説明

塗布方法及び塗布装置

【課題】易酸化性の金属を含む塗布膜の膜質の低下を抑えることができる塗布装置及び塗布方法を提供すること。
【解決手段】易酸化性の金属を含む液状体を基板に複数回塗布し前記基板上に複数の液状体層を積層する塗布ステップと、前記塗布ステップによって前記液状体の塗布される塗布空間及び前記液状体の塗布された前記基板の塗布後移動空間を囲むチャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整する調整ステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布方法及び塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Cu、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ga、In、Ti、Znおよびこれらの組合せなどの金属と、S、Se、Te、およびこれらの組合せなどの元素カルコゲンとを含む半導体材料を用いたCIGS型太陽電池やCZTS型太陽電池は、高い変換効率を有する太陽電池として注目されている(例えば特許文献1〜特許文献3参照)。例えば、CIGS型太陽電池は、光吸収層(光電変換層)として上記、Cu、In、Ga、Seの4種類の半導体材料からなる膜を用いる構成になっている。
【0003】
CIGS型太陽電池やCZTS型太陽電池は、従来型の太陽電池に比べて光吸収層の厚さを薄くすることができるため、曲面への設置や運搬が容易となる。このため、高性能でフレキシブルな太陽電池として、広い分野への応用が期待されている。光吸収層を形成する手法として、従来、例えば蒸着法やスパッタリング法などを用いて形成する手法が知られていた(例えば、特許文献2〜特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−340482号公報
【特許文献2】特開2005−51224号公報
【特許文献3】特表2009−537997号公報
【特許文献4】特開平1−231313号公報
【特許文献5】特開平11−273783号公報
【特許文献6】特開2005−175344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して、本発明者は、光吸収層を形成する手法として、上記半導体材料を液状体で基板上に塗布する手法を提案する。光吸収層を液状体の塗布によって形成する場合、以下の課題が挙げられる。
【0006】
上記の半導体のうちCuやInなどは酸化しやすい性質を有する(易酸化性)金属である。当該易酸化性の金属を含む液状体を塗布する場合、塗布環境における酸素濃度や湿度が高いと、易酸化性の金属が酸化してしまい、塗布膜の膜質が低下してしまう虞がある。この問題点は、CIGS型太陽電池の半導体膜を塗布形成する場合に限られず、一般に易酸化性の金属を含む液状体を塗布する場合において想定されうる。
【0007】
上記問題を解決するためには、例えば、特許文献6に示されるような、窒素循環型クリーンユニットで、メインチャンバー内を密閉し、高性能フィルターを介して窒素循環とすることでクリーン環境に維持することが考えられるが、対象薬液がフォトレジストのような有機材料の塗布を目的としており、金属を主成分とするものではないため、上記問題を解決することは困難であった。
【0008】
上記のような事情に鑑み、本発明は、易酸化性の金属を含む塗布膜の膜質の低下を抑えることができる塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る塗布方法は、易酸化性の金属を含む液状体を基板に複数回塗布し前記基板上に複数の液状体層を積層する塗布ステップと、前記塗布ステップによって前記液状体の塗布される塗布空間及び前記液状体の塗布された前記基板の塗布後移動空間を囲むチャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整する調整ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、易酸化性の金属を含む液状体を基板に複数回塗布し当該基板上に複数の液状体層を積層する際に、液状体の塗布が行われる塗布空間及び液状体の塗布された基板の塗布後移動空間を囲むチャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整することとしたので、易酸化性の金属が酸化するのを防ぐことができる。例えば液状体を基板に複数回塗布する場合には、塗布回数が多い分、易酸化性の金属の酸化が生じる可能性が増大する。これに対して、本発明では、チャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整することにより、液状体の複数回の塗布を行う場合であっても、易酸化性の金属の酸化を極力抑えることができる。これにより、塗布膜の膜質の低下を抑えることができる。
【0011】
上記の塗布方法は、前記塗布ステップは、複数の前記液状体層の間にドーパント層を形成するドーパント層形成ステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の液状体層の間にドーパント層を形成することとしたので、液状体層にドーパントとなる物質を確実に浸透させることができる。
【0012】
上記の塗布方法は、前記塗布ステップは、前記金属の組成が異なる複数種類の前記液状体を塗布することを特徴とする。
本発明によれば、金属の組成が異なる複数種類の液状体を塗布することとしたので、当該組成の異なる金属のそれぞれについて酸化を防ぐことができる。
【0013】
上記の塗布方法は、前記塗布ステップは、複数の前記液状体層のそれぞれの表面を乾燥させる乾燥ステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、塗布ステップにおいて複数の液状体層のそれぞれの表面を乾燥させることとしたので、液状体層を効率的に処理することができる。
【0014】
上記の塗布方法は、前記塗布ステップは、前記基板を移動させながら行うことを特徴とする。
本発明によれば、基板を移動させながら塗布ステップを行うこととしたので、大面積の基板であっても短時間で液状体層を形成することができる。
【0015】
上記の塗布方法は、前記金属は、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含む金属について酸化を確実に防ぐことができる。これにより、液状体層の膜質の低下を防ぐことができる。
【0016】
本発明に係る塗布装置は、易酸化性の金属を含む液状体を基板に塗布する複数の塗布部と、前記塗布部によって前記液状体の塗布される塗布空間及び前記液状体の塗布された前記基板の塗布後移動空間を囲むチャンバと、前記チャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整する調整部とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、複数の塗布部を用いて易酸化性の金属を含む液状体を基板に塗布し当該基板上に複数の液状体層を積層する際に、液状体の塗布が行われる塗布空間及び液状体の塗布された基板の塗布後移動空間を囲むチャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整することができるので、易酸化性の金属が酸化するのを防ぐことができる。例えば複数の塗布部を用いて液状体を基板に複数回塗布する場合には、塗布回数が多い分、易酸化性の金属の酸化が生じる可能性が増大する。これに対して、本発明では、チャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整することにより、液状体の複数回の塗布を行う場合であっても、易酸化性の金属の酸化を極力抑えることができる。これにより、塗布膜の膜質の低下を抑えることができる。
【0018】
上記の塗布装置は、複数の前記塗布部は、前記基板上にドーパントを塗布する第2塗布部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数の液状体層の間にドーパント層を形成することができるので、液状体層にドーパントとなる物質を確実に浸透させることができる。
【0019】
上記の塗布装置は、複数の前記塗布部は、前記金属の組成が異なる複数種類の前記液状体を塗布することを特徴とする。
本発明によれば、金属の組成が異なる複数種類の液状体を用いる場合においても、当該組成の異なる金属のそれぞれについて酸化を防ぐことができる。
【0020】
上記の塗布装置は、前記基板上の前記液状体の表面を乾燥させる乾燥機構を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、乾燥機構を備えることにより、液状体の塗布及び液状体の乾燥を効率的に行うことができる。
【0021】
上記の塗布装置は、前記基板を所定の搬送方向に搬送する搬送機構を更に備え、複数の前記塗布部は、前記搬送方向に沿って配列されていることを特徴とする。
本発明によれば、基板を所定の搬送方向に搬送する搬送機構を更に備え、複数の塗布部が搬送方向に沿って配列されていることとしたので、複数の塗布部を用いた基板への塗布動作をスムーズに行うことができる。
【0022】
上記の塗布装置は、前記乾燥機構は、前記搬送方向に複数設けられ、複数の前記塗布部と複数の前記乾燥機構は、前記基板の移動方向に交互に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、乾燥機構が搬送方向に複数設けられ、複数の塗布部と複数の乾燥機構とが基板の移動方向に交互に配置されているため、基板の移動に合わせて塗布動作と乾燥動作とを行わせることができる。これにより、効率的な処理が可能となる。
【0023】
