説明

患者水分補給システムおよび方法

採尿システムが患者に接続される患者水分補給システムおよび方法。注入システムは、さらに、患者に接続される。輸液ポンプは、水分補給液の供給源に接続される。制御サブシステムは、患者による尿排出量に応答し、患者による尿排出量に基づいて輸液ポンプの注入速度を自動的に調整するように構成される。本発明は、患者に接続された採尿システム、水分補給液源に接続された輸液ポンプを含む患者に接続されている注入システム、および患者による尿排出量に応答し、患者による尿排出量に基づいて輸液ポンプの注入速度を調整するように構成されている制御サブシステムを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要に応じて、患者の正味体液平衡をゼロ、正、または負に維持するために患者の尿排出量に基づいて患者への水分補給速度を自動的に調節する患者水分補給システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者の適切な水分補給が重要である医療処置が多数ある。例えば、冠状動脈および周辺血管カテーテル法治療が行われているときに患者に放射線造影剤を注射した場合、脱水症だと、造影剤腎症(RCN)の発生リスクが高まることが観察されている。RCNは、院内発生腎不全のよくある原因の第3位である。これは、ベースラインの腎不全の患者の5%超で発生し、すでに存在している慢性腎不全および糖尿病の患者の50%で発生する。放射線造影剤は、RCNの発生に寄与すると考えられているさまざまな生理学的効果を持つ。主要な寄与因子の1つは、延髄虚血であり、これは、腎臓/腎内血流および酸素運搬の、造影剤に起因する重大な減少の結果である。延髄虚血は、腎尿細管と呼ばれる、尿生成に関わる髄質の代謝的に活性な領域の虚血および/または死を誘発する。延髄虚血は、腎臓が尿の濃度を制御する通常のプロセスと同時に血漿から放射線造影剤を取り除き、人体から排泄しようと奮闘して酸素需要が高まることに起因する。髄質の酸素消費量は、尿を濃縮する作業に直接関係する。尿中に放射線造影剤が存在することで、腎臓が尿を濃縮することがいっそう困難になるため、髄質の仕事量が、利用可能な酸素供給量を超えてしまい、延髄虚血に至る。
【0003】
RCNの正確な機序は、まだ知られていないが、尿排出量の高い患者は、造影剤損傷に対する脆弱性が低いことが一貫して観察されている。また、尿(および腎臓内の造影剤)が過剰に濃縮されるため、脱水症がRCNのリスクを高める可能性の高いことは明らかである。その結果、RCNに罹りやすい患者は、血管造影検査の前、その最中、およびその後に生理食塩水の静脈内注射を介して水分補給される。水分補給は、特に、心臓および腎臓機能障害をすでに抱えている患者において控え目に実施されるのがふつうであるが、それは、過剰に水分補給した結果、肺水腫(肺に体液が溜まる)、息切れ、挿管の必要性、およびさらには死亡に至る可能性があるからである。したがって、I.V.水分補給からの副作用が予測できないため、RCNのリスクが最も高い患者なのに、RCN(I.V.水分補給)を予防する唯一実証されている療法を受ける可能性が最も低いのである。
【0004】
すでに知られている療法上の、または最適なレベルのI.V.水分補給が広く使用されることを阻む大きな制限は、患者体内に入る流体の量と患者から除去されるか、または排泄される流体の量のバランスをとることが現状ではできないということである。看護婦に患者の尿排出量を頻繁に測定してもらうことは可能であるが、この方法は、看護婦が多数の患者の世話をしなければならない場合が多いという点で実用的でない。それに加えて、尿排出量を測定する正確な唯一の方法は、カテーテルを患者の膀胱に挿入することなのである。カテーテルを使用しないと、患者は、数時間の間、膀胱内に溜まっている可能性のある尿を排泄しなければならない。このときに、I.V.水分補給の量は、腎臓で生産され、膀胱に貯蔵される尿の量よりも著しく少なくなる場合があり、脱水症状を引き起こすことになる。患者は、通常、放射線造影剤を使用する治療時にこのようなカテーテルを持っていないため、尿排出量の有効な測定は可能でない。
【0005】
穏やかなベースライン腎不全を患っている患者のRCNが長期合併症をもたらし、さらには死亡のリスクを高めることさえあるという疑う余地のない科学的証拠があるように思われる。この科学的な知識は、腎機能事後カテーテル法の日常的モニタリングが実施されず、知られている短期臨床的合併症の検証を制限しているため、毎日の臨床診療に及んでいない。
【0006】
それと同時に、臨床診療において、重大な腎不全(血清中クレアチニン(Cr)≧2.0)の患者は、造影剤から重大な直接の損傷を被ることが多いということがかなり認識されている。多くの心臓内科医は、遅延、一晩の水分補給(余分な入院日)、かろうじて効果があるが高価な薬物の投与、あるいはさらには治療を全く行わないことを含めて、これらの患者を護るためにかなりのことをする。
【0007】
米国では年間、入院患者については約100万件、外来患者については200万件の血管造影および血管形成手術が実施されている(2001年のデータに基づいている)。われわれが利用できるRCNの最大の、最も代表的な公表された研究に基づき(7,586人の患者のMayo Clinic PCIレジストリなど)、患者の4%は、重大な腎不全を患っていると考えられる(Cr≧2.0)。この結果、介入心臓病学単独で、年間40000から120000症例の初期市場潜在能力がもたらされる。また、周辺血管手術、CTスキャン、および両心室ペースメーカーリード配置からの潜在的寄与も大きい。RCNの認識が高まるにつれ、市場は、造影を伴うすべての症例の10%以上に増大すると予想することができる。
【0008】
従来技術によれば、人が液体を保持するよりも速く必要な液体を失っているときに、水分補給療法を静脈内(I.V.)で行う。I.V.で水分補給療法を行うことにより、患者は、液体を飲むよりもかなり速く必要な液体を受け入れる。また、脱水は、妊娠悪阻(嘔吐)で強められる可能性があり、したがって、I.V.法では、液体を経口摂取しなくて済む。麻酔剤または鎮静剤を投与された患者は、液体を飲むことができない場合がある。水分補給は、外科手術、ICU、cathlab、腫瘍学センター、および他の多くの臨床環境において使用される。現時点では、水分補給療法は、可膨張式圧力袋および/またはI.V.ポンプを使用して実施される。市場に出回っている多くのI.V.ポンプは、外科手術、ICU利用、およびさらには急速輸液の緊急使用時に周術期水分補給のため液体の急速注入(低速I.V.薬物送達とは反対に)を行うように設計されている。
