説明

定電流回路検査装置、集積回路および定電流回路検査方法

【課題】カレントミラー回路の検査を容易かつ確実に素早く行う。
【解決手段】出力された基準電流I1を複製して定電流I7、I8を出力するカレントミラー回路3を備えた定電流回路3を検査する定電流回路検査装置であって、定電流I3を複製して検査用定電流I7、I8を出力する電流複製部Q17、Q18と、基準電流I2の電流値と異なる電流値を有する電流である比較電流I50、I51を流す検査用カレントミラー回路4と、比較電流I7、I8に基づく各電圧を検出し、その各電圧を利用して定電流回路3の良不良を判定する判定回路5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流回路に含まれるカレントミラー回路の特性の良不良を検査する定電流回路検査装置、これを用いた集積回路および定電流回路検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアナログ回路を検査する方法として、図12に示すブロック構成を利用した検査方法がある。
【0003】
このアナログ回路の検査方法は、アナログ回路への入力値または、アナログ回路からの出力値が仕様範囲内であるかどうかで判定する方法である。その仕様範囲とは、製造バラツキを想定した評価を元に動作上問題とならない範囲内になるようにその入力値や出力値が決定されるのが一般的である。
【0004】
図12は、従来のアナログ回路検査方法を説明するためのアナログ回路およびその検査装置を示すブロック図である。
【0005】
図12において、集積回路(以下ICという)200は、定電流源201、カレントミラー回路202、203、アナログ回路である発振回路204およびOPアンプ205を備えている。また、IC200は、外部からアナログ回路に入力値を入力する入力端子206および、アナログ回路から外部に出力値を出力するための出力端子207、208を備えている。
【0006】
これらの発振回路204やオペアンプ205といったアナログ回路は、電流バイアス回路が用いられて設計されることが多い。電流バイアス回路であるカレントミラー回路202、203は、アナログ回路の前段に設けられ、製造ばらつきや異物の混入などによる突発的なばらつきによりカレントミラー回路202、203の入力電流と出力電流との間に、ばらつきが発生することがある。
【0007】
このIC200の検査方法は、テスタ209により、IC200の入力端子206の入力値と出力端子208の出力値、およびIC200の出力端子207の出力値を測定し、測定した入力値や出力値が仕様範囲内であるかどうかでIC200の良不良を判定している。
【0008】
ところが、その入力値や出力値に、異物の混入などの突発的なばらつきが発生した場合には、温度変化時や電源電圧変化時など、集積回路IC200が設計の範囲外の動作をする虞がある。しかしながら、上記従来の集積回路IC200の検査方法では、検査条件下の入力値や出力値が仕様範囲内にある場合であっても、温度変化時や電源電圧変化時など、通常検査条件以外の異常条件下では集積回路IC200が設計範囲外の動作をする虞がある。
【0009】
前述したように例えばカレントミラー回路202に異物の混入などにより突発的なばらつきがその入力値や出力値に発生した場合、アナログ回路202が設計範囲外の動作してしまう事例を図13に示している。
【0010】
図13は、図12のアナログ回路が設計範囲外の動作をする場合の具体的事例を示す回路図である。
【0011】
図13に示すように、例えば定電流源201、カレントミラー回路202、およびリング発振回路204Aを備えている。定電流源201の電流102、104、カレントミラー回路202の電流105、106、107、108、109、110とは、電流値が全て等しく、トランジスタQ101の素子形状とトランジスタQ102の素子形状とが等しい場合には、次式が成り立つ。
【0012】
(電流101)=(電流102)=(電流103)=(電流104)
【0013】
(電流104)=(電流105)=(電流106)=(電流107)=(電流108)=(電流109)=(電流110)
【0014】
Vgs1=Vgs2
【0015】
(電流102)=Vgs1/R101
【0016】
f=2×(C101×Vgs2)/(電流107)
以上の式より、次の式(1)で示される所定の発振周波数fが出力端子207より得られる。
【0017】
f=2/(R101×C101) ・・・(1)
カレントミラー回路202の製造ばらつきを考慮に入れて出力端子207より得られる発振周波数の仕様範囲が決定されるが、ここでは、発振周波数の仕様範囲は、例えば±10パーセントであるとして考える。
【0018】
ここで、カレントミラー回路202に例えば抵抗R111のように抵抗性の異物が付着した場合、トランジスタQ105のゲート−ソース間電圧よりもトランジスタQ106〜Q110のゲート−ソース間電圧の方が大きくなり、したがって、電流105よりも電流106〜電流110の方が大きい値になり、電流105と電流106〜電流110とで電流ばらつきが発生する。この場合のように、電流105よりも電流106〜電流110の方が大きくなる場合には、発振周波数は大きくなる。
【0019】
一方、カレントミラー回路202で、異物による抵抗R111の影響によって電流値の変動が±10パーセント以内の場合には、上記従来の検査方法では、出力端子207から測定される発振周波数(出力値)のみで検査されるので、この検査時の周囲温度において、所定の仕様範囲内となり、良品と判定される。
【0020】
しかしながら、異物による抵抗R111の温度特性(+0.1パーセント/度(摂氏))を持つ場合、使用温度が検査範囲の+摂氏10度以上になると、発振周波数(出力値)が仕様範囲よりも1パーセントも大きくなり、リング発振回路204Aが仕様範囲外の動作をしてしまう場合がある。
【0021】
