説明

導体層転写シートおよび積層型チップ素子の製造方法

【課題】感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題のない積層チップ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 導体層転写シート22によれば、感光性導体ペースト18は転写支持体12の一面にビヒクル層10を介して塗着されていることから、所定のパターンの導体層18を形成するための露光および現像時において、必ずしも十分な露光・現像性能を必要とせず、感光性樹脂、重合開始剤等の樹脂成分である樹脂量の少ない導体ペーストを用いることができる。したがって、感光性導体ペースト18中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題が生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体層転写シートとそれを用いた積層型チップ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の誘電体層とそれら誘電体層の間に介在する導電体層とが焼結されることにより構成された積層型チップ素子が知られている。たとえば、チップコンデンサ、チップインダクタなどがそれであり、特許文献1に記載された積層型チップインダクタもその一種である。このような積層型チップ素子は、絶縁性基板の上に感光性導体ペーストを塗布し、露光・現像により所定のパターンとし、その上に感光性絶縁ペーストを塗布し、露光・現像によりビアホールを形成することを、所定の層数に到達するまで交互に行った後に焼成し、外部電極等が付加されることにより製造される。
【特許文献1】特開2001−264965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記の転写用の感光性導体ペーストは、感光性能を備えるための感光性樹脂成分を含むものであるが、印刷後に焼成される印刷用導体ペーストに比較すると樹脂量が格段に多くなり、乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が低下して電気的容量が得られ難くなるという不都合があった。これに対して、導体層の高密度を確保するために感光性樹脂成分の含有量を少なくすると、露光・現像が困難となり、残査が発生したり、シャープなパターンが得られずパターン精度が低下する。特に、積層型チップ素子の小型化すなわち薄型化に対処する等のために、感光性絶縁ペーストの塗布厚みを薄くするほど大きくなるそれへのしみ込みによる影響を抑制するために感光性導体ペーストを薄く塗布しようとするほど、上記の不都合が顕著となる。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題の生じない積層型チップ素子の製造方法およびそれに用いるための導体層転写シートを提供することにある。
【0005】
本発明者は、以上の事情を背景として種々研究を重ねた結果、上記感光性導体ペーストの露光・現像を、感光性誘電体ペーストが露光により固着されたビヒクル層の上で行うと、感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても、残査が発生しないという意外な事実を見いだした。本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に係る発明の要旨とするところは、金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペーストから成る導体層が転写支持体の一面に塗着された導体層転写シートであって、前記感光性導体ペーストは前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されていることにある。
【0007】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明の導体層転写シートにおいて、前記ビヒクル層は、感光性樹脂および重合開始剤を含む消失可能な物質から成るものであることにある。
【0008】
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項1または2に係る発明の導体層転写シートにおいて、前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されている前記導体層は、露光・現像によって所定のパターンに形成されていることにある。
【0009】
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1の発明の導体層転写シートにおいて、前記感光性導体ペーストは、10重量%以下の樹脂成分を含有していることにある。
【0010】
