説明

建材用パネル及び家財道具

【課題】
快適な生活環境を実現することができる建材用パネル及び家財道具を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る建材用パネルは、建材に用いられるパネル1であって、紙製の天板11と当該天板11に対峙した紙製の底板12と、天板11と底板12との間に挟持され、紙製の複数のセル140が組み合わせられた構造を有する芯材14と、セル140に収納され、空気中の所定の分子を吸着する略粒状の粒状体15とを備えたものである。さらに、このパネル1は、底板12に形成され、当該パネル1の外部とセル140との間を通気する通気孔120と、天板11及び底板12が取付けられる枠材13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建材用パネル及び家財道具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、床材や壁材等に用いられる紙製の建材用パネルが開発されてきた。この建材用パネルの芯材には、建材用パネル自体の軽量化のために、ハニカム状のコアが用いられている。建材用パネルの構造として、コア両面が薄板状の表皮によって覆われたサンドイッチ構造が広く採用されている。このような建材用パネルの一例が、特許文献1に開示されている。この開示された建材用パネルでは、一対の対向する板紙の間に芯材が貼り合せられ、この芯材を挟み込んだ板紙表面に化粧板が貼着されている。
【0003】
近年、住宅やビル等の内装工事において、壁紙用の化粧板が貼付された建材用パネルが多く用いられている。この建材用パネルを製造する上で、その製造効率の向上のために、多くの化学物質が使用されている。さらに、建材用パネルの取付けに用いられる接着剤には、施工性を高めるための揮発性のある化学物質が多く含まれている。そのため、建材用パネルを用いた天井や壁等から、揮発性有機化棒物(VOC)やホルムアルデヒド等の有害な化学物質が空気中に発散される。近年において、これら有害な化学物質を主原因とした健康障害や病気が発生し、大きな問題となっている。
【0004】
このような有害物質による影響を低減するために、有害物質を吸着する機能を備えた建材用パネルが開発されている。この建材用パネルの一例が、特許文献2に開示されている。この開示された建材用パネルでは、化粧板に挟み込まれた芯材に貝殻を粉砕した生成物が付着されている。建材用パネルは、この芯材に付着した生成物によって、空気中の有害な化学物質を吸着する。
【0005】
このような建材用パネルは、それ自体が密閉され、この密閉された内部に有害物質を吸着する吸着材が封入されている場合が多い。そのため、建材用パネル内部に封入された吸着材の吸着性が低下した場合に、この吸着材を簡便に入替えることが困難であり、大掛かりに建材用パネル自体を取替える必要がある。特に、特許文献2に開示された建材用パネルでは、吸着材が芯材に付着されているため、吸着材を容易に入替えたり、その吸着性をチャックしたりすることができない。
【特許文献1】特開2000−257206号公報
【特許文献2】特開2002−144459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の建材用パネルでは、有害な化学物質が発散するため、快適な生活環境が害されるという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、快適な生活環境を実現することができる建材用パネル及び家財道具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる建材用パネルは、建材に用いられる建材用パネルであって、紙製の第1の基材と、当該第1の基材に対峙した紙製の第2の基材と、前記第1の基材と前記第2の基材との間に挟持され、複数のセルが組み合わせられた構造を有する紙製の芯材と、前記セルに収納され、空気中の所定の分子を吸着する略粒状の粒状体とを備えたものである。このような構成により、粒状体が空気中の所定の分子を吸着するので、空気を清浄化することができ、快適な生活環境を実現することができる。
【0008】
さらに、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、当該建材用パネル外部と前記セルとの間を通気する通気孔を有する。この通気孔から外気がセルに入り込むので、粒状体は確実に空気を清浄化することができる。
【0009】
またさらに、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、前記芯材に着脱可能に取付けられる。これによって、第1の基材若しくは第2の基材を開けて、セル内の粒状体を容易に入替えることができる。
【0010】
また、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材を、紙製のシートから構成することができる。この場合には、この紙製のシートに種々の絵柄や模様等を施すことができるので、化粧パネルを容易に形成することができる。