以上のように、上記従来のアナログ回路の検査方法の場合、検査時の周囲温度で仕様範囲内の動作をするため良品と判定するが、検査時の周囲温度から温度変化すると、その仕様範囲外の動作をする集積回路ICがあり得る。
【0022】
このため、異物などの突発的なばらつきが発生し、検査時の周囲温度からある程度、周囲温度が変化しても設計仕様範囲外の動作をしない集積回路IC200だけを良品とする必要がある。
【0023】
このため、カレントミラー回路202の電流値ばらつきを検査する方法について、図14を参照して説明する。
【0024】
図14は、従来のカレントミラー回路の特性の良不良を判定するための回路図である。
【0025】
図14に示すように、この検査方法は、カレントミラー回路201から出力される電流を外部へ出力端子207Aおよび207Bから出力し、その各出力端子207Aおよび207Bにアナログ回路用テスタ217の電流計A71およびA72を接続する。このアナログ回路用テスタ217の電流計A71およびA72で測定した電流値が所定範囲内であるかどうかでカレントミラー回路201の特性の良否を判定することができる。
【0026】
ここで、上記アナログ回路用テスタ217の電流計A71およびA72を接続するために各出力端子207Aおよび207B、トランジスタQ83およびQ84を設ける前の集積回路IC200Bについて図15を用いて詳細に説明する。
【0027】
図15は、検査対象のカレントミラー回路を含む従来の集積回路IC200Bの構成例を示す回路図である。
【0028】
集積回路IC200Bは、定電流源201と、カレントミラー回路201のトランジスタQ81、Q82、Q105、および106・・とを備えている。
【0029】
トランジスタQ81およびQ82は、Nチャンネル型MOSトランジスタであり、トランジスタQ105およびQ106・・は、Pチャンネル型MOSトランジスタである。
【0030】
トランジスタQ81は、そのドレインとゲートとが、定電流源201の出力端に接続されている。トランジスタQ82は、そのゲートがトランジスタQ81のゲートに共通接続され、そのソースが接地されている。トランジスタQ105は、そのドレインとゲートとがトランジスタQ82のドレインに接続され、そのソースが電源Vccに接続されている。トランジスタQ106は、そのゲートがトランジスタQ105のゲートに共通接続され、そのソースが電源Vccに接続され、そのドレインが図示しない発振回路などのアナログ回路などの「負荷」に接続されている。
【0031】
一方、図14に示す集積回路IC200Aは、上記アナログ回路用テスタ217の電流計A71およびA72を接続するために各出力端子207Aおよび207Bを設けるために、図15に示す集積回路IC200Bに、トランジスタQ83およびトランジスタQ84を追加している。
【0032】
このトランジスタQ83は、Pチャンネル型MOSトランジスタであり、トランジスタQ84は、Nチャンネル型MOSトランジスタである。トランジスタQ83は、そのゲートがトランジスタQ105およびQ106の各ゲートに共通接続され、そのソースが電源Vccに接続されている。また、トランジスタQ84は、そのゲートがトランジスタQ81およびQ82の各ゲートに共通接続され、そのソースが接地されている。また、トランジスタQ83のドレインと、トランジスタQ84のドレインとはそれぞれ外部端子207Aおよび207Bにそれぞれ接続されている。
【0033】
これにより、トランジスタQ83のドレイン電流111を外部端子207Aから外部に出力すると共に、トランジスタQ84のドレイン電流112を外部端子207Bから外部に出力することができる。
【0034】
アナログ回路用テスタ217の電流計A71、A72をそれぞれこの出力端の外部端子207Aおよび207Bにそれぞれ接続することにより、二つの電流計A71、A72によりそれぞれドレイン電流111および112をそれぞれ測定することができる。
【0035】
この場合に、上記集積回路IC200Aに含まれるカレントミラー回路201の特性の良否を検査する方法は、アナログ回路用テスタ217の電流計A71、A72において、二つの電流計A71、A72で測定した各電流値が所定範囲内であるかどうかにより集積回路IC200Aの良否判定を行う。
【特許文献1】特開平11−305854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
上記図14の従来の回路構成による検査方法では、トランジスタQ83およびQ84のように検査対象のカレントミラー回路数が増加すると共に、外部端子207Aおよび207Bのように外部端子数も増加するので、外部端子207Aおよび207Bを配置するためのチップ面積が増加し、アナログ回路用テスタの端子数も増加し、これに伴って各電流計を含むテスト回路も増加してしまう。
【0037】
また、一つの検査対象のカレントミラー回路に対して二つの電流値を測定しているため、トランジスタQ83およびQ84のように検査対象のカレントミラー回路数が増加すると共に、外部テスト回路も増加し、テスト時間(工数)が増加してしまい、テストコストを含む製造コストが増加する。
【0038】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、定電流回路に含まれるカレントミラー回路の特性の良不良を、アナログ回路用テスタを用いず、チップ面積の増加や工数増加を抑えて、より容易かつ正確に判定することができる定電流回路検査装置、集積回路、および定電流回路検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明の定電流回路検査装置は、出力基準電流を複製して定電流を出力するカレントミラー回路を有する定電流回路を検査する定電流回路検査装置であって、該定電流を複製して検査用定電流を出力する電流複製部と、該電流複製部の検査用定電流出力端に接続されて、該基準電流に応じた大小の各電流値の比較電流をそれぞれ生成して各電圧を出力する比較電流生成部と、該各電圧を検出し、検出した各電圧を用いて該定電流回路の良または不良を判定する判定部とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