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、複数の誘電体層と該誘電体層の間に介在する導体層とが焼結されることにより構成された積層型チップ素子の製造方法であって、(a) 請求項4に係る発明の導体層転写シートを用意する工程と、(b) 誘電体層が転写支持体の一面に塗着された誘電体層転写シートを用意する工程と、(c) 前記導体層転写シートを用いて、所定の誘電体層上に導体層を転写する第1転写工程と、(d) 前記誘電体層転写シートを用いて、該第1転写工程で転写された導体層の上に、前記誘電体層を転写する第2転写工程と、(e) 前記第1転写工程および第2転写工程を繰り返し実行することにより交互に積層された、前記第1誘電体層と第2誘電体層との積層体を焼成処理することにより焼結させる焼成工程とを、含むことにある。
【0011】
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項5に係る発明の積層型チップ素子の製造方法において、(a) 前記導体層転写シートを用意する工程は、(a1)前記転写支持体の一面にビヒクルを層状に塗着するビヒクル塗工工程と、(a2)その層状に塗着されたビヒクルの上に、金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペーストを層状に塗着する感光性導体ペースト塗工工程と、(a3)その感光性導体ペースト塗工工程により層状に塗着された感光性導体ペーストを露光・現像することにより所定パターンの導体層を前記転写支持体の一面上に形成する露光・現像工程とを、含むことにある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明の導体層転写シートによれば、前記感光性導体ペーストは前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されていることから、所定のパターンの導体層を形成するための露光および現像時において、必ずしも十分な露光・現像性能を必要とせず、感光性樹脂、重合開始剤等の樹脂成分である樹脂量の少ない導体ペーストを用いることができる。したがって、感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題が生じない導体層転写シートが得られる。
【0013】
また、請求項2に係る発明の導体層転写シートによれば、前記ビヒクル層は、感光性樹脂および重合開始剤を含む消失可能な物質から成るものであることから、感光性樹脂成分の含有量の少ない感光性導体ペーストを用いても、露光および現像工程におけるパターン形成の分解能の低下や、残査の発生の問題が低減される。
【0014】
また、請求項3に係る発明の導体層転写シートによれば、前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されている前記導体層は、露光および現像によって所定のパターンに形成されていることから、精度の高いパターンを有する導体層転写シートが得られる。
【0015】
また、請求項4に係る発明の導体層転写シートによれば、前記感光性導体ペーストは、10重量%以下の樹脂成分を含有していることから、乾燥後或いは焼成後において密度の高い導体層が得られる。
【0016】
また、請求項5に係る発明の積層型チップ素子の製造方法によれば、(a) 請求項4に係る発明の導体層転写シートを用意する工程と、(b) 誘電体層が転写支持体の一面に塗着された誘電体層転写シートを用意する工程と、(c) 前記導体層転写シートを用いて、所定の誘電体層上に導体層を転写する第1転写工程と、(d) 前記誘電体層転写シートを用いて、該第1転写工程で転写された導体層の上に、前記誘電体層を転写する第2転写工程と、(e) 前記第1転写工程および第2転写工程を繰り返し実行することにより交互に積層された、前記第1誘電体層と第2誘電体層との積層体を焼成処理することにより焼結させる焼成工程とを、含むことから、密度の高い導体層を有する積層型チップ素子が得られる。
【0017】
また、請求項6に係る発明の積層型チップ素子の製造方法によれば、(a) 前記導体層転写シートを用意する工程は、(a1)前記転写支持体の一面にビヒクルを層状に塗着するビヒクル塗工工程と、(a2)その層状に塗着されたビヒクルの上に、金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペーストを層状に塗着する感光性導体ペースト塗工工程と、(a3)その感光性導体ペースト塗工工程により層状に塗着された感光性導体ペーストを露光・現像することにより所定パターンの導体層を前記転写支持体の一面上に形成する露光・現像工程とを、含むことから、感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題が生じない導体層転写シートが得られる。
【0018】
ここで、前記金属粉末は、Ni( ニッケル)粉末が好適に用いられるが、それに限らず、銀、金、銅、アルミニウム等の1種、または2種以上の混合粉等の金属導電体の粉体であってもよい。
【0019】
また、前記導体層転写シートに塗布されている感光性導体ペーストは、乾燥後或いは焼成後において密度の高い導体層が得られるように、10重量%以下の樹脂成分を含有しているが、ペーストとしての均一で滑らかな性状および塗布機能を備えるためにある程度の樹脂成分を必要とし、たとえば、3乃至4重量%以上の樹脂成分を含む。
【0020】
