説明

情報端末装置

【課題】 情報弱者等に対しても確実に緊急警報等を伝達できる情報端末装置を得る。
【解決手段】 伝達信号を受信する受信手段と、受信した上記伝達信号に含まれるコード情報を検出するコード情報検出手段と、複数の音声情報及び複数の文字情報をコード情報に対応付けて予め記憶している内部データメモリと、上記伝達信号の受信に基づいて上記スピーカから着信音を出力させると共に上記発光手段を発光させる着信動作手段と、上記着信動作手段による上記着信動作の後に確認用スイッチ手段が操作されたことに基づいて、上記コード情報検出手段により検出されたコード情報に対応する音声情報及び文字情報を上記内部データメモリから読み出して、上記音声情報を上記スピーカから出力させると共に上記文字情報を上記文字情報表示手段に表示させる情報出力動作を行う情報出力手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば独居老人等の情報弱者等の住居に設置することにより、自然災害の緊急時等に各種情報を確実に通報できるようにした情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各戸に設置される防災用受信装置であって、装置内に文字データ記憶手段を有し、放送種別符号を含む防災放送を受信すると、当該放送種別符号に対応する文字データを上記文字データ記憶手段から読み出し、その文字データをディスプレイ等の表示手段に表示する装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、各戸に設置される防災用受信装置であって、通報用無線信号を受信すると、各種音声情報をスピーカから出力すると共に、回転灯等の発光手段を発光させることにより、聴覚障害者等に対しても災害情報を伝達できるようにしたものもある(特許文献2)。
【0004】
また、インターネットや携帯電話網を用いて、端末機において管理センターからの災害に関する情報を受信できるようにしたシステムが提案されている(特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−242878号公報
【特許文献2】特開2002−152122号公報
【特許文献3】特開2003−303385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1、3等の装置では、受信した防災情報に基づいて表示手段に文字情報を表示するものであるが、情報弱者に対して確実に情報を伝達するという配慮はなされていない。
【0007】
この点、特許文献2の装置は、発光手段を発光させることにより、聴覚障害者に対しても情報を伝達しようとするものであるが、発行手段の発光を確認することにより何らかの緊急通報である旨は理解し得るが、さらに一歩進んで、災害情報を情報弱者としての居住者に確実に伝達するという点に関しては、今一つ確実性に欠けるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えば災害発生時等において、情報弱者に対しても確実に各種の情報を伝達できるようにした情報端末装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
スピーカと発光手段と文字情報表示手段を有する情報端末装置であって、無線パケット通信網を介して送られてくる伝達信号を受信する受信手段と、受信した上記伝達信号に含まれるコード情報を検出するコード情報検出手段と、伝達用の複数の音声情報及び複数の文字情報をコード情報に対応付けて予め記憶している内部データメモリと、上記伝達信号の受信に基づいて上記スピーカから着信音を出力させると共に上記発光手段を発光させる着信動作手段と、上記着信動作手段による上記着信動作の後に確認用スイッチ手段が操作されたことに基づいて、上記コード情報検出手段により検出されたコード情報に対応する音声情報及び文字情報を上記内部データメモリから読み出して、上記音声情報を上記スピーカから出力させると共に、上記文字情報を上記文字情報表示手段に表示させる情報出力動作を行う情報出力手段とを具備することを特徴とする情報端末装置により構成される。
【0010】
上記発光手段は例えばLED(10)により構成することができる。文字情報表示手段は例えば液晶表示部(8)等により構成することができる。上記受信手段は例えば送受機能を有する送受信機(14)等により構成することができる。コード情報とは伝達信号に含まれる音声コード、表示コード等の各種のコード情報をいう。伝達用の複数の音声情報とは音声コード(例えば「01」)に対応して記憶された例えば「大雨」等の音声デジタルデータ、文字情報とは表示コード(例えば「02」)に対応して記憶された例えば「洪水」等のテキストデータにより構成することができる。内部データメモリとは上記各情報等が予め記憶されたROM(18)等により構成することができる。確認用スイッチ手段とは例えば情報出力動作のためにオンされる確認スイッチ(11)により構成することができる。このように構成すると、伝達情報の着信動作があった後、音と光で着信動作が行われるので情報弱者等に対して確実に着信を伝達することができ、さらに居住者等がそれを確認して確認用スイッチ手段を操作したことにより、音声情報及び文字情報を出力するものであるから、緊急な情報等を確実に居住者に伝達できる。
【0011】
また、上記内部データメモリは、音声情報又は文字情報に対応するメッセージ種別情報を予め記憶しており、上記コード情報検出手段により検出されたコード情報に対する音声情報又は文字情報に対応するメッセージ種別情報を認識するメッセージ種別検出手段を設けると共に、上記内部データメモリ内にメッセージ種別情報毎の着信パターンを記憶した着信パターン記憶部を設け、上記着信動作手段は上記着信パターン記憶部を参酌することにより、メッセージ種別検出手段により検出されたメッセージ種別情報に対応する上記着信パターンにて上記スピーカ及び発光手段を動作させるものであることを特徴とする上記情報端末装置により構成される。
