情報処理装置、車載装置、情報処理システム、情報処理方法、および、プログラム
【課題】ドライバー個人の生活習慣などの内的要因を考慮して、ドライバー通知を行うか否かを判断する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する。そして、複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行回数が所定回数を超える走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、複数の車両ごとに、複数の地点に応じたアドバイス情報を選択する選択手段とを備える、この選択手段は、アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の通知不要領域に含まれる場合は、アドバイス情報を選択しない。これにより。これにより、ドライバーの位置または走行経路の走行回数に応じたアドバイス情報を選択できる。
【解決手段】アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する。そして、複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行回数が所定回数を超える走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、複数の車両ごとに、複数の地点に応じたアドバイス情報を選択する選択手段とを備える、この選択手段は、アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の通知不要領域に含まれる場合は、アドバイス情報を選択しない。これにより。これにより、ドライバーの位置または走行経路の走行回数に応じたアドバイス情報を選択できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転するユーザーの特性に応じたアドバイス情報通知に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーであるドライバーが車両を運転している際に、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をヒヤリハットという。これはそのような事例に直面したドライバーが「ヒヤリ」としたり「ハット」したりすることからそのように呼ばれている。
【0003】
このようなヒヤリハットの危険情報(急ブレーキ、急ハンドル、G検知、エアバック動作、空転、スリップ防止機能作動など)を車両から検出した場合に、その位置情報とともに危険情報を収集し、発生した地点をマップデータとして整備するサーバ装置を備えたセンターが提案されている。このセンターでは、危険発生地点の統計を取り、データベース化し、車両が危険地点に近づいた際にドライバーに危険地点であることを通知することが提案されている。
【0004】
しかし、車両が危険地点に近づいた際に毎回ドライバーに対する通知がなされると、ドライバーはそれを煩わしく感じてしまうことがあり、かえって運転に集中できず事故等を引き起こす可能性があるという問題があった。
【0005】
これに対して、特許文献1では危険地点における危険事象の発生可能性の高い時間帯や天候などの外的要因に基づいてドライバーへの通知の有無を判断する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−104531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では危険地点での危険事象の発生可能性の高い時間帯や天候などの外的要因によって、ドライバーへの通知を行うか否かについて開示されているのみで、その他の要因、たとえば、ドライバー個人の生活習慣などの内的要因によるドライバーへの通知の有無ついては何ら考慮されていない。その結果、このような外的要因のみのドライバーへの通知判断では、ドライバーの生活習慣に応じた適正なアドバイスを行うことができなかった。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライバー個人の生活習慣などの内的要因を考慮して、ドライバー通知を行うか否かを判断する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得手段と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録手段と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記領域設定手段は、前記位置または走行経路の周辺の領域を前記通知不要領域として設定する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記領域設定手段は、前記走行経路の出発地及び目的地の周辺については、前記出発地と前記目的地との相互間経路よりも広い領域を、前記通知不要領域に設定する。
【0011】
また、請求項4の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得手段と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録手段と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0012】
また、請求項5の発明は、車両に搭載される車載装置であって、請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する取得手段と、走行する地点に応じた前記アドバイス情報を、ユーザーに通知する通知手段と、を備える。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置と、車両に搭載され、前記情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する車載装置と、を備える。
【0014】
また、請求項7の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を備え、前記選択工程は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0015】
また、請求項8の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を備え、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0016】
また、請求項9の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を実行させ、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0017】
さらに、請求項10の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を実行させ、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし10の発明によれば、車両の走行回数が所定回数を超えるその位置または走行経路に基づいて通知不要領域を設定することで、アドバイス情報の選択対象となっている地点が車両の通知不要領域に含まれる場合、アドバイス情報を選択しないことでドライバーの煩わしさを解消する。
【0019】
また、特に請求項2の発明によれば、位置または走行経路の周辺領域を通知不要領域とすることで、ドライバーが頻繁に利用する位置または走行経路とその周辺での危険地点のアドバイス通知を行うことなく、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0020】
また、特に請求項3の発明によれば、走行経路の出発地点及び目的地の周辺については、出発地と目的地との相互経路よりも広い領域を通知不要領域とすることで、ドライバーが頻繁に利用する走行経路のうちの出発地点または目的地点の比較的慣れ親しんだ領域における危険地点のアドバイス通知を行うことなく、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0021】
また、特に請求項4の発明によれば、アドバイス情報の選択対象となる地点の走行回数が所定回数を超える場合は、アドバイス情報を選択しないことにより、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0022】
さらに、特に請求項5の発明によれば、情報処理装置で生成されたアドバイス情報を取得し、そのアドバイス情報をユーザーに通知するため、車載装置において常に最新のアドバイス情報をユーザーに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、車両に対して危険情報を提供する情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車両情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、情報処理システムのブロック図である。
【図4】図4は、ユーザーの運転特性の運転レベルの一例を示す図である。
【図5】図5は、統合DBの一例を示す図である。
【図6】図6は、統計DBのA地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、統計DBのB地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、統計DBのC地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、危険情報マップDBの一例を示す図である。
【図10】図10は、ドライバー通知DB、および、アドバイスマップDBの一例を示す図である。
【図11】図11は、ドライバー通知DB、および、アドバイスマップDBの別の例を示す図である。
【図12】図12は、車両で検出した車両情報をセンターへ送信する処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、アドバイスマップDBへのデータ記録処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、ドライバー通知処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、ドライバー通知不要領域の一例を示す図である。
【図16】図16は、ドライバー通知不要領域の別の例を示す図である。
【図17】図17は、ユーザー管理DBの走行回数のデータの一例を示す図である。
【図18】図18は、ドライバー通知不要領域の判定を含むドライバー通知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、この説明では、データベースを「DB」と略称する。
【0025】
<第1の実施形態>
<1.構成>
<1−1.システム概要>
図1は、車両に対して危険情報を提供する情報処理システム10の概要を示す図である。情報処理システム10は、車両1に搭載される車載装置と、所定のセンターに配置されたサーバ装置として構成される情報処理装置(以下、「センター」という。)31とを含んで構成される。トラック、乗用車、タクシーなどの車両1は、ナビゲーション装置11の後述する通信部を介してセンター31との通信を行う。また、車両1は、車両の位置情報や目的地までの経路情報などを表示する車載装置であるナビゲーション装置11、図示しないカメラからの画像情報を記録するドライブレコーダ装置21、および、後述する各種センサを備えている。ここで、画像情報とは、静止画及び動画のいずれも含み、場合によって音声などを含んでいてもよい。さらに、ナビゲーション装置11は車両1の位置情報や目的地までの経路情報などの表示機能に限らず、オーディオ再生やDTV(Digital Television)再生、および、録画などの機能も有する。
【0026】
ナビゲーション装置11は、ドライブレコーダ装置21および各種センサが基準値以上を検出した場合において取得される各種情報を含む車両情報をセンター31に送信し、センター31は、ナビゲーション装置11が送信した車両情報を受信する。
【0027】
<1−2.車両情報>
図2は、この車両情報の一例を示す図である。車両情報は図に示すように車両のユーザーID、緯度および経度の情報を含む位置情報、ドライブレコーダ装置21および各種センサが検出したトリガー情報、車両1を運転するドライバーの視線方向を示す視線方向情報、方向指示器25の信号に基づいた方向指示器情報、車両の速度を検出する車速情報、図示しないカメラを用いて撮影した画像情報、および、運転者の各種の運転特性ごとの運転レベルを示す運転レベル情報などを含んでいる。ここで、各種の運転特性とは、危険地点の危険の種類に対応した運転の特徴であり、道路標識などの交通規則に従って車両を停車させる「止まる」特性、カーブなどを「曲がる」特性、および、車両を停車状態から走行させたり、交通規則に従って車両を走行させるなどの「走る」特性などをいう。また、運転レベルとは、車両を運転するドライバーの状況に応じた運転技量をいう。
また、車両情報に含まれるユーザーID、位置情報及びトリガー情報以外の情報(視線方向情報、方向指示器情報、車速情報、画像情報等)は、センサが検知したときの車両または車両周辺の状態を示す状態情報であるともいえる。
【0028】
ユーザーIDは、車両ごとの番号、または、ユーザーであるドライバーごとの番号であり、後述するユーザー管理DBに記録されている。
【0029】
位置情報は緯度、および、経度の情報であり、後述する地図DBに記録されている。また、位置情報は、ドライブレコーダ装置21および各種センサにより基準値以上を検知した場合において、その検知したときの車両の地点の緯度、及び、経度を示すものである。
【0030】
トリガー情報は、ドライブレコーダ装置21および各種センサにより基準値以上を検知した場合において、その検知した内容を示す検知情報である。
【0031】
視線方向は後述する視線センサにより検出される情報であり、運転中のドライバーの視線方向の情報である。
【0032】
方向指示器は、車両が右折、または、左折する場合の方向指示器が示す右方向、または、左方向の情報であり、車速は後述する速度センサにより検出された情報である。
【0033】
画像情報は車両に備えられたカメラからの撮影情報であり、ドライブレコーダ装置21に記録する画像を撮影するカメラを用いてもよいし、その他のカメラ(たとえば、車両周辺を撮影するカメラ)を用いてもよい。
【0034】
運転レベルはユーザーであるドライバーの運転特性をパラメータとして運転技量を示すものである。この運転レベルの情報は後述するナビゲーション装置11のユーザー管理DB、および、センター31のユーザー管理DBに記録されている。この例では「止まる」の運転特性のレベルが5、「走る」の運転特性のレベルが4、「曲がる」の運転特性のレベルが2、および、「総合」がレベル3であることを示している。なお、ユーザーごとの各種運転特性の運転レベル判定については後述する。
