説明

弁装置

【課題】作動応答性や組付性を向上させる。
【解決手段】導入路111を通じて流体が導入される一次室110aと流体が導出される二次室120aとの間を連通または遮断する弁体130を有する弁体ブロック100Aと、導入路111に通じる入口ポート171と、出口ポート181と、入口ポート171側から出口ポート181側への流体の流れのみを許容する一方向弁192と、を有する通流路ブロック100Bと、を備え、導入路111には、相互に直列に配置されたオリフィス113とフィルタ118とが設けられ、導入路111は、弁体ブロック100Aと通流路ブロック100Bとの間に配置されて、弁体ブロック100Aの一次室110aと通流路ブロック100Bの入口ポート171とを連通するとともに、入口ポート171側から一次室110a側に向けて上り傾斜状に形成されている構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、水素(燃料ガス、反応ガス)がアノードに、酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)がカソードに、それぞれ供給されることで発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池の開発が盛んである。このような燃料電池を用いたシステムでは、水素や酸素を含む空気等の流体の流れを許容または遮断制御するための弁装置が用いられている。
【0003】
ところで、前記したような燃料電池が発電すると、そのカソードで水蒸気(水)が生成され、生成された水の一部は、電解質膜(固体高分子膜)を介して、アノード側に透過する。また、電解質膜の湿潤状態を維持するため、燃料電池に向かう水素、空気は、中空糸膜を備える加湿器等によって加湿される。したがって、燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガス、およびカソードから排出されるカソードオフガスは多湿となっている。
しかし、アノード側に水が溜まると燃料ガスの供給が阻害され、発電が不安定になる場合がある。また、カソード側に供給された空気中の窒素は微量ながら電解質膜をアノード側に透過して燃料ガスに混入するので、燃料ガスのリサイクル利用により窒素の濃度が上昇すると発電が安定しない場合がある。
【0004】
そこで、燃料電池を用いたシステムでは、燃料電池で使用されなかった燃料ガスを、燃料電池の出口側から燃料電池の上流側に戻す燃料ガス循環流路に、弁装置としてパージ弁を設け、このパージ弁を通じてアノードに溜まった水や燃料ガスに混入した窒素を排出して、発電状態を回復することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−153177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記したパージ弁のような弁装置では、流体の流れに対する弁体の作動応答性を向上させることや、装置全体の部品点数の増加にともなう組付性の更なる向上を図りたいという要望があった。
【0007】
そこで、本発明は、作動応答性や組付性を向上させることができる弁装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の弁装置は、導入路を通じて流体が導入される一次室、および導出路を通じて前記流体が導出される二次室が設けられたボディと、前記一次室と前記二次室との間を連通または遮断し、駆動機構により駆動される弁体と、を有する弁体ブロックと、前記弁体ブロックに隣接配置され、前記導入路に通じる入口ポートと、前記入口ポートに通じる出口ポートと、前記導入路の上流側において、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に設けられ、前記入口ポート側から前記出口ポート側への流体の流れのみを許容する一方向弁と、を有する通流路ブロックと、を備えた弁装置において、前記導入路には、相互に直列に配置されたオリフィスとフィルタとが設けられており、前記導入路は、前記弁体ブロックと前記通流路ブロックとの間に配置されて、前記弁体ブロックの前記一次室と前記通流路ブロックの前記入口ポートとを連通するとともに、前記入口ポート側から前記一次室側に向けて上り傾斜状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
この弁装置によれば、ボディと弁体とを有する弁体ブロックと、入口ポートと出口ポートと一方向弁とを有する通流路ブロックと、をユニットとして弁装置が構成されているので、流体の通流性が高まり、弁体の作動応答性の向上、部品組付性の向上および弁装置全体の小型化を図ることができる。
また、オリフィスとフィルタとが相互に直列に配置されているので、例えばオリフィスを通過した流体が減速することなくフィルタに到達するようになり、通過する流体に水(水分)が含まれている場合に、フィルタに水が付着して滞留するのを好適に防止することができる。これにより、一次室から二次室へ流れ込む流体に、水を好適に同伴させることができ、水を含んだ流体の排出を好適に促すことができる。したがって、弁体ブロックおよび通流路ブロックを通じた応答性のよい流体の流れの制御を実現することができる。
また、オリフィスとフィルタとが相互に直列に配置されているので、組み付けが簡便となり組付性も向上する。
【0010】
