説明

境界を有する1若しくはそれ以上の層を備える層状のバリア構造及び該バリア構造の製造方法

システムは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、回路を提供するのに好適に使用可能である。例えば、装置が薄いフィルム状のバッテリ(例えば、リチウムやリチウム化合物を備えるバッテリ)を備え、このバッテリが電気回路に接続する形態を挙げることができる。環境的バリアは、交代層として積層される。交代層を構成する層のうち少なくとも1つは、平滑化、平坦化及び/又は水平化を、物理的構造機能をもたらす層に与える。交代層を構成する層のうち少なくとも他の1つの層を構成し、この層は拡散バリア機能を発揮する。物理的構造機能を与える層は、フォトレジスト、光学的に境界を定めることが可能な層、エネルギ的に境界を定めることが可能な層及び/又はマスク可能な層を備える。物理的構造層は誘電体からなるものであってもよい。層状の構造は、複数の層の対を備え、各層の対は物理的構造層及びバリア層を備える。バリア層は低い気体透過速度性能を備える。このことにより、現状において検知可能な水準以下にまでガスの透過速度を低減可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固相でエネルギを蓄積する装置並びに一体的に組み込まれた回路を備えるエネルギ蓄積装置に関する。より詳しくは、本発明は、様々な装置への環境的なバリアを提供する方法並びにシステムに関し、例えば、固相の薄いフィルム状のエネルギ蓄積装置(例えば、リチウム・バッテリや他の装置)に関する。バリアは、感光性材料を備え及び/又は感光性材料により定義される。
本発明は、米国特許第6,805,998号明細書(発明の名称:「METHOD AND APPARATUS FOR INTEGRATED BATTERY DEVICES」)、米国特許出願第09/815,884号(発明の名称:「Battery Operated Wireless-Communication Apparatus and Method」 出願日2001年3月23日 代理人整理番号1327.011US1)、米国特許出願第10/336,662号(発明の名称:「Active Wireless Tagging System On Peel And Stick Substrate」 出願日2003年1月2日 代理人整理番号:1327.018US1)に記載の事項に関連し、これら出願それぞれについての記載事項は、本明細書に参照として組み込まれる。
更に、本出願は、米国仮特許出願第60/534,660号(出願日:2004年1月6日 出願人:David J. Tarnowski及びMark L. Jenson)に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
電子技術は様々な携帯型装置(例えば、コンピュータ、携帯電話、トラッキング・システム、スキャナなど)に組み込まれる。携帯型装置は、装置とともに電源を携える必要があるという点で欠点を有する。バッテリは、装置の使用時間に対して十分な電力供給を行うことができる能力を備えている必要がある。十分なバッテリ容量を持とうとすれば、結果として、装置の他の部分と比較して、電力供給装置は、非常に重く、嵩張るものとなる。言い換えれば、現状のバッテリは、一般的に、体積が大きく、小さな製品に組み込むことが困難である。したがって、電子技術を組み込んだ小さな製品に適合する小型のバッテリが必要とされている。
【0003】
今日の多くのバッテリは、比較的高価なものである。結果として、このような経済的な因子により、バッテリの広範な使用が妨げられている。言い換えれば、現状において、多くの製品に関連する1つの製品の一部として販売されることはほとんどない。典型的には、製品の一部としてバッテリが提供されることはあるが、バッテリ単体を製品として提供されることはない。
【0004】
ある種の蓄電的性質を有する化学物質を用いる場合において、有害な環境的物質、例えば酸素及び/又は水蒸気により引き起こされる劣化の問題がある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,805,998号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、信頼性が高く、長時間の保管期間においても劣化しないバッテリが必要とされる。更に、廉価に且つ大量生産可能なバッテリが必要とされる。加えて、小型軽量のバッテリ(即ち、電源)が必要であり、少なくとも1つの機能を発揮する電子機器に組み込み可能であるとともに十分な電力を供給するバッテリが必要である。更には、非毒性材料から製造されるバッテリも必要である。また、有害な環境的物質に対して有効に機能するシール技術も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の装置は、環境的バリア(即ち、酸素、水蒸気、窒素或いは二酸化炭素に対するバリアや、リチウム或いはリチウム化合物といったデバイス中の特定の化合物に対して有害な他の物質に対するバリア)を提供する。
このバリアは、必要に応じて、伝導体として提供され、或いは、伝導体として機能する。更には、このバリアは他の回路素子、例えば、コンデンサ、インダクタ或いは薄いフィルム状のバッテリを有する回路内の他のデバイスとして提供され、或いは、機能する。薄いフィルム状のバッテリとしては、リチウム或いはリチウム化合物を有するバッテリを例示することができ、このバッテリが電子チップに接続される。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、基台、基台に接続する回路及び基台並びに回路に接続する薄いフィルム状のバッテリを備えるシステムを提供する。薄いフィルム状のバッテリは、回路に電力を供給する。
いくつかの実施形態では、環境的バリアが異なる材質からなる層が交互に重なり合った交代層として積層される。この交代層において、少なくとも1つの層が、平滑化、平坦化及び/又は水平化する物理的構造機能をもたらし、少なくとも1つの層が拡散バリア機能をもたらす。
いくつかの実施形態において、物理的構造機能をもたらす層は、フォトレジストを備える。更に、光学的に領域を定めることが可能な層、エネルギを与えることにより領域を定めることが可能な層及び/又はマスク可能な層を備える。ここで、「領域を定める」との用語は、側方に広がる領域(即ち、側方に広がる領域の大きさ、面積及び/又は形状)を定めることが可能であることを意味する。
いくつかの実施形態において、物理的構造機能をもたらす層、即ち、物理的構造層は、誘電体である。いくつかの実施形態において、拡散バリア層は、誘電体を含有する。他の実施形態において、拡散バリア層は金属を含有する。
【0009】
本発明は、装置を提供するとともにこの装置を製造し、使用する方法を提供する。装置は、全体的に、1つの電極から他のもう1つの電極へのリチウムイオンの移動を利用し、電流を作り出す。
いくつかの実施形態において、装置はバッテリとして機能する。ある実施形態において、バッテリは、スパッタされ、或いは他の方法により基台上でフィルム状に形成される。他のもう1つの実施形態において、回路がスパッタされ、或いは他の方法により、基台上にフィルム状に形成される。また、バッテリがスパッタされ或いは他の方法で回路上に層若しくはフィルムとして形成される。
回路及びバッテリは、環境的汚染物質に対してシールされる。このシールは、層状の形成されたバリア構造により行われる。このバリア構造は、1若しくはそれ以上の領域を定めることが可能な層を備える。いくつかの実施形態において、1若しくはそれ以上の領域を定めることが可能な層は、1若しくはそれ以上の物理的構造層と1若しくはそれ以上の拡散バリア層を備える。
例えば、いくつかの実施形態において、物理的構造層は、フォトレジスト材料を含有する。フォトレジスト材料はシールされる領域全体(例えば、固体状のリチウムバッテリ)を平滑化及び水平化するために用いられる。このような実施形態において、フォトレジストは、光学的に領域を定めることが可能なマスク機能を装置の他の領域全体にもたらす。これにより、例えば、伝導性を備える接触部が所望の場所に配されることが可能となる。
拡散バリア層に関して、いくつかの実施形態は、アルミニウム−金属材料及び/又は珪素酸化物材料を用いる。いくつかの実施形態において、金属と誘電体とが交互に積層された交代層が用いられ、この交代層は機能的回路素子、例えばコンデンサを提供する。また、拡散バリアが、上部に配される層に対する基礎をなす層となる。
【0010】
いくつかの実施形態において、接着剤が基台に取付けられる。シールされたシステムは接着剤を用いて任意の物体或いはデバイスに取付けられる。例えば、無線周波数を用いたバッテリ動作型のトラッキング・ラベルが商品輸送の間のトラッキングのために製品パッケージに取付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、システムは1若しくはそれ以上のバリアを備える。またシステムは必要に応じてデバイスを備え、このデバイスは、1つのバッテリ或いは複数のバッテリを動作可能或いは作動させる。更に回路がフィルム状の環境的バリアとして形成され、この環境的バリアによりシールされる。この回路は、製品パッケージ或いは製品内に配設可能である。
加えて、バッテリ、活性化デバイス及び回路は、可撓性シート状に形成される。可撓性シートは、その上に接着剤を備える。このように形成された製品パッケージはラベルとなり、梱包物の外表面に配されたり、製品梱包物に取り付けられたり、或いは製品或いはデバイス上に配される。
完全なシステムは、製品或いはデバイスに組み込まれ、デバイスの機能を制御する。或いは製品或いはデバイスについての情報を記録する。
【0012】
いくつかの実施形態において、層状の構造が採用される。この層状の構造は、積層された層の対を複数備える。各層の対は、物理的構造層及び低いガス透過速度特性を備えるバリア層を備える。この低いガス透過速度としては、1日当たり且つ1平方メートル当たり、0.1mL以下とすることを例示できる。
いくつかの実施形態においては、このいくつかの層の対を備える層状の構造は効果的に腐食を低減するのに効果的な水準まで、ガスの透過を低減する。或いはバッテリ内の材料若しくは他のシールされた構成要素と有害な他の反応を低減するのに効果的な水準まで、ガスの透過を低減する。即ち、ガスの透過速度を計測する機器の検知限界以下までガスの透過を低減する。
【発明の効果】
【0013】
いくつかの実施形態において、システム全体は廉価なものとなる。結果として、これらのシステムは、広い分野で用いられる程度に利用可能なものとなる。結果として、製造者、卸売業者や小売業者が、デバイスに取付けられたシステムや、多くのデバイス或いは製品に関連するパッケージの一部として、本発明に係るシステムを提供可能となる。加えて、これらのシステムは軽量であり、十分なエネルギを蓄積可能であり、少なくとも1つの機能を発揮可能となる。システムは、非毒性材料から形成され、製品或いはデバイスとともに用いられたとしても何ら危険を生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図に示す例において、同様の構成を示すものに対しては、いくつかの工程形態を通じて同様の符号が付されている。また、信号及び接続は同一の参照番号で現されている。これらのことは以下の記載内容により明らかとなる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。図面に示される実施形態は、本発明の一部を表現するものであり、本発明の特定の実施形態を実施可能となる。したがって、本発明の要旨を逸脱することなしに、本発明の他の実施形態を利用することが可能であり、以下の説明に示す形態に構造的変更を加えた形態も実施可能である。
【0015】
本発明の様々な実施形態において、図或いは説明中の各バッテリは、1若しくはそれ以上のセル(電池)を用いて実施されるが、複数のセルを用いる場合には、セルはそれぞれ並列に接続されてもよく、直列に接続されてもよい。このようにバッテリ或いは複数のセルが図示され又は説明されるが、この形態において単一のセルを用いてもよい。また、単一のセルが図示され又は説明される場合もあるが、この形態においてバッテリ或いは複数のセルが用いられてもよい。更には、説明において、上面、底面、上方、下方などの用語を用いて例示的に図中において方向などを示すが、製造時或いは使用時に説明で用いた方向に従う必要性はない。
【0016】
本明細書で用いられるウェハ及び基台との用語は、露出する面を有する構造を意味する。この露出する面上には、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)構造或いはエネルギ蓄積デバイスを形成するために、フィルム或いは層が積層される。
基台との用語は、半導体ウェハ、プラスチック製フィルム、金属薄膜、ガラス、無機ポリマ、有機ポリマ、ケイ酸塩、マイラフィルム及び他の材料並びに構造体を意味し、本明細書の開示技術にしたがって、これらの材料上にエネルギ蓄積デバイスが形成される。これらの追加の層は、追加の構造体(例えば、半導体、コイル、アンテナ及びこれらに類するもの)を備えるものであってもよい。例えば、ウェハ及び基台がドープされた半導体、ドープされていない半導体、エピタキシャル半導体層を備え、これら半導体が、ベースの半導体或いは絶縁体、その他当業者に知られた半導体構造に支持される形態を採用してもよい。
本明細書にて説明されるが如く、基台は、初期材料として説明され、フィルム或いは層が基台上に積層される間の製造方法で使用される。
【0017】
バッテリとの用語は、本明細書において、エネルギ蓄積デバイスを意味する。バッテリは1若しくはそれ以上のセルを備え、電流を供給し、電解質を横切るイオンの輸送によって、充填がなされる。イオンの移動は、アノードとカソードの間で生じ、イオンの移動方向は、バッテリが充電状態にあるか放電状態にあるかに依存する。固相状態のバッテリの一例として、LiPON電解質を有するリチウム・イオン・セルを挙げることができる。バッテリは単一のセル或いは、直列若しくは並列に接続された複数のセルからなるものであってもよい。セルは、直流ユニットであり、化学的エネルギ(例えば、イオンエネルギ)を電気エネルギに変換する。セルは、典型的には、2つの電極(カソード及びアノード)を備える。カソード及びアノードは、互いに分離して配され、電解質中でイオンを移動させる。
【0018】
電極は、同一の材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。バッテリの場合には、電極はアノードとカソードからなる。本明細書において、アノードは、陰極を意味し、カソードは陽極を意味する。コンデンサにおいて、電極は、誘電体に隣接して配される鍍金部(板状部)である。カソードを製造するために用いられる材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料を組み合わせてなるものであってもよいが、その一例として、コバルト酸リチウム(Lithium Cobalt Oxide)、マンガン酸リチウム(Lithium Manganese Oxide)、リン酸鉄リチウム(Lithium Iron Phosphate)、バナジウム酸リチウム(Lithium Vanadium Oxide)、ニッケル酸リチウム(Lithium Nickel Oxide)及びこれらに類するものを挙げることが可能である。
いくつかの実施形態において、ニッケルのようなカソード・コレクタ(カソードの電流収集部(集電器))は、カソードに対する電気伝導率を向上させるために用いられる。いくつかの実施形態において、カソードは、非酸化状態下で製造される。ニッケル・コバルト酸リチウムのような混合された金属の酸化物(例えば、上記金属を組み合わせたものも含む)がカソードの製造に用いられてもよい。
陰極(即ち、アノード)の集電器(電流収集部)を作り出すための材料として、銅、プラチナ、ニッケル及びこれらに類するものを例示することができる。いくつかの実施形態において、陰極(アノード)の集電器が、リチウム金属からなるものであってもよい(或いは、リチウム金属を鍍金する形態やリチウム金属を電流収集部に積層する形態を採用してもよい)。
他の実施形態において、グラファイトなどの材料中のアノード構造にリチウムイオンがインターカレーション(挿入)される形態が採用される。ある実施形態において、アノードは、他の適切な金属或いは金属合金から形成される。そして、この金属或いは金属合金は、可逆的にリチウムイオンと結合する。
電流が生じている間、一方の電極からイオンが動き出す。この電極は、イオン放出材料から形成される。電流が生じている間、イオンは一方の電極に向かって流れる。この電極は、バッテリが再充電可能か否かによるが、イオン保持材料或いはイオン放出材料から形成される。
バッテリが再充電可能であるならば、イオン放出材料が電極形成に用いられる。そして、電流発生時に、この電極に向けてイオンが流れる。バッテリが再充電可能でないならば、イオン放出材料若しくはイオン保持材料が電極形成に用いられる。そして、電流発生時に、この電極に向けてイオンが流れる。