【0012】
上記メッセージ種別情報は各音声情報又は文字情報に対応して記憶することもできるが、各音声情報と文字情報の各々に対応して記憶することもできる。上記着信パターン記憶部は例えばROM(18)内の着信テーブル(T5)により構成することができる。メッセージ種別情報とは例えば「気象情報」、「避難情報」等、受信した伝達情報の種別を示すものである。このように構成すると、着信パターンによって着信した情報が例えば「気象情報」なのか「避難情報」なのかを知ることができ、より効果的に情報を伝達することができる。
【0013】
また、上記内部データメモリ内にメッセージ種別毎の優先度を予め記憶した優先度記憶部を設けると共に、メッセージ種別の検出に基づいて上記優先度記憶部の優先度を参照し、受信した伝達信号のコード情報を上記優先度情報と共に受信データメモリに記憶する受信情報記憶手段を設けたものであることを特徴とする上記情報端末装置により構成される。
【0014】
上記優先度記憶部は、例えばROM(18)内の優先度テーブル(T6)により構成することができる。上記受信データメモリは例えばRAM(19)により構成することができる。このように構成すると、受信した伝達情報を優先度と共に記憶することができ、情報出力時に例えば優先度の高い順に出力する等のより効果的な出力動作を行うことができる。
【0015】
また、上記受信情報記憶手段は、上記確認用スイッチ手段が操作される前に伝達信号を新たに受信した場合は、新たに受信した伝達信号のコード情報を上記優先度情報と共に受信データメモリに記憶するものであることを特徴とする上記情報端末装置により構成される。
【0016】
また、上記情報出力手段は、上記確認用スイッチ手段の操作に基づいて、上記受信データメモリ内の伝達情報の内、優先度の高い伝達情報から順に上記情報出力動作を行うものであることを特徴とする上記情報端末装置により構成される。
【0017】
このように構成すると、例えば避難情報等の緊急性の高いメッセージ種別について高い優先度を設定しておくことにより、より効果的な情報伝達を行うことができる。
【0018】
また、上記受信情報記憶手段は、確認用スイッチ手段の操作に基づいて情報出力動作の終了した伝達情報を優先度情報と共に履歴情報記憶部に記憶するものであり、上記情報出力手段は、履歴スイッチ手段の操作に基づいて、上記履歴情報記憶部内の優先度の高い伝達情報から順に上記情報出力動作を行うものであることを特徴とする上記情報端末装置により構成される。
【0019】
上記履歴情報記憶部は例えばRAM(19)内の履歴データテーブル(T8)により構成することができる。上記履歴スイッチ手段は例えば履歴スイッチ(12)、スクロールスイッチ(13)等により構成することができる。このように構成すると、履歴情報として過去の伝達情報を優先度順に効果的に確認することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、音と光により着信動作が行われるため、情報弱者等においても確実に情報の着信を伝達することができるし、着信動作後の確認用スイッチ手段の操作によって伝達情報の具体的内容を音声と文字で表示するように構成しているので、例えば独居老人等の情報弱者に対しても確実かつ効果的に各種の情報を伝達することができるという効果を奏する。
【0021】
また、受信した複数の伝達情報は受信データメモリに記憶され、記憶された伝達情報を優先度の高い順に出力することができるため、非常に効率的に情報を出力することができる。
【0022】
また、一旦情報出力の終了した過去の伝達情報も履歴情報として記憶することができ、記憶された履歴情報(伝達情報)を優先度の高い順に出力することができるため、例えば緊急性の少ない生活に必要な各種情報の伝達装置としても非常に有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る情報端末装置を詳細に説明する。
【0024】
図1に本発明に係る情報端末装置1を使用したシステムの全体構成を示す。上記端末装置1は、例えば独居老人や視聴覚障害者等の情報弱者の居住する住宅に設置されるものであり、例えば携帯ラジオ程度の大きさであり、家庭内適所に容易に設置可能かつ携帯可能なものである。2は、上記端末装置1との無線通信が行われる無線パケット通信網であり、例えばNTTドコモ(登録商標)の提供するDoPa(登録商標)網或はFOMA(登録商標)網等のパケットデータの無線通信網である。この無線パケット通信網2はルータ3a,3bを介して各種の信号を上記情報端末装置1に送信する管理センター4に接続されている。また、上記無線パケット通信網2はルータ3cを介してインターネットサービスプロバイダ5に接続されており、当該プロバイダー5を介してインターネット6にも接続されている。尚、5’は他のインターネットサービスプロバイダであり、当該プロバイダー5’を介して例えば介護施設の端末機7等の各種の介護サービス施設、会社等がインターネット6に接続されており、当該装置1はインターネット6を介してこれらの施設等とも通信し得るように構成されている。
【0025】
この管理センター4から上記装置1に対しては、緊急防災情報、交通情報、生活情報等が送信されるが、これら送信される情報を伝達情報、送信される信号を伝達信号という。
【0026】
図2は、上記情報端末装置1の全体のブロック図を示す。当該装置1は、各種の文字情報を表示するための液晶表示部8、各種の音声情報を音声にて出力すると共に着信音を出力するためのスピーカ9、上記管理センター4からの伝達信号の着信及び各種の警報を光の点灯及び点滅により警報するためにLED10、上記伝達信号の着信に基づいて詳細情報を表示・出力させるための確認スイッチ11、履歴情報を出力するための履歴スイッチ12、履歴情報をスクロールするためのスクロールスイッチ13を具備している。