【0009】
輸液ポンプは、液体を制御しつつ患者にポンプで注入するため医療施設で使用されるデバイスである。このデバイスは、ピストンポンプ、ローラーポンプ、または蠕動ポンプを使用することができ、これに電気的または機械的に動力を供給することができる。このデバイスは、さらに、一定の力を使用して狭いチューブに液体を押し込むように動作することもでき、これは流量を決定する。このデバイスは、注入管路内の空気または注入管路の閉塞などの不具合状態を検出し、アラームを起動する手段を備えることができる。
【0010】
液体の急速注入を行うためのデバイスの一実施例は、Infusion Dynamics (Plymouth Meeting, PA) Power Infuserである。Power Infuserでは、2つの交互注射器をポンピングエンジンとして使用する。液体(薬剤)を送達することのみを意図されているため、Power Infuserは、15%の精度を持つ。これは、他の可能な臨床設定間の周術期に水分補給を行うためコロイドだけでなく晶質をも送達する都合のよい手段となる。麻酔医は、Power Infuserを使用することで、圧力袋で見られるのと同様の速さで注入することができるが、より正確に体積制御を行える。最大注入速度は、6L/時である。液体を0.2、1、2、4、および6L/時の速さで注入する柔軟性を有している。250mLのボーラス設定では、その体積分を2.5分で送達する。大量失血外科患者の場合、Power Infuserを使用することで、大量のコロイドを送達し、血行動態を回復することができる。
【0011】
また、フロセミド(フルセミド)などのループ利尿薬は、ナトリウム再吸収を低減し、その結果、腎臓の酸素消費量を減らすことが当業では知られている。さらに、腎臓の尿回収窩洞内の造影剤の濃度も下げる。これらは、利尿を誘発し(例えば、患者は、大量の非常に希釈された尿を生成する)、腎臓から造影剤を迅速に除去するのに役立つ。理論的には、これらは、RCNに対する防御の第一線でなければならない。実際、これらは、臨床的証拠が実際に有害であることを示唆するまで、この仮定に基づいてRCNを防止するために使用された。つい最近、これらの否定的臨床研究の有効性に関して疑念が生じた。
【0012】
Solomon R.、Werner C、Mann D.ら「Effects of saline, mannitol, and furosemide to prevent acute decreases in renal function induced by radiocontrast agents」、N Engl J Med、1994年、331:1416~1420頁、およびWeinstein J.M.、Heyman S.、Brezis M.「Potential deleterious effect of furosemide in radiocontrast nephropathy」、Nephron 1992年、62:413~415頁による2つの臨床研究において、水分補給プロトコルと比べて、フロセミドを補った水分補給は、造影剤を与えられた高リスク患者の腎機能に悪影響を及ぼしていた。Weinsteinらは、フロセミド治療被験者が平均0.7kgを失ったことを見いだしたが、水分補給だけに対し無作為に選ばれた患者の1.3kgの体重増加が顕著であり、フロセミド治療被験者では、水分補給プロトコルは、不十分であり、患者は過剰な利尿により脱水症状になることが示唆された。
【0013】
臨床問題は、単純であり理解しやすく、利尿は、広範囲にわたって変化し、予測可能であるが、一定の注入速度の液体交換(水分補給)は予め規定されている。肺水腫のリスクを避けるために、液体は、典型的には、体重1kg当たり1ml/時の割合で控え目に与えられる。利尿薬の実際の効果は、典型的には、4時間の間(十分な量の尿が集められ、測定されるまで)わからず、不均衡を是正するには遅すぎ、また難しすぎる。一方で、患者は、わずか70ml/時の速さで交換を受けながら500ml/時の速さで液体を失っている可能性がある。均衡のない強制利尿の効果は、Wakelkampら「The Influence of Drug input rate on the development of tolerance to furosemide」Br J Clin. Pharmacol. 1998年、46:479~487頁による研究論文において例示されている。その研究では、利尿およびナトリウム利尿の曲線は、I.V.フロセミド10mgを10分間にわたりボランティアに注入することにより得られた。その論文から、患者は、この効き目のある利尿薬の投与後、8時間以内に尿1,300mlを失いうることがわかる。75ml/時の速さの標準的な不平衡水分補給では、8時間で600mlを交換するだけである。その結果、患者は、「正味」700mlの体液を失い、脱水症状に至る可能性がある。このような患者が腎臓損傷に対し脆弱である場合、腎障害を被る可能性がある。
【0014】
この概念をさらに明らかにするために、RCNに対する利尿薬療法の効果が最近、Stevensら「A Prospective Randomized Trial of Prevention Measures in Patients at High Risk for Contrast Nephropathy, Results of the PRINCE. Study」JACC Vol.33、No.2、1999年2月、1999:403~11頁によるPRINCE研究において再び調査された。この研究では、尿中排泄の交換とともに血管内容量を一定に状態に保つよう試みながら強制利尿を誘発することは、造影剤誘発腎損傷に対し、重要なことに、ベースラインの腎機能とは無関係に、保護の面から一定の効果のあることがわかった。これは、特に、平均尿流率が150ml/時を超えた場合に当てはまる。強制利尿は、血管造影の最初から始まる静脈内晶質、フロセミド、およびマンニトールで誘発された。
