説明

基板貼り合わせ装置

【課題】係合部が基板保持部材に係合できない。
【解決手段】基板貼り合わせ装置は、複数の基板を加圧して貼り合わせる複数の加圧室と、前記基板を保持する基板保持部材と、前記基板及び前記基板保持部材を前記複数の加圧室に搬送する搬送部と、前記複数の加圧室にそれぞれ設けられ、前記基板保持部材の係合部に係合される係合部材であって、前記基板保持部材が異なる複数の向きのいずれの向きで前記加圧室に搬入された場合も前記係合部に係合する係合部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板貼り合わせ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板保持部材によって複数の基板を保持しつつ、加圧室の加圧によって貼り合わせる基板貼り合わせ装置が知られている。
[特許文献1] 特開2009−49066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の加圧室を連結した場合、搬送部による搬送途中で、基板保持部材が回転されて、各加圧室に設けられた係合部が基板保持部材に係合できないといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、複数の基板を加圧して貼り合わせる複数の加圧室と、前記基板を保持する基板保持部材と、前記基板及び前記基板保持部材を前記複数の加圧室に搬送する搬送部と、前記複数の加圧室にそれぞれ設けられ、前記基板保持部材の係合部に係合される係合部材であって、前記基板保持部材が異なる複数の向きのいずれの向きで前記加圧室に搬入された場合も前記係合部に係合する係合部材とを備える基板貼り合わせ装置を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様においては、複数の基板を加圧して貼り合わせる複数の加圧室と、前記基板を前記加圧室に搬送する搬送部と、前記各加圧室にそれぞれ設けられ、前記基板の係合部に係合される係合部材であって、前記基板がそれぞれ異なる複数の向きのいずれの向きで前記加圧室に搬入された場合も前記係合部に係合する係合部材とを備える基板貼り合わせ装置を提供する。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】基板貼り合わせ装置の全体構成の平面図である。
【図2】一対の基板ホルダ204のうち上基板ホルダ210を上方から見た斜視図である。
【図3】上基板ホルダ210を下方から見た斜視図である。
【図4】一対の基板ホルダ204のうち下基板ホルダ230を上方から見た斜視図である。
【図5】下基板ホルダ230を下方から見た斜視図である。
【図6】加圧室68、76の概略構成図である。
【図7】接続部94(104)の拡大概略図である。
【図8】接続部94(104)と基板ホルダの関係を示す平面図である。
【図9】貼り合わせ部14を説明する概略の平面図である。
【図10】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図11】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図12】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図13】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図14】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図15】貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。
【図16】接続部を変更した実施形態の下ステージの平面図である。
【図17】図16に示す下ステージの一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、基板貼り合わせ装置の全体構成の平面図である。図1に矢印で示すXYを基板貼り合わせ装置10のXY方向とする。本実施形態は、基板貼り合わせ装置10が、同じ構成を有する複数の装置、例えば、加圧室68、76を有しつつ、各加圧室68、76において、一対の基板ホルダ204に接続端子を接続させる。図1に示すように、基板貼り合わせ装置10は、前処理部12と、貼り合わせ部14と、制御部16とを備える。
【0010】
前処理部12は、前枠体20と、基板カセット22と、ロボットアーム24と、プリアライナ26と、ロボットアーム28と、搬入部30と、搬出部32と、アライナ34とを備える。
【0011】
前枠体20は、中空の筐体である。前枠体20は、基板カセット22及びロボットアーム24を除く前処理部12の主要部を収容する。
【0012】
基板カセット22は、前枠体20の外部に、前枠体20に対して脱着可能に装着される。基板カセット22は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされる基板200を収容する。これにより、複数の基板200を一括して基板貼り合わせ装置10に装着できる。基板カセット22は、基板貼り合わせ装置10において貼り合わされて搬出された重ね合わせ基板202を収容する。
【0013】
ロボットアーム24は、基板200及び重ね合わせ基板202を真空吸着する。ロボットアーム24は、X方向に移動する。ロボットアーム24は、基板カセット22に収容されている基板200をプリアライナ26へと搬送する。ロボットアーム24は、貼り合わされた後、プリアライナ26まで搬送された重ね合わせ基板202を基板カセット22へと搬出する。
【0014】
プリアライナ26は、ターンテーブル40と、ホルダテーブル42とを有する。ターンテーブル40は、ロボットアーム24によって搬入された基板200を保持する。ターンテーブル40は、その基板200を鉛直軸の周りに回転させて、基板200の周方向の位置を仮合わせする。ホルダテーブル42は、貼り合わされた後、ロボットアーム28によって搬送される重ね合わせ基板202と基板ホルダ204とを保持する。ホルダテーブル42は、重ね合わせ基板202と基板ホルダ204とを分離する。基板ホルダ204から分離された重ね合わせ基板202は、ロボットアーム24によって基板カセット22へと搬出される。一方、ターンテーブル40の基板200は、分離されて残った基板ホルダ204へと搬送されて載置される。
【0015】
