説明

干渉計測装置、露光装置およびデバイス製造方法

【課題】
被検光学系の波面を高精度に計測することができる干渉計測装置を提供する。
【解決手段】
被検光学系の波面を計測する干渉計測装置において、前記被検光学系の焦点位置に曲率中心が一致するように配置された前記第1の凹球面ミラーを、光軸に関して0°及び180°回転した位置で前記被検光学系の第1の波面および第2の波面を計測し、前記被検光学系の焦点位置に配置された第1の反射基板により前記被検光学系の第3の波面を計測し、前記第3の波面の計測値に対して、前記第1の反射基板の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、前記第1の凹球面ミラーの固有の誤差を補正する制御手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は干渉計測装置、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィー技術を用いてデバイスを製造する際に、マスクに描画された回路パターンを投影光学系によってウエハに投影して回路パターンを転写する投影光学装置が従来から使用されている。近年回路パターンの高解像度化がますます要求されている。高解像力を得るためには、光源の波長を短くすることと、又は、投影光学系の開口数(NA)を上げることが有効であるが、投影光学系の収差を極めて小さく抑える必要もある。
【0003】
投影光学系の透過波面などを高精度に計測する装置として従来からフィゾー干渉計が用いられている。フィゾー干渉計により波面の計測を行う場合、参照面を基準として被検波面の位相を算出するため、フィゾー干渉計の計測精度は参照面の面精度を超えることはできない。市販されている高精度とされるフィゾー干渉計でも参照面の面精度は、λ/10〜λ/20(λ=632.8nm)程度であり、これ以上の計測精度は、一度の波面の計測では達成できない。このため、参照面の面誤差など干渉計光学系の固有の誤差であるシステムエラーを別手段により計測して、計測された波面のデータから減算して、計測された波面の成分のみを抽出する方法が従来から採用されている。
【0004】
この従来のシステムエラーの計測方法は、図9(a)、(b)、(c)に示される「0−180−CE法」(キャッツアイ計測)として、非特許文献1により知られている。図9(a)は、被検物である被検光学系1に対して球面ミラーであるRSミラー2による0°計測、図9(b)は、被検光学系1に対してRSミラー2による180°計測を示す。図9(c)は、被検光学系1に対して焦点反射基板5によるキャッツアイ計測を示し、0°、180°、キャッツアイの三種類の計測からシステムエラー成分を分離演算して算出する。
【0005】
【数1】

