制御手段26に接続しており、制御手段26で移動制御するようにしている。
【0039】
また、撥水処理液吐出手段25は、撥水処理液(ジメチルアミノトリメチルシラン)を供給するための撥水処理液供給源49と撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))を供給するための第1希釈液供給源50とをそれぞれ流量調整器51,52を介して混合タンク53に接続し、混合タンク53を撥水処理液吐出ノズル47に第1供給流路54で接続し、第1供給流路54の中途部にポンプ63と流量調整器55を介設している。混合タンク53は、循環流路64を備えており、循環流路64にポンプ65とフィルター66とバルブ67を介設している。これらポンプ63,65とバルブ67は、制御手段26に接続しており、制御手段26で制御するようにしている。
【0040】
そして、撥水処理液吐出手段25は、流量調整器51,52によって撥水処理液供給源49から混合タンク53に供給する撥水処理液の流量と第1希釈液供給源50から混合タンク53に供給する第1の希釈液の流量とを所定の比率(たとえば、1:10〜20)で調整して混合タンク53に撥水処理液と第1の希釈液とを供給する。その後、流量調整器55を閉塞した状態でバルブ67を開放するとともにポンプ65を駆動して、撥水処理液と第1の希釈液とを循環流路64を介して循環させて混合することで、混合タンク53の内部において撥水処理液を第1の希釈液によって所定の比率で希釈した第1の希釈撥水処理液を生成し貯留するようにしている。また、撥水処理液吐出手段25は、ポンプ63を駆動することで第1の希釈撥水処理液を混合タンク53から第1供給流路54を通して撥水処理液吐出ノズル47に供給するようにしており、流量調整器55によって混合タンク53から撥水処理液吐出ノズル47に供給する第1の希釈撥水処理液の流量を調整するようにしている。この流量調整器51,52,55は、制御手段26に接続しており、制御手段26で流量制御するようにしている。このように、撥水処理液吐出手段25は、混合タンク53から基板2に向けて第1供給流路54を通して第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給機構として機能するようになっている。なお、第1の希釈撥水処理液の供給は、ポンプ63を用いた場合に限られず、窒素ガス等で圧送するようにしてもよい。また、撥水処理液と第1の希釈液との混合は、均一に混合できればよく、循環による場合に限られず、機械的な撹拌等でもよい。また、撥水処理液供給源49や第1希釈液供給源50と混合タンク53との間に撥水処理液や第1希釈液を貯留するタンクを介設してもよい。
【0041】
さらに、撥水処理液吐出手段25は、撥水処理液を希釈する第2の希釈液(シクロヘキサノン)を供給するための第2希釈液供給源56を撥水処理液吐出ノズル47に第2供給流路57で接続し、第2供給流路57の中途部に貯留タンク68と流量調整器58を介設している。貯留タンク68には、窒素ガスを供給するための窒素ガス供給源69をバルブ70を介して接続している。このバルブ70は、制御手段26に接続しており、制御手段で開閉制御するようにしている。
【0042】
そして、撥水処理液吐出手段25は、バルブ70を開放して窒素ガス供給源69から窒素ガスを貯留タンク68の内部に供給し、窒素ガスで第2の希釈液を加圧して貯留タンク68から第2供給流路57を通して撥水処理液吐出ノズル47に供給するようにしており、流量調整器58によって第2希釈液供給源56から撥水処理液吐出ノズル47に供給する第2の希釈液の流量を調整するようにしている。この流量調整器58は、制御手段26に接続しており、制御手段26で流量制御するようにしている。このように、撥水処理液吐出手段25は、第2希釈液供給源56から第2供給流路57を通して第2の希釈撥水処理液を供給するための第2供給機構として機能するようになっている。なお、第2の希釈液の供給は、窒素ガスで圧送する場合に限られず、ポンプ等を用いるようにしてもよく、また、貯留タンク68を介さずに第2希釈液供給源56から直接供給するようにしてもよい。
【0043】
ここで、撥水処理液吐出ノズル47は、図3に示すように、アーム46の先端部に取付けた2流体ノズルで形成しており、先端部(下端部)に吐出口59を形成するとともに、内部に中央から吐出口59に連通する第1の連通路60と側部から吐出口59に連通する第2の連通路61とを形成し、第1の連通路60に第1供給流路54を接続する一方、第2の連通路61に第2供給流路57を接続している。このように、撥水処理液吐出ノズル47は、内部で複数(ここでは、2種類)の流体を混合可能に構成している。
【0044】