また、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記比較電流生成部は、該基準電流の電流値より大きい第1比較電流と、該基準電流の電流値より小さい第2比較電流とをそれぞれ流し、前記判定部は、該第1比較電流に基づく第1電圧を検出し、該第2比較電流に基づく第2電圧を検出して、該第1電圧および該第2電圧を用いて前記定電流回路の良または不良を判定する。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記判定部は、前記第1電圧と前記第2電圧とを入力として論理演算回路により演算して、前記定電流回路の良または不良を判定する。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記論理演算回路は、前記第1電圧が入力されると共に前記第2電圧がインバータ手段を介して入力されている論理和回路である。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記論理和回路は、素子駆動用電圧がインバータ手段を介して入力可能とされる3入力論理和回路である。
【0044】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記論理演算回路は、前記第1電圧がインバータ手段を介して入力されると共に、前記第2電圧が入力されているNAND回路である。
【0045】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記NAND回路は、素子駆動用電圧が入力可能とされる3入力論理回路である。
【0046】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記第1比較電流は、前記基準電流の電流値をn倍(nは2以上の整数または実数)した電流値であり、前記第2比較電流は、該基準電流の電流値を1/m(mは2以上の整数または実数)倍した電流値である。
【0047】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記カレントミラー回路がp個ある場合、該カレントミラー回路のそれぞれに対応して、前記電流複製部、前記比較電流生成部および前記判定回路を含む各テスト回路がそれぞれ設けられ、該各テスト回路に対して、前記定電流回路の良または不良を判定するp判定回路が設けられている。
【0048】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記p判定回路は、前記各テスト回路からのp個の判定電圧がそれぞれ入力される論理和回路である。
【0049】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記論理和回路は、素子駆動用電圧がインバータ手段を介して入力可能とされる(p+1)入力論理和回路である。
【0050】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記p判定回路は、前記各テスト回路からのp個の判定電圧がそれぞれ各インバータ手段をそれぞれ介して入力されるNAND回路である。
【0051】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記NAND回路は、素子駆動用電圧が入力可能とされる(p+1)入力論理回路である。
【0052】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記判定部が前記定電流回路を不良と判定した場合に、アラーム信号を出力する警告部を更に有する。
【0053】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記判定部からの判定信号を用いて前記定電流の電流値の所定誤差だけ補正する定電流補正回路を更に有する。
【0054】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記定電流回路のカレントミラー回路には負荷としてアナログ回路が接続されている。
【0055】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記比較電流生成部はカレントミラー回路を構成している。
【0056】
さらに、好ましくは、本発明の定電流回路検査装置において、前記定電流回路のカレントミラー回路と前記比較電流生成部とが直列接続されて電流差動回路を構成している。
【0057】
本発明の集積回路は、上記本発明の定電流回路と、上記本発明の定電流回路検査装置とを搭載し、そのことにより上記目的が達成される。
【0058】
本発明の定電流回路検査方法は、出力基準電流を複製して定電流を出力するカレントミラー回路を有する定電流回路を検査する定電流回路検査方法であって、定電流を複製して検査用定電流を電流複製部から出力する電流複製ステップと、電流複製部からの検査用定電流が比較電流として流れ、基準電流に応じた大小の電流値の各比較電流がそれぞれ流れる比較電流生成ステップと、各比較電流に応じた大小の電圧を検出し、検出した大小の電圧を用いて定電流回路の良または不良を判定する判定ステップとを有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0059】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0060】