【0006】
【数2】

【0007】
【数3】

【0008】
【数4】

【0009】
【数5】

ここで、Wsは、球面ミラーであるRSミラー2の面誤差による波面収差成分、WIは参照面を含む干渉計測装置の波面収差成分である。このように従来の「0−180−CE法」においては、0°、180°、キャッツアイの三種類の計測を分離演算することにより、RSミラー2の面誤差や参照面の面誤差を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−271305号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】オプティカル・ショップ・テスティング、第2版、ワイレー、PP.577−580、ダニエル・マラカラ、米国、1922年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
投影光学系のレンズなどの高NAのレンズの透過波面の計測に使用する光源は直線偏光であることが多い。高NAのレンズのキャッツアイ計測をする場合、光源の偏光方向と反射面が同一となるP偏光では、頂点反射する基板への入射角θ、即ちNA(sinθ)が大きくなるに従って反射率が低下する。反射角がブリュースター角(tan−1(n2/n1))、但しn2は基板の屈折率、n1は入射側の屈折率)と一致する角度で反射率が0となる。この結果、頂点反射計測では、この領域の基板面反射光が干渉計へ戻らないため干渉縞のコントラストが低下、もしくは干渉縞自体が消滅して、高NAなフィゾー干渉計のシステムエラーを高精度に計測することが困難になる。
【0013】
また、特許文献1では、高NAのレンズの透過波面を計測するための方法として、高屈折率の反射基板を用いることが開示されている。しかし、この特許文献1の実施例で開示されているように吸収のない高屈折率ガラスの一つであるサファイアガラス(屈折率:1.847)を用いた場合でも計測できるのは、NA=0.88までである。
一方、あらゆる入射角度に対して反射率を確保するために吸収基板(例えば、シリコン)を用いた場合には、反射面での位相変化が発生し正確に計測することができない。
以上説明したように、特許文献1および非特許文献1の従来例ではキャッツアイ計測によりNAが0.90以上の高NAレンズを計測するフィゾー干渉計のシステムエラーを高精度に計測することは困難である。このため、被検光学系としての投影光学系の波面を高精度に計測することはできなかった。
そこで、本発明は、被検光学系の波面を高精度に計測することができる干渉計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明の干渉計測装置は、光源からの光を被検光と参照光とに分離し、集光レンズを被検光学系の上流に有し、前記被検光学系に前記被検光を入射させる入射光学系と、前記被検光学系から出射される前記被検光を、再び、同一光路で前記被検光学系に向けて反射する第1の凹球面ミラーと、前記第1の凹球面ミラーにより反射され前記被検光学系から出射される前記被検光と前記被検光学系を通過しない前記参照光との干渉により生成された干渉縞を検出する検出器と、を有し、前記被検光学系の波面を計測する干渉計測装置において、前記被検光学系の焦点位置に曲率中心が一致するように配置された前記第1の凹球面ミラーを、光軸に関して0°及び180°回転した位置で前記被検光学系の第1の波面および第2の波面を計測し、前記被検光学系の焦点位置に配置された第1の反射基板により前記被検光学系の第3の波面を計測し、 前記第3の波面の計測値に対して、前記第1の反射基板の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、前記第1の凹球面ミラーの固有の誤差を補正する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被検光学系の波面を高精度に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】干渉計測装置の構成図である。
【図2】干渉計測装置の構成図である。
【図3】干渉計測装置の構成図である。
【図4】干渉計測装置の工程説明図である。
【図5】反射基板への入射光と反射光及び透過光との関係を示す図である。
【図6】NAに対する反射率及び位相変化量の関係を示す図である。
【図7】位相変化マップを表す図である。
【図8】露光装置の構成図である。
【図9】従来例の干渉計測装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1の構成図を参照して、本発明の実施形態の干渉計測装置を説明する。
実施形態の干渉計測装置は、被検光学系1の波面を計測する装置である。入射光学系40は、光源8からの光8aをハーフミラー9により被検光8bと参照光8cとに分離し、TSレンズ3(集光レンズ)を被検光学系1の上流に有し、被検光学系1に被検光8bを入射させる光学系である。XYZステージ上(基板ステージ上)に設けられるRSミラー2(第1の凹球面ミラー)は、被検光学系1から出射される被検光8bを、再び、同一光路で被検光学系1に向けて反射する。CCDカメラ15(検出器)は、RSミラー2より反射され被検光学系1から出射される被検光8bと被検光学系1を通過しない参照光8cとの干渉により生成された干渉縞を検出する。
【0018】
被検光学系1の焦点位置に曲率中心が一致するように配置されたRSミラー2を、光軸に関して0°及び180°回転した位置で被検光学系1の第1の波面および第2の波面を計測する。次に、被検光学系1の焦点位置に配置された第1の反射基板5により被検光学系1の第3の波面を計測する。コンピュータ16(制御手段)は、第3の波面の計測値に対して、第1の反射基板5の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、RSミラー2の固有の誤差を補正する。