【0027】
14は、上記無線パケット通信網2との間でデータ通信を行なうためのユビキタスモジュールとしての送受信部であり、上記無線パケット通信網2を介して上記管理センター4との間でPPP接続等(ダイヤルアップIP接続等)による伝達信号の送受信を行なう送受信機能と、受信した伝達信号をシリアルデータとしてデータ変換部15に送出する機能を有するものである。この送受信部14としては、アンテナ内蔵の携帯通信モジュールであるFOMA(登録商標)ユビキタスモジュール或はDoPa(登録商標)モジュールを使用して、上記FOMA(登録商標)網或いはDoPa(登録商標)網等を介して上記管理センター4との間でパケットデータの送受信を行うことができる。この送受信部14はデータ通信プロトコルとしてPPPを使用することにより、上位層としてTCP/IPプロトコルによってテキストデータを含む各種のパケットデータ(図7(a)(b))を送受信することができるものである。
【0028】
ここで受信する伝達信号は上記管理センター4から送られるものであり、その信号フォーマットは、図7(a)に示される定型フォーマットと、図7(b)に示される非定型フォーマットとがある。定型フォーマットは、図7(a)に示すように、音声コードと表示コードとからなる定型コード、同じく音声コードと表示コードからなる地域コード、及び発信日時データ(テキストデータ)から構成されており、例えば定型コードで「大雨注意報が出ました」という情報を伝達する場合は、音声コードは「01、07」(図3参照)、表示コードは「01、07」(図4参照)のデータとなり、地域コードで「津山中央地区」という情報を伝達する場合は、音声コードは「01」(図5(a)参照)、表示コードは「01」(図5(b)参照)となる。
【0029】
非定型フォーマットは、図7(b)に示すように、音声コードと表示コードとテキストデータからなり、「大雨注意報がでました」という情報を伝達する場合は、音声コードは「01、07」(図3参照)、表示コードは「01、07」(図4参照)となり、これらに加えて発信日時等の伝達すべき任意のテキストデータを含む。尚、上記定型フォーマットからなる信号を伝達信号S1、非定型フォーマットからなる信号を伝達信号S2という。
【0030】
15はデータ変換部であり、上記送受信部14から入力する伝達信号のシリアルデータをコンピュータ(CPU20)が処理できるパラレルなバイトデータに変換して外部バスBを介してCPU20に送出し、該CPU20からの外部バスBを介して入力するパラレルデータをシリアルデータに変換して送受信機14に送出するものである。このデータ変換部15としては例えばUART(汎用非同期送受信回路)を用いることができる。
【0031】
16はCPU20から入力する各種音声のデジタル信号をアナログ信号に変換し増幅した上でスピーカ9に送出するA/D変換部、17は各種文字情報(テキストデータ)を上記液晶表示部6(図10(a),(b))に表示するためのLCDコントローラである。図10(a)は待機状態の液晶表示部6、図10(b)は避難情報を表示した状態の液晶表示部6を示す。この液晶表示部6は上半部6aは現在日時を常に表示しており、下半部6bの表示エリアに避難情報等の各種の伝達情報を表示し得るように構成している。
【0032】
18はROMであり、図3に示す伝達情報の音声コードテーブルT1、図4に示す伝達情報の表示コードテーブルT2、図5(a)に示す地域コードの音声コードテーブルT3、図5(b)に示す地域コードの文字コードテーブルT4、図6に示す着信テーブルT5、図8に示す優先度テーブルT6が予め記憶されている。
【0033】
上記伝達情報の音声コードテーブルT1は、図3に示すように、コード、出力内容としての音声デジタルデータ、メッセージ種別データの3種類からなる。具体的には、メッセージ種別データ「気象情報」としては、コード「01」として音声デジタルデータ「大雨」、コード「02」として音声デジタルデータ「洪水」、コード「07」として音声デジタルデータ「注意報がでました」、コード「08」として音声デジタルデータ「警報が出ました」等が記憶され、メッセージ種別データ「避難情報」としては、コード「11」として音声デジタルデータ「河川等の増水・氾濫」、コード「12」として音声デジタルデータ「家屋等への浸水」、コード「16」として音声デジタルデータ「の恐れがあります」等が記憶され、メッセージ種別データ「交通情報」としては、コード「19」として音声デジタルデータ「国道」、コード「20」として音声デジタルデータ「県道」、コード「24」として音声デジタルデータ「で通行止め箇所があります」、コード「25」として音声デジタルデータ「で交通規制をしています」等が記憶されている。よって、例えばコードの組み合わせ、例えばコード「11」と「16」との組み合わせにより、「河川等の増水・氾濫の恐れがあります」との音声信号を合成することができる。
【0034】
上記伝達情報の文字コードテーブルT2は、図4に示すようにコード、表示内容としてのテキストデータ、メッセージ種別データの3種類からなり、具体的には、メッセージ種別データ「気象情報」としては、コード「01」としてテキストデータ「大雨」、コード「02」としてテキストデータ「洪水」、コード「07」としてテキストデータ「注意報がでました」、コード「08」としてテキストデータ「警報が出ました」等が記憶され、メッセージ種別データ「避難情報」としては、コード「11」としてテキストデータ「河川等の増水・氾濫」、コード「12」としてテキストデータ「家屋等への浸水」、コード「16」としてテキストデータ「の恐れがあります」等が記憶され、メッセージ種別データ「交通情報」としては、コード「19」としてテキストデータ「国道」、コード「20」としてテキストデータ「県道」、コード「24」としてテキストデータ「で通行止め箇所があります」、コード「25」としてテキストデータ「で交通規制をしています」等が記憶されている。よって、例えばコードの組み合わせ、例えばコード「01」と「07」との組み合わせにより、「大雨注意報が出ました」とのテキストデータを作成することができる。