【0011】
またさらに、本発明に係る建材用パネルは、前記第1の基材と前記第2の基材とが取付けられる枠材を備えたものである。この場合、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材を、当該枠材にマジックテープ(登録商標)によって着脱可能に取付けることができる。
さらに、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材を、前記枠材にスライド式で着脱可能に取付けることもできる。好適には、前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、一部に開口部が設けられ、当該建材用パネルは、さらに前記開口部を覆い、着脱可能に取付けられた板状部材を備えたものである。
このように、何ら道具を使用することなく、第1の基材若しくは第2の基材を簡便に開閉することができる。
【0012】
好適には、前記粒状体は、その表面に、前記分子と接触するコーティング材が形成され、当該コーティング材は、前記分子を吸着する構成材料に応じた色を有する。これによって、用途・機能の異なる粒状体を容易に峻別することができる。
【0013】
本発明に係る家財道具は、上記のような建材用パネルを用いて形成されたものである。このような構成により、粒状体が空気中の所定の分子を吸着するので、空気を清浄化することができ、快適な生活環境を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、快適な生活環境を実現することができる建材用パネル及び家財道具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る建材用パネル(以下、パネルと略す)は、吸湿・消臭・殺菌等の各種機能を行う粒状体を内部に有するものである。好適には、本発明に係るパネルは、家具、床、襖、屏風等の比較的所定の位置に固定されやすい家財道具に用いられる。
以下、本発明に係るパネルについて図を参照して説明する。
【0016】
発明の実施の形態1.
まず、図1及び図2を用いて本発明に係るパネルの全体構成について説明する。図1の分解斜視図に、本発明に係るパネルの全体構成の一例が示されている。図1に示すように、パネル1は、天板11、底板12、枠材13、芯材14、粒状体15を備えている。
天板11、底板12は、略平板状の形状を有し、所定の厚みを有する紙製の基材である。図1においては、板板11,12の形状は平面視略矩形状の形状であるが、用途によって種々の形状とすることができる。底板12は、この底板12を貫通する複数の通気孔120を有し、この通気孔120は、所定の規則に従って配列してもよいし、ランダムに形成してもよい。
【0017】
枠材13は、天板11、底板12と同様に、厚みのある紙製のフレームである。この枠材13は、天板11、底板12の形状に応じた形状を有し、一例として、平面視略矩形状のフレームとすることができる。
芯材14は、一例として紙製のロールコアやハニカムコアであり、複数のセル140を組み合わせた構成を有する。この芯材14の具体的な構成については後述する。
粒状体15は、後述するように、吸湿、消臭、殺菌等の各種機能を有する部材である。この粒状体15の大きさは、底板12に形成された通気孔120の大きさよりも小さな大きさである。
【0018】
図2の斜視図に、本発明に係るパネル1の全体構成の一例が示されている。この図2には、図1の分解斜視図に示された各部材を組立てた構成が示されている。図2に示すように、枠材13は、底板12の外縁に沿って、底板12に貼着されている。これによって、断面略凹状の器が構成され、芯材14は、この枠材13内に収納され、底板12に貼着される。
天板11は、底板12に貼着された枠材13に貼着されている。これによって、芯材14は、天板11、底板12によって挟持されている。芯材14は、この挟持された状態で、天板11、底板12の間で直立し、その間の空間を複数のセル140によって区分けしている。粒状体15は、これら区分するセル140内に撒き散らされ、各セル140ごとに散乱している。
【0019】
芯材14は、天板11、底板12と接着剤等によって接着されている。図2には、底板12と芯材14との接着部分(略円形状に囲まれた部分)の拡大図が示されている。また、天板11と芯材14との接着状態は、これと同様であるから、ここでは省略する。
図2に示すように、底板12と芯材14との間には、接着剤16が介在し、この接着剤16によって底板12と芯材14とが接着されている。接着剤16は、この接着状態で、底板12と芯材14との接着面からはみ出している。詳細には、接着剤16は、芯材14下面とともに側面も接着し、芯材14の下面近傍の側面において略逆山型状に固まっている。