プリアライナ26は、高精度であるが故に、狭いアライナ34の調整範囲に基板200を位置が収まるように、個々の基板200及び基板ホルダ204の位置及び向きを仮合わせする。この結果、アライナ34が、基板200及び基板ホルダ204を正確に位置合わせできる。
【0016】
ロボットアーム28は、プリアライナ26から貼り合わせ部14までの間で、Y方向に移動する。ロボットアーム28は、鉛直軸の周りで回転する。ロボットアーム28は、回転軸を起点としてXY面内で伸縮駆動する。ロボットアーム28は、基板200を吸着するホルダテーブル42の基板ホルダ204を真空吸着して搬入部30へと搬送する。ロボットアーム28は、アライナ34によって位置合わせされて、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を真空吸着して搬出部32から搬送して、貼り合わせ部14へ搬送する。ロボットアーム28は、貼り合わせ後の重ね合わせ基板202を一対の基板ホルダ204とともに、貼り合わせ部14からホルダテーブル42へと搬送する。
【0017】
搬入部30は、ロボットアーム28によって搬入された基板200を保持する基板ホルダ204を一時的に吸着して保持する。搬出部32は、アライナ34によって位置合わせされた一対の基板200及び一対の基板ホルダ204を一時的に吸着して保持する。尚、搬入部30及び搬出部32は、アライナ34とアライナ34以外の前枠体20の内部とを遮断する。これにより、アライナ34は、内部の温度及び湿度の調整を容易にしつつ、汚染を抑制する。
【0018】
アライナ34は、搬入部30及び搬出部32によって外部と遮断されている。アライナ34の内部は、空調機等によって温度及び湿度が管理されている。これにより、アライナ34は、位置合わせの精度を向上させている。アライナ34は、ロボットアーム50と、固定ステージ52と、移動ステージ54とを有する。ロボットアーム50は、搬入部30に搬入された基板200を保持する基板ホルダ204を移動ステージ54または固定ステージ52へと搬送する。ロボットアーム50は、固定ステージ52に基板200及び基板ホルダ204を搬送する場合、上下を反転させて搬送する。従って、移動ステージ54は、基板ホルダ204を下にして、基板200及び基板ホルダ204を保持するとともに、固定ステージ52は、基板ホルダ204を上にして、基板200及び基板ホルダ204を保持する。移動ステージ54は、X方向、Y方向、及び、鉛直方向に移動する。これにより、移動ステージ54はXY方向に移動して、自己が保持する基板200を固定ステージ52が保持する基板200に位置合わせする。これにより、一対の基板200が、移動ステージ54によって位置合わせされた状態で、一対の基板ホルダ204の間で保持される。ロボットアーム50は、位置合わせされた一対の基板200を基板ホルダ204とともに、搬出部32へと搬送する。
【0019】
貼り合わせ部14は、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を貼り合わせて重ね合わせ基板202とする。貼り合わせ部14は、後枠体60と、エアロック室62と、前ロボット室64と、ロボットアーム66と、4個の加圧室68と、中継ポート70と、後ロボット室72と、ロボットアーム74と、4個の加圧室76とを有する。
【0020】
後枠体60は、前枠体20の一面に設けられている。後枠体60は、中空の筐体である。後枠体60は、貼り合わせ部14の主要部を収容する。
【0021】
エアロック室62は、前処理部12側のシャッタ80と、貼り合わせ部14側のシャッタ82と、載置台84とを有する。シャッタ80、82は、何れか一方のみが開状態となる。これにより、エアロック室62は、前処理部12と貼り合わせ部14とを遮断しつつ、前処理部12と貼り合わせ部14との間で基板200及び基板ホルダ204の搬送を可能にする。
【0022】
前ロボット室64は、中空の六角柱形状に形成されている。前ロボット室64は、ロボットアーム66を収容する。前ロボット室64の六辺のうち、−Y側の辺はエアロック室62と連結されている。前ロボット室64の六辺のうち、+Y側の辺は、中継ポート70と連結されている。前ロボット室64の六辺のうち、残りの四辺は、加圧室68と連結されている。
【0023】
ロボットアーム66は、搬送部の一例である。ロボットアーム66は、前ロボット室64の中心の周りを回動する。ロボットアーム66は、前ロボット室64の中心と加圧室68との間での伸縮を可能とするリンク機構を有する。ロボットアーム66は、エアロック室62に搬入された基板ホルダ204を真空吸着する。ロボットアーム66は、真空吸着した一対の基板ホルダ204を、重ね合わされた一対の基板200とともに加圧室68のいずれか、または、中継ポート70へと搬送する。ロボットアーム66は、基板ホルダ204を真空吸着して、加圧室68によって貼り合わされた重ね合わせ基板202とともに、加圧室68からエアロック室62へと搬送する。また、ロボットアーム66は、加圧室76によって貼り合わされた重ね合わせ基板202を基板ホルダ204とともに真空吸着して、中継ポート70からエアロック室62へと搬送する。
【0024】
4個の加圧室68によって、奇数番面となる一番目の加圧部69が形成される。加圧室68は、下加圧ステージ90と、上加圧ステージ92とを備える。下加圧ステージ90及び上加圧ステージ92は、一対の基板ホルダ204に保持された一対の基板200を上下方向から加圧して貼り合わせる。これにより、基板200と基板200とが接合されて重ね合わせ基板202となる。尚、加圧室68は、一対の基板200を加熱しつつ、加圧してもよい。
【0025】
中継ポート70は、連結部の一例である。中継ポート70は、基板ホルダ204及び基板200の搬送経路上であって、ロボットアーム66とロボットアーム74との間に配置されている。中継ポート70は、前ロボット室64と後ロボット室72とを介して、加圧部69、77を連結する。中継ポート70は、前ロボット室64側のシャッタ96と、後ロボット室72側のシャッタ97と、中継台98とを有する。シャッタ96、97は、何れか一方のみが開状態となる。これにより、中継ポート70は、前ロボット室64と後ロボット室72とを遮断しつつ、前ロボット室64と後ロボット室72との間で基板200及び基板ホルダ204の搬送を可能にする。中継台98は、ロボットアーム66からロボットアーム74に受け渡される基板200及び基板ホルダ204を一時的に保持する。
【0026】