上記の塗布装置は、前記乾燥機構は、平面視で前記塗布部から外れた位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、乾燥機構が平面視で塗布部から外れた位置に配置されているので、乾燥機構による乾燥作用が塗布部の液状体に及ぼされるのを防ぐことができる。これにより、液状体の高粘度化あるいは固化を抑制することができると共に、易酸化性の金属材料を含有する液状組成物の変質を防止することができる。
【0024】
上記の塗布装置は、前記チャンバは、前記塗布部及び前記乾燥機構をそれぞれ1つずつ含むように前記チャンバ内を複数の空間に仕切る仕切り部材を有することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、塗布部及び乾燥機構をそれぞれ1つずつ含む空間毎に基板を処理することができる。加えて、例えばメンテナンスが必要となった空間のみを選択して対応することができるため、効率的にメンテナンスを行うことができる。
【0026】
上記の塗布装置は、前記チャンバは、前記空間のうち前記塗布部と前記乾燥機構との間を仕切る第2仕切り部材を有することを特徴とする。
本発明によれば、仕切り部材によって仕切られた空間のうち塗布部と乾燥機構との間を更に第2仕切り部材によって仕切ることにより、塗布処理及び乾燥処理のそれぞれを独立した空間で行うことができる。これにより、処理毎に処理環境を調整することができる。加えて、例えばメンテナンスが必要となった空間のみを選択して対応することができるため、効率的にメンテナンスを行うことができる。
【0027】
上記の塗布装置は、前記金属は、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含む金属について酸化を確実に防ぐことができる。これにより、液状体層の膜質の低下を防ぐことができる。
【0028】
上記の塗布方法は、前記塗布ステップの後、複数の前記液状体層を焼成させる加熱ステップを更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、塗布ステップの後、複数の液状体層を焼成させることとしたので、複数の液状体層の膜質を高めることができる。
【0029】
上記の塗布方法は、前記加熱ステップの後、前記基板を冷却する冷却ステップを更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、加熱ステップの後、基板を冷却することとしたので、効率的に基板の温度を調整することができる。
【0030】
上記の塗布装置は、前記基板上の前記液状体を焼成させる加熱機構を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、基板上の液状体を焼成させる加熱機構を更に備えることとしたので、液状体の膜質を高めることができる。
【0031】
上記の塗布装置は、前記加熱機構によって加熱された前記基板を冷却する冷却機構を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、加熱機構によって加熱された基板を冷却する冷却機構を更に備えることとしたので、効率的に基板の温度を調整することができる。
【0032】
上記の塗布装置は、前記チャンバは、前記基板を収容可能な複数の収容室を有し、前記加熱機構及び前記冷却機構は、複数の前記収容室のうち互いに異なる前記収容室に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、チャンバが基板を収容可能な複数の収容室を有し、加熱機構及び冷却機構が複数の収容室のうち互いに異なる収容室に配置されていることとしたので、それぞれの収容室において基板の温度を調整しやすい構成となる。
【0033】
上記の塗布装置は、前記塗布部は、複数の前記収容室のうち前記加熱機構及び前記冷却機構が配置される前記収容室とは異なる前記収容室に配置されたノズルを有することを特徴とする。
本発明によれば、塗布部が複数の収容室のうち加熱機構及び冷却機構が配置される収容室とは異なる収容室に配置されたノズルを有することとしたので、基板の温度変化の影響を受けることなく、基板に液状体が吐出されることとなる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、易酸化性の金属を含む塗布膜の膜質の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る塗布装置の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係る塗布装置の一部の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る塗布装置の動作を示す図。
【図4】同、動作図。
【図5】同、動作図。
【図6】同、動作図。
【図7】同、動作図。
【図8】同、動作図。
【図9】同、動作図。
【図10】同、動作図。
【図11】本実施形態に係る塗布装置の他の構成を示す図。
【図12】本実施形態に係る塗布装置の他の構成を示す図。
【図13】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の構成を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の他の構成を示す図。
【図15】本発明の第3実施形態に係る塗布装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
以下の各図において、本実施形態に係る塗布装置の構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、図中左右方向をX方向と表記し、平面視でX方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
【0037】
[塗布装置]
図1は、本実施形態に係る塗布装置CTRの構成を示す概略図である。
図1に示すように、塗布装置CTRは、チャンバCB、塗布部CT、塗布環境調整部AC、乾燥部DR、基板搬送部TR及び制御装置CONTを備えている。塗布装置CTRは、チャンバCB内で基板S上に液状体を塗布する装置である。
【0038】
本実施形態では、液状体として、例えばヒドラジンなどの溶媒に、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)といった易酸化性の金属材料を含有する液状組成物を用いている。この液状組成物は、CIGS型太陽電池の光吸収層(光電変換層)を構成する金属材料を含んでいる。本実施形態では、他の液状体として、ヒドラジンなどの溶媒にナトリウム(Na)を分散させた液状組成物を用いている。この液状組成物は、CIGS太陽電池の光吸収層のグレインサイズを確保するための物質を含んでいる。勿論、液状体として、他の易酸化性の金属を分散させた液状体を用いる構成としても構わない。本実施形態では、基板Sとして、例えばガラスや樹脂などからなる板状部材を用いている。
【0039】
(チャンバ)
チャンバCBは、筐体10、基板搬入口11及び基板搬出口12を有している。筐体10は、内部に基板Sを収容可能に設けられている。基板搬入口11及び基板搬出口12は、筐体10に形成された開口部である。基板搬入口11は、例えば筐体10の−X側端部に形成されている。基板搬出口12は、例えば筐体10の+X側端部に形成されている。基板搬入口11及び基板搬出口12は、例えば不図示のロードロックチャンバに接続されている。
【0040】
基板搬入口11には、シャッタ部材11aが設けられている。シャッタ部材11aは、Z方向に移動可能に設けられており、基板搬入口11を開閉可能に設けられている。基板搬出口12には、シャッタ部材12aが設けられている。シャッタ部材12aは、シャッタ部材11aと同様、Z方向に移動可能に設けられており、基板搬出口12を開閉可能に設けられている。シャッタ部材11a及びシャッタ部材12aを共に閉状態にすることにより、チャンバCB内が密閉されるようになっている。図1においては、シャッタ部材11a及びシャッタ部材12aがそれぞれ閉状態になっている状態が示されている。
【0041】
(塗布部)
塗布部CTは、チャンバCBの筐体10内に収容されている。塗布部CTは、長尺状に形成された3つのスリットノズルNZ1〜NZ3を有している。スリットノズルNZ1〜NZ3は、X方向に沿って配列されている。スリットノズルNZ1〜NZ3は、Y方向に長手になるように形成されている。
【0042】
図2は、スリットノズルNZ1〜NZ3の構成を示す図である。図2においては、スリットノズルNZ1〜NZ3の−Z側から+Z側を見たときの構成を示している。
同図に示すように、スリットノズルNZ1〜スリットノズルNZ3は、ノズル開口部21〜23を有している。ノズル開口部21〜23は、それぞれ液状体を吐出する。ノズル開口部21〜23は、スリットノズルNZ1〜NZ3の長手方向に沿ってY方向に形成されている。ノズル開口部21〜23は、長手方向が基板SのY方向の寸法とほぼ同一となるように形成されている。
【0043】
スリットノズルNZ1は、例えば上記のCu、In、Ga、Seの4種類の金属が第1組成比で混合された液状体を吐出する。スリットノズルNZ2は、ナトリウム(Na)を含む液状体を吐出する第2塗布部である。スリットノズルNZ3は、Cu、In、Ga、Seの4種類の金属が第2組成比で混合された液状体を吐出する。第1組成比及び第2組成比は、同一の組成比であっても構わないし、異なる組成比であっても構わない。
【0044】
このように、本実施形態に係る塗布装置CTRでは、光吸収層の構成材料を含んだ液状体を吐出するスリットノズル(NZ1、NZ3)と当該光吸収層のドーパント層の構成材料を含んだ液状体スリットノズル(NZ3)とがX方向に交互に配置されている。スリットノズルNZ1〜NZ3は、接続配管(不図示)などを介して、それぞれ液状体の供給源(不図示)に接続されている。