【0035】
このような車両情報は無線通信により、ナビゲーション装置11からセンター31に送信される。センター31は後述する統計DBに車両情報を記録する。そして、センター31は、統計DBに記録された情報から、後述する危険地点ごとの代表検知項目と運転特性の運転レベルとの関連性を判定する。つまり、危険地点とされる地点で発生しやすい走行状態がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことの原因で発生しているかどうかを判定するのである。
さらに、センター31は、代表検知項目と運転特性の運転レベルとの関連性に基づいて、後述するドライバー通知DBの中からドライバーに通知すべき危険地点に応じたアドバイス情報を選択して、後述するアドバイスマップDBに記録する。
【0036】
このアドバイスマップDBは、センター31からナビゲーション装置11に提供され、ナビゲーション装置11の内部の記憶装置に記憶される。これにより、ナビゲーション装置11は、車両1が危険地点に近づいた場合(たとえば、危険地点から100mの位置となった場合)、アドバイスマップDBに記録されているデータを用いて、画像情報や音声情報によりドライバーに対して具体的な危険回避のためのアドバイス情報の通知が行える。また、ドライバーの運転特性の運転レベルに応じてアドバイス情報を設定できるため、運転レベルの低いドライバーに対しては、詳細なアドバイスを通知し、運転レベルの高いドライバーに対しては簡単なアドバイスを通知したり、アドバイス通知をなしとすることで、ドライバーが煩わしさを感じることなく、安全に車両を運転できる。
<1−3.システム構成>
図3は、情報処理システム10のブロック図である。図に示すように、情報処理システム10は、車両1が備えているナビゲーション装置11と、情報検出装置、および、サーバ装置であるセンター31とから構成される。情報検出装置は、ドライブレコーダ装置21、速度センサ22、ステアリングセンサ23、視線センサ24、方向指示器25などを含んでいる。
【0037】
ドライブレコーダ装置21は、所定の閾値を超えるG値を検出した場合に、画像情報を図示しないメモリに保存する。たとえば、重力加速度を1Gの基本単位として、加速度の変化量をこの基本単位に換算した値を加速度情報とする。この加速度情報が閾値0.5Gを超えている場合は常時記録している画像情報のうちの所定の閾値を超えるG値を検出した時点から前後合計20秒間の画像情報をメモリーカードなどの記憶媒体に記録する。そして、この所定の閾値を超えるG値を検出した情報を後述するナビゲーション装置11の制御部12に送信する。このドライブレコーダ装置21で検出した旨の情報は後述する統計DBのG検知、および、急ハンドルを示すトリガー情報となる。
【0038】
速度センサ22は、車両1の速度を検出して、制御部12へ情報を送信する。なお、この速度センサ22により、たとえば、1秒間あたりに10km/h以上の急加速、または、急減速が検知されると、その検知した旨の情報は、後述する統計DBの急減速、または、急加速を示すトリガー情報となる。
【0039】
ステアリングセンサ23は、ステアリングの回転角速度を検出して、制御部12へ情報を送信する。なお、ステアリングセンサ23により、ステアリングの回転角速度が所定値を超えたことが検知されると、その検知した旨の情報は、後述する統計DBの急ハンドルを示すトリガー情報となる。
【0040】
視線センサ24は、ドライバーの顔を撮影し、制御部12へ情報を送信する。なお、制御部12は図示しない画像解析装置により撮影画像のドライバーの目の部分の画像解析を行い、ドライバーの視線方向を検出する。
【0041】
方向指示器25は、ドライバーの操作により、右折、または、左折を行う場合の信号を制御部12へ送信する。
【0042】
車両1のナビゲーション装置11は、制御部12、データ記憶部13、音声出力部14、表示部15、位置検出部16、通信部17を備えており、通信部17はセンター31の通信部34との車両情報の送受信を無線または有線で行う。
【0043】
ナビゲーション装置11の制御部12は、ドライブレコーダ装置21、速度センサ22、ステアリングセンサ23、視線センサ24、および、方向指示器25などの情報検出装置が検出した情報を含む車両情報を通信部17を介して、センター31の制御部32に送信する。
【0044】
センター31は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えた一般的なコンピュータで構成される。ハードディスクとして構成されるデータ記憶部33に記憶されたプログラム33gにしたがって演算処理を行うことで、センター31の制御部32としての機能が実現される。センター31の制御部32は通信部34を介して車両情報を受信する。制御部32は受信した車両情報をハードディスクとして構成されるデータ記憶部33に記録する。このデータ記憶部33は統計DB33a、危険情報マップDB33b、ドライバー通知DB33c、ユーザー管理DB33d、地図DB33e、外部情報DB33f、および、アドバイスマップDB33hを備えている。以下、各データベースの詳細内容について説明する。
【0045】
<1−4.ユーザー管理DB>
ユーザー管理DB33dは、各種車両を利用するユーザーに関する情報が記録されている。たとえば、複数のユーザーが利用している各々の車両番号や、ユーザーであるドライバーの番号などの複数のユーザーに関する情報を記録している。また、ユーザー管理DB33dはユーザーごとの運転特性ごとの運転レベルを記録している。
【0046】
図4はユーザーの運転特性ごとの運転レベル一例を示す図である。図4の「走行検出情報」はユーザーが所定の期間車両1を走行させた中で、後述する統計DBのトリガー情報となる各種項目の検出回数を記録するデータである。この「走行検出情報」は「ユーザーID」、「走行回数」、「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目を有している。
【0047】
「ユーザーID」はユーザー個人ごとまたは車両ごとに与えられる番号である。また、「走行回数」は、このID番号のユーザーの所定の期間の走行回数であり、図示例では1ヶ月間の車両走行回数の20の値が記録されている。
【0048】
「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目は以下に述べる統計DB33aのトリガー情報の項目と同内容の項目であり、情報検出装置が所定の値を検出した回数が記録される。図示例では、「G検知」0回、「急減速」0回、「急加速」2回、および、「急ハンドル」6回となっている。
【0049】
このように所定期間の走行回数の中で発生したトリガー情報の項目からユーザーの各種の運転特性の運転レベルの情報が生成される。具体的には、図4に示す「運転特性」では「ユーザーID」、「止まる」、「走る」、「曲がる」、および「総合」の項目を有している。
【0050】
そして、「G検知」、および「急減速」の情報からは運転特性「止まる」の運転レベルが決定され、「急加速」の情報からは運転特性「走る」の運転レベルが決定され、「急ハンドル」の情報からは運転特性「曲がる」の運転レベルが決定される。なお、これらの「止まる」、「走る」、および、「曲がる」の運転レベルの平均値として「総合」の運転レベルが決定される。運転レベル5は運転技量が最も高いことを示しており、レベル5から4、3、2、1とレベルが下がるにつれて運転技量が下がり、運転レベル1は運転技量が最も低いことを示している。
【0051】
図示例では、「止まる」のレベルが5.0、「走る」のレベルが4.0、「曲がる」のレベルが2.0、および、「総合」のレベルが3.7となっている。なお、レベルの値に小数点以下の数値が算出された場合は、その小数以下の値は切り捨てて記録してもよい。たとえば、「総合」のレベル3.7は3.0として記録する。
【0052】
このようにして、車両1の走行検出情報に基づいて各ユーザー、または、各車両の運転特性の運転レベルが決定される。そして、ナビゲーション装置11のユーザーDB13dに記録される。また、車両1が所定の地点においてトリガー情報を発生させた際に、運転特性ごとの運転レベルを含む車両情報がセンター31に送信され、以下に説明する統計DB33aに記録される。
【0053】
<1−5.統計DB>
図5は統計DB33aの一例を示す図である。統計DB33aは、複数の車両1から取得された車両情報をもとに構成されており、地図上の複数の地点ごとに当該地点で検出された「トリガー情報」が記憶される。この「トリガー情報」は複数種類の項目を有している。項目の例としては、「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目である。
【0054】
統計DB33aは、「トリガー情報」の各項目について、地図上の各地点ごとに検出回数を記録している。そして、検出回数が所定の検出回数を超えている場合、当該「トリガー情報」の項目がその地点で生じやすい走行状態を示すことになる。なお、図5で「トリガー情報」の項目の網掛けの項目が所定の検出回数を超えており、その地点で生じやすい走行状態を示している。「トリガー情報の所定の検出回数を超える一つの項目を代表検知項目として選択することは、その地点で生じやすい走行状態を特定することに相当する。「トリガー情報」の項目と以下に説明する運転特性との対応は図示しないテーブルなどで予め設定されている。
【0055】
また、C地点では、「トリガー情報」の項目としては「G検知」と「急減速」の2つの項目の検出回数が所定数を超えており(たとえば、検出回数50回以上の場合を所定の基準を満たしているとする)、両方の項目が危険情報解析の対象となり得る項目である。このように「トリガー情報」の項目において複数の項目が危険情報解析の対象となった場合は、予め危険度に応じて設定された優先順位に応じて、一つの項目が代表検知項目として選択される。これにより、より危険度の高い項目が危険情報解析の対象とされる。この例の場合は車両を急停止させた可能性のある「急減速」よりも、車両が障害物と衝突した可能性のある「G検知」が危険度の高い項目といえるため、「G検知」の項目が危険情報解析に用いられる。これにより、ドライバーに対してより危険度の高い情報を危険情報解析に使用することができ、重要度の高い情報をドライバー通知すべき危険情報を選択する要素となる。
【0056】
統計DB33aではさらに、複数の地点ごとに当該地点で検出された運転レベルが対応付けられている。図6は、統計DB33aに記録されているA地点の運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。この運転特性の運転レベルのデータは車両情報の「曲がる」の運転特性の運転レベルデータを複数の車両から収集して記録したものである。
【0057】
図6では項目「急ハンドル」に対応する「曲がる」の運転特性の各レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図6では「急ハンドル」の項目を検出したユーザーが99人であり、そのうちの運転レベル5が4人、レベル4が5人、レベル3が6人、レベル2が40人、および、レベル1が44人となっている。なお、レベルについては、レベル5は運転技量が最も高いことを示しており、レベル5から4、3、2、1とレベルが下がるにつれて運転技量が下がり、レベル1は運転技量が最も低いことを示している。
【0058】
図6のレベル2、および、レベル1のユーザー数は網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、「A地点」の項目(急ハンドル)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「曲がる」の運転特性の運転レベル2、および、運転レベル1のレベルの低いユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性有りと判定する。
【0059】
図7は、統計DBに記録されている「B地点」の項目に対応した運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。図7では項目「急減速」に対応する「止まる」の運転特性の各運転レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図7では「急減速」の項目を検出したユーザーが131人であり、そのうちの運転レベル5が6人、レベル4が4人、レベル3が25人、レベル2が36人、および、レベル1が60人となっている。
【0060】
図7のレベル2、および、レベル1のユーザー数は網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、B地点の項目(急減速)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「止まる」の運転特性の運転レベル2、および、レベル1の運転レベルの低い値のユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性有りと判定する。
【0061】
図8は、統計DBに記録されている「C地点」の項目に対応した運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。図8では項目「G検知」に対応する「止まる」の運転特性の各レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図8では「G検知」の項目を検出したユーザーが52人であり、そのうちの運転レベル5が13人、レベル4が13人、レベル3が7人、レベル2が10人、および、レベル1が9人となっている。
【0062】
図8のレベル2、および、レベル1のユーザー数の網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、C地点の項目(G検知)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「止まる」の運転特性の運転レベル2、および、レベル1の運転レベルの低い値のユーザー数の合計が全体の8割以下の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無しと判定する。
【0063】
なお、上記の例では所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無の判定対象とする低い運転レベルをレベル2、および、レベル1としたが、この例は一例であり、これら以外のレベルによる判定も可能である。具体的にはレベル3、レベル2、および、レベル1の合計が全体の8割以上の値である場合に関連性有りと判断することもできる。また、8割以上とした判断基準も任意の値に変更可能である。