後ロボット室72、ロボットアーム74及び加圧室76は、それぞれ前ロボット室64、ロボットアーム66、加圧室68と略同様の構成である。後ロボット室72は、中継ポート70を挟み前ロボット室64と反対側に配置されている。ロボットアーム74は、搬送部の一例である。ロボットアーム74は、後ロボット室72の内部に配置されている。4個の加圧室76によって、偶数番面となる二番目の加圧部77が形成される。加圧室76は、後ロボット室72に設けられている。加圧室76は、下加圧ステージ100と、上加圧ステージ102とを備える。
【0027】
制御部16は、基板貼り合わせ装置10の制御全般を司る。例えば、制御部16は、ロボットアーム24、28、66、74の移動及び吸着等を制御する。
【0028】
次に、上述した基板貼り合わせ装置10による基板200の貼り合わせ工程について説明する。
【0029】
まず、ロボットアーム24が、基板カセット22から基板200をプリアライナ26のターンテーブル40へと搬送する。プリアライナ26は、ターンテーブル40によって基板200の方向を合わせた後、ホルダテーブル42に載置されている基板ホルダ204へと基板200を搬送する。これにより、基板ホルダ204は、基板200を静電吸着する。
【0030】
ロボットアーム28は、基板200を静電吸着する基板ホルダ204をプリアライナ26から搬入部30へと搬送する。アライナ34では、ロボットアーム50が、固定ステージ52に基板ホルダ204及び基板200を反転させて搬送する。固定ステージ52は、基板ホルダ204を上にして、基板ホルダ204及び基板200を吸着して保持する。
【0031】
同様の動作によって、搬入部30に搬送された次の基板ホルダ204及び基板200を、ロボットアーム50が、移動ステージ54へと搬送する。移動ステージ54は、基板ホルダ204及び基板200を吸着して保持する。移動ステージ54は、自己の保持する基板200と、固定ステージ52が保持する基板200とを位置合わせする。その後、移動ステージ54は上昇して、基板200と基板200とを接触させる。これにより、一方の基板ホルダ204が他方の基板ホルダ204を吸着して、一対の基板ホルダ204が、一対の基板200を保持する。
【0032】
次に、ロボットアーム50が、一対の基板ホルダ204及び一対の基板200を移動ステージ54から搬出部32へと搬送する。ロボットアーム28は、搬出部32から基板ホルダ204及び基板200を搬出して、貼り合わせ部14のエアロック室62へと搬送する。
【0033】
ロボットアーム66は、エアロック室62の基板ホルダ204及び基板200をいずれかの加圧室68または中継ポート70の中継台98へと搬送する。加圧室68は、搬送された基板ホルダ204及び基板200を加圧する。これにより、一対の基板200が、互いに貼り合わされて重ね合わせ基板202となる。この後、ロボットアーム66が、基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をエアロック室62へと搬送する。
【0034】
一方、中継台98に搬送された一対の基板ホルダ204及び一対の基板200は、180度回転される。その後、一対の基板ホルダ204及び一対の基板200は、ロボットアーム74によって、いずれかの加圧室76に搬送される。加圧室76は、一対の基板200を加圧する。これにより、一対の基板200が貼り合わされて重ね合わせ基板202となる。この後、ロボットアーム74、66が、一対の基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をエアロック室62へと搬送する。
【0035】
この後、ロボットアーム28が、基板ホルダ204及び重ね合わせ基板202をプリアライナ26へと搬送する。プリアライナ26が、基板ホルダ204と重ね合わせ基板202とを分解した後、ロボットアーム24が、重ね合わせ基板202を基板カセット22へと搬出する。
【0036】
図2は、一対の基板ホルダ204のうち上基板ホルダ210を上方から見た斜視図である。図3は、上基板ホルダ210を下方から見た斜視図である。上基板ホルダ210は、基板保持部材の一例である。
【0037】
図2及び図3に示すように、上基板ホルダ210は、上ホルダ本体212と、4個の被吸着部214と、一対の上静電パッド216、216と、2個の上面受給端子218と、2個の下面受給端子220とを有する。
【0038】
上ホルダ本体212は、基板200よりも一回り大きい円板形状に形成されている。上ホルダ本体212の下面の中央部には、基板200が載置される上載置面222が形成されている。上載置面222は、外周よりも下に突出して形成されている。上載置面222は、基板200と略同じ円形状に形成されている。
【0039】
被吸着部214は、上ホルダ本体212の下面に配置されている。被吸着部214は、上載置面222よりも外側に配置されている。4個の被吸着部214は、上ホルダ本体212の中心の周りに90°間隔で4個所に配置されている。被吸着部214は、磁石に吸着される材料、例えば、強磁性材料を含む。
【0040】
一対の上静電パッド216は、上ホルダ本体212の内部であって、上載置面222に対応する領域に埋め込まれている。各上静電パッド216は、略半円形状に形成されている。一方の上静電パッド216は、上載置面222の中心を挟み、他方の上静電パッド216の反対側に配置されている。
【0041】
2個の上面受給端子218は、上ホルダ本体212の上面に設けられている。2個の上面受給端子218は、上載置面222よりも外側に配置されている。一方の上面受給端子218は、一方の上静電パッド216と電気的に接続されている。他方の上面受給端子218は、他方の上静電パッド216と接続されている。上面受給端子218は、上静電パッド216への静電力の供給を外部から受けて、上静電パッド216へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の上静電パッド216に接続される上面受給端子218には、他方の上静電パッド216に接続される上面受給端子218よりも高い電圧が印加される。これにより、一方の上静電パッド216の電圧が、他方の上静電パッド216の電圧よりも高くなり、上静電パッド216と対向するように上載置面222に載置された基板200が静電吸着される。
【0042】
