説明

情報処理装置、ナビゲーション装置、および地図データ表示方法

【課題】地図を表示するシステムにおいて、簡単な操作で表示している地図の縮尺率の変更することを実現する。
【解決手段】タッチパネル210を備えた表示装置200と、ナビゲーション装置100とを備えたシステムに、表示装置200に地図を表示させる表示制御部110と、表示中の地図の縮尺率を上げて詳細な地図の表示に変更する第1モード、および縮尺率を下げて広域な地図の表示に変更する第2モードのいずれかのモードに設定するモード設定部120と、設ける。表示制御部110は、タッチパネル210からの信号を受けると、モード設定部120から設定されているモードを取得し、取得したモードが第1モードの場合、表示中の地図よりも縮尺率の高い地図を表示装置200に表示し、取得したモードが第2モードの場合に表示中の地図よりも縮尺率の低い地図を表示装置200に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを表示装置に表示させる情報処理装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置等の情報処理装置には、利用者からの要求に応じて表示している地図を拡大表示し、或いは縮小表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のナビゲーション装置は、表示画面上にタッチスイッチが配置されている表示装置を備え、タッチスイッチが検出した押圧回数により、表示する地図の縮尺率を算出し、表示している地図を算出した縮尺率の地図に変更している。また、特許文献1には、表示画面上の押された領域により、地図を拡大するか縮尺するかを特定する例も開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−216398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1は、以下の問題を有している。具体的には、特許文献1では、タッチスイッチが押下されてから所定時間内の押下回数で縮尺率を算出している。そのため、特許文献1では、利用者の所望する縮尺率の地図が表示されるまでに複数回の押下操作を行う必要が生じることがある。また、特許文献1では、所定回数を押下する操作に加え、さらに、その前段階として拡大するか縮小するかのボタン操作が必要であり面倒である。なお、拡大するか縮小するかのボタン操作を行う際、利用者の目線が地図データ(利用者が見つけた地図上の位置)から外れてしまう可能性があり不便である。
【0005】
また、特許文献1の他の方法では、拡大するか縮小するかの操作を行う必要はないが、利用者は、拡大を指示する領域と、縮小を指示する領域を記憶していることが前提であり、利用者に負担をかけてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、地図データを表示する情報処理装置において、簡単な操作により、表示している地図の縮尺率の変更を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、地図データを表示装置に表示する情報処理装置に適用される。ここで、前記表示装置の表示画面上には、利用者からの接触を検知し、該検知したことを示す信号を前記情報処理装置に出力するタッチパネルが設けられている。
【0008】
そして、前記情報処理装置は、地図を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶している地図を用いて、前記表示装置に表示させる地図データを生成して該地図データを前記表示装置に表示させる表示制御手段と、前記表示している地図データの縮尺率を上げて詳細な地図データの表示に変更する第1のモード、および該縮尺率を下げて広域な地図データの表示に変更する第2のモードのうちのいずれかにモードを設定し、該設定されたモードを示すモード情報を保持するモード設定手段と、を有し、前記表示制御手段は、予め定められた複数の縮尺率の地図データの生成が可能であって、前記タッチパネルからの信号を受け付けると、前記モード設定手段からモード情報を取得し、該取得したモード情報が前記第1のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を上げた詳細な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した詳細な地図データの表示に変更し、該取得したモード情報が前記第2のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率の低い広域な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した広域な地図データの表示に変更する。
【発明の効果】
【0009】
このように本発明では、表示画面上に設けられたタッチパネルが利用者からの接触を検知すると、モード設定手段に設定されているモード情報にしたがい、表示している地図の縮尺率を変更するようにしている。したがって、本発明の情報処理装置では、利用者は、表示画面を一回触るだけの簡単な操作で、表示している地図の縮尺率を変更させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
最初に本発明の実施形態が適用された地図を表示するナビゲーションシステムの概略構成について、図1を用いて説明する。なお、以下では、本実施形態が車載用ナビゲーションシステムに適用された場合を例にするが、特にこれに限定されるものではない。例えば、地図を表示するPC等の情報処理装置に本発明を適用するようにしてもよい。
【0012】
図1は、本発明の実施形態が適用された車載用ナビゲーションシステム(以下において単に「ナビゲーションシステム」という)の概略構成図である。
【0013】
図示するように、ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置100と、表示装置200と、道路を構成するリンクデータを含む地図情報等が記憶された記憶装置300と、スクロールキーやハードスイッチ等を備える入力装置400と、音声入出力装置500と、GPS(Global Positioning System)受信装置600と、車輪速センサ700と、地磁気センサ800と、ジャイロ900と、を有する。また、表示装置200の表示画面上にはタッチパネル210が配置されている。利用者が、タッチパネル210が配置されている表示画面上の任意の位置に接触すると(例えば、表示画面に指で触れると)、タッチパネル210は、接触されたことを検知し、接触を検知したことを示す信号をナビゲーション装置100に出力する。
【0014】
ナビゲーション装置100は、利用者に提供する各種情報を処理するための中心的ユニットである。ナビゲーション装置100は、記憶装置300に記憶されている地図情報を読み出し、その地図情報を用いて地図画像データを生成し、生成した地図画像データを表示装置200に表示する。また、ナビゲーション装置100は、利用者からのワンタッチ操作で、表示している地図画像データの縮尺率を変更する。
【0015】
さらに、ナビゲーション装置100は、各種センサ700〜900やGPS受信装置600から出力される情報を基にして現在位置を算出する。ナビゲーション装置100は、算出した現在位置の周辺の地図情報を記憶装置300から読み出し、その読み出した地図情報を用いて、地図上に現在位置を示すマークを重ねた地図画像データを生成し、生成した地図画像データを表示装置200に表示する。また、ナビゲーション装置100は、算出した現在位置と利用者から指示された目的地とを結ぶ推奨経路を探索し、音声入出力装置500や表示装置200を用いて利用者を目的まで誘導する。
【0016】
表示装置200は、ナビゲーション装置100で生成された地図画像データ等の画像データを表示するユニットで、CRTや液晶ディスプレイ等により構成される。また、ナビゲーション装置100と表示装置200との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National TV Standards Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0017】
また、表示装置200の表示画面上に貼られたタッチパネル210は、表示している地図画像データの縮尺率の変更要求を受け付ける。すなわち、利用者は、タッチパネル210が貼られた表示画面を触れる(タッチする)ことで、ナビゲーション装置100に、表示中の地図画像データの縮尺率の変更を要求する。なお、本実施形態では、タッチパネル210は、地図画像データの縮尺率の変更表示要求だけを受け付ける。利用者からの他の操作要求は、入力装置400や音声入出力装置500が受け付ける。
【0018】
記憶装置300は、日本列島の全体図から全国各市町村の詳細図まで多段階の縮尺に対応した地図情報等のデータを記憶するユニットである。なお、記憶装置300には、例えば、DVD装置やハードディスク装置を用いることができる。
【0019】
入力装置400は、ナビゲーションシステムの各種機能選択、目的地設定等の利用者からの指示を受け付けるユニットで、スクロールキー、戻るスイッチなどのハードスイッチ等で構成される。例えば、入力装置400は、スクロールキー等により、表示している地図の「スクロール表示」の要求を受け付ける。
【0020】
音声入出力装置500は、ナビゲーション装置100で生成した利用者へのメッセージを音声信号に変換して出力すると共に、利用者が発した声を認識し、認識した内容をナビゲーション装置100に転送する。
【0021】
