説明

抗微生物性を有する組成物を含む材料、アイテム及び製品

被覆製品は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含み、AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、Men+は金属イオンであり、Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ材料、ナノ材料製品、ナノ材料組成物を含む材料及びアイテム、例えばプラスチック、ファブリック、ティッシュ及び塗料等に関する。
【0002】
更に、本発明は、抗細菌性、抗微生物性、抗ウィルス性、抗真菌性、殺菌性、光修復性を有するナノ材料、ナノ材料製品、ナノ材料組成物を含む材料及びアイテムに関する。
【0003】
更に、本発明は、抗細菌性、抗微生物性、抗ウィルス性、抗真菌性、殺菌性を有する、局所使用のための製品に関する。
【背景技術】
【0004】
感染症は、学校、水泳プール、劇場、体育館等の公共の建物又はバス、電車の利用者の間で極めて急速に、かつ簡単に感染拡大し流行する。
【0005】
そのため、細菌、真菌又はその他の微生物の繁殖を防止することにより、このような施設の別の利用者への感染症又はその他の疾患の拡大を回避することが非常に重要でとなる。
【0006】
更に、人によっては感染が非常に危険となる場合があり、例えば新生児や高齢者又は入院患者が挙げられる。
【0007】
このため、公共施設の利用者間での感染を予防する対策を施設において講じることが必要である。
【0008】
更に、壁及び/又は床及び/又は家具にコーティングを施して、感染症の拡大を防止することが必要である。
【0009】
更に、必要に応じて衛生状態を復活させ、公共施設におけるこのような衛生状態を維持することが非常に重要である。
【0010】
公共施設において衛生状態を効果的に復活させるのは極めて困難であったり或いはほぼ不可能であったりすることもあるが、これは共に時には公共施設の明け渡しを必要とする衛生化方法の複雑さと、衛生化方法に効果がないことが原因である。
【0011】
非衛生的な領域又は表面が細菌繁殖の温床となって、公共施設のほぼ全体において非常に短期間の間に広がらないように、公共施設の各表面又は領域を衛生的にすることも重要である。
【0012】
更に、空調システムが、空気の循環による公共施設利用者全員への感染拡大の一因となることもある。
【0013】
更に、一部の業界、例えば食品業界では、工場内で加工される製品(例えば、食品)の衛生状態を維持するために、細菌の繁殖を回避することが必要である。
【0014】
農場、食肉処理場においては、細菌の繁殖が非常に一般的である一方、このような繁殖を抑制、回避することが非常に重要である。
【0015】
農業においては、植物、果樹、野菜に加え花を特殊な製品で処理して細菌、真菌又はその他の微生物を除去すること及び野菜や果物の品質に悪影響を与える又は農業従事者の総収穫量を損なう可能性のある細菌の繁殖を回避することが必要であることが多い。
【0016】
更に、特定の細菌、場合によっては多種多様な細菌又は微生物に有効な製品を用いる必要がある一方で、環境及びこの製品で処理された果物又は野菜の両方を汚染することのない製品を用いる必要がある。
【0017】
既存の製品はその製品が有効な微生物の範囲が広くないことが多いため、幾つもの製品を用いなくてはならない上、環境及びその製品を用いた生産品の両方を汚染することが多い。
【0018】
更に、細菌を除去するためには公共の建物、工場、病院又は食肉処理場を徹底的に清掃することが必要だが、既存の洗剤は、このような施設に存在する細菌全てを除去するには効果がないことが多い。
【0019】
更に、感染の疑いがある場合、人間自身が洗浄を行って細菌又はその他の感染性の微生物を除去しなくてはならず、これは例えば、医者又は病院で勤務する人間に必要となる。
【0020】
更に、接触の結果起こる細菌の増殖及び/又は繁殖を阻止するために、長期間に亘って抗細菌性を維持する抗細菌性材料を製造する必要がある。
【0021】
また、このような材料をほぼ均質な構造として、このような材料の構造内に細菌繁殖源が発生しないようにすることも重要である。
【0022】
更に、特定の疾患、主に皮膚疾患は極めて一般的であり、命に関わらないとはいえ、このような疾患は罹患した人間にとって不快なものである。
【0023】
例えば、にきびは、主に若者の間でごく一般的であり、にきびを患っている若者はひどく居心地の悪い思いをし、他者との交流に問題を抱えることが多い。
【0024】
更に、にきびを患っている人間の皮膚から膿疱が消滅するように、とりわけ傷跡を全く残さずに膿疱が消滅するようににきびを治療することは極めて困難である。
【0025】
既存の製品はあまり効果的ではなく、にきびによる膿疱は患者の皮膚に非常に長期間に亘って留まり、にきびが、以前はにきびに冒されていなかった皮膚の別の領域にも感染拡大する場合がある。
【0026】
更に、既存の製品では、にきびによる傷跡の形成を免れない。
【0027】
このような傷跡は見苦しく、多くの場合、顔面の皮膚上にあることから洋服やスカーフで隠すことができず、除去するには熱で処理しなくてはならない。
【0028】
従って、このような傷跡は、主に他者との関係に関して多くの問題を引き起こす。
【0029】
同様の問題は、ヘルペスウィルスに感染した人間にも起こり得る。
【0030】
このようなウィルスは、痛みを伴う見苦しい小水疱を、特に顔面の皮膚に形成する。
【0031】
このような小水疱は、ウィルスに感染した患者の人間関係に多くの問題を引き起こすことがある。
【0032】
更に、小水疱はウィルスによって生じることから、患者の皮膚の小水疱にまだ冒されていない領域へのウィルスの感染と他者への感染を回避することが極めて重要である。
【0033】
皮膚の熱傷、過敏症、炎症の場合又は擦創、擦過傷、褥瘡性潰瘍等の潰瘍の場合でも、患部の疾患を効果的に治療するためには、皮膚の患部に適用可能な局所使用の製品を得ることが重要である。
【0034】
多くの場合、このような疾患を治療するにあたって既存の製品は有効ではなく及び/又は皮膚疾患治療の最初の効果が見られるまでに非常に長い適用期間を要する及び/又は患者の皮膚には刺激が強すぎる。
【0035】
更に、皮膚患部において、外部からの微生物による感染が起こることが多い。
【0036】
潰瘍、擦創等が外部からの微生物に感染すると回復が遅くなり、感染を治療しようとするには非常に強い薬剤を用いなくてはならない。
【0037】
このため、上記の皮膚疾患の治療に有効である一方、良好な皮膚耐性を有する、外部の微生物に対して有効な障壁を形成することにより皮膚患部の感染を回避する、局所使用のための新しい製品が必要とされている。
【0038】
更に、瘢痕化製品はしばしば、良好な皮膚適合性(cutaneous compatibility)を有すことに加えて、皮膚を瘢痕化させることで、瘢痕化させる創傷への外部からの感染を防止するのに効果的であることを必要とされる。
【0039】
更に、多くの人が汗の匂い及び/又は体臭に悩んでおり、他者との関係に多くの問題を抱えている。
【0040】
米国特許出願公開第2005/0249760号は、ナノシルバーコーティングで光触媒TiO粒子をコーティングしてナノTiOAg化合物としたものを含む、人体用のリペアゲルを開示している。
【0041】
米国特許出願公開第2005/0084464は、金属修飾した粒子を用いて臭気を軽減する方法を開示している。この方法では、シリカ又はその他の酸化物等の様々な材料を含むナノ粒子に、キレート剤を用いて遷移金属を付着させる。このキレート剤が、金属のナノ粒子への結合を助ける。
【0042】
このため、除臭・防臭に有効で、良好な皮膚耐性を有し、不快な体臭の原因となる微生物に有効でもあるデオドラント製品が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0249760号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0084464号
【発明の概要】
【0044】
本発明の目的は、例えばタイル、パネル、カーペット、ラグ、リノリウムコーティング等の既存の被覆物、既存の家具、既存の材料を改良することである。
【0045】
本発明の別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性、汚染防止性、自浄性を有する、例えばタイル、パネル、カーペット、ラグ、リノリウムコーティング等の被覆物、家具、材料を提供することである。
【0046】
本発明の更に別の目的は、既存の洗浄製品を改良することである。
【0047】
本発明の別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性を有する洗浄製品を提供することである。
【0048】
本発明の更に別の目的は、既存の塗装製品を改良することである。
【0049】
本発明の更なる目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性、汚染防止性、自浄性を有する塗装製品を提供することである。
【0050】
本発明の更なる目的は、既存のアイテムの性質を改良することである。
【0051】
本発明の更なる別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性、汚染防止性、自浄性を有するアイテムを提供することである。
【0052】
本発明の更なる別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性、汚染防止性、自浄性を有するフィルター手段、特に空調システムにおいて用いるフィルター手段を提供することである。
【0053】
本発明の別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性を有する手術器具を提供することである。
【0054】
本発明の更に別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性を有する生理用ナプキン手段及び/又はリネン手段を提供することである。
【0055】
本発明の更なる目的は、局所的に使用するためのクリーム手段、ゲル手段又は粉末手段等の既存の局所治療手段を改良することである。
【0056】
本発明の別の目的は、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性を有する局所治療手段を提供することである。
【0057】
本発明の更に別の目的は、にきび疾患を治療するための局所治療手段を提供することである。
【0058】
本発明の更に別の目的は、ヘルペス疾患を治療するための局所治療手段を提供することである。
【0059】
本発明の更に別の目的は、皮膚潰瘍、特に褥瘡又は褥瘡性潰瘍を治療するための局所治療手段を提供することである。
【0060】
本発明の更なる目的は、皮膚過敏症及び/又は炎症及び/又は擦過傷及び/又は擦創及び/又は熱傷を治療するための局所治療手段を提供することである。
【0061】
本発明の更なる目的は、使用者の皮膚を瘢痕化させるための局所瘢痕化手段を提供することである。
【0062】
本発明の別の目的は、局所疾患を緩和させるための鎮痛性の局所治療手段を提供することである。
【0063】
本発明の更なる目的は、使用者の皮膚を除臭・防臭するための、局所的に使用するための除臭・防臭手段を提供することである。
【0064】
本発明の第1の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品が提供され、Lは、金属酸化物AOに結合した少なくとも第1官能基と、イオンMeに結合した少なくとも第2官能基を含む分子であり、第1官能基は、ボロン酸(−B(OH))及び/又はホスホン酸(−PO)官能基を含む。
【0065】
本発明の第2の態様に従って、被覆手段を得るための方法が提供され、この方法は、被覆製品に一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含み、Lは、金属酸化物AOに結合した少なくとも第1官能基と、イオンMeに結合した少なくとも第2官能基を含む分子であり、第1官能基は、ボロン酸(−B(OH))及び/又はホスホン酸(−PO)官能基を含む。
【0066】
本発明の第3の態様に従って、表面を再生するための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品の使用が提供され、Lは、金属酸化物AOに結合した少なくとも第1官能基と、イオンMeに結合した少なくとも第2官能基を含む分子であり、第1官能基は、ボロン酸(−B(OH))及び/又はホスホン酸(−PO)官能基を含む。
【0067】
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示す。Men+は金属イオンであり、抗細菌、抗ウィルス、抗真菌活性を有する。Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存する。
【0068】
本発明のこれらの態様により、このような被覆製品を所望の表面に適用するだけで、表面から細菌又はその他の望ましくない及び/又は危険な微生物を除去し、衛生的な表面を得る及び処理表面にこのような特性を付与することが可能である。
【0069】
また、このような被覆製品を所望の表面に適用するだけで、表面から有機及び無機両方の汚染物質を除去することが可能である。
【0070】
自浄性表面を得ることもできる。
【0071】
更に、このような被覆製品は、抗細菌性、抗ウィルス性、抗真菌性を長期間に亘って維持し、後の処理表面上での細菌の繁殖を防止する。
【0072】
従って、長期間に亘って抗細菌性、抗ウィルス性、抗真菌性を維持する表面(例えば、建物、部屋の壁)を得ることができる。
【0073】
これによって、抗細菌性を再生するために後に処理を行う必要がなくなる。
【0074】
このような被覆製品は自浄性も維持するため、自浄性表面を得ることが可能であり、その表面から汚染物質を除去するための処理を後に行う必要がない。
【0075】
更に、必要に応じて、例えば金属イオンが枯渇した場合、例えば、このような被覆製品を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物に存在しているものと同じ金属イオンを含有するアルコール溶液で濡らすことにより、被覆製品の性質を再生することが可能である。
【0076】
細菌の増殖及び感染症の拡大は、このような被覆製品で処理した表面上で回避される。
【0077】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の粒子寸法は非常に小さいため、このような組成物を被覆製品の構造中に細かく分散させることができ、均質な特性を有する被覆製品を得ることができる。
【0078】
更に、このような被覆製品を用いることにより、このような被覆製品を適用した表面を均質に覆う均質な膜を得ることができる。
【0079】
従って、このような被覆製品で処理した表面上では、細菌の繁殖又は増殖源が見られない。
【0080】
更に、金属又はメタロイド酸化物AOはどんな適切な基体にも付着し、場合によっては、特定の添加剤を被覆製品に更に添加することにより、様々な基体(例えば、木、プラスチック、ガラス、金属、セラミック、セメント及び建築物の内表面及び外表面等)に適切に適用できる被覆製品を得ることが可能である。
【0081】
更に、このような被覆製品は、太陽光又はその他の光源がなくとも抗細菌、汚染防止活性を有するため、いずれの所望の基体にも適用することができ、その衛生状態が確保される。
【0082】
場合によっては、このような被覆製品を所望の表面に適用するに先立って、プライマをその表面に適用して被覆製品の接着性を強化する及び表面を保護することができる。
【0083】
ある実施形態においては、被覆製品は塗装製品を含む。
【0084】
場合によっては、所望の特徴(例えば、密度、色、粘稠性等)を有する塗装製品を得るため及び所望の性質(例えば、厚さ、色、明度、不透明度等)を有する塗装基体を得るために、顔料手段及び/又はバインダ手段及び/又は充填剤手段及び/又は希釈手段及び/又は添加剤手段を塗装製品に混合してもよい。
【0085】
更に、組成物AO−(L−Men+は、水又はその他の溶媒(例えば、極性溶媒)の懸濁液を得るために用いることができるため、様々な種類の表面に適用するのに適した多様な被覆製品を得ることができる。
【0086】
例えば、このような被覆製品は、プラスチック、セラミック、合成材料、天然ゴム、合成ゴム、木、天然石、大理石、金属、アルミニウム、鉄、ガラス、セメント、リノリウム、テキスタイル、カーペット、ラグ等を被覆するために用いることができ、抗細菌性、汚染防止性を備えている。
【0087】
このような被覆製品を適用した表面及び/又はこのような被覆製品に接触している媒体から有機及び無機汚染物質を除去し、その上での汚染又は不潔なものの付着を回避できる汚染防止性被覆製品を得ることも可能である。
【0088】
被覆製品の溶媒を適切に選択することにより、美しい外観を変えることなく、所望の表面に適用することができる透明な被覆製品を得ることも可能である。
【0089】
従って、このような被覆製品は、例えば、屋外にあることから大気汚染に曝されている彫像・塑像、美的創作物、建物の外面に適用することができる。
【0090】
更に、所望の顔料を添加することにより、着色された被覆製品を得ることが可能である。
【0091】
更に、組成物AO−(L−Men+の懸濁液は長期間に亘って安定していることから、長期間に亘って安定した被覆製品を得ることができ、このような被覆製品を適用する直前に成分を混合する必要がない。
【0092】
更に、適切な顔料を添加することで色付けを行うことができ、後に塗装製品を得るために用いることができる。
【0093】
抗細菌性、抗ウィルス性、抗真菌性、自浄性、光触媒性、防カビ性を材料に付与する被覆製品を含む材料を得ることも可能である。
【0094】
本発明による被覆製品は、いずれの所望の材料にも適用し得ることから、このような特性を備えた非常に幅広い材料が得られる。
【0095】
本発明の第4の態様に従って、基材及び一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む製品が提供される。
【0096】
本発明の第5の態様に従って、材料を製造するための方法が提供され、この方法において、この材料は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品で被覆される。
【0097】
本発明の第7の態様に従って、製品を製造するための方法が提供され、この方法は、この製品の基材を一般式AO−(L−Men+を有する組成物と混合することを含む。
【0098】
本発明のこれらの態様に従って、抗細菌性、抗ウィルス性、抗微生物性、光触媒性を備えた、それゆえに上記の特性を備えたアイテムを得るために使用できる材料及び製品を得ることが可能である。
【0099】
更に、自浄性材料及び製品を得ることができる。一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、場合によっては適切な溶媒で希釈されるいずれの所望の材料への適用又は混合にも適しているため、抗細菌性を備えた多種多様な材料及び製品を得ることができる。
【0100】
例えば、このような組成物は、プラスチック、セラミック、合成材料、天然ゴム、合成ゴム、木、天然石、大理石、金属、アルミニウム、鉄、ガラス、セメント、リノリウム、テキスタイルを得るために用いることができる。
【0101】
更に、極めて均質な特性を備えた材料を得ることができる。
【0102】
このような組成物を基材に流動状態で混合することにより、上記の特性を有する製品を得てもよい。
【0103】
このような組成物は更に、製品の調製工程中に所望の基材と混合することができ、例えば、溶融プラスチック又はガラスに添加し、プラスチックの構造と十分に混合することができる。
【0104】
極めて均質な構造を有するプラスチック又はガラス材料を得ることが可能であり、この構造において、一般式AO−(L−Men+を有する組成物は極めて均質に混ぜ込まれているため、このような材料において抗細菌性は均質に存在している。
【0105】
得られた材料及び製品は細菌繁殖源を有しておらず、極めて高い衛生状態を有している。このような材料は、抗細菌性を備えた物体、アイテム、被覆手段を作製するために用いることができる。
【0106】
本発明の第8の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む洗浄製品が提供される。
【0107】
本発明の第9の態様に従って、洗浄手段を調製するための方法が提供され、この方法は、洗浄製品に一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0108】
本発明のこれらの態様に従って、所望の表面を洗浄してその衛生性を再生するために使用できる、抗細菌性、抗微生物性、抗ウィルス性、抗真菌性、汚染防止性を有する洗浄製品を得ることが可能である。
【0109】
このような洗浄製品は、例えば、病院、学校又はその他の公共施設の床又は壁を洗浄する及び浴室、公衆浴場、シャワーを洗浄することで細菌の繁殖を防止するために用いることができる。
【0110】
例えばHSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス(Aviaria virus)、Legionella pneumophila(レジオネラ・ニューモフィラ)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Enterococcus faecalis(大便連鎖球菌)、Escherica coli(大腸菌)、Salmonella enteridis D1(サルモネラ・エンテリディスD1)、Listeria monocytogenes(リステリア・モノサイトゲネス)、Candida albicans(カンジダ・アルビカンス)、Aspergillus niger(黒色コウジ菌)等の多くの微生物に対して有効な洗浄製品が得られる。
【0111】
ある実施形態において、この洗浄製品は、汚れ落ちを改善するための界面活性剤手段及び/又は汚れ落ちを改善するための研磨手段及び/又は洗浄の効果を改善するためのpH調節手段及び/又は水の硬度を中和するための硬水軟化剤手段、漂白するための酸化剤手段、汚れを浮かした状態で維持するための非界面活性剤手段、汚れの中のタンパク質、脂肪又は炭水化物を消化するための酵素、ファブリックの感触を改変するための発泡性改変手段、蛍光増白剤及び/又は着色手段及び/又は香料手段及び/又は汚れ落ち若しくは洗浄製品の効果及び性能を改善するエッセンス手段を含む。
【0112】
より適した添加剤を更に添加することにより、皮膚又は髪を洗浄するのに適した洗浄製品を得ることができる。
【0113】
ある実施形態において、洗浄製品は更に、ラウレス硫酸ナトリウム及び/又はジステアリン酸グリコール及び/又は天然油手段及び/又はココナツオイル及び/又は亜麻仁油及び/又はトコフェロール及び/又はパントテン酸を含む。
【0114】
このような洗浄製品は、皮膚又は髪から汚れを除去し、細菌も除去することで特定の疾患の蔓延を回避する。
【0115】
本発明の第10の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺菌製品が提供される。
【0116】
本発明の第11の態様に従って、殺菌製品を調製するための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0117】
本発明の第12の態様に従って、物体を殺菌するための方法が提供され、この方法は、この物体を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺菌製品と接触させることを含む。
【0118】
