説明

情報表示装置

【課題】移動中の車両の現在位置に適切に連動したタイミング位置で質の高い地域情報を表示する。
【解決手段】GPS受信機1および位置・時間情報判定部2で車両の現在位置を検出し、この検出した現在位置が予め設定した地域情報表示タイミング位置であるときには、DVD映像発生部12等に予め記憶させてある情報または通信部10等を介し外部より取得した情報を基に地域情報画面生成部4で生成した地域情報を現在の表示映像に代え、またはこの表示映像とともに表示するように表示制御部18が複数のモニタ15等のそれぞれに対し表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は複数のモニタを搭載し、ナビゲーション情報や各種ソースによる映像情報の他に、通信手段等を介し取得した地域に関する情報を表示するようにした車載用の情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車内の運転席側および後部座席側等のように、車内複数個所にモニタを設置し、ナビゲーション情報や各種映像ソースによる映像情報等を表示可能にした情報表示装置が実用化されている。
従来の情報表示装置として例えば以下のものがある。
この従来例は、車室内に複数のモニタを設置し、車両位置情報や地図情報等のナビゲーション画面および他の映像ソースからの映像画面の複数のモニタそれぞれへの表示を個別に制御するように構成している。
また、車両の走行中状態を検出し、走行中であるときには、前記複数のモニタのうち予め定めた特定のモニタ(運転席用等)には前記他の映像画面の表示を禁止するように構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2835001号公報(登録日 平成10年10月2日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の情報表示装置は以上のように構成され、車室内に設置された複数のモニタに表示される画面がナビゲーション画面と他の映像画面をそれぞれ独立に表示制御でき、使用性を改善している。
一方、車載用の情報表示装置として、車両位置情報や地図情報等のナビゲーション画面は極めて有用であることは明白であるが、この車両位置情報に併せ、車両の移動に応じて自車両の現在の位置に即した情報(以下、「地域情報」という)の表示も有用である。
この地域情報に関しては、前記従来例は自車両に搭載しているナビゲーションシステムにおいて予め保有している情報に限られていた。このため、情報の量や質が限られ、その改善が必要といった問題があった。
また、地域情報の表示においても移動する車両位置に適切に連動したタイミング位置で表示されないという問題もあった。
さらに、前記従来例の場合、複数のモニタそれぞれを独立に表示制御できることとなった結果、例えば子供が乗っている後部座席側のモニタで表示したくない情報が表示されるといった問題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、車両位置情報や地図情報等のナビゲーション情報の一環として表示する地域情報の量および質を向上するとともに、移動中の車両の現在位置に適切に連動したタイミング位置でこの地域情報を表示する一方、複数のモニタそれぞれに対し表示制限を設け、必要なモニタにのみ情報表示するようにした情報表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報表示装置は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記検出された現在位置に基づき、情報記憶媒体に予め記憶された情報または通信手段を介し外部より取得した情報を基に前記現在位置に対応する地域情報を生成する地域情報生成手段と、車室内に備えられた複数のモニタそれぞれに対し個別に映像表示の選択を行う一方、前記地域情報生成手段で生成された地域情報を、現在の表示映像に代え、または該表示映像とともに表示する表示制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、この発明によれば、車両の現在位置を検出し、この現在位置が地域情報表示タイミング位置であるときには、情報記憶媒体の記憶情報または通信手段を介し外部より取得した情報を基に生成した地域情報を現在の表示映像に代え、または該表示映像とともに表示するように構成したので、移動中の車両の現在位置に適切に連動したタイミング位置で地域情報を表示することができる。