【0019】
光源8を射出した光8aはハーフミラー9を透過し、ミラー10を経て、XYZステージ11に保持されたTSレンズ3に至る。XYZステージ11は、コンピュータ16からの指令により高精度にXYZ方向の3軸において独立な駆動が可能である。XYZステージ11上には圧電素子(光路長差変化素子)12を介し、所定のNAの光を発生するTSレンズ3が設置されている。圧電素子12にはコンピュータ16から電圧の印加が可能となっており、被検光学系1の波面の計測時にはCCDカメラ15に同期した縞走査が可能となっている。ここで、TSレンズ3の最終面の曲率半径と、最終面および焦点13間との距離が等しく、TSレンズ3の最終面以外に光源8から放射される光8aの波長に対する反射防止膜を施し、最終面からのみ5%程度の反射を発生する。
【0020】
以下、TSレンズ3の最終面で反射される光を参照光8cと称する。TSレンズ3の焦点13が被検光学系1の物体面と一致するようにXYZステージ11により光軸方向の調整がなされており、被検光学系1を透過した光は、被検光学系1の像面上で集光した後、球面のRSミラー2により反射される。
以下、RSミラー2により反射される光を被検光8bと称する。ここで、RSミラー2はTSレンズ3と同様、コンピュータ16により制御可能なXYZステージ18上に設けられ、透過する波面の収差の計測時にはRSミラー2の曲率中心と像側焦点19が一致するようにXYZ方向の調整がなされている。
【0021】
参照光8cと、被検光8bは、TSレンズ3で合波され同一光路となり、ミラー10を経て、ハーフミラー9で反射され、瞳結像レンズ14と空間フィルター17を介して、CCDカメラ12上に参照光と被検光の光路長差に応じた干渉縞を形成する。空間フィルター17は、瞳結像レンズ14中のTSレンズ3の焦点13との共役面上に設置している。この空間フィルター17はCCDカメラ15の画素ピッチに起因するナイキスト周波数以上の空間周波数成分を遮光し、所謂エリアシングを防ぐために用いている。CCDカメラ15で撮像された干渉縞画像データは処理系としてのコンピュータ16に転送される。
【0022】
コンピュータ15では、圧電素子12を駆動し、干渉縞を走査した際の複数毎の干渉縞画像データを取り込み、干渉縞の位相(位相差分布)を算出する。干渉縞から位相の算出には、ステージ振動特性等の誤差伝達を低減するための位相回復アルゴリズムが用いられる。得られる干渉縞位相分布(計測値)は、RSミラー2とTSレンズ3の固有の誤差である形状誤差(システムエラー)を含むので、RSミラー2とTSレンズ3のシステムエラーを、それぞれ高精度に計測し、計測データの補正を行う必要がある。
【0023】
RSミラー2の固有の誤差であるシステムエラーの計測は、XYZステージ18上に配置された光軸回りにRSミラー2を回転することが可能な回転駆動機構4と、焦点反射基板5を用いて行う。このシステムエラーの計測は、図4に示されるように前述の0−180−CE法(キャッツアイ計測)を実施する。
【0024】
一方、TSレンズ3の固有の誤差であるシステムエラーの計測は、図2に示されるように光軸回りに回転可能な回転駆動機構6の上に配置された凹球面ミラー7と、図3に示されるように反射基板21を、被検光学系1の代りに配置することにより行う。このシステムエラーの計測は、図4に示されるように0−180−CE法を実施する。すなわち、TSレンズ3(集光レンズ)の焦点位置に曲率中心が一致するように配置された凹球面ミラー7(第2の凹球面ミラー)を、光軸に関して0°及び180°回転した位置でTSレンズ3の第1の波面および第2の波面を計測する。次に、TSレンズ3の焦点位置に配置された反射基板21(第2の反射基板)によりTSレンズ3の第3の波面を計測する。さらに、コンピュータ16(制御手段)は、第3の波面の計測値に対して、反射基板21の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、TSレンズ3の固有の誤差を補正する。
【0025】
本実施形態においては、キャッツアイ計測を実施するために、XYZステージ18上に反射基板5を設けている。しかし、XYZステージ18上に反射基板5を設けず、RSミラー2の端面部(平面部)でキャッツアイ計測を行ってもよい。
以上により、実施形態の干渉計測装置による被検光学系1の干渉縞位相分布である波面の収差の計測の手続きを完了する。
【0026】
反射基板5として、吸収性の無い高屈折率ガラスの一つであるサファイアガラス(屈折率:1.847)を用いた場合、計測できるのはNA=0.88までである。
一方、あらゆる入射角度(NA)に対して反射率を確保するために反射基板5として、シリコンなどの吸収基板を用いた場合には、反射面において位相の変化が起こるため正確に計測することができない。そこで、あらゆるNAに対して高精度にキャッツアイ計測による計測値を得るために、反射基板5にシリコン等の吸収基板を用いる。面精度の観点から、反射基板5として、コーティング無しで高反射率を得ることが可能なシリコンを用いることが好適である。
【0027】
反射基板5は、消光係数が1以上であることが好適である。ここで、消光係数は、材質の内部吸収の指標であり、tを材質の単位透過率とすると、消光係数aは、a=−logtで表される。反射基板5にシリコン等の吸収基板を用いることにより、あらゆるNAに対して反射率を確保する。さらに、吸収基板である反射基板5の影響で発生する位相変化誤差を反射基板5の複素屈折率から算出し、得られたキャッツアイ計測による計測値を補正する。
【0028】
次に、キャッツアイ計測による計測値を補正する計算過程について説明する。
図5は、吸収基板である反射基板5への入射光とその反射光及び透過光の関係を示したものである。入射角(反射角)をθ、屈折角をθ、二つの複素屈折率N、Nとすると、p偏光及びs編光に対する反射係数rp、rsは、フレネルの式より、それぞれ以下のように表す。
【0029】
【数6】