【0015】
PRINCE研究では、Weinstein研究とは対照的に、強制利尿は、血管内容量が一定状態(脱水状態なし)に保たれた場合にRCN患者に有益である可能性があることが示された。しかし残念なことに、今のところ、利尿薬注入に対する反応として患者の尿排出量が急速に、または予測不可能な形で変化するため、薬が使用される状況では、これを実現する実用的な方法はない。専用機器がない場合、看護婦が、15〜30分おきに尿排出量を計算し、それに応じて、I.V.注入量を再調整する必要がある。これは、実験設定で行えるが、この方法は、看護時間が非常に限られ、1人の看護婦が最大10人の患者の介護を監視しなければならないことが多い現在の臨床診療では可能でない。それに加えて、この種の調整および測定が頻繁であるため、人的エラーも生じることが多い。
【0016】
さまざまな薬物および機器を使用して長時間実施されている強制水分補給および強制利尿は、当業で知られている。この療法を、正確で、使用しやすく、安全なものにする新しい方法およびデバイスに対する明確な臨床的必要性がある。
【特許文献1】米国特許第5,910,252号明細書
【特許文献2】米国特許第4,132,644号明細書
【特許文献3】米国特許第4,204,957号明細書
【特許文献4】米国特許第4,923,598号明細書
【特許文献5】米国特許第4,728,433号明細書
【特許文献6】米国特許第5,891,051号明細書
【特許文献7】米国特許第5,176,148号明細書
【特許文献8】米国特許第4,504,263号明細書
【特許文献9】米国特許第4,343,316号明細書
【非特許文献1】Solomon R.、Werner C、Mann D.ら「Effects of saline, mannitol, and furosemide to prevent acute decreases in renal function induced by radiocontrast agents」、N Engl J Med、1994年、331:1416~1420頁
【非特許文献2】Weinstein J.M.、Heyman S.、Brezis M.「Potential deleterious effect of furosemide in radiocontrast nephropathy」、Nephron 1992年、62:413~415頁
【非特許文献3】Wakelkampら「The Influence of Drug input rate on the development of tolerance to furosemide」Br J Clin. Pharmacol. 1998年、46:479~487頁
【非特許文献4】Stevensら「A Prospective Randomized Trial of Prevention Measures in Patients at High Risk for Contrast Nephropathy, Results of the PRINCE. Study」JACC Vol.33、No.2、1999年2月、1999:403~11頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、患者水分補給システムおよび方法を実現することである。
【0018】
本発明の他の目的は、患者の腎障害を防止するこのようなステムおよび方法を実現することである。
【0019】
本発明の他の目的は、放射線造影剤を伴う医療処置を受ける患者を腎障害から護るこのようなステムおよび方法を実現することである。
【0020】
本発明の他の目的は、脱水、水分過剰を防止し、適切な血管内容量を維持することが意図されている平衡機能を組み込んだこのようなステムおよび方法を実現することである。
【0021】
本発明の他の目的は、尿中の体液喪失のバランスを自動的にとる平衡利尿法を実現することである。
【0022】
本発明の他の目的は、正確で、実施しやすく、操作が簡単なこのようなステムおよび方法を実現することである。
【0023】
本発明の他の目的は、I.V.ループ利尿薬として知られている薬物による強制利尿を行う臨床的状況において特に有用なこのようなシステムおよび方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、具体的には造影剤腎症、一般的には患者脱水症は、患者の尿排出量を自動的に測定し、患者への水分補給液体の供給速度を調節して、必要に応じて患者体内のゼロ、正、または負の正味体液平衡を達成することにより防止できるという認識の結果である。
【0025】
しかし、本発明は、他の実施形態では、これらの目的すべてを達成する必要はなく、本明細書の請求項は、これらの目的を達成することができる構造または方法に限定されるべきではない。
【0026】
本発明は、患者に接続された採尿システム、水分補給液源に接続された輸液ポンプを含む患者に接続されている注入システム、および患者による尿排出量に応答し、患者による尿排出量に基づいて輸液ポンプの注入速度を調整するように構成されている制御サブシステムを特徴とする。
【0027】
一実施例では、制御システムは、採尿システムに応答し、患者からの尿排出量を測定するように構成された計測器およびこの計測器に応答するコントローラを備える。典型的には、採尿システムは、採尿槽に接続された導尿カテーテルを備える。一実施形態では、計測器は、採尿槽内の尿を計量し、尿の重量に対応する値をコントローラに出力するための計量機構である。コントローラおよび計量機構は、別々のコンポーネントにするか、またはコントローラおよび計量機構は、一体化することができる。一実施形態では、計量機構は、秤である。他の実施形態では、計量機構は、歪みゲージである。しかし、尿排出量(例えば、体積または流量)を測定する他の種類の計測器は、本発明の範囲内にある。
【0028】
典型的には、コントローラは、尿重量の変化率を求め、尿重量の変化率に基づいて所望の注入速度を計算し、計算された所望の注入速度に基づいて輸液ポンプの注入速度を調節するようにプログラムされる。
【0029】