また、前記感光性導体ペーストには、好適には、無機材料粉末が含まれる。これは、乾燥後或いは焼成後の凹穴内の導体材料の収縮が抑制されてクラックや剥離等の発生を防止するためのものであり、チタン酸バリウム( BaTiO3 ) 粉末が好適に用いられるが、それに限らず、アルミナ、ジルコニア、酸化珪素、硼珪酸系や結晶化系等のガラスなどのセラミックス粉であってもよい。要するに、共材( ともざい) 或いはフィラーとして機能し、転写用感光性導体ペーストの乾燥時或いは焼結時の収縮を緩和するものであればよい。
【0021】
前記転写支持体は、PET( ポリエチレンテレフタレート樹脂)フィルム等の感光性誘電体ペーストの乾燥後の第1或いは第2誘電体層の剥離可能な可撓性或いは硬質の合成樹脂シート、シリコン樹脂或いは油脂等の剥離剤がコーティングされた紙などが用いられる。好適には、転写用感光性導体ペーストの塗布面の反対側からの露光が可能なように、露光の用いられる光たとえば紫外光が容易に透過可能な透光性シートが用いられる。その透光性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルホン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、セロハン、トリアセチルセルロース等のセルロース誘導体、アイオノマー等が挙げられる。
【0022】
前記感光性誘電体ペーストおよび感光性導体ペーストに含まれる感光性樹脂は、反応により樹脂の骨格を構成する高分子であり、たとえばアルカリ現像型バインダーポリマーおよび/またはモノマーから構成され、焼成によって消失する物質が選択される。ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレン重合体、1−ビニル−2−ビロリドン重合体等の非アルカリ現像型ポリマーが上記アルカリ現像型バインダーポリマーに混合されてもよい。
【0023】
上記反応性のバインダーポリマーしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物の1種以上と、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニル−2−ピロリドンの1種以上とから成るコポリマー等が挙げられる。
【0024】
上記反応性のモノマーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する有機化合物、たとえば、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルクアクリレート、イソオクテルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに替えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等の、1種、または2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】
前記感光性誘電体ペーストおよび感光性導体ペーストに含まれる重合開始剤は、結果的には転写用の感光性導体ペースト中の感光性樹脂成分の一部を構成するものであるが、専ら、光たとえば紫外線を吸収して光ラジカル( ラジカル重合の連鎖担体( 成長鎖) の始端となる遊離基) を発生させることにより重合を開始させるための物質であり、たとえばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス( ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス( ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイイソブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス( p−アジドベンジリデン) シクロヘキサン、2,6−ビス( p−アジドベンジリデン) −4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−( o−メトキシカルボニル) オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−( o−エトキシカルボニル) オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−( o−エトキシカルボニル) オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−( o−ベンゾイル) オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[ 4−( メチルチオ) フェニル] −2−モルフォリノ−1−プロパン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスインブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。
【0026】