そして、撥水処理液吐出手段25は、流量調整器55,58によって第1供給流路54から供給される第1の希釈撥水処理液と第2供給流路57から供給される第2の希釈液の流量とを所定の比率(たとえば、1:9)で調整することで、撥水処理液吐出ノズル47の吐出口59の近傍で第1供給流路54から供給される第1の希釈撥水処理液を第2供給流路57から供給される第2の希釈液で希釈して第2の希釈撥水処理液を生成し、吐出口59から基板2へ向けて第2の希釈撥水処理液を供給するようにしている。このように、撥水処理液吐出ノズル47は、内部で第1の希釈撥水処理液と第2の希釈液とを混合して第2の希釈撥水処理液を生成する混合部として機能するようになっている。
【0045】
基板液処理装置1は、以上に説明したように構成しており、制御手段26(コンピュータ)で読み取り可能な記録媒体62に記録した基板液処理プログラムにしたがって各基板処理室11〜22で基板2を処理するようにしている。なお、記録媒体62は、基板液処理プログラム等の各種プログラムを記録できる媒体であればよく、ROMやRAMなどの半導体メモリー型の記録媒体であってもハードディスクやCD−ROMなどのディスク型の記録媒体であってもよい。
【0046】
上記基板液処理装置1では、基板液処理プログラムによって図4に示す工程図に従って以下に説明するようにして基板2の処理を行うようにしている。
【0047】
まず、基板液処理プログラムは、図4に示すように、基板搬送装置10から基板2を各基板処理室11〜22の基板保持手段23で受取る基板受取工程を実行する。
【0048】
この基板受取工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって基板保持手段23の昇降機構32を制御してカップ31を所定位置まで降下させ、その後、基板搬送装置10から基板2を受け取り、基板2を基板保持体29で支持し、その後、制御手段26によって基板保持手段23の昇降機構32を制御してカップ31を所定位置まで上昇させる。
【0049】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、基板受取工程で受取った基板2に対して洗浄処理液で洗浄処理する洗浄処理工程を実行する。
【0050】
この洗浄処理工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって回転駆動機構30を制御して基板保持手段23のテーブル28及びテーブル28の基板保持体29で保持する基板2を所定回転速度で回転させるとともに、制御手段26によって移動機構34を制御して処理液吐出手段24の処理液吐出ノズル33を基板2の中央部上方に移動させ、制御手段26によって流量調整器42を開放及び流量制御して洗浄処理液供給源39から供給される洗浄処理液を処理液吐出ノズル33から基板2の上面に向けて一定時間吐出させ、その後、制御手段26によって流量調整器42を閉塞制御して処理液吐出ノズル33からの洗浄処理液の吐出を停止する。なお、処理液吐出ノズル33は、基板2の中央部上方で停止した状態で洗浄処理液を基板2の上面中央部に吐出してもよく、移動機構34で基板2の中央部上方と基板2の外周端縁上方との間で移動しながら洗浄処理液を基板2の上面に吐出してもよい。
【0051】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、洗浄処理した基板2に対してリンス処理液でリンス処理するリンス処理工程を実行する。
【0052】
このリンス処理工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって回転駆動機構30を制御して基板保持手段23のテーブル28及びテーブル28の基板保持体29で保持する基板2を所定回転速度で回転させたまま、制御手段26によって移動機構34を制御して処理液吐出手段24の処理液吐出ノズル33を基板2の中央部上方に移動させ、制御手段26によって流量調整器43を開放及び流量制御してリンス処理液供給源40から供給されるリンス処理液を処理液吐出ノズル33から基板2の上面に向けて一定時間吐出させ、その後、制御手段26によって流量調整器43を閉塞制御して処理液吐出ノズル33からのリンス処理液の吐出を停止する。なお、処理液吐出ノズル33は、基板2の中央部上方で停止した状態でリンス処理液を基板2の上面中央部に吐出してもよく、移動機構34で基板2の中央部上方と基板2の外周端縁上方との間で移動しながらリンス処理液を基板2の上面に吐出してもよい。
【0053】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、リンス処理した基板2に対して置換促進処理液を供給してリンス処理液から撥水処理液への置換を促進させる置換促進処理工程を実行する。
【0054】