コントローラサブシステムは、ユーザーが所定の期間内に水分補給レベルを設定できるように構成されたユーザーインターフェイスを備えることが好ましい。ユーザーインターフェイスは、さらに、正味液体の増減を示すディスプレイ、および経過時間を示すディスプレイを備えることもできる。ユーザーインターフェイスは、ユーザーが水分補給の持続時間を設定することができ、またユーザーが所望の正味体液平衡を設定できるように構成することができる。制御サブシステムは、さらに、空気検出器を備えるアラームサブシステムを備えることもできる。制御サブシステムは、空気検出器に応答し、また指定量を超える空気が検出された場合に輸液ポンプを停止するように構成される。アラームサブシステムは、採尿システムに応答することができ、また採尿システムがその限度容量に達したときにそのことを示すように構成されることもできる。アラームサブシステムは、注入システムに応答することもでき、また注入サブシステムに水分補給液体が十分にない場合にそのことを示すように構成されることもできる。
【0030】
システムは、さらに、利尿薬投与システムおよび/または尿ポンプを備えることができる。
【0031】
本発明による患者水分補給システムの一実施例は、採尿システムおよび患者に接続された注入システムを備える。計測器を備える制御サブシステムは、採尿システムに応答し、患者からの尿排出量を測定するように構成される。コントローラは、計測器に応答し、患者の尿排出量に基づいて注入システムの注入速度を調整するように構成される。
【0032】
本発明による一患者水分補給システムは、患者に水分補給をするための注入システム、および患者による尿排出量を自動的に測定し、注入システムの注入速度を調整する水分補給平衡手段を特徴とする。好ましい実施形態では、水分補給平衡手段は、採尿システムに応答し、患者からの尿排出量を測定するように構成された計測器を備える。コントローラは、注入システムを制御するための計測器に応答する。典型的には、注入システムは、輸液ポンプを備え、コントローラは、計測器の出力に基づきポンプの注入速度を調整するように構成される。
【0033】
本発明により患者に水分補給をする方法は、患者の尿排出量を測定する段階、患者に水分補給液を注入する段階、および患者の尿排出量に基づいて注入速度を自動的に調整する段階を含む。尿排出量を測定する段階は、典型的には、患者にカテーテルを挿入することを含む。尿排出量を測定する段階は、さらに、患者による尿排出量を計量することを含むことができる。典型的には、注入速度を調整する段階は、患者による尿排出量の変化率を求めること、尿排出量の変化率に基づいて所望の注入速度を計算すること、計算された所望の注入速度に基づいて注入速度を調節することを含む。
【0034】
この方法は、さらに、所定の期間内に水分補給レベルを設定する段階、正味液体増減を表示する段階、経過時間を表示する段階、患者の水分補給持続時間を設定する段階、および/または患者に水分補給液を注入する段階において空気を検出し、指定量を超える空気が検出された場合に水分補給を停止する段階を含むことができる。
【0035】
患者の尿排出量を測定することは、採尿システムを使用することを含むことができ、この方法はさらに、採尿システムがその限度容量に達したときにそのことを示す段階を含む。患者に注入する段階は、水分補給液体源とともに採尿システムを使用することを含むことができ、この方法はさらに、注入システムに水分補給液が不足しているときにそのことを示す段階を含む。この方法は、さらに、利尿薬を患者に投与する段階を含むことができる。
【0036】
本発明による患者の改善された水分補給の方法は、患者に導尿カテーテルを入れること、患者に水分補給I.V.を施すこと、患者から採尿すること、採取された尿の体積を監視すること、および採取された尿の体積に基づいてI.V.水分補給速度を自動的に調整することを特徴とする。患者の腎臓損傷は、患者から採尿し、患者において作られる尿の量を監視し、I.V.水分補給液で患者に水分補給し、監視されている尿排出量に基づいて前記水分補給の速度を自動的に調整して脱水症状を防止することにより防止される。
【0037】
患者の腎損傷を防止する一方法は、患者に利尿薬を投与して尿生産を高める段階、患者に導尿カテーテルを入れる段階、患者に水分補給I.V.を施す段階、患者から採尿する段階、採取された尿の体積を監視する段階、および採取された尿の体積に基づいてI.V.水分補給速度を自動的に調整する段階を含む。
【0038】
放射線造影剤を伴う医療処置を受ける患者は、患者に利尿薬を投与して尿生産を高めること、患者に導尿カテーテルを入れること、患者に水分補給I.V.を施すこと、患者から採尿すること、採取された尿の体積を監視すること、採取された尿の体積に基づいてI.V.水分補給速度を自動的に調整すること、および患者に放射線造影剤を投与することにより腎損傷から護られる。
【0039】
他の目的、特徴、および利点については、当業者であれば、好ましい実施形態および付属の図面に関する以下の説明から気づくであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下で開示されている好ましい1つまたは複数の実施形態とは別に、本発明は、他の実施形態を実施することができ、またさまざまな方法で実施もしくは実行することができる。そこで、本発明は、その用途において、以下の説明で述べられている、または図面に例示されているコンポーネントの構造および配置の詳細に限定されないことは理解されるであろう。本明細書で一実施形態のみが説明されている場合でも、その請求項は、その実施形態に限定されない。さらに、その請求項は、何らかの除外事項、制約事項、または免責事項を明示する明確で納得の行く証拠がない限り、限定されているものと解釈すべきではない。
【0041】
本発明による図1の患者水分補給システム10は、患者Pに接続された採尿システム12を含む。注入システム20は、典型的には、配管28による注入液26(例えば、食塩水)の供給源24に接続された輸液ポンプ22(例えば、蠕動ポンプ)などの注入デバイスを備える。I.V.針30は、患者Pの血管内に挿入され、配管32を介して輸液ポンプ22に接続される。
【0042】
制御システムまたは水分補給平衡手段34は、患者による尿排出量を検出し、輸液ポンプ22の注入速度を自動的に調整して、必要に応じて、患者のゼロ、正、または負の正味体液平衡を達成する。典型的には、採尿システム12は、患者Pの膀胱B内に置かれるカテーテル14(例えば、フォーレイカテーテル)を含む。配管16は、カテーテル14を計測器36に接続する。典型的にはプログラム可能な、コントローラ38は、計測器36の出力に応答し、輸液ポンプ22の注入速度を調整するように構成されている。
