多機能ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイス
電界駆動デバイス及び作動方法が提供される。各デバイスは、印加電界に対して多機能の応答を提供するために、一種以上のドープ導電性ポリマーを使用している。デバイスは、デバイス(10)用のゲートコンタクト(22)を提供するように作動できる導電層(30)と、デバイス(10)用のソース(24)及びドレイン(26)コンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層(14)と、導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に形成された絶縁性ポリマー層(16)とを有し、前記層の組合わせにより、複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うようにデバイス(10)が作動できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年3月25日出願の米国仮出願第60/556,232号の優先権及びその利益を主張するものであり、該仮出願の全体を明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリピロール(PPy)及びポリアニリン(PAni)、並びにそれらのコポリマー及びブレンド等の一種以上のドープ導電性ポリマー(doped conducting polymers)を用いて調製された電界駆動デバイスに関するものであり、この導電性ポリマーには、印加された電界に対して多機能応答を提供するために、Cl−やClO4−等の無機ドーパント、及び/又はメタンスルホン酸やカンファースルホン酸等の有機ドーパント、及びそれらの混合物がドープされている。
【0003】
本発明の例示的実施形態は、反射率/放射率及び導電率の変調、増幅器、電流源、不揮発性メモリ、及びスーパーキャパシタのアプリケーションに関する。しかしながら、本例示的実施形態は、他の同様のアプリケーションにも適用可能である。
【0004】
電界効果トランジスタ(FET)は、今日最も一般的なトラジスタである。FETは、半導体材料を通して流れる電流を電界を使用して制御することにより作動する。近年、電界効果デバイスに活性要素を提供するために、ドープ及びアンドープ半導体ポリマーが提供されている。本発明者Arthur J. EpsteinらによるElectric−Field Induced Ion−Leveraged Metal−Insulator Transition in Conducting Polymer Transistorsには、ドープ及びアンドープ半導体ポリマー並びにそれらのFETへの適用が論じられており、その全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0005】
従来、ポリマーFETは、反転増幅器や電流源等として使用されているが、そのFET構成で提供される機能は1種類のみである。本発明は、複数の機能を達成できるポリマーFETデバイスを提供する。
本開発は、海軍研究事務所の支援を受けている(助成金番号N00014−01−1−0427)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本例示的実施形態の一アスペクトによれば、デバイス用のゲートコンタクトを提供するように作動できる導電層と、デバイス用のソース及びドレインコンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層と、導電層と導電性ポリマー層との間に形成された絶縁性ポリマー層とを有する電界効果デバイスが提供され、前記層の組合わせにより、複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うようにデバイスが作動できる。複数の応答機能には、導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる機能;導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することによりソースコンタクトとドレインコンタクトとの間の導電性を変化させる機能;低周波電気信号を増幅する機能;電流源として働く機能;不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する機能;絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する機能;及び有機種、無機種又は生物種(biologic species)の存在を検知する機能が含まれる。
【0007】
本例示的実施形態の他のアスペクトによれば、デバイス用のゲートコンタクトを提供するように作動できると共に反射面を提供するように作動できる導電層と、デバイス用のソース及びドレインコンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層と、導電層と導電性ポリマー層との間に形成された絶縁性ポリマー層とを有する電界効果デバイスを作動させる方法が提供される。この方法は、前記層の組合わせにより、複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うようにデバイスが作動できるようにする段階を含む。複数の応答機能には、導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる機能;導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することによりソースコンタクトとドレインコンタクトとの間の導電性を変化させる機能;低周波電気信号を増幅する機能;電流源として働く機能;不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する機能;絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する機能;及び有機種、無機種又は生物種の存在を検知する機能が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の開示によれば、図1にその概略を示す多機能ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイス構造体が提供される。図に示すようにデバイス10は、導電層12(例えばアルミニウム層等の金属層)、導電性ポリマー層14(例えばPEDOT:PSS)、金属層12及び導電性ポリマー層14の間に配設される絶縁性ポリマー層16(例えばPVP、ポリエチレンオキシド又は他の非導電性ポリマー等の絶縁体)を含む。導電性ポリマー層14は電界効果デバイス10の活性領域を提供する。また、導電層12は、金属や非金属の反射性表面等の高反射性表面で被覆されていてもよい導電性ポリマー等、他種の導電性材料(例えばコーティングしたマイラー)で置換することができる。ここで、層12はデバイス10のゲートコンタクト22として機能し、導電性ポリマー層14はデバイス10のソースコンタクト24及びドレインコンタクト26として機能する。同様に図1には、ゲートコンタクト22、ソースコンタクト24及びドレインコンタクト26に接続されるように適切に設置され、デバイスを作動させる回路を示す。
【0009】
図1に示されるデバイスは種々の構成を取りうるが、これらは単に例示に過ぎないことが理解されよう。更に、本デバイスは、剛性、半剛性、変形可能(conformable)又は可撓性とすることができる。デバイス10の各種層は、一部を本明細書に示す他の適切な材料から形成することができると理解されたい。図1のデバイス10は種々の技法により作成されることが理解されよう。これら技法の例は、上述の参考文献Electric−Field Induced Ion−Leveraged Metal−Insulator Transition in Conducting Polymer Transistorsに開示されている。
【0010】