続いて、ナビゲーション装置100の機能構成を説明する。なお、本実施形態のナビゲーション装置100は、表示している地図画像データの縮尺率を上げて詳細な地図画像データの表示に変更する「詳細変更モード」、および、表示している地図画像データの縮尺率を下げて広域な地図画像データの表示に変更する「広域変更モード」の2つのモードが設定可能に構成されている。利用者は、タッチパネル210を触れることにより、表示している地図画像データの縮尺率の変更を要求する。そして、ナビゲーション装置100は、タッチパネル210を介して、縮尺率の変更要求を受け付けると、設定されているモードを参照して、表示中の地図画像データの縮尺率を変更する。
【0022】
具体的には、ナビゲーション装置100は、表示制御部110、モード設定部120、入力部130、現在位置算出部140、経路探索部150、および経路誘導部160を有する。
【0023】
モード設定部120は、ナビゲーション装置100に、詳細変更モード(以下「詳細モード」という)」および「広域変更モード(以下「広域モード」という)」のいずれかのモードを設定する。具体的には、モード設定部120は、後述する表示制御部110からの「モード設定指示(設定するモードを指定する指示)」を受け付ける。そして、モード設定部120は、ナビゲーション装置100内に設けられているレジスタ(図示しない)等のメモリデバイスに、「モード設定指示」で指定されたモードを示すモード情報を格納する。レジスタには、「広域モード」を示すモード情報および「詳細モード」を示すモード情報のうちの一方が格納される。
【0024】
モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」が「広域モード」を設定する指示の場合に、レジスタに「広域モード」を示す情報を格納する。モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」が「詳細モード」を設定する指示の場合に、レジスタに「詳細モード」を示す情報を格納する。なお、「広域モード」を示すデータおよび「詳細モード」を示すデータについては特に限定しない。例えば、1ビットのデータ(「0」が広域モード、「1」が詳細モード等)を用いればよい。
【0025】
また、モード設定部120は、表示制御部110からの要求に応じて、設定されているモードを示すモード情報を表示制御部110に出力する。具体的には、モード設定部120は、表示制御部110からの要求を受け付け、レジスタに格納されているモード情報を表示制御部110に出力する。
【0026】
入力部130は、入力装置400を介して、利用者からの「スクロール表示要求(スクロール表示させる距離および方向を示す情報)」、「目的地設定指示」等の各種要求を受け付ける。例えば、入力部130は、利用者からの「スクロール表示要求」を受け付けた場合、表示制御部110に受け付けた「スクロール表示要求」を出力する。
【0027】
表示制御部110は、記憶装置300に記憶されている地図情報を読み出し、その地図情報を用いて表示装置200に表示させる地図画像データを生成し、生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0028】
表示制御部110は、記憶装置300の地図情報を用いて複数の縮尺率の地図画像データが生成できるように構成されている。また、表示制御部110は、ナビゲーションシステムの起動後、最初に地図画像データを表示する際に必要な情報(初期情報)を保持している。なお、初期情報には、縮尺率を示す情報(初期縮尺率)と、モード設定部120に設定するモード情報(初期モード情報)とが含まれている。利用者は、入力装置400により、この初期情報をナビゲーション装置100に入力する。そして、表示制御部110は、入力装置400を介して、初期情報の入力を受け付ける。
【0029】
表示制御部110は、起動後に最初に地図画像データを表示する際、初期縮尺率で表した地図画像データを生成し、その地図画像データを表示装置100に表示する。また、表示制御部110は、起動した際、初期モード情報のモードをモード設定部120に設定する。
【0030】
また、表示制御部110は、タッチパネル210を介して、利用者からの縮尺率の変更要求を受け付ける。表示制御部110は、縮尺率の変更要求を受け付けると、モード設定手部120から設定されているモード情報を取得する。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」を示す情報の場合、表示装置200に表示している地図データよりも縮尺率の高い地図画像データを生成し、表示装置200に表示する。また、表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」を示す情報の場合、表示装置200に表示している地図データよりも縮尺率の低い地図画像データを生成し、表示装置200に表示する。
【0031】
また、表示制御部110は、入力部130が「スクロール表示要求」を受け付けると、表示している地図画像データをスクロール表示させる。なお、スクロール表示は既存の技術により実現されるものとする。
【0032】
現在位置算出部140は、センサ700〜900、およびGPS受信装置600が受信したGPS信号を利用して車両の現在位置を算出する。現在位置を算出する方法については特に限定しないが、例えば、以下のようにしてもよい。
【0033】
具体的には、現在位置算出部140は、車輪速センサ700で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ900で計測される角速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用いて、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期値(X,Y)から自車走行後の位置である現在位置(X´,Y´)を定期的に算出する。また、現在位置算出部140は、自車の回転した角度と進む方向との関係を一致させるため、地磁気センサ800から得られた方位データS6と、ジャイロ900から得られ角速度データS7を積分した角度データを参照して、自車が進行している方向の絶対方位(進行方位)を推定する。そして、現在位置算出部140は、上記の算出した現在位置および進行方位を表示制御部110に出力する。また、現在位置算出部140は、経路誘導部150から現在位置を要求された場合、経路誘導部150に算出した現在位置および進行方位を出力する。
【0034】
また、現在位置算出部140は、車輪速センサ700のデータS5およびジャイロ900のデータS7を各々積分していくと、誤差が蓄積するため、ある時間でGPS受信装置600から得られた位置データS8をもとに蓄積した誤差をキャンセルする処理を施し、現在位置のデータを求める。
【0035】
経路探索部150は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在位置、目的地)を結ぶ最適なコストで目的地に到達する推奨経路を、地図情報を用いて探索する。経路探索部150は、探索の結果得られた推奨経路を、表示制御部110に出力する。その結果、表示制御部110により、表示装置200に推奨経路が表示される。
【0036】
経路誘導部160は、経路探索部150により探索された推奨経路を通って目的地に到達するように利用者を誘導する。なお、経路誘導部160の機能は既存の技術により実現されるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
続いて、本実施形態のナビゲーション装置100のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0038】
図2は、ナビゲーション装置100のハードウェア構成を示す図である。
【0039】
図示するように、ナビゲーション装置100は、CPU(中央演算処理装置)21と、CPU21が実行するプログラムやデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)22と、上記各部(表示制御部110、モード設定部120、入力部130、現在地位算出部140、経路探索部150、経路誘導部160)の機能を実行するためのプログラムが予め記憶されているROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータを転送するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィック描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上に載せるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。そして、上記各部(表示制御部110、モード設定部120、入力部130、現在地位算出部140、経路探索部150、経路誘導部160)の機能は、CPU21が、ROM23に記憶されている上記各部が有する機能を実行するためのプログラをRAM22にロードし、実行することにより実現される。
【0040】
続いて、本実施形態のナビゲーション装置100が行う表示中の地図画像データの縮尺率を変更する処理について説明する。
【0041】
なお、ナビゲーション装置100が表示する地図画像データの「縮尺率」、および、表示できる「縮尺率の数」については特に限定しない。しかし、以下では、説明の便宜上、ナビゲーション装置100には、地図画像データを表示する縮尺率として7段階の縮尺率が定められているものとする。具体的には、縮尺率として、「1/2500(画面に表示するスケールの距離表示(以下「距離表示」という)が25m)」、「1/5000(距離表示が50m)」、「1/1万(距離表示が100m)」、「1/8万(距離表示が1km)」、「1/32万(距離表示が4km)」、「1/512万(距離表示が64km)」、および「1/2048万(距離表示が256km)」の7段階が定められているものとする。