【0043】
一実施例では、図1の計測器36は、図2の秤50などの重量測定デバイスである。ここでは、秤50上の採尿槽52は、配管16を介してカテーテル14に接続されている。秤50は、尿の重量または尿と水分補給液の組み合わせ重量(この場合、正味ゼロの水分補給を維持するため、目盛読み取りは一定に保たれなければならない)または尿の重量と採尿槽52内の水分補給液の重量との差に対応する信号をコントローラ38に出力する。本発明の患者水分補給システムは、さらに、患者Pに挿入され、配管66を介して供給源62に接続されているI.V.64を介して投与されるフロセミドなどの利尿薬の供給源62を含む利尿薬投与システム60を備えることができる。他の実施形態では、配管66は、標準的な臨床技術を使用して水分補給I.V.30を介して患者Pに接続することができる。また、必要ならば、例えば、蠕動ポンプ70などの尿ポンプを使用して、膀胱Bから尿を採尿槽52に追い込み、詰まっている場合にはカテーテル14を自動的にフラッシングすることができる。採尿ポンプ70の利点は、採尿槽または袋52を患者Pに合わせて任意の高さにできることである。図に示されているように、水分補給液26が入っている槽24は、さらに、重量差が使用される一実施形態の秤50上に置くこともできる。コントローラ(38)の電子回路およびソフトウェアは、尿排出量を積分し(例えば、15または30分おきに)、コントローラにより実行されるアルゴリズムに従って、輸液ポンプ22の注入速度設定を変更することができる。
【0044】
電子コントローラ38は、医師が所望の(例えば正の)水分補給正味目標値を設定することができるより高度な機能を組み込むこともできる。例えば、医師は、4時間で400mlの正の正味利得が得られるようにコントローラを設定することができる。コントローラ38は、軌道を計算し、それに応じて尿排出量を超えるように輸液ポンプ流量設定を調整する。例えば、4時間にわたって正の正味利得400mlを達成するため、コントローラ38は、15分間隔で患者が作り出す尿の体積に加えてさらに25mlの水分補給液を15分おきに注入することができる。
【0045】
図3の実施形態では、プログラム可能コントローラおよび計量機構が、コントローラユニット34´´に一体化される。患者(図1参照)は、病院のベッドまたは手術台80上に置かれる。水分補給I.V.30および採尿(フォーレイ)カテーテル14は、標準的な方法を使用して挿入される。コントローラの電子回路および輸液ポンプ22´は、制御サブシステム34´´のコンソール82の単一エンクロージャ内に組み込まれる。コンソール82は、I.V.ポール84に取り付けられる。
【0046】
制御サブシステム34´´は、さらに、患者内に空気を注入することを防ぐ電子空気検出器86も備えることができる。空気検出器86は、超音波タイプであり、注入配管32内を移動する約50マイクロリットルを超える量の空気を検出することができる。一実施例では、空気検出器86は、液体および気体媒質中の音速の差に基づく技術を使用する。気泡が検出された場合、ポンプ22´は、ほぼ瞬時に停止される。
【0047】
コンソール82は、電子歪みゲージなどの1つまたは複数の秤、および採尿槽52内の採取された尿の重量および、必要ならば、槽26内の残りの水分補給液の重量を定期的に検出する他の手段を備えることができる。提案されている実施形態では、採取された尿が入っている袋52および水分補給液26が入っている袋24は、バランスに接続されているフック90および92につり下がっている。液体の入っている袋は、フックからぶら下がっており、レバー系統が力を歪みゲージ22´などの秤に変換する。歪みゲージは、力をコントローラ34´´で読み取れる電子信号に変換する。尿の入っており、ぶら下がっている袋の重量を正確に測定するのに好適な電子デバイスは、Strain Measurement Devices社(130リサーチパークウェイ、メリデン、コネチカット州、06450)から入手できる。これらのデバイスは、採取された尿の1または2リットルのプラスチック袋などの医療用液体を入れた容器の重量を正確に測定し、監視するために必要な電子回路および機械的コンポーネントを備える。例えば、Strain Measurement Devices社の過負荷防止単一点ロードセルモデルS300およびモデルS215ロードセルは、特に、医療機器用途の秤、秤量瓶、または袋に適している。これらのデバイスには、オプション、およびさまざまな仕様および取り付け構成が用意されている。これらの低プロフィル単一点センサは、2、4、および12ポンドの力のフルスケールの力の正確な測定を必要とする空間が限られている用途を対象としている。これらは、頑丈に取り付けられたプラットフォームとともに使用することができるか、または張力または圧縮力を測定するために使用することができる。10,000Ωのホイートストンブリッジは、低消費電力を実現して、携帯型製品の電池寿命を延ばす。重量情報に応答してポンプからの流量を制御するコントローラを使用して医療用液体のバランスをとるために使用される重量測定秤の他の実施例は、参考文献として本願明細書に援用される米国特許第5,910,252号明細書、第4,132,644号明細書、第4,204,957号明細書、第4,923,598号明細書、および第4,728,433号明細書で説明されている。
【0048】
重量を測定し、それをコンピュータ入力に変換する方法で多数当業で知られていることは理解される。実装に関係なく、重量測定の目的は、袋52内の採取された尿の増大する重量を検出し、尿流量に基づいて注入または水分補給速度を調整することである。
【0049】
コンソール82は、さらに、典型的にはユーザーインターフェイスを備える。このインターフェイスでは、ユーザーは、水分補給の持続時間、および末端での所望の正味体液平衡の2つの主要な治療パラメータを設定(ダイアルイン)することができる。正味体液平衡は、液体増減がないのが望ましい場合に0にすることができる。コンソール上の表示インジケータは、治療の現在状態、つまり、経過時間100および正味液体増減102を示す。