また、地域情報に関しては、従来においては車両に搭載しているナビゲーションシステムにおいて予め保有している情報に限られ、情報の量や質が限られていたが、この発明によれば、ナビゲーションシステムとは無関係の情報記憶媒体の記憶情報、または通信手段を介し外部より取得した情報を基に地域情報を生成するので地域情報の量を増大できるとともに、その地域特有のコンテンツ情報や、サービス情報またはコマーシャル情報等の表示が可能となり、地域情報の質を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による情報表示装置の構成を示すブロック図である。
図1において、この情報表示装置は、GPS(Global Positioning System)受信機1、位置・時間情報判定部2、表示データ判断部3、地域情報画面生成部4、表示可否設定画面生成部5、選択画面生成部6、信号入力部7、着座情報部8、パーキングブレーキ情報部9、通信部10、ビーコン情報部11、第1のDVD(Digital Versatile Disc)映像発生部12、第2のDVD映像発生部13、ナビゲーション画面(以下、「ナビ画面」とする)生成部14、モニタ15、モニタ16、モニタ17、表示制御部18、DVD映像出力可能数入力部19、IGN情報部20とで構成される。
【0009】
上記構成において、GPS受信機1は車両の現在位置や現在の時刻を判定(検出)するための電波を人工衛星より受信する。
位置・時間情報判定部2はGPS受信機1で受信したGPS情報をもとに車両の現在位置や現在の時刻を判定する。
また、この位置・時間情報判定部2は車両の現在位置が地域情報を表示するタイミング位置であるかについても判定する。この表示タイミング位置の判定のため、位置・時間情報判定部2には判定基準となる「地域情報表示タイミング位置」を予め所要数設定しておき、この地域情報表示タイミング位置と前記のように判定される車両の現在位置とを比較し、両者が一致したタイミングを表示タイミングとする。
この地域情報表示タイミング位置として、例えば、都道府県名や市区町村名等のような地域名が変わった位置とする。これら地域名は後述のナビ画面生成部14により検出できる。
【0010】
表示データ判断部3は位置・時間情報判定部2で判定される車両の現在位置に対し、どのよう内容の地域情報を表示するかについて判断する。このため、この表示データ判断部3には前述の地域情報表示タイミング位置ごとに地域情報判断基準を設定しておく。例えば、ある地域情報表示タイミング位置においては、その地域を宣伝するコンテンツ情報やコマーシャル情報またはサービス情報等を地域情報として表示することとし、また、他の地域情報表示タイミング位置においては有名専門店等が多数入っている著名な建物に関するコマーシャル情報を地域情報として表示することとする。
このようなコンテンツ情報やコマーシャル情報またはサービス情報等の地域情報は例えばその位置を管轄する電話基地局等に予めプールしておき、後述の通信部10によりこれら情報取得する。
【0011】
地域情報画面生成部4は表示データ判断部3で判断された地域情報に関する表示データの表示画面(地域情報画面)を生成する。つまり、後述するように、通信部10を介して外部より取得した地域情報あるいは記憶部としてのDVDから読出した地域情報を表示制御部18へ供給する。
表示可否設定画面生成部5はモニタ15〜モニタ17の複数のモニタそれぞれにおける各種映像ソースの表示可否を設定する画面を生成するものであり、この表示可否設定画面は、「DVD映像」や「ナビ画面」および「地域情報画面」等のような複数種類の映像ソースの名称の表示からなる例えばタッチパネル形式の画面とし、これら複数種類の映像ソースそれぞれについて「表示可」または「表示否」を各モニタごとにタッチパネル画面上においてタッチ操作して設定する。
選択画面生成部6はモニタ15〜モニタ17の複数のモニタそれぞれにおける各種映像ソースの表示を選択設定する画面を生成するものであり、この選択画面は前記表示可否設定画面生成部5において「表示可」として設定された範囲内で選択を可能にする画面である。即ち、前記表示可否設定画面生成部5において「表示否」として設定された映像ソースについては表示選択の対象外となる。
なお、上記選択画面においても前記表示可否設定画面に従い、タッチパネル画面上においてタッチ操作により選択設定する。
【0012】