【0042】
したがって、ナビゲーション装置100が表示できる最詳細の地図画像データは、縮尺率が「1/2500(距離表示が25m)」の地図画像データになる。ナビゲーション装置100が表示できる最広域の地図画像データは、縮尺率が「1/2048万(距離表示が256km)」の地図画像データになる。
【0043】
先ず、図3を用いて、表示中の地図画像データの縮尺率を変更する処理の概要と、モード設定部120に設定されているモードを切り替えるタイミングについて説明する。
【0044】
図3は、本実施形態のナビゲーション装置が表示中の地図画像データの縮尺率を変更する処理を説明するための図である。
【0045】
画面1〜画面12は、表示制御部110が表示装置200に表示する地図画像データの縮尺率と、その縮尺率で地図画像データを表示している際に設定されているモードとを示している。なお、50は、「広域モード」を示し、60は、「詳細モード」を示している。例えば、画面2は、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データを表示していて、モード設定部120に設定されているモードが「広域モード50」であることを示している。また、画面12は、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データを表示していて、モード設定部120に設定されているモードが「詳細モード60」であることを示している。また、画面1は、縮尺率が「1/2500(距離表示が25m)」の地図画像データを表示していて、モード設定部120に設定されているモードが「広域モード50」であることを示している。
【0046】
また、図中の矢印は、地図画像データを表示中に、縮尺率の変更要求を受け付けた場合(タッチパネル210がタッチされた場合)の縮尺率を変更する方向を示している。縮尺率の変更には、縮尺率を上げる場合(詳細方向(X方向)に変更する場合)と、縮尺率を下げる場合(広域方向(Y方向)に変更する場合)とがある。本実施形態では、縮尺率の変更要求を受け付けた場合に、広域方向に変更するか、詳細方向に変更するのかを、図示するように定めるようにしている。
【0047】
具体的には、図示する矢印の方向に画面の縮尺率を変更させるように、モード設定部120のモードを定めている(縮尺率の変更は、1段階毎に行う)。例えば、画面2を表示している場合、つまり、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データを表示していて、モード設定部120に設定されているモードが「広域モード」の場合に、表示画面上のタッチパネル210がタッチされるとする。この場合、設定されているモードが「広域モード50」のため、表示中の画面は、画面2より広域な地図画像データを表示する画面3(画面2より縮尺率の低い画面3)に遷移する。また、広域モードの画面3〜6を表示中に、タッチパネル210がタッチされた場合も、表示中の画面よりも広域な地図画像データを表示する画面に遷移する。
【0048】
なお、最広域の縮尺率を表示する画面7では、これ以上広域な地図に縮尺率を変更することができない。そのため、画面6において、タッチパネル210がタッチされると、画面7に遷移すると共に、モード設定部120のモードを切り替える。すなわち、モードを「広域モード」から「詳細モード」に変更する。このように変更するのは、画面7を表示中に、利用者から受け付ける縮尺率の変更要求は、縮尺率を上げる要求だけと考えられるためである。
【0049】
一方、詳細モードの画面である画面7〜12の表示中にタッチパネル210がタッチされると、表示中の画面よりも詳細な表示画像データを表示する画面に遷移する。なお、最詳細の縮尺率の画面1では、これ以上詳細な地図に縮尺率を変更することができない。したがって、画面12において、タッチパネル210がタッチされると、画面1に遷移すると共に、モード設定部120のモードを切り替える。すなわち、モードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する。このように変更するのは、最詳細の縮尺率の画面1を表示している際の利用者からの縮尺率の変更要求は、縮尺率を下げる要求だけと考えられるためである。
【0050】
続いて、図3の画面遷移について、図4のフローチャートを用いて具体的に説明する。
【0051】
図4は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理のフローを説明するための図である。なお、表示制御部110は、「初期縮尺率」が「1/5000(距離表示が50m)」で、「初期モード」が「広域モード」の初期情報を保持していることとする。また、以下のフローは、ナビゲーション装置100のモード設定部120に「初期モード(ここでは広域モード)」が設定されている状態において、最初に画面2を表示する場合を例にする。また、表示制御部110が、現在位置周辺の地図画像データを表示する場合を例にする。
【0052】
先ず、ナビゲーション装置100の表示制御部110は、表示装置200の表示画面に、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データ(図3の画面2)を表示する(S10)。
【0053】
具体的には、ナビゲーション装置100の表示制御部110は、現在地位算出部140が算出した現在位置を取得し、現在位置周辺の地図情報を記憶装置300から読み出す。なお、読み出す地図情報の範囲は、表示する地図画像データの縮尺率を考慮してもよい(例えば、その縮尺率で表示するために必要な範囲の地図情報だけ読み出すようにしてもよい)。そして、表示制御部110は、読み出した地図情報および取得した現在位置を用いて、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図上に現在位置を示した地図画像データを生成し、その地図画像データを表示装置200に表示する。なお、モード設定部120には「広域モード」が設定されている。
【0054】
続いて、ナビゲーション装置100は、画面2を表示中に、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S11)。具体的には、利用者が、縮尺率を変更させるために、表示装置200の表示画面を触れる(例えば、表示画面を指で触る)。この場合、表示装置200の表示画面上に配置されているタッチパネル210は、利用者が表示画面に接触したことを検知し(S11)、検知したことを示す信号を表示制御部110に出力する。
【0055】
表示制御部110は、タッチパネル210からの信号を受信すると、モード設定部120に設定されているモードを示す「モード情報」を、モード設定部120から取得する。なお、ここでは、モード設定部120に「広域モード」が設定されているため、表示制御部110は、「広域モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。そして、表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」であるため、表示中の画面2より広域な画面3に表示画面を変更する(S12)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/5000(距離表示が50m)」)よりも1段階広域な縮尺率(「1/1万(距離表示が100m)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0056】
次に、ナビゲーション装置100は、画面3を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S13)。
【0057】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「広域モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」であるため、表示中の画面3より広域な画面4に表示画面を変更する(S14)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/1万(距離表示が100m)」)よりも1段階広域な縮尺率(「1/8万(距離表示が1km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0058】
次に、ナビゲーション装置100は、画面4を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S15)。
【0059】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「広域モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」であるため、表示中の画面4より広域な画面5に表示画面を変更する(S16)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/8万(距離表示が1km)」)よりも1段階広域な縮尺率(「1/32万(距離表示が4km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0060】
次に、ナビゲーション装置100は、画面5を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S17)。