【0045】
各スリットノズルNZ1〜NZ3は、内部に液状体を保持する保持部を有している。スリットノズルNZ1〜NZ3は、保持部に保持された液状体の温度を調整する温調機構(不図示)を有している。
【0046】
(塗布環境調整部)
図1に戻って、塗布環境調整部ACは、酸素濃度センサ31、圧力センサ32、不活性ガス供給部33、排気部34を有している。
酸素濃度センサ31は、チャンバCB内の酸素濃度を検出し、検出結果を制御装置CONTに送信する。圧力センサ32は、チャンバCB内の圧力を検出し、検出結果を制御装置CONTに送信する。酸素濃度センサ31及び圧力センサ32は、それぞれ複数設けられている構成であっても構わない。図1においては、酸素濃度センサ31及び圧力センサ32は、チャンバCBの筐体10の天井部分に取り付けられた構成が示されているが、他の部分に設けられている構成であっても構わない。
【0047】
不活性ガス供給部33は、チャンバCBの筐体10内に例えば窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを供給する。不活性ガス供給部33は、ガス供給源33a、配管33b及び供給量調整部33cを有している。ガス供給源33aは、例えばガスボンベなどを用いることができる。
【0048】
配管33bは、一端がガス供給源33aに接続されており、他端がチャンバCBの筐体10内に接続されている。配管33bのうちチャンバCBに接続された端部が、チャンバCBにおける不活性ガス供給口となる。この不活性ガス供給口は、筐体10の+Z側に配置されている。
【0049】
供給量調整部33cは、筐体10内に供給する不活性ガスの供給量を調整する部分である。供給量調整部33cとしては、例えば電磁弁や手動で開閉させるバルブなどを用いることができる。供給量調整部33cは、例えば配管33bに設けられている。供給量調整部33cについては、配管33bに配置する構成の他、例えばガス供給源33aに直接設置する構成としても構わない。
【0050】
排気部34は、チャンバCBの筐体10内の気体を筐体10外部に排出する。排気部34は、排気駆動源34a、配管34b、配管34c及び除去部材34dを有している。排気駆動源34aは、配管34bを介して筐体10の内部に接続されている。排気駆動源34aとしては、例えばポンプなどが用いられている。配管34bは、筐体10の内部に設けられる端部に排気口を有している。この排気口は、筐体10の−Z側に配置されている。
【0051】
このように、不活性ガス供給口が筐体10の+Z側に配置され、排気口が筐体10の−Z側に配置されていることにより、筐体10内において気体が−Z方向に流通するようになっている。このため、筐体10内において気体の巻き上げの発生が抑えられた状態になっている。
【0052】
配管34cは、一端が排気駆動源34aに接続されており、他端が不活性ガス供給部33の配管33bに接続されている。配管34cは、排気駆動源34aによって排気された筐体10内の気体を供給経路に循環させる循環経路となる。このように、排気部34は、筐体10内の気体を循環させる循環機構を兼ねている。配管34cの接続先としては、不活性ガス供給部33の配管33bに限られず、例えば直接筐体10内に接続されている構成であっても構わない。
【0053】
除去部材34dは、配管34c内に設けられている。除去部材34dとしては、例えば配管34c内を流通する気体のうち酸素成分及び水分を吸着させる吸着剤が用いられている。このため、循環させる気体を清浄化させることができるようになっている。除去部材34dは、配管34c内の一箇所に配置させる構成であっても構わないし、配管34cの全体に亘って配置された構成であっても構わない。
【0054】
(乾燥部)
乾燥部DRは、基板S上に塗布された液状体を乾燥させる部分である。乾燥部DRは、内部に赤外線などの加熱機構を有している。乾燥部DRは、当該加熱機構を用いることにより、液状体を加熱させて乾燥させるようになっている。乾燥部DRは、平面視でスリットノズルNZ1〜NZ3に重ならない位置に設けられている。具体的には、乾燥部DRは、スリットノズルNZ1とスリットノズルNZ2との間、スリットノズルNZ2とスリットノズルNZ3との間、スリットノズルNZ3の+X側にそれぞれ1つずつ配置されている。このため、乾燥部DRの作用(例えば赤外線の照射)がスリットノズルNZに及びにくくなっており、スリットノズルNZ内の液状体が乾燥しにくい構成となっている。このように乾燥部DRをスリットノズルNZの+Z側に配置しない構成にすることで、NZの目詰まりを防止することができ、易酸化性の金属材料を含有する液状組成物の変質を防止することができるようになっている。
【0055】
(基板搬送部)
基板搬送部TRは、筐体10内で基板Sを搬送する部分である。基板搬送部TRは、複数のローラ部材50を有している。ローラ部材50は、基板搬入口11から基板搬出口12にかけてX方向に配列されている。各ローラ部材50は、Y軸方向を中心軸方向としてY軸周りに回転可能に設けられている。
【0056】
複数のローラ部材50は、それぞれ等しい径となるように形成されており、Z方向上の位置が等しくなるように配置されている。複数のローラ部材50は、+Z側の上端において基板Sを支持するようになっている。このため、各ローラ部材50の支持位置は同一面上に形成され、複数のローラ部材50によって基板Sの搬送面50aが形成されることになる。
【0057】
基板Sの搬送面50aは、基板搬入口11における基板Sの搬入位置及び基板搬出口12における基板Sの搬出位置との間でZ方向上の位置が等しくなるように形成されている。このため、基板Sは、基板搬入口11から基板搬出口12に至るまで、Z方向上の位置が変化することなく、安定して搬送されるようになっている。
【0058】
チャンバCB内の基板搬送面50a上の空間のうち、各スリットノズルNZ1〜NZ3の−Z側は、基板Sに液状体の塗布が行われる塗布空間R1となる。チャンバCB内の基板搬送面50a上の空間のうち、各塗布空間R1の間、スリットノズルNZ1の−X側及びスリットノズルNZ3の+Z側の空間は、それぞれ塗布後搬送空間R2となる。最も−X側に形成される塗布後搬送空間R2は、スリットノズルNZ1を用いて基板Sを−X方向に移動させながら液状体の塗布を行う場合の塗布後搬送空間となる。
【0059】
(制御装置)
制御装置CONTは、塗布装置CTRを統括的に制御する部分である。具体的には、制御装置CONTは、チャンバCBのシャッタ部材11a及び12aの開閉動作、基板搬送部TRの搬送動作、塗布部CTによる塗布動作、乾燥部DRによる乾燥動作、塗布環境調整部ACによる調整動作を制御する。調整動作の一例として、制御装置CONTは、酸素濃度センサ31及び圧力センサ32による検出結果に基づいて、不活性ガス供給部33の供給量調整部33cの開度を調整する。
【0060】
[塗布方法]
次に、本実施形態に係る塗布方法を説明する。本実施形態では、上記のように構成された塗布装置CTRを用いて基板S上に塗布膜を形成する。塗布装置CTRの各部で行われる動作は、制御装置CONTによって制御される。
【0061】
制御装置CONTは、チャンバCB内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に調整させる。具体的には、不活性ガス供給部33を用いてチャンバCB内に不活性ガスを供給させる。この場合、制御装置CONTは、適宜排気部34を作動させることによってチャンバCB内の圧力を調整させるようにしても構わない。
【0062】
加えて、制御装置CONTは、スリットノズルNZ1〜NZ3の保持部にそれぞれ液状体を保持させる。制御装置CONTは、スリットノズルNZ1〜NZ3内の温調機構を用いて、保持部に保持された液状体の温度を調整させる。このように、制御装置CONTは、基板Sに液状体を吐出させる状態を整えておく。
【0063】
塗布装置CTRの状態が整ったら、制御装置CONTは、ロードロックチャンバからチャンバCB内に基板Sを搬入させる。具体的には、制御装置CONTは、基板搬入口11のシャッタ部材11aを上昇させ、基板搬入口11から基板SをチャンバCB内に搬入させる。
【0064】
基板Sの搬入後、制御装置CONTは、基板搬送部TRのローラ部材50を回転させ、基板Sを+X方向に移動させる。基板Sの+X側の端辺がZ方向視でスリットノズルNZのノズル開口部21に重なる位置に到達したら、図3に示すように、制御装置CONTはスリットノズルNZ1を作動させてノズル開口部21から液状体Q1を吐出させる。
【0065】
制御装置CONTは、スリットノズルNZ1の位置を固定させた状態でノズル開口部21から液状体Q1を吐出させながらローラ部材50を回転させる。この動作により、基板Sの移動と共に基板Sの+X側から−X側へ液状体が塗布され、図4に示すように、基板Sの所定領域上に当該液状体の第1塗布膜L1が形成される(塗布ステップ)。第1塗布膜L1の形成後、制御装置CONTは、ノズル開口部21からの液状体の吐出動作を停止させる。
【0066】
吐出動作を停止後、制御装置CONTは、3つの乾燥部DRのうち最も−X側の乾燥部DRを作動させて基板S上の第1塗布膜を乾燥させる(乾燥ステップ)。制御装置CONTは、例えば基板SがスリットノズルNZ1とスリットノズルNZ2との間の位置に移動させた後、ローラ部材50の回転動作を停止させ、基板Sの移動を停止させた状態で乾燥部DRを作動させるようにする。このため、基板Sに対しては、第1塗布膜L1が塗布された位置から外れた位置で乾燥ステップが行われることになる。例えば基板S上の第1塗布膜L1が乾燥するまでの時間や乾燥温度などを予め記憶させておくようにし、制御装置CONTが当該記憶させた値を用いて乾燥時間及び乾燥温度などを調整することで第1塗布膜L1の乾燥動作を行わせる。
【0067】