この置換促進処理工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって回転駆動機構30を制御して基板保持手段23のテーブル28及びテーブル28の基板保持体29で保持する基板2を所定回転速度で回転させたまま、制御手段26によって移動機構34を制御して処理液吐出手段24の処理液吐出ノズル33を基板2の中央部上方に移動させ、制御手段26によって流量調整器45を開放及び流量制御して置換促進処理液供給源44から供給される置換促進処理液を処理液吐出ノズル33から基板2の上面に向けて一定時間吐出させ、その後、制御手段26によって流量調整器45を閉塞制御して処理液吐出ノズル33からの置換促進処理液の吐出を停止する。なお、処理液吐出ノズル33は、基板2の中央部上方で停止した状態で置換促進処理液を基板2の上面中央部に吐出してもよく、移動機構34で基板2の中央部上方と基板2の外周端縁上方との間で移動しながら置換促進処理液を基板2の上面に吐出してもよい。
【0055】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、置換促進処理した基板2に対して撥水処理液を供給して置換促進処理液から撥水処理液へ置換して撥水処理する撥水処理工程を実行する。
【0056】
この撥水処理工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって回転駆動機構30を制御して基板保持手段23のテーブル28及びテーブル28の基板保持体29で保持する基板2を所定回転速度で回転させたまま、制御手段26によって移動機構48を制御して撥水処理液吐出手段25の撥水処理液吐出ノズル47を基板2の中央部上方に移動させ、制御手段26によって流量調整器55,58を開放及び流量制御して第2の希釈撥水処理液を撥水処理液吐出ノズル47から基板2の上面に向けて一定時間吐出させ、その後、制御手段26によって流量調整器55,58を閉塞制御して撥水処理液吐出ノズル47からの第2の希釈撥水処理液の吐出を停止する。なお、撥水処理液吐出ノズル47は、基板2の中央部上方で停止した状態で第2の希釈撥水処理液を基板2の上面中央部に吐出してもよく、移動機構48で基板2の中央部上方と基板2の外周端縁上方との間で移動しながら第2の希釈撥水処理液を基板2の上面に吐出してもよい。
【0057】
ここで、基板液処理プログラムは、図5に示すように、撥水処理工程の実行を行う前に撥水処理液を第1の希釈液で希釈した第1の希釈撥水処理液を混合タンク53で生成し貯留しておくようにしている。すなわち、基板液処理プログラムは、制御手段26によって流量調整器51,52を開放及び流量制御することで撥水処理液の流量と第1の希釈液の流量とを所定の比率で調整して、混合タンク53に撥水処理液と第1の希釈液を供給する。その後、制御手段26によって流量調整器55を閉塞した状態でバルブ67を開放するとともにポンプ65を駆動するように制御して、撥水処理液と第1の希釈液とを循環流路64を介して循環させて均一に混合する。これにより、混合タンク53の内部に撥水処理液を第1の希釈液によって所定の比率で希釈した第1の希釈撥水処理液を生成し貯留するようにしている。
【0058】
その際に、上記基板液処理装置1では、第1の希釈液として撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる希釈液を用いているために、混合タンク53で混合しても撥水処理液が加水分解されて撥水処理能力が低減してしまうのを防止することができる。
【0059】
しかも、上記基板液処理装置1では、撥水処理液と第1の希釈液との希釈を混合タンク53の内部で行うようにしているために、撥水処理液と第1の希釈液との混合を均一に精度よく行うことができる。
【0060】
そのため、上記基板液処理装置1における基板液処理方法においては、基板2の撥水処理を良好に行うことができる。なお、上記基板液処理装置1では、第1の希釈撥水処理液をさらに第2の希釈液で希釈した第2の希釈撥水処理液を用いて基板2の撥水処理を行っているが、これに限られず、第1の希釈撥水処理液を用いて基板2の撥水処理を行うようにしてもよい。
【0061】
また、基板液処理プログラムは、撥水処理工程において、図6に示すように、制御手段26によって、ポンプ63を駆動制御することで第1の希釈撥水処理液を混合タンク53から第1供給流路54を通して撥水処理液吐出ノズル47に供給し、同時に、バルブ70を開放制御することで窒素ガス供給源69から窒素ガスを貯留タンク68の内部に供給し、窒素ガスで第2の希釈液を加圧して貯留タンク68から第2供給流路57を通して撥水処理液吐出ノズル47に供給するようにしている。また、制御手段26によって流量調整器55,58を開放及び流量制御することで第1の希釈撥水処理液と第2の希釈液とを所定の比率で調整し、第1供給流路54を流れる第1の希釈撥水処理液を第2供給流路57から供給される第2の希釈液で希釈して基板2に供給する第2の希釈撥水処理液を生成するようにしている。
【0062】