【0061】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「広域モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」であるため、表示中の画面5より広域な画面6に表示画面を変更する(S18)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/32万(距離表示が4km)」)よりも1段階広域な縮尺率(「1/512万(距離表示が64km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0062】
次に、ナビゲーション装置100は、画面6を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S19)。
【0063】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「広域モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「広域モード」であるため、表示中の画面6より広域な画面7に表示画面を変更する。さらに、ここでは、表示制御部110は、モード設定部120に設定されているモードを「広域モード」から「詳細モード」に変更する(S20)。本ステップにおいて、モード変更するのは以下の理由による。すなわち、画面7は、最広域の表示であるため、これ以上、広域方向に縮尺率を変更できず、且つ詳細方向への変更しかできないためである。
【0064】
本ステップを具体的に説明すると、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/512万(距離表示が64km)」)よりも1段階広域な縮尺率(「1/2048万(距離表示が256km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。さらに、表示制御部110は、「詳細モード」の設定を指示する「モード設定指示」をモード設定部120に行う。モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」にしたがい、設定されているモードを「広域モード」から「詳細モード」に変更する。
【0065】
次に、ナビゲーション装置100は、画面7を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S21)。
【0066】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面7より詳細な画面8に表示画面を変更する(S22)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/2048万(距離表示が256km)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/512万(距離表示が64km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0067】
次に、ナビゲーション装置100は、画面8を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S23)。
【0068】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面8より詳細な画面9に表示画面を変更する(S24)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/512万(距離表示が64km)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/32万(距離表示が4km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0069】
次に、ナビゲーション装置100は、画面9を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S25)。
【0070】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面9より詳細な画面10に表示画面を変更する(S26)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/32万(距離表示が4km)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/8万(距離表示が1km)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0071】
次に、ナビゲーション装置100は、画面10を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S27)。
【0072】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面10より詳細な画面11に表示画面を変更する(S28)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/8万(距離表示が1km)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/1万(距離表示が100m)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0073】
次に、ナビゲーション装置100は、画面11を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S29)。
【0074】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面11より詳細な画面12に表示画面を変更する(S30)。具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/1万(距離表示が100m)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。
【0075】
次に、ナビゲーション装置100は、画面12を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付ける(S31)。
【0076】
表示制御部110は、S12と同様に手順で「モード情報」を取得する。ここでは、表示制御部110は、「詳細モード」を示す「モード情報」を取得することとなる。表示制御部110は、取得したモード情報が「詳細モード」であるため、表示中の画面12より詳細な画面1に表示画面を変更する。さらに、ここでは、表示制御部110は、モード設定部120に設定されているモードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する(S32)。本ステップにおいて、モード変更するのは以下の理由による。すなわち、変更後の画面1は、最詳細の表示であるため、これ以上、詳細方向に縮尺率を変更できず、且つ広域方向への変更しかできないためである。
【0077】
具体的には、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」であるため、現在表示している縮尺率(「1/5000(距離表示が50m)」)よりも1段階詳細な縮尺率(「1/2500(距離表示が25m)」の地図画像データを生成し、その生成した地図画像データを表示装置200に表示する。さらに、表示制御部110は、「広域モード」の設定を指示する「モード設定指示」をモード設定部120に行う。モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」にしたがい、設定されているモードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する。
【0078】
次に、ナビゲーション装置100は、画面1を表示中に、上述したS11と同様の手順により、利用者からの縮尺率変更要求を受け付けると(S33)、上述したS10の画面2の表示処理に戻る。
【0079】
なお、モードを変更するか否かについては、例えば、以下のようにしてもよい。具体的には、表示制御部110は、表示中の地図画像データよりも縮尺率の高い地図画像データに表示を変更した場合に、その変更後の地図画像データの縮尺率が所定の縮尺率(ここでは、7段階の縮尺率)の中で最大の縮尺率であるか否かを判定し、その判定により最大であると判定した場合にモード設定部120に設定されたモードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する。また、表示制御部110は、表示中の地図画像データよりも縮尺率の低い地図画像データに表示を変更した場合に、その変更後の地図画像データの縮尺率が所定の縮尺率(ここでは、7段階の縮尺率)の中で最低の縮尺率であるか否かを判定し、その判定により最低であると判定した場合にモード設定部120に設定されたモードを「広域モード」から「詳細モード」に変更する。
【0080】
このように、本実施形態によれば、予め、縮尺率を変更させる方向をナビゲーション装置100が定めている。そのため、利用者は、特に意識することなく、表示画面の任意の位置(どこでもよい)に触れるだけのワンタッチ操作で、地図画像データの縮尺率を変更させることができるようになる。すなわち、本実施形態では、従来のナビゲーション装置のように、「広域/詳細ボタン」を操作し、縮尺率を変化させる方向を設定する必要がなくなる。
【0081】
続いて、上述した図4の地図画像データの縮尺率の変更表示処理の第1変形例について説明する。
【0082】
第1変形例は、上述した表示制御部110の機能に、さらに、所定時間操作を受け付けなかった場合、モードの設定を初期モードに戻す機能を付加したものである。
【0083】