このような技法は、使用される材料及び所望のデバイス構成に従って選択される。また更に、デバイスの多機能特性に応じて本デバイスは種々の環境で作動させることができる。
【0011】
本デバイス構造体に使用されるドープ導電性及び誘電体ポリマーの例を図2A〜2B、3A〜3C及び4A〜4Bに示す。本構造体は1μ2未満〜1cm2超、例えば1m2超の活性領域を有することができる。本構造体には次の多種応答機能の内の少なくとも2種、を取り込むことができる。即ち、
底部金属反射層と頂部導電性ポリマー層との間に小電圧を印加することにより広い表面領域に亘る電磁放射、特に赤外線の反射率と放射率を変化させること(図5A〜9C);
導電性ポリマー層と金属層との間に電圧を印加することにより導電性ポリマー層のソースコンタクトとドレインコンタクトとの間のコンダクタンスを変化させること(図10〜14B);
回路素子として用いられるとき、低周波電気信号を増幅すること(図15A〜16C);
電流源として働くこと(図17A〜17B);
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶すること(図18A〜18C);
ポリマー誘電体層(ポリビニルフェノール)(PVP)と表わす)によって分離されている頂部導電性ポリマー層(PEDOT:PSSと表わす)と下部金属(ゲート)層(Alと表わす)との間の電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵すること(図1);及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知することである。
【0012】
作動方法は、導電性ポリマー層の無秩序部分に少量のイオンを挿入することで達成されるものであり、そのようにイオンを導入することでポリマー中の電荷の流れが阻止され多機能応答が可能となることが理解されよう。従って、デバイスを最適化することができ、二種以上の機能が同時に提供される。
【0013】
以下図面を参照して、本明細書の特徴を更に詳細に説明する。
図1に、エネルギー/パワー貯蔵、コンダクタンス及び反射率/放射率を電圧制御する、多機能ドープポリマー電解効果変調デバイスの概略を示す。
【0014】
本電界効果デバイスは、活性材料としての導電性ポリマー層14を含む。導電性ポリマー層14は、導電性ポリマーであるPEDOT:PSS[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)](化学式を図2Aに示す)からなる。他に用いることができる典型的な導電性ポリマーを図3A〜3Cに示す。図3Aはポリチオフェンの骨格構造を示し、図3Bはポリピロールの骨格構造を示し、図3Cはポリアニリンのロイコエメラルディン型(y=1)、エメラルディン型(0.35<y<0.65)及びペルニグアニリン(y=0)型の各骨格構造を示す。図3A〜3Cに示される各ポリマー骨格において、一又は全部の炭素及び窒素サイトをアルキル、アルコキシ、アセン、ポリアセン含有単位又はピリジン含有単位の官能基で更に置換することができる。図4A及び図4Bは、50%及び100%スルホン化ポリアニリン(自己ドープポリマー)をそれぞれ表わす。これらポリマーは、炭素及び窒素サイトにおいてアルキル又はアルコキシ基の官能基で更に置換することができる。スルホン化度は10%から100%の間で連続的に変化させることができる。図1に示すデバイス構造体の導電性ポリマー層14の例においては、Cl−をドープする。絶縁層16は、図2Bに示すPVP[ポリ(4−ビニルフェノール)]、ポリエチレンオキシド又は他の非導電性ポリマー等の絶縁体から調製される。導電層12は、アルミニウム、金、銀、又は反射性表面で被覆された導電性ポリマー等の高反射性材料から調製される。図に示すように、ドープ導電性ポリマー層14は、ソースコンタクト24及びドレインコンタクト26を提供する。FETを形成するためのSi等の従来の半導体に比べ非常に低いドーピングレベルではあるものの、本発明のポリマー層14は、活性領域有する半導体として、印加されたゲート電圧に応答する。反射導電層12は、デバイス10のゲートコンタクト22を提供する。20で表わされる電圧源によって電圧をゲートコンタクト22に印加する。ゲート電圧によって発生した電場は絶縁層16を透過し、ドープ導電性ポリマー層14に達する。これによって起こる絶縁層及び導電性ポリマー層間のイオンの微小運動により、電流がドレインコンタクト26からソースコンタクト24へ流れる。電圧源28は、電流をデバイス10へ流通させるのに必要なエネルギーを提供する。
【0015】
図1は、電界効果デバイスの表面領域32に印加された電磁放射30を示す。この電磁放射は、ドープ導電性ポリマー層14を透過する更なる電界を発生させる。この結果、導電性ポリマー層14内に更なるイオンの動きがもたらされる。これによって、ソース24コンタクト、ドレイン26コンタクト間の導電性に更なる変調がもたらされる。更に、層12の反射面は、導電性ポリマー層14と絶縁層16の両方を透過する電磁放射を反射する手段となる。反射された放射は、デバイス10の表面34を透過する。次に説明するように、反射率はデバイス10のゲート電圧によって制御できる。
【0016】
図5A、5Bは、それぞれ多機能ドープポリマー電界効果変調デバイス70の上面図と断面図である。このデバイス70は、ドープ導電性ポリマー72と、絶縁層74と、反射導電層76と、ガラス等の基板78とを含む。これら各層の配列を図5A、5Bに示す。
【0017】
図6A、6Bは、図5A、5Bに示すデバイスの性能特性を示すグラフである。デバイス70の組成は、活性領域が52mm2のガラス/Al(0.3μ)/PVP(0.6μ)/Baytron(0.7μ)である。図6Aは、デバイス70の、ゲート76と導電性ポリマー72間に印加された、経時的に変化するゲート電圧VG80を示す。ゲート電圧の値は、矢印82で示す各時間において0から+2V又は−2Vの間で変化する。VGの振幅の変化に伴い、時間の関数としてソース−ドレイン電流が変調され(84)、ゲート−ソース電流も同様に変調される。図6Bに示すように、デバイス70の反射率Rと反射率の変化率R/R0はVGの関数として変化する。R0は、VG=0の時のデバイス70の反射率を示し、Rは、VGが−2Vと+2V間の値の時のデバイス70の反射率を示す。反射率比R/R0は、VGが印加された時のデバイス70の反射率の変化を示す。図6Bに示すように、反射率比R/R0はVGが一定の場合、放射周波数(波長)の関数として変化する。図7は図6Bの拡大図であり、R/R0がVGの関数であることをよく示している。これらのグラフは、ゲートバイアスによる反射率の復調可能な変調を示している。更に、約40%のISD変調に対して約30%のR変調を行うことができる。図6Bに示すように、透過優位(TD)領域と反射優位(RD)領域が得られる。図7に示す結果は、最高2Vのゲート電圧を印加した場合のPEDOT:PSS電界効果構造のIR反射率の可逆的変化を示す。
【0018】
図8A、8Bは、図5A、5Bに示すデバイス70が受け取った外部電磁波の放射周波数の関数としての反射率と導電率をそれぞれ示すグラフである。図8Aから分かるように、デバイス70の反射率は、VGの増加と共に増加し、特に赤外線の場合そうである。更に、また同時に、ドレインソース間のデバイス70の導電率は、VGの増加と共に増加する。反射/放射制御機能と導電率制御機能を同時に行うことによって、図5A、5Bのドープ導電性ポリマー電界効果デバイスは多機能性を提供する。
【0019】
図9A〜9Cは、図5A、5Bに示すデバイスの3500cm−1〜28000cm−1の可視、近赤外及び近紫外スペクトル領域における透過性を示すグラフである。デバイスは、ガラス/Al(6nm)/PVP(0.8μ)/BP(0.25μ)で構成され、85.2mm2の活性領域を有する。これらのグラフは、紫外線及び可視スペクトルの範囲の放射において、約45%のIsd変化に対し約3%の透過率変化があることを示している。図9Bは図9Aの断面(A)を示し、図9Cは図9Aの断面(B)を示す。
【0020】
図10は、図1に示すデバイススイッチングスピードを示すグラフである。比較的遅いスイッチングスピードは、イオンの運動が重要であることを示唆している。
【0021】