このように、接着剤16が芯材14の側面にはみ出した状態で底板12と芯材14とを接着するので、底板12に加えられた圧力を芯材14の側方に逃がすことができる。従って、この圧力全てが芯材14に直接伝わって鉛直下方に掛かるのを防ぐことができ、耐圧性が高く十分な強度を得ることができる。
【0020】
また、接着剤16は、芯材14下面の全体に亘って塗布して芯材14下面の全てを底板12に接着してもよいし、部分的に塗布して芯材14下面を底板12に部分的に接着してもよい。接着剤16を部分的に塗布する場合には、接着剤16が塗布されていない箇所には、芯材14下面と底板12底面との間に隙間が生じる。この隙間は、セル140とパネル1外部との間を繋ぐ通気孔120と同様の通気孔として機能することができる。
なお、本実施形態における通気孔120は、底板12に形成されているが、これに限らず、芯材14にも形成することができる。すなわち、底板12上に直立した芯材14の側面に形成し、各セル140とパネル1外部との間を通気してもよい。この場合には、パネル1の側方の通気を良くするために、パネル1の側方に枠材13を設けないようにすることができる。
【0021】
続いて、本発明に係るパネル1の芯材14について詳細に説明する。
図3の平面図に、上方から観察した芯材14の一構成例が示されている。ここで、図3においては、芯材14の構造を明確にするために、枠体13、芯材14のみが示されている。
図3に示すように、芯材14は、平面視略長方形状で略同一形状のセル140を多数組み合わせたハニカム構造を有する。これらセル140は、傾斜の異なる2種類のセル141,142から構成されている。具体的には、これらセル141,142はそれぞれ、横長の状態から略45度、略135度傾斜している。
【0022】
略45度傾斜したセル141の長側面143は、略135度傾斜したセル142の短側面144に貼付されている。一組のセル141,142は、この貼付状態で略V字状に配置されている。このような略V字状のセル141,142は、その上方、下方にも、これらと同様の略V字状に貼付されたセル141,142が連続して貼り付けられる。
具体的には、略45度傾斜したセル141の短側面145が、略135度傾斜した他のセル142の長側面146に貼り付けられている。それとともに、セル141,142の長側面143,146が、他のセル141,142の長側面143,146とそれぞれ部分的に貼り付けられている。
【0023】
上下に貼付された略V字状のセル141,142は、左右にも連続して配列されている。具体的には、略45度傾斜したセル141の短側面145に、略135度傾斜したセル142の長側面146が貼付されている。これら左右に貼付された二組の略V字状のセル141,142は、略W字状に配置されている。このように略W字状に貼付されたセル141,142は、他の略W字状に貼付されたセル141,142に連続して貼り付けられる。具体的には、略45度傾斜した他のセル141の短側面145が、略135度傾斜したセル142の長側面146に貼付されている。
【0024】
さらに続いて、本発明に係るパネル1の粒状体15について詳細に説明する。
図4の断面図に、本発明に係る粒状体15の一構成例が示されている。図4に示すように、粒状体15は、コア材151、コーティング材152を有する。
コア材151は、略球状の形状を有し、セラミックス・アルミナを用いて構成することができる。
コーティング材152は、コア材151の表面全体に覆着され、用途によって各種材料から構成されている。コーティング材152の構成材料として、木炭、竹炭、黒炭、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニン、黄土、ゼオライト、セピオライト、三二酸化鉄、ベンガラ、酸化チタン、酸化亜鉛、これらの内のいくつか若しくはすべてを混合した複合材料等とすることができる。
【0025】
例えば、木炭・竹炭・黒炭がコーディング材152に用いられた場合には、コーディング材152は、空気中の水分を吸着つまり吸湿する。また例えば、銅フタロシアニン・鉄フタロシアニンの場合には、コーディング材152は疎水性(親油性)VOCを吸着分解することができる。さらに例えば、コーディング材152は、黄土・ゼオライト・セピオライト・三二酸化鉄・ベンガラを用いて形成されている場合には、親水性VOCを吸着分解することができる。あるいは、酸化チタン・酸化亜鉛が用いられた場合にも、コーディング材152は親水性VOCを吸着分解することが可能である。
【0026】
このようなコーディング材152は、構成材料によって色が異なる。この色の違いによって、粒状体15の吸着機能を容易に峻別することができる。具体的には、黒色の粒状体15は、コーディング材152に木炭・竹炭・黒炭が用いられているので、吸湿機能を持つ。また、黄色の粒状体15は、黄土・ゼオライトが用いられたものであるから、疎水性(親油性)VOCの吸着するものである。