【0035】
尚、これらの情報は上記に限らず、メッセージ種別として「火災情報」、「地震情報」、それらのメッセージ種別に対応する各種の音声・文字データを上記ROM18に予め記憶しておくことができる。
【0036】
上記地域コードの音声コードテーブルT3は、図5(a)に示すように、コード、出力内容としての音声デジタルデータからなる。具体的には、コード「01」として音声デジタルデータ「津山中央地区」、コード「02」として音声デジタルデータ「○○○○地区」等が記憶されている。また地域コードの文字コードテーブルT4は、図5(b)に示すように、コード、表示内容としてのテキストデータからなる。具体的には、コード「01」としてテキストデータ「津山中央地区」、コード「02」としてテキストデータ「○○○○地区」等が記憶されている。これらの地区名データは災害等の発生地区の特定に使用される。
【0037】
上記着信テーブルT5は、図6に示す情報から構成されている。即ち、同テーブルT5は、コード、上記メッセージ種別に対応するメッセージ種別データ、メッセージ種別データに対応する鳴動時間データ、着信音色データ、発光時間データ、発光態様データから構成されている。具体的には、メッセージ種別データ「気象情報」に対応して、着信音色データとして「ピーピーピー」という音声デジタル信号、鳴動時間データとして30秒のデータ、発光時間データとして30秒のデータ、発光態様データ(フラッシュ定義)として長時間断続(ゆっくりした点滅動作を行わせるためのデータ)が記憶されており、メッセージ種別データ「避難情報」に対応して、着信音色データとして「ウォーンウォーン」という音声デジタル信号、鳴動時間データとして60秒のデータ、発光時間データとして60秒のデータ、発光態様データとして短時間断続(短い間隔での点滅動作を行わせるデータ)が記憶されており、メッセージ種別データ「交通情報」に対応して、着信音色データとして「ピンポン」という音声デジタル信号、鳴動時間データとして20秒のデータ、発光時間データとして20秒のデータ、発光態様データとして長時間断続(ゆっくりした点滅動作を行わせるためのデータ)が記憶されている。
【0038】
上記優先度テーブルT6は、図8に示す情報から構成されている。即ち、同テーブルT6は、コード、メッセージ種別データ、メッセージ種別に対応する優先度データ、メッセージ種別に対応する保存期間データからなる。具体的には、メッセージ種別が「避難情報」であれば、優先度データが「1」、保存期間データが「7日」、メッセージ種別が「気象情報」であれば、優先度データは「2」、保存期間データが「7日」、メッセージ種別が「交通情報」であれば、優先度データは「2」、保存期間データが「7日」という情報等が記憶されている。上記優先度は、伝達信号を複数件受信した後の出力時の優先順位、及び履歴情報として再表示する際の優先順位を示しており、伝達情報の出力時はメッセージ種別毎に付された優先度順に出力される。
【0039】
19はRAMであり、図9(a)に示すように、上記送受信部14で受信した伝達信号の内容を記憶するものである。記憶する情報は、定型コード(音声コード及び表示コード)に対応するコード並びに地域コード(音声コード及び表示コード)に対応するコードをメッセージ種別情報データ、優先度データ、送信日時データと共に受信データ(図9(a))として記憶するものである。尚、このようにして記憶された受信データを受信データテーブルT7という。この受信データは、確認スイッチ12が操作された場合は、優先順位の高い順に出力され、全ての受信データが出力された場合は、同じRAM18の他の領域において、図9(b)に示す履歴データとして記憶される。この履歴データは、上記受信データと同様の定型コード(音声コード及び表示コード)に対応するコード並びに地域コード(音声コード及び表示コード)に対応するコード、メッセージ種別情報データ、優先度データ、送信日時データからなるものであり、この履歴データは履歴スイッチ12、スクロールスイッチ13の操作により、上記優先順位に従って読み出され、出力されるものである。尚、このようにして記憶された履歴データを履歴データテーブルT8という。
【0040】
また、このようにテーブルをT7,T8と分けることにより、例えば受信データテーブルT7のデータ保存件数を最大50件とし、履歴データテーブルT8のデータ保存件数を最大20件とする等、テーブル毎に最大保存件数を設定することができる。
【0041】
20はCPUであり、内臓ROM20aに記憶されたプログラムに従って図12、図13のフローチャートに示す各種情報の出力動作を行うものである。尚、20bは内臓RAMであり、上記プログラムの実行途中の各種データが一時的に記憶されるものである。Tはタイマである。
【0042】
図11に示すものは上記CPU20の機能をブロック化した機能ブロック図である。同図において、コード情報検出手段25は受信した伝達信号中の各種コード情報、優先度情報、発信日時データ等を認識して受信情報記憶手段27に送出するものである。
【0043】
メッセージ種別検出手段26は上記受信した伝達情報中のコード情報に基づいてROM18の音声コードテーブルT1を参照し当該伝達情報のメッセージ種別を検出し、当該メッセージ種別を着信動作手段28と受信情報記憶手段27に送出するものである。
【0044】
受信情報記憶手段27は、上記コード情報検出手段25で認識した各種コード情報及び各伝達信号毎の優先度データ、メッセージ種別データ、発信日時データをRAM19の受信データテーブルT7に記憶させるものである。
【0045】