本発明の第13の態様に従って、手術器具を殺菌するための方法が提供され、この方法は、この手術器具を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺菌製品と接触させることを含む。
【0119】
本発明の第14の態様に従って、手術器具を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品で、この手術器具を少なくとも部分的に被覆することを含む。
【0120】
これらの態様により、抗細菌性、抗ウィルス性を長期間に亘って維持し、かつ使用と使用との間で徹底的な殺菌を行う必要がない手術器具が得ることが可能である。
【0121】
極めて効果的な殺菌製品を得ることも可能である。
【0122】
本発明の第15の態様により、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺生物製品が提供される。
【0123】
本発明の第16の態様により、殺生物手段を調製するための方法が提供され、この方法は、殺生物製品に一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0124】
本発明の第17の態様により、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺生物製品の使用が提供される。
【0125】
本発明のこれらの態様により、細菌、真菌、海綿動物、カビ等の幾つかの異なる有機体の除去に有効な殺生物製品を得ることが可能である。
【0126】
所望の表面に噴霧により塗り広げる又は所望の表面に適用することができる殺生物製品を得ることも可能である。
【0127】
適用した表面をほぼ均質に覆ってこのような表面上に存在する細菌又は微生物をほぼ完全に除去し、後に細菌又は微生物が繁殖することをほぼ完全に回避することができる非汚染性の殺生物剤を得ることも可能である。
【0128】
例えばPseudomonas(シュードモナス菌)、Erwinia amilovora(エルウィニア・アミロボーラ)、Xanthomonas campestris(キサントモナス・カンペストリス)、真菌等の細菌を植物、花、木から除去するのに極めて有効な殺生物製品を得ることも可能である。
【0129】
環境法による制限を受けることなく農業で使用できる非汚染性の殺生物製品を得ることも可能である。
【0130】
本発明の第18の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含むプロテーゼ製品が提供される。
【0131】
本発明の第19の態様に従って、プロテーゼ手段を作製する方法が提供され、この方法は、このプロテーゼ手段を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品で少なくとも部分的に被覆することを含む。
【0132】
本発明の第20の態様に従って、プロテーゼ手段を作製する方法が提供され、この方法は、プロテーゼ材料を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む製品と混合することを含む。
【0133】
本発明のこれらの態様により、細菌の繁殖、ひいては患者への感染を回避するプロテーゼ手段を得ることが可能である。
【0134】
拒絶反応も抑制又は回避されるため、例えば新しいプロテーゼを後に埋め込むことにより患者に新たな問題が生じることも回避される。
【0135】
本発明の第21の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品を備えたフィルター手段が提供される。
【0136】
本発明の第23の態様に従って、フィルター手段を作製するための方法が提供され、この方法は、このフィルター手段を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品で少なくとも部分的に被覆することを含む。
【0137】
本発明のこれらの態様により、感染拡大の一因とならず、内部を循環する空気から細菌若しくはその他の微生物又は汚染物質を除去する、例えば空調システム等の濾過システムを得ることが可能である。
【0138】
従って、室内又は建物内の空気の質を向上させる空気循環システムを得ることができる。
【0139】
本発明の第24の態様に従って、生理用ナプキン手段を作製するための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する製品を、その生理用ナプキン手段の吸収材手段に混合することを含む。
【0140】
本発明の第25の態様に従って、生理用ナプキン手段を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する製品を、この生理用ナプキン手段に適用することを含む。
【0141】
本発明の第26の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む生理用ナプキン製品が提供される。
【0142】
本発明の第27の態様に従って、生理用ナプキン手段を衛生化するための方法が提供され、この方法は、この生理用ナプキン手段を、一般式AO−(L−Men+を有する製品と接触させることを含む。
【0143】
本発明の第28の態様に従って、リネン手段を衛生化する方法が提供され、この方法は、このリネン手段を、一般式AO−(L−Men+を有する製品と接触させることを含む。
【0144】
本発明のこれらの態様により、その上での細菌、真菌、ウィルスの繁殖が回避される抗細菌性の生理用ナプキン手段及びリネン手段を得ることが可能である。
【0145】
汚れた生理用ナプキン手段を回収するゴミ箱、容器手段における細菌の繁殖を回避することも可能である。
【0146】
このことは、利用者が多く、利用者間で様々な疾患が拡大する可能性のある特定の施設、例えば病院又はホスピスにおいて特に重要である。
【0147】
ベッド用リネン等の汚れたリネン又はタオルを洗濯前に回収して入れておくリネン用のカゴ又は容器手段における細菌の繁殖を回避することが可能である。
【0148】
このことは、利用者が多く、利用者間で様々な疾患が拡大する可能性のある特定の施設、例えば病院又はホスピスにおいて特に重要である。
【0149】
本発明の第29の態様に従って、にきび疾患を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0150】
本発明の第30の態様に従って、ヘルペス疾患を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0151】
本発明の第31の態様に従って、皮膚潰瘍、特に褥瘡性潰瘍を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0152】
本発明の第32の態様に従って、皮膚過敏症及び/又は皮膚炎症及び/又は皮膚擦過傷及び/又は擦創を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0153】
本発明の第33の態様に従って、鎮痛性の局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0154】
本発明の第34の態様に従って、使用者の皮膚を瘢痕化させる瘢痕化用局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0155】
本発明の第35の態様に従って、使用者の皮膚の熱傷を治療する熱傷用局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0156】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物中の化合物を適切に選択することにより、多種多様な疾患に有効な局所治療製品が得られ、更に、抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性を有する局所治療製品が得られる。
【0157】
本発明の第36の態様に従って、少なくとも以下の微生物:HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerの1つを原因とする疾患を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0158】
好ましくは、一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、局所治療手段の抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性を強化するために、第四アンモニウム塩を更にに含む。
【0159】
本発明の第37の態様に従って、にきび疾患を治療する局所治療製品を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0160】
本発明の第38の態様に従って、ヘルペス疾患を治療する局所治療製品を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0161】
本発明の第39の態様に従って、皮膚潰瘍、特に褥瘡性潰瘍を治療する局所治療製品を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【0162】
一般式AO−(L−Men+を有する製品中の化合物を適切に選択することにより、多種多様な疾患に有効な局所治療製品が得られ、更に、抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性を有する局所治療製品が得られる。
【0163】
本発明の第40の態様に従って、少なくとも以下の微生物:HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerの1つを原因とする疾患を治療する局所治療製品を得るための方法が提供され、この方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の添加を含む。
【0164】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を既存の局所治療製品に添加することにより、例えばクリーム、ゲル又は粉末手段の形態の、抗細菌性、抗真菌性、殺ウィルス性、抗微生物性を有する局所治療製品を得てもよい。
【0165】
例えば、このような組成物を一般的な日中用若しくは夜用クリーム又は保湿クリームに添加することにより、上記の特性を付与してもよい。
【0166】
本発明のこれらの態様により、抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性に加えてその他の治癒特性を有する局所治療製品を得ることが可能である。
【0167】
従って、極めて効果的な局所治療製品が得られる。
【0168】
実際、抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性により、これらの局所治療製品の治癒特性は強化されるが、これは微生物の繁殖・増殖が回避されるからであり、接触による皮膚の異なる領域への感染拡大も回避され、外部からの感染も回避される。
【0169】
従って、皮膚への感染が回避され、治癒過程が通常より効果的かつ迅速となる。
【0170】
従って、例えば使用者の皮膚の熱傷、過敏症、炎症、擦創及び擦過傷に対して有効な、治癒効果が非常に高い局所治療製品が得られる。
【0171】
好ましくは、局所治療製品は、クリーム手段、ゲル手段及び/又は粉末手段を含む。
【0172】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物中の元素を適切に選択することにより、どんな物理的形態のクリーム手段(例えば、エマルション、ゲル、懸濁物、フォーム、マイクロビードレット(microbeadlet)、微小球(microsphere)、顆粒、微小顆粒(microgranule)、多相エマルション(例えば、water−in−oil−in−water:W/O/W型エマルション)にも適合可能、ひいては混合可能な製品が得られる。
【0173】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の組成及び寸法により、極めて均質な局所治療製品が更に得られる。
【0174】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加するにあたって、局所治療製品を調製するための従来の方法に工程を更に追加したり、特に注意を必要とすることはない。
【0175】
従って、単に一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加するための添加時期を更に設定することにより局所治療製品を製造するための既存の方法に修正を加えて、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性、殺ウィルス性を有する局所治療製品を製造してもよい。
【0176】
本発明の第41の態様に従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む除臭・防臭製品が提供される。
【0177】
ある実施態様において、この除臭・防臭製品は、粉末の形態である。
【0178】
更なる実施形態において、この除臭・防臭製品は、スプレー形態及び/又はクリーム形態及び/又はゲル形態及び/又はエーロゾル形態である。
【0179】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の寸法は極めて小さいため、極めて均質な特性を有する除臭・防臭製品が得られる。
【0180】
本発明の第42の態様に従って、除臭・防臭製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用が提供される。
【0181】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の特性により、極めて効果的な除臭・防臭製品に加えて、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性、殺ウィルス性を有する除臭・防臭製品を得ることが可能である。
【0182】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物中の化合物を適切に選択することにより、皮膚適合性が高く、使用者の皮膚の除臭・防臭に極めて有効なことに加え、微生物の増殖の回避において極めて有効な除臭・防臭製品を得ることが可能である。
【0183】
一般式AO−(L−Men+において、AOは、例えば、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)及びコロイド状シリカ(SiO)であり、Men+は、例えば、遷移金属イオン、例えばAg、Cu++である。
【0184】
二官能性分子Lは、有機又は有機金属分子、例えば遷移金属の錯体であってよい。
【0185】
リガンドLは、異なる適切な官能基を備えていてよく、第1の官能基はAO酸化物に結合し、第2の官能基は、Men+イオンに結合する。
【0186】
第1官能基は、カルボキシル(−COOH)(又はカルボキシレート)、ホスホン酸(−PO)(又はホスホネート)、ボロン酸(−B(OH))(又はボロネート)、ジピリジル基、ターピリジル基を含む群から選択してよい。
【0187】
第2官能基は、Cl、Br、I、S、CNS、NH、N、CN及びNCSを含む群から選択してよい。
【0188】
好ましくは、前述のジピリジル基又はターピリジル基は、カルボキシル基によって、より好ましくはピリジンの窒素に対してパラ位で置換される。
【0189】
1つ以上のジピリジル基又はターピリジル基が存在する場合、これらの基の1つは未置換であってよい。
【0190】
有機型の二官能性リガンドLは、
場合によって好ましくはカルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)から選択された1つ以上の置換基で置換される、6〜18員を有する窒素含有複素環、好ましくはピリジン、ジピリジル又はターピリジル;
場合によって好ましくはカルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)から選択された1つ以上の置換基によって置換される、好ましくはフェニル、ナフチル、ビフェニルから選択されるC〜C18アリール:
場合によって1つ以上のメルカプタン基(−SH)及び/又はヒドロキシル基(−OH)によって置換されるC〜C18モノカルボン酸及びジカルボン酸;
カルボキシル基、ボロン酸基又はホスホン酸基で官能化されたピリジン、ジピリジル又はターピリジル;
メルカプトコハク酸、11−メルカプトウンデカン酸、メルカプトフェノール、6−メルカプトニコチン酸、5−カルボキシペンタンチオール、メルカプト酪酸及び4−メルカプトフェニルボロン酸
を含む群から選択することができる。
【0191】
また、リガンドLの第1官能基及び第2官能基は共に、リガンドLの中心の金属(M)で配位されていてよい。
【0192】
リガンドLの金属元素は、8面体型の配位又は4面体形状、長方形平面、正方形平面形状、両錐三角形形状又は正方形若しくは長方形の底面を備えたピラミッド形状に対応する異なる種類の配位を有していてよく、元素周期表における遷移金属の第1、第2又は第3列にある、上記のタイプの安定した二官能性分子を形成できるどの金属を用いてもよい。
【0193】
好ましくは、リガンドLによって配位される遷移金属は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir及びPtから選択される。
【0194】
リガンドLは負電荷を有していてよく、カチオン、好ましくはテトラアルキルアンモニウムカチオン等の有機カチオンと塩を形成してよい。
【0195】
金属イオンMen+及び金属又はメタロイド酸化物AOの原子を適切に選択することにより、抗細菌性、抗ウィルス性、抗真菌性、殺微生物性、光触媒性、汚染防止性を有する組成物を得ることができる。
【0196】
好ましい実施形態において、イオンMen+は、抗細菌、抗真菌、抗ウィルス活性を有するAg及び/又はCu++から選択される。
【0197】
別の実施形態において、金属酸化物AOはTiOを含み、好ましくはチタンはアナターゼ型であるため、汚染防止性、光触媒性の組成物を得ることができる。
【0198】
このような組成物は、30nm未満、より好ましくは15nm未満の粒子サイズを有する。
【0199】
ある実施態様において、第四アンモニウム塩を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物に添加することにより、組成物の抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性を強化してもよい。
【0200】
第四アンモニウム塩は、正に荷電された構造NRの多原子イオンであり、R、R、R、Rはアルキル基であり、Xは適切なアニオン、例えば塩素アニオンClである。R基の一部又は全ては、同一又は異なるアルキル基であってよい。
【0201】
第四アンモニウム塩の多くが広く用いられており、例えば、塩化アンモニウム塩である。
【0202】
第四アンモニウム塩は、例えば、消毒剤、界面活性剤、柔軟仕上げ剤、(例えば、シャンプー内の)静電気防止剤として使用されている。
【0203】
適切な第四アンモニウム塩を一般式AO−(L−Men+を有する組成物に添加することにより、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の懸濁液、エマルション又は溶液の安定性を改善し、その特性を強化し、抗ウィルス性、抗細菌性、抗微生物性、殺菌性を向上させることが可能である。
【0204】
更に、第四アンモニウム塩を適切に選択することにより、洗剤製品の洗浄性を強化することも可能である。
【0205】
例えば、一般式AO−(L−Men+を有する組成物に、テトラアルキルアンモニウム塩及び/又はアルキルアンモニウム塩及び/又は塩化ベンザルコニウムを添加する。
【0206】
このような組成物により、透明な懸濁液及び乳濁した懸濁液の両方を得ることができ、このような組成物は、水性溶媒及び極性溶媒の両方並びに有機溶媒及び無機溶媒の両方に溶解してよい。
【0207】
このような組成物を用いて、クリーム状のエマルションを得てもよい。
【0208】
一般式AO−(L−Men+を有する製品を含む製剤は、例えば細菌、真菌、海綿動物、カビ等の幾つかの異なる微生物に対して有効であり、かつ有機及び無機汚染物質の除去にも有効であることが、研究により実証されている。
【0209】
例えば、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerに対する有効性が実証されている。
【0210】
従って、このような微生物の除去及びその更なる繁殖の回避に効果的な被覆製品、塗装手段、材料、洗浄製品、殺菌製品、局所治療手段、除臭・防臭手段、物体、アイテムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
本発明は、以下の実施例及び添付の図面を参照することでより良好に理解及び実行することができる。
【図1】一般式AO−(L−Men+を有する組成物の構造を概略的に図示している。
【図2】一般式AO−(L−Men+を有する特定の組成物の概略図である。
【0212】
図1を参照すると、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の構造が概略的に図示されている。
【発明を実施するための形態】
【0213】
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、AOは、例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)及びコロイド状シリカ(SiO)である。
【0214】
Men+は金属イオンであり、抗細菌、抗ウィルス、抗真菌活性を有し、例えばAg、Cu++である。
【0215】
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ及び分子Lの性質等の様々な要因に依存する。
【0216】
二官能性分子Lは、図2の例にあるように、遷移金属の錯体等の有機又は有機金属分子であってよい。
【0217】
リガンドLは異なる適切な官能基を備えていてよく、カルボキシル(−COOH)(又はカルボキシレート)、ホスホン酸(−PO)(又はホスホネート)、ボロン酸(−B(OH))(又はボロネート)、ジピリジル基、ターピリジル基等の第1官能基はAO酸化物に結合し、Cl、Br、I、S、CNS、NH、CN及びNCS等の第2官能基は、Men+イオンに結合している。
【0218】
好ましくは、前述のジピリジル基又はターピリジル基は、カルボキシル基によって、より好ましくはピリジンの窒素に対してパラ位で置換される。
【0219】
1つ以上のジピリジル基又はターピリジル基が存在する場合、これらの基の1つは未置換であってよい。
【0220】
また、リガンドLの第1官能基及び第2官能基は共に、図2の場合のように、リガンドLの中心の金属(M)で配位されていてよい。
【0221】
好ましくは、リガンドLによって配位される遷移金属は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir及びPtから選択される。
【0222】
リガンドLは負電荷を有していてよく、カチオン、好ましくは有機カチオン、より好ましくはテトラアルキルアンモニウムカチオン等の第四アンモニウムカチオンと塩を形成してよい。
【0223】
このような組成物は、アルキルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム等の、同じく組成物の殺細菌活性を強化するカチオン性界面活性剤と混合してもよい。