図11は、図1に示すデバイスのコンダクタンスのグラフである。活性ポリマーはPEDOT:PSSである。本例は20Vのゲート電圧を印加後、コンダクタンスが1/105になることを示す。更に、ゲート電圧を取り除くと、コンダクタンスが復帰することが示されている。
【0022】
図12は、時間の関数としてのIDSのグラフである。このグラフは、PPy/Cl−(Cl−ドープポリピロール)の組成を有し、VGが比較的急速に変化する図1に示すデバイスのIDSが時間依存的であることを示している。
【0023】
図13A、13Bは、図1のデバイスはスイッチングオフ時間が比較的速いことを示している。本デバイスのスイッチングオフ時間(TSW)は、0.5秒未満であり、オン/オフ比は約103である。図13Bは、図13Aの領域(A)の拡大図を示す。この領域は、スイッチングオフ、スイッチングオン時間を連続的に定量化している。
【0024】
図14Aは、各種ゲート電圧における関数であるドレイン電流曲線である。
図14Bは、ゲート−ソース電圧の関数としての飽和電流を示すグラフである。本デバイスの閾電圧Vthは3.0Vである。
【0025】
図15Aは、図1によるデバイス反転増幅器の構成を示す。図15B、15Cに示すように、このデバイスは、f=0.025HzにおいてVinを2.1増幅し、f=0.11HzにおいてVinを1.6増幅する。入力電圧Vinの増加に伴い、波形の歪みと増幅の低下がもたらされる。本デバイス構成のカットオフ周波数は約0.1Hzである。
【0026】
図16Aは、図1によるデバイスの反転増幅器の構成を示す。図16B、16Cに示すように、このデバイスは、f=0.007HzにおけるΔVin=.5Vの場合6.0の増幅を行い、f=0.007HzにおけるΔVin1.0Vの場合6.7の増幅を行う。この構成を用いて、最大20の増幅を行うことができる。
【0027】
図17Aは、図1に示すデバイスの電流源の構成を示す。図17Bは、ドレイン−ソース電圧の関数としてのドレイン電流の関係をグラフで示す。本実施形態に示す構成と材料を用いることによって、7Vを超えるVDSを印加した場合、定電流(constant current)が110μAとなる。活性チャネルの形状(ソースコンタクト、ドレインコンタクト間の導電性ポリマーの長さ、幅及び厚み等)と、ゲート電極と活性チャネルの形状とを調整することによって、数桁に亘る広い範囲で定電流を変化させることができる。同様に、図17Aに示すデバイス構造の具体的な形状及び組成によって、それを超えるとIDSが一定となる閾値VDSが決まる。
【0028】
図18A、図18B及び図18Cは、図1に示すデバイスの不揮発性RAM応答を示す。VG=VSDが0Vの場合、不揮発性RAM機能が達成される。この場合、データ記憶時間を数時間とすることができる。尚、この例ではVGは、このデバイス内の情報を書き込んだり或いは消去する「書き込み」機能である。正のVGはソース、ドレイン間の抵抗を増加させる。この増加した抵抗は、この抵抗を低い値にリセットする負のVGが印加されるまで、数日間にも亘る長期間保持することができる。VSDは「読み込み」動作である。この場合のISDが「読み込み」信号となる。本デバイスは、ソース、ドレイン間に設けられた電流源を用い、所定の電流ISDを流すことによって「読み込み」動作を行える。この場合、メモリ信号「読み込み」はVSDである。図18A、図18B及び図18Cは、本デバイスが「1」状態「0」状態間のコントラストを19%、11%及び29%有することをそれぞれ示す。デバイス形状、構成ポリマー及び印加されるVGを適宜選択することによって、より大きなコントラストを達成できる。
【0029】
以上のように、上述の各種機能は単一の多機能ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイスに集約させることができる(図1及び図5A及び5Bに示す)。付加的な機能としては、図1及び図5A及び5Bに示されるような、絶縁層により分離されている導電性ポリマー層及び導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵することが挙げられる。上述のように、本電界効果デバイスは、有機種、無機種又は生物種のセンサーとしても機能する。上述の電界効果デバイスに多重ゲート電圧が印加される場合に、あるいは一以上のゲート電圧が印加され、且つ電界効果デバイスの表面に電磁放射が印加される場合に、多機能が提供される。
【0030】
以上、好ましい実施形態を参照しつつ本発明の例示的実施形態を説明してきたが、本明細書の詳細な説明を読み理解すれば各種修正を想倒しうることは明白であろう。これら例示的な実施形態は、そのような修正及び変更が請求の範囲及びその等価物の範囲に包含される限りにおいて、それら全てを含むと解釈されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は本発明の一実施形態の多機能ドープポリマー電界効果変調デバイスの概略図である。
【図2A】図2Aは導電性ポリマーを示す図である。
【図2B】図2Bは絶縁性ポリマー層材料である。
【図3A】図3Aは導電性ポリマーを示す図である。
【図3B】図3Bは導電性ポリマーを示す図である。
【図3C】図3Cは導電性ポリマーを示す図である。
【図4A】図4Aは50%スルホン化ポリアニリンを示す図である。
【図4B】図4Bは100%スルホン化ポリアニリンを示す図である。
【図5A】図5Aは本発明の一実施形態における多機能ドープポリマー電界効果変調デバイスの上面概略図である。
【図5B】図5Bは図5AのA−A断面図である。
【図6A】図6Aは図5A及び図5Bに示すデバイスにおけるISD、IGS、及びVGの経時変化を示すグラフである。
【図6B】図6Bは図5A及び図5Bに示すデバイスにおいて、30cm−1〜630cm−1のスペクトルレンジにおける絶対反射率(R)と、印加ゲート電圧(R0)の非存在下における反射率に対して正規化した反射率(R/R0)とを示すグラフである。
【図7】図7は図6Bの拡大図を示すグラフである。
【図8A】図8Aは図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧0V及び2Vを印加した場合に、30cm−1〜630cm−1のスペクトルレンジにて測定した反射率を示すグラフである。
【図8B】図8Bは図5A及び図5Bのデバイスの導電率を示すグラフである。
【図9A】図9Aは図5Aに示すデバイスにおいてISD、IGS、及びVGの経時変化を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧を−1、0、1V及び−3、0、3Vを印加した場合における3500cm−1〜28000cm−1のスペクトルレンジにおいて測定した透過率を示したグラフである。
【図9C】図9Cは、図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧を−1、0、1V及び−3、0、3Vを印加した場合における3500cm−1〜28000cm−1のスペクトルレンジにおいて測定した透過率を示したグラフである。
【図10】図10は図1のデバイスにおいて印加ゲート電圧を変化させた場合のスイッチングスピードを示すグラフである。
【図11】図11は図1のデバイスにおいて印加ゲート電圧を変化させた場合のコンダクタンスの変化を示すグラフである。尚、図11のデバイスは、図10のデバイスの寸法より小さく、デバイスのISDはゲート電圧を印加すると約20000倍変化する。
【図12】図12は、図1に係る他のデバイスのISDを示すグラフであって、このデバイスのISDは、ゲート電圧を印加すると約100000倍変化することを示している。
【図13A】図13Aは、図1におけるデバイスのスイッチオフ時間を示すグラフであり、VGが−1.5Vから2.5Vまで、0.5Vきざみで変化する場合におけるISDの段階的変化を示している。
【図13B】図13Bは図1のデバイスのスイッチオン時間対スイッチオフ時間の比を示すグラフであり、ソースコンタクトとドレインコンタクトが約40μ離れている構造を持つデバイスの場合、ISDが約1000倍の非常に高速なスイッチを示している。