【0019】
電解質は、電流が伝導可能な材料であり、この伝導は、バッテリ若しくはセルの電極間をイオンが移動することで生ずる。電解質は、電子を伝導しない。電解質は、液状であってもよい。電解質は、固体、半固体或いは多孔質の固体と液体の組み合わせであってもよい。イオンは、このような電解質を通過する。
ある実施形態において、電解質は、イオン或いは電極材料に対して、化学的に略不活性若しくは非反応性である。電極は、バッテリ或いはセル内で電流を生じさせるために用いられる。電解質として作用する材料として、リン酸リチウムオキシナイトライド(Lithium Phosphorus Oxynitride: LiPON)及びこれに類するものを例示できる。このような材料は、ガラスフィルム或いは層として積層される。もし、リチウムイオンの源及びリチウムイオンに対する終点が設けられるならばリチウムイオンは、このガラスフィルム或いは層を通過する。
【0020】
誘電体は、電場をゼロの状態に維持する材料である。或いは略電力の散逸をゼロにする材料である。例えば、このような材料の電気伝導率はゼロ或いは略ゼロである。誘電体材料は、電気的絶縁体である。誘電体内において、電子は、原子及び分子に結合され、これにより、自由電子は略存在しない状態となる。
リチウムイオンを提供しない電極間にLiPONフィルム或いはLiPON層が挟まれた状態となるならば(例えば、銅の層間、アルミニウムの層間、多結晶シリコンの層間或いはこれに類する層間にLiPONフィルム或いはLiPON層が挟まれた場合)、LiPONフィルム或いはLiPON層は誘電体として働く。
伝導体−LiPON−伝導体のような構造は、コンデンサを形成することとなる。
【0021】
バッテリの電極は、集電器に接続し、電極は、集電器に電気的に接触する。例えば、アノードは、アノード集電器に接続し、カソードはカソード集電器に接続する。このような集電器は、典型的には、銅やアルミニウムといった金属からなり、電気的な接触状態を作り出し、バッテリにより生じた電流の方向を定めるために用いられる。
集電器は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、白金、モリブデン、マンガン、金属合金、導電性セラミック、非常にドープされた多結晶シリコンといった導電性半導体及びこれらに類するものなどの電気的伝導材料から形成される。
ある実施形態において、カソード集電器は、カソード外面を横切って、電気的に接続され、アノード集電器は、アノード外面を横切って電気的に接続される。これにより、これら電極を通じて流れる電流に対する抵抗が低減される。また、電流発生時の電極間のイオンの不均一な流れの発生が低減されることとなる。
【0022】
本発明の装置は、絶縁体層を備える。絶縁体層は一般的にほとんど或いは全く電流を伝導させない材料から形成される。絶縁体として、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、LiPON(界面材料による)、ポリマ或いは他の好適な電気的絶縁体を例示することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明の装置は、平滑な層を備える。平滑な層は、単一の材料或いは複数の異なる材料から形成される。ある実施形態において、平滑な層は、接着剤層を備える。このような接着剤層は、クロムを含有する層として本明細書中で説明される。平滑な層は、装置の製造の過程において均一な表面を装置上に提供し、装置の上に、他の層(バリア層或いは集電器)が配される。
平滑な層は、平滑な層から所望の構造にその形状を加工される。例えば、本発明の装置の製造過程において平滑な層が提供され、その後、平坦な面を作り出すために研磨される。或いは様々な他の構造に平滑な層が加工される。ある実施形態において、絶縁体層が平滑な層として利用される。
様々な材料が平滑な層の形成のために用いられる。例えば、ポリマ、ガラス、フォトレジスト、インク及びこれらに類するものを平滑な層に用いられる材料として挙げることができる。いくつかの実施形態において、平滑な層は回転することにより形成される。他の実施形態において、平滑な層は、含浸被膜される。他の実施形態において、平滑な層は、型取工程により形成される。ある実施形態において、平滑な層は柔らかなゴムロールで圧縮され及び/又は一のロールから他のロールへ基台を搬送する装置の表面においてドクターブレードを当接させることにより形成される。
ある実施形態において、平滑な層は、オフセット印刷機械といった装置により配され、平滑材料及び/又は溶剤混合物(「インク」)が平滑層として所望される領域に印刷される。
【0024】
複数の平滑な層及び/又はバリア層が本発明の装置に追加される。更に、平滑な層及び/又はバリア層は、本発明の装置に提供され、バリア構造を作り出す。したがって、平滑層と1若しくはそれ以上のバリア層を本発明の装置に交互に提供することを繰り返すことで、複数のバリア構造が本発明の装置に提供されることとなる。
【0025】
本発明の装置は、バリア層を備える。バリア層のいくつかの例は、米国特許第6,413,645号明細書に説明されている。バリア層が装置に提供され、バリア層は、装置内に外部環境から有害な物質が通過することを防止する。例えば、バリア層は、酸素、水蒸気或いは水が外部環境から装置内へ浸入することを防ぐ。複数の材料がバリア層を製造するために用いられてもよい。このような材料として、銅、クロム、アルミニウム、銀、金、白金及びこれらに類するものを例示することができる。
金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属窒素酸化物(metal oxynitride)、金属ホウ素酸化物(metal oxyboride)及びこれらを組み合わせたものといった金属化合物がバリア層を作り出すために用いることができる。
金属酸化物として、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム及びこれらに類するものを例示することができる。
金属窒化物として、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素及びこれらに類するものを例示できる。
金属窒素酸化物として、リン酸リチウムオキシナイトライド(LiPON)、窒素酸化アルミニウム(alminum oxynitride)、窒素酸化シリコン(silicon oxynitride)、窒素酸化ホウ素(boron oxynitride)及びこれらに類するものを例示することができる。
追加の材料として、ガラス、ポリマ、セラミック及びサーメットを挙げることができる。サーメットとして、窒化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ニオビウム、二珪化タングステン、二ほう化チタン及び二ほう化ジルコニウムを挙げることができる。
バリア層として用いられるガラスとして、酸化シリコン、窒化シリコン及びこれらに類するもののアモルファス種を例示することができる。
ある実施形態において、1若しくはそれ以上のバリア層が、電極伝導体(例えば、バッテリやセルのアノード或いはカソードへ電流を向かわせる伝導体)として機能する。例えば、金属製のバリア層が電気的にアノードに接続し、アノードへの電気的接続を作り出す。或いは、金属製のバリア層が電気的にカソードに接続し、カソードへの電気的接続を作り出す。バリア層が、バリア構造体の一要素であってもよい。バリア構造体は、1若しくはそれ以上のバリア層からなる層を備える。例えば、いくつかの実施形態において、バリア構造体は、1つのバリア層と1つの平滑層からなる。他のいくつかの実施形態において、バリア構造体は、2若しくはそれ以上のバリア層と1つの平滑層からなる。ある実施形態において、バリア構造体は、2若しくはそれ以上のバリア層と、2若しくはそれ以上の平滑層からなる。
【0026】
ある実施形態において、本発明の装置は、ゲッタ層を備える。米国特許第6,654,084号明細書は、ゲッタ層についての一般的な内容について説明している。ゲッタ層は、環境中の有害な物質のうち少なくとも一成分と反応する層若しくは環境中の有害な物質のうち少なくとも一成分を吸収する層であり、有害な物質によるバリア層内への浸透をゲッタ層が防止する。例えば、チタン、タンタル、リン、バリウム、エルビウム、ルビジウム、チタン−ジルコニウム合金、酸化コバルト、カーボン、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム或いはこれらに類する材料を含む層は、水、酸素の装置のバリア層を通じての移動を減少させる。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明の装置は、1若しくはそれ以上のコンデンサを備える。このコンデンサは、誘電体により分離された2若しくはそれ以上の伝導層を形成することにより作り出される。例えば、伝導層は、本発明の装置のカソードに電気的に接続し、また、伝導層は、本発明のアノードに電気的に接続する。アノードとカソードは絶対誘電率を備える誘電材料により分離されている。
コンデンサの電気的特性は、伝導層を分割する誘電材料の厚さを調整することにより、制御或いは変更することが可能である。例えば、コンデンサの静電容量は、2つの伝導層間の誘電材料の厚さの逆数に関連する。したがって、静電容量は、2つの伝導層の間の誘電材料の厚さを減ずることにより増加させることが可能となる。高品質のコンデンサを作り出すために、誘電体層は、厚さが一定であることが好ましく、電極が電気的に接触することを可能とする隙間やピンホールを有さないことが望ましい。したがって、コンデンサの層が積層される面は平滑であることが望ましい。
ある実施形態において、平滑な層は、好適な表面を提供するために配される。この平滑層に、コンデンサの層がその後積層される。いくつかの実施形態において、フォトレジストが用いられ、フォトレジストは、平滑層及び誘電材料として用いられる。
【0028】
本明細書で用いられるインターカレーションとの用語は、材料の相を変化させることなしに、イオンが確実に材料内部へ移動すること並びに材料から外部へ移動することが可能であることを示す材料の特性を意味する。したがって、固体状態のインターカレーション・フィルムは、エネルギ蓄積デバイスの放電及び充電の間、固体状態を維持し続ける。
【0029】
図1Aは、装置(100A)の断面図であり、装置(100A)は、本発明のいくつかの実施形態にしたがって、環境的バリアを備えるエネルギ蓄積装置を有するように形成されている。
装置(100A)は、基台(110)を備える。ニッケルといったカソード集電器(131)が機械的に基台(110)に接続する。例えば、この接続は、カソード集電器(131)をフィルムとして供給し、真空により行われる。カソード集電器(131)上にカソード(138)が電気的並びに機械的に接続する。例えば、この接続は、カソード(138)をフィルムとして供給し、真空により行われる。電解質(135)がカソード(138)上に形成される。電解質(135)は、連続的にカソード集電器(131)並びに基台(110)に接触する。アノード集電器(137)は、電解質(135)を備えるカソード(138)上方に形成される。電解質(135)は、アノード集電器(137)とカソード(138)の間に配される。
図1Aには、絶縁体層(141)が図示されている。絶縁体層(141)は、いくつかの実施形態においては、平滑層として機能する。絶縁体層(141)は、電解質(135)、アノード集電器(137)、カソード集電器(131)及び基台(110)に接触(例えば、被覆)する。
いくつかの実施形態において、開口部(148)が形成される。開口部(148)は、平滑層(141)を貫通し、アノード集電器(137)の中央近傍或いは中央に達する。そして、伝導性拡散バリア(142)が配される。いくつかの実施形態において、この伝導性拡散バリア(142)は、アノード接触部(149)にアノード電流を向かわせる電気的伝導体を形成する。いくつかの実施形態において、拡散バリアは、完全にバッテリ(101)を被覆する。バッテリ(101)は、電流で装置を充電することにより形成される。いくつかの実施形態において、バッテリ(101)は、環境的劣化に影響を受けやすい要素の縁を越えて側方に延出する。縁を越えて延出する延出量は1mm程度で十分である。
【0030】
いくつかの実施形態において、第2の平滑層(243)が配され、第2の平滑層(243)は、アノード集電器(137)に接触する。いくつかの実施形態において、バリア層(244)は伝導性を備え、バリア層(244)は、第2の平滑層(243)に接触して配される。また、バリア層(244)は、カソード集電器(131)に電気的に接触する。いくつかの実施形態において、アノードの電気的接触領域(149)及びカソードの電気的接触領域(249)が提供される。いくつかの実施形態において、伝導層(142)、誘電性を備える誘電体層(243)及び伝導層(244)が1つのコンデンサを構成し、バッテリ(101)に電気的に並列接続される。この形態は、図1Bに示されている。ある実施形態において、拡散バリアがバッテリ(101)の下方に配される。
【0031】
図1Bは、装置(100B)の断面図である。装置(100B)は、図1Aに示す装置(100A)と略同一であるが、図1Bに示す装置(100B)は、バッテリ(101)が充電された後の状態である点において図1Aに示す装置(100A)と異なる。これにより、イオンが電解質(135)を通じてカソード(138)からアノード集電器(137)上に移動し、イオン鍍金により、アノード(136)が形成される。アノード(136)を形成する材料の種類は、形成されるバッテリ(101)の化学物質並びに種類により定まる。
いくつかの実施形態においては、リチウムイオンが装置(100B)に用いられる。このとき、形成されるアノード(136)はリチウム金属を含む。ある実施形態においては、拡散バリアがバッテリ(101)の下方であって、バッテリ層が配される前に基台の上面若しくは基台(110)の底面上に配される。
【0032】
図1Cは、図1Bに示す装置(100B)の概略的ダイアグラム(100C)である。バッテリ・セル(101)は、板材(鍍金部)(142)(即ち、伝導層(142)と板材(鍍金部)(244)(即ち、バリア層)により形成されたコンデンサ(102)に並列接続する。板材(鍍金部)(142,244)は、電解質(135)により分離して配される。コンデンサ(142)の静電容量は、誘電体(243)のうち、板材(鍍金部)(142,244)の重なり合っている部分を分離している誘電体(243)の領域の面積、厚さ、比誘電率の関数である。板材(142,244)は、誘電体(243)のいずれか一方の面に接している。
【0033】
図2Aは、装置(200A)の断面図である。装置(200A)は、エネルギ蓄積デバイス(101A)を備え、エネルギ蓄積デバイス(101A)は、本発明のいくつかの実施形態にしたがい、環境的バリア(160)を備える。
装置(200A)は、基台(111)を備える。いくつかの実施形態において、基台(111)は、基台ベース部(110)、拡散バリア層(121)を備える。また、いくつかの実施形態においては、これらに加えて、誘電体層若しくは絶縁層(122)を備える。誘電体層(122)若しくは絶縁層(122)上に伝導層(130)が配される。いくつかの実施形態においては、拡散バリア層(121)は、電気的伝導体(例えば、アルミニウム、金、銅、モリブデン或いは他の金属)を含む。したがって、電気的に絶縁する層(122)が必要となる。いくつかの実施形態において、絶縁層(122)は、酸化珪素、LiPON、酸化アルミニウム、樹脂或いは好適な電気的絶縁機能を発揮する他の材料からなる1若しくはそれ以上の材料を含む。他の実施形態においては、拡散バリア層(121)は、それ自身で電気的絶縁機能を発揮する(例えば、拡散バリア層(121)が、絶縁機能を発揮する酸化珪素、LiPON、窒化珪素、シリコンオキシナイトライド(Silicon Oxynitride)、窒化ホウ素、セラミック、サーメット或いは他の金属酸化物、金属窒化物、金属ホウ素酸化物及び/又は金属窒化酸化物を含むものである。ここで、これら金属は、アルミニウム、インジウム、スズ、インジウム−スズ、ジルコニウム、ニオビウム、タンタル或いは他の適切な金属である)。尚、必要に応じて、絶縁層(122)を設けない形態を採用してもよい。
いくつかの実施形態において、基台(111)は下記の如く、製造工程の一部において形成されてもよい。例えば、まず、樹脂フィルムからなる基台ベース部(110)を用意し、その上に1若しくはそれ以上の拡散バリア層(121)と、1若しくはそれ以上の誘電体若しくは絶縁体の層(122)を交互に配設する。或いは、基台ベース部(110)の上に、単一の電気的に絶縁する拡散バリア層(121)を配設する。
【0034】