またさらに、青色、赤色の粒状体15はそれぞれ、銅フタロシアニン・鉄フタロシアニン、三二酸化鉄・ベンガラによってコーディング材152が構成されているので、親水性VOCの吸着機能を有する。また、親水性VOCを吸着する粒状体15として、コーディング材152が酸化チタン・酸化亜鉛によって構成された白色の粒状体15もある。さらに、吸着・分解触媒の機能劣化(被毒現象)のチェッカーとして、コーディング材152上に純銀箔や真鍮箔を付着させることもできる。
【0027】
以上のように、本発明に係るパネル1においては、パネル1内部のセル140に、空気中の各種分子を吸着する粒状体15が収納されている。外気が底板12に形成された通気孔120を介してパネル1内部に入り込むと、この外気に含まれた各種分子が粒状体15のコーディング材152によって吸着される。それ故、粒状体15は、そのコーディング材152の構成材料によって、吸湿・消臭・殺菌等の各種機能を行うことができる。従って、本発明に係るパネル1を用いて、家内の空気を清浄化することができ、快適な生活環境を実現することができる。
【0028】
特に、本発明に係るパネル1における芯材14は、上記のような特定のハニカム構造を有し、300kg/m程度までの加重に耐えうる強度を有する。そのため、家具、床等のような一度家内で備え付けると比較的動かさない家財道具に使用することが可能である。そのため、本発明に係るパネル1を用いて製作された家財道具を備え置くだけで、家内の空気を清浄化することができる。
従って、家内の空気を清浄化する空気清浄機等のような特定の機械・機器を設けることなく、快適な生活環境を簡便に実現することができる。さらに、このような特定の機械・器具を必要としないので、空気を清浄化するためにコストが上昇するのを防ぐことができる。
【0029】
また、本発明に係るパネル1における各種部材11〜14は、紙製のものである。従って、パネル1の清浄能力が低下した場合には、粒状体15を取り除いて一般の可燃ごみと一緒に、簡単に廃棄することができる。さらに、この廃棄したパネル1をリサイクルして効率よく使用することも可能である。さらにまた、本発明に係るパネル1の粒状体15は粒状の形状を有するため、パネル1を廃棄する際に簡便に回収することが可能である。
【0030】
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態2においては、パネル1における芯材の他の構成について説明する。
図5の平面図に、パネル1における芯材の他の構成例が示されている。図5に示すように、本実施形態における芯材21は、平面視略平行四辺形状で略同一のセル210を多数組み合わせたハニカム構造を有する。これらセル210は、2種類のセル211,212から構成されている。
【0031】
2種類のセル211,212は、図中左右に略線対称な状態で配置されている。具体的には、セル211,212は、互いの平行な側面において略V字状となるように左右に固着されている。このような略V字状のセル211,212は、左右に連続して配置されている。従って、芯材21は、平面視略平行四辺形状のセル210を略線対称に反転させながら左右に貼着した構造を有する。すなわち、複数のセル211,212は、この固着状態で略波型状に配置されている。このような略W字状に固着されたセル211,212は、上下にも連続して配列されている。
【0032】
このような本実施形態における芯材21は、その構造から1t/m程度までの加重に耐えうる強度を有する。従って、本発明に係るパネル1を、家具の底板や床板のような荷重の受けやすい部位に用いることができる。このような荷重の受けやすい部位は、一箇所に固定されることが多い。そのため、この部位周辺に湿気等が溜まりやすく、この部位周辺の空気が不潔になりやすい。本発明に係るパネル材1が空気の清浄化機能を有するので、この不潔になりやすい部位周辺の空気を簡便に清浄化することができる。また、本実施形態における芯材21が一箇所に固定されることが多いので、清潔な状態を容易に維持することができる。
【0033】
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態3においては、粒状体15がパネル1の内部に入替え可能に収納される構成について説明する。ここで、本実施形態において、発明の実施形態1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6の斜視図に、本実施形態におけるパネル1の全体構成の一例外示されている。図6に示すように、本実施形態におけるパネル1は、前述した各構成部材に加えて、マジックテープ(登録商標)311,312,313,314,321,322,323,324を備えている。これらマジックテープ311〜314、321〜324はそれぞれ、取外し可能に貼り付く組となっている。
【0034】
マジックテープ311〜314は、マジックテープ321〜324との貼付面の背面において枠材13に固着されている。より詳細にはマジックテープ311〜314は、略矩形状の枠材13上面に接着されている。これに対して、マジックテープ321〜324は、マジックテープ311〜314との貼付面に対して背面において天板11底面に固着されている。より詳細にはマジックテープ321〜324は、略矩形状の天板11の外縁に沿って接着されている。これらマジックテープ311〜314,321〜324は、一例として接着剤等によって接着されている。