このように、上記基板液処理装置1における基板液処理方法においては、撥水処理液を2段階に分けて第1及び第2の希釈液で希釈しているために、1回の希釈で撥水処理液を所望の濃度に希釈する場合に比べて、各段階での希釈の比率を小さくすることができるので、撥水処理液を精度良く希釈することができ、しかも、1段階目の希釈を行う混合タンク53の容積を小さくすることができるので、基板液処理装置1の小型化を図ることができる。
【0063】
特に、第2の希釈撥水処理液を基板2に吐出する撥水処理液吐出ノズル47の内部で第1の希釈撥水処理液を第2の希釈液で希釈するようにした場合には、希釈直後に基板2に供給することができるので、第2の希釈液として撥水処理液(ジメチルアミノトリメチルシラン)を加水分解させない希釈液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやエーテル類やエステル類など)だけでなく撥水処理液を加水分解させる希釈液(シクロヘキサノンやアルコールなど)をも用いることができ、第2の希釈液の選択の自由度を高めることができるとともに、安価な希釈液を用いて基板液処理装置1のランニングコストを低減させることもできる。
【0064】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、撥水処理した基板2に対して置換促進処理液を供給して撥水処理液からリンス処理液への置換を促進させる置換促進処理工程を実行する。なお、この撥水処理工程の後で行う置換促進処理工程は、撥水処理工程の前で行う置換促進処理工程と同様の処理を行う。
【0065】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、置換促進処理した基板2に対してリンス処理液でリンス処理するリンス処理工程を実行する。なお、この撥水処理工程の後で行うリンス処理工程は、撥水処理工程の前で行うリンス処理工程と同様の処理を行う。
【0066】
次に、基板液処理プログラムは、図4に示すように、リンス処理した基板2を乾燥処理する乾燥処理工程を実行する。
【0067】
この乾燥処理工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって回転駆動機構30を制御して基板保持手段23のテーブル28及びテーブル28の基板保持体29で保持する基板2をこれまでの液処理(洗浄処理、リンス処理、置換促進処理、撥水処理)時よりも高速な回転速度で回転させることによって、遠心力の作用で基板2の上面からリンス液を振り切るようにしている。
【0068】
基板液処理プログラムは、最後に、図2に示すように、基板2を各基板処理室11〜22の基板保持手段23から基板搬送装置10に受渡す基板受渡工程を実行する。
【0069】
この基板受渡工程において基板液処理プログラムは、図2に示す基板処理室11において、制御手段26によって基板保持手段23の昇降機構32を制御してカップ31を所定位置まで降下させ、その後、基板保持体29で支持した基板2を基板搬送装置10に受け渡し、その後、制御手段26によって基板保持手段23の昇降機構32を制御してカップ31を所定位置まで上昇させる。なお、この基板受渡工程は、先の基板受取工程と同時に行うようにすることもできる。
【0070】
以上に説明した基板液処理装置1では、置換促進処理液としてイソプロピルアルコールを用いる一方、第2の希釈液としてシクロヘキサノンを用いて、撥水処理工程の前後において置換促進処理工程を行うようにしている。
【0071】
しかし、本発明では、撥水処理液を第1の希釈液で希釈した後に第2の希釈液で希釈することで、第2の希釈液の選択の自由度が高まり、第2の希釈液として撥水処理液を希釈する作用だけでなく置換促進処理液としての作用も有する希釈液(たとえば、アルコール)を用いることができる。
【0072】
そして、第2の希釈液として置換促進処理液としての作用も有する希釈液を用いた場合には、図7に示すように、基板処理室11から置換促進処理液供給源44、流量調整器45、置換用流路38、置換用吐出口36を無くした構成とすることができ、基板処理室11ひいては基板液処理装置1の小型化を図ることができる。
【0073】
この構成にした場合には、置換促進処理工程においては、制御手段26によって流量調整器58を開放及び流量制御することで撥水処理液吐出ノズル47から置換促進処理液として機能する第2の希釈液だけを基板2に供給し、一方、撥水処理工程においては、制御手段26によって流量調整器55,58を開放及び流量制御することで撥水処理液吐出ノズル47から第1の希釈撥水処理液を第2の希釈液で希釈して生成した第2の希釈撥水処理液を基板2に供給するようにすればよい。なお、この場合、撥水処理液吐出ノズル47は、第1の希釈撥水処理液と第2の希釈液とを混合して第2の希釈撥水処理液を生成する混合部として機能するだけでなく、基板2に置換促進処理液及び撥水処理液(第2の希釈撥水処理液)を供給する供給部としても機能することになる。
【0074】