上記のような感光性樹脂成分( 感光性樹脂および重合開始剤) 、或いはそれを含む感光性誘電体ペーストや感光性導体ペースト中には、必要に応じて、良く知られた、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤等の増感剤、重合停止剤等の保存安定剤( ゲル化防止剤) 、連鎖移動剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、ポリカルボン酸系やカルボン酸系として知られるペースト分散性向上剤等が含まれる。
【0027】
また、前記感光性誘電体ペーストや感光性導体ペーストの粘度調整等のために、アルコール類、テルペン類、芳香族炭化水素等の通常の溶剤の他に、ターピオネール、ジヒドロターピオネール、トリデカノール、デカノール、ベンジルアルコール、2エチルヘキサノール、アルコールエステル系エチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルアセテートなどのベヒクル用溶剤が用いられる。
【0028】
また、乾燥後に誘電体層を構成するための誘電体ペーストには、誘電体材料粉、および焼成時に消失可能な樹脂、溶剤等が含まれる。この誘電体材料粉としては、用途に応じた誘電率を有する無機材料、たとえば、チップコンデンサを製造するためには、高い誘電率を有するチタン酸バリウム( BT:バリウムチタネイト)粉が用いられる。
【0029】
また、前記感光性導体ペーストには、金属粉体、無機材料粉、感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等の他に、好適には、アクリル樹脂、アミン系樹脂、フッソ系分散剤のいずれかがさらに含まれる。これらアクリル樹脂、アミン系樹脂、フッソ系分散剤のいずれかが転写用感光性導体ペーストに混入されると、露光・現像性能と乾燥後或いは焼成後の導体層の密度とが両立し、感光性樹脂および重合開始剤等の樹脂成分を少なくしても、露光・現像性能が得られるとともに、乾燥後或いは焼成後の密度が一層高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0031】
図1は、積層型チップ素子たとえば図8に示す積層型チップコンデンサ32の製造工程を説明する工程図である。図1において、感光性ビヒクル調整工程では、感光性樹脂、重合開始剤等が所定の割合となるように秤量された後、適量の溶剤と共にたとえば混合機を用いて混練されることにより、所定粘度のビヒクルが調整される。次いで、ビヒクル塗工工程P2では、スクリーン印刷法、ドクターブレードを用いたブレードコート法、塗工ローラを用いたロールコート法などを用いて、上記ビヒクルがたとえばPETフィルム製の転写支持体12の一面に所定厚みの層状に塗布されるとともに乾燥により固着されすなわち塗着され、ビヒクル層10を備えた第1基材シート16が得られる。図2はこの状態を示している。
【0032】
感光性導体ペースト調整工程P3では、金属粉末、無機材料粉末、感光性樹脂、重合開始剤等、および、必要に応じて加えられるアクリル樹脂、アミン系樹脂、或いはフッソ系分散剤が、所定の割合となるように秤量された後、適量の溶剤と共にたとえば3本ローラを用いて混練されることにより、所定粘度の感光性導体ペースト18が調整される。次いで、感光性導体ペースト塗工工程P4では、ドクターブレードを用いたブレードコート法、塗工ローラを用いたロールコート法などを用いて、上記感光性導体ペースト18が上記第1基材シート16のビヒクル層10の上面に所定厚みの層状に塗布されるとともに乾燥されることにより、そのビヒクル層10の上に層状に固着され、導体層として感光性導体ペースト層18がビヒクル層10の上に固着された第2基材シート20が得られる。図3はこの状態を示している。
【0033】
続く露光・現像工程P5では、上記第2基材シート20の転写支持体12上に層状に固着されたビヒクル層10および感光性導体ペースト層18に対して、所定の露光パターンを有するマスクを通して、キセノンランプ等から300〜1200mjの紫外線強度で照射される片面露光或いは600〜2400mjの紫外線強度で照射される両面露光が行われるとともに、その露光後には、感光性誘電体ペースト10のうちの未露光部分がたとえば炭酸ソーダNa2 C03 水溶液に代表されるアルカリ液を用いて洗い流されて現像が行われる。これにより、層状に固着したビヒクル層10および感光性誘電体ペースト18は感光により重合硬化させられ、その露光パターンに対応した形状に形成され、導体層転写シート22が得られる。その露光パターンは積層すべき導体層のパターンと同じである。図4はこの状態を示す断面図である。
【0034】
ここで、上記露光・現像工程P5においては、感光性導体ペースト層18は感光性のビヒクル層10の上に固着されており、それらが同時に露光および現像されるので、感光性導体ペースト層18が感光性樹脂および重合開始剤の含有量が10%以下と比較的少ないために露光現像性が比較的不十分であっても、感光性のビヒクル層10の存在によって全体としての露光現像性が確保され、残査の発生が大幅に抑制されているので、上記感光性誘電体ペースト18は比較的精度の高いパターンに形成されるとともに、乾燥後或いは焼成後において高い密度が得られる。なお、本実施例では、上記の工程P1乃至P5が、導体層転写シートを用意する工程に対応している。
【0035】