第1塗布膜L1の乾燥動作の後、制御装置CONTは、ローラ部材50を回転させて基板Sを+X側へ移動させる。基板Sの+X側の端辺がZ方向視でスリットノズルNZ2のノズル開口部22に重なる位置に到達したら、図5に示すように、制御装置CONTはスリットノズルNZ2を作動させてノズル開口部22から液状体Q2を吐出させる。
【0068】
制御装置CONTは、スリットノズルNZ1を用いた塗布動作と同様に、スリットノズルNZ2の位置を固定させた状態でノズル開口部22から液状体を吐出させながらローラ部材50を回転させる。この動作により、第1塗布膜L1上の+X側から−X側へ液状体が塗布され、図6に示すように、当該第1塗布膜L1上に第2塗布膜L2が形成される(ドーパント層形成ステップ)。第2塗布膜L2の形成後、制御装置CONTは、ノズル開口部22からの液状体の吐出動作を停止させる。第2塗布膜L2は、第1塗布膜L1にNaを供給するドーパント層として機能する。第2塗布膜L2内のNa原子は、第1塗布膜L1内に移動し、第1塗布膜L1の結晶性の向上に寄与することとなる。
【0069】
第2塗布膜L2の形成後、制御装置CONTは、ローラ部材50を回転させて基板Sを+X側へ移動させる。基板SがZ方向視でスリットノズルNZ3のノズル開口部23に重なる位置に到達したら、図7に示すように、制御装置CONTはスリットノズルNZ3を作動させてノズル開口部23から液状体Q3を吐出させる。なお、第2塗布膜L2の形成後においても、乾燥部DR(3つのうち中央のもの)を用いて乾燥ステップを行わせるようにしても構わない。この場合、例えば基板Sの位置がスリットノズルNZ2とスリットノズルNZ3との間に到達させた後、基板Sの移動を停止させた状態で行わせることができる。
【0070】
制御装置CONTは、スリットノズルNZ3の位置を固定させた状態でノズル開口部21から液状体Q3を吐出させながらローラ部材50を回転させる。この動作により、基板Sの移動と共に第2塗布膜L2上に液状体Q3が塗布され、図8に示すように、第2塗布膜L2上に当該液状体の第3塗布膜L3が形成される。第3塗布膜L3の形成後、制御装置CONTは、ノズル開口部23からの液状体の吐出動作を停止させる。
【0071】
吐出動作を停止後、制御装置CONTは、3つの乾燥部DRのうち最も+X側の乾燥部DRを作動させて第3塗布膜L3を乾燥させる。制御装置CONTは、第1塗布膜L1の乾燥動作と同様に、例えば基板SがスリットノズルNZ3の+X側に移動させた後、ローラ部材50の回転動作を停止させ、基板Sの移動を停止させた状態で乾燥部DRを作動させるようにする。例えば第3塗布膜L3の乾燥時間や乾燥温度などについては、第1塗布膜L1の乾燥時間、乾燥温度と同様に予め記憶させておくようにし、制御装置CONTが当該記憶させた値を用いて乾燥時間及び乾燥温度などを調整することで第3塗布膜L3の乾燥動作を行わせる。
【0072】
第3塗布膜L3の乾燥動作の後、制御装置CONTは、ローラ部材50を上記の場合とは逆方向に回転させて基板Sを−X側へ移動させる。基板Sの−X側の端辺がZ方向視でスリットノズルNZ2のノズル開口部22に重なる位置に到達したら、図9に示すように、制御装置CONTはスリットノズルNZ2を作動させてノズル開口部22から液状体Q2を吐出させる。
【0073】
制御装置CONTは、スリットノズルNZ2の位置を固定させた状態でノズル開口部22から液状体を吐出させながらローラ部材50をそのまま回転させる。この動作により、第3塗布膜L3上の−X側から+X側へ液状体が塗布され、図10に示すように、当該第3塗布膜L3上に第4塗布膜L4が形成される。第4塗布膜L4の形成後、制御装置CONTは、ノズル開口部22からの液状体の吐出動作を停止させる。第4塗布膜L4は、第3塗布膜にNaを供給するドーパント層として機能する。第4塗布膜L4内のNa原子は、第3塗布膜L3内に移動し、第3塗布膜L3の結晶性の向上に寄与することとなる。
【0074】
この後、例えば制御装置CONTは、スリットノズルNZ1又はスリットノズルNZ3のいずれかの下方(−Z側)に移動し、液状体Q1又は液状体Q3を第4塗布膜L4上に第5塗布膜(不図示)を塗布させる。第5塗布膜の形成後、制御装置CONTは、当該第5塗布膜上にスリットノズルNZ2から液状体Q2を吐出し、第6塗布膜を形成する。この動作を繰り返しながら、基板S上に光吸収層を形成する。
【0075】
上記の4種類の半導体材料を分散させた液状体Q1及びQ3を基板S上に塗布することで光吸収層を液状体の塗布によって形成する場合、例えばCuやIn、Ga、Seなどは酸化しやすい性質を有する(易酸化性)金属であるため、チャンバCB内における酸素濃度が高いと、易酸化性の金属が酸化してしまう。これらの金属が酸化してしまうと、基板S上に形成される塗布膜の膜質が低下してしまう虞がある。
【0076】
そこで、本実施形態では、制御装置CONTは、塗布環境調整部ACを用いてチャンバCB内の酸素濃度を調整させるようにしている(調整ステップ)。具体的には、制御装置CONTは、不活性ガス供給部33を用いることにより、チャンバCB内に不活性ガスを供給する。
【0077】
不活性ガス供給ステップでは、制御装置CONTは、まず酸素濃度センサ31によってチャンバCB内の酸素濃度を検出させる。制御装置CONTは、検出ステップでの検出結果に基づき、供給量調整部33cを用いて不活性ガスの供給量を調整させつつ、チャンバCB内に不活性ガスを供給させる。例えば、検出された酸素濃度が予め設定された閾値を超えた場合にチャンバCB内に不活性ガスを供給させることができる。当該閾値については、予め実験やシミュレーションなどによって求めておき、制御装置CONTに記憶させておくことができる。また、例えば、塗布動作及び乾燥動作の間、常時一定量の不活性ガスをチャンバCB内に供給させた状態にしておき、酸素濃度センサ31の検出結果に基づいて、供給量を多くしたり少なくしたりさせることもできる。
【0078】
不活性ガス供給ステップでは、制御装置CONTは、酸素濃度センサ31を用いると同時に、圧力センサ32によってチャンバCB内の気圧を検出させる。制御装置CONTは、第2検出ステップでの検出結果に基づき、供給量調整部33cを用いて不活性ガスの供給量を調整しつつ、チャンバCB内に不活性ガスを供給させる。例えば、チャンバCB内の気圧が予め設定された閾値を超えた場合に、排気部34を用いてチャンバCB内を排気させる。この閾値についても、予め実験やシミュレーションなどによって求めておき、制御装置CONTに記憶させておくことができる。また、例えば、塗布動作及び乾燥動作の間、チャンバCB内を常時一定量排気させた状態にしておき、圧力センサ32の検出結果に基づいて、排気量を多くしたり少なくしたりさせることもできる。
【0079】
排気部34から排気された気体は、配管34b及び配管34cを流通して不活性ガス供給部33の配管33bに循環される。配管34cを流通する際、この気体は除去部材34dを通過する。気体が除去部材34dを通過する際、気体中の酸素成分が除去部材34dに吸着されて除去される。このため、酸素濃度が低い状態の不活性ガスが配管33bに循環されることになる。チャンバCB内の気体を循環させることにより、温度などが安定化された状態で不活性ガスが供給されることになる。
【0080】
以上のように、本実施形態によれば、チャンバCB内の酸素濃度を調整する塗布環境調整部ACにより、チャンバCB内の酸素濃度を抑えることができるので、液状体Q1、Q3若しくは当該液状体Q1、Q3に含まれる易酸化性の金属が酸化してしまうのを防ぐことができる。これにより、塗布膜の膜質の低下を抑えることができる。
【0081】
加えて、本実施形態のように、例えば液状体Q1、Q3を基板Sに複数回重ねて塗布する場合には、塗布回数が多い分、易酸化性の金属の酸化が生じる可能性が増大する。これに対して、本実施形態では、チャンバCB内の酸素濃度を調整することにより、液状体Q1、Q3の複数回の塗布を行う場合であっても、易酸化性の金属の酸化を極力抑えることができる。これにより、塗布膜の膜質の低下をより確実に抑えることができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、塗布ステップにおいて、易酸化性の金属を含む液状体の塗布膜L1、L3の間にドーパント層としての塗布膜L2、L4を形成することとしたので、塗布膜L1、L3のグレインサイズを大きくすることができ、良質の塗布膜とすることができる。
【0083】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、乾燥部DRの構成として、スリットノズルNZ1〜NZ3に跨るようにX方向に沿って連続して配置させる構成としたが、これに限られることは無く、例えばスリットノズルNZ1とスリットノズルNZ2の間や、スリットノズルNZ2とスリットノズルNZ3との間、スリットノズルNZ1の−X側、スリットノズルNZ3の+X側というように、塗布後搬送空間R2上に選択的に配置する構成としても構わない。
【0084】
また、上記実施形態では、チャンバCB内の酸素濃度を検出し、当該検出結果に基づいて不活性ガスの供給量を調整する構成としたが、これに限られることは無く、例えばチャンバCB内の湿度を検出し、当該検出された湿度に基づいて不活性ガスの供給量を調整する構成としても構わない。この場合、例えばチャンバCB内には、酸素濃度センサ31の他、湿度センサを別途配置させるようにする。酸素濃度センサ31の代わりに当該湿度センサを配置させる構成であっても構わない。また、この場合、除去部材34dとして、気体中の水分を吸着させる吸着剤を設けるようにすることが好ましい。
【0085】
また、上記実施形態においては、塗布部CTの構成として、スリットノズルNZ1〜スリットノズルNZ3を用いた構成としたが、これに限られることは無く、例えばディスペンサ型の塗布部を用いても構わないし、インクジェット型の塗布部を用いても構わない。また、例えば基板S上に配置される液状体をスキージなどを用いて拡散させて塗布する構成であっても構わない。また、例えば、スリットノズルNZ2については、スプレー方式の塗布部を用いる構成としても構わない。