【0224】
図2には一般式AO−(L−Men+を有する組成物の例が図示されており、金属酸化物AOはTiO、イオンMeはAgであり、リガンドLは一般式Ru(Hdcb)(NCS)を有する有機金属分子であり、(Hdcb)、つまり2,2−ジピリジル−4,4−ジカルボン酸はリガンドLの第1官能基であり、(NCS)は第2官能基であり、第1及び第2官能基は、ルテニウム(Ru)である金属原子Mによって配位されている。
【0225】
図1から見て取れるように、幾つかのリガンドL分子が幾つかの金属イオンMeと共に金属酸化物AOに結合しており、これらは、金属酸化物AOの表面のほぼ全てがリガンドL、ひいてはイオンMeによって覆われるように配置されている。
【0226】
これはリガンドLと金属イオンMeの寸法が小さいからであり、寸法はピコメートル前後のこともあり、従って、金属酸化物AOの各分子を、金属イオンMeで均一に覆うことができる。
【0227】
更に、組成物AO−(L−Men+に含まれる分子の寸法は極めて小さいため、材料に添加し、密に混合することで特性が一様な材料、例えばプラスチックを得ることができるナノ粒子が得られる。
【0228】
同じ理由により、多種多様な溶媒の非常に均質なエマルション、懸濁液又は溶液が、組成物AO−(L−Men+を用いて得られる。
【0229】
このような組成物は、表面に塗り広げる又は適用することができ、これにより表面を極めて均質に覆う及び/又は被覆することができる。
【0230】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、40nm未満、好ましくは30nm未満、より好ましくは15nm未満の粒子サイズを有する。
【0231】
従って、表面を均質に覆う、極めて薄く均質な膜を得ることができる。
【0232】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、透明及び乳濁の両方、水性溶媒及び極性溶媒の両方、無機溶媒及び有機溶媒の両方の懸濁液を得るために用いることができ、このような懸濁液は長期間に亘って安定している。
【0233】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の懸濁液を得るために、金属又はメタロイド酸化物AOを、リガンドLと及びイオンMen+を溶解させた溶液と混合する。
【0234】
酸化物AOは通常、懸濁液(例えば、コロイド状の懸濁液)として入手可能であり、粉末形態でも入手可能である。
【0235】
例えばコロイド状シリカ及び/又は二酸化スズを基本としたコロイド状懸濁液は、市販されている。
【0236】
例えば以下で説明するように、二酸化チタン及び/又は二酸化ジルコニウムを基本とした懸濁液を調製することもできる。
【0237】
上記の懸濁液は、透明、不透明又は乳濁であってよく、最終的に調製される懸濁液の色特性に影響する。
【0238】
図1から見て取ることができ、かつ以下の実施例において説明するように、金属又はメタロイド酸化物AOの懸濁液を適切なリガンドLと正しく混合すると、所定の数のリガンド分子が酸化物AO分子の表面に吸収される。
【0239】
酸化物AOの分子に吸収される分子Lの数は、使用する特定の酸化物AOに依存する。
【0240】
その後、適切な金属のイオンMen+を含有するアルコール溶液を混合すると、図1から見て取れるように、金属イオンが分子L上に吸収される。
【0241】
酸化物AOの分子上へのリガンドLの吸収には約12〜36時間を要するのに対し、金属イオンMen+の吸収は、実質的に瞬時にして起こる反応である。
【0242】
その後、安定した懸濁液が得られ、リガンドLは、酸化物AOと金属イオンMen+との両方に結合しており、このような懸濁液は、多種多様な製品、例えば上記の製品を得るため及び上記で定めた用途において用いることができる。
【0243】
別のケースにおいては、粉末の酸化物AOをリガンドLを含有する溶液に添加し、次に金属イオンMen+のアルコール溶液を添加する。
【0244】
別のケースにおいては、酸化物AO上にカチオン性界面活性剤を吸収させ、次に、好ましくは懸濁液及び/又は溶液状のリガンドLと、好ましくはアルコール溶液状の金属イオンMen+とを添加し、混合し、吸収反応を起こさせる。
【0245】
カチオン性界面活性剤の存在により、リガンドLの酸化物AOへの吸収及び金属イオンMen+のリガンドL上への吸収が強化される。
【0246】
カチオン性界面活性剤は、懸濁液中への成分の溶解性も改善することでその安定性を向上させ、得られる懸濁液の抗細菌性、抗真菌性、抗微生物性も強化する。
【0247】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物が所望の形態で得られた後(例えば、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の懸濁液)、このような組成物を、例えば塗料を得るために用いる。
【0248】
このような組成物は、いずれの望ましい既存の塗料に添加してもよく、これにより抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性、自浄性、汚染防止性を有する塗料が得られる。
【0249】
或いは、このような組成物を、塗料を製造する工程の所望の段階で添加してもよい。
【0250】
場合によっては、組成物の懸濁液の調製に用いる特定の溶媒及び/又は組成物の形態は、得ようとする特定の塗料の成分との適合性を考慮して選択する。
【0251】
同じことが、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を用いた洗浄製品の製造に当てはまる。
【0252】
実際、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を既存の洗浄製品に添加することにより、抗細菌性、抗微生物性、抗真菌性、自浄性、汚染防止性を有する洗浄製品が得られる。
【0253】
或いは、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を、洗浄製品の製造工程の所望の段階でその洗浄製品の成分に添加してもよい。更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の形態及び/又は組成物の懸濁液の調製に用いる特定の溶媒を適切に選択することにより、幅広い洗浄製品が得られる。
【0254】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物が所望の形態(懸濁液、エマルション、溶液等)で得られた後に、このような組成物を、局所治療製品(例えば、クリーム、夜用クリーム、鎮痛性クリーム又はゲル、保湿クリーム又はゲル)を調製するための原料に添加して治癒特性を有する局所治療製品を得てもよい。
【0255】
また、このような組成物を、治癒効果のある局所治療製品を調製するための原料、例えば火傷用クリームに添加することによりその治癒特性を強化し、その治癒効果のある局所治療製品に抗微生物性、抗細菌性、抗真菌性、抗ウィルス性を付与してもよい。
【実施例1】
【0256】
TiOを基本とした透明懸濁液
ビーカーに、300mLの蒸留水及び2.1mLの強酸(例えば、濃縮NHO(65%w/w))を投入した。10分間に亘って、攪拌しながら50mLのチタンイソプロポキシド(Fluka社)を滴下漏斗により添加した。
【0257】
TiOの乳白色の沈殿物が生成された。
【0258】
次に、攪拌と温度が一定に維持されるよう注意しながら、混合物を80℃で8〜12時間に亘って加熱した。
【0259】
加熱中、沈殿物は再び溶け、混合物はオパール様の外観を呈した。
【0260】
加熱段階において、コロイド状懸濁液を最終容積である100〜200mLにまで濃縮した。これはTiO濃度150〜75g/Lに相当する。
【0261】
工程の最後で得られた二酸化チタンのナノ粒子は、6〜15nmの直径を有していた。
【0262】
次に、100mLにまで濃縮した懸濁液を、蒸留水及びエタノールを添加して希釈することにより、TiO濃度1.5%及びアルコール含有量(%)約10〜約50%、好ましくは約25%を有する最終的な透明溶液(pH≒2)を得た。
【実施例2】
【0263】
ZrOを基本とした透明懸濁液
ビーカーに、300mLの蒸留水及び2.1mLの強酸(例えば、濃縮NHO(65%))を投入した。
【0264】
約10分間に亘って、攪拌しながら76mLのジルコニウムテトライソプロポキシド(イソプロパノール中70%)を滴下漏斗により添加した。
【0265】
ぼぼ即座に、ZrOの乳白色の沈殿物の生成が見られた。
【0266】
次に、攪拌と一定の温度が維持されるよう注意しながら、混合物を90℃で8〜12時間に亘って加熱した。
【0267】
加熱中、沈殿物は再び溶け、乳濁した懸濁液となり、この懸濁液を140〜280mLにまで濃縮した。これはZrO濃度150〜75g/Lに相当する。
【0268】
140mLにまで濃縮した懸濁液を、蒸留水及びエタノールで希釈することにより、ZrO濃度1.5%及びアルコール含有量(%)約10%〜約50%、好ましくは約25%を有する、1.4Lのオパール様の懸濁液(pH≒2)を得た。
【実施例3】
【0269】
TiOを基本とした不透明な懸濁液
二酸化チタンを基本とした中性で水性の不透明な懸濁液は、二酸化チタンP25を「Triton X100」(Fluka社)の水溶液に添加することにより得ることができる。
【0270】
二酸化チタンを基本とした中性で水性のオパール様懸濁液もまた、ペルオキシチタン酸(peroxytitanic acid)から、文献(Ichinose.,H.,Terasaki,M., and Katsuki,H.,1996 J.Ceramic Soc.Japan,104,715)に報告されている手順を修正した方法により調製することができる。
【0271】
典型的な調製方法においては、20%HCl中の150mLのTiClを1Lビーカーに投入し、蒸留水で1:9に希釈された826mLのNHOHをこの溶液に添加する。
【0272】
得られる溶液のpHは中性(pH=7)であり、チタン酸(Ti(OH))が沈殿する。
【0273】
この沈殿物は白色で、ゲルの粘稠度を有する。沈殿物を、空隙率G3のフィルタ上で回収し、750〜1000mLの蒸留水で洗浄する(塩化物が完全に除去されるまで行う。濾液をAgNOで処理することにより確認することができる)。
【0274】
チタン酸Ti(OH)を含む沈殿物を回収し、導電率1.5mS未満及びpH5〜7を有する200mLの蒸留水中に懸濁させ、この懸濁液に92mLの30%Hを20〜30分かけてゆっくりと添加する。
【0275】
沈殿物の溶解が認められ、一般式[Ti(O)(OH)(x−2)−の、ペルオキシチタン酸を含有する黄色の溶液が生成され、式中、xは3〜6である。
【0276】
最後に、この溶液を1時間に亘って70℃で加熱し、過剰なHを分解し、次に8時間に亘って120℃でオートクレーブ処理する。
【0277】
手順のこの段階で、ペルオキシチタン酸は分解されて二酸化チタンとなり、主としてアナターゼの同素体の形態である。
【0278】
得られるナノ粒子の懸濁液は中性に近いpHと不透明な外観を有し、長期間に亘って安定している。
【0279】
実施例1〜3のいずれか1つに従って得られた又は別の適切な方法に従って得られた、少なくとも式AOを有する金属若しくはメタロイド酸化物を含有する懸濁液又は、場合によっては式AOを有する、別の適切な形態(例えば、粉末形態)の金属若しくはメタロイド酸化物を、適切な二官能性リガンド(L)と反応させると、リガンドLが酸化物AOの粒子上に吸着される。
【0280】
酸化物AOの各分子上に吸収されるリガンドL分子の数は、リガンドLと酸化物AOの特徴に依存する。
【0281】
その後、金属イオンMen+(例えば、Ag又はCu2+イオン)を含有する水性又はアルコール溶液を添加すると、金属イオンMen+はリガンドLの分子上に吸収され、図1に図示の構造が得られる。
【0282】
従って、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する懸濁液又は溶液が得られる。
【0283】
次に、カチオン性界面活性剤を、金属イオンMen+で官能化させたナノ材料の懸濁液に添加してもよく、或いはカチオン性界面活性剤を、酸化物AOに独立して添加する又は吸着させてもよい。
【実施例4】
【0284】
4−メルカプトフェニルボロン酸及びAgイオンの「TiO P25」(Degussa社)への吸着
50mLのエタノールに溶解させた2x10−5モルの4−メルカプトフェニルボロン酸を含有する溶液に、1gのTiO P25(Degussa社)を添加した。
【0285】
懸濁液を24時間に亘って攪拌した。4−メルカプトフェニルボロン酸は、255nmで吸収帯を有し、これはフェノール環におけるπ−π*遷移に起因する。
【0286】
この電子吸収帯が、時間の関数としてのボロン酸のナノ材料表面への吸着を監視することを可能にする。
【0287】
吸着は、ボロン酸官能基と半導体表面との相互作用によって起こることが知られている。
【0288】
電子吸収スペクトルは、「TiO P25」の表面に吸着された4−メルカプトフェニルボロン酸の量が、24時間後に最初の濃度の35%に達することを立証している。
【0289】
この溶液を、4000rpmで10分間に亘って遠心分離にかけることにより、透明な溶液を得た。固形物を20mLのエタノールで洗浄し、次に攪拌しながら50mLのエタノールで再懸濁させた。
【0290】
この懸濁液に、7.2x10−6モルの可溶性銀塩、好ましくは乳酸銀又は酢酸銀を添加した。
【0291】
得られた懸濁液は白色、無臭で、長期間に亘って安定していた。
【0292】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する懸濁液が得られ、AOはTiOであり、Lは4−メルカプトフェニルボロン酸であり、Men+はAgである。
【実施例5】
【0293】
実施例1に従って得られたTiOの透明懸濁液及びNMTech社の製品への4−メルカプトフェニルボロン酸及びAgイオンの吸着
方法(A)に従って調製され、15%のTiOを含有する二酸化チタンの透明溶液100mlを、100mLの蒸留水とエタノールに溶解させた0.052gの4−メルカプトフェニルボロン酸の溶液200mlとで希釈した。
【0294】
この懸濁液を24時間に亘って攪拌し、終了後、分光光度計での測定により、ボロン酸が半導体ナノ粒子上に完全に吸着されたことが明らかとなった。
【0295】
「TiO P25」のナノ粒子の寸法は小さく、その結果として懸濁物の表面積は広くなることから、二官能性リガンドは完全に吸着される。
【0296】
透明で無臭の懸濁液に、攪拌しながら(Lに対しての)化学量論量の銀塩、例えば、乳酸銀(0.06g)又は酢酸銀(0.05g)を添加した。
【0297】
1時間に亘る持続的な攪拌の後、10〜20mL、好ましくは12mLの塩化ベンザルコニウムの50%(w/v)水溶液を添加し、懸濁液を更に1時間に亘って攪拌した。
【0298】
次に、濃縮した懸濁液を蒸留水及びエタノールで希釈することにより、濃度1.5%のTiO及び約10%〜約50%、好ましくは約25%のエタノールを含有する1Lのオパール様の懸濁液(pH≒2)を得た。
【0299】
透明懸濁液は、無限に安定していると判明した。
【0300】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する懸濁液が得られ、AOはTiOであり、Lは4−メルカプトフェニルボロン酸であり、Men+はAgであり、懸濁液は更に、塩化ベンザルコニウム等の第四アンモニウム塩を含む。
【0301】
以下、簡略化のためにこの生成物を「Bactercline」と記載する。
【0302】
同じ手順を用いて、NMTech社が販売し、「PSO 419」と名づけたナノ材料の透明懸濁液を改変してもよく、二官能性リガンド及び銀イオンの量は、製品中の二酸化チタンの量に基づいて調節する。
【0303】
例えば、実施例1に従って調製した生成物に類似し、かつTiO含有量2%、pH約2を有する製品「PSO−419 D2」を、上記のものと似た方法を用いて、抗細菌性及び抗ウィルス性の生成物に転換することができる。
【0304】
特に、2%のTiOを含有する50mLの「PSO−419 D2」溶液を、2.2mgの4−メルカプトフェニルボロン酸(2.05x10−5M)で希釈し、懸濁液を24時間に亘って攪拌する。
【0305】
得られる無臭の溶液に、2.05x10−5Mの乳酸銀又は酢酸銀を添加する。
【0306】
最後に、1時間に亘る持続的な攪拌の後、8〜20mL、好ましくは12mLのジメチルベンジルドデシルアンモニウムクロリドの水溶液(50%w/v)を添加し、懸濁液を更に1時間に亘って攪拌する。
【0307】
得られる透明溶液は、無限に安定している。「AT−01」及び「AT−03」等のNMTech社から販売されている、TiOを基本としたその他の不透明な製品を本発明の記載の方法に従って処理することにより、抗細菌及び抗ウィルス活性を有する安定した懸濁液又は粉末を得られることに留意すべきである。
【0308】
例えば、1.7%のTiOを含有する「AT−01」の溶液50mLを、3.8mgの4−メルカプトフェニルボロン酸(1.9x10−5M)を溶解させた50mLのエタノールで希釈し、懸濁液を24時間に亘って攪拌することにより、無臭の生成物を得た。次に、1.9x10−5Mの乳酸銀又は酢酸銀を添加した。得られた懸濁液からは、しばらくすると、微細な沈殿物が生じた。
【実施例6】
【0309】
二酸化チタン上へのカチオン性界面活性剤の吸着
抗細菌活性を備えたカチオン性界面活性剤は、一般に、TiO、ZrO、SnO、ZnO及びSiOを基本としたナノ材料上に吸着可能である。
【0310】
吸着は、負に帯電した又は中性のナノ粒子上でほぼ即座に起こる。
【0311】
塩基性のpHのナノ材料の懸濁液の場合、ベンザルコニウム系の塩(例えば、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム等)を添加すると懸濁液に沈殿が生じるが、中性又は酸性pHのナノ材料の懸濁液の場合、懸濁液は安定している。
【0312】
中性pHでのTiOを基本としたナノ材料上への塩化ベンザルコニウムの吸着は、導電率を測定することにより間接的に調べる。
【0313】
以下の実験において検証されたように、ベンジルジアルキルアンモニウムカチオンのTiOへの吸着を介した会合は、導電性の低下を引き起こすことが予想される。
【0314】
1:10に希釈された、塩化ベンザルコニウムの50%(w/v)溶液は、4.7mSの導電性を有している。
【0315】
この溶液の体積を蒸留水の添加により10〜15mL増やすと、導電性は3.90mSにまで低下する。或いは、例えば実施例3に従ってペルオキシチタン酸から調製した二酸化チタンの中性懸濁液又は同等である中性pHの「AT−03」製品を5mL添加することにより溶液を希釈すると、測定される導電性は3.60mSとなる。
【0316】
導電性における300μSの低下は、二酸化チタンの表面上へのカチオン性界面活性剤の吸着を原因としている。
【0317】
従って、第四アンモニウム塩がこの場合はTiOであるAO分子に吸収された、非常に安定した懸濁液が得られる。
【0318】
更に、1種類の第四アンモニウム塩を添加しても、異なる第四アンモニウム塩の混合物、好ましくは同じアニオンを有する塩の混合物(塩化アンモニウム塩等)を添加してもよい。
【実施例7】
【0319】
「TiO P25」(Degussa社)上への2,2´−ジピリジル−4−カルボキシ−4´−カルボキシレート酸、Ag及びCu2+の吸着
2−2´−ジピリジル−4−カルボキシ−4´−カルボキシレートアニオン酸(「Hdcb」と省略)は、1当量の水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAOHと省略)を2,2´−ジピリジル−4,4´ジカルボン酸(Hdcbと省略)に添加することにより生成され、ほとんど溶けず、固形である。
【0320】
このため、モノカルボキシレート形態(「モノプロトン化形態(monoprotonated form)」とも称される)であり、テトラブチルアンモニウム塩(「TBA(Hdcb)」と省略)としてのリガンドをメタノール又はエタノール中で可溶化させ、二酸化チタン上に吸着させることができる。
【0321】
100mLのエタノール中の1x10−4モルのTBA(Hdcb)の溶液に、5gの「TiO P25」(Degussa社)を添加した。懸濁液を24時間に亘って攪拌した。
【0322】
リガンドであるTBA(Hdcb)は、π−π*遷移により294nmで吸収帯を有するため、時間の関数としてのナノ材料上へのその吸着を観察することが可能になる。
【0323】
リガンドは、ナノ結晶基体の表面上に完全に吸着される。
【0324】
吸着は、カルボキシル官能基と半導体表面との相互作用によって起こることが知られている。
【0325】
次に、懸濁液を10分間に亘って4000rpmで遠心分離にかけ、固形物を50mLのメタノールで洗浄した。次に、これにより得られた、リガンドで官能化したナノ材料(TiO/TBA(Hdcb)と省略)を、周囲温度にて最終的に真空乾燥させた。
【0326】
それぞれ2gのTiO/TBA(Hdcb)の2回分を、100mLのエタノール中に再懸濁させた。
【0327】
一方の懸濁液には、8mgの乳酸銀を攪拌しながら添加し、もう一方の懸濁液には、7mgのCuClを添加した。
【0328】
2つの懸濁液は、異なる安定性を有していた。銅イオンで官能化させた懸濁液TiO/TBA(Hdcb)/Cu2+は安定したままだったが、銀イオンで官能化させた懸濁液TiO/TBA(Hdcb)/Agは、時間が経つと沈殿を生じた。
【実施例8】
【0329】
TiOの中性懸濁液への有機金属リガンド(L)及びAgイオンの吸着
上記にて開示されたように、二官能性有機金属リガンドLは、例えば実施例3の方法に従って調製された二酸化チタンの中性懸濁液に固定することができ、ナノ材料は、濃度約10−3〜10−4Mの二官能性有機金属リガンドのアルコール溶液中に懸濁させられる。
【0330】
懸濁液を12時間に亘って攪拌し、その間に有機金属リガンドLは、ナノ材料の表面上に完全に吸着される。
【0331】
アルコール溶液中におけるリガンドLに対しての化学量論量の銀の添加は、付加物の生成に対応しており、錯体(Hdcb)Ru(NCS)の場合について図1で概略的に図示されているように、銀イオンAgは無機リガンドに固定される(Hdcb=2,2´−ジピリジル−4,4´−ジカルボン酸)。
【0332】
カルボキシル官能基の存在が、50℃の場合は約2〜3時間、周囲温度の場合は12時間での錯体の吸着と、ナノ結晶材料の均質な被覆を可能にする。
【0333】
続く工程において、銀塩(例えば、硝酸銀、乳酸銀、酢酸銀)をメタノール溶液に、(Hdcb)Ru(NCS)のモルに対して化学量論比2:1で添加する。
【0334】
NCS基が2つ存在することにより、図2に図示されるように、Agイオンの即時結合が可能になる。
【0335】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の抗細菌及び抗ウィルス活性を、特に実施例1〜8のいずれかに従って得た生成物について試験した。
【0336】
試験は、上記の実施例に従って得られた異なるナノ材料から構成される膜を、10cfu(コロニー形成単位)を越えるEscherica coliの多数のコロニーと接触しているペトリカプセル上に置くことで行われた。
【0337】
全てのケースにおいて、コロニーの完全な死滅が観察された。
【0338】
2000年4月のUNI−EN1276及び2001年12月のUNI−EN13697の規格に従って、実施例5の方法に従って合成された生成物(「Bactercline」と命名された生成物)について、より徹底した測定を行った。この生成物は透明であるため、より広い用途に応用可能である。
【0339】