負荷に対して定電流を供給する場合に、カレントミラー回路を構成して個々に同じ条件で動作するトランジスタを置いている。この場合、これらトランジスタに流れる電流はアナログ値であるので、正しく(設計通りに)流れているかどうかは、直接判定する手段はない。何故なら仮に直接測ろうとすると、その測定時の回路への接触などによって、その回路の電流自体が正常値からずれてしまうからである。
【0061】
本発明においては、これら課題を解決するべく、負荷に繋がるべきカレントミラー回路の動作確認を、別のカレントミラー回路を用いて、電流をミラー(コピー)することと、更にそのコピー動作時にわざと規定値よりも大きい電流値および小さい電流値を発生させて(比較電流生成部としての検査用カレントミラー回路)、規定値の範囲を設定し、その電流値のズレ(大きい値と小さい値)を電圧値として検出して判定回路にて判断させるものである。つまり、正しくカレントミラー電流が負荷に流れているならば、2つの検出部(電流大と設定した部分=規定値範囲の最大値と、電流小と設定した部分=規定値範囲の最小値)は必ず、一方が電流の流れ込み状態であり、残りの一方が電流の流出状態となる。この場合は、論理判定で簡単に分かる(正常時)。ところが、正常でない場合は、上記2つの検出部が両方とも電流の流出か、両方とも電流の流入となる。この場合も論理判定にて簡単に判断(良不良判定)できる。
【0062】
よって、本発明では、定電流を複製して検査用定電流を出力する電流複製部と、電流複製部の検査用定電流出力端に接続されて、基準電流に応じた大小の各電流値の比較電流をそれぞれ出力する比較電流生成部と、各比較電流に基づく各電圧を検出し、検出した各電圧を用いて定電流回路の良または不良を判定する判定部とを有している。
【0063】
このように、定電流回路検査装置を定電流回路と共に集積回路内に設けることにより、定電流回路検査装置からの判定信号のみを外部に取り出すだけでよいので、外部接続用の端子数をより少なくすることが可能となって、定電流回路検査装置の大きさを小さくすることが可能となる。また、検査の際に必要な外部回路の規模も、従来の電流計を搭載したテスタに比べて小さくすることが可能となる。さらに、検査の際に測定する測定項目数も少なく、検査の際に必要な時間と労力をより少なくすることが可能となる。よって、容易かつ正確に素早く定電流回路の検査を行うことが可能となる。
【0064】
第1比較電流による第1電圧と、第2比較電流による第2電圧とを検出し、第1電圧および第2電圧を用いて定電流回路の良または不良を判定することによって、定電流回路が良であると判定する電流値の範囲を明確に設定することが可能となる。また、第1電圧および第2電圧の各電圧値がそれぞれ所定値より大きいか小さいかを自動判定するだけで、容易かつ正確に素早く定電流回路の検査を行うことが可能となる。
【0065】
第1電圧と第2電圧とを用いて論理演算回路により、定電流回路の良または不良を判定することによって、検査の際に正確な電流計が不要になり、Highレベル電圧とLowレベル電圧との2値のみを検知できる簡単な電圧計を準備するだけで定電流回路の良または不良を容易かつ正確に素早く知ることが可能となる。
【0066】
第1比較電流は、基準電流の電流値をn倍(nは2以上の整数)した電流値であり、第2比較電流は、基準電流の電流値を1/m(mは2以上の整数)倍した電流値とすることによって、定電流回路が良であると判定される電流値の範囲を容易かつ正確に素早く設定することが可能となる。
【0067】
判定部が、定電流回路を不良と判定した場合、アラーム信号を外部に出力することによって、検査結果を容易かつ素早く知ることが可能となる。
【0068】
判定部からの判定信号(判定電圧)を用いて、定電流の電流値の誤差を補正することによって、カレントミラー回路が出力する定電流の電流値を接続する負荷に応じて微調整することが可能となる。
【0069】
比較電流生成部がカレントミラー回路であることによって、基準電流から容易に検査用電流を生成することが可能となる。
【0070】
定電流回路のカレントミラー回路と比較電流生成部とが電流差動回路を構成することによって、比較電流に基づく電圧を判定部により容易かつ正確に検知することが可能となる。
【0071】
集積回路が本発明の定電流回路と本発明の定電流回路検査装置とを搭載することによって、集積回路の良不良の検査が素早く容易かつ正確になる。
【発明の効果】
【0072】
以上により、本発明によれば、本発明の定電流回路検査装置を定電流回路と共に集積回路内に設けたため、定電流回路に含まれるカレントミラー回路の特性の良不良を、従来のようにアナログ回路用テスタを用いず、外部接続端子数が抑制されてチップ面積の増加や工数増加を抑えることができて、より容易かつ正確に素早く判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下に、本発明の定電流回路検査装置および定電流源検査方法の実施形態を、定電流回路の集積回路ICに搭載した場合について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
図1は、本発明の実施形態に係る集積回路ICの要部構成例を示す回路図である。
【0075】
図1に示すように、本実施形態の集積回路IC1は、基準電流I1、I2を出力する定電流源2と、基準電流I1を複製して定電流を出力するカレントミラー回路3と、基準電流I2を複製して比較電流(または検査用定電流)を流す検査用カレントミラー回路4と、検査用カレントミラー回路4に比較電流(または検査用定電流)がそれぞれ流れたことよる各電圧を2入力としてカレントミラー回路3の特性の良または不良を判定する判定電圧Toutを出力する判定回路5とを有している。
【0076】