【図14A】図14Aは図1のデバイスにおいて、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電流をドレイン−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図14B】図14Bは図1のデバイスにおいて、飽和電流をゲート−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図15A】図15Aは図1に示すデバイスの反転増幅器構成である。
【図15B】図15Bは図15Aの反転増幅器の所定の周波数における増幅を示すグラフである。
【図15C】図15Cは図15Aの反転増幅器の他の所定の周波数における増幅を示すグラフである。
【図16A】図16Aは図1に示すデバイスの反転増幅器構成である。
【図16B】図16Bは図16Aのデバイス構成の入力電圧及び出力電圧を示すグラフである。
【図16C】図16Cは図16Aのデバイス構成の入力電圧及び出力電圧を示す他のグラフである。
【図17A】図17Aは図1に示すデバイスの電流源の構成である。
【図17B】図17Bは図17Aのデバイス構成において、ドレイン電流をドレイン−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図18A】図18Aは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【図18B】図18Bは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【図18C】図18Cは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【符号の説明】
【0032】
10 ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイス、12 導電性層、14 導電性ポリマー層、16 絶縁ポリマー層、22 ゲートコンタクト、24 ソースコンタクト、26 ドレインコンタクト。
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年3月25日出願の米国仮出願第60/556,232号の優先権及びその利益を主張するものであり、該仮出願の全体を明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリピロール(PPy)及びポリアニリン(PAni)、並びにそれらのコポリマー及びブレンド等の一種以上のドープ導電性ポリマー(doped conducting polymers)を用いて調製された電界駆動デバイスに関するものであり、この導電性ポリマーには、印加された電界に対して多機能応答を提供するために、Cl−やClO4−等の無機ドーパント、及び/又はメタンスルホン酸やカンファースルホン酸等の有機ドーパント、及びそれらの混合物がドープされている。
【0003】
本発明の例示的実施形態は、反射率/放射率及び導電率の変調、増幅器、電流源、不揮発性メモリ、及びスーパーキャパシタのアプリケーションに関する。しかしながら、本例示的実施形態は、他の同様のアプリケーションにも適用可能である。
【0004】
電界効果トランジスタ(FET)は、今日最も一般的なトラジスタである。FETは、半導体材料を通して流れる電流を電界を使用して制御することにより作動する。近年、電界効果デバイスに活性要素を提供するために、ドープ及びアンドープ半導体ポリマーが提供されている。本発明者Arthur J. EpsteinらによるElectric−Field Induced Ion−Leveraged Metal−Insulator Transition in Conducting Polymer Transistorsには、ドープ及びアンドープ半導体ポリマー並びにそれらのFETへの適用が論じられており、その全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0005】
従来、ポリマーFETは、反転増幅器や電流源等として使用されているが、そのFET構成で提供される機能は1種類のみである。本発明は、複数の機能を達成できるポリマーFETデバイスを提供する。
本開発は、海軍研究事務所の支援を受けている(助成金番号N00014−01−1−0427)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本例示的実施形態の一アスペクトによれば、デバイス用のゲートコンタクトを提供するように作動できる導電層と、デバイス用のソース及びドレインコンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層と、導電層と導電性ポリマー層との間に形成された絶縁性ポリマー層とを有する電界効果デバイスが提供され、前記層の組合わせにより、複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うようにデバイスが作動できる。複数の応答機能には、導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる機能;導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することによりソースコンタクトとドレインコンタクトとの間の導電性を変化させる機能;低周波電気信号を増幅する機能;電流源として働く機能;不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する機能;絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する機能;及び有機種、無機種又は生物種(biologic species)の存在を検知する機能が含まれる。
【0007】
本例示的実施形態の他のアスペクトによれば、デバイス用のゲートコンタクトを提供するように作動できると共に反射面を提供するように作動できる導電層と、デバイス用のソース及びドレインコンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層と、導電層と導電性ポリマー層との間に形成された絶縁性ポリマー層とを有する電界効果デバイスを作動させる方法が提供される。この方法は、前記層の組合わせにより、複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うようにデバイスが作動できるようにする段階を含む。複数の応答機能には、導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる機能;導電層と導電性ポリマー層との間に電圧を印加することによりソースコンタクトとドレインコンタクトとの間の導電性を変化させる機能;低周波電気信号を増幅する機能;電流源として働く機能;不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する機能;絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する機能;及び有機種、無機種又は生物種の存在を検知する機能が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の開示によれば、図1にその概略を示す多機能ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイス構造体が提供される。図に示すようにデバイス10は、導電層12(例えばアルミニウム層等の金属層)、導電性ポリマー層14(例えばPEDOT:PSS)、金属層12及び導電性ポリマー層14の間に配設される絶縁性ポリマー層16(例えばPVP、ポリエチレンオキシド又は他の非導電性ポリマー等の絶縁体)を含む。導電性ポリマー層14は電界効果デバイス10の活性領域を提供する。また、導電層12は、金属や非金属の反射性表面等の高反射性表面で被覆されていてもよい導電性ポリマー等、他種の導電性材料(例えばコーティングしたマイラー)で置換することができる。ここで、層12はデバイス10のゲートコンタクト22として機能し、導電性ポリマー層14はデバイス10のソースコンタクト24及びドレインコンタクト26として機能する。同様に図1には、ゲートコンタクト22、ソースコンタクト24及びドレインコンタクト26に接続されるように適切に設置され、デバイスを作動させる回路を示す。