また、導入路は、弁体ブロックと通流路ブロックとの間に配置されて、弁体ブロックの一次室と通流路ブロックの入口ポートとを連通するとともに、入口ポート側から一次室側に向けて上り傾斜状に形成されているので、仮にフィルタに水が付着したり、一次室内に水が滞留したりしても、これらの水は、自重により上り傾斜状の導入路を伝わって入口ポート側に流れ落ちることとなる。したがって、排水性を向上させることができる弁装置が得られる。
【0011】
また、弁装置は、燃料電池を用いたシステムにおいて、前記流体としての反応ガスを排出する排出弁として用いることにより、システムの反応ガス中に含まれた水を、好適に排出することができる。したがって、燃料電池の安定した発電に寄与する弁装置が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、作動応答性や組付性を向上させることができる弁装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る弁装置としてのパージ弁を用いた燃料電池システムの機能を示す図である。
【図2】パージ弁の断面図である。
【図3】パージ弁の導入路に取り付けられるオリフィスおよびフィルタを示した拡大断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る弁装置としてのパージ弁の要部を示す拡大断面図である。
【図5】変形例に係る弁装置としてのパージ弁の要部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、燃料電池システムに適用される弁装置について説明するが、弁装置が適用されるシステム等を限定する趣旨ではない。なお、以下では、弁装置を、燃料電池システム1のアノード系のパージ弁(排出弁)100として用いた場合を例として説明する。
【0015】
(第1実施形態)
はじめに、第1実施形態の弁装置が適用される燃料電池システムの構成について説明し、後記する説明の中で第1実施形態の弁装置について説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、を備えている。
【0016】
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21(燃料ガス供給手段)、常閉型の遮断弁22、エゼクタ23、常閉型のパージ弁100を備え、水素タンク21からの水素は、遮断弁22、エゼクタ23を介して、燃料電池スタック10のアノード流路11の入口側に供給されるようになっている。
【0017】
アノード流路11の出口は、循環路23aを介してエゼクタ23の吸込口に接続されている。そして、エゼクタ23に戻されたアノードオフガスは、水素タンク21からの水素と混合された後、アノード流路11に再供給されるようになっている。
ここで、循環路23aには、アノード流路11の出口側からエゼクタ23側へのアノードオフガスの流れのみを許容する一方向弁192が設けられている。本実施形態では、この一方向弁192が後記するように、パージ弁100に備えられている。パージ弁100の詳細は後記する。
【0018】
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段、掃気手段)と、加湿器32と、希釈器33(ガス処理装置)とを備えている。
【0019】
コンプレッサ31は、加湿器32を介して、カソード流路12の入口に接続されている。そして、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)の指令にしたがって作動すると、コンプレッサ31は、酸素を含む空気を取り込み、空気をカソード流路12に供給するようになっている。また、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10の掃気時には、これを掃気する掃気手段として機能するようになっている。
【0020】
カソード流路12の出口は、希釈器33に接続され、カソード流路12(カソード)から排出された多湿のカソードオフガスが、希釈器33に供給されるようになっている。
【0021】
加湿器32は、コンプレッサ31からカソード流路12に向かう空気を加湿するため、カソード流路12に向かう空気と、多湿のカソードオフガスとを水交換させる中空糸膜等を備えている。
【0022】
希釈器33は、パージ弁100から導入されるアノードオフガスと、コンプレッサ31からのカソードオフガス(希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガスで希釈する容器である。希釈器33で生成した混合ガスは、車外に排出されるようになっている。
【0023】
前記のように、アノード流路11の出口に接続されたパージ弁100は、常閉型の電磁弁であり、燃料電池スタック10の発電時において、循環路23aを循環するアノードオフガス(水素)に含まれる不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合に、ECUによって適宜に開かれるようになっている。パージ弁100を通じて排出されたアノードオフガスは、下流側に接続された希釈器33で希釈された後、外部に排出される。
【0024】
パージ弁100は、図2に示すように、パージ弁100の主体をなす弁体ブロック100Aと、一方向弁192を備える通流路ブロック100Bと、を備えており、弁体ブロック100Aに通流路ブロック100Bが一体的に設けられて、一つのデバイスとして構成されている。