【0064】
<1−6.危険情報マップDB>
図9は、危険情報マップDB33bの一例を示す図である。この危険情報マップDB33bは、複数の危険地点に対応付けて危険情報が記録されている。危険情報マップDB33bに記録される危険情報の具体的な項目は、「危険種別」、「緯度」、「経度」、「リンクID」、および、「関連性」の項目である。
「危険種別」は、当該危険地点で生じやすい車両の危険な状態を示す情報であり、たとえば、「急ハンドル多発地点」、「急ブレーキ多発地点」、および、「交通事故多発地点」などである。「リンクID」は、道路の幅、勾配、および、車線数など当該危険地点のロケーション情報を含む情報である。
また、「関連性」は、上述の統計DB33aの「トリガー情報」の項目に基づく、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無を示す情報であり、この関連性の有無は制御部32により判定される。本実施形態では、上述の統計DB33aで述べたように「危険種別」を急ハンドル多発地点とするA地点(緯度××、経度××)では所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとは関連性を有するとされており、「関連性」の項目は「有」と記録されている。また、「危険種別」を急ブレーキ多発地点とするB地点(緯度××、経度××)では「関連性」の項目は「有」、および、「危険種別」を交通事故多発地点とするC地点(緯度××、経度××)では「関連性」の項目は「無」として記録されている。
【0065】
<1−7.ドライバー通知DB、アドバイスDB>
図10はドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの一例を示す図である。このドライバー通知DB33cは、各運転特性に対応したドライバーに通知するアドバイス情報を予め記録している。ドライバー通知DB33cは、「運転レベル5」から「運転レベル1」に対応したアドバイス情報とともに、運転レベルに関連しない「通常アドバイス」としてのアドバイス情報を記録している。
【0066】
また、アドバイスマップDB33hは、ドライバー通知DB33aに基づいて作成され、個別のユーザーごとの各地点別のアドバイス情報を記録している。つまり、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有する地点では、ユーザーの運転レベルに応じたアドバイス情報を記録し、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有しない場合は、運転レベルと関連しないアドバイス情報を記録する。
【0067】
なお、アドバイスマップDB33hは、危険情報マップDB33bの地点の緯度、および、経度情報と、ユーザーの運転レベルに応じたアドバイス情報と、ユーザー管理DB33dに記録されているユーザーごとの運転特性の運転レベルとで構成されている。
次に、ドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの一例を述べる。図10に示すドライバー通知DB33cは、各地点ごとのデータとして「運転特性」、「運転レベル5」から「運転レベル1」までの項目、および、「通常アドバイス」の項目を有している。
「運転特性」はドライバーの道路標識などの交通規則に従って車両を停車させる「止まる」特性、カーブなどを「曲がる」特性、および、車両を停車状態から走行させたり、交通規則に従って車両を走行させるなどの「走る」特性などを示す。また、「運転レベル」は各運転特性における運転技量を示す。「通常アドバイス」は所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有しない場合に運転レベルごとに分類されていない運転特性に対応したアドバイス情報を示す。
具体的には、「運転特性」「曲がる」は、「運転レベル1」から「運転レベル3」まではそれぞれアドバイス1から3の異なる内容のアドバイス情報を記録している。また、運転レベルが高い「運転レベル4」、および、「運転レベル5」についてはアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス10」を記録している。このように運転レベルの高いユーザーに対しては、危険地点に近づいた際にアドバイスを行わない。これにより、運転レベルが高いドライバーに対して、不要な通知を行うことなく、ドライバーに煩わしさを解消させる。
なお、上述では運転レベル1から3については、異なるアドバイス情報としたが、運転レベル同士を同じアドバイス情報とすることも可能である。これにより、危険地点においてユーザーであるドライバーの運転技量に応じたアドバイスを通知できる。
【0068】
また、「運転特性」「止まる」は、「運転レベル1」から「運転レベル4」についてはアドバイス4から7の異なるアドバイス情報を記録しており、「運転レベル5」ではアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス11」を記録している。
【0069】
また、「運転特性」「走る」は、「運転レベル1」および「運転レベル2」についてはアドバイス8、および、9の異なるアドバイス情報を記録しており、「運転レベル3」から「運転レベル5」ではアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス12」を記録している。
【0070】
このようにドライバー通知DB33cは、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有する場合に用いる運転レベルに応じたアドバイス情報と、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合に用いる通常のアドバイス情報とを記録することで、ドライバーの運転技量とに応じてアドバイス情報を選択できる。
【0071】
なお、上記の例では運転特性ごとのアドバイス情報の記録について述べたが、危険地点ごとにアドバイス情報を記録するようにしてもよい。これにより、危険地点ごとのより詳細な内容のアドバイス情報の選択が可能となる。
【0072】
次に、アドバイスマップDB33hに記録されているデータの内容について述べる。アドバイスマップDB33hは、「ユーザーID」、「地点」、「位置(緯度・経度)」、「運転特性」、「運転レベル」、および、「アドバイス情報」の項目を有している。
【0073】
たとえば、「ユーザーID」「12345」の「A地点」(緯度××、経度××)は、「運転特性」が「曲がる」で、「運転レベル」が「レベル2」であることから、「アドバイス情報」はドライバー通知DB33cと対応した「アドバイス2」の情報が記録されている。B地点は「運転特性」が「止まる」で「運転レベル」が「レベル4」であることから、「アドバイス情報」はドライバー通知DC33cと対応した「アドバイス7」のデータが記録されている。また、C地点は「運転特性」が「止まる」であるが、危険情報マップDB33bの「関連性」の項目データから所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無いことから、「アドバイス情報」はドライバー通知DC33cと対応した「アドバイス11」のデータが記録されている。
【0074】
また、別のユーザーである「ユーザーID」「67890」についても危険情報マップDB33b、ドライバー通知DB33c、および、ユーザー管理DB33dの各種データから、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有する場合は、運転レベルに対応したアドバイス情報を記録し、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合は、運転レベルに対応しない通常のアドバイス情報を記録している。
【0075】
これにより、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有する場合は、ユーザーごとの運転特性の運転レベルに応じて、アドバイス情報を選択して記録することで、所定の地点接近時に情報を通知されるユーザーはその運転レベルに応じたアドバイスが受けられるので、ドライバーは安全な運転を行うことができ、かつ、冗長なアドバイスによる煩わしさを解消できる。
【0076】
また、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合は、運転特性の運転レベルに応じたアドバイスではなく、通常のアドバイスの通知を受けることができる。これにより、運転特性の運転レベルとは関係がなく危険地点となっている場所でも、ドライバーは適切なアドバイスを受けられる。
【0077】
そして、アドバイスマップDB33hは、ユーザーごとのデータがセンター31の通信部34および通信部17を介して、ユーザーIDに対応したナビゲーション装置11のデータ記憶部13のアドバイスマップDB13hに所定の周期で記録更新される。
【0078】
図11はドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの別の例を示す図である。この図11のデータと図10のデータとの違いは、図10ではユーザーごとに複数の地点のアドバイス情報をアドバイスマップDB33hに記録していたのに対して、図11では所定のグループごとに分けて記録することである。このグループ分けは、ユーザーの各運転特性の運転レベルに応じて行われる。
【0079】
具体的には、ドライバー通知DB33cは「地点」、「緯度・経度」、「グループ1、曲がる閾値以上、走るおよび止まるが閾値以下」(以下「グループ1」という。)、および「グループ2、走るおよび止まるが閾値以上、曲がるが閾値以下」(以下「グループ2」という。)、グループ10、曲がるが閾値以上、走るおよび止まるが閾値以下(以下「グループ10」という。)、および、「グループ15、走るおよび止まるが閾値以上、曲がるが閾値以下(以下、「グループ15」という。)などの項目を有している。なお、各「グループ」の項目は各「地点」ごとに複数有している。
【0080】
そして「地点」の項目は「A地点」、「経度・緯度」の項目は「××・××」の位置情報、「グループ1」の項目は「アドバイス1」、「グループ2」の項目は「アドバイス2」などの情報が記録されている。
【0081】
また、「地点」の項目が「B地点」では、「経度・緯度」の項目は「××・××」の位置情報、「グループ10」の項目は「アドバイス10」、「グループ2」の項目は「アドバイス11」などの情報が記録されている。
次に、ユーザー管理DB33dに記録されているユーザーごとの運転特性の運転レベルの情報を上述のドライバー通知DB33cと対応付けてアドバイスマップDB33hを生成する。
たとえば、図11に示すようにユーザー管理DB33dに記録されている「ユーザーID」「12345」は運転特性「走る」の運転レベルが閾値以下、「曲がる」の運転レベルが閾値以上、および、「止まる」の運転レベルが閾値以下である。また、「ユーザーID」「67890」は運転特性「走る」の運転レベルが閾値以上、「曲がる」の運転レベルが閾値以下、および、「止まる」の運転レベルが閾値以上である。(なお、閾値の例としては運転レベル3を閾値とし、運転レベル3以上を閾値以上とする。)
そして、アドバイスマップDB33hは、「地点」「緯度・経度」、「グループ1」、グループ2」、「グループ10」、および、「グループ15」などの項目を有している。そして、上述したドライバー通知DB33cと同様に各地点ごとの各グループに対応したアドバイス情報を有している。A地点の「グループ1」は「アドバイス1」、「グループ2」は「アドバイス2」などのデータを有している。また、B地点の「グループ10」は「アドバイス10」、「グループ15」は「アドバイス11」などのように各地点のグループごとにアドバイス情報のデータが記録されている。
さらに、それぞれのグループにはグループ特性(たとえば、グループ1の「曲がる」閾値以上、「走る」および「止まる」が閾値以下」)に対応したユーザー特性(たとえばグループ1の条件を満たす運転特性の運転レベル)のユーザーを対象のグループに振り分ける。
【0082】
たとえば、「ユーザーID」「12345」のユーザーは「A地点」ではグループ特性を満たした「グループ1」に属し、「B地点」ではグループ特性を満たした「グループ10」に属する。また、「ユーザーID」「67890」のユーザーは「A地点」ではグループ特性を満たした「グループ2]に属し、B地点ではグループ特性を満たした「グループ15」に属する。これにより、アドバイスマップDB33hのユーザーごとにではなく各地点のグループごとにユーザーのアドバイス情報を分けることができ、ユーザーが増加しても記録するデータ量の効率化が図れる。
【0083】
<1−8.その他のDB>
地図DB33eは、道路データ、および、施設データなどを記録しており、危険情報マップDB33bのデータを生成する場合に位置情報を提供する。この地図DB33eのデータはセンター31の通信部34、および、通信部17を介して、ナビゲーション装置11の地図DB13eに送信される。
【0084】
ナビゲーション装置11の地図DB13eは、道路データ、および、施設データなどを記録しており、危険情報マップDB13bの危険情報を生成する場合の位置情報を提供する。また、ナビゲーション装置11が車両1の位置情報を出力したり、目的地までの経路情報を生成する場合は、この地図DB13eを用いる。
【0085】
さらに、外部情報DB33fは、車両外部の情報である天候情報や時間情報などを取得して記録している。
【0086】
<2.処理>
<2−1.車両情報の取得>
図12は、車両1で検出した車両情報をセンター31へ送信する処理を示すフローチャートである。車両1のナビゲーション装置11はドライブレコーダ装置21などの情報検出装置がトリガー情報となる所定の検知情報を検出した場合(ステップS1201がYes)、ユーザー管理DB13dからユーザーIDやユーザーの運転特性の運転レベルなどのユーザー情報を読み出す(ステップS1202)。情報検出装置がトリガー情報となる所定の情報を検出していない場合(ステップS1201がNo)は、処理を終了する。
【0087】
そして、情報検出装置により検出したトリガー情報やユーザーの情報である運転特性の運転レベルを含む車両情報をセンター31に送信する(ステップS1203)。センター31はナビゲーション装置11から送信された車両情報を受信する(ステップS1204)。
【0088】
受信した車両情報のデータを統計DBに記録する(ステップS1205)。なお、車両情報には上述の運転特性の運転レベルの情報も含まれており、該当する地点の運転レベルの値を更新する。
【0089】
このようにセンター31で車両情報の処理を行って、車両情報を統計DBに記録することで、車両1のナビゲーション装置11の処理負荷や記録容量を軽減できる。
【0090】
<2−2.アドバイスマップDBの生成>