2個の下面受給端子220は、係合部の一例である。2個の下面受給端子220は、上ホルダ本体212の下面に設けられている。2個の下面受給端子220は、平面視において、2個の上面受給端子218のいずれかと同じ場所に配置されている。一方の下面受給端子220は、一方の上静電パッド216と電気的に接続されている。他方の下面受給端子220は、他方の上静電パッド216と電気的に接続されている。下面受給端子220は、上静電パッド216への静電力の供給を外部から受けて、上静電パッド216へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220には、他方の上静電パッド216に接続される下面受給端子220よりも高い電圧が印加される。これにより、基板200と上静電パッド216との間に静電力が作用して、基板200が、上静電パッド216によって静電吸着される。
【0043】
図4は、一対の基板ホルダ204のうち下基板ホルダ230を上方から見た斜視図である。図5は、下基板ホルダ230を下方から見た斜視図である。下基板ホルダ230は、基板保持部材の一例である。
【0044】
図4及び図5に示すように、下基板ホルダ230は、下ホルダ本体232と、4個の吸着部234と、一対の下静電パッド236、236と、2個の外受給端子238とを有する。
【0045】
下ホルダ本体232は、基板200よりも一回り大きい円板形状であって、上ホルダ本体212と略同形状に形成されている。下ホルダ本体232の上面の中央部には、基板200が載置される下載置面242が形成されている。下載置面242は、外周よりも上に突出して形成されている。下載置面242は、基板200と略同じ円形状に形成されている。下ホルダ本体232の外周には、2個の凹部233が形成されている。2個の凹部233は、下ホルダ本体232の中心に関して、180度の点対称の位置に配置されている。凹部233の外周側は、開口されている。凹部233は、下ホルダ本体232を上下方向に貫通している。上基板ホルダ210及び下基板ホルダ230が基板200を挟んだ状態において、凹部233は、下面受給端子220の下方に配置される。従って、上基板ホルダ210の下面受給端子220は、下基板ホルダ230によって覆われることなく、凹部233によって露出される。
【0046】
吸着部234は、下ホルダ本体232の上面に設けられている。吸着部234は、下載置面242よりも外側に配置されている。4個の吸着部234は、下ホルダ本体232の中心の周りに90°間隔で4個所に配置されている。従って、4個の吸着部234は、被吸着部214のいずれかと対向する位置に配置されている。吸着部234は、被吸着部214を吸着可能な永久磁石を含む。吸着部234が被吸着部214を吸着することにより、上基板ホルダ210及び下基板ホルダ230が、一対の基板200を挟み保持する。
【0047】
一対の下静電パッド236は、下ホルダ本体232の内部であって、下載置面242に対応する領域に埋め込まれている。各下静電パッド236は、略半円形状に形成されている。一方の下静電パッド236は、下載置面242の中心を挟み、他方の下静電パッド236の反対側に配置されている。
【0048】
2個の外受給端子238は、係合部の一例である。2個の外受給端子238は、下ホルダ本体232の下面に設けられている。2個の外受給端子238は、下載置面242よりも外側に配置されている。2個の外受給端子238は、下基板ホルダ230と上基板ホルダ210とで基板200を挟んだ状態では、上面受給端子218及び下面受給端子220と異なる位置に配置されている。各外受給端子238は、下ホルダ本体232の中心から同じ距離に配置されている。即ち、2個の外受給端子238は、下載置面242の垂直軸の周りの複数の回転位置に配置されている。2個の外受給端子238は、一方の下静電パッド236と電気的に接続されている。残りの2個の外受給端子238は、他方の下静電パッド236に接続されている。
【0049】
外受給端子238は、下静電パッド236への静電力の供給を外部から受けて、下静電パッド236へと伝達する。ここでいう外部とは、エアロック室62、中継ポート70及びロボットアーム66、74等である。例えば、一方の下静電パッド236と接続される外受給端子238には、他方の下静電パッド236と接続される外受給端子238よりも高い電圧が給電される。これにより、下静電パッド236が、基板200を下載置面242に静電吸着して保持する。
【0050】
図6は、加圧室68、76の概略構成図である。尚、加圧室76は、加圧室68と同様の構成である。従って、図6の説明において、加圧室76の各構成の符号は、括弧書きで記載して、説明を省略する。図6に示すように、加圧室68(76)は、底部に設けられた下加圧ステージ90(100)と、天井に固定された上加圧ステージ92(102)と、押圧部95(105)と、8個の接続部94(104)とを有する。押圧部95(105)は、下加圧ステージ90(100)の中央部に設けられている。押圧部95(105)は、上下方向に移動する。これにより、押圧部95(105)と上加圧ステージ92(102)に固定されたトッププレート91またはトッププレート101とが、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を上下方向から押圧する。接続部94(104)は、下加圧ステージ90(100)の上面であって、押圧部95(105)の外側に固定されている。これにより、接続部94(104)は、押圧部95(105)が上下移動しても、下加圧ステージ90(100)に対して固定されている。8個の接続部94(104)のうち4個の接続部94(104)は、下基板ホルダ230の外受給端子238に対応した位置に配置されている。これにより、当該接続部94(104)は、下加圧ステージ90(100)の上方に配置された下基板ホルダ230の外受給端子238に係合して電圧を印加する。残りの4個の接続部94(104)は、上基板ホルダ210の下面受給端子220に対応した位置に配置されている。これにより、当該接続部94(104)は、下加圧ステージ90(100)の上方に配置された上基板ホルダ210の下面受給端子220に電圧を印加する。
【0051】
図7は、接続部94(104)の拡大概略図である。接続部94は、支持部材112と、弾性部材116と、給電端子118とを有する。
【0052】
支持部材112は、例えば、上下方向に延びる円柱状の円柱部113を有する。支持部材112の下端は、下加圧ステージ90に固定されている。支持部材112の上端は、下基板ホルダ230または上基板ホルダ210のいずれかを支持する。支持部材112は、支持する基板ホルダに対応させて高さが設定されている。支持部材112は、分枝部114を含む。分枝部114は、円柱部113の上部の側面に固定されている。分枝部114は、L字状に形成されている。従って、分枝部114は、円柱部113の側面から側方に延びるとともに、分枝部114の端部は、上方へと延びる。分枝部114は、中空状に形成されている。