【0025】
パージ弁100は、常閉型の電磁弁であり、図1に示すように、燃料電池スタック10の発電時において、循環路23aを循環するアノードオフガス(水素)に含まれる不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合に、ECUによって開かれる弁である。
ここで、ECUは、例えば、燃料電池スタック10を構成する単セルの電圧(セル電圧)が所定セル電圧以下となった場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁100を開くように設定することができる。
【0026】
弁体ブロック100Aは、図2に示すように、アノードオフガスが導入される一次室110aが設けられた一次室ボディ(ボディ)110と、この一次室ボディ110の下部に隣接して設けられ、前記アノードオフガスが導出される二次室120aが設けられた二次室ボディ(ボディ)120とを備えており、二次室ボディ120の下部側に配置された駆動機構としてのソレノイド150によって弁体130が駆動されることで、一次室110aと二次室120aとの連通状態と遮断状態とを切り替えるように構成されている。つまり、パージ時に開弁して、図1に示すように、燃料電池スタック10のアノード流路11から送られてくるアノードオフガスを後段の希釈器33に排出するようになっている。
本実施形態のパージ弁100では、アノードオフガスが導入される側となる一次室110aが上部側に配置され、また、アノードオフガスを導出する側となる二次室120aが下部側に配置されており、水を含むアノードオフガスが排出されやすい構造となっている。
そして、一次室110aにアノードオフガスを導入する導入路111が、一次室110aの底面110gに開口されて連通され、その導入路111には、オリフィス113とフィルタ118とが相互に直列に配置されて設けられている。
【0027】
以下、各部について詳細に説明する。
一次室ボディ110は、その下側に二次室ボディ120が取り付けられているとともに、その側部(後記する導入路111が設けられる側)には、断面略コ字形の取付部110bが設けられている。そして、この取付部110bには、通流路ブロック100Bが上下それぞれ2本、合計4本のボルト110c(図2では上下1本ずつ、計2本のみ図示)で一体的に取り付けられている。
【0028】
取付部110bは、一次室ボディ110に一体的に形成されており、断面略コ字形に形成されることにより設けられた縦長の凹部110dを有している。
この凹部110dは、通流路ブロック100Bに一体的に取り付けられた、後記する一方向弁組立体190で仕切られることによって、流体の通流路R(図1の循環路23aの一部)を形成している。
【0029】
一次室ボディ110に形成された導入路111は、通流路ブロック100Bの後記する入口ポート171側から一次室110aに向けて上り傾斜状とされており、その上端が一次室110aの底面110gに連通可能に開口している。導入路111は、これに装着されるオリフィスホルダ113cとフィルタ118の外形状に合わせて、入口ポート171側から一次室110aに向かうにしたがって順次縮径する段付き円筒状に形成されている。
【0030】
そして、導入路111の上端開口には、図3に示すように、フィルタ118のホルダ部118aの上端部が一次室110a内に突出する状態に配置されている。
また、導入路111の下端開口は、図2に示すように、断面略コ字形とされた取付部110bの凹部110d内に連通しており、この下端開口を通じて、導入路111内にオリフィス113およびフィルタ118が装着されるようになっている。
【0031】
オリフィス113は、図3に示すように、円筒部113aと、この円筒部113aに連続するフランジ部113bとを有しており、内側にアノードオフガスの通流する内径の絞られた通流路R1を有している。本実施形態では、段付き円筒状に形成されたオリフィスホルダ113cを介して、オリフィス113が導入路111に装着される構造となっている。
オリフィスホルダ113cは、導入路111の下端開口から上端開口に向けて外径および内径がともに縮径する段付き円筒状を呈しており、導入路111の下端開口から導入路111内に挿入され、外周面に形成された雄ねじ113eを、導入路111の内面に形成された雌ねじ111eに螺合させることで導入路111の下端開口に露出する状態に固着される。
なお、オリフィスホルダ113cと導入路111との間は、オリフィスホルダ113cの上部外周に装着された円環状のシール部材113fによってシールされている。
【0032】
オリフィスホルダ113cの上端開口に連通する小径の内壁には、雌ねじ113dが形成されており、オリフィス113は、この内壁に円筒部113aの外周に形成された雄ねじ113gを螺合させることで、オリフィスホルダ113cの上端内周に位置するように設けられている。これによって、オリフィス113とフィルタ118とが近接配置される構造となっている。
なお、オリフィス113は、圧入等の固着手段によってもオリフィスホルダ113cに取り付け可能である。
【0033】
導入路111に配置されたオリフィス113は、導入路111から一次室110aに向かって通流するアノードオフガスの流量を制限する役割をなす。つまり、オリフィス113は、一次室110aに導入されるアノードオフガスの圧力を減圧する作用をなし、二次室120aに配置される後記のダイヤフラム160(図2参照)に付与される荷重を減圧する。これにより、ダイヤフラム160の許容範囲以上の変形を阻止することができ、ダイヤフラム160の耐久性を向上させることができる。