具体的には、ナビゲーション装置100には、時間を計測するタイマが設けられている。そして、表示制御部110は、「初期モード」と異なるモードが設定されている状態で、地図画像データの表示を開始した場合、タイマで時間計測を行う。そして、表示制御部110は、所定時間経過しても利用者からの縮尺率変更要求がなければ(タッチパネル210がタッチされなければ)、モード設定部120のモードを「初期モード」に変更する。一方、表示制御部110は、所定時間経過する前に縮尺率変更要求を受け付けた場合、計測した時間をリセットして、要求に応じた画面変更をした後、新たにタイマで時間計測を行う。以下、第1変形例の具体的な処理を図5に示す。
【0084】
図5は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第1変形例のフローを説明するための図である。なお、以下の説明では、表示制御部110には、「初期モード」として「広域モード」が設定されているものとする(表示制御部110は、「広域モード」を示す「初期モード情報」を保持している)。
【0085】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図4と同様の手順により、S10〜S30の処理を行う。
【0086】
続いて、表示制御部110は、画面12を表示装置200に表示した際、タイマによる時間計測を開始する。そして、所定時間(例えば、7〜8秒)経過しても、利用者からの縮尺率変更要求がなければ(タッチパネル210がタッチされなければ)、表示制御部110は、モード設定部120のモードを初期モードに設定して(S100〜S101)、S10に戻る。
【0087】
具体的には、表示制御部110は、所定時間(例えば、7〜8秒)経過しても、利用者からの縮尺率変更要求がなければ、「初期モード」である「広域モード」の設定を指示する「モード設定指示」をモード設定部120に行う。モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」にしたがい、設定されているモードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する。この結果、表示している地図画像データの縮尺率はそのままで、モード設定部120に設定されているモードだけが変更されることとなる(画面2が表示されることとなる)。
【0088】
なお、表示制御部110は、初期モードと異なるモードで画面を表示する場合(S20、22、24、26、28)には、タイマによる時間計測を行い、所定時間操作がなければ、初期モードに戻すようにしてもよい。
【0089】
第1変形例は、利用者が所定時間、タッチパネル210をタッチしない場合、利用者の所望する縮尺率の地図が表示されているものと推定し、利用者が使い慣れていると考えられる「初期モード」に戻すようにしている。このようにしたのは、ナビゲーション装置100は、起動した際、初期モードで地図画像データを表示するため、利用者は、初期モードでの縮尺率の変更に慣れていると考えられるためである。このように、第1変形例によれば、ワンタッチ操作による縮尺率の変更が実現できることに加え、さらに、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0090】
続いて、上述した図4の地図画像データの縮尺率の変更表示処理の第2変形例について説明する。
【0091】
第2変形例は、上述した表示制御部110の機能に加えて、さらに、スクロール操作を受け付けた場合にモードを変更する機能を付加したものである。
【0092】
具体的には、本実施形態のナビゲーション装置100は、入力装置400がスクロール操作を受け付け、その要求に応じて表示制御部110がスクロール表示を行う。そして、第2変形例では、表示制御部110は、スクロール表示を行った際、モード設定部120に設定されているモードが「広域モード」の場合に「詳細モード」に変更する。
【0093】
このようにするのは以下の理由による。すなわち、利用者が地図のスクロール表示を行う場合、地図上で施設や交差点等を探索していることが多いと考えられる。そして、利用者は、探している施設等が見つかれば、さらに詳しく調べるために詳細な地図を見たいと考えると想定できる。そのため、本実施形態では、スクロール表示が行われた場合、モード設定部120に設定されているモードを調べ、「広域モード」の場合には、「詳細モード」に変更するようにしている。以下、第2変形例の具体的な処理について、2つの例を挙げて説明する。
【0094】
なお、入力装置400には、スクロール操作を受け付けるスクロールキー(またはジョイスティック)と、「戻るスイッチ」とが設けられている。また、本実施形態では、ナビゲーション装置100は、「戻るスイッチ」の押下により、「初期モード」に戻す要求を受け付けるものとする。また、表示制御部110には、「初期モード」として「広域モード」が設定されているものとする(表示制御部110は、「広域モード」を示す「初期モード情報」を保持している)。
【0095】
先ず、第2変形例の処理について、「広域モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0096】
図6は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第2変形例のフローを説明するための図である。
【0097】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図4と同様の手順により、S10の処理を行う。具体的には、ナビゲーション装置100の表示制御部110は、表示装置200の表示画面に、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データ(図3の画面2)を表示する(S10)。
【0098】
画面2を表示している際、利用者が入力装置400を操作してスクロール表示を要求したとする。この場合、表示制御部110は、入力装置400が受け付けたスクロール要求にしたがい、表示装置200に表示している地図画像データをスクロール表示させる(S100)。
【0099】
表示制御部110は、地図画像データのスクロール表示処理を行った場合、モード設定部120から「モード情報」を取得する。表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」を示す情報であるか否かを判定する。表示制御部110は、取得した「モード情報」が「広域モード」を示す情報の場合、モード設定部120に設定されているモードを「詳細モード」に変更する。一方、表示制御部110は、取得した「モード情報」が「詳細モード」を示す情報の場合、モードの変更は行わない。ここでは、モード設定部120から「広域モード」を示す情報を取得されるため、表示制御部110は、モード設定部120のモードを「詳細モード」に変更する。この結果、表示装置200に画面12(図3参照)の地図画像データが表示されることとなる(S110)。すなわち、表示している地図画像データの縮尺率はそのままで、モードだけが変更されることとなる。
【0100】
次に、画面12を表示している際、利用者が入力装置400を操作してスクロール表示を要求したとする。この場合、表示制御部110は、S100と同様、表示装置200に表示している地図画像データをスクロール表示させる(S120)。
【0101】
表示制御部110は、S110と同様の手順により、「モード情報」を取得して、取得した「モード情報」が「広域モード」を示す情報であるか否かを判定する。ここでは、モード設定部120から取得した「モード情報」が「詳細モード」を示す情報であるため、モード設定部120のモードを変更しない。その結果、表示装置200に画面12(図3参照)の地図画像データが表示されることとなる(S130)。
【0102】
次に、画面12を表示している際、利用者が入力装置400の「戻るスイッチ」を押下したとする。表示制御部110は、入力装置400経由して「戻るスイッチ」が押下されたことを受け付ける(S140)。
【0103】
表示制御部110は、図5のS101の処理を行い、すなわち、モード設定部120のモードを初期モード(ここでは「広域モード」)に設定して、S10の処理に戻る。
【0104】
次に、第2変形例の処理について、「詳細モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0105】
図7は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第2変形例のフローを説明するための図である。
【0106】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図4のS30の処理を行う。具体的には、ナビゲーション装置100の表示制御部110は、表示装置200の表示画面に、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データ(図3の画面12)を表示する(S30)。
【0107】
続いて、画面12を表示している際、利用者が入力装置400を操作してスクロール表示を要求したとする。この場合、表示制御部110は、図6のS100と同様、表示装置200に表示している地図画像データをスクロール表示させる(S310)。
【0108】
次に、表示制御部110は、図6のS130と同様の手順により、「モード情報」を取得して、取得した「モード情報」が「広域モード」を示す情報であるか否かを判定する。ここでは、モード設定部120から取得した「モード情報」が「詳細モード」を示す情報であるため、表示制御部110は、モード設定部120のモードを変更しない。この結果、表示装置200に画面12(図3参照)の地図画像データが表示されることとなる(S320)。
【0109】