図13は、アドバイスマップDB33hへのデータ記録処理を示すフローチャートである。センター31の制御部32はデータ記憶部33内の統計DB33aを読み出す(ステップS1301)。
【0091】
読み出した統計DB33aのデータに基づいて、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の判定を行う(ステップS1302)。つまり、危険地点とされる地点で発生する危険な状態がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことの原因で発生しているかどうかを判定する。
【0092】
判定の結果、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの間に関連性がある場合(ステップS1303がYes)は、ドライバー通知DB33cに記録されている運転特性の運転レベルごとのアドバイス情報を選択する(ステップS1304)。なお、所定の地点が代表検知項目と運転特性の運転レベルとの間に関連性が無い場合(ステップS1303がNo)は、ドライバー通知DBに記録されている運転レベルに対応しない通常のアドバイス情報を選択する(ステップS1305)。
【0093】
なお、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無については、たとえば、運転特性の運転レベル2、および、運転レベル1のレベルの低いユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有すると判定する。ただし、低いレベルとする運転レベルはレベル1、および、レベル2のみではなく、他のレベル(たとえばレベル1、2、および3)などを用いてもよく、またレベルの低いユーザー数をユーザー数全体の8割としたのも一例であり、全体の7割や6割など任意の数値に変更可能である。
【0094】
そして、選択されたアドバイス情報をアドバイスマップDB33hに記録する(ステップS1306)。
【0095】
<2−3.ドライバーへの通知>
図14は、ナビゲーション装置11において、ドライバーへ通知する処理に関するフローチャートである。車両1が危険地点に接近(たとえば、危険地点から100mの地点に接近)した場合(ステップS1401がYes)、制御部12はアドバイスマップDB13hのデータの中から、該当する危険地点のアドバイス情報の記録があるか否かを判定する(ステップS1402)。なお、危険地点に接近していない場合(ステップS1401がNo)は、処理をやり直す。
【0096】
アドバイスマップDB13hに該当する危険地点のアドバイス情報が記録されている場合(ステップS1402がYes)は、アドバイスマップDB13hに記録されているアドバイス情報を選択する(ステップS1403)。そして、ナビゲーション装置11の音声出力部14、および、表示部15からアドバイス情報を出力してドライバーへ通知する(ステップS1404)。なお、アドバイスマップDB13hの該当する危険地点のアドバイス情報が記録されていな場合は、ドライバーへのアドバイス情報の通知がなされず、処理を終了する。
【0097】
上述の実施形態ではユーザーであるドライバーの運転特性の運転レベルに応じてドライバーへ通知するアドバイス情報を選択する例を述べたが、これとは別にドライバーの生活習慣に基づいてドライバーへ通知するアドバイス情報を選択する例を以下に述べる。なお、情報処理システム10としての構成は上述の実施形態と同じ構成であり、異なる点については以下に述べる。
【0098】
<第2の実施形態>
<3.構成>
<3−1.ユーザー管理DB>
先の実施形態ではセンター31のユーザー管理DB33dにはユーザーごとの各運転特性の運転レベルが記録されていたが、本実施形態では、危険地点をユーザーが車両1で走行した回数などのデータが記録されている。
【0099】
たとえば、図15に示すように出発地点Xから目的地Yまでの経路R1で車両1が走行する場合、通過する地点であるA地点、および、B地点を危険地点とする。A地点とB地点がドライバーへアドバイス情報を通知する対象の地点の場合であって、このA地点またはB地点を所定回数以上(たとえば1ヶ月間に4回以上や、1週間に2回以上など)通過する場合は、ドライバーへのアドバイス情報の選択は行わない。これは、普段から所定回数以上通過する地点であれば、ドライバーはその危険地点の危険状態などを既に理解しており、その地点を通過するたびに毎回アドバイス情報を通知せずとも危険を回避できるためである。
【0100】
これにより、ドライバーの生活習慣(たとえば、通勤経路や定期的に走行する経路など)に基づいて、危険地点を車両1で通過するたびにアドバイス情報を通知されるという煩わしさを解消できる。
【0101】
また、図16に示すように地図上を所定の領域に分けて、所定領域内はドライバー通知を行わない通知不要領域としてもよい。たとえば、出発地Xから目的地Yまでの経路R1を走行する場合に、所定回数以上経路R1を車両1が通過している場合はその経路途中にある危険地点のA地点、および、B地点と経路R1を含む所定領域内(本実施形態では経路R1を含む1領域内)の危険地点(たとえば、C地点)のアドバイス情報通知は行わない。これにより、ドライバーが頻繁に利用するルート上とその周辺の危険地点のドライバーに対するアドバイス情報は行わず、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0102】
また、本実施例の図16に示す1領域はたとえば、縦約10km、および横約10kmの図17で示す1マス分の領域であり、通知不要領域を上述の1領域以外にも所定範囲の領域に変更することもできる。
【0103】
なお、経路R1を外れた経路R4で目的地をPとして走行した場合、出発地Xからよく通過する経路R1を含む1領域内であれば、ドライバーへのアドバイス通知は行わないが、経路R1を含む1領域内から外れて経路R3を走行している場合(たとえば、危険地点D)を車両1が通過する場合は、地点Dのアドバイス情報をドライバーへ通知する。
【0104】
また、X地点、および、Y地点を所定の回数以上、出発地および目的地としている場合は、出発地Xや目的地Y含む領域を中心領域とした周囲1領域をドライバーへのアドバイス情報を通知しない領域とできる。この場合、出発地と目的地との相互間経路よりも広い領域が、アドバイス情報を通知しない領域とされる。これにより、ドライバーが頻繁に出発地や目的地とする地点の周辺ではドライバーに対するアドバイス情報を通知することを行わず、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0105】
具体的には、図17に示すように出発地Xを含む領域を略中心領域とした周囲1領域内にあるQ地点までのR2の経路ではアドバイス情報の通知は行わず、目的地Yを含む領域を中心とした周囲1領域外にある地点Zまでの経路で危険地点があった場合はアドバイス情報の通知を行う。これにより、ドライバーの生活習慣に応じてアドバイス情報の通知の必要性を判断でき、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0106】
図17はユーザー管理DB33dに記録されているデータの具体例である。各項目は「経路」、「出発地」、および、「目的地」のそれぞれの項目の走行回数を記録したものである。「経路」の項目はR1(X地点からY地点までの走行)の経路を車両1が走行した回数を記録しており、5回の走行回数が記録されている。また、R4(X地点からP地点までの走行)の経路を車両1が走行した回数を記録しており、1回の走行回数を記録している。
【0107】
さらに、「出発地」として地点Xを記録しており、その走行回数6回を記録しており、「目的地」としてYを走行回数5回、Pを走行回数1回として記録している。このようなデータは、各車両のナビゲーション装置11から車両の走行経路を取得することで得られる。
【0108】
そして、図17に示す回数で網掛けとなっている項目は走行回数が所定の回数(たとえば、所定の回数を4回とする)を超えている。そして、所定の回数を超えている走行経路、出発地、および目的地の所定の通知不要領域に含まれる危険地点についてはアドバイス情報を選択しない。なお、走行回数が所定回数を超えている経路、出発地、および、目的地と各危険地点との対応付けは、テーブルなどにより行われている。これにより、ユーザーであるドライバーがよく利用する経路や地点に対応付けられている危険地点での煩わしいアドバイス情報通知を回避できる。
【0109】
また、危険地点がアドバイスが不要な領域に該当するか否かは、アドバイスマップDB33hに記録されている危険地点の位置情報(緯度、経度)が不要領域の範囲内か否かにより判断できる。
【0110】
さらに上述の例では、走行経路、出発地、および、目的地についての走行回数が所定回数以上であれば、所定の不要通知領域を設けて、その領域内の危険地点についてアドバイス情報を選択しないことについて述べたが、アドバイス情報を通知すべき危険地点ごとの走行回数を記録しておき、その走行回数が所定回数以上であれば、その危険地点についてアドバイス情報を選択しないこととしてもよい。これにより、危険地点を走行するたびにアドバイス情報を通知されることによるドライバーの煩わしさを解消できる。また、アドバイス情報は上述のように選択しないことでドライバーへ通知しないこととしてもよいし、アドバイス情報を選択した危険地点が、通知不要領域内の場合はアドバイス情報を通知しないこととしてもよい。
【0111】
また、車両1の位置情報を所定周期でセンター31へ送信し、たとえば収集した地点の位置情報が所定回数以上車両1からセンター31へ送信されている場合は、収集した当該地点の情報に基づいて、所定範囲を通知不要領域として設定してもよい。これにより、目的地や経路を設定していなくても車両1の位置情報に基づいて、通知不要領域を設けることができ、ドライバーは当該領域内の危険地点のアドバイス情報を通知されることによる煩わしさを解消できる。
【0112】
なお、危険地点が通知不要領域内でアドバイス情報を選択しない場合や、走行回数が所定の回数超えている危険地点でアドバイス情報を選択しない場合であっても、たとえば、所定の日時であれば、ドライバーへのアドバイス情報と通知するようにすることも可能である。これにより、たとえば、雪などでタイヤを取られやすい冬の初めにドライバーに対して危険地点でのアドバイスを行い、ドライバーが危険な状態とならないようにする。
【0113】
また、これまで述べた実施の形態とあわせて、天候情報や時間帯、または車両の速度に応じてアドバイス情報を通知するか否かを判断することも可能である。
【0114】
<4.処理>
<4−1ドライバーへの通知>
図18は、ナビゲーション装置11において、ドライバーへ通知する処理に関するフローチャートである。車両1が危険地点に接近(たとえば、危険地点から100mの地点に接近)した場合(ステップS1801がYes)、制御部12はアドバイスマップDB13hのデータの中から、該当する危険地点のアドバイス情報の記録があるか否かを判定する(ステップS1802)。なお、危険地点に接近していない場合(ステップS1801がNo)は、処理をやり直す。
【0115】
アドバイスマップDB13hに該当する危険地点のアドバイス情報が記録されている場合(ステップS1802がYes)は、アドバイスマップDB13hに記録されているアドバイス情報を選択する(ステップS1803)。そして、ナビゲーション装置11の音声出力部14、および、表示部15からアドバイス情報を出力してドライバーへ通知する(ステップS1804)。また、アドバイスマップDB13hの該当する危険地点のアドバイス情報が記録されていな場合は、ドライバーへのアドバイス情報の通知がなされず、処理を終了する。
【0116】
これにより、ユーザーであるドライバーが頻繁に利用する経路や地点に対応した危険地点での煩わしいアドバイス情報通知を回避できる。
【符号の説明】
【0117】
1・・・・・車両
11・・・・ナビゲーション装置
12・・・・制御部
13・・・・データ記憶部
14・・・・音声出力部
15・・・・表示部
16・・・・位置検出部
17・・・・通信部
21・・・・ドライブレコーダ装置
22・・・・速度センサ
23・・・・ステアリングセンサ
24・・・・視線センサ
25・・・・方向指示器
31・・・・センター
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転するユーザーの特性に応じたアドバイス情報通知に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーであるドライバーが車両を運転している際に、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をヒヤリハットという。これはそのような事例に直面したドライバーが「ヒヤリ」としたり「ハット」したりすることからそのように呼ばれている。
【0003】
このようなヒヤリハットの危険情報(急ブレーキ、急ハンドル、G検知、エアバック動作、空転、スリップ防止機能作動など)を車両から検出した場合に、その位置情報とともに危険情報を収集し、発生した地点をマップデータとして整備するサーバ装置を備えたセンターが提案されている。このセンターでは、危険発生地点の統計を取り、データベース化し、車両が危険地点に近づいた際にドライバーに危険地点であることを通知することが提案されている。
【0004】
しかし、車両が危険地点に近づいた際に毎回ドライバーに対する通知がなされると、ドライバーはそれを煩わしく感じてしまうことがあり、かえって運転に集中できず事故等を引き起こす可能性があるという問題があった。
【0005】
これに対して、特許文献1では危険地点における危険事象の発生可能性の高い時間帯や天候などの外的要因に基づいてドライバーへの通知の有無を判断する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−104531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では危険地点での危険事象の発生可能性の高い時間帯や天候などの外的要因によって、ドライバーへの通知を行うか否かについて開示されているのみで、その他の要因、たとえば、ドライバー個人の生活習慣などの内的要因によるドライバーへの通知の有無ついては何ら考慮されていない。その結果、このような外的要因のみのドライバーへの通知判断では、ドライバーの生活習慣に応じた適正なアドバイスを行うことができなかった。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライバー個人の生活習慣などの内的要因を考慮して、ドライバー通知を行うか否かを判断する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得手段と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録手段と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記領域設定手段は、前記位置または走行経路の周辺の領域を前記通知不要領域として設定する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記領域設定手段は、前記走行経路の出発地及び目的地の周辺については、前記出発地と前記目的地との相互間経路よりも広い領域を、前記通知不要領域に設定する。