【0034】
また、アノードオフガスに同伴する水は、オリフィス113を通過する際に凝結して、オリフィス113の主として下部側の周りに水滴となって付着することとなる。これによって、一次室110aに余分な水が導入されることが抑制される。
ここで、オリフィス113に付着した水滴は、オリフィスホルダ113cの内面から導入路111の傾斜面111bを流れ落ち、図2に示すように、通流路ブロック100Bの入口ポート171に排出されることとなる。なお、入口ポート171の上流側には、アノード流路11(図1参照)の出口側との間に図示しない気液分離器が配置されており、通流路ブロック100Bに流れ落ちた水滴は、自重によってこの気液分離器に戻されるようになっている。気液分離器は、アノード流路11から排出された未反応の水素を含むアノードオフガスから、同伴する液状の水を分離する機能を有しており、これによって、燃料電池スタック10(図1参照)の上流側のエゼクタ23(図1参照)には、分離後のアノードオフガスが戻されるようになっている。
【0035】
図3に示すように、フィルタ118は、円筒状のホルダ部118aと、このホルダ部118aの内部に設けられたフィルタ部材118bとを備えてなり、導入路111内において、オリフィス113(オリフィスホルダ113c)の上側直近(アノードオフガスの流れ方向下流側直近)に位置するように、オリフィス113に連続して設けられている。ホルダ部118aは、大径部118cとこれに連続する小径部118dとを有しており、導入路111の下端開口から導入路111内に挿入され、導入路111の上端開口から一次室110a内に小径部118dが突出する状態に装着される。
【0036】
導入路111にフィルタ118が装着された状態で、ホルダ部118aの先端部の開口118fは、導入路111の傾斜によって弁体130に向けて傾斜する状態に配置される。これによって、アノードオフガスに同伴された水が一次室110a内に溜まったとしても、この水は、ホルダ部118aの開口118fを通じてフィルタ118内に流れ込み、その自重によってフィルタ118内からオリフィス113内に流れ、さらにオリフィスホルダ113cの内周を伝わって導入路111から通流路ブロック100B(図2参照)の入口ポート171(図1参照)に排出されることとなる。
【0037】
本実施形態では、導入路111内において、大径部118cの下端部にオリフィスホルダ113cの上端部が密着するように構成されている。これによって、組付時に導入路111内にオリフィスホルダ113cを螺合すると、オリフィスホルダ113cの上端部がフィルタ118の下端部を押圧し、フィルタ118が導入路111の上部内周に形成された段部111gへ向けて押し付けられる状態となる。これによって、フィルタ118は、段部111gとオリフィスホルダ113cとの間に挟持された状態で強固に固定されるようになっている。
つまり、組付時には、オリフィスホルダ113cを導入路111内に螺合するのみで、フィルタ118およびオリフィス113(オリフィスホルダ113c)の両方を導入路111内に簡単に固定することができる。
なお、オリフィス113は、オリフィスホルダ113cに予め固着しておいてもよいし、導入路111にオリフィスホルダ113cを固定した後に、導入路111の下端開口からオリフィスホルダ113c内に挿入して固着するようにしてもよい。
また、オリフィス113とフィルタ118とを一体的にユニット化して、導入路111に一体的に組み付けるようにしてもよい。
【0038】
フィルタ部材118bは、網状の金属材料からなり上部が略半円形状を呈している。フィルタ部材118bは、その基端部118eがホルダ部118aの内周に形成された段差状の内面に係止されるようにして固定されており、上部の略半円形状とされた部分が一次室110aに向けて(アノードオフガスの流れ方向下流側に向けて)膨出するように配置されている。
このようなフィルタ118は、導入路111を通流するアノードオフガスにゴミが含まれている場合に、これを捕獲する。これによって、一次室110aに向けて流れるアノードオフガスからゴミを排除することができ、弁体130と後記する弁座部117(図1参照)との間にゴミが噛み込むのを阻止することができる。
【0039】
図2に示すように、一次室110a内には、弁体130が上下方向(弁の開閉方向)に変位可能に配置されており、この弁体130の底面側には、弁座116が設けられている。
弁体130は、一次室110aを形成する一次室ボディ110の上壁114に向けて変位することで開弁するように構成されており、断面山形状に形成されている。
なお、弁体130の表面に、フッ素コーティングを施してもよい。フッ素コーティングには、水をはじく撥水効果があるため、弁体130の頂部や上部に水が滞留し難くなり、排水性を向上させることができる。
また、弁体130の着座面(底面)には、リング状のシール部材134が埋設されている。
【0040】
弁座116は、一次室110aと二次室120aとを仕切る仕切り壁115に一体的に設けられており、仕切り壁115(一次室ボディ110の底部)から上壁114へ向けて突出している。弁座116は、円筒状を呈しており、上端部へ向けてテーパ状に縮径するように形成されている。弁座116の先端部には、弁体130が着座する円環状の弁座部117が設けられている。弁座部117は、弁体130の着座面に埋設されたシール部材134に密着するように、断面アール形状に面取りして形成されている。また、弁座部117は、例えば平らに形成されていてもよい。