続いて、画面12を表示している際、利用者が入力装置400を操作してスクロール表示を要求したとする。この場合、表示制御部110は、図6のS100と同様、表示装置200に表示している地図画像データをスクロール表示させる(S330)。
【0110】
次に、表示制御部110は、S320の同様の処理を行い、表示装置200に画面12(図3参照)の地図画像データが表示される(S340)。
【0111】
次に、画面12を表示している際、利用者が入力装置400の「戻るスイッチ」を押下したとする。表示制御部110は、入力装置400経由して「戻るスイッチ」が押下されたことを受け付ける(S350)。
【0112】
表示制御部110は、図5のS101の処理を行い、すなわち、モード設定部120のモードを初期モードに設定し(ここでは、「広域モード」に設定される)、表示装置200に画面2を表示する(S360)。
【0113】
このように、本実施形態の第2変形例では、スクロール表示を行った際、モード設定部120に設定されているモードを調べ、設定されているモードが「広域モード」の場合に「詳細モード」に変更する。この結果、利用者は、スクロール操作を行った後、表示画面をワンタッチするだけで、スクロールにより探索された施設や交差点等の詳細な地図を表示させることができる。
【0114】
続いて、上述した図4の地図画像データの縮尺率の変更表示処理の第3変形例について説明する。なお、ナビゲーション装置100には、時間を計測するタイマが設けられていることとする。
【0115】
第3変形例は、上述した第2変形例の処理を一部変更したものである。第3変形例は、スクロール表示した後、所定時間操作を受け付けなかった場合に、モードを初期モードに戻すようにしたものである。以下、第3変形例の具体的な処理について、2つの例を挙げて説明する。
【0116】
なお、入力装置400には、スクロール操作を受け付けるスクロールキー(またはジョイスティック)が設けられているものとする。また、表示制御部110には、「初期モード」として「広域モード」が設定されているものとする(表示制御部110は、「広域モード」を示す「初期モード情報」を保持している)。
【0117】
先ず、第3変形例の処理について、「広域モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0118】
図8は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第3変形例のフローを説明するための図である。
【0119】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図6と同様、S10、S100〜S130の処理を行う。
【0120】
続いて、表示制御部110は、画面12を表示装置200に表示した際、タイマで時間計測を開始する。そして、所定時間(例えば、7〜8秒)経過しても、利用者からの縮尺率変更要求およびスクロール要求のいずれも受け付けなければ、表示制御部110は、モード設定部120のモードを初期モードに設定して(S150、S101)、S10に戻る。
【0121】
具体的には、表示制御部110は、所定時間(例えば、7〜8秒)経過しても、利用者からの縮尺率変更要求およびスクロール要求がなければ、「初期モード」である「広域モード」の設定を指示する「モード設定指示」をモード設定部120に行う。モード設定部120は、表示制御部110からの「モード設定指示」にしたがい、設定されているモードを「詳細モード」から「広域モード」に変更する。この結果、表示している地図画像データの縮尺率はそのままで、モード設定部120に設定されているモードだけが変更されることとなる(画面2が表示されることとなる)。
【0122】
なお、表示制御部110は、スクロール表示した際には、タイマによる時間計測を行うものとする。したがって、S110の処理の際も時間計測が行われる。そして、表示制御部110は、所定時間操作を受け付けなければモードを初期モードに戻す。したがって、S110の処理の後、所定時間内に利用者からの操作を受けなければ、初期モードに戻す処理が行われることとなる。
【0123】
次に、第3変形例の処理について、「詳細モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0124】
図9は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理のフローを説明するための図である。
【0125】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図4のS30の処理を行う。具体的には、ナビゲーション装置100の表示制御部110は、表示装置200の表示画面に、縮尺率が「1/5000(距離表示が50m)」の地図画像データ(図3の画面12)を表示する(S30)。そして、ナビゲーション装置100は、上述した図7と同様、S310〜S340の処理を行う。
【0126】
続いて、表示制御部110は、画面12を表示装置200に表示した際、タイマで時間計測を開始する。そして、所定時間(例えば、7〜8秒)経過しても、利用者からの縮尺率変更要求およびスクロール要求のいずれも受け付けなければ、表示制御部110は、モード設定部120のモードを初期モードに設定する(S355、S360)。この結果、表示装置200には、画面2の地図画像データが表示されることとなる。
【0127】
なお、図9の処理も上述した図8と同様、表示制御部110は、スクロール表示した際には、タイマによる時間計測を行う(S320の処理際も時間計測が行われる)。そして、表示制御部110は、所定時間操作を受け付けなければモードを初期モードに戻す。
【0128】
このように、本実施形態の第3変形例によれば、第2変形例と同様、スクロール表示させた後、表示画面をワンタッチするだけで、スクロール後の地図を詳細な地図の表示に変更できる。
【0129】
また、第3変形例では、スクロール表示した後、利用者が縮尺率の変更要求(またはスクロール要求)を、所定時間経過しても行わない場合、スクロールして表示させた地図の詳細地図を見たいと希望していないと推定し、利用者が使い慣れていると考えられる「初期モード」に戻すようにしている。すなわち、スクロールした後、所定時間操作がなければ、装置を通常の操作状態に戻すようにしている。したがって、第3変形例によれば、ナビゲーション装置の使い勝手を向上させることができる。
【0130】
続いて、上述した図4の地図画像データの縮尺率の変更表示処理の第4変形例について説明する。
【0131】
第4変形例は、上述した第2変形例の処理を一部変更したものである。第4変形例は、スクロールして表示させた距離が自車位置から所定距離以上離れた場合には、モードを「広域モード」に設定させるようにしたものである。以下、第4変形例の具体的な処理について、2つの例を挙げて説明する。
【0132】
なお、入力装置400には、スクロール操作を受け付けるスクロールキー(またはジョイスティック)が設けられているものとする。また、表示制御部110には、「初期モード」として「広域モード」が設定されているものとする(表示制御部110は、「広域モード」を示す「初期モード情報」を保持している)。
【0133】
先ず、第4変形例の処理について、「広域モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0134】
図10は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第4変形例のフローを説明するための図である。
【0135】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図6と同様、S10、S100〜S130の処理を行う。
【0136】
表示制御部110は、画面12を表示した際に、スクロールして表示させた画面12の位置(例えば画面12の中心部の位置)が自車位置から所定距離以上離れたか否かを判定する(S200)。具体的には、表示制御部110は、画面12を表示した際に、現在位置算出部140から現在位置を取得する。また、表示制御部110は、スクロールして表示させた画面12の中の所定位置(例えば画面12の中心部の位置)を求める。そして、表示制御部110は、画面12の中の所定位置と、現在位置との距離を算出し、算出した距離が所定距離以上あるか否かを判定する。判定の結果、所定距離以上離れていたらS201の進み、所定距離以上離れていなければS210に進む。
【0137】
S201では、表示制御部110は、モード設定部120のモードを「広域モード」に変更して、S10の処理に戻る。
【0138】
一方、S200において、所定距離以上離れていないと判定された場合に進むS210では、表示制御部110は、モード変更を行わずに、画面12を表示する。
【0139】
なお、本実施形態では、S130の後に、S200の判定処理を行う場合を説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、スクロール表示させた場合には、必ず、S200の判定処理を行い(例えば、S110の後でもS200を行う)、所定距離以上離れていればS201の処理を行うようにしてもよい。
【0140】
次に、第4変形例の処理について、「詳細モード」が設定されている状態でスクロール要求を受け付ける場合を例示して説明する。
【0141】
図11は、本実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第4変形例のフローを説明するための図である。
【0142】
さて、図示するように、ナビゲーション装置100は、上述した図7と同様、S30、S310〜S340の処理を行う。
【0143】
次に、表示制御部110は、図10のS200と同様の処理を行う。すなわち、表示制御部110は、画面12を表示した際に、スクロールして表示させた画面12の位置(例えば画面12の中心部の位置)が自車位置から所定距離以上離れたか否かを判定する。そして、表示制御部110は、判定の結果、所定距離以上離れていたらS360に進み、所定距離以上離れていなければ図10のS210と同じ処理を行う。