【0009】
図1に示されるデバイスは種々の構成を取りうるが、これらは単に例示に過ぎないことが理解されよう。更に、本デバイスは、剛性、半剛性、変形可能(conformable)又は可撓性とすることができる。デバイス10の各種層は、一部を本明細書に示す他の適切な材料から形成することができると理解されたい。図1のデバイス10は種々の技法により作成されることが理解されよう。これら技法の例は、上述の参考文献Electric−Field Induced Ion−Leveraged Metal−Insulator Transition in Conducting Polymer Transistorsに開示されている。
【0010】
このような技法は、使用される材料及び所望のデバイス構成に従って選択される。また更に、デバイスの多機能特性に応じて本デバイスは種々の環境で作動させることができる。
【0011】
本デバイス構造体に使用されるドープ導電性及び誘電体ポリマーの例を図2A〜2B、3A〜3C及び4A〜4Bに示す。本構造体は1μ2未満〜1cm2超、例えば1m2超の活性領域を有することができる。本構造体には次の多種応答機能の内の少なくとも2種、を取り込むことができる。即ち、
底部金属反射層と頂部導電性ポリマー層との間に小電圧を印加することにより広い表面領域に亘る電磁放射、特に赤外線の反射率と放射率を変化させること(図5A〜9C);
導電性ポリマー層と金属層との間に電圧を印加することにより導電性ポリマー層のソースコンタクトとドレインコンタクトとの間のコンダクタンスを変化させること(図10〜14B);
回路素子として用いられるとき、低周波電気信号を増幅すること(図15A〜16C);
電流源として働くこと(図17A〜17B);
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶すること(図18A〜18C);
ポリマー誘電体層(ポリビニルフェノール)(PVP)と表わす)によって分離されている頂部導電性ポリマー層(PEDOT:PSSと表わす)と下部金属(ゲート)層(Alと表わす)との間の電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵すること(図1);及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知することである。
【0012】
作動方法は、導電性ポリマー層の無秩序部分に少量のイオンを挿入することで達成されるものであり、そのようにイオンを導入することでポリマー中の電荷の流れが阻止され多機能応答が可能となることが理解されよう。従って、デバイスを最適化することができ、二種以上の機能が同時に提供される。
【0013】
以下図面を参照して、本明細書の特徴を更に詳細に説明する。
図1に、エネルギー/パワー貯蔵、コンダクタンス及び反射率/放射率を電圧制御する、多機能ドープポリマー電解効果変調デバイスの概略を示す。
【0014】
本電界効果デバイスは、活性材料としての導電性ポリマー層14を含む。導電性ポリマー層14は、導電性ポリマーであるPEDOT:PSS[ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)](化学式を図2Aに示す)からなる。他に用いることができる典型的な導電性ポリマーを図3A〜3Cに示す。図3Aはポリチオフェンの骨格構造を示し、図3Bはポリピロールの骨格構造を示し、図3Cはポリアニリンのロイコエメラルディン型(y=1)、エメラルディン型(0.35<y<0.65)及びペルニグアニリン(y=0)型の各骨格構造を示す。図3A〜3Cに示される各ポリマー骨格において、一又は全部の炭素及び窒素サイトをアルキル、アルコキシ、アセン、ポリアセン含有単位又はピリジン含有単位の官能基で更に置換することができる。図4A及び図4Bは、50%及び100%スルホン化ポリアニリン(自己ドープポリマー)をそれぞれ表わす。これらポリマーは、炭素及び窒素サイトにおいてアルキル又はアルコキシ基の官能基で更に置換することができる。スルホン化度は10%から100%の間で連続的に変化させることができる。図1に示すデバイス構造体の導電性ポリマー層14の例においては、Cl−をドープする。絶縁層16は、図2Bに示すPVP[ポリ(4−ビニルフェノール)]、ポリエチレンオキシド又は他の非導電性ポリマー等の絶縁体から調製される。導電層12は、アルミニウム、金、銀、又は反射性表面で被覆された導電性ポリマー等の高反射性材料から調製される。図に示すように、ドープ導電性ポリマー層14は、ソースコンタクト24及びドレインコンタクト26を提供する。FETを形成するためのSi等の従来の半導体に比べ非常に低いドーピングレベルではあるものの、本発明のポリマー層14は、活性領域有する半導体として、印加されたゲート電圧に応答する。反射導電層12は、デバイス10のゲートコンタクト22を提供する。20で表わされる電圧源によって電圧をゲートコンタクト22に印加する。ゲート電圧によって発生した電場は絶縁層16を透過し、ドープ導電性ポリマー層14に達する。これによって起こる絶縁層及び導電性ポリマー層間のイオンの微小運動により、電流がドレインコンタクト26からソースコンタクト24へ流れる。電圧源28は、電流をデバイス10へ流通させるのに必要なエネルギーを提供する。
【0015】
図1は、電界効果デバイスの表面領域32に印加された電磁放射30を示す。この電磁放射は、ドープ導電性ポリマー層14を透過する更なる電界を発生させる。この結果、導電性ポリマー層14内に更なるイオンの動きがもたらされる。これによって、ソース24コンタクト、ドレイン26コンタクト間の導電性に更なる変調がもたらされる。更に、層12の反射面は、導電性ポリマー層14と絶縁層16の両方を透過する電磁放射を反射する手段となる。反射された放射は、デバイス10の表面34を透過する。次に説明するように、反射率はデバイス10のゲート電圧によって制御できる。
【0016】
図5A、5Bは、それぞれ多機能ドープポリマー電界効果変調デバイス70の上面図と断面図である。このデバイス70は、ドープ導電性ポリマー72と、絶縁層74と、反射導電層76と、ガラス等の基板78とを含む。これら各層の配列を図5A、5Bに示す。
【0017】
図6A、6Bは、図5A、5Bに示すデバイスの性能特性を示すグラフである。デバイス70の組成は、活性領域が52mm2のガラス/Al(0.3μ)/PVP(0.6μ)/Baytron(0.7μ)である。図6Aは、デバイス70の、ゲート76と導電性ポリマー72間に印加された、経時的に変化するゲート電圧VG80を示す。ゲート電圧の値は、矢印82で示す各時間において0から+2V又は−2Vの間で変化する。VGの振幅の変化に伴い、時間の関数としてソース−ドレイン電流が変調され(84)、ゲート−ソース電流も同様に変調される。図6Bに示すように、デバイス70の反射率Rと反射率の変化率R/R0はVGの関数として変化する。R0は、VG=0の時のデバイス70の反射率を示し、Rは、VGが−2Vと+2V間の値の時のデバイス70の反射率を示す。反射率比R/R0は、VGが印加された時のデバイス70の反射率の変化を示す。図6Bに示すように、反射率比R/R0はVGが一定の場合、放射周波数(波長)の関数として変化する。図7は図6Bの拡大図であり、R/R0がVGの関数であることをよく示している。これらのグラフは、ゲートバイアスによる反射率の復調可能な変調を示している。更に、約40%のISD変調に対して約30%のR変調を行うことができる。図6Bに示すように、透過優位(TD)領域と反射優位(RD)領域が得られる。図7に示す結果は、最高2Vのゲート電圧を印加した場合のPEDOT:PSS電界効果構造のIR反射率の可逆的変化を示す。
【0018】