【0041】
一次室110aの上壁114には、凹部114aが設けられており、この凹部114aには、弁体130を弁座部117へ向けて付勢する戻しばね135の上端が保持される。戻しばね135は、弁体130と凹部114aとの間に縮設されており、弁体130が閉弁された状態で、弁体130の着座面のシール部材134が弁座部117に気密性よく着座するように付勢する。このような戻しばね135の付勢によって、一次室110aと二次室120aとの間は、連通不能に遮断される。
なお、凹部114aと弁体130との間には、弁体130が駆動されて上方に変位した際に、所定のクリアランスが形成され、弁体130が凹部114aに当接しないようになっている。
【0042】
二次室120aは、一次室110aの下部に仕切り壁115を介して連続して設けられており、後記する希釈器33(図1参照、以下同じ)へ通じる配管が接続される導出路121を有している。本実施形態では、導出路121が、前記した導入路111とは反対の側、つまり、希釈器33が接続可能となる側に設けられている。
【0043】
なお、一次室110aおよび二次室120aの内部にフッ素コーティングを施してもよい。フッ素コーティングには、水をはじく撥水効果があるため、一次室110aおよび二次室120aの内部に水が滞留し難くなり、排水性をより向上させることができる。
特に、一次室110aにおいては、一次室110a内に水滴等の水が滞留した場合に、図3に示すように、一次室110aの底面110gから、フィルタ118のホルダ部118a、オリフィス113を介して導入路111に戻されるようになり、水の排出が促進される。
【0044】
二次室120aには、図2に示すように、ソレノイド150により駆動されて、先端が弁体130に固定されるシャフト140が貫通しており、二次室120aとこのシャフト140との間には、シャフト140に係止されてシャフト140の変位動作に追従して撓む弾性部材(例えば、ゴム等の材料)からなるダイヤフラム160が設けられている。
【0045】
ダイヤフラム160は、シャフト140の周囲を取り囲む円環状の部材であり、シャフト140のフランジ部141に装着される内周縁部161と、この内周縁部161から半径外方向へと延在する薄肉状のスカート部162と、このスカート部162の外周部に形成される外周縁部163とからなる。
【0046】
内周縁部161は、フランジ部141に係止され、スカート部162は、シャフト140の変位動作に追従して撓曲自在である。また、外周縁部163は、二次室120aの底壁122と、後記するソレノイド150の固定コア151との間に挟持されている。
このようなダイヤフラム160を設けることによって、二次室120aとシャフト140との間がシールされるようになり、二次室120aの内部の気密が好適に保持されるようになる。
【0047】
なお、シャフト140の外周面に、フッ素コーティング等を施して、シャフト140が変位する際の摺動抵抗が低減するように構成してもよい。このようにすることで、シャフト140の摩耗が低減し、耐久性を向上させることができる。また同時に、シャフト140が変位動作する際に摩耗粉が発生するのを抑制することができる。フッ素コーティングには、水をはじく撥水効果があるため、シャフト140の外周面に水が付着することがなくシャフト140の錆びを防止し、シャフト140の耐久性を向上させることができる。また、二次室120a内に水が滞留するのをより一層好適に防止することができる。
【0048】
ケーシング154の下部には、通気路154aが形成されており、この通気路154aの開口部にキャップ159が装着されている。通気路154aは、ケーシング154の表面と、シャフト140を変位可能に摺動保持するシャフト側室156bとに開口する横孔であり、シャフト側室156bをケーシング154の外部に連通する役割をなす。
【0049】
キャップ159は、外部に連通する図示しない通気開口部を有し、内部に形成された通路に、例えば、周知であるゴアテックス(登録商標)等の透湿防水素材が配置されている。このようなキャップ159を配置することによって、ソレノイド150内への水や埃等の侵入(浸入)を防止しつつ、透湿防水素材を介して通気路154aに空気が出入りすることとなるので、可動コア156のスムーズな摺動が実現される。
【0050】
通流路ブロック100Bは、前記したように、一次室ボディ110の取付部110bに一体的に取り付けられるようになっており、入口ポート171と出口ポート181とが設けられたボディ170に、一方向弁組立体190が一体的に取り付けられて構成されている。つまり、予め一方向弁192が取り付けられた通流路ブロック100Bを、一次室ボディ110の取付部110bに取り付けることによって一方向弁192を備えたパージ弁100の組立てが完了する。
【0051】
入口ポート171には、燃料電池スタック10(図1参照、以下同じ)のアノード流路11(図1参照、以下同じ)からの配管が接続されるようになっており、この入口ポート171を通じて、燃料電池スタック10からの高圧のアノードオフガスが導入されるようになっている。
入口ポート171は、図2の紙面においてボディ170の左側下部に設けられており、アノード流路11からの配管が接続される開口部を有している。本実施形態では、入口ポート171が出口ポート181に対して下側に位置している。つまり、下から上へ向かう方向(重力方向と逆方向)に、水を同伴するアノードオフガスが流れるようにしてある。