試験は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する、「Bactercline」と命名された生成物の溶液の殺細菌性、抗真菌性、殺ウィルス性を評価するために行われ、AOはTiOであり、Lは4−メルカプトフェニルボロン酸であり、Men+はAgであり、場合によっては、塩化ベンザルコニウム等の第四アンモニウム塩を更に含む。
【0340】
このような生成物は、いずれの適切な方法(例えば、実施例4、5、6の方法)に従っても得られる。
【0341】
「Bactercline」の殺細菌活性を、2000年4月の規格法UNI−EN1276に従った希釈及び中和方法を用いて評価した。
【0342】
試験には以下の株:Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherichia coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenesを用いた。
【0343】
試験した菌株は全て、フェラーラ大学微生物学部の実験・診断医学科(Department of Experimental and Diagnostic Medicine, Microbiology Section, of the University of Ferrara)によって提供された。
【0344】
試験した生成物「Bactercline」は、80%に希釈された。
【0345】
もし5分の接触時間の後、20℃で各菌株について少なくとも10単位のバイタリティ低下が得られたら、その試験物質は、殺細菌性があると見なした。
【0346】
得られた結果を、以下の表1に報告する。得られた結果は、全てのケースにおいて、10単位を越えるバイタリティの低下が得られたことを示している。
【0347】
【表1】