【0050】
ユーザーインターフェイスは、さらに、アラーム104を含むこともできる。秤で検出されたように、アラームは、液体袋が空である、採尿袋が満杯であるなどの治療事象をユーザーに知らせる。提案されている一実施形態では、尿は、重力で集められる。採尿が、何かの理由で不意に停止した場合、システムは、液体のI.V.注入を減らし、必要ならば停止し、ユーザーにアラームで知らせる。それとは別に、コンソールは、輸液ポンプ22に類似の第2の(尿)ポンプ(図2のポンプ70を参照)を備えることができる。この構成には、排出用の袋の高さに依存しないという利点があり、また詰まった場合に、ポンプの流れ方向を一時的に逆転することにより図3のカテーテル14を自動的にフラッシングする機能がある。
【0051】
図4は、所望の治療を実行するためにコントローラ34´´のコントローラソフトウェアにより使用することができるアルゴリズムを例示している。このアルゴリズムは、コントローラの内部タイマークロックに基づいて定期的に実行される。アルゴリズムは、デバイスの性能および安全性を向上させるために、さらに複雑なものにすることができることは理解される。図3のコントローラ34´´は、尿重量の変化率を求め(図4の段階110および112)、尿重量の変化率に基づいて所望の注入速度を計算し(段階114)、計算された所望の注入速度に基づいて図3の輸液ポンプ22の注入速度を調節する(図4の段階116)ようにプログラムされる。
【0052】
今までのところ、本発明は、出願人に現在知られている最良の様式に関して説明されている。しかし、本発明は、これらの開示されている実施形態に限定されるべきではない。むしろ、本発明は、付属の請求項の精神と範囲内に収まるさまざまな修正形態および等価な配置すべてを対象とする。特に、本発明を例示するために使用される実施形態は、平衡をとるために採取された尿の重量を使用する。臨床的に重要なのは尿の体積であるが、尿の重量は、どのような実用上の目的に関しても同等であると理解される。本出願の目的に関して、尿100グラムは、尿100mlと同じである。本発明の時点では、重量を測定することが体積を測定することよりも実用的であり、重量は、ほとんど水からなる液体の体積の臨床的に受け入れられる代替え量として使用されることが多いと考えられる。実用上の目的に関して、尿および水分補給液の比重(物質の比重は、その密度と水の密度との比較である)は、水と同じである。当業者であれば、容器中の液体のカラムの高さを監視する計測器を直接使用するか、または時間に関するポンプの行程の知られている体積を積分することにより体積を測定することが可能であることを理解するであろう。使用される正確なに計測器は、尿排出量と水分補給との平衡関係について本発明を変えない。さらに、図5の流量計36´は、患者Pの尿排出量を測定するために使用すること可能であり、流量に対応する信号をコントローラ38に供給することが可能である。図5の尿流量計36´は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,891,051号、第5,176,148号、第4,504,263号、および第4,343,316号で開示されているデバイスのうちの1つとすることができる。
【0053】
また、イスラエルの医療機器メーカーSFM Ltd.社(14 オホリアフ゛ストリート、エルサレム、94467)は、本発明とともに使用するのに好適な電子流量計を製造、販売している。SFM Ltd.社によるUREXACT 2000 Systemは、革新的使い捨て型採尿ユニットと再利用可能自動電子計測器とを組み合わせて正確な尿監視を行う正確な電子尿測定デバイスである。UREXACT 2000は、流量を測定する超音波法に基づく。
【0054】
したがって、本発明の具体的特徴は、いくつかの図面で示され、他の図面では示されていないが、それぞれの特徴は、本発明による他のどれか、またはすべての特徴と組み合わせることができるため、このことは便宜上のことにすぎない。本明細書で使用されているような「含む」、「備える」、「持つ」、「有する」という言葉は、広い意味で、包括的に解釈されるべきであり、物理的相互接続に限定されない。さらに、本出願で開示されている実施形態は、可能な唯一の実施形態として解釈すべきではない。他の実施形態も、当業者であれば思い付くものであり、請求項の範囲内にある。
【0055】
さらに、本特許の特許出願の審査手続き中に提示された修正は、提出された出願に提示されている請求要素の権利放棄ではない。つまり、当業者は、可能なすべての等価物を文字通り包含する請求項を草稿することを無理なく予想されることはできず、多くの等価物は、修正の時点では予見不可能であり、権利放棄されるべき内容の公正な解釈を超えており(もしあれば)、修正の基礎をなす論理的根拠は、多くの等価物に対しわずかに触れる程度の関係しか持ち得ず、および/または出願人が修正された請求要素のいくつかの実質的とはいえない代替えを説明すると予測されることはできない他の多くの理由がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による患者水分補給システムの一実施例の略図である。
【図2】患者による尿排出重量が測定され、輸液ポンプの注入速度を制御するため入力として使用される本発明による患者水分補給システムの一実施形態の略図である。
【図3】コントローラおよび計量機構が単一制御サブシステムユニットに一体化されている本発明による患者水分補給システムの他の実施形態の略図である。
【図4】本発明のコントローラに関連するソフトウェアおよび患者の尿排出量に基づいて注入速度を調整する方法の一実施例を示す流れ図である。
【図5】患者による尿排出量を測定するために流量計が使用される本発明の他の実施形態を示す略図である。
【符号の説明】
【0057】
B 膀胱
P 患者
10 患者水分補給システム
12 採尿システム
14 カテーテル
16 配管
20 注入システム
22 輸液ポンプ
22´ 輸液ポンプ
24 供給源
26 注入液
28 配管
30 I.V.針
32 配管
34 制御システムまたは水分補給平衡手段
34´´ コントローラユニット
36 計測器
38 コントローラ
50 秤
52 採尿槽
60 利尿薬投与システム
62 供給源
64 I.V.
66 配管