【0035】
このように、本実施形態におけるパネル1においては、天板11は、マジックテープ311〜314,321〜324がそれぞれ対向した状態で、枠材13の上面に載置されている。これによって、これら組となるマジックテープ311〜314,321〜324が互いに貼り付くので、天板11を枠材13に取外し可能に固定することが可能となる。従って、マジックテープ311〜314、321〜324を用いることによって、天板11を簡便に開け閉めすることができる。これにより、パネル1内の粒状体15を容易に入替えたり、粒状体15の機能低下を調べたりすることも可能である。特に、パネル1に収納された粒状体15は、必ず機能が劣化するものであるため、このような入替えたり機能劣化を調べたりすることができる効果は、大きな効果となる。
【0036】
また、本実施形態のパネル1のようにマジックテープ311〜314、321〜324を用いる場合には、何ら道具を用いることなく、天板11を容易に開閉することができる。従って、一箇所に固定されやすい家具や床に用いられるパネル1においては、家具や床を分解する必要がないので、この効果は大きい。特に、本実施形態におけるパネル1が床板等のように横にした状態で用いられる場合には、パネル1が敷設され続けるので、この効果は顕著となる。
【0037】
発明の実施の形態4.
発明の実施の形態においては、天板11がマジックテープ311〜314、321〜324によって取外し可能に取付けられたが、発明の実施の形態4においては、天板11が取付ビスによって枠材13に取付けられる場合について説明する。ここで、本実施形態において、発明の実施形態1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図7の斜視図に、本実施形態におけるパネル1の全体構成の一例が示されている。図7に示すように、本実施形態におけるパネル1は、取付ビス331,332,333,334を備えている。さらに、略矩形状の天板11は、その4隅付近に取付孔341,342,343,344を有する。これに対して、略矩形状の枠材13の4隅付近に、ビス孔351,352,353,354が形成されている。
取付ビス331〜334は、天板11が枠材13の上面に載置された状態で、取付孔331〜334を通ってビス孔351〜354に螺着される。これによって、天板11は、枠材13に取外し可能にネジ止めされる。
【0039】
このように、本実施形態におけるパネル1においても、天板11が取外し可能であるから、発明の実施形態3と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態のように、取付ビス331〜334によって天板11を固定する場合には、マジックテープ311〜314、321〜324に比べてより確実に固定することができる。従って、パネル1を立てた状態で用いる場合には、その長手方向の強度を確実に確保することができる。
【0040】
発明の実施の形態5.
発明の実施の形態5においては、天板11が取付金具によって枠材13に取付けられる場合について説明する。ここで、本実施形態において、発明の実施形態1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図8の斜視図に、本実施形態におけるパネル1の一構成例が示されている。図8に示すように、本実施形態におけるパネル1は、取付金具361,362,363,364を備えている。
図8に示すように、これら取付金具361〜364は、断面略C字状で略同一の形状を有する部材である。取付金具361〜364は、天板11が枠材13上に載置された状態で、略矩形状のパネル1の各辺に取付けられる。詳細には、取付金具361〜364は、天板11、底板12を上下から挟み込み、天板11、底板12を枠材13に押し当てて固定している。なお、図8においては、パネル1の対向する一組の辺にのみ取付金具361から364が取付けられているが、他方の対向する辺にも取付けてもよい。
このような本実施形態におけるパネル1もまた、発明の実施の形態3,4と同様の効果を得ることができる。特に、取付金具361〜364を用いる場合には、何ら道具を使用することなく天板11を簡便に開閉することができる。従って、発明の実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、発明の実施の形態3〜5においては、取付ビス331〜334や取付金具361〜364によって天板11が取付けられているが、これらの器具に限らず、天板11が開閉可能に取付けられればよい。他の一例として、蝶番によって、天板11を枠材13に開閉可能に取付けることもできる。この場合に、天板11が勝手に開かないように、磁石等によって確実に閉じた状態を維持するようにしてもよい。
【0043】
発明の実施の形態6.