伝導層(130)(例えば、伝導層(130)はアルミニウム或いはニッケルからなる)は、分離した領域或いは光学的に定義される2つの部分(130,132)として積層されてもよい。いくつかの実施形態において、その後、カソード集電器(133)(例えば、カソード集電器(133)はニッケルからなる)が積層される。いくつかの実施形態において、LiCoO2といったカソード材料(138)がカソード集電器(133)上に積層される。その後、このカソード材料(138)は電解質材料(135)(例えば、LiPON)で被覆される。
いくつかの実施形態において、アノード集電器(137)が積層され、デバイス/装置が1若しくはそれ以上のバリア構造(140)でシールされた後、電解質(135)を通じて、アノード材料が鍍金される。いくつかの実施形態においては、バリア構造(140)が、平滑層(141)を積層することにより形成される。平滑層(141)は、感光性耐食膜(フォトレジスト)、ポリウレタン或いは他のプラスチック材料、ガラス(アモルファスシリコン酸化物、窒化シリコン、LiPON或いは絶縁化並びに平坦化する他の好適な材料)といった絶縁材料からなる。この後、拡散バリア(142)が積層される。平滑層(141)の平滑化する機能は、バリア層(142)の品質を高めるのに役立つ。バリア層(142)の下方に横たわる層が平滑でないならば、高品質のバリア層(142)を得ることは困難となる。バリア層(142)の下方に横たわる層の縁、スピット(スパッタリング操作から生ずる滓片)、滓粒及びこれらに類するものは、バリア構造の裂け目やピンホールを生じさせる因子となる。平滑層は、緩やかな勾配を作り出し、この勾配の上にバリアが積層される。
【0035】
いくつかの実施形態において、図2Aに示す如く、アノード(136)の側方への延出部は、カソード(138)の側方への延出部と略同様の側方位置で終端を迎える。
【0036】
図2Bは、装置(200B)の断面図である。装置(200B)は、図2Aに示す装置(200A)と略同一の構造であるが、アノードとカソードの位置が逆(図2Aに示す装置では、アノードが上方に位置するとともにカソードが下方に位置しているのに対して、図2Bに示す装置では、アノードが下方に位置するとともにカソードが上方に位置している)である点で異なる。アノードとアノード接触部が配設された後、カソードとカソード接触部が配される。
いくつかの実施形態において、カソード及びカソード上方に配される層が配される前に、アノード接触部と電解質が配された後、アノードが電解質を介してアノード接触部上に鍍金により形成される。いくつかの実施形態において、このことは、アノード集電器を配し、LiPON電解質(この電解質は、酸化防止保護層として機能する)でアノード集電器を被覆し、液体溶液(例えば、炭酸プロピレン/LiPF6電解質溶液)中で予め充電操作を行うことができるという利点を生み出す。これにより、アノード集電器上に電解質/保護層を介してリチウムの層を鍍金することができる。その後、バッテリの残りの層が配設される。
【0037】
図1Dは、装置(190)の断面図である。いくつかの実施形態において、装置(190)は液体状の電解質溶液(191)及び固体状の浸透性保護層(135)を介してリチウムが鍍金され、アノード(136)が形成される。いくつかの実施形態においては、鍍金装置(190)は、ガラス製のジャー(192)のような閉塞された容器を備える。ガラス製のジャー(192)は、着脱自在な蓋部(193)を備える。蓋部(193)は、蓋部(193)を貫通する電気的接続部(194)を備える。左方に配される電気的接続部(194)は、部分的に組み立てられたデバイス(201B)に接続する。デバイス(201B)は、基台(110)及びアノード接触部(137)を備える。アノード接触部(137)は、固体状の電解質(135)により被覆される。この電解質(135)は、リチウムイオンを透過可能である。右方に配される電気的接続部(194)は、リチウム製の対電極(195)に接続する。電極(195)は犠牲電極である。電極(105)とデバイス(201B)は、液体状の電解質(191)内に浸けられる。アルゴンや乾燥した窒素といった不活性気体(196)が容器(192)内部の残りの部分を満たす。
【0038】
いくつかの実施形態において、リチウム金属からなるアノード層(136)が銅製のアノード接触部(137)上に形成される。このアノード層(136)の形成は、液体電解質(191)中での電気鍍金により行われる。液体電解質としては、炭酸プロピレン/LiPF6電解質溶液を例示できる。LiPON層(135)は、有機電解質溶液(191)内へ浸すことからの影響をほとんど受けない。LiPON層(135)は、リチウムイオンの伝導体であり、電気的な絶縁体である。
電気分解特性は、犠牲リチウム電極(195)から電解質溶液(101)及び固体電解質(135)を通過するLi+の移動を可能とする。これにより、LiPON層(135)の下方の銅接触部(137)でリチウム金属のみが鍍金されることとなる。いくつかの実施形態において、鍍金用のリチウム製の犠牲対電極(195)はリチウム金属である。いくつかの実施形態において、0.6mA/cmから1.2mA/cmの範囲の電流密度で電気鍍金がなされる。このとき、リチウム製の犠牲対電極(195)とリチウム製のアノード(136)(アノード(136)は、マイクロセル(201B)上のLiPONの下方で鍍金される)の間の電圧は、0.6mAにおいて約40mVである。いくつかの実施形態において、好適な電流の量(例えば、0.2mA・hrの充電)が移動した後鍍金が終了する。いくつかの実施形態において、銅製の接触金属(137)は、リチウム金属(136)が鍍金された後、輝きのある銀色の金属に変化する。
【0039】
リチウム鍍金装置(190)へのバッテリデバイス(101)の装填及び取外しは、乾燥した窒素ガスを吹き込んで清浄したグローブボックス内で行われる。これにより、対電極(195)の腐食が防止され、電解質溶液(191)内での水分の吸収が抑制される。ある実施形態においては、グローブボックスは、Cu/LiPONサンプル(201B)、リチウム金属薄膜(195)及び電解質(191)をガラス製のジャー(192)内へ装填するためのみに用いられる。ガラス製のジャー(192)は、シールされたリード(194)を備え、リード(194)は電極へ延出する。ジャー(102)は上方から(窒素で満たされたグローブボックス内で)、アルゴンを吹き込むことによりパージされる(少なくとも一定量)。そして、素早く蓋部(193)で閉塞する。ジャー装置(190)は、それから、室内雰囲気下に置かれ、電源(電源としては、EG&G 273A ポテンショスタットを例示できる)に接続される。電源は、鍍金操作用の電流供給源として用いられる。リチウム(136)を鍍金した後、ジャー装置(190)がグローブボックス内に戻される。そして、鍍金されたサンプル(201B)が取り出され、このサンプル(201B)に対して残りの層を配するための処理が施される。LiPON下方にリチウム鍍金が施されたサンプル(201B)は室内環境下に置かれ、仕上げ工程が施される。仕上げ工程としては、炭素/空気カソードを更に配設することやその後試験を行うことを例示できる。
いくつかの実施形態においては、室内の相対湿度が45%の相対湿度であるにも拘らず、金属鍍金されたリチウムの光沢のある金属的外観がくすむことはない。LiPON層(135)は、急速な腐食を防止する。LiPON層(135)が存在しない場合、大気中の酸素及び/又は水蒸気によってこのような環境下では、急速な腐食が生ずると予想される。
いくつかの実施形態においては、残りの電解質溶液(191)から部分的に組み立てられたセル(201B)が取り出され、セル(201B)はイソプロピルアルコールでゆすがれ、窒素ガスを吹き付けることで乾燥される。
【0040】
いくつかの実施形態において、カソード(138)は、カーボン微粒子/ポリフルオロアクリレート(polyfluoroacrylate)空気のカソードコーティングを備える。いくつかの実施形態において、炭素−空気カソード(138)を形成するために、グラファイト・パウダ(例えば、Alpha Aesar種の伝導性の人工合成物であって、325メッシュ未満のもの)のスラリがポリフルオロアクリレート(例えば、3M製のNovec-1700brandであり5%の固体成分を有するもの)の溶液を用いて作られる。いくつかの実施形態において、溶液は、5重量%の炭素を含む。マイクロセル(201B)は、スラリ中に含浸され、その後、素早く取り除かれる。Novec溶液は即時に乾燥し、LiPONの分離部上に炭素/ポリフルオロアクリレートからなる接着剤層を残す。いくつかの実施形態においては、含浸工程は、3回から4回繰り返され、これにより、炭素/ポリフルオロアクリレートの不透明な被膜を得ることができる。いくつかの実施形態においては、カソード集電器が設けられなくともよい。他の実施形態においては、伝導物質(例えば銅)で形成された線のグリッドが形成され、その後、下方に配される装置を濡らすことにより、装置に電力供給可能としてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、炭素、ポリフルオロアクリレートと空気からなるカソード(138)は、電解質溶液(例えば、炭酸プロピレン/LiPF6)を滴下することにより活性化する。溶液は、炭素、ポリフルオロアクリレートと空気からなるカソード(138)の比較的空洞部の多い構造中に浸透し、LiPON電解質(135)の表面を濡らす。
【0042】
いくつかの実施形態において、固体状態と有機液体の電解質を備えるこの混成構造のセル構造の製造工程は、高い容量を備えるセルを提供するために拡大可能である。単位時間当たりに所定量の電流を供給するために、大きさを増減させる製造技術は、ロールからロールへ向かう間に積層する技術(以下、roll-to-rollプロセスと称する)(この技術は、米国特許出願第10/336,621号 発明の名称:「APPARATAUS AND METHOD FOR DEPOSITING MATERIAL ONTO A SUBSTRATE USING A ROLL-TO-ROLL MASK」 出願日:2003年1月2日に記載され、本明細書に参照として組み込まれる)により現実的に行うことが可能である。いくつかの実施形態において、リチウムの電気鍍金がroll-to-rollプロセス内で実行される。そして、真空積層される材料が、アノード接触金属とLiPON分離部(セパレータ)となる。この技術は、シート状物を搬送するプロセスにおいて、真空積層される層が厚くなるという問題を低減する。
【0043】
図2Cは、装置(200C)の断面図である。電極(2)がアノードであり、電極(1)がカソードである実施形態において、装置(200C)は図2Aに示す装置(200A)と略同一となる。しかしながら、アノード(136)とアノード接触部(137)が積層され、これらアノード(136)とアノード接触部(137)が、カソード(138)の終端位置(図2Cにおいて右側)を超えて側方に延出している点において異なる。
電極(1)がアノードであり、電極(2)がカソードである実施形態において、装置(200C)は図2Bに示す装置(200B)と略同一であるが、カソード(136)とカソード接触部(137)が積層され、これらカソード(136)とカソード接触部(137)が、アノード(136)の終端位置(図2Cにおいて右側)を超えて側方に延出している点において異なる。
図2Cに示す構造の望ましい形態は、カソード及び/又はアノードの材料の選択により定まる。いくつかの実施形態において、この構造は、図2Aで示されるように、後の組み立てにおいて、カソード(138)からアノードを鍍金することにより作り出されるものではない。
【0044】
図2Dは、装置(200D)の断面図である。装置(200D)は、追加の平滑層(243)と追加のバリア層(244)を、図2Aに示すデバイス/装置(200A)上に積層することにより形成される。
いくつかの実施形態において、追加のバリア構造(240)は、追加の平滑層(243)と追加のバリア層(244)により形成される。この追加のバリア構造(240)は、追加の平滑層並びに追加のバリア層により追加のバリア保護をもたらすこととなる。なぜなら、バリア(142)に生ずる可能性のあるピンホールが、バリア層(244)に生ずる可能性のあるピンホールの直下に位置することはほとんど生じないためである。
この発生する可能性のあるピンホールの横位置のずれは、有害物質に対して長い側方移動距離(平滑層(243)の材料を通過して側方へ移動する距離)をもたらすこととなる。この結果、装置(101A)に達する有害物質の量が低減されることとなる。
【0045】
いくつかの実施形態において、多層構造の環境的バリア(240)が、フォトレジスト層(141)、アルミニウム(或いは他の拡散バリア)の層(142)及び他のもう1つのフォトレジスト(或いは酸化珪素或いは他の誘電体)からなる層(243)及び他のもう1つのアルミニウム(或いは他の拡散バリア)の層(244)を備える。
いくつかの実施形態において、金属(例えば、アルミニウム)がバリア層(142)に用いられ、誘電体(243)と金属(244)が交互に配される追加の層が機能的回路要素(例えば、コンデンサ)を提供するために用いられる。また、この回路要素の基礎を成す要素として追加の拡散バリアが提供される。
【0046】
いくつかの実施形態において、外付けの電気回路が基台(111)上のバッテリに取付けられる。この形態は図12において示され、以下に説明される(例えば、いくつかの実施形態において、追加の薄いフィルム層として追加の電気回路が配される)。他の実施形態において、回路は、バッテリから離れて配される。例えば、回路は、バッテリから分離し、バッテリに直接的に取り付けられない。
【0047】
図2Eは、装置(200E)の断面図である。装置(200E)は、追加の平滑層(243)と追加のバリア層(244)を、図2Bに示すデバイス/装置(200B)上に積層することにより形成される。この形態は、上記の図2Dに示す装置(200D)に対して説明されたものと同様の有利な効果をもたらす。
【0048】
図2Fは、装置(200F)の断面図である。装置(200F)は、追加の平滑層(243)及び追加のバリア層(244)を、図2Cに示すデバイス/装置(200C)上に積層することにより形成される。この形態は、上記の図2Dに示す装置(200D)に対して説明されたものと同様の有利な効果をもたらす。
【0049】
いくつかの実施形態において、デバイス(101)(例えば、デバイス(101A)、デバイス(101B)或いはデバイス(101C)若しくは複数のこれらデバイス)が、基台(111)上に積層された薄いフィルム層の連続物として積層される。他の実施形態においては、デバイス(101)は分離して製造され、一旦少なくとも部分的に組み立てられた後に基台(111)に取付けられる(例えば、接着剤、熱接着、イオン結合或いは他の固定技術を、デバイス(101)の基台(111)への取り付けに利用可能である)。
【0050】
いくつかの実施形態において、デバイス(101)は、環境的バリア(160)により囲まれる。いくつかの実施形態において、環境的バリア(160)は、基台側面バリア(120)(基台側面バリア(120)は、基台の上面、底面或いは両側面上に形成される)を備える。また、環境的バリア(160)は、カバーバリア(140)を備える。
いくつかの実施形態において、基台(111)は、基台ベース(110)を備える(基台ベース(110)は、酸素及び/又は水蒸気を透過可能なものであってもよい)。また、基台(111)は、バリア(120)(例えば、バリア層(121)及び/又は、絶縁層(122))を備える。他の実施形態において、基台ベース(110)がそれ自身でバリアとなる。この場合基台ベース(110)は、例えば、ガラスウェハ、アルミニウム箔或いは拡散バリアを形成する他の材質からなる。このような場合、基台(111)は、基台ベース(110)のみを含む(なぜなら、別個のバリア層(120)を必要としないためである)。このような基台(111)は、カバーバリア(140)のみを必要とし、カバーバリア(140)は、環境的シールを完成させる。いくつかの実施形態において、基台(110)がアルミニウム箔のような伝導体である場合に、基台ベース(110)が絶縁層(122)を必要とするものであってもよい。
【0051】
図2Bに示す実施形態において、デバイス(200B)は、薄いフィルム状のリチウムバッテリ(101B)を備えるものであってもよい。リチウムバッテリ(101B)は、伝導層(130)を備える。伝導層(130)は、2つの部分に分割、マスク、積層或いは領域決めをされる。これにより、カソード伝導層(132)はアノード伝導層(131)に隣合って配されることとなる。
他の実施形態において、デバイス(101)は、環境的バリア(160)から好適な作用を享受する電気的要素となる。いくつかの実施形態においては、伝導層(131,132)は、アルミニウム或いは銅からなる。そして、伝導層(131,132)はバッテリ(101B)と他の回路の要素の間の伝導体として機能する。いくつかの実施形態において、1若しくはそれ以上の接触層(139)(例えば、接触層(133)及び接触層(134))が積層され、接触層(139)は、それぞれ、カソード(138)及びアノード(136)に対する集電器として作用する。