カレントミラー回路3は、ドレインとゲートを定電流源2の出力端に接続してソースをGNDに接地した第1Nチャンネル型MOSトランジスタQ11と、ゲートを第1Nチャンネル型MOSトランジスタQ11のゲートに接続してソースをGNDに接地した第2Nチャンネル型MOSトランジスタQ13と、ドレインとゲートを第2Nチャンネル型MOSトランジスタQ13のドレインに接続してソースを電源Vccの出力端に接続した第1Pチャンネル型MOSトランジスタQ14と、ゲートを第1Pチャンネル型MOSトランジスタQ14のゲートに接続してソースを電源Vccに接続した第2および第3Pチャンネル型MOSトランジスタQ17、Q18とを有している。第2および第3Pチャンネル型MOSトランジスタQ17、Q18は、電流複製部を構成しており、第1Pチャンネル型MOSトランジスタQ14からの定電流を複製して検査用定電流を出力する。さらに、ゲートを第1Pチャンネル型MOSトランジスタQ14のゲートに接続してソースを電源Vccに接続し、ドレイン側にアナログ回路などの負荷が接続されたPチャンネル型MOSトランジスタQ15・・Q16を有している。
【0077】
検査用カレントミラー回路4は、比較電流生成部を構成しており、ドレインとゲートを定電流源2の出力端に接続してソースをGNDに接地した第3Nチャンネル型MOSトランジスタQ12と、ゲートを第3Nチャンネル型MOSトランジスタQ12のゲートに接続してドレインを第2Pチャンネル型MOSトランジスタQ17のドレインに接続し、ソースをGNDに接地した第4Nチャンネル型MOSトランジスタQ50と、ゲートを第3Nチャンネル型MOSトランジスタQ12のゲートに接続してドレインを第3Pチャンネル型MOSトランジスタQ18のドレインに接続し、ソースをGNDに接地した第5Nチャンネル型MOSトランジスタQ51とを有して、第2および第3Pチャンネル型MOSトランジスタQ17、Q18からの検査用定電流出力端に接続されて、基準電流に応じた大小の各電流値の比較電流をそれぞれ流す。
【0078】
上記第2PチャンネルMOSトランジスタQ17のドレインと上記第4Nチャンネル型MOSトランジスタQ50のドレインとを第1出力(位置P1での電圧)とし、上記第3PチャンネルMOSトランジスタQ18のドレインと上記第5Nチャンネル型MOSトランジスタQ51のドレインとを第2出力(位置P2での電圧)としている。
【0079】
判定回路5は、判定回路5を駆動するためのテスト信号Tinと、上記検査用カレントミラー回路4の第1出力(P1の第1電圧)および第2出力(P2の第2電圧)をそれぞれ入力として、これらを論理演算してカレントミラー回路3の特性の良または不良を判定する判定電圧Toutを出力する。このように、定電流源2の電流値I1に対するカレントミラー回路3の電流値I7、I8の誤差の良否を判定する場合、外部に接続したテスタにおいて、判定回路5より出力される判定電圧ToutがHighレベル電圧(不良品)であるかLowレベル電圧(良品)であるかの判定だけでよく、カレントミラー回路3の特性の良否の判定が容易化できる。
【0080】
なお、これらの8個のトランジスタQ11〜Q18は、本来は同じ電流が流れるはずである。トランジスタQ16はここでは1個であるが、実際には複数個並列に繋がっている。その個々のトランジスタQ16の先には「負荷」がそれぞれ繋がっている。また、基準電流値I1とI2とは同じ電流値である。
【0081】
ここで、判定回路5による判定動作についてさらに詳細に説明する。
【0082】
上記構成により、上記第4Nチャンネル型トランジスタQ50は定電流源2からの電流値I2に対してn倍(nは2以上の整数または実数)となる電流を流すトランジスタとし、上記第5Nチャンネル型トランジスタQ51は定電流源2の電流値I2に対して1/m倍(mは2以上の整数または実数)となる電流を流すトランジスタとする。
【0083】
この場合、定電流源2の基準電流値I2(またはI1)に対するカレントミラー回路3の電流値I7,I8の誤差の許容範囲を1/m倍以上n倍以下としている。
【0084】
定電流源2の電流値I2に対する上記カレントミラー回路3からの定電流値I7(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I50)がn倍以下で、定電流値I8(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I51)が1/m倍以上の場合は、上記検査用カレントミラー回路4からの第1出力(P1)がLowレベル電圧を出力し、上記検査用カレントミラー回路4からの第2出力(P2)がHighレベル電圧を出力し、検査時に判定回路5から判定電圧ToutとしてLowレベル電圧を出力してカレントミラー回路3が「特性良」と判定される。
【0085】
また、定電流源2の電流値I2に対する上記カレントミラー回路3の定電流値I7(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I50)がn倍以上で、定電流値I8(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I51)が1/m倍以上の場合は、上記検査用カレントミラー回路4からの第1出力(P1)がHighレベル電圧を出力し、上記検査用カレントミラー回路4からの第2出力(P2)がHighレベル電圧を出力し、検査時に判定回路5から判定電圧ToutとしてHighレベル電圧を出力してカレントミラー回路3が「特性不良」と判定される。
【0086】
さらに、定電流源2の電流値I2に対する上記カレントミラー回路3の定電流値I7(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I50)がn倍以下で、定電流値I8(または上記検査用カレントミラー回路4の比較電流値I51)が1/m倍以下の場合は、上記検査用カレントミラー回路4の第1出力(P1)はLowレベル電圧を出力し、上記検査用カレントミラー回路の第2出力(P2)はLowレベル電圧を出力し、検査時に判定回路5から判定電圧ToutとしてHighレベル電圧を出力してカレントミラー回路3が「特性不良」と判定される。