【0348】
得られた結果及び試験の有効性基準に基づき、試験した物質「Bactercline」は、濃度80%(最高試験可能濃度であると判明)で使用すると、2000年4月の規格UNI−EN1276の方法に従った、最終濃度0.3%のウシアルブミン存在下での5分間の接触後、殺細菌性がある。
【0349】
「Bactercline」は、濃度50%で使用しても、2000年4月の規格UNI−EN1276の方法に従った、最終濃度0.3%のウシアルブミン存在下での5分間の接触後、殺細菌性があり、これはこのような濃度であっても、10単位を越えるバイタリティの低下が得られるからである。
【0350】
従って、「Bactercline」の殺細菌活性は、非常に高い。
【0351】
2001年12月の規格法UNI−EN13697に従って、「Bactercline」の殺細菌活性を評価するために表面試験も行われた。
【0352】
以下の株:Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherichia coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Legionella pneumophilaを試験において用いた。
【0353】
もし5分の接触時間の後、20℃で各菌株について少なくとも10単位のバイタリティ低下が得られたら、この試験物質は、欧州規格に従って用意された細菌に対して殺細菌性があると見なした。
【0354】
得られた結果を、以下の表2に報告する。表の値は、全てのケースにおいて、抗微生物活性の常用対数が4より大きく、従って「Bactercline」は、殺細菌性の生成物であることを示している。
【0355】
得られた結果及び試験の有効性基準に基づき、上記の試験条件下で試験された物質「Bactercline」は、濃度100%で使用すると、2001年12月の規格UNI−EN13697の方法に従った、最終濃度0.3%のウシアルブミン存在下での5分間の接触後、試験微生物に対して殺細菌性である。
【0356】
【表2】

【0357】
「Bactercline」の抗真菌又は殺真菌活性を、2000年10月の規格法UNI−EN1650に従った希釈及び中和方法を用いて評価した。
【0358】
以下の株:Candida albicans及びAspergillus nigerを試験に用いた。
【0359】
試験した株は、フェラーラ大学微生物学部の実験・診断医学科によって提供された。
【0360】
もし15分の接触時間の後、20℃で真菌株のそれぞれについて少なくとも10単位のバイタリティ低下が得られたら、試験物質は殺真菌性であると見なした。
【0361】
試験を、異なる濃度の「Bactercline」について繰り返し、得られた結果を表3に報告した。
【0362】
【表3】

【0363】
得られた結果及び試験の有効性基準に基づき、試験した物質「Bactercline」は、2000年10月の規格UNI−EN1650の方法に従った、最終濃度0.3%のウシアルブミン存在下での15分間の接触後、Candida albicansの場合は濃度25%、50%及び80%、Aspergillus nigerの場合は濃度50%及び80%(最高試験可能濃度と判明)で抗真菌性である。
【0364】
「Bactercline」の抗真菌活性を、2001年12月の規格法UNI−EN13697に従った表面試験も用いて評価した。
【0365】
以下の株:Candida albicans、Aspergillus nigerを試験に用いた。
【0366】
試験した株は、フェラーラ大学微生物学部の実験・診断医学科によって提供された。
【0367】
もし20℃での15分の接触について、欧州規格に従って提供された菌株に対しての抗微生物活性の対数が3以上であったら、試験物質は抗真菌性であると見なした。試験の結果を、表4に報告した。
【0368】
【表4】