上記表示可否設定画面生成部5は映像表示可否設定手段を形成し、選択画面生成部6は映像表示選択手段を形成している。
信号入力部7は表示可否設定画面生成部5からの信号と選択画面生成部6からの信号を切り換え、その切換出力信号を後述の表示制御部18へ入力させる。
着座情報部8は乗員が着座している座席位置を検出し、着座情報として出力する。
パーキングブレーキ情報部9はパーキングブレーキがかかっているか否かを示すパーキングブレーキ情報を出力する。このパーキングブレーキ情報は車両の走行または停車の判断の根拠となるものであり、パーキングブレーキがかかっていなければ車両は走行中であり、かかっていれば停車中と判断する。
通信部10は各地域において通信手段により各種の地域情報を外部より取得する。この通信手段として例えば電話回線を利用し、前述のようにコンテンツ情報やコマーシャル情報またはサービス情報等の地域情報をプールしている電話基地局等に自動ダイアルしてこれら情報を取得する。
【0013】
ビーコン情報部11はVICS(Vehicle Information and Communication System)センタで編集、処理され、高速道路において電波ビーコンまたは光ビーコンによりリアルタイムで送信される渋滞や交通規制等の道路交通情報を受信取得する。
第1のDVD映像発生部12および第2のDVD映像発生部13はDVDに記憶されている映画等の各種映像情報を発生する一方、この各種映像情報を記憶しているDVDとは別のDVD等の情報記憶媒体に予め記憶させてあるコンテンツ情報やコマーシャル情報またはサービス情報等の地域情報についても発生する。
上記説明中の表示データ判断部3、地域情報画面生成部4、通信部10、ビーコン情報部11、第1のDVD映像発生部12および第2のDVD映像発生部13とで地域情報生成手段を形成している。
【0014】
ナビ画面生成部14はGPS受信機1からのGPS情報をもとに車両位置情報や地図情報等の表示画面を生成する。
モニタ15、モニタ16およびモニタ17は後述の表示制御部18による表示制御のもとに各種画面の映像を表示する。図1ではモニタを3系統としてあるが、この3系統に限るものではなく、2以上の複数系統の意味である。また、これら複数のモニタそれぞれは車両内の前部座席および後部座席等のように、各座席位置に対応して設置する。
表示制御部18は、地域情報画面生成部4において生成した地域情報画面による地域情報の映像、信号入力部7を介し入力された表示可否設定画面生成部5からの表示可否設定画面または選択画面生成部6からの選択画面、着座情報部8からの着座情報、パーキングブレーキ情報部9からのパーキングブレーキ情報、第1のDVD映像発生部12からのDVD映像、第2のDVD映像発生部13からのDVD映像、およびナビ画面生成部14において生成したナビ画面の各信号をもとにモニタ15、モニタ16およびモニタ17を表示制御する。この表示制御の詳細については後述する(図4,図5)。
また、この表示制御部18にはタイマ18aが内臓され、地域情報画面生成部4において生成した地域情報画面の表示時間をカウントする。このタイマ18aは地域情報の表示時間を決める計時手段を形成している。
【0015】
次に、図1の構成の情報表示装置のシステム構成について図2で説明する。
図2はこの発明の実施の形態1による情報表示装置のシステム構成図である。
図2において、映像情報を出力するDVD31、このDVD31の映像情報を送信するエンコーダ32、テレビ(TV)放送を受信するテレビ(TV)チューナ33、このTVチューナ33で受信したテレビ映像情報を送信するエンコーダ34、映像等の各種情報やデータ類を格納しているHDD(Hard Disc Drive)35、このHDD35の格納データ類を送信するエンコーダ36等は映像ソース側を形成し、これらエンコーダ32,34,36それぞれより映像等の各種情報やデータ類の信号が車内LAN(Local Area Network)37(例えばMOST(Media Oriented Systems Transport))へ送出される。
【0016】
この車内LAN37に対しデコーダ38,40,42が接続配置され、これらデコーダ38,40,42それぞれからの映像信号を受信し表示するようにモニタ39,41,43が設けられている。
また、車内LAN37には表示制御手段44が接続配置され、この表示制御手段44は上記DVD31等の映像ソース側とモニタ39,41,43側とを仲介しモニタ39,41,43を表示制御する。図1の表示制御部18はこの図2の表示制御手段44に対応する。