【0052】
入口ポート171に通じる通路171aは、取付部110bの凹部110d側に開口しており、凹部110dによって形成される通流路Rおよび通流路Rに下端側が開口している導入路111に連通している。
【0053】
一方、出口ポート181には、エゼクタ23(図1参照)に通じる循環路23a(図1参照)をなす配管が接続されるようになっており、この出口ポート181を通じて入口ポート171側から導入された高圧のアノードオフガスが導出されるようになっている。
出口ポート181は、図2の紙面において通流路ブロック100Bの左側の入口ポート171の上方に設けられており、循環路23a(図1参照)をなす配管が接続される開口部を有している。
【0054】
出口ポート181に通じる通路182は、出口ポート181側が小径部182aとされ、これとは反対側が大径部182bとされており、大径部182b側が一方向弁組立体190の側方に形成された縦長の弁作動スペース181bに連通している。これにより、一方向弁組立体190の開弁時には、通路182が一方向弁組立体190の透孔193を通じて、上流側の通流路Rに連通するようになっている。つまり、入口ポート171から導入されたアノードオフガスは、通路171aから通流路Rを通じて、一方向弁192を開弁させ、通路182から出口ポート181を介して循環路23a(図1参照)に導出するようになっている。
【0055】
通路182の大径部182bは、その軸心が下方に偏心しており、内壁下部183bが小径部182aの内壁下部183aよりも一段低く形成されている。この内壁下部183bは、一方向弁組立体190から出口ポート181に至る流路において、一番低く形成された部分であり、この間においてアノードオフガスから分離した水があるときに、この水が溜まる貯溜部として機能するようになっている。つまり、一方向弁192や弁作動スペース181b、さらには、通路182、出口ポート181、循環路23a(図1参照)の出口ポート181側部分等に水が付着し、これが水滴となって流れ落ちてきたときに、一段低く形成された内壁下部183bにこれを好適に集めることができる。
なお、内壁下部183bに溜まった水は、一方向弁組立体190の基体191に形成されたドレン孔191aを通じて、一方向弁組立体190の上流側、つまり、通流路R内に排出され、その後、通流路Rから通路171aおよび入口ポート171を通じて図示しない気液分離器に戻されることとなる。
【0056】
一方向弁192は、例えば、上端側が自由端となる状態で基体191に取り付けられ、透孔193を通過したアノードオフガスの圧力によって基体191から離れる側(出口ポート181側)の弁作動スペース181b内に撓む。このように、一方向弁192は、透孔193を開放する開弁状態と、透孔193を閉塞する閉弁状態との間で可撓するようになっている。
【0057】
次に、本実施形態の弁装置が適用されるパージ弁100の作用を図1〜図3を参照して説明する。
燃料電池自動車のイグニッションがオンされ、燃料電池スタック10の起動が要求されると、ECUにより遮断弁22が開かれて、水素タンク21の水素がエゼクタ23を介してアノード流路11に供給され、また、ECUによりコンプレッサ31が作動されて、空気が加湿器32を介してカソード流路12に供給される。これにより、燃料電池スタック10が発電を開始する。
【0058】
燃料電池スタック10が発電を開始すると、アノード流路11から排出されたアノードオフガスが図示しない気液分離器を介してパージ弁100の通流路ブロック100Bに設けられた入口ポート171から通流路ブロック100B内に導入される。
【0059】
入口ポート171から導入されたアノードオフガスは、通路171aから凹部110dにより形成される通流路Rに流れ込む。ここで、通流路Rには導入路111が開口しているが、弁体130は閉弁状態であるので、導入路111にアノードオフガスが流入することがなく、通流路Rに導入されたアノードオフガスの圧力は、透孔193を通じて一方向弁192に作用し、一方向弁192が押圧されて可撓する。これによって、一方向弁192が開弁状態となり、透孔193、通路182、および出口ポート181を通じて循環路23aにアノードオフガスが流出する。そして、循環路23aを通じて、上流側のエゼクタ23にアノードオフガスが供給される。
【0060】
一方、燃料電池スタック10を構成する単セルの電圧(セル電圧)が所定セル電圧以下となった場合に、ECUが不純物を排出する必要があると判定し、ECUの指令によってパージ弁100にパージの要求がなされる。
そして、ECUによりパージの要求がなされると、パージ弁100のソレノイド150が作動され、弁体130が開弁する。
【0061】
弁体130が開弁すると、入口ポート171から導入されたアノードオフガスは、導入路111に流れ込み、オリフィス113を通過した直後にフィルタ118のフィルタ部材118bを通過して、一次室110aに流れ込む。一次室110aに流れ込んだアノードオフガスは、弁体130と弁座部117との隙間を通過して、二次室120aに流入する。二次室120aに流入したアノードオフガスは、開口121aから導出路121に流出して下流側に排出される。
【0062】