【0369】
得られた結果及び試験の有効性基準に基づき、上記の試験条件下で試験された物質「Bactercline」は、濃度100%で使用すると、2001年12月の規格UNI−EN13697の方法に従った、最終濃度0.3%のウシアルブミン存在下での15分間の接触後、Candida albicans及びAspergillus nigerに対して抗真菌性がある。
【0370】
更に、「Bactercline」の殺ウィルス活性を試験した。
【0371】
以下に記載の実験は、生成物「Bactercline」が、極めて低い濃度で、HSV−1ウィルス(単純ヘルペスウィルス1型)に対する高い殺ウィルス活性を有することを実証する。
【0372】
様々な量のウィルス懸濁液を、1%のウシ胎仔血清(BFS)を加えた改変ダルベッコ(Dulbecco)培地(D−MEM)で調製した。
【0373】
1x10の細胞溶解プラーク形成単位(Pfu)のウィルス濃度(ウィルス力価)を用いた。
【0374】
異なる量の「Bactercline」を別々の試料に添加し、前処理時間は1〜5時間であった。
【0375】
無処理のウィルス懸濁液は、対照としてそのままにした。周囲温度での培養期間後、ウィルス力価を測定するために、試料全てを既知の体積にまで希釈した。
【0376】
対照及び「Bactercline」で処理した試料のウィルス力価を、以下に説明の方法で求めた。
【0377】
ウィルス力価を求めるには、1MLの溶液中に存在するプラークの数を計算する。
【0378】
十分に希釈され、細胞の単層と接触するように置かれたウィルス懸濁液によって形成された細胞溶解プラークの数を求める方法を用いた。この一連の実験において、アフリカザルの腎細胞を用いた(Vero)
【0379】
細胞は、5%のCOの存在下で、10%のBFS、1%のL−グルタミン及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを加えた「D−MEM」において37℃で培養した。
【0380】
力価の測定は、12個のウェルを有するプレート上で行われた。
【0381】
培養物がほぼコンフルエントになったら、ウィルス原液を、2%のBFSを含有する培地中で既知の濃度にまで希釈した。
【0382】
希釈物1つにつきプレートの2個のウェルに接種を行った。37℃での1時間の培養後、接種材料を取り除き、2次性のプラークの形成阻害機能を有する、1%のBFS及び2%のヒト・ガンマグロブリンを含有する培地を添加することにより感染を妨害した。
【0383】
接種を行った培養物を、2日間に亘って37℃で培養し、溶解プラークが目に見えるようになるまで観察した。溶解プラークが見えるようになった時点で、細胞を固定し、ゲンチアナバイオレットで染色した。
【0384】
光学顕微鏡下で、ウェル内に存在するプラークを数え、この数に希釈率を掛けて、ウィルス力価をPfu/mLの単位で得た。
【0385】
10〜50マイクロリットルの生成物「Bactercline」を、1x10Pfuのウィルス力価を有するHSV−1と接触させた。
【0386】
培養は、1%のBFSを加えた1mLのD−MEM培地で行った。
【0387】
1時間と5時間の2通りの培養時間を用いた。所定の培養時間の経過後、ウィルスを1x10と1x10Pfuの濃度にまで希釈し、コンフルエントに近い培養物に接種を行った。
【0388】
表5に示されるように、「Bactercline」で前処理されたウィルスを接種された細胞は、2通りの前処理時間のどちらについても、また両方のウィルス希釈物についても溶解プラークを有していなかった。
【0389】
生成物「Bactercline」の抗ウィルス活性についての試験は、この生成物が、たとえ極度の希釈率であっても、1時間の接触時間でHSV−1ウィルスとの直接接触に抗ウィルス活性を有することを示している。
【0390】
行った実験は、この生成物が、約1:100の希釈レベルで、ウィルス粒子のほぼ完全なる死滅を成し遂げることを実証した。実験の結果を、以下の表5に示す。
【0391】
【表5】

【実施例9】
【0392】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する局所使用のためのクリームの製造方法
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を用いて、局所使用のための多種多様な局所治療製品が得られるが、これは一般式AO−(L−Men+を有する組成物を、多様な物質と適切に混合することができるからである。
【0393】
例えば、にきびの治療に使用する局所治療クリームが得られる。
【0394】
以下の表6に、にきび治療用の、局所的に使用するためのクリームの成分含有率(%)を示す。
【0395】
【表6】

【0396】
上記の化合物の重量を計測し、投入した。
【0397】
ターボ乳化装置(turboemulsifier)を、約65〜70℃にまで加熱する。
【0398】
段階「A」:上の表1の4列目に記号「A」を有する化合物を、ターボ乳化装置内に導入し、混合する。ターボ乳化装置を約70〜80℃にまで加熱すると、ターボ乳化装置内の化合物が溶融する。
【0399】
より良好に混合できるように、化合物は完全に溶融させなくてはならない。
【0400】
段階「B」:別のターボ乳化装置を約75〜80℃にまで加熱する。上の表6の4列目に記号「B」を有する化合物を、この別のターボ乳化装置内に導入し、混合する。
【0401】
両方のターボ乳化装置内の化合物が所望の温度に達したら、両方のターボ乳化装置内のそれぞれの化合物を混ぜ合わせ、均質化できるように、両方のターボ乳化装置を閉じ、作動させる。
【0402】
従って、前者のターボ乳化装置に連結された真空ポンプを作動させ、後者のターボ乳化装置内の化合物を前者のターボ乳化装置内に注ぐ。つまり、段階「B」の化合物を段階「A」
の化合物に注ぐ。
【0403】
段階「A」の化合物と段階「B」の化合物とが混ざり合い、均質になるようにターボ乳化装置を数分間運転させる。混合物が実際に混ざり合ったかは確かめることができ、必要ならば、ターボ乳化装置を新たに運転させてもよい。
【0404】
混合物が望ましく混ぜ合わされたら、真空ポンプを作動させ、ターボ乳化装置を約45〜50℃にまで冷却する。
【0405】
このような温度に達したら、真空ポンプのスイッチを切り、上の表6の4列目に記号「C」を有する化合物をターボ乳化装置に導入する。
【0406】
化合物が混ざり合い、均質となるようにターボ乳化装置及び真空ポンプを共に作動させ、均質化の間に、ターボ乳化装置を約20〜30℃にまで冷却する。
【0407】
このような温度を一定の時間に亘って維持しながら、化合物を絶え間なく混合する。
【0408】
所定の時間が経過したら、製品をターボ乳化装置から取り出して分析してよい。
【0409】
行った分析により、この製品が時間がたっても極めて安定しており、製品に含まれる個々の化合物が分離する恐れもなく続く梱包作業で梱包し、保存できることが実証された。
【0410】
以下、簡略化のために「にきび用Bactercline」と称する得られた製品は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物及び/又は局所治療製品の調製に使用可能なその他の活性成分を含有しているエマルションである。
【0411】
このようなエマルションはクリーム状態にあり、多くの疾患、特ににきび疾患の治療に用いることができる。
【0412】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の極めて小さい寸法及びその特性により、極めて均質な特性を有するエマルションが得られる。
【0413】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物としては、例えば、AOとして二酸化チタン(TiO)、Men+として過塩素酸銀(AgClO)及び二酸化チタンと過塩素酸銀との両方への結合に適した二官能性リガンドLを含有する組成物を用いる。
【0414】
好ましくは、一般式AO−(L−Men+を有する2gの組成物は、1.998gのTiO、0.0084gのAgClO及び二官能性リガンドLとしての0.0062gの4−メルカプトフェニルボロン酸を含有する。
【0415】
第四アンモニウム塩、すなわち塩化ベンザルコニウムも存在する。
【0416】
二官能性リガンドLとして6−メルカプトニコチン酸及び/又は11−メルカプトウンデカン酸及び/又はメルカプトコハク酸を用いることでも、同様の調製物が得られる。
【0417】
「にきび用Bactercline」は、クリーム状の、無臭のエマルションであり、白色を有し、密度は約0.995〜1.005g/cm、粘度は約50000〜60000センチポイズである。
【0418】
得られたクリーム状のエマルションを皮膚上に好ましくは1日2回、塗り広げる。その物理的特性により、クリームの塗り広げは非常に容易であり、クリームは使用者の皮膚上で保護層を形成する。この層は目に見えないため見苦しくなく、層は皮膚を殺菌して、にきび疾患を治療する。
【0419】
にきび及び/又はヘルペスを患っている皮膚に1日2回、「にきび用Bactercline」を塗り広げることにより、にきび及び/又はヘルペスによる皮膚の病変部が治癒し、使用者の皮膚の別の領域への更なる感染が防止される。
【0420】
クリームは、使用者の皮膚上に、複数の作用を有する保護層を形成する。つまり、保護層は、皮膚の病変領域を外部からの感染及び/又は細菌感染から保護し、このような領域を、例えば風及び/又は太陽光線による外部からの攻撃から保護し、使用者の皮膚の別の領域に感染が広がること及びそのような領域における微生物の増殖を防止する。
【0421】
これにより、損傷を受けた皮膚が極めて迅速に再生され、感染の拡大が防止されるため、皮膚疾患を成功裏に治療することができる。
【0422】
このようなクリームは、ヘルペスウィルスによる局所的な疾患の治療にも有効に用いることができる。
【0423】
クリームをヘルペスを罹った皮膚上に1日2回塗り広げることにより、ヘルペスによる皮膚病変部が治癒し、使用者の皮膚の別の領域への更なる感染が防止される。
【0424】
クリームの製造方法は極めて単純であり、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加する段階は、局所治療製品の通常の製造方法に支障を来たさない。
【0425】
従って、同様の方法を、一般式AO−(L−Men+を有する組成物及び上記のものとは異なる添加剤又は活性成分を含有する多種多様な局所治療製品の製造に用いることができる。
【0426】
従って、様々な局所的な用途及び多様な疾患の治療に用いることができる局所治療製品が得られる。
【0427】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、バニシングクリーム、シェービングクリーム、シワ取りクリーム、保湿クリーム、保護クリーム、日中用クリーム、夜用クリーム等の多種多様な局所治療製品に添加することができ、局所治療製品に抗細菌性、抗ウィルス性、抗真菌性を付与する。
【0428】
更に、一般式AO−(L−Men+を有する組成物は、例えばゲル、活性成分を含浸させたティッシュ、化学雑巾、パッチ、液晶、2つ以上の異なる層を備えた液状組成物、分散物、エマルション、懸濁物、フォーム、マイクロビードレット、微小球、顆粒、微小顆粒、マイクロエマルション、ナノエマルション、多相エマルション(例えば、W/O/W型カプセル化組成物等)のクリーム以外のその他の形態の局所治療製品にも添加することができる。
【0429】
更に、上記の方法に従って製造され、上の表の化合物を含有する局所治療製品は、以下の微生物:細菌:Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)、Enterococcus faecalis、Escherichia coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Legionella pneumofila;真菌:Candida albicans、Aspergillus niger;ウィルス:ヘルペスウィルスに対して有効である。
【0430】
試験を行って、「にきび用Bactercline」の様々なウィルス、特にポリオウィルス及びアデノウィルスに対する殺ウィルス有効性を評価した。
【0431】
試験を、欧州標準化委員会(European Standardization Committee)によって編集された2002年5月の「欧州規格EN14476」(フェーズ2、ステップ1)に記載された標準手順に従って行い、「にきび用Bactercline」の殺ウィルス活性を評価した。
【0432】
所定の量のウィルス懸濁液を、「清浄な状態」、つまり0.3g/lのウシアルブミンを含有する水溶液と、「汚染された状態」、つまり3.0g/lのウシアルブミン及び0.3mlの赤血球を含有する水溶液との両方における「にきび用Bactercline」に添加した。
【0433】
ID50のLog10として評価した力価を有するアデノウィルス5型(ATCC VR5)及びポリオウィルス1セービン株を含有する懸濁液を調製した。力価はそれぞれ、アデノウィルス5型に関しては5〜8.15、ポリオウィルス1セービン株に関しては1〜8.20であり、希釈比は、0(希釈していない懸濁液)〜10−4と様々であった。このような希釈液を、細胞において形態的な変異を起こさない最高ウィルス濃度を評価するために、2%FBCを含むMEMで培養したヒーラ細胞の層と約90%にて接触させた。そのような最高濃度は10−1である。
【0434】
このため、試験においては、希釈していないウィルス懸濁液を用いた。
【0435】
ウィルス懸濁液及び「にきび用Bacterline」を、約20℃にて規定の時間(1分、10分、30分、60分)に亘って接触させ続けた。
【0436】
上記の時間がそれぞれ経過した後、ウィルス懸濁液及び「にきび用Bactercline」を含有する所定の量の混合物を除去し、希釈率1:10を用いて最小必須培地(MEM)及び殺ウィルス活性を阻害するための2%のウシ胎仔血清(FCS)で希釈し、次に殺ウィルス活性を評価するために分析にかけた。
【0437】
殺ウィルス活性を、「スピアマン・カーバー法(Spearman−Karber)」に従ってID50(つまり、試料の50%に細胞変性効果を引き起こす、ウィルス懸濁液の希釈率)を計算して評価した。
【0438】
試験の結果を、ポリオウィルスとアデノウィルス5型の懸濁液のそれぞれについての以下の表7及び表8に示す。
【0439】
【表7】

【0440】
【表8】

【0441】
上の表7、8の第2列及び第3列の値は、終点の50%の負の対数を示す。
【0442】
得られた結果は、「にきび用Bactercline」と接触した懸濁液のウィルス力価の4Log10を超える低下が、約10分の接触時間の「清浄」及び「汚染」状態の両方の試料において、両方のウィルス懸濁液について得られたことを示している。
【0443】
従って、「にきび用Bactercline」の高い殺ウィルス活性が実証された。
【0444】
このような試験の方法は、得られた結果のバリデーションを行うために、検証されている。このようなバリデーションでは、陽性の結果が得られた。
【実施例10】
【0445】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有する局所治療製品の製造方法
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を用いて、多種多様な局所治療製品を得ることができ、これは一般式AO−(L−Men+を有する組成物が、多様な物質と適切に混合できるからである。
【0446】
例えば、潰瘍、特に褥瘡又は褥瘡性潰瘍を治療するために用いる製品が得られる。
【0447】
以下の表9において、潰瘍を治療するための、局所使用のクリームの成分含有率(%)を示す。
【0448】
【表9】