【0144】
S360では、表示制御部110は、モード設定部120のモードを「広域モード」に変更する。この結果、表示装置200には、画面2の地図画像データが表示されることとなる。
【0145】
なお、図11の処理も上述した図10と同様、スクロール表示させた場合には、必ず、S200の判定処理を行い(例えば、S320の後でもS200を行う)、所定距離以上離れていればS360の処理を行うようにしてもよい。
【0146】
このように、第4変形例では、スクロールで表示させた画面が車両の現在位置から所定距離以上離れた場合、「広域モード」を設定するようにしている。このようにするのは、現在位置を基準して所定距離以上スクロールしている場合(遠くにスクロールしている場合)、利用者が遠隔地を探していると予測できるためである。そして、遠隔地を表示させる場合には、広域地図の表示の方が便利であるためである。
【0147】
そして、第4変形例では、利用者は、地図を所定距離以上スクロールさせても、目的とする位置の地図を表示できない場合、表示画面をタッチすれば、表示中の地図よりも広域な地図に変更させることができる。その結果、利用者は、効率よく目的とする地図上の地点を表示させることが可能になる。
【0148】
このように、本実施形態によれば、予め、表示する地図画像データの縮尺率を変更させる方向をナビゲーション装置100が定めるようにしている。そのため、本実施形態によれば、利用者は、面倒な操作をすることなく、ワンタッチ操作で、つまり、表示画面の任意の位置を触れるだけで地図画像データの縮尺率を変更させることができる。
【0149】
また、本実施形態は、表示中の地図の縮尺率を変更する場合、画面上のどこを触ってもかまわない。その結果、本実施形態によれば、地図を拡大するか縮小するかの操作を行う際、利用者の目線が地図データ(せっかく見つけた地図上の位置)から外れてしまう可能性を減少させることができる。
【0150】
また、上記では、本実施形態の変形例を4つ説明した。上記の変形例では、ナビゲーション装置100が、利用者が所望する縮尺率の変更方向を予測し、その予測した縮尺率の変更方向をモード設定部120に設定し、設定された変更方形で地図の縮尺率の変更表示を行うようにしている。例えば、ナビゲーション装置100は、所定時間以上操作がなければ、初期モードに戻したり、或いは、スクロールさせた際には「詳細モード」に設定したり、或いは、遠隔地にスクロールさせた場合には「広域モード」に設定している。このため、本実施形態では、簡単な操作によって、利用者の所望する縮尺率の地図が表示される可能性を高めることができる。すなわち、利用者は、表示中の地図の縮尺率の変更表示のための操作を意識することなく、表示画面をワンタッチするだけで、所望の縮尺率で表した地図を表示させることができる。
【0151】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、表示装置200に図12に示すような、モード切替えを受け付けるモード変更ボタン2000が含まれる画面を表示し、利用者からの要求によって、モード設定部120の設定を切り替えるようにしてもよい。なお、図示するモード変更ボタン2000は、ボタン内に現モード(現在設定されているモード)を示す文字が表示されている。すなわち、モード設定部120に「広域モード」が設定されている場合には、「広域」を示すモード変更ボタン2000aが表示される。また、モード設定部120に「詳細モード」が設定されている場合には、「詳細」を示すモード変更ボタン2000bが表示される。
【0152】
そして、モード変更ボタン2000が押下さえるとモード設定部120は、設定されているモードを変更する。例えば、「広域」を示すモード変更ボタン2000aが表示される場合に、変更ボタン2000aが押下されると、モード設定部120は、「詳細モード」にモードを変更する。そして、表示制御部110は、モード設定ボタン2000を、「詳細」を示すモード変更ボタン2000bに変更する。このように構成することにより、装置側で自動的に決められる縮尺率の変更の方向を、必要に応じて修正することが可能となる。
【0153】
また、上記の図10および図11では、スクロール表示した地図が現在位置から所定距離以上離れたら「広域モード」を設定する場合を説明したが、以下のようにしてもよい。例えば、スクロール操作を連続して受け付ける場合には、その受け付けた回数をカウントしておいて、そのカウントした回数が所定回数を超えたら「広域モード」を設定するようにしてもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、装置側が自動的に縮尺率の変更方向を定めているが、例えば、手動操作が可能な手動操作モードを設けておいて、手動操作の際の履歴により、上述した「初期モード」や縮尺率の変更方向を定めるようにしてもよい。
【0155】
さらに、上記実施形態では、縮尺率の変更要求をタッチパネル210で受け付けるようにしたが、特にこれに限定するものではない。ワンタッチで利用者からの要求を受け付けることができれば、他の入力デバイスで縮尺率の変更要求を受け付けてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、本発明がナビゲーション装置100に適用されている場合を例にしたが、特にこれに限定するものではない。例えば、CPU、メモリを有するパソコン等の情報処理装置にも本発明を適用することができる。この場合、情報処理装置に、表示制御部110、モード設定部120、入力部130、および現在位置算出部140の機能を設けて、表示画面上のタッチパネルが接触を検知した場合、検知信号を情報処理装置に出力するようにしておけばよい。
【0157】
なお、本発明を情報処理装置に適用する場合、表示制御部110、モード設定部120、入力部130、現在位置算出部140の機能を実現するためのプログラムをメモリに記憶させておく。そして、表示制御部110、モード設定部120、および入力部130、および現在位置算出部の機能は、CPUが上記のプログラムを実行することにより実現する。なお、現在位置算出部140は、GPS受信装置600からのGPS信号だけで現在位置を算出するようにしてもよい。また、情報処理装置を移動させない場合(固定した場所で使う場合)、現在位置算出部を設ける必要はなく、情報処理装置に現在位置を保持させておけばよい。また、情報処理装置を本発明に利用する場合には、利用者からの要求をタッチパネル以外の入力デバイスにより受け付けるようにしてもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、「戻るスイッチ」が押された場合や、所定時間操作がない場合に、「初期モード」のモードに戻すようにているが特にこれに限定するものではない。例えば、予め、基準として表示する「縮尺率(基準縮尺率)」を定めておき、「初期モード」に戻す際に、「基準縮尺率」で表した地図画像データの画面に変更するようにしてもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置100と、地図情報を記憶する記憶装置300を別々の装置として説明したが、記憶装置300の機能がナビゲーション装置100に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態が適用された車載用ナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態のナビゲーション装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率を変更する処理を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理のフローを説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第1変形例のフローを説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第2変形例のフローを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第2変形例のフローを説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第3変形例のフローを説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第3変形例のフローを説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第4変形例のフローを説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態のナビゲーション装置が行う、表示中の地図画像データの縮尺率変更処理の第4変形例のフローを説明するための図である。
【図12】モード変更ボタン2000が含まれる画面を例示した図である
【符号の説明】
【0161】
21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、28…A/D変換器、29…SCI、30…PIO、31…カウンタ、100…ナビゲーション装置、110…表示制御部、120…モード設定部、130…入力部、140…現在位置算出部、150…経路探索部、160…経路誘導部、200…表示装置、210…タッチパネル、300…記憶装置、400…入力装置、500…音声入出力装置、600…GPS受信装置、700…車輪速センサ、800…地磁気センサ、900…ジャイロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを表示装置に表示する情報処理装置であって、