上記説明の図2の映像ソースの種類は一例であって図示のものに限定するものではなく、図1のナビ画面や通信部10で受信する地域情報も映像ソース側に含まれる。
また、モニタ39等の数についても図示の3系統に限るものではなく、3系統以上であってもよい。
【0017】
次に、図1の表示可否設定画面生成部5により生成される表示可否設定画面および選択画面生成部6により生成される選択画面について図3で説明する。
図3はこの発明の実施の形態1による情報表示装置における表示可否設定画面および選択画面に関する説明図であり、図3(a)は表示可否設定画面生成部5により生成される表示可否設定画面の表示例説明図であり、図3(b)は選択画面生成部6により生成される選択画面の表示例説明図である。なお、これら表示可否設定画面および選択画面は車室内の座席位置と対応して備えられた複数のモニタそれぞれにおいて表示可能あるが、図3(a),(b)は「前部座席1」に対応するモニタとした例である。
図3(a)の表示例に示すように、表示可否設定画面においては、映像ソースとして「DVD映像1表示可否」51、「DVD映像2表示可否」52、「ナビ画面表示可否」53および「地域情報画面表示可否」54の4種類が文字表示され、これら映像ソースの表示可否を設定するようにしている。これら4種類のそれぞれについて「表示可」または「表示否」を設定する。この設定において「表示可」としたものについては図3(b)の選択画面の選択対象となり、「表示否」としたものについてはこの選択画面の選択対象から除外される。
【0018】
また、図3(b)の表示例に示すように、この選択画面は映像ソースとして「DVD映像1表示選択」61、「DVD映像2表示選択」62、「ナビ画面表示選択」63および「地域情報画面表示選択」64の4種類が文字表示され、これら映像ソースの表示選択を設定するようにしている。この場合、これら4種類の映像ソースそれぞれが選択対象となっているか否かの区別については、例えば、選択対象となっているものと選択対象となっていないものとを色彩や明るさで区別したり、または、選択対象から除外されたものについては選択画面上に表示しないようにすること等が考えられる。
このように、図3(a)の表示可否設定画面は図3(b)の選択画面の選択範囲を設定するものであり、この図3(b)の選択画面において選択された種類の映像が図1のモニタ15,16,17に表示されることとなる。これにより、選択範囲を限定しモニタ表示に制限が加えられこととなり、例えば、後部座席では表示したくない映像表示を事前に制限することができる。
また、図3(a)の表示可否設定画面による表示可否はモニタ15,16,17それぞれ毎に自己モニタの表示可否を設定できる他に、図2で説明した車内LAN37および表示制御部18の表示制御機能により例えばモニタ15においてモニタ16の表示可否の設定も可能である。例えばモニタ15を前部座席側のモニタとし、モニタ16を後部座製側のモニタとした場合、前部座席側のモニタから後部座製側のモニタに対し表示可否を設定することもできる。
【0019】
次に、図1のモニタ15,16,17に対する表示制御部18による映像表示の制御について図4で説明する。
図4はモニタ15,16,17に対する表示制御部18による映像表示制御の動作フローチャートである。
本発明の主目的は現在表示している画面に対し、現在の車両位置に対応させたタイミングで地域情報を表示することにあるが、この図4に示す動作フローチャートは上記「現在表示している画面」が設定されるまでのプロセスを示すものである。
なお、以下の説明は図3(a),(b)に示した表示例を前提にする。
図4において、ステップST1では、表示制御部18は操作者が指定したモニタ(以下、例えばモニタ15とする)に対し、信号入力部7を介し入力された表示可否設定画面生成部5からの図3(a)に示す表示可否設定画面を表示する。この図3(a)の画面において、操作者は「DVD映像1表示可否」51、「DVD映像2表示可否」52または「ナビ画面表示可否」53等の各映像ソースについてそれぞれ「表示可」または「表示否」を設定する。
【0020】
また、「地域情報画面表示可否」54については、この地域情報の表示を希望する場合には上記映像ソースに対する設定に併せ、「地域情報画面表示可否」54についても「表示可」を設定し、表示を希望しない場合には「表示否」を設定する。ここでは、図3(b)の表示例との関係より4種類の全てについて「表示可」と設定したものとする。