他の実施形態において、接触層(133,134及び/又は137)の機能は、伝導層(131,133)によりもたらされる。このとき分離層(133,134及び/又は137)は省略可能である。
【0052】
いくつかの実施形態において、カソード(138)は、リチウムコバルト酸化物を有する(例えば、LiCoO2)。いくつかの実施形態において、電解質(135)はリン酸リチウムオキシナイトライド(LiPON)を有する。いくつかの実施形態において、アノード(136)及び/又はアノード接触部(137)は、銅、金、アルミニウム或いは好適な他の金属からなる層を含む。或いは、アノード(136)及び/又はアノード接触部(137)は、銅、金、アルミニウム或いは好適な他の金属を含む層を備える。これにより、伝導性が向上する。いくつかの実施形態において、1若しくはそれ以上のこれらの層がエネルギ補助機構(Energy-Assist Mechanism)(例えば、イオン補助ビーム)を用いて積層される。米国特許第6,805,998号明細書(発明の名称:「METHOD AND APPARATUS FOR INTEGRATED-BATTERY DEVICES」)、米国特許出願第09/816,602号(発明の名称:「Decices Enclosures with Integrated Batteries」 出願日:2001年3月23日 代理人整理番号:1327.010us1)及び米国特許出願第09/815,884号(発明の名称:「Battery-Operated Wireless-Communication Apparatus and Method」 出願日:2001年3月23日 代理人整理番号:1327.011us1)は、エネルギ補助機構について開示し、これら出願の内容は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0053】
いくつかの実施形態において、カバーバリア(160)は、例えば、物理的構造層(141)を備える。物理的構造層(141)は、フォトレジスト材料を含み、シールされる領域にわたって(例えば、固体状態のリチウムバッテリ上全体にわたって)平滑化並びに水平化を行う。
いくつかの実施形態において、フォトレジストがそれ自体で感光性マスク機能をもたらし、装置の他の領域にわたって、例えば、伝導性を備える接触部が、層(141)のフォトレジストを介して所望の場所に選択的に配されるようにしてもよい。或いは選択的にエッチングを行うことや下方に位置する層から選択的にイオンを除去ことが可能となる。
拡散バリア層(142)に関して、いくつかの実施形態は、アルミニウム金属材料及び/又は珪素酸化物材料を用い、これら材料を層(141)のフォトレジスト上に積層する。
【0054】
図3Aは、装置(300A)の断面図である。
装置(300A)は、エネルギ蓄積デバイスを備え、エネルギ蓄積デバイスは平坦化された環境的バリアを備える。図3Aに示す環境的バリアは、部分的に加工途中の段階である。
これらの実施形態において、定義領域(341)が積層され、水平面(349)まで平坦化される(例えば、この平坦化は化学機械研磨(CMP:Chemical-Mechanical Polishing)により行われる)。層(341)は、比較的厚く積層され、平坦化されると、デバイス(101A)全体が水平面(349)の下方に位置することとなり、水平面(349)より上方に存在する全ての材料が除去されることとなる。デバイス(101A)に関しては、図2Aに関連して、上記において説明されている。図3Aに示す水平面(349)まで材料が除去された後、図4Aに示す如く、1若しくはそれ以上のバリア構造が追加される。
【0055】
図4Aは、装置(400A)の断面図である。装置(400A)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、平坦化された環境的バリア(440)を備える。図4Aに示す環境的バリアは、加工後の段階である。
これらの実施形態において、多層構造の環境的バリア(440)は、平坦化されたフォトレジスト層(341)、アルミニウム(或いは他の拡散バリア)からなる層(442)、他のもう1つのフォトレジスト(或いは、珪素酸化物、LiPON或いは他の誘電体)からなる層(443)及び他のもう1つのアルミニウム(或いは他の拡散バリア)からなる層(444)を備える。
いくつかの実施形態において、金属(例えば、アルミニウム)が層(442)に用いられる。誘電体(443)と金属(444)が交互に配され追加の層をなし、これら追加の層は、コンデンサといった機能的な回路素子を構成することとなる。また、これら追加の層は、下方に配される要素に対する追加の拡散バリアを構成することとなる。
【0056】
図3Bは、装置(300B)の断面図である。装置(300B)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは平坦化された環境的バリアを備える。図3Bに示す環境的バリアは、部分的に加工途中の段階である。
これら実施形態において、定義領域(341)が積層され、水平面(349)まで平坦化される(例えば、この平坦化は化学機械研磨(CMP:Chemical-Mechanical Polishing)により行われる)。層(341)は、比較的厚く積層され、平坦化されると、デバイス(101B)全体が水平面(349)の下方に位置することとなり、水平面(349)より上方に存在する全ての材料が除去されることとなる。デバイス(101B)に関しては、図2Bに関連して、上記において説明されている。図3Bに示す水平面(349)まで材料が除去された後、図4Bに示す如く、1若しくはそれ以上のバリア構造が追加される。
【0057】
図4Bは、装置(400B)の断面図である。装置(400B)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、平坦化された環境的バリア(440)を備える。図4Aに示す環境的バリアは、加工後の段階である。
これらの実施形態において、多層構造の環境的バリア(440)については、上述の図4Aに関連して説明されている。
【0058】
図3Cは、装置(300C)の断面図である。装置(300C)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは平坦化された環境的バリアを備える。図3Cに示す環境的バリアは、部分的に加工途中の段階である。
これら実施形態において、定義領域(341)が積層され、水平面(349)まで平坦化される(例えば、この平坦化は化学機械研磨(CMP:Chemical-Mechanical Polishing)により行われる)。層(341)は、比較的厚く積層され、平坦化されると、デバイス(101C)全体が水平面(349)の下方に位置することとなり、水平面(349)より上方に存在する全ての材料が除去されることとなる。デバイス(101C)に関しては、図2Bに関連して、上記において説明されている。図3Cに示す水平面(349)まで材料が除去された後、図4Cに示す如く、1若しくはそれ以上のバリア構造が追加される。
【0059】
図4Cは、装置(400C)の断面図である。装置(400C)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、平坦化された環境的バリア(440)を備える。図4Cに示す環境的バリアは、加工後の段階である。
これらの実施形態において、多層構造の環境的バリア(440)については、上述の図4Aに関連して説明されている。
【0060】
図5Aは、装置(500A)の断面図である。装置(500A)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、図4Aに示す状態を更に加工した状態である。
これら実施形態において、定義領域(141)は開口部(505)を備える。例えば、いくつかの実施形態において、定義領域(141)は、フォトレジスト材料からなり、選択的にエネルギ源(例えば、光或いは電子ビーム)に曝される。これにより、開口部(505)が形成される。
他の実施形態において、層(141)用の材料がマスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(505)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(500A)の下部は、上記の図2Aに関連して説明したものと同様である。
【0061】
図6Aは、装置(600A)の断面図である。装置(600A)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、金属(例えば、アルミニウム、銅或いは金、他の好適な金属或いは金属合金或いは金属セラミック)が、拡散バリア層(642)に用いられる。金属(642)は、機能的回路要素であり、フォトレジスト(141)に形成された開口部(505)に配された金属(642)の部分(605)が、下方に配される伝導層(131)に接触する。
デバイス(600A)の下部は、上記の図5Aに関連して説明したものと同様であり、デバイス(600A)は、図5Aに示すデバイス(500A)に追加の層(642)を設けたものである。
【0062】
図5Bは、装置(500B)の断面図である。装置(500B)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、図4Bに示す状態を更に加工した状態である。
これら実施形態において、定義領域(141)は開口部(505)を備える。例えば、いくつかの実施形態において、定義領域(141)は、フォトレジスト材料からなり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより、開口部(505)が形成される。
他の実施形態において、層(141)用の材料がマスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(505)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(500B)の下部は、上記の図2Bに関連して説明したものと同様である。
【0063】
図6Bは、装置(600B)の断面図である。装置(600B)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、金属(例えば、アルミニウム、銅或いは金、他の好適な金属或いは金属合金或いは金属セラミック)が、拡散バリア層(642)に用いられる。金属(642)は、機能的回路要素であり、フォトレジスト(141)に形成された開口部(505)に配された金属(642)の部分(605)が、下方に配される伝導層(131)に接触する。
デバイス(600B)の下部は、上記の図5Bに関連して説明したものと同様であり、デバイス(600B)は、図5Bに示すデバイス(500B)に追加の層(642)を設けたものである。
【0064】
図5Cは、装置(500C)の断面図である。装置(500C)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、図4Cに示す状態を更に加工した状態である。
これら実施形態において、定義領域(141)は開口部(505)を備える。例えば、いくつかの実施形態において、定義領域(141)は、フォトレジスト材料からなり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより、開口部(505)が形成される。
他の実施形態において、層(141)用の材料がマスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(505)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(500C)の下部は、上記の図2Cに関連して説明したものと同様である。
【0065】
図6Cは、装置(600C)の断面図である。装置(600C)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、金属(例えば、アルミニウム、銅或いは金、他の好適な金属或いは金属合金或いは金属セラミック)が、拡散バリア層(642)に用いられる。金属(642)は、機能的回路要素であり、フォトレジスト(141)に形成された開口部(505)に配された金属(642)の部分(605)が、下方に配される伝導層(131)に接触する。
デバイス(600C)の下部は、上記の図5Cに関連して説明したものと同様であり、デバイス(600C)は、図5Cに示すデバイス(500C)に追加の層(642)を設けたものである。
【0066】
図7Aは、装置(700A)の断面図である。装置(700A)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイス(図7Aの左側部分)は、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。
これら実施形態において、定義層(743)に開口部(705)が形成される(図7Aにおいて右側部分)。例えば、いくつかの実施形態において、層(743)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(705)が形成される。
他の実施形態において、層(743)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(705)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(700A)の下部は、上記の図6Aに関連して説明したものと同様であり、デバイス(700A)は、図6Aに示すデバイス(600A)に追加の層(743)を設けたものである。
【0067】
図8Aは、装置(800A)の断面図である。装置(800A)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分(743,846)を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、フォトレジスト層(743)中に形成された閉領域である開口部(705)に対してエッチング加工を施すことにより、金属層(642)及びフォトレジスト層(141)が除去される。そして、定義層(846)が形成されるとともに定義層(846)に開口部(805)が形成される。例えば、いくつかの実施形態において、層(846)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(805)が形成される。
他の実施形態において、層(846)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(805)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(800A)の下部は、上記の図7Aに関連して説明したものと同様であり、デバイス(800A)は、開口部(705)においてエッチング或いはその他の方法により材料を除去し、層(846)を追加し、開口部(805)から材料を除去したものである。
【0068】
図7Bは、装置(700B)の断面図である。装置(700B)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイス(図7Bの左側部分)は、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。
これら実施形態において、定義層(743)に開口部(705)が形成される(図7Bにおいて右側部分)。例えば、いくつかの実施形態において、層(743)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(705)が形成される。
他の実施形態において、層(743)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(705)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(700B)の下部は、上記の図6Bに関連して説明したものと同様である。
【0069】
図8Bは、装置(800B)の断面図である。装置(800B)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分(743,846)を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、フォトレジスト層(743)中に形成された閉領域である開口部(705)に対してエッチング加工を施すことにより、金属層(642)及びフォトレジスト層(141)が除去される。そして、定義層(846)が形成されるとともに定義層(846)に開口部(805)が形成される。例えば、いくつかの実施形態において、層(846)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(805)が形成される。