【0087】
上記判定回路5は、図2に示すように、インバータ回路とOR回路(論理和回路)とで構成され、TinにHighレベル電圧が入力され、上記第1電流差動回路の第1出力(P1)がHighレベル電圧でかつ上記第2電流差動回路の第2出力(P2)がLowレベル電圧の場合に、OR回路から「特性良」の判定電圧ToutとしてLowレベル電圧を出力する。また、上記第1電流差動回路の第1出力(P1)がLowレベル電圧の場合と上記第2電流差動回路の第2出力(P2)がHighレベル電圧の場合との両方または共に同極性電圧の場合は、OR回路から「特性不良」の判定電圧ToutとしてHighレベル電圧を出力する。
【0088】
なお、判定回路5は、図3に示すように、インバータ回路とNAND回路で構成することもできる。即ち、判定回路5は、論理演算回路で構成されており、第1電圧(P1)が入力されると共に第2電圧(P2)がインバータ手段を介して入力されているOR回路(論理和回路)である。このOR回路は、素子駆動用電圧がインバータ手段を介して入力可能とされる3入力論理和回路である。または、判定回路5は、第1電圧(P1)がインバータ手段を介して入力されると共に、第2電圧(P2)が入力されているNAND回路である。このNAND回路は、素子駆動用電圧が入力可能とされる3入力論理回路である。
【0089】
以上により、本実施形態によれば、定電流源2の電流値に対するカレントミラー回路3の電流値の誤差の良否の判定を行う場合は、テスト信号TinにHighレベル電圧を入力して、判定回路5からの出力電圧Toutを外部接続したテスタにおいて測定し、Lowレベル電圧の場合は良品で、Highレベル電圧の場合は不良品と判定することができる。この場合、3個のトランジスタQ11,Q13,Q14のどれか一つに異常があった場合に、異常検出ができる。
【0090】
次に、ここで、検査対象のカレントミラー回路が1、2、・・・、p個と複数の場合には、図4に示すように、集積回路IC6は、検査対象回路(1)、(2)、・・・、(p)にテスト回路(1)、(2)、・・・、(p)およびp判定回路11が接続されている。
【0091】
テスト回路(1)、(2)、・・・、(p)において、それぞれのテスト回路(1)、(2)、・・・、(p)には図1に示す検査用カレントミラー回路4と判定回路5とを含み、出力判定電圧Tout(1)、Tout(2)、・・・、Tout(p)は、検査対象回路(1)、(2)、・・・、(p)の出力電流が1/m倍以上n倍以下の範囲内の場合は、良品を示すLowレベル電圧を判定出力し、1/m倍以上またはn倍以下の範囲外の場合、即ち、1/m倍以上でn倍以上の範囲、または、1/m倍以下でn倍以下の範囲の場合は、不良品を示すHighレベル電圧を判定出力する。
【0092】
p判定回路11は、図5に示すように、インバータ回路とOR回路で構成され、テスト信号である素子駆動用電圧TinにHighレベル電圧が駆動電圧として入力され、出力電圧Toutは、Tout(1)、Tout(2)、・・・、Tout(p)の入力電圧が、全てLowレベル電圧である場合は良品としてLowレベル電圧を出力し、いずれか1つがHighレベル電圧である場合は不良品としてHighレベル電圧を出力する。なお、別の事例として、p判定回路11Aは、図6に示すように、インバータ回路とNAND回路で構成することもできる。即ち、p判定回路11Aは、各テスト回路(1)、(2)、・・・、(p)からのp個の判定電圧Tout(1)、Tout(2)、・・・、Tout(p)がそれぞれインバータ回路をそれぞれ介して入力されるNAND回路である。このNAND回路は、テスト信号である素子駆動用電圧Tinが入力可能とされる(p+1)入力論理回路である。
【0093】
上記構成により、定電流回路に含まれる1、2、・・・、p個のカレントミラー回路の特性の良否の検査方法は、テスト信号TinにHighレベル電圧を入力して、判定回路5を駆動させ、出力電圧Toutを外部接続テスタにより測定し、Lowレベル電圧の場合は良品で、Highレベル電圧の場合は不良品と判定する。
【0094】
また、検査対象のカレントミラー回路が1、2、・・・、p個と複数の場合、上記構成を1、2、・・・、p個組込み、1、2、・・・、p個の判定回路の出力に少なくとも1つ不良判定を出力した場合に不良判定信号を出力する2値論理回路で構成したp判定回路11または11Aを接続することにより、カレントミラー回路の特性の良否を判定する場合、外部に接続したテスターにおいて、p判定回路11または11Aより出力される電圧がHighレベル電圧であるかLowレベル電圧であるかの判定だけでよく、良否の判定の容易化、テスト用の出力端子の削減、テスト時間の短縮によりテスト効率の向上によりコストダウンができる。
【0095】
なお、本発明に係る定電流回路の検査方法は、テスト信号である素子駆動用電圧Tinの電圧極性をHighレベル電圧の他に、Lowレベル電圧とする論理回路の構成でもよい。この場合、判定回路5の出力電圧Toutは、許容範囲内の場合にLowレベル電圧で、許容範囲外の場合にHighレベル電圧の他、その逆でもよい。
【0096】
また、定電流回路1において、ゲートを上記第1Pチャンネル型MOSトランジスタQ14のゲートに接続してソースを電源Vccに接続した第5、第6、・・・のPチャンネル型MOSトランジスタQ15・・を接続して複数のドレイン電流を各負荷にそれぞれ出力する回路構成でもよいことは自明である。
【0097】
さらに、図7に示すように、定電流源2aの電流値I1に対するカレントミラー回路3の電流の誤差の許容範囲を検査するために、検査用カレントミラー回路の基準電流I2をIC外部から外部端子Iinより入力する構造でもよい。
【0098】
また、図8および図9に示すように、判定回路5aより得られた判定結果を入力とし、電流誤差を補正する補正電流を出力する電流補正回路12を集積回路IC1bまたは1cに組み込むことにより、電流の誤差補正を行うことが可能となる。この電流補正回路12は、判定回路5aからの判定電圧Toutを用いて定電流I3の電流値の所定誤差分だけ補正することができる。