着信動作手段28は、上記メッセージ種別検出手段26からのメッセージ種別データに基づいて、ROM18の着信テーブルT5を参照して当該メッセージ種別に対応する着信態様データ(鳴動時間データ、着信音色データ、発光時間データ、発光態様データ)を読み出し、かかる着信態様に基づいてスピーカ9の駆動及びLED10の点滅動作を行うものである。
【0046】
ラジオ検出手段29は、着信動作を行う際に、ラジオ部21が動作中であれば当該ラジオ部21の動作を停止させる動作を行うものである。
【0047】
情報出力手段30は確認スイッチ11のオンに基づいて、受信データテーブルT7に記憶されている受信データの内、優先度の高い順から読み出して各コードに対応する音声デジタルデータ、テキストデータ等をROM18から読み出し、その音声デジタルデータをA/D変換部16に送出すると共に、伝達情報(地域情報、避難情報等)、発信日時等のテキストデータをLCDコントローラ17に送出して、伝達情報の音声及び文字による出力動作を行うものである。この情報出力手段30は上記受信データテーブルT7に記憶されている受信データの全てを出力した場合は、履歴情報記憶手段31に履歴情報を記憶するように指示する。
【0048】
履歴情報記憶手段31は、上記指示に基づいて、受信データテーブルT7に記憶されていた受信データを履歴データテーブルT8に記憶する処理を行う。
【0049】
上記情報出力手段30は履歴スイッチ12又はスクロールスイッチ13の操作に基づいて、履歴データテーブルT8に記憶されている受信データの内、優先度の高い順から読み出して、その各コードに対応する音声デジタルデータ、テキストデータ等をROM18から読み出し、音声デジタルデータをA/D変換部16に送出すると共に、伝達情報(地域情報、避難情報等)、発信日時等のテキストデータをLCDコントローラ17に送出して、伝達情報の音声及び文字による出力動作を行うものである。
【0050】
本発明は上述のように構成されるものであるから、次に、本発明の動作を図12、図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
ここでは管理センター4から「津山中央地区」、「家屋等への浸水の恐れがあります」というメッセージを定型フォーマットで送信する場合を説明する。この場合、定型コードの音声コードは「12、16」(図3)、表示コードは「12、16」(図4)、地域コードの音声コードは「01」、表示コードは「01」となるので(図5)、これらのコード及び発信日時データを含む定型フォーマットデータが伝達信号S1として作成され(図7(a))、当該伝達信号がPPPフレームに付加され、パケットとして上記管理センター4からルータ3b,3aを介して無線パケット通信網2に送られ、さらに当該通信網2から待機状態の情報端末装置1に無線送信される(図12P1,P2)。
【0052】
上記端末装置1の送受信部14は内蔵アンテナにて上記パケット信号を受信し、かかる受信データをデータ変換部15にシリアルデータとして送出する。上記データ変換部15はかかるシリアルデータをパラレルデータに変換し外部バスBを介してCPU20に送出する。上記CPU20のコード情報検出手段25は上記データを受けると、伝達信号の受信があったことを認識し(図12P2)、当該データに含まれる定型コードと地域コードの音声コードと表示コード並びに発信日時データを認識する(図12P3)。即ち、上記コード情報検出手段25は受信した定型コードの音声コード、表示コードが「12、16」、地域コードが「01」であることを認識する。
【0053】
次に、CPU20のメッセージ種別検出手段26は、上記ROM18の音声情報テーブルT1(図3)から音声コード「12」に対応するメッセージ種別が「避難情報」であることを認識すると共に(図12P4)、CPU20の受信情報記憶手段27は上記ROM18の優先度テーブルT6から「避難情報」の優先順位が「1」であることを認識し、定型コードの音声コード「1216」と表示コード「1216」、地域コードの音声コード「01」と表示コード「01」、メッセージ種別「避難情報」、「優先度1」及び発信日時をRAM18の受信データとして受信データテーブルT7に記憶する(図12P5、図9(a))。
【0054】
次に、CPU20のラジオ検出手段29は、ラジオ部21が動作中か否か確認し(図12P6)、動作中であればラジオ部21をオフ状態とし(図12P7)、動作中でなければCPU20の着信動作手段28がメッセージ種別に対応した着信音及び発光の処理を行う(図12P8)。即ち、上記着信動作手段28はROM18の着信テーブルT5(図6)から「避難情報」の着信パターンを読み出して着信動作を行う。具体的には、ROM18から「ウォーン・ウォーン」に対応する音声デジタルデータ及び鳴動時間データ(60秒)を読み出して上記音声デジタルデータをA/D変換部15に送信する。同時に着信動作手段28は、上記ROM18からLED10の発光パターンが「短時間断続」、発光時間が60秒であることを読み出し、上記LED10を短時間断続パターンで60秒間点滅させる。
【0055】
上記A/D変換部15は上記音声デジタルデータを音声信号に変換し、増幅した後に当該音声信号をスピーカ7に出力する。その結果スピーカ7から「ウォーン・ウォーン」という最も緊迫感のある警報音が出力される。同時にLED10が短い間隔で点滅する。上記CPU20の着信動作手段28はタイマTにより着信動作時間を計測しており、着信音の出力及び発光の開始後、60秒経過した時点でA/D変換部16に対し警報音の出力を停止するように指示する。一方、CPU20の着信動作手段28は、上記LED10の短い間隔での点滅を停止し、後述の確認スイッチ11が押されるまでは長い間隔での点滅動作を継続する(図12P9,P10)。
【0056】
居住者はこれら着信音声とLED10の発光動作により、「避難情報」を着信したことを確実に認識することができる。着信動作はスピーカ9からの着信音とLED10の発光という2つのパタ−ンを同時に行うので、居住者が視聴覚障害者等の情報弱者であっても確実に避難情報の着信を伝えることができる。