この設定が行われた後、表示制御部18はモニタ15(前記仮定)に対する表示を、信号入力部7を介し入力された選択画面生成部6からの図3(b)に示す選択画面の表示に切り換える。前記のように、表示可否設定画面において4種類の全てについて「表示可」と設定したとした場合、選択画面(図3(b))においてはこれら4種類の全てが選択対象となる。
この選択画面(図3(b))において、操作者は「DVD映像1表示選択」61、「DVD映像2表示選択」62または「ナビ画面表示選択」63等の各映像ソースの中から表示を希望する映像または画面の映像ソースを選択する。この選択において、地域情報の表示を希望する場合には上記映像ソースに対する選択に併せ、「地域情報画面表示選択」64についても選択する。これに対し、地域情報の表示を希望しない場合には「地域情報画面表示選択」64を選択しなければよい。
【0021】
ステップST2では、表示制御部18は選択画面(図3(b))における表示画面等の選択の有無を監視し、選択が行われた場合(ステップST2−YES)、ステップST3へ進む。
ステップST3では、表示制御部18はステップST2において選択された映像または画面が、ステップST1における表示可否設定画面での設定が「表示可」であるかについて判断し、「表示可」でない場合(ステップST3−NO)は、ステップST4へ進み、「表示可」である場合(ステップST3−YES)は、ステップST5へ進む。
ステップST4では、表示制御部18はモニタ15(前記仮定)に対し「選択不可」の旨を表示する。この表示を例えばテロップ表示とする。これにより、ステップST2でDVD映像またはナビ画面を選択しても、表示可否設定画面での設定が「表示否」であればモニタ15には表示されないこととなり、表示制限されることとなる。
ステップST5では、表示制御部18は着座情報部8からの着座情報をもとに、各座席に乗員が着座しているかについて判断し、着座していない場合(ステップST5−NO)は、ステップST6へ進み、着座している場合(ステップST5−YES)は、ステップST7へ進む。
【0022】
ステップST6では、表示制御部18は着座していない座席に対応するモニタ(例えばモニタ17とする)には映像表示しないようにする。これにより、無駄な映像表示が抑制され、節電となる。
ステップST7では、表示制御部18はパーキングブレーキ情報部9からのパーキングブレーキ情報をもとに、車両が走行中であるかについて判断し、走行中である場合(ステップST7−YES)は、ステップST8へ進み、走行中でない場合(ステップST7−NO)は、ステップST10へ進む。
ステップST8では、表示制御部18は表示制御対象のモニタが運転中の運転席用モニタであるかについて判断し、運転中の運転席用モニタである場合(ステップST8−YES)は、ステップST9へ進み、運転中の運転席用モニタでない場合(ステップST8−NO)は、ステップST10へ進む。
【0023】
ステップST9では、表示制御部18は運転席用モニタに対しては安全運転上の観点よりナビ画面および地域情報以外表示しないように制御する。尤も、このナビ画面および地域情報の表示においても、表示可否設定画面で設定が「表示可」として設定され(ステップST1)、かつ、選択画面において選択(ステップST2)されていることが表示条件となることは前述の通りである。
ステップST10では、表示制御部18はDVD映像(DVD映像1または2)またはナビ画面を表示する。これにより、運転席用モニタおよび着座していない座席に対応するモニタを除き、選択したDVD映像またはナビ画面が指定のモニタに表示されることとなる。
【0024】
なお、図4には示していないが、DVDなどの表示ソースにおいてモニタ表示数に制限がある場合、表示制御部18においてこのモニタ表示数の制限を超えないよう表示制御するようにしてもよい。その構成として例えば、図1に示すように「DVD映像出力可能数入力部19」を設け、このDVD映像出力可能数入力部19により「モニタ表示可能数」を信号入力部7を介し表示制御部18に入力設定し、表示数制限のあるDVDの映像が前述のステップST1およびステップST2を経て選択されたときには、表示数制限内のモニタに対してはこのDVD映像を表示し、表示数制限を超えたモニタに対し前記ステップST4の「選択不可」の処理(例えばテロップ表示)を行うようにする。この処理ステップは前述のステップST10の直前に設ければよい。
【0025】
また、ステップST7の車両走行の判断において、パーキングブレーキ情報部9に代えて、エンジンの点火有無の情報を出力するIGN(Ignition)情報部20を設け、これにより車両が走行中であるかについて判断してもよい。