【0099】
さらに、図10に示すように、カレントミラー回路3を不良と判定した場合にアラーム信号を外部に出力する警告部25を更に有している。
【0100】
なお、図11に示すように、集積回路IC22として、カレントミラー回路3と本発明の定電流回路検査装置とを搭載した集積回路ICを示している。集積回路IC22は、カレントミラー回路3の負荷としてリング発振器23を用いている。
【0101】
リング発振回路23は、カレントミラー回路3の複数個の出力に接続され、カレントミラー回路3から出力される定電流I5〜I6を入力して、所定の発振周波数の信号を出力端子24から出力する。
【0102】
このようにして、集積回路IC22は、出力端子24から所定の発振周波数の信号を出力する。
【0103】
集積回路IC22を構成するカレントミラー回路3の良不良を判定する動作は、上記実施形態のIC1または6と同様であるので説明を省略する。
【0104】
この集積回路IC22は、各回路を同一シリコン基板上に形成した集積回路である。したがって、カレントミラー回路3などを構成する各トランジスタの特性を同一にすることが容易である。
【0105】
よって、このIC22を用いることにより、負荷であるリング発振回路23に精度の良い定電流を供給することができるとともに、IC22の温度が変化した場合でも、カレントミラー回路3が出力する各定電流間のばらつきを最小限に抑えることができる。
【0106】
なお、ここでは、IC22は、モノリシック集積回路であるとして説明したが、これに限らない。IC22は、ハイブリッド集積回路であってもよいし、マルチチップモジュールであってもよい。ここに、ハイブリッド集積回路とは、プリント基板製造技術を用い、セラミック基板やエポキシ樹脂基板上に配線パターンを形成し、個別部品のトランジスタ、抵抗、コンデンサなどを半田付けして作る回路である。
【0107】
また、マルチチップモジュールとは、複数の半導体基板を金属線で直接配線した回路である。IC22がマルチチップモジュールである場合、IC22を複数層のセラミック基板を焼結生成した立体回路として構成してもよいし、いわゆるビルドアップ技術を用いて複数の基板を貼り合わせた複数層の基板として構成してもよい。
【0108】
なお、ここでは、カレントミラー回路3の負荷としてリング発振回路23が接続されている場合について説明したがこれに限らない。
【0109】
カレントミラー回路3の負荷として、オペアンプ(演算増幅器)、アナログ−デジタル変換回路、デジタル−アナログ変換回路、パワーアンプ−ドライバ(例えば、音響用アンプ回路、液晶ディスプレイドライバ、モータドライバなど)、RF回路(例えば、ベースバンド処理回路、発振回路、ミキサ、増幅回路、変調回路、復調回路など)、映像信号処理回路(NTSC信号処理回路)、タイミング回路(例えば、PLL、VCOなど)、半導体センサ(例えば、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、温度センサ、圧力センサ、加速度センサなど)、半導体リレーなどをIC22に実装しても構わなし、これ以外の負荷をIC22に実装しても構わない。要するに、カレントミラー回路3の負荷として、IC22にアナログ回路を実装しさえすればよい。
【0110】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、定電流回路に含まれるカレントミラー回路の特性の良不良を検査する定電流回路検査装置、これを用いた集積回路および定電流回路検査方法の分野において、本発明の定電流回路検査装置を定電流回路と共に集積回路内に設けたため、定電流回路に含まれるカレントミラー回路の特性の良不良を、従来のようにアナログ回路用テスタを用いず、外部接続端子数が抑制されてチップ面積の増加や工数増加を抑えることができて、より容易かつ正確に素早く判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施形態に係る集積回路ICの要部構成例を示す回路図である。
【図2】図1の判定回路の一構成例を示す回路図である。
【図3】図1の判定回路の一構成例とは別の構成例を示す回路図である。
【図4】図1の検査対象のカレントミラー回路がp個存在する場合のIC構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の判定回路の一構成例を示す回路図である。
【図6】図4の判定回路の一構成例とは別の構成例を示す回路図である。
【図7】図1の基準電流を外部から入力するIC構成例を示す回路図である。
【図8】図1の判定回路の判定電圧Toutを利用してカレントミラー回路からの定電流を補正するIC構成例を示す回路図である。
【図9】図1の基準電流を外部から入力し、図1の判定回路の判定電圧Toutを利用してカレントミラー回路からの定電流を補正するIC構成例を示す回路図である。
【図10】図1の判定回路の判定電圧Toutを利用して不良品時などに警告する場合のIC構成例を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態におけるICの構成を示す図である。
【図12】従来のアナログ回路検査方法を説明するためのアナログ回路およびその検査装置を示すブロック図である。
【図13】図12のアナログ回路が設計範囲外の動作をする場合の具体的事例を示す回路図である。
【図14】従来のカレントミラー回路のばらつきを検査する方法を示す回路図である。
【図15】検査対象のカレントミラー回路を含む従来の集積回路ICの構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0113】
1、1a、1b、6 集積回路IC(定電流回路)