【0011】
また、請求項4の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得手段と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録手段と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0012】
また、請求項5の発明は、車両に搭載される車載装置であって、請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する取得手段と、走行する地点に応じた前記アドバイス情報を、ユーザーに通知する通知手段と、を備える。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置と、車両に搭載され、前記情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する車載装置と、を備える。
【0014】
また、請求項7の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を備え、前記選択工程は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0015】
また、請求項8の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を備え、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0016】
また、請求項9の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を実行させ、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【0017】
さらに、請求項10の発明は、車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、を実行させ、前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし10の発明によれば、車両の走行回数が所定回数を超えるその位置または走行経路に基づいて通知不要領域を設定することで、アドバイス情報の選択対象となっている地点が車両の通知不要領域に含まれる場合、アドバイス情報を選択しないことでドライバーの煩わしさを解消する。
【0019】
また、特に請求項2の発明によれば、位置または走行経路の周辺領域を通知不要領域とすることで、ドライバーが頻繁に利用する位置または走行経路とその周辺での危険地点のアドバイス通知を行うことなく、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0020】
また、特に請求項3の発明によれば、走行経路の出発地点及び目的地の周辺については、出発地と目的地との相互経路よりも広い領域を通知不要領域とすることで、ドライバーが頻繁に利用する走行経路のうちの出発地点または目的地点の比較的慣れ親しんだ領域における危険地点のアドバイス通知を行うことなく、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0021】
また、特に請求項4の発明によれば、アドバイス情報の選択対象となる地点の走行回数が所定回数を超える場合は、アドバイス情報を選択しないことにより、ドライバーの煩わしさを解消する。
【0022】
さらに、特に請求項5の発明によれば、情報処理装置で生成されたアドバイス情報を取得し、そのアドバイス情報をユーザーに通知するため、車載装置において常に最新のアドバイス情報をユーザーに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、車両に対して危険情報を提供する情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車両情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、情報処理システムのブロック図である。
【図4】図4は、ユーザーの運転特性の運転レベルの一例を示す図である。
【図5】図5は、統合DBの一例を示す図である。
【図6】図6は、統計DBのA地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、統計DBのB地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、統計DBのC地点の運転レベルのデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、危険情報マップDBの一例を示す図である。
【図10】図10は、ドライバー通知DB、および、アドバイスマップDBの一例を示す図である。
【図11】図11は、ドライバー通知DB、および、アドバイスマップDBの別の例を示す図である。
【図12】図12は、車両で検出した車両情報をセンターへ送信する処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、アドバイスマップDBへのデータ記録処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、ドライバー通知処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、ドライバー通知不要領域の一例を示す図である。
【図16】図16は、ドライバー通知不要領域の別の例を示す図である。
【図17】図17は、ユーザー管理DBの走行回数のデータの一例を示す図である。
【図18】図18は、ドライバー通知不要領域の判定を含むドライバー通知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、この説明では、データベースを「DB」と略称する。
【0025】
<第1の実施形態>
<1.構成>
<1−1.システム概要>
図1は、車両に対して危険情報を提供する情報処理システム10の概要を示す図である。情報処理システム10は、車両1に搭載される車載装置と、所定のセンターに配置されたサーバ装置として構成される情報処理装置(以下、「センター」という。)31とを含んで構成される。トラック、乗用車、タクシーなどの車両1は、ナビゲーション装置11の後述する通信部を介してセンター31との通信を行う。また、車両1は、車両の位置情報や目的地までの経路情報などを表示する車載装置であるナビゲーション装置11、図示しないカメラからの画像情報を記録するドライブレコーダ装置21、および、後述する各種センサを備えている。ここで、画像情報とは、静止画及び動画のいずれも含み、場合によって音声などを含んでいてもよい。さらに、ナビゲーション装置11は車両1の位置情報や目的地までの経路情報などの表示機能に限らず、オーディオ再生やDTV(Digital Television)再生、および、録画などの機能も有する。
【0026】
ナビゲーション装置11は、ドライブレコーダ装置21および各種センサが基準値以上を検出した場合において取得される各種情報を含む車両情報をセンター31に送信し、センター31は、ナビゲーション装置11が送信した車両情報を受信する。
【0027】
<1−2.車両情報>
図2は、この車両情報の一例を示す図である。車両情報は図に示すように車両のユーザーID、緯度および経度の情報を含む位置情報、ドライブレコーダ装置21および各種センサが検出したトリガー情報、車両1を運転するドライバーの視線方向を示す視線方向情報、方向指示器25の信号に基づいた方向指示器情報、車両の速度を検出する車速情報、図示しないカメラを用いて撮影した画像情報、および、運転者の各種の運転特性ごとの運転レベルを示す運転レベル情報などを含んでいる。ここで、各種の運転特性とは、危険地点の危険の種類に対応した運転の特徴であり、道路標識などの交通規則に従って車両を停車させる「止まる」特性、カーブなどを「曲がる」特性、および、車両を停車状態から走行させたり、交通規則に従って車両を走行させるなどの「走る」特性などをいう。また、運転レベルとは、車両を運転するドライバーの状況に応じた運転技量をいう。
また、車両情報に含まれるユーザーID、位置情報及びトリガー情報以外の情報(視線方向情報、方向指示器情報、車速情報、画像情報等)は、センサが検知したときの車両または車両周辺の状態を示す状態情報であるともいえる。
【0028】
ユーザーIDは、車両ごとの番号、または、ユーザーであるドライバーごとの番号であり、後述するユーザー管理DBに記録されている。
【0029】
位置情報は緯度、および、経度の情報であり、後述する地図DBに記録されている。また、位置情報は、ドライブレコーダ装置21および各種センサにより基準値以上を検知した場合において、その検知したときの車両の地点の緯度、及び、経度を示すものである。
【0030】
トリガー情報は、ドライブレコーダ装置21および各種センサにより基準値以上を検知した場合において、その検知した内容を示す検知情報である。
【0031】
視線方向は後述する視線センサにより検出される情報であり、運転中のドライバーの視線方向の情報である。
【0032】
方向指示器は、車両が右折、または、左折する場合の方向指示器が示す右方向、または、左方向の情報であり、車速は後述する速度センサにより検出された情報である。
【0033】
画像情報は車両に備えられたカメラからの撮影情報であり、ドライブレコーダ装置21に記録する画像を撮影するカメラを用いてもよいし、その他のカメラ(たとえば、車両周辺を撮影するカメラ)を用いてもよい。
【0034】
運転レベルはユーザーであるドライバーの運転特性をパラメータとして運転技量を示すものである。この運転レベルの情報は後述するナビゲーション装置11のユーザー管理DB、および、センター31のユーザー管理DBに記録されている。この例では「止まる」の運転特性のレベルが5、「走る」の運転特性のレベルが4、「曲がる」の運転特性のレベルが2、および、「総合」がレベル3であることを示している。なお、ユーザーごとの各種運転特性の運転レベル判定については後述する。
【0035】
このような車両情報は無線通信により、ナビゲーション装置11からセンター31に送信される。センター31は後述する統計DBに車両情報を記録する。そして、センター31は、統計DBに記録された情報から、後述する危険地点ごとの代表検知項目と運転特性の運転レベルとの関連性を判定する。つまり、危険地点とされる地点で発生しやすい走行状態がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことの原因で発生しているかどうかを判定するのである。
さらに、センター31は、代表検知項目と運転特性の運転レベルとの関連性に基づいて、後述するドライバー通知DBの中からドライバーに通知すべき危険地点に応じたアドバイス情報を選択して、後述するアドバイスマップDBに記録する。
【0036】
このアドバイスマップDBは、センター31からナビゲーション装置11に提供され、ナビゲーション装置11の内部の記憶装置に記憶される。これにより、ナビゲーション装置11は、車両1が危険地点に近づいた場合(たとえば、危険地点から100mの位置となった場合)、アドバイスマップDBに記録されているデータを用いて、画像情報や音声情報によりドライバーに対して具体的な危険回避のためのアドバイス情報の通知が行える。また、ドライバーの運転特性の運転レベルに応じてアドバイス情報を設定できるため、運転レベルの低いドライバーに対しては、詳細なアドバイスを通知し、運転レベルの高いドライバーに対しては簡単なアドバイスを通知したり、アドバイス通知をなしとすることで、ドライバーが煩わしさを感じることなく、安全に車両を運転できる。
<1−3.システム構成>
図3は、情報処理システム10のブロック図である。図に示すように、情報処理システム10は、車両1が備えているナビゲーション装置11と、情報検出装置、および、サーバ装置であるセンター31とから構成される。情報検出装置は、ドライブレコーダ装置21、速度センサ22、ステアリングセンサ23、視線センサ24、方向指示器25などを含んでいる。
【0037】
ドライブレコーダ装置21は、所定の閾値を超えるG値を検出した場合に、画像情報を図示しないメモリに保存する。たとえば、重力加速度を1Gの基本単位として、加速度の変化量をこの基本単位に換算した値を加速度情報とする。この加速度情報が閾値0.5Gを超えている場合は常時記録している画像情報のうちの所定の閾値を超えるG値を検出した時点から前後合計20秒間の画像情報をメモリーカードなどの記憶媒体に記録する。そして、この所定の閾値を超えるG値を検出した情報を後述するナビゲーション装置11の制御部12に送信する。このドライブレコーダ装置21で検出した旨の情報は後述する統計DBのG検知、および、急ハンドルを示すトリガー情報となる。
【0038】
速度センサ22は、車両1の速度を検出して、制御部12へ情報を送信する。なお、この速度センサ22により、たとえば、1秒間あたりに10km/h以上の急加速、または、急減速が検知されると、その検知した旨の情報は、後述する統計DBの急減速、または、急加速を示すトリガー情報となる。
【0039】
ステアリングセンサ23は、ステアリングの回転角速度を検出して、制御部12へ情報を送信する。なお、ステアリングセンサ23により、ステアリングの回転角速度が所定値を超えたことが検知されると、その検知した旨の情報は、後述する統計DBの急ハンドルを示すトリガー情報となる。
【0040】
視線センサ24は、ドライバーの顔を撮影し、制御部12へ情報を送信する。なお、制御部12は図示しない画像解析装置により撮影画像のドライバーの目の部分の画像解析を行い、ドライバーの視線方向を検出する。
【0041】
方向指示器25は、ドライバーの操作により、右折、または、左折を行う場合の信号を制御部12へ送信する。
【0042】
車両1のナビゲーション装置11は、制御部12、データ記憶部13、音声出力部14、表示部15、位置検出部16、通信部17を備えており、通信部17はセンター31の通信部34との車両情報の送受信を無線または有線で行う。
【0043】
ナビゲーション装置11の制御部12は、ドライブレコーダ装置21、速度センサ22、ステアリングセンサ23、視線センサ24、および、方向指示器25などの情報検出装置が検出した情報を含む車両情報を通信部17を介して、センター31の制御部32に送信する。