70 蠕動ポンプ
80 病院のベッドまたは手術台
82 コンソール
86 電子空気検出器
90および92 フック
100 経過時間
102 正味液体増減

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者水分補給システムであって、
前記患者に接続されている採尿システムと、
水分補給液の供給源に接続された注入デバイスを備える前記患者に接続されている注入システムと、
前記患者による尿排出量に応答し、前記患者による前記尿排出量に基づいて前記輸液ポンプの注入速度を調整するように構成される制御システムと、を備えることを特徴とする患者水分補給システム。
【請求項2】
前記注入デバイスは、ポンプであることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項3】
前記注入システムは、前記患者に接続されている静脈内注射針またはカテーテルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項4】
前記制御システムは、
前記採尿システムに応答し、前記患者からの前記尿排出量を測定するように構成される計測器と、
前記計測器に応答するコントローラと、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項5】
前記採尿システムは、採尿槽に接続された導尿カテーテルを備えることを特徴とする、請求項4に記載の患者水分補給システム。
【請求項6】
前記計測器は、前記採尿槽内の尿を計量し、前記尿の重量に対応する値を前記コントローラに出力するための計量機構であることを特徴とする、請求項5に記載の患者水分補給システム。
【請求項7】
前記コントローラおよび前記計量機構は、別々のコンポーネントであることを特徴とする、請求項6に記載の患者水分補給システム。
【請求項8】
前記計量機構は、秤であることを特徴とする、請求項7に記載の患者水分補給システム。
【請求項9】
前記コントローラおよび前記計量機構は、一体化されていることを特徴とする、請求項6に記載の患者水分補給システム。
【請求項10】
前記計量機構は、歪みゲージであることを特徴とする、請求項9に記載の患者水分補給システム。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記尿重量の変化率を求め、
前記尿重量の変化率に基づいて所望の注入速度を計算し、及び
前記計算された所望の注入速度に基づいて前記輸液ポンプの注入速度を調整するようにプログラムされることを特徴とする、請求項6に記載の患者水分補給システム。
【請求項12】
前記計測器は、流量計であることを特徴とする、請求項4に記載の患者水分補給システム。
【請求項13】
前記制御システムは、ユーザーインターフェイスを備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項14】
前記ユーザーインターフェイスは、ユーザーが所定の期間内に水分補給レベルを設定できるように構成されることを特徴とする、請求項13に記載の患者水分補給システム。
【請求項15】
前記ユーザーインターフェイスは、正味液体増減を示すディスプレイを備えることを特徴とする、請求項13に記載の患者水分補給システム。
【請求項16】
前記ユーザーインターフェイスは、経過時間を示すディスプレイを備えることを特徴とする、請求項13に記載の患者水分補給システム。
【請求項17】
前記ユーザーインターフェイスは、ユーザーが水分補給持続時間を設定できるように構成されることを特徴とする、請求項13に記載の患者水分補給システム。
【請求項18】
前記ユーザーインターフェイスは、ユーザーが所望の正味体液平衡を設定できるように構成されることを特徴とする、請求項13に記載の患者水分補給システム。
【請求項19】
前記制御システムは、アラームサブシステムを備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項20】
前記アラームサブシステムは、空気検出器を備え、
前記制御システムは、前記空気検出器に応答し、指定量を超える空気が検出された場合に前記輸液ポンプを停止するように構成されることを特徴とする、請求項19に記載の患者水分補給システム。
【請求項21】
前記アラームサブシステムは、前記採尿システムに応答し、前記採尿システムがその限度容量に達したときにそのことを示すように構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の患者水分補給システム。
【請求項22】
前記アラームサブシステムは、前記注入システムに応答し、前記注入サブシステムに水分補給液の不足が生じたときにそのことを示すように構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の患者水分補給システム。
【請求項23】
利尿薬投与システムをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項24】
前記採尿システムは、尿ポンプを備えることを特徴とする、請求項1に記載の患者水分補給システム。
【請求項25】
患者水分補給システムであって、
前記患者に接続されている採尿システムと、
前記患者に接続されている注入システムと、
制御システムであって、
前記採尿システムに応答し、前記患者からの前記尿排出量を測定するように構成される計測器と、
前記計測器に応答し、前記患者の前記尿排出量に基づいて前記注入システムの注入速度を調整するように構成されるコントローラと、を含む前記制御システムと、を備えることを特徴とする患者水分補給システム。
【請求項26】
前記計測器は、前記尿を計量し、前記尿の重量に対応する値を前記コントローラに出力するための計量機構であることを特徴とする、請求項25に記載の患者水分補給システム。
【請求項27】
患者水分補給システムであって、
前記患者に水分補給するための注入システムと、
前記患者による尿排出量を自動的に測定し、前記注入システムの前記注入速度を調整するための水分補給平衡手段と、を備えることを特徴とする患者水分補給システム。
【請求項28】
前記水分補給平衡手段は、
採尿システムに応答し、前記患者からの前記尿排出量を測定するように構成される計測器と、