前記表示装置の表示画面上には、利用者からの接触を検知し、該検知したことを示す信号を前記情報処理装置に出力するタッチパネルが設けられていて、
地図を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶している地図を用いて、前記表示装置に表示させる地図データを生成して該地図データを前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記表示している地図データの縮尺率を上げて詳細な地図データの表示に変更する第1のモード、および該縮尺率を下げて広域な地図データの表示に変更する第2のモードのうちのいずれかにモードを設定し、該設定されたモードを示すモード情報を保持するモード設定手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
予め定められた複数の縮尺率の地図データの生成が可能であって、
前記タッチパネルからの信号を受け付けると、前記モード設定手段からモード情報を取得し、該取得したモード情報が前記第1のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を上げた詳細な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した詳細な地図データの表示に変更し、該取得したモード情報が前記第2のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率の低い広域な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した広域な地図データの表示に変更すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御手段は、
前記表示装置の表示を前記詳細な地図データの表示に変更した際に該変更した地図データの縮尺率が前記予め定められた複数の縮尺率の中で最大の縮尺率になった場合、前記モード設定手段に設定されたモードを第1のモードから第2のモードに変更し、
前記表示装置の表示を前記広域な地図データの表示に変更した際に該変更した地図データの縮尺率が前記予め定められた複数の縮尺率の中で最低の縮尺率になった場合、前記モード設定手段に設定されたモードを第2のモードから第1のモードに変更すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御手段は、起動された際に地図データを表示するために利用する初期データを保持していて、前記初期データには、起動の際にモード設定手段に設定するモードを示す情報であって、前記第1のモードおよび前記第2のモードの一方のモードを指定する初期モード情報が含まれていて、
前記表示制御手段は、
前記タッチパネルからの信号を受け付けると時間計測を開始し、所定時間経過しても、前記タッチパネルから次の信号が出力されなければ、前記モード設定手段に、前記初期モード情報のモードを設定すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、
利用者からの表示している地図データのスクロール表示の要求を受け付け、該スクロール表示の要求を前記表示制御手段に出力する入力手段を有し、
前記表示制御手段は、
前記入力手段からのスクロール表示の要求を受け付けた場合、該受け付けた要求にしたがい前記表示している地図データのスクロール表示を行う手段と、
前記スクロール表示を行った際、前記モード設定手段からモード情報を取得し、該取得したモード情報が前記第2のモードの場合には、前記モード設定手段に設定されたモードを第2のモードから第1のモードに変更する手段と、を有すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
利用者からの表示している地図データのスクロール表示の要求を受け付け、該スクロール表示の要求を前記表示制御手段に出力する入力手段を有し、
前記表示制御手段は、
前記入力手段からのスクロール表示の要求を受け付けた場合、該受け付けた要求にしたがい前記表示装置の地図データのスクロール表示を行う手段と、
前記スクロール表示を行った際、前記モード設定手段からモード情報を取得し、該取得したモード情報が前記第2のモードの場合には、前記モード設定手段に設定されたモードを第2のモードから第1のモードに変更する手段と、
前記スクロール表示の要求を受けた際に時間計測を開始し、所定時間経過しても、前記入力手段から次のスクロール表示の要求を受けなかった場合、前記モード設定手段に、前記初期モード情報のモードを設定する手段と、を有すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記表示制御手段は、起動された際に地図データを表示するために利用する初期データを保持していて、前記初期データには、起動の際にモード設定手段に設定するモードを示す情報であって、前記第1のモードおよび前記第2のモードの一方のモードを指定した初期モード情報が含まれていて、
前記表示制御手段は、
前記スクロール表示の要求を受けた際に時間計測を開始し、所定時間経過しても、前記入力手段から次のスクロール表示の要求を受けなかった場合に前記モード設定手段からモード情報を取得し、
前記取得したモード情報が前記第1のモードの場合には、前記モード設定手段に設定されたモードを第1のモードから第2のモードに変更すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
現在位置を算出する現在位置算出手段を有し、
前記表示制御手段は、
前記スクロール表示を行った際に、前記算出した現在位置と前記スクロール表示させた画面上の所定位置との距離を算出し、該距離が所定距離以上の場合、前記モード設定手段に第2のモードを設定すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
地図データを表示装置に表示するナビゲーション装置であって、
前記表示装置の表示画面上には、利用者からの接触を検知し、該検知したことを示す信号を前記ナビゲーション装置に出力するタッチパネルが設けられていて、
地図を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶している地図を用いて、前記表示装置に表示させる地図データを生成して該地図データを前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記表示している地図データの縮尺率を上げて詳細な地図データの表示に変更する第1のモード、および該縮尺率を下げて広域な地図データの表示に変更する第2のモードのうちのいずれかにモードを設定し、該設定されたモードを示すモード情報を保持するモード設定手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
予め定められた複数の縮尺率の地図データの生成が可能であって、
前記タッチパネルからの信号を受け付けると、前記モード設定手段からモード情報を取得し、該取得したモード情報が前記第1のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を上げた詳細な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した詳細な地図データに変更し、該取得したモード情報が前記第2のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を下げた広域な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した広域な地図データに変更すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
表示装置に接続されている情報処理装置が行う地図データ表示方法であって、
前記情報処理装置は、地図を記憶する記憶手段と、表示している地図データの縮尺率を上げて詳細な地図データに変更する第1のモード、および該縮尺率を下げて広域な地図データに変更する第2のモードのうちのいずれかのモードを示すモード情報を保持するメモリと、を備え、
前記表示装置の表示画面上には、利用者からの接触を検知し、該検知したことを示す信号を前記情報処理装置に出力するタッチパネルが設けられていて、
前記情報処理装置は、
前記記憶手段が記憶している地図を用いて、前記表示装置に表示させる地図データを生成して該地図データを前記表示装置に表示させるステップと、
前記タッチパネルからの信号を受け付けるステップと、
前記タッチパネルからの信号を受け付けると、前記メモリからモード情報を読み出し、該読み出したモード情報が前記第1のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を上げた詳細な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した詳細な地図データに変更し、該読み出したモード情報が前記第2のモードを示す場合、前記表示装置に表示している地図データよりも縮尺率を下げた広域な地図データを生成し、前記表示装置の表示を前記生成した広域な地図データに変更するステップと、を実行すること
を特徴とする地図データ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−163550(P2007−163550A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355867(P2005−355867)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】