【0086】
また、上記実施形態においては、塗布部CTを構成するスリットノズルNZ1〜スリットノズルNZ3を固定させた構成としたが、これに限られることは無く、例えばこれらのスリットノズルNZ1〜スリットノズルNZ3を移動させる移動機構を備える構成とし、スリットノズルを移動させるようにすることも可能である。
【0087】
また、上記実施形態においては、基板搬送部TRとしてローラ部材50を用いた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば基板Sを浮上させる浮上機構を用いて基板Sを搬送させる構成としても構わない。この場合、チャンバCB内のうちスリットノズルNZ1〜スリットノズルNZ3が配置された領域に浮上機構を選択的に配置する構成にすることができる。この構成により、基板Sに形成する塗布膜の膜厚の制御を精密に行うことができる。
【0088】
また、上記実施形態においては、スリットノズルNZ1〜NZ3及び3つの乾燥部DRをチャンバCB内の1つの空間に配置する構成としたが、これに限られることはない。例えば図11に示すように、スリットノズルと乾燥部とが1つずつ含まれるようにチャンバCB内の空間が仕切られていても構わない。この場合、図11に示すように、チャンバCB内には、仕切り部材13及び15が配置され、チャンバCB内には3つの空間が形成されることになる。3つの空間には、それぞれ塗布環境調整部AC1〜AC3が設けられている。塗布環境調整部AC1〜AC3は、例えば上記実施形態に記載の塗布環境調整部ACと同一構成となっている。なお、図11には、図を判別しやすくするため、塗布環境調整部AC3の構成を代表させて示しており、塗布環境調整部AC1及びAC2の構成については一部を省略して示している。
【0089】
仕切り部材13、15は、基板Sの搬送方向に沿って配置されている。このため、基板Sは、仕切り部材13、15を跨ぐように搬送されることになる。例えば仕切り部材13、15のうち基板Sの高さ位置(Z方向上の位置)に対応する領域には、それぞれ開口部14、16が形成されている。開口部14、16には、蓋部14a、16aがそれぞれ設けられており、開口部14、16が開閉可能に設けられている。基板Sを搬送する場合、基板Sが仕切り部材13、15を通過する際には蓋部14a、16aをそれぞれ開状態として当該基板Sを通過させる。基板Sが通過しないときや、各空間内で処理を行う場合には蓋部14a、16aを閉状態とする。
【0090】
このように、スリットノズルと乾燥部とをそれぞれ1つずつ含む空間毎に基板Sを処理する構成としたので、例えばメンテナンスが必要となった空間のみを選択して対応することができるため、効率的にメンテナンスを行うことができる。
【0091】
また、チャンバCB内を複数の空間に区切る構成として、例えば図12に示すような構成とすることもできる。具体的には、チャンバCB内が、スリットノズルNZ1〜NZ3及び3つの乾燥部DRのそれぞれを1つだけ含む空間に仕切られており、チャンバCB内に6つの空間が形成されている。6つの空間には、それぞれ塗布環境調整部AC1〜AC6が設けられている。塗布環境調整部AC1〜AC6は、例えば上記実施形態に記載の塗布環境調整部ACと同一構成となっている。なお、図12には、図を判別しやすくするため、塗布環境調整部AC6の構成を代表させて示しており、塗布環境調整部AC1〜AC5の構成については一部を省略して示している。
【0092】
仕切り部材110、112、114、116、118は、基板Sの搬送方向に沿って配置されている。このため、基板Sは5つの仕切り部材110、112、114、116、118を跨いで搬送されることになる。仕切り部材110、112、114、116、118には、それぞれ開口部111、113、115、117、119が設けられており、各開口部には蓋部111a、113a、115a、117a、119aが設けられている。この構成は、図11に示す構成についてスリットノズルNZ1〜NZ3と乾燥部DRとの間を更に仕切った構成となっている。
【0093】
このように、スリットノズルNZ1〜NZ3及び乾燥部DRのうち1つのみを含む空間毎に区切られるため、処理毎に処理環境を調整することができる。加えて、例えばメンテナンスが必要となった空間のみを選択して対応することができるため、効率的にメンテナンスを行うことができる。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図13は、本実施形態に係る塗布装置CTR2の構成を示す図である。図13に示すように、塗布装置CTR2は、基板搬入部LDR及び基板処理部PRCを有している。
【0095】
なお、図13においては、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、図中左右方向をX方向と表記し、平面視でX方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
【0096】
基板搬入部LDRは、アンチロックチャンバ装置CBLを有している。アンチロックチャンバ装置CBLは、収容室RML、基板搬入口ENL及び基板搬出口EXLを有している。基板搬入口ENLは、収容室RMLの−X側の壁部に形成されており、例えば外部に接続されている。基板搬出口EXLは、収容室RMLの+X側の壁部に形成されている。基板搬入口ENL及び基板搬出口EXLは、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。収容室RMLには、基板Sを搬送する基板搬送機構TRLが設けられている。基板搬送機構TRLは、収容室RML内で基板Sを搬送する。
【0097】
基板搬送機構TRLは、複数のローラー部材50を有している。ローラー部材50は、基板搬入口ENLから基板搬出口EXLにかけてX方向に配列されている。各ローラー部材50は、Y軸方向を中心軸方向としてY軸周りに回転可能に設けられている。複数のローラー部材50は、それぞれ等しい径となるように形成されており、Z方向上の位置が等しくなるように配置されている。複数のローラー部材50は、+Z側の上端において基板Sを支持するようになっている。
【0098】
各ローラー部材50は、例えば不図示のローラー回転制御部によって回転が制御されるようになっている。基板搬送機構TRLとしては、図13に示すように例えばコロ搬送機構を用いても構わないし、基板を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送機構を用いても構わない。
【0099】
基板搬入口ENL及び基板搬出口EXLには、それぞれゲートバルブGBが設けられている。ゲートバルブGBを例えばZ方向にスライドさせることにより、基板搬入口ENL及び基板搬出口EXLが開閉するように構成されている。ゲートバルブGBを閉じることにより、収容室RMLが密閉されるようになっている。
基板処理部PRCは、第一チャンバ装置CB1、第二チャンバ装置CB2、第三チャンバ装置CB3及び第四チャンバ装置CB4を有している。第一チャンバ装置CB1、第二チャンバ装置CB2、第三チャンバ装置CB3及び第四チャンバ装置CB4は、例えばX方向に直列に接続されている。
【0100】
第一チャンバ装置CB1は、収容室RM1、基板搬入口EN1及び基板搬出口EX1を有している。収容室RM1は、内部に基板Sを収容可能に設けられている。基板搬入口EN1及び基板搬出口EX1は、収容室RM1に形成された開口部である。基板搬入口EN1は、例えば収容室RM1の−X側端部に形成されており、アンチロックチャンバ装置CBLに接続されている。基板搬出口EX1は、例えば収容室RM1の+X側端部に形成されており、第二チャンバ装置CB2に接続されている。基板搬入口EN1及び基板搬出口EX1は、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0101】
基板搬入口EN1及び基板搬出口EX1には、それぞれゲートバルブGBが設けられている。ゲートバルブGBを例えばZ方向にスライドさせることにより、基板搬入口EN1及び基板搬出口EX1が開閉するように構成されている。ゲートバルブGBを閉じることにより、収容室RM1が密閉されるようになっている。
【0102】
収容室RM1には、基板搬送機構TR1、塗布部CT、メンテナンス部MNが設けられている。基板搬送機構TR1は、収容室RM1内で基板Sを搬送する部分である。基板搬送機構TR1は、複数のローラー部材51を有している。ローラー部材51は、基板搬入口EN1から基板搬出口EX1にかけてX方向に配列されている。各ローラー部材51は、不図示のローラー回転制御部によって回転が制御されるようになっている。基板搬送機構TR1としては、上記の基板搬送機構TRLと同様に、例えばコロ搬送機構を用いても構わないし、基板を浮上させて搬送する浮上搬送機構を用いても構わない。
【0103】
塗布部CTは、第一チャンバ装置CB1の収容室RM1に収容されている。塗布部CTは、長尺状に形成されたスリットノズルNZを有している。スリットノズルNZは、収容室RM1のうち例えばX方向において基板搬入口EN1と基板搬出口EX1との中間の位置に設けられている。スリットノズルNZは、例えばY方向に長手になるように形成されている。スリットノズルNZは、例えば収容室RM1のX方向のほぼ中央部に配置されている。スリットノズルNZの+X側及び−X側は、それぞれ基板Sが配置可能なスペースが確保されている。
【0104】
メンテナンス部MNは、例えばノズルNZの先端を管理するノズル先端管理ユニットNTCを有している。ノズル先端管理ユニットNTCは、収容室RM1を移動可能に設けられている。ノズル先端管理ユニットNTCは、塗布部CTによる塗布精度を高めるため、ノズルNZの先端部分の付着物を除去するなど、ノズルNZの先端部分が最適な状態となるように管理する。ノズル先端管理ユニットNTCは、例えば基板Sの搬送経路上に移動可能に設けられている。