誘電体ペースト調整工程P6では、チタン酸バリウム等の高誘電率を備えた無機材料粉末、樹脂等が所定の割合となるように秤量された後、適量の溶剤と共にたとえば3本ローラを用いて混練されることにより、所定粘度の感光性誘電体ペースト24が調整される。次いで、誘電体ペースト塗工工程P7では、ドクターブレードを用いたブレードコート法、塗工ローラを用いたロールコート法などを用いて、上記感光性誘電体ペースト24がたとえばPETフィルム製の転写支持体12の一面に所定厚みの層状に塗布されるとともに乾燥されることにより、誘電体層24が転写支持体12上に塗布された誘電体転写シート26が製造されて用意される。なお、本実施例では、上記工程P6およびP7が、誘電体層24が転写支持体12の一面に塗布された誘電体転写シート26を用意する固定に対応している。
【0036】
続いて、第1転写工程に対応するラミネート工程P8では、導体層転写シート22が所定の誘電体層たとえば誘電体転写シート26の誘電体層24の上に重ねられて転写され、一対の導体層転写シート22および誘電体転写シート26から成る1単位の積層シート28が用意される。図5はこの状態を示している。次いで、第2転写工程に対応する転写・積層工程P9では、積層シート28が重ねられるとともに導体層転写シート22の転写支持体12が剥がされることにより、一対の感光性導体ペースト層18および誘電体層24が一対の感光性導体ペースト層18および誘電体層24の上に転写される。図6はこの状態を示す。次いで、この転写が繰り返されることにより、たとえば図7に示す所望の層数の積層体30が得られる。そして、焼成工程P11では、所定の焼成炉内において上記積層体30が焼成されて上記複数層の感光性導体ペースト層18および誘電体層24が相互に焼結され、この焼成工程P11による焼成後では、上記積層体30の両端部に外部電極34が焼き付けられ、必要に応じて分割されることにより、図8の積層型チップコンデンサ32が得られる。
【0037】
本発明者等が作成したデータによれば、図9に示すように、一般に、導体ペーストでは、金属粉末たとえばニッケル粉末に対する樹脂量たとえば感光性樹脂および重合開始剤の割合( wt%)は、少なくなるほど乾燥密度ρD (g/cm3 )が増加する性質がある。露光・現像を必要としない印刷用導体ペーストであれば金属粉末に対して3wt%程度とされ得ることから、5g/cm3 以上の乾燥密度ρD が得られるため、たとえば薄く塗布したとしても、焼成後において十分な緻密な導体が得られる。しかしながら、露光・現像を可能とするために感光性樹脂および重合開始剤を含有させる感光性導体ペーストでは、その露光・現像性能を維持するために、金属粉末に対する割合を20wt%以下とすることができなかったので、塗布厚みを薄くすると乾燥後或いは焼成後の導体層の密度が不十分となり、たとえば積層型チップコンデンサの容量が得られ難かった。感光性導体ペーストの塗布厚みを小さくすることが要請される理由は、焼成後の導体層の厚みを小さくすることだけでなく、乾燥後の誘電体層の厚みがたとえば1μm程度に小さくされていることから、金属粉末に対する樹脂量が多いと、積層以後においてしみ込みにより導体層間の絶縁が劣化することもあるからである。しかし、本実施例では、前述のように、露光・現像工程P5において、上記感光性導体ペースト18のうちの未露光部分を洗い流す現像処理に際して、感光性導体ペースト18の下層が、感光性樹脂および重合開始剤から成る樹脂成分から構成されたビヒクル層10であるため、残査の発生が大幅に抑制されているので、感光性導体ペースト10の樹脂成分を10wt%以下に少なくしても、露光・現像に影響がなく、乾燥密度ρD が従来の導体ペーストと同様に5g/cm3 以上となり、十分な高密度が得られる。
【0038】
本発明者等は、金属粉末に対する樹脂量( 感光性樹脂、重合開始剤、有機酸等) を従来の印刷用導体ペーストと同等とすることを前提として、感光性導体ペーストとして露光・現像性能の支障が生じない製造方法について種々研究を重ねた結果、ビヒクル層10上で感光性導体ペースト24の露光・現像を行うと、感光性導体ペースト24の樹脂量を少なくしても露光・現像性能の支障が生じないことを見いだした。以下、本発明者等が行った実験例を、図10、図11を用いてそれぞれ説明する。
【0039】
図10の表1は、ビヒクル層10の主成分である感光性樹脂および重合開始剤の割合を異なるものとしたときの転写支持体12に対する塗工性の評価結果を示している。また、図11の表2は、主として、感光性導体ペースト18の主成分を平均粒径が異なるニッケル粉末と組成比の異なる樹脂とから構成したときの塗工性、露光性、現像性の評価を示している。
【0040】
第1の実験例では、ビヒクルの試料V1およびV2が図10の表1に示す組成により前記感光性ビヒクル調整工程P1と同様にそれぞれ作成された。試料V1は27重量%の樹脂成分を含み、試料V2は40重量%の樹脂成分を含む。次いで前記ビヒクル塗工工程P2と同様にPET( ポリエチレンテレフタレート樹脂)フィルムから成る転写支持体12上に上記ビヒクルの試料V1およびV2が塗工され、その塗工時における塗工性が評価された。
【0041】