図8A、8Bは、図5A、5Bに示すデバイス70が受け取った外部電磁波の放射周波数の関数としての反射率と導電率をそれぞれ示すグラフである。図8Aから分かるように、デバイス70の反射率は、VGの増加と共に増加し、特に赤外線の場合そうである。更に、また同時に、ドレインソース間のデバイス70の導電率は、VGの増加と共に増加する。反射/放射制御機能と導電率制御機能を同時に行うことによって、図5A、5Bのドープ導電性ポリマー電界効果デバイスは多機能性を提供する。
【0019】
図9A〜9Cは、図5A、5Bに示すデバイスの3500cm−1〜28000cm−1の可視、近赤外及び近紫外スペクトル領域における透過性を示すグラフである。デバイスは、ガラス/Al(6nm)/PVP(0.8μ)/BP(0.25μ)で構成され、85.2mm2の活性領域を有する。これらのグラフは、紫外線及び可視スペクトルの範囲の放射において、約45%のIsd変化に対し約3%の透過率変化があることを示している。図9Bは図9Aの断面(A)を示し、図9Cは図9Aの断面(B)を示す。
【0020】
図10は、図1に示すデバイススイッチングスピードを示すグラフである。比較的遅いスイッチングスピードは、イオンの運動が重要であることを示唆している。
【0021】
図11は、図1に示すデバイスのコンダクタンスのグラフである。活性ポリマーはPEDOT:PSSである。本例は20Vのゲート電圧を印加後、コンダクタンスが1/105になることを示す。更に、ゲート電圧を取り除くと、コンダクタンスが復帰することが示されている。
【0022】
図12は、時間の関数としてのIDSのグラフである。このグラフは、PPy/Cl−(Cl−ドープポリピロール)の組成を有し、VGが比較的急速に変化する図1に示すデバイスのIDSが時間依存的であることを示している。
【0023】
図13A、13Bは、図1のデバイスはスイッチングオフ時間が比較的速いことを示している。本デバイスのスイッチングオフ時間(TSW)は、0.5秒未満であり、オン/オフ比は約103である。図13Bは、図13Aの領域(A)の拡大図を示す。この領域は、スイッチングオフ、スイッチングオン時間を連続的に定量化している。
【0024】
図14Aは、各種ゲート電圧における関数であるドレイン電流曲線である。
図14Bは、ゲート−ソース電圧の関数としての飽和電流を示すグラフである。本デバイスの閾電圧Vthは3.0Vである。
【0025】
図15Aは、図1によるデバイス反転増幅器の構成を示す。図15B、15Cに示すように、このデバイスは、f=0.025HzにおいてVinを2.1増幅し、f=0.11HzにおいてVinを1.6増幅する。入力電圧Vinの増加に伴い、波形の歪みと増幅の低下がもたらされる。本デバイス構成のカットオフ周波数は約0.1Hzである。
【0026】
図16Aは、図1によるデバイスの反転増幅器の構成を示す。図16B、16Cに示すように、このデバイスは、f=0.007HzにおけるΔVin=.5Vの場合6.0の増幅を行い、f=0.007HzにおけるΔVin1.0Vの場合6.7の増幅を行う。この構成を用いて、最大20の増幅を行うことができる。
【0027】
図17Aは、図1に示すデバイスの電流源の構成を示す。図17Bは、ドレイン−ソース電圧の関数としてのドレイン電流の関係をグラフで示す。本実施形態に示す構成と材料を用いることによって、7Vを超えるVDSを印加した場合、定電流(constant current)が110μAとなる。活性チャネルの形状(ソースコンタクト、ドレインコンタクト間の導電性ポリマーの長さ、幅及び厚み等)と、ゲート電極と活性チャネルの形状とを調整することによって、数桁に亘る広い範囲で定電流を変化させることができる。同様に、図17Aに示すデバイス構造の具体的な形状及び組成によって、それを超えるとIDSが一定となる閾値VDSが決まる。
【0028】
図18A、図18B及び図18Cは、図1に示すデバイスの不揮発性RAM応答を示す。VG=VSDが0Vの場合、不揮発性RAM機能が達成される。この場合、データ記憶時間を数時間とすることができる。尚、この例ではVGは、このデバイス内の情報を書き込んだり或いは消去する「書き込み」機能である。正のVGはソース、ドレイン間の抵抗を増加させる。この増加した抵抗は、この抵抗を低い値にリセットする負のVGが印加されるまで、数日間にも亘る長期間保持することができる。VSDは「読み込み」動作である。この場合のISDが「読み込み」信号となる。本デバイスは、ソース、ドレイン間に設けられた電流源を用い、所定の電流ISDを流すことによって「読み込み」動作を行える。この場合、メモリ信号「読み込み」はVSDである。図18A、図18B及び図18Cは、本デバイスが「1」状態「0」状態間のコントラストを19%、11%及び29%有することをそれぞれ示す。デバイス形状、構成ポリマー及び印加されるVGを適宜選択することによって、より大きなコントラストを達成できる。
【0029】
以上のように、上述の各種機能は単一の多機能ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイスに集約させることができる(図1及び図5A及び5Bに示す)。付加的な機能としては、図1及び図5A及び5Bに示されるような、絶縁層により分離されている導電性ポリマー層及び導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵することが挙げられる。上述のように、本電界効果デバイスは、有機種、無機種又は生物種のセンサーとしても機能する。上述の電界効果デバイスに多重ゲート電圧が印加される場合に、あるいは一以上のゲート電圧が印加され、且つ電界効果デバイスの表面に電磁放射が印加される場合に、多機能が提供される。
【0030】
以上、好ましい実施形態を参照しつつ本発明の例示的実施形態を説明してきたが、本明細書の詳細な説明を読み理解すれば各種修正を想倒しうることは明白であろう。これら例示的な実施形態は、そのような修正及び変更が請求の範囲及びその等価物の範囲に包含される限りにおいて、それら全てを含むと解釈されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は本発明の一実施形態の多機能ドープポリマー電界効果変調デバイスの概略図である。
【図2A】図2Aは導電性ポリマーを示す図である。
【図2B】図2Bは絶縁性ポリマー層材料である。
【図3A】図3Aは導電性ポリマーを示す図である。
【図3B】図3Bは導電性ポリマーを示す図である。
【図3C】図3Cは導電性ポリマーを示す図である。
【図4A】図4Aは50%スルホン化ポリアニリンを示す図である。
【図4B】図4Bは100%スルホン化ポリアニリンを示す図である。
【図5A】図5Aは本発明の一実施形態における多機能ドープポリマー電界効果変調デバイスの上面概略図である。
【図5B】図5Bは図5AのA−A断面図である。
【図6A】図6Aは図5A及び図5Bに示すデバイスにおけるISD、IGS、及びVGの経時変化を示すグラフである。
【図6B】図6Bは図5A及び図5Bに示すデバイスにおいて、30cm−1〜630cm−1のスペクトルレンジにおける絶対反射率(R)と、印加ゲート電圧(R0)の非存在下における反射率に対して正規化した反射率(R/R0)とを示すグラフである。
【図7】図7は図6Bの拡大図を示すグラフである。
【図8A】図8Aは図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧0V及び2Vを印加した場合に、30cm−1〜630cm−1のスペクトルレンジにて測定した反射率を示すグラフである。
【図8B】図8Bは図5A及び図5Bのデバイスの導電率を示すグラフである。
【図9A】図9Aは図5Aに示すデバイスにおいてISD、IGS、及びVGの経時変化を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧を−1、0、1V及び−3、0、3Vを印加した場合における3500cm−1〜28000cm−1のスペクトルレンジにおいて測定した透過率を示したグラフである。
【図9C】図9Cは、図5A及び図5Bのデバイスにおいて、ゲート電圧を−1、0、1V及び−3、0、3Vを印加した場合における3500cm−1〜28000cm−1のスペクトルレンジにおいて測定した透過率を示したグラフである。
【図10】図10は図1のデバイスにおいて印加ゲート電圧を変化させた場合のスイッチングスピードを示すグラフである。