【0053】
弾性部材116は、分枝部114の中空部に配置されている。弾性部材116は、例えば、上下方向に弾性変形可能なバネである。
【0054】
給電端子118は、係合部材の一例である。給電端子118は、着脱可能に支持部材112の分枝部114の中空部に設けられている。これにより、ユーザは、加圧室68、76への下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の搬入の向きに応じて、外受給端子238または下面受給端子220に係合する位置に給電端子118を移動させることができる。給電端子118の上端部は、下基板ホルダ230の凹部233に挿通されて、分枝部114の上端から突出する。給電端子118の下部は、弾性部材116によって支持されている。これにより、給電端子118は、弾性部材116によって支持されつつ、上下方向にスライドして移動する。給電端子118は、加圧室68、76に搬送される下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の向きに応じて、外受給端子238または下面受給端子220に係合すべく支持される支持部材112が変更される。これにより、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が下加圧ステージ90の上方に配置されると、給電端子118は、外受給端子238または下面受給端子220と接続される。また、給電端子118は、外部の電源に接続されている。従って、給電端子118は、外部から給電されると、外受給端子238または下面受給端子220に電圧を印加する。これにより、給電端子118は、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210に基板200の保持力となる静電力を供給する供給部であって、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210に電力を供給する給電端子として機能する。この結果、外受給端子238及び下面受給端子220は、供給部からの保持力の供給を受ける受給部であって、給電端子118に接続される接続端子として機能する。尚、加圧室76の接続部104は、給電端子128を有し、接続部94と同様の構成である。
【0055】
図8は、接続部94(104)と基板ホルダの関係を示す平面図である。図8に示すように、接続部94(104)は、2個を一組として、2個所に配置されている。一方の組の接続部94(104)と他方の組の接続部94(104)は、下加圧ステージ90の中心の周りに、180度の点対称となるように配置されている。外受給端子238及び下面受給端子220に対応する側の組の接続部94(104)には、給電端子118(128)が取り付けられている。一方、外受給端子238及び下面受給端子220の反対側に配置された組の接続部94(104)には、給電端子118(128)が取り付けられていない。
【0056】
図9は、貼り合わせ部14を説明する概略の平面図である。図9において、給電端子118、128を黒丸で示す。図9に示すように、各加圧室68の下加圧ステージ90は、供給部の一例である四対の接続部94を有する。支持部材112を含む四対の接続部94は、各加圧室68の中心の周りに180度回転対称に配置されている。尚、支持部材112を含む四対の接続部94は、45度以上180度以下の点対称に配置してもよい。各下加圧ステージ90の外側及び内側の各対の接続部94を結ぶ直線の垂線は、前ロボット室64の中心C1であって、ロボットアーム66の回転軸で交差する。尚、ここでいう外側、内側とは、中心C1と各加圧室68の中心を結ぶ直線から見た場合である。各加圧室68の対応する接続部94の垂線間の角度は、60度または120度である。各加圧室76の下加圧ステージ100も、接続部94と同様の構成を有し、一対の接続部104を有する。接続部104と中心C2の位置関係は、接続部94と中心C1の位置関係と同様である。
【0057】
加圧部69の4個の加圧室68のうち下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の搬送経路に沿って奇数番目の加圧室68の給電端子118は、第一の向きで搬入される下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の外受給端子238及び下面受給端子220に対応した第一の位置に配置されており、偶数番目の加圧室68の給電端子118は、第二の向きで搬入される下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の外受給端子238及び下面受給端子220に対応した第二の位置に配置されている例えば、中心C1よりも−Y側の2個の加圧室68では、給電端子118が+Y側に配置されている。一方、中心C1よりも+Y側の2個の加圧室68では、給電端子118が−Y側に配置されている。
【0058】
2個の加圧部69、77のうち下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の搬送経路に沿って奇数番目となる一番目の加圧部69の加圧室68の給電端子118は、第一の向きで搬入される下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の外受給端子238及び下面受給端子220に対応した第一の位置に配置されている。一方、偶数番目となる二番目の加圧部77の加圧室76の給電端子128は、第二の向きで搬入される下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の外受給端子238及び下面受給端子220に対応した第二の位置に配置されている。換言すれば、4個の加圧室76のそれぞれにおける給電端子128は、中継ポート70に仮置きされた下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210の向きに対応した位置に配される。例えば、中心C1から見て、各加圧室68の外側の二対の接続部94には、白丸で示す分枝部114に給電端子118が取り付けられていない。一方、中心C1から見て、各加圧室68の内側の二対の接続部94には、分枝部114に給電端子118が取り付けられている。一方、各加圧室76では、中心C2から見て、各加圧室76の内側の二対の接続部104には、分枝部114に給電端子128が取り付けられていない。一方、中心C2から見て、各加圧室76の外側の二対の接続部104には、分枝部114に給電端子128が取り付けられている。