他の実施形態において、層(846)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(805)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(800B)の下部は、上記の図7Bに関連して説明したものと同様であり、デバイス(800B)は、開口部(705)においてエッチング或いはその他の方法により材料を除去し、層(846)お追加し、開口部(805)から材料を除去したものである。
【0070】
図7Cは、装置(700C)の断面図である。装置(700C)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイス(図7Cの左側部分)は、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。
これら実施形態において、定義層(743)に開口部(705)が形成される(図7Cにおいて右側部分)。例えば、いくつかの実施形態において、層(743)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(705)が形成される。
他の実施形態において、層(743)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(705)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(700C)の下部は、上記の図6Cに関連して説明したものと同様である。
【0071】
図8Cは、装置(800C)の断面図である。装置(800C)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分(743,846)を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
これら実施形態において、フォトレジスト層(743)中に形成された閉領域である開口部(705)に対してエッチング加工を施すことにより、金属層(642)及びフォトレジスト層(141)が除去される。そして、定義層(846)が形成されるとともに定義層(846)に開口部(805)が形成される。例えば、いくつかの実施形態において、層(846)はフォトレジスト材料であり、選択的にエネルギ源(例えば、光)に曝される。これにより開口部(805)が形成される。
他の実施形態において、層(846)の材料が、マスク或いはステンシルを介して積層される(例えば、積層には、スプレーや気相蒸着が用いられる)。マスク或いはステンシルは開口部(805)での材料の蒸着を防止する。
デバイス(800C)の下部は、上記の図7Cに関連して説明したものと同様であり、デバイス(800C)は、開口部(705)においてエッチング或いはその他の方法により材料を除去し、層(846)を追加し、開口部(805)から材料を除去したものである。
【0072】
図9Aは、装置(900A)の断面図である。装置(900A)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。
これらの実施形態において、金属(例えば、アルミニウム)が拡散バリア層(947)に用いられている。金属(947)は、機能的回路要素であり、フォトレジスト(846)に形成された開口部(805)に配された金属(947)の部分(905)が、下方に配される伝導層(132)に接触する。いくつかの実施形態において、フォトレジストからなる定義層(948)がその後、伝導層(947)上に配される。
デバイス(900A)の下部は、上記の図8Aに関連して説明したものと同様であり、デバイス(900A)は、図8Aに示すデバイス(800A)に2以上の層(947,948)が追加されたものである。
【0073】
図10Aは、装置(1000A)の断面図である。装置(1000A)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。
いくつかの実施形態において、フォトレジストからなる定義層(948)の一部が除去され、開口部(1003,1004)が形成される。フォトレジストからなる定義層(1049)がその後配され、フォトレジストからなる定義層(1049)に開口部(1004,1005)が形成される。開口部分(1006)において、金属層(642)が露出し、この露出した金属層(642)の部分は、外部接続に用いられる。開口部分(1007)において、金属層(947)が露出し、この露出した金属層(947)部分は、外部接続に用いられる。
デバイス(1000A)の下部は、上記の図9Aに関連して説明したものと同様であり、デバイス(1000A)は、追加の層(1049)を備え、まず開口部(1003,1004)を形成するために材料を取り除き、その後、開口部(1005)を形成するために、材料を除去したものである。
【0074】
図9Bは、装置(900B)の断面図である。装置(900B)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。この加工については、図9Aに関連して説明されている。
デバイス(900B)の下部は、上記の図8Bに関連して説明したものと同様であり、デバイス(900B)は、図8Bに示すデバイス(800B)に2以上の層(947,948)が追加されたものである。
【0075】
図10Bは、装置(1000B)の断面図である。装置(1000B)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。この加工については、図10Aに関連して説明されている。
デバイス(1000B)の下部は、上記の図9Bに関連して説明したものと同様であり、デバイス(1000B)は、追加の層(1049)を備え、まず開口部(1003,1004)を形成するために材料を取り除き、その後、開口部(1005)を形成するために、材料を除去したものである。
【0076】
図9Cは、装置(900C)の断面図である。装置(900C)は、エネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備え、環境的バリアは、感光性部分(141)を有する。エネルギ蓄積デバイスは、加工後の状態として示されている。この加工については、図9Aに関連して説明されている。
デバイス(900C)の下部は、上記の図8Cに関連して説明したものと同様であり、デバイス(900C)は、図8Cに示すデバイス(800C)に2以上の層(947,948)が追加されたものである。
【0077】
図10Cは、装置(1000C)の断面図である。装置(1000C)はエネルギ蓄積デバイスを備える。エネルギ蓄積デバイスは、環境的バリアを備える。環境的バリアは、感光性部分を有し、この感光性部分は、加工後の状態である。この加工については、図10Aに関連して説明されている。
デバイス(1000C)の下部は、上記の図9Cに関連して説明したものと同様であり、デバイス(1000C)は、追加の層(1049)を備え、まず開口部(1003,1004)を形成するために材料を取り除き、その後、開口部(1005)を形成するために、材料を除去したものである。
【0078】
図11は、一般的なデバイス(101)の斜視図であり、デバイス(101)の断面を現わす。装置(101)は、基台(101)上に環境的バリア構造(140)を備える。上述の如く、バリア構造(140)は平滑層(141)と拡散バリア層(142)を備える。
【0079】
図12Aは、装置(1200)の断面図である。
装置(1200)は、デバイス(101)(例えば、薄いフィルム状のリチウムバッテリ)を備え、デバイス(101)は、環境的バリア構造(140)を備える。いくつかの実施形態において、バリア構造(140)は、伝導層(142)を備える。伝導層(142)は、電気素子(1201)を構成するようにパターン形成されている。電気素子パターンとしては、図12Aに示す如く、螺旋状の誘導コイルを例示できる。いくつかの実施形態において、更にバリア構造層(平滑層(243)及び拡散バリア(244))が第1の拡散バリア層(142)とともにコンデンサ(1202)を形成する。いくつかの実施形態において、コンデンサ(1202)はバッテリ(101)に並列接続される。これにより、サージ電流の供給源が形成され、バッテリ(101)の容量を超えるサージ電流が供給される。いくつかの実施形態において、インダクタ(1201)がバッテリ(101)に直列接続される。他の実施形態において、他の電気素子が、1若しくはそれ以上のバリア層の一部を用いて形成される。
【0080】
図12Bは、図12Aに示す装置(1200)の回路の概略的ダイアグラムである。この実施形態において、デバイス(101)は薄いフィルム状のリチウムバッテリである。コンデンサ(1202)はバッテリ(101)に並列接続され、インダクタ(1201)はバッテリ(101)及びコンデンサ(1202)に直列接続される。
【0081】
図13は、情報処理システム(1300)(例えば、ラップトップコンピュータ)の展開斜視図であり、情報処理システム(1300)はエネルギ蓄積デバイス(1330)を用いている。例えば、様々な実施形態において、情報処理システム(1300)は、コンピュータ、ワークステーション、サーバ、スーパーコンピュータ、携帯電話、自動車、洗濯機、マルチメディア・エンターテイメント・システム或いは他のデバイスとして具現化される。
いくつかの実施形態において、組み込まれた回路(1320)はコンピュータ・プロセッサを備える。コンピュータ・プロセッサはメモリ(1321)、電源(エネルギ蓄積デバイス)(1330)、入力システム(1312)(例えば、キーボード、マウス及び/又は音声認識装置)、入力−出力システム(1313)(例えば、CD或いはDVD読取及び/又は書き込み装置)、入力−出力システム(1314)(例えば、フロッピディスク読取/書き込み装置)、出力システム(1311)(例えば、ディスプレイ、プリンタ及び/又はオーディオ出力装置)、無線通信アンテナ(1340)に接続する。コンピュータ・プロセッサは筐体内部に組み込まれ、筐体は、上部外殻部(1310)、中間外殻部(1315)及び底部外殻部(1316)を備える。
いくつかの実施形態において、エネルギ蓄積デバイス(1330)は、フィルム層として、筐体(即ち、上部外殻部(1310)、中間外殻部(1315)及び/又は底部外殻部(1316))の1若しくはそれ以上の表面に直接的に積層される。或いは、エネルギ蓄積デバイス(1330)は、フィルム層として、筐体(即ち、上部外殻部(1310)、中間外殻部(1315)及び/又は底部外殻部(1316))の1若しくはそれ以上の表面を略全体的に被覆する。
【0082】
図14は、情報処理システム(1400)を示す。情報処理システム(1400)は、図13に示す情報処理システム(1300)と略同様の構成を備える。様々な実施形態において、情報処理システム(1400)は、ポケットコンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(Personal Digital Assistant: PDA)やパーソナル・デジタル・オーガナイザ、ポケットベル、ブラックベリー(登録商標)(Blackberry-type Unit)のようなユニット、携帯電話、GPSシステム、デジタルカメラ、MP3プレーヤのようなエンターテイメント・システム及び/又は他のデバイスとして具現化される。
いくつかの実施形態において、組み込まれた回路(1420)はコンピュータ・プロセッサを備える。コンピュータ・プロセッサはメモリ(1421)、電源(1430)、入力システム(1412)(例えば、キーボード、ジョイスティック及び/又は音声認識装置)、入力−出力システム(1414)(例えば、携帯型メモリカード接続や外部インターフェース)、出力システム(1411)(例えば、ディスプレイ、プリンタ及び/又はオーディオ出力装置)、無線通信アンテナ(1440)に接続する。コンピュータ・プロセッサは筐体内部に組み込まれ、筐体は、上部外殻部(1410)及び底部外殻部(1416)を備える。
いくつかの実施形態において、エネルギ蓄積デバイス(1430)は、フィルム層として、筐体(即ち、上部外殻部(1410)及び底部外殻部(1416))の1若しくはそれ以上の表面に直接的に積層される。或いは、エネルギ蓄積デバイス(1430)は、フィルム層として、筐体(即ち、上部外殻部(1410)及び底部外殻部(1416))の1若しくはそれ以上の表面を略全体的に被覆する。
【0083】
図15は、情報処理システム(1500)を示す。
様々な実施形態において、情報処理システム(1400)は、ウェアラブル・コンピュータ、スマートIDカード(Smart Identification Card)、クレジットカード、IDカード、RFIDステッカ、ミニMP3プレーヤのようなエンターテイメント・システムや他のデバイスとして具現化される。
いくつかの実施形態において、組み込まれた回路(1520)はコンピュータ・プロセッサを備える。コンピュータ・プロセッサはメモリ(1521)、電源(1530)、無線通信アンテナ(1540)に接続する。組み込まれた回路(1520)は筐体(1510)内部に組み込まれる。
【0084】
図16は、roll-to-rollプロセスを実行可能とする装置或いはroll-to-rollプロセス(1600)の概略図である。「roll-to-roll」プロセス(1600)は、平滑層(1641)を、ドクターブレード(1622)を用いて積層し、その後、平滑層(1641)の領域を光学的に定める。いくつかの実施形態において、供給ロール(1601)が、基台(110)を供給する。デバイス形成装置(1610)が複数のデバイス(110)を基台(110)上に積層する。いくつかの実施形態に関して、一対のロール間に存する基台上のデバイス(101)上において、平滑層(1641)の表面が圧接され及び/又はドクターブレードにより表面をこそぎ落とされる。例えば、ある実施形態において、平滑層及び/又は溶媒混合層(1625)は、平滑積層部(1620)において、基台(110)を横切って拡げられる。この平滑層及び/又は溶媒混合層(1625)の拡張工程には、非常に柔らかいゴムローラや箆(1621)が用いられる。その後、ドクターブレード・アセンブリ(1622)を用いて、水平化される。この技術は、塗工印刷及び版画印刷の分野でよく知られた技術である。これにより、基台(110)並びに基台(110)に貼り付けられたデバイス(110)の表面全体にわたって水平化された材料(1641)が形成される。
いくつかの実施形態において、積層された平滑化された材料について、光学的に領域が定められ、側方における領域が制限される(即ち、各積層物の外形輪郭並びに開口部の縁が定められる)。例えば、光学的領域定義部(1630)は、マスクを介して、光のパターンを照射し、平滑層が残存する部分を定義する。加工部(1640)は、光学的領域定義部(1630)により定義された領域以外に存する全ての平滑化された材料を除去する。バリア積層部(1650)は、バリア層(142)を積層する。いくつかの実施形態において、更に平滑層及び/又はバリア層(142)が積層されてもよく、最後にこれら工程を経て得られた製品がローラ(1602)により巻き取られる。
【0085】
図17は、roll-to-rollプロセスを実行可能とする装置或いはroll-to-rollプロセス(1700)の概略図である。
「roll-to-roll」プロセス(1700)は、平滑層(1641)を、オフセット印刷機を用いて積層する。オフセット印刷機は、平滑層の領域を定める。
いくつかの実施形態において、平滑層(141)が装置(1700)により積層される。装置(1700)は、オフセット印刷機を備え、平滑層及び/又は溶媒混合層(インク)(1625)がオフセット印刷プレート(1721)(オフセット印刷プレート(1721)は窪み部又は凹部を備える)を横切って拡げられる。この平滑層及び/又は溶媒混合層(1625)の拡張工程には、非常に柔らかいゴムローラや箆(1621)が用いられる。その後、ドクターブレード・アセンブリ(1622)を用いて、水平化される。そして、この印刷プレート(1721)は、製造されるデバイス(101)に対して圧縮される(例えば、いくつかの実施形態において、プレート(1721)は、円筒状に形成され、デバイスの基台上を転動する)。これにより、平滑層及び/又は溶媒混合層(1641)は、印刷プレート(1721)上の窪み部(1722)から平滑層(141)が配されるべき領域に転写される。いくつかの実施形態において、平滑材料及び/又は溶媒混合層(1641)は乾燥され、溶媒が除去される。この結果、平滑層(141)が所望の位置に残されることとなる。
これらの実施形態において、印刷プレート上のパターンは、平滑層の側方の領域(平滑層の外形輪郭)を定めることとなる。バリア積層部(1650)はバリア層(142)を積層する。いくつかの実施形態において、更に平滑層及び/又はバリア層がその後積層されてもよい。結果として得られる製品は、ローラ(1602)により巻き取られる。
【0086】