【0026】
次に、地域情報の表示について図5で説明する。
図5は地域情報表示制御の動作フローチャートである。
図5において、ステップST21における「DVD映像またはナビ画面を表示」は、前記図4の動作フローチャートに従い選択されたDVD映像またはナビ画面の表示状態にあることを意味する。具体的には図4のステップST9またはステップST10の表示状態である。
ステップST22では、車両の現在位置および現在の時刻の各情報が取得される。即ち、GPS受信機1は現在の車両位置や時刻を判定(検出)するための電波を人口衛星より受信し、位置・時間情報判定部2はこのGPS受信機1で受信したGPS情報をもとに現在の車両位置や時刻を判定する。
ステップST23では、位置・時間情報判定部2は前記取得した車両の現在位置情報と予め設定してある地域情報表示タイミング位置とを基に、車両の現在位置が地域情報を表示するタイミング位置であるかについて判定し、地域情報を表示するタイミング位置である場合(ステップST23―YES)、ステップST24へ進む。
【0027】
ステップST24では、地域情報を取得し、地域情報画面を生成する。
このため、表示データ判断部3において、位置・時間情報判定部2で判定される車両の現在位置(ステップST22)に対しどのよう内容の地域情報を表示するかについて判断し、地域情報画面生成部4はこの判断に適合する情報を通信部10、ビーコン情報部11、第1のDVD映像発生部12または第2のDVD映像発生部13より取得し、この取得情報をもとに地域情報画面を生成する。生成する地域情報画面として、例えば、地域特有のコンテンツ情報や、サービス情報またはコマーシャル情報等からなる画面とする。
また、GPS受信機1で受信され、位置・時間情報判定部2において判定された現在の時刻情報、または、例えば通信部10により受信した天候情報等を上記地域情報画面に含めてもよい。
上記生成された地域情報画面の信号は表示制御部18へ送られる。
【0028】
ステップST25では、表示制御部18は前記ステップST1(図4)の表示可否設定画面において地域情報の表示が「表示可」に設定され、また、選択画面において地域情報の表示が選択されていたかについて判断する。この判断において、地域情報の表示が「表示可」に設定されていなかった場合、または、地域情報の表示が「表示可」に設定されていたが、選択画面において地域情報の表示が選択されなかった場合(ステップST25―NO)、この地域情報表示の制御は終了する。
これに対し、地域情報の表示が「表示可」に設定され、また、選択画面において地域情報の表示が選択されていた場合(ステップST25―YES)、ステップST26へ進む。
このステップST25の処理を設けることにより、地域情報を車室内の前部座席側モニタ、後部座席側モニタの両方または一方というように、その表示位置(モニタ)を制限することが可能となる。
【0029】
ステップST26では、表示制御部18は地域情報画面生成部4より取得した地域情報画面の地域情報の内容が時間に関連あるかについて判断し、時間に関連ある場合(ステップST26―YES)、ステップST27へ進み、時間に関連しない場合(ステップST26―NO)、ステップST28へ進む。
取得した地域情報には時間(時刻)に関連するものがある。例えば地域情報が、「あるレストランのランチタイムサービスが○○時から××時であるの旨のコマーシャル」である場合、この地域情報は時間に関連し、適切なタイミングにおいてこの情報を表示する必要がある。そこで、このステップST26を設け、時間に関連する地域情報については適切なタイミングにおいて情報表示するようにしている。
【0030】
ステップST27では、表示制御部18は前記ステップST26において判断された時間に関連する地域情報を表示する時間帯であるかについて判断し、情報表示の時間帯である場合(ステップST27−YES)、ステップST28へ進む。
上記判断のため、表示制御部18はGPS受信機1で受信され、位置・時間情報判定部2において判定された現在の時刻情報(ステップST22)を地域情報画面生成部4を介し取得し、この現在の時刻情報を基に設定した地域情報を表示する時間帯であるかについて判断する。
また、表示制御部18には上記判断のための基準を予め設定しておく。例えば、前記例の「ランチタイムサービス」の場合、ランチタイムが開始される時刻以前に情報表示することとし、このような場合の開始時刻と情報表示時間帯との関係を予め設定しておく。