【0059】
従って、奇数番目の加圧室68と偶数番目の加圧室76では、電圧を印加可能な給電端子118、128の位置が、下加圧ステージ90、100の中心に対して180度回転対称である。尚、給電端子118、128の位置の回転対称の角度は、180度以外であってもよく、例えば、45度以上180度以下であってもよい。これにより、加圧室68と加圧室76では、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が異なる複数の向きのいずれの向きで、加圧室68、76に搬入された場合も、接続部94及び接続部104が外受給端子238及び下面受給端子220に係合して接続できる。この結果、黒丸で示す二対の接続部94は、外受給端子238及び下面受給端子220に電圧を印加可能な状態となる。また、黒丸で示す二対の接続部104は、外受給端子238及び下面受給端子220に電圧を印加可能な状態となる。
【0060】
エアロック室62の載置台84は、二対の接続部88を有する。一方の一対の接続部88の間隔は、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238の間隔と等しい。一対の接続部88は、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238に接続されて電圧を印加する。他方の一対の接続部88の間隔は、上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220の間隔と等しい。一対の接続部88は、上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220に接続されて電圧を印加する。接続部88は、載置台84の中心の+Y側に配置されている。
【0061】
中継ポート70の中継台98は、二対の接続部99を有する。一方の一対の接続部99の間隔は、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238の間隔と等しい。当該一対の接続部99は、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238に接続されて電圧を印加する。他方の一対の接続部99の間隔は、上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220の間隔と等しい。当該一対の接続部99は、上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220に接続されて電圧を印加する。接続部99は、中継台98の中心の−Y側に配置されている。
【0062】
ロボットアーム66は、二対の接続部67を有する吸着爪65を備える。一方の一対の接続部67の間隔は、一対の外受給端子238の間隔と等しい。他方の一対の接続部67の間隔は、一対の下面受給端子220の間隔と等しい。ロボットアーム74は、一対の接続部75を有する吸着爪73を備える。一対の接続部75の間隔は、一対の外受給端子238の間隔と等しい。
【0063】
図10から図15は、貼り合わせ部14における基板200の搬送を説明する概略の平面図である。尚、図10から図15において、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238を三角で示すとともに、上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220を四角で示す。下基板ホルダ230に載置される一対の基板200と、上加圧ステージ92、102は、図10から図15においては省略する。
【0064】
図10に示すように、下基板ホルダ230がエアロック室62に搬送される。この状態では、下基板ホルダ230の一対の外受給端子238及び上基板ホルダ210の一対の下面受給端子220が、載置台84の接続部88と接触する。これにより、電圧が、接続部88を介して、外受給端子238及び下面受給端子220に印加される。この結果、下静電パッド236及び上静電パッド216が、基板200を静電吸着する。
【0065】
次に、図11に示すように、ロボットアーム66が、下基板ホルダ230の下方へ吸着爪65を挿入して、下基板ホルダ230を真空吸着する。この状態では、ロボットアーム66の接続部67は、外受給端子238及び下面受給端子220と接触して、電圧を印加する。これにより、載置台84の接続部88からの電圧印加が停止しても、下静電パッド236及び上静電パッド216は、基板200の静電吸着状態を継続する。
【0066】
次に、ロボットアーム66は、前ロボット室64に連結された加圧室68のいずれか、または、中継ポート70に下基板ホルダ230を搬送する。例えば、図12に示すように、ロボットアーム66は、中心C1の左回りに60度回転して、紙面右下の加圧室68に下基板ホルダ230を搬送する。外受給端子238及び下面受給端子220は、加圧室68の接続部94と接触するように下加圧ステージ90に載置される。この状態では、電圧が、接続部94を介して、外受給端子238及び下面受給端子220に印加される。これにより、ロボットアーム66の接続部67からの電圧印加が停止しても、下静電パッド236及び上静電パッド216が、基板200を静電吸着する。
【0067】
一方、図13に示すように、ロボットアーム66が、下基板ホルダ230を中継ポート70へと搬送する場合、ロボットアーム66は、中心C1の周りに180度回転する。これにより、下基板ホルダ230は、エアロック室62に載置された状態から鉛直軸の周りに180度回転する。ここで、中継台98の接続部99は、中継台98の中心の+Y側に配置されている。これにより、180度回転された外受給端子238及び下面受給端子220を中継台98の接続部99上に配置することができる。この結果、電圧が接続部99を介して、外受給端子238及び下面受給端子220に印加されるので、ロボットアーム66の接続部67からの電圧印加が停止しても、下静電パッド236及び上静電パッド216が、基板200を静電吸着する。
【0068】
次に、図14に示すように、ロボットアーム74が、下基板ホルダ230の下方へ吸着爪73を挿入して、下基板ホルダ230を真空吸着する。この状態では、ロボットアーム74の接続部75は、外受給端子238及び下面受給端子220と接触して、電圧を印加する。これにより、下静電パッド236及び上静電パッド216は、基板200を静電吸着する。