固体状のリチウムバッテリ技術は、空気の構成要素(例えば、酸素(O2)、水蒸気(H2O Vapor)、窒素(N2)及び/又は二酸化炭素(CO2))に対して非常に影響を受けやすい。バッテリが任意の環境で長時間機能するためには、バッテリ外部からバッテリの反応性材料への反応性物質の移動を防ぐ機能を備えるバッテリが必要となる。1若しくはそれ以上の層の対を備える層構造は、ガスの移行を効果的に抑制し、計測機器にてこのガスの移行を検知できる限界以下の水準までガスの移行が抑制される。各層の対は、有機ポリマ、ガラス及び/又は半固体材料からなる1若しくはそれ以上の材料により構成される層と、金属、セラミック及び/又は低い気体透過速度性能を備える他の材料(例えば、1日当たり且つ1平方メートル当たり0.1mL以下のガスが透過する材料)からなる1若しくはそれ以上の材料により構成される層からなる。
酸素(O2)及び水蒸気(H2O Vapor)について、計測装置で検知可能な透過速度は、一般的には、1日当たり且つ1平方メートル当たり、0.005mLの酸素(O2)の量であり、1日当たり且つ1平方メートル当たり、0.005gの水蒸気(H2O Vapor)の量である。酸素(O2)については、1日当たり且つ1平方メートル当たり、0.001mLの酸素(O2)の量が酸素の透過速度として、バッテリ機能を維持するために有用であり、水蒸気(H2O Vapor)については、1日当たり且つ1平方メートル当たり、0.00005gの水蒸気(H2O Vapor)の量が水蒸気の透過速度として、バッテリ機能を維持するために有用である。いくつかの実施形態において、このような透過速度の下、商業的目的に対して十分な長さの期間、バッテリの品質の保持を行うことができる。
【0087】
有機ポリマ、ガラス或いは物理的構造層中の半固体物質は、平滑な表面をもたらす。この平滑な表面上に低い気体透過速度性能を有する材料が配される。この平滑な表面は、積層される層の基礎となる層に起因する表面形状の欠陥或いは平滑化の問題を生じさせない。基礎となる層の形状によっては、この基礎となる層上に配される層の欠陥を誘発することとなる。
層構造中で、光学的に外形輪郭を定めることが可能な材料を用いるための方法並びにその利点について説明する。半固体状のバリア及び/又は他の電気素子を備えるデバイスは、デバイスへ電気的に接続するためのアクセス手段(接触パッド)を必要とし、いくつかの接触パッドは完全に層若しくはバリア構造を被覆しない場合もある。
有機ポリマ、ガラス或いは半固体層は電磁放射線(或いは、他のエネルギ源)に曝され若しくは電磁放射線からシールドされることによりパターン化される。この有機ポリマ、ガラス或いは半固体層は、バリア層の品質を低減させることなく接触パッド及び他のパターンニング部分へのアクセスを容易に実行可能とするという点で有効である。
【0088】
上記のコンセプトは、試行錯誤を低減させる。1.2μmのアルミニウムと、スピンオン・フォトレジスト(Shipley社製:ハンドランプ下で1813,3000rpmの回転量で形成され、15分間170℃の温度で処理されたもの)と、1.2μmのアルミニウムを備える層構造体が2 mil(約50μm)のポリイミドフィルム上に積層された。Mocon社(審査会社)にての評価において、100%の相対湿度下での50℃での水蒸気透過速度は、計測機器の検知限界(0.005g H2O/m2/day)であった。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態における特徴の1つは、薄いフィルム状のバッテリ及び環境的バリアを備えるデバイスを提供することにある。環境的バリアは、側方に広がる領域の境界を定義可能である。
【0090】
いくつかの実施形態において、装置は、基台、基台に取付けられた第1のデバイス及び第1のデバイスをシールする層状のバリア構造を備える。層状のバリア構造は、第1の物理的構造層を備える。物理的構造層は、側方において境界が定義可能な側方領域を備える。層状のバリア構造は、第1のバリア層を備える。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、光学的に側方へ広がる領域の境界が定義可能である。
【0092】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、フォトレジストであり、第1のバリア層がアルミニウムである。
【0093】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、有機ポリマを備える。
【0094】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、ガラスを備える。
【0095】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、半固体層を備える。
【0096】
いくつかの実施形態において、装置は、更に光学的に領域を定めることが可能なバリア層を更に備える。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光学的に領域を定めることが可能なバリア層が、デバイスと基台の間に配される。いくつかの実施形態において、光学的に領域を定義可能なバリア層が基台上に積層され、デバイスがその後積層される。いくつかの実施形態において、光学的に領域を定義可能な層がデバイス上に積層され、この積層された光学的に領域を定義可能な層を備えるデバイスが基台上に積層される。いくつかの実施形態において、光学的に領域を定義可能な層が基台上に積層され、基台が、デバイスと光学的に領域を定義可能な層の間に配される。いくつかの実施形態において、バリア層が光学的に領域を定義可能な層上に積層される。
【0097】
いくつかの実施形態において、装置は更に、基台バリア構造をデバイスと基台の間に備える。いくつかの実施形態において、基台バリア構造は、光学的に領域を定義可能な層を備える。いくつかの実施形態において、基台バリア構造は、アルミニウム製の拡散バリアを備える。
【0098】
いくつかの実施形態において、第1のデバイスは薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、第1の物理的構造層は、側方に広がる領域に対して境界が定められるとともに少なくともバッテリを被覆する。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層は、金属を備える(例えば、アルミニウム、金、銅、鉄及びこれらの組み合わせを挙げることができる)。
【0100】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層がアルミニウムを備える。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層がセラミック材料を備える。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層が、側方へ広がる領域の境界が定められる。いくつかの実施形態において、第1のデバイスが薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、第1のバリア層がガス体に対するバリア層を備え、ガス体に対するバリア層が、側方へ広がる領域の境界が定められるとともに少なくともバッテリを被覆する。いくつかの実施形態において、第1のバリア層が光学的に領域を定めることが可能である。いくつかの実施形態において、第1のバリア層が、回路との接続機能を備える。
【0103】
いくつかの実施形態において、バリア層が、低いガスの透過速度特性を備える。
【0104】
いくつかの実施形態において、層状のバリア構造が更に、第2の物理的構造層と第2のバリア層を備え、第2の物理的構造層が前記第1のバリア層を被覆し、第2のバリア層が前記第2の物理的構造層を被覆する。いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、フォトレジストを備え、前記第1のバリア層がアルミニウムを備え、第2の物理的構造層がフォトレジストを備え、第2のバリア層がアルミニウムを備える。いくつかの実施形態において、第2の物理的構造層が、光学的に側方へ広がる領域の境界が定められる領域を備える。いくつかの実施形態において、第1のバリア層と前記第2のバリア層がコンデンサとして回路に接続する。いくつかの実施形態において、物理的構造層とバリア層が交互に配された複数の層を更に備え、該複数の層が側方に広がる領域の境界が定められていることを特徴とする。いくつかの実施形態において、境界が定められるとともに異なる材料からなる層が交互に配された複数の交代層のうち少なくともいくつかの交代層が電気的に電気回路に接続し、電気回路がバッテリを備え、第1デバイスは層状のバリア構造にシールされるとともにリチウムバッテリを備える。いくつかの実施形態において、境界が定められるとともに異なる材料からなる層が交互に配された複数の交代層のうち少なくともいくつかの交代層が電気回路の受動素子を形成するように接続され、デバイスが電気回路の一部をなす。
【0105】
いくつかの実施形態において、更に第2のデバイスを備える。第2のデバイスは基台に接続されるとともに層状のバリア構造により被覆される。層状のバリア構造は、境界が定められるとともに異なる材料からなる層が交互に配された複数の交代層を備え、交代層は電気回路の受動素子を形成するように接続し、第1のデバイス及び第2のデバイスが電気回路の一部をなす。
【0106】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層が、フォトレジストである。
【0107】
いくつかの実施形態において、デバイスが、薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、第1の物理的構造層が、フォトレジストからなるとともに、フォトリソグラフィを用いて側方における境界が定められ、第1の物理的構造層が、少なくともバッテリを被覆する。
【0108】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層が回路に接続可能な層を形成する。
【0109】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層が金属を含み、この金属は第1の物理的構造層を被覆する。この第1の物理的構造層は、フォトレジストからなる。このような実施形態のいくつかにおいて、層状のバリア構造は、第2のフォトレジスト層を備える。第2のフォトレジスト層は、金属からなる第1のバリア層を被覆する。更に層状のバリア構造は、第2の金属層を備え、この金属層は第2のフォトレジスト層を被覆する。第1の金属層と第2の金属層はコンデンサとしてデバイスの回路に接続する。
【0110】
いくつかの実施形態において、装置がバッテリを備え、装置が、バッテリに電気的に接続する回路を備え、回路がプロセッサ、メモリ及び入力デバイス並びに出力デバイスを備える。いくつかの実施形態において、回路が更にアンテナを備える。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態は、基台、基台に取付けられた第1のデバイス及び本明細書中で説明された(35 U.S.C. section 112 paragraph 6に基づいて説明された)第1のデバイスをシールする手段を提供する。更に、デバイスの表面を物理的に形成する手段を提供し、このデバイスの表面を物理的に形成する手段は、側方において境界が定められる側方に広がる領域を備える。更に、ガス体をブロックする手段を備える。このガス体をブロックする手段は、物理的にデバイスの表面を形成する手段の上に積層される。
【0112】
いくつかの実施形態において、デバイスの表面を物理的に形成する手段が、側方において境界が定められた領域を備え、境界が光学的に定められる。
【0113】
いくつかの実施形態において、物理的にデバイスの表面を形成する手段が、フォトレジストを備え、ガスをブロックする手段がアルミニウムを備える。
【0114】
いくつかの実施形態において、物理的にデバイスの表面を形成する手段が、有機ポリマを備える。
【0115】
いくつかの実施形態において、物理的にデバイスの表面を形成する手段が、ガラスを備える。
【0116】
いくつかの実施形態において、物理的にデバイスの表面を形成する手段が、半固体状の層を備える。
【0117】
いくつかの実施形態において、物理的にデバイスの表面を形成する手段の側方へ広がる領域の境界が光学的に定められ、基台に取付けられた第1のデバイスが、積層された薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、リチウムバッテリは、基台上に積層される連続した層を備え、物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、その境界を光学的に定められるとともに少なくともバッテリを被覆する。
【0118】
いくつかの実施形態において、ガスをブロックする手段が金属を備える。
【0119】
いくつかの実施形態において、ガスをブロックする手段がアルミニウムを備える。
【0120】
いくつかの実施形態において、ガスをブロックする手段がセラミック材料を備える。
【0121】
いくつかの実施形態における他の特徴は方法を提供することである。この方法は、基台に接続した第1のデバイスを備える基台を用意する段階と、第1のデバイスをシールする第1の層状のバリア構造を形成する段階を備え、第1の層状のバリア構造を形成する段階が、側方において境界が定められた領域を備える第1の物理的構造層を積層する段階と、第1のバリア層を積層する段階を備える。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層の側方に広がる領域の境界を光学的に定める段階を更に備える。
【0123】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、第1のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備える。
【0124】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層を積層する段階が、有機ポリマを積層する段階を備える。
【0125】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層を積層する段階が、ガラスを積層する段階を備える。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層を積層する段階が、半固体状の層を積層する段階を備える。
【0127】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層の側方に広がる領域の境界を光学的に定める段階を更に備え、基台に取付けられた第1のデバイスを備える基台を用意する段階が更に、基台上の連続する層中に薄いフィルム状のリチウムバッテリを積層する段階を備え、第1の物理的構造層が、光学的にその領域を定められるとともに少なくとも前記バッテリを被覆する。
【0128】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層を積層する段階が、金属を積層する段階を備える。
【0129】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備える。
【0130】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層を積層する段階が、セラミック材料を積層する段階を備える。
【0131】
いくつかの実施形態において、第1の層状のバリア構造を形成する段階が、第1のバリア層の側方に広がる領域の境界を定める段階を備える。
【0132】
いくつかの実施形態において、第1の層状のバリア構造を形成する段階が、第1のバリア層の側方に広がる領域をエッチングする段階を備える。
【0133】
いくつかの実施形態において、層状のバリア構造を形成する段階が、第1のバリア層を積層する段階を実行している間に第1のバリア層の側方に広がる領域をマスクする段階を備える。このような実施形態のうちいくつかにおいて、基台に取付けられた第1のデバイスを備える基台を用意する段階が更に、薄いフィルム状のリチウムバッテリを基台上の連続する層に積層する段階を備え、第1のバリア層を積層する段階がガス体に対するバリア層を積層する段階を備え、このガス体に対するバリア層が、側方において境界が定義されるとともに少なくともバッテリを被覆する。
【0134】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層の境界を光学的に定める段階を更に備える。このような実施形態のいくつかにおいて、第1のバリア層の境界を光学的に定める段階が、回路接続機能を光学的に定める段階を備える。
【0135】
いくつかの実施形態において、バリア層を積層する段階が、低いガス透過速度特性を備える材料を積層する段階を備える。
【0136】