また、パージ終了時に、ECUによってソレノイド150のボビン155に巻かれたコイル155aへの通電がオフ状態にされると、コイル155aが非励磁状態となり、可動コア156が軸線方向に沿って下方へと変位する。また略同時に、弁体130が戻しばね135の弾発力によって下方へと押圧され、戻しばね135の弾発力によって弁体130が弁座部117へと着座する。これにより、一次室110aと二次室120aとの連通が遮断され、導入路111と導出路121との連通が遮断される。
【0063】
このように連通が遮断されると、入口ポート171から導入されたアノードオフガスの導入路111への流入が遮断され、通流路Rに導入されたアノードオフガスの圧力によって前記のように一方向弁192が再び開弁されて、一方向弁192の下流側にアノードオフガスが流れるようになる。つまり、アノードオフガスの流れが循環路23a側に切り替えられる。
【0064】
なお、前記のようパージが行われる過程で、アノードオフガスに同伴する水が、一次室110a内で凝結して水滴となり、一次室110aの底面上に溜まった状態となることがあるが、この場合に溜まった水は、ホルダ部118aの開口118fを通じてフィルタ118内に流れ込み、その自重によってフィルタ118内からオリフィス113内に流れ、さらにオリフィスホルダ113cの内周を伝わって導入路111から通流路ブロック100Bの入口ポート171に排出される。これによって、入口ポート171を通じて、図示しない気液分離器に水を戻すことができる。
【0065】
以上説明した本実施形態の弁装置によれば、一次室ボディ110と、二次室ボディ120と、弁体130とを有する弁体ブロック100Aと、入口ポート171と出口ポート181と一方向弁192とを有する通流路ブロック100Bと、をユニットとして構成されているので、アノードオフガスの通流性が高まり、作動応答性の向上、部品組付性の向上および小型化を図ることができる。
また、オリフィス113とフィルタ118とが相互に直列に配置されているので、オリフィス113を通過したアノードオフガスが減速することなくフィルタ118に到達するようになり、通過するアノードオフガスに水が含まれている場合にも、フィルタ118に水が付着して滞留するのを好適に防止することができ、一次室110a側に水を好適に流入させることができる。これにより、一次室110aから二次室120aへ流れ込むアノードオフガスに、水を好適に同伴させることができ、水の同伴されたアノードオフガスの排出を好適に行うことができる。したがって、弁体ブロック100Aおよび通流路ブロック100Bを通じた応答性のよいアノードオフガスの流れの制御を実現することができる。したがって、燃料電池スタック10の安定した発電を行うことができるパージ弁100(弁装置)が得られる。
また、オリフィス113とフィルタ118とが相互に直列に配置されているので、組み付けが簡便となり組付性も向上する。
【0066】
また、導入路111は、弁体ブロック100Aと通流路ブロック100Bとの間に配置されて、弁体ブロック100Aの一次室110aと通流路ブロック100Bの入口ポート171とを連通するとともに、入口ポート171側から一次室110a側に向けて上り傾斜状に形成されているので、仮にフィルタ118のフィルタ部材118b等に水が付着したり、一次室110a内に水が滞留したりしても、これらの水は、自重により上り傾斜状の導入路111(オリフィス113およびフィルタ118)を伝わって入口ポート171側に流れ落ちることとなる。したがって、排水性を向上させることができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明の弁装置の第2実施形態について図4を参照して説明する。
本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、図4に示すように、第1実施形態で示したフィルタ部材118b(図3参照)よりも大径とされたフィルタ部材118b’を導入路111に配置した点である。
【0068】
フィルタ118Aは、導入路111の上部内壁に係止される円筒状の基部118gと、この基部118gに取り付けられたフィルタ部材118b’とを備えてなり、導入路111内において、オリフィス113(オリフィスホルダ113c)の上側直近(アノードオフガスの流れ方向下流側直近)に位置するように、オリフィス113に連続して設けられている。
【0069】
フィルタ部材118b’は、有底円筒状を呈しており、胴部の外周面の一部が導入路111の上端内周に直接嵌め入れられている。ここで、フィルタ部材118b’の胴部の外径E1は、オリフィスホルダ113cの下部内周の内径E2と略等しい大きさとされている。つまり、オリフィス113を挟んで上流側と下流側との通路が略同径とされており、これによって、アノードオフガスのスムーズな通流を実現することができる。
【0070】
フィルタ部材118b’の底部(上端部)は、導入路111の上端開口から一次室110a内に突出して一次室110a内に露出するように配置されている。これによって、アノードオフガスに同伴された水が一次室110a内に溜まったとしても、この水は、一次室110aの底面110gからフィルタ部材118b’内に好適に流れ込むようになっている。流れ込んだ水は、その自重によってフィルタ118A内からオリフィス113内に流れ、さらにオリフィスホルダ113cの下部内周を伝わって導入路111から通流路ブロック100Bの入口ポート171に排出されることとなる。
【0071】