【0105】
第二チャンバ装置CB2は、収容室RM2、基板搬入口EN2及び基板搬出口EX2を有している。収容室RM2は、内部に基板Sを収容可能に設けられている。基板搬入口EN2及び基板搬出口EX2は、収容室RM2に形成された開口部である。基板搬入口EN2は、例えば収容室RM2の−X側端部に形成されており、第一チャンバ装置CB1に接続されている。基板搬出口EX2は、例えば収容室RM2の+X側端部に形成されており、第三チャンバ装置CB3に接続されている。基板搬入口EN2及び基板搬出口EX2は、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0106】
基板搬入口EN2及び基板搬出口EX2には、それぞれゲートバルブGBが設けられている。ゲートバルブGBを例えばZ方向にスライドさせることにより、基板搬入口EN2及び基板搬出口EX2が開閉するように構成されている。ゲートバルブGBを閉じることにより、収容室RM2が密閉されるようになっている。
【0107】
収容室RM2には、基板搬送機構TR2、加熱部HT2、不活性ガス供給部GS及び排気部EXHが設けられている。基板搬送機構TR2は、収容室RM2内で基板Sを搬送する部分である。基板搬送機構TR2は、複数のローラー部材52を有している。ローラー部材52は、基板搬入口EN2から基板搬出口EX2にかけてX方向に配列されている。各ローラー部材52は、不図示のローラー回転制御部によって回転が制御されるようになっている。基板搬送機構TR2としては、上記の基板搬送機構TRLと同様に、例えばコロ搬送機構を用いても構わないし、基板を浮上させて搬送する浮上搬送機構を用いても構わない。
【0108】
加熱部HT2は、基板S上に塗布された液状体を加熱する部分である。加熱部HT2は、内部に赤外線装置やホットプレートなどの加熱機構を有している。加熱部HT2では、当該加熱機構を用いることにより、例えば液状体の乾燥が行われるようになっている。このため、第二チャンバ装置CB2では、減圧下において乾燥を行うことができる構成となっている。
【0109】
不活性ガス供給部GSは、収容室RM2に例えば窒素ガスやアルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスを供給する。不活性ガス供給部GSは、ガス供給源GT及びが州供給管SPを有している。また、不活性ガス供給部GSは、不活性ガスの供給量を調整する不図示の供給量調整部を有している。ガス供給源GTとしては、例えばガスボンベなどを用いることができる。
【0110】
排気部EXHは、収容室RM2の気体を排気し、当該収容室RM1及び収容室RM2を減圧させる場合に用いられる。排気部EXHは、排気駆動源PP及び配管EPを有している。排気駆動源PPは、配管EPを介して収容室RM2に接続されている。排気駆動源EPとしては、例えば吸引ポンプなどが用いられている。配管EPは、収容室RM2に設けられる端部に排気口を有している。この排気口は、例えば収容室RM2の底部(−Z側の面)に配置されている。
【0111】
第三チャンバ装置CB3は、収容室RM3、基板搬入口EN3及び基板搬出口EX3を有している。収容室RM3は、内部に基板Sを収容可能に設けられている。基板搬入口EN3及び基板搬出口EX3は、収容室RM3に形成された開口部である。基板搬入口EN3は、例えば収容室RM3の−X側端部に形成されており、第二チャンバ装置CB2に接続されている。基板搬出口EX2は、例えば収容室RM1の+X側端部に形成されており、第四チャンバ装置CB4に接続されている。基板搬入口EN3及び基板搬出口EX3は、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0112】
基板搬入口EN3及び基板搬出口EX3には、それぞれゲートバルブGBが設けられている。ゲートバルブGBを例えばZ方向にスライドさせることにより、基板搬入口EN3及び基板搬出口EX3が開閉するように構成されている。ゲートバルブGBを閉じることにより、収容室RM3が密閉されるようになっている。
【0113】
収容室RM3には、基板搬送機構TR3及び加熱部HT3が設けられている。基板搬送機構TR3は、収容室RM3内で基板Sを搬送する部分である。基板搬送機構TR3は、複数のローラー部材53を有している。ローラー部材53は、基板搬入口EN3から基板搬出口EX3にかけてX方向に配列されている。各ローラー部材53は、不図示のローラー回転制御部によって回転が制御されるようになっている。基板搬送機構TR3としては、上記の基板搬送機構TRLと同様に、例えばコロ搬送機構を用いても構わないし、基板を浮上させて搬送する浮上搬送機構を用いても構わない。
【0114】
加熱部HT3は、基板S上に塗布された液状体を加熱する部分である。加熱部HT3は、内部に赤外線装置やホットプレート、オーブン機構などの加熱機構を有している。当該加熱部HT3としては、例えば上記の加熱部HT2で用いた加熱機構よりも強力に加熱することができる加熱機構を用いることが好ましい。加熱部HTでは、当該加熱機構を用いることにより、基板Sのベークが行われるようになっている。収容室RM3には、加熱部HT3が複数箇所、例えば2箇所に設けられている。このため、収容室RM3における加熱動作は、収容室RM2における加熱動作に比べて、より高い温度で基板Sを加熱することができる構成となっている。
【0115】
第四チャンバ装置CB4は、収容室RM4、基板搬入口EN4及び基板搬出口EX4を有している。収容室RM4は、内部に基板Sを収容可能に設けられている。基板搬入口EN4及び基板搬出口EX4は、収容室RM4に形成された開口部である。基板搬入口EN4は、例えば収容室RM4の−X側端部に形成されており、第三チャンバ装置CB3に接続されている。基板搬出口EX4は、例えば収容室RM4の+X側端部に形成されており、外部に接続されている。基板搬入口EN4及び基板搬出口EX4は、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0116】
基板搬入口EN4及び基板搬出口EX4には、それぞれゲートバルブGBが設けられている。ゲートバルブGBを例えばZ方向にスライドさせることにより、基板搬入口EN4及び基板搬出口EX4が開閉するように構成されている。ゲートバルブGBを閉じることにより、収容室RM4が密閉されるようになっている。
【0117】
収容室RM4には、基板搬送機構TR4、冷却部CLが設けられている。基板搬送機構TR4は、収容室RM4内で基板Sを搬送する部分である。基板搬送機構TR4は、複数のローラー部材54を有している。ローラー部材54は、基板搬入口EN4から基板搬出口EX4にかけてX方向に配列されている。各ローラー部材54は、不図示のローラー回転制御部によって回転が制御されるようになっている。基板搬送機構TR4としては、上記の基板搬送機構TRLと同様に、例えばコロ搬送機構を用いても構わないし、基板を浮上させて搬送する浮上搬送機構を用いても構わない。
【0118】
冷却部CLは、第二チャンバ装置CB2や第三チャンバ装置CB3基板Sで加熱された基板Sを冷却する部分である。冷却部CLは、内部に例えば冷媒が流通可能に構成された冷却プレートなどの冷却機構を有している。当該冷却部CLを用いることにより、収容室RM4では基板Sのクーリングが行われるようになっている。
【0119】
制御装置CONTは、塗布装置CTR2を統括的に制御する部分である。具体的には、制御装置CONTは、アンチロックチャンバ装置CBL、第一チャンバ装置CB1、第二チャンバ装置CB2、第三チャンバ装置CB3及び第四チャンバ装置CB4のそれぞれの動作を制御する。具体的な動作としては、例えばゲートバルブCBの開閉動作、基板搬送機構TRL、TR1〜TR4による基板搬送動作、塗布部CTによる塗布動作、加熱部HT2、HT3による加熱動作、排気部EXHによる排気動作、ガス供給部GSによるガス供給動作、冷却部CLによる冷却動作などが挙げられる。
【0120】
上記構成の塗布装置CTR2による塗布動作としては、まず、制御装置CONTは、外部から塗布装置CTR2に基板Sが搬送されてきたら、アンチロックチャンバ装置CBLの基板搬入口ENLに設けられるゲートバルブGBを開いた状態とし、当該基板搬入口ENLから基板Sを収容室RMLに搬入させる。
【0121】
基板Sを収容室RMLに搬入させた後、制御装置CONTは、制御装置CONTは、アンチロックチャンバ装置CBLと第一チャンバ装置CB1と間に設けられたゲートバルブGBを閉じた状態とし、第一チャンバ装置CB1と第二チャンバ装置CB2との間に設けられたゲートバルブGBを開いた状態とする。制御装置CONTは、この状態で、不活性ガス供給部GSによるガスの供給量及び排気部EXHによる排気量を調整し、収容室RM1及び収容室RM2の雰囲気を調整させる。
【0122】
加えて、制御装置CONTは、スリットノズルNZの保持部に液状体を保持させる。制御装置CONTは、スリットノズルNZ内の温調機構を用いて、保持部に保持された液状体の温度を調整させる。このように、制御装置CONTは、基板Sに液状体を吐出させる状態を整えておく。
【0123】
塗布装置CTRの状態が整ったら、制御装置CONTは、アンチロックチャンバ装置CBLの基板搬出口EXL及び第一チャンバ装置CB1の基板搬入口EN1を開いた状態とし、アンチロックチャンバ装置CBLから第一チャンバ装置CB1の収容室RM1に基板Sを搬入させる。
【0124】
基板Sの搬入後、制御装置CONTは、基板搬送機構TR1のローラー部材51を回転させ、基板Sを+X方向に移動させる。基板Sの+X側の端辺がZ方向視でスリットノズルNZに重なる位置に到達したら、制御装置CONTはスリットノズルNZを用いて基板Sに液状体Qを塗布させる。この動作により、基板Sの所定領域上に当該液状体の塗布膜がほぼ均一の膜厚で形成される。塗布膜の形成後、制御装置CONTは、ノズルNZからの液状体の吐出動作を停止させる。
【0125】