【0449】
上記の化合物の重量を測り、投入した。
【0450】
ターボ乳化装置を、約65〜70℃にまで加熱する。
【0451】
段階「A」:上の表2の4列目に記号「A」を有する化合物を、ターボ乳化装置内に導入し、混合する。ターボ乳化装置を約65〜70℃にまで加熱すると、ターボ乳化装置内の化合物が溶融し、その間に化合物は混ざり合う。
【0452】
より良好に混合できるように、化合物は完全に溶融させなくてはならない。
【0453】
段階「B」:別のターボ乳化装置を約75〜80℃にまで加熱する。上の表2の4列目に記号「B」を有する化合物を、この別のターボ乳化装置内に導入し、混合する。
【0454】
両方のターボ乳化装置内の化合物がそれぞれの所望の温度に達したら、両方のターボ乳化装置内のそれぞれの化合物を混ぜ合わせ、均質化できるように、両方のターボ乳化装置を閉じ、作動させる。
【0455】
従って、前者のターボ乳化装置に連結された真空ポンプを作動させ、後者のターボ乳化装置内の化合物を前者のターボ乳化装置内に注ぐ。つまり、段階「B」の化合物を段階「A」
の化合物に注ぐ。
【0456】
段階「A」の化合物と段階「B」の化合物とが混ざり合い、均質になるようにターボ乳化装置を数分間運転させる。混合物が実際に混ざり合ったかは確かめることができ、必要ならば、ターボ乳化装置をもう一度運転させてもよい。
【0457】
混合物が望ましく混ぜ合わされたら、真空ポンプを作動させ、ターボ乳化装置を約45〜50℃にまで冷却する。
【0458】
このような温度に達したら、真空ポンプのスイッチを切り、上の表9の4列目に記号「C」を有する化合物をターボ乳化装置に導入する。
【0459】
化合物が混ざり合い、均質となるようにターボ乳化装置及び真空ポンプの両方を作動させ、均質化の間に、ターボ乳化装置を約20〜30℃にまで冷却する。
【0460】
このような温度を一定の時間に亘って維持しながら、化合物を絶え間なく混合する。
【0461】
所定の時間が経過したら、製品をターボ乳化装置から取り出して分析してよい。行った分析により、この製品が時間がたっても極めて安定しており、製品に含まれる個々の化合物が分離する恐れもなく続く梱包作業で梱包し、保存できることが実証された。
【0462】
以下、簡略化のために「潰瘍用Bactercline」と称する得られた製品は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物並びに局所治療製品の調製に使用可能な添加剤及びその他の活性成分を含有しているエマルションである。
【0463】
「潰瘍用Bactercline」は、多くの皮膚潰瘍、特に褥瘡性潰瘍の治療に使用することができるクリームの形態である。
【0464】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物の極めて小さい寸法及びその特性により、極めて均質な特性を有するエマルションが得られる。
【0465】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物としては、例えば、AOとして二酸化チタン(TiO)、Men+として過塩素酸銀(AgClO)及び二酸化チタンと過塩素酸銀との両方への結合に適した二官能性リガンドLを含有する組成物を使用する。
【0466】
好ましくは、一般式AO−(L−Men+を有する2gの組成物は、1.998gのTiO、0.0084gのAgClO及び二官能性リガンドLとしての0.0062gの4−メルカプトフェニルボロン酸を含有する。
【0467】
「潰瘍用Bactercline」の抗細菌性、抗真菌性、抗微生物性、抗ウィルス性を強化する第四アンモニウム塩、すなわち塩化ベンザルコニウムも存在する。
【0468】
二官能性リガンドLとして6−メルカプトニコチン酸及び/又は11−メルカプトウンデカン酸及び/又はメルカプトコハク酸を用いることでも、同様の「潰瘍用Bactercline」調製物が得られる。
【0469】
「潰瘍用Bactercline」は、クリーム状の無臭のエマルション、W/O/W型エマルションであり、白色を有し、密度は約0.995〜1.005g/cm、粘度は約50000〜60000センチポイズである。
【0470】
得られたクリーム状のエマルションを皮膚上に好ましくは1日2回、塗り広げる。その物理的特性により、クリームの塗り広げは非常に容易であり、クリームは使用者の皮膚上で保護層を形成する。この層は目に見えないため見苦しくなく、層は皮膚を殺菌して、潰瘍疾患を治療する。
【0471】
「潰瘍用Bactercline」の皮膚耐性を、50人の成人の志願者で試験し、皮膚科医の監督のもとで48時間の「シングルパッチテスト」を行った。
【0472】
志願者は45人の女性と5人の男性から構成され、年齢は18〜65才、平均年齢40才で、正常な皮膚を有し、DERMASCANグループによって定義された組み入れ規準及び非組み入れ規準に対応している。
【0473】
組み入れ規準は、志願者が書面での同意書を提出したこと、過去に化粧品に対して不耐又はアレルギー反応を起こした経験がないこと、フォトタイプI〜IIIに属することを定めている。
【0474】
非組み入れ規準は、以下の特徴を有する人間は、研究の志願者として含まれないことを定めた:妊娠中若しくは授乳中の女性又は研究中に妊娠を計画している女性、実験対象の領域に皮膚の異常がある人間(湿疹、乾癬、白斑、癜風、にきび等);抗生物質、抗ヒスタミン剤、全身性抗炎症薬又はコルチコイドを現在服用している又は前の週に服用をやめた志願者、鎮咳薬又はコルチコイドを現在服用している又は前の4週間の間に服用をやめた志願者、レチノイド、免疫抑制剤、抗ガン剤を現在服用している又は前の6ヶ月間の間に服用をやめた志願者;経口避妊薬を含むホルモン治療を前の5週間の間に開始、停止又は変更した志願者;前の月に皮膚を太陽又は紫外線に曝露した志願者;非常に敏感な皮膚の志願者;背中におびただしい体毛、そばかす、ほくろ又は刺青がある志願者;重篤な疾患の志願者、大量のアルコール又はタバコを摂取している志願者。
【0475】
製品を、閉塞タイプの「Finn Chambers(R)」8mm(50mm)タイプのパッチテストを用いて、背中の肩甲骨の部分に適用した。各パッチテストに用いた製品の用量は、純粋な状態の製品25μlである。
【0476】
各パッチを、48時間に亘って志願者の皮膚上に放置した。
【0477】
試験製品を塗っていない対照パッチも、志願者に適用した。
【0478】
48時間後、パッチを皮膚から剥がし、剥がしてから30分後に、昼光灯を用いて皮膚を肉眼で検査することにより、製品を受容した皮膚の領域のそれぞれの炎症の度合いを評価した。
【0479】
このような評価は、皮膚の実際の炎症と、陰性対照パッチで得られた炎症とを比較することにより行った。
【0480】
パッチを剥がしてから30分後の測定で皮膚の局所反応がないなら、研究を終了した。
【0481】
それでもなお、各志願者には次の日、目に見える反応がないことを確認するように要請した。目に見える反応があった場合、志願者は医療施設に戻らなければならず、皮膚反応が回復するまで測定が行われた。
【0482】
以下の表10の基準を用いて、炎症の度合いを評価した。
【0483】
【表10】

【0484】
製品の性質又はその成分の1つに関係している可能性のある皮膚構造における変化(例えば、乾燥(D)、粗さ(R1)、厚み(T)、反射率(R2))を臨床的に記述し、その強度を、以下の基準に従って等級分けした。0.5=疑わしい、1=軽度、2=明白、3=重大
【0485】
分析及び解釈は、各測定時の実験条件下で得られた結果に従って行った。
【0486】
クリームの皮膚耐性は、各測定時に、式MII=(Σ総皮膚反応スコア/(志願者の総数))に従って「平均炎症指数(Mean Irritation Index:MII)」を算出することにより評価した。皮膚反応は、紅斑及び/又は浮腫であり、紅斑と浮腫の両方が存在する場合は、紅斑反応及び浮腫反応の両方のスコアを加算した。
【0487】
得られた指数MIIを、表11中の以下の基準に従って研究中の製品を任意で分類するために用いた。
【0488】
【表11】

【0489】
「潰瘍用Bactercline」について、M.I.I.を、志願者の皮膚上に「潰瘍用Bactercline」を塗り広げてから30分後及び24時間後の両方について算出した。
【0490】
試験は両方とも、「潰瘍用Bactercline」について0.00のM.I.I.値を示すことから、製造されたクリームは、非刺激性製品である。
【0491】
同様の考察が、「にきび用Bactercline」にあてはまるが、これは「潰瘍用Bactercline」と「にきび用Bactercline」の2つの製品の組成が非常に似ており、「潰瘍用Bactercline」は、より刺激が強い可能性のある化合物を含有しているからであり、「潰瘍用Bactercline」が被験者に炎症を引き起こさないのだから、「にきび用Bactercline」に刺激作用があるはずもない。
【0492】
試験条件下で、実施例8に従って得られ、皮膚科医の監督の下で試験され、純粋なまま局所的に閉塞型のパッチの下で48時間に亘って50人の成人志願者の皮膚に適用された製品は、M.I.I.の計算に従って、30分後及び24時間後の観察で非刺激性であると分類されると結論づけることができる。研究は、2006年7月17日〜2006年7月20日まで、及び2006年7月24日〜2006年7月27日まで、ポーランドはワルシャワにある医療施設PROCOSによって行われた。
【0493】
研究は、FDA(フランス、1978年8月8日、パートV、法令番号77N−0278)、EEC(指針番号91/507及びIII 3976/88、1990年7月11日)のGood clinical Practice Guidelines及びフランス共和国の厚生省に従って行われた。
【0494】
研究は、スポンサーが規定した標準実施要領及びプロトコルに従って行った。
【0495】
研究中に記録された試験事象は全て報告した。データの信憑性及びプロトコルへの準拠の管理を行い、研究に参加している人間によって確認された。
【0496】
試験を、欧州標準化委員会によって編集された2002年5月の「欧州規格EN14476」(フェーズ2、ステップ1)に記載された標準手順に従って行い、「潰瘍用Bactercline」の殺ウィルス活性を評価した。
【0497】
所定の量のウィルス懸濁液を、「清浄な状態」、つまり0.3g/lのウシアルブミンを含有する水溶液と、「汚染された状態」、つまり3.0g/lのウシアルブミン及び0.3mlの赤血球を含有する水溶液との両方における「潰瘍用Bactercline」に添加した。
【0498】
ID50のLog10として評価した力価を有するアデノウィルス5型(ATCC VR5)及びポリオウィルス1セービン株を含有する懸濁液を調製した。力価はそれぞれ、アデノウィルス5型に関しては5〜8.15、ポリオウィルス1セービン株に関しては1〜8.20であり、希釈比は、0(希釈していない懸濁液)〜10−4と様々であった。このような希釈液を、細胞において形態的な変異を起こさない最高ウィルス濃度を評価するために、2%FBCを含むMEMで培養したヒーラ細胞の層と約90%にて接触させた。
【0499】
そのような最高濃度は10−1である。このため、試験においては、希釈していないウィルス懸濁液を用いた。
【0500】
ウィルス懸濁液及び「潰瘍用Bactercline」を、約20℃にて規定の時間(1分、10分、30分、60分)に亘って接触させ続けた。
【0501】
上記の時間がそれぞれ経過した後、ウィルス懸濁液及び「潰瘍用Bactercline」を含有する所定の量の混合物を除去し、希釈率1:10を用いて最小必須培地(MEM)及び殺ウィルス活性を阻害するための2%のウシ胎仔血清(FCS)で希釈し、次に「潰瘍用Bactercline」の殺ウィルス活性を評価するために分析にかけた。
【0502】
殺ウィルス活性を、「スピアマン・カーバー法」に従ってID50(つまり、試料の50%に細胞変性効果を引き起こす、ウィルス懸濁液の希釈率)を計算して評価した。
【0503】
試験の結果を、ポリオウィルスとアデノウィルス5型の懸濁液のそれぞれについての以下の表12及び表13に示す。
【0504】
【表12】