上記ビヒクルの試料V1およびV2は、その主成分である樹脂成分が27重量%と40重量%である点、および溶剤が72重量%と59重量%である点で相違する他は、同様の組成である。図10の表1に示されるように、PETフィルムから成る転写支持体12上に対する塗工性については、上記ビヒクル層10の試料V1およびV2はいずれも均一な厚みで全面に塗布されることができ、乾燥後にも剥離が発生しないので、十分な塗工性が得られた。
【0042】
第2の実験例では、感光性導体ペーストの試料C1乃至C5が図11の表2に示す組成により前記感光性導体ペースト調整工程P3と同様にそれぞれ作成された。次いで前記感光性導体ペースト塗工工程P4と同様に、試料C1乃至C4は上記試料V1およびV2から成るビヒクル層10が塗布された転写支持体12上にそれぞれ塗工され、試料C5はビヒクル層10が塗布されていないPETフィルムから成る転写支持体12上に直接塗工され、その塗工時における試料C1乃至C5の塗工性がそれぞれ評価された。次に、前記露光・乾燥工程P5と同様に、所定の導体パターンを形成するための露光および現像が行われ、そのときの試料C1乃至C5の露光性および現像性がそれぞれ評価された。
【0043】
上記図11の表2の組成に示すように、試料C1と試料C5とは塗布対象が相違するだけで相互に同一組成である。試料C1と試料C3とは、感光性導体ペーストの主成分であるNi粉末の平均粒径が0.2μmと0.3μmである点、およびBaTiO3 粉末の平均粒径が0.05μmと0.1μmである点で相違する他は、同様の組成である。試料C2および試料C4は、試料C1と試料C3に対して、感光性樹脂、重合開始剤、有機酸が倍の割合となると同時に溶剤が減少させられている点で相違する他は、同様の構成である。
【0044】
上記図11の表2の評価結果に示すように、塗工性については試料C1乃至試料C5のいずれもが均一な厚みで全面に塗布されることができ、乾燥後にも剥離が発生しないので、十分な塗工性が得られた。しかし、露光性および現像性については、試料C5のみが不十分であるという評価であったが、試料C1乃至試料C4については、パターンの形成についてシャープであると共に残査の発生がなく、いずれも十分な露光・現像性能が得られた。
【0045】
上述のように、本実施例の導体層転写シート22によれば、感光性導体ペースト18は転写支持体12の一面にビヒクル層10を介して塗着されていることから、所定のパターンの感光性導体ペースト層( 導体層)18を形成するための露光および現像時において、必ずしも十分な露光・現像性能を必要とせず、感光性樹脂、重合開始剤等の樹脂成分である樹脂量の少ない導体ペーストを用いることができる。したがって、感光性導体ペースト18中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題が生じない。
【0046】
また、本実施例の導体層転写シート22によれば、ビヒクル層10は、感光性樹脂および重合開始剤を含む消失可能な物質から成るものであることから、感光性樹脂成分の含有量の少ない感光性導体ペースト18を用いても、露光および現像工程におけるパターン形成の分解能の低下や、残査の発生の問題が低減される。
【0047】
また、本実施例の導体層転写シート22によれば、転写支持体12の一面にビヒクル層10を介して塗着されている感光性導体ペースト層18は、露光および現像によって所定のパターンに形成されていることから、精度の高いパターンを有する導体層転写シート22が得られる。
【0048】
また、本実施例の導体層転写シート2によれば、感光性導体ペースト18は、10重量%以下の樹脂成分を含有していることから、乾燥後或いは焼成後において密度の高い導体層18が得られる。
【0049】
また、本実施例の積層型チップ素子の製造方法によれば、(a) 導体層転写シート22を用意する工程P1乃至P5と、(b) 誘電体層24が転写支持体の一面に塗着された誘電体層転写シート26を用意する工程P6乃至P7と、(c) 導体層転写シート22を用いて、所定の誘電体層上に導体層18を転写するラミネート工程( 第1転写工程) P8と、(d) 誘電体層転写シート26を用いて、そのラミネート工程( 第1転写工程) P8で転写された導体層18の上に誘電体層24を転写し、それを繰り返し実行することにより交互に積層された、導体層18および誘電体層24の積層体30を形成する転写・積層工程( 第2転写工程) P9と、(e) その転写および積層を繰り返し実行することにより交互に積層された、導体層18および誘電体層24の積層体30を焼成処理することにより焼結させる焼成工程P10とを、含むことから、密度の高い導体層18を有する積層型チップコンデンサ( 積層型チップ素子) 32が得られる。
【0050】
また、本実施例の積層型チップ素子の製造方法によれば、(a) 導体層転写シート22を用意する工程P1乃至P5は、(a1)転写支持体12の一面にビヒクル10を層状に塗着するビヒクル塗工工程P2と、(a2)その層状に塗着されたビヒクル10の上に、金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペースト18を層状に塗着する感光性導体ペースト塗工工程P4と、(a3)その感光性導体ペースト塗工工程P4により層状に塗着された感光性導体ペースト18を露光・現像することにより所定パターンの導体層18を転写支持体12の一面上に形成する露光・現像工程P5とを、含むことから、感光性導体ペースト18中の感光性樹脂成分の含有量を少なくしても露光・現像に際して残査の問題が生じない導体層転写シート22が得られる。