【0031】
ステップST28では、表示制御部18は地域情報を所定のモニタ(ステップST25)に表示する。表示する地域情報は前記地域情報画面生成部4で生成した(ステップST24)、例えば、地域特有のコンテンツ情報や、サービス情報またはコマーシャル情報等であり、さらに、現在の時刻情報、または、天候情報等も含まれる。
また、この地域情報の表示の形態として、(イ)現在の表示画面(ステップST1)を地域情報画面へ切り換える、(ロ)現在の表示画面と地域情報画面との分割画面にする、(ハ)現在の表示画面に対し地域情報画面を重ね表示する、の3形態が考えられるが、いずれの形態であってもよく、いずれか一つの形態、または3形態を切換選択できるように予め表示制御部8を設定しておけばよい。以下では上記(イ)の形態として説明する。
【0032】
ステップST29では、表示制御部18は内臓のタイマ18aをスタートさせる。
ステップST30では、表示制御部18はタイマ18aがタイムアップしたかについて判断し、タイムアップした場合(ステップST30−YES)、ステップST31へ進む。なお、タイマスタートからタイムアップまでの時間はタイマ18aに予め設定しておく。
ステップST31では、表示制御部18は地域情報の表示を元のDVD映像またはナビ画面(ステップST21)の状態へ戻し、地域情報の表示制御を終了する。
このように、地域情報は予め設定したタイマ時間の間、DVD映像またはナビ画面(ステップST21)に代わり表示され、上記タイマ時間経過後には元の表示状態へ戻る。
なお、地域情報を前述の分割画面で表示する場合または重ね表示する場合は、上記タイマ時間経過後に分割画面または重ね表示を解除し、元の表示状態へ戻ることとなる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、GPS受信機1等で車両の現在位置を検出し、この検出した現在位置が予め設定した地域情報表示タイミング位置であるときには、DVD画像発生部12等に予め記憶させてある情報または通信部10等を介し外部より取得した情報を基に地域情報画面生成部4で生成した地域情報を現在の表示映像に代え、またはこの表示映像とともに表示するように表示制御部18が複数のモニタ15等のそれぞれに対し表示制御する構成としたので、移動中の車両位置に適切に連動したタイミング位置で地域情報を表示することができる。
【0034】
また、地域情報に関しては、従来においては車両に搭載しているナビゲーションシステムにおいて予め保有している情報に限られ、情報の量や質が限られていたが、この実施の形態1によれば、ナビゲーションシステムとは無関係のDVD画像発生部12等の記憶情報、または通信部10やビーコン情報部11等を介し外部より取得した情報を基に地域情報を生成するので地域情報の量を増大できるとともに、その地域特有のコンテンツ情報や、サービス情報またはコマーシャル情報等の表示が可能となり、地域情報の質を向上することができる。
【0035】
また、表示可否設定画面生成部5で生成した表示可否設定画面において映像表示可として設定し、かつ、選択画面生成部6で生成した選択画面において選択された映像ソースの映像を複数のモニタ15等のそれぞれの現在の表示映像として表示するように表示制御部18が複数のモニタそれぞれに対し表示制御する構成としたので、車室内の座席位置に対応して備えられた複数のモニタそれぞれに対し地域情報を含む映像ソースごとに表示を制限することができることとなる。例えば後部座席側のモニタでは一部の映像ソースについて表示したくないような場合、この後部座席に対応するモニタの表示可否設定画面においてその映像ソースについて「表示否」に設定することにより、選択画面によるこの映像ソースの選択は不可となり、この後部座席側のモニタに対し表示制限することができる。
【0036】
また、GPS受信機1等により現在の時刻を判定する一方、表示制御部18は、地域情報画面生成部4において生成した地域情報が時間に関連あるかについて判断し、時間に関連あるときには判定した現在の時刻を基に設定した時間帯に地域情報を表示するように構成したので、時間に関連する地域情報を適切なタイミングの時間帯で表示することができる。
【0037】
また、乗員が着座している座席位置を検出する着座情報部8を設け、表示制御部18は、この着座情報部8により検出された着座されていない座席位置に対応するモニタには映像または地域情報を表示しないように表示制御する構成としたので、無駄な映像表示が抑制され、節電効果を奏することとなる。