【0069】
この後、ロボットアーム74は、後ロボット室72に連結された加圧室76のいずれかに基板200を搬送する。例えば、図15に示すように、ロボットアーム74は、中心C2の右回りに60度回転して、紙面右下の加圧室76へと基板200を搬送する。ここで、加圧室68と加圧室76では、電圧を印加可能な接続部94、104の位置関係が、下加圧ステージ90、100の中心に対して180度反対である。従って、加圧室76の接続部104は、ロボットアーム66によって180度回転された外受給端子238及び下面受給端子220と接続される。これにより、電圧が、接続部104を介して、外受給端子238及び下面受給端子220に印加されて、下静電パッド236及び上静電パッド216が、基板200を静電吸着する。
【0070】
この後、ロボットアーム74が、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を中継台98に搬送する。中継台98が下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を鉛直軸の周りに180度回転させた後、ロボットアーム66は、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210を載置台84へと搬送する。
【0071】
上述した実施形態では、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が異なる複数の向きのいずれの向きで、加圧室68、76に搬入された場合も、接続部94及び接続部104が外受給端子238及び下面受給端子220に係合して接続できる。これにより、ロボットアーム66によって下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が回転されても、接続部94及び接続部104は外受給端子238及び下面受給端子220に電圧を印加することができる。
【0072】
図16は、接続部を変更した実施形態の下加圧ステージの平面図である。図17は、図16に示す下ステージの一部の拡大断面図である。尚、図16において、説明の都合上、接続端子318をハッチングで示す。図16及び図17に示すように、接続部394は、8個の支持部材312と、一対の接続端子318とを有する。4個の支持部材312は、円柱部313と、分枝部314とを有する。4個の支持部材312は、太線ハッチングで示す下基板ホルダ230の外受給端子238と接続可能な高さに一方の接続端子318を支持する。残りの4個の支持部材312は、細線ハッチングで示す上基板ホルダ210の下面受給端子220と接続可能な高さに他方の接続端子318を支持する。一対の接続端子318は、スライド部338と、リング状のリング部340とを有する。スライド部338は、円柱状に形成されている。スライド部338は、上下方向にスライド可能に分枝部314に支持されている。リング部340は、スライド部338の上端に設けられている。一対のリング部340は、同心状に配置されている。一方のリング部340の外径は、他方のリング部340の内径よりも小さい。従って、一方のリング部340は、他方のリング部340に囲まれるように配置されている。このように構成することにより、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が、どの向きで下加圧ステージ90に搬送されていても、接続端子318と、外受給端子238及び下面受給端子220とが接続される。
【0073】
上述の実施形態では、2個の加圧部69、77を直列に連結する例を示したが、3個以上の加圧部を直列または並列に連結してもよい。各加圧部69、77において、加圧室68、76の個数は適宜変更してよく、加圧室68、76の配置は、直列、並列、その他の配置の組合せであってもよい。
【0074】
また、基板ホルダ204が、静電力によって基板200を保持する例を示したが、基板ホルダ204が真空吸着等により基板200を保持するように構成してもよい。
【0075】
上述の実施形態では、一部の分枝部114に給電端子118、128が取り付けられていない例を示したが、全ての分枝部114に給電端子118、128を取り付けてもよい。これにより、給電端子118、128は、下基板ホルダ230及び上基板ホルダ210が加圧室68、76に第一の向きで搬入されたときに外受給端子238及び下面受給端子220に係合する位置と、第二の向きで搬入されたときに外受給端子238及び下面受給端子220に係合する位置とのそれぞれに配置される。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0078】
10 基板貼り合わせ装置、 12 前処理部、 14 貼り合わせ部、 16 制御部、 20 前枠体、 22 基板カセット、 24 ロボットアーム、 26 プリアライナ、 28 ロボットアーム、 30 搬入部、 32 搬出部、 34 アライナ、 40 ターンテーブル、 42 ホルダテーブル、 50 ロボットアーム、 52 固定ステージ、 54 移動ステージ、 60 後枠体、 62 エアロック室、 64 前ロボット室、 65 吸着爪、 66 ロボットアーム、 67 接続部、 68 加圧室、 69 加圧部、 70 中継ポート、 72 後ロボット室、 73 吸着爪、 74 ロボットアーム、 75 接続部、 76 加圧室、 77 加圧部、 80 シャッタ、 82 シャッタ、 84 載置台、 88 接続部、 90 下加圧ステージ、 91 トッププレート、 92 上加圧ステージ、 94 接続部、 95 押圧部、 96 シャッタ、 97 シャッタ、 98 中継台、 99 接続部、 100 下加圧ステージ、 101 トッププレート、 102 上加圧ステージ、 104 接続部、 112 支持部材、 113 円柱部、 114 分枝部、 116 弾性部材、 118 給電端子、 128 給電端子、 200 基板、 202 重ね合わせ基板、 204 基板ホルダ、 210 上基板ホルダ、 212 上ホルダ本体、 214 被吸着部、 216 上静電パッド、 218 上面受給端子、 220 下面受給端子、 222 上載置面、 230 下基板ホルダ、 232 下ホルダ本体、 233 凹部、 234 吸着部、 236 下静電パッド、 238 外受給端子、 242 下載置面、 312 支持部材、 313 円柱部、 314 分枝部、 318 接続端子、 338 スライド部、 340 リング部、 394 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を加圧して貼り合わせる複数の加圧室と、