2 定電流源
3 カレントミラー回路
3a カレントミラー回路
4 検査用カレントミラー回路
5、5a 判定回路
11、11A p判定回路
12 電流補正回路
I1、I2 基準電流
I3、I5、I6、I7、I8 定電流
I50、I51 比較電流
P1、P2 接続点
Q11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q50、Q51 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力基準電流を複製して定電流を出力するカレントミラー回路を有する定電流回路を検査する定電流回路検査装置であって、
該定電流を複製して検査用定電流を出力する電流複製部と、
該電流複製部の検査用定電流出力端に接続されて、該基準電流に応じた大小の各電流値の比較電流をそれぞれ生成して各電圧を出力する比較電流生成部と、
該各電圧を検出し、検出した各電圧を用いて該定電流回路の良または不良を判定する判定部とを有する定電流回路検査装置。
【請求項2】
前記比較電流生成部は、該基準電流の電流値より大きい第1比較電流と、該基準電流の電流値より小さい第2比較電流とをそれぞれ流し、
前記判定部は、該第1比較電流に基づく第1電圧を検出し、該第2比較電流に基づく第2電圧を検出して、該第1電圧および該第2電圧を用いて前記定電流回路の良または不良を判定する請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1電圧と前記第2電圧とを入力として論理演算回路により演算して、前記定電流回路の良または不良を判定する請求項2に記載の定電流回路検査装置。
【請求項4】
前記論理演算回路は、前記第1電圧が入力されると共に前記第2電圧がインバータ手段を介して入力されている論理和回路である請求項3に記載の定電流回路検査装置。
【請求項5】
前記論理和回路は、素子駆動用電圧がインバータ手段を介して入力可能とされる3入力論理和回路である請求項4に記載の定電流回路検査装置。
【請求項6】
前記論理演算回路は、前記第1電圧がインバータ手段を介して入力されると共に、前記第2電圧が入力されているNAND回路である請求項3に記載の定電流回路検査装置。
【請求項7】
前記NAND回路は、素子駆動用電圧が入力可能とされる3入力論理回路である請求項6に記載の定電流回路検査装置。
【請求項8】
前記第1比較電流は、前記基準電流の電流値をn倍(nは2以上の整数または実数)した電流値であり、
前記第2比較電流は、該基準電流の電流値を1/m(mは2以上の整数または実数)倍した電流値である請求項2または3に記載の定電流回路検査装置。
【請求項9】
前記カレントミラー回路がp個ある場合、該カレントミラー回路のそれぞれに対応して、前記電流複製部、前記比較電流生成部および前記判定回路を含む各テスト回路がそれぞれ設けられ、該各テスト回路に対して、前記定電流回路の良または不良を判定するp判定回路が設けられている請求項1〜8のいずれかに記載の定電流回路検査装置。
【請求項10】
前記p判定回路は、前記各テスト回路からのp個の判定電圧がそれぞれ入力される論理和回路である請求項9に記載の定電流回路検査装置。
【請求項11】
前記論理和回路は、素子駆動用電圧がインバータ手段を介して入力可能とされる(p+1)入力論理和回路である請求項10に記載の定電流回路検査装置。
【請求項12】
前記p判定回路は、前記各テスト回路からのp個の判定電圧がそれぞれ各インバータ手段をそれぞれ介して入力されるNAND回路である請求項9に記載の定電流回路検査装置。
【請求項13】
前記NAND回路は、素子駆動用電圧が入力可能とされる(p+1)入力論理回路である請求項12に記載の定電流回路検査装置。
【請求項14】
前記判定部が前記定電流回路を不良と判定した場合に、アラーム信号を出力する警告部を更に有する請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項15】
前記判定部からの判定信号を用いて前記定電流の電流値の所定誤差だけ補正する定電流補正回路を更に有する請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項16】
前記定電流回路のカレントミラー回路には負荷としてアナログ回路が接続されている請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項17】
前記比較電流生成部はカレントミラー回路を構成している請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項18】
前記定電流回路のカレントミラー回路と前記比較電流生成部とが直列接続されて電流差動回路を構成している請求項1に記載の定電流回路検査装置。
【請求項19】
請求項1に記載の定電流回路と、請求項1〜18のいずれかに記載の定電流回路検査装置とを搭載した集積回路。
【請求項20】
出力基準電流を複製して定電流を出力するカレントミラー回路を有する定電流回路を検査する定電流回路検査方法であって、
該定電流を複製して検査用定電流を電流複製部から出力する電流複製ステップと、
該電流複製部からの検査用定電流が比較電流として流れ、該基準電流に応じた大小の電流値の各比較電流がそれぞれ流れる比較電流生成ステップと、
該各比較電流に応じた大小の電圧を検出し、検出した大小の電圧を用いて該定電流回路の良または不良を判定する判定ステップとを有する定電流回路検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−193432(P2009−193432A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34522(P2008−34522)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】