発明の実施の形態6においては、パネルの天板がスライド式に取付けられる場合について説明する。ここで、本実施形態においては、発明の実施の形態1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
まず、図9を用いて、本実施形態におけるパネルの全体構成について説明する。
図9の斜視図に、このパネルの全体構成が示されている。図9に示すように、本実施形態におけるパネル40は、枠材41、天板42、底板43を備えている。さらに、このパネル40は、芯材21を備えるが、この芯材21に替えて芯材14とすることもできる。
枠材41は、断面略矩形状の形状を有し、所定の厚みを有する紙製の筒体である。この枠材41は、長手方向に沿って略矩形状に開口された開口窓410を有する。この開口窓410の両脇に壁面が長手方向に沿って形成されている。
【0045】
枠材41は、さらに、天板42、底板43をスライド式に嵌めるための一対のガイド411、412を有する。ガイド411,412は、開口窓410両脇の壁面に形成され、開口窓410の長手方向に沿って切り込まれた溝である。このガイド411,412の溝幅は、天板42の厚み程度とすることができ、天板42が嵌る幅であればよい。
芯材21は、筒体である枠材41の内部に挿着され、この挿着状態で、枠体41の開口窓410から露出している。この芯材21は、挿着された枠体41に接着剤等によって接着してもよいし、入替え可能となるように挿入するだけでもよい。また、粒状体15は、芯材21のセル210の内、開口窓410から露出したセル210に収納されているが、セル210全体に亘って収納してもよい。
【0046】
天板42は、開口窓410と略同じ幅を有する略平板状の部材であり、紙を用いて形成することができる。天板42は、パネル40の内外を通気するための通気窓420を有する。この通気窓420は、種々の形状を有することができるが、一例として略矩形状の貫通孔とすることができ、格子状に配列されている。この通気窓420は、通気孔120と同様に、粒状体15の大きさよりも小さい形状とすることができる。
天板42は、枠体41の長手方向に沿って、枠材41の開口窓410に嵌め込まれる。詳細には、天板42の長手方向に沿った対向する端面付近は、枠体41のガイド411,412に嵌装され、天板42は、枠体41の開口窓410上をスライドしながら嵌め込まれる。このとき、天板42は、ガイド411,412に摺動可能に嵌装され、枠体41に取外し可能に取付けられる。天板42は、開口窓410に嵌め込まれた状態で芯材21上に配置され、開口窓410を蓋する。
底板43は、天板42と同様の部材である。この底板43にもまた、天板42の通気窓420と同様の貫通孔を形成してもよい。また、底板43もまた、枠体41に開口窓410に対向した開口部を形成し、この開口部にスライド式で嵌め込まれるようにしてもよい。図9においては、枠体41に開口窓410と同様の開口部が形成され、底板43は、この開口部の外周に固着されている。
【0047】
このような本実施形態におけるパネル40もまた、発明の実施の形態3,4,5と同様の効果を得ることができる。特に、天板42がスライド式で取外し可能に取付けられる場合には、何ら道具を使用することなく天板11を簡便に開閉することができる。従って、発明の実施の形態3,5と同様の効果を得ることができる。
さらに、本発明に係るパネル1が直立状態で置かれるような家具、襖、屏風等の場合には、その側面を構成するパネル1においてスライド式に開閉できると非常に有用である。従って、上記のような効果は、このような直立状態で置かれる家財道具にパネル1を用いる場合において顕著となる。
【0048】
発明の実施の形態7.