基板を保持する基板保持部材と、
前記基板及び前記基板保持部材を前記複数の加圧室に搬送する搬送部と、
前記複数の加圧室にそれぞれ設けられ、前記基板保持部材の係合部に係合される係合部材であって、前記基板保持部材が異なる複数の向きのいずれの向きで加圧室に搬入された場合も前記係合部に係合する係合部材とを備える基板貼り合わせ装置。
【請求項2】
前記係合部材は、移動可能に前記加圧室に設けられており、前記加圧室への前記基板保持部材の搬入の向きに応じて、前記係合部に係合する位置に移動する請求項1に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項3】
前記加圧室には、前記係合部材を着脱可能に支持する複数の支持部材が設けられており、前記係合部材は、前記加圧室への前記基板保持部材の搬入の向きに応じて、前記係合部に係合すべく、支持される支持部材が変更される請求項2に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項4】
前記複数の支持部材は、45度以上180度以下の回転対称に配される請求項3に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項5】
前記係合部材は、スライド可能に設けられている請求項2に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項6】
前記複数の加圧室のうち前記基板保持部材の搬送経路に沿って奇数番目の前記加圧室の前記係合部材は、第一の向きで搬入される前記基板保持部材の前記係合部に対応した第一の位置に配置されており、偶数番目の前記加圧室の前記係合部材は、第二の向きで搬入される前記基板保持部材の前記係合部に対応した第二の位置に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項7】
前記奇数番目の前記加圧室の前記係合部材と前記偶数番目の前記加圧室の前記係合部材は、互いに45度以上180度以下の回転対称な位置に配置されている請求項6に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項8】
前記複数の加圧室を有する複数の加圧部を備え、
前記基板保持部材の搬送経路に沿って奇数番目の加圧部の各加圧室の前記係合部材は、第一の向きで搬入される前記基板保持部材の前記係合部に対応した第一の位置に配置されており、偶数番目の加圧部の前記各加圧室の前記係合部材は、第二の向きで搬入される前記基板保持部材の前記係合部に対応した第二の位置に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項9】
前記奇数番目の前記加圧部の前記各加圧室の前記係合部材と前記偶数番目の前記加圧部の前記各加圧室の前記係合部材は、互いに45度以上180度以下の回転対称な位置に配置されている請求項8に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項10】
前記複数の加圧室を有し、それぞれ連結された複数の加圧部と、前記複数の加圧部を連結する連結部とを備え、
前記複数の加圧室のそれぞれにおける前記係合部材は、前記連結部に仮置きされた前記基板保持部材の向きに対応した位置に配される請求項1から5のいずれか一項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項11】
前記係合部材は、前記連結部に仮置きされた前記基板保持部材の向きに対する前記連結部からの前記基板保持部材の搬出方向の角度に応じて前記基板の向きを調整する請求項10に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項12】
前記搬送部は、前記複数の基板を重ね合せた状態で搬送する請求項1から11のいずれか1項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項13】
前記係合部材は、前記基板保持部材に前記基板の保持力を供給する供給部であり、
前記係合部は、前記供給部からの保持力の供給を受ける受給部である請求項1から12のいずれか一項に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項14】
前記保持力は静電力であり、前記供給部は前記基板保持部材に電力を供給する給電端子であり、前記受給部は給電端子に接続される接続端子である請求項13に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項15】
前記係合部材は、前記基板保持部材が加圧部に第一の向きで搬入されたときに前記係合部に係合する位置と、第二の向きで搬入されたときに前記係合部に係合する位置とのそれぞれに配置されている請求項1に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項16】
複数の基板を加圧して貼り合わせる複数の加圧室と、
基板を加圧室に搬送する搬送部と、
各加圧室にそれぞれ設けられ、前記基板の係合部に係合される係合部材であって、前記基板がそれぞれ異なる複数の向きのいずれの向きで前記加圧室に搬入された場合も前記係合部に係合する係合部材とを備える基板貼り合わせ装置。
【請求項17】
前記係合部材は、移動可能に前記加圧室に設けられており、前記加圧室への前記基板の搬入の向きに応じて、前記係合部に係合する位置に移動する請求項16に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項18】
前記係合部材は、スライド可能に設けられている請求項16に記載の基板貼り合わせ装置。
【請求項19】
前記係合部材は、前記基板が前記加圧室に第一の向きで搬入されたときに前記係合部に係合する位置と、第二の向きで搬入されたときに前記係合部に係合する位置とのそれぞれに配置されている請求項16に記載の基板貼り合わせ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−253273(P2012−253273A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126497(P2011−126497)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】