【図11】図11は図1のデバイスにおいて印加ゲート電圧を変化させた場合のコンダクタンスの変化を示すグラフである。尚、図11のデバイスは、図10のデバイスの寸法より小さく、デバイスのISDはゲート電圧を印加すると約20000倍変化する。
【図12】図12は、図1に係る他のデバイスのISDを示すグラフであって、このデバイスのISDは、ゲート電圧を印加すると約100000倍変化することを示している。
【図13A】図13Aは、図1におけるデバイスのスイッチオフ時間を示すグラフであり、VGが−1.5Vから2.5Vまで、0.5Vきざみで変化する場合におけるISDの段階的変化を示している。
【図13B】図13Bは図1のデバイスのスイッチオン時間対スイッチオフ時間の比を示すグラフであり、ソースコンタクトとドレインコンタクトが約40μ離れている構造を持つデバイスの場合、ISDが約1000倍の非常に高速なスイッチを示している。
【図14A】図14Aは図1のデバイスにおいて、ゲート電圧を変化させた場合のドレイン電流をドレイン−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図14B】図14Bは図1のデバイスにおいて、飽和電流をゲート−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図15A】図15Aは図1に示すデバイスの反転増幅器構成である。
【図15B】図15Bは図15Aの反転増幅器の所定の周波数における増幅を示すグラフである。
【図15C】図15Cは図15Aの反転増幅器の他の所定の周波数における増幅を示すグラフである。
【図16A】図16Aは図1に示すデバイスの反転増幅器構成である。
【図16B】図16Bは図16Aのデバイス構成の入力電圧及び出力電圧を示すグラフである。
【図16C】図16Cは図16Aのデバイス構成の入力電圧及び出力電圧を示す他のグラフである。
【図17A】図17Aは図1に示すデバイスの電流源の構成である。
【図17B】図17Bは図17Aのデバイス構成において、ドレイン電流をドレイン−ソース電圧の関数として示すグラフである。
【図18A】図18Aは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【図18B】図18Bは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【図18C】図18Cは、図1のデバイスの不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)応答のグラフィック表示である。
【符号の説明】
【0032】
10 ドープ導電性ポリマー系電界効果デバイス、12 導電性層、14 導電性ポリマー層、16 絶縁ポリマー層、22 ゲートコンタクト、24 ソースコンタクト、26 ドレインコンタクト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界効果デバイスであって、
デバイス(10)用のゲートコンタクト(22)を提供するように作動できる導電層(12)と、
デバイス(10)用のソース(24)及びドレイン(26)コンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層(14)と、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に形成された絶縁性ポリマー層(16)とを有し、
前記層の組合わせによりデバイス(10)が次の複数の応答機能:
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射(30)の反射率と放射率を変化させる、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる、
低周波電気信号を増幅する、
電流源として働く、
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する、
絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する、及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知する、
の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにしたデバイス。
【請求項2】
導電層(12)は金属である、請求項1のデバイス。
【請求項3】
導電層(12)は、高反射面を有する導電性ポリマーである、請求項1のデバイス。
【請求項4】
導電性ポリマー層(14)はPEDOT:PSS(40、42)を含む、請求項1のデバイス。
【請求項5】
導電性ポリマー層(14)は、ポリチオフェン(50)、ポリピロール(52)、ロイコエメラルディン又はペルニグアニリン型ポリアニリン(54)、スルホン化ポリアニリン及びそれらの誘導体、オリゴマー、コポリマー、並びにブレンドを含み、これらの導電性ポリマーのためのドーパントは無機又は有機種である、請求項1のデバイス。
【請求項6】
前記ポリアニリン(54)は10%〜100%の連続する範囲でスルホン化されている、請求項5のデバイス。
【請求項7】
絶縁性ポリマー層(16)はPVPを含む、請求項1のデバイス。
【請求項8】
導電性ポリマー層(14)の厚さは10μ以下である、請求項1のデバイス。
【請求項9】
導電性ポリマー層(14)の厚さは400nm以下である、請求項1のデバイス。
【請求項10】
絶縁性ポリマー層(16)の厚さは10μ以下である、請求項1のデバイス。
【請求項11】
絶縁性ポリマー層(16)の厚さは400nm以下である、請求項1のデバイス。
【請求項12】
導電層(12)は30nm未満であり、電磁放射を部分的に透過させる、請求項1のデバイス。
【請求項13】
ゲートコンタクトとソースコンタクトとの間に接続されたゲート電圧ソース(20)を更に有し、ゲート電圧ソース(20)は、前記少なくとも2機能を行うために作動可能となるようにデバイスを制御する、請求項1のデバイス。
【請求項14】
前記複数の応答機能は、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧を印加することにより表面上での電磁放射の反射率と放射率を変化させること、及び
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧又は第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させることである、請求項1のデバイス。
【請求項15】
デバイス用のゲートコンタクト(22)を提供するように作動可能であると共に反射面を提供するように作動できる導電層(12)と、デバイス用のソース(24)及びドレイン(26)コンタクト並びに活性層を提供するように作動可能な導電性ポリマー層(14)と、導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に形成された絶縁性ポリマー層(16)とを有する電界効果デバイスの作動方法であって、
前記層を組み合わせることによりデバイスが次の複数の応答機能:
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる、
導電性ポリマー層(14)と導電層(12)との間に第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる、
低周波電気信号を増幅する、
電流源として働く、
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する、
絶縁性ポリマー層(16)によって分離されている導電性ポリマー層(14)と導電層(12)との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する、及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知する、
の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにした方法。
【請求項16】