吐出動作を停止後、制御装置CONTは、塗布膜が形成された基板Sを第二チャンバ装置CB2の収容室RM2に収容させる。具体的には、制御装置CONTは、収容室RM1の基板搬出口EX1及び収容室RM2の基板搬入口EN2を開いた状態とし、基板搬出口EX1及び基板搬入口EN2を介して当該基板Sを収容室RM2へと搬入させる。
【0126】
制御装置CONTは、基板Sを収容室RM2に搬入した後、当該基板Sが加熱部HT2の−Z側に位置するように移動させ、その後排気部EXHを作動させることにより収容室RM2を減圧させる。収容室RM2を減圧させた後、制御装置CONTは、加熱部HT2を作動させて基板S上の塗布膜を加熱(減圧乾燥)させる。減圧下で液状体を加熱することにより、塗布膜Lは短時間で効率的に乾燥する。このときの加熱温度としては、例えば300℃以下となるようにする。加熱温度を300℃以下とすることにより、基板Sの構成材料が樹脂材料であっても、基板Sに変形させること無く加熱処理が行われることとなる。このため、基板Sの材料の選択の幅が広がることとなる。
【0127】
制御装置CONTは、例えばローラー部材52の回転動作を停止させ、基板Sの移動を停止させた状態で加熱部HT2を作動させるようにする。例えば基板S上の塗布膜が乾燥するまでの時間や加熱温度などを予め記憶させておくようにし、制御装置CONTが当該記憶させた値を用いて加熱時間及び加熱温度などを調整することで塗布膜Lの加熱動作を行わせる。
【0128】
減圧乾燥動作の後、制御装置CONTは、基板Sを第三チャンバ装置CB3の収容室RM3に収容させる。具体的には、制御装置CONTは、収容室RM2の基板搬出口EX2及び収容室RM3の基板搬入口EN3を開いた状態とし、基板搬出口EX2及び基板搬入口EN3を介して当該基板Sを収容室RM3へと搬入させる。
【0129】
制御装置CONTは、基板Sを収容室RM3に搬入した後、当該基板SがZ方向において二つの加熱部HT3に挟まれるように移動させる。基板Sを移動後、制御装置CONTは、加熱部HT3を作動させて基板S及び当該基板S上の塗布膜を加熱(ベーク)させる。当該加熱動作を行わせることにより、塗布膜の状態を安定させることができる。
【0130】
加熱動作の後、制御装置CONTは、基板Sを第四チャンバ装置CB4の収容室RM4に収容させる。具体的には、制御装置CONTは、収容室RM3の基板搬出口EX3及び収容室RM4の基板搬入口EN4を開いた状態とし、基板搬出口EX3及び基板搬入口EN4を介して当該基板Sを収容室RM4へと搬入させる。
【0131】
制御装置CONTは、基板Sを収容室RM4に搬入した後、当該基板SがZ方向において冷却部CL上に配置されるように移動させる。基板Sを移動後、制御装置CONTは、冷却部CLを作動させて基板S及び当該基板S上の塗布膜を冷却(クーリング)させる。当該冷却動作を行わせた後、制御装置CONTは、基板搬出口EX4を介して基板Sを搬出させるようにする。
【0132】
このように、本実施形態によれば、塗布動作、減圧乾燥動作、加熱(ベーク)動作、冷却(クーリング)動作を個別のチャンバ装置(CB1〜CB4)で行わせることとしたので、各動作において個別に環境を設定することができる。
【0133】
なお、図14に示すように、本実施形態に記載の塗布装置CTR2の基板処理部PRCを直列に繰り返し設ける構成とすることができる。この場合、塗布装置CTRSは、基板搬入部LDR及び基板処理部PRC1〜PRC3を有することとなる。各基板処理部PRC1〜PRC3の構成は、上記基板処理部PRCの構成と同一である。また、基板処理部PRC3の第四チャンバ装置CB4は、冷却部とアンローディング装置とを兼ねた構成となっている。この場合、基板Sを一方向(X方向)に搬送することで、基板Sに複数層の塗布膜を形成することができる。なお、この場合、基板処理部PRC1〜PRC3のそれぞれの第一チャンバ装置CB1において、異なる種類の液状体を塗布することができる構成としても構わない。
【0134】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図15は、本実施形態に係る塗布装置CTR3の構成を示す図である。
なお、図15においては、上記実施形態と同様、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、図中左右方向をX方向と表記し、平面視でX方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
本実施形態の塗布装置CTR3は、上記第二実施形態における塗布装置CTR2の構成要素である、基板搬入部LDR(アンチロックチャンバ装置CBL)、第一チャンバ装置CB1、第二チャンバ装置CB2、第三チャンバ装置CB3及び第四チャンバ装置CB4が、インターフェース部IFを中心として分岐されるように接続された構成となっている。
【0135】
インターフェース部IFは、共用チャンバ装置CBIを有している。共用チャンバ装置CBIは、収容室RMI、接続口JNL、JN1〜JN3を有している。接続口JNL、JN1〜JN4は、インターフェース部IFと各チャンバ装置との間を接続する。各接続口JNL、JN1〜JN3は、基板Sが通過可能な寸法に形成されている。これら接続口JN1〜JN4を介して、基板Sがチャンバ装置間を移動可能となっている。
【0136】
接続口JNLは、共用チャンバ装置CBIの収容室RMIとアンチロックチャンバ装置CBLの収容室RMLとを接続する。接続口JN1は、上記収容室RMIと第一チャンバ装置CB1の収容室RM1とを接続する。接続口JN2は、上記収容室RMIと第二チャンバ装置CB2の収容室RM2とを接続する。接続口JN3は、上記収容室RMIと第三チャンバ装置CB3の収容室RM3とを接続する。
【0137】
収容室RMIには、アーム部ARMを有するロボット装置RBTが設けられている。アーム部ARMは、ロボット装置RBTの基部FNDに接続されている。基部FNDは、不図示の駆動機構により、Z方向に移動可能(昇降可能)に設けられている。アーム部ARMは、XY平面上の一方向に伸縮可能に形成されている。アーム部ARMは、基部FNDと接続部を中心として、θZ方向に回転可能に設けられている。
【0138】
アンチロックチャンバ装置CBLの収容室RML、第一チャンバ装置CB1の収容室RM1及び第二チャンバ装置CB2の収容室RM2には、それぞれ基板Sを保持する基板保持部HLDが設けられている。本実施形態においては、収容室RML、収容室RM1及び収容室RM2では、基板Sが基板保持部HLDによって保持された状態で当該基板Sに対して処理が行われる構成となっている。
【0139】
第一チャンバ装置CB1の収容室RM1には、塗布部CT及びメンテナンス部MNが設けられている。塗布部CTは、ノズルNZ及びガイド機構Gを有している。ノズルNZは、ガイド機構Gに沿って移動可能に設けられている。ガイド機構Gは、基板保持部HLDに保持された基板Sの表面(例えば、+Z側の面)上を跨いで延在している。したがって、ノズルNZは、基板Sの表面全体を走査するように移動可能となっている。
【0140】
メンテナンス部MNは、ノズルNZの先端を管理するノズル管理部NTCを有している。ノズル管理部NTCは、例えば基板保持部HLDの側方に配置されている。上記のガイド機構Gは基板保持部HLDから当該ノズル管理部NTCに跨って延在されており、ノズルNZをノズル管理部NTCにアクセスさせることが可能な構成となっている。
【0141】
第三チャンバ装置CB3の収容室RM3及び第四チャンバ装置CB4の収容室RM4には、上記実施形態と同様の基板搬送機構TRが設けられている。収容室RM3には複数の搬送ローラー53が一方向に設けられており、収容室RM4には複数の搬送ローラー54が一方向に設けられている。第三チャンバ装置CB3及び第四チャンバ装置CB4においては、基板Sは収容室RM3及び収容室RM4において一方向に搬送される構成となっている。
【0142】
第二チャンバ装置CB2の収容室RM2には、加熱部HT、不活性ガス供給部GS及び排気部EXHが設けられている。第二チャンバ装置CB2では、減圧下において乾燥を行うことができる構成となっている。第三チャンバ装置CB3の収容室RM3には、加熱部HT3が設けられている。収容室RM3には、加熱部HT3が複数箇所、例えば2箇所に設けられている。収容室RM3における加熱動作は、収容室RM2における加熱動作に比べて、より高い温度で基板Sを加熱することができる構成となっている。第四チャンバ装置CB4の収容室RM4には、冷却部CLが設けられている。当該冷却部CLを用いることにより、収容室RM4では基板Sのクーリングが行われるようになっている。
【0143】
次に、上記構成の塗布装置CTR3の動作を説明する。
基板Sは、まず、基板搬入部LDRであるアンチロックチャンバ装置CBLの基板搬入口ENTから収容室RMLに搬入され、基板保持部HLDに保持される。基板保持部HLDに保持された後、制御装置CONTは、アンチロックチャンバ装置CBLとインターフェース部IFとの間のゲートバルブGBが開放させる。
【0144】
ゲートバルブGBの開放の後、制御装置CONTは、インターフェース部IFに設けられたロボット装置RBTのアーム部ARMを収容室RMLにアクセスさせる。制御装置CONTは、収容室RMLにアクセスさせた当該アーム部ARMを用いて基板保持部HLDに保持された基板Sを持ち上げ、接続口JNLを介してインターフェース部IFに搬送する。
【0145】
次に、制御装置CONTは、共用チャンバ装置CBIと第一チャンバ装置CB1との間のゲートバルブGBを開放させ、基板Sを保持している状態のアーム部ARMを第一チャンバ装置CB1の収容室RM1にアクセスさせる。制御装置CONTは、第一チャンバ装置CB1の基板保持部HLD上に基板Sを載置させ、一旦アーム部ARMを共用チャンバ装置CBIに引き戻させる。
【0146】