【0044】
センター31は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えた一般的なコンピュータで構成される。ハードディスクとして構成されるデータ記憶部33に記憶されたプログラム33gにしたがって演算処理を行うことで、センター31の制御部32としての機能が実現される。センター31の制御部32は通信部34を介して車両情報を受信する。制御部32は受信した車両情報をハードディスクとして構成されるデータ記憶部33に記録する。このデータ記憶部33は統計DB33a、危険情報マップDB33b、ドライバー通知DB33c、ユーザー管理DB33d、地図DB33e、外部情報DB33f、および、アドバイスマップDB33hを備えている。以下、各データベースの詳細内容について説明する。
【0045】
<1−4.ユーザー管理DB>
ユーザー管理DB33dは、各種車両を利用するユーザーに関する情報が記録されている。たとえば、複数のユーザーが利用している各々の車両番号や、ユーザーであるドライバーの番号などの複数のユーザーに関する情報を記録している。また、ユーザー管理DB33dはユーザーごとの運転特性ごとの運転レベルを記録している。
【0046】
図4はユーザーの運転特性ごとの運転レベル一例を示す図である。図4の「走行検出情報」はユーザーが所定の期間車両1を走行させた中で、後述する統計DBのトリガー情報となる各種項目の検出回数を記録するデータである。この「走行検出情報」は「ユーザーID」、「走行回数」、「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目を有している。
【0047】
「ユーザーID」はユーザー個人ごとまたは車両ごとに与えられる番号である。また、「走行回数」は、このID番号のユーザーの所定の期間の走行回数であり、図示例では1ヶ月間の車両走行回数の20の値が記録されている。
【0048】
「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目は以下に述べる統計DB33aのトリガー情報の項目と同内容の項目であり、情報検出装置が所定の値を検出した回数が記録される。図示例では、「G検知」0回、「急減速」0回、「急加速」2回、および、「急ハンドル」6回となっている。
【0049】
このように所定期間の走行回数の中で発生したトリガー情報の項目からユーザーの各種の運転特性の運転レベルの情報が生成される。具体的には、図4に示す「運転特性」では「ユーザーID」、「止まる」、「走る」、「曲がる」、および「総合」の項目を有している。
【0050】
そして、「G検知」、および「急減速」の情報からは運転特性「止まる」の運転レベルが決定され、「急加速」の情報からは運転特性「走る」の運転レベルが決定され、「急ハンドル」の情報からは運転特性「曲がる」の運転レベルが決定される。なお、これらの「止まる」、「走る」、および、「曲がる」の運転レベルの平均値として「総合」の運転レベルが決定される。運転レベル5は運転技量が最も高いことを示しており、レベル5から4、3、2、1とレベルが下がるにつれて運転技量が下がり、運転レベル1は運転技量が最も低いことを示している。
【0051】
図示例では、「止まる」のレベルが5.0、「走る」のレベルが4.0、「曲がる」のレベルが2.0、および、「総合」のレベルが3.7となっている。なお、レベルの値に小数点以下の数値が算出された場合は、その小数以下の値は切り捨てて記録してもよい。たとえば、「総合」のレベル3.7は3.0として記録する。
【0052】
このようにして、車両1の走行検出情報に基づいて各ユーザー、または、各車両の運転特性の運転レベルが決定される。そして、ナビゲーション装置11のユーザーDB13dに記録される。また、車両1が所定の地点においてトリガー情報を発生させた際に、運転特性ごとの運転レベルを含む車両情報がセンター31に送信され、以下に説明する統計DB33aに記録される。
【0053】
<1−5.統計DB>
図5は統計DB33aの一例を示す図である。統計DB33aは、複数の車両1から取得された車両情報をもとに構成されており、地図上の複数の地点ごとに当該地点で検出された「トリガー情報」が記憶される。この「トリガー情報」は複数種類の項目を有している。項目の例としては、「G検知」、「急減速」、「急加速」、および、「急ハンドル」の項目である。
【0054】
統計DB33aは、「トリガー情報」の各項目について、地図上の各地点ごとに検出回数を記録している。そして、検出回数が所定の検出回数を超えている場合、当該「トリガー情報」の項目がその地点で生じやすい走行状態を示すことになる。なお、図5で「トリガー情報」の項目の網掛けの項目が所定の検出回数を超えており、その地点で生じやすい走行状態を示している。「トリガー情報の所定の検出回数を超える一つの項目を代表検知項目として選択することは、その地点で生じやすい走行状態を特定することに相当する。「トリガー情報」の項目と以下に説明する運転特性との対応は図示しないテーブルなどで予め設定されている。
【0055】
また、C地点では、「トリガー情報」の項目としては「G検知」と「急減速」の2つの項目の検出回数が所定数を超えており(たとえば、検出回数50回以上の場合を所定の基準を満たしているとする)、両方の項目が危険情報解析の対象となり得る項目である。このように「トリガー情報」の項目において複数の項目が危険情報解析の対象となった場合は、予め危険度に応じて設定された優先順位に応じて、一つの項目が代表検知項目として選択される。これにより、より危険度の高い項目が危険情報解析の対象とされる。この例の場合は車両を急停止させた可能性のある「急減速」よりも、車両が障害物と衝突した可能性のある「G検知」が危険度の高い項目といえるため、「G検知」の項目が危険情報解析に用いられる。これにより、ドライバーに対してより危険度の高い情報を危険情報解析に使用することができ、重要度の高い情報をドライバー通知すべき危険情報を選択する要素となる。
【0056】
統計DB33aではさらに、複数の地点ごとに当該地点で検出された運転レベルが対応付けられている。図6は、統計DB33aに記録されているA地点の運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。この運転特性の運転レベルのデータは車両情報の「曲がる」の運転特性の運転レベルデータを複数の車両から収集して記録したものである。
【0057】
図6では項目「急ハンドル」に対応する「曲がる」の運転特性の各レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図6では「急ハンドル」の項目を検出したユーザーが99人であり、そのうちの運転レベル5が4人、レベル4が5人、レベル3が6人、レベル2が40人、および、レベル1が44人となっている。なお、レベルについては、レベル5は運転技量が最も高いことを示しており、レベル5から4、3、2、1とレベルが下がるにつれて運転技量が下がり、レベル1は運転技量が最も低いことを示している。
【0058】
図6のレベル2、および、レベル1のユーザー数は網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、「A地点」の項目(急ハンドル)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「曲がる」の運転特性の運転レベル2、および、運転レベル1のレベルの低いユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性有りと判定する。
【0059】
図7は、統計DBに記録されている「B地点」の項目に対応した運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。図7では項目「急減速」に対応する「止まる」の運転特性の各運転レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図7では「急減速」の項目を検出したユーザーが131人であり、そのうちの運転レベル5が6人、レベル4が4人、レベル3が25人、レベル2が36人、および、レベル1が60人となっている。
【0060】
図7のレベル2、および、レベル1のユーザー数は網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、B地点の項目(急減速)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「止まる」の運転特性の運転レベル2、および、レベル1の運転レベルの低い値のユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性有りと判定する。
【0061】
図8は、統計DBに記録されている「C地点」の項目に対応した運転特性の運転レベルデータの一例を示す図である。図8では項目「G検知」に対応する「止まる」の運転特性の各レベル値とそのレベルに該当するユーザー数を示している。具体的には、図8では「G検知」の項目を検出したユーザーが52人であり、そのうちの運転レベル5が13人、レベル4が13人、レベル3が7人、レベル2が10人、および、レベル1が9人となっている。
【0062】
図8のレベル2、および、レベル1のユーザー数の網掛けの項目となっており、判定対象となっている。つまり、C地点の項目(G検知)がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことが原因で発生しているかどうか(後述する所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無)を判定するものである。たとえば、図示例のように「止まる」の運転特性の運転レベル2、および、レベル1の運転レベルの低い値のユーザー数の合計が全体の8割以下の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無しと判定する。
【0063】
なお、上記の例では所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無の判定対象とする低い運転レベルをレベル2、および、レベル1としたが、この例は一例であり、これら以外のレベルによる判定も可能である。具体的にはレベル3、レベル2、および、レベル1の合計が全体の8割以上の値である場合に関連性有りと判断することもできる。また、8割以上とした判断基準も任意の値に変更可能である。
【0064】
<1−6.危険情報マップDB>
図9は、危険情報マップDB33bの一例を示す図である。この危険情報マップDB33bは、複数の危険地点に対応付けて危険情報が記録されている。危険情報マップDB33bに記録される危険情報の具体的な項目は、「危険種別」、「緯度」、「経度」、「リンクID」、および、「関連性」の項目である。
「危険種別」は、当該危険地点で生じやすい車両の危険な状態を示す情報であり、たとえば、「急ハンドル多発地点」、「急ブレーキ多発地点」、および、「交通事故多発地点」などである。「リンクID」は、道路の幅、勾配、および、車線数など当該危険地点のロケーション情報を含む情報である。
また、「関連性」は、上述の統計DB33aの「トリガー情報」の項目に基づく、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無を示す情報であり、この関連性の有無は制御部32により判定される。本実施形態では、上述の統計DB33aで述べたように「危険種別」を急ハンドル多発地点とするA地点(緯度××、経度××)では所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとは関連性を有するとされており、「関連性」の項目は「有」と記録されている。また、「危険種別」を急ブレーキ多発地点とするB地点(緯度××、経度××)では「関連性」の項目は「有」、および、「危険種別」を交通事故多発地点とするC地点(緯度××、経度××)では「関連性」の項目は「無」として記録されている。
【0065】
<1−7.ドライバー通知DB、アドバイスDB>
図10はドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの一例を示す図である。このドライバー通知DB33cは、各運転特性に対応したドライバーに通知するアドバイス情報を予め記録している。ドライバー通知DB33cは、「運転レベル5」から「運転レベル1」に対応したアドバイス情報とともに、運転レベルに関連しない「通常アドバイス」としてのアドバイス情報を記録している。
【0066】
また、アドバイスマップDB33hは、ドライバー通知DB33aに基づいて作成され、個別のユーザーごとの各地点別のアドバイス情報を記録している。つまり、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有する地点では、ユーザーの運転レベルに応じたアドバイス情報を記録し、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有しない場合は、運転レベルと関連しないアドバイス情報を記録する。
【0067】
なお、アドバイスマップDB33hは、危険情報マップDB33bの地点の緯度、および、経度情報と、ユーザーの運転レベルに応じたアドバイス情報と、ユーザー管理DB33dに記録されているユーザーごとの運転特性の運転レベルとで構成されている。
次に、ドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの一例を述べる。図10に示すドライバー通知DB33cは、各地点ごとのデータとして「運転特性」、「運転レベル5」から「運転レベル1」までの項目、および、「通常アドバイス」の項目を有している。
「運転特性」はドライバーの道路標識などの交通規則に従って車両を停車させる「止まる」特性、カーブなどを「曲がる」特性、および、車両を停車状態から走行させたり、交通規則に従って車両を走行させるなどの「走る」特性などを示す。また、「運転レベル」は各運転特性における運転技量を示す。「通常アドバイス」は所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有しない場合に運転レベルごとに分類されていない運転特性に対応したアドバイス情報を示す。
具体的には、「運転特性」「曲がる」は、「運転レベル1」から「運転レベル3」まではそれぞれアドバイス1から3の異なる内容のアドバイス情報を記録している。また、運転レベルが高い「運転レベル4」、および、「運転レベル5」についてはアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス10」を記録している。このように運転レベルの高いユーザーに対しては、危険地点に近づいた際にアドバイスを行わない。これにより、運転レベルが高いドライバーに対して、不要な通知を行うことなく、ドライバーに煩わしさを解消させる。