【0505】
【表13】

【0506】
上の表12、13の第2列及び第3列の値は、終点の50%の負の対数を示す。
【0507】
得られた結果は、「潰瘍Bactercline」と接触した懸濁液のウィルス力価の4Log10を超える低下が、「清浄」及び「汚染」状態の両方において両方のウィルス懸濁液について、約10分の接触時間の試料について得られたことを示している。
【0508】
従って、「にきび用Bactercline」の高い殺ウィルス活性が実証された。
【0509】
このような試験の方法は、得られた結果のバリデーションを行うために、検証されている。このバリデーションは、陽性であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
にきび疾患を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項2】
ヘルペス疾患を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項3】
皮膚潰瘍、特に褥瘡性潰瘍を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項4】
皮膚過敏症及び/又は皮膚炎症及び/又は皮膚擦過傷及び/又は擦創を治療する局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項5】
鎮痛性の局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項6】
使用者の皮膚を瘢痕化させる瘢痕化局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項7】
使用者の皮膚の熱傷を治療する熱傷用局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項8】
除臭・防臭局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項9】
抗ウィルス性及び/又は抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性を有するスキンケア局所治療製品を得るための、一般式AO−(L−Men+を有する組成物の使用。
【請求項10】
前記スキンケア局所治療製品は、日中クリーム手段及び/又は夜用クリーム手段及び/又はクレンジングクリーム手段及び/又はクレンジングゲル手段及び/又は保湿クリーム手段及び/又はシワ取りクリーム手段及び/又は日焼けクリーム手段を含む、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記局所治療製品は、少なくとも、抗ウィルス性及び/又は抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性を有する化合物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
前記局所治療製品は、少なくとも、以下の微生物:HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerの少なくとも1つの治療に効果的な化合物を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物は、前記局所治療製品の特性を強化するための少なくとも第四アンモニウム塩を更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物は、塩化ベンザルコニウム等の少なくとも塩化アンモニウム塩を更に含む、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記局所治療製品は、クリーム製品及び/又はゲル製品及び/又は粉末製品及び/又はエマルション製品及び/又は懸濁物製品及び/又は微小球製品及び/又は顆粒製品及び/又は多相エマルション製品及び/又はwater−in−oil−in−waterエマルション製品を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
前記組成物は、少なくとも抗細菌性成分を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物は、少なくとも抗ウィルス性成分を更に含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
前記組成物は、少なくとも抗真菌性成分を更に含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
前記組成物は、少なくとも抗微生物性成分を更に含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
前記組成物は、少なくとも光触媒性成分を更に含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
前記組成物は、少なくとも汚染防止性成分を更に含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
Men+は、抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は抗ウィルス性を有する金属である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
Men+は、Ag及びCu++を含む群から選択される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
AOは、抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は抗ウィルス性及び/又は光触媒性及び/又は汚染防止性を備えた酸化物である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
AOは、コロイド状シリカ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化スズ及び酸化亜鉛を含む群から選択された酸化物である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
AOは、チタンが実質的にアナターゼ型である二酸化チタンを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
前記リガンドLに結合したカチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載の使用。
【請求項28】
前記カチオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩、好ましくは第四アンモニウム化合物、ベンジルC12−C14、C−アルキルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウムを含む群から選択される、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
Lは、前記金属酸化物AOに結合した少なくとも第1官能基と、前記イオンMeに結合した少なくとも第2官能基を含む分子である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の使用。
【請求項30】
前記第1官能基は、ボロン酸(−B(OH))及び/又はホスホン酸(−PO)及び/又はカルボキシル(−COOH)官能基を含む、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記第2官能基は、Cl、Br、I、S、CNS、=N、NH、CN及びNCSを含む群から選択することができる、請求項29又は30に記載の使用。
【請求項32】
前記リガンドLは、6〜18員を有する窒素含有複素環を含む群から選択される、請求項1〜31のいずれか1項に記載の使用。
【請求項33】
前記窒素含有複素環の少なくとも1つは、カルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)基を含む群から選択された1つ以上の置換基で置換される、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記リガンドLは、C〜C18アリールを含む群から選択される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の使用。
【請求項35】
前記C〜C18アリールの少なくとも1つは、フェニル、ナフチル及びビフェニルを含む群から選択される、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
前記アリールの少なくとも1つは、カルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)を含む群から選択された1つ以上の置換基によって置換される、請求項34又は35に記載の使用。
【請求項37】
前記リガンドLは、C〜C18カルボン酸、好ましくはモノカルボン酸及びジカルボン酸を含む群から選択することができる、請求項1〜36のいずれか1項に記載の使用。
【請求項38】
前記カルボン酸の少なくとも1つは、1つ以上のメルカプタン基(−SH)及び/又はヒドロキシル基(−OH)によって置換される、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
前記リガンドLは、カルボキシル基、ボロン酸基又はホスホン酸基で官能化されたピリジン、ジピリジル及びターピリジル;メルカプトコハク酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトフェノール、6−メルカプトニコチン酸、5−カルボキシペンタンチオール、メルカプト酪酸及び4−メルカプトフェニルボロン酸を含む群から選択される、請求項1〜38のいずれか1項に記載の使用。
【請求項40】
前記第1官能基及び前記第2官能基は、前記リガンドLの金属原子(M)で配位されている、請求項1〜39のいずれか1項に記載の使用。
【請求項41】
前記金属原子(M)は、元素周期表における遷移金属の第1、第2又は第3列の金属から選択することができる、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記金属原子は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptを含む群から選択することができる、請求項40又は741に記載の使用。
【請求項43】
前記リガンドLは、前記第1官能基が結合したジピリジル及び/又はターピリジル分子を含む、請求項1〜43のいずれか1項に記載の使用。
【請求項44】
前記ジピリジル及び/又はターピリジル分子の少なくとも1つが、カルボキシル基で置換される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記ジピリジル及び/又はターピリジル分子の少なくとも1つが、ピリジンの窒素に対してパラ位でカルボキシル基によって置換される、請求項43又は44に記載の使用。
【請求項46】
前記リガンドLは、8面体、4面体、長方形平面、正方形平面、両錐三角形、正方形又は長方形の底面を備えたピラミッド形状を含む群から選択された幾何構造を有している、請求項1〜45のいずれか1項に記載の使用。
【請求項47】
前記組成物は、[(HTcterpy)M(CN)]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜46のいずれか1項に記載の使用。
【請求項48】
前記組成物は、[(HTcterpy)M(NCS)]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜47のいずれか1項に記載の使用。
【請求項49】
前記組成物は、[M(HTcterpy)(bpy)NCS]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、bpyは、2,2´−ジピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜478のいずれか1項に記載の使用。
【請求項50】
前記組成物は、M(Hdcb)(NCS)を含み、Hdcbは、2,2´−ジピリジル−4,4´−ジカルボン酸であり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜49のいずれか1項に記載の使用。
【請求項51】
前記組成物は、40nm未満、好ましくは30nm未満の粒子サイズを有している、請求項1〜50のいずれか1項に記載の使用。
【請求項52】
前記組成物は、15nm未満の粒子サイズを有している、請求項1〜51のいずれか1項に記載の使用。
【請求項53】
前記組成物は、少なくとも、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus niger、Pseudomonas、Erwinia amilovora、 Xanthomonas campestrisを含む群から選択した少なくとも1つの微生物を殺すための成分を含んでいる、請求項1〜52のいずれか1項に記載の使用。
【請求項54】
前記局所治療製品は、皮膚科製品を得るのに適した添加物及び/又は活性成分及び/又は賦形剤を更に含む、請求項1〜53のいずれか1項に記載の使用。
【請求項55】
前記局所治療製品は、グリセリン及び/又はアミドプロピレングリコール及び/又はケイ酸マグネシウム及び/又はケイ酸アルミニウム及び/又はワセリン及び/又は流動パラフィン及び/又はステアリルアルコール及び/又はポリエチレングリコールステアレート及び/又はカルボキシポリメチレン及び/又はエデト酸ナトリウムを更に含む、請求項1〜53のいずれか1項に記載の使用。
【請求項56】
水、パルミチン酸イソプロピル、ワセリン、イソヘキサデカン、塩化ベンザルコニウム50%、蜜蝋、PPG−15ステアリルエーテル、PEG−30ジポリヒドロキシステアリン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、2,4ブロモニトロプロパンジオール及び一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有し、AOはTiOであり、Men+はAgClOであり、Lは、TiOとAgClOとの両方への結合に適したリガンドである、褥瘡性潰瘍等の潰瘍を治療するための局所治療製品の使用。
【請求項57】
水、PPG−15−ステアリルエーテル、ステアレス−2、セテアリルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ステアレス21、ジメチコン、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,4ブロモニトロプロパンジオール及び、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有し、AOはTiOであり、Men+はAgClOであり、Lは、TiOとAgClOとの両方への結合に適したリガンドである、にきび疾患を治療するための局所治療製品の使用。
【請求項58】
水、PPG−15−ステアリルエーテル、ステアレス−2、セテアリルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ステアレス21、ジメチコン、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,4ブロモニトロプロパンジオール及び、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含有し、AOはTiOであり、Men+はAgClOであり、Lは、TiOとAgClOとの両方への結合に適したリガンドである、ヘルペス疾患を治療するための局所治療製品の使用。
【請求項59】
前記リガンドLは、4−メルカプトフェニルボロン酸、6−メルカプトニコチン酸、11−メルカプトウンデカン酸、メルカプトコハク酸を含む群から選択される、請求項56〜58のいずれか1項に記載の使用。
【請求項60】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む除臭・防臭製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項61】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む被覆製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項62】
前記組成物を適用する基体手段を更に含む、請求項61に記載の被覆製品。
【請求項63】
前記基体は、タイル手段、パネル手段、テキスタイル手段、皮革コーティング手段、家具手段、プラスチック、セメント、リノリウム、ガラス、木、セラミック、複合材料、ファブリック、天然ゴム、合成ゴム、天然石、大理石、金属、合金、アルミニウム、鉄、テキスタイル、カーペット、ラグを含む群から選択される、請求項61又は62に記載の被覆製品。
【請求項64】
前記製品は塗装製品を含む、請求項61〜63のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項65】
前記製品は透明な塗装製品を含む、請求項61〜64のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項66】
顔料手段を更に含む、請求項64又は65に記載の被覆製品。
【請求項67】
合成樹脂、天然樹脂、アクリル、ポリウレタン、ポリエステル、メラミン、エポキシ、油を含む群から選択されたバインダ手段を更に含む、請求項64〜66のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項68】
タルク、クレイ、石灰、バライトを含む群から選択された充填剤手段を更に含む、請求項64〜67のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項69】
有機溶媒、石油蒸留物、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエーテル、水、合成樹脂、低分子量を有する合成樹脂を含む群から選択された希釈剤手段を更に含む、請求項64〜68のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項70】
顔料、染料、触媒、増粘剤、安定剤、乳化剤、調質剤(texturizer)、接着性促進手段、平坦化剤を含む群から選択された添加剤手段を更に含む、請求項64〜69のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項71】
前記塗装製品は、ニス、ラッカー、ラテックス塗料、エナメル、フィンガーペイント、インク、無黒鉛塗料、防登塗料、ラッカー、フレスコ塗料を含む群から選択される、請求項64〜70のいずれか1項に記載の被覆製品。
【請求項72】
基材と一般式AO−(L−Men+を有する組成物とを含む製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項73】
前記組成物を、流動状態で前記基材に混合する、請求項72に記載の製品。
【請求項74】
前記組成物を、溶融状態で前記基材に混合する、請求項72又は73に記載の製品。
【請求項75】
前記基材は、プラスチック、ガラス、木、セラミック材料、複合材料、テキスタイル、ファブリック、天然ゴム、合成ゴム、天然石、大理石、金属、合金、皮革、履物材料を含む群から選択される、請求項72〜74のいずれか1項に記載の製品。
【請求項76】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む洗浄製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項77】
前記組成物は、少なくとも、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerを含む群から選択した少なくとも1つの生物に対して有効な成分を含んでいる、請求項76に記載の洗浄製品。
【請求項78】
前記洗浄製品は、床用洗剤、皮膚用洗浄剤、シャンプー、食器用洗剤、衣類用洗剤、ガラス用洗剤、ハンドソープ、ヘアコンディショナーを含む群から選択される、請求項76又は77に記載の洗浄製品。
【請求項79】
界面活性剤手段を更に含む、請求項76〜78のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項80】
研磨手段を更に含む、請求項76〜79のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項81】
pH調節手段を更に含む、請求項76〜80のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項82】
前記pH調節手段は、酸及び/又は腐食剤を含む、請求項81に記載の洗浄製品。
【請求項83】
硬水軟化剤を更に含む、請求項76〜82のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項84】
酸化剤を更に含む、請求項76〜83のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項85】
非界面活性剤材料を更に含む、請求項76〜84のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項86】
酵素を更に含む、請求項76〜85のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項87】
発泡性改変手段を更に含む、請求項76〜86のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項88】
蛍光増白剤及び/又は柔軟剤及び/又は着色料及び/又は香料及び/又はエッセンスを更に含む、請求項76〜87のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項89】
ラウレス硫酸ナトリウムを更に含む、請求項76〜88のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項90】
ジステアリン酸グリコールを更に含む、請求項76〜89のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項91】
例えばココナツオイル、亜麻仁油及び/又はトコフェロール等の天然油手段並びに/又はパントテン酸を更に含む、請求項76〜90のいずれか1項に記載の洗浄製品。
【請求項92】
請求項76〜91のいずれか1項に記載の洗浄製品を含む殺菌製品。
【請求項93】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物含むを殺菌製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項94】
少なくとも、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus nigerを含む群から選択した少なくとも1つの生物に有効な成分を更に含んでいる、請求項92又は93に記載の殺菌製品。
【請求項95】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む殺生物製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項96】
前記製品が、農薬、抗真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺藻剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤、殺虫剤、殺鼠剤、抗微生物製品、殺菌剤、抗生物質、抗細菌剤、抗ウィルス剤、抗真菌剤、抗原虫剤、抗寄生虫薬、保存料を含む群から選択される、請求項95に記載の殺生物製品。
【請求項97】
前記製品が、少なくとも、Pseudomonas、Erwinia amilovora、Xanthomonas campestrisを含む群から選択した少なくとも1つの生物に対して有効な成分を含んでいる、請求項95又は96に記載の殺生物製品。
【請求項98】
前記製品は、有機リン系農薬及び/又はカルバメート系農薬を含む、請求項95〜98のいずれか1項に記載の殺生物製品。
【請求項99】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物含むをプロテーゼ製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項100】
前記組成物を、前記プロテーゼ製品のプロテーゼ材料に混合する、請求項99に記載のプロテーゼ製品。
【請求項101】
前記プロテーゼ製品は、歯科用プロテーゼ、骨プロテーゼを含む群から選択される、請求項99又は100に記載のプロテーゼ製品。
【請求項102】
一般式AO−(L−Men+を有する組成物を含む生理用ナプキン製品であり、
AOは金属又はメタロイド酸化物であり、xは、金属(A)原子に結合した酸素原子(O)の数を示し、
Men+は金属イオンであり、
Lは、金属酸化物又はメタロイド酸化物(AO)と金属イオン(Men+)との両方に結合可能な二官能性分子であり、iは、金属酸化物AOに結合した(L−Men+)基の数であり、パラメータiの値は、AOのナノ粒子のサイズ、分子Lの性質等の様々な要因に依存している製品。
【請求項103】
前記組成物を、前記生理用ナプキン製品の吸収材手段に混合する、請求項102に記載の生理用ナプキン製品。
【請求項104】
前記組成物を、前記生理用ナプキン製品の使用者の皮膚と使用において接触させることが意図された、前記生理用ナプキン製品の表面手段に適用する、請求項102〜104のいずれか1項に記載の生理用ナプキン製品。
【請求項105】
前記組成物を、前記生理用ナプキン製品の使用者の皮膚と使用において接触させることが意図された表面手段とは反対側に配置された、前記生理用ナプキン製品の別の表面手段に適用する、請求項102〜104のいずれか1項に記載の生理用ナプキン製品。
【請求項106】
前記組成物は、少なくとも抗細菌性成分を含む、請求項1〜105のいずれか1項に記載の製品。
【請求項107】
前記組成物は、少なくとも抗ウィルス性成分を更に含む、請求項1〜106のいずれか1項に記載の製品
【請求項108】
前記組成物は、少なくとも抗真菌性成分を更に含む、請求項1〜107のいずれか1項に記載の製品。
【請求項109】
前記組成物は、少なくとも抗微生物性成分を更に含む、請求項1〜108のいずれか1項に記載の製品。
【請求項110】
前記組成物は、少なくとも光触媒性成分を更に含む、請求項1〜109のいずれか1項に記載の製品。
【請求項111】
前記組成物は、少なくとも汚染防止性成分を更に含む、請求項1〜110のいずれか1項に記載の製品。
【請求項112】
Men+は、抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は抗ウィルス性を有する金属である、請求項1〜111のいずれか1項に記載の製品。
【請求項113】
Men+は、Ag及びCu++を含む群から選択される、請求項1〜112のいずれか1項に記載の製品。
【請求項114】
AOは、抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は抗ウィルス性及び/又は光触媒性及び/又は汚染防止性を備えた酸化物である、請求項1〜113のいずれか1項に記載の製品。
【請求項115】
AOは、コロイド状シリカ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化スズ及び酸化亜鉛を含む群から選択された酸化物である、請求項1〜114のいずれか1項に記載の製品。
【請求項116】
AOは、チタンが実質的にアナターゼ型である二酸化チタンを含む、請求項1〜115のいずれか1項に記載の製品。
【請求項117】
前記リガンドLに結合したカチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜116のいずれか1項に記載の製品。
【請求項118】
前記カチオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩、好ましくは第四アンモニウム化合物、ベンジルC12−C14、C−アルキルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウムを含む群から選択される、請求項117に記載の製品。
【請求項119】
Lは、前記金属酸化物AOに結合した少なくとも第1官能基と、前記イオンMeに結合した少なくとも第2官能基を含む分子である、請求項1〜118のいずれか1項に記載の製品。
【請求項120】
前記第1官能基は、ボロン酸(−B(OH))及び/又はホスホン酸(−PO)及び/又はカルボキシル(−COOH)官能基を含む、請求項119に記載の製品。
【請求項121】
前記第2官能基は、Cl、Br、I、S、CNS、=N、−NH、CN及びNCSを含む群から選択することができる、請求項119又は120に記載の製品。
【請求項122】
前記リガンドLは、6〜18員を有する窒素含有複素環を含む群から選択される、請求項1〜121のいずれか1項に記載の製品。
【請求項123】
前記窒素含有複素環の少なくとも1つは、カルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)を含む群から選択された1つ以上の置換基で置換される、請求項122に記載の製品。
【請求項124】
前記リガンドLは、C〜C18アリールを含む群から選択される、請求項1〜123のいずれか1項に記載の製品。
【請求項125】
前記C〜C18アリールの少なくとも1つは、フェニル、ナフチル及びビフェニルを含む群から選択される、請求項124に記載の製品。
【請求項126】
前記アリールの少なくとも1つは、カルボキシル(−COOH)、ボロン酸(−B(OH))、ホスホン酸(−PO)、メルカプタン(−SH)及びヒドロキシル(−OH)を含む群から選択された1つ以上の置換基によって置換される、請求項124又は125に記載の製品。
【請求項127】
前記リガンドLは、C〜C18カルボン酸、好ましくはモノカルボン酸及びジカルボン酸を含む群から選択することができる、請求項1〜126のいずれか1項に記載の製品。
【請求項128】
前記カルボン酸の少なくとも1つは、1つ以上のメルカプタン基(−SH)及び/又はヒドロキシル基(−OH)によって置換される、請求項127に記載の製品。
【請求項129】
前記リガンドLは、カルボキシル基、ボロン酸基又はホスホン酸基で官能化されたピリジン、ジピリジル及びターピリジル;メルカプトコハク酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトフェノール、6−メルカプトニコチン酸、5−カルボキシペンタンチオール、メルカプト酪酸及び4−メルカプトフェニルボロン酸を含む群から選択される、請求項1〜128のいずれか1項に記載の製品。
【請求項130】
前記第1官能基及び前記第2官能基が、前記リガンドLの金属原子で配位されている、請求項119〜121のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項127が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項127又は128、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項129、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123に記載の製品。
【請求項131】
前記金属原子は、元素周期表における遷移金属の第1、第2又は第3列の金属から選択することができる、請求項130に記載の製品。
【請求項132】
前記金属原子は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptを含む群から選択することができる、請求項130又は131に記載の製品。
【請求項133】
前記リガンドは、前記第1官能基が結合したジピリジル及び/又はターピリジル分子を含む、請求項119〜121のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項127が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項127又は128、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項129、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら、請求項122又は123、又は請求項124が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項124〜126のいずれか1項、又は請求項122が請求項119〜121のいずれか1項に付加されるなら請求項122又は123、又は請求項130〜132のいずれか1項に記載の製品。
【請求項134】
前記ジピリジル及び/又はターピリジル分子の少なくとも1つが、カルボキシル基で置換される、請求項133に記載の製品。
【請求項135】
前記ジピリジル及び/又はターピリジル分子の少なくとも1つが、ピリジンの窒素に対してパラ位でカルボキシル基によって置換される、請求項133又は134に記載の製品。
【請求項136】
前記リガンドLは、8面体、4面体、長方形平面、正方形平面、両錐三角形、正方形又は長方形の底面を備えたピラミッド形状を含む群から選択された幾何構造を有する、請求項1〜135のいずれか1項に記載の製品
【請求項137】
前記組成物は、[(HTcterpy)M(CN)]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜136のいずれか1項に記載の製品。
【請求項138】
前記組成物は、[(HTcterpy)M(NCS)]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜137のいずれか1項に記載の製品。
【請求項139】
前記組成物は、[M(HTcterpy)(bpy)NCS]TBAを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、bpyは、2,2´−ジピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜138のいずれか1項に記載の製品。
【請求項140】
前記組成物は、M(Hdcb)(NCS)を含み、Hdcbは、2,2´−ジピリジル−4,4´−ジカルボン酸であり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項1〜139のいずれか1項に記載の製品。
【請求項141】
前記組成物は、40nm未満、好ましくは30nm未満の粒子サイズを有している、請求項1〜140のいずれか1項に記載の製品。
【請求項142】
前記組成物は、15nm未満の粒子サイズを有している、請求項1〜141のいずれか1項に記載の製品。
【請求項143】
前記組成物は、少なくとも、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus niger、Pseudomonas、Erwinia amilovora、Xanthomonas campestrisを含む群から選択した少なくとも1つの微生物を殺すための成分を含んでいる、請求項1〜142のいずれか1項に記載の製品。
【請求項144】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えた材料。
【請求項145】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えた、プロテーゼ手段。
【請求項146】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えた、手術器具。
【請求項147】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えたフィルター手段。
【請求項148】
請求項147に記載のフィルター手段を含む、空調システム。
【請求項149】
空気が流れる導管手段及び前記空気を前記導管内で動かすための移動手段を含み、前記空気と接触している前記導管手段の少なくとも部品手段が、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段で被覆されている空調システム。
【請求項150】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えた、生理用ナプキン手段。
【請求項151】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を含む被覆手段を備えた、リネン手段。
【請求項152】
抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は自浄性及び/又は汚染防止性被覆手段を得るための、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品の使用。
【請求項153】
前記被覆手段は、タイル手段、パネル手段、リノリウム、ラグ、カーペット、大理石板、塗装手段、家具手段を含む群から選択される、請求項152に記載の使用。
【請求項154】
抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は自浄性及び/又は汚染防止性座席手段を得るための、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品の使用。
【請求項155】
抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性及び/又は自浄性及び/又は汚染防止性表面を得るための、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品の使用。
【請求項156】
前記表面が壁表面である、請求項155に記載の使用。
【請求項157】
前記表面が、手術室の表面である、請求項155に記載の使用。
【請求項158】
前記表面が、食肉処理場の表面である、請求項155に記載の表面。
【請求項159】
前記表面が、公共施設、学校、病院、体育館、水泳プール、公衆トイレ、病院、アンビュラトリー(回廊)、食堂、カンティーン(canteen)、レストラン、ホスピスを含む群から選択された施設の部屋の表面である、請求項155に記載の使用。
【請求項160】
前記表面が、工場、例えば、食品工場、製菓工場、製薬工場、食品梱包工場を含む群から選択された工場の部屋の表面である、請求項155に記載の使用。
【請求項161】
前記表面が、輸送手段の表面である、請求項155に記載の使用。
【請求項162】
表面を再生するための、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品の使用。
【請求項163】
前記表面は、輸送手段表面、例えば手術室、食肉処理場、公共施設、学校、病院、体育館、水泳プール、公衆トイレ、病院、アンビュラトリー、食堂、カンティーン、レストラン、ホスピス、食品、製菓工場、製薬工場、食品梱包工場の壁表面を含む群から選択される、請求項162に記載の使用。
【請求項164】
履物手段を得るための、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品の使用。
【請求項165】
細菌、真菌、海綿動物、ウィルス、カビを含む群から選択された少なくとも1つの生物を殺すための、請求項76〜95のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品の使用。
【請求項166】
皮膚及び/又は髪を洗うための、請求項76〜95のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品の使用。
【請求項167】
表面を再生するための、請求項76〜95のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品の使用。
【請求項168】
前記表面が、タイル手段、パネル手段、家具手段、座席手段、壁表面を含む群から選択された基体の表面である、請求項167に記載の使用。
【請求項169】
前記表面が、手術室、食肉処理場、公共施設、学校、病院、体育館、水泳プール、公衆トイレ、病院、アンビュラトリー、食堂、カンティーン、レストラン、ホスピス、工場、食品工場、製菓工場、製薬工場、食品梱包工場、輸送手段を含む群から選択された施設の表面である、請求項167に記載の使用。
【請求項170】
HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Staphilococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus niger、Pseudomonas、Erwinia amilovora、Xanthomonas campestrisを含む群から選択された少なくとも1つの微生物を殺すための、請求項76〜95のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品の使用。
【請求項171】
手術器具を殺菌するための、請求項76〜95のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺菌製品の使用。
【請求項172】
植物、花、木を処理するための、請求項95〜98のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺生物製品の使用。
【請求項173】
細菌、真菌、カビ、海綿動物、ウィルスを殺すための、請求項95〜98のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺生物製品の使用。
【請求項174】
Pseudomonas、Erwinia amilovora、Xanthomonas campestrisを含む群から選択した生物を殺すための、請求項95〜98のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺生物製品の使用。
【請求項175】
表面手段に仕上げを施すための方法は、前記表面手段を、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品で、少なくとも部分的に被覆することを含む。
【請求項176】
アイテムに仕上げを施すための方法は、前記アイテムを、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品で、少なくとも部分的に被覆することを含む。
【請求項177】
手術器具手段を作成する方法は、前記手術器具手段を、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品で、少なくとも部分的に被覆することを含む。
【請求項178】
前記部分被覆は、前記被覆製品を、患者の組織と接触させることが意図された、前記手術器具手段の少なくとも活動部位上に適用することを含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
プロテーゼ手段を作成する方法は、前記プロテーゼ手段を、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品で、少なくとも部分的に被覆することを含む。
【請求項180】
フィルター手段を作成する方法は、前記フィルター手段を、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品で、少なくとも部分的に被覆することを含む。
【請求項181】
前記部分被覆は、前記被覆製品を、前記フィルター手段を流れる媒体と接触させることが意図された、前記フィルター手段の少なくとも活動表面上に適用することを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記部分被覆は、前記被覆製品を噴霧することを含む、請求項175〜181のいずれか1項に記載の方法。
【請求項183】
前記被覆製品による前記部分被覆の前にプライマ手段を更に適用する、請求項175〜181のいずれか1項に記載の方法。
【請求項184】
局所治療製品を調製するための方法は、一般式AO−(L−Men+を有する組成物を添加することを含む。
【請求項185】
前記調製が、にきび疾患及び/又はヘルペス疾患及び/又は潰瘍、特に褥瘡性潰瘍及び/又は皮膚過敏症及び/又は皮膚炎症及び/又は皮膚擦過傷及び/又は皮膚擦創を治療するための局所治療製品を得ることを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記調製が、鎮痛性の局所治療製品を得ることを含む、請求項184に記載の方法
【請求項187】
前記調製が、瘢痕化局所治療製品を得ることを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項188】
前記調製が、熱傷用局所治療製品を得ることを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項189】
前記調製が、除臭・防臭局所治療製品を得ることを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項190】
前記調製が、抗ウィルス性及び/又は抗細菌性及び/又は抗微生物性及び/又は抗真菌性を有する局所治療製品を得ることを含む、請求項184〜189のいずれか1項に記載の方法。
【請求項191】
前記局所治療製品の特性を強化するための少なくとも第四アンモニウム塩を更に添加することを更に含む、請求項184〜190のいずれか1項に記載の方法。
【請求項192】
前記の更なる添加が、塩化ベンザルコニウム等の少なくとも塩化アンモニウム塩を更に添加することを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物の前記添加が、Ag及びCu++を含む群から選択されたMen+を加えることを含む、請求項184〜192のいずれか1項に記載の方法。
【請求項194】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物の前記添加が、コロイド状シリカ、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化スズ及び酸化亜鉛を含む群から選択されたAOを更に加えることを含む、請求項184〜193のいずれか1項に記載の方法。
【請求項195】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物の前記添加が、チタンが実質的にアナターゼ型である二酸化チタンをAOとして更に加えることを含む、請求項184〜193のいずれか1項に記載の方法。
【請求項196】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物の前記添加が、好ましくはカルボキシル基、ボロン酸基又はホスホン酸基で官能化されたピリジン、ジピリジル又はターピリジル;メルカプトコハク酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトフェノール、6−メルカプトニコチン酸、5−カルボキシペンタンチオール、メルカプト酪酸及び4−メルカプトフェニルボロン酸を含む群から選択された有機及び/又は有機金属リガンドLを更に一層加えることを含む、請求項184〜195のいずれか1項に記載の方法。
【請求項197】
一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物の前記添加が、リガンドLとして4−メルカプトフェニルボロン酸を更に一層加えることを含む、請求項184〜195のいずれか1項に記載の方法。
【請求項198】
カチオン性界面活性剤を前記組成物に混合することを更に含む、請求項184〜197のいずれか1項に記載の方法。
【請求項199】
前記混合が、アルキルアンモニウム塩、好ましくは第四アンモニウム化合物、ベンジルC12−C14、C−アルキルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウムを含む群から選択されたカチオン性界面活性剤を混合することを含む、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
前記添加が、[(HTcterpy)M(CN)]TBAを添加することを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項184〜199のいずれか1項に記載の方法。
【請求項201】
前記添加が、[(HTcterpy)M(NCS)]TBAを添加することを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項184〜199のいずれか1項に記載の方法。
【請求項202】
前記添加が、[M(HTcterpy)(bpy)NCS]TBAを添加することを含み、HTcterpyは、4,4´,4´´−トリカルボキシターピリジルであり、bpyは、2,2´−ジピリジルであり、TBAは、テトラブチルアンモニウムカチオンであり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項184〜199のいずれか1項に記載の方法。
【請求項203】
前記添加が、M(Hdcb)(NCS)を添加することを含み、Hdcbは、2,2´−ジピリジル−4,4´−ジカルボン酸であり、Mは金属原子であり、この金属原子で前記リガンドLの第1官能基及び第2官能基が配位されている、請求項184〜199のいずれか1項に記載の方法。
【請求項204】
前記添加が、HSV−1(単純ヘルペスウィルス1型)、アデノウィルス、ポリオウィルス、鳥ウィルス、Legionella pneumophila、Pseudomonas aeruginosa、Stapiylococcus aureus、Enterococcus faecalis、Escherica coli、Salmonella enteridis D1、Listeria monocytogenes、Candida albicans、Aspergillus niger、Pseudomonas、Erwinia amilovora、Xanthomonas campestrisを含む群から選択した少なくとも1つの微生物を殺すための成分を有する組成物を添加することを含む、請求項184〜203のいずれか1項に記載の方法。
【請求項205】
皮膚科製品を得るのに適した添加剤及び/又は活性成分及び/又は賦形剤を、一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物に更に混合することを更に含む、請求項184〜204のいずれか1項に記載の方法。
【請求項206】
グリセリン及び/又はアミドプロピレングリコール及び/又はケイ酸マグネシウム及び/又はケイ酸アルミニウム及び/又はワセリン及び/又は流動パラフィン及び/又はステアリルアルコール及び/又はポリエチレングリコールステアレート及び/又はカルボキシポリメチレン及び/又はエデト酸ナトリウムを一般式AO−(L−Men+を有する前記組成物に更に混合することを更に含む、請求項184〜205のいずれか1項に記載の方法。
【請求項207】
前記調製が、除臭・防臭製品を製造することを含む、請求項184〜206のいずれか1項に記載の方法。
【請求項208】
局所治療製品を調製するための方法は、水、パルミチン酸イソプロピル、ワセリン、イソヘキサデカン、塩化ベンザルコニウム50%、蜜蝋、PPG−15ステアリルエーテル、PEG−30ジポリヒドロキシステアリン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、2,4ブロモニトロプロパンジオール及び一般式AO−(L−Men+を有し、AOはTiOであり、Men+はAgClOであり、Lは、TiOとAgClOとの両方への結合に適したリガンドである組成物を混合することを含む。
【請求項209】
前記調製が、潰瘍用の局所治療製品を製造することを含む、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
局所治療製品を調製するための方法は、にきび疾患を治療するために、水、PPG−15−ステアリルエーテル、ステアレス−2、セテアリルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ステアレス21、ジメチコン、メチルパラベン、プロピルパラベン、クエン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,4ブロモニトロプロパンジオール及び、一般式AO−(L−Men+を有し、AOはTiOであり、Men+はAgClOであり、Lは、TiOとAgClOとの両方への結合に適したリガンドである組成物を混合することを含む。
【請求項211】
前記調製が、にきび用の局所治療製品を製造することを含む、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記調製が、ヘルペス用の局所治療製品を製造することを含む、請求項211に記載の方法。
【請求項213】
被覆手段を調製するための方法は、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を添加することを含む。
【請求項214】
塗装製品を調製するための方法は、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を添加することを含む。
【請求項215】
顔料手段及び/又はバインダ手段及び/又は充填剤手段及び/又は希釈剤手段及び/又は添加剤手段を更に添加することを更に含む、請求項214に記載の方法。
【請求項216】
洗浄手段を調製するための方法は、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を添加することを含む。
【請求項217】
界面活性剤手段及び/又は研磨手段及び/又はpH調節手段及び/又は硬水軟化剤手段、酸化剤手段、非界面活性剤手段、酵素、発泡性改変手段、蛍光増白剤及び/又は着色手段及び/又は香料手段及び/又はエッセンス手段を更に添加することを更に含む、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
ラウレス硫酸ナトリウム及び/又はジステアリン酸グリコール及び/又は天然油手段及び/又はココナッツオイル及び/又は亜麻仁油及び/又はトコフェロール及び/又はパントテン酸を更に添加することを更に含む、請求項216又は請求項217に記載の方法。
【請求項219】
殺菌製品を調製するための方法は、請求項76〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺菌製品を添加することを含む。
【請求項220】
アイテムを洗浄するための方法は、前記アイテムを、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品と接触させることを含む。
【請求項221】
前記接触は、前記洗浄製品を前記アイテムに噴霧することを含む、請求項220に記載の方法。
【請求項222】
前記接触は、前記アイテムを前記洗浄製品中へと少なくとも部分的に含浸させることを含む、請求項220に記載の方法。
【請求項223】
前記少なくとも部分的な含浸は、前記アイテムの活動部位を前記洗浄製品内へと含浸させることを含む、請求項222に記載の方法。
【請求項224】
前記洗浄は、前記アイテムを殺菌することを含む、請求項220〜223のいずれか1項に記載の方法。
【請求項225】
殺生物手段を調製するための方法は、請求項95〜98のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の殺生物製品を添加することを含む。
【請求項226】
プロテーゼ手段を調製するための方法は、請求項99〜101のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載のプロテーゼ製品を添加することを含む。
【請求項227】
前記添加は、前記プロテーゼ製品を、前記プロテーゼ手段の表面手段に適用することを含む、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
前記添加は、前記プロテーゼ製品を、前記プロテーゼ手段のプロテーゼ材料に混合することを更に含む、請求項226又は227に記載の方法。
【請求項229】
生理用ナプキン手段を作製するための方法であり、前記生理用ナプキン手段の吸収手段に、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を混合することを含む方法。
【請求項230】
生理用ナプキン手段を作製するための方法であり、前記生理用ナプキン手段の吸収手段に、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を適用することを含む方法。
【請求項231】
生理用ナプキン手段を作製するための方法であり、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を、前記生理用ナプキン手段の使用者の皮膚と使用において接触させることが意図された、前記生理用ナプキン手段の表面手段に適用することを含む方法。
【請求項232】
前記生理用ナプキン手段の吸収手段に、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を混合することを更に含む、請求項231に記載の方法。
【請求項233】
前記生理用ナプキン手段の吸収手段に、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を適用することを更に含む、請求項231又は232に記載の方法。
【請求項234】
請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を、前記生理用ナプキン手段の使用者の皮膚と使用中に接触させることが意図された表面手段とは反対側に配置された、前記生理用ナプキン手段の別の表面手段に更に適用することを更に含む、請求項229〜233のいずれか1項に記載の方法。
【請求項235】
生理用ナプキン手段を衛生化するための方法であり、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を、前記生理用ナプキン手段に適用することを含む方法。
【請求項236】
リネン手段を作製するための方法は、前記リネン手段のファブリック手段に、請求項75〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を混合することを含む。
【請求項237】
リネン手段を作製するための方法であり、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を、前記リネン手段の表面手段に適用することを含む方法。
【請求項238】
リネン手段を衛生化するための方法であり、請求項715〜94のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の洗浄製品を、前記リネン手段に適用することを含む方法。
【請求項239】
前記適用及び/又は前記の更なる適用が、前記被覆製品の噴霧を含む、請求項233、234、237又は238に記載の方法。
【請求項240】
履物手段を作製するための方法であり、前記履物手段の表面手段に、請求項61〜71のいずれか1項又は請求項106〜143のいずれか1項に記載の被覆製品を適用することを含む方法。
【請求項241】
前記適用が、前記被覆製品を、前記履物手段の使用者と使用において接触させることが意図された前記履物手段の表面手段に適用することを含む、請求項240に記載の方法。
【請求項242】
材料を調製するための方法であり、前記材料に、請求項1〜143のいずれか1項に記載の製品を混合することを含む方法。
【請求項243】
前記混合が、前記製品を前記材料に溶融状態で混合することを含む、請求項242に記載の方法。
【請求項244】
前記材料が、プラスチック、ガラスを含む群から選択される、請求項242又は請求項2437に記載に記載の方法。
【請求項245】
請求項1〜143のいずれか1項に記載の製品を修復するための方法は、前記製品を、前記金属イオンMen+のアルコール溶液と接触させることを含む方法。
【請求項246】
前記接触は、前記製品を前記溶液内へと含浸させることを含む、請求項245に記載の方法。
【請求項247】
前記接触は、前記製品を前記溶液で濡らすことを含む、請求項246に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−505887(P2010−505887A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531723(P2009−531723)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067361
【国際公開番号】WO2008/043396
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(509103440)エヌエム テック ナノマテリアルズ マイクロディバイス テクノロジー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】