【0057】
また、音声コードが例えば「01、07」であり、メッセージ種別が「気象情報」であった場合は、或は音声コードが例えば「19、24」であり、メッセージ種別が「交通情報」であった場合は、CPU20の着信動作手段28は、同様に着信テーブルT5から「気象情報」又は「交通情報」に対する着信パターンを読み出して当該着信パターンでスピーカ9とLED10を駆動する。「気象情報」であれば、着信音色は注意を喚起する「ピーピー」音、LED10の点滅は長時間断続であり、「交通情報」であれば、着信音色は案内情報的な「ピンポン」であり、LED10の点滅は長時間断続となる。このように、メッセージ種別によって着信音や発光態様を変えることにより、着信動作のみによって「避難情報」であるのか「気象情報」であるのか或いはその他の情報であるのか判断することができる。
【0058】
上記着信動作の終了後、居住者が確認スイッチ11のオン動作を行うと、以下の詳細情報の出力動作に移行するが、居住者が不在等で確認スイッチ11の操作が行われない場合は、CPU20はステップP1に戻って次の伝達情報の受信待機状態となる。このとき、LED10はゆっくりした点滅動作を行っており、受信メッセージがあることを居住者に伝えることができるように構成している(図12P10)。
【0059】
そして、かかる待機状態において送受信部14が新たな伝達信号を受信した場合は、上記ステップP3からステップP8までの動作が繰り返し行われる。即ち、受信した伝達信号の定型コードの音声コードと表示コードが「01、07」、地域コードの音声コードと表示コードが「03」である場合は、CPU20のコード情報検出手段25は優先度が「2」であることを認識すると共に、メッセージ種別検出手段26はROM18を参照してこれらのデータが「気象情報」であることを認識し(図12P4、P5)、受信情報記憶手段27はこれらの受信データを発信日時データ、優先度データと共にRAM19の受信データテーブルT7に記憶し(図9(a)のNo2参照)、着信動作手段28は「気象情報」に対応する着信動作(図6のコード「01」の着信動作)を行う(図12P8)。このように居住者が不在等で確認スイッチ11が直ちに操作されない場合は、受信した伝達信号はRAM19内の受信データテーブルT7に優先度と共に順次記憶されていく(図9(a)No3参照)。よって、居住者が不在であっても、伝達情報は確実に装置1内に記憶されていく。
【0060】
次に、居住者は、上記着信動作によって情報を着信したことを認識した後、確認スイッチ11をオンする(図12P9)。
【0061】
すると、CPU20の情報出力手段30は、まず着信動作中であればそれを停止し(図12P11)、その後RAM19の受信データテーブルT7(図9(a))から最も優先度の高い受信データ、ここではNo1の「避難情報」の出力動作を行う。即ち、No1の受信データの発信日時テキストデータ(例えば「3月1日 午前10時15分」)を読み出してLCDコントローラ17に送出し、次に、同受信データの地域コードの音声コード、表示コード「01」に基づいてROM19の地域コードテーブルT3,T4(図5(a))を参照し、「01」に対応する音声デジタルデータ「津山中央地区」を読み出し、A/D変換部16に送出すると共に、上記ROM19の地域コードテーブルT3,T4(図5(b))を参照し、「01」に対応するテキストデータ「津山中央地区」を読み出し、LCDコントローラ17に送出する(図12P12)。
【0062】
さらに、CPU20の情報出力手段30は、定型コードの音声コード、表示コード「12、16」に基づいてROM19の音声コードテーブルT1(図3)を参照し、「12」に対応する音声デジタルデータ「家屋等への浸水」、「16」に対応する音声デジタルデータ「の恐れがあります」を読み出し、各々のデータをA/D変換部16に送出すると共に、上記ROM19の文字コードテーブルT2(図4)を参照し、「12」に対応するテキストデータ「家屋等への浸水」、「16」に対応するテキストデータ「の恐れがあります」を読み出し、LCDコントローラ16に送出する(図12P12)。尚、上記RAM19の受信データテーブルT7内に優先度の同じ複数のメッセージが存在する場合は、発信日時の早いメッセージから先に出力動作が行われる。
【0063】
すると、A/D変換部16は上記音声デジタルデータをアナログ音声信号に変換し増幅した後スピーカ9に送出する。すると、スピーカ9から「津山中央地区、家屋等への浸水のおそれがあります」という警報メッセージが音声にて出力される(図12P13)。また、同時にLCDコントローラ17は、液晶表示部8に図10(b)に示すように、「3月1日午前10時15分 津山中央地区 家屋等の浸水のおそれがあります」という文字を表示する(図12P14)。よって、居住者は、確認スイッチ11を押すことにより、音声及び文字により確実に情報を確認することができる。
【0064】
次に、CPU20の情報出力手段30は、上記RAM19の受信データテーブルT7(図9(a))内のすべてを出力したか否かを検出し(図12P15)、全てを出力していない場合は、図12のステップP8に戻り、確認スイッチ11がオンされた場合は、上記受信データテーブルT7内の次に優先度の高い受信データから上記と同様の出力動作を行う(図12P11〜P14)。CPU20の情報出力手段30は、受信データの全てを出力したことを検出した場合は、履歴情報記憶手段31に履歴情報の記憶を指示する。上記履歴情報記憶手段31は上記指示があると上記受信したデータを履歴情報としてRAM19の履歴データテーブルT8(図9(b))に記憶する(図12P16)。
【0065】