また、第2の希釈液として置換促進処理液としての作用も有する希釈液を用いた場合には、撥水処理工程において基板2に供給された第2の希釈液を含む希釈撥水処理液が、撥水処理工程の前後で供給されるリンス液と混ざり合う性質を有することから、図8に示すように、撥水処理工程の前後の置換促進処理工程を省略することができ、これにより、基板液処理装置1における処理時間を短縮することができてスループットの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 基板液処理装置 2 基板
3 キャリア 4 基板搬入出部
5 基板搬送部 6 基板処理部
7 前壁 8 基板搬送装置
9 基板受渡台 10 基板搬送装置
11〜22 基板処理室 23 基板保持手段
24 処理液吐出手段 25 撥水処理液吐出手段
26 制御手段 27 回転軸
28 テーブル 29 基板保持体
30 回転駆動機構 31 カップ
32 昇降機構 33 処理液吐出ノズル
34 移動機構 35 洗浄・リンス用吐出口
36 置換用吐出口 37 洗浄・リンス用流路
38 置換用流路 39 洗浄処理液供給源
40 リンス処理液供給源 41 流路切換器
42 流量調整器 43 流量調整器
44 置換促進処理液供給源 45 流量調整器
46 アーム 47 撥水処理液吐出ノズル
48 移動機構 49 撥水処理液供給源
50 第1希釈液供給源 51 流量調整器
52 流量調整器 53 混合タンク
54 第1供給流路 55 流量調整器
56 第2希釈液供給源 57 第2供給流路
58 流量調整器 59 吐出口
60 第1の連通路 61 第2の連通路
62 記録媒体 63 ポンプ
64 循環流路 65 ポンプ
66 フィルター 67 バルブ
68 貯留タンク 69 窒素ガス供給源
70 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理する基板液処理装置において、
撥水処理液を供給するための撥水処理液供給源と、
前記撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液を供給するための第1希釈液供給源と、
前記撥水処理液供給源から供給される撥水処理液と、前記第1希釈液供給源から供給される第1の希釈液とを混合して、第1の希釈撥水処理液を生成するための混合タンクと、
基板を撥水処理するための基板処理室と、
前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給流路と、
前記混合タンクから前記基板処理室へ前記第1供給流路を通して前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給機構と、
を有することを特徴とする基板液処理装置。
【請求項2】
前記撥水処理液を希釈する第2の希釈液を供給するための第2希釈液供給源と、
前記第2希釈液供給源から前記第2の希釈液を供給するための第2供給流路と、
前記第2希釈液供給源から前記第2供給流路へ前記第2の希釈液を供給するための第2供給機構と、
前記第1供給流路に設けられ、前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液とを混合して、第2の希釈撥水処理液を生成するための混合部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項3】
前記混合部は、前記第1供給流路の端部に設けられ、内部で複数の流体を混合可能なノズルであり、前記第1供給流路と前記第2供給流路がそれぞれ前記ノズルに接続されていることを特徴とする請求項2に記載の基板液処理装置。
【請求項4】
前記第2希釈液供給源は、前記撥水処理液を加水分解させる第2の希釈液を供給することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の基板液処理装置。
【請求項5】
前記基板のリンス処理を行うリンス処理液を供給するためのリンス処理液供給機構と、
前記リンス処理液と前記第1又は第2の希釈撥水処理液との置換を促進させるための置換促進処理液を供給するための置換促進処理液供給機構と、
前記第1供給機構と前記リンス処理液供給機構と前記置換促進処理液供給機構とを制御するための制御手段と、
をさらに有し、
前記制御手段は、前記基板に前記第1又は第2の希釈撥水処理液を供給して撥水処理を行う前後に、基板に置換促進処理液を供給して置換促進処理を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の基板液処理装置。
【請求項6】
希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理するとともに、基板に置換促進処理液を供給して置換促進処理を行う基板液処理装置において、
基板を撥水処理及び置換促進処理するための基板処理室と、
基板に希釈した撥水処理液又は置換促進処理液を供給するための供給部と、
撥水処理液を供給するための撥水処理液供給源と、