前記注入システムを制御するための前記計測器に応答するコントローラと、を備えることを特徴とする、請求項27に記載の患者水分補給システム。
【請求項29】
前記注入システムは、輸液ポンプを備えることを特徴とする、請求項28に記載の患者水分補給システム。
【請求項30】
前記コントローラは、前記計測器の出力に基づき前記ポンプの前記注入速度を調整するように構成されることを特徴とする、請求項29に記載の患者水分補給システム。
【請求項31】
患者に水分補給する方法であって、
前記患者の前記尿排出量を測定する段階と、
前記患者に水分補給液を注入する段階と、
前記患者の前記尿排出量に基づいて前記注入速度を自動的に調整する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
前記尿排出量を測定する段階は、前記患者にカテーテルを挿入する段階を含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者にカテーテルを挿入する段階は、前記患者の尿道内に導尿カテーテルを挿入する段階を含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記尿排出量を測定する段階は、前記患者による前記尿排出量を計量する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記注入速度を調整する段階は、
前記患者による前記尿排出量の変化率を求める段階と、
前記尿排出量の変化率に基づいて所望の注入速度を計算する段階と、
前記計算された所望の注入速度に基づいて前記注入速度を調整する段階と、を含むことを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
所定の期間内に水分補給レベルを設定する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記正味液体増減を表示する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記経過時間を表示する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記患者の水分補給の持続時間を設定する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記患者に水分補給液を注入する段階において空気を検出し、指定量を超える空気が検出された場合に水分補給を停止する段階を含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記患者の前記尿排出量を測定する段階は、採尿システムを使用する段階を含み、
前記方法は前記採尿システムがその限度容量に達したときにそのことを示す段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記患者に注入する段階は、水分補給液供給源とともに注入システムを使用する段階を含み、
前記方法は注入システムに水分補給液が不足しているときにそのことを示す段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
利尿薬を前記患者に投与する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
患者への改善された水分補給を行うための方法であって、
前記患者に導尿カテーテルを入れる段階と、
前記患者に水分補給I.V.を施す段階と、
前記患者から採尿する段階と、
前記採取された尿の体積を監視する段階と、
前記採取された尿の前記体積に基づいてI.V.水分補給の速度を自動的に調整する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項45】
患者の腎臓損傷を防止する方法であって、
前記患者から採尿する段階と、
前記患者によって作られる尿の量を監視する段階と、
前記患者にI.V.水分補給液で水分補給する段階と、
前記監視された尿排出量に基づいて前記水分補給の速度を自動的に調整して脱水症を防止する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
患者の腎臓損傷を防止する方法であって、
前記患者に導尿カテーテルを入れる段階と、
前記患者に水分補給I.V.を施す段階と、
前記患者から採尿する段階と、
前記採取された尿の体積を監視する段階と、
前記採取された尿の前記体積に基づいてI.V.水分補給の速度を自動的に調整する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
利尿薬を前記患者に投与して尿産生を高める段階をさらに含むことを特徴とする、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
放射線造影剤を伴う医療処置を受ける患者を腎臓損傷から保護する方法であって、
前記患者に導尿カテーテルを入れる段階と、
前記患者に水分補給I.V.を施す段階と、
患者から採尿する段階と、
前記採取された尿の体積を監視する段階と、
前記採取された尿の前記体積に基づいてI.V.水分補給の速度を自動的に調整する段階と、
前記患者に前記放射線造影剤を投与する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
利尿薬を前記患者に投与して尿産生を高める段階をさらに含むことを特徴とする、請求項48に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−512179(P2008−512179A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531154(P2007−531154)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/008948
【国際公開番号】WO2006/031249
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(507075602)ピーエルシー・メディカル・システムズ・インク (4)
【Fターム(参考)】