なお、上述では運転レベル1から3については、異なるアドバイス情報としたが、運転レベル同士を同じアドバイス情報とすることも可能である。これにより、危険地点においてユーザーであるドライバーの運転技量に応じたアドバイスを通知できる。
【0068】
また、「運転特性」「止まる」は、「運転レベル1」から「運転レベル4」についてはアドバイス4から7の異なるアドバイス情報を記録しており、「運転レベル5」ではアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス11」を記録している。
【0069】
また、「運転特性」「走る」は、「運転レベル1」および「運転レベル2」についてはアドバイス8、および、9の異なるアドバイス情報を記録しており、「運転レベル3」から「運転レベル5」ではアドバイス情報を記録していない。さらに、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルの関連性がない場合に使用する、通常アドバイスでは「アドバイス12」を記録している。
【0070】
このようにドライバー通知DB33cは、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとが関連性を有する場合に用いる運転レベルに応じたアドバイス情報と、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合に用いる通常のアドバイス情報とを記録することで、ドライバーの運転技量とに応じてアドバイス情報を選択できる。
【0071】
なお、上記の例では運転特性ごとのアドバイス情報の記録について述べたが、危険地点ごとにアドバイス情報を記録するようにしてもよい。これにより、危険地点ごとのより詳細な内容のアドバイス情報の選択が可能となる。
【0072】
次に、アドバイスマップDB33hに記録されているデータの内容について述べる。アドバイスマップDB33hは、「ユーザーID」、「地点」、「位置(緯度・経度)」、「運転特性」、「運転レベル」、および、「アドバイス情報」の項目を有している。
【0073】
たとえば、「ユーザーID」「12345」の「A地点」(緯度××、経度××)は、「運転特性」が「曲がる」で、「運転レベル」が「レベル2」であることから、「アドバイス情報」はドライバー通知DB33cと対応した「アドバイス2」の情報が記録されている。B地点は「運転特性」が「止まる」で「運転レベル」が「レベル4」であることから、「アドバイス情報」はドライバー通知DC33cと対応した「アドバイス7」のデータが記録されている。また、C地点は「運転特性」が「止まる」であるが、危険情報マップDB33bの「関連性」の項目データから所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無いことから、「アドバイス情報」はドライバー通知DC33cと対応した「アドバイス11」のデータが記録されている。
【0074】
また、別のユーザーである「ユーザーID」「67890」についても危険情報マップDB33b、ドライバー通知DB33c、および、ユーザー管理DB33dの各種データから、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有する場合は、運転レベルに対応したアドバイス情報を記録し、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合は、運転レベルに対応しない通常のアドバイス情報を記録している。
【0075】
これにより、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有する場合は、ユーザーごとの運転特性の運転レベルに応じて、アドバイス情報を選択して記録することで、所定の地点接近時に情報を通知されるユーザーはその運転レベルに応じたアドバイスが受けられるので、ドライバーは安全な運転を行うことができ、かつ、冗長なアドバイスによる煩わしさを解消できる。
【0076】
また、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性が無い場合は、運転特性の運転レベルに応じたアドバイスではなく、通常のアドバイスの通知を受けることができる。これにより、運転特性の運転レベルとは関係がなく危険地点となっている場所でも、ドライバーは適切なアドバイスを受けられる。
【0077】
そして、アドバイスマップDB33hは、ユーザーごとのデータがセンター31の通信部34および通信部17を介して、ユーザーIDに対応したナビゲーション装置11のデータ記憶部13のアドバイスマップDB13hに所定の周期で記録更新される。
【0078】
図11はドライバー通知DB33c、および、アドバイスマップDB33hの別の例を示す図である。この図11のデータと図10のデータとの違いは、図10ではユーザーごとに複数の地点のアドバイス情報をアドバイスマップDB33hに記録していたのに対して、図11では所定のグループごとに分けて記録することである。このグループ分けは、ユーザーの各運転特性の運転レベルに応じて行われる。
【0079】
具体的には、ドライバー通知DB33cは「地点」、「緯度・経度」、「グループ1、曲がる閾値以上、走るおよび止まるが閾値以下」(以下「グループ1」という。)、および「グループ2、走るおよび止まるが閾値以上、曲がるが閾値以下」(以下「グループ2」という。)、グループ10、曲がるが閾値以上、走るおよび止まるが閾値以下(以下「グループ10」という。)、および、「グループ15、走るおよび止まるが閾値以上、曲がるが閾値以下(以下、「グループ15」という。)などの項目を有している。なお、各「グループ」の項目は各「地点」ごとに複数有している。
【0080】
そして「地点」の項目は「A地点」、「経度・緯度」の項目は「××・××」の位置情報、「グループ1」の項目は「アドバイス1」、「グループ2」の項目は「アドバイス2」などの情報が記録されている。
【0081】
また、「地点」の項目が「B地点」では、「経度・緯度」の項目は「××・××」の位置情報、「グループ10」の項目は「アドバイス10」、「グループ2」の項目は「アドバイス11」などの情報が記録されている。
次に、ユーザー管理DB33dに記録されているユーザーごとの運転特性の運転レベルの情報を上述のドライバー通知DB33cと対応付けてアドバイスマップDB33hを生成する。
たとえば、図11に示すようにユーザー管理DB33dに記録されている「ユーザーID」「12345」は運転特性「走る」の運転レベルが閾値以下、「曲がる」の運転レベルが閾値以上、および、「止まる」の運転レベルが閾値以下である。また、「ユーザーID」「67890」は運転特性「走る」の運転レベルが閾値以上、「曲がる」の運転レベルが閾値以下、および、「止まる」の運転レベルが閾値以上である。(なお、閾値の例としては運転レベル3を閾値とし、運転レベル3以上を閾値以上とする。)
そして、アドバイスマップDB33hは、「地点」「緯度・経度」、「グループ1」、グループ2」、「グループ10」、および、「グループ15」などの項目を有している。そして、上述したドライバー通知DB33cと同様に各地点ごとの各グループに対応したアドバイス情報を有している。A地点の「グループ1」は「アドバイス1」、「グループ2」は「アドバイス2」などのデータを有している。また、B地点の「グループ10」は「アドバイス10」、「グループ15」は「アドバイス11」などのように各地点のグループごとにアドバイス情報のデータが記録されている。
さらに、それぞれのグループにはグループ特性(たとえば、グループ1の「曲がる」閾値以上、「走る」および「止まる」が閾値以下」)に対応したユーザー特性(たとえばグループ1の条件を満たす運転特性の運転レベル)のユーザーを対象のグループに振り分ける。
【0082】
たとえば、「ユーザーID」「12345」のユーザーは「A地点」ではグループ特性を満たした「グループ1」に属し、「B地点」ではグループ特性を満たした「グループ10」に属する。また、「ユーザーID」「67890」のユーザーは「A地点」ではグループ特性を満たした「グループ2]に属し、B地点ではグループ特性を満たした「グループ15」に属する。これにより、アドバイスマップDB33hのユーザーごとにではなく各地点のグループごとにユーザーのアドバイス情報を分けることができ、ユーザーが増加しても記録するデータ量の効率化が図れる。
【0083】
<1−8.その他のDB>
地図DB33eは、道路データ、および、施設データなどを記録しており、危険情報マップDB33bのデータを生成する場合に位置情報を提供する。この地図DB33eのデータはセンター31の通信部34、および、通信部17を介して、ナビゲーション装置11の地図DB13eに送信される。
【0084】
ナビゲーション装置11の地図DB13eは、道路データ、および、施設データなどを記録しており、危険情報マップDB13bの危険情報を生成する場合の位置情報を提供する。また、ナビゲーション装置11が車両1の位置情報を出力したり、目的地までの経路情報を生成する場合は、この地図DB13eを用いる。
【0085】
さらに、外部情報DB33fは、車両外部の情報である天候情報や時間情報などを取得して記録している。
【0086】
<2.処理>
<2−1.車両情報の取得>
図12は、車両1で検出した車両情報をセンター31へ送信する処理を示すフローチャートである。車両1のナビゲーション装置11はドライブレコーダ装置21などの情報検出装置がトリガー情報となる所定の検知情報を検出した場合(ステップS1201がYes)、ユーザー管理DB13dからユーザーIDやユーザーの運転特性の運転レベルなどのユーザー情報を読み出す(ステップS1202)。情報検出装置がトリガー情報となる所定の情報を検出していない場合(ステップS1201がNo)は、処理を終了する。
【0087】
そして、情報検出装置により検出したトリガー情報やユーザーの情報である運転特性の運転レベルを含む車両情報をセンター31に送信する(ステップS1203)。センター31はナビゲーション装置11から送信された車両情報を受信する(ステップS1204)。
【0088】
受信した車両情報のデータを統計DBに記録する(ステップS1205)。なお、車両情報には上述の運転特性の運転レベルの情報も含まれており、該当する地点の運転レベルの値を更新する。
【0089】
このようにセンター31で車両情報の処理を行って、車両情報を統計DBに記録することで、車両1のナビゲーション装置11の処理負荷や記録容量を軽減できる。
【0090】
<2−2.アドバイスマップDBの生成>
図13は、アドバイスマップDB33hへのデータ記録処理を示すフローチャートである。センター31の制御部32はデータ記憶部33内の統計DB33aを読み出す(ステップS1301)。
【0091】
読み出した統計DB33aのデータに基づいて、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の判定を行う(ステップS1302)。つまり、危険地点とされる地点で発生する危険な状態がドライバーの運転特性の運転レベルが低いことの原因で発生しているかどうかを判定する。
【0092】
判定の結果、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの間に関連性がある場合(ステップS1303がYes)は、ドライバー通知DB33cに記録されている運転特性の運転レベルごとのアドバイス情報を選択する(ステップS1304)。なお、所定の地点が代表検知項目と運転特性の運転レベルとの間に関連性が無い場合(ステップS1303がNo)は、ドライバー通知DBに記録されている運転レベルに対応しない通常のアドバイス情報を選択する(ステップS1305)。
【0093】
なお、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性の有無については、たとえば、運転特性の運転レベル2、および、運転レベル1のレベルの低いユーザー数の合計が全体の8割以上の値である場合は、所定の地点で生じやすい走行状態と運転特性の運転レベルとの関連性を有すると判定する。ただし、低いレベルとする運転レベルはレベル1、および、レベル2のみではなく、他のレベル(たとえばレベル1、2、および3)などを用いてもよく、またレベルの低いユーザー数をユーザー数全体の8割としたのも一例であり、全体の7割や6割など任意の数値に変更可能である。
【0094】
そして、選択されたアドバイス情報をアドバイスマップDB33hに記録する(ステップS1306)。
【0095】
<2−3.ドライバーへの通知>
図14は、ナビゲーション装置11において、ドライバーへ通知する処理に関するフローチャートである。車両1が危険地点に接近(たとえば、危険地点から100mの地点に接近)した場合(ステップS1401がYes)、制御部12はアドバイスマップDB13hのデータの中から、該当する危険地点のアドバイス情報の記録があるか否かを判定する(ステップS1402)。なお、危険地点に接近していない場合(ステップS1401がNo)は、処理をやり直す。
【0096】
アドバイスマップDB13hに該当する危険地点のアドバイス情報が記録されている場合(ステップS1402がYes)は、アドバイスマップDB13hに記録されているアドバイス情報を選択する(ステップS1403)。そして、ナビゲーション装置11の音声出力部14、および、表示部15からアドバイス情報を出力してドライバーへ通知する(ステップS1404)。なお、アドバイスマップDB13hの該当する危険地点のアドバイス情報が記録されていな場合は、ドライバーへのアドバイス情報の通知がなされず、処理を終了する。
【0097】
上述の実施形態ではユーザーであるドライバーの運転特性の運転レベルに応じてドライバーへ通知するアドバイス情報を選択する例を述べたが、これとは別にドライバーの生活習慣に基づいてドライバーへ通知するアドバイス情報を選択する例を以下に述べる。なお、情報処理システム10としての構成は上述の実施形態と同じ構成であり、異なる点については以下に述べる。
【0098】
<第2の実施形態>
<3.構成>
<3−1.ユーザー管理DB>
先の実施形態ではセンター31のユーザー管理DB33dにはユーザーごとの各運転特性の運転レベルが記録されていたが、本実施形態では、危険地点をユーザーが車両1で走行した回数などのデータが記録されている。
【0099】
たとえば、図15に示すように出発地点Xから目的地Yまでの経路R1で車両1が走行する場合、通過する地点であるA地点、および、B地点を危険地点とする。A地点とB地点がドライバーへアドバイス情報を通知する対象の地点の場合であって、このA地点またはB地点を所定回数以上(たとえば1ヶ月間に4回以上や、1週間に2回以上など)通過する場合は、ドライバーへのアドバイス情報の選択は行わない。これは、普段から所定回数以上通過する地点であれば、ドライバーはその危険地点の危険状態などを既に理解しており、その地点を通過するたびに毎回アドバイス情報を通知せずとも危険を回避できるためである。