前記撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液を供給するための第1希釈液供給源と、
前記撥水処理液供給源から供給される撥水処理液と、前記第1希釈液供給源から供給される第1の希釈液とを混合して、第1の希釈撥水処理液を生成するための混合タンクと、
前記混合タンクから前記供給部に前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給流路と、
前記混合タンクから前記供給部へ前記第1供給流路を通して前記第1の希釈撥水処理液を供給するための第1供給機構と、
前記第1の希釈撥水処理液を希釈するとともに、置換促進処理液としての作用も有する第2の希釈液を供給するための第2希釈液供給源と、
前記第2希釈液供給源から前記第2の希釈液を供給するための第2供給流路と、
前記第2希釈液供給源から前記第2供給流路へ前記第2の希釈液を供給するための第2供給機構と、
前記第1供給流路に設けられ、前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液とを混合して、第2の希釈撥水処理液を生成するための混合部と、
前記第1供給機構と前記第2供給機構を制御するための制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記混合タンクから供給される第1の希釈撥水処理液を前記第2供給流路から供給される第2の希釈液で希釈して第2の希釈撥水処理液を生成し基板に供給する撥水処理と、前記第2供給流路から供給される第2の希釈液だけを基板に供給する置換促進処理とを選択的に行うように制御することを特徴とする基板液処理装置。
【請求項7】
前記混合部は、前記第1供給流路の端部に設けられ、内部で複数の流体を混合可能なノズルであり、前記第1供給流路と前記第2供給流路がそれぞれ前記ノズルに接続されていることを特徴とする請求項6に記載の基板液処理装置。
【請求項8】
希釈した撥水処理液を用いて基板を撥水処理する基板液処理方法において、
混合タンクの内部で撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液と撥水処理液とを混合して第1の希釈撥水処理液を生成し、その後、前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を基板に供給して撥水処理を行うことを特徴とする基板液処理方法。
【請求項9】
前記混合タンクから供給する前記第1の希釈撥水処理液と前記撥水処理液を希釈する第2の希釈液とを混合して第2の希釈撥水処理液を生成し、前記第2の希釈撥水処理液で基板を撥水処理することを特徴とする請求項8に記載の基板液処理方法。
【請求項10】
前記第1供給流路の端部に設けた内部で複数の流体を混合可能なノズルで前記第1の希釈撥水処理液と前記第2の希釈液を混合して第2の希釈撥水処理液を生成することを特徴とする請求項9に記載の基板液処理方法。
【請求項11】
前記第2の希釈液として、前記撥水処理液を加水分解させる作用を有する希釈液を用いることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の基板液処理方法。
【請求項12】
前記第2の希釈液として、リンス液と前記第2の希釈撥水処理液との置換を促進させる作用を有する希釈液を用いて、撥水処理とリンス処理との間の置換処理を省略することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の基板液処理方法。
【請求項13】
前記第1の希釈液として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エーテル類、エステル類のいずれかを用い、前記第2の希釈液として、アルコール、シクロヘキサノンのいずれかを用いることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の基板液処理方法。
【請求項14】
基板液処理装置を用いて希釈した撥水処理液で基板を撥水処理させる基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
混合タンクの内部で撥水処理液を加水分解させることなく希釈できる第1の希釈液と撥水処理液とを混合して第1の希釈撥水処理液を生成し、その後、前記混合タンクから前記第1の希釈撥水処理液を基板に供給して撥水処理を行うことを特徴とする基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−138482(P2012−138482A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290163(P2010−290163)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】