【0051】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例の積層型チップコンデンサの製造工程の要部を説明する工程図である。
【図2】図1のビヒクル塗工工程により、ビヒクル電体ペーストが転写支持体上に塗布され且つ固着された第1基材シートを模式的に示す図である。
【図3】図1の感光性導体ペースト塗工工程により感光性導体ペーストがビヒクル層を介して転写支持体上に固着された第2基材シートを模式的に示す図である。
【図4】図1の露光・現像工程により転写支持体上にビヒクル層を介して固着された感光性誘電体ペーストが所定のパターンに形成された基材シートを模式的に示す図である。
【図5】図1のラミネート工程により、導体層転写シートを用いて、所定の誘電体層上に導体層が転写された1単位の積層シートを模式的に示す図である。
【図6】図1の転写・積層工程により、上記積層シートが重ねられた状態を模式的に示す図である。
【図7】図1の転写・積層工程により、上記積層シートが所望の数だけ積層された積層体を模式的に示す図である。
【図8】図1の工程により製造される積層型チップコンデンサの一例を示す斜視図である。
【図9】導体ペーストにおいて、金属粉末に対する樹脂量の割合( wt%) と乾燥密度ρD との関係を示す図である。
【図10】ビヒクルの主成分である感光性樹脂および重合開始剤の割合が異なる試料V1、V2とそれらの塗工性の評価結果を説明する表1を示す図である。
【図11】感光性導体ペーストの主成分を平均粒径が異なるニッケル粉末と組成比の異なる樹脂とから構成したときの塗工性、露光性、現像性の評価結果を説明する表2を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10:ビヒクル層
12:転写支持体
16:第1基材シート
18:感光性導体ペースト層( 導体層)
20:第2基材シート
22:導体層転写シート
26:誘電体層転写シート
30:積層体
32:積層型チップコンデンサ( 積層型チップ素子)
P1〜P5:導体層転写シートを用意する工程
P2:ビヒクル塗工工程
P4:感光性導体ペースト塗工工程
P5:露光・現像工程
P6〜P7:誘電体層転写シートを用意する工程
P8:ラミネート工程( 第1転写工程)
P9:転写・積層工程( 第2転写工程)
P10:焼成工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペーストから成る導体層が転写支持体の一面に塗着された導体層転写シートであって、
前記感光性導体ペーストは前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されていることを特徴とする導体層転写シート。
【請求項2】
前記ビヒクル層は、感光性樹脂および重合開始剤を含む消失可能な物質から成るものである請求項1の導体層転写シート。
【請求項3】
前記転写支持体の一面にビヒクル層を介して塗着されている前記導体層は、露光・現像によって所定のパターンに形成されているものである請求項1または2の導体層転写シート。
【請求項4】
前記感光性導体ペーストは、10重量%以下の樹脂成分を含有しているものである請求項1乃至3のいずれか1の導体層転写シート。
【請求項5】
複数の誘電体層と該誘電体層の間に介在する導体層とが焼結されることにより構成された積層型チップ素子の製造方法であって、
請求項4の導体層転写シートを用意する工程と、
誘電体層が転写支持体の一面に塗着された誘電体層転写シートを用意する工程と、
前記導体層転写シートを用いて、所定の誘電体層上に導体層を転写する第1転写工程と、
前記誘電体層転写シートを用いて、該第1転写工程で転写された導体層の上に、前記誘電体層を転写する第2転写工程と、
前記第1転写工程および第2転写工程を繰り返し実行することにより交互に積層された、前記第1誘電体層と第2誘電体層との積層体を焼成処理することにより焼結させる焼成工程と
を、含むことを特徴とする積層型チップ素子の製造方法。
【請求項6】
前記導体層転写シートを用意する工程は、
前記転写支持体の一面にビヒクルを層状に塗着するビヒクル塗工工程と、
該層状に塗着されたビヒクルの上に、金属粉末、感光性樹脂、重合開始剤を含む感光性導体ペーストを層状に塗着する感光性導体ペースト塗工工程と、
該感光性導体ペースト塗工工程により層状に塗着された感光性導体ペーストを露光・現像することにより所定パターンの導体層を前記転写支持体の一面上に形成する露光・現像工程と
を、含むことを特徴とする請求項5に記載の積層型チップ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−98461(P2009−98461A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270691(P2007−270691)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】