いくつかの実施形態において、第1の層状のバリア構造を形成する段階が更に、第1のバリア層上に第2の物理的構造層を積層する段階と、第2の物理的構造層上に第2のバリア層を積層する段階を備える。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、第1のバリア層を積層する段階がアルミニウムを積層する段階を備え、第2の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、第2のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備える。
【0138】
いくつかの実施形態において、第2の物理的構造層の側方に広がる領域の側方における境界を光学的に定める段階を更に備える。
【0139】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層と第2のバリア層を接続しコンデンサを形成する段階を更に備え、コンデンサが回路に接続する。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、物理的構造層と側方において境界が定められた側方に広がる領域を備えるバリア層とを交互に配する段階を複数備える。
【0141】
いくつかの実施形態において、領域が定められるとともに異なる材料からなる複数の層が交互に配される複数の交代層のうち少なくともいくつかの交代層が電気的に電気回路に接続し、この電気回路がリチウムバッテリを備え、第1のデバイスは層状のバリア構造によりシールされるとともにリチウムバッテリを備える。
【0142】
いくつかの実施形態において、領域が定められるとともに異なる材料からなる複数の層が交互に配される複数の交代層のうち少なくともいくつかの交代層が電気回路の受動素子を形成するように接続され、デバイスが電気回路の一部をなす。
【0143】
いくつかの実施形態において、基台に第2のデバイスを取付ける段階と、領域が定められるとともに異なる材料からなる複数の層が交互に配される複数の交代層のうち少なくともいくつかの交代層が電気回路の受動素子を形成するように接続する段階と、第1のデバイスと第2のデバイスを接続し、これらで電気回路の部分を形成する段階を備える。
【0144】
いくつかの実施形態において、第1の物理的構造層は、フォトレジストである。
【0145】
いくつかの実施形態において、デバイスは薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、第1の物理的構造層はフォトレジストからなるとともに、フォトリソグラフィを用いて側方における領域に対する境界が定められ、更に第1の物理的構造層が少なくともバッテリを被覆する。
【0146】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層が回路接続層を形成するように、第1のバリア層を形成する。
【0147】
いくつかの実施形態において、第1のバリア層を積層する段階が、フォトレジストからなる第1の物理的構造層上に金属を積層する段階を備える。
【0148】
いくつかの実施形態において、層状のバリア構造が更に、第2のフォトレジストは第1のバリア層を被覆する。この第1のバリア層は金属からなる。また、層状のバリア構造は、第2のフォトレジスト層を被覆する第2の金属層を備える。第1の金属層と第2の金属層はコンデンサとしてデバイスの回路に接続する。
【0149】
いくつかの実施形態において、デバイスはバッテリを備える。本発明に係る方法は、回路をこのバッテリに接続する段階を備え、回路は、プロセッサ、メモリ、入力デバイス及び出力デバイスを備える。
【0150】
いくつかの実施形態において、回路はアンテナを備える。
【0151】
いくつかの実施形態において、光学的に領域を定義可能な基台バリア層を積層する段階を備え、光学的に領域を定義可能な基台バリア層が、第1の層状のバリア構造に対して前記デバイスの反対側に配される。
【0152】
いくつかの実施形態において、デバイスと基台の間に光学的に領域の境界を定めることが可能なバリア層を配する段階を備える。
【0153】
いくつかの実施形態において、基台上に光学的に境界を定めることが可能なバリア層を積層する段階を備える。
【0154】
いくつかの実施形態において、デバイス上に光学的に境界を定めることが可能なバリア層を積層する段階を備える。
【0155】
上記の記載内容は、単に本発明を説明するためのものであり本発明を何ら限定するものではない。本明細書において様々な実施形態の特徴並びに有利な点が、上記記載において説明され、この説明に伴い様々な実施形態の構造並びに機能の詳細が示されているが、他の実施形態並びに変更形態に関しても、上記記載に基づき当業者がなしえるものである。したがって、本発明の要旨は、添付の請求の範囲の記載内容に基づき定められるものであり、請求項に記載されるものと同様のものも本発明の要旨に含まれる。
尚、外国語明細書における「including」及び「in which」はそれぞれ、「comprising」及び「wherein」と同様の意味をなす。さらに、第1、第2及び第3との用語は単に、標識としての意味のみを有し、実際の対象物に数字を付することを要求するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1A】本発明にしたがって製造されたエネルギ蓄積デバイス(100A)の断面図である。
【図1B】本発明にしたがって製造されたエネルギ蓄積デバイス(100B)の断面図であり、充電後の状態を示す。
【図1C】図1Bに示す装置(100B)に対する概略的ダイアグラム(100C)である。
【図1D】いくつかの実施形態で用いられる装置(190)の断面図であり、固体が透過可能な電解質保護層を通じてリチウムを鍍金し、アノードを形成する形態を示す。
【図2A】本発明の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200A)の断面図である。
【図2B】本発明の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200B)の断面図である。
【図2C】本発明の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200C)の断面図である。
【図2D】多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200D)の断面図である。
【図2E】多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200E)の断面図である。
【図2F】多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(200F)の断面図である。
【図3A】環境的バリアを平坦化する途中工程における環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(300A)の断面図である。
【図3B】環境的バリアを平坦化する途中工程における環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(300B)の断面図である。
【図3C】環境的バリアを平坦化する途中工程における環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(300C)の断面図である。
【図4A】平坦化された多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(400A)の断面図である。
【図4B】平坦化された多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(400B)の断面図である。
【図4C】平坦化された多層構造の環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(400C)の断面図である。
【図5A】環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(500A)の断面図であり、環境的バリアは、加工工程初期段階において、光学的に領域を定めることが可能な部分を備える。
【図5B】環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(500B)の断面図であり、環境的バリアは、加工工程初期段階において、光学的に領域を定めることが可能な部分を備える。
【図5C】環境的バリアを備えるエネルギ蓄積デバイス(500C)の断面図であり、環境的バリアは、加工工程初期段階において、光学的に領域を定めることが可能な部分を備える。
【図6A】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(600A)の断面図である。
【図6B】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(600B)の断面図である。
【図6C】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(600C)の断面図である。
【図7A】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(700A)の断面図である。
【図7B】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(700B)の断面図である。
【図7C】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(700C)の断面図である。
【図8A】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(800A)の断面図である。
【図8B】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(800B)の断面図である。
【図8C】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(800C)の断面図である。
【図9A】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(900A)の断面図である。
【図9B】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(900B)の断面図である。
【図9C】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(900C)の断面図である。
【図10A】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(1000A)の断面図である。
【図10B】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(1000B)の断面図である。
【図10C】加工工程が施された後の光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するエネルギ蓄積デバイス(1000C)の断面図である。
【図11】環境的バリアを備える一般的なデバイスの断面図並びに斜視図である。
【図12A】光学的に領域を定めることが可能な部分を備える環境的バリアを有するデバイスの断面図並びに斜視図である。
【図12B】図12Aに示す装置(1200)の概略的な回路のダイアグラムである。
【図13】システムの一部をなすデバイスの実施形態の展開斜視図である。
【図14】携帯型システムの一部をなすデバイスの実施形態の展開斜視図である。
【図15】スマート・カードの斜視図である。
【図16】「roll-to-roll」プロセス(1600)の概略図であり、「roll-to-roll」プロセス(1600)は、ドクターブレード(1622)を用いて平滑層を積層し、光学的に平滑層の領域を定める。
【図17】「roll-to-roll」プロセス(1700)の概略図であり、「roll-to-roll」プロセス(1700)は、オフセット印刷機を用いて平滑層を積層し、オフセット印刷機は平滑層の領域を定める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
該基台に取付けられる第1のデバイスと、
該第1のデバイスをシールする層状のバリア構造からなり、
該層状のバリア構造は、第1の物理的構造層を備え、
該第1の物理的構造層は、側方へ広がる領域の境界が定義可能であるとともに第1のバリア層を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の物理的構造層が、光学的に側方へ広がる領域の境界が定義可能であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1の物理的構造層が、フォトレジストであり、
前記第1のバリア層がアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記デバイスと前記基台との間に基台バリア構造を備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記基台バリア構造が光学的にその領域を定義可能な層を備えることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記基台バリア構造がアルミニウム製の拡散バリアを備えることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記第1のデバイスが、薄いフィルム状のリチウムバッテリであり、
前記第1の物理的構造層が側方における境界が定められるとともに少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記第1のバリア層が金属を備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記第1のバリア層がアルミニウムを備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記第1のバリア層がセラミック材料を備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記第1のバリア層が、側方へ広がる領域の境界が定められてなることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記第1のデバイスが薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、
前記第1のバリア層がガス体に対するバリア層を備え、
該ガス体に対するバリア層が、側方へ広がる領域の境界が定められるとともに少なくともバッテリを被覆することを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記第1のバリア層が光学的に領域を定めることが可能であることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記第1のバリア層が、回路との接続機能を備えることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記バリア層が、低いガスの透過速度特性を備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記層状のバリア構造が更に、第2の物理的構造層と第2のバリア層を備え、
該第2の物理的構造層が前記第1のバリア層を被覆し、
前記第2のバリア層が前記第2の物理的構造層を被覆することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記第1の物理的構造層が、フォトレジストを備え、
前記第1のバリア層がアルミニウムを備え、
前記第2の物理的構造層がフォトレジストを備え、
前記第2のバリア層がアルミニウムを備えることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記第2の物理的構造層が、光学的に側方へ広がる領域の境界が定められる領域を備えることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記第1のバリア層と前記第2のバリア層がコンデンサとして回路に接続することを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項20】
物理的構造層とバリア層が交互に配された複数の層を更に備え、
該複数の層が側方に広がる領域の境界が定められていることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項21】
前記領域の境界が定められるとともに物理的構造層とバリア層が交互に配された複数の層が、電気回路に接続し、
該電気回路がリチウムバッテリを備え、