ゲート電圧ソース(20)をゲートコンタクト(22)とソースコンタクト(24)との間に接続する段階と、
前記複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにデバイスを制御すべくゲート電圧ソース(20)を制御する段階とをさらに含む、請求項15の方法。
【請求項17】
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧を印加することにより表面上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる段階、及び
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧又は第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる段階とをさらに含む、請求項15の方法。
【請求項1】
電界効果デバイスであって、
デバイス(10)用のゲートコンタクト(22)を提供するように作動できる導電層(12)と、
デバイス(10)用のソース(24)及びドレイン(26)コンタクト並びに活性層を提供するように作動できる導電性ポリマー層(14)と、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に形成された絶縁性ポリマー層(16)とを有し、
前記層の組合わせによりデバイス(10)が次の複数の応答機能:
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射(30)の反射率と放射率を変化させる、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる、
低周波電気信号を増幅する、
電流源として働く、
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する、
絶縁性ポリマー層によって分離されている導電性ポリマー層と導電層との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する、及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知する、
の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにしたデバイス。
【請求項2】
導電層(12)は金属である、請求項1のデバイス。
【請求項3】
導電層(12)は、高反射面を有する導電性ポリマーである、請求項1のデバイス。
【請求項4】
導電性ポリマー層(14)はPEDOT:PSS(40、42)を含む、請求項1のデバイス。
【請求項5】
導電性ポリマー層(14)は、ポリチオフェン(50)、ポリピロール(52)、ロイコエメラルディン又はペルニグアニリン型ポリアニリン(54)、スルホン化ポリアニリン及びそれらの誘導体、オリゴマー、コポリマー、並びにブレンドを含み、これらの導電性ポリマーのためのドーパントは無機又は有機種である、請求項1のデバイス。
【請求項6】
前記ポリアニリン(54)は10%〜100%の連続する範囲でスルホン化されている、請求項5のデバイス。
【請求項7】
絶縁性ポリマー層(16)はPVPを含む、請求項1のデバイス。
【請求項8】
導電性ポリマー層(14)の厚さは10μ以下である、請求項1のデバイス。
【請求項9】
導電性ポリマー層(14)の厚さは400nm以下である、請求項1のデバイス。
【請求項10】
絶縁性ポリマー層(16)の厚さは10μ以下である、請求項1のデバイス。
【請求項11】
絶縁性ポリマー層(16)の厚さは400nm以下である、請求項1のデバイス。
【請求項12】
導電層(12)は30nm未満であり、電磁放射を部分的に透過させる、請求項1のデバイス。
【請求項13】
ゲートコンタクトとソースコンタクトとの間に接続されたゲート電圧ソース(20)を更に有し、ゲート電圧ソース(20)は、前記少なくとも2機能を行うために作動可能となるようにデバイスを制御する、請求項1のデバイス。
【請求項14】
前記複数の応答機能は、
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧を印加することにより表面上での電磁放射の反射率と放射率を変化させること、及び
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧又は第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させることである、請求項1のデバイス。
【請求項15】
デバイス用のゲートコンタクト(22)を提供するように作動可能であると共に反射面を提供するように作動できる導電層(12)と、デバイス用のソース(24)及びドレイン(26)コンタクト並びに活性層を提供するように作動可能な導電性ポリマー層(14)と、導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に形成された絶縁性ポリマー層(16)とを有する電界効果デバイスの作動方法であって、
前記層を組み合わせることによりデバイスが次の複数の応答機能:
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に電圧を印加することにより表面領域上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる、
導電性ポリマー層(14)と導電層(12)との間に第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる、
低周波電気信号を増幅する、
電流源として働く、
不揮発性で書き換え可能な形態で情報を記憶する、
絶縁性ポリマー層(16)によって分離されている導電性ポリマー層(14)と導電層(12)との間に電荷及びエネルギーをスーパーキャパシタとして貯蔵する、及び
有機種、無機種又は生物種の存在を検知する、
の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにした方法。
【請求項16】
ゲート電圧ソース(20)をゲートコンタクト(22)とソースコンタクト(24)との間に接続する段階と、
前記複数の応答機能の内の少なくとも2機能を行うように作動できるようにデバイスを制御すべくゲート電圧ソース(20)を制御する段階とをさらに含む、請求項15の方法。
【請求項17】
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧を印加することにより表面上での電磁放射の反射率と放射率を変化させる段階、及び
導電層(12)と導電性ポリマー層(14)との間に第1電圧又は第2電圧を印加することによりソースコンタクト(24)とドレインコンタクト(26)との間の導電性を変化させる段階とをさらに含む、請求項15の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【公表番号】特表2007−531287(P2007−531287A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505252(P2007−505252)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/010232
【国際公開番号】WO2005/094287
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(502071023)ジ・オハイオ・ステート・ユニバーシティ (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/010232
【国際公開番号】WO2005/094287
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(502071023)ジ・オハイオ・ステート・ユニバーシティ (12)
【Fターム(参考)】
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