また、スネルの法則により、以下の式が成立する。
【0030】
【数7】

平面基板で反射した全反射した光の位相変化Δφは、フレネル反射係数rの偏角arg(r)に相当するので、前述の数式6と数式7を用いて以下のように表すことができる。p偏光に対する位相変化量をφp、s偏光に対する位相変化量をΔφsとする。
【0031】
【数8】

【0032】
図6は、複素屈折率N=n+iκにそれぞれ空気n=1.0,κ=0、シリコンn=0.89,κ=2.67を入力して、数式8により、NA(入射角)に対する反射率及び位相変化量の関係を計算した例を示す。図6に示されるようにNAが大きくなるにしたがって、吸収基板である反射基板5の面での反射による位相変化量は大きくなる。
キャッツアイ計測の計測値の補正を行う場合には、瞳面上の各点の位相変化量ΔφERRを数式8に従って算出する(図4のステップ4)。
次に、図4のステップ3で得たキャッツアイ計測による計測値φCE_MEASに、Δを補正し、正確なキャッツアイ計測による計測値Δφを得る(図4のステップ5)。
図7は、NA=0.93における直線偏光を吸収基板である反射基板5の面で反射した場合の位相変化マップ(ΔφERR)を計算した例を示す。
【0033】
【数9】

最後に、図4のステップ5で得られたキャッツアイ計測による計測値と、図4のステップ1、ステップ2で得られたRSミラー0°、180°の計測値を用いて、前述の0−180−CE法(キャッツアイ計測)の計算を行う。これにより、RSミラー及びTSレンズの固有の誤差であるシステムエラーを算出する(図4のステップ6)。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、0−180−CE法であらゆるNA(0<NA<1)のレンズに対して高精度に固有の誤差であるシステムエラーの計測を行うことができる。
尚、本実施形態では、被検光学系1を透過する波面の計測する場合を説明したが、被検光学系1の面形状の計測においても同様に適用可能である。
【0035】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の干渉計測装置を搭載した実施形態の露光装置を説明する。
図8に示される投影光学系23が、図1に示される被検光学系1に相当する。本実施形態の露光装置では、レチクルのパターンをウエハに露光するための露光光源を使用して波面の計測を行うことが可能である。ウエハの露光時には、切り替えミラー30、ミラー31、TSレンズ3を退避することで光源8からの光を照明光学系29に導光し、照明光学系29からの光を遮る事はなくウエハ露光を行うことができる。
【0036】
以下、波面計測方法について説明する。露光光源は、通常インコヒーレント光であるため、本実施形態の露光装置における干渉計測装置は、トワイマングリーン型の例で示している。光源8から出射した光は切り替えミラー30、ミラー31によって反射され、ビームエキスパンダー27に入射する。その後光はハーフミラー32を透過する。
【0037】
その後、ハーフミラー33で参照光8bと被検光8cに分割される。参照光8bは、参照ミラー28で反射され、同一光路で再びハーフミラー33を透過し、ハーフミラー32で反射された後に干渉縞形成部24に垂直導光される。一方、被検光8cは、TSレンズ3を透過し、投影光学系23に導光される。投影光学系23を透過した被検光8cは、ウエハステージ25上に置かれたRSミラー2によって反射され、ふたたび投影光学系23を透過した後にTSレンズ3を出射する。TSレンズ3を出射した被検光8cはハーフミラー32、ハーフミラー33で反射され、干渉縞形成部24に導光され、干渉縞を取得することができる。干渉縞から位相の算出には、位相回復アルゴリズムが用いられる。
以上により、投影光学系23の干渉縞位相分布(波面収差)の計測の手続きを完了する。
【0038】
しかし、得られる干渉縞位相分布(計測値)は、RSミラー2とTSレンズ3(参照ミラー28も含む)の固有の誤差である形状誤差(システムエラー)を含む。このため、RSミラー2とTSレンズ3のシステムエラーをそれぞれ高精度に計測し、計測データの補正を行う必要がある。
本実施形態の露光装置では、RSミラー2の固有の誤差であるシステムエラーを計測するために、ウエハステージ25上にRSミラー2を光軸回りに回転可能な回転駆動機構4と反射基板5を有する。
【0039】
また、一方、TSレンズ3の固有の誤差であるシステムエラーを計測するために、TSレンズ3と投影光学系23の間に光軸回りに回転可能な回転駆動機構6の上に配置されたRSミラー7と反射基板21を出し入れ可能な形態で有する。