【0038】
また、地域情報の表示時間を決めるタイマ18a備えた構成としたので、地域情報は予め設定したタイマ時間の間、DVD映像またはナビ画面(ステップST21)に代わり表示され、上記タイマ時間経過後には元の表示状態へ戻ることとなり、長時間に亘り地域情報が表示されるという不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1による情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による情報表示装置のシステム構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による情報表示装置における表示可否設定画面および選択画面に関する説明図であり、(a)は表示可否設定画面生成部により生成される表示可否設定画面の表示例説明図であり、(b)は選択画面生成部により生成される選択画面の表示例説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1による情報表示装置におけるモニタに対する表示制御部による映像表示制御の動作フローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1による情報表示装置におけるモニタに対する表示制御部による地域情報表示制御の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 GPS受信機、2 位置・時間情報判定部、3 表示データ判断部、4 地域情報画面生成部、5 表示可否設定画面生成部、6 選択画面生成部、7 信号入力部、8 着座情報部、9 パーキングブレーキ情報部、10 通信部、11 ビーコン情報部、12,13 DVD映像発生部、14 ナビゲーション画面生成部、15,16,17 モニタ、18 表示制御部、19 DVD映像出力可能数入力部、20 IGN情報部、31 DVD、32,34,36 エンコーダ、33 テレビ(TV)チューナ、35 HDD、37 車内LAN、38,40,42 デコーダ、39,41,43 モニタ、44 表示制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記検出された現在位置に基づき、情報記憶媒体に予め記憶された情報または通信手段を介し外部より取得した情報を基に前記現在位置に対応する地域情報を生成する地域情報生成手段と、
車室内に備えられた複数のモニタそれぞれに対し個別に映像表示の選択を行う一方、前記地域情報生成手段で生成された地域情報を、表示しているモニタの現在の表示映像に代え、または該表示映像とともに表示する表示制御部とを備えた情報表示装置。
【請求項2】
複数種類の映像ソースの名称を表示し、これら複数種類の映像ソースそれぞれについて映像表示の可否を設定する映像表示可否設定手段と、映像表示可として設定した映像ソースの中から映像表示する映像ソースを選択する映像表示選択手段とを備え、
表示制御部は、前記映像表示可否設定手段および映像表示選択手段において設定し、選択された映像ソースの映像をモニタに表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
表示制御部は、地域情報生成手段において生成した地域情報が時間に関連あるかについて判断し、時間に関連あるときには現在位置検出時の時刻を基に関連する地域情報を表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項4】
乗員が着座している座席位置を検出する着座情報部を備え、
表示制御部は、前記着座情報部により検出された着座されてない座席位置に対応するモニタには表示しないように表示制御することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の情報表示装置。
【請求項5】
表示制御部は、地域情報を表示する時間を決める計時手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−101447(P2007−101447A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293977(P2005−293977)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】