発明の実施の形態7においては、天板11に替えて、シートが用いられた場合について説明する。ここで、本実施形態においては、発明の実施の形態1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
なお、本実施形態においてはパネル1の天板11を用いて説明するが、これに限らず、発明の実施の形態6におけるパネル40にも適用することが可能である。またなお、天板11のみならず、シートを用いて底板12、あるいは両者を形成してもよい。
【0049】
図10の斜視図に、本実施形態におけるパネルの全体構成が示されている。図10に示すように、天板11に替えて、シート51を備えている。このシート51は、和紙等のように比較的薄い紙製のシートである。シート51は、天板11と同様に、枠材13、芯材14に接着剤等によって固着されている。
このように、シート51を用いてパネル11に蓋をする場合には、シート51の図柄や模様等の装飾を行いやすいので、容易に化粧パネルを形成することができる。また、シート51を用いる場合には、各部材11から14を接着するときに容易に接着することが可能である。
【0050】
なお、本発明の実施の形態1乃至7においては、底板12、天板42に通気孔12、通気窓420が形成されているが、これに限らず、通気孔12、通気窓420を形成しないように構成することも可能である。すなわち、パネル1,40外部とセル140,210とが通気することができればよく、セル140,210とパネル1,40外部とが通気可能な場合には、必ずしも形成しなくてもよい。この通気をより確実にするためには、通気孔12、通気窓120を形成する方が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るパネルの全体構成の一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るパネルの全体構成の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るパネルにおける芯材の一構成例を示す平面図である。
【図4】本発明に係るパネルにおける粒状体の一構成例を示す断面図である。
【図5】本発明に係るパネルにおける芯材の他の構成例を示す平面図である。
【図6】本発明に係るパネルの全体構成の他の一例を示す分解斜視図である。
【図7】本発明に係るパネルの全体構成の他の一例を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係るパネルの全体構成の他の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るパネルの全体構成の他の一例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係るパネルの全体構成の他の一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1…パネル、11…天板、12…底板、120…通気孔、13…枠材、14…芯材、
140…セル、15…粒状体、151…コア材、152…コーティング材、16…接着剤
21…芯材、210…セル
311〜314…枠体側のマジックテープ、321〜324…天板側のマジックテープ
331〜334…取付ビス、341〜344…取付孔、351〜354…ビス孔
361〜364…取付金具
40…パネル、41…枠体、410…開口窓、411,412…ガイド、42…蓋材
51…シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材に用いられる建材用パネルであって、
紙製の第1の基材と、
当該第1の基材に対峙した紙製の第2の基材と、
前記第1の基材と前記第2の基材との間に挟持され、複数のセルが組み合わせられた構造を有する紙製の芯材と、
前記セルに収納され、空気中の所定の分子を吸着する略粒状の粒状体とを備えた建材用パネル。
【請求項2】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、当該建材用パネル外部と前記セルとの間を通気する通気孔を有することを特徴とする請求項1記載の建材用パネル。
【請求項3】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、前記芯材に着脱可能に取付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の建材用パネル。
【請求項4】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、紙製のシートから構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の建材用パネル。
【請求項5】
前記第1の基材と前記第2の基材とが取付けられる枠材を、さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建材用パネル。
【請求項6】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、当該枠材にマジックテープによって着脱可能に取付けられることを特徴とする請求項5記載の建材用パネル。
【請求項7】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、前記枠材にスライド式で着脱可能に取付けられることを特徴とする請求項5記載の建材用パネル。
【請求項8】
前記第1の基材及び/又は前記第2の基材は、一部に開口部が設けられ、
当該建材用パネルは、さらに前記開口部を覆い、着脱可能に取付けられた板状部材を備えたことを特徴とする請求項8記載の建材用パネル。
【請求項9】
前記粒状体は、その表面に、前記分子と接触するコーティング材が形成され、
当該コーティング材は、前記分子を吸着する構成材料に応じた色を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の建材用パネル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の建材用パネルを用いて形成された家財道具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−7694(P2006−7694A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190994(P2004−190994)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(504251746)
【Fターム(参考)】