これらの機構及び光学系を用いて、実施形態の干渉計測装置の計測方法によれば、露光装置に搭載された投影光学系23のNAに依らず、例えば、投影光学系のレンズのNAが、0.9以上である場合にも、システムエラーの計測を高精度に行うことが出来る。
以上、本実施形態の露光装置によれば、搭載された投影光学系23のNAに依らず、高精度にシスエテムエラーを補正することができる。
【0040】
[デバイス製造方法の実施形態]
次に、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。当該方法において、本発明を適用した露光装置を使用し得る。
半導体デバイスは、ウエハ(半導体基板)に集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、その工程で露光されたウエハを現像する工程とを含み得る。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含み得る。
本実施形態のデバイス製造方法は、デバイスの生産性、品質および生産コスト、ならびに安全性の少なくとも一つにおいて従来よりも有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 被検光学系
2 RSミラー
3 TSレンズ
5 反射基板
7 RSミラー
8 光源
15 CCDカメラ
16 コンピュータ
40 入射光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を被検光と参照光とに分離し、集光レンズを被検光学系の上流に有し、前記被検光学系に前記被検光を入射させる入射光学系と、
前記被検光学系から出射される前記被検光を、再び、同一光路で前記被検光学系に向けて反射する第1の凹球面ミラーと、
前記第1の凹球面ミラーにより反射され前記被検光学系から出射される前記被検光と前記被検光学系を通過しない前記参照光との干渉により生成された干渉縞を検出する検出器と、を有し、前記被検光学系の波面を計測する干渉計測装置において、
前記被検光学系の焦点位置に曲率中心が一致するように配置された前記第1の凹球面ミラーを、光軸に関して0°及び180°回転した位置で前記被検光学系の第1の波面および第2の波面を計測し、
前記被検光学系の焦点位置に配置された第1の反射基板により前記被検光学系の第3の波面を計測し、
前記第3の波面の計測値に対して、前記第1の反射基板の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、前記第1の凹球面ミラーの固有の誤差を補正する制御手段を有することを特徴とする干渉計測装置。
【請求項2】
前記集光レンズの焦点位置に曲率中心が一致するように配置された第2の凹球面ミラーを、光軸に関して0°及び180°回転した位置で前記集光レンズの第1の波面および第2の波面を計測し、
前記集光レンズの焦点位置に配置された第2の反射基板により前記集光レンズの第3の波面を計測し、
前記第3の波面の計測値に対して、前記第2の反射基板の複素屈折率から算出される位相変化誤差の補正を行い、前記集光レンズの固有の誤差を補正する前記制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の干渉計測装置。
【請求項3】
前記被検光学系の前記波面の代わりに前記被検光学系の面形状を計測する請求項1または2記載の干渉計測装置。
【請求項4】
前記反射基板は、吸収基板であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の干渉計測装置。
【請求項5】
前記吸収基板は、シリコンであることを特徴とする請求項4に記載の干渉計測装置。
【請求項6】
前記反射基板は、消光係数が1以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の干渉計測装置。

【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の干渉計測装置を搭載したことを特徴とする露光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−232559(P2010−232559A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80609(P2009−80609)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】