アーム部ARMを引き戻させた後、制御装置CONTは、第一チャンバ装置CB1のゲートバルブGBを閉塞させ、収容室RM1内で塗布動作を行わせる。当該塗布動作は、例えば基板Sを基板保持部HLD上に載置させた状態で、ノズルNZを移動させつつ当該ノズルNZから液状体を基板Sの表面(例えば、+Z側の面)に吐出することで、基板Sの表面全体に液状体の塗布膜を形成する。
【0147】
ノズルNZは、例えばガイド機構Gに沿って基板Sの表面上を移動しつつ基板Sの表面に対して液状体を吐出する。これにより、基板Sの表面には均一に液状体の塗布膜を形成されることになる。制御装置CONTは、ノズル管理装置MNを例えば定期的あるいは不定期に用いることにより、ノズルNZの先端(−Z側の端部)を管理させるようにする。
【0148】
塗布動作の後、制御装置CONTは、第一チャンバ装置CB1のゲートバルブGBを開放させ、アーム部ARMによって収容室RM1の基板保持部HLD上の基板Sを共用チャンバ装置CBIへ搬出させる。基板Sの搬出後、制御装置CONTは、共用チャンバCBIと第二チャンバ装置CB2との間のゲートバルブGBを開放させ、アーム部ARMを用いて基板Sを第二チャンバ装置CB2の収容室RM2に搬入させる。
【0149】
制御装置CONTは、収容室RM2の基板保持部HLDによって基板Sが保持されるようにアーム部ARMを移動させる。制御装置CONTは、基板Sが保持された後、アーム部ARMを共用チャンバ装置CBIへ引き戻させ、第二チャンバ装置CB2のゲートバルブGBを閉塞させる。制御装置CONTは、収容室RM2を密閉させた後、排気部EXHを用いて収容室RM2を減圧させると共に、不活性ガス供給部GSを用いて収容室RM2を不活性ガス雰囲気にさせる。収容室RM2を不活性ガス雰囲気としつつ減圧させた状態で、制御装置CONTは、加熱部HT2を用いて基板Sの表面に形成された液状体の塗布膜を乾燥させる。
【0150】
乾燥動作後、制御装置CONTは、アーム部ARMを作動させ、基板Sを収容室RM2から搬出させると共に、当該基板Sを第三チャンバ装置CB3の収容室RM3へ搬入させる。基板Sが収容室RM3に搬入された後、制御装置CONTは、搬送機構TRを作動させることで基板Sを2つの加熱部HT3の間の処理位置へと搬送する。当該処理位置に基板Sが到達した後、制御装置CONTは、加熱部HT3を作動させ、基板Sを焼成させる。焼成動作の後、制御装置CONTは、搬送機構TRを作動させ、基板Sを第四チャンバ装置CB4の収容室RM4へ搬入させる。
【0151】
制御装置CONTは、基板Sが収容室RM4に搬入された後、冷却部CLを作動させることにより、当該基板Sを冷却させる。冷却動作の後、制御装置CONTは、第四チャンバ装置CB4の+X側に配置された基板搬出口EXTから基板Sを塗布装置CTR3の外部に搬出させる。
【0152】
以上のように、本実施形態によれば、共用チャンバ装置CBIにアンチロックチャンバ装置CBL、第一チャンバ装置CB1、第二チャンバ装置CB2及び第三チャンバ装置CB3が接続されており、ロボット装置RBTによって基板Sがインターフェース部IFを介して各チャンバ装置の収容室に搬送される構成としたので、効率的な処理が可能となる。
【0153】
なお、この場合、加熱(ベーク)動作を行う第三チャンバ装置CB3から冷却処理を行う第四チャンバ装置CB4を直列に接続されることにより、ベークされた基板Sを共用チャンバ装置CBIに搬入させずに塗布装置CTR3から搬出させることができる。これにより、共用チャンバ装置CBIの温度が高くなってしまうのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0154】
CTR…塗布装置 CB…チャンバ CT…塗布部 AC…塗布環境調整部 DR…乾燥部 TR…基板搬送部 CONT…制御装置 S…基板 Q1〜Q3…液状体 L1〜L4…塗布膜 NZ1〜NZ3…スリットノズル R1…塗布空間 R2…塗布後搬送空間 10…筐体 21〜23…ノズル開口部 31…酸素濃度センサ 32…圧力センサ 33…不活性ガス供給部 33c…供給量調整部 34…排気部 34c…配管 34d…除去部材 50…ローラ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
易酸化性の金属を含む液状体を基板に複数回塗布し前記基板上に複数の液状体層を積層する塗布ステップと、
前記塗布ステップによって前記液状体の塗布される塗布空間及び前記液状体の塗布された前記基板の塗布後移動空間を囲むチャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整する調整ステップと
を備えることを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
前記塗布ステップは、複数の前記液状体層の間にドーパント層を形成するドーパント層形成ステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】
前記塗布ステップは、前記金属の組成が異なる複数種類の前記液状体を塗布する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布方法。
【請求項4】
前記塗布ステップは、複数の前記液状体層のそれぞれの表面を乾燥させる乾燥ステップを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項5】
前記塗布ステップは、前記基板を移動させながら行う
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項6】
前記金属は、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項7】
易酸化性の金属を含む液状体を基板に塗布する複数の塗布部と、
前記塗布部によって前記液状体の塗布される塗布空間及び前記液状体の塗布された前記基板の塗布後移動空間を囲むチャンバと、
前記チャンバ内の酸素濃度及び湿度のうち少なくとも一方を調整する調整部と
を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項8】
複数の前記塗布部は、前記基板上にドーパントを塗布する第2塗布部を含む
ことを特徴とする請求項7に記載の塗布装置。
【請求項9】
複数の前記塗布部は、前記金属の組成が異なる複数種類の前記液状体を塗布する
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の塗布装置。
【請求項10】
前記基板上の前記液状体の表面を乾燥させる乾燥機構を更に備える
ことを特徴とする請求項7から請求項9のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項11】
前記基板を所定の搬送方向に搬送する搬送機構を更に備え、
複数の前記塗布部は、前記搬送方向に沿って配列されている
ことを特徴とする請求項7から請求項10のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項12】
前記乾燥機構は、前記搬送方向に複数設けられ、
複数の前記塗布部と複数の前記乾燥機構は、前記基板の移動方向に交互に配置されている
ことを特徴とする請求項7から請求項11のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項13】
前記乾燥機構は、平面視で前記塗布部から外れた位置に配置されている
ことを特徴とする請求項12に記載の塗布装置。
【請求項14】
前記チャンバは、前記塗布部及び前記乾燥機構をそれぞれ1つずつ含むように前記チャンバ内を複数の空間に仕切る仕切り部材を有する
ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の塗布装置。
【請求項15】
前記チャンバは、前記空間のうち前記塗布部と前記乾燥機構との間を仕切る第2仕切り部材を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の塗布装置。
【請求項16】
前記金属は、銅、インジウム、ガリウム及びセレンのうち少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項7から請求項15のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項17】
前記塗布ステップの後、複数の前記液状体層を焼成させる加熱ステップ
を更に備える請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項18】
前記加熱ステップの後、前記基板を冷却する冷却ステップ
を更に備える請求項17に記載の塗布方法。
【請求項19】
前記基板上の前記液状体を焼成させる加熱機構
を更に備える請求項7から請求項16のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項20】
前記加熱機構によって加熱された前記基板を冷却する冷却機構
を更に備える請求項19に記載の塗布装置。
【請求項21】
前記チャンバは、前記基板を収容可能な複数の収容室を有し、
前記加熱機構及び前記冷却機構は、複数の前記収容室のうち互いに異なる前記収容室に配置されている
請求項19又は請求項20に記載の塗布装置。
【請求項22】
前記塗布部は、複数の前記収容室のうち前記加熱機構及び前記冷却機構が配置される前記収容室とは異なる前記収容室に配置されたノズルを有する
請求項21に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−78963(P2011−78963A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182316(P2010−182316)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】