前記第1のデバイスが前記層状のバリア構造によりシールされるとともにリチウムバッテリを備えることを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記領域の境界が定められるとともに物理的構造層とバリア層が交互に配された複数の層が、電気回路の受動素子を形成するように接続され、
前記デバイスが前記電気回路の一部をなすことを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項23】
第2のデバイスを更に備え、
該第2のデバイスは前記基台に取付けられるとともに前記層状のバリア構造により被覆され、
前記層状のバリア構造が、交互に層が配されるとともに側方へ広がる領域が定義された複数の層を備え、
前記層状のバリア構造は、電気回路の受動素子を形成するように接続され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスが前記電気回路の一部をなすことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項24】
前記第1の物理的構造層が、フォトレジストであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項25】
前記デバイスが、薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、
前記第1の物理的構造層が、フォトレジストからなるとともに、フォトリソグラフィを用いて側方における境界が定められ、
前記第1の物理的構造層が、少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記第1のバリア層が回路に接続可能な層を形成することを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記第1のバリア層が金属を備え、
該金属が、前記フォトレジストからなる第1の物理的構造層を被覆することを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項28】
前記層状のバリア構造が、第2のフォトレジスト層を備え、
該第2のフォトレジスト層は、前記金属を備える第1のバリア層を被覆し、
前記層状のバリア構造が、更に第2の金属層を備え、
該第2の金属層が前記第2のフォトレジスト層を被覆し、
前記金属を備える第1のバリア層と前記第2の金属層がコンデンサとして、前記デバイスの回路に接続することを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】
前記装置がバッテリを備え、
前記装置が、前記バッテリに電気的に接続する回路を備え、
該回路がプロセッサ、メモリ及び入力デバイス並びに出力デバイスを備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項30】
前記回路が更にアンテナを備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項31】
基台と、
該基台に取付けられる第1のデバイスと、
該第1のデバイスをシールする手段からなり、
該第1のデバイスをシールする手段は、前記デバイスの表面を物理的に形成する手段を備え、
該デバイスの表面を物理的に形成する手段は、側方において境界が定められた領域を備え、
前記第1のデバイスをシールする手段は更に、ガスをブロックする手段を備え、
該ガスをブロックする手段は、前記デバイスの表面を物理的に形成する手段上に積層されることを特徴とする装置。
【請求項32】
前記デバイスの表面を物理的に形成する手段が、側方において境界が定められた領域を備え、該境界が光学的に定められることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項33】
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、フォトレジストを備え、
前記ガスをブロックする手段がアルミニウムを備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項34】
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、有機ポリマを備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項35】
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、ガラスを備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項36】
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、半固体状の層を備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項37】
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段の側方へ広がる領域の境界が光学的に定められ、
前記基台に取付けられた前記第1のデバイスが、積層された薄いフィルム状のリチウムバッテリを備え、
該リチウムバッテリは、前記基台上に積層される連続した層を備え、
前記物理的に前記デバイスの表面を形成する手段が、その境界を光学的に定められるとともに少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項38】
前記ガスをブロックする手段が金属を備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項39】
前記ガスをブロックする手段がアルミニウムを備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項40】
前記ガスをブロックする手段がセラミック材料を備えることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項41】
基台に接続した第1のデバイスを備える基台を用意する段階と、
前記第1のデバイスをシールする第1の層状のバリア構造を形成する段階を備え、
該第1の層状のバリア構造を形成する段階が、側方において境界が定められた領域を備える第1の物理的構造層を積層する段階と、
第1のバリア層を積層する段階を備えることを特徴とする方法。
【請求項42】
前記第1の物理的構造層の側方に広がる領域の境界を光学的に定める段階を更に備えることを特徴とする方法。
【請求項43】
前記第1の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、
前記第1のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記第1の物理的構造層を積層する段階が、有機ポリマを積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項45】
前記第1の物理的構造層を積層する段階が、ガラスを積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項46】
前記第1の物理的構造層を積層する段階が、半固体状の層を積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項47】
前記第1の物理的構造層の側方に広がる領域の境界を光学的に定める段階を更に備え、
前記基台に取付けられた第1のデバイスを備える基台を用意する段階が更に、前記基台上の連続する層中に薄いフィルム状のリチウムバッテリを積層する段階を備え、
前記第1の物理的構造層が、光学的にその領域を定められるとともに少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項48】
前記第1のバリア層を積層する段階が、金属を積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項49】
前記第1のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項50】
前記第1のバリア層を積層する段階が、セラミック材料を積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項51】
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が、前記第1のバリア層の側方に広がる領域の境界を定める段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項52】
前記基台に取付けられた前記第1のデバイスを備える基台を用意する段階が、薄いフィルム状のリチウムバッテリを前記基台上の連続する層内に積層する段階を備え、
前記第1のバリア層を積層する段階が、ガス体に対するバリア層を積層する段階を備え、
該ガス体に対するバリア層が側方においてその境界が定められるとともに少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記第1のバリア層の境界を光学的に定める段階を更に備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項54】
前記第1のバリア層の境界を光学的に定める段階が、回路接続機能を光学的に定める段階を備えることを特徴とする請求項53記載の方法。
【請求項55】
前記バリア層を積層する段階が、低いガス透過速度特性を備える材料を積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項56】
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が更に、前記第1のバリア層上に第2の物理的構造層を積層する段階と、該第2の物理的構造層上に第2のバリア層を積層する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項57】
第1の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、
前記第1のバリア層を積層する段階がアルミニウムを積層する段階を備え、
前記第2の物理的構造層を積層する段階が、フォトレジストを積層する段階を備え、
前記第2のバリア層を積層する段階が、アルミニウムを積層する段階を備えることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記第2の物理的構造層の側方に広がる領域の側方における境界を光学的に定める段階を更に備えることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
第1のバリア層と第2のバリア層を接続しコンデンサを形成する段階を更に備え、
該コンデンサが回路に接続することを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項60】
物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層を積層する段階と、
該物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層の側方に広がる領域の側方における境界を定める段階を更に備えることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項61】
前記物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層の側方における境界が定められた後に、該物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層を電気回路に接続する段階を更に備え、
該電気回路がリチウムバッテリを備え、
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が、前記リチウムバッテリをシールする段階を備えることを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層の側方における境界が定められた後に、該物理的構造層とバリア層を交互に配した複数の層を接続し、電気回路の受動素子を形成する段階を備え、
前記デバイスが前記電気回路の一部を形成することを特徴とする請求項60記載の方法。
【請求項63】
第2のデバイスを前記基台に取付ける段階と、
該第2のデバイスを前記第1の層状のバリア構造で被覆する段階と、
前記第1の層状のバリア構造の領域が定められた交互に積層された複数の層を接続し、電気回路の受動素子を形成する段階と、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスを接続し、前記電気回路の一部を形成する段階を備えることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項64】
前記第1の物理的構造層を積層する段階がフォトレジストを積層する段階を備えることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項65】
前記デバイスが薄いフィルム状のリチウムバッテリであり、
フォトリソグラフィを用いて、前記第1の物理的構造層のフォトレジスト層の側方における境界を定める段階を更に備え、
前記第1の物理的構造層が少なくとも前記バッテリを被覆することを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記第1のバリア層が回路接続層を形成するように、前記第1のバリア層を形成することを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記第1のバリア層を積層する段階が、フォトレジストからなる前記第1の物理的構造層上に金属を積層する段階を備えることを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項68】
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が、第2のフォトレジスト層を前記金属からなる第1のバリア層上に積層する段階と、
前記第2のフォトレジスト層に第2の金属層を積層する段階と、
前記第1の金属層と前記第2の金属層をコンデンサとして前記デバイスの回路に接続することを特徴とする請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記デバイスがバッテリを備え、
回路を前記バッテリに電気的に接続する段階を備え、
前記回路がプロセッサ、メモリ、入力デバイス及び出力デバイスを備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項70】
前記回路が更にアンテナを備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項71】
光学的に領域を定義可能な基台バリア層を積層する段階を備え、
該光学的に領域を定義可能な基台バリア層が、前記第1の層状のバリア構造に対して前記デバイスの反対側に配されることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項72】
前記デバイスと前記基台の間に前記光学的に領域の境界を定めることが可能なバリア層を配する段階を備えることを特徴とする請求項71記載の方法。
【請求項73】
前記基台上に前記光学的に境界を定めることが可能なバリア層を積層する段階を備えることを特徴とする請求項71記載の方法。
【請求項74】
前記デバイス上に前記光学的に境界を定めることが可能なバリア層を積層する段階を備えることを特徴とする請求項71記載の方法。
【請求項75】
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が、前記第1のバリア層の側方へ広がる領域をエッチングする段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項76】
前記第1の層状のバリア構造を形成する段階が、前記第1のバリア層を積層する段階を実行する間に、前記第1のバリア層の側方に広がる領域をマスクすることを実行する段階を備えることを特徴とする請求項41記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−518246(P2007−518246A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549432(P2006−549432)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000496
【国際公開番号】WO2005/067645
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506232796)
【Fターム(参考)】