なお、このフィルタ118Aにおいても、導入路111内において、基部118gの下端部にオリフィスホルダ113cの上端部が密着するように構成されている。これによって、組付時に導入路111内にオリフィスホルダ113cを螺合すると、オリフィスホルダ113cの上端部がフィルタ118Aの基部118gの下端部を押圧し、フィルタ118Aが導入路111の上部内周に形成された段部111g’へ向けて押し付けられる状態となる。これによって、フィルタ118Aは、段部111g’とオリフィスホルダ113cとの間に挟持される状態に強固に固定される。
つまり、組付時には、オリフィスホルダ113cを導入路111内に螺合するだけで、フィルタ118Aおよびオリフィス113(オリフィスホルダ113c)の両方を導入路111内に簡単に固定することができる。
【0072】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、発明の主旨に応じた適宜の変更実施が可能である。
例えば、前記した第1実施形態において、図3に示すように、フィルタ118の小径部118dのうち、弁体130(図2参照)側に位置する先端部118hは、一次室110aの底面110gと同じ高さとなるように配置したが、これに限られることはなく、例えば、図5に示すように、先端部118hを一次室110aの内空に突出させてもよい。
【0073】
このように先端部118hを一次室110aの内空に突出させることによって、先端部の開口118fは、底面110gよりも上側に位置することとなり、一次室110aに滞留する水が生じた場合に、開口118fの高さ分、この水を一次室110aの底面110g上に積極的に貯溜することができる。このように貯留された水は、次回のパージ時に流入したアノードオフガスとともに、一次室110aから二次室120aを通じて排出することが可能である。
【0074】
なお、弁座部117は、開口118fよりも上方に位置しているので、貯留された水が仮に凍結したとしても、これが弁体130の作動に影響を及ぼすことがなく、弁体130を良好に作動させることができる。
【0075】
また、前記した各実施形態では、上流側にオリフィス113を配置し、下流側にフィルタ118、118Aを配置したが、この順序を逆にして配置してもよい。
【0076】
また、オリフィス113は、オリフィスホルダ113cを介して導入路111に組み付けたが、導入路111に直接組み付けるように構成してもよい。
【0077】
また、前記した実施形態では、駆動機構としてソレノイド150を例示したが、これに限られることはなく、他の駆動機構、例えば、離隔して対向位置した永久磁石の磁極面間にコイル部材を配設して通電することにより、電磁力を利用してシャフト140を軸方向に駆動するようにしたボイスコイル型の駆動手段も採用可能である。
【0078】
さらにまた、前記した実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池自動車に搭載された場合を例示したが、その他に例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システムでもよく、また、住居、店舗、オフィス用等として用いられる燃料電池システムでもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 燃料電池システム 100 パージ弁
100A 弁体ブロック 100B 通流路ブロック
110 一次室ボディ(ボディ) 110a 一次室
110g 底面 111 導入路
113 オリフィス 113c オリフィスホルダ
118、118A フィルタ 118b フィルタ部材
120 二次室ボディ(ボディ) 120a 二次室
121 導出路 130 弁体
171 入口ポート 181 出口ポート
192 一方向弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入路を通じて流体が導入される一次室、および導出路を通じて前記流体が導出される二次室が設けられたボディと、
前記一次室と前記二次室との間を連通または遮断し、駆動機構により駆動される弁体と、を有する弁体ブロックと、
前記弁体ブロックに隣接配置され、
前記導入路に通じる入口ポートと、前記入口ポートに通じる出口ポートと、前記導入路の上流側において、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に設けられ、前記入口ポート側から前記出口ポート側への流体の流れのみを許容する一方向弁と、を有する通流路ブロックと、を備えた弁装置において、
前記導入路には、相互に直列に配置されたオリフィスとフィルタとが設けられており、
前記導入路は、
前記弁体ブロックと前記通流路ブロックとの間に配置されて、前記弁体ブロックの前記一次室と前記通流路ブロックの前記入口ポートとを連通するとともに、
前記入口ポート側から前記一次室側に向けて上り傾斜状に形成されていることを特徴とする弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置において、
当該弁装置は、燃料電池を用いたシステムにおいて、前記流体としての反応ガスを排出する排出弁として用いられることを特徴とする弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−58583(P2011−58583A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210368(P2009−210368)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】