履歴情報として記憶される内容は、上記受信データ(図9(a))と同じ内容であり、定型コードとしての音声コード「12、16」、表示コード「12、16」、地域コードとしての音声コード「01」、表示コード「01」、さらにメッセージ種別「避難情報」、優先度「1」、発信日時が記憶される。このように、出力された受信データは、全てのデータの出力動作が終了した後に、履歴データとしてRAM19に記憶される(図9(b)参照)。
【0066】
その後、CPU20の情報出力手段30は液晶表示部8を図10(a)の待機画面に戻し(図12P17)、図12のステップP8でラジオ部21をオフしたのであれば、ラジオ検出手段29がラジオ部21をオンし(図12P18,P19)、そうでなければその状態のまま電源スイッチがオフされたか否かを検出し(図12P20)、電源スイッチがオフされない場合は、ステップP1の待機状態に戻る。電源がオフされた場合は、処理を終了する。
【0067】
次に、履歴データを確認する動作を説明する(図13参照)。
【0068】
上述のように全ての受信データを出力した場合は、全ての受信データは履歴データとしてRAM19の履歴データテーブルT8に記憶されている。よって、居住者が過去の受信データを確認したい場合は、履歴スイッチ12を押せばよい。
【0069】
装置1の待機状態から居住者が履歴スイッチ12を押すと(図13P1,P2)、CPU20の情報出力手段30は上記RAM18の履歴情報(図9(b))の内、優先度の最も高いデータから優先度順に出力動作を行う(図13P3)。尚、優先度の同じデータが存在する場合は、発信日時の早いデータから優先的に出力動作を行う。
【0070】
CPU20の情報出力手段30は、上記履歴スイッチ12のオンに基づいて、RAM19の履歴データテーブル8内の履歴情報の内、最も優先順の高いNo1の「避難情報」の受信情報を読み出して出力動作を行う。即ち、上記「避難情報」の地域コードの音声コード及び表示コード「01」に対応する「津山中央地区」の音声デジタルデータ及びテキストデータをROM18の地域コードテーブルT3,T4から読み出し、同時に定型コードの音声コード及び表示コード「12、16」に対応する「家屋等への浸水のおそれがあります」の音声デジタルデータ及びテキストデータをROM18の音声コードテーブルT1、文字コードテーブルT2から読み出し、音声デジタルデータはA/D変換部16に送出し、発信日時データを含むテキストデータはLCDコントローラ17に送出する(図13P3)。
【0071】
すると、スピーカ9から「津山中央地区 家屋等の浸水の恐れがあります」との音声が出力されると共に、液晶表示部6に「3月1日午前10時15分 津山中央地区 家屋等の浸水のおそれがあります」との文字が表示される(図10(b)図13P4,P5)。
【0072】
その後、居住者がスクロールスイッチ13を押すと(図13P6)、上記CPU20の情報出力手段30は上記RAM19に記憶されている履歴情報の内、次に優先度の高い情報(No2の「気象情報」「0107」、地域コードの「01」を読み出し、上記と同様に音声デジタルデータ及びテキストデータをA/D変換部15及びLCDコントローラ17に送出する(図13P3〜P5)。すると、スピーカから「大雨注意報がでました」との音声が出力されると共に、液晶表示部に「○月○日午後○時○分 △△△△地区 大雨注意報がでました」との文字情報が表示される。よって、居住者は過去の受信情報を確実に知ることができる。
【0073】
このようにCPU20の情報出力手段30はスクロールスイッチ13が押される度に、優先順位の高い順に順次RAM19内の受信データを読み出して、当該データを音声及び文字で出力することができる。よって、居住者は過去に受信したデータを繰り返し確認することができる。
【0074】
その後、居住者が確認スイッチ11を押すと(図13P7)、CPU20の情報出力手段30はこれを検出し、LCDコントローラ17を介して液晶表示部8を待機画面に戻し、新たな伝達信号の受信待機状態に設定する(図13P8、P9)。
【0075】
以上のように本発明によると、伝達情報の着信があった際、音と光で着信動作が行われるので、情報弱者等に対して確実に着信を伝達することができ、さらに居住者等がそれを確認して確認スイッチ11をオンしたことにより、音声情報及び文字情報を出力するものであるから、緊急な情報等を確実に居住者に伝達できる。
【0076】
また、着信パターンによって着信した情報が例えば「気象情報」なのか「避難情報」なのかをある程度知ることができ、より効果的に情報を伝達することができる。
また、受信した伝達情報を優先度と共に記憶しているので、情報出力動作時に例えば優先度の高い順に出力する等のより効果的、効率的な情報出力動作を行うことができる。
【0077】
また、例えば避難情報等の緊急性の高いメッセージ種別について高い優先度を設定しておくことにより、より緊急性の高い情報を効果的に伝達することができる。
【0078】
また、一旦情報出力動作の終了した伝達情報も履歴情報として優先度と共に記憶することができ、過去の伝達情報をも優先度順に効果的に確認することができる。
【0079】
尚、図2に示すようにCPU20にマイクを設け、居住者から入力された音声に基づいて音声ファイルを作成し、当該ファイルを送受信部14から管理センター4に向けて送信することにより、双方向の送信(連絡)を行うように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
このように本発明によれば、音と光により着信動作が行われるため、情報弱者等においても確実に情報の着信を伝達することができるし、着信動作後の確認スイッチ11のオンによって伝達情報の具体的内容を音声と文字で表示するように構成しているので、特に独居老人等の情報弱者向けの情報端末装置として広く用いることができる。
【0081】