【0100】
これにより、ドライバーの生活習慣(たとえば、通勤経路や定期的に走行する経路など)に基づいて、危険地点を車両1で通過するたびにアドバイス情報を通知されるという煩わしさを解消できる。
【0101】
また、図16に示すように地図上を所定の領域に分けて、所定領域内はドライバー通知を行わない通知不要領域としてもよい。たとえば、出発地Xから目的地Yまでの経路R1を走行する場合に、所定回数以上経路R1を車両1が通過している場合はその経路途中にある危険地点のA地点、および、B地点と経路R1を含む所定領域内(本実施形態では経路R1を含む1領域内)の危険地点(たとえば、C地点)のアドバイス情報通知は行わない。これにより、ドライバーが頻繁に利用するルート上とその周辺の危険地点のドライバーに対するアドバイス情報は行わず、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0102】
また、本実施例の図16に示す1領域はたとえば、縦約10km、および横約10kmの図17で示す1マス分の領域であり、通知不要領域を上述の1領域以外にも所定範囲の領域に変更することもできる。
【0103】
なお、経路R1を外れた経路R4で目的地をPとして走行した場合、出発地Xからよく通過する経路R1を含む1領域内であれば、ドライバーへのアドバイス通知は行わないが、経路R1を含む1領域内から外れて経路R3を走行している場合(たとえば、危険地点D)を車両1が通過する場合は、地点Dのアドバイス情報をドライバーへ通知する。
【0104】
また、X地点、および、Y地点を所定の回数以上、出発地および目的地としている場合は、出発地Xや目的地Y含む領域を中心領域とした周囲1領域をドライバーへのアドバイス情報を通知しない領域とできる。この場合、出発地と目的地との相互間経路よりも広い領域が、アドバイス情報を通知しない領域とされる。これにより、ドライバーが頻繁に出発地や目的地とする地点の周辺ではドライバーに対するアドバイス情報を通知することを行わず、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0105】
具体的には、図17に示すように出発地Xを含む領域を略中心領域とした周囲1領域内にあるQ地点までのR2の経路ではアドバイス情報の通知は行わず、目的地Yを含む領域を中心とした周囲1領域外にある地点Zまでの経路で危険地点があった場合はアドバイス情報の通知を行う。これにより、ドライバーの生活習慣に応じてアドバイス情報の通知の必要性を判断でき、ドライバーの煩わしさを解消できる。
【0106】
図17はユーザー管理DB33dに記録されているデータの具体例である。各項目は「経路」、「出発地」、および、「目的地」のそれぞれの項目の走行回数を記録したものである。「経路」の項目はR1(X地点からY地点までの走行)の経路を車両1が走行した回数を記録しており、5回の走行回数が記録されている。また、R4(X地点からP地点までの走行)の経路を車両1が走行した回数を記録しており、1回の走行回数を記録している。
【0107】
さらに、「出発地」として地点Xを記録しており、その走行回数6回を記録しており、「目的地」としてYを走行回数5回、Pを走行回数1回として記録している。このようなデータは、各車両のナビゲーション装置11から車両の走行経路を取得することで得られる。
【0108】
そして、図17に示す回数で網掛けとなっている項目は走行回数が所定の回数(たとえば、所定の回数を4回とする)を超えている。そして、所定の回数を超えている走行経路、出発地、および目的地の所定の通知不要領域に含まれる危険地点についてはアドバイス情報を選択しない。なお、走行回数が所定回数を超えている経路、出発地、および、目的地と各危険地点との対応付けは、テーブルなどにより行われている。これにより、ユーザーであるドライバーがよく利用する経路や地点に対応付けられている危険地点での煩わしいアドバイス情報通知を回避できる。
【0109】
また、危険地点がアドバイスが不要な領域に該当するか否かは、アドバイスマップDB33hに記録されている危険地点の位置情報(緯度、経度)が不要領域の範囲内か否かにより判断できる。
【0110】
さらに上述の例では、走行経路、出発地、および、目的地についての走行回数が所定回数以上であれば、所定の不要通知領域を設けて、その領域内の危険地点についてアドバイス情報を選択しないことについて述べたが、アドバイス情報を通知すべき危険地点ごとの走行回数を記録しておき、その走行回数が所定回数以上であれば、その危険地点についてアドバイス情報を選択しないこととしてもよい。これにより、危険地点を走行するたびにアドバイス情報を通知されることによるドライバーの煩わしさを解消できる。また、アドバイス情報は上述のように選択しないことでドライバーへ通知しないこととしてもよいし、アドバイス情報を選択した危険地点が、通知不要領域内の場合はアドバイス情報を通知しないこととしてもよい。
【0111】
また、車両1の位置情報を所定周期でセンター31へ送信し、たとえば収集した地点の位置情報が所定回数以上車両1からセンター31へ送信されている場合は、収集した当該地点の情報に基づいて、所定範囲を通知不要領域として設定してもよい。これにより、目的地や経路を設定していなくても車両1の位置情報に基づいて、通知不要領域を設けることができ、ドライバーは当該領域内の危険地点のアドバイス情報を通知されることによる煩わしさを解消できる。
【0112】
なお、危険地点が通知不要領域内でアドバイス情報を選択しない場合や、走行回数が所定の回数超えている危険地点でアドバイス情報を選択しない場合であっても、たとえば、所定の日時であれば、ドライバーへのアドバイス情報と通知するようにすることも可能である。これにより、たとえば、雪などでタイヤを取られやすい冬の初めにドライバーに対して危険地点でのアドバイスを行い、ドライバーが危険な状態とならないようにする。
【0113】
また、これまで述べた実施の形態とあわせて、天候情報や時間帯、または車両の速度に応じてアドバイス情報を通知するか否かを判断することも可能である。
【0114】
<4.処理>
<4−1ドライバーへの通知>
図18は、ナビゲーション装置11において、ドライバーへ通知する処理に関するフローチャートである。車両1が危険地点に接近(たとえば、危険地点から100mの地点に接近)した場合(ステップS1801がYes)、制御部12はアドバイスマップDB13hのデータの中から、該当する危険地点のアドバイス情報の記録があるか否かを判定する(ステップS1802)。なお、危険地点に接近していない場合(ステップS1801がNo)は、処理をやり直す。
【0115】
アドバイスマップDB13hに該当する危険地点のアドバイス情報が記録されている場合(ステップS1802がYes)は、アドバイスマップDB13hに記録されているアドバイス情報を選択する(ステップS1803)。そして、ナビゲーション装置11の音声出力部14、および、表示部15からアドバイス情報を出力してドライバーへ通知する(ステップS1804)。また、アドバイスマップDB13hの該当する危険地点のアドバイス情報が記録されていな場合は、ドライバーへのアドバイス情報の通知がなされず、処理を終了する。
【0116】
これにより、ユーザーであるドライバーが頻繁に利用する経路や地点に対応した危険地点での煩わしいアドバイス情報通知を回避できる。
【符号の説明】
【0117】
1・・・・・車両
11・・・・ナビゲーション装置
12・・・・制御部
13・・・・データ記憶部
14・・・・音声出力部
15・・・・表示部
16・・・・位置検出部
17・・・・通信部
21・・・・ドライブレコーダ装置
22・・・・速度センサ
23・・・・ステアリングセンサ
24・・・・視線センサ
25・・・・方向指示器
31・・・・センター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得手段と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録手段と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記領域設定手段は、前記位置または走行経路の周辺の領域を前記通知不要領域として設定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記領域設定手段は、前記走行経路の出発地及び目的地の周辺については、前記出発地と前記目的地との相互間経路よりも広い領域を、前記通知不要領域に設定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得手段と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録手段と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
車両に搭載される車載装置であって、
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する取得手段と、
走行する地点に応じた前記アドバイス情報を、ユーザーに通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置と、
車両に搭載され、前記情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する車載装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を備え、
前記選択工程は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を備え、
前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を実行させ、
前記選択工程では、
前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないこと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を実行させ、
前記選択工程では、
前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【請求項1】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得手段と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録手段と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定手段と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記領域設定手段は、前記位置または走行経路の周辺の領域を前記通知不要領域として設定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記領域設定手段は、前記走行経路の出発地及び目的地の周辺については、前記出発地と前記目的地との相互間経路よりも広い領域を、前記通知不要領域に設定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置であって、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得手段と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録手段と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
車両に搭載される車載装置であって、
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する取得手段と、
走行する地点に応じた前記アドバイス情報を、ユーザーに通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置と、
車両に搭載され、前記情報処理装置から提供される前記アドバイス情報を取得する車載装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を備え、
前記選択工程は、前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
車両の車載装置に、前記車両が走行する複数の地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理方法であって、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を備え、
前記選択工程では、前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記車両から、該車両の位置または走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記位置または走行経路ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、当該車両の前記走行回数が所定回数を超える前記位置または走行経路に基づいて、通知不要領域を設定する領域設定工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を実行させ、
前記選択工程では、
前記アドバイス情報の選択対象となる地点が、当該車両の前記通知不要領域に含まれる場合は、前記アドバイス情報を選択しないこと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
車両の車載装置に、前記車両が走行する地点に応じたアドバイス情報を提供する情報処理装置に含まれるコンピュータにより実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記車両から、該車両の走行経路を取得する取得工程と、
前記アドバイス情報を提供すべき複数の車両ごとに、当該車両の前記走行経路に基づいて前記複数の地点ごとの走行回数を記録する記録工程と、
前記複数の車両ごとに、前記複数の地点に応じた前記アドバイス情報を選択する選択工程と、
を実行させ、
前記選択工程では、
前記アドバイス情報の選択対象となる地点における当該車両の前記走行回数が所定回数を超える場合は、前記アドバイス情報を選択しないことを特徴とする情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−107977(P2011−107977A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262203(P2009−262203)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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