また、受信した複数の伝達情報は受信データメモリに記憶され、記憶された伝達情報を優先度の高い順に出力することができるため、非常に効率的に情報を出力することができるし、一旦情報出力の終了した過去の伝達情報も履歴情報として記憶することができ、記憶された履歴情報(伝達情報)を優先度の高い順に出力することができるため、例えば緊急性の少ない生活に必要な各種情報の伝達装置としても非常に有効に使用することができ、情報弱者向けに限らず、一般の情報端末装置としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る情報端末装置が用いられるネットワーク構成を示す図である。
【図2】同上端末装置のブロック図である。
【図3】同上端末装置の音声コードテーブルを示す図である。
【図4】同上端末装置の表示コードテーブルを示す図である。
【図5】(a)は同上端末装置の地域コードの音声コードテーブル、(b)は同上端末装置の地域コードの表示コードテーブルを示す図である。
【図6】同上端末装置の着信テーブルを示す図である。
【図7】(a)は同上端末装置の伝達信号の定型フォーマットを示す図、(b)は伝達信号の非定型フォーマットを示す図である。
【図8】同上端末装置の優先度テーブルを示す図である。
【図9】(a)は同上装置の受信データテーブルを示す図、(b)は同上装置の履歴データテーブルを示す図である。
【図10】(a)は同上装置の待機状態の液晶表示部を示す図、(b)は同上装置の伝達情報表示状態の液晶表示部を示す図である。
【図11】同上端末装置のCPUの機能ブロック図である。
【図12】同上端末装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】同上端末装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 情報端末装置
4 管理センター
8 液晶表示部
9 スピーカ
10 LED
11 確認スイッチ
12 履歴スイッチ
13 スクロールスイッチ
14 送受信部
18 ROM
19 RAM
25 コード情報検出手段
26 メッセージ種別検出手段
27 受信情報記憶手段
28 着信動作手段
30 情報出力手段
T1 音声コードテーブル
T2 文字コードテーブル
T3、T4 地域コードテーブル
T5 着信コードテーブル
T6 優先度テーブル
T7 受信データテーブル
T8 履歴データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカと発光手段と文字情報表示手段を有する情報端末装置であって、
無線パケット通信網を介して送られてくる伝達信号を受信する受信手段と、
受信した上記伝達信号に含まれるコード情報を検出するコード情報検出手段と、
伝達用の複数の音声情報及び複数の文字情報をコード情報に対応付けて予め記憶している内部データメモリと、
上記伝達信号の受信に基づいて上記スピーカから着信音を出力させると共に上記発光手段を発光させる着信動作手段と、
上記着信動作手段による上記着信動作の後に確認用スイッチ手段が操作されたことに基づいて、上記コード情報検出手段により検出されたコード情報に対応する音声情報及び文字情報を上記内部データメモリから読み出して、上記音声情報を上記スピーカから出力させると共に、上記文字情報を上記文字情報表示手段に表示させる情報出力動作を行う情報出力手段とを具備することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
上記内部データメモリは、音声情報又は文字情報に対応するメッセージ種別情報を予め記憶しており、
上記コード情報検出手段により検出されたコード情報に対する音声情報又は文字情報に対応するメッセージ種別情報を認識するメッセージ種別検出手段を設けると共に、
上記内部データメモリ内にメッセージ種別情報毎の着信パターンを記憶した着信パターン記憶部を設け、
上記着信動作手段は上記着信パターン記憶部を参酌することにより、メッセージ種別検出手段により検出されたメッセージ種別情報に対応する上記着信パターンにて上記スピーカ及び発光手段を動作させるものであることを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
上記内部データメモリ内にメッセージ種別毎の優先度を予め記憶した優先度記憶部を設けると共に、
メッセージ種別の検出に基づいて上記優先度記憶部の優先度を参照し、受信した伝達信号のコード情報を上記優先度情報と共に受信データメモリに記憶する受信情報記憶手段を設けたものであることを特徴とする請求項2記載の情報端末装置。
【請求項4】
上記受信情報記憶手段は、上記確認用スイッチ手段が操作される前に伝達信号を新たに受信した場合は、新たに受信した伝達信号のコード情報を上記優先度情報と共に受信データメモリに記憶するものであることを特徴とする請求項3に記載の情報端末装置。
【請求項5】
上記情報出力手段は、上記確認用スイッチ手段の操作に基づいて、上記受信データメモリ内の伝達情報の内、優先度の高い伝達情報から順に上記情報出力動作を行うものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の情報端末装置。
【請求項6】
上記受信情報記憶手段は、確認用スイッチ手段の操作に基づいて情報出力動作の終了した伝達情報を優先度情報と共に履歴情報記憶部に記憶するものであり、
上記情報出力手段は、履歴スイッチ手段の操作に基づいて、上記履歴情報記憶部内の優先度の高い伝達情報から順に上記情報出力動作を行うものであることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−250798(P2008−250798A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92889(P2007−92889)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(591095823)株式会社九電工